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1960/08/08 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第3号
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1960/08/08 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第3号

#1
第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第3号
昭和三十六年八月八日(火曜日)
   午前十時二十四分開議
 出席小委員
  小委員長 遠藤 三郎君
      小川 平二君    木村 公平君
      首藤 新八君    岡本 隆一君
      中島  巖君    山中日露史君
 小委員外の出席者
        協 議 委 員 壽原 正一君
        建設省計画局技
        術参事官    奥田 教朝君
        建設省河川局次
        長       鮎川 幸雄君
        建設省河川局砂
        防課長     矢野 義雄君
        建設省河川局防
        災課長     細谷 正實君
        建設省住宅局住
        宅総務課長   大津留 温君
        建設省住宅局宅
        地課長     高橋 弘篤君
    ―――――――――――――
八月八日
 小委員石川次夫君同日協議委員辞任につき、そ
 の補欠として山中日露史君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
協議事項
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○木村(公)小委員長代理 これより災害対策協議会建設小委員会を開きます。
 お手元に配付してあります法案要綱につきまして、御懇談を願いたいと存じます。
     ――――◇―――――
  〔午前十時二十五分懇談会に入る〕
  〔午前十時五十八分懇談会を終わる〕
     ――――◇―――――
#3
○木村(公)小委員長代理 これにて懇談会を終わります。
 ただいまは公共土木関係の項目について御協議を願ったのでありますが、次に、堆積土砂の排除に関する特別措置これの法案の、これまた参考要綱が出ております。お手元に届いていると思いますから、一応読んでみます。
 堆積土砂の排除に関する特別措置
 (定義)
 第一 この法律において「堆積土砂」とは、昭和三十六年六月及び七月の豪雨に伴い発生した土砂等の流入、崩壊等により政令で定める地域内に堆積した政令で定める程度に達する異常に多量の泥土、砂礫、岩石、樹木等をいうものとすること。
 (堆積土砂の排除事業)
 第二 地方公共団体又はその機関が公園、その他の施設等で政令で定めるものの区域内の堆積土砂の排除事業(国がその費用の一部を補助する災害復旧事業に附随して行なうものを除く。)を施行する場合においては、国は、他の法令に国の負担又は補助に関し別段の定めがある場合を除き、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものとすること。
 2 国は、市町村が、前項に規定する区域外の堆積土砂で、市町村長が指定した場所に集積されたもの又は市町村長がこれを放置することが公益上重大な支障があると認めたものについて排除事業を施行する場合においては、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものとすること。
 3 前二項の補助金の交付の事務は、他の法令に定めがある場合を除き、建設大臣が行なうものとすること。
 (堆積土砂の排除事業費の範囲)
 第三 堆積土砂の排除事業費の範囲は、政令で定めるものとすること。
 (この法律の施行前にした堆積土砂の排除事業に対する適用)
 第四 この法律は、この法律の施行前に施行された堆積土砂の排除事業についても適用するものとすること。
 これが当局から出て参りました堆積土砂の排除に関する特別措置の考え方なんですが、これについて一応当局の御説明を願って、それから委員諸氏の御審議をいただいたらと思います。なお、これに対する詳しい御説明はどなたから伺ったらよろしいのですか。――奥田技術参事官。
#4
○奥田説明員 堆積土砂の排除に関する特別措置の法律案要綱について、補足して御説明申し上げます。
 今回と三十四年とを比較してみますと、前回では貯木場とか漁場とかいうのを一緒に立法してございましたけれども、農林省に照会いたしましたところ、該当事項がないというので、今回はそれをはずしてございます。
 なお、そのほか、前回は湛水の排除も同じ法律で措置しておりましたけれども、市街地――農地以外のところに関する湛水に関しましては、前回の程度浸水したところがございませんので、一応省いて、堆積土砂だけについて要綱を作ってみたものでございます。
