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1960/08/18 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会厚生等小委員会 第5号
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1960/08/18 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会厚生等小委員会 第5号

#1
第038回国会 災害対策協議会厚生等小委員会 第5号
昭和三十六年八月十八日(金曜日)
   午前十一時五十一分開議
 出席小委員
  小委員長 宮澤 胤勇君
      辻  寛一君    増田甲子七君
      壽原 正一君    岡田 利春君
      北山 愛郎君    小林  進君
 小委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      田代 一正君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   橋口  收君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   御代田市郎君
    ―――――――――――――
八月十八日
 小委員椎熊三郎君同月十日協議委員辞任につき、
 その補欠として高田富與君が協議委員長の指名
 で小委員に選任された。
同日
 小委員五島虎雄君同日協議委員辞任につき、そ
 の補欠として小林進君が協議委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
協議事項
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○宮澤小委員長 これより災害対策協議会厚生等小委員会を開きます。
 災害対策に関する事項について議事を進めます。
 先ほどの打ち合わせで、これまで検討をいたして参りました本小委員会の要綱案としてまとまりましたものを、これから御報告申し上げます。
 前回の当委員会において、およそ要綱としてまとめて、さらに研究をするという問題になっておりましたうち、対象がなくなったので、その必要がなくなったものも二、三ありますので、それらをあわせて御報告申し上げます。
 その一つは、公立学校の建物の災害復旧に関する特別措置、これは、伊勢湾台風のときは、現行法の三分の二を四分の三に上げるということで特別立法が行なわれておりましたが、このたびのものに実際にこれを当てはめますと、現行法の三分の二の補助を与えて、残り三分の一は起債でまかなう、その起債も、九五%まで翌年で原資とも補助してもらえるというふうなことで、特別立法をするとしないのとの差がきわめてわずかであるということでありますので、これは特別立法をしないでいいじゃないかというふうな意向になったわけであります。
 それから第二の私立学校の施設の災害復旧に関する特別措置、これは、私立学校は伊勢湾台風で二分の一の補助になっておりますが、それらに当てはまる条件からして、今回は兵庫県、おもに長野県ですが、それらに当てはまる対象物がほとんどないということで、これも、被害を受けたところは、私立学校振興会の方から融資をするということでまかなえるということでありますので、これら二つは特別立法をやらないでよかろうということに意向がまとまったわけであります。
 次に、災害救助費に関する特別措置の第一の項目は、行政措置で大体いける。第二の、災害救助法による都道府県の支出が、普通税による昭和三十六年度の収入見込み額の千分の一――普通は千分の二ですが、千分の一を超過する場合、その超過額について国庫負担を行なう、これもまた実際に当てはめますと、長野県と岐阜県があるということでありましたが、岐阜県がはずれまして、長野県だけになりました。長野県について特別立法するのとしないのとの差額は約百八十万円という少額で、ただ一件でありまして、従って、これは政府側においていろいろ心配された結果、長野県に対してとの金額に相当する特別交付金を出すことにしたらいいではないかということで、大体その話が進んでおるということを当局者からお話がありましたので、そうして、長野県側も大体そういうことで話しがつきそうでありますから、これも特別立法をやらないで済ますということになっております。
 それからもう一つ、この特別立法を取りやめました分は、厚生省関係の福祉年金の支給に関する特別措置、これは御承知の通り、前国会において、恒久法としての国民年金法の一部改正案が流れましたけれども、今度は、厚生省において、臨時国会の劈頭にこの流れた一部改正案を出すから、従って、これは特別立法をしないで、恒久法で行きたいということで、恒久法でこれが成立すればなおけっこうですから、そういうことで、一応こちらとして特別立法をやるということは取りやめてしかるべきだ、この前御報告申し上げた通りであります。
