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1960/03/16 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第13号
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1960/03/16 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第13号

#1
第038回国会 運輸委員会 第13号
昭和三十六年三月十六日(木曜日)
  午後四時五十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月十五日委員野上進君辞任につき、
その補欠として西田隆男君を議長にお
いて指名した。
三月十六日委員西田隆男君辞任につ
き、その補欠として野上進君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三木與吉郎君
   理事
           天埜 良吉君
           金丸 冨夫君
           村上 春藏君
           大倉 精一君
   委員
           佐野  廣君
           平島 敏夫君
           谷口 慶吉君
           小酒井義男君
           中村 順造君
           松浦 清一君
           白木義一郎君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   運輸省港湾局長 中道 峰夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○港湾整備緊急措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。
 港湾整備緊急措置法案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。
#3
○天埜良吉君 前回、この法案の裏づけとなっておる五カ年計画の目標、量についてお伺いいたしましたが、港湾の関係の予算は、従来北海道の関係の港湾並びに離島関係の港湾の関係は、これは運輸省所管の予算には入っていなかったと思いますが、今回のこの港湾五カ年計画というものの中には、それらのものは入ることになっておるのでしょうか、あるいは別のワクになっておるのでしょうか、その点をお伺いいたします。
#4
○政府委員(中道峰夫君) 北海道港湾の整備並びに離島関係でございますが、これはお説の通り、予算的には総理府の所管になっておりまして、その予算がきまりますれば、運輸省に移しかえをして実施をされるわけであります。また、難局関係の港湾につきましては、経済企画庁の所管でありまして、やはりこれと同様に運輸省に移しかえをして実施をされるのであります。今回の五カ年計画におきましては、北海道の改修に関係する港湾及び離島関係の港湾は、この五ヵ年計画の中に包含して全体的に計画をいたしております。
#5
○天埜良吉君 別の法案で、今度港湾法の一部の改正が出ておるようでありますが、その具体的な対象港湾というのが、新潟の地盤沈下復旧事業というものに対する補助率の向上というような内容であったというふうに記憶いたしますが、この新潟の地盤沈下の関係の予算は、この港湾五ヵ年計画の中に入ることになっておるのでしょうか、どうなっているのですか。
#6
○政府委員(中道峰夫君) この五カ年計画の対象にいたしました港湾の整備のものは、改修の港湾でございまして、防災の関係の事業は、他省との関係もございまして、今回の長期計画の対象にいたしておりません。新潟の地盤対策事業につきましては、その意味におきまして防災的関係が主として行なわれます関係上、この五カ年計画の中には含めておらないわけでございます。
#7
○天埜良吉君 この五カ年計画作成にあたって、地域格差の是正を考えるというようなことが法案の趣旨にも計いてあるようでございますが、この地域格差の是正というような点について具体的にはどういうような配慮が加えられるでしょうか、このような点をお伺いしたいのであります。
#8
