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1960/08/30 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第5号
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1960/08/30 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第5号

#1
第038回国会 災害対策協議会農林水産小委員会 第5号
昭和三十六年八月三十日(水曜日)
    午前十一時十七分開議
 出席小委員
   小委員長代理 中野 四郎君
      大野 市郎君    大森 玉木君
      金子 一平君    細田 吉藏君
      下平 正一君    芳賀  貢君
      玉置 一徳君
 小委員外の出席者
        協議委員長   辻  寛一君
        協 議 委 員 遠藤 三郎君
        協 議 委 員 小林  進君
        協 議 委 員 島本 虎三君
        協 議 委 員 中島  巖君
        農林政務次官  中馬 辰猪君
        農林省大臣官房
        長       昌谷  孝君
        農林省大臣官房
        総務課長    石田  朗君
        農林省農林経済
        局長      坂村 吉正君
        農林省農地局参
        事官      堀  直治君
        農林省農地局建
        設部災害復旧課
        長       小川 泰惠君
        林野庁長官   吉村 清英君
    ―――――――――――――
八月三十日
 小委員野田武夫君同日協議委員辞任につき、そ
 の補欠として大野市郎君が協議委員長の指名で
 小委員に選任された。
同日
 小委員竹下登君同月二十二日協議委員辞任につ
 き、その補欠として細田吉藏君が協議委員長の
 指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
協議事項
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○中野小委員長代理 これより災害対策協議会農林小委員会を開きます。
 秋山小委員長が本日所用のためお見えになりませんので、私が小委員長の職を勤めます。
 災害対策に関する事項について議事を進めます。発言の要求がありますので、順次これを許します。下平正一君。
#3
○下平小委員 災害対策の関係で大へん自由民主党さんの方でも御努力を願いまして、本日、大体政府・与党としておきめになった対策要綱を理事会で拝見いたしたわけでありますが、率直に申し上げまして、当小委員会で一応の意向として両党が一致をした対策要綱とはかなりかけ離れているような気がいたします。しかし、その問題点は別にいたしまして、一応この拝見いたしました案について若干の質問をしたいと思いますが、委員長、よろしゅうございますか。
#4
○中野小委員長代理 どうぞ。
#5
○下平小委員 それでは、自由民主党のどなたでもけっこう、もし自由民主党さんの方で適任者がおいでにならなければ、当然政府とも一緒に検討されたと思いますので、農林省当局のどなたでもけっこうですから、まず第一番に、農林水産用施設災害復旧の問題点、資料のプリントのナンバー六でありますが、これについて内容をやや具体的に聞かしていただきたいと思うのです。
 その一つは、このプリントによりますと、被害激甚地は、従来通りに、八万円以上を五万円までに切り下げて九割の適用をする、この点はわかります。その次に、共同利用施設も、激甚地は九割、一般は五割、これも大体了解できるのですが、御承知のように、林道が暫定復旧法には対象事項になっておるわけです。前回は、たしか林道につきましても高率補助の適用をいたしておるわけでありますが、このプリント六項の中に、林道というものが対象として入るかどうか、入るとすれば、その対象は三十四年災害の指定基準でと考えてよろしいかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。
#6
○吉村説明員 入っております。
#7
○下平小委員 そうすると、基準はメートル当たり四百円以上ということで、これも間違いありませんね。
#8
○吉村説明員 はい、その通りであります。
#9
○下平小委員 次に、今度の被害の中で開拓者の被害がかなり目立っております。先日私ども北海道へ行きましたけれども、収穫皆無というような人――北海道ではたんぼに転換をした人はやや救われておりますが、たんぼに転換せずして畑作のみやっていたという諸君は収穫皆無という陳情を数カ所で受けて参りました。長野県の今度の災害の中心地である上下伊那においても、開拓者の被害というものはかなり報告をされておりますが、従来は、開拓者に対しては暫定措置法で一たしか特例法の二条で、開拓者については十戸以上の被害があった場合、あるいは一割以上の被害があった場合にはこの特例法の適用をするということになっておりましたが、この点はどうなっておりますか。
#10
○昌谷説明員 北海道の集中豪雨におきまして、ちょうど悪い時期に湛水いたしまして、作物が、局部的ではございましたが、かなり被害を受けた実情は、私もついせんだって見て参りました。道庁ともいろいろ話をしたのでありますが、強い風を伴った被害でなかった関係もあったかと思いますが、住宅その他、いわゆる従来暫定措置法の対象になりましたような家屋の倒壊、損壊というような事例は比較的少なかったように道庁からも聞いております。そこで、天災融資法その地、場合によりましては、開拓者についての救済のための別の法律に、災害を受けた場合の特別融資額もあるようでありますので、そういった今後の営農あるいは今までの債務の処理といったようなことに重点を置いて、今回の場合は、特に北海道の場合は、開拓者についての対策を講じていくことが一番必要であろうという話し合いも実はしてきたところでございます。そこで、御指摘の暫定措置法によります助成は、御承知のように、もっぱら住宅あるいは開拓施設に対する補助でございます。その方は特段の措置はあるいは必要でないのじゃないかというふうに考えております。
#11
○下平小委員 私は北海道の状況を見てきたのですが、そういう施設は北海道にはあまりたくさんはないと思うのですが、長野県の上下伊那、あるいは五月のフェーン現象で多少あるということを聞いておるのですが、数字的には私はあまりつかんでいないわけです。ただおしなべて十数カ町村くらいはありはせぬかということを大体聞いているわけです。
 そこで、これはあとで意見を申し上げますが、開拓者の問題も、今回の災害は幅で見てもらうと困ると思うのです。御承知のように、今度の災害は総体的の被害金額としては、やはり三十四年災等に比べましてまあ五分の一、あるいは六分の一、あるいは一割という被害額でございますが、伊勢湾台風に比べて被害が少ないというだけの観点でこの点を考えられることはちょっと問題があると思うのです。被害が非常に激甚の場合には、要するに、深度が深い場合には救済をしてやるという考え方でやっていただかなければならぬと思いますが、開拓者は入っていないということだけお伺いして、あとで意見を申し上げたいと思います。
