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1960/05/11 第38回国会 参議院 参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第28号
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1960/05/11 第38回国会 参議院

参議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第28号

#1
第038回国会 運輸委員会 第28号
昭和三十六年五月十一日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
四月二十八日委員鳥畠徳次郎君辞任に
つき、その補欠として仲原善一君を議
長において指名した。
五月八日委員仲原善一君辞任につき、
その補欠として鳥畠徳次郎君を議長に
おいて指名した。
五月九日委員鳥畠徳次郎君辞任につ
き、その補欠として田中茂穂君を議長
において指名した。
五月十日委員田中茂穂君辞任につき、
その補欠として鳥畠徳次郎君を議長に
おいて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     三木與吉郎君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           大倉 精一君
   委員
           佐野  廣君
           鳥畠徳次郎君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村上 春藏君
           小酒井義男君
           松浦 清一君
           片岡 文重君
           加賀山文雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 木暮武太夫君
  政府委員
   運輸省海運局長 朝田 静夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
  説明員
   運輸省航空局技
   術部長     大沢 信一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本開発銀行に関する外航船舶建造
 融資利子補給臨時措置法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査(航空に関
 する件)
○連合審査会開会に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(三木與吉郎君) ただいまより委員会を開会いたします。
 本日はまず、日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○天埜良吉君 日本の海運の弱体を強化するために建造利子の補給をはかるということで法案が提出されておるようでありますが、従来までの建造利子補給のいきさつ、経過等を海運局長から承りたい。
#4
○政府委員(朝田静夫君) 御承知のように外航船舶建造に際しまして、その融資に対して利子補給をいたしましたのは、御承知のように昭和二十八年からでございますが、当時国際金利水準に比べまして非常に割高でありますということと、毎度申し上げることでありますが、日本の海運が戦争で壊滅したあと、あらゆる新船建造につきましては借入金をもってまかなわざるを得なくなった。従いまして、借入金が増大いたしますと同時に、金利水準も国際的に見て割高でありますことを国際水準並みにして、船腹増強に資していこう、こういうことで市中の利子補給を五分までという線で従来実施されておったのでありますが、ちょうどスエズ・ブームになりまして、海運企業の業態もいささか好転をいたして参りましたので、当時約定利息の支払いの間、あるいはまた海運市況が好況を持続する間は利子補給金を停止するという特約を政府と金融機関との間に結びまして、停止をいたしておったのであります。ところが、その後海運市況が低迷を続けて参り、ここ数年間立ち直りの気配も見えません。かてて加えて、海運企業の内容がとみに悪化して参りましたので、昨年度におきまして、この利子補給制度の復活を国会の方にもお願いをいたしたわけでございます。
 その結果、現在におきましては、現行の九分五厘の市中金利を約七分五厘までに低下せしめるように措置をしていただいたわけでございます。ところが最近になりまして、開発銀行の融資が、御承知のように船舶建造の融資におきまして半分以上を占めております開発銀行の融資につきましても、市中銀行との関係もございますし、あるいは最近起こって参りました石炭専用船の問題もごごいまして、ここにおいて開発銀行と輸銀の金利の問題がクローズ・アップされて参りましたことは、申し上げるまでもないところでありますが、そういうような環境から、今日開発銀行の融資につきましては、六分五厘を五分まで引き下げて、わが国の海運の国際競争力を強化して参ろう、こういうことで、この際、開発銀行の利子補給の措置をお願いいたしたわけでございます。
