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1960/02/14 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第5号
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1960/02/14 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第5号

#1
第038回国会 運輸委員会 第5号
昭和三十六年二月十四日(火曜日)
   午後一時二十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三木與吉郎君
   理事
           天埜 良吉君
           村上 春藏君
           大倉 精一君
   委員
           佐野  廣君
           谷口 慶吉君
           平尾 敏夫君
           小酒井義男君
           重盛 壽治君
           中村 順造君
           白木義一郎君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   運輸大臣官房長 辻  章男君
   運輸大臣官房会
   計課長     原山 亮三君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 広瀬 真一君
   日本国有鉄道運
   転局長     石原 米彦君
   日本国有鉄道施
   設局長     柴田 元良君
   日本国有鉄道営
   業局配車課長  武田 啓介君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○港湾整備緊急措置法案(内閣送付、
 予備審査)
○運輸事情等に関する調査
 (港湾に関する件)
 (日本国有鉄道の運営等に関する
 件)
 (通勤通学に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求についてお諮りいたします。
 本日の委員長及び理事打合会において協議いたしました結果、最近のダンプカー事故に関して参考人の出席を要求することを決定いたしました。委員長及び理事打合会の決定の通り参考人の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、人選及び日時につきましては、委員長、理事に御一任願います。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(三木與吉郎君) 次に、港湾整備緊急措置法案を議題といたします。
 本案は、去る二月八日、予備審査のために本委員会に付託されました。これより本案の提案理由の説明を願います。
#5
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法案につきまして議案理由及びその要旨を御説明申し上げたいと存じます。
 港湾は経済活動の基盤であり、その整備が貿易の拡大、生産の増強及び地域格差の是正をはかり、国民経済の健全な発展に寄与するためにきわめて重要であることは申すまでもないところでありまして、政府はつとにその促進をはかって参ったのであります。
 しかしながら、近年におけるわが国経済の発展は予想以上に目ざましいものがあり、さらに近い将来における飛躍的発展が考えられるのであります。このような事態にかんがみ、政府といたしましては、港湾の整備について新たな構想のもとに昭和三十六年度を初年度とする五カ年計画を策定し、これを強力かつ計画的に推進することといたしまして、この法律案を提出するものであります。
 次に、その要旨について御説明申し上げます。
 まず、この法律の目的について定めました。この法律の目的は、港湾整備事業の緊急かつ計画的な実施を促進することにより経済基盤の強化をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与することであります。
 次に、この法律でいう港湾整備事業の範囲について定めるとともに、港湾整備五カ年計画の策定の手続を定めました。
 運輸大臣は、港湾整備事業に関し、港湾整備五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものといたしました。計画の案の作成にあたりましては、運輸大臣は、長期経済計画との関係において経済企画庁長官と協議することといたしております。なお、港湾整備五カ年計画の実施を確保するため、政府は必要な措置を講ずるものとすることといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(三木與吉郎君) ただいまの提案理由に対しまして、補足説明をお願いいたします。
#7
○政府委員(中道峰夫君) 港湾整備緊急措置法案につきまして、逐条的に御説明申し上げたいと存じます。
 第一条は、この法案の目的に関する規定でございまして、本法案は、港湾整備事業の緊急かつ計画的な実施を促進することによりまして、経済基盤の強化をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであることを明らかにしたものであります。
 第二条は、この法案でいう港湾整備事業の範囲に関する規定でございまして、港湾整備事業とは、港湾施設の建設または改良の事業で、運輸大臣が施行するもの及び港湾管理者が施行し、その費用の全部または一部を国が負担し、または国が補助するもの及び運輸大臣が施行する港湾区域外の航路の建設または改良の事業を言うものといたしておりますが、港湾施設の建設または改良の事業でございましても、災害関連事業は含まないことにいたしますとともに、災害で失われました機能の回復を目的としたものは政令で除くことによりまして、これに含めないことにいたしました。
 第三条は、港湾整備五カ年計画に関する規定でございます。すなわち、運輸大臣は、港湾審議会の意見を聞きまして、昭和三十六年度以降の五カ年間において実施すべき港湾整備事業に関する計画の案を作成いたしまして、閣議の決定を求めなければならないものといたしました。この港湾整備五カ年計画には、当該五カ年間に行なうべき事業の実施の目標及び事業の量を定めねばならないことといたしました。またこの計画は、国の長期経済計嵐との関係も十分に考慮して作成されなければなりませんので、運輸大臣は、この計画の案を作成しようといたしますときは、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならないものといたしました。なお、港湾整備五カ年計画につきましては、港湾管理者の事業計画等との関係が出て参りますので、計画が閣議で決定されましたときには、運輸大臣は遅滞なくこれを港湾管理者に通知しなければならないことといたしました。以上の港湾整備五カ年計画の策定に関する手続は、その変更の場合にも準用されることといたしております。
 第四条は、港湾整備五カ年計画の実施に関する規定でございまして、すなわち、この計画を確実に実施するためには、政府といたしまして、財政上からも、行政上からも種々の措置を講ずる必要がございますので、このような規定を設けたものでございます。
 以上簡単でございますが、港湾整備緊急措置法案の内容につきまして御説明申し上げた次第でございます。
#8
○委員長(三木與吉郎君) 本案に対する質疑は次回より行ないたいと存じます。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(三木與吉郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
#10
○中村順造君 今、港湾整備緊急措置法の提案がなされたのですが、これとは、私今お尋ねするのは直接関係はないわけですが、先般の雪害で新潟県下の調査に参りまして、その際に新潟の地盤沈下についての陳情があったわけなんですが、あれは一体運輸省の港湾局の方でやっておられるわけでしょう。あれは一応どういうふうなことになっておるのか、概略一つ説明をいただきたいと思います。
#11
○政府委員(中道峰夫君) 新潟の地盤沈下対策につきましては、御承知のように、天然ガスのくみ上げが主たる原因であるという科学技術庁の結論に基づきまして、運輸省関係だけでなくて、建設省あるいは農林省関係もございますが、そのうちで運輸省の関係の分につきまして申し上げますと、ただいま申しました天然ガスの採取、地下水のくみ上げによりまして、相当量の急速な沈下を示しました。所によって違いますが、大体一メートルないし二メートル程度の沈下をいたしたわけでございます。従いまして、特に新潟港の港湾地帯、それに関連する埠頭地帯というものにつきましては、運輸省といたしましても重大な問題でございますので、昭和三十三年度からこれに対しましては応急対策事業を実施して参ったわけでございます。