○政府委員(中道峰夫君) この前の当委員会におきまして御説明申し上げたのでございますが、この五カ年計画作成の基本方針といたしまして、横浜、神戸等の特定重要港湾を主体にいたしまする外国貿易港湾の整備、また鉱石、石油、石炭、その他工業原材料等を取り扱います産業基盤等に関する港湾の整備、なお地域間の所得格差を是正し、地方の産業開発のため必要な港湾の整備等に重点を置いて編成する方針をとっておるわけでございます。従いまして、ただいまお尋ねのございました地域間格差の是正でございますが、これにつきましては、同じく前回も御説明を申し上げたのでございますが、特にその地域間格差に該当いたしまする対象の事業といたしましては、産業基盤強化のために整備いたします港湾の中で、いわゆる工業原材料を輸送いたします港湾、これは工業の電化学工業化あるいは臨海工業の発展に伴いまして工業原材料を輸入する、また国内資源の船舶による輸送が増大しつつございます。特に輸入原材料は、直接地方の工業港やあるいは六大港以外の貿易港湾を通じて運搬されるような傾向が著しいわけでございます。と申しますのは、つまりわが国の臨海地帯のそれぞれの産業については、原料を六大港等に一度荷揚げいたしまして、それから陸上の道路なり鉄道によってそれぞれの地方の工業地帯なりに運搬するよりも、直接船舶によってそれらの産業地帯に運搬するという方がはるかに経済的になるわけでございますので、そういった意味でこの港湾、特に工業関係の産業地帯に関係いたします工業港湾については、これが地方に分散をいたして参る傾向にございます。従いまして、この地方分散のため港湾の基盤になるということで、それらの港湾の整備をいたしますために、工業原材料を輸送するための港湾の整備といたしまして、これらの港湾の中のいわゆる防波堤とか、あるいは航路、泊地、その他接岸施設というようなものを整備する。また単に外国貿易だけでなくて、内国貿易、貨物の中でも地域間の工業原材料の輸送をやはり強化いたしますために、全国各地の重要港湾あるいは地方港湾に、ただいま申しましたように接岸施設なり、航路、泊地等の施設を整備する。こういうような意味合いにおきまして、地域間の格差是正に役立つような港湾の整備を取り上げておるわけでございます。
 また、産業関連港湾の整備の中で、特に産業に関係を持ちまする港湾の整備についても、同様な意味合いにおきまして、それらの施設の整備をいたします。これらのものは、やはり全国各地に散在をいたしておりまする関係上、これらの整備をいたしますことは、やはり地域閥の格差を是正するということに役立つことと考えるわけでございます。また、木材の取り扱いにつきましても同様でございまして、山の中の木材を輸送いたしますのに、港湾の施設が整備いたされませんと、多大の輸送費を要するわけでございまして、従いまして、これらの木材取り扱い港湾につきましても、それらの施設を整備する。木材の産出地域というのは、大体大都会周辺でなくて、地方のそれぞれの地域に散在しておりますので、そういうものの整備をすることが、やはり地域間の格差を是正するということに関係をして参るわけでございます。
 さらに、沿岸輸送を強化するということで、内貿輸送分野の強化に必要な港湾の施設、あるいは僻地でありますとか、あるいは瀬戸内、その他の内海におきまする島嶼あるいは離島――離れ島におきまする港湾施設を整備する問題、あるいは魚の関係の漁獲物を取り扱いまするための港湾の施設の整備をいたしますというような関係で、それらのいわゆる沿岸輸送力強化という面から、ただいま申しましたような港湾を対象にいたしまして、これを整備をする。で、これらのやはり地域間の格差を是正するのに大きな貢献をいたすと考えているわけでございます。以上のような観点からこの地域間格差ということを取り上げておりますが、特に最近におきましては、先ほど申しましたように、工業の地方分散化というような、単に京浜とか阪神とかいうことでなくて、全国の適当な地域にそれらの工業を分散する。そうしてその分散する場合に、どうしてもわが国の立地上、港湾の施設というものがそれに伴ってくるわけでございます。それに適当な地域を選定いたしまして、それらに対する臨海工業地帯の開発、それに伴う工業港の整備ということを考えて、整備の計画の中に織り込んでいるような状態でございます。
#9
○天埜良吉君 この五カ年計画の量と目標ということについては、この量は二千五百億というふうに承りましたが、この閣議決定に持っていく具体的な数字の進捗状況はどういうふうでございますか、承りたいと思います。
#10
○政府委員(中道峰夫君) ただいまお話がございましたように、この港湾五カ年計画は、昭和三十六年度を初年度といたしまして、五カ年間に総額二千五百億円の事業を実施することといたしているわけでございますが、そこで、昭和三十六年度の予算案におきましては、国費として約百九十五億円を支出することといたしております。これにさらに港湾管理者、つまり地方の港湾の管理をいたしておりまする地方公共団体でありますとか、あるいは一部事務組合でありますとか、そういう港湾管理者が負担をいたす建前になっておりますので、それらの負担金を加えました港湾改修事業費といたしましてのその総額でございますが、その総額は約三百八十億円になる予定でございます。従いまして、今後五カ年間に毎年事業費を、平均いたしまして、一四%増額いたして参りますことによりまして、港湾整備の五カ年計画の総事業計画を遂行することができるというふうに目安を立てているわけでございます。
#11
