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1960/03/14 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第12号
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1960/03/14 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第12号

#1
第038回国会 運輸委員会 第12号
昭和三十六年三月十四日(火曜日)
   午後一時十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三木與吉郎君
   理事
           天埜 良吉君
           金丸 冨夫君
           村上 春藏君
           大倉 精一君
   委員
           鳥畠徳次郎君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           重盛 壽治君
           中村 順造君
           加賀山之雄君
  国務大臣
  運 輸 大 臣  木暮武太夫君
  政府委員
   運輸大臣官房長 辻  章男君
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
   運輸省鉄道監督
   局国有鉄道部長 広瀬 真一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   日本国有鉄道副
   総裁      吾孫子 豊君
   日本国有鉄道常
   務理事     中村  卓君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○港湾整備緊急措置法案(内閣送付、
 予備審査)
○港湾法の一部を改正する法律案(内
 閣送付、予備審査)
○運輸事情等に関する調査
 (日本国有鉄道の運営に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。
 まず国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより本案の提案理由の説明を願います。
#3
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明いたします。
 国鉄の輸送力は、現状でも国民の輸送需要をまかない切れない実状にあり、なお、政府の所得倍増計画とも関連して今後の経済発展の隘路とさえなるものと思われます。このような輸送力の現状並びに今後の輸送需要の増大に対処するため、国鉄においては、昭和三十六年度を初年度とする新五カ年計画を策定いたしましたが、この計画においては、東北本線、北陸本線等の主要幹線一千一百キロの複線化、主要幹線一千八百キロの電化、電化されない区間の全面的ディーゼル化、通勤輸送の緩和、踏切設備の改善、車両の増備及び東海道新幹線の建設等を計画しており、このためには総額九千七百五十億円、年額一千九百五十億円の資金が必要となります。このほか、昭和三十六年度に例をとりますと、借入金の返還が約二百億円ありますので、所要資金は合計二千百五十億円に上ることとなります。
 これらの所要資金に対しまして、国鉄経営の収支状況から見ますと、自己資金によって調達される分は減価償却費等の繰り入れ約六百億円程度にすぎない実状にありますので、国鉄新五カ年計画を実施いたすためには何らかの資金確保の方法を講じなければならないことになります。
 この所要資金不足額を全面的に借入金によってまかなう場合には、本年度末において三千七百億円の多額に達する借入金はさらに膨大なものとなり、昭和四十年度においては一兆一千億円をこえ、そのときにおける支払い利子は七百億円をこえる見通しとなり、とうてい健全な経営を維持することはできないものと思われます。これとともに、国家財政の現状から見ましても、このような膨大な財政融資は困難であります。
 翻って設備資金所要額のうちには、通勤輸送対策、幹線輸送力増強、踏切設備の改善、取りかえ及び諸改良等、約一千二百億円の採算に乗らない工事資金が含まれておりますので、これらの資金は利子のつく借入金で本来まかなうべきものでないと考えられます。従いまして、一部借入金の増額によるほかに、運賃改定による増収によって所要資金を調達するほかないものと決意いたしたわけであります。
 運賃引き上げ率の決定にあたりましては、運輸審議会の答申を尊重し、また、国鉄運賃の国民生活への影響を十分考慮いたしまして、極力低位にとめるべく、借入金の増額を、昭和三十六年度においては前年度に比べ約百七十億円増加して、約一千億円とし、また企業努力、経営の合理化等による自己資金の捻出をはかりまして、必要最小限度四百八十六億円、増収率一二%程度を運賃改定による増収額として見込むことといたしました。
 次に、運賃改定の内容についてでありますが、まず、旅客運賃の改定内容について申し上げますと、二等の普通旅客運賃の賃率は、三百キロメートルまでの第一地帯は一四・六%、三百一キロメートル以上の第二地帯は一二・五%の引き上げとし、一等の運賃は二等の一・六六六倍、すなわち通行税込み二倍といたしました。なお、航路の旅客運賃もこれに伴いましてほぼ同程度の改定をいたしました。
 次に、貨物運賃についてでありますが、賃率をおおむね一五%引き上げることにいたしました。
 なお、定期旅客運賃につきましては、割引率は、そのまま据え置くこととし、普通旅客運賃の賃率の引き上げに伴う改定にとどめることといたしております。
 以上が今回改定のおもな点でありますが、この運賃改定によって得られます増収額は、これをあげて輸送力の増強に充て、今後五カ年間に国鉄輸送力の抜本的な拡充をはかり、もって、今後の経済の伸びに伴う輸送要請にこたえたいと考えまして、今回の運賃改定もやむを得ない措置であると考えた次第であります。
 最後に、本法案の実施は、来る四月一日からと予定しておりますので、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成賜わるようお願い申し上げる次第であります。
#4
○委員長(三木與吉郎君) 次に、補足説明を願います。
#5
○政府委員(岡本悟君) ただいま提案になりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の内容につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
 まず、第三条関係について申し上げます。本条の改正は、普通旅客運賃についてであります。現在二等の普通旅客運賃の賃率は、営業キロ一キロメートルごとに、三百キロメートルまでの部分については二円四十銭、三百キロメートルをこえる部分については一円二十銭となっておりますが、これを三百キロメートルまでの部分については、一キロメートルごとに二円七十五銭、三百キロメートルをこえる部分については、一キロメートルごとに一円三十五銭といたしました。一等運賃の二等運賃に対する倍率は従来二倍でありましたが、通行税を含めますと二・四倍になりますが、最近は車両の設備が一般的によくなってきておりますし、また航空運賃との比較もあわせ考えまして、一等と二等の運賃格差を二倍とすることがむずかしくなってきておりますので、今回の改正におきましては、これを一・六六六倍、すなわち通行税を含めまして二倍ということにいたしたのでございます。なお、諸外国の例を見ましても、一・四倍から一・八倍程度となっております。
 次に、別表第一の関係について申し上げます。これは、航路の普通旅客運賃についてであります。現行の二等運賃は、青森―函館間二百五十円、宇野―高松間六十円、仁方―堀江間百七十円、宮島口―宮島間二十円、下関―門司港間四十円でありますが、今回の改正におきましては、鉄道の場合と同程度の、すなわち鉄道普通旅客運賃の値上げ率一四・六%をかけまして端数整理したものといたしました。
 次に、別表第二の関係について申し上げます。これは車扱い貨物賃率表の改正でありますが、今回は、各貨物一律に一五%アップといたしました。
 なお、これと同時に、現行の遠距離逓減率は、二百八十キロ以上は原価割れとなっておりますので、五百キロから八百キロ地帯を中心として〇・一%ないし一・一%、平均〇・六%程度の修正をいたしました。
 以上が本法律案の内容であります。
#6
○委員長(三木與吉郎君) 本案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(三木與吉郎君) 次に、港湾整備緊急措置法案及び港湾法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○天埜良吉君 港湾整備緊急措置法案で一番大切なところと思われる点は、港湾整備事業の実施の目標を立てて、港湾整備事業の量をきめて、そうしてこの五カ年計画というものを閣議決定をするということにあると思うのですが、この三十六年度から始めて五カ年間の閣議決定に持っていく目標なり量のところは概略どういうようなことになっておりますか、簡単でけっこうですから。
#9
