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1960/08/09 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第4号
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1960/08/09 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第4号

#1
第038回国会 災害対策協議会建設小委員会 第4号
昭和三十六年八月九日(水曜日)
   午前十時三十二分開議
 出席小委員
  小委員長 遠藤 三郎君
      小川 平二君    木村 公平君
      木村 守江君    首藤 新八君
      岡本 隆一君    中島  巖君
      渡辺 惣蔵君
 小委員外の出席者
        協 議 委 員 角屋堅次郎君
        建設省計画局技
        術参事官    奥田 教朝君
        建設省河川局長 山内 一郎君
        建設省河川局防
        災課長     畑谷 正実君
        自治省財政局理
        財課長     茨木  広君
    ―――――――――――――
八月九日
 小委員勝澤芳雄君同日協議委員辞任につき、そ
 の補欠として渡辺惣蔵君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
協議事項
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○遠藤小委員長 これより災害対策協議会建設小委員会を開会いたします。
 昨日の小委員会で、堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置について、建設省からその後の検討の結果を報告するということになっておりましたが、建設省の発言を求めます。奥田参事官。
#3
○奥田説明員 湛水の排除につきまして検討いたしました結果、お手元にお配りいたしましたように、堆積土砂の法案要綱に加えまして、湛水排除もつけ加えてみました。つけ加えたところだけを御説明申し上げますと、「定義」と書いてございます第一の二項でございまして、これは「六月及び七月の豪雨に伴い政令で定める地域に浸入した水で、浸水状態が政令で定める程度に達するものをいう」というふうに……。
#4
○木村(公)小委員 もう少し具体的に政令の内容を言うて下さい。具体的に三十ヘクタールとかなんとかいうことが問題になっているんだから……。
#5
○奥田説明員 その内容といたしましては、面積は同じく三十ヘクタールを採用いたしまして、滞水日数は、これを五日に引き、下げたらどうかという考えでございます。五日と申しますのは、いろいろ検討いたしました結果、大体五日くらい滞水いたしましたところの排水状況を見ますと、従来施設しておりましたポンプでは間に合いませんで、ポンプを転用したり、あるいは借用したりいたしまして、特別に施設をして排除をした。普通に設備いたしましたポンプで排除するよりも、余分に特別に費用がかかったというような事情になっておりますので、それを五日に引き下げて考えた次第でございます。
 なお、要綱でつけ加えましたのは、第三のところの排水事業というところでございまして、これは補助率を十分の九とするということと、それから排水事業の目的に従いまして、建設大臣と農林大臣とがその事務を担当するということでございます。
#6
○遠藤小委員長 ただいまの説明に対して、何か質疑がありましたら許します。木村公平君。
#7
○木村(公)小委員 昭和三十六年六月及び七月の豪雨による堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法案の要綱の第三に、「国は、地方公共団体その他政令で定める者が湛水の排除事業を施行する場合においては、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものとすること。」さらに、二項といたしまして、「前項の規定による補助金の交付の事務は、政令で定める区分に従って農林大臣又は建設大臣が行なうものとすること。」ということになっております。そこで、ただいまの奥田参事官の説明によりますれば、政令の内容としては、三十ヘクタール以上の面積が湛水したことを要するということが一つと、もう一つは、五日間以上の湛水期間を必要とする、この二つの条件がそろった場合には十分の九を補助することができるというように承れるのでございますが、その場合に、たとえば、今までの百馬力の排水ポンプでもって間に合わない、従って、近隣の各府県からポンプを有償で借りてきて排水に努める、それでもなおかつ五日以上の湛水を見たというような事例に対して、借りてきたポンプの費用その他の立証は、どこが責任を持って立証するのですか、まず、その点から伺っておきたいと思います。
#8
○奥田説明員 これは、都市排水の場合でございますれば、排水の責任者である公共団体が立証いたします。
#9
○木村(公)小委員 公共団体の立証の後に、いわゆる査定等が行なわれるのですか、その点も一つ……。
#10
○奥田説明員 これは査定いたします。
#11
○木村(公)小委員 都市排水といいましても、なかなかこれは混淆しておりまして、しばしば私から申し上げるのですけれども、都市の水が結局都市から流出して農村に及ぶ、そして、田畑に浸水するというようなことが大体今度の集中豪雨における状態なんですが、その場合に、都市排水と区切ってこれを考えることができるかどうか。今私どもが一番心配しておりますのは、都市排水の能力が少ない、それがためにその被害は農村に及ぶ、しかも、農村にも排水機等があって排水力を持っているわけですが、農村の排水というものは、おそらく農村自体が負担をして排水をしている。しからば、その水はどこの水が多いかといえば、今日はほとんど合併町村が多いわけですから、面積においては、あるいは農村の方が合併町村の中では多いかもしれぬけれども、水量においては、必ずしも都市の水量が少ないとは言えない。その多くの水量を下流の農村がひっかぶる。それがため冠水するというような状態のときに、都市排水と農村排水と二つに区分して、都市排水の分は持ってやる、農村の排水機の分に対しては、上流の都市の担当官であるところの建設省の計画局は、これは関知したところではない、農村の方は農林省へ行きなさい、そして農村自身で排水機の費用を負担されるがよろしい、都市の方はおれの方でめんどうを見るということでは、どうもこれは割り切れないのですが、どうでしょうか。都市排水というものが完全に行なわれれば、農村の浸水がもっと非常に少なくなるということも考えられるし、河川局とあなたの方の下水道の関係であるところの計画局とが、合同で都市の排水に全力を尽くしていただけるならば、おそらく農村の湛水は非常に少なくなるのではないか。ことにこのごろは、都市のはなはだしく汚れた汚水が、農村に雨のたびに湛水するために、農作物の被害というものは著しいとされているわけですから、この点についてぜひとも奥田さんから伺っておきたいのは、都市排水都市排水とおっしゃるけれども、都市排水というのは、一体どの程度までを都市排水とおっしゃるのか。たとえば、合併して一つの市の中に繰り込まれた場合に、区域が農村地帯であろうとも、都市排水による被害と認めることができるかどうかという問題も当然起きると思うのですが、その点はどうですか。合併して一つの市になる、そして、その上流からの都市の排水よろしきを得ないがために農村地帯に浸水する、そういう場合に、これは都市排水よろしきを得ないから農村に浸水したのであるとするならば、都市排水の管轄当局であられるところの建設省の計画局が、これに対して善処をされる責任が生ずると私は思うのでありますが、これは農林省の所管だとして放置してよいのかどうかという問題はどうですか。
#12
○奥田説明員 ただいまお話のございました通り、都市の排水施設は非常におくれておりまして、ことに下水道の整備している区域が全市街地の三分の一程度でございますために、排水の分担がはっきりしていない点のあることは、非常に遺憾に存ずる次第でございます。しかし、この特別措置法として措置いたしました場合は、都市の水あるいは農村の水と区別するわけに参りませんので、従前の例を申し上げますと、農林省と協議いたしまして、全体の排水面積のうち市街地面積が占める部分の多い区域と、それから農地面積が占める区域が多い部分とに分けまして分担をきめ、それでもっておのおの処置したような次第でございます。なお、都市排水の末路が農地に浸入いたしまして、いろいろな問題を起こしている点は、この問題とは別に至急検討いたしたいと思います。
#13