 その間この地盤沈下の原因につきまして、各方面からいろいろな意見が出て参りました。それに対して科学技術庁が中心になりまして、先ほど申しましたように委員会を設けまして、それの原因究明に当たったわけでございます。で、一応その結論といたしまして、急激な地盤沈下の主たる原因が、天然ガスの採取のための地下水のくみ上げに基づくものであるということになったわけであります。従いまして、私どもといたしましては、この応急対策事業は三十五年度をもって一応打ち切りまして、この結論が出ましたので、今度は恒久対策に切りかえたわけでございます。従いまして、三十六年度から恒久対策事業として計画的に事業を促進して参りたい。
 それで、この事業の目的といたしましては、新潟港が地盤沈下によって港湾の機能を脅かされておりますので、この港湾機能の回復というのが一つ。それからこの港湾地帯周辺の地盤沈下地帯を通じまして、新潟市に対する海水等の侵入の危険を排除していきたいというような目標のもとに、三十六年度から五カ年間をもって根本的な対策事業を推進しよう。こういうような計画を立てておるわけでございます。事業の規模といたしましては、五カ年間に事業費でもって約六十四億円というものを予定いたしております。薫十六年度といたしましては、事業費で約十二億二千万円、うち国費は約八億九千万円でございます。
 以上大体この地盤沈下に対する運輸省関係の対策事業の概要を申し上げました。
#12
○中村順造君 事業の内容なんですが、原因は、今お話のあったガスのくみ上げと、それから地下水ですね。原因はもうはっきりしていると思うのですが、私の方が聞いた範囲、見た範囲では、川なり海の水が入らないというために、それだけの対策しかやっておられないように思うのですがね。たとえば、護岸という形ではないかもしれませんけれども、擁壁を高くする、しかしそれは、その原因が排除されておらないから、逐次、急速でなくても、やはり沈下は依然として続いておる。そうしますと、また何年かすると、その高くしたものが、また下がって、またその上に工事しなければならぬ、同じことを何回も繰り返すような状態だと私は見たのですが、私の申し上げたいのは、原因がガスとはっきりしておれば、そのガスのくみ上げを何とかしなければ、沈下の進行をとめるわけにいかないのじゃないかと思うのですが、何かそれはガスをとめることのできない原因があるのですか、この点を。
#13
○政府委員(中道峰夫君) 原因がガスであるということがはっきりいたしましたので、このガスくみ上げの規制をやっておるわけです。これは通産省の関係でございますが、通産省の方からガス業者に指示をいたしまして、特に沈下地帯については相当強力な規制をいたしまして、その規制をいたしました結果、かなり沈下が減少いたしました。そうして、ただいまの目標といたしましては、経済企画庁の地盤沈下審議会がございまして、この審議会の勧告に基づきまして、今後の沈下竜を一・二メートルというふうにいたしまして、この恒久的な対策事業をやっております。ただいまお話のございましたように、今までのところは、沈下の原因が最終的な結論が実は出てこなかったものでございますから、応急対策事業より手の打ちようがなかった。今度はそういうことで原因がはっきりいたしましたので、恒久対策事業といたしまして、護岸のかさ上げだけでなくて、港湾の機能の回復という面で、岸壁につきましても構造を強化する、あるいは背後地帯に護岸なり、岸壁を通じて高潮の際には水がにじんでくるわけでございます。そういうことのないように矢板、その他によって侵入する水を防ぐ、そういうような恒久的な対策をいたすことに計画したわけであります。従いまして、今お話のように、沈下したらまたかさしげし、また沈下したらかさしげするということは今後はいたさない。沈下の目標量も、ただいま申しましたように、一・二メートルという経済企画庁の審議会の勧告によりまして立てましたわけであります。従いまして、今後はその恒久対策事業によって、従来の不安を解消できるんじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#14
○中村順造君 私は専門家じゃないのですから、現地で見たり、聞いたりしたことですから、私の判断が正しいかどうか、私自身も疑問と思うのですが、五カ年間に六十四億という莫大な費用を使って、それは全部がかさ上げじゃないと思うのですが、しかし、現状やはり沈下が進行しておるとするならば、一・二メートルというのも、これは必ずしもそれでとまるかどうかということに問題がある。それから現地でガスをくみ上げるのをとめるということは、これは大きな影響があるでしょうから、なかなかそれはいろいろな工場の設備なんか資本を投下してやっておると思いますから、それは無理だと思いますが、何か近くの、たとえば長岡なら長岡のガスをそこに持ってくる。いわゆる構造性のガスを、地盤沈下と関係のないガスをそこに引いてくる。これは通産省の関係ですから、あなたにお尋ねしても無理でしょうから、私どもが考えるのは、何かそういう根本的な対策を、長岡から、相当のガスの量があるから、構造性のガスを、いわゆる水溶性でなしに、沈下と関係のないガスを引いてくるとか、あるいは新潟において、若干技術的な面ですけれども、もう少し深く、今の倍程度深く掘れば、これは水溶性でなしに、構造性のガスが出てくる。こういうことだから、六十四億で全部完璧だ、新潟の地盤沈下については――。いろいろ全国たくさんあります。大阪にもありますが、そういうふうな原因がはっきりしておる場合は、その原因を究明して、そうして沈下をしないということの方向づけが私は正しいと思うのです。それは一・二メートルでとまるかどうかということは不確定だし、莫大な国費を次から次に積み重ねて、ちょうど岸壁を積み重ね、積み重ねるような状態になるんじゃないか、こういう心配をするわけです。一応今の説明で、五年たてば心配がない。こういう説明ですから、これは専門家でないから、私は一応それで了承しますが、私の要望したいのは、通産省あたりとよく、港湾の維持ということから考えても、根本的な原因を排除する、こういう方向に一つお願いをしたいのです。
#15
○政府委員(中道峰夫君) ガスの規制並びに構造性のガスの採取あるいはそういったガス事業の転換等の問題は、通産省でいろいろ考えておられるようであります。私どももいろいろ連絡いたしております。それはこの計画とも関連いたしておりますが、おっしゃるように、この原因究明につきましては、私の方の現地の出先機関である建設局が主となりまして、この地盤沈下を究明する井戸を掘りまして、そうしてそれによって長年、数年にわたりまして、相当大規模な調査を続行したわけでございます。それによりまして、今日この結論を得たというようなことでございますので、沈下機構その他について、これは専門的な問題なんでございますけれども、相当の究明が実はなされておるわけでございます。しかし、まあ、今申しましたような一・二メーターということが、はたしてこの通りでおさまるかどうかということは、これは今、一応権威のある機関の勧告であるからということで、それともう一つ、今申しましたような、私ども自体がこの原因究明をいろいろ調査、研究いたしましたものですから、これに現在のところ頼って、それに基づいて計画を立てていくより仕方がないというふうに考えております。もし今後の推移によりまして、なおそういうことでおさまらぬという見通しが出て参りますれば、またそのとき考え直さなければならぬと思いますけれども、現在のところは、こういった線で計画を立てて一応いけるというふうに考えておるわけでございます。この計画の作成並びに原因究明も、実は私ども自体がこれをやったものでございますが、それに対してはもちろん、現地並びに中央において、原因究明に対する各種の委員会が設けられまして結論を得た、こういうことになっております。
#16
○大倉精一君 ちょっと関連して。これはむしろ大臣に一つお願いをしたいのですがね。新潟の地盤沈下は非常に久しい問題なんですよ、これは……。しかも、前から研究々々ということでもって日子を費して、数年間論争をしておる。専門家にいわせますというと、もう数年前にこれはガスであるということを言っておるのですよ。それがいろいろな、現地のどういう事情があったかわかりませんけれども、そういうことから公言をするのも遠慮しておるという面がだいぶあったのですよ。ですから、私はこの際、新潟の人が非常に不安に思っておりますから、地盤沈下で一体自分たちのところが海の中に埋没をするのじゃないかと非常に不安に思っておりますから、もうこの際いいかげんにこの辺で、新潟の市民が安心できるような力強い対策を立てて、この新潟の市民が安心できるような措置を一つ講じてもらいたいと思うのですね。大臣の方に一つ要望したいと思うのです。
#17
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま港湾局長からも、ただいままでの経緯を御説明申し上げましたようなわけで研究の結果、地下のガスを出すということに沈下の原因があるということで、通産省の方でその方面は十分に規制をするということで、今までの私どもが考えておりましたことは応急的なことをやっておりましたのですけれども、そういうこととは違って、今度原因がはっきりいたしましたので、その原因の方からも十分に対策を立てるし、もちろん、これから今後長い間の計画として、五カ年間に六十余億の金を使って十分のことをいたしたいと、こういうふうに考えておりますわけでございまして、今御心配のことは、その地方の方々とすればきわめてごもっとものことなんで、政府といたしましては、御心配のないような、ほんとうに抜本塞源的の対策を立てなくてはならぬと思っておりますが、今後も、ただいまの予算やなんかに満足することはございませんで、今のガスの規制をいたしまする通産省の方とも緊密な連絡をとりまして、地方の方々が安心のできるような対策を立てることに、運輸省としても関係官庁とよく相談をして努力をいたしたいと、こう考える次第でございます。