○天埜良吉君 従来の例から申しますと、五カ年計画とかというような計画は、ともすると実施が計画に伴わないというような状況になりがちだというふうに思いますが、そのようなことを防ぐ意味からしても、閣議決定の場合に、閣議決定そのものではなくとも、かなりその目標と量とについては、詳細な資料をつけられて、そうしてその実施にそごをきたさないようにはかられるのが、私は非常に肝要なことではないかというふうに考えるのでございますが、御所見はいかでしょうか。
#12
○政府委員(中道峰夫君) お説の通りでございまして、この点もこの前の当委員会で御説明申し上げましたのですが、また御指摘もございましたように、従来運輸省で立てておりました計画が、いわゆる単年度の事業でございまして、計画としては一応長期の計画を持っておりますが、予算措置が毎年毎年の予算折衝できまる、こういうことでありましたために、全体の事業が計画的に、また確実に実行されなかったきらいがございました。そこで今回は、最近のわが国の経済の著しい発展に合わせまして、全国各地の港湾で扱いまする取り扱い貨物量、あるいはその他の貨物の出入状況等を勘案いたしまして、新しく新長期五カ年計画を樹立することといたしたわけでございます。その際に、従来の実施状況からもかんがみまして、この計画は、確実に五カ年間の事業量を実施するという建前をとるべきであると考えまして、今回御審議をお願いいたしておりまする緊急措置法によりまして、法律的にこの計画をきめる。その内容といたしましては、ただいまお話がございましたように、その計画の目標と量をきめるわけでございますが、それに対しては港湾審議会の議を経まして、十分検討の上、閣議においてそれを決定するという建前をとるわけでございます。なお、港湾の費用につきましては、国費並びに港湾管理者、その他民間の受益者の費用も含まれることでございますので、それらの経費の支出を明確にいたしまして、実施を確実にしていくというために、特別会計法を設けまして、緊急措置法とあわせてこの確実な実施をはかっていくという建前をとっておるわけでございます。
#13
○大倉精一君 運輸省発行の「運輸」というのにも書いてあったのですが、港湾の施設は、その他の施設と同様に、需要に先だって施設をしなければならぬと同時に、相当ゆとりを持たなければならぬというようにあなたもお考えになっておると思う。今度の予算で、整備法を裏づけする予算でもって、需要に先だってゆとりのある港湾施設をする、五カ年計画、それの十分の予算なり計画なりというものをお持ちになっておるのですか。
#14
○政府委員(中道峰夫君) ただいま申し上げましたように、港湾の計画につきましては、各港湾ごとにその港湾の出入船舶あるいは取り扱い貨物量等を推定いたします。これはいろいろな推定方法があるのでございますが、従来国民総生産との関連によりまして、ただいま五ヵ年、あるいは十ヵ年という長期の見通しを立てるわけでございます。従いまして、ある港湾については、この港湾の何年度の取り扱い貨物量が幾らになるか、また、その貨物量の内容はどういう種類でどれだけの量になるかということを推定いたすわけでございます。それは従来の実績とも勘案いたしまして、そごのないように一応推定いたします。その推定に基づきまして、必要とする施設をそれに合わして、外国貿易の貨物量どれだけに対して、どういう種類の貨物量に対してはどういう施設を施すべきであるかというのが、従来とっております方針でございます。それに基づきまして必要な施設を計画いたしていくわけでございます。
 従いまして、今回の計画では、五カ年間を推定いたしまして、五カ年間に必要な施設をする。それが確実に施設されるということが最も必要な点だと考えるわけでございます。それでありませんと、いろいろ港湾を利用する面におきまして、あるいはその港湾地帯に工場を設ける、あるいはそういうような事業をする場合に、いつどういう施設がどういう規模で行なわれるかということがはっきりいたしませんと、それらの利用者あるいは事業者が、計画を立てることができないわけでございます。そういう意味で五カ年の計画を確実に行なうということが建前でございまして、ただいまお尋ねのような線に沿いまして、余裕と申しますか、つまりその計画に沿うてその施設を確実にいたしていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
#15
○大倉精一君 これは港湾の施設計画ばかりでなくて、たとえば国鉄の何カ年計画というようなものは、もうこれは極端に言うならば、計画通りにできたためしはない。こういう状態のようです。今度の港湾の計画に前の五カ年計画を改訂、画さなければならない。さらに加えて計画よりも発展の方が先へ進んでしまう。こういうのが実態です。ですから、今度の法律によって運輸大臣が新しい計画をお作りになり、経済企画庁長官とも相談になってお作りになるのですけれども、私はこういうような非常なテンポで日本の経済ないし世界の経済、貿易が発展する段階においては、一歩先んじた計画を思い切ってやる必要がある。そうでなければ、やらぬよりましだという計画では、港湾というものがいわゆる経済、産業の発展の基盤であるというその役割を果たすのに心細いと思うのです。ですから、私はこの際、この法律ができたのですから、運輸大臣は一歩先んじた患い切った港湾整備をする、こういう心がまえが必要だと思うのですが、大臣一つ御所見を承りたいと思います。
