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1960/08/03 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第2号
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1960/08/03 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第2号

#1
第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第2号
昭和三十六年八月三日(木曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席小委員
 小委員長 秋山利恭君
      大森 玉木君    金子 一平君
      中野 四郎君    角屋堅次郎君
      下平 正一君    玉置 一徳君
 小委員外の出席者
        農林政務次官  中馬 辰猪君
       農林省大臣官房長 昌谷  孝君
        農林省大臣官
        房総務課長   石田  朗君
        農林省農地局
        参  事  官 堀  直治君
        農林省農林経
        済局金融課   落合 幸雄君
        食糧庁総務
        部検査課長   中  正三君
        林野庁長官   吉村 清英君
    ―――――――――――――
協議事項
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○秋山小委員長 これより災害対策協議会農林小委員会を開会いたします。
 災害対策に関する事項について議事を進めます。
 きのう農林省当局の説明について補足の申し出がありますので、この際これを許可いたします。吉村林野庁長官。
#3
○吉村説明員 昨日御質問にお答えいたしまして、御質問に、災害救助法が適用される災害につきまして、公共団体等の建設といいますか、応急復旧にかかる用材の必要量の三分の一以内を半額で売り払いすることができる、こういうようなことがあったのでございます。その後調査をいたしましたところ、これが昭和三十四年十月十四日農林省令第四十六号によりまして改正になっておりまして、三分の一以内というところを削られております。結局、必要量を半額で売り渡すことができる、こういうことになっておりますので、御了承を願います。
#4
○秋山小委員長 角屋君。
#5
○角屋小委員 ただいまの説明で、きのうの質問に対する答弁はわかったわけですけれども、大体今度の集中豪雨の災害関係では、災害の実態から見て、長野営林局管内で今の内容の問題が中心になっておると思うのですけれども、その他、関係県としては、長野営林局管内あるいは前橋営林局管内、大阪の営林局管内等の第一線の営林署等の実態を調査すれば、こういう国有林の払い下げの需要実態というものが出てくるのではないか。ですから、この点は、第一線の営林署等まで含めての実態がどうなっておるかという点については、適当な機会に一つ協議会の方に資料を提示願いたい、こういうふうに思います。
#6
○吉村説明員 承知いたしました。まだ営林局の者の方から報告が出ておりませんので、報告をとりました上で御報告申し上げたいと思います。
#7
○中野小委員 今度の水害で、ブタや鶏とか、ああいう小さい企業のものが相当被害を受けておる。個人被害を受けておる場合に、これに対して一体農林省の方で何か考えておられるかどうか、一応聞いておきたいと思います。
#8
○昌谷説明員 被害を受けました方が農家であります場合には、御承知の通り、天災融資法の融通の際に、そういった被害が考慮せられることになっておりますし、また、有畜農家であれば、一般農家の貸付ワク等にも差がございますことも御承知の通りでございます。それから専業的と申しますか、農業者でない方がそういう被害を受けられました場合の措置ということになりますと、天災融資法というわけにも参らないわけ合いだろうと思います。そういった際の措置といたしましては、一般の中小企業の災害対策に準じてと申しますか、中小企業の災害対策そのものでもあるわけでございます。ただ、金融関係では、中小企業関係の金融措置にゆだねておるだけでは不十分であろうかとも思いますので、事情によっては系統の員外利用というような道も講じ得ると思います。その辺は具体的にはあまり案件を承知しておりませんが、各県当局とも、具体的にそういう問題がございますれば、相談をして善処していきたいと思います。
#9
○中野小委員 少し方面を変えて伺っておきたいのですか、私の方は愛知県ですから、災害が年々歳々あるたびに非常に被害をこうむる。言いかえれば、災害の常襲県になってしまっておる。従って、私の方の県の中で一番問題になっておりますことは、矢作川の水流についてなんです。これは河川局の方の関係もございましたから、先日来河川局長ともいろいろ話をしましたが、その矢作川の水流の一番末端は、碧南市というところに属する。今度合口ダムの問題等がありまして、いろいろとこれに影響するものもあるので、ちょっと農林省の方に伺っておきたいのは、最近その末流の碧南地区においては、砂利の採取が非常に盛んでありまして、それがためにだんだん水位が下がっていってしまって、樋管なんか上へ上がってしまって、水がとれないという状態にあるので、要は、建設業者は大へん利益を得ておられるが、それがために農民の被害が多いわけです。