○政府委員(中道峰夫君) お答えいたします。今回の港湾整備緊急措置法におきまして、ただいま御質問のこの整備計画の中で、五カ年計画の目標及び量につきまして閣議決定をいたすことになっておりますが、その際、港湾審議会の議を経ましてこれらの手続をいたすわけでございますが、その目標及び量と申します点は、前回の委員会で御説明を申し上げましたように、この計画の趣旨といたしまして申し上げました項目がございます。すなわち、外国貿易港湾の整備、産業基盤強化に関しまする港湾の整備、それから沿岸輸送力を強化するための港湾の整備、その他この工事に必要な作業船あるいは調査をいたします費用でございます。
 ただいま申し上げましたこの類別に従いましてその内容を申し上げますと、外国貿易港湾整備といたしましては、まず、輸出専門埠頭の整備をいたします。それから一般の外国貿易港湾の埠頭の整備をいたします問題、また木材に関係する、特に輸入木材の貯木施設に関係する港湾の整備、その他関門海峡の整備あるいは伊勢湾の防波堤に関係する施設の整備というようなものが外国貿易港湾整備の内容といたしておるわけでございます。
 その次の産業基盤整備と申します項目といたしましては、その内容は石油港湾の整備、鉄鋼関係の港湾の整備、石炭を輸送いたします港湾の整備、また工業原材料を輸送いたしまする港湾の整備、一般産業に関連いたしまする産業関連港湾としての施設の整備、それらのものが産業基盤整備をいたします港湾の内容となっておるわけでございます。
 第三番目の類別といたしまして、沿岸輸送力強化という点でございますが、それの内容といたしましては、地方開発及び海送転移に関係をいたします港湾の整備、離島にあります港湾の整備、それからいわゆる避難港の整備、一般の航路、それから魚の関係でございますが、漁獲物を扱います港湾の整備、観光港の整備、その他局部的な改良事業をいたします港湾、また瀬戸内等の内海の連絡に必要な港湾の整備、それらのものを沿岸輸送力強化の港湾を整備する内容といたしておるわけでございます。
 その他の項目といたしましては、これらの事業に必要な工事用の船舶、いわゆる作業船の整備をいたすわけでございます。またこれらの事業を行ないますに必要な調査をいたすわけでございます。それらの費用を見込むわけでございます。
 以上がこの目標といたしまして考えておりまする主要な項目でございます。その量といたしましては、総額二千五百億というものを五カ年間の事業の総額と考えておるわけでございます。
#10
○天埜良吉君 なお質疑の項目はいろいろございますが、あとに回しまして、一応打ち切ります。
  ―――――――――――――
#11
○委員長(三木與吉郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑の通告がございますので、この際、御発言を願います。
#12
○加賀山之雄君 大臣はあまりお時間もないというお話でございますので、できるだけ簡単に伺いたいと思います。
 一つは、あすに予定されているように、新聞で私は見ただけですけれども、国鉄動力車労組が十割休暇の闘争をやる。これは全機関区とか、そういうところじゃないといっても、国鉄の運輸について非常な支障が起こる、困難が出ることは、これはあたりまえのことです。それについて運輸大臣はどういうふうに把握しておられて、どういうように考えておられるか、それをまずもって伺いたい。
#13
○国務大臣(木暮武太夫君) 動力車労組との間で長い間話し合いを続けておりましたわけでございまして、私も直接動力車労組の代表の方にもお目にかかりましたが、それらの方のお話によりますと、決して国鉄の合理化、近代化というようなことに反対をするわけではない、こういうことをおっしゃっておるわけでございます。その結果によりまする配置転換等につきまして、国鉄と労組との間の話し合いが十分に疎通しませんために、ただいま御心配のような明日を期してストライキが行なわれるというような事態に至りましたわけと思うのでございます。私どもの方といたしましては、国鉄を指導いたしまして、よく動力車労組と話し合いをいたすようにいたしましたので、国鉄としても相当長い期間にわたってお話し合いをしたわけでございますが、世間伝えられるような、明日国民に御迷惑をかけるような事態に立ち至りましたことは、私どもとしてはまことに遺憾のことだと考えている次第でございまして、詳細は国鉄側から、または鉄道監督局長の方からも御説明申し上げて、御了解を願いたいと思うのでございます。
#14
○説明員(吾孫子豊君) 概要はただいま大臣から御答弁のありました通りでございますが、現在動力車労働組合が明日実力行使をかけてやろうということを申しておりますその背景になっている懸案の問題というのは、大体四つなんでございます。
 一つは、国鉄近代化、合理化の事前協議協定の締結ということでございまして、組合側の主張は、いわゆる管理運営に関する事項についても、双方の同意がなければ一方的に実施するなというそういう約束をしろ、こういうことなんでございます。それに対して当局側の方は、事前によく説明することはもちろんよろしいけれども、管理運営事項というのは、法律の上でも明らかに団体交渉事項ではないということになっておるのでありますから、それが双方の同意がなければ一方的に実施してはいかぬという、そういうような約束をするわけには参りません。しかし、労働条件等につきましては、当方も了解を得るように今後も努力をしよう、こういうような話し合いをしておりまして、そういう話を三月十三日、十四日、引き続き交渉を行なうということで、実はきょうも動力車労組と交渉がなお続けられているようなわけでございます。
 それが第一番目の問題なんでございますが、第二番目の問題は、乗務キロの制限に関する問題でございまして、組合側の要求は、まず第一番には、乗務キロの制限を設けることによってロングランの傾向を抑制するということと、二番目には一日当たりの平均乗務キロの制限を設けることによって、スピード・アップに伴う労働過重を抑制する、こういう二つの点を主眼とするものでございました。ただし、当初組合側が提示いたしました数値はきわめて低く、そのままでは不当に乗務能率を低下させる可能性を持ったものでありましたので、当局として考えております数値との間に相当大きな開きがございまして、しかし労使双方の積極的な交渉の結果、ここ数カ月来双方の間の懸隔は著しく狭まって参りまして、目下対立点としては、若干の観念の整理と数値の調整をすれば、それで話がつくであろうというような段階になっております。これもおそらく本日の団体交渉でさらに話し合いが行なわれておると思います。
 それから三番目は、勤務時間の短縮の問題でございまして、この時間短縮のことにつきましては、昨年公共企業体労働委員会の勧告がございましたので、その勧告に基づいて国鉄当局と、それから国労、動力車労組及び公労委事務局の四者で構成いたしました調査団が、昨年の九月から十一月にかけてヨーロッパの方へ参りまして、欧州主要国における鉄道の勤務時間の実態を調査をいたしました。第一次の調査報告書はすでに公労委に出しておるのでございますが、公労委の方では、問題の理解をより一そう深めるために、調査団の集めた文献とか資料の翻訳をやって、再度報告を出してほしいということを要求してきておりますので、目下鋭意翻訳作業を進めておるのでございますが、各国の鉄道の就業規則とか勤務規定あるいは実施規定等、内容も相当複雑でございますし、部数も十数冊に及びますために、翻訳作業は三月一ぱい要する見込みでございまして、このことを公共企業体労働委員会に対して了解を求めますとともに、鋭意作業の促進に今努力しておる、この結論を待って処置されるべき問題ということになっておるわけであります。
 それから四番目に、臨時雇要員の職員化ということについて要求をいたしてきておるのでありますが、これは昨年の、三十五年の十二月九日に臨時雇要員の措置に関する協定というものを組合との間で締結をいたしております。その中で、まず第一に、現在使用中の臨時雇要員のうち、採用試験合格者で長期にわたり継続使用している者の取り扱いについて、年度末までに協議をしてきめるということと、もう一つ、その他の臨時雇要員については引き続き協議をすることというので、両者双方合意いたしまして、当局は実態把握のために、全国的な規模において臨時雇要員の使用状況調査を実施いたしました。目下その集計中でありまして、実態把握の上で具体的な取り扱いを協議すべく準備を進めている段階でありまして、上述のその協定が締結された後において、まだ具体的な交渉は行なわれておらないのであります。
 そんな状態でございまして、項目としてはただいま申し上げました四つの問題の解決に圧力をかけると申しますか、そういう四つの問題を背景にして、動力車労組は明日伝えられるような実力行使をやるというふうに聞いているのでございます。これらの四つの問題については、いずれも団体交渉によってなお双方の間で話し合いが重ねられてしかるべき問題であると思いますので、当局側といたしましては、本日もなお団交を続けておりまするし、他面、もし伝えられる通りの行動が行なわれました場合には、国民一般の皆様にも大へんな御迷惑をおかけすることになりますので、そういうことのないように、私どもといたしましては厳重に組合側にも警告をいたしております。なおかりにそれらの警告が無視されまして、実力行使に入るというような事態が起こりました場合にも、その影響を最小限度に食いとめますように、今できるだけの努力をいたしておるような状態でございます。
