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1960/06/06 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第19号
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1960/06/06 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第19号

#1
第038回国会 外務委員会 第19号
昭和三十六年六月六日(火曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
六月一日委員笹森順造君辞任につき、
その補欠として泉山三六君を議長にお
いて指名した。
六月二日委員泉山三六君辞任につき、
その補欠として笹森順造君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           青柳 秀夫君
           井上 清一君
           森 元治郎君
   委員
           草葉 隆圓君
           杉原 荒太君
           苫米地英俊君
           永野  護君
           堀木 鎌三君
           加藤シヅエ君
           羽生 三七君
           曽祢  益君
           佐藤 尚武君
   委員外議員
           永岡 光治君
  国務大臣
   外 務 大 臣 小坂善太郎君
  政府委員
   外務政務次官  津島 文治君
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   外務省経済局長 牛場 信彦君
   外務省条約局長 中川  融君
   郵政省電気通信
   監理官     松田 英一君
   郵政省貯金局長 大塚  茂君
   郵政省電波監理
   局長      西崎 太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       結城司郎次君
  説明員
   外務省経済局次
   長       高野 藤吉君
   外務省条約局外
   務参事官    東郷 文彦君
   農林省農林経済
   局参事官    松岡  亮君
   郵政省電波監理
   局次長     浅野 賢澄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国とオーストラリア連邦との間
 の国際郵便為替の交換に関する約定
 の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○日本国とパキスタンとの間の国際郵
 便為替の交換に関する約定の締結に
 ついて承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○国際電気通信条約の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
○日本国とフィリピン共和国との間の
 友好通商航海条約の締結について承
 認を求めるの件(内閣送付、予備審
 査)
○第二次国際すず協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣送付、予備
 審査)
○関税及び貿易に関する一般協定に附
 属する第三十八表(日本国の譲許
 表)に掲げる譲許を修正し、又は撤
 回するためのアメリカ合衆国との交
 渉の結果に関する文書の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣送付、予
 備審査)
○関税及び貿易に関する一般協定に附
 属する第三十八表(日本国の譲許
 表)に掲げる譲許を修正し、又は撤
 回するためのドイツ連邦共和国との
 交渉の結果に関する文書の締結につ
 いて承認を求めるの件(内閣送付、
 予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、及び国際電気通信条約の締結について承認を求めるの件、以上衆議院送付の三件。及び日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、及び関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、以上予備審査の四件。七件を一括議題といたしたいと存じます。
 まず、国際電気通信条約について、政府委員から補足説明を聴取いたしたいと存じます。
#3
○政府委員(松田英一君) 先般外務大臣からの提案理由の御説明をいたしました、その中にも述べておられましたように、国際電気通信条約は、国際電気通信連合の基本文書でございまして、昭和三十四年の十月末から十二月の末までジュネーブで開かれました全権会議において署名せられましたものでございます、
 本条約は、形といたしましては、全文改正の形をとっておりますけれども、実際問題といたしましては、一九五二年にブエノスアイレスにおいて締結せられました国際電気通信条約の改正になるわけでございます。改正の内容といたしましては、本条約は、大体において国際電気通信連合の目的とか組織運営を定めておりますほかに、国際電気通信の基本規定の中に含んでいるものでございますけれども、今回改正になりました主要点は、連合の目的とか組織とか運営とかに関しまする部分が主でございまして、電気通信の基本規定に関する部分につきましては、ほとんど従来のものが踏襲されたわけでございます。
 改正になりましたおもな内容は、事柄といたしまして、機構に関するものといたしましては、つまり管理理事会とか、あるいは常設機関とかいうようなものに関しまする改正とか、あるいは新興独立国に対する技術援助を強化するような問題とか、あるいは予算制度の改正とか、職員の給与につきましての改正とか、こういう点がおもな点でございます。
 それの内容につきまして概略御説明申し上げますと、まず、国際電気通信連合の後進国に対する技術援助を充実するということを目途といたしまして、国際電気通信連合の目的の中にも、そういうことを明らかに明文化いたしまして、今後そういう方面に重点を置いていこうという気配を示しますと同時に、また管理理事会とか、あるいは国際諮問委員会とか、あるいは事務総局とかという関係機関の任務につきましても、同様の意味から、権限を追加したわけでございます。
 それから、本連合の理事機関である管理理事会の構成を、従来は十八カ国でございましたけれども、これを二十五カ国に増加したわけでございます。主としてアフリカ方面に独立国がたくさんできましたことを考慮いたしまして、アフリカ方面というものを一つの選挙地域として認められまして、そういうことを考慮いたしまして、各地域に一、二名ずつ増加がありまして、二十五カ国となったわけでございます。さらに、今回わが国も初めて理事国に選挙をせられましたわけでございます。
 それから、I・F・R・Bと申しまして、国際周波数登録委員会でございますが、これの委員の選挙方法につきまして、従来は、大体国を選びまして、その国から委員を推薦させるという方式であったのでございますけれども、この委員会の性格にかんがみまして、いま少し個人的な方面に重点を置くことにいたしまして、各国から個人を推薦するということで、その推薦した個人につきまして選挙をいたしまして委員をきめるということで、改正になったわけでございます。その結果、この全権会議と同時に行なわれました無線通信会議におきましては、具体的な選挙が行なわれるわけでございますが、わが国から推薦いたしました長谷慎一氏がこの委員に当選いたしたわけでございます。
 次に、事務総局長及び次長は、従来は理事会で選挙をいたしておりましたのを、全権会議で選挙することにいたしまして、より事務総局長等の地位を重からしめて、今後の活動に備えるという点もございます。
 それから、予算の仕組みの問題でございますが、従来は、主として人件費とか事務費とかの運営に要する経費に対する通常経費と、それから、会議及び会合に関しまする臨時経費という二つに分けて予算が組まれておりましたけれども、今回それを統合いたしまして、一本として総合予算制度をとるということで、各国に対する経費の分担等を明確にすると同時に、この連合の運営に対する財政面をいま少しわかりやすくするというふうな意味での改正があったわけでございます。
 それから、職員の給与につきましては、従来国際電気通信連合は独自の給与制度をもっておりましたけれども、国連との人事交流を容易にしたり、また、優秀な人員を確保するために、国連の共通制度に沿うように改めるということが、今度の全権会議できまったわけでございまして、この条約にもその趣旨が盛り込まれてあるわけであります。