#18
○委員長(三木與吉郎君) ただいま国鉄側からは運転局長、施設局長、国有鉄道部長、自動車局総務課長が出席いたしております。
#19
○中村順造君 私は、先日参議院から豪雪地帯の調査と長岡の地震の調査に派遣をされまして帰って参ったのですが、特に現地の状態を中心にして国鉄に二、三お尋ねしたいと思うのです。
 そこで、一応当時の状況ですか、先般決算委員会で運転局長ですか、なされたのですが、これが現地に参りますと、私の決算委員会で聞いた内容と少し違うようなんですが、特に三十日、三十一日、それから正月にかけまして大雪が降った。これに対して国鉄当局のとった措置が必ずしも万全ではないということで、現地ではかなり非難の声があるわけなんですが、一応運転局長から当時のとられた措置なり、それからどういう実情であったか、概略でいいから一つ話していただきたいと思います。
#20
○説明員(石原米彦君) ただいま中村先生から御質問のございましたことにつきまして、三十日、三十一日、一日について本社のとった措置から申し上げたいと思います。
 大体当時の状況で申しますと、二十九日に雪害の警報は受けておりました。また二十九日にかなりダイヤが乱れ出しておりましたのですが、まだ不通になるという状況ではありませんで、大体金沢地区と新潟地区とを通じましてダイヤがかなり乱れておりました。しかし、はっきり不通になりましたのは三十日の夜になりましてからでございます。従いまして、列車を一応は三十日まで出しまして、三十日の夜中にいよいよ不通になりますし、また雪の状態は三十一日が――これは金沢と新潟で若干違いますが、新潟地区が、一昼夜の降雪量で申しますというと、三十一日の一昼夜が一番たくさん降っております。金沢近辺は元日が一番たくさん降っております。一そう激しくなって参りましたので、三十一日から長距離列車は全部とめる手配をいたしましたのでございます。ただ先般の決算委員会のときにも申し上げましたように、暮れの三十日というのは一年中で、三百六十五日を通じまして一番お客さんの多い日でございまして、従って臨時列車も出せるだけ出しております。臨時列車の、いわゆる多客臨といっておりますが、これが一番一年中で多いときでございます。それでもなかなか超満員になりまして、上野の駅などはあの大きな駅が一ぱいになりまして、舗道まであふれ出るような状況でございまして、従いまして、三十日が一番判断に苦しむ時期だったのでございますが、汽車がとまりそうだからお引き取り願いたいということは容易に言えないような事態になっておりまして、従いまして、水上以遠には汽車が行けないかもしれないということを放送いたしまして、また東海道を回りまして、米原から金沢の方に参ります急行などは福井までしか参りませんというようなことも放送いたしまして、列車だけはとにかく発車させましたわけであります。
 またあのときの上野駅その他の状況では、途中まで行く方をより分けて乗車願う、遠距離に行く方はおやめ願うというようなより分けができるような事態では実際はございませんでしたので、そういう措置をとりまして、できるだけ列車の確保をはかる。もし不幸にして不通になりましたならば、できるだけ早く開通させるということで、お客様もおそらく正月までには帰省したいという方が多数おられたと思います。もちろん、極力列車がおくれないようにいたしました。列車が万一おくれましても、正月までには帰っていただけることができるであろうというつもりで発車をいたさせたのでありますが、三十一日の夜半からいよいよひどくなりまして、決算委員会のときにも御答弁しましたように、四十年来例を見ない大事になりまして、そのために広範囲にわたりまして全列車が不通になるという事態になりまして、そのために、結果といたしましては、非常に多数のお客様に御迷惑をおかけいたすようになったのでありますが、三十一日からとめましたが、三十日までの状況では、全部の列車をとめるというまでには判断がつきませんでした。
#21
○中村順造君 私が違うというのは――これはきょうは副総裁おいでを願うように頼んでおったのですが、何か都合で来られないということですから、運転局長に全部というと無理かもしれませんが、とにかく現地で、今お話があったように三十日に汽車がとまっておるのですよ。今のお話では三十一日から汽車をとめた。現地の雪の状況は、三十日の午後から夜にかけて汽車が動けない、そういう情勢にありながら上野から汽車を出す。私は、何か、こちらに帰ってちょっと聞いた話なんですが、運転としてはこれは自信がないと思う。そういう豪雪の中に列車を入れるということは自信がない。ところが今運転局長のお話のように、何か一年に一ぺんの帰省であるからというので、お客さんがかなり圧力をかけて、そういう関係で、営業関係の方で、大丈夫だ、そんなもの出せということで、これは東京鉄道管理局の営業部長であると思いますけれども、そういう非常に無謀なことをやって――私はまあ結果から見まして、列車がああいう状態で、死傷者は非常に少なかったわけですが、病人も出たのですが、そういうことが大きな原因になって、これはもうそういう豪雪の中に列車を入れるということは、今から考えると非常に危険な状態だったと思うのですが、しかも、かなり何十本という旅客列車が雪に閉じ込められて、三万人に及ぶ旅客が食べ物も十分ないという状況の中に何日間か置かれたということは、しかも状況から見て、もうすでに二十九日には警報が出て、三十日には大雪が降って、現地では汽車がとまっているのに、なおかつ上野から汽車を出すというのはあまりに無謀だと思われるのですが、現地でもそういうあれがある。この点は実情はどうだったのですか、運転の方としては無理だと言ったにもかかわらず、営業の方から強引に列車を運転しろ、そういうことがあり得ることなんですか、運転局長どうですか。
#22
○説明員(石原米彦君) ああいう災害の際には、いつも起こることでございますが、各地方の立場とか、あるいは仕事上の立場からいろいろな意見が出まして、非常に激しい議論もいたしますし、やりとりもいたします。しかし結局列車の活殺をいたしますのは運転局長の責任でございまして、それらを全部総合いたしまして、この際はこうすべきであるという決断をいたしまして、列車の活殺をいたしますので、それに対します総合判断の全責任は私が持っております。あの際の判断といたしましては、東鉄とそれから関東支社は、幹部全部、上野は一番問題だということで上野に詰めておりまして、御承知と存じますが、東北線と奥羽線の列車は全部品川扱いに去年の暮れはいたしまして、それだけでも上野の駅は緩和いたしたのでありますが、それにもかかわらず、上野の駅はホームに、駅中一ぱいになりまして、外まであふれるような状況になりました状況を聞いております。私どもは本社に詰めておりますから、全部電話で各地の状況を聞いて判断いたします。その状況が相当容易でないということは、これは確かでございます。
 一方、現地の方からは非常に困難な状態を伝えておりまして、二十九日から一度とまって前をあけて走る、そういう状況になりますのでおくれますので、最大は六−七時間おくれたのが、三十日の日に到着いたしたのがございました。そういうような状況で、場所によってはとまったり動いたりという状況になっておりましたのは事実でございます。
 しかし、ここで一番私の判断の基礎になりますのは、危険の問題でございまして、危険の伴うという問題でございましたら、これはたとえお客様が何とおっしゃいましても、断じてとめてしまいますので、たとえば伊勢湾台風のときには、あのときまだ台風が上陸いたしませんときに、東京、大阪発の準急行列車は停止いたしました。これは危険を伴いますものでございますので、東京ではまだ日が照っておりましたが、このときにはすでに列車をとめてしまったのでありますが、雪は、この間のように非常に食事にもお困りになって、病人が出やしないかと思って心配いたしたのでございますが、それに対する手配も応急にいろいろいたしましたので、そういうような場合は非常にまれでございまして、よほどの雪害でも大体局部的でございますし、そのあとで、できるだけの手を尽くしますれば、まあ最大五時間とか十時間のうちに雪のやみを待ちまして、復旧ができますので、その間車内でカン詰になっていただくということにもなるわけでございますが、危険を伴うということは、まず普通の雪害では考えられません問題であります。また半面、ふだんのお客様と違いまして、一年に一度か二度ぜひ帰省をしたいというお客様が、それでああいう一年中で一番多い季節になっておりますので、できるだけ努力をしてお送り届けしようという方に実は軍配をあげまして、三十一日になりまして、三十日よりもさらに状態が悪化して明けたわけなんでございますが、金沢などは元日に雪が一番たくさん降りましたが、そこまでは気象通報をもちましてもとうてい判断できませんし、まずいいかげんまでいけば下火になるだろう、不通になりましても、何とか雪を掃いて、おくれても元日までには必ずお帰ししたいというふうに、実は軍配をあげましたところが、予想外の、ちょっとわれわれが三十年の鉄道の経歴でもとうてい想像ができない大雪が広範囲に急激に降りましたので、ああいう結果になりまして、御迷惑をおかけしたわけであります。