今度合口ダムが計画されるということになると、その一部の水を鹿乗川を通じて末端に流していくわけです。その場合、排水等のいろいろの施設に対して農民の負担が非常に大きくかけられるわけで、地元では今非常に問題を起こしておるのです。上の方は今の水系の変わることによって、いろいろ負担が変わるのでしょうが、末端の方は事実上において今日の現状に置いていいのであるか。しかし、今申し上げるような砂利業者が非常にたくさんのものをば許可されて、あそこで採取するために被害を受けて、その負担は農民がしなければならぬという、ちょっとばかな現状になっておるわけです。農民の方は、われわれ何のためにこういうような一反歩について二万円なり二万五千円というような負担をしなければならぬか。当然これは業者が負担してあたりまえじゃないか。業者が乱掘をした結果がこういうふうになったのでないかというので、今農林省、建設省の方に陳情をしかかっておる。地元では問題になっておるのですが、こういう場合に一体農林省側の考えというものはどこにあるか、一ぺん伺っておきたい。
#10
○堀説明員 矢作川の砂利採取その他の原因で河床が下がってきまして、今までの取り入れが非常に困難になっておるわけです。ことに最近そういう傾向が著しくなっておりますのは、砂利の採取が相当な原因になっていることはいなめません。県の方でも、ひどいときには砂利採取を十日ばかり停止いたしまして用水をとらせたりいたしておりますけれども、砂利採取だけに責めを帰するということはなかなか困難な事情があるようでございます。また、いろいろな建設業にも影響がございます。それで今お話がございましたような合口事業ということを県の方では至急にやってほしいという陳情がありまして、農林省でもこれを取り上げたいと思っております。ただ、地元の負担につきましては、お話のようなことがいろいろあるわけでございまして、一般のほかの地区でやっておりますような国と県と農民との負担割合では、この問題は解決が困難ではなかろうかと思っております。その点につきましては、県の方とも十分折衝いたしまして、自後、着工までに、事実農民の負担をすべきものと、その他の方法で解決すべきものとの検討をいたしたいというふうに考えております。
#11
○中野小委員 その困難な事情というのはどういうところにあるのでしょうか、もう少し明確にしてもらいたいと思うことが一点と、それから、参事官よく御存じのようですが、普通の砂利採取の状態とはあそこは違うのですね。なるほど、建設事業には相当な砂利を必要とすることはわかるけれども、それがために周辺の農民に重大なる被害を与えるということは許されるべきでないと思う。特に許可権を県に移管しておるということが大きな問題の一つだと思うのですが、これはとかくの世間の批評ですけれども、砂利業者には必ず何らかのひもがついておるのです。従って、五軒、十軒、十五軒というふうにだんだん許してきたために、現地を御承知でありましょうが、非常にひどい乱掘をした跡がある。暫定的にいろいろな水路を作ったりしましたが、今度の集中豪雨によってこんなものは一瞬にして吹っ飛んでいってしまった、そして今まで採取をしておった場所は非常に深いみぞができてしまって、ここで最近四、五人の人間が死んでおるのです。その事情を御存じであれば特にそうなんですが、これからの農民の負担が上と同じような形において下にかかるということになれば、下の連中は、先ほど申し上げたような事情によってそういう被害を受けるのであって、これに対しては当然監督官庁が適当なる考慮を払うべきものだと私は考えておるのですが、その今の事情を一つ聞くことと、将来一体どういう対策を考えておいでになるか、具体的にお示しを願いたいと思う。
#12
○堀説明員 事情と申しましても、別に具体的な事情というわけではございませんが、一般的に申しまして、砂利の採取が原因であることは確かでございますけれども、そのほかに、やはり矢作川の上流の方にもダムその他ができて参りまして、比較的砂利、砂の流下が少なくなっている。及び、矢作川という川は、築堤が非常に早くできまして、自然的にも川が掘れる傾向にあったということがございまして、どの程度までが砂の乱掘によるものか、その程度の問題がなかなか判定することが困難だという事情でございます。しかし、そうかといって、砂利をとらないでおれば、今のような問題が起こらなかったことも事実でございますので、そういう問題について全部農民負担ということはいかにも強過ぎるというので、何かそれについての対策と申しますか、あるいはその地方の自治体にある程度の負担をさせることが適当でなかろうかというふうに考えて、折衝いたしたいというふうに考えておるのであります。
#13
○中野小委員 今は小委員会ですから具体的な小さな問題をここで取り上げるのは恐縮に存ずるのですが、今の実情をもう少しお調べになっていただいた方がいいと思うのです。その対策について、今のお答えによっては満足することができないのですが、河川局の方では実地に調査官を派遣して、この現状はあまりにも、全国に類のないほどの乱掘だ、従って、これは直ちに砂利採取の中止を命ずべきだというので、幸い、この協議会において私の方から河川局長にお願いし、最近においては中部地建を通じて中止の命令を出そうという段階にあるわけです。その乱掘ぶりというものははなはだしいものなんです。ただ机上の空論ではなく、現地についてもう少しお調べになると、将来の農民負担がいかに不当であるかということがおわかりになろうと私は思う。今ここで現地をよく御存じない状態でお話を進めてもいきませんが、合口ダムの今度の問題もあるでしょうけれでも、将来において農民にそういうような――上流の方は別ですよ。今私の申し上げるのは末端の最下流の場面ですが、一面では、掘るために塩水が水田に入ってくる、これがために非常に大きな被害を受ける。一面では、非常に深く掘るために樋管が上に上がってしまって、水が出てこない。ポンプでこれを出すというので、県の方ではわずかばかりの金を組んだようですが、そんなことでは水がとれるものではありません。そういう実情を少し農林省の方でお調べを願って、適当な御考慮を願いたいと思うのです。それ以上のことは今申し上げませんが、いずれ機会を見て私の方から正式に申し上げなければならぬ機会があろうと思います。特にそれぞれの事務所を通じて調べておいていただきたいと思います。