 それから六番のところでもう一点お伺いしたいのですが、農林水産業の施設について、三十四年災の場合には、個人施設についても、たとえば養魚場あるいはキンギョの養殖場、ウナギその他九割補助の対象になったように記憶しておりますが、農林水産業の施設災害については、この六項の暫定措置法では考えておられるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#12
○昌谷説明員 今考えておりますのは、現在の本法によります共同利用施設の補助率二割とありますのを、一定の基準を設けて五割ないし九割まで上げていこうということでございます。個人施設につきましては、公庫資金の融資条件の緩和等の措置によって対処して参りたいということで考えております。
#13
○下平小委員 伊勢湾台風のときはどんなふうにやりましたか、参考までに聞かせていただきたいと思います。たしか個人施設について毛高率補助の対象になったように記憶しておりますが……。
#14
○石田説明員 伊勢湾台風の場合におきましては、特に水産業関係の養殖施設の被害が非常に多かったということがあったと存じますが、特別措置法の中におきまして、開拓関係と並べまして、特に水産動植物の養殖施設で政令で定めるものというものだけにつきまして施設補助をいたすというふうな規定がございます。
#15
○下平小委員 それでは、九項の天災融資法について若干お伺いしますが、御承知のように、当小委員会のまとまった意見としては、貸付限度を内地にあっては三十万円、それから家畜、特に乳牛を所有している者については増額をする、こういうふうにきめてあったわけです。この案を見ますと、内地の方は従来のものが二十万円、北海道は二十五万円と、家畜家禽等についているかさ上げについては全然考慮をされていないように考えますが、この点はどうなっておるわけですか。かさ上げは考えていないわけですか。
#16
○昌谷説明員 今の案では、かさ上げは現行法通り五万円ということで考えております。その理由といたしましては、先般も御説明申したと思いますが、今回の被害の中で、畜産関係の被害は非常に極少でございまして、非常に幸いだったと思います。そういうことの事情も考慮いたしまして、畜産に関しては平常の場合と同様にいたしました。
#17
○下平小委員 三十四年災の場合には、相当畜産については優遇的な特例を作ったはずです。家禽もしくは家畜、乳牛を持っている人については三十万円までということになったわけですね。それから乳牛その他専業にやっている人については五十万円まで貸し付けができる、こういうことになっていたはずですが、今度の案を見ると、ウナギだけは四十万円ということになっているのです。さっきも理事会で議論をしたのですが、ウナギだけ上げることはおかしいではないか。牛をなぜはずしたのだ。土用うしというけれども、ウナギだけ入れて、牛の方をなくしたのはけしからぬじゃないか、こういう議論が出たわけです。北海道あたりはそう頭数は多くはありませんけれども、家畜の被害がありますし、私どもの長野県においても家畜の被害というものがあって、この救済ということを現地ではかなり希望をしておるわけです。これはまたあとで意見を申し上げますけれども、ウナギだけやって、牛、馬をやらなかったというのはどういうわけですか。
#18
○昌谷説明員 先ほどお答えいたしましたように、今回の災害では非常に畜産関係の被害は少なかったようでございます。そこで、現地からの要望その他につきましても、ウナギにつきましては具体的に四十万円程度のそういうワクがほしいという御要望がございまして、伊勢湾台風の場合は、たしか五十万円のワクがほしいということで五十万円にしたと思いますが、今回は、四十万円という県当局その他を通じての御要望もありまして、四十万円にいたしました。畜産につきましても、特にそういった特段の県当局との折衝過程でのお話も出ませんし、もちろん、抽象的に、多い方がよいというお話は伺いましたけれども――ということと、それから限度引き上げにつきましても、相当私ども内部でも議論はいたしました。従来の実績から見ますと、限度一ぱい借りる農家というものはかなり少数でございます。一律に平均貸し付け残高で見ることも、それだけできめてしまうことは適当でないと思いますけれども、平均貸し付け残高等で見ますれば、かなり少ないわけでございます。十五万円はおろか、かなり下で平均貸付残高は実行されておるわけでございます。しかし、限度については、特殊の被害を受けられた農家もその中におられるわけでありますから、一般論として平均貸付残高が少ないからといってそれをやらないのは当を得ないだろうというので、特に限度は五万円上げていただきました。そういたしますれば、過去の伊勢湾台風の平均貸付残高等の経験から見ますれば、さらに畜産農家の五万円かさ上げということで、具体的な農家の場合の需要には大がい応じ得るであろうという判断をいたしたわけであります。
#19
○下平小委員 それから、今回も実は、農林省当局の方へ資料があがっているかどうか、これはまだ拝見しておりませんけれども、ニジマスとかコイ、あるいは新潟県におけるイロコイ、こういうものの被害が相当上がっているわけです。前回は御承知のようにキンギョ、ボラ等についても天災融資法の対象として特例法をやったわけですが、今回は特に、新潟県下におけるイロコイとか、長野県下におけるニジマス、コイ、そういうものについての被害対象というものはここにあがっておりませんが、これは何かあげない明確な理由があるわけですか。
#20
○昌谷説明員 先ほど畜産について申しましたとほぼ同様の理由でございまして、特に別ワクで一般の場合と違った例外的なワクを設けなくても、一般ワクがこれだけ上がれば、そのワクの中でそういった需要にも応じ得るであろうという判断でございます。
#21
○下平小委員 一般ワクというと十五万ということだと思うのですが……。
#22
○昌谷説明員 内地の場合には二十万、北海道の場合に二十五万ということでございます。
#23
○下平小委員 またあとで意見として申し上げますけれども、もう一つ、この天災融資法の関係での問題点は、貸付の限度額を十五万から二十万にする、二十万を二十五万にするという問題も大切でありますけれども、天災融資法のこういう条件の貸付というものは、貸付額をむやみにふやしてみたところで借りられないわけです。借りられない理由というものを何か解消してやらなければ、意味がないと思うのです。今この貸付の残額が非常に多いということも聞きましたけれども、天災融資法というのは、借りる方になりますとなかなか条件がきびしくて、一々農協へ行って、これに使います、あれに使いますという承認をとらなければ、ワクをもらってみても使えないという事情があるわけです。特に償還期限がきわめて短期であります。経営資金、事業資金という制限もありましょうが、五年間ということでございます。従って、その返還が困難である、借りられない。貸す方にしても、そういう条件がととのわなければとれないという心配があるから、貸付条件を厳重にするというところに問題があると思うのです。実はそういう面を解消して、たとえば貸付年限をふやしてやるとか、一般農家の六分五厘の利息を少なくとも五分くらいに下げてやるとか、特災農家的に基準を広げて三分五厘の利子にするとか、そういう面を考慮してやれば、けっこう借り手はあるのです。必要がないというのじなくて、制限がきびし過ぎて借りられないというところに問題があるのです。そこで当委員会としては、御承知のように、結論は、貸付のワクを三十万円にふやすということも一つであるけれども、年限を八年に延ばしてくれ、私ども社会党は十二年を要求したのでありますけれども、自由民主党との打ち合わせの中で、それでは五年を八年にしょう、前回の特例法では、長期作物に限っては二年に延ばしたけれども、今回は一つ八年に償還期限を延ばしていこうということを決定したわけです。もう一つは、貸付の利率については、特災農家の三分五厘は、これは据置でもいいだろうけれども、一般農家に対する六分五厘の貸付とか、開拓者に対する五分五厘の貸付は、この際一分ずつ下げて、一般農家は五分五厘、開拓農家は四分五厘というように三本立で当委員会では決定をしたわけです。当委員会のウエートとしては、今まで申し上げましたような理由で、貸付限度を広げてもらうより、利率の問題、償還期限を延ばしてもらうところに重点があったわけです。それらの点が今回は全部はずれてしまっているわけですが、これは自由民主党の方からと思いましたが、おいでになりませんので、その間の折衝過程を農林省のどなたでもいいですから、ちょっと明らかにしていただきたい。