#15
○加賀山之雄君 ただいまの大臣並びに吾孫子副総裁のお話で、事態が非常にはっきりいたしましたが、大臣は、両者の間の疎通を欠いているのだ。もうストライキが起こったような言い方をされた。事態はここまできて、あしたストライキが起こるのは当然だというような御答弁でございましたが、私は非常に残念だと思います。申すまでもなく、労働関係についてストライキというものは、組合側としてもめちゃくちゃにやるべきことでなく、最後の手段としてやるということでなければならぬ。禁ぜられているはずなんです。特に公労法上禁ぜられている行為を振り回す、これはどういう考えが動力車労組にあってか知らないけれども、交渉の深いニュアンスはわかりませんけれども、はなはだもって国民のために残念だと思います。きのうもテレビで組合側の発表を聞いておりますと、これはもうこれ以外に道がないのだという発表をしておる、国民は当然これを支持してくれるだろうと言っておるし、また大平官房長官は官房長官で、それは不当で国民はそれを当然批判するだろうというようなことを言い放しの格好になっておりますが、今副総裁に伺うと、どう考えてもこれはストライキを回避しなければならないし、また、できるはずだ、誠意をもって両者が話を尽くせば……。特に近代化、合理化というものについて、根本について動力車労組が反対しておるのじゃない、こうはっきり言っている。近代化、合理化はもう国家的あるいは国民のための要請なんです。国鉄が近代化、合理化されなければ、運賃を何度上げたって追っつかないことは当然なんです。これができなくて何ができるかということを言いたいのです。
 そこで事前協議云々ですが、これは確かに管理運営に関する事柄であって、これは事前協議ということになると、安保条約でもずいぶん問題になった言葉でありますが、これがととのわなかったらできないということになると、国民のためにしなければならないことがみすみすそれだけ延びる、それだけ国家的損失ということになるし、あと労務管理の問題、これとか、それから勤務時間の関係、乗務キロの問題は、もう調整が近づいてきているのだし、もう間もなく調整できるつもりだということを副総裁は言っておられる。勤務時間の関係、これは作業中で、各国の資料を集め、合理的なものを作る、この話がわからぬはずがない。それから最後の臨時雇の定員化の問題にしたって、具体的な話はまだ行なわれていない。そういうことを種にストライキをすると言う。これは大臣に聞いても何もなりませんが、非常に私は残念だと思います。
 一方、ILO条約の批准という大問題をこの国会では抱えておる。その際の公務員や公労協に入っている組合の行動は、最も慎重であり、現在は不満足であっても、これは法に従い、あるいはこれを改善していくという熱意によってやらなければならぬ。どうも今度のことを見ておりますと、唐突としていきなりけんかを始めて、おれはやるのだとスケジュールでやるような感じを受けてしようがない。これは私は自分の非常な考え違いがあるかもしれないが、さようなときに、運輸大臣としてはこの問題について、あすはストライキに当然出るのだというようなお考えのように伺って、大へん私は国民のために遺憾にたえない。一つもう一度大臣から、あくまで自分が出て両者の間をうんとあっせんもしてストライキは回避する、したいのだという、一つ熱意あるお言葉をいただきたいと思う。いかがでございますか。
#16
○国務大臣(木暮武太夫君) 今お示しになりましたように、私どもといたしましては、法律に禁ぜられたる行為を国鉄の職員とか組合とかいうものがやることにつきましては、まことに遺憾に存ずるわけでございまして、よく世間では、いゆわる公労法の第十七条というものが憲法違反だというような意見も一部にはございますけれども、最高裁の判例によりましても、また憲法の国民の自由を認めた背後には、野放図に国民の自由を認めたわけでなく、公共の福祉を害せざる範囲という裏付けが条件としてあることなどから考えまして、私どもは公労法十七条の規定は合憲的なものであり、こういうものに関して、これを犯すような行為はまことに遺憾であると存ずるのでございまして、できるだけ国鉄当局とその労組との間で話し合いをやりまして、こういうことに出ないようにするのが国民に迷惑をかけないことであるとして、ただいま国鉄当局からも御説明申し上げましたように、繰り返しお話し合いをしてもらっておりますわけでございます。私どもといたしましては、明日に迫りました問題についても、この問題を投げやりにいたしませんで、最後まで努力をして、そうして労組の人たちがこういう法律にきめたことに違反いたさないように、国鉄の労組が国民に迷惑をかけて、国民から非難を受けることのないように、国鉄当局を鞭撻いたしまして、最後まで明日の問題につきましても努力をさして、当局としては善処をいたしたいと、こう考えておる次第でございます。
#17
○加賀山之雄君 今の大臣のお言葉で、だいぶ私も大臣の御努力される気持はわかるような気がしますが、もともと労働関係は、もちろん国鉄当局と動力車労組、この両者がお互いの信頼感に立って話し合いを続けて、そして今提起された四つの案件について、これはこう、これはこうというちゃんとした見通しを立ててあくまで続けられるべきものだと思う。そして私は絶対にそうした事態は回避してもらいたい。一つは事柄が動力車労組のことでございますから、一番国鉄の運営に対する影響が大きいことはあたりまえである。それと同時に、私は先ほど申し上げましたように、繰り返して申し上げますが、ILO問題をどうするかという非常に重大な今関頭に日本が立っておる。このやさきでございますので、もちろん動力車労組の方でも、私はできるだけの隠忍自重すべきものだと思います。そして大事の前には、そうした自分のスケジュールだからといってやることは私は万あるまいと思う。あしたの事態については、いろいろ私は人から聞かれて、まさかそういうことはあるまいと言ってお答えをしておる。で、あるいは六分四分あるいは七分三分の可能性だとか、ある方が多いように伺っておりますが、残された可能性がたとい一分でも、私は絶対にこれを回避するという誠意と熱意をもって両当事者にやってもらいたい。そしてもし、それがなかなか難航する、これはもういろいろな主張の対立であり得ることだ。その場合に最後に大臣が、これはもうどうしても回避しなければ、ILOの問題もあるし、大へんなんだという信念のもとに回避される努力をされる御意思があるかどうか。最後に、大臣はあまり時間がおありにならないようでありますから、それだけ伺って質問をやめます。
#18
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま申し上げましたように、事態が非常に迫っておることでございますけれども、今御指摘のように、最後まで私どもとしては公労法の規定に反するようなことの起こりませんように、国民に迷惑をかけないようにということで、最後まで全力を尽くして、一つ努力をいたしたいと思います。もちろん国鉄側におきましても、この問題を重要視いたしまして、最後まで労組の方の翻意を求めまして、こういう違法の行為に出て、非常に問題を陰惨なものにいたしませんように努力することであろうということを信じておりますし、運輸省といたしましても、できるだけの努力をいたして、御期待に沿いたいと思う次第でございます。
#19
○中村順造君 大臣は時間がないようですから、まず大臣に一つだけ私は申し上げたいと思うのですが、今加賀山委員の質問をじっと聞いておりますというと、非常に大臣の事態の把握というか、認識というかに、私は非常に遺憾な点があると思うのです。これはまあ大臣ですから、事こまかく一々全部把握されるということは無理かもしれませんけれども、今加賀山委員からいろいろなことが指摘されて、質問されて、鉄監局長がそばで耳打ちしなければ事態がわからぬというような、これは周囲の、大臣を補佐する立場にある人の怠慢だと思うのですよ。いろいろ今動力車の問題が話題になって、すでにもう矢は弦を放れて、けさの新聞を大臣見られたら、見られないかもしれませんけれども、おわかりのはずです。もうすでに、けさも写真入りで、きのうから国鉄当局と組合と両方で乗務員の掌握が行なわれておる、奪い合いを。きょうの十二時のテレビでも同じようなことをやはりやっておるわけです。すでにもう今夜の零時を期して浜松なんかそういう事態が起こるという事態なのに、なお大臣は鉄監局長が耳打ちしなければわからぬというようなことでは、一体大臣の周囲の人は何をしている。鉄監局長にしたって、国鉄当局にしたって、大臣がこの席上に来られて、まだ事態が把握されておらない、認識をされておらないということは非常に遺憾だと思う。
 それから大臣のお言葉の中にもありましたけれども、今加賀山委員もその点指摘されましたけれども、事態がここまで立ち至ったということはきわめて遺憾だ、こういうことを言われた。まさに周囲の人が聞くと、もうこれは何とも事態の収拾のしようがない、こういうふうに受け取られるわけです。それからまあお言葉の中に再三出てきたのですが、法律違反だとか、公労法が合憲だとか違憲だとかという議論を今する段階じゃないと思う。これは場所を変えてやれば、公労法そのものが違憲だとか合憲だとかいうことは、専門的に検討されると思いますが、加賀山委員が今言われたような、こういう重大な事態に立ち至って、国民に迷惑を及ぼすというときに、もう少し政治的にどうしたらいいかということを、この委員会に出られるときに、一応の検討をしていただいて私は出られるべきだと思う。大臣一つまあ、これは加賀山委員がせっかくそういう話をされたからこれで一つ腰を上げる、それでもけっこうなんです。一体、国鉄当局なりあるいは運輸省の当局をして、どういうふうにこの事態をおさめる考え方があるのかどうか、この点を私は一つお答えをいただきたいと思う。