 事を運びます場合には、ことにああいうふうな判断は、非常にむずかしくなりまして、立場々々でいろいろな意見がございます。雪の降っておる地域からはなるべく入れないでくれと必ず言って参ります。しかしそれもその状況をいろいろ聞きまして、総合判断いたしますので、結果といたしましてはいろいろ御迷惑をかけましたのですが、三十日の日の判断といたしましてはそういう状況で、まことに申しわけなかったのでございますけれども、そういう判断をせざるを得なかったのでございます。
#23
○中村順造君 これは、運転局長、結果的にまずかったといって認めておられるから、それを私は責めたって仕方がないと思うのですが、結果から見れば、必ずしも、私は申し上げたように、これは万全でなかった。しかも通信線は確保されておったのですから、そういう中へもっていって、どんどん汽車を入れていった。ところが、三十月に出した列車が全部雪の中に埋まる、これは雪に対する認識ですから、運転局長かなり持っておられると思うのですが、私が現地で聞いた範囲では、子供が肺炎になって、病院に収容して死んだとか、汽車の中でお産をしたとか、いろいろな話もあるわけですが、ああいうような豪雪が何十年ぶりでも降ったことは事実なんですから、そういたしますと、閉じ込められて、もう列車の暖房もきかない、電気もつかない、食糧もない。こういうことになったら、これは大きな一大惨事が引き起こされるわけです。これは天候の異変だから、だれしもそういうことはないという判断をすることも誤まりであるし、また、今なおああいうふうな状態ですから、これは将来の問題として、やはりいろいろな問題はありますけれども、雪に対する危険度ということはやはり一応考えていただかなければならぬと思う。そこで施設局長がおられるようですが、除雪についてのどういう措置をとられたのですか、現地で……。
#24
○説明員(柴田元良君) お答えいたします。従来でございますと、降雪に入ります前に、金沢の局あるいは新潟の局も残念ながらまだ除雪井人夫というものにかなりの除雪の能力を頼っております実情から、そうした降雪時に地方の除雪人夫に協力を求める態勢をまず固めるわけでございます。それから部内的には、機械除害、御承知の通りラッセル、ロータリー、マックレーン、そういった機械除雪のための部内準備、これはダイヤの問題あるいは乗務員の問題、あるいは機関車の問題、いろいろございますが、そういった問題を一応十分の相談をし、計画を立てまして冬を迎えるわけでありますが、この場合には気象庁からのいろいろな通報はそのつど受けておりますが、実際の除雪をいたしますときの最終的な判断は、私どもの方で各駅、もしくはそれぞれの中間に線路班というものを持っておりまして、この線路班で実際の降雪の状態を測定をいたしております。逆にこういった測定の状態から雪の状態を判断いたしまして、それぞれ手配をするというのが現実でございます。
 気象台の発表によりました今回の雪についての判断は、この状況と申しますか、警報の範囲におきましては、これは従来、たとえば昨年におきましても二十数回同じ程度に出ておるわけでございますので、現場といたしましては、実際の降ってくる状態というものを判断しながら除雪の対策を立てておるというのが実態でございます。この場合、二十七ごろから乱れておりますが、ラッセルはその当時すでに金沢につきましても、新潟につきましても、一日平均数百キロ一応除雪に当たっておるわけでございますが、三十日から三十一日にかけまして、特に非常に吹雪いたわけであります。ラッセルにしましても、ロータリーにいたしましても、吹雪になりますと、これは全然もう前途の見通しがきかないために、しばしば立ち往生いたします。そのままある程度雪の中に埋もれる。こういうふうになるわけでありますが、当初できるだけラッセルでもって排雪いたしまして、こういうのが数目続いて参りますと、排雪されました雪が線路の両側に壁を作ることになるわけであります。壁がだんだん高くなって参りますと、これ以上吹きました場合にはもう除雪の方法がない、こういう段階にロータリーは出ていくわけでございます。こういった作業を繰り返したわけでありますけれども、三十日、三十一日にかけまして非常に吹雪いたということのために、動きましたラッセルなども途中でもってとまらざるを得なかった、こういったような事態もあったわけであります。結果的には、機械もある時期にはそういうふうな状態であった。
 なお、助勤者その他につきましても、主として三十日におきまして、まだ自局管内と人夫が両者合わせまして三千名程度動いておりましたが、三十一日になりまして消防組織法の発動などの要請をいたしまして、地方からの方の御援助も一部得ております。なお一日、二日ごろから自衛隊、それから他局からの助勤者、こういったものが、自衛隊が平均八百ないし九百、それから他局からの助勤者が千七、八百、そういったものが応援をいたしまして、なおその後一日、二日にわたって逐次人夫もふえまして、一万数十の除雪人夫が除雪に当たるようになって参りました。そういった経過をたどったわけであります。
#25
○中村順造君 具体的になりますが、今お話の中にあった、従来は除雪については地元とか沿線の協力を求めてやると、そのため何か組合のような組織があって、農家の人に応援をしていただいて雪を排除する。今度の場合はそれはだめだったんじゃないですか、それはどうです、その点は。
#26
○説明員(柴田元良君) たまたま暮れの三十日、三十一日にかけまして、ちょうどそういった四十年ぶりの大雪でございましたために、自分のうちの除雪ということに追われまして、お願いいたしましても現実に出動していただけなかったということは事実でございます。
#27
○中村順造君 そういう面が一つあって、これはやはり雪というやつは、ああいう場合は、機械の説明もあったけれども、やはり人海戦術をとらなきゃならぬと思うのです。あれだけ豪雪ということになれば、二メートルも三メートルも降れば、それが従来そういうふうなことであったから、そういう組合に依存して、大雪になったらだれか出てくれる、そういう安易な考え方がやはり除雪の手おくれだと思う。いわゆる汽車が動かぬ、この前もお話もあったように、汽車がいつも運転をしておればとまることはないわけですよ、線路上を。ところがそういう手違いというか、思惑違いがあったために、人海戦術がとれない。この場合に、もちろんラッセルもロータリーもだめだったというお話だが、そこにラッセル、ロータリーさえ運転できないような状態が線路にできたということは、これは地元としては非常に物笑いというか、国鉄の雪に対する考え方が甘いのだ、こういうことを言っているわけです。今あなたのお話にあったように、三千人ですか、いわゆる何百キロという広範なところに三千人か一万人の人間を入れてみたところで、これは人海戦術になりませんよ。しかもこれはそういう結果から見てやむなく、かつてないいわゆる消防法の発動をお願いをする。現地の私は消防の指揮者からもいろいろ説明を聞いたわけなんですが、自衛隊が出る。そこで初めて雪の排除というものが目鼻がついた。こういう実情だったということを聞いているんですがね。しかも私は物笑いになっておると今申しましたが、国鉄が除雪の人夫、あの雪の中に出て雪を排除する人たちに一体幾ら払っているんですか。三百四十円程度じゃないですか、そういうことで人が大体集まると考えておられるのかどうか、その点はどうなんですか。
#28
○説明員(柴田元良君) 除雪の人夫に払います賃金でございますが、これは実は労働省の一応告示がございまして、各都道府県別に局別賃金日額表の一応の基準がございます。各局、支社におきましては、一応これを一つの基準に考えておりまして、豪雪に入ります前に、先ほどお話し申しましたように、各地方それぞれにいろいろと、ことしの賃金は大体こういうものだ、御異論もございますが、しかしそういった話し合いをしまして、ではこの冬はそういう賃金で一応いこうという一つの線を実は持っておりますものですから、ただいま先生おっしゃいますように、暮れの自分の家が危険なときに、まあ実際払いましたのは超過勤務手当を入れまして七百円ないし八百円だったと思いますが、そういうもので出るかどうか、これはそれだけのためなら、私はとても出てくる賃金ではないと思うのでありますが、ただそういういろいろの制約の中で、賃金を払うようにいたしておりますために、ただいま先生御指摘のような矛盾は現実にあるわけでございます。ただこういった賃金が適当であるかどうかということにつきましては、私どもは決してそれがあの時期に、あの季節においていいものとは考えておらないわけであります。
#29
○中村順造君 これも結果ですが、私が言ったように、初めからもう雪に対する大きな手違いをしておるし、それから現実に線路の上に雪がたまって、列車が何本も何本も雪の中に閉じ込められて、こういう状態が続いても、なおかつ役所の仕事として三百四十円の除雪人夫賃で人が集まると考えるところに大きな判断の誤まりがある。長岡の場合でも柏崎でも、高田の市長さんでも、大体あの地方で、ことしの人夫賃はどのくらいかということになると、同じようなことを言っておられるが、食事付で千円だ、食事を出して食べさして、その上に千円やらなければ集まらない。しかも年末年始の人集めの困難なときに、自分の家さへ――消防の非常に崇高な精神で出動してくれたからいいようなものの、またそういう情勢の中で三百四十円の除雪賃金で何万人、何千人という人が集まると判断すること自体が、今お話の、例年雪の前になると、ことしは幾らでいこうということできめてやっていく、それでは将来にも問題がありますよ、そういう考え方は。この点はどうなんですか。