#24
○昌谷説明員 いろいろ私ども検討させていただいたわけでありますが、原則的には、伊勢湾台風の際の措置を見まして、それを基準として案をまとめるように進めて参ったのであります。もちろん、伊勢湾台風と機械的に同じにするということでなしに、今回の災害の特殊事情等も考慮いたしました上で、伊勢湾台風においてとられました措置を一つの基準にして対策がまとまったように承知をいたしております。そこで、天災融資法につきましても、貸付限度額につきましては、先ほど来のお話もございまして伊勢湾台風の際二十万円に限度額が広がったわけでございます。実行過程では伊勢湾のときに二十万に上がりましたけれども、その二十万のワクで実行した際の平均貸付残高は、たしか五万円に及んでいなかったと記憶いたしております。そんなような事情もございまして、ワク自身の引き上げにも相当議論があったわけでございます。先ほど私申しましたような事情――個別の農家の中には、融資限度を引き上げていただかなければ困られる方がありますので、限度の引き上げについては伊勢湾に準じ、さらに今回の場合は北海道にも災害がございましたので、北海道も、前例のないことではございますが、当然のこととして引き上げたわけでございます。その他の貸付条件につきましては、いろいろ御議論を拝聴いたしまして、確かに基本的にいろいろ考うべきことはあろうかと思います。これらにつきましては、緊急の間に結論を出すこともなかなか困難でございます。将来の災害対策、あるいは広くいえば農村関係の金利あるいは金融のあり方全体とも非常に直接的に関係をいたして参りますので、十分今後とも検討さしていただきたいと思います。当面災害対策としては、伊勢湾の際にも貸付条件、金利等については現行通りでいったでもございますので、この際はそれでお願いをいたしたいというわけでございます。
#25
○下平小委員 もう一つだけ質問をいたします。当委員会で決定をした中で全面的に削除されておるものが中で二、三ありますが、大きな問題は、自創資金について当委員会としての結論を出したわけです。自創資金については前々から非常に意見もありましたけれども、一応当委員会としては、従来の経過等も十分勘案をして、私どもの方の主張であります貸付年限等についても、五年間、私どもの方は主張を落としまして、そうして結論としては、今の年利率の五分を四分に引き下げる、これを償還期限二十五年以内、据置五年の二十五年ということで三十年にする、この貸付限度については、従来の三十万を五十万にするということで、自創資金についての結論が当委員会としては満場一致でできたわけでありますが、今回の政府・与党折衝の結論を見ますと、自創資金については全然対象にあがっておりません。この間のいきさつを、簡単でいいですから、ちょっと御説明いただきたい、こう思います。
#26
○昌谷説明員 自創資金につきましては、当面融資ワクの弾力的な運用によることとなりました。なお、基本的に貸付条件その他の問題につきましては、いろいろと御議論もございますので、軽々に結論を下せませんので、今後引き続き検討をさしていただきたいということでございます。
#27
○下平小委員 最後にお聞きしたいことは、このプリントの一ページにあります二項目です。「今回の災害対策特例については伊勢湾台風の災害対策特例の基準を超える措置は行なわないこと。」こういう基本的な事項が確認をされておりますが、このことは逆に解釈すると、状況が判明すれば、伊勢湾台風までは今回の災害救済措置は十分に行なうんだ、こういうふうに理解をしていいと思うのです。これは委員長さんにお伺いいたしますが、いかがでしょうか。
#28
○中野小委員長代理 大体そういうことです。
#29
○下平小委員 私の質問はこれで終わります。
#30
○大野(市)小委員 関連して一点だけ質疑をいたしたいと思います。
 天災融資法のことで、ウナギの養殖だけが取り上げられて、そのほかの水産養殖の問題、稚魚の問題が取り上げられておらないのです。これは災害が五月から八月までとワクをはめられましたが、八月の災害のうちで、八月五日の災害と八月二十日の集中豪雨と、ごく最近になってえらい被害が出たわけでありまして、そのために、ただいま問題になりました地方の特産水産物でありますイロコイ、別の名前でニシキゴイというものでありますが、農家の収入として山村地帯においては非常に有望な一つの商売がようやく軌道に乗ってきたところなんであります。その地帯が、この二回の豪雨で押し流されたその場所なんであります。非常に集中して被害が出ております。私も昨日また現場を見て参ましたが、その現場自身の道路そのものが決壊して通れないような場所さえ出ておりますようなわけで、被害の回復に対する数字の積み上げなども、これは技術的に多分まだ届いていないだろうと思います。そういうようなことで問題が出ておらないのじゃないかと思いますが、ウナギの養殖が特に取り上げられるようでありますと――そういう特殊な地方の産物でありますので、稚魚の仕入れにも相当かかるわけであります。何十万円が妥当かという事柄は、そういう状況のものだから、私も、明確にここで数字を申し上げて、この金額ならできるかどうかというふうな質疑の準備がございませんが、二十日の災害でさらに決定的に押し流されておりますので、この点、そういう実情の数字があがってきたならば、まだ臨時国会召集、特別立法の設定までには日取りも多少あるように思いますので、その点、農林当局のそういうときに対する考え方、追加してそれらのものを算入できないか、その点を伺っておきたいと思います。
#31
○昌谷説明員 先ほどお答えいたしました中でも申し上げたわけでありますが、ウナギにつきましては具体的に四十万円必要であろうというお話も伺いまして、限度をきめたような経過でございます。その他につきましては、一応一般的な限度額十五万円を五万円引き上げて二十万円にすることによって、その中でこなし得るであろうという想定で、現在は二十万円という一般ワクの中でこなし得る被害の態様ということで理解をいたしておるわけであります。先生の御指摘のように、そういうウナギの養殖施設に準ずるような非常に重大な問題が出て参りますれば、その際あらためて十分検討はいたしたいと思います。
#32
○中野小委員長代理 ほかに御質問はありませんか。
#33