 以上が本条約の改正点といたしましておもな内容でございます。
 なお、細部にわたりましては、まだいろいろとあるかと思いますけれども、御質問によりましてお答え申し上げます。
#4
○委員長(木内四郎君) 次に、第二次国際すず協定について、政府当局から補足説明を聴取いたしたいと思います。
#5
○説明員(高野藤吉君) 第二次国際すず協定につきまして、補足的に御説明申し上げます。
 第一次国際すず協定は、一九五六年に有効期間五年をもって発効いたしまして、今度が二回目の協定でございます。昨年の六月二十四日国連すず会議に採択されまして、昨年九月――十二月の署名期間中に二十一カ国の署名を得て、本年六月までに生産国が六カ国、消費国が九カ国、批准書または受諾書の寄託を提出すれば、七月一日から発効する予定になっておるわけであります。
 この協定の内容は、一般の商品価格、すなわち、日本が現在参加いたしておりまする砂糖とか小麦とかの商品協定と同じようなものでございまして、生産国、消費国、ないしは輸出国、輸入国がお互いに協調いたしまして、第一次産品の価格の暴騰ないし暴落を防ごうというために、こういう協定を結んでおる次第でございます。
 本協定の価格の規制といたしましては、主として緩衝在庫と申しますか、約二万トン相当のストックを持ちまして、すずの価格の変動によりまして、高いときにはこれを売り出す、暴落したときにはこれを緩衝在庫が買うという仕組みになっているのが一つと、それから、輸出国におきまして、輸出の数量を規制するということで、大体すずの価格を一トン最高が八百八十ポンド、最低が七百三十ポンドの範囲内に押えようとするのが趣旨でございます。
 御参考までに、日本は、現在は消費が約一万一千七百トンでございまして、生産が約一千三百トン、九〇%以上輸入いたしておりまして、約九千トンを主としてマレーから輸入いたしておる次第であります。
 以上、簡単でありますが、御説明いたします。
#6
○委員長(木内四郎君) 次に、アメリカ合衆国とのガット譲許表修正文書、及びドイツ連邦共和国とのガット譲許表修正文書の両件について、政府当局から補足説明を聴取いたします。
#7
○説明員(高野藤吉君) アメリカ及びドイツ国のガット譲許表修正ないし撤回のための交渉につきまして、補足的に御説明申し上げます。
 御承知のように、ガットは、お互いに関税を引き下げて貿易を増大しようという趣旨でできておりまして、そのガットの関税交渉には、お互いに下げる場合、ガット加入の場合に関税交渉して下げる場合と、それから、今度御審議願っておりまする、一応下げた、ないしは相手の国に対して譲許したもので、その後の国内情勢に応じまして、どうしても上げなければならないという場合が出て参ります。ガット上これを三年ごとに交渉することになっておりまして、昨年の九月以来、日本は、アメリカとドイツと、あるものにつきまして上げる交渉をいたしまして、その代償として、ほかのものにつきまして、下げる交渉をいたしたわけでございます。今回の交渉の結果、アメリカとは大豆がおもなものでございまして、それ以外に、工作機械等二十四品目、その貿易量におきましては約一億一千五百万ドル、それに見合う代償といたしまして、十九品目下げまして、それでようやくアメリカとの話は四月十日に妥結いたしまして、国会の御審議を通りますれば、大豆等につきましては、七月一日から、この関税を適用すると同時に、自由化いたしたいと考えておる次第でございます。
 それから、ドイツにつきましても、自動車、工作機械、約十二品目、これは対米と交渉した同じ品目でございましたが、最初関税交渉いたしましたときに、ドイツに対しても譲許しているということにいたしている次第でございまして、その金額が約三千九百万ドル、これに見合う代償として同じく十二品目、三千六百万ドルという品目の代償の関税を引き下げまして、これも四月末日に交渉が妥結いたしまして、これも同時に御審議をお願いいたしたいと思う次第でございます。
#8
○委員長(木内四郎君) それでは、御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#9
○羽生三七君 今のアメリカとの関係ですが、大豆の輸入自由化は、今度の農基法の審議の上からでも、いろいろ自由化のことが問題になる。またその他の機会にも、いろいろとこの点は問題にされておる点ですが、それらの点について、一体これは、外務省でそういうことが十分に答弁ができるかどうかわかりませんが、日本農業に及ぼす影響、その弊害、影響をチェックする具体的な対策等はどうなっておるのか。その点を少し明らかにしていただきたい。
#10
○国務大臣(小坂善太郎君) 大豆は、御承知のように、アメリカだけがFA制になっているわけでございまして、他はAA制、自由化になっているわけでございます。そこで、アメリカの方も非常にやかましく申しますし、どうも全般の輸出を伸ばすという見地からいうと、世界の趨勢に沿う方がいいのじゃないかということもございまして、大豆を含む十九品目の関税を上げて自由化に振り向けるということにしたわけであります。先ほどの説明で、ちょっと落ちておりましたが、十九品目の関税を上げまして、一応一億一千五百万ドル相当の従来の実績のあるものについて関税引き上げをやるわけですが、逆に関税を引き下げるところの品目が十九品目ございますが、これは約半分、五千五百万ドルぐらいでございまして、従って、この交渉は、割合にわが方に有利に行ったのではないかと思っておるわけでございます。そこで、この大豆の問題ですが、大豆は、国内対策をやはり考えなければならぬことは当然でございまして、この自由化に伴いまして、国内産の大豆及び菜種の生産農家の所得の減少が見込まれますので、農家所得の安定に資するために、国産大豆及び菜種についての交付金を交付することにいたしまして、この御審議をいただきました予算の中に三十億円を計上しておるわけでございます。なお、日本の大豆について、いろいろの品種がございますわけですが、羽生先生、お互いの信州大豆は、割合にその点は、品質がよくて、こういうものはそう困らないのですが、ものによりまして、十勝小粒というようなものは、非常に現在工合が悪い点もございます。そういう点については、品種改良をやるということが当然必要なわけでございますから、それの対策強化のために、九千八百万円というものを三十六年度に計上いたしまして、競争力の強化のための金を組んでおるわけでございます。
 なお、国内の支持価格が二千二百円でございますが、これは、三十五年度についてはそれを出すということを大蔵、農林両大臣言明をいたしております。それから、三十六年度のものについては三千二十円となっておりまするが、予算上の措置でございまして、これは出来秋の様子を見て、そのときに上げるというようなことがあればその相談をすると、かようなことになっておる次第でございます。
#11
○井上清一君 同様な問題ですが、今度は自動車について譲許するわけでございますが、乗用車については、西ドイツのたとえばベンツとかフォルクスワーゲンというものがだいぶ入ってくることになると思いますが、日本の自動車業界に及ぼす影響について伺いたいと思います。
#12
○説明員(高野藤吉君) 自動車につきましては、簡単に申し上げますと、大型車、中型車、小型車がございまして、今まで中型車につきましても三五%を譲許しておりましたのですが、だんだん日本の自動車工業も進みましたので、中型車の三五%の譲許を撤回いたしまして、従って、国定税率の四〇%が適用することとなっております。そのかわり、ほかのものでこちらが譲った、こういう格好になっております。
#13
○羽生三七君 それで、先ほどの大豆輸入自由化の場合に、今の当面の施策は、今大臣からお話がありましたが、具体的に、この輸入の量などはどの程度見込まれるのか。これは、市場の需給関係にもよりますけれども、そういう点のもう少し具体的なことを、これは大臣でなくて、政府委員からでいいのですが、具体的に少し伺わしていただきたい。
#14
○説明員(松岡亮君) 現在におきましては、大体毎年百万トン程度大豆を輸入しておるのでございます。自由化された場合、これは若干ふえるかと存じます。いろいろ予算の算定の基礎などで見ておりますのは、百二十万トン程度になるのではないかと、かように考えております。
#15
○羽生三七君 それで、先ほど大臣のお話の、この当面の対策で、実際問題で日本農民の受ける影響というものはチェックできて、何らの支障はないのかどうか、その辺はどうでありますか。
#16
○説明員(松岡亮君) 大豆の輸入が二割程度ふえると、こう一応の見込みを立てたのでありますけれども、これは、日本におきます輸出産業は、原料を海外の産品に仰ぐことが多いのでございます。その結果としまして、大豆が自由化されたために輸入量がふえますと、ほかの輸入原料を食うことも考えられる。そういうようなことも考えまして、二割増程度を見たのでございますが、国内の方につきましては、関税の引き上げと交付金の措置によって、大体従来の農業所得の確保はできるものと、かように考えております。