#30
○説明員(柴田元良君) 賃金を将来どうするかという問題は、これは私ども十分に検討しなければならないと考えております。ただ賃金だけ上げたから、それでは現実に協力が得られたかどうかという問題につきましては、これは実は私どもも多少迷うわけでございまして、一日以降大体、三万ぐらいの協力を得て除雪に従事したわけでありますが、暮れの三十日につきまして、あるいは三十日につきましての賃金の問題というものを、特別に考えるかどうかということは、一応問題があるのじゃないかというふうに考えております。
#31
○中村順造君 私が言っているのは、現地で非難をされている、物笑いになっているというのは、そういう考え方ですね。たとえば何万人という乗客が雪の中に閉じ込められている。しかも食糧も十分行き渡っておらない、一日握り飯一個か二個でがまんをしておる、そういう情勢の非常事態でしょう、そういう場合に、一応取りきめたから三百四十円で人を集めるのだという、そういう物の考え方が物笑いになっているのですよ。現実に片一方に何万人というお客さんが雪の中に閉じ込められているのに、三百四十円で人を集めよう、しかも正月。そういう考え方の延長がああいう実際問題として汽車がとまる、雪さへのければ汽車は動くのです。そこに大きなやはり現実のやり方についての誤まりも指摘せざるを得ないと思う。雪だからいつ――ことしはもうこれで終わりかもしれませんけれども、年々あることだから、十分これは一つ心しておいてもらわなければ、一方で非常事態になっているのに、役所流に考えて、あくまで三百四十円で処理するという……。超過勤務払ったなんて言われても、現地では三百四十円しかもらっていないと言う。これは一つ将来の問題として……。
  それから今度営業の問題でちょっと聞きたいのですがね。この現地の非常にきつい要求で、商売をしておられる方、あるいは農家の人、それぞれ深刻な問題があるわけです。これは商売している人は、いろいろ材料がつかないとか、あるいは製品が発送できないとか、農家の人は肥料が間に合わない、あるいは物を発送するにもできない。こういう大きな、何十億というような見積りの陳情がされておるわけです。これは現在の状態で、どうなんですか、輸送の状況は。主として貨物ですがね。
#32
○説明員(武田啓介君) 今先生の御指摘の通りでありまして、一カ月強にわたります未曾有な雪害のために、確かに製品、原料、あるいはもろもろの貨物が非常に送り不足になりまして、被害額は 国鉄の計画に対しまして約百万トンくらいであります。特に雪害地から発送になる分がその半分くらいでありまして、御指摘の通り、非常に輸送障害としては近来にない大きなものでございます。国鉄といたしましては、一月の下旬、二月上旬になりまして、ようやく輸送秩序と申しますか、貨物列車の運転が平常に立ち戻って参りましたので、何とかこの挽回輸送をいたそうというように計画いたしまして、かたがた運輸省の方からもこの挽回をどうするかというような御質疑もございましたし、緊急対策輸送会議等も開かれまして、御指摘がございましたので、一応二月中にその送り不足になりましたものの二割程度を挽回したい、このように計画いたしました。
 少し詳しく申し上げますと、新潟支社におきまして約二十一万トンくらいのものが、年末から一月一ぱいにかけましての減送でございます。それから秋田につきましては十一万トン強、金沢につきましては十七万トンほどの減送になっておりますので、その二割程度を何とか挽回したい。このために現在車を、もし雪害なかりせばどうであったかという、ありべかりし姿に対しまして、この三つの地方に対しまして千二百両ほど増加をいたしました。使用車におきまして一日三百両ほど増加をいたしまして、貨車をふやすような手配をいたしております。この貨車は申し述べるまでもなく、雪害の影響のなかったところから臨時に転用いたしまして、現に回しております。それから貨車を引きます臨時貨物列車は、裏縦貫線において四本、これは十一日から運転をいたしております。東北常磐線で四本、奥羽線で五本、東北線で二本、この東北線と申しますのは、白石−大宮でございますが、このような列車をこれは六日から増発いたしております。これによりまして何とかできるだけ挽回輸送に努力をいたしたい、このように考えております。これは二月中のことでございますので、非常に二割じゃ少ないじゃないかという御疑問が出るかと思いますが、今の雪害地帯が残念ながら単線でございまして、輸送もこれ以上つけられません。これは大体秋冬繁忙期に匹敵するほどの列車本数でございますので、従いまして、今後三月以降につきましては、二月の下旬にあらためて計画を立てさせていただきたい、このように思っておりますが、今のところかように挽回輸送のために全力をあげておる次第でありますし二月のもちろんこれは初めから計画をいたしましたが、二月の上旬にまた若干の雪害がございまして、当初必ずしも意のごとく参っておりませんでしたが、最近ようやく今私どもの申し上げました程度の現在車を持ち、使用車も上って参りましたので、今後できるだけ推進して参りたい、このように考えております。
#33
○中村順造君 千二百両で二割の程度、平生の状態よりか二割輸送をふやすというのでしょう。農家の人なんかの陳情の内容は、三月一ぱいに肥料が入らなければ、ことしの減収になる。その点はどうなんです。地方のいろいろ支社長とも連絡されておると思いますが、大体現地の需要には応じられる用意があるのですか。
#34
○説明員(武田啓介君) ただいまの御質問でございますが、まず先に二割の挽回輸送と申しますのは、減送に対する二割でございますので、平常の輸送能力に対して二割という意味ではございません。それからその中で、今御指摘の肥料は確かに問題でございまして、特に雪害地帯が日本の化学肥料の主産地でございますものですから、この中で、肥料にはできるだけ重点を入れるようにこまかい打ち合わせをいたしております。かつ、これから農林省の方と御連絡申し上げまして、農林省自身でどのようにお考えになりますか、御指示を得て輸送いたしたいと思いますが、春肥全体につきまして、国鉄の見通しといたしまして、必ずしもこれが完送できる、今までの送り不足を完送できるか、まことに疑問に思っておりますが、その場合は供給地に対しまして、おそらく主産地以外の他の地方から回すとかいうようなことで目下計画を検討しておる、相談をしておるところでございます。
#35
○中村順造君 私は、先ほど現在どうなっているかとちょっと聞いたのですが、現在でもまだ発送をとめているところがあるのじゃないですか。
#36
○説明員(武田啓介君) 現在では発送を停止しておるところは、この前事故があったときにございますけれども、その他においては一般的にはございません。小さい受託停止のようなケースはございますが、全体としては今のところ、前にいたしましたような大規模な輸送制限は行なっておりません。
#37
○中村順造君 配車課長にあまりこまかいことを聞いてもおわかりにならぬと思いますが、私は長岡に参りましていろいろ不平を聞きましたので、駅に行ったのですよ。ところがやはり発送をとめておるわけなんです。これはどういう実情でとめているかというと、到着した貨物がさばけない。市街地のいわゆる市道については大体まだ六%くらい程度しか道が啓開していない、だから開いていないから配達ができないわけです。これは日本通運の方でも非常にそういう困った実情を話されたのですけれども、そのために到着貨物が多いので駅が一ぱいになった。だから発送の受付ができないというのです。これは商売人としては非常に重大な打撃を受けた、今もって言っているんですがね。これはそういうことは御存じないかもしれませんが、必ずしもあなたの言われるように現在減送の分に対してさらに二割を増送するというような状況ではないのですがね。
#38
○説明員(武田啓介君) お答え申し上げますが、ただいま先生の御指摘のようなことは、二月の初めごろ確かにおっしゃいますような事態がございまして、小運送の道路があいておりませんために、そのために輸送制限をした事態がございましたが、それで私も先週の火曜から金曜日にわたりまして新潟、金沢に参って、実情をつぶさに承っていろいろ御意見を拝聴して参ったわけでございますが、それによりますと、二月七日の新潟、二月九日の金沢の話で、きわめて最近の話でございますが、その後だいぶ除雪に努力いたされまして、市街地の小運送につきましては、大体五〇%程度回復をいたしております。ただ路線につきましては、御指摘のようにほとんど一割ないし一割ちょっと強いくらいしか回復しておりませんでした。そのために現地で行なわれました緊急輸送対策地方会議におきまして、この小運送の能力を増すための除雪の問題が討議されまして、関係者におきまして、できるだけこの市街地の道路をあけて、早く小運送を円滑にして、鉄道の輸送がより円滑になるようにという話になっておりまして、その後さらにその面は推進をされておる、このように考えております。従いまして、今の御指摘のような点は確かにございましたけれども、最後に残りましたのは金沢でございまして、金沢が今からたしか四日か、五日くらい前まで制限しておりましたが、これは一応荷役の面から参ります制限は今のところ解除しております。
#39