○芳賀小委員 議事進行に関係しますが、今同僚小委員の質問が行なわれておるが、われわれとしては、八月八日の農林小委員会の要綱案というものを一応今までは基礎にして、これを全体協議会にかけて国会の答申にするということで進んでおるのですが、きょう配付になった資料を見ると、自民党案とか、それから出所不明のこういう要綱も出ておるわけです。これがどういうふうな経緯で変わってきたのか、小委員長から概略の御説明を願いたいと思います。
#34
○中野小委員長代理 これは資料ではなく、参考として出したものであります。大体先日の小委員会でお話のありましたようなことを骨子にいたしまして、やはり党側と政府側と折衝しなければなりませんので、その過程において大体話のまとまったものを一つの参考として出したものでありまして、そういうふうに御了承願いたいと思います。
#35
○芳賀小委員 きょうの協議会の進め方はどういうことでやるのですか。
#36
○中野小委員長代理 先ほど理事会で大体お話いたしましたのですが、この参考資料を中心にいたしまして大体のところできょう小委員会の意見をまとめて、そして午後の協議会の方に小委員長の報告を行なおうという話し合いが理事会でできたわけでございます。
#37
○芳賀小委員 そこで、与党の参考資料ですが、これは政府当局と打ち合わせて政府側における最大限度の要綱案というふうに解釈していいわけですか。
#38
○中野小委員長代理 そうです。
#39
○芳賀小委員 与党においては最小限度ですか、最大限度ですか。
#40
○中野小委員長代理 速記をやめて下さい。
  〔速記中止〕
#41
○中野小委員長代理 速記を始めて下さい。
#42
○下平小委員 この対策要綱の中で特に農林省に対して御要望しておいたことは、例の共同利用施設の関連で、天竜社関係を十分めんどうを見ていただきたい、こういうことで、法的措置についても、行政措置についても一つ御検討をいただきたいということをお願いしておきましたが、それらについて今日まとまっていれば成案をと思いますが、新聞等で拝見しているだけで正確なことがわかりませんので、今日の段階で天竜社救済等についてどの段階まで行っているか、それをちょっとお聞きいたしたいと思います。
#43
○昌谷説明員 先般申し上げたかと思いますが、天災融資法なり暫定法なりでできるだけの手厚い援助をすることもさることながら、総体としての今後の組合の運営がうまくいくように、全体として関係者が応援、協力をいたしませんといけないと存じまして、その線は、蚕糸局、県庁、系統農協の金融機関あるいは農林漁業金融公庫等にも参加をしていただきまして、引き続き検討を続けていただいておるわけでございます。ただ、その過程におきまして、たとえば、天災融資法でといいう条件の資金がどのくらい借りられるかとか、あるいは施設についての国庫補助金がどういう程度に出るかとかいうようなことがきまりませんと、やはり金融機関なり何なりの方の援助のやり方も具体的になかなかきまらないというようなことでございまして、そこで今回の立法措置としてお願いをいたそうと思っております中でごらんのように、連合会の経営資金につきましては、貸付限度を二千万円まで引き上げていただくことにいたしております。このことは、伊勢湾台風の基準を最大限にしろという一般原則から実ははみ出しております。必ずしも伊勢湾台風の引き写しではなくて、伊勢湾台風通りにやらなければならないことはその通りにやって、以下であっても差しつかえないものは以下にし、それからこれは唯一の例外として、伊勢湾台風のときには二千万円にはなっておりませんでしたけれども、特に天竜社等のこともありますので、二千万円に引き上げていただくというような方向で私どもはやらせていただきたいと思っております。
 それから、共同利用施設の補助率につきましては、補助方式等については今後いろいろ検討が必要でございますが、補助率は一応最大限九割まで上げるということに部内の意思が統一されておりますので、これらが具体的になりますれば、さらに先ほど申し上げました関係機関による再建方策もより具体的に進行ができると考えております。
#44
○中島(巖)協議委員 今天竜社の話が出たから、関連して官房長にお尋ねしたいと思う。災害復旧ということの根本的な農林省の考え方についてお尋ねいたしたいのですが、農地、農業用施設、林道、これらを一括して災害復旧ということは、結局その産業が平常な稼働のできるということが災害復旧の根本的な目的であろう、こう私は解釈するのです。そこで、たとえば償却をしたあとの現存の帳簿価格はどうであるかというような問題は、保険屋の考える方式であって、災害復旧の考え方というものは、その設備が完全になってそうして完全な操業ができる、それがおそらく災害復旧の基本的な考えであらねばならぬ、こういうように考えておるわけであります。そこで、具体的な問題として天竜社の場合であるが、九〇%補助になったことは、われわれとしても非常に欣快にたえないのであるけれども、それが保険屋方式の現存価格あるいは帳簿価格におけるところの価格に対して九〇%補助というようなことになると、せっかく九〇%補助であっても、完全な操業ができないということで、災害復旧そのものの基本的な精神、趣旨からはずれるのではないか。災害復旧は、あくまでも完全な操業のできるまで建て直してやるべき性質のものである、こういうように考えるのですが、農林省の基本的なこれに対する考え方はどうであるか。さらに、具体的に天竜社の市田工場に対して九〇%適用した場合に、それがどのくらいの金額になるか、完全操業をするためにはどれほどの建設費が必要か、これらの点について、天竜社の問題は、当委員会として本設立以来ずいぶん問題になっておるのだから、農林省としても腹案が必ずあると思う。その点についてお考えを承りたい。
#45
○昌谷説明員 共同利用施設の災害復旧暫定措置法による補助の場合に、残存価値を補助の一つのめどにいたしておりますことは、従来の行政の査定基準としてそういう措置を講じております。このことは、元来施設が主として融資によって行なわれたものが多い、あるいは本来償却をしておる施設であるという趣旨から出た基準であろうと思います。そこで、公庫資金等による融資で施設をなさっておる場合に、償還が相当程度進んでおって、その過程で災害をお受けになったという場合に、未償還分についての補助率が議論されることも、筋合いとしてはあるいはそうあるべきことではなかろうかと私ども思います。しかしながら、現地に実態にぶつかって参りました場合に、そういう企業的な償却その他が十分な計画を持って進んでいないような事例にぶつかった場合などには、その査定方式が具体的にはなかなかお気の毒に感じられる場合もないことはございません。しかしながら、本来の施設の性質そのものがそういう施設でございますので、やはりそういう査定基準によっていただくことはやむを得ないと考えております。天竜社の具体的な場合につきましては、おそらくこの暫定措置法による共同利用施設の復旧費の補助金のほかに、排土に要する事業がかなりあるわけでございます。そこで、排土についての事業費あるいは補助がやはり別の立法措置で出ることがきまるようになりますので、排土についての補助金がどれだけ出るか、それから今の公庫の借り入れ残高が約九千万余あったかと思いますが、それについての条件緩和をどれだけ公庫の方が協力するか、それらと関連いたしまして、かりに最高限度の九割があの施設に適用になったとして、総合的にどういうふうになるか、もう少し研究してみたいと思います。災害直後の非常にラフな計算での数字は私どもも持っておりますけれども、今せっかく具体的にそういう補助のいろんな手段が固まりまして、やっと具体的に作業しておるところでございます。その新しい具体的な数字は、まだ十分調査が行き届いておりませんので、私承知しておりません。