○木村(公)小委員 自民党の災害対策におきましても声を大にして主張いたしておりますことは、低地域に対する治水対策を強化するために、排水ポンプの整備、堤防強化等、水害の防止対策を促進しなければならないということを満場一致で申し合わせをしておりまして、このことは河川局長にも、建設大臣にもしばしば申し上げた通りでございますが、ただいまの都市計画局のお話によりますれば、下水道の工事はまだおくれておる、従って、都市の水が農村に流出して、それがために農村に被害をかけることが多いけれども、今のところは、どうも工事が遅々として進まないからやむを得ないというようなお話であるかに受け取られるのでございます。しかし、これは重大でございまして、そのように下水道の促進がなかなかむずかしい、従って、集中豪雨等があった場合には、都市の水が一挙にして下流の農村に流出して、そうして農村が湛水する、あるいは冠水する。それがために甚大な被害を受けた場合においても、その同じ町の農村の面積の方が都市の面積より多い場合には、建設省の計画局においては何ら措置することができない、農林省によってこれは救済さるべきものであるというようなお話では、どこまで行ってもこの宿題の解決はできないと思いますので、ここで本委員会といたしましては、ぜひとも河川局長の賢明な御対策を私どもは期待せざるを得ない。河川局長はこの道の日本一のベテランだと伺っておるのでございますが、河川局の所管であるところの排水ポンプの整備、堤防の強化、あるいは河川局の中に直轄河川と補助河川とがございますが、幸い防災課長もおられることでございます、直轄河川においても補助河川におきましても、この低地地域の排水ポンプが整備されますれば、おそらく、計画局の下水道の完備を待つまでもなく、農村の冠水、浸水というものが食いとめられるのじゃあるまいか。従って、抜本的には、一番大事なことは、今農林省所管の排水機の増強ということを、われわれはあらゆる機会においてお願いをしておる、力説もいたしておるわけなのです。今までと雨量が違ってきたのです。どういうわけでこのように雨量がふえてきたかということは、われわれは気象学をやっておりませんからわかりませんが、今までは、百五十ミリとか二百ミリとかいうものが大豪雨であった。しかるに、今回の集中豪雨のごときは、五百ミリ、六百ミリというような大雨量を見たということは、御承知の通りでございます。しからば、そのように天然現象が変化したときに、従来の農村の、農林省所管のいわゆる排水機では、低地域においてはとうてい排水することができない。そこで、農林省に向かっては、一番下流の農林省所管の排水機の増強もわれわれは要望するのでございますが、それよりもっと抜本的な問題は、建設省所管のいわゆる補助河川、直轄河川等におけるところの大排水機の排水力の減少――排水力が自然減少しておるわけでございますから、これを抜本的に一つ増強していただくことが、災害防止のかぎではないかと思うわけでございます。もちろん、今度湛水した水を排水するための費用をどうするかという問題についても、先日来論議をされまして、そのことは大体解決を見るような情勢でございますのでそのことには触れませんが、すでにたまった水を排除するためによそからポンプも借りてきた、非常な費用が要った、例を岐阜県にとりますれば、七千五百万円も要ったというようなお話でございますが、そのことに対する補助金もさることながら、問題は、今後農村に浸水をさせない、あるいは都市にも浸水をさせないということの一番のもとはどこにあるかといえば、これは農林省所管の排水ポンプにたよることでなく、むしろ河川局所管の排水ポンプというものの増強が一番のかぎだと思いますので、その点において日本一のベテランといわれるところの河川局長のお考えを、ついでに伺っておきたいと思います。
#14
○山内説明員 従来のやり方からまず申し上げますと、大河川がございまして、それに支川が入っている。その支川の洪水対策といたしましては、大河川の高い水位が支川に入り込まないように合流点に樋門を作る、大体そういう方針で従来やっていたわけでございます。そういたしますと、樋門を作りますと大河川の洪水は支川には入りません。ただ支川の区域に降りました豪雨によって支川ははんらんしてしまう、そのはんらんした水はどうなるかといいますと、これはもう機械排水以外方法がないと思います。しかし、従来はその樋門を作るということで精一ぱいでありまして、大体そこでとまっていた。今後はその支川の水を大河川にくみ上げる機械排水に力を注ぎたい、こういうふうに考えております。そういたしますと、支川の水位も自然に下がって参りまして、それに入り込みます都市下水とか、あるいは耕地の灌漑排水路、これも支川の方に入るものが多いと思われますが、それも自然にはけて参りまして、それでもなお不十分な場合には、おのおの都市下水だとか、農業の排水路の改修をやっていただいて支川に入り込むようにしまして、その支川の水は、先ほど申し上げましたような機械排水によって大河川に排水をする、こういうやり方がいいのではなかろうかということで、現在極力調査をいたしまして、できるだけ早く成案を得たいと努力中でございます。
#15
○遠藤小委員長 ちょっとお諮りいたします。
 この小委員会もそろそろ結末に近づいてきたのですが、きょう、都道府県の議長会の代表の諸君が陳情に来ております。一応ちょっと休憩して、参考にするために陳情を聞いたらいかがかと思いますが、よろしゅうございますか。――それではちょっと休憩します。
   午前十時五十三分休憩
     ――――◇―――――
   午前十時五十五分開議
#16
○遠藤小委員長 会議を続行いたします。
 どなたか質問がありましたら、どうぞ。
#17
○渡辺(惣)小委員 北海道の災害の問題につきまして、この委員会で一緒に配慮していただきまして、お礼を申し上げます。
 おくれて参りましたので、この小委員会の審議の経過を知りませんので、私が質問しますと、若干皆様がすでに御心配願った問題につきましてダブるかもしれませんけれども、二つの問題について当局の所見を伺っておきたいと思います。
 一つは、河川局長さんにお聞きしたいのですが、水防法の第十条に、「気象庁長官は、気象等の状況により洪水又は高潮のおそれがあると認められるときは、その状況を建設大臣及び関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。」「2 建設大臣は、二以上の都府県の区域にわたる河川又は流域面積が大きい河川で洪水により国民経済上重大な損害を生ずるおそれがあるものについて、洪水のおそれがあると認められるときは、気象庁長官と共同して、その状況を水位又は流量を示して関係都道府県知事に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならない。」「3 前項の河川は、建設大臣が運輸大臣に協議して定める。」こういう規定があるわけです。そこでお伺いしたいのは、今度の水害につきまして、河川の水が非常に豊満になって、放流しますときにあたって、気象関係と河川関係、建設省と都道府県との関係がどういうようにやられておるのか、この第十条に基づいて、気象庁と建設省と都道府県の間に、別個に責任の所在を明らかにするために細目協定を作るように指示をしておると承っておりますが、そういう気象庁と建設省関係の出先機関、それから府県知事との間に細目協定を指示しておるかどうか。私は、細目協定は指示しておると聞いておるのですが、それをしておるかどうか。そういう細目協定がきちっと中央の機関と地方の機関との間になされておる府県はどことどこであって、どこがしてないのか、そういう点を明らかにしてもらいたいと思います。
#18
○山内説明員 ちょっとこまかいので、概略を申し上げますと、水防法の第十条によりまして、建設大臣が運輸大臣と協議をいたしまして、洪水予報をやる河川はきめております。これは全国で十六河川になると思いますが、それ以外の河川につきましては、都道府県知事がやるということになっていると思います。それで、これらと都道府県との関係でございますが、こういう予報をいたしました場合に、そのあと、どういう経路でどういうふうに伝達をするか。これは各都道府県に水防計画というのをきめております。その水防計画のきめておりますルートによりまして、都道府県知事は、水防管理者とか、そういうふうに連絡をあらかじめとっておりますが、その線に沿いまして伝達をして、周知徹底をはかる、こういうようなやり方でやっております。
#19
○渡辺(惣)小委員 私が質問した関係は、建設省は、運輸大臣と建設大臣が協議しまして、そういう細目協定を府県と結んでおるかどうか、結ぶことを指示しておるかどうか、この問題について……。
#20
○山内説明員 細目協定の点は、ちょっと私わかりかねるのでありますが、ともかく、周知徹底するように、あらかじめお互いに連絡をとりまして――それは水防計画の中ではっきりしている、こういうふうに私は了解しております。
#21