○中村順造君 時間がおそくなりますからやめますがね、配車課長が行かれたあと私は行ったのですよ。私が長岡に入ったのは九日ですからね、九日の状態がそういう状態、私は現地に行ってホームを見てきたのだから、駅長さんが説明したのだから、だからもしあなたが現実そのなにがないと言われるなら、それはあなたのどこかに狂いがあるわけだ。私が間違った説明を受けたのか知りませんが、私は山ほど積まれた貨物を見てきた、到着貨物を。そういう実情の中で、発送とは大体関係のないものですね、雪と発送というのは。いわゆる駅に持ってきた荷物だから、これを出そうというのだから、何も途中の線路は雪はないのだから、発送をとめるというのはおかしいと思うのですよ。もしそれがホームが一ぱいになっておるなら、それをどこかへあけて、やはり発送は受け付けるべきだと思うのです。これはいろいろ現地の中小企業の方の話を聞くと、時期的にどうしてもやはり今送らなければならぬ品物がある。たとえば既製服――洋服なんかはあそこは産地だそうだが、そういうものは時期をはずしたらどうにもならぬ。けれども、到着貨物で一ぱいになったから発送をとめて――これは九日の現状です。あなたはお帰りになって一つ調べていただいたらわかりますがね。だから、雪害といっても、これは去年の暮れから一月にかけてのことであるし、それから二月のなるほど上旬に若干降雪があったそうですが、しかしそれゆえにこれがそういうふうな国鉄の輸送に今もって影響さすということは、あまりに策がなさ過ぎると思うのですね。その点は一つあなたお帰りになって――貨車千二百両入っておる、それからどんどん貨物列車の回数もふやしておる。それから実情は、あなたも現地に行かれたから十分把握されておると思うから、どういうことを現地の人が要求しておるかわかっておると思いますから、私は言いませんけれども、必ずしもあなたの認識しておられるような実情でもないと思うのです。その点はやっていただけますか。少なくとも三月一ぱいには平常の状態に戻してもらいたいというのがきつい現地の要求なんです。
#40
○説明員(武田啓介君) 先生が九日においでになりましたとしますと、私はもう一ぺん調査をしてみたいと存じますが、ただ今の発送、到着の関係は、御承知のごとく、いずれにいたしましても荷役、小運送が不円滑になりますと、ただ貨車を到着させましても、置き場がなくて、途中送りというような事態にもなりますので、一時的な輸送制限をいたした次第でございますが、先生御指摘のような点につきましては、なお実情を調査してみたいと存じます。三月までに常態に返すような努力をすべしというお話でございますが、これはできるだけ努力をいたしたいと存じますけれども、御承知のように、三月におきましては例年貨車の総数が減る月でもございますし、これは廃車の繰り延べ、その他今検討しております。それから動力車の乗務員の老齢の機関手と若い機関手とかわる時期でございまして、なおもう少し研究さしていただきたいと思います。御趣旨を体しまして、できるだけ努力はいたしたいと思います。
#41
○重盛壽治君 国鉄の関係の人、大臣もちょうどおられるが、一緒に聞いておいていただきたいのだが、最近国鉄が非常にラッシュ・アワーに混雑をきわめておる、それに対していわゆる時差出勤というようなものをしたらどうかという案が出ておったのだが、そういう問題はその後取り上げられておるかどうか、ちょっと聞きたいのだが……。
#42
○説明員(広瀬真一君) 一時、新聞等を毎日にぎわしておりました、おとして東京付近の国電の通勤輸送の問題でございますが、ただいま先生御指摘になりましたように、一時はかなりの混乱を生じました。これは例年大体こういう混乱が、多少程度の差はございますが、一月の中旬から二月の大体中旬まで生ずるわけでございます。特にことしはその度合いがひどくなりまして、この原因は御承知の通りでございまして、冬季の着ぶくれの問題、それから特にことしは御承知のように寒さがきびしいものでございますから、通勤、通学の方たちが、何と申しますか、ぎりぎりまで、時間一ぱいまでなかなか出勤をされないというようなこと、非常にデリケートな問題でございます。極端に申しますと、三十分にお客さんが集中するというようなことから、例年同じような傾向がございましたが、特にことしはその度合いがひどくなりまして、ああいった、一時は非常に大きな混乱を生じたわけでございます。これに対しましてとりました方策というのは、できるだけ予備車両と申しますか、あるいは入場すべき車を都合いたしまして特発をやるとか、あるいは主要な駅になるべく人を大ぜい動員いたしまして整理に当たる。時には、非常に危険な個所には警察官を配置しまして整理をやるというようなことで、軽いけが人等は残念ながら出しましたが、大した大きな不祥事等なしに一応乗り切ったということでございます。最近は大体平常に復しておりますが、そのほかやはり一番効果を発揮いたしましたのは、国鉄が中心になりまして学校あるいは会社等に自主的に時差通勤をかなり熱心にお願いして、これが効果を発揮したということがやはり一番大きな原因だというふうに考えております。
 それで、政府におきましても、交通対策本部というのが総理府に置かれてございますが、ここで問題をやはり取り上げまして、役所の職員に対しまして、御承知のような臨時的な措置で、冬季間、出勤時間を一時繰り下げるという便法を政府としてもとりました。なお、この問題は、国鉄の来年度から新しい五カ年計画に入りまして、通勤輸送にかなり大きな金を投じまして、力をつけて参ります。たとえば、さらに車両をふやすとか、あるいは駅の施設を改善する、あるいは信号、こういった問題で、従来もかなりの額を投じておりましたが、来年度から重点的に通勤輸送の改善に力を向けますが、何と申しましても、これは急に一年ですぐ解決するという問題ではございません。たとえば中央線に例をとりますと、御承知のように、ただいまの運転状況は、ラッシュ時は二分間隔で十両、要するにぎりぎりの輸送をやっております。今一時間の時間帯に二分、十両運転ということをやっておりますが、これをかりに一時脚半に延ばしましても、それほど力がつくというものではない。やはり中央線沿線の急激に増加して参りますお客さんに対しては、線路をさらに増設するという根本的なことをやらなければ力がつかないわけでございます。そういったことから、ただいま申し上げました総理府の交通対策本部におきましても、この一時的なこの冬の乗り切りということだけでなくて、今後もう少し問題を真剣に掘り下げまして、時差通勤というものをもう少し、何といいますか、根本的に今から考えていく必要があるというふうに考えまして、私ども今後緊密な連絡をとって、やや恒久的に対策を立てて参りたいというふうに考えております。
#43
○重盛壽治君 今言われたことは、大体私も承知しております。時間がありませんから、こまかいことは申し上げませんが、一月三十日の日に、私どもは、社会党だけだったかと存じまするが、衆参両院の運輸委員が五名ずつ二班に分かれて、一班の方に私が入り、二班の方に大倉君に入ってもらって、それぞれの立場から、今説明のあった東京付近の一番混雑するという中央線の荻窪、高円寺、新宿等を視察いたしました。その際に、七時二十分ごろに集まって、七時半に、関係者の協力を得て、東鉄の管理局長角氏あるいは斎藤さん等もお見えになったようですが、その他関係者がたくさん来て下さって、いろいろ御説明を願い、それから一緒に視察をしたのでありまするが、この視察の経過の非常にこまかいことは申しませんけれども、今あなたの言われたように、二分間隔で十両編成でやっているときに増車はできない。しかも、たとえば青梅線の直通が通ると、そのあとは、その直通が一ぱいで来るために、二分間隔ではあるけれども、実際には四分間隔のような形がとられる。そういうときの応急措置はどうするかといえば、荻窪からさらに始発を出す、あるいは高円寺から始発を出すというようなことで、適宜な措置をとってきておることは、これは私どもも見てきて、今御説明になったことは承知しております。しかし、そういう中で、たとえば乗客の声を聞いても、最近は幾らかよくなった。そのよくなったというのは、国鉄を中心に、いろいろ近所の学校とか、あるいは生命保険会社とかいうようなところに話かけをして、時差出勤で協力を願っているというために相当の効果が上がっておる。当然冬季間は二割程度の着ぶくれがあって、そういう面からも非常な混雑があり、あるいはあの当時非常に寒かった二、三日というものは、時間ぎりぎりまでみな通勤人はこたつにもぐっておって、これはおくれてはたまらぬというので飛び出してくるので、非常な混雑をきわめるという、こういう状態は承知しておりますが、いわゆる平常に復したというのは、死人やけが人を出さぬという程度の状態に復したということであって、通勤人が安心して乗っていけるような状態には復しておらぬわけです。その中で通勤の諸君をつかまえて聞いてみると、「最近は幾らかよくなったけれども、何といっても命がけです。また、国鉄の値下げとか、いろいろな問題が起きておるようでありますけれども、私どもは何といってもサービスの改善をしてもらい、安心して職場に通えるという態勢を作ってもらうことの方が先決だと考える。」、中にはひどい人は、「国会議員の先生方や大臣さんの給料は上がったようでありますが、われわれの方は一向上がってもこないで、こういう死にもの狂いで通っているのですから、こういうところを見て一つものを解決して下さい。」というような皮肉を言う人もあり、いろいろ乗客の声を聞いて帰ってきたのですが、最後に新宿駅で、駅長あるいは関係者等が集まって、調査をした結果をいろいろ報告し合い、またどういう対策をとるべきかということを相談し合ったのであります。