#46
○中島(巖)協議委員 官房長の今のお答えも、われわれ納得できないことはないけれども、あくまで完全な操業ができる形に持っていかないと、災害復旧の目的が達しないわけでありますから、ただいま言ったようないろいろな措置を講じてなおかつ不足のときには、やはり平常運転のできるような措置を考究していただきたいことを要望すると同時に、これらの施設なんかの災害復旧に対しては、今回の仕方がないといたしましても、根本的に法律そのものを考えねばならぬのではないか、こういうように考えるわけであります。
 以上を要望して、私の質問を終わります。
#47
○下平小委員 今の事業資金の二千万円のワクが広がったことは大へんいいことだと思いますが、償還期限は三年で、六分五厘ということになるのですか。その利子と償還期限はどうなっておりますか。
#48
○昌谷説明員 借り入れ限度の引き上げは、伊勢湾の前例にかかわらずやっていただきましたけれども、その他の条件は、個人の借り入れ資金の場合と同様、六分五厘、三年ということでございます。
 そこで、先ほどの御要望とも関連してちょっと補足させていただきますけれども、共同利用施設あるいは農業協同組合の施設という特殊な事情もございまして、一般の商工業者の同種の施設にはない助成がこのように講ぜられるわけでございます。私どもとしては、農業協同組合という特殊な役割から見て、そういう援助はぜひあるべきだと思っておりますけれども、やはり一般との均衡その他の事情も考えなければなりません。一応この程度せい一ぱいの補助でいただいて、あとは系統全体あるいは金融機関、特にそのためにあります農林漁業金融公庫でありますとか、中金といったような金融機関が、その国の助成を足がかりにして、総がかりでその組合の再建方策を立てていただくというふうに私どもは強力な指導をいたしたいと思っております。
#49
○下平小委員 伊勢湾台風のときには、一般の経営資金は、果樹だけ七年に二年延ばして、事業資金を五年にしたような記憶があるんですが、伊勢湾台風では五年にしなかったんですか。その点ちょっと聞かして下さい。
#50
○昌谷説明員 そういう特例は伊勢湾のときにはなかったように思います。
#51
○芳賀小委員 二、三点尋ねますが、第一は、農林水産業施設災害復旧の中で、小委員会案によると、法改正によって、第二条第八項の、いわゆる五十メートルの間隔で連続というのを、百メートルの間隔にまで認定を拡大するという点については、政府としてどういうふうにこれを考えておるんですか。特に小災害が多いですからね。
#52
○昌谷説明員 この点につきましては、今回新たに、いわば今後の災害についてのルールとでもいうべき小災害についての一つのルールを作っていただき、そこで小災害がこういうことで拾われて参りますれば、当面そういう御趣旨で出ております地方の希望もこなせるであろうと申しますか、要望にこたえ得るであろうという趣旨で、特に本法の方は手を加えなかったわけです。
#53
○芳賀小委員 手を加えなくてもこれを生かせるというんですか。
#54
○昌谷説明員 従来も査定の段階で必ずしも非常に機械的なことをやっておったとは思いません。そういった点については従前の取り扱いと変わることはございません。
#55
○芳賀小委員 そこをはっきりしてもらわぬと、行政措置でやれるならやれるとか、やれなければ――別にこっちが頼んでいるのじゃないんですよ。やれなければ、国会でこれをやれるようにしなければならぬのですからね。
#56
○昌谷説明員 小災害をこのような方法で、復旧を市町村からの補助金、市町村営という形で見て参りますことによって、実際上はそういう必要はないと思います。
#57
○芳賀小委員 必要がないというのは、いわゆる五十メートル間隔でやるべきだということなんですか、それとも、五十メートルとか百メートルというそのこと自体が変であって、こういうのは根本的に是正して、やはり水系とか流域が全体災害を受けるというような場合には、単に五十メートルだからいいとか、六十メートルだからだめだ、こういう認定そのものに最初から間違いがある、これは根本的に間違っているから、別の角度で改めるべきであるというのであれば話はわかるが、これは改める必要はないということになれば、問題があると思うのですがね。
#58
○昌谷説明員 確かにそういった感覚で制限をすることが実態に合っているかどうかということは、根本論は御指摘の通りだと思います。それらの点につきましては、多少時日をいただきまして十分検討さしていただきませんと、にわかに結論は出しにくいのであります。そういった制限の仕方を距離でやることが唯一のやり方であるかどうかという点の御指摘については、私どもも今後検討させていただきたいと思います。
#59
○芳賀小委員 それじゃ、今まで通りの方法でやるというのですか。災害の査定の場合は五十メートルでやるというのですか。
#60
○小川説明員 五十メートルをこえた場合におきましては、一貫した仕事と認定される場合には当然災害の復旧を行なうことができます。五十メートルを百メートルにしなければ重大なものが落ちるというような事態にはならないと思います。
#61
○芳賀小委員 次に、天災融資法の運営の問題ですが、開拓者の災害資金の運営と関連して、開拓営農振興法の去年の改正では、振興組合に認定された組合地域で災害が出た場合に、これは天災融資法によらないで、営振法によって災害資金を積極的に出せることになっておりますね。例外も加えるということで去年やったわけですね。開拓者のそういう振興組合地域内でも相当災害が出ている、その場合に、天災融資法では、従来よりもほんとうの消極的な考え方が出ているが、しかし、少しでも改善してやろうということであれば、営振法の方の災害融資というものは、これに見合ってある程度改正あるいは改善した措置をやるつもりかどうか。
#62
○昌谷説明員 その点は、開拓者に対します天災融資法につきましては、御承知のように、利率等についての段差を設けて、一応の優遇措置があるわけでございます。そこで、そういった天災融資法の資金融通の進行の度合い、あるいはその中には連年災害をこうむっておられる開拓者もあろうと思いますが、またそちらの方の措置も必要が出てくるかと思います。それらをにらみ合わせまして、御指摘のような特殊の開拓者についての融資措置についても、それら一般の災害の場合のまず第一段の援護措置の進行状況をにらみ合わせましてさらに検討さしていただきたいと思っております。
#63
○芳賀小委員 次に、既往の災害によって天災融資法による融資を受けて、まだ返済の終わらぬところがあるのです。そういう場合に、連続災害のようなことになれば、返済能力というものは全く失われているわけです。これは積極的にいえば、いわゆる天災融資法の精神に基づいて損失処分をしていくのが当然だと思うが、なかなか損失処理を今まで政府がやらぬわけです。今度の場合には、連続災害の地域における分については、そういう積極的な返済能力のないものについてはこれを損失処理するようなことでもっていくか、そういうことを全くやらないで、また延納処置とか、あるいは再貸付というような形でやるか、その点を伺いたい。
#64