○渡辺(惣)小委員 現実の問題としては、運輸省が気象庁を所管しておる。それから、十六の指定された河川については建設省が所管している。しかし、この問題を最終的に処理するのは府県の防災関係機関が処理をする、あるいは利水関係の機関が処理をする、こうなっておるのですが、皆さんが中央で考えるのと違って、末端に参りますと、気象庁とそれから建設省の出先機関と府県との関連が非常に遅滞して、スムーズにいっていないのです。たとえば、奥地で何百ミリという雨量が出ても、水位と水量の告知伝達、それから、その下流の市町村に対する伝達の責任が非常に不明確で、そのために不慮の災害が必要以上に誘発されているという事態が今度の場合非常に多い。従って、関係機関が、あなたのおっしゃるような水防計画の中で話し合っておるはずだということでは了解しがたいのです。私が聞いておるのでは、本省の指示で三機関の細目協定が行なわれておる。府県によって、行なわれておるところと、行なわれておらないところがある。従来三機関がそれぞれ話し合いで、今までスムーズにやっていたのだから、そのままでやっていこうということで、協定も何もなしにずるずるとやっている。非常事態が発生した場合には、極端にいえば、関係機関がお互いに責任のなすりっこのようになってしまって、どこで水位の増大、水流の激しさ、それから警戒警報の予報、避難命令等の処置をやるのか、地方で責任の分限が明らかになっておらない、こういう問題が事実上出ている。平素の場合は、漫然と中央の出先機関が連絡をとり合っておることは間違いないのですが、非常措置の場合において、そういう連絡機関が相互の責任を明確にしてやっておるかどうかということが、非常にどこの地帯でも問題になるところだと思うのです。ことに、気象観測が運輸省の所管にあるという点において、非常に取り扱いにくい点があるだろうと思いますけれども、その機関が末端においてどの程度やっておるか、そういう細目協定があるかないかおわかりにならない、指示しておるかおらないかおわかりにならないとすれば、地方でそういう問題がスムーズにいっておると考えておられるかどうか、お伺いしておきたい。
#22
○山内説明員 建設大臣が運輸大臣に協議をいたしまして、はっきり洪水予報をやるという河川については、両者話し合いでうまく洪水予報はなされていると思います。実際になされていることと信じますが、ただ、その正確度におきましては、気象の予報ということは非常にむずかしい点が多うございますので、責任者である気象庁でもなおはっきりしない問題はあると思います。従って、洪水予報がその通りいくかいかないか、できるだけ、われわれとしてはいくように努力をいたしておりますが、なお不十分な点があるということは認められます。従って、今後その問題が相当検討されるべきでありますが、発せられましたその洪水予報につきましては、都道府県知事は、水防計画で水防管理者あるいは量水標管理者に的確に通知をしているわけでございます。
#23
○渡辺(惣)小委員 これは地方都道府県に実質上の責任は全部かぶさっておるのですが、地方府県の方では、中央機関に対して積極的に問題を提出するわけにいかないので、上部機関の承認や連絡がなければやれないわけです。その上部機関の連絡の不統一あるいは遅滞の状態が地方へしわ寄せになっている。そこでお伺いしたいのは、これはあなたに聞くのはちょっと見当はずれだと思いますけれども、運輸省と建設省が十分の連絡があるとおっしゃるから聞くのですが、十六河川の水源地帯である奥地の雨量の状態及び水流関係を――他の河川は別として、十六河川とおっしゃるから、十六河川のそういう水位、水流、雨量等が、集中豪雨となって瞬時に流れてくる場合の措置が事前にとられておるかどうか。たとえば、このごろ問題になっておりますロボット観測所等が十六河川に幾つ、全国で何カ所設置されておるのか。あなたは運輸省とあなたの方と連絡がはっきりしていると言うから、当然おわかりだろうと思いますが、今の段階で、奥地にそういう無人観測所を置いて、その電波で水流、雨量の状況をキャッチして、それを直ちに連絡するということになっているはずですから、一体どれくらい石狩川もしくは雨竜川等の水源地帯に置いてあるのか。従って、北海道では、ロボット観測所等の、今の予算や条件で許される最高施設としてのそれがどういう状態になっているか、お伺いしたいと思います。
#24
○山内説明員 従来は、洪水予報は、上流の自記の観測施設から、人がその観測を見て通報していた。これを相当ロボット雨量計に現在変えつつある段階でございますが、石狩川についてどのくらいあるか、ちょっと資料の持ち合わせがございませんので、後ほど調べてお知らせをしたいと思います。
#25
○渡辺(惣)小委員 全国の関係はどうですか。
#26
○山内説明員 石狩川以外につきましても、十六河川について相当整備をする、現在まだその途中の段階でございますが、その資料もあわせてお知らせいたします。
#27
○渡辺(惣)小委員 山内局長さんに別に文句を言うわけじゃないのですが、あなたは、水防法第十条の規定については、水防計画を通して完全に運輸省及び建設省との連絡があって地方官庁に指示している、こうおっしゃるから、私はこういう基本問題をお尋ねするわけです。そうすると、やはり運輸省と建設省との間には、常時、水防対策について、そういう雨量、水位、水流その他について十分の資料その他の実務上の打ち合わせがない、こう理解してよろしいのですか。一体十六河川というその指定河川の中で、非常事態に備えてどういう措置が講ぜられておったかという事実を、最高責任者であるあなたが御存じないということになりますと、やはり私が心配したように、水防法第十条の項目というものは空文であって、そこにはほとんど常時実際上の連絡が――それぞれの機関がそれぞれやっていることは知っているのですが、その連絡がどうなっているのか、常時と非常時の間にどういうような措置がとられているかということが今のあなたの答弁では私は了解できないのです。そうすると、あなた方は、さっぱり運輸省所管の事項についてはおわかりになっておらない、あなたにとっては一番大事なことであるが、全国どういうふうになっているのかちっともおわかりにならぬ、今全国で幾らそういうロッボト観測の機能が活動しているかわからぬ、これは大へんなことです。非常事態における水防計画というものは心細い限りになってくるし、運輸省と建設省の連絡というものについて、私どもは信頼の度合いを非常に減殺される結果になるが、その点についてはどうお考えになりますか。
#28
○山内説明員 ただいまのは、私が資料を持っていないので、ここではお答えできませんが、河川局におきましては資料を整備いたしております。洪水予報の点は両省でやることになっております。洪水時になって、すぐ話し合いをしてやるというのは非常にむずかしゅうございますので、平素からその打ち合わせは十分にやっております。今回の石狩川に例をとりますと、石狩川の洪水関係の予警報につきましても、気象庁と連絡をいたしまして、七回にわたりましてそれぞれ洪水注意報、洪水警報、洪水の情報というものを現実に流しておる次第でございます。その流す際にいろいろ問題点があったというようなことは聞いておりません。平素の打ち合わせの通りその予報がうまくいったというふうに私は聞いております。
#29
○渡辺(惣)小委員 私も、河川局長さんがこまかい個々の実情などを御存じあろうとは思っておらないので、ごもっともな答弁だとは思うのですが、水位の予報措置の問題について、たとえば、水流の上部のダム等を例にとれば、発電所のダム等があった場合に、こういう行政機関と、それから電力会社等の発電所等への連絡などの行政上の責任はどうなっておりますか。
#30
○山内説明員 いろいろ建設省におきましても雨量であるとか、水位の観測所も作っておりますが、もちろん気象庁でも作っております。なお、その間にさらに的確を期するために、発電所等の雨量とか水位の観測の結果、これも集められるような組織になっております。それは水防計画の中で、どういう場合にはどこどこへ一時間おきに知らせるとか、そういうこまかい規定があるので、ございますが、そういうように、あらゆる観測施設を網羅いたしまして的確な洪水予報に努力している、こういうわけでございます。
#31
○渡辺(惣)小委員 努力していらっしゃるはずですし、それを期待するのですが、現実に、北海道水害の中心地だった空知一帯というものは、空知川のはんらんによって、その上流にあります野花南とか上芦別等の発電所が無計画的に水を放流したところから、瞬時のうちに七カ町村のうちの大部分の農村が冠水、浸水してしまったという事態があるのです。今、地方では、そのことが政治問題化して非常に重大な段階に至っておりますので、企業体である電力会社に、洪水に備えて、事前に水量を調整するように指示すべきであるという議論があるのですが、何かこの委員会ですかの経過を聞きますと、民間の企業会社に対して、その民間会社の財産とみなすべき水を事前に調整し、放流せしめる等の行為は、個人の権利を侵害し、営業を侵害することになるので、憲法上の疑義があるという意見が述べられたかに聞くのですが、そういう見解はございますか。もしくは、事前にそういう奥地の電波観測施設などによって集中豪雨が予測されておれば、ダム等の水の調整はどうなさるのか、あるいはされないのか。企業体である電力会社等に対して何らかそういう調整、制約をするのか、あるいはその放流のために被害を受けた市町村に対して、一体そういう特殊な事態の場合にはどういう措置を講じられるのか、その点もお伺いしておきたい。
#32