#17
○羽生三七君 そうすると、国内支持価格が三千二百円という場合、この政府の関税の引き上げと、それから交付金と、どういう工合に割り振りになるのか、ちょっと不勉強で具体的にわからないので、その辺、もう少し詳しく御説明願いたい。
#18
○説明員(松岡亮君) これは、輸入価格のいかんによって変わってくるのでございますが、大体一三%の関税をかけますと、三千二百円の支持価格に対しまして、それだけ交付金の額が少なくて済む。一方、これは決してそれ自体が目的ではございませんけれども、関税を引き上げることによって歳入もふえるというようなこともございまして、その辺のかね合いで一三%ということもきまりましたし、また、三千二百円の支持価格を支持して参るには支障ないと、かように考えておるのでございます。
#19
○羽生三七君 そうすると、実質的に農家の手取りは、現状と、今度のこの改正による影響を見た場合、全然影響はないのかどうか、その辺はどうですか。
#20
○説明員(松岡亮君) 過去三カ年の農家の手取り価格は、統計をまあ平均してみましたところでは、大体三千二百円前後の価格になっております。そのことから、三十五年産大豆につきましては、三千二百円の価格で支持を行なえば、ほぼ従来の所得を確保できる、かように考えておるわけでございます。
#21
○永野護君 カンボジアに対する十五億円の贈与ですが、国会できまっておったようですが、あれはどうなりましたでしょうか。
#22
○国務大臣(小坂善太郎君) カンボジアの方は、御承知のように、三年間十五億円ということでございますが、この援助は第二年度に入っておるわけでございます。しかし、この大宗は、御承知のように、農業技術センター、種畜場、診療所の建設でございます。すでに農業技術者十四名が派遣されておりまして、本年四月末現在支払い済みの額が五億円ということになっております。まだ十億円残っておるわけでございます。
#23
○永野護君 私、カンボジアの援助問題は、その時期をミスした、非常に遺憾なことが多かったと思うのです。あの十五億円がきまったときに、あれが即刻法律が効果を発揮しておったら、シアヌーク殿下が中国やソビエトにあんなにこびを呈する、ようなことはなかったろうと思っておったんですが、非常に時期をミスしたと思っております。その間に中共とあんなに、日本のように理屈を言わないで、ぐんぐん実際上の施設をやっております。そのために、せっかく日本に来て、日本に好感を持って帰ったシアヌーク殿下が中共とソ連の方にひっくり返ったような結果になっておると思います。それで私は、あのときに日本がもう少しやってやったら、ラオス問題なんか、あんな結果にならないで、つまり中共、ソ連は最初タイの方から入ってきた。これは非常にアメリカの強い抵抗があった、今度東側に移った。そこで問題が起きて、十七度線に押えられた。今度まん中を入ってきた。とにかく南のマラヤ方面に入っていこうという一貫した南下政策の現われだと私は思っているのですが、その一番まん中に第三のルートであるラオス、カンボジアを通ってくるところの一番中心のシアヌーク殿下が、日本に対して非常に好意を持っておったのだ。あまりああいう……厚生省は医者がいいという、農林省は農業技術センターがいいという、それから通産省の方は、いろいろな中小企業を助けるのがいいとか、いろいろなことで、なかなかその金を使う道がうまくきまらなかった。あの当時では、十分ごもっとものことだと思いますけれども、夏は政府の官庁は移転する、あの都市の建設を全部日本の手でやるということで、これが、向こうの人は暑い夏をどうして過ごすか、つまり東南アジアの諸国で、時候の悪いときは、みんなどこか政府を移転させる場所を持っておるけれども、カンボジアは持っていなかったのですから、それは非常に熱望しておったわけです。そんなものはとにかく生産事業じゃないものですから、それで、もっと日本人の頭で考えて、これがたとえばカンボジアのためになると考えられるのが今の農業技術センターだとか、いろいろなことがあると思うのです。病院なんかももちろん必要ですけれども、そこの日本側の判断が実情に適さなかった。そしてカンボジアを怒らしてしまったという感じがするのです。ですから、日本で考えられて、現地の事情をもう少しマスターして、そうしてせめてあれだけでいいから、手ぎわよくぱっぱっと、いずれもう贈与ときめたのなら、どうなってもいいというのではないですが、元金を回収しようなんていう問題ではないのですから、もう少してきぱきと、現地の実情に即した支払い方をされたらどうかと思うのですが、大臣の御感想を聞きたい。
#24
○国務大臣(小坂善太郎君) カンボジアは非常に親日的でございまして、御承知のように、シアヌーク殿下も、日本に対する親愛感というものを非常に感じておられると確信をしておりますが、ただいま永野さんの御指摘のように、どうも日本は、金を出す場合になると、非常に理屈が多くて、これは私どもも、金の問題になると、非常に国内的に苦労するのでございますが、同じ出すなら、やはり希望する時期に適切なものを出すのがいいにきまっておりますものですから、できるだけ一つそういうお志に沿いまして努力したいと考えております。何とぞ御後援をお願いいたします。
#25
○永野護君 大臣の言われるように、カンボジアが非常に親日的であったという、これは過去の動詞をお使いにならないで、現在は必ずしもそうじゃないと思うのです。そうなったのが、いかにもそれで怒らしておいて、金をついでに出さないならまだ一貫しているのだが、怒らしてからこう出しておるのが今の実情のように思いますから、これは外務大臣の責任じゃ実はないので、各省の、日本の国内問題ですから、外務大臣の責任じゃないと、私も実情を知っているから、そう思うのですけれども、いかにも残念で、今、大臣が最初に言われたように、カンボジアは非常に親日でしたということは言えるけれども、今親日かどうか、非常に疑問に思っているのですがね。そうしてそうなっておいてから金を出している。どうぞ今後は、もう少し生きた金を使うように御尽力をされたい。
 それから、ついでにもう一つ伺いたいのですが、今オーストラリアの問題があるのですけれども、オーストラリアが、これは大臣もよく御承知のように、戦前それから戦争中、日本に対して非常に悪い感情を持っておった。最近はどうなんでございますか。
#26
○国務大臣(小坂善太郎君) オーストラリアでございますが、豪州は非常に最近よくなって参りまして、先般も、東京商工会議所の永野さんが団長になって行かれましたミッション、非常に効果をあげたそうでございます。全く最近の空気は一変したと言っていいくらい変わったと思います。このたびのロータリーの大会も、オーストラリア、ニュージーランドだけで千四百名の人が東京に参りました。こういうことはいまだかつてないことでございます。皆それぞれよい印象を持って帰られたように聞いておりますので、非常に私ども、この空気をさらに盛り上げていくことに努力したいというふうに思っておる次第でございます。
#27
○永野護君 私はこれを伺いますのに、使節の報告は非常にうちょうてんになった報告があるのですが、一人よがりがあるのじゃないかと思っておるから、大臣が、客観的の立場から、使節団が効果をあげたと言いますが、その空気がよくなった、少なくとも私どもが行ったり何かしたときには悪い時代だった、それがぱっと今度そう急変したというような印象を受けるわけです、今の報告を聞きますと。それが一体どこに原因があるのか。イギリス全体の東南アジアの経営方針に、少なくも東南アジアで仕事をするときには、日本を向こうへ回してはいけないのだ、むしろ協力してやらなければならぬのだというような、基本方針に変化が起こったようにも聞いておりますし、つまりシンガポールが離れてしまい、香港がいつどうなるかわからぬというようなときに、香港とシンガポールを東洋進出の拠点として、全く安心し切って、あそこを重点にやっておる時代のイギリスの東南アジア経営方針といいますか、産業開発の方針といいますか、そういうときに日本人を見ておった目と、最近は非常に違ったように思うのですが、そういう、単にオーストラリアだけではなくて、イギリスの東南アジアの経営方針全体に何か変化でも起きておりますか。
#28