 そこで、特別立法をしようというこに大体今意向を進めておりまするのは、中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置、これはこれにありまする通り、大体特別立法をしていきたい。これに対しましては、そこまでいかないでも――国民金融公庫と中小企業金融公庫は政府機関ですから、利子の低減も行政措置で閣議決定でできますが、商工組合中金のはそういかないということでありますから、伊勢湾台風もチリ災害も特別立法を行なったのですが、大蔵省側からは、これに対して、中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置は、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫が行なう被災中小企業者に対する資金の融通を円滑にするため、その所要資金を確保することとし、さらに貸付手続の簡易迅速化、償還期限及び据置期間の延長、担保条件の緩和等の特別措置を講ずることにし、事業協同組合等の施設災害復旧に関しては特別に配慮すること、なお、信用保証協会の災害融資に関する保証料の引き下げ等を行なうため、中小企業信用保険公庫からの貸付金を増額すること、こういうことで、特別立法を行なわないでもいけるというようなお申し出もありますが、これは大体ただいまの懇談会でも、特別立法にいこうという意向になっております。これに関しては、後ほど大蔵省からも発言がありますから、それもあわせてこの委員会で聞くことといたしまして、一応そういうことにきまりました。
 次に、地方公共団体の起債の特例、このうちの(2)は今年度中は現行法でいけるそうですから削りまして、(1)と(3)と(4)というものを(1)(2)(3)と改めて、この通り特別立法でいきたい。ただし、これは建設、農林両委員会との関係がありますので、このままこれを協議会に報告をして、それらと歩調を合わせていくこととなると思うのであります。
 次に、災害による被害者の集団移住等に関する特別措置、「災害により激甚な被害を受けた地域について、国民の生命及び財産を将来の災害から保護するため、復旧事業に代えて他の地域に移住することを促進するために必要な措置を定める。」この災害によって住居不適地と指定されたところにおいて、集団移住をほかへするということは、伊勢湾台風には全然ありません。今度初めて立法するわけでありますが、これは政府間においてもまだ話し合いもついておりませんけれども、とにかく、この委員会並びに各党が党に持ち帰って御相談になった結果の報告によりましても、これは一つ大きく取り上げていこうということに話が進んでおりますので、この委員会においてもこれを取り上げて、一つ総会に報告し、今後これを各省と相談して、順次強く進めていきたい、こういうことでありますから、その旨御報告申し上げます。
 次に、職業訓練手当の問題は、先般皆様から強く御要望がありましたが、これは事実上炭鉱離職者並みに、わずかなものですが、それでも解決がつきましたので、これは立法しないでそれで済む、こういうことになっております。
 次に、被害を受けた者の援護に関する特別措置、生活資金の貸付、見舞金の支給、弔慰金の支給、医療費の支給ということは、大体この趣旨においていずれも反対はありません。こういうことはどうしても行なわなければいけないということには一致しておりますが、さて実際問題として、どれを取り上げて、国家がどういうようにするかということについては、まだこまかい話し合いもついていませんので、これは一つ懸案として報告をしていく、こういうことにいたしたいと思います。
 そこで、この災害を受けた者の援護に関する特別措置について、社会党の方から何か御発言ありますか。
#3
○北山小委員 先ほど申し上げたのですが、この問題は、従来の災害でも、災害対策といいますと、公共施設の災害が中心で、むしろ市町村とか府県、団体を対象とする対策が重点だった。ところが、個人の被害に対する救済援護の手というのは、非常に薄かったわけであります。このことは、この前の伊勢湾台風なり今度の災害でも、罹災者の個人被害に対する何らかの援護措置というものが必要になってくるような、いろいろな実際のそういう事実が出て参っておりますから、今回社会党としても、この前と同様に、こういう案を提案して、そして、ぜひ与党の方々にも御協力を願いたい、こう思っておるわけであります。しかし、問題は非常に新しいので、また、技術的にも、その援護の範囲あるいは程度等においても、十分検討を要すべき点がたくさんあろうかと思います。しかし、どうしても近い将来にはこういう立法措置、制度化というのが必要だと思いますので、与党の方でも御検討を願って、できるだけ早くこれが制度化されるということをほんとうに希望しております。
#4
○宮澤小委員長 そこで、この委員会としては、中小企業者に対する資金の融通等に関する特別措置と地方公共団体の起債の特例、災害による被害者の集団移住等に関する特別措置、以上三件を立法いたしたいという意見でありますが、これは他の委員会の決定とも合わせまして、最後の決定は保留いたしまして、一応他の委員会との連絡をとった上といたしまして、本日は一応保留して、大体の経過だけ御報告申し上げ、この際、大蔵省からこれらの問題についての御意見があるそうでありますから、御発言を願います。
#5