 以上が今までの経過でございます。
#5
○天埜良吉君 海運会社が非常に不況に立っているというような提案理由になっておりますが、海運会社の大体の経理状況というようなものはどのようになっておりますか、海運局長から御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(朝田静夫君) 三十五年の九月期決算で申し上げますというと、五十三社の集計でございますが、収益が一千百三十四億八千万円でございまして、費用が九百八十億九千四百万円でございます。従いまして、償却前利益として計上されておりますものは、百五十三億八千六百万円ということになるのでございますが、前期の三十五年の三一期の決算よりも償却前利益がふえておりまして、前期の三月期の決算におきましては百三十七億六千万円でありますところが、この三十五年の九月期におきましては百五十三億八千六百万円という程度にふえて参っておるのでございます。ところが、その当期におきますところの減価償却限度は、普通償却の限度額におきましても百七十二億九千八百万円というものが限度額になっておりますので、償却前利益の百五十三億八千六百万円をもっていたしましても、なおかつ普通償却ができないというような状況でございます。ことに特別償却を含めますというと、三十七億八千七百万円が特別償却の限度額でございますので、普通、特別を合わせますというと、二百十億八千五百万円というものに対しまして、償却前利益は百五十三億八千六百万円というような状況でございます。ことに従来からの償却不足累計額は、普通で四百七十四億にまで上っておりまするし、銀行の融資に対する延滞も相当大幅に上っておるというような状況でございまして、これまでの企業の合理化の促進によりまして、漸次償却前利益はふえて参っておりますし、また一般の費用におきましても、船腹の増大にもかかわりませず、合理化の徹底が相当程度、私どもの行政指導もそういう方向に向けておりまするが、費用も船腹の増強に比してさほど高く上がらないというようなことで、償却前利益もふえて参っておりますが、ただいま申し上げますように償却限度額にはいまだ達しない、こういうような状況でございます。また海運市況の影響が、先ほど申し上げましたように、償却前利益がふえて参っておりますが、一方海運市況は昨年の冬場と比べましても、逆に不定期船運賃指数から申しましても七〇%に下がっている。不定期船あるいはタンカーといったようなものが不振をきわめておるような状況でございます。また、設備資金の悟り入れ状況を見ますというと、三十四年の九月期におきまして二千五百七十五億円が、三十五年の三月期におきましては二千六百八十五億円と、やはり百億程度増加いたしておるのでございます。返済進捗率は五八%、こういう低率を示しておりまして、海運業が依然としてわが国の不振産業であるということは、今日においても変わりがないというような状況でございます。
#7
○天埜良吉君 先ほど石炭専用船の例で見て輸出入銀行との関係のお話がありましたが、この点についてもう少し具体的にお話を伺いたいと思います。
#8
○政府委員(朝田静夫君) 最近鉄鋼業界のまあ国際競争力の面から見まして、合理化の一環として、原料輸入の面におきましても、買付市場その他の問題について、鉄鋼側においては相当の手を打っおられるのでありますが、一番その中でも大きな部門を占めますのは、海上運賃の部門が相当のウエートを持っておるということになるのであります。鉄鋼価格の低位安定のための対策といたしまして、製鉄会社におきましては、原料炭のCIF建の長期貸付契約を結ばれたことは、最近まあ新聞紙上にも出ておる通りであります。この原料炭の輸送が、外国船主の手によって、日本の造船所に大型石炭専用船の発注が行なわれたわけでございます。四万五千重量トンとか、あるいは三万玉千重量トンとかいったような船でございますが、こういうわが国に対する造船の発注は、まあいずれも輸出船として輸出入銀行の金融を造船所が受けまして、年四分の金利を基礎として受注されておることは申し上げるまでもないのであります。こういうような割安な原料炭の買付が可能になりましたいきさつといたしましては、輸出金融を基礎といたしますところの外国海運の低コストというものが基礎になっておるということが十分考えられるのでございまして、ここにはからずも日本海運と外国海運の国際競争力の違い、格差、こういったものが出て参りました。で、わが国の輸出政策に比べまして、自国海運に対する施策がはなはだ不十分であるという事実がはっきりと現われて参ったのでございます。