 時間がございませんから、それで、私は大臣のそのお答えをいただいただけでけっこうですから、どういうようにお考えになるのか、どうなんですか。
#20
○国務大臣(木暮武太夫君) 今、加賀山委員にお答えを申し上げました通り、私、運輸省といたしましては、こういうような行動は法律に違反する行動だからこういうことに出ないことを望んでおりますわけでございまして、そういうことが起こらないように、国鉄としてもいろいろ前からよく労組の人たちと話し合いをいたしたわけでございます。しかしながら、いろいろ国鉄の近代化、合理化というようなことは、国民の利益のため、また国鉄の経営上いたさなければならないことでありますので、この問題にからんでいろいろ労組の方の要求というものも、国鉄が合理化あるいは改善、近代化ということをやりますことを貫くのに、労組の意見を全部入れることができないという実状のためにこういう事態になったわけでございますから、これは労組の方の方でも、この間お会いしたときお話しした通り、近代化、合理化ということはどうしても必要なことである、これに対して協力する立場をとって、国鉄と話し合いをいたしていただかなければ、この問題はまあ解決いたさないのではないかということをお話しをいたしたようなわけでございまするが、最後に残された時間がありますから、よく国鉄とも談合いたしまして、明日の悪い事態が起こって、国民の皆さんに御迷惑をかけないように、できるだけの一つ努力をいたしたいと、こう考えている次第でございます。
#21
○中村順造君 大臣は努力をされると言いますから、僕はそれを信頼していいと思うのですがね。一つその法律違反だとか、あるいは国鉄の今副総裁の説明によりますと、何か近代化、合理化はすべてが管理運営の問題だというような言い方をしておりますがね。これはもう近代化、合理化というものを逐次進めていけば、当然その中には労働条件というものは伴うわけなんです。それを引っくるめてすべて管理運営だという、その考え方が今日の事態を招いたと思うのです。これはあとで、国鉄当局が来ておりますから、私はその点質問いたしますが、鉄監局長、どうなんです。今までこういう事態ということを大臣に再々伝えて、事態の大臣の把握に対しては努力されたのですか。
#22
○政府委員(岡本悟君) そのことはよく大臣に申し上げてございます。ただいま御指摘になりましたように、一々私の説明を聞いて何か御答弁申し上げているようにお取りになっておられましたのですが、実は御承知のように、大臣お耳が悪いものですから、今の質問はどうであったかということを確めておられたので、何も私が、こういうふうに御答弁なすったらいいでしょうということを申し上げたわけじゃございません。前々からよく御説明申し上げまして、御理解は願っているつもりでございます。
#23
○中村順造君 それはまあ私は、見そこないだとかなんとかということでなしに、大臣は耳が悪いから、悪いだけに近代的な機械を持っておられるのですから、このことを僕がとやかく言うのじゃないけれども、今の表情からすれば、あなたがこういう事態だとそばからやはり教えるような格好になっている。これはもういいです。そういうことはいいが、とにかく大事な問題だから、大臣が十分――それは大臣だから、今話したように、一々こまかいことまで全部自分の頭の中に入れるわけにもいくまいけれども、そのためにいろいろ鉄道部長なり監督局長かおられるのだから、そういうことの認識が足らないということが、一つはやはりお互い相互の意思の疎通を欠くということになるのだから、これは大事なことだから、今後も一つその点は、あなたがせっかくおられるのだから、こういう事こまかな問題は大臣に十分配慮されるように努力を願いたいと思うのです。
 そこで、私は、国鉄副総裁が来ておられるからお尋ねしますが、まず冒頭中身をお尋ねする前に、私はきのうから委員部に、総裁と職員局長に一つお願いをしたい――なぜそういうことを私は要望したかといいますと、いろいろ労働組合の幹部なり、あるいはその他の国鉄出身の国会議員等が総裁と会った際、総裁が今の大臣のような状態だと、事こまかに把握しておらない。言葉をかえていえば、総裁はあまり詳しいことを知らないと、こういう状態だと私はかねがね聞いておるから、そういうことじゃ困る。こういう大事な事態が発生をするときに、総裁が知らないようなことでは、しかも警告なんかというのは、みな総裁の名前で出ておる。だから特に総裁に出てきていただいて、私は総裁にお尋ねをしようと思う。職員局長については、これはもう先ほど、団体交渉をやっておるとか、いろいろ言われておるが、これは今日国鉄の団体交渉というものは、どういう形でやっておるか知らぬけれども、職員局長といえば、おそらくそういう労働問題の僕は窓口だと思うのです。職員局長が団体交渉に出席する率が非常に悪い。ほとんど労働課長なり職員課長にまかせきりだ。そういうことがやはり大きな歯車の回転の中では間違いを起こすもとだと思うのです。そういう点で特に総裁と職員局長に出席を願いたいということを、きのうから私は委員部に話をしてある。総裁がお見えにならぬのは、まあ御老体で、ほんとうに国会の答弁にたえられない。あるいはまあ聞くところによると、血圧が高いとかいって、御病気で出られないのか、その点を一つ。それから職員局長が、日常団体交渉にも出ておらない人間が、きょうは何か団体交渉をやるから出られないということで、私の了解を求めてきたから、それはまあ団体交渉をやるならやむを得ぬということで、私は一応了解しましたけれども、一体どうなっておるのか。この間については、従来私は本委員会で国会軽視というようなことがあってはならぬということは、たびたび申し上げているわけです。その点をまずお尋ねします。
#24
○説明員(吾孫子豊君) 総裁は、先ほど大臣の運賃法改正の提案理由の際にはこちらに参っておりましたのですけれども、衆議院の方でお呼び出しがありましたので、そちらの方に参ったわけでございます。それから河村職員局長は、おっしゃる通り労働問題については窓口で、職員局長が団体交渉その他の当面の責任者としてそれに当たっておるわけでございますが、今日御承知のように、国鉄には労働組合が非常にたくさんございまして、やはり職員局の局長以下も手分けして処理しませんと、なかなか一つの組合とのみ話をしているというわけにもいきません。自然職員局長が出る場合もありまするし、そこの担当の課長以下がお目にかかってお話をするという場合も出てくると思うのでございますけれども、本日も職員局長は動力車労組との団体交渉があるので、本社の方に残っておるわけでございまして、そのためにこちらの方には、私どもがかわりと申してはあれですけれども、参っておるようなわけでございますから、御了承いただきたいと存じます。
#25
○中村順造君 私は副総裁さんだから不足だとかなんとか、そういうことで言っているわけじゃないのですが、それじゃ私の申し上げたような趣旨は、総裁はよくもうわかっているわけですか。今度、まあ、たとえば新聞、テレビ等でやっているような事態は、何のために起きたか、これは今日までどういう推移をたどってこういう事態にまで発展をしたのか、こういうことは総裁はよくもう御存じだというふうに理解していいのですか、それは。
#26
○説明員(吾孫子豊君) まあ総裁は国鉄全般のことを見ておられますので、そう私どもが存じておるほど、こまかいことを全部御存じというわけではございませんけれども、しかし、大事なことはみな御承知でいらっしゃいます。それで、こういう大事なことにつきましては、御報告も御説明もいたしておりますから、よく知っておられるはずでございます。
#27
○中村順造君 先ほど加賀山委員の質問に対して、今副総裁が大臣の補足説明でされたわけですが、私も一応わかりました、そのアウト・ラインだけ。しかしそのお言葉の中に、この合理化について、いろいろ今日までの推移があったと思うのです、合理化についての双方の主張が。あなたの答弁の中では、合理化、近代化というのは、全部管理運営の事項である、こういうようにきめつけた言い方をされておるわけですが、私は必ずしもそうじゃないと思うのですよ。これは一々例をあげて申し上げるその必要はないと思うのですがね、合理化と名がつくから、近代化と名がつくから、それは蒸気を電気に置きかえる、ディーゼルに置きかえる、それは考え方はいいんだけれども、その考え方に基づいて具体的に起きる現場における事象というものは、ことごとく労働条件に私は関係あると思う。その点どうなんですか。
#28
○説明員(吾孫子豊君) 経営合理化というような問題の方針をきめる場合に、その方針の決定は、これは管理運営事項に属するような事柄を団体交渉で協議決定するというようなわけには参りませんから、それはできません。しかし、むろんお言葉の通り、労働条件に関連する問題がたくさん含まれておりますので、労働条件については双方了解をはかるように努力をいたしますということは、当局側はいつも申し上げておるわけです。それに対して、今までの組合側の主張は、管理運営事項についても双方の同意がなければ一方的に実施しないというような約束をしなさい、こういう御要求でありますので、それは困りますということで対立しておるわけでございます。