 何といっても、当面国鉄を中心にし、あるいは運輸大臣を中心にして、時差出勤を強力にお願いをする以外にないのではないか。それは単なるお願いをするということではなくて、内閣の立場から、この時差出勤というものは半恒久的なものにやはり考えていかなければならない。十時なら十時、九時なら九時というように、官庁が集まってやれる形を変革しなければならない。もちろん、交通輸送の面では抜本的な解決をつけなければならぬ。それには、今言ったように、国鉄の道路の増設、しかし、これは言うべくしてなかなかそう簡単にはできないことであります。それから、多摩地方の開発を考えるならば、これはもっと総合的な施策をやらなければいかぬ。今やっている荻窪までの地下鉄を急速にやるとか、あるいは道路の改修をやるとか、新しい道路を作るとか、バスの流通をよくするとか、いわゆる縄張り根性というか、そういうものは捨てて、運輸行政をどうするかという立場に立って、運輸大臣がやはり高度の立場から処理をしなければならぬ段階にきていることは、これは言うまでもありません。しかし、その前に、時差出勤だけであってもよいから、国鉄だけがその立場に立つのではなくて、運輸大臣がその先頭に立って呼びかけをし、半恒久的な時差出勤を当面考えなければならぬのではないか。これは国の経済状態、国鉄の経済状態、すべての問題と、さらにはあらゆる総合施策が言うべくしてなかなか行なわれがたい現状からいっても、まずできる問題から解決をつけていくべきではないかということを私は痛感するわけです。
 従って、今お話しになったようなことで、国鉄の内部だけでやって、ようやくいわゆる人殺しができぬで済むという程度の通勤の状態をよりよくしていくというためには、もっとやはり当面の積極政策をしなければならない。それは僕もやはりしろうと考えで、二分間隔を詰めるということは、これはかえって危険でもあるし、増車云々というけれども、増車しても増結できない現状まで目一ぱいやっておる。そうだとすれば、当面暖くなるのを待って、気ぶくれが幾らか少なくなれば、それだけすくのではないかというようなけちなことを考えないで、根本的な時差出勤をお願いし実施する。これは運輸大臣はどういう方法をとるか、なかなか困難なことだとは思うけれども、そういう点を聞きたいのです。幸い大臣もおられるし、根本的にどう考えておるかという点をやはりお約束願っておかなければならぬのではないかと思う。
#44
○説明員(広瀬真一君) 今先生からお話のありました通りでございまして、運輸省といたしましては、国鉄につきましては、先ほど申し上げましたように、来年度から、たとえば中央線の線増であるとかいうような根本的な問題に手を急速につけて参る、輸送力をつけて参るという方向に進めて参る。それからまた、単に国鉄だけの問題ではございませんので、大臣の諮問機関でございます都市交通審議会におきましても、国鉄、私鉄、あるいは地下鉄、こういったものを含めまして総合的に、将来の東京の通勤輸送を中心といたしましてどのように解決していくか、これは長期的な見通しを立てまして、総合的に力をつけるという問題にただいま取り組んでおります。そういった根本的な問題は強力的に進めて参りますが、先ほど私も申しましたように、何と申しましても、大きな設備を要しますので、直ちに力がつくという問題ではございませんので、やはり当面の問題としましては、今お話がございましたように、時差通勤を何とか制度的に恒久的なものにしていくということが一番適切なことであるというふうに考えておりますので、先ほど申しましたように、総理府の交通対策本部でこの問題をただいま取り上げておりますので、私どもいろいろ検討いたしまして、ある程度恒久的にこの問題を総理府においても取り上げてもらいたいというふうに考えております。
 なお、外国の例等を申し上げますと、ニューヨーク等におきましても、やはりこの通勤問題には非常に頭を悩ましまして、結局最後の手は時差通勤というものを制度化したという例もございますので、ただいまの現状といたしましては、積極的に輸送力をつけて参る。あるいは国鉄、私鉄というような間の調整をとりながら、長期的な見通しのもとに力をつけて参ります。それと同時に、やはり先生のおっしゃったような時差通勤というものを積極的に取り上げて参る必要があるというふうに考えております。
#45
○重盛壽治君 最後に質問というよりも要望しておきたいのだが、それはおっしゃる通りであって、なかなか実際には、国鉄の建前からいくならば、国鉄を増設し、それからできるだけラッシュ・アワー時の輸送を緩和したいというこのことはわかります。しかしそうかといって、それじゃ昼間はどうかというと、昼間はかなりがらがらの列車が歩いているという現象がある。そうするとやはり経済を無視してやるというわけにはいかぬし、限られたる国の経済力からいっても、国鉄増設のことがあるけれども、やはり時差通勤というようなものを取り上げてみて、総合的な立場からどうすることの方が経済的であり、よりよい方法であり、しかもやり得ることであるかというような面にやはり新機軸を出していかぬというと、東京付近の交通緩和なんていうことはできないし、もちろん首都圏なら首都圏で、工場を多摩の方に分散しようとか、あるいは先ほど来やはり道路の問題、総合的な交通問題の対策というようなことは、大東京を作り上げていくという意味、あるいはオリンピックを迎えるという意味から、非常にいろいろな面から必要であります。けれども、そいつを今すぐできない問題があるとするならば、まず緩和の一つの方法として、時差出勤というようなものを本格的に取り上げて、運輸省あたりが音頭をとってやっていくということが一つなければならぬ。
 まあ、ついでだから申し上げておきますが、公共性という問題、これは私はいつも言うが、運輸事業は一つの公共企業体ですね。交通の企業は公共企業体です。そういうものが鉄道を敷く、道路を作るというようなことに特定な人が反対をしたり――まあ民主主義だからやむを得ぬが、やっておるが、この公共性に対する主権者なり国民というものは、もっとやはり高度な感覚に立ってお互いにこれはやはり処理をしていくと、この指導というか、指導というのはおこがましいかもしらぬが、そういう感覚をより高めてもらうような運動をどこかで起こしてもらうべきだと、私は建設大臣に盛んに言ったことがあるが、高速道路を作るといえば反対をする。地下鉄を作るといえば反対する。反対もいいが、最後まで反対をするかというと、まあ反対していれば幾らか補償金が多くなるというようなのが出てくる。そういう思想の中で公共企業をやっていくというのは非常に困難だ。しかしそれもやはりやらなければならぬが、それでやはり新しい考えとしては、今言うように、そういう時差出勤の問題を取り上げ、公共企業体に対しては国民というものはみずから進んでやらなければならぬものだという、やはり何といいますかPRくらいの考え方を持たぬと、国鉄のことしは予算をとったり、赤字を埋めるためいろいろな値上げをしようということよりも先に、そういうみんなが一体になって交通事業というものはやるものだというような方向づけをするような努力をしていかなければならぬじゃないか。特に今の時差出勤の問題なんか取り上げても、半恒久的なものにしなければ、やはりそれは日本経済の面からいっても、そうあるべきだという方向づけをしていかなければならぬのじゃないか。何も七時に出勤して四時にしまっていかなければ官庁の役人じゃないなんていう感覚を捨てて、もう少し変わった角度で、それはやはり足を受け持つ、あるいは道路を受け持つ、いわゆる運輸省とか、自治省とか、建設省とかいうものは、三者一体になって、この問題はやはり高度な立場から協力して進めていく。それはやはり幸い運輸大臣あたりは一番音頭をとりやすい立場であるし、それから物には時期というものがあるので、三年先にはオリンピックが実行される。これは好むと好まざるとにかかわらず、当然やらなければならぬことでありますから、やはりりっぱな形にしてこれを作り上げていく。それを契機にして、私はやはり国鉄の問題なんぞも、非常に国鉄バスの輸送を十分国内至るところに強化していく。それはもちろん道路問題が含まれます。
 私はただオリンピックを、いつも言うように、日本の選手がより多く、強くなって、体位の向上ばかりはかられればいいというけちな考え方でオリンピックに賛成しているんじゃなくて、これはオリンピックを契機にして、日本の国が平和な静かな、いわゆる観光国家としてりっぱな国であるというのを八十数カ国の世界の人たちに見てもらって、それを契機にして日本の将来の行き方というものは方向づけが変わってくるぐらいまでできるチャンスじゃないか。そういう立場に立つならば、やっぱり総合施策をやって、日本のきれいな土地作りをまず運輸省が先に立ってやるという――電車にしても、外人は電車に乗らぬが、かりに自動車に乗ったって、東京の自動車では歩けやしませんよ。運輸省だけがそんなことをしていても、やはり建設省から自治省が一体になってどうするかということを取り上げなければこれはとうてい――現内閣が取り上げて、運輸大臣を中心としていろいろやっておることと私は考えますけれども、それをよりよく急速にやらないと、五カ年計画ではやれない段階に追い込まれている。先ほど東京都の問題で、私は予算のときに大蔵大臣にちょっと会ったら、東京は富裕都市でありまして、お金もたくさんあるから、なるべく山間僻地の未開発地に回したい。未開発地に回すことは賛成するが、未開発地より悪いこの東京の交通問題を一つ取り上げてもらいたいと思うが、これはおわかりになるかと言ったら、あまりおわかりないようだったが、これは交通担任の大臣が中心になって、首都の建設をどうしていくかということと一つ取り組んでもらいたいということを私は要望を申し上げて、御意見があるならば一つ聞かしていただきたいと思います。