 こういうことで、こういった国際競争力の外国海運と日本海運の格差を放置するということになりますというと、日本海運の健全な発展を将来長きにわたって阻害されまするし、また国際収支のバランスの上からいいましても好ましくないという事態が出て参りまするので、少なくとも外国船と同一のベースに立った自国海運の船舶建造ということがどうしても必要な問題であるということになります。われわれは、日本船を外国船と同じコストに近づけるための措置がどうしても考慮せらるべきであるということを年来主張して参ったのでありますが、こういうような事態が起こりまして、現段階におきましては、さしあたり、開発銀行の六分五厘の金利を五分まで引き下げるための利子補給が必要であるということを政府部内におきましても強く要望いたしました結果、予算的な措置も講ぜられ、今日まあここに御提案、御審議願っておる法案の提出になったというような次第でございます。
#9
○天埜良吉君 ただいまの御説明でいきさつがよくわかったのでありますが、輸出入銀行では、お話によると四分ですか、四分で造船所に貸している。この案によりますと、開発銀行の五分で融資するという案でありまして、まだ一分の開きがあるのであります。まあそういうようなことで、やはりこの措置がとられても、まだ外国船主が注文するというようなことにならないでしょうか、この点を一つお伺いしたいのです。
#10
○政府委員(朝田静夫君) 平均の金利負担の問題になると思うのでございますが、結局、外国船の国内の金利と、ただいま申しげました輸出入銀行の金利の平均負担が、日本の開発銀行融資によるところの造船の平均金利負担との差による問題であると思うのでございます。そこで私どもは、市中の最近はおきますところの金利の低下の事情等も考慮いたしまして、最近金利の日歩一厘下がって参りました。利子補給をいたしました結果の七分五厘の金利は七分一厘何がしかになって参ったわけでございますが、ことに市中銀行におきましては、利子補給という国家の施策に対応いたしまして、日歩一厘、さらに支払い猶予の措置も講じてもらっておりますので、結局この開発銀行の五分と、一厘下がりました市中と、さらに日歩一厘の支払い猶予の点を合わせますというと六分を切る、約五分九厘程度になると思うのでございます。なお、外国船のコストが五分五厘、五分一厘ないし五分五厘というようなことでございますので、御指摘の通り、なお五厘程度の差が出て参るのでございます。ただ、わが国の鉄鋼業界といたしましても、五厘程度の差まで縮まって参りました以上は、政府はここまで海運の金利の低下に努力をいたしておることに対応して、十分日本海運に対して協力をするというような事態が生まれることを私どもは希望いたしておるのでございます。なお、五厘程度、あるいは外国船におきましては五分一厘六毛というような程度でありますので一分弱、あるいは五分五厘というような場合も考えられますので、一分ないし五厘というような差が出て参っておりますけれども、運賃差におきましては、ほとんど従来より大きな差というものはないわけでありますから、鉄鋼業界の御協力を得られますれば、私どもはこういった専用船の建造が、日本海運の手によって十分行なっていけるのじゃないか、こういうふうに考えている次第でございます。
#11
○天埜良吉君 今の点で、金利の非常に低下ができる、差が少なくなるという点はわかりましたが、専用船については、今後まだいろいろな鉄の増産計画だとかというようなことについて、非常に大きな運搬が要請されるというふうに思っておりますけれども、鉄鋼業界等専用船を作ることについては、運輸省としてはどういうようなふうに折衝しておられますか、その模様をお話しいただきたいと思います。
#12
○政府委員(朝田静夫君) 鉄鋼業界の考えておられまする専用船というものにつきまして、ただいま買付市場、あるいはその港に対応いたしまする的確な船型、どの程度の専用船の需要が予測されるかということにつきまして、作業を私どもは鉄鋼業界とともにいたしておるのであります。遠からずそういったものの、少なくともここ五カ年間、所得倍増計画におきますところの前半期と後半期を含めました全体の計画が出て参るかと思うのでございますが、十分私どもはそういった点におきまして、需要予測、あるいはそれに見合いますところの的確な船型、こういったことの検討をただいま進めておるわけであります。
#13
○天埜良吉君 何といいますか、海運経理の面から言って、専用船等は比較的有利な状況であるのではないかというふうに考えられますが、一般の船と専用船とのそういう面での相違は、相当開きがあるのじゃないかというふうに考えておりますが、その点はいかがでしょう。
#14