○国務大臣(小坂善太郎君) まあほかの国の外交政策を批評することは避けなければならぬと思いますが、今お話になったようなことと別にして、いい意味で、日本に対するイギリスの考え方というものも、非常に親日的に変わりつつあると思います。これは発表していいということでしたから、この席で申し上げて差しつかえないと思いますが、先般マクミラン首相が池田首相のところへ手紙をよこされまして、その中に、ことしは日英両国にとって非常に幸運の年になると思う、自分もこの秋に行きたいと思うし、それからアレキサンドラ姫、この方は王室の今の女王のいとこでございますが、あちらこちら外交的に歩いておられる方ですが、この方もことしの秋来られる、非常に日英両国の間がよくなる年と期待しているという手紙が参りました。やはり自由主義陣営の国として、東洋における日本の実力、ことに最近非常な経済的な伸びを見せている日本の戦後の復興に示した実力というものが非常に買われて、やはり自由主義陣営として、東洋において日本はたよりになる国である、こういうことが、何としても一番親日的な考え方を持つに至った基礎になっておるのじゃないかと思うのでございます。豪州におきましても、これはやはり同様な気分がございましょうし、はたまた日本は、非常に大量の生産物を豪州から買っております。羊毛は、豪州から世界一日本は買っておる国でございます。豪州の輸出市場で見ましても、イギリスに次いで、日本は豪州の品物をよけい買っておるわけでございます。まあそういうような点も非常に認識を新たにしたかと思いますし、はたまた豪州は、やはりアジアの国として考えていいんじゃないかと思います。そういう気分もあるやに聞きます。これは、別にそういうものが支配的な気分になったという意味じゃございませんが、そういう気分が豪州人の指導者の中にぼつぼつ出てきておるというようなことも聞くのでございまして、そういう点は、非常にわれわれとしてよい面でありますので、そういう点を十分に伸ばしていくように、われわれとしては努力したいと思っております。
#29
○永野護君 シンガポールに対しては、イギリスはどういう気持でおるのですか。まあやはりシンガポールはもう放したような気持ですか。あるいは、やはりイギリスの拠点として考えておるような気持でおるようにお見受けになるのですか。向こうの政策について聞いておるのじゃないのですが……。
#30
○国務大臣(小坂善太郎君) シンガポールは自治州ということにしておりまして、御承知のように、外交権以外はシンガポール州政府に渡しておるわけでございます。この御審議を願っておりますものの中にも、二重課税防止の問題がございますが、あれなども、イギリスの政府がシンガポール政府にそういうことをまかしておる、日本との間の一種の外交取りきめをまかせるということです。だんだんシンガポールの自主性というものを強く見ておるのではないかと思います。
#31
○永野護君 そうすると、今シンガポールに、日本の経済人がいろいろあそこに仕事をしようといって計画があるようですけれども、昔だったらとうてい考えられないようなことが、つまり日英共同でいろいろな事業を興そうというような計画があるようですけれども、そういう運動は、少なくとも危険な投資にはならないでやっていけるというふうに観測されますか。
#32
○国務大臣(小坂善太郎君) イギリスは、シンガポールの外交権、国防権を持っておりますが、これは、やはりシンガポールは、東南アジアにおけるイギリスの重要な海軍基地でございまして、英国の極東の陸海空三軍の総司令部も置かれておりますし、イギリスの勢力というものは非常に根強いものがあると考えられます。そういう点からいたしまして、イギリスとシンガポールの関係というものは、これはずっとやはりよい関係が続いていくと思いますが、シンガポールの中におきまする政府は、非常に若い人たちの政府でございまして、御承知の通り、非常に親日的あるわけであります。まあ何といっても、非常に膨張しておる人口をかかえております。これは、日本なんかもうとてもかなわない、非常な人口増でございます。この膨張する人口をどうするか。やはり工業化していく以外にないということでやっておりますので、たしかマラヤと同様に、パイオニア・インダストリアル・オーディナンスですか、そういう産業法を作りまして、五年間税を免除するような措置をしておりますし、外国資本も受け入れていくという政策をとっておるようでございます。御質問の点は、私は御心配ないんじゃないかと思います。
#33
○永野護君 そうすると、シンガポール及びそれに続くマラヤの諸地方に、日本が相当に固定する仕事をやっても――そんな事業の見通しなんかを外務大臣に質問することは、少し見当はずれかもしれませんけれども、少なくもイギリスは、日本人がシンガポール及びマラヤ半島にいろいろな仕事をすることは不愉快には思いませんですか。
#34
○国務大臣(小坂善太郎君) これは、思わないと思います。
#35
○永野護君 それも非常な変化であって、元は、マラヤ半島やシンガポールに行って、日本人がいろいろな仕事をしたら、非常に妨害した。その当時のことを思い出しますと、何か信じられないような面がある。それでお伺いしたわけですけれども、変化が起きたと見るわけですね。
#36
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府としてはそうだと思います。ただ、商売人の間でございますから、その間に競争は当然あることだと思います。ただ、従来イギリスの関係で、いろいろな仕事をする、この機械などを考えまする場合は、イギリス流のゲージがあるわけです。ですから、そのゲージに合う方が品物が入りやすいという点はあろうかと思います。
#37
○永野護君 そういうこまかい問題よりも、シンガポールやマラヤに、日本人が腰を落ちつけていろいろな事業をすることに好感を持たなかったでしょう、かつては。だから、その時分のことを私は知っているものだから、その後、最近のことを知りませんから、それは、最近に情勢が変わってきたんだということを承れれば、私の質問はもうそれでいいわけです。
#38
○国務大臣(小坂善太郎君) 大体そういうことでございますが、二重課税防止のための条約でも、前文に、「連合王国政府の授権と同意により」ということが書いてあるわけです。ですから、やはりイギリスの政府がこういうことをするということを認めないと、シンガポールの政府との間には話が進まないわけでございまして、今のところはそういうような関係で、非常に日英関係もよくなっている。最近も、国会において文化協定の御批准をいただきました。そんなようなことで、今度私もイギリスに参りますけれども、先方も非常に特に期待をしてくれているというようなことずけ等もございまして、非常に日英関係も重要でございますから、さらによくするように努力したいと考えております。
#39
○永野護君 大臣いつごろイギリスにお行きになりますか。
#40
○国務大臣(小坂善太郎君) 七月の五、六、七、八と、四日間イギリス政府の招待を受けております。
#41
○委員長(木内四郎君) ただいま議題といたしております条約及び国際電気通信条約について、委員外議員永岡光治君から発言を求められておりますが、発言を許可することに御異議ございませんか。
#42
○羽生三七君 議事進行。先ほどガット関係二件の補足説明があって、それに関連して質問はということであったが、これは本付託になっておらないので、今、簡単にとりあえずちょっとお尋ねしただけなんですが、あまりあっちへ飛び、こっちへ飛びされて、どの条約を審議しているのか、さっぱりわからぬようなことになってしまうので、整理されて、本付託されている案件を逐次やっていただいたらどうかと思いますが、委員外発言はまあお願いして……。
#43
○森元治郎君 永岡先生はただいま書類を見ておられるので、ちょっとその前に私が質問します。これは、永岡さんと話し合いの上でです。
 郵便為替関係の約定について御質問いたします。一番初めに、オーストラリアとパキスタンが万国郵便連合の郵便為替約定に参加しない理由を伺いたい。
#44
○政府委員(大塚茂君) 豪州とパキスタンのこの理由でございますが、私どもの推測でございますが、結局、自分の国内の為替制度と万国郵便連合による為替制度との差が相当あるということと、万国郵便条約によりますと、料金が範囲が規制せられますので、その条約による料金の規制というものをきらったという結果ではないかというふうに考えております。
#45
○森元治郎君 なおかつ現在でも、加盟しそうにはないのですか。
#46
○政府委員(大塚茂君) 目下のところは、郵便連合に加盟する模様はないようでございます。
#47
○森元治郎君 この提案理由の説明の中にありますが、今は、この二つの国に対して、日本は、イギリスの仲介によって為替を交換することになっておるようですが、これに要する、この仲介による日数、それから仲介手数料などのロスですね。それはどのくらいになっておるのか。
#48
○政府委員(大塚茂君) ただいま英国郵政省の仲介によっておりますと、約一カ月の日にちがかかるのでございますが、今度直接交換することになりますと、その半分で大体済む予定でございます。それから、英国郵政庁が、現在仲介料としまして、一ポンドまたはその端数ごとに二ペンス、ただし、最低仲介料金は四ペンスというものを取っておりますが、これが不要になるわけでございます。
#49
○森元治郎君 このロスを省くと、大へんなこちらにはプラスになるのか。金額の予想、どのくらいになりますか。
#50
○政府委員(大塚茂君) ただいま具体的なこまかい数字を持ってきておりませんが、今までのところでは割合に少のうございますので、その金額としては大したものにならないと思っております。
#51
