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1960/07/27 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会 第8号
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1960/07/27 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会 第8号

#1
第038回国会 災害対策協議会 第8号
昭和三十六年七月二十七日(木曜日)協議会にお
いて次の通り小委員及び小委員長を選任した。
 建設小委員
      遠藤 三郎君    小川 平二君
      木村 公平君    木村 守江君
      佐藤虎次郎君    首藤 新八君
      石川 次夫君    岡本 隆一君
      勝澤 芳雄君    中島  巖君
  建設小委員長 遠藤 三郎君
 農林小委員
      秋山 利恭君    大森 玉木君
      金子 一平君    竹下  登君
      中野 四郎君    野田 武夫君
      角屋堅次郎君    久保 三郎君
      下平 正一君    玉置 一徳君
  農林小委員長 秋山 利恭君
 厚生等小委員
      赤澤 正道君    北澤 直吉君
      瀬戸山三男君    辻  寛一君
      内藤  隆君    増田甲子七君
      宮澤 胤勇君    加藤 清二君
      北山 愛郎君    五島 虎雄君
  厚生等小委員長 宮澤 胤勇君
―――――――――――――――――――――
昭和三十六年七月二十七