○政府委員(朝田静夫君) 御指摘の通り、一般の不定期船と専用船との違いが相当ございますことは事実でありますが、専用船が御承知のように大型化して参りまして、しかも、その港に合った的確な船型を配船をいたしまして、運航能率が非常にいいというようなことからいたしましても、コストの低下ということがはかれるわけでございます。そこで、専用船は鉄鋼業界と海運界の間で、長期にわたりますところの運送契約を締結いたしまして、長期の運賃契約をきめていく、こういうことは安定帯運賃の設定に役立つわけでございまして、好況、不況を問わず、十年間の長期にわたって合理的な線で運賃が安定していくということにも、利用業界の上においても非常なメリットがある、こういうふうに考えておるのでございます。この意味におきまして従来のトランパーというようなものと違って、大きなメリットがありますことは事実でありまするし、今後の所得倍増計画におきますところの鉄鉱石、石炭、石油、こういう大量な貨物の輸入ということが大きな比重を占めておりますので、今後の船舶建造につきましては、こういった大型専用船に重点を置いて整備をしていこう、こういうふうに考えておるわけであります。
#15
○小酒井義男君 海の方のことはあまりわかりませんから、一つわかりやすい説明をしてもらいたいのですが、やはりこういう国から利子補給をするというようなことをやるには、それ相当の理由がなければならぬと思うのです。で、そういう点から、まず最初にお尋ねをしたいことば、現在外航船が不足をしておるのかどうかですね。外航船、それと、海運によるところの国際収支というようなものが現状はどうなっておるのだ、そういう点についてまず最初に御説明を願いたい。
#16
○政府委員(朝田静夫君) 昭和三十五年度までの国際収支の推移は、全体の経常収支は順調に推移して参ったのでございますけれども、三十五年度におきますところの輸入量が非常に増大をいたしまして、具体的に申し上げますと、三十四年度から二六%ふえておるわけでございますが、これに対応する船舶が不足をいたしておりまして、積み取り比率は三十四年度の五一・五%から四八・三%に下がっておるのでございます。これは総体的な問題でございまして、輸入量の増大に見合う船舶が整備されていなかったということに基因するのでございますが、積み取り比率は今申し上げましたように五〇%を切りまして、四八・三%に低下をいたしたのであります。従いまして、海運の国際収支は悪化いたしまして、運賃収支におきましては、三十四年度の六千五百万ドル赤字を出しておりましたところが、四千万ドルの赤字が増大いたしました。六千五百万ドルの赤字に対しまして四千万ドルの赤字でございますから、一億五百万ドルの赤字になったのでございます。港湾給費を含めますというと二億五千六百万ドルの赤字になったのでございます。
 こういうことから三十六年度の見通しはどうかということになるのでございますが、三十六年度の海運におきますところの国際収支は、今申し上げております国際収支といいますのは、IMF方式によりました計算方式でございますが、これは非常に技術的なことで恐縮でございますが、各国ともに海運の国際収支をはじきます場合には、IMF方式というものを採用いたしておるのであります。これで三十六年度の見通しは、積み取り比率から申しますと、輸出は五二・五%になる。三十五年度は五五・九%でございますので、低下いたし、輸入が三十五年度が四八。三%でございますが、三十六年度の私どもの見通しといたしましては四六・五%に低下する見通しである。こういうことで、日本船の運賃収入はどのくらいになるかというと、五億九千七百万ドルになるという想定をいたしておるのであります。前年度に比べますというと、五億九千七百万ドルの運賃収入は九%の増加に当たるわけでございますが、支払いが四億三千万ドルで、大体一億五千三百万ドル、港湾経費を含めますというと、バランスで三億四千万ドルの赤字になる、こういう見通しを立てておるわけであります。
#17
○小酒井義男君 政府の所得倍増計画によって、最終の四十五年度、例の千三百五十万総トンですか、あれでやっていこうというと、年間九十七万総トンの建造が必要だということをよく議論するんですが、これは考えられておるようなふうに、貿易が伸びて、経済が成長していった場合はそうなるというのであって、はたして、そういうことになるかどうかということは、これは未知数だと思うのです。特に今説明のあった三十五年度の積み取りの比率などというのは、設備投資増強を見越して、非常に原材料の入ってきた期間が入っておるからそういう数字が出たんであって、これがノーマルな形になったときに、はたしてこれだけの貿易量があるかどうかということに対するいろいろ疑問があると思うのです。これはそれぞれ見方があると思うのですが、そういう点から考えていった場合に、はたしてどれだけ船舶を増強することが妥当であるかという数字は、なかなかむずかしい問題じゃないかと思うのですが、そういう点から考えていって、まあ今年、来年くらいの造船計画が、これが作り過ぎになるということは決してないということは、これは言えると思います。そこで、こういう利子補給を行なって船を作っていくことによって、やはり国際収支の上に相当プラスになるというようなことにならぬと、ただ造船業界が困っているからこれを救済してやろうということだけでは、賛成をするという理由には私はならぬと思うのです。それで、そういう点から考えて、もう少し先の見通しといいますか、こういうような形で船を作っていけば、年間どれだけ建造がされていって、それによって日本経済にプラスになる面はこうこうこういうふうになってくるというような面で御説明願いたいと思うのです。