○田代説明員 大蔵省の主計局の主計官をしております田代でございます。本日、小委員会におきまして、私の所管しております中小企業の災害関係について審議せられるというので、出て参ったわけでありますが、先ほど小委員長の御説明で、特に私どもの関係につきましては、商工組合中央金庫に対する特利並びに利子補給という点につきましては、特別に立法をやってもらわなければ困る、こういう御意見に承ったわけであります。私どものこれに対します考えを次に申し述べたいと思います。
 私も過去三年近く主計官をやっております。災害その他かなり見てきたわけでございます。それで、災害に対するものの考え方としまして、非常に災害ごとに違った様相を呈しているということであります。従いまして、そうした違った様相に従いまして対策を考えるのが真の災害対策ではないか、このように考えられるわけであります。
 そこで、実は中小企業庁あるいは府県、いろいろな資料その他を分析いたしますと、今回の災害がどういう特色があるかと申しますと、災害の規模におきまして、一昨年の伊勢湾に比べますと、数字的には非常に小さな規模になっておるわけであります。それから昨年チリがございました。チリには総額的にはかなり近い被害のようでございます。ただ、非常に違っております点は、チリ災害の場合には、集中的に三県に被害が集中しております。事柄がああいった津波ということでございましたので、被害の様相は違っておる。今回の場合には、全国二十都道府県にまたがるという非常に分散的な被害だということであります。
 それから第二点は、これまでの災害に比べてどういう点が違うかと申しますと、従来は伊勢湾にいたしましても、チリにいたしましても、中小企業の設備自体、元自身がなくなるというような被害形態が非常に強い色彩でありました。今回の場合は、むしろ、それよりも、たなおろしの資産が流れるとかいう程度の色彩が濃いわけであります。資金的に申しますならば、設備的な被害よりも、むしろたなおろし的な、運転資金的な要素の被害が多かったというように考えられるわけであります。
 そこで、そういったことを彼此勘案いたしまして、どういう工合にしたら最も適切な災害対策ができるかということを考えたわけであります。私どもこういった災害の特性を考えますにつきまして、今度の災害で最も必要なことは、早期に資金を手当してやる、それで、条件その他にいたしましても、据置期間とか返済期間ということにつきましても、十分の配慮をしてやるということがまず先決問題だということで、現に資金手当につきましても、国民、中小、商中の三機関につきまして、約十五億ばかりの手当を早急にいたしたわけであります。それに従いまして、現在末端で貸付がどんどん行なわれておるという状況であります。ところが、そういった災害でもございますので、金利はどうするかという問題であります。これは過去にもいろいろ実例があるのでございますが、今回の災害が、特に、さっき申し上げましたように、どららかと申しますと、運転資金的な災害、それからチリなんかに比べますと、災害の深度その他が若干希薄な要素であるということも考えられますので、この際の金利は従来通りの金利でやっていただく。そのかわり、早急に資金手当をいたしまして、一日も早く立ち直っていくという方法を考えたいという工合に考えておるわけであります。従いまして、貸付金利を特別に下げるということは、今回の災害においては必要はないのではないか、適切ではないのではないかという工合に考えておるわけでございます。
 なお、この三機関をながめまして、常に商工中金ということが問題になるわけであります。参考までに商工中金のオペレーションというものを概略的に申し上げますと、商工中金は、もともと半官半民でスタートした機関であります。主として組合を中心として、組合を育成するという形でできた機関でございます。すでに昭和十二年にできまして、かなり時間をけみしておるわけであります。ところが、最近におきまして、国はいろいろ中小企業対策の推進から申しまして、商工中金にかなり手厚い保護をいたしております。現在資本金は、むしろ政府が三分の二を持っておりまして、三分の一が組合の出資ということになっておるわけであります。それで、政府は、さらに政府の出しました出資金につきましては、一切配当を受け取っておりません。現在、商工中金が五分の組合配当をいたしております。昭和三十五事業年度を見ますと、五分の配当金で一億四千五百万という金額でございます。国は一文も配当を受け取ってない。もし国が受け取るといたしますならば、一般民間の場合約三億に近い配当金を受け取るであろうということになるわけでありますが、そういった金は受け取ってないという状況でございます。さらに、採算状況を見ますと、三十四事業年度におきましては利益金が八億でございまして、三十五事業年度におきましてはこれが九億になっております。そういったわけで、昔に比べますと、非常に採算状況がよくなっておるという状況でございます。そういうところを十分御認識になっていただきたい、こう考えるわけでございます。
 以上でございます。
#6
○宮澤小委員長 それでは、本日は、これで散会することにいたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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