#16
○国務大臣(木暮武太夫君) 今回御承知の通り、従来毎年の予算折衝でやっておりまする五カ年間二千五百億という港湾の計画をいたしまして、これを港湾審議会にかけて、閣議決定によって、経済企画庁と連携をして施設にこれを移すわけでございますが、今御指摘のように、従来何カ年計画というものがありながら、いたずらに紙の上の計画にとどまって、金を十分に使い得なかったというようなことが必ずしもなきにしもあらずというような欠点があったのでございまするから、今回はこういうことのないように、所得倍増の構想に伴いまして、経済成長に見合って、これに相応ずるような港湾施設を逐次やっていきたいと、こういうように考えておる次第でございます。
#17
○大倉精一君 ぜひとも金のむだ使いと申しますか、そういう消極的な問題でなくてやってもらいたいということを希望すると同時に、たとえば特定港湾施設整備特別措置法というものがあり、その他関連した法律案なりあるいは会計勘定があるのですけれども、こういうものについてもやはり彼此勘案、連携を十分にして、むだにならないように一つ十分御配慮を願いたいと思います。それだけ一つ要望しておきます。
#18
○小酒井義男君 一つだけお尋ねをしておきたいのですが、この法律第三条一項の末尾ですが、「費用の全部又は一部を国が負担し又は補助するもの」と、こうあります。全部負担するというのはどういう港湾で、一部とはどういう率で、どういう区分をされておるのか、その点だけ一つ御説明を願いたい。
#19
○政府委員(中道峰夫君) この費用の負担につきましては港湾法に費用の負担の規定がございまして、大体申しますと、外郭施設と申しまして、防波堤とか航路あるいは泊地、これらの施設に要する費用につきましては、特定重要港湾と申しますのはいわゆる六大港でございまして、横浜とかあるいは東京、大阪、神戸、名古屋、関門というような主として外国貿易の港湾でございます。それらの港湾につきましては、これらの外郭施設は十分の十までを国が負担する、こういう建前になっております。それから重要港湾でございますが、重要港湾につきましては、これらの施設については大体五割、半額を国が負担するという建前になっております。また、地方港湾につきましては大体四割を国が負担をする、こういう建前になっております。
 なおまた、施設によりまして若干違いまして、ただいま申したのは防波堤とか航路、泊地のような外郭施設でございますが、係留施設と申します、いわゆる岸壁でありますとか荷揚げ場、こういうものにつきましては、先ほどの特定重要港湾におきましては、十分の七五までを国が負担する、重要港湾につきましては五割を負担する、地方港湾におきましては四割負担する、こういうような港湾法の負担の区分がございますので、それによりまして「全部又は一部」、こういう表現をいたしておるわけでございます。
#20
○小酒井義男君 この補助率が違うのですが、重要、特定と、いろいろ区分されておって、それに対してその管理者側が受益が大きいか小さいかというようなことや、管理者側の財政的な状態などがどうであるかというようなことは、補助率には考慮されておらないのかどうか、そういう点はどうなんでしょう。
#21
○政府委員(中道峰夫君) この負担区分は、ただいま申しましたように港湾法できめておりまして、ただいま申しましたのは、いわゆる国の負担にかかるものでございます。そこで、たとえば重要港湾で国が五割と申しますと、あとの残りの五割をこれは地方の、つまり地元の負担になる。その場合に地元は、これを普通の場合には起債によりましてまかなっておる状態でございます。大体従来までのところは、いわゆる特定重要港湾、地方港湾というように、港格別によりまして、大体港の規模ができておりますので、今までのところは、地方財政に大きな圧迫を与えるというような段階ではございません。ただ北海道でございますとか、あるいは離島関係等におきましては、北海道には特例法がございまして、内地の港湾とは補助率を若干上げて負担しておるわけでございます。離島におきましても同様でございまして、内地の一般の港湾よりも補助率を上に上げております。そういうことで、やはり地方の実情に応じまして、そういうような港湾法の負担の特例を考えておるわけでございます。
#22