#18
○政府委員(朝田静夫君) この所得倍増計画の輸入なり輸出の規模が年度別に出ておりませんので、どういうふうに、ノーマルな状態に発展していった場合に、どの程度の貨物の輸入量、輸出量になるかということは、なかなか仰せの通りむずかしい問題だと思うのでございますが、倍増計画の十カ年の計画は、ただいま御指摘になりましたように、四十五年度には千三百三十五万トンの船腹保有の規模に達する。その際に、積み取り比率は、輸出が六三・六%、一般貨物の輸入が六〇%、石油類の輸入が六五%ということにいたしましても、なおかつ海運の国際収支におきましては三億一千万ドルの赤字になるという見通しを立てているのでございます。そこで、三十五年度末の日本の外航海運は、約五百六十万トンに達することになっておりますので、四十五年度までに九百七十万トンの建造を要する。しかも低性能船舶の百二十五万トンの解撤を含み九百七十万トンの建造を必要とするということになっているのでございますが、これに対する私どもの考え方といたしましては、船腹整備の原動力は、やはり企業の力でなければならないわけでございますから、企業力の強化に前半期におきましては十分配慮をいたして、船腹増強の大きな飛躍がある後半期において達成するという考え方をいたしているのでありまして、船腹整備と企業基盤の強化というものが二律背反的な要素もございますので、この間の調整をとりながら、船腹の整備を進めていきませんと、船腹ばかり増強されて、企業力はますます弱くなる、こういうようなことになるわけでございます。従いまして、私どもは償却前利益方式というものを昨年度から実施いたしまして、企業の面におきましてこれ以上の借入金の悪化を来たさない、不健全な借金で船を作ることをそこで防止いたしまして、限度を設けて船腹の整備をはかっていこう、こういう考え方で、目下そういうふうな線で実施いたしているわけでございます。従いまして、輸入物資の積み取り比率が、最終目標年次におきまして、一般貨物六〇%、石油類が六五%といたしましても、国際収支が三億一千万ドル余りの赤字になるといいますことは、これはそのまま放置いたしておきますと、非常に大きな日本経済全体の国際収支のバランスに深刻な打撃を与えるということでございますから、企業力と見合って、毎年度具体的に船腹整備計画を立ててそれを実施していく、こういうような考え方でいるわけでございます。
#19
○小酒井義男君 この計画を進められる過程で、先ほども天埜さんの質問の中で、今後の原材料の輸入状況の数字を相当具体的におあげになっておったようですが、やはり電力が火力で重油を使うというような傾向がこれからだんだんと多くなっていくと思うのですね。石炭に重油が置きかえられていくという過程で、年々原油の運搬量がふえていく、そういうようなものに見合うような具体的な船舶増強の計画というものは立っておるんですか、どうなんですか。
#20
○政府委員(朝田静夫君) 四十五年度の貿易規模としては、そういう今御指摘の問題も全部含めて考えておるわけでございます。従いまして、石油類が現在の三・五倍になる、鉄鉱石が三・八倍、石炭が四・七倍になるという具体的な数字も、ただいま仰せになりました要素も含めて、輸入量の算定をいたしておるわけでございます。
#21
○小酒井義男君 輸入量の算定をする場合、通産省のそうした設備の変更ですね、そういうものとやはり並行をしておるのか、そういうものを基礎にして、この船舶の増強の一つの方法として考えておる、こういうことなんですか。
#22
○政府委員(朝田静夫君) 具体的な短期の計画については、個々の地点における工場の設備投資の規模に見合ってこれだけの輸入だと、こういうことではなかなか短期の計画は立ちにくいのでございますが、目標年次の四十五年度の規模におきましては、そういったことも十分考えて算定をいたしておるのが、私どもが通産省、経済企画庁と連絡をいたしました数字でございます。
#23
○大倉精一君 今輸出船の問題があったんですが、この前ちょっと海事新聞でも拝見をしたんですけれども、たとえば出光興産あたりが外国に籍を置く子会社を作って、その子会社から注文をさせる、形式的には輸出船、こういうような船価の安い、単価の安い船を作る、こういう傾向がこれからふえてきやしないかと思うんですけれども、そういう傾向がふえるという徴候はありませんか。
#24
○政府委員(朝田静夫君) ただいま御審議をお願いいたしております開発銀行の利子補給の措置をいたしまして、できるだけ先ほど申し上げましたように、外国海運とのコストの格差を縮めていくということが実現できますならば、今後はそういうものは、私の考えといたしましては少なくなっていくのじゃないかと思います。
#25