#46
○国務大臣(木暮武太夫君) いろいろ詳細に御意見を承りましたが、全く御同感でございまして、まあこれはどこでもそうでしょうが、ことに、最近における東京の人日の集中というものから非常に交通の問題が大きく取り上げられまして、先ほど政府委員からも御説明申し上げましたように、内閣でも応急の対策として交通対策本部や何かを作って、いろいろ諸般の事情を勘案して、何とか交通の非常に混雑しているものを緩和していきたいと考えておるのでございますが、こういうことは、要するに最近東京でこの交通の非常に混雑のことが起こりましたのは、まあ毎冬いつでも起こるこれは一つの現象でありますことに端を発しまして起こりましたのですが、しかしこれは一時的の問題ではございませんで、こういう人口が部市にのみ集中するような傾向がますます助長されております今日は、部市を中心とした交通難の緩和ということは、これは恒久的に大きな問題として考えなくちゃならぬと考えるのございまして、御指摘のように、交通行政のおもなる方面をあずかっておりまする運輸省が中心になりまして、路面の交通、また地下の鉄道、あるいは非常に交通の混雑しているところは立体交差を、何とかして道路管理者と鉄道事業者とが力を合わせてこれを実際に行なっていく、こういうようないろいろのことをやって、恒久的にこの交通の混雑を緩和をしていくことが必要だと思うのでございますが、これは私どもも一つの方策といたしまして常々考えておりますことは、たとえばトラックのようなものも、ひなか忙しいときに都市の中心に入れるということについてはいろいろの御議論があると、そこでこういうものも都市の周辺にターミナルを作って、そこで集めてそうしてやったらどうかというような、バスやトラックのターミナルの問題なども考えられるのでございますけれども、こういう問題も今後も至急にいろいろ研究をいたしまして、総合的に交通の緩和をはかりますような努力を、御指摘のように交通のおもなる責任者である運輸省として、中心になりまして、恒久的なこの打開の道を作らなけりゃならぬ、こういうふうに考えて、御指摘のように努力をいたしたいと、こう考える次第でございます。
#47
○小酒井義男君 実は私、最近地方へ出かけて、要望といいますか、地方で出ておる意見として、われわれとしてもやはり一応考えてみる必要があると思う案件がありますので、きょうは、この問題は自動車局がまあ中心でしょうし、またさらに、道交法の関係がありますから、自治省の方の関係もあるのですが、国鉄の施設局長、運転局長が出ていらっしゃるようですからお尋ねしておきたいのですが、実は現在、相当自動車の交通の激しい所に専用線があって、一日にまあ一回か二回より入れかえがないという所が方々にあるのです。ところが、道交法の三十三条によると、必ず一たん停車しなければならぬことになっているのですね。信号があればとめなくてもいい、こういうことになっておるんで、信号をつけてもらうことができぬだろうかと、こういう意見があるのです。これは自動車の運転の側からいえば、一日に何回通るか通らぬかわからぬような所に、何千台という自動車が一々停車しているということは、これは少し実情に合わぬじゃないかという意見が出るのは、これは私はもっともだと思うのです。しかし、これは経費の問題やら、そういうことが踏切事故全体にどういう影響を与えるだろうかというようなことも検討をしませんと、一面だけで簡単な結論は出ないと思うのです。
 そこで、そういうような問題が、国鉄側なり運輸省なりに問題になって上がってきたことが具体的にあったかどうか、そういうことを一つお尋ねしておきたいことと、施設局長にお尋ねしたいことは、電動で、たとえば接近したら赤信号になり、列車が通ってしまえば青に信号が変わってしまうというような信号装置をつけると、どのくらい今一カ所に経費が要るかということをお尋ねしたい。
#48
○説明員(石原米彦君) ただいま御質問のございましたそういう意見が、地方から本社に上がってきたかという御質問でありますが、まだ承っておりません。しかし、これは道交法が施行になりまして、ああいうふうに踏切一たん停止が非常に法的に厳重になりましたので、あるいは先生のおっしゃいましたようなことも今後はふえて、出てくるのではないかと思います。それで、実は踏切の問題というものは非常に関係する向きがたくさんございまして、鉄道だけでももちろんやれませんし、警察、その他、全部が協力いたしませんとできませんので、一昨年くらいから、地方別に、県別くらいに踏切対策協議会というものを作れということを盛んに指導いたしまして、東海道線関係ではほぼできておりますが、全国でもぜひ作れということを盛んに号令をかけております。副総裁通牒で出しまして、さらに警察庁の方に対しても国鉄副総裁の方からお願いの手紙を出しまして、こういうことを奨励して大へん効果を上げている地方があるから、ぜひ警察庁からもそういうふうにはかっていただきたいということで、警察庁長官も非常に御同感の意を表していただきまして、これも下にはかっていただいております。各地方によりまして踏切の事情というものは非常に違っておりますので、その地方その地方で解決していくようにいたしたいと思います。
 それで最近国鉄といたしましても、支社が相当予算を持っておりますから、それらの金でもってある程度の解決ならば地方限りでどんどんやれるはずでございます。もし信号その他で問題があれば、本社の方にも上がってくると思います。こういうふうに自動車の交通量もふえましたし、道路交通法も施行されましたし、鉄道の輸送の非常に閑散な引き上げ線入れかえの場所におきましては十分協力して、本社としても判断いたしたいと思います。
#49
○説明員(柴田元良君) ただいま先生のお話の、列車が接近しますと赤になって、列車が通り過ぎると青になるというものは、今国鉄では考えておらないわけでございます。列車が接近しますと、例の赤の交互に点滅をする、こういう簡単なものでございますと、大体百万前後の値段でできると思うのでございます。
#50
○小酒井義男君 道交法では、そういう信号では通過するわけにいかぬのですね。ですから通過をさせようとすると、安全信号が出るようにしなければ――線路を使用しない間は安全信号が出るようにならぬと意味がないわけです。そういう信号をつけるとどのくらいかかるかということはわからぬでしょうか。
#51
○説明員(石原米彦君) 御指摘のように、これは青の信号を道路の方に出さないと、道交法としては一たんとまらなければならないということになりまして、ずいぶん迷惑すると存じます。従いましてそういう点は、上がって参りますれば新しい問題として十分に考えたいと思っております。
 それから値段の問題でございますが、これはいろいろな方式によりましていろいろ違ってくると思います。手で扱うようなことにでもしますれば非常に安くなりましょうし、それから自動的に、列車が来る何分前から赤になるというような方式にしますると、ちょっと高くなると思います。これは道路のことでちょっとわかりませんが、今施設局長のお話のように、大体百万円とか、その辺の見当の金だろうと存じます。
#52
○小酒井義男君 そこで、大体私の資料を出していただきたいという内容はわかってもらえたと思うのですが、運輸省の方で、これは国鉄だけではない、私鉄の場合もあると思いますが、専用線で入れかえ回数の――まあ専用線ですから何十回というのはほとんどないと思いますが、五回ぐらいですね、一月。五回ぐらいより入れかえをやらないという専用線がどのくらいあるか、一つ資料としてお出し願いたいのです。
#53
○説明員(広瀬真一君) 国鉄私鉄を通じまして、一円の列車回数は五回以下という踏切等をさっそく調べまして御提出いたします。
 なお、ただいまの問題に関連いたしまして、道交法の御審議を願っております国会で、当時の政府委員であります山内鉄監局長が申しましたことは、大体今先生がお話しになったと同じようなことでございまして、原則としては、とにかく列車に対して自動車がとまるというのは原則でございますが、専用線等で列車回数が一日きわめて少ないというものに対しては、当時のある委員の方が御質問になりまして、逆に、列車をとめたらどうだというお話が実はございました。これに対しまして当時の運輸省としましては、きわめて列車回数が少ないという場合にはそういう措置を考えてもよろしいということを申しておりましたので、つけ加えておきますが、ただいまの資料は、さっそく調べまして御提出をいたします。
#54
○小酒井義男君 資料をいただいた上で各方面のやはりこれは意見を聞きませんと、これだけ切り離して考えることはできぬと思いますから、あらためてまた御質問したいと思います。
#55
○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言はございませんか。――ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。
 それでは本日は、これにて散会いたします。
    午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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