○山内説明員 発電ダム、その他利水専用的なと申しますか、利水専用ダムは、河川管理者の立場から構造物を認可いたす際には、洪水の放流につきまして操作規程というものをきめさせております。その操作規程によりますと、現状では、上流からダムに入り込みます流入量以上には下流へ放流してはいけない、従って、流量の点からいけば、ダムがないときと同じような状態になるような操作規程を作らせておりまして、その操作規程通りやっておれば、今のところはダム管理者の落度にはならない、こういうようなやり方をやっております。しかし、そういう大きなダムの洪水の放流につきましてたびたび問題点が多く出て参っておりますので、現在どういうふうにすればよいかということを極力検討いたしております。たとえば、あらかじめ放流ということを命令でやらせるというようなことはどうであろう、しかし、放流を命令でやらせた場合に、洪水が去りましても、なおダムが満水にならなかったという場合には、そこに相当な損害が生ずるわけでございます。そういう損害の点についてはどう取り扱うべきであるか、これは非常に問題があると思いますので、そういうようなことがはたしてできるかどうかという点を、最近の水害にかんがみまして現在検討しておる最中でございます。できるだけ早く何らかのいい措置をしたいと思いますが、今のところは、操作規程というのは、先ほど申し上げた通りのことを現在やらせておる、こういう段階でございます。
#33
○渡辺(惣)小委員 地方府県のダムの場合も民間の電力会社も取り扱いは同様ですか。
#34
○山内説明員 都道府県のダムは、現在建設省で扱っておりますのは、洪水調節を加味したいわゆる多目的ダムについて補助をいたしまして、都道府県で建設をし、完成後管理をしております。それらのダムについては、あらかじめ洪水がくる前にスペースをあけておきまして、そのために洪水調節が行なわれまして下流はそれほど被害はない、こういうことでやっておりますが、その場合には、あらかじめそういうものを置くために、ダムの効用というものは利水の面からいえば多少効果が少なくなりますから、そういう意味でアロケーションのときにすでに考えられております。従って、そういう措置は可能でございますが、利水専用のダムは、先ほど申し上げましたように、そういうスペースをとらせるということになりますと、発電する価値といいますか、いわゆる値段が割れるとか、そういう問題が起きるのじゃないかと思います。従って、現在ではそういうことはなくて、フルにダムにためておきまして、洪水時に先ほどの操作規程通りのことをやらせる、こういうわけでございます。
#35
○渡辺(惣)小委員 もう一つ承りたいのですが、北海道で最大の河川は石狩川であって、国費河川であります。この上流は、一部治水が行なわれてきておるのは、御存じの通りであります。ところが、治水が行なわれた地帯においては今度は水害が発生しておらないわけですが、治水をしておらない半ば以降の下におきまして、空知川がはんらんしておる。治水をしておらなかった滝川から下一帯の農村は、全部、石狩川の増水、はんらんのために、四日もしくは五日間水田地帯が水没をしてしまったという事態になっておるわけです。そこで、石狩川の治水の問題については、建設省や北海道開発庁、北海道庁等の関係機関の間で、すでに昭和二十五年以来今日まで継続して話し合いが進んで、砂川から以下の部分についての問題が取り上げられておるのですが、前後十年近く託し合いをしておりながら、今もってその地点が旧河川の切りかえも行なわれないで、従って、堤防も行なわれていない、純然たる自然河川のままに放置されておるという状態になっておるのです。しかも、その問題が、最近になりまして話がストップしたままになっておりますときに今度の水害が発生、いたしましたので、との水害については、そういう前後十年間も話を繰り返していながら措置が行なわれなかったという意味において、それは明らかに行政上、政治上の欠陥からくる水害である、天災でなくて人災であるという非難がごうごうと発生しておるわけです。従いまして、河川局長としては、石狩川治水の――の方は治水をやっておるので水害を防止し得たが、半ばから下についてははんらん状態になっておる、こういう事実を十分認識されておるかどいかということ、石狩川の治水の措置をどういうようになさる考えでいらっしゃるのか、承りたいと思います。
#36
○山内説明員 石狩川も非常な大河川でございますので、全部改修計画を完了するということは、相当な経費と年月がかかると思います。従来、建設省の治水長期計画というものはあったので、ございますが、建設省だけのあれでございまして、なかなかオーソライズされてなかった。ところが、いろいろ努力をいたしました結果、昭和三十五年度から治水十カ年計画というものを、法律に基づいて閣議決定を行ないまして、現在その線に沿って進行中でございます。この通り実施をされたといたしましても、石狩川についてはなお約十五年ぐらいかかる、こういう目標で、現在経済効果の大きいところがら着工しておるわけでございますが、着工がおくれました個所が被害を受けまして、われわれとしてもまことに残念でございます。そういう長期計画を、今回の災害にかんがみまして、今後どう取り扱っていくかという点を現在検討いたしております。この通りの進捗度では、とても各地元の方々の御要望にはこたえることができませんし、なお相当な災害が続くと思われますので、何らかの形でこの速度を早めるということを、現在考えている最中でございます。来年度の予算にそういう点を強く反映いたしまして、強力に治水事業を推進して参りたい、こういうように考えております。
#37
○渡辺(惣)小委員 治水十カ年計画に基づく場合、石狩川は十五年かかるというが、治水十カ年計画の中で、石狩川の治水というものは完全に把握されていない。治水計画は、何ら実施の条件を持たない。従って、北海道の中部地帯を貫流する河川が、治水計画該当年度内に完成する見込みがないということになると、治水計画とは言えないと思います。そうしますと、十五年の間、なおかつ北海道の中部地方は依然として今日と同様の危険にさらされて、不安の中に住まなければならない事態になってくると思いますので、治水計画をもう一ぺん再検討して、十五年かかるであろうと展望されます石狩川の治水計画を、政府の策定する計画の中で完全に遂行し得るよう、計画を改定する用意があるかないか、この点について承りたい。
#38
○山内説明員 それは、先ほど申し上げました通り、現在、この状態ではとても御要望にこたえられませんので、何らかの形で強力に推進したいと検討中でございます。
#39
○渡辺(惣)小委員 これは国策でありますから、一河川局長が最終的な結論を出し得ないと思いますが、何らかの措置ということだけでは国会の答弁にはならないわけです。同時に、何らかの措置というのは、どういう内容を意味するのであるか。たとえば治水十カ年計画を改定する、あるいは実施を繰り上げていく。石狩川は、このままでいけぱ十五年かかる状態であるが、十年間の全体の計画の中に織り込んで実施する方向をとる用意をしているとかいうことでなければ、どうも公の答弁として了解するわけにはいかないのです。この辺のところはいかがなものでしょうか。
#40
○山内説明員 強力に推進するやり方の問題でございますが、治水十カ年計画を改定するのも一つの考え方でございますし、一応きまりました治水十カ年計画のワク内におきまして、早い年度にできるだけ繰り上げてやる、これも一つの考え方と思われます。そういうような点を現在検討中でございまして、来年度の予算の問題にも関係するわけでございますので、もう少し御猶予願いたいと思います。
#41
○渡辺(惣)小委員 河川局長さんへの質問はこれで打ち切りますが、相当の方がいらっしゃるかどうかわからないであれですが、最後に一つお尋ねしたいのは、こういう問題であります。
 一企業体、一自治体という形の市町村があるのです。内地の方はちょっと理解ができるかどうかわかりませんが、たとえば、私の住んでおります、一番水害に見舞われました砂川市には東洋高圧という大工場がありまして、三千人ほど働いておりますが、その大企業と市とは不可分の関係であります。従って、市財政におきましても、その町の一自治体と一企業体とは非常に重要な関連を持っているわけです。たとえば周囲に炭鉱地帯があって、隣の上砂川にも三井の鉱山が一つあるわけですが、その鉱山があるということを中心にして、町の人口構成も、経営も行なわれているという状態です。こういうのは、類型的にあらこちあるわけです。事実上においては、自治体が一企業と依存関係に置かれている。そこで、そういうような地帯におきましては、本来は市町村が、たとえば町村道とか、あるいは橋梁とか、水道その他の施設を行ないますが、現地では相当広範な面積と人口をかかえておりますので、会社が、当然自治体が施行すべき道路、橋梁あるいは水道設備等を実施しておるわけです。逆説的に言えば、公共事業の代行をしておるというような事態まで発生をし、ある場合においては、そういう企業体が営んでおります水道その他の施設に依存しておるような部分も出てくるわけです。ところが、そういう企業体が非常な大被害を受けておるわけです。そこでは市民は相互交流し、交通しておりますが、そういう企業体が非常に甚大な被害を受けて、企業体が、その被害を受けた道路、橋梁、水道等の施設を回復できないような場合、今日の条件においては、そういう企業体は道義上の回復の責任はありますが、財政上の回復の責件はありますが、財政上の措置についてはまるかぶりしなければならない、こういう問題が出て参っておるのです。そういう点については非常にめんどうな問題であると思いますが、こういう問題について、事実上、地方自治体が施行すべき部分を企業体が福利厚生の面から施設をしつつ、それを回復するに至る面が非常に強いという場合においては、この回復について、国がある程度補償を行なうとか、何らかの方法を講ずる道が検討されないかどうかという問題について、特殊なケースですけれども、どなたか見えておりましたら、お答え願いたい。