○大倉精一君 今度の法案によっても六分五厘が五分になる、輸出入銀行の方は四分、やはり開きがあるんですけれども、これはあなたの方と大蔵省の方と、輸出船であるか国内船であるかというような見解についての了解ができておるのか、できていないのか、どういうふうになっておるんですか。たとえばオリンパス会社、こういうケースの場合ですと、この船は輸出船として輸出入銀行の融資の対象になるのか、あるいは国内船として輸出入銀行からの融資のワク外になるのか、こういう点について、大蔵省との見解が違っておるということを聞いておるんですけれども、その点はもう了解点に達したんですか。
#26
○政府委員(朝田静夫君) 今御指摘の具体的なケースにつきましては、国内船として扱っていくという気持はございません。輸出金融にそれが乗るかどうかということにつきましては、大蔵省の方でなお判断をいたしているようなわけでございます。
#27
○大倉精一君 ですから大蔵省の了解がつかなければ、これは輸出船としての融資のワクに入らぬということになると思うのですが、その点はどうなんですか。
#28
○政府委員(朝田静夫君) さようでございます。
#29
○大倉精一君 そうすれば、私はこれはしろうとでよくわからぬのですけれども、輸出船として船を作るといった方がコストが安い、こうなってくれば、こういう出光興産とオリンパス会社のような、こういうケースが今後やはり出てくるのじゃないかと思います。その場合に、国内船でやるか、輸出船でやるかという見解がはっきりしていないというと、そのつど混乱を生じると思うのですが、そういう点はいかがですか。
#30
○政府委員(朝田静夫君) 先ほども申し上げましたが、こういうようなケースが起こって参りますことは、外国船と日本船のコストが違うということから起こって参るわけでございますから、海運政策といたしましては、外国船と日本船を同一のベースに立たせるということが、根本的な解決であるというふうに私どもは考えているのでございまして、従って開発銀行の利子補給も、この観点から進めていかなければならぬ、こういうように考えております。
 そこで今後格差が、この法案が通りまして実施されますというと、格差が縮まって参る、そういうことで、運賃面からいたしますと、わずかな差しか出て参りませんので、石油業界あるいは鉄鋼業界の協力を得られれば、私どもはそういったケースがだんだんなくなって参る、こういうふうに考えるのでございます。
#31
○大倉精一君 どうもこの点について私ももう少し研究したいので、まあ質問保留しておきます。
#32
○委員長(三木與吉郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#33
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。
 本案に対する本日の審査はこの程度をもって終了いたします。
  ―――――――――――――
#34
○委員長(三木與吉郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 本日は、東京国際空港におきまする日本航空のジェット機の事故について、当局より報告を聴取いたします。
#35
○説明員(大沢信一君) 局長がただいま出張中でございますので、当委員会の御報告がおくれておりますので、私から簡単に経過を御報告いたします。
 四月二十四日夜の十一時二十九分でございますが、日航JA8003、俗に箱根号と称しております、タグラスDC8が、ホノルルからウェーキを経由いたしまして東京空港に着陸いたしました。滑走路、現在ありますA滑走路と申します長い方の滑走路の南の方からおりまして、あの滑走路一ぱいでとまり切れずに北の端、ちょうどただいま埋め立てをしております地区に突入いたしまして、排水のためのみぞが作ってございますが、そこへ足を突っ込みまして機体を大破いたしました。
 搭乗人員は、乗客が百九名、それから乗員が十三名でございます。乗員あるいは乗客ともに、乗っていた人の被害はございません。
 機体の方は、胴体が、操縦室と客室との間の結合部分がほとんど折損をいた、しております。それから先ほど申し上げましたように着陸装置、つまり足はみぞにはまりました関係で大折損いたしました。発動機は四つございますが、そのうち三つ地面にすって損傷いたしております。そのほかに内部的には燃料タンクに亀裂が入っていたり、相当の損傷がございまして、修理はまず不可能と思われました。
 それでこの原因と思われました点は、第一にブレーキ系統、ブレーキ系統と一般に申しましても、車輪のブレーキと、それからエンジンの推力を逆にいたしまする逆噴射装置あるいは非常用の空気ブレーキ、これらを全部含めましたブレキ系統の作動が正しく行なわれたか、という意味は、機械的に故障があったかなかったか、もう一つはその操作が適切であったかという点が第一でございます。二番目は、着陸の接地点、滑走路に最初におりました地点が正規の位置であったかどうか。第三に、そのときの速度が正常の速度でおりたかどうか。大体この程度に一応しぼっております。