 堆積土砂だけにつきましては、前回と大体同じ考えでございまして、第一項――これはちょっとわかりにくくなっておりますが、適用の範囲をきめまして、地域をきめますのに政令でもって定める。さらに、その地域内に堆積しました土砂の量も政令で定めるようにしてござざいますが、前回の例では、政令で三万立米以上というものと、それから、一山二千立米以上のものが集まりまして、堆積土砂の排除事業費が標準税収入の十分の一に達したものを取り上げてございますが、今回も大体同じ基準でいくものとして考えてございます。
 第二の堆積土砂の排除事業の内容でございますが、第一項では、公共土木施設等で、この災害復旧等でもっていわゆる公共施設から泥をとられます施設を除きまして、そのほかの公共施設、すなわち、そこに例示いたしました公園とかあるいは水路とかにつきまして堆積しましたものをまずとる。それから、その次には、それ以外のもので、市街地内に堆積しましたものを放置することが公益上重大な支障のあるものに限って、補助の対象にすべきでないかという考えで要綱を書いてございます。
 以上、簡単でございますが、御説明いたしました。
#5
○木村(公)小委員長代理 これに対して、いろいろ御疑問、御質疑等がありますればどうぞ。
#6
○岡本(隆)小委員 最初に、この配付された資料、これの考え方についてお尋ねしたいのですが、この間、委員長がわれわれの考え方をまとめて、こういう点について、一応委員会としての次の臨時国会に出す議員提出法案の草稿を作って、それについて委員会の意見を聞こう、こういうふうなもののように私は理解しておったのですが、今委員長のお話を聞いておると、今度これは政府提案になるものの政府の意向を聞いて、大体これで了解が得られるなら、政府提案として出そうというふうなお考えの模様にも察せられるのですが、どちらですか。
#7
○木村(公)小委員長代理 これは、政府の方からしばしば大平官房長官などが出席しまして、必ず政府の方として提案するつもりだということは言っておりますから、政府提案をしてくれれば一番無難ですけれども、もしも政府提案がおそくなったり、あるいはじんぜん日をおくらせたり、あるいはまた、政府提案であるがゆえに、われわれの考え方の取り上げ方が少ないというような懸念のある場合には、議員提案でいったらどうか、一応きょうは、この間皆さんと御相談の結果、遠藤小委員長から、大体の原案のさらに原案ともいうべき参考要綱を一つ出してもらう、それに対して一応協議をして、その上で次の協議会に出すべきものを独自に作ってもらうということなんですがね。
#8
○岡本(隆)小委員 そうすると、これは委員長が起草されたのか、委員長が政府機関に、お前の方で一つ出せるものならどういうものを出せるか、草案を作ってみよということで、政府機関の手で起草されたものですか、どちらですか。
#9
○中島(巖)小委員 これはこの協議会の案なんです。協議会の案で、ただ、協議会に事務機関がないから、政府に、この前と同じようなものをこしらえて出せ、こういって、協議会の委託を受けて事務当局が出した、こういうふうに僕は了解しておるのですが、どうでしょう。
#10
○木村(公)小委員長代理 この前、遠藤小委員長からこういう発言があります。「なお、明日は午前十時からこの小委員会を開きまして、そして建設省から出て参ります案を基礎にして、さらにこの小委員会を続行したいと思います。」ということに基づいて、ここで議論されたものを中心にして、建設省から一応素案を出してみろということなんでしょう。
#11
○岡本(隆)小委員 わかりました。そうすると、これは一応建設省としての考え方が盛られているということになると思うのですが、湛水の排除はこれから除外されているのを、ただいま御説明を聞きますと、そういうふうな該当地域がなかったというふうな御意向のようですが、私は被害地を回ってきて、必ずしもそうでないような印象を受けているのですが、いかがでしょう。
#12
○奥田説明員 伊勢湾台風を下らないと申しますか、そういうような表現の範囲内で考えますと、該当する個所がなかったと判断した次第でございます。しかし、実際にはそれに準ずるような、六日近く湛水したところはございます。
#13
○岡本(隆)小委員 伊勢湾台風のときは三十ヘクタール、あるいは堆積土砂については二万立米というふうな規定をしたのは、あまりに被害が甚大で、とにかくどこで線を引くかということで、切りがないからここらにしようじゃないかというふうな、どちらかと言えば、被害地を救ってやろうという考え方ももちろんあるんですが、しかしながら、あまりたくさんだから、どっかで切らなければならぬというふうな思想が、政令を作るときなんかには支配していました。議員の方は必ずしもそうでなかったのですが、大蔵省はできるだけやはり補助費を削ろうとするし、議会側はできるだけ広く救ってやろうとするし、そういう考え方が衝突して、結局、ここらで線を引こうじゃないかという話し合いで、政令内容がきめられたのです。だから、この政令内容というものを出さなければ法律案は無意味だというので、政令内容を出させるのに、非常にやかましく議論をしたのです。