○森元治郎君 大したものにならないのですな。
 それから、万国郵便条約を見ますというと、当事国に中国というのが出ておりますが、この中国は、これはどこの中国か。
#52
○政府委員(大塚茂君) 現在の台湾の中国でございます。
#53
○森元治郎君 これは、横文字でどういうことになるのですか。これの表現は……。
#54
○政府委員(大塚茂君) この表現は、たしかチャイナということでございます。
#55
○森元治郎君 チャイナですか。
#56
○政府委員(大塚茂君) はあ。
#57
○森元治郎君 日本と共産圏の諸国の場合、北鮮とか、あるいは中共などとの間の郵便関係の現状と、中国でも中共でも、この万国郵便条約によれば、第三条の新加盟として手続をとれば、これも入れるのだろうが、この手続をとったことがあるのか。あるいは、とったけれども、三分の二の承認を得ないために入り得なかったのか。この辺のところをあわせて伺います。
#58
○説明員(東郷文彦君) 万国郵便条約の一つの専門機関でございますので、現在この条約には、ただいまのお話のように、中華民国が採用されております。それで、これに中共が加入するということになりますと、中国の代表権という問題に当然なりますので、それに関しては、国連総会の決議がございまして、国連総会における取り扱いになろうということに決議しておりますので、各専門機関ともこれにならっておりまして、現在まで中共の加盟問題というのは出たことはない。出た場合には、いつも代表権の問題として、総会に従うということになっております。
#59
○森元治郎君 そういう問題がいつか国連で行なわれたことがあるのですか。その日付とか、あるいはどういう機関において、そういう代表権の問題は、この万国郵便条約加盟に関して論議されたことがあるのか。
#60
○説明員(東郷文彦君) 第五回国連総会のときに、国連の総会において、一国の代表権に関連して国連総会がとった立場を専門機関が考慮に入れなければならないという決議がございます。各専門機関で、相当そういう問題が出ましたときには、これに従って処理されているわけであります。
#61
○森元治郎君 そうすると、この問題は、だれが提起したのですか。中共から問題を提起したのか、あるいは利益代表国として、ソ連なりその他の国がこの問題を国連の各機関に持ち出したのか。
#62
○政府委員(中川融君) ただいまの御質問の点でございますが、これは、御承知のように、中共が中国の本土を支配いたしました際に、中共を中国の代表者として国連で認めるべきではないかという問題が国連で起きまして、そのために、わざわざ中共の代表を国連に出席せしめまして、そうしてこの問題を総会でディスカッションしたことは、森委員御承知の通りであります。その際に、ただいま東郷参事官が御説明いたしましたような決議案が、総会で三分の二の多数を得まして、成立いたした次第でございます。私、今その決議案の提案国がどこであったか、的確には覚えておりませんが、いずれにせよ、さような決議が提案されまして、三分の二以上の多数をもって、国連総会を通っておりまして、これが、その後における国連のあらゆる機関における、いわゆる中国代表権問題を処理する際の一つのスタンダードにされてきているわけでございます。
#63
○森元治郎君 この条約は、私、この詳しい厚いもので、読んでいませんが、この加盟国間の話し合いで、新加盟国は認められないのですか。この国際郵便条約の場合、この現在の加盟国――結んだときよりふえたかどうか知りませんが、加盟国に対して、この加盟国同士がいいと言ったらば、新加盟ができそうに思うのだが、できないのか。
#64
○説明員(東郷文彦君) 電気通信条約の加盟の規定は第一条にございまして、この上の番号で申しますと、四、五、六というところでございますが、この条約の加盟の資格としましては、第一のものは、前の会議、すなわちブエノスアイレス会議に出ていたもの、それから次は、その会議には出ていなかったけれども、国連の加盟国となったもの、第三に、そのいずれでもないけれども、加入を申請して、総会の三分の二の多数を得た独立国、こういうことになっておりまして、従って、中共は、独立国として、もし加入を申し込むとしますると、今申し上げました第三番目のカテゴリーとして申請することになるかと思います。しかし、中共に関しては、台湾がすでに加盟国になっておりますので、先ほどからの国連総会の決議に従って、今の代表権の問題として処理されているわけです。ほかの分裂国家もございますが、それらも、理論的には、今の第三の資格で申請することはできるかと思われますが、そういう関係もございますので、現在までそれらの国は――それらの国と申しますのは、東独、北鮮、北ヴェトナム、これらの国は、さような措置をまだとっておりません。
#65
○森元治郎君 そうすると、北京政府は、この条約関係の加盟をしたい意思はあることは、第五回国連総会あたりからはっきりしているわけですね。
#66
○説明員(東郷文彦君) 中国の問題を、この前のジュネーブの会議ではたして取り上げたかどうか、私、ちょっと承知いたしませんが、もしそういうことが議題になれば、国連総会の決議の趣旨に従って、加盟と申しますか、加入ということにはならないで処理されたわけでございます。
#67
○森元治郎君 そうすると、繰り返しになりますが、北京政府が新加入だという形でいけば、代表権の問題との関連から、その条約に加盟し得ることもあるわけです。その加盟は、考慮される十分な条件ができるわけですね。
#68
○説明員(東郷文彦君) これは全くアカデミックな問題になると思いますが、かりに中共北京政府がそういう措置に出れば、アメリカとしては、従来の事態から見れば、そういう可能性はあり得ると思います。
#69
○森元治郎君 なかなかこの万国郵便条約というのは高い政治性のある条約で、ちょっと驚いたのですがね。それから、この中共のそれならば郵便為替関係の仕事をかわって、たとえば、日本がオーストラリア、豪州、パキスタンとやる場合にイギリスを仲介にやったように、中共の場合はだれが仲介をとっているんですか。
#70
○政府委員(大塚茂君) 中共とは、郵便の交換もいたしておりませんので、従って、郵便為替の交換も行なわれていないという状況であります。
#71
○森元治郎君 いや、私の言うのは、対日本との関係ではなくて、その他の中共と連結がある国の利益は、だれが仲介に立っているのですか。共産圏の国が、現加盟国であるソビエトとかウクライナ共和国とか、そんなのがやっているんですか。
#72
○政府委員(大塚茂君) どうも、中共がほかの国とやっているところまで実は存じません。
#73
○森元治郎君 まあけっこうです。
 それからもう一つ、この日米の地位協定に基づくアメリカとの関係の郵便為替出し入れの金額は、年間どのくらいになるか。これは、いつも問題にちょっとなるんだが……。
#74
○政府委員(大塚茂君) アメリカと日本との間の郵便為替の交換でございますが、こちらから振り出します為替は、ドルにいたしまして二万一千三百八十ドル、それから、アメリカが振り出してこちらで払い渡します為替は、二百八十四万四千七十三ドルでございます。
#75
○森元治郎君 その程度かね。
 それから、あちこち問題が飛びますが、豪州とパキスタンとの協定の差、これは、提案理由にあるような点ですね。端的に、一番はっきりした違い、パキスタンと豪州との……。
#76
○政府委員(大塚茂君) まず第一は、取り扱います為替の種類でございますが、パキスタンとの間では、普通為替と電信為替と、両方取り扱いますが、豪州との間では、普通為替のみでございまして、電信為替については取り扱わないという内容になっております。
#77
○森元治郎君 もう一ぺんもとへ戻りますが、北鮮との郵便関係はどんなふうになっているんですか。
#78
○政府委員(大塚茂君) 今、北鮮とは直接交換をいたしておりません。
#79
○森元治郎君 これは、何か必要に迫られる事情がないわけですか。向こうからそういう希望があるのか、あってもこっちで折り合わないのか、受け付けないのか、どういうふうになっていますか。
#80
○政府委員(大塚茂君) これは、郵便の交換と関連する問題でございまして、大体為替は、郵便に付属して行なわれておるというような格好になっております。私、実は郵便法を詳しく存じませんが、実際の必要はある程度あるんじゃないかと思いますが、こういう場合には、香港の仲介か何かで行なわれているのではないかというふうに考えておる状況でございます。しかし、確かではございません。
#81
○森元治郎君 香港の何ですか。
#82
○政府委員(大塚茂君) 香港の仲介で行なわれているのではないかということであります。
#83