 それで、ちょうど滑走路の延長上にすわり込んでしまいましたので、まず機体の撤収を始めまして、翌二十五日の午後に立川の米軍から二十トンのクレーンが一台到着いたしました。夕刻自衛体の朝霞の部隊から二十トン・クレーンが二台と十トン・クレーンが一台現場に到着いたしました。それでその間にできるだけ現場における各部の状況は写真あるいはスケッチ等で全部とりまして、そのままの状態で動かしたかったのでございますが、どうしても動きませんので、ほとんどちぎれておりました頭部と、それから尾部の尾翼のつけ根のところから切断いたしまして、二十七日夕刻までに胴体の下にころを入れまして、二十八日一ぱいかかりまして、俗にA地区と申しておりますが、格納庫の前の地域まで持って参りました。
 このために、日航の国際線の運航に支障を来たしたわけでございますが、措置といたしましては、とりあえず、シアトル線は全便休航いたしました。それから香港は毎週二便DC8を使っていたのでございますが、これを6Bというプロペラ機にかえました。そうして南太平洋のロスアンゼルスとサンフランシスコ線だけを従前通り実施いたしたわけでございます。たまたま、一機オーバー・ホールに入りまして、実用できますのが二機になったわけでございます。ただそのオーバー・ホールの完成予定は今月二十一日の予定でありましたのを繰り上げまして、一応十六日には完成させる予定で作業を進めております。それから五号機に当たるわけでございますが、かねて注文中のもう一機のDC8が五月十七日に引き渡しを受ける予定でございましたが、その事故直後、ダグラスと交渉いたしまして、五月五日に繰り上げて引き渡しを受け、九日から就航いたしました。従って現在では現用三機ということになっております。オーバー・ホールが終わりますと四機になるわけでございます。ですから、南回り太平洋路線全部と、それから香港はきのうから復旧しているはずでございます。滑走路の状態では、A滑走路と申しますのは、大体八千九百フィートばかり長さがございますので、DC8の最大着陸重量として許されております十九万九千五百ポンドで着陸いたしましても、地上滑走距離は大体四千フィートくらいということになっておりますので、この当時事故機の着陸が十九万九千ポンドでおりております。もちろん、最大着陸重量の以下でございますから、滑走路が短か過ぎて事故が起きたということは考えられませんのですが、たまたま当夜雨が降りまして、滑走路がぬれておりましたので、多少すべったということはあったかもしれません。これも先ほど申し上げましたように四千フィートくらいで普通ならとまれる飛行機でございますから、スリップが重大な原因とは考えられておりません。
 で、直ちに省内に私が主宰いたしまして臨時事故調査委員会を作りまして、今日まで鋭意調査を進めておりますが、まあ調査の対象は一応二つにしぼられまして、一つは飛行機の操作上の問題もう一つは機械上の問題であります。で、主としてその操作の面に関しましては、機長以下全乗組員のまず供述書をとりまして、さらに個々に呼んでいろいろ説明を聞いております。それから当夜管制塔におりました二人の管制官からも供述書をとっております。ほかに地上で見ていた者が何人かございますので、これらの説明も聞いております。滑走路に残りました車輪の痕跡その他滑走路の状況も一応調べました。当夜の気象関係の資料は全部収集いたしております。機械の方に関しましては、案外撤去にひまどりまして、今週の初めごろから、先ほど申しましたブレーキ系統関係の各種機能部品を日本航空整備の試験室に持って参りまして、それぞれ試験を始めておりますが、これらの結果が判明いたしますのは、大体今月中旬と思われます。従って現在までのところ、操作上の問題あるいは機械上の面から申しましても、これが直接の原因になったと思われる重大な過失や故障は発見されておらない現状であります。
#36
○委員長(三木與吉郎君) ただいまの説明に対して御質疑がございましたらどうぞ。
#37
○説明員(大沢信一君) ただいま落としましたのでございますが、この事故機に対しまして、日本航空は全額保険をかけております。この飛行機の帳簿価格は二十億五千万円でございます。東京海上火災との間に二十億八千八百万円の保険契約をいたしておりますので、一応その面では損害がないという形になります。ただし、たまたま書き入れ時に入りまして運航に支障を来たしておりますので、その分を考えに入れますと、三十六年度の予想収支は約三億六千万円損失が増加するという計算になります。これはシアトル線をやめますために収入の減が約十億円、ただし、やめますので支出減、つまり燃料、整備費、こういうものの減が六億四千万円、差引三億六千万円損がふえるだろうという予想であります。
#38
○小酒井義男君 今の報告をお聞きしておると、滑走路の延長路離が大体あのくらいあればいいんだと、若干天候の都合でスリップしたかもわからぬが、スリップも大したことないのだということになると、まあ、だんだんと原因が縮まってくるような気がするのですが、着陸するときは、あれはやはり滑走路の一番取りつきに車輪がつくような形で着陸するのでございますか。