#42
○山内説明員 地方公共団体以外のものが道路とか橋梁を作られて、それが災害を受けた後の措置の問題でありますが、公共団体以外のものが作られましても、作ったあとの管理が市町村になっておれば、これは公共土木施設の固庫負担法が十分適用になります。だから、できたものが市町村に管理されているかどうか、それが境目になると思いますが、されてないもののやられた場合には、国庫負担法の適用にはならない、やはり別の措置が要るのじゃなかろうか、こういうふうに思います。
#43
○渡辺(惣)小委員 その措置は、今全然考えられておらないですか。
#44
○山内説明員 その措置は建設省じゃなかろうかというふうに思っておりますが、検討はいたします。
#45
○渡辺(惣)小委員 一つ検討して下さい。
#46
○遠藤小委員長 お諮りいたしますけれども、新潟の副知事が見えられまして、新潟災害の状況はあまり詳しく聞いていないので、この際陳情を許したいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○遠藤小委員長 御異議なしと認めます。では、速記をとめて。
  〔速記中止〕
#48
○遠藤小委員長 速記を始めて。
 会議を続行します。岡本君。
#49
○岡本(隆)小委員 きのう出していただいた草案では湛水の排除の問題が入ってなかったのを、きょうは、湛水の排除の問題を、きのうの小委員会の意見の結果、取り上げた案を作ってきていただいております。きのうの御説明では、従来の政令基準でいくと、湛水の排除、これに該当するような地域がないというようなことでございましたけれども、今度こういうような案を出してこられたということ、これは、そうすると、政令基準を下げるという意味に理解していいですか。
#50
○奥田説明員 政令基準は、先ほど御説明いたしましたように、前回は三十ヘクタール、七日でありましたが、それを三十ヘクタール、五日に下げるという考えでございます。
#51
○遠藤小委員長 岡本委員、これは建設省の案ではなくて、私がそういう案を作ってみろ、こういうようなものでございますから、私にかわって作った案です。
#52
○岡本(隆)小委員 わかっております。だから、そういう意味においては、委員会としては政令基準を下げるというふうに理解しているという意味でお伺いしているわけです。そうすると、三十ヘクタール、五日間にすると、適用される地域がそこそこある、こういうことになってくると思うのですが、これはしかし、建設省の計画局の方のお考えであって、委員長としては必ずしも三十ヘクタール、五日間というお考えではないのでしょうね。
#53
○遠藤小委員長 それはよく相談してから……。
#54
○岡本(隆)小委員 相談してからきめるということですね。それではそう理解しておきます。私はそれでけっこうです。
#55
○角屋協議委員 今の湛水排除の問題ですが、この前の伊勢湾台風のときの七日以上、三十ヘクタールという政令基準については、その条件緩和を検討する。いずれ相談になるわけですけれども、農林水産の小委員会には直接関連の深い問題で、従来から小委員会の論議の中でも論じた点でありますが、面積の三十ヘクタールそのものについても、もう少し緩和をしたらどうか。それから、今五日という一応の日取りの点もありましたけれども、ちょうど稲の状態から見て、なるべく早期に排水をすれば被害を最小限に食いとめることができるというふうなことから、湛水排除を、非常に緊急にポンプ等を手配してやるというふうな実態等も各県ともにあるわけですから、もう少し日取り等についても、私ども委員会の論議の中では、三日ないし四日程度というふうなことで考えたらどうかというような論議もしておるわけですから、いずれこの問題については、政令の適用条項という面で、今回の災害の実態に見合って、一つ最終的な結着をつけるようにしてもらいたいということを希望として申し上げておきたいと思う。
 それから、これは建設省の関係にもなるわけですけれども、伊勢湾台風のときに考えました堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法ということで、いつも災害の時期、種類を指定して特別措置法を作っていくという形ではなくて、残念ながら今日の実態では、こういう事態というのはまだ今後ともに生ずるという可能性を持っておるし、しかも、これは建設省関係の公共土木の中に加えたり、あるいは農林省関係の農林水産業の中に加えたりということでなくて、建設、農林、あるいはその他の省にもまたがる問題でありますので、これは災害の時期や災害の種類を指定せずに、恒久立法という形で当面はいかざるを得ない問題ではないか、こういうふうに思うのです。今後、先ほど木村先生等が論じておった排水計画というものは、都市あるいは農地排水を含んで、抜本的にやられるということになれば、これはまた、恒久立法としての存在価値を失うことができる、あるいはまた、失うことが非常に望ましいと思うのだけれども、当面は、残念ながら、今日の気象条件あるいは災害の実態等から見て、毎年やはり災害時には堆積土砂の問題あるいは湛水排除の問題が生じてくる。だから、この法律をまとめられるときには、この際災害立法というものは、本来、恒久的な性格の立法にだんだんと固定化していくということが建前でありますから、そういうふうにしていただいたらどうかと思うのですが、まあこういう点は、建設省あたりでは御異議ないと思うのですけれども、この法律の問題について、そういう考えでいくということについてはいかがでございましょうか。
#56
○奥田説明員 堆積土砂及び湛水排除の法律案自体まだ検討しておりませんけれども、もとの法律がなくて特別措置法だけ講ずるということは、これは法体系としてもおかしな問題だと思いますので、建設省といたしましても、お説の通り別に異議はございません。
#57
○角屋協議委員 それから、今渡辺さんの方から出ておったダム問題です。これは岡本委員の方からも、本委員会においてもあるいは協議会の中においても具体的に出されておりましたし、その他の委員の関係からも出ておった問題だと思うのですが、今度の特に天竜川等の災害の実態あたりで特徴的に出ておった問題ですけれども、ダムの操作規程というものがあるわけですが、利水一本やりのダムの、国あるいは都道府県を通じての指導監督管理体制というものが、今度の災害の実態から見て、これでいいのかどうかということが、いろいろ大きな問題になってきておるわけです。先ほど来河川局長から、いわゆる多目的ダム的な性格でない、利水一本やりのダムの問題について、放水を事前にもある程度行なっていくということになった場合に、あと予定した貯水量がなくて、発電その他に支障が起こる場合の補償問題がどうかというようなことについても、あわせ検討しなければならぬということが言われておったわけですが、いずれにしても、利水関係のダムの問題というのは、根本的に指導管理体制をどうするかということについての再検討をしなければならぬ時期にきておる。この点については、やはり特に関係の深い本委員会で適切な結論をつけていただかなければならぬと思います。同時に、私は静岡、愛知、三重を回りまして、長野県の非常に深刻な災害の実態の視察に行く機会がなかったのですが、たとえば秋葉ダムあたりの現地に参りまして、四千トン近い災害時における放水の非常にものすごい実態というのが、フィルムにとられておりまして、現地でも見せていただいたわけですが、そういうふうな実態等を見ておる現地の住民の気持としては、電源開発の方でダムの操作規程に基づいてやっておると言うけれども、一体やったのかどうかということはわれわれにはさっぱりわからぬ、どうもあれは自然流量以上の放水をやったのではないか、それが被害を非常に激化したのではないかというようなことを言っておりましたが、やはりその辺のところは、国あるいは地方自治体、特に地元の関係というような問題も含めて、利水一本やりのダムについても、特に地元住民というものが十分理解をして、もう少し納得の上に立った体制のもとでの操作がなされないと、やはり今後に感情的な問題を残すということに相なるのではないか。過般視察の際、名古屋に参りましたときに、堰堤等に対する無電配置でもって、流量その他を市役所でキャッチしながら、いろいろ指導体制について万遺憾なきを期するというふうな現地等のお話を聞いて参ったのですが、特に重要な利水一本やりのダム等については、そういう設備等で、非常事態の場合の治水面の被害というものが、いわゆる操作が適切に行なわれないことによって非常に大きな被害の生ずることのないようにという点については、やはり今日の科学時代ですから、たとえば海岸の漁港の場合には、一種の漁港から四種の漁港までということでいろいろランクをつけておるわけですが、ダムについても、重要河川の利水一本やりのダム、あるいは多目的ダムを含めて考える必要があるかもしれませんが、その重要度に応じて、指導監督権限というものについては段階があってもいいかもしれませんが、やはりもっと今日の科学技術水準というものを最高度に活用した中における一貫した治水、利水の総合的な指導体制というものの再検討をやってもらわなければならぬ段階にきておると思いますが、その辺あたりのところはいかがでございましょうか。