そういう意味からいくと、湛水の問題は、伊勢湾台風のときそのままが今度の場合も、また、いつの場合も、それが一つのものさしになるべきだという考え方は必要でないと思うのです。だから、やはり純粋に、われわれが災害というものの本質、それからまた、近ごろだんだん災害というものの考え方について一般の理解が変わってきておるときには、われわれとしては変わった考え方を出してもいいじゃないかと思うのです。ことに伊勢湾台風のときは九月でしたから、だから七日、まあ四、五日つかっても、稲は少々の程度だったら頭を出していれば助かりましたが、今度の場合は、植え直しがきくとはいうものの、植え付けて問なしですから、三日も湛水すればみな枯死している。だから、やはり湛水の問題というものについての考え方は、幾分移動してもいいのではないかと思うのです。だから、委員長も一つそういう点を考慮していただいて、湛水問題をこれから全然除外しているということは……。
#14
○木村(公)小委員長代理 お話中ですが、奥田さん、農村の湛水ですね、そうしてそれがために稲が枯死したとか、あるいは畑が流れたとか、流れなくても全滅したとかいうようなことは、農林の小委員会において、排水に要した費用の補助あるいは排水に対する対策が行なわれておるように思うのですが、あなたのおっしゃるのは都市排水のことだけですか。
#15
○奥田説明員 さようでございます。
#16
○木村(公)小委員長代理 農村の冠水、湛水に対しては、あなたは所管外だから話はまた別だ……。
#17
○奥田説明員 まだ連絡してございません。
#18
○木村(公)小委員長代理 連絡もありませんね。今岡本委員の御心配の点は、農村、都市を含めて、従来の伊勢湾台風のときは三十ヘクタールというような大体の標準があったけれども、それにこだわることなく、都市湛水についても考慮すべきだという御意見なんです。これに対して農村の方は、私は農林の小委員会でやっておると思いますが、都市湛水について、あなたの先ほどの御説明では、そういうものが伊勢湾台風のときにはあったけれども、今度はないというようなお話ですが、そんなばかげたことはあり得ないと思うのです。今度だって、十日以上ついているところはたくさんありますよ。しかも、総面積で三十ヘクタール以上のところは、私は各地にあると思う。特に低地帯なんかはずいぶんあると思うのですが、それはあなたの方の御報告にはないのですか。
#19
○奥田説明員 市街地の湛水状況について私の方で調査した報告によりますと、三十ヘクタール以上、それから一週間以上湛水したところはございません。
#20
○木村(公)小委員長代理 それから、あなたの方は都市湛水だけの関係で、農村の湛水、田畑に対する湛水のことは連絡がないわけですね。――そうすると、岡本さんのおっしゃる都市湛水についても、やはりもう少しめんどうを見ようというお考えですか。
#21
○岡本(隆)小委員 私は、都市も農村も、もう区別つかぬと思うのです。都市の水が流れて、さらに低い農耕地にたまっているのですから、都市排水も農業用水排水も区別ないと思うのです。だから、この委員会でもしばしばそういうことを申していましたら、建設省の方では、河川局長が、そういう排水の問題については河川の改良事業としてやっていきます、こういうことでございますから、今度湛水排除のなにが出ていないということは、改良事業として責任を持ってやっていくという御決意で湛水については排除されているのか、あるいは今の計画局の方からのお話ですと、どうもそうでもないようなんですが、どちらですか。
#22
○奥田説明員 この前の湛水排除の事業費は、湛水しました水を排除するに要する事業費のことでございまして、それでは再度災害をこうむるような、再度浸水をこうむるようなことになりますので、今回の災害の事情にかんがみまして、計画局といたしましても市街地の排水を緊急にやるというふうな、改良費の方に重点を置いて考えたいと思いまして、河川局と一諸に排水対策の方を緊急にやりたいと考えております。
#23
○木村(公)小委員長代理 そうすると、市街地における排水というものは、伊勢湾台風のときには三十ヘクタール以上の面積を要し、さらに、湛水一週間以上に及ぶべきものを対象にしてやったのであるけれども、今回はそのような湛水の報告がなかった。従って、今度の特別措置から落としたのだということが、あなたの結論ですか。
#24
○奥田説明員 さようでございます。
#25