#29
○中村順造君 副総裁はそういう答弁をされるのですが、この委員会の中で、労働組合がその相手側に対して、管理運営の問題にまで全部団体交渉に乗せて、しかもそれがまとまらなければというようなことを言っておるとあなたは言っておられるが、そういうことは、そういう非常識なことはあり得ないと思う。これは何か言葉をかえて、そういう言葉はこういうことになるんだと、あなたが言われるなら別だけれども、あなたの言葉通りに、しかも公労法できめられた問題を、管理運営の事項まで含めて、全部協議をして、それがまとまらなければという、そういう言い方をしているのですか、その点はどうなんですか。
#30
○説明員(中村卓君) 私から、こまかい問題になりますから補足説明をいたします。実は国鉄の近代化計画の実施につきましては、基本了解事項という協定がございまして、その中に、実施にあたっていろいろ尊前協議をするとか何とかという問題も、一応問題としては書いたものがあります。その具体的の細目につきまして、ただいま組合の方からはこういう言い方で案が出てきております。「国鉄近代化実施についての基本了解事項」、こういうものは、まあ協約でございますが、「実施に関する覚書第一項の協議にあたっては甲乙双方の意見の一致を原則として、甲は一方的実施を行なわない。」、これが動力車組合から出た提案でございます。これにつきまして、いろいろと解釈の仕方もあろうかと存じますけれども、一応すらっと解釈いたしますと、結局、合理化計画全体を一方的には行なわないのだ、双方の協議がととのわない間には一方的に行なわないと読めるわけでございまして、この点につきましては、先ほど副総裁が申しましたように、管理運営事項も含めて、全部、双方の協議がととのわないうちに一方的に実施しては困る、これは当局の方としては困るということが問題になっておるわけでございます。
#31
○中村順造君 中村常務理事は、たしか労務担当も含めた常務理事だと思いますが、今読み上げられたのは、これはいつごろの話ですか、あなたいつ労働組合との団体交渉の場に臨まれたのですか。
#32
○説明員(中村卓君) 私は実はこの問題につきましては、団体交渉の場には臨んでおりませんけれども、この申し入れば、ことしの一月の二十五日の動力車労働組合からの申し入れでございます。
#33
○中村順造君 一月二十五日の労働組合からの申し入れと、こういうふうに言われるのですがね、一月二十五日はもう一カ月半たっているのですよ。労働問題の処理、これは私が聞く範囲ではもう三年、四年がかりの問題です。特に昨年の、あなた御存じだと思うが、九月に天王寺管理局の中で王子の機関区でしたか、問題が起こった。私も現地に参りました。そういうことからいろいろなそのための協定も、三十四年のたしか十二月ごろ、近代化、合理化に対する協定覚書を結ばれていると聞いているが、この委員会であなた、これだけ目まぐるしい、テンポの早い労働運動で、しかも今夜零時から何かやろうかというような状態で、一月の二十五日ごろの組合の要求というものを、それをもっともらしくあなたは主張されているが、その後その推移に変化はないのですか、それは。一貫して労働組合はそういう趣旨に立ってやってきておるのですか、今日まで。
#34
○説明員(中村卓君) それに対しまして、こちらからももちろん団体交渉は何度もやっております。先ほど副総裁から言われましたように、昨日もやりましたし、今日もやるというので、この問題につきましては、その基本線のところではある程度話し合いがつかないということでございますけれども、当局といたしましても、まあ従来よりは若干、何と申しますか、譲った線を出して今交渉をやっておるわけでございます。
 それからなお、先ほどちょっとお話が出ました乗務キロの制限につきましても、先ほど抽象的には副総裁も言われましたように、実際のキロ程といたしましては、組合の方が百九十キロ、当方の主張二百三十キロでございましたが、それでもいろいろ条件をつけまして歩み寄りがかなりできておるというふうに聞いておりますので、何とか今晩中に、どんなにおそくなっても、お互いに円満に妥結いたしたいというふうに考えまして、努力を続けていきたいというふうに考えております。
#35
○中村順造君 そうすると、中村常務理事にお尋ねしますが、今説明の中では、その事前協議の問題についても、当局もある程度それから前進したものを示した、組合の方も、これは示していると思うのですよ、団体交渉もやっておるとするなら。そうしますと、なぜ一月の二十五日のそういうものを今ここで出されるのですか。こうなっておるということは、不親切じゃないですか。こうこうこうなって交渉して、大事な問題だから、こうやってきたら、今日ここまでの推移をたどったというなら話はわかるけれども、一月の二十五日はこうだと言うのは、それは何の意味ですか。
#36
○説明員(吾孫子豊君) 中村常務理事が御説明申し上げたのは、一月二十五日に先ほど読み上げたような申し入れがあったと、それから以後何回か団体交渉は行なわれておりますけれども、基本的には内容があまり進展してない、この問題については。そういうことで若干の歩み寄りという可能性は話し合いの間に出てきつつあるということは、それは事実であるかもしれませんけれども、基本的には先ほど申し上げましたように、管理運営事項についても、双方の同意かなければ一方的に実施しないのだというような約束をせよと言われても、それはできないと、まあしかし、当局の方は、合理化の問題というものは当然労働条件のことにもからまってくるのだから、労働条件に関連のあるようなことについては双方了解をはかるように努力しようと、こう言っておるわけでありますから、その経過を御説明申し上げるために、やはり組合側からはっきりした意思表示もあった問題でありますので、そのことを明らかにするという意味で御説明を申し上げたんだと思います。
#37
○加賀山之雄君 関連して。私はこの問題について、ここで団体交渉するということはもちろんあり得ないし、国鉄の副総裁や中村常務理事、これは国会に出てきていろいろ答弁もしてもらわなければならないのですが、私は事重大だと思うのだ、きょうは。ですから本来なら国会審議としては、大体のところでわかったのだから、私は、早く帰って一つ事態収拾に回ってもらわなくちゃならぬ、国会にいたのでは事態収拾にならぬ。それから、事柄の問題ですが、先ほど動力車労組出身の中村委員から、動力車労組としても、管理運営の問題についてまで事前に処置しなければいけないと言っているのじゃない、こう言っている。言葉の使い方なり内容の問題になってくるのですが、いよいよもって、一番ポイントになっている事柄について、言葉の使い方なり解釈をはっきりすることによって話がつくはずである。両方が誠意をもって、事態の重大性にかんがみて、そうして解決をしようとするならば、何もあすの重大な事態に持ち込まなくてもできるはすであると私は確信するわけです。で、ぜひとも、この問題については、先輩の中村議員あたりも一つ大いに活躍していただかなければならぬと同時に、国鉄幹部はあげてあすの事態解決に向かって、これは事柄をうやむやにしろということじゃない。はっきりしていかなければならぬことが建前上あると思う。それをはっきりして、そうしてお互いがほんとうに自分たちのあり方というものを自覚して、そうして今の事態がいかに重大であるかということを勘案するならば、私は解決の道はあると、かように考えるのであります。で、私は、時間が何もこういうことに迫っていなければ、もっともっと副総裁以下に質問したいが、本来から言えば、国鉄本来の仕事は、何と言っても労働組合、いわゆる当事者間の話を誠意をもって尽くすことが、今一番国民のために大事なことであると考えて今のような提案をしたわけです。
#38
○中村順造君 いや、私は、団体交渉の見通しというお話がありましたけれども、これは実際、事実そういう事態が起こると、まあ浜松は、ちょうど列車の時間からいいまして、零時からとなると、各列車全部あそこでとまる、それから広島も同じような時間ですから、だから、非常に迷惑になると思うということから、それはもちろん、加賀山委員のお話になりましたように、事態を回避できれば、これに越したことはないけれども、だんだん質問を僕は重ねていってみると、やはり何か組合が非常に理不尽な言いがかりをつけてやっているような印象を持っておられるように私は思う。だけれども、それは運輸大臣のお話の中にありましたように、あるいは加賀山委員のお話の中にもありましたように、ほんとうに誠意を尽くしてこの事態を回避するというなら、私は、労働組合も、そういう副総裁が覆われるように、まっこう大上段に振りかぶって、管理運営の問題といえども、われわれが了解しなければ実施させないのだという、そういう言い方を私はしてないと思う。これは私は、まあずっと前の話ですけれども、一番初め国鉄が電化計画を立てられる際に、私も電化委員として出ておったのでありますが、動力の近代化、動力革命というものは、これは何人も否定できないのです。そういう基本的な考え方に立っておる組合が、そういう今の中村常務理事や副総裁おっしゃられるように、あくまでも、われわれは、管理運営の事項といえども、この了解をわれわれがしない以上はさせないのだ、そういうような理不尽な言いがかりをつけておらないと思う。今読み上げられた、一月二十五日の申し入れ書と思いますけれども、今日なお組合がそういう態度を固執しておって、強引に今夜零時から実力行使に入る、そういう考え方を持たれるところに、この問題が解決されない大きな原因があるのじゃないかと思うから、私は質問を重ねておる。副総裁どうですか。私が今申し上げたような点について、あなた、どう考えますか。