○委員外議員(永岡光治君) 国際電気通信条約の質問を二、三行ないたいと思いますが、その前に、今、同僚の森委員から質問されております件について、若干外務大臣にお尋ねしたいのですが、前々の予算委員会だと記憶しておりますが、池田総理の答弁によれば、郵便だとか気象とか海難救助という、非常に国際性の強いこういう条約は、中共とか北鮮とか、そういうものにかかわらず、これはもうするべきである、こういう方向で努力しているのだというお話があったわけです。中共、北鮮等々の条約関係はどういうように進めているのか。この時点でどこまで進めているのか、その模様をお聞かせいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(小坂善太郎君) 池田総理の御答弁がありましたように中共についてありますと思いますが、その後、そういう気持を日本が持っているということは、中共側にも知られていることでございますが、先方からは特段の意思表示はございません。ただ、こちらからいろいろな人が行っておりまするので、そういう人が帰って来ての話によると、そういう問題よりも、むしろ政府間の貿易協定から入るべきではないかというふうな気持を強く言っているようでございます。
#85
○委員外議員(永岡光治君) そういたしますと、政府という立場で意向を打診したことはないのだ、こういうふうに受け取ってよろしいのでございますか。
#86
○国務大臣(小坂善太郎君) 日本の政府が日本の国会でそういうことを言ったということは、これはもうはっきりした事実でございます。先方との接触は直接ございません。
#87
○委員外議員(永岡光治君) こういう問題は、えてして政治的な問題がその背景として懸念されるものであろうかと思うのでありますが、やはり国際性の強い問題ですから、私は、一日もすみやかに結ばれた方がいいのではないかと思うのであります。ただいまのお話によりましても、答弁の中にありましたように、中共や北鮮の郵便関係は、香港政庁を通じてこちらによこされている、こういうお話でありますが、それは、直接に交換できるような方法が望ましいのでありまして、そういう意味からいたしますと、国会の答弁が新聞に出て、それも、多分向こうの方の新聞か何かで報道されているだろうから、日本の意向というものは大体わかった、従って、向こうから何か言うてくるだろう、向こうの意向を言うてきたらば一応検討しよう、こういう態度であるのか。それとも、こちらから、どうだという話を直接にか間接にか、その間接というのは、直接に向こうの政府に話しにくければ、どこかの政府を通じて、あるいは国際連合という問題もありましょう。国際郵便条約というものがあるわけです。日本も加盟しているわけですから、そういうところから通じてというようなことがあっていいのではないかと思うのですが、そこまでの積極性は今のところ持たれていない、こういうように見受けられる。答弁ではそういうふうに考えられますが、大体そのような状況でございますか。
#88
○国務大臣(小坂善太郎君) この話を外国との間にいたしますには、やはり時期の問題もございましょうと思います。現在のところは、今申し上げた程度にいたしております。
#89
○委員外議員(永岡光治君) 国際電気通信条約の件について、二、三質問をいたしたいと思うんですが、この最終議定書に書いてあります各国の留保条項があるわけです。こういう留保条項は、この条約と違った留保をするわけですけれども、そういう場合には、この条約上支障はないのかどうか、実際上はどういう運用をされているのか、その点をお尋ねをしたいと思うのです。
#90
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。
 国際電気通信条約の留保の中には、いろいろな種類のものがございますが、たとえば、中国の代表権のものについてとか、あるいはイスラエルとそれからアラブ圏の国の関係についてとか、あるいはオランダとそれからインドネシアとの関係とか、まあそういった外交的な関係によって留保している場合もございます。これは、それぞれの国の関係でございまして、あまり実際の電気通信問題といたしましては直接には影響をしてこないわけでございます。それ以外に、電気通信の内容に関するものといたしましては、この業務規則と申しまして、電信規則あるいは電話規則、追加無線通信規則、無線規則というようなものもございますが、こういうようなものの適用につきましては、国によりまして若干いろいろ事情がございますので、その適用を留保している場合がございます。そういう場合におきましても、具体的には、たとえば電信規則とか電話規則とかいう点になりますと、全般的にこの条約の付属になりまして、ごまかい業務関係をきめております規則――業務規則でございますが、そういうものが全般的に適用になりますと同時に、各それぞれの国の間において協定を結びまして、電信を通し、電話を通すというようなことをやっておりますので、若干条件の違うところは、それぞれの国の間において特別なきめ方をして、電信なり電話なりを通わしておるという状況になっておりますので、実際問題といたしましては、留保がございましても、電信電話の通信には差しつかえないということになっておるわけでございます。ただ、無線の関係につきましては、ここに留保している関係におきまして全然影響がないかというと、まあ若干影響がある面もございますが、個々の点につきましては、それぞれ留保している国に対しまして直接の交渉によって問題の解決を試みたり、いろいろとやっておりますので、具体的にそのために非常に困るというような問題も直接には予想されない次第でございます。それから、そのほかにいろいろとこまかい、技術的に――技術的にと申しますか、たとえば経費の問題につきまして留保したいというような、割に形式的な留保がございまして、これも、実際の問題の運用には大体支障がないというような状況でございます。
#91
○委員外議員(永岡光治君) この留保の問題と関連して、たとえば、アメリカあたりでも、電話規則だとか、それから追加無線通信規則等で、義務を受諾してないということになっているわけですが、今のお話だと、実際は支障はないということになるんですけれども、そうしますと、この国際電気通信条約というものの、何といいましょうか、拘束力といいましょうか、自分の国に都合が悪いものは、それはどんどん留保条項をつけてもいいんだと、こういうことになるわけですが、こういう条約というものは他にたくさんあるのでしょうか。外務大臣どうでしょうか。ほかにこういう例はたくさんありますか。
#92
○政府委員(中川融君) この条約を作ります際に、特に多くの国が参加いたしました条約ができます際に、やはりその条約の規定の中で、自国にとっては都合が悪いというような場合に留保をするという例は、国際間に例は少なくないのでございます。そういう場合に、その留保の効力は、その留保をした国については、その留保したものだけは要するに条約の効力から適用をはずされる。それをまた、ほかの加盟国がやはりその会議の際にそれを承認しておる。あるいはまた、その後これに参加する国につきましては、参加する際にやはりその留保をよく見て知っておりますから、その留保を知っておりながらそれに参加するということで、要するに、留保条項につきましては、その留保した国には、それだけは適用を除外される、いわば承知の上で入るという格好になります。どうしてこういう留保条項をつけるかというような問題になりますが、やはり若干の留保条項はつけましても、できるだけ多数の国が参加するということが好ましいという場合は、やはり留保を認めるという慣例になっておるのであります。国際間に例は少なくないわけでございます。
#93
○委員外議員(永岡光治君) そこで、お尋ねしたいのですけれども、日本から留保条項をつけているものはあるわけですけれども、今、監理官の方から御答弁がありました、連合の経費の分担金の増加をもたらす他国の留保のいかなる結果も受諾しない、こういう条項が日本ではあるわけですが、これは、どういう理由に基づいておるわけですか。
#94
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。
 実は、この問題につきましては、具体的にはまあ予想せられますといいますか、一応頭にありましたことは、ソ連その他の国が国際周波数登録委員会の任務に関する規定のことにつきまして留保をいたしておりますが、そのために、この委員会の経費に当たるような経費を分担しないというようなことでも言い出しますと、連合の全体の運営費の約三割五分ぐらいが周波数登録委員会の経費でございますので、必然的にその部分は各国に非常に分担がよけいになってくるというようなことで、そういうことは、国際電気通信連合の全体としてのまとまりから考えまして、感心したことでございませんので、そういう経費は引き受けないということを日本もやったわけでございますが、まあほかの国もたくさんやっておるわけでございます。実際問題といたしましては、ソ連は留保いたしておりますものの、国際周波数登録委員会の委員にも立候補しまして選ばれておりますし、会議のときにいろいろなことを言いはいたしますけれども、実際この運営に参加しておるということで、実際問題としては、この問題は起こってきてないわけでございます。従いまして、今回の会議におきましていたしました留保も、前回のヴェノスアイレス会議のときにいたしました例にならいまして各国やったわけでございまして、具体的には特に支障と申しますか、あるいは具体的な欠陥というものは起こっていないわけでございます。