○岡本(隆)小委員 僕は、こういうことを勘案いただきたいのです。伊勢湾台風のなには特別です。海岸の堤防が破堤したという点で、これは特別です。しかし、同時に、あの伊勢湾台風のときには、あらゆるポンプを大きなところへ動員してしまったために、そういうふうな設備を小さいところへ持っていけなかったから、小さいところがいつまでも湛水したということがあったのではないかと思うのです。今度の場合は、たとえば他府県からポンプをどんどん借りてきたりなんかして、それで湛水排除に努めた結果、比較的早く湛水状態を脱出できたというふうな地方が相当ありました。だから、湛水排除については、相当意欲的な活動が行なわれている。また、それだけに湛水期間は短かったけれども、金は使っていると思うのです。だから、そういう点で、今度は、伊勢湾台風のときが七日だったから、今度もそれでいいじゃないかという考え方は、私は当てはまらないと思う。だから、前の政令内容というものをわれわれはこの際やっぱり考え直して、伊勢湾台風のときと同じ政令内容で湛水の問題を考える必要はないと思うのです。だから、政令を改正してもらわなければこれは困ると思うのです。また、同時に、今後の問題としては、河川の改良事業としてやっていくということはいいけれども、水がついたわ、損害は受けたわ、おまけに、湛水のために、よその府県からポンプをじゃんじゃん借りてきてまで水を排除したというような地域について、お前の方は一週間ついてなかった、六日で済んだから、もう要らぬじゃないかということはないのです。だから、われわれの方で適当にそういう点を考えて配慮をすべきだと思うのですが……。
#26
○木村(公)小委員長代理 それでは、ただいま岡本委員から熱心なる御発言もありましたので、この問題については、あくまでこの堆積土砂の排除に関する特別措置というものが原案の原案であり、参考までに伺っておるだけでございますので、特別措置については、都市排水のために要した費用、その他の湛水による被害等に対してどうするかということを、この小委員会でさらに御協議を願って、結論を得たいと思います。
#27
○山中(日)小委員 ちょっとこれは法文の解釈上の問題なんですが、第二の二項によりますと、「国は、市町村が、前項に規定する区域外の堆積土砂で、市町村長が指定した場所に集積されたもの又は市町村長がこれを放置することが、公益上重大な支障があると認めたものについて排除事業を施行する場合においては、」云々、こうなっておるのですが、この条文からいけば、前段の市町村長が指定した場所に集積された土砂を排除する費用だけがその対象になるわけですか。つまり、市町村長が指定した場所まで集積するときの経費というものは見ないのか。集積されたものを排除するときの経費だけがこの補助の対象になるのか、その点がはっきりしないのですが、これはどういう考え方なんですか。
#28
○奥田説明員 個人の宅地から一定の指定されました場所に持ってくる費用は、補助対象外として考えております。それは清掃法なり災害救助法なりでもつ芥、額の多少はございますけれども、別途見る措置がしてありますので、これはこの措置の以外で考えることにいたしたいと思います。
#29
○山中(日)小委員 そうすると、集積するまでの経費というものは、別に何か補助するあれがあるのですか。こういった災害によって指定地域以外にたまった土砂を、指定した場所に運んでくる経費については、それを補助する何かがあるのですか。市町村長が指定した場所に運んでくる経費も、運んだものを排除する経費も、一緒に含まれて補助の対象にするのならわかるのですけれども、それを切り離しているのはちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。集積するまでの間の経費を、特に災害の場合においては補助するという別なものがあればいいですけれども、一定の場所まで運んでくる経費は全然見ないで、その集積したものを今後排除する分だけ補助するというのは、ちょっとおかしいと思うのですが、どうでしょう。
#30
○奥田説明員 災害救助法及び厚生省でやっております清掃法に基づきまして、宅地内に堆積いたしました土砂を指定する場所に持っていくまでに、十分な費用とは申せないと思いますけれども、別途措置する方法はございます。
#31
○山中(日)小委員 あればいいのですけれども、どうも一貫していないものですからね
#32
○中島(巖)小委員 今山中さんから質問のあったことと同じようなことになるのですが、第二の二項の、市町村長がこれを放置することが公益上重大な障害と認めたものについて排除事業を施行する場合には、こうなっておるのですが、これは政令なんかではどういうことになっておるのでしょうか。具体的な例をあげてもらいたいと思うのです。
#33
○小川(平)小委員 おととしの松本の場合なんかはどうだったんだろうね。あれは集積するまでが一仕事だったので、そこがないと……。あれはまるまる見たような記憶があるのですけれども……。
#34
○木村(公)小委員長代理 それはおかしいね。
#35
○岡本(隆)小委員 それは個人の責任だ、これはそういう考え方でしょう。
#36
○奥田説明員 公益上重大な支障があるというのは、政令には特にあげてございませんけれども、放置することが、消防活動なりあるいは衛生上なり――堆積土砂と申しましても、実情は家屋内から出るごみが相当一緒になっておりまして、そのまま放置することが衛生上支障があると認められる場合がございますので、そういう点も勘案して措置しております。
#37
○中島(巖)小委員 この場合は、市町村長が公益上重大な支障がありと認定すれば、別にあなたの方の認可とか許可とかいうようなことなしでいいわけですか。
#38