#39
○説明員(吾孫子豊君) 管理運営の問題というのは、これはまあ今さら申し上げるまでもなく、公労法の明文でもって、団体交渉の目的事項でないということが書かれておるのでございますから、その趣旨は労働組合の皆さんもよくおわかりのはずであると私は思うのでございますけれども、今まで何度か交渉を重ねられております間に、若干、表現その他の点でいろいろなニュアンスがあるお話も出ておるかもしれませんけれども、基本的には、ただいま私が伺っておりますところでは、やはり双方の同意がない限り、一方的に実施することはいけないのだ、こういう線をまだ譲っておられないように私は伺っております。その点をこれから、しかし、あしたの重大な事態を控えておりますので、なお、よく、帰りまして、この点について組合の考えがはっきり変わっておるかどうか、それらの点につきましても確かめてみたいと思っております。
#40
○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#41
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。
#42
○中村順造君 私は、今、加賀山委員のお話もございまして、多く時間を取らないつもりでおりますが、ただ、この問題について二点ほどお伺いしておきたいのですが、従来、国鉄の労使の慣行といいますか、団体交渉の進め方というものは、副総裁もよく知っておられると思うのですよ。これはずっと前に遡ると、加賀山さんも総裁でしたけれども、長崎総裁、それから十河総裁、最終部門、いろいろな問題がこういうように重大な問題に発展したときには、総裁みずから、あるいは副総裁みずから団体交渉の場に臨んで、その責任において処理された場合がしばしばあった。ことごとくと言っても差しつかえないほど団体交渉はそういう形で進められておった。ところが、最近は、先ほど私の申し上げたように、窓口の責任者である職員局長は団体交渉の場になかなか臨んでこない。おおむね職員課長や労働課長にまかされておる、こういうことを聞いておりますが、そうしますと、せっかくここで私があなたにお尋ねしたことも、ただ、あなたの方の側の、国鉄の方の側の意思の疎通――これは私は必要のない心配かもしれませんが、課長から局長、理事、副総裁、こういう経路をたどらなければ、組合の考えておること、こういうものがわからぬわけです。ところが、今、中村常務理事に聞いてみると、最近、団体交渉は、労務担当の重役だけれども出ておられない。いつの間にこういうしきたりになったか知りませんが、それでは、この労働問題は、この前も、ずっと前に私は本委員会で申し上げたけれども、国鉄の監査委員会の報告書の中に、国鉄の多くの問題はことごとくといっても過言でないほど労使の問題がからんでおる、こういう指摘がされておるわけです。ならば、より積極的に、重役である人々が全部出ていって、そうしてみずからその陣頭に立って、労働組合の考えておること、あるいは交渉の推移等、みずから把握をされる努力がなされてしかるべきだ。そういうことはやらずして、ただ課長が団体交渉をやってきたこと、それをただ報告を聞く。しかも中に二人も三人もの人を介して報告を聞いて、これが今の労働組合の考え方だ、こういうことでは、私は、根本的なこういう大きな問題、汽車がとまるかとまらないかという問題に直面した際に、うまくいくわけはないと思うんです。
 それから私は、その点ともう一つお尋ねしますが、あなたは、労働組合が、管理運営の事項といえども承諾をしなければという言い方をしておると言われるけれども、こういうこれは例のあったことです。私はあなたにお話をしたこともありますが、たとえば、天王寺のような状態で、一年か二年先にはディーゼル・カーが入ってくるから、この場合一つ蒸気機関車をどこかに配置転換をしなきゃならぬ。そしてそこへ持ってきてディーゼル・カーを入れる。たとえばこれは一年も一年半も先の話、しかしやらんとすることは、当時天王寺の管理局長なり大阪の支配人がやらんとしたことは、一年も二年も先のことであるけれども今やっておこう、おれの在任中やっておこう、これはそういう意図でやった。ところが天王寺は半日汽車が……。こういう場合に、なるほど機関車を隣の機関区に配置転換するということは、これは管理運営ですよ。しかし、その機関車の修繕をする人、乗る人が隣の機関区に転勤をしなきゃならぬ。つまり、職場が変わっていく、こういう場合は当然私は労働条件が伴うものだ。これは自分が勧めておる、就労しておる場所が変わってくるのだから。これでも管理運営だということを盛んに現地の支配人なり支社長なり、あるいは局長は言っておったが、こういう点は一体――それはなるほど蒸気機関車をディーゼル機関車に置きかえるということは、これは管理運営です。私はさっきからしばしば例をあげて、現場に起きた事象はこれは労働条件が伴うということを言っておるのは、そのことなんですがね。まあそのことだけではないけれども、いろんな問題が出てくるんですが、それをしも総称して、全部これは電気に置きかえる、ディーゼル・カーに置きかえる、こういうものは全部管理運営の事項だとお考えになっておるのか。さしあたって、その二点だけ一つお答えをいただきたいと思うんです。
#43
○説明員(吾孫子豊君) まず最初の、団体交渉に総裁とか副総裁とかというようなものはこのごろ出ないじゃないか、前は出てきておられたのに、このごろ出ないのはどうかということでございますが、これは私どもの根本的な考え方といたしまして、やはり労使の関係というのは、できるだけ法律にかなった姿で、いわゆる正常な労使関係を作り上げていきたいという基本的な考え方に立っておりますので、御存じのように、公労法で団体交渉というものは、それぞれ「公共企業体等を代表する交渉委員と組合を代表する交渉委員」とによって行なうんだ、法律の条文では「もっぱら、」と書いてございます。そうすべきだというふうになっておりますので、やはり法律の規定に準拠いたしまして、団体交渉というものは、それぞれ交渉委員というものによって行なうということを本則にいたしまして、その団体交渉の席に、交渉委員ではない総裁とか副総裁というようなものは出ないというのが法律通りでありますから、そういうふうにすべきである。ただしかし、それじゃ総裁や副総裁というものは、組合の代表の方、あるいは組合の先輩の方、その他にお目にかからないというような態度をとっておるのかと申せば、そんなことはございませんので、私どもも、必要があり、また御要望がありました際には、事情の許す限りはお目にかかっておりまするし、総裁なんかもいろいろな機会に労働組合の代表の方々と懇談されるというような機会をしばしば持っておられます。ただ団体交渉というものは、これはやはり法律でルールがきめられておりますので、そのルールに従って正常な労使関係を樹立していくということでいきたいものであるというようなふうに私どもは考えておるわけでございます。
 それから二番目の、天王寺の昨年の夏の問題についてお尋ねがございました。この点につきましては、お言葉の通り、ある機関区を廃止するかしないかとか、あるいは機関車の配置を甲の機関区から乙の機関区に移すか移さぬかということは、これは経営上の管理運営に関する問題でありまして、これを当局側がきめられないというようなことでは、経営者でもない、管理者でもないというふうになると思いますから、それは当然当局がきめなければならない責任のある問題だと思っております。ただ、しかし、これに伴いまして、御指摘のように、そこに働いております職員の転勤というような問題が起こって参ります。これにつきましては、その転勤に伴う住宅の問題でありますとか、あるいは転勤に対するいわゆる配置転換の手業の問題でありますとか、いろいろ労働条件に属する事柄がありますので、それらの事柄についてはどこまでも話し合いをし、また団体交渉を行なっていくべき事柄であるというふうに考えておりますので、まあ天王寺で起こりました紛争の間には、あるいはこまかい点で、今私が申し上げましたことと違ったようなこともあったかもしれませんけれども、基本的な考え方としましては、そういう機関庫の存廃あるいは機関車の置きかえということに伴って起こって参ります転勤の問題とか住宅問題とか、配置転換の手当の問題とか、そういう労働条件のことについては、よく話し合いをしておったはずであると思うのでございます。もしそうでない点がありましたら、それは間違っていることで、そういうふうなことのないように話し合いをしていかなければならぬことだと思っております。
#44