○金丸冨夫君 ちょっと一言お伺いいたすわけでありますが、従来港湾も国の財政力に応じて全部または一部補助をするというような状況で進んできておるわけですね。それを特に今回は港湾整備五カ年計画というものを作って、計画的にこれをやっていこう。言いかえれば経済の実情また港湾の使用の実情に応じてこれをやっていこうということであると思うわけですが、これはまあ私非常な進歩であり、また実際そのとき勝負というようなことで、国の大事な経費というようなものを使う結果になることを防止するのはまことにけっこうだと思います。ただ政府は、今度五カ年計画、または所得倍増構想に従ってこの地域格差の是正ということを非常に取り上げているわけです。その結果、いずれこれは閣議決定の問題と思いますが、従来とても港湾については、おのおのの施行部面の予算の配分において、まんべんなく行き渡るというような方針でやる結果は、結局いろいろな施設が途中でそのままになって、二年、三年経過するというようなことがある。大事な港湾施設がまだ未完成のままでハゼ釣りの台場になるというような悪口をいわれるような状態もあったわけでありまして、従いまして、この地域格差というようなこと、もちろん必要でありましょう。でありましょうが、要は、せっかく国の経費というものを注ぎ込んで、そしてこの港湾を実施しようというのでありまするから、そのおのおの施設については、これができるだけすみやかに利用の域に達し得るような、いわゆる財政計画といいますか、予算の年度年度のことをやはり考えていただくことが非常に大事だろうと思うわけでありまして、さればと言って、国の港湾重要地帯だけをことごとくやるという、これを完成するということに全予算を注ぎ込むということもできないと思いまするが、その効率について十分なる配慮が必要だと、かように考えまするが、この点についてはどういうお考えでございましょうか。
#23
○政府委員(中道峰夫君) ただいまのお話は、よく公共事業の総花性、あるいは非能率な、投資効果の上がらない事業をやっているというような批判もあったわけでございます。しかし港湾につきましては、この港湾の数を申し上げますと、大体全国で三千程度港湾と称するものがございますが、そのうちで現在施設の整備に取りかかっておりますのが約三百五十でございます。その中にはいわゆる重要港湾、特定重要港湾等の大港湾がございまして、それらのものが大体百近くございます。その他の港湾につきましても、離島あるいは内海、その他木材なりあるいは工業港なりいろいろの種別の港湾があるわけでございます。そこで数から申しましても、全体としてはわが国の四面環海の現実から申しまして、われわれとしては、必ずしもこれを多く取り上げているとは考えられないのであります。ただ問題は、この港湾が最も地方の実情に適するように整備が進められているかどうかという点になるわけでございます。その点につきまして、われわれといたしましても反省しなければならぬと思っておるわけでございますが、先ほど申しましたように予算が従来単年度でございましたために、それらの港湾について毎年々々その施設の整備する状況が変わってくる。そういうために、そういった地方の港湾においても、その港湾を利用する方面において非常な不便を感じ、また事業計画というものが、港湾にマッチする事業計画というものがなかなかむずかしかったというのが実情でございます。そういう意味から、今回ぜひともこれを長期に計画いたしまして、確実に実施する。しかも何年度にはどういう施設ができるということを確保することによりまして、そういった従来の非効率性と申しますか、能率の上がらない施設という非難を克服しなければならない。またそういうことによってこの海湾の効率を上げるようにする。また、今回の措置法によりまして、港湾審議会の議を経て閣議決定をするという手続になるので、一そうそういった面で港湾の効率を上げることができる。まあこういうように考えておるわけであります。
#24
○委員長(三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。――御質疑もないようでございますから、これをもって質疑を終わり、討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#25
○天埜良吉君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております港湾整備緊急措置法案に賛成するものであります。