○奥田説明員 これは最後にも書いてございますように、堆積土砂を放置しておくことが実情としてできませんものですから、実際に堆積しました土量なり運搬しました土量なりが確認できるような方法を市町村長にとっておいてもらいまして、それであとから査定に参りまして、私の方でそれを確認し、そして、追認する形で措置しております。
 それから、先ほどお話の出ました湛水排除の問題でございますけれども、この前、三十四年の事例を御参考までに申し上げますと、同じ法律案の中に入っておりますけれども、大部分は農地の湛水排除の事業でありまして、市外地の湛水排除事業として取り上げましたのは、名古屋市の港の地区の南の方の一部だけが市街地の排除事業として措置いたしました。これは農林小委員会の方とも十分御連絡いただきたいと思います。
#39
○木村(公)小委員長代理 どうですか、この問題はまだなかなか議論もあるようですから、今の御意見だけは参考に聞いておいて、午後からでもこちらの考え方をまとめましょう。
 次は、公営住宅法の特例、ちょっと読んでみます。
             災害で
  あつて政令で定める地域に発生し
  たものに関し、事業主体が第二種
  公営住宅を建設するときは、公営
  住宅法の規定にかかわらず、当該
  災害により滅失した戸数の五割以
  内について、予算の範囲内におい
  て、建設に要する費用の四分の三
  を補助することができる措置を講
  ずる。
 これが建設省から出て参りました考え方の要綱でございますが、これについて建設省の御説明を伺いたいと思います。
#40
○大津留説明員 特につけ加えることもないかと思いますが、通常の場合は滅失した戸数の三割以内というのが五割以内、それから補助は、御承知のように三分の二となっておるのを四分の三にいたしました。
 なお、政令で定める地域といたしましては、被害が激甚であったという観点から、一市町村内におきまして、住宅の滅失いたしました戸数が二百戸以上、またはその市町村内の住宅の全戸数の一割以上が滅失した、そういう市町村を政令で拾いました。
 なお、伊勢湾のときの特例といたしましては、参考に書いておりますが、災害によりまして公営住宅が滅失した場合の補助について特例を設けておりますけれども、今回の災害には、災害によって公営住宅が滅失または著しく損傷したという例がございませんので、それは必要ないと思うのです。
 それから伊勢湾の場合には、工業地帯あるいは工場地帯で、産業労働者が多数居住している地域がやられまして、その工場の施設とか社宅が相当な被害を受けたような場合につきましては、産業労働者住宅資金融通法の特例といたしまして、返済に三年以内の据置期間を設けることができるという特例を設けましたけれども、今回の災害は、そういう工業地帯といいますか、工場の周囲に集まって産業労働者が多数居住しておるという地域がないように思われますので、その必要はないのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
#41
○中島(巖)小委員 今説明のありました後段なんですが、滅失戸数が二百戸以上とかいうような規定があったわけですね。伊勢湾台風のときには、それらについて特例を出したわけでしたか。
#42
○大津留説明員 先ほど申し上げましたように、政令で定める地域といたしましては、被害が激甚であったという観点から、一市町村内において住宅が二百戸以上滅失した市町村、あるいはその市町村にある住宅の戸数の一割以上が滅失した、そういう市町村を指定いたしました。
#43
○木村(公)小委員長代理 それは伊勢湾台風のときですか。
#44
○大津留説明員 そうです。
#45
○中島(巖)小委員 だから、政令を改正しなければいかぬ。
#46
○木村(公)小委員長代理 なお、この機会に、建設省の各局からそれぞれ来ておられますが、今ここに私どもの手元に配付された原案の原案ともいうべきもののほかに、実はこういうような立法をしてもらえれば復旧が早いとか、あるいはこういうような立法をしてもらえば災害防除になるのではないかというような考え方が、皆様方の中にございますれば、これまた参考のために伺っておいて、それを法律を作るときの大きい助言としてわれわれは認めたいと思いますから、何かこれ以外に、こういうような措置をとってもらったらなおよかろうというような問題――ここにお集まりの方はベテランばかりですから、長年の御経験によって、災害の場合にもう一息ここでやっておいてもらうといいというようなことがありますれば、ここで十分御発言をしておいてもらいますと、それを参考にいたしまして、この委員会は討議をしたいと思いますから……。
#47
○中島(巖)小委員 これは河川局の方の関係になるだろうと思うのですが、今度の集中豪雨の特徴として、小河川に土砂が非常に押し出してきている。たとえば天龍川の沿岸でも、天龍川の河床が上昇しておるために、押し出してきた土砂が、小河川の中にものすごい停滞をしておる。それから諏訪湖周辺でも同じような現象を出しておる。しかも、こういうものについては、小河川の堤防はくずれておらないけれども、砂がめちゃくちゃに出ておる。これは災害の復旧ともいえないのではないかとも考えるのですが、これらに対しては、この堆積土砂の排除に関する特別措置でやるのか、あるいは治水事業でやるのか、あるいは災害復旧でやるのか、これらに対して、建設省としての何らかの一つの方針があるだろうと思うのです。どういうふうにやるのですか。