#39
○説明員(大沢信一君) 一番有効に使おうと思えばそうなんでございますが、海からいきなり滑走路に入りますので、常識的には大体三、四百フィート離れたところに接地するようでございます。DC8というあの計器着陸をさせます場合の接地点というのは、そのくらいでごごいます。機長の供述は、それからほとんどずれてないと思っておりますし、一部供述が多少違うのがございますが、いずれにしても、まあ百フィートか二百フィート延びている程度で、接地点についてはあまり問題はないと思います。
#40
○大倉精一君 これはパイロットの方は、ジェット機に対する経験はどのくらいおありなんですか。
#41
○説明員(大沢信一君) 機長、古谷野等と申しますが、飛行機全体の操縦経験が約八千時間、このうちDC8の経験が百十七時間となっております。
#42
○大倉精一君 これは、機長さんもパイロットもみな経験がおありになるのでしょうけれども、それにもかかわらず、日本のこのホーム・グランドでもってこういう事故を起こすということは、これは国際信用上相当大きな問題だと思うのです。これに対する今後の対策なり何なりというものは、相当慎重に考えて立てないと、相当これは影響するところが大きいと思うのですが、その点については遺憾ないと思うのですけれども、今後のそういう点に対する方針ですね、対策、あるいはそれらの方針について、何か格別ななにがありましたら、一つお聞かせ願いたい。
#43
○説明員(大沢信一君) たまたま羽田空港で日本航空の飛行機がみっともない着陸をしたという点で、私たちも全く同感でございます。従って、今後に対するいろいろな対策も考えられるのでございますが、一応事故の原因をはっきりいたしました上でということで、今のところ、局として何も意思表示をしておりません。
#44
○大倉精一君 これは、まあ事故の原因は、今小酒井さんもおっしゃったように、非常に狭まってきているのですが、パイロットの技術も別に差しつかえない。それから滑走路もいいのだということになれば、あと機材ということになるのですね。こうなってくるというと、これはまた問題がややこしくなってくるのですがね。それは、そんなに日がかかるのですか、もっと早くわからないのですか、機材の関係は。
#45
○説明員(大沢信一君) 機材的に一番調査しやすい状態は、すわり込んだあの場所でやることだったのでございますが、何しろ滑走路上にございますので、撤去を先にいたしました。しかも、撤去に案外日もとったのと、たまたま休みが入りまして、日本航空整備の方でも作業が思う通り進まなかった点がございますが、個々の機能部品を取りはずしまして試験機にかけますので、成績が全部出るのは中旬と申しております。
#46
○大倉精一君 この調書をお取りになって、たとえば機長なりパイロットなり、その他の人からいろいろ当時の模様をお聞きになって、その人々はどういう意見を持っておられたのですか、この故障についてですね。どういう点が工合が悪かったという、そういう点もあっただろうと思うのですが。
#47
○説明員(大沢信一君) それぞれの立場からものを申しますので、全部を総合いたしまして、また私たちの方で必要があれば実験もやりたいと思っておりますが、キャプテンあたりの供述は、正常な着陸をしたけれども、ブレーキあるいは逆推力装置が思ったほどきかなかったということを申しております。
#48
○大倉精一君 これは完全に原因がわかってからでないというと、今後対策もできないと思うのですけれども、これはあの程度で終わったからいいのですが、あれもう少し向こうに行っていたら、みんないかれちゃうのですね。大へんなことになるのですよ。ですから、これは一つ早急に原因を調べていただいて、航空路の開発等にも大きな支障を来たす国際信用上の問題でありますから、特にその対策については慎重を期して、万全を期してもらいたい。
#49
○委員長(三木與吉郎君) ちょっと速記とめて下さい。
   午前十一時三十七分速記中止
   ――――・――――
   午前十一時五十一分速記開始
#50
○委員長(三木與吉郎君) 速記をつけて。
 次に、連合審査についてお諮りいたします。
 大蔵委員長より、当委員会において審査中の日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案について連合審査開会の申し入れがございました。大蔵委員長申し入れの通り開会することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。
 なお、開会日時につきましては、大蔵委員長と協議の上決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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