○中村順造君 前段の問題で、なるほどそれは団体交渉は、法律の定めるところによって交渉委員でやる、これはわかります。わかりますが、しかしそれを急に……。その法律というのは前からある法律です、公労法というのは。急にそれをあなたの方の今までの慣行と違ったことをやられるということは、それはまあいろいろ事情はわかります。わかりますが、しかし、そういう考え方が、やはり問題を、その解決を困難にさせる。これはまあ労働組合のことをとやかく私は申し上げたくないのですが、労働組合は、まあややともすると、これは集団指導理念に立っているわけです。これは委員長がこれだけの権限があるとか、副委員長はこれこれの権限があるというのでない。しかし、国鉄の理事者側の場合は、やはりそれぞれの権限をお持ちになっているわけです。課長は課長だけの権限しかないし、重役は重役の権限があるわけです。それが最近組合の体制も変わっておるし、それからもっぱら法律に基づいてやる交渉であるからというので、いわば私どもから言えば、非常に小さい権限しか持っておらない者が、その団体交渉の国鉄代表の、いわゆるその立場で交渉に臨む。これではやはり、以前やっておったような団体交渉のあり方と、今日やっているようなあり方と、私は大きな差異があると思うんです。権限のない者、ないと言えば何ですが、ただ事務的な権限しかない者と、それから重役の立場の人とは、これはおのずから違うのははっきりしているわけです。だから、そういうまあ不愉快な面もあろうけれども、ほんとうに国民の国鉄という考え方なら、その不愉快さを乗り越えてでも事態の収拾をされるべきだと思います。これは不愉快なのは一時的のことだから、これは非常に私はあなたに勝手なことを言うようだけれども、ほんとうに国民の国鉄だという考え方に立たれるならば、一応お前たちも責任者、最高の権限のある者が出てこい、おれたちも最高の権限のある者が出る、ここまでいかなければ私は交渉はうまくいかないと思う。それを権限の少ない者を出して何とかあいつらがまとめる、あれの報告に基いてやる、これではいつまでたっても相手側の真意がわかりません。それから後段の点は私は議論しません。議論しませんが、後段の点もやはり今、こと動力車に限る場合、これは近代化、合理化といえば動力革命しかないのです。そのよってきたるものが電車になりあるいは電気機関車になり、あるいはロングランになるし、それから派生したものが、あるいは乗務キロ制限といろいろな専門的な言葉になりますが、そういうものに派生してくるわけです。だから動力革命を認める立場に立つならば、私は前にもここで言ったけれども、やはり国鉄がほんとうに国民のために経営されるというならば、国鉄の側から国鉄の四十数万の職員に理解をさせ、協力をさせるという大きな前提がなければ、これは国鉄は国民のものにならない。従って、この国鉄の健全な発達もあり得ない。こういうこともしばしばこの委員会で私は申し上げた。私は本日そういう意地の悪い質問をしようとは思いませんけれども、一体国鉄が今日までどういう形で職員に対して協力を求められたか、理解を深められたか、こういうことを私は申し上げたいのです。最近国鉄のこれはごく最近のできごとですけれども、九州でまあどれだけの大幅な闘争をやったかわかりませんけれども、四日の朝闘争をやったという国鉄労働組合に対し間髪を入れず一週間で九名の解雇者、二十名の処分者、減給、停職、戒告。こういうやり方がほんとうに国鉄が職員に対して理解を深め協力を求める態度と言えるか。しかも私の聞くところでは、この九州の職員については現地の管理局長なり支社長は反対だった。今それほどの大幅な処分をし首切りを出す、そういう情勢ではない、現地の情勢は。国鉄の本社はいや春闘を目の前にして断々固としてこれは処分しなければならない、こういう一貫した方針のもとに、このかつての前例を見ない、新潟事件以来初めての事態ですが、これは国鉄の方針なんですか、いわゆる厳罰主義。調査も、四日の朝闘争に対して十一日発表しておるという、わずか一週間。従来では少なくとも二カ月かからなければそのやった内容なり責任の度合というものがわからなかったのが従来の慣行だが、今度の場合は一週間を出でずして九名の解雇者を出した。これは職員にむしろ理解を求める段階ではない、厳罰をもって臨むという方針に変わったのですか。この点はどうなんですか。
#45
○説明員(吾孫子豊君) 国鉄当局といたしまして、職員に対しては、あくまで理解と協力を求めなければならない、そうでなければ国鉄の運営はできないということは、もう私どもかたくそう思っておることでございまして、ただ今まで私どもの努力が足らなかったかもしれませんし、あるいはより以上に拙劣な点もあったと思っておりまして、そのために国鉄運営に関する大事な問題について、真正面から労働組合の反対を受けるというようなことがしばしばございますことは、私どもの努力の足らない点でございまして、全くおはずかしい次第であると思っております。しかしこの点は今後なお一そう努力いたしまして、国鉄の運営に関する大切な問題については、ぜひ職員の皆さんの理解と協力が得られますように、なお一そう努力いたしたいと思っております。ただ九州の今処分の問題にお触れになりましたが、これは先ほども私団体交渉のことについて申し上げましたが、できるだけ法律に定められておりますことは、そのルールに従うということにしなければならない。今まで何か事柄が起こってから二カ月もたったころ忘れたころに処分が行なわれるというようなことは、感心したことではなかったと思いますので、ほんとうは明確な事実が起こった場合には、できるだけすみやかにそれに対する責任を明らかにするというふうにすべきものであろうと考えております。そういうわけで今度の問題は非常に事実も明白でございましたので、事実を調査した上ですみやかに責任を明らかにした、こういう段階でございます。
#46
○鳥畠徳次郎君 議事進行について。
 ただいま先刻来中村委員からうんちくを傾けての御質問でございまして、はなはだ礼を欠くようでございますが、先刻加賀山委員からの御提案もありました通り、私もこの問題は目下団交の継続中でございまして、時間的にもできるだけ早く切り上げて、その方へ専任していただくということがまず第一点、望ましいと思う。と同時に、この国会を通してあまりに団交の続行のうちに、もしお互い委員の発言がたまたま労働組合に圧力をかける、あるいはまた政府当局に圧力を加えるというようなことがあってははなはだいかぬだろうと思います。かような意味におきまして、なんとしても明日は国民の期待に沿えるような、あくまで円満な解決を望むと同時に、この問題についてはこの二つの点から、これで大体質問を終わって、そうして議事を進めていただいた方が非常にいいのじゃないか、かように考えるのであります。あえて提案をいたします。
#47
○大倉精一君 ただいまの御意見がありましたが、せっかくの機会ですから、私は団体交渉の延長というのじゃなくて、これは単なる動力車の問題じゃなくて、労使間の基本的な問題に触れていろいろ御意見もあったようですから、その点について若干一つ念のために伺っておきたいと思う。
 ただいまずっと副総裁の答弁を聞いておりますと、何か理事者、管理者の方には特権があるようなふうにお考えになっておるのじゃないか。今、九州のお話がありましたが、確かに理事者の方には首を切る権限がありますけれども、組合の方には首を切る権限はない。しかも、先ほどから正常な労使関係ということをいろいろ言われておって、法律がこうなっておるから、あるいは規則がこうなっておるから、だからこうするのだ、こういうような工合に意見を言っておられますが、それも大事でしょう。大事でしょうが、労働運動とか労働組合の問題は、これは生きものですから、法律がこうだからこうすると、それが正常な関係だというものじゃないと私は思う。特に管理運営について、あなたの方では、これはもう管理者の責任であるから、おれの方がやるのだ、こうおっしゃるのですけれども、これは管理者の責任でしょう、あるいは管理者の権限でしょう。そのかわりに管理運営によって、いわゆる労働条件に重大な行為を及ぼすとか向上を著しく阻害するという部面については、抵抗するのが労働者の権利でしょう。ですから、あなたの方がなにか労働組合よりも一段高いところに理事者がいるのだ、こういう感覚では労働運動の正常な取り扱いができないと思います。おそらく先ほどから中村君の発言を聞いておりますと、合理化、近代化については反対してないという。合理化、近代化によってもたらすところの国鉄職員に対する労働条件の脅威なり、あるいは向上を阻害するという部面について重大な関心をもって要求をし戦っているのだ、こういうように私は聞いたのです。ですから、あなたの方もこれはもう一方的におれの責任だからやるのだというのじゃなくて、重大なる影響のある労働条件について、あるいは雇用条件について、これはもう話し合っていかなければならぬ。その話し合いがつかないうちに、これは管理者の責任だからやってしまうのだ。そうして抵抗するやつは首切っちまうのだ。これじゃ私は幾ら口で労使間の正常化といっても正常化じゃないと私は思う。あなた方の方に優越感がある、しかし労使間の正常なる関係というものは、一対一の関係なんです。一対一の関係をお互いに努力してそうして関係を保っていく。これは私は重大な問題だと思うのですが、何か答弁を聞いておりますと、当局者の方は一段高い所におれはいるというような優越感があります。ですから国鉄職員に協力してもらうというのですけれども、協力してもらうといっても、お前首切るぞ、雇用条件が悪くてもがまんして協力せよ、これだけでへえといって言うことを聞くようならば、これはもう戦前と同じようになる。今はそうじゃないのですから、そういう点についての、私は誤解だったら幸いですけれども、答弁をずっと聞いておりますと、何かそういう一段商い所においでになるような感じがしますが、そういうことじゃ私は解決できない、こういう感じがしましたので一つ御所見のほど願いたい。