#48
○細谷説明員 小河川といわず、一般の河川ですけれども、私の方では、今回の災害で急に出てきた異常埋塞、これは一般の災害復旧事業費の一つとして採択しておる。ここで採択されたものは、特別立法が出るとすれば、この特別立法の方に入ってくる。今度の災害でなく、経常的にだんだんとたまってきたというものは、災害でございませんから、これは改良費の方で掘さくないしは浚渫する、こういうような方針でやりたいと考えております。
#49
○中島(巖)小委員 そうすると、今の防災課長の答弁では、今回の災害で異常に土砂が堆積したのを、かりに小河川の堤防が破堤していないにしましても、災害復旧でもってこれを除去する、こういうふうに了解していいですか。
#50
○細谷説明員 この細部の取り扱いについては、異常埋塞があって、堤防がこわれておればもちろん問題はございませんが、こわれてなくても、次の出水においてそれが破堤の原因になる、非常に被害を伴うおそれが多いというものは採択しております。
#51
○首藤小委員 河川の問題ですが、この前も同僚の議員からしばしば発言があって、いわゆる改良復旧、これに相当重点を置く方針だということを承って、非常にけっこうだと思うのですが、神戸市周辺の中小河川の例を見ると、いわゆる原形復旧のところが、その後の災害でしばしばやられておる。どうしてもこの際、改良復旧に重点を置いてもらいたいという。そこで、改良復旧の基準を、この際、相当緩和して、ワクを広げてもらいたいという強い要望があるのですが、これについてどういう考えを持っておりますか。
#52
○細谷説明員 改良復旧といっても各施設があり、今お話しの河川につきましては、従来、現在ともそうですけれども、災害復旧事業費に対して、改良費をそれと同額程度という一つの原則を持っておるわけです。従来は割にそういうことにこだわりまして、経済効果の面、あるいは何回も災害をこうむったところについても、一対一という原則に割にわれわれの方もこだわっておったのです。こういうのを、ことしから、災害が何回も起こったり、経済効果が非常に大きい個所、人家連続地帯あるいは農耕地がそのために非常に広範囲につかるというようなところについては、その一対一ということにこだわらずにそれをとってくる、そういうことで、ことしの査定から進めておるわけです。
 ついでに申し上げますと、そのほかに、道路にしても橋梁にしても、今まで橋梁ですと永久構造にするというのも、やはり一つの取り扱いのワクをきめまして、たとえば、主要地方道以上の橋でないと永久構造にしないとかいう一つの取り扱いのワクをきめておったのですが、ことしからは、そういう道路の格にとらわれず、必要なものは永久構造にする、そういうことでもってことしから大幅にそれを広げまして、現在実施しておるわけです。そういう考えでおります。
#53
○首藤小委員 それからもう一つ、市町村の合併以前云々という特例ですが、合併とは、市町村合併条例が出た後の合併をさすのですか。その限界はいつごろになっているのですか。
#54
○細谷説明員 それは、市町村合併の促進法によって合併された市町村が対象になるわけです。
#55
○中島(巖)小委員 今防災課長の言われたことは、よくわかるのです。ところが、実際問題として、天龍川なんか、今度二メートル以上上がっている。それが、門島ダムから上流は、川幅が二百メートルから広いところは六百メートルもあるのが、二十数キロにわたって上がっている。あなたの言うようなことはとれっこない。従って、小渋川流域の激甚地はものすごい崩壊で、まるで山か島みたいになっている。何とか、あなたの言う筋はわかるが、実際今度の堆積した土砂は、とうてい人力でもって排除できるような土砂じゃないのです。従って、砂防ということが非常に大きな問題となってくるのですが、建設省としてはあれに対する新しいお考えがあるかどうか。これは、砂防課長もお見えになっておりますから、防災課長でもどちらでもいいですが、伺いたいと思います。
#56
○細谷説明員 それについては、前に河川局長からもお話があったのですけれども、今私が前段にお話ししたのは、川に異常埋塞があって、その埋塞したものを、掘さくあるいは浚渫することによってその異常な変化を元に戻すという方針がきまったときには、浚渫なり掘さくをする。今お話しの通りに、まだ結論は出ておりませんが、川によっては、その浚渫あるいは掘さくをするかわりに、堤防を高めることによってその効果があるというふうに認めた場合には、浚渫、掘さくをやめて、堤防によってその河積の足りないのを補てんするという両建があるわけであります。やはりその土地の状況によりまして堆積土砂を持ってくる。ところが、それと別に、堤防を補強することによって異常埋塞の悪影響が除かれるという場合には、そちらの堤防工事をやるために、浚渫あるいは掘さくという工事が実際的には行なわれない。しかし、結果的にはその悪影響が除かれる、こういうような判断をいたしまして、場所によって堤防でやる、掘さくでやる、あるいは浚渫でやるとかいう工法上の採択は別に考えております。