#58
○山内説明員 ただいま御指摘のあった点は、その通りだと私ども思っております。従って、いろいろそういう問題を取り入れて、極力現在検討している段階でございます。なるべく早く結論を出しまして、実施に移して参りたいと思いますが、ほんとうのことを言いますと、非常にむずかしいのです。しかし、どうしてもやらないといけないことでありますので、今後とも努力をしたいと思います。
#59
○角屋協議委員 それから、泰阜ダムの現地には私は行かなかったのでありますが、お話を聞いておりますと、ダムに堆積土砂の関係が相当にたまってきて、ダムの効用をなさないとか、あるいはまた、天竜川それ自身の河床の隆昇によって、今度の災害の場合に非常に災害を大きくしたというふうな問題が提起されておると私は思う。かねてから、河川の下流部における砂であるとか、あるいは砕石とか、こういう土砂関係は、建設に非常に必要とするものですから、それを乱獲するというふうな問題が農地その他の被害を大きくしているとか、あるいは堤防の安定度を非常にそこなっておるということで、各県とも非常に問題になっておるし、建設省にしても、あるいは第一線の県の土木の関係にしても頭痛の種にしておるわけですが、この際これは、私どもそういうことでいろいろ話には乗せておるわけです。ダム等の堆積の関係は、これは最も安価にそういうものを排除するのに必要な機械というものについては、十分考案していく必要があるものと思いますが、一面においては、ダムの再生効用度、また再び最高度にいくようにしていくという意味における土砂の排除と、他面においては、今日の建設関係の需要に応ずるための土砂の供給、それが十分ペイするというふうな点については、これは国なりあるいは地方自治体なり、あるいはまた、特に利水等で持っておる所有者の負担などという面をやはり適正に考えなければならぬと思いますけれども、そういう点で、一方においては、洪水防御のためのダム等に堆積しておる土砂の排除面、他面においては、そういうものの排除で建設方面に活用するというふうな面で、この際やはり十分治水面、利水面、さらにまた、土砂の効用面を加味した検討というものが必要じゃないか。災害の際に堆積土砂が生じた、この堆積土砂の排除をどうするかという問題以外に、知らざる間にどんどんダムなり河川なりに土砂が堆積をしてきて、それが災害を非常に大きくするというふうなことが、天竜の場合に生じてくる。これは河床の隆昇の場合においても、そういう角度から、やはりふだんから防災面の検討が必要じゃないか。天竜の場合においては、河床が十数メートルも上がったところがあるといわれておる。これがそのままに放置されて、今度のような大きな災害が生じた場合に、その災害を大きくした責任は一体どこにあるのかというようなことが、やはり問題にされなければならぬじゃないか。そういうことになってくると、災害が生じた、施設がこわれたとか、あるいは農地が埋没したということに対する災害対策は、真剣に考えてやるわけですけれども、お互いが日ごろから言っておる恒久対策、防災対策面ということで、今度の災害で現実に出てきておる問題を教訓にしながら、ダムあるいは河川、こういうものを含めての建設省関係の防災面の根本的な対策を、もっと検討してもらわなければならぬかと思います。そういう点、いかがでございますか。
#60
○山内説明員 治水事業の考え方の問題に入るかと思いますが、無堤地あるいは低い堤防が非常に多かった関係上、河床の堀さくということよりも堤防の補強ということを重点的に考えてやって参ったわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、今後の治水事業のやり方の問題といたしまして、河床の浚渫、掘さく、これをやはり相当強力に進めなければいけないということがよくわかったわけでございます。そういたしませんと、幾ら高い堤防を作りましてもその地帯の安全が守れない、こういうような個所が相当に出て参ったのでございます。そういう点につきまして、今後の治水事業で、ただいま御指摘ありましたように強力に進めて参りたい、こういうふうに考えております。
#61
○角屋協議委員 これは直轄河川あるいは準用河川の場合もそうですけれども、今度の災害の場合には、中小河川におけるはんらんが非常に指摘をされておるわけです。私ども災害地に参りますと、河川はあるけれども、半分ぐらいは草ぼうぼう、あるいは土砂が相当に埋まっておって、狭い河川断面でありながら、しかも、それがフルに使われない状況にあるというような実態をしばしば散見するわけです。これらあたりは、直轄河川でも準用河川でも、あるいは一般河川の中小河川も含めて、災害前に河川の実態を点検して――災害前に河川の掃除をどういう場面心々で行なうかは別として、草ぼうぼうや相当に土砂が堆積したなりの河川をそのままにして災害時を迎えるというような姿でなく、何らかの形で、災害前に、そういうふうなものについて、現状における万全の最大の努力というものをしておく必要があるのじゃないか。これは、ただ単に直轄河川、準用河川の問題ばかりじゃなしに、中小河川の問題も含めて、それらあたりの地元でやるところのいろいろなものについての補助も、地方自治体その他の重荷にならないように今後適正に考えなければならぬかと思うのですけれども、そういう面もあわせて考えてもらわないといけないのじゃないか。現実に災害の場合に、河川等を回ってみますと、非常に被害のひどかった中小河川は、土砂がたまっておったり、草がはえておったりという場合にぶつかる。そういう場合に、もっと事前に、狭い河川断面でもフルに使えるようにしておいたら、災害も軽度に済んだのではないかということを痛感させられるので、それらの問題も含めて、十分検討してもらいたいことを希望しておきます。
#62
○中島(巖)小委員 今角屋委員から天竜川の話が出たのですが、これは私の地元で、昭和三十二年ころ、四日、五日連続して前の河川局長と話したことがありました。それから、雨竜川の話も渡辺さんから出ましたが、私も三十一年、三十二年ごろ災害視察をして、北海道は、雨が少ないために、ほとんど原始河川の状態であります。これらの問題を含めて取り上げれば、何日かかってやったって済まない問題であります。これは臨時国会及び通常国会を通じて、いろいろ考えを申し上げたり、政府の意見をお聞きしたりしたい、こういうように思って、当委員会も、きょう、あす中に結論を出すというような情勢になっておりますので、従って、特別立法の関係のみにしぼって、政府にお尋ねいたしたいと思うわけであります。
 そこで、昨日、当委員会としまして決定しなければならぬところの五法案が出たわけでありますが、これはこの前の伊勢湾の場合もそうでありましたけれども、例の小災害の問題、これは自治省関係の起債の特例でもって、公共土木も、暫定法による農林水産関係のこの起債の特例法によって救済したわけであります。そこで、私、先ほど厚生等小委員会、すなわち、自治省関係を所管するところの小委員会に行って聞いたのですが、小委員会としては、自治省関係は伊勢湾台風に準ずる、こういうことを決定して――すなわち、伊勢湾台風のときは、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律、この中に含まれているわけでありますけれども、これをはっきりと規定して自治省へ文案を依頼してはないというようなことを事務当局から聞いたわけであります。そこで、理財課長にお尋ねいたしますが、厚生等に関する小委員会からこの問題に対してあなたの方へ、このときの起債の特例に関する法律に基づいて何か依頼があったかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#63
○茨木説明員 まだ依頼はございません。ただ、この前言われましたときに、こちらでどういうことを考えておるか述べろ、こういうことでございました。それで、その際お話し申し上げましたのは、交付税等で措置いたします問題と起債の方で措置いたします問題と、二つあるわけでございます。その中で、現行の体系としてもどうしても処理しきれない問題として二つあるのじゃなかろうか、と申しますのは、今の交付税と起債でもって措置いたしましても、当該団体として本年度の財政運営ができないという場合に、災害対策等に充当いたします財源に充てるための赤字起債になりますが、これを発行する必要がある場合が出てくるのではなかろうか、そうしますと、その根拠を特例法で開かなければいけない、これが一点でございます。