○昌谷説明員 損失補償できれいにしてしまうというのが、制度の発足のときの本旨であったと存じております。実態として、そういうふうに処理をした方が関係者がみな好ましいという御意見のところでは、そういう処理を従来もやっておりますし、今後もそういう処理を――農林省の方がいやがってやっておらぬわけではございません。ただ、現地の事情をいろいろ聞いてみますと、損失補償による打ち切り措置は一時的には恩典なのでありますけれども、そういう措置を受けたあとが、なかなか系統資金が借りにくくなりましたり、近所の肩身が狭くなりましたりといったような、理外の理があるようでございます。そこで、法律一辺倒で、損失補償があるからいいじゃないかといっておるわけにも参らないのが実態というふうに承知しております。そこで、天災融資法のワクの算定に当たりましても、連年災害を受けられた農家が償還不能になられたような場合に、今回のワクで新しく旧債を借りかえていただくという、ワクにそういう旧債借りかえのゆとりも実は計算をして二十万円というようなワクをお願いしておるような次第でございます。そういった、法律に書いてある通りやることが、必ずしも実態の、地元の方の御希望に沿わない場合には、そういう乗りかえ措置ということもまた必要ではないかということで、事情に応じて両様のかまえでいくというのがこの際必要であろうと考えております。
#65
○芳賀小委員 それでは、損失処理もやれるが、大部分は再貸付でいくということになりますね。それはワク外でしょう。それを二十万とか二十五万とかワクの中に入れてしまらと、前の借金だけで、今度の災害の経営資金は幾らも借りることができないということになりますね。
#66
○昌谷説明員 その点は、従来の十五万円の場合でもそうでございますし、過去の伊勢湾台風のときにもそうでございますし、今回も同様でございますが、そういう借りかえられる方の大かたの数、あるいはそういうこの地域におられる方の既往における災害を受けられた頻度なり、あるいはこの地域における天災融資法の既往の貸付残高なり、それらを勘案いたしまして二十万円のワクを用意をしておりますので、ワクの中で処理ができると考えております。
#67
○芳賀小委員 それはおかしいじゃないですか。農林省が一応考えておる内地二十万、北海道二十五万というのは、今次の災害によって天災融資法を通じて、そして経営資金をこの限度貸し出す必要がある、そういうことになるわけでしょう。それから、もう一つは、前の災害によってまだ償還未済の金額が残っておる。これは当然もう返済の能力がないわけですね。その分に対しては借りかえ措置を講ずるということになれば、これは別途に扱わなければならぬ。だから、今度の災害については、たとえば内地二十万の限度で貸付を行なう、しかし、既往の分に対してはまだ十万円残っておるということになれば、二十万円の新規貸し出しと十万円の分の再貸付ということにならなければ、これは天災融資法の精神に違反するわけです。それができないのならこれは損失処理をした方がいい。それをわざわざ生かしておいて、それがもう十万円残りがあるから、あと十万円しか貸せぬということになると、これは問題じゃないですか。
#68
○昌谷説明員 御質問の趣旨をあるいははき違えておるのかもしれませんけれども、天災を受けられました農家で現に今年度必要とする資金は、この天災融資法で新たにお貸しするのが当然のことではないかと私は思います。そこで、旧債について本年償還期限がきておって返さなければならぬ金があるということであれば、それは当然本年度の経営資金の中に入れて考えておかしくないのじゃなかろうか、そういうことでありませんと、むしろ借りかえ自身がおかしなことになります。借りかえと申しますか、その償還財源を新たに貸すということでありますから、それはやはり本年度に必要な経営資金というふうに私どもは理解をして貸しておるわけであります。
#69
○芳賀小委員 それはただ今度は証書面の金額になりますね。古いやつが十万円入るわけだから――首をひねったって、そうなるのです。だから、そういう場合であれば、これはもう返済能力はないのだから、損失処理するのがあたりまえでしょう。財源確保をやる考え方だけが優先しちゃって、古い分が今度新しい証書に書きかえますということになるのじゃないですか。
#70
○昌谷説明員 御質問の御趣旨が、二十万円というワクそのものにそういうものまでカバーするだけのゆとりを見ているかどうかということでございますれば、それは十分検討して、そういう本年度の償還を必要とする資金をこの中から新たに供給できるという見当を十分つけて計算した限度額でございます。
#71
○芳賀小委員 おかしいじゃないか。それなら再貸付をしないで、既往の災害資金に対しては、今回の災害被害を受けた農家に対しては、償還を三年間なら三年間据置という形で延期するというようなことにした方がいいんじゃないですか。そういうことになってくれば、二十万円というのは今度の災害だけに対して借り受けができるということになる。これは天災融資補償法で場合によって返さないでもいいという精神が入っているのでしょう。
#72
○昌谷説明員 これは返さないでいい農家であっても、もちろん、法律では、この二十万円という限度と、別に政令で定める限度と両方にらんで、いずれか低い額というのが具体的な農家の額になるのは、御承知の通りと思います。一応二十万円というのは、そういう場合のことも予想したワクであると申しましたけれども、具体的に、そういう旧債で本年度償還する必要のない農家につきましては、もちろん、前向きの資金として限度一ぱい借りることも可能でございます。従いまして、二十万円という限度は、そういうお気の毒な場合で、しかも損失補償にかけることをお好みにならない方が、支障なく将来の営農を続けていくための資金手当ということを十分考えて作った限度額でございます。
#73
○芳賀小委員 それじゃ具体的に申しますが、甲と乙の農家があって、今度の災害による被害度合いというのは全く同じである、甲の農家は古い天災融資を借りていない、だから、その甲の農家は今度の災害によって二十万円までの借り受けができた、しかし、乙の農家は、甲と同じ被害の度合いであれば、前回の負債を十万円持っておったことによってそれが借りかえになる、そういうことになると、新規の分は事実上十万円しか借りて使えないということになるのです。被害が同じであってもそういうことになると思うのです。だから、やはり貸付限度というのは、当小委員会で考えたように実情に合ったようにすべきであって、特に今回の災害の場合、連続災害の地域が主要地域ということになっている。そういう点を政府の役人としては十分頭の中に入れてやらぬと、何ぽ苦しい目にあっても、借金だから取り立てるということであれば、もう少し思い切って限度を引き上げた方がいいのじゃないですか。
#74
○昌谷説明員 具体的な設例としてたとえでおっしゃいましたのですから、しいて別に議論をする必要はないと思っておりますが、天災融資法の今年度の償還所要金額でございますから、そう十万円というようなことに実際問題としてなるとは私は考えておりません。実際問題としては、二十万円のワクの中で、そういう需要があればそういうものは上乗せをしていくし、そういうものがない方は上乗せの要がないということで、円滑に処理はできると思うのであります。
#75
○芳賀小委員 それはあとで議論しますが、その次に、たとえば土地改良区の賦課金の問題があります。これは過去の事例からいっても、天災資金を流す場合、内容を区分して、土地改良区の賦課金が納入できないという被害農家の場合は、これは経営資金の中で認めておるわけですから、従来は内容を区分して末端に流したという先例もありますが、今度の場合の貸し出しについては、土地改良区の負担金等については十分これを取り入れて処理するのか、貸し出しをやる場合には、その目的に沿ってそれが流れるように行政的な指導をずる考えか、その点をお尋ねしたい。