#95
○委員外議員(永岡光治君) そこで、わが国の分担金ですが、この四、五年の分担金の金額の状況はどういうことになっておりましょうか。
#96
○説明員(東郷文彦君) この条約の第十五条、上の番号で申しますと、二百二号にその規定がございますが、日本は、この二十五単位等級というものを受諾しておりまして、この一単位というのが約二百万円、従って、現在約五千万円ちょっとでございます。
#97
○委員外議員(永岡光治君) それは何年度分ですか。私の聞きたいのは最近の傾向ですね。最近の四、五年の数字でけっこうですが……。
#98
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。
 ただいまお答え申し上げましたのは、一九六二年度の経費に対しまする分担金が五千百四十万円ばかりでございまして、一九六一年度は四千七百九十四万円程度でございます。それから、その前の一九六〇年度は、このときは、まだ今度の条約の前でございましたので、経費が、先ほどもちょっと申し上げましたように、通常経費と臨時経費というのに分かれておりますが、合計いたしまして三千五百七十九万円でございます。
#99
○委員外議員(永岡光治君) だんだん増加の状況になっておりますが、私の知るところでは、五九年度あたりは千八百五十万円程度と承っておりますが、ここ四年間のうちに約三倍程度にふえておるのですが、それは、何か理由があったのですか。
#100
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。
 大体全権会議のときに、その次の全権会議までの間の予算につきまして、天井と申しますか、その年の最高限というものを一応きめておきまして、その範囲内で予算を組むということになっております。そこで、今度の全権会議になります前までは、ただいま永岡先生の言われました程度の金額で来ておったのでございますが、その後、先ほども申し上げましたように、国連の共通の給与制度にならっていくというような原則が確立されましたものですから、これは、今までの電気通信連合の職員の給与は、国連の共通の給与制度に比べますと、若干低かったものですから、その意味で、人件費がややかさまっておりますし、それから、周波数登録委員会の関係の経費というものは、非常に仕事が多くなって参りましたので、そういう方面の経費もふえたというようなこともございまして、今度の全権会議以後、相当の幅の増加を来たしております。
#101
○委員外議員(永岡光治君) 日本に駐留しておる駐留軍と日本国に割り当てられる波との関係ですが、この監督といいましょうか、監理といいましょうか、そういう関係はどういうようになっておるのですか。
#102
○説明員(浅野賢澄君) お答えいたします。
 駐留米軍と交渉いたしまして、必要の波を使わせる。こういう建前でやっております。
#103
○委員外議員(永岡光治君) 今、どのくらい割り当ててるのですか。
#104
○説明員(浅野賢澄君) 米軍の使っております周波数の数は、今ちょっとつまびらかにいたしておりませんが、相当程度あります。
#105
○委員外議員(永岡光治君) それは更改といいましょうか、それは、普通の国内で波を割り当てる際の年次と同じ年次になるわけですか。
#106
○説明員(浅野賢澄君) 電波法のいわゆる周波数の今おっしゃいました更改という形に置きますものは、電波法の適用を受けております面につきましてはやっております。米軍が使っております面につきましては、その影響を受けておりません。
#107
○委員外議員(永岡光治君) そうすると、駐留する限りは今割り当てている波をずっとそのまま使わせるという方針ですか。それとも、やはり検討はそのつどする必要があると、こういうようにお考えになっておるのですか。
#108
○説明員(浅野賢澄君) できる限り最小必要限度のものということにいたしております。必要でなくなった場合は返すという、そうしてまた、やむを得ない必要の向きに対しましては貸す、そういうふうにいたしまして、常に折衝を保って、わが国の権益は最大限度に確保されるように努力いたしております。
#109
○委員外議員(永岡光治君) 貸与しているものの波の数があまりよくわからない、詳細でないようですという答弁ですが、後ほどでけっこうでありますが、資料で、どういうことになっているか、御提出いただきたい。
 それから、国際電気通信条約に加盟していない国、たとえば、日本に影響のある国としては、中共、北鮮等があろうかと思うのですが、そういうところは、勝手に自分の波を出せるということになるのでしょうか。結局、そうなるんじゃないかと思うのですが、そうなると、特に九州の西岸あたりではだいぶ混信があるやに聞いておりますが、そういう状況、事実であるのかないのか。事実であるとすれば将来どういうふうに解決したらいいのか、何かお考えがあったら、この際一つお示しをいただきたいと思います。
#110
○説明員(浅野賢澄君) ただいま御質問のございました点、確かに九州南部、北九州、それから中国地方の一部は影響を受けておる。周波面からだけ見てみましても、百七波の中で、ことにそういった影響を強く受けております周波数は、大体十波余りあるわけでありますが、ソ連に対しまして、ITU、中共、北鮮等につきましてはそのつど、書面等で連絡はいたしております。ただ、今御質問ございましたように、中共、北鮮が入っていないために無制限に自由にできるという問題と、それから、それによりまして近隣諸国は非常に困るのではないか、こういった御質問でございますが、そういった点は、考え方といたしましてはおっしゃるようになるわけであります。ただ、電波のように、へいがないという状況でありますと、それぞれやはりそういった世界の秩序には沿っていきませんと、お互いが困るわけでありまして、中共、北鮮もITUには加盟いたしておりませんが、ある程度はそういった線に沿って処理いたしておるようであります。従いまして、特にひどく電波の影響をこうむるということは、こういったことはないように思います。ただ、先ほどおっしゃいましたように、九州南部その他一部におきましては、相当被害をこうむっておりますので、これに対しまして先ほど申し上げましたような手続をしますのと、それからタワーを上げるとか波を変える、こういうような措置しかない、こういうふうに考えております。
#111
○委員外議員(永岡光治君) 将来、この北鮮とかあるいは中共が国際電気通信条約に加盟したと仮定いたしました場合に、日本の受ける影響、特にこの波の割当の数等で影響を受けるのか受けないのか。支障はあるのでしょうか。現状よりはよくなるのか悪くなるのか。そういう点がわかっておれば、一つお答えいただきたいと思います。
#112
○説明員(浅野賢澄君) その点、ちょっとこれは予測をいたしかねますが、入りますと、また相当要望はして参ると思います。ただ、要望は強くとも、現在の周波数登録委員会制度を維持しております以上、日本の権益は、これは確保されておるわけでございまして、ITUの組織に入りますと、やはり周波数登録委員会の機構にはまり込みますので、要望は要望として、これは日本の権益には影響はないと、こういうふうに考えております。
#113
○羽生三七君 ちょっと関連して。この留保条項の場合ですね。これは、どういうことがこの条約加盟国の主たる留保条項かという点ですね。この電波とかあるいは経費の関係というものが出てくるけれども、何か各国おそらく共通するような、この種の電気通信条約で特に留保しなければならないというような問題には、何か一つの類型があるのかどうか。ここへ出てくるもので言うと、電波とか経費とかいうことになるのですが、どういうことを主として各国では留保しておるのか。その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
#114
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。
 大体の留保をしております制限を分類いたしますと、一つは中国の代表権の問題につきまして、つまり台湾政府を代表と認めない、または認める、それが正式の代表だというような、そういう留保のグループがございます。それから、イスラエルに関するものにつきましては、イスラエルとアラブ圏の国との関係におきまして、お互いに、その国の承認を意味しないというようなことをやっております。それから、そういった同じ類型のと申しますか、領土関係の争いのあるところで、アルゼンチンと英連合王国の関係において、あるいはインドネシアとオランダとの関係において、それぞれある一部の領土を自分のものであるとかないとかいうふうな関係の類型もございます。それから、先ほど申し上げましたように、この下にございまする、実際の通信の詳細を、その内容をきめております業務規則というものが四つございますが、それを適用するかしないかというような留保がございます。それから日本もやりましたように、他国の留保の結果、自分の国の分担金額の増額をもたらすというような場合には、必要な措置をとるというものとか、あるいはまた、大体同じ類型ではございますが、もう少し広く、他国の留保によって自分の国の電気通信業務が害される場合には適当な措置をとる権利があるとか、それから、ITUとその常設機関の良好な運用を確保するために必要な措置をとるとかというふうな、つまり形式的と申しますか、そういうたぐいの留保等がございます。