 それからもう一つは、農業関係の問題について、現在の暫定措置法によりますところの国庫補助の対象から漏れますものについて救済をする必要があるということになりますれば、過去の例に照らしまして、何らか対策を講ずる必要がある。そこで、これは政府内でもいろいろ検討をいたしておるわけでございますが、従来は、二十八年災までは国庫補助の限度額を下げて参りました。それから三十三年、四年は、その例が、どうも二十八年災の場合の事後の検査等の状況に照らして問題が多いということで、一応起債で救済をいたしまして、そして、そのものについて国庫の補助金に相当する部分のものを与えて元利補給をする、こういう措置を講じた例があるわけであります。そこで、それらの先例にならって、それと同じような程度の制度をしく必要があるのじゃなかろうかというようなことが議論されておるわけでございます。ただ、その三十三年災、四年災においても、あとで検査をいたしてみますと、便乗工事等があったりして、非常に弊害が多いことがわかったために、いろいろ政府の関係省間で問題になりました。そこで、やはり市町村において相当責任を持ってやってもらわなければいかぬだろう、そのためには、全額国庫でもってその起債のしりぬぐいをするということは問題があるということで、一部はやはり当該団体の負担にさせるべきだ、その格好は、交付税の方で計算の基礎に入れるという格好において当該市町村において責任を明らかにする、こういうふうなことにするのがいいのじゃないかというようなことで、内々関係省間の話し合いがついておるという状況でございます。その考え方は、一応これも特例措置でございますので、やはり激甚地、連年災害等の地帯に限定せざるを得ないと思いますが、そういう地域について、農地でございますと十分の五、農業関係施設でございますと十分の六・五に相当いたします額を、この公共団体が工事を実施いたしましたものについて起債の発行を許可する、そういう制度をやはり特例法の中でうたわなければいかぬ、その発行いたしました起債については、その額のさらに百分の二十八・五、これは今の交付税の計算の中に織り込む、残りの七一・五%に相当します部分については国庫の方で元利補給を数年間続けていく、こういうような制度をとるという建前で法律、政令等を整備する必要がある、大体そういうような考え方をいたしておりますということをお話し申し上げました次第でございます。そのあと、小委員会としてどうするかということは、まだ公式には連絡をいただいておりません。
#64
○木村(公)小委員 ちょっとそれに関連して、起債のワクのことで一言言わしていただきたい。
 ただいまの説明、まことに明快で敬服しておるわけですが、実は連年災害地及び新規災害地でも、激甚地に対しては、当該地方公共団体の財政収支全般の状況を考慮して、次年度以降分については、地元負担額の一〇〇%に相当する起債ワクを与えるという取りきめを、実は自民党では全会一致でいたしておりますが、この点についてはどのようなあなた方のお考えですか。
#65
○茨木説明員 この問題は、小災害だけでなくて、補助災害と、それから全般の問題であろうと思いますが、従来も、単独災害の場合でございますと、その全体の額を見まして、それを二カ年でもって起債をつける、こういうことで、大体当年度に六割、翌年度に四割という程度の起債をつけていく、こういうことになっておったわけでございます。それで、建前は、翌年度のものは全額でなく、ある程度内輪につけるということになっておりますが、実際の現在の充当状況を見ておりますと、大体起債の範囲内で事業をやっておるというような実態になっておるというのが現状ではなかろうかと思います。御趣旨の点もございますので、大体そういうような点を勘案しながら見ていかなければならぬのではなかろうかというように考えておるわけでございす。
#66
○中島(巖)小委員 僕は、地方自治の関係は、今まで一回も委員をやっていないし、非常に不案内なんですが、今、理財課長のお話の中に、公共土木やあるいは例の暫定法、あるいは学校その他の問題を含めて伊勢湾台風のときのような特例法を制定して救済する、そうして、なおかつ災害の異常な激甚の地方公共団体に対しては、それだけでは救えない場合があるから、赤字地方債も認めねばなるまい、こういうように今のお話を分類して了解していいわけですか。
#67
○茨木説明員 いろいろ今度の国会でとられます措置、それから現行制度、それから特別交付税等でいきますもの、そういうものでなお処理し得ないものについて、従来やっておりましたようないわゆる災害のための赤字債と申しますか、それの措置を、先ほどの問題と一緒に臨時国会において御相談申し上げなければいかぬのじゃないかというように考えておるわけでございます。
#68
○中島(巖)小委員 そこで、私も後段の、それよりほか救済の方法がないと思って、課長の答弁に対して非常に賛成をするものなんですが、これは自治省の方の財政措置でできる問題ですか、新しい立法をせねばできない問題ですか。
#69
○茨木説明員 新しい立法を必要といたします。それで、各大災害ごとに特別の立法をお願いしておるわけでございます。と申しますのは、地方財政法の第五条の二でございましたか、あそこの中に起債を起こす対象がきまっておるのでございますが、今言った起債の種類のものは列挙事項にないわけでございます。そこで、それを明らかに特例を作ってうたわなければいかぬわけでございます。そういう関係で法律が要るわけでございます。
#70
○中島(巖)小委員 そこで前段の問題に移りまして、昭和三十四年度の起債の特例ですが、おそらく、これが基準になってこの特例法は出されるだろうというように私推測いたしておるわけです。このときの特例法を今見たわけでありますけれども、この特例法によると、被害激甚地の起債の条件と、それからそうでないものとが二つに分けてあるように思うのです。それから農業災害については、十万円までのものを三万円までに下げて、三万円から十万円までの間、それから公共土木施設には、これは大きな市は別として、十万円以下が適用になっておらぬのを、五万円まで下げて、五万円から十万円の間のをやはりこれと同じような条件で元利償還をする、それから、農地にかかるものは当該経費の百分の五十、農林水産施設に対するものは百分の六十五に相当する額の範囲内、こういうようにあるわけです。さらに、被害激甚地に対しましてはこの起債をどこまで認めるか、一〇〇%認めるのか、そしてその起債の償還に対しては、被害激甚地は、やはり例の基準財政需要額に見積もって、そして普通の交付税、すなわち、小災害以外の災害復旧の地元負担のように九五%までを交付税で見てやる。この点を一これはまだ法案ができぬのですが、三十四年の法案ができたと仮定した場合に、この解釈をお聞きしたいと思うわけです。
#71
○茨木説明員 法案の内容は、まだいろいろ基準等につきましては検討を要する点があるわけでございまして、農林省等と今打ち合わせをいたしておる最中でございます。先ほど申し上げました程度のことは、大蔵も入れまして一応話し合いが済んでおりますが、その先の方はこれからなおいろいろ検討いたす、こういうことになっております。
 それからもう一つ、今お話にございました公共土木関係でございますが、これについては、一応現行制度でいくという考え方をいたしております。と申しますのは、これはだいぶ議論になったわけでございますが、実は農地の方についても、公共土木の制度があるから、全部地方公共団体――要するに、自治省の方でおやりなさい、こういう意見がずいぶんあったわけでございます。しかし、私どもといたしましても、それは性格が違う、公共土木の方は、本来市町村が管理をしなければならない義務を持っておる道路なり、河川なり、港湾なり、そういうものについての災害復旧であって、国庫補助に漏れた少額のものをどうするか、これはほっておいてもどうしても市町村がやらなければならぬ問題であるから、それについての財源措置というものは起債でつけ、さらに、そのあとの方のしりぬぐいを、一定の財政力なりいろいろな状況を勘案しながら、二八%から五七%の範囲内において、交付税の中でその求済をやっていくという建前はわかるけれども、農地の方は、本来は、国が別途の農業政策からこれを救済されるならば別だけれども、市町村の方で、要するに、地方公共団体の相互救済でこれをやれという建前は筋が通らないから、従って、国庫補助を出すならば、それに見合って地方公共団体の責任も一部明らかにするという建前において協力することはやむを得ないであろうということで、先ほどのような線が、結局歩み寄りで出て参ったわけです。本来ならば、国の農業政策として出すべきものであろうけれども、それでありますとどうしても弊害が起こる、過去の例でも相当弊害があるというならば、市町村側の責任も明らかにするということで、土木の方の相互救済をやっておる額の最小限の額である二八・五というものを基準にしながら、交付税の計算の中で、お互いの交付税の総額の中から分配をしていくということでよろしいということになったわけでございます。