#57
○矢野説明員 ただいまの砂防のことにつきましては、今回の災害にかんがみて、対策をどうするかというようなお話だと承りましたが、これにつきましては、ただいま手持ちしております予算の中に、そういうものに使います緊急砂防、こういう費用がございますから、これを、まずとりあえず、ただいま持っておりますもの全部を出しまして処置していきたい。それから公共的なものにつきましては、天龍川その他につきましては、ただいま持っております計画では当然不十分と思いますので、これは計画変更をいたしましたり、あるいは直轄でやっております砂防の区域を広げましたり、そういうことをいたしまして、もっと徹底した砂防工事をやらなければならない、そういうふうに考えております。それにつきましては、治山課の方と連絡をとってただいま進めておりますが、特にこういう被害が激甚でございましたところは、何か別な、特殊緊急砂防というものを伊勢湾のときにはいたしましたが、そういうふうな措置を講じまして、一定の計画を立てまして、三年なり、そういうふうな年限を切りまして、それについては起債の対象にもする、財政的ないろいろの援助をするというような措置で切り抜けないと、天龍川上流その他の今回の被害の激甚地についてはとてもできないだろう、そういうふうに考えまして、そういふうに農林省の方と連絡をとりながら、今関係当局と折衝中でございます。
#58
○遠藤小委員 今のお話ですが、既定予算はそれぞれ充て場がある。それをすべて使ってしまっては、そっちがあいてしまう。それをはねて使わないで、そっちはそっちでやらせるのだ、そうして今度の災害のやつは予備金でとるのだ、あるいは追加予算でとるのだ、こういう建前を堅持しなければ、今までの河川行政というものが混乱してしまうと思うのですが、それはどうなんですか。
#59
○矢野説明員 ちょっと言葉が足りなくて説明が不十分だったと思いますが、実は、緊急砂防と申します費用は砂防費補助の中にございます。この緊急砂防といいますのは、当年度、三十六年度でございますと三十六年度に起こった災害に対処するために、そういう災害で山くずれその他が起こりまして砂防工事が必要になった場合に、来年まで待てないというわけで、場所を当てにしないで予備的にとってある費用がございます。これをそういうものに向ける。今遠藤先生からお話しがありましたように、既定の経費のものを振り向けるとか、あるいは既定計画を減少してそっちへ向けるということは、建設省としても、砂防課といたしましてもしたくないことでございます。これはそういうことで進めていけるようにしていただきたい、そういうふうにわれわれも念願しております。
#60
○木村(公)小委員長代理 これは、御参考までに申しておきますが、既定事業の削減または繰り延べ等の措置はとらないことにするという申し合わせが、実は自民党の災害対策委員会ですでにもうきまっているわけです。既定事業の削減または繰り延べの措置は絶対とらないということをきめているわけです。それは御承知かと思います。そこで、予備金も使ってよろしい、あるいはその他の特別交付税もやろうじゃないか、いろいろつなぎ融資の応急措置もするというような考え方が出てきているわけでございますから、今遠藤委員から御心配の点は大体御了解だと思いますが、そのようにいけるのでしょう。大体、今までの一般経費を食い込まないで、特に災害経費として特別支出ができるわけではございませんか。
#61
○矢野説明員 今の緊急砂防につきましてもう少し詳しく申しますと、ただいま持っておりますのが五億でございます。これではとうてい今回の災害に対処するには不足だと思っておりますので、その不足分につきましては予備費なり、あるいは補正予算でございますとか、そういうような既定経費以外の措置をしていただきたいと思って、そういう折衝をしております。
#62
○遠藤小委員 わかりました。
#63
○壽原協議委員 北海道は、今回大へんな災害になっておるのです。ところが、まだ建設省の方からは査定官が派遣になっておらぬという地元の方の話ですが、査定官をいつ北海道へ派遣できるか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
#64
○木村(公)小委員長代理 ただいま露原君から特に発言があって、北海道の方へ査定官がまだ来ておらぬが、おかしいじゃないかということでありますが、すでにこれは自民党の災害対策でも、災害の調査査定はできるだけ急げということを申し上げておるわけでございます。査定官はどういうことになっていますか。
#65
○細谷説明員 北海道には発生と同時に査定官を差し向けまして、現地のいろいろな工法的な御相談に応じて、現在もう帰っております。それから実際の査定は、御承知かと思いますけれども、相当な準備が要ります。たとえば設計書の作成、そういうような実態を十分調査いたしまして作成をして、補助対象の金額を、朱書を入れて決定してくるわけであります。それが準備ができ次第、いつでもこちらが行くという態勢になっております。現在のところは、十八日にこちらを出発して、十九日から査定を開始する、これが向こうの準備としては最小限度の日程であるというので、その準備を進めております。ですから、査定がおくれているという事態は全然ないと思います。