#76
○昌谷説明員 二十万円を計算いたします際の根拠としては、そういった土地改良区の負担等も考慮に入れて積算がいたしてございます。それを一般ワクとして特にひもをつけないで実行をしておるわけでございます。過去に特に何か別ワクというようなことをやった例があるかどうか私よく承知いたしておりませんが、なお農地局の方とも相談をいたしまして、非常に緊急度が高ければ、運用上御相談してみたいと思います。一応二十万円の限度額にはそういう負担も入っておりますので、支障なく処理できると思います。なお、災害激甚地等につきまして、公庫資金等、土地改良区に対する貸付条件の問題は、これはやはり別途災害の態様に応じ、その土地改良区の実情に応じて公庫と具体的に御相談をいただいて遺憾なきを期したいと思います。
#77
○芳賀小委員 次に、たとえば自創資金の問題ですが、当小委員会案においては、法律の改正を行なって積極的にこの際運営するということになっておるが、これは政府案にも与党案にも載っていないのですが、自創資金を通じてどの程度災害対策に臨むかという点を御説明願いたい。
#78
○昌谷説明員 これは天災融資法の、現在集中豪雨に対しまして、七月上旬までの被害を基礎にして十六億の資金ワクを政令で定めて実行に移しておりますことは、御承知いただいておると思います。なお、その後の被害が判明次第追加をいたしまして、その十六億のワクに必要なワクの拡大をいたします。そういった天災融資法の今回の一連の災害に対します貸付ワクが、現地におきますそれがこなれ方を十分見定めました上で、現地の県庁その他と十分御相談した上で、さらに自作農資金によらざるを得ない所要額を伺いまして額の設定等をいたしたいと考えておりますので、まだ今のところはワクはきめておりません。
#79
○芳賀小委員 自創法の場合は、政府が行政的にやれる範囲というのは、貸付限度の引き上げはこれは当然やれるわけですね。それから当然臨時国会に災害の補正予算も出てくるわけですから、事前に貸付限度を引き上げておいて、そして従来の平常な自創法の運用はもちろんですが、災害対策の一環として自創資金を出す場合には、当初の資金の計画を改定してやはり増額して融資を行なうということでなければだめなんです。ですから、これはやはり限度を少なくも五十万円くらいには災害対策として引き上げておく必要があると思うのですが、いかがですか。これはやる意思があるのですか。
#80
○昌谷説明員 伊勢湾台風の当時は貸付限度は二十万円でございました。今年度からそれを三十万円に引き上げて実行するようにいたしておりますことは、御承知の通りでございます。一応私どもは今年度から初めて自創資金の貸付限度額を三十万円に引き上げたわけでございますので、その実行状況で判断をいたしたいと思います。大体過去の事例が二十万円で一応おさまったわけですから、機械的に考えれば、今度が三十万円になったのだから、相当従来よりもより実態に沿い得ることになったと思います。なお、三十万円にしてなおかつどうであろうかという問題については、実施過程の結果を待って十分検討さしていただきたいと思います。
#81
○芳賀小委員 それでは、現在のところは、限度額の引き上げとか、自創法そのものの改正を政府から持ち出すということは、臨時国会等においてはやらぬ方針ですね。
#82
○昌谷説明員 今のところ考えておりません。
#83
○芳賀小委員 あと二、三、行政的な簡単な問題ですが、たとえば、被害農家に対して政府手持ちの米麦の延納貸付等をやるような必要地域があるかないか、あれば、それはやるかどうかという点を伺いたい。
#84
○昌谷説明員 具体的な数量、金額等はちょっと失念いたしましたけれども、すでに初期の被害の激甚地でありました長野県と数県につきましては、延納売却の措置を講じております。今後とも関係府県と十分御相談いたしまして、御希望あるいは必要があれば、市町村あるいは府県に対する特別売却延納という措置をとって参りたいと思います。
#85
○芳賀小委員 次に、米産地帯の政府と事前契約を結んだ農家が出荷ができないという場合、いわゆる前渡金の問題が出てくるわけです。これは昭和三十一年の冷害のときにも取り扱った前例があるのですが、現在政府と生産者の間における事前売り渡しの約定等において、これは行政的な運用はできるというようにわれわれは考えておる。今度の場合でもそういう事例が出てくると思うわけですが、どういうふうに扱うか。あわせて農協等の代位弁済の問題もあると思うのですが、それも一括して……。
#86
○昌谷説明員 御指摘の通り、問題がございます。これにつきましては、過去にも農協の代位弁済等による措置を講じて参ったことも、御承知の通りであります。今回も、事情が同様であれば同様の行政措置でやって参りたいと考えております。
#87
○芳賀小委員 農協が代位弁済できない場合、しがたい場合が出てくるわけですね。集中的に農協の主要地域がやられるとかして……。代位弁済の制度があるから、集荷業者である農協も政府に売り渡した分から差し引いてしまえばいいのだという、そういう簡単なことにはいかぬと思うのです。これは次の国会等で間に合う問題ですが、こういう点については相当愛情のある態度で臨んでいかぬと、特に河野農林大臣などは食管法の改正などを言い出しておりますから、そういう点を明らかにしていただきたい。
#88
○昌谷説明員 先ほど私お答え申しました通りで、従来、そういう場合には単協、あるいは単協が独力で困難な場合は連合会というようなことで、全集荷系統でそういう共済的な措置を講じておられることは、御承知の通りでございます。今後もそれで同じように処置をして参るということで尽きると思います。大体そういう具体的なお話がございますれば考慮いたします。なお、詳細につきましては、食糧庁の経理部長がおられますので、もし必要があれば補足していただきたいと思います。
#89
○芳賀小委員 それは大体わかっておるからいいけれども、最後にもう一点、農薬と、それから被害地の再播した種子の問題とか、あるいは肥料、こういうものは、前の委員会等においても、昌谷さんから、積極的な助成措置を講ずるというような説明があったのですが、これらはどのように処理されたか。
#90
○昌谷説明員 苗あるいは種子等については、まず現物の確保ということで今までやって参りました。今後、それら措置のうち、特に県の助成が必要であるというようなものがだんだん出て参りました場合には、具体的に関係省とも相談をして善処いたしたい、さように考えております。
#91
○芳賀小委員 善処じゃなくて、あなたは補助金を出すというようにこの間言ったじゃないか。農薬については、共同防除等を積極的にやった地域にはどの程度の補助金をやるかとか、それから再播の種子に対しては、どうするんじゃなくて、もうどうしたという時期ですからね。それから肥料の補助がどうなっているか。苗の輸送とか、そういうものをやりますということを最初言ったでしょう。だから、もうこういうふうにやりましたということでなければ、熱意がないと思う。
#92
○昌谷説明員 お言葉でございますが、やりますというふうにお答えした記憶は私はございませんが、いずれにいたしましても、それらの措置についても、災害のつど、農林省は、御承知のようにいろいろ具体的に指導し、必要があれば助成をやっております。そこでできます限りのことは今回にも及ぼしたいということでやっておるわけです。ただ、従来と申しますか、現在のところは、まず法律措置を必要とす災害対策について重点をしぼって大蔵省とも折衝しておりまして、その残余のものは今後の折衝に残されておるというのが実態でございます。