#115
○杉原荒太君 ここにパキスタンと及びオーストラリアとの間の郵便為替の交換に関する約定が出ておるのですが、これに関して、単にこれに限らぬのですけれども、私がかねて疑問としておるところがありますから、お尋ねいたします。それは、この種の内容、実質の約定を憲法上の意味における条約として、ここにはそれを扱っておられるわけですが、政府は、この種の内容、実質を持った約定は、必ず憲法上の条約として取り扱わなければならぬという見解をとっておられるのかどうか、その点をお尋ねしたい。これは条約局長からでけっこうですが、ただ、これはあとで聞くことですけれども、こういった憲法上の問題ですから、それについて、外務大臣がそれと同じ意見なら意見ということをお示し願いたい。
#116
○政府委員(中川融君) ただいま杉原委員の御指摘の点でございますが、単純にお互いの両国間で便益供与をすると、現在の法律の範囲内で、おのおのの国の法律の範囲内で単純な便宜供与をするという程度のものであれば、これは国会の御承認を得る必要がない。すなわち、政府間のいわば外交事務として取り扱えるものと考えております。しかしながら、この郵便為替交換約定というようなものは、単純な便宜供与だけではございませんで、やはりその便宜供与の内容が、おのおの国内法できめている以上のことをするという点がございますので、そういうものがある場合には、これはやはり国会の御承認を得ると、かように考えておるのでございます。原則的には、ただいま申し上げたようなことで区別して考えていっております。
#117
○杉原荒太君 今の御説明、外務大臣、これはあとで聞きましょう。今ので一応私もわかるのです。わかるのですが、この内容、実質を見ますと、必ずしもこれを憲法上の意味における条約と、そういうかみしもを着せなければならぬというふうには必ずしも解せられないようにも思う。もちろん、こういう内容、実質のものでも、ここに今出てきているように、これを両国政府間の協定という、こういう衣を着せたら、これは条約として取り扱わざるを得ぬですよ。しかし、そうじゃなくして、初めから、内容、実質はこういうものであって、そうして両国の郵政庁間の取りきめ、こういうことが、一体それが可能じゃないかという私は疑問を持っているから質問をしておるわけなんです。その点、条約局長、どうですか。
#118
○政府委員(中川融君) 法律あるいは国会の御承認を得ました条約で、政府に授権しておる場合、これはもちろん、その後のことは行政的なアグリーメントできめられ得るわけでございます。ところが、今お手元にお出ししております、たとえば日本、パキスタン間の郵便為替の交換に関する約定で、第三条をごらんいただきますと、「郵便為替の金額は、払渡国の通貨で表示する。ただし、この通貨は、両郵政庁が必要と認めるときは、その合意により変更することができる。」というようなことで、これ自体がいわば政府に授権する形になっております。また、第四条でも、「郵便為替一口の金額の限度は、両郵政庁間の合意により定める。」というように書いてございます。結局、この協定自体が、ある意味で、この政府に相当金額のことについてまで授権する内容のものになっております。さような関係から、やはりこの扱いは重く扱いまして、やはり国会の御承認を得たい、かように考えて出しておるわけでございます。原則論としてはさようでございます。しかしながら、従来の取り扱いにつきまして、必ずしもただいま私の申しました原則通りに行なっていないものもございます。たとえば、郵便為替等の問題ではございませんが、文化協定のようなものでございますが、これは、内容については必ずしも法律事項にわたらない場合におきましても、事柄がいわば同国間の相当重い関係を扱うというようなことから、文化協定は、御承知のように、国会の御承認を常に得ておりますけれども、これは実は、内容に立ち入ってみますと、文化協定自体で具体的なことをきめておるという例は非常に少ないようでございまして、従って、法律事項であるかどうかということから見ますと、国会の御承認を得なくてもいいのじゃないかという考えもするのでございますが、むしろ両国間の将来の国交に重大関係ありというような、いわば政治的な重要要素というものを考えまして、国会の御承認を仰いでいるわけでございますが、その点、割り切れない点があることは、ただいま杉原委員御指摘の通りでございます。
#119
○杉原荒太君 今言われたことで、三条とか何とか、項を書くからそういうことになるので、項を書かなければならぬかどうかということが根本問題で、これだって、この形式だったら、これは政府間協定、条約としてでなければならぬのですよ。しかし、こういう実体、実質を取り扱うのには、必ずこれは条約として、形式も、従ってまた、国会での承認とかというようなことも、そういうふうにせなければならぬものかどうか。もちろん、連合のものだったらこれは別ですよ。これは、内容、実質からして、当然条約として取り扱わなければならぬ。しかし、この種のものは、これはあまりしつこく言いませんが、研究してもらいたい。先例から言っても、おそらく旧憲法と新憲法で条約という意味は区別して考えておられないと思うので、旧憲法のもとにおける先例からして、これは両方あるものだと思うけれども、この辺は、つまり条約として悪いというのじゃないですよ、私の言うのは。条約として取り扱ったって、それが間違っておるとか悪いとか言うのじゃない。しかし、これは郵便交換の純然たる取りきめとして取り扱われても差しつかえないのじゃないかということを私は質問しておる。
#120
○政府委員(中川融君) ただいま御指摘の点は、われわれも今までもいろいろ疑問の点もございまして、研究を重ねているところでございます。また、杉原委員の御指摘になられましたような点につきまして、今後もさらに研究を重ねていきたいと思っておるんでございます。大体の基準といたしましては、先ほど申し上げましたように、国内において立法事項に該当するような内容を持つものは、やはりこれは国会の御承認を得ることは当然であると考えます。それ以外のものでございましても、政治的に重要な国際約束というようなものは、これはやはり国会の御承認を得た方が適当であろう、かように考えて処理しておるのでございます。その考え方におきましては、旧憲法下における条約と違いはないと考えるのでございますが、戦後といいますか、新憲法発効後の十年ほどの慣行というものもございまして、必ずしも今言った原則通りには割り切っていない点もあるのでございまして、さらに引き続いて研究させていただきたいと考えております。
#121
○杉原荒太君 今の条約局長の説明はよくわかりました。それで、外務大臣も同じ見解をお持ちだと思いますが、一つ御見解を……。
#122
○国務大臣(小坂善太郎君) 同様な見解を持つ次第でございます。
 なお、杉原委員のお言葉にもございましたように、郵便為替の約定といたしますと、今までも英米力三国との約定を結んでおりますから、そういう先例もありますわけですが、なおよく検討させていただきたいと思います。
#123
○委員長(木内四郎君) それでは、日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、国際電気通信条約の締結について承認を求めるの件、以上衆議院送付の三案に対して、すでに質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。――別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、ただいまの三件を承認することに賛成の方の御挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(木内四郎君) 全会一致でございます。全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書の作成は、前例により委員に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#128
○委員長(木内四郎君) 速記をつけて。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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