#66
○壽原協議委員 今隣の農林委員会でちょっと伺ったのですが、各省の査定官が合同査定をするのでというような話があった。その合同査定のときに一緒に行くのかどうか、建設省は単独で行くのか、これをちょっと聞いておきたい。
#67
○細谷説明員 建設省は全然単独で行きます。私の方の公共土木施設を対象にしております。
#68
○壽原協議委員 十八日は、最高のスピードで十八日ということですか。
#69
○細谷説明員 そうです。向こうの準備がそれでぎりぎりなのです。私の方は、人がおりますから、早く準備ができればいつでも行けるのですけれども、向こうの準備に合わせまして、今……。
  〔木村(公)小委員長代理退席、小委員長着席〕
#70
○遠藤小委員長 それでは、この際、去る四日から六日にかけて新潟地方を襲った集中豪雨による被害状況について、建設当局より説明を聴取いたします。鮎川河川局次長。
#71
○鮎川説明員 お手元に「八月上旬集中豪雨による被害概況」という資料を差し上げておりますが、これによって御説明を申し上げます。
 八月四日から六日にかけまして、新潟県の中部、福島県の西部地方に集中豪雨があったわけでございます。各地の降雨量につきましては、一の気象の概要のところにありますように、新潟県の長岡市におきまして二百九十三ミリ、相川町百八十二ミリ、こういう、ここに書いてあるような集中的な豪雨に見舞われておるわけでございます。
 この豪雨によりまして、八月七日の十七時現在の被害額でございますが、公共土木施設の被害状況について申し上げます。
 直轄災害につきましては三千万円、補助災害が七億七千七百万円、総計八億七百万円ということになっておるわけでございます。
 なお、直轄災害につきましては、七日の十五時現在の被害報告でございまして、阿賀川は千二百万円、阿賀野川は調査中でございまして、被害額はまだ不明であります。信濃川は千八百万円、現在までの直轄河川の被害総額は三千万円ということになっておるわけでございます。先ほども申し上げましたように、まだ阿賀野川の調査が済んでいないわけでありまして、直轄河川の被害状況につきましては、一ページの下段の表にございますように、水位と雨量、被害状況等を掲記しておりますが、水位につきましては、計画水位を出ておるものはございませんが、信濃川などは、計画水位に近いところまでもきておるわけでございます。なお、その他の地域につきましても、阿賀野川なども計画水位に近い水位になっておるわけでございます。
 補助災害でございます。これも八月七日十五時現在でございますが、被害総額は七億七千万円、このうち、新潟県における被害が六億一千二百万円、特に新潟県に被害が多かったわけでございます。新潟県の被害の中心地は、二ページの表にもございますように、三条市や見附市、白根市、出雲崎町、寺泊町、余板町、三島町、和島町、中之島村、下田村などでありまして、新潟県における各河川の出水状況、これによる被害河川及び道路関係はこの表にある通りでございまして、五百カ所の被害を受けて、六億一千余万円の被害を新潟県は受けておるわけでございます。
 なお、福島県につきましては、南会津郡、大沼郡が被害の中心地になっておりまして、おもに補助河川につきましては百六十二カ所の被害を受けて、被害総額は一億六千四百万円以上になっておるわけでございます。合計いたしまして七億七千万円ということになっておるわけでございます。
 なお、住宅の被害状況は、新潟が、全壊百三十戸、流失三戸、合計百三十三一尺半壊が三百三十八戸ということになっておるわけでございます。一これに対する応急措置でございますが、直轄河川につきましては、先ほども申し上げましたように、被害の全貌の把握に努めておるわけでございまして、これの報告を至急に受けまして、また、緊急復旧を要する個所につきまして、早急の調査をするように関係の地建等に指示をいたしておるわけであります。
 また、補助災害につきましては、八月六日から福島県に、また、八月七日に新潟県に、それぞれ緊急査定のために災害査定官を派遣いたしておるわけでございまして、被害状況の調査や応急復旧工法の指導に当たらせておるわけでございます。また、緊急査定を実施いたしまして、予備費支出等について、早急の手続をとるようにいたしておるわけでございます。
#72
○遠藤小委員長 本件について、何か御発言がございますか。
#73
○岡本(隆)小委員 住宅被害が百三十戸全壊というのは、水にやられたのか土砂にやられたのか。
#74
○大津留説明員 具体的なことはよくわかりません。
#75
○遠藤小委員長 何かほかに発言がありますか。――それでは、別に発言がなければ、本日はこの程度にとどめ、次会は明九日午前十時より開会することといたしまして、これにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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