#14
○角屋小委員 ただいまの中野委員の質問に関連して、河川の下流部における砂利の採取の非常な激度の状態から、農業関係に相当大きな被害を与えているという例は、三重県の場合でも各地に見られるわけでありますけれども、こういう問題と関連して、たとえば、今度の集中豪雨の際に、天竜川の泰阜ダムの堆積土砂が非常に出ておって、ダムの効用をなさないという問題が出た。川の災害調査で秋葉ダムに行ってみると、堆積土砂の問題が提起され、河床が十数メートル上がるというような例が現実に天竜川で出ている。伊勢湾台風のときに、堆積土砂の排除の問題は、実際に災害を受けた地域における堆積土砂の排除としての法律が出たけれども、ダム等の堆積土砂の問題も、これは単に国、地方自治体の負担ということばかりではいかぬと思います。受益者である電発あるいは電源会社、こういうものの負担等も適正に考えて、実際に一方では砂利の要請にこたえて――十分ペイする形で砂利の要請にこたえ、かたがたダムが老朽化していく、そういう効用をまた再生するというふうな面について、これは治山治水の根本的な問題になるわけだけれども、単に農林省ばかりの問題ではありませんで、建設省にも関連してくる問題であります。そういう点はやはり抜本的に検討しなければならぬのではないか、こういう感じが率直にするわけです。特に天竜の今度の非常な災害から見ると、ダムに集まる堆積土砂、あるいは河床の隆昇をそのままに放棄することは許されない。これらの問題については、災害のときの堆積土砂の排除というような考え方を今度は別の観点から取り上げて、国あるいは地方自治団体、あるいは利益を受ける関係の電発その他の関係、こういうところの適正な配分で、山間部のダムのそういうものをとってなおかつ市場にペイする形で一石二鳥を考えていくというような問題が出てこないと、下流部における砂利の乱掘による農業者に対する被害は解消されない。しかも、一方では災害が歴年生じておりますから、砂利に対するところの要請はどうしても多いというイタチごっこの状態である。これは今すぐの問題というわけでも必ずしもありませんけれども、この点については、十分建設省、農林省あたりで総合的な面で検討願いたい、こういうふうに希望しておきたいと思います。
 それから、先ほど座談のときにちょっと申しておったのですけれども、農林水産関係の特別立法等を検討する場合に、建設省の資料を見ましたら、各県、各市町村別に地方自治体の報告の大体八〇%のところで査定が例年の例からいくと平均してなるというような前提で、現行の法律を適用する場合にはどういう状態になるか、あるいはまた、伊勢湾台風のときにとった特別立法の法的措置をとる場合にはどういう状態になる、こういう、いわば参考のデータというようなものを作っておるのを今見て参ったわけでありますけれども、お聞きしますと、農林省でもそういう資料は一応の参考資料として作っておられるということですが、これは対外的にこういうものを出してくると変動が起こるわけですから、問題になるわけでありますけれども、一応小委員会の検討としては重要な参考資料になると思うので、差しつかえがなければ、参考資料として限定配付を願ったらどうかと思うのですが、その点いかがですか。
#15
○昌谷説明員 農林省でも大体のあら見当をつける必要がございますので、御指摘のように、現在まで府県の方から出ました資料をもとにして、過去の災害の場合の、たとえば査定率の歩どまりの平均をどう見るとか、あるいは激甚地の被害率を過去の例からいって大体何%くらいというふうに押えてみたりしまして、何と申しますか、腰だめ的なものを内部では多少手がけております。それをごらんいただくことが多少の参考になる面も確かにあろうと思いますけれども、私どもは、逆に、そういう自信のない資料で既成観念と申しますか、何か先入主みたようなものができてしまって御迷惑をかけるのもいかがかという遠慮もございまして、部内限りの資料として、一切外へは出させないように取り計らっておるわけであります。お話の点もございますので。私。その作業の進捗状況を実はまだ目を通しておりませんので、見ました上で、ある程度差しつかえない範囲で差し上げられるまでに整理ができますれば、考えてみたいと思います。ちょっと検討させていただきたいと思います。
#16
○秋山小委員長 これより懇談に入ります。
     ――――◇―――――
  〔午前十一時三分懇談会に入る〕
  〔午後零時四十三分懇談会を終わる〕
     ――――◇―――――
#17
○秋山小委員長 以上で懇談を終わります。
 本日は、これにて散会いたします。
 午後零時四十四分散会。
ソース: 国立国会図書館
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