 戦後、わが国港湾の整備は非常におくれておりまして、経済の発展に遠く追随のできないものがあります。すなわち、港湾の外郭施設における防波堤など遮蔽施設の不完全のために、港湾は本米船舶の安息の場所であるべきはずのものが、港内にありながら、多数の船舶がしばしば災害をこうむるのが日本の港湾の現状であります。また、年を追って非常な割合で船舶の型が大きくなっているにもかかわらず、停泊地の水深が不足のために入港さえできないものがかなりの数に上がってきておるのも、またわが国港湾の現状でもあります。さらにまた、係留施設の延長並びに水深の不足のために、船舶が直接岸壁に接岸して荷役をすることができなくて、やむを得ず沖荷役をしたり、あるいは岸壁のふさがっているのを待っている、いわゆる持ち船というものがかなり多数に上っているのも、これまたわが国の港湾の現状であります。あるいはまた、臨港交通施設の不備や、上屋、野積み場、荷役機械などの荷さばき施設の不完備のために、貨物の処理が滞りがちで、貨物の輸送の円滑を欠いているのも、わが国の港湾の現状であります。このような実情にあるわが国港湾の機能をこの際緊急に向上する施策を講じて、経済の成長の障害を除去し、隘路を打開するように努めるはもちろんのこと、積極的に経済の成長を促進するようにはかることが最も肝要なことと思います。このような観点からしまして、本法案に基づき、五カ年計画を策定し、海湾の整備を、長期を見通した計画に基づいて推進することは、きわめて有効なものと信ずる次第であります。
 この長期港湾整備計画の策定についてこの際特に要望したいことは、地域格差の是正の問題でありまして、港湾事業が非常に大きな部分を占めております港湾整備計画のことでありますから、政府の手によって力強くこの問題を推し進め得る性質のものと思われますので、この点につき十分の検討と配慮をわずらわたいと思うのであります。いま一つの要望事項は、長期計画が立てられた場合に、その実施がいつもおくれて計画通りに実現しないのは毎々のことであります。五カ年計画の量として予定されているものは二千五百億円でありますが、わが国の港湾整備のため、五カ年に要する資金総額としては、これは最小限のものと思われます。この額の程度の整備さえ完全にできない場合には、明らかに港湾がわが国経済の成長を阻害するものとなることと患われますので、五カ年計画の完全実施に邁進せられんことを強く政府に要望いたします。
 以上二点を要望いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。
#26
○大倉精一君 社会党を代表して簡単に討論をいたします。
 港湾の機能の不備、不十分をいわれてから非常に久しい問題でありますけれども、なかんずく、最近における貿易、経済の伸びというものはまことにもって顕著なものがあると思うのであります。このときにあたって港湾整備の緊急措置法は、私は非常に適当だと思いますけれども、ただ、過去の実績に徴して、この種の計画の完成されたためしはない、こういうことで、私はこの計画が、港湾局長も言われたように、確実に実施されると同時に、計画自体を、現在の世界の経済、貿易の伸び、あるいは国内経済の伸張に見合うよりも、むしろ先を見越した計画を立ててもらわなければ、真の意味におけるところの港湾の機能、あるいは経済の基盤としての港湾の役割は果たせないと思います。特に資金計画については、現在のような非常に物価の変動の激しいときに、二年先、三年先、四年先の物価をどう見越すか、これがいわゆる計画の実施、実現の成功、不成功の要因にもなると思われます。特に最近におけるところのいわゆる物価上昇ブームの時期に、さらにまた来年におけるところの物価上昇の状態、そういうものを的確に把握して、偽わりなく、自己欺瞞することなく把握して、そして計画が間違いなく、実行できるように御努力を願いたいと思います。特に船舶の大型化等につきましては予断を許さないような将来の状況もあると思いますので、こういう点につきましても特に慎重な配慮をされまして、真に日本の港湾が日本の経済の進展の基幹になる役割を果たし得るような、そういう港湾に整備してもらうように特に要望いたしまして、本案に賛成いたします。
#27
○委員長(三木與吉郎君) 他に御発言もなければ、これをもって討論は終局し、採決を行ないます。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#28
○委員長(三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出する報告書等につきましては、委員長に御一任を願います。
#29
○国務大臣(木暮武太夫君) 港湾整備緊急措置法案につきましては、慎重に御審議をいただきまして、ただいま御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。この審議に際しまして、御指摘のございましたいろいろの事項につきましては、十分御趣旨を体しまして五カ年計画の策定に当たりますとともに、一そう港湾の整備、運営について尽力いたす所存でございます。まことにありがとうございました。
#30
○委員長(三木與吉郎君) 本日は、これをもって散会いたします。
   午後五時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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