 そこで、今言ったようなことで、農業の方は、どうしてもそういう特例を法律でうたわなければ動かない、それから一般土木の方は、今言いましたような現行の制度、そういうことで動くので、今回の建前といたしましては、今の地方財政法の、五条の二と申しましたが、五条の特例として作らなければならぬ問題が一つと、それから本来市町村の責任ではないけれども、国がそういう政策を出すという、特別の起債をつけるという意味でその特例をうたうという二つの点だけは、どうしても法律にうたわなければならぬので、その二つに限ってお願い申し上げたいというふうに、実は関係各省間では相談をしているわけであります。
 それでは、その中のどういうものを対象にするかということにつきましては、農林省の方で今災害の状況の集計を急いでおります。さらに、国庫補助の方について、現行制度でいくのか、あるいは本来国庫補助の建前のものが、その内容が少し動くのか、それによって、今の小災害の方の考え方をそれに相応させていかなければならぬだろうという問題がございますので、実はきょうも午前中、向こうの方の災害関係の担当課の方に連絡いたしまして、早急に考え方を聞かせてくれという話をしておったのでございますが、向こうも、こちらさんの、各小委員会の方の御意見もいろいろ拝聴いたしまして、本来の国庫補助の対象の問題について考え方をきめたい、その上でこちらの方に相談をいたしたい、こういうことに実はなっておりまして、こまかい点までは進んでいないわけでございます。
#72
○中島(巖)小委員 今あなたの話を聞いていると――この前、本協議会の席で、あなたでない人を理財課長だと思っておったのですが、これは非常に重大な問題でありますので、この点について明らかにしておいてもらいたい。天竜川の沿線は、ほとんど五、六町ごとに破堤してしまって、小さいので五十町歩、百町歩というようなのが十数カ所ずっとありまして、従って、この耕作農民だけではどうしても立ち上がれぬのです。従って、やむを得ぬから市町村営でやろうか、あるいは県営でやろうかということで、今非常に問題になっている。そこで、地方公共団体が施行主体となった場合にはどうなるかという質問をこの前やったわけです。その場合に、あなたが理財課長なんだけれども、その理財課長だと思って僕は質問しておったが、そのときの答弁では、地方公共団体で行なった場合においては八〇%の起債を認める、そうしてその起債は、基準財政需要額に見込んで平衡交付金で見てやる。従って、そうすれば、九五%までが普通の公共土木と同じように考えたのです。国で償還ができる、そういうふうに考えて、そのように指導しているわけです。従って、今のあなたのお話とはだいぶそこで食い違うわけです。その点を明らかにしていただきたいということと一もっとも、法律はこれからこしらえるのですが、それからもう一点は、起債だから地方公共団体が対象であると私は思うのですが、個人の場合は、これは補助事業でいくべき性質であると思いますので、その辺も明らかにしておいていただきたい。この二つの点をお伺いしたいと思います。
#73
○茨木説明員 農地災害復旧の問題だと思いますが、そうでございますと、私が先ほど説明いたしましたのが、現在の政府関係省間における話し合いできまった――というと語弊がございますが、一応打ち合わせ済みの方針になっております。この考え方でいきますと、ただいまお話がございました案よりはいいわけであります。結局、今の農地については、例の大規模の方のものにつきましても五〇%の国庫補助、それから農業施設については六五%の国庫補助制度になっているわけでございますが、それに相当します額を全額起債でつけまして公共団体が施行される建前のもの、それで、そのつけました起債の全額について、大体その七一・五%のものが国庫補助の形でもって元利償還金を見ている。残りの方の二八・五%のものは、交付税計算の基準財政需要額の中に当該市町村分として計算して織り込んでいる、こういうことでございますから、合計いたしますと、その起債全額で一応国庫補助ないしは交付税計算の方で対象になっていく、こういうことになるわけでございます。
#74
○中島(巖)小委員 そうすると、私がこの前聞いたより、かえって率はいいことになるんですがね。その前に、今あなたが農地五〇%、農業用施設六五%と言いましたけれども、これは暫定法の一番低いので、それから順次高くなっておるし、また、特例法によって、この前伊勢湾台風のときに、農地、農業用施設ともに九〇%の国庫補助を出すことにきまったわけでございます。従って、今回もおそらくそういう特例法になるだろうと思う。そうすると、地元負担は一割になるわけでして、この一割に対して、今あなたの言われたような起債並びに特別交付税、こういうものを適用する、こういうようなわけであるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#75
○茨木説明員 ただいまの問題は、国庫補助そのものが従来の五割あるいは六割五分から上がった場合の残額についての御質問でございますが、その場合の問題については、あとの一割の問題は一応受益者負担になるから、そうすると、例の農林金融公庫ですか、名前は今覚えておりませんが、あの関係からの融資制度になるわけでございますから、そちらの方からの融資でやっていただくことになっておると思います。今の小規模災害の方の問題になりますと、今のさらに五割、六割五分を高めていくというようなところまでの政府内の意見の打ち合わせは、まだないわけでございます。
#76
○中島(巖)小委員 そこが大きな問題点なんですがね。この暫定法は、農業用施設などについては漸次高率になって、現行法でも、被害が大きいと一〇〇%補助の額が非常に大きくなって、あるいは九割補助の特例法ができても、現行法でやった方が有利な場合もあり得るのです。
 そこで、あなたにお尋ねする基本的な問題は、一割の新しい法律ができたとして、そこで一割の地元負担がある場合において、改良組合などの場合においては、今言ったような農林漁業金融公庫法によって八〇%が借りられて、そうして長期の据え置きもあり、返還もある。従って、今おっしゃったことは、農地改良組合なんかの組合でやる場合のことである。ところが、農地災害を地方公共団体で行なった場合において、その一割の地元負担、地方公共団体の負担に対して、この前のほかの方の答弁では、その八〇%の起債を認める。従って、地元負担の八〇%の起債を認めて、基準財政需要額にそれを認め、交付税において九五%の償還を見てやる、こういうように僕は了解したのですが、これは重大な問題ですから、一つ研究して御答弁願いたいと思います。
#77
○茨木説明員 公共事業として行なったものの補助以外の市町村、要するに、公共団体の負担分の起債の問題であろうと思いますが、この問題については、実は私も今はっきりしておりませんので、後ほどまた研究の上、お答え申し上げたいと思います。
#78
○中島(巖)小委員 この点をあとで明らかにしていただきたいと思います。結局、特例法ができますと、農地、農業用施設は、伊勢湾台風のときには九割の国庫補助にしたわけです。そこで、問題は一割の地元負担でありますけれども、土地改良区でやる場合において、先ほどあなたのお話のありましたように、農林漁業金融公庫法によって長期低利資金が地元負担の八〇%まであるわけで、あとの二〇%は純粋に地元で負担すべきである。ところが、これが、ただいま申しましたような、あまりに被害が激甚でありまして、耕作面だけの土地改良区ではできない。従って、市町村営においてこの土地災害復旧事業をやる。その場合に、九割の補助は同じでありますけれども、一割の地元負担に対して八〇%まで起債を認める、こういうようにこの前、私伺ったように考えておるのです。従って、これを市町村営でやるかどうするかという重大なポイントになって、今後の膨大な被災農業地、農業用施設の災害復旧をどう持っていくかという根本的の問題になるのでありますから、また次の委員会において、一つ御方針をお打ち合わせ願って、御答弁いただきたいと思います。
#79
○遠藤小委員長 他に御質疑はございませんか。
 それでは、お諮りいたしますが、八月五日の新潟地方にありました集中豪雨の被害に対して、本委員会で、梅雨前線に基づく豪雨の被害に対する特別措置というのと同じ考え方で一括処理することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○遠藤小委員長 そういう扱いで進めて参ります。
 第二の問題としまして、今までの災害対策の表題が梅雨前線に基づく集中豪雨云々、こうあったのですが、北海道の問題、新潟の問題を含めて参りますと、昭和三十六年六月及び七月の豪雨による対策というような表題になって参りますが、そういうふうに表題を変えていくことに御異議こざいませんか。
#81
○木村(公)小委員 八月を入れなくてもいいのですか。
#82
○遠藤小委員長 六月、七月及び八月、だな。
#83
○岡本(隆)小委員 昭和三十六年豪雨による災害というふうに、ぽんとやってしまえ。
#84
○遠藤小委員長 それでは、字句は事務当局に……。
#85
○中島(巖)小委員 委員長一任。
#86
○遠藤小委員長 そういうふうに表題を変えて参ります。そういうことでお願いいたします。
 それでは、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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