#93
○芳賀小委員 中馬さんに申し上げますが、今回の災害対策の模様を見ると、農林省以外の各省は相当積極的にやっているようですが、農林省の災害対策の態度は非常に熱意がない。それは、肝心な農林大臣が、当面した災害対策なんか投げ出して、農民や国民が賛成しないような食管法改正の河野構想などという、そんなものだけ全国的な演説に歩いておるというようでは、農林省の役人は大臣の鼻息をうかがって、食管問題だけに集中したような動きが多いわけですね。これはけしからぬと思うのです。きょうあたりは当然河野さんが国会へ来て、一番おくれておる農林省の災害対策はこうしますくらいのことを言わないと、実力者などとほらを吹いたって、何にもやってない。ほかの各小委員会は全部こういうふうにやるということがきまっておるが、農林関係の小委員会においては、非常に圧縮された政府と与党との話し合いの方針さえまだ決定しないというようなことになっておる。かりそめにも大臣の補佐役としての政務次官が来ておるが、私の指摘したことに間違いないでしょう。どうですか。
#94
○中馬説明員 大臣は省議その他においては、常に、今回の風水害に対する特別立法については伊勢湾と同様にせよという強い要求をされておりますから、決して災害を軽く見ておるということはないと思っております。
#95
○小林(進)協議委員 ちょっと関連ですが、芳賀さんが私のお聞きしたいことを全部聞いてくれたのですけれども、私は一つだけ言います。
 さっきの天災法の問題だが、既往の災害でまだ貸付の残額が残っているという、その問題じゃなくて、一年のうちに二回も災害を受けてようやく天災法の適用を受けて借りたばかりなのに、また同じところで災害が起きている。一年に二口だ。こういうのは残額じゃないのですかね。こういうことが今の官房長の答弁じゃどうも納得できないのだが、どうですか。二回の連続災害を受けて、前に借りたばかりなのに、またこのたび借りなければいけない。これも今までのように償還をせよということになれば、ちょうど倍ずつ返していかなければならない。どうですか、官房長、こういう問題に対しては何か特別な措置を講じてもらわなければ、前のやつだってまだ一口も返していない。借りたばかりです。これを全部パーパーに処理してくれということもいささか困難かもしれませんけれども、たとえて言えば、こういう一年のうちに二回も天災法の発動を受けて困っているというものについては特例を設けて、期間を二倍にするとか、前の口はただにしてくれればなおさらいいが、そのまま二十万円というワクの限度で、その中で返せというようなことでは、あまりに血も涙もない、実情に即しない御意見だと思うのですが、一つお聞かせ願いたいと思います。
#96
○昌谷説明員 天災融資法は、御承知のように据置期間を二年置いております。そこで、今のお話しの点は、本年度中に重ねて二度災害を受けられた気の毒な農家ということでございますが、それは融資で対処するだけでは十分でないという意味でいろいろ考えなければならぬ点があろうかと思いますけれども、融資の措置としては、災害のつど天災融資法のワクが設定をされるわけでございますから、その場合に前回の災害もつっくるみで二十万という趣旨でございませんことだけはお断わりしておきます。
#97
○小林(進)協議委員 それはわかっているのですが、前のものと、今度のが天災融資法の適用になるかどうかわからぬけれども、多分私は今までの経緯から見てなると思う、そうすると、前の口とこれは別だけれども、返す本人は一人だ、二口を同じ条件で返さなければならぬから、負担が二重になるじゃないですか。被害を二回受けて天災を二回借りているのだから、同じ期間で同じ人が、ほかの人より二倍になるか一・五倍になるか、それを返していかなければならぬから、非常に苦しいじゃないか。こういうような、まだ前の悲しみ、前の被害の消えないうちにまた被害を受けている人たちのそういう融資は、特例を設けてくれてもいいじゃないか、こういうことなんです。あるいは前は十五万円かもしれません。今度は二十万円かもしれません。しかし、十五万円でも二十万円でも、同じ据え置きなら据え置きを置いてやはり年々返していかなければならぬじゃないか。三十五万円をこの人は返していかなければならぬ。同じ条件ですからね。それじゃあまりかわいそうじゃないか、こういう方々には特例を設けてもらいたい。私の言う趣旨はわかりますか。
#98
○昌谷説明員 天災融資法の貸付限度額は、当該農家の一年分の所要経営資金というものを一つの基礎にしてきめられているわけであります。そこで、異なった作物について連続的に災害をお受けになったような場合には、二度お借りになるようなことも起こり得ると思います。そういう場合、ちょうど先ほどのワクを拡大するという問題と関連をいたしますが、金融措置だけで全部が片づくというふうに考えますと、当該農家にとっては翌年度以降に大へん重い償還義務が残って、なかなか平常の経営収支では償還がむずかしいという問題になるということであろうと思います。それの極端な事例の場合には、先ほど話の出ました自作農資金による救済ということまで突き進む場合があるわけであります。平常の場合でありますれば、そういった償還は、翌年度以降の営農資金の中から出していただくということでやるわけでございますが、御指摘のように、非常に極端に災害の重なったような場合については、財政資金の自作農資金に乗りかえるということでお救いする。基本的には、金融措置で災害が全部片づくというふうには私どもも考えておりませんので、いろいろ農営の改善その他積極的な施策、施設の災害復旧等、そういった全体を考慮して農家が立ち行くようにお手伝いをするということであろうかと思います。
#99
○小林(進)協議委員 私は了承できないのですが、この席ではこれでやめておきましよう。
#100
○中野小委員長代理 午後一時三十分より小委員会を再開することとし、この際暫時休憩いたします。
   午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時三十三分開議
#101
○中野小委員長代理 休憩前に引き続きまして、農林小委員会を開きます。
 小委員各位の御意見につきましては、おおむね了解いたしました。委員各位の御意見につきましては、関係当局と折衝の結果一部修正をいたしました点は、引き続き開かれます災害対策協議会において、私から御報告をいたしますので、御了承を願います。
 農地等の小災害の復旧事業については、厚生等小委員会において、地方公共団体の起債の特例として、本委員会の意見と同趣旨の対策要綱をまとめておるようでありますので、この際、厚生等小委員会におまかせすることといたしますので、御了承願います。
 なお、堆積土砂及び湛水の排除に関する特例については、建設小委員会において、本委員会の意見と同趣旨の対策要綱をまとめたようでありますから、建設小委員会におまかせいたしますので、さよう御了承を願います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○中野小委員長代理 これにて散会をいたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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