#48
○説明員(吾孫子豊君) 全く大倉先生お言葉の通りでありまして、私どもは決してそんな高い所から見おろすとかいうような、そんな気持は毛頭ございません。ただ私どもの努力不足のために、十分今まで職員の皆さんの協力や理解が得られなかったことは申しわけないと思っております。今後なお一そうそういうようなふうにごらんになられることのないように努力いたしたいと思います。
#49
○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#50
○委員長(三木與吉郎君) 速記つけて下さい。
#51
○中村順造君 副総裁まだちょっとあるのですがね。まあ大体本委員会であまり国鉄の責任者を長く引っぱるということも問題があるというふうな御意見もあるようですがね。今までの質問の関連で、もう一、二点お尋ねして、一つ国鉄当局の決意を私は伺いたいと思うのですが、特にこれは非常に話がまたこまかくなるのですが、九州の問題で、これはまあ争点を明確にせいと言うとまた時間が非常に長くかかりますから、私は申し上げませんが、やはり九州で汽車がとまった、貨物列車が運転休止になったというのは、組合が実力行使をやったからというあなたの方のお考えだろうと思うのですがね。それにはそれのやはり一つのよってきたる原因もあったわけなんです。これは副総裁まだ御存じないと思うが、操車場の照明が非常に暗い。そのために非常にけが人も出ているわけです。ここで大体私の持っている資料には、昭和三十四年以来死亡が十四名、それから重軽傷五百八十三件、こういうような、これは門司管内だけですが、非常に作業環境が悪い。だから作業環境をよくせよという要求をした。その要求の仕方が悪かったとかよかったとかいうことで、あなたの方は九名も首を切ったわけですね。これはいわば開き直った言い方をすれば、やはり当局にも一つの責任があるわけなんです。こういう事実、こういうふうな事象があるのですから。ところがそれがまちまちで、やはり操車場は基準法四十三条の対象になるとかならぬとか、あるいは監督署に対して国鉄の操車場を事業場から除いてくれという、こういう働きかけを地方の管理局長は盛んにやっておる。これはけしからぬと思う。そういうやつは監督署みずからが判断すべきであって、それを対象からはずすとか何とかいうそういう働きかけをすること自体がおかしい。だからこの点はあなたの方が九名の解雇者を出し、二十名の処分をされておるが、これはところによっては改めるという現場長が約束をしたところもあるわけです、なるほど危ないといって。法律できめるところは百ルクスとか二十ルクスとかいろいろ専門的にはあるのですが、十分検討をして、相手方の責任追及をするばかりでなしに、みずからも反省してもらわなければならぬ。具体的な話ですけれども、これはこの委員会で特に国鉄に対してそういうことを要求いたします。現実に一方で九名も解雇して、一方ではそういうもののあなたの方は法律上々々々と言われるけれども、あなたの方は法律上しなければならぬ設備をしていない。これはその責任をはっきりして下さい。これはこの次の委員会でその経過を聞きますから。
 それから、やめますが、今までいろいろ質問しました、あなたの方の考え方もほぼわかりましたが、しかし今までの経過は経過として、こういう事態に直面して、先ほど運輸大臣は国鉄に対して十分事態の収拾については努力させる、こういうことを言って席を立たれたが、一体国鉄はどういうふうな、だれが責任者として出て、やはりあなたがさっき言われたように、法律上の団体交渉だから、団体交渉でまとまらなければこれはやらせるのだ、こういう見解に立っておられるか。少なくとも本委員会を契機として、あなたの方で最高の責任のある人が出て、さらに最後の努力を重ねる意思があるかどうか、最後にその点を承っておきたいと思います。
#52
○説明員(吾孫子豊君) ただいまのお尋ねのうちの最初の九州の方の問題でございますが、これは傷害事故の防止ということにつきましては、今までも私どもできる限り努力をしてきたつもりですが、今後もなお一そう、少しでも死亡者や殉職者や傷害者を出さないようになお一そう努力をいたしたいと思いますが、現在の作業をしております場所の諸条件が法律に合っておるか合っておらないかというような問題をただしますには、また法律で定められた手順というものもございますので、それをいきなり職場放棄というようなことで要求を貫徹したということは、これはやはり法律が明らかに禁止しております違法な行動をとられたわけでありますから、それに対してはやはりそれ相当の処分をしなければならないというふうに考えております。ただ将来とも、こういうような職場における死傷、事故というようなものを少しでもなくしますように、絶滅を期して今後一そう努力をいたしたいと思います。
 それから二番目の団体交渉のことにつきましては、今後もなお引き続き誠意をもって交渉に当たるということで尽きると思いますが、同時に、先ほど申し上げましたように、やはりできるだけルールにのっとった慣行を確立していくという努力も、あわせてやっていきたいものであるというふうに考えております。
#53
○重盛壽治君 関連して。どうも少しどうかしてやせぬかな。私は、どうも今まで聞いておったらち内では、国鉄の、いわゆる法律に照らして、慣行によってものをやるという、この考え方はそれでいいんですよ。それでいいのだが、労使の今首切った問題なんかもずいぶん議論する余地があるけれども、きょうは時間がないからそれは差しおくが、当面あすに迫って汽車がとまるかとまらぬかという段階になって、同じようなやはり従来の慣行によってものを処理しますなんという考え方では、とても処理できないのです。処理ができないのだから私どもは委員会で取り上げて、あなた方の考え方を聞いて、より積極的にどうしたならばこの問題が解決できるか、どれだけの熱意を持っておるかということを聞きたいから、いろいろの質問をしているわけです。それに対してあなた方は、依然として従来の法律、慣行のワク内で、法律をかみ合わしてやるというのだが、今日の事態はかなり急迫しておる。たとえば、私が立ってその事に当たる、そうしてあしたの事態の収拾に努力いたします、というくらいの気魄がなければ解決がつかない段階にきているのです。そうでないならば、幾らでもこの委員会でいろいろもっと質問しようじゃないか。しかしわれわれは、やはりあしたの問題をあなた方に解決をつけてもらいたいと思うから、この程度で質問を打ち切って、その方に努力してもらいたいというふうにしているのだが、また同じように法律で課長やら部長やらにきまりをつけさせるということでは、きまりがつかぬ段階だということをわれわれは認めている。だからあなた方にきてもらって意見を聞き、同時に問題を突っ込んでいる。それで総裁、副総裁あるいは理事が一体となってこの問題の解決に努力しますと、こういう返事を聞きたいわけだ。それは当然やるべきことであるし、あたりまえだという考え方かもしらぬけれども、返答の中にはそういうふうに現われていない。やっぱり団交に当たるのは、課長か部長か知らぬがそういう関係者、団交委員、そういう者を対象にしておるようだが、私の言うのはそうじゃないですよ、われわれの言うのは。もういわゆるトップクラスで問題の解決に当たりなさい、そうしなければいけませんよ。と同時に、解決点へ持っていけば解決のできる要素もあるじゃないか、ということをいろいろの委員から今申し上げているわけだ。その心がまえを聞いているわけです。その点いま一ぺん念を押しておきたい。
#54
○説明員(吾孫子豊君) 全力をあげて解決に努力いたしたいと思います。
#55
○重盛壽治君 あなたが当たるということですね。
#56
○説明員(吾孫子豊君) 私を含める全部でございます。
#57
○中村順造君 それでは私は、だいぶ長くなりましたからやめますが、一つ資料でお願いしたいのですがね。ちょっと意地が悪いようですが、非常にあんたの方が法律を大上段に振りかぶって、解雇々々と言われるのですが、この際、現在の河村職員局長は、かつて新潟の局長で非常に大だんびらを振り回した経歴の人であります。新潟でどのくらい解雇者を出して、それから今度職員局長になってどのくらい――解雇者には限らぬが、処分を出しておるのか。これを一つ出して下さい。
 それからもう一つ、総裁もだいぶ長いのですが、総裁に就任されて、一体国鉄の中の職員に対する処分、これを含めて一体どのくらい出されたのか、これを適当な時期までに、できたら次回まででいいですが、処分を非常に出されておるから、それを一つ出してもらいたい。
 それから九名のいわゆる調査内容を――一週間でもうそのものずばりでやられたのだから、どういう調査をやられたのか、その内容も一つあわせて出して下さい。委員長一つお願いします。
#58
○委員長(三木與吉郎君) では、きょうは、あすに迫りました団体交渉等の関係の質疑はこれで打ち切ることにいたしますが、どうぞ一つ、国鉄当局におきましても遺憾ない御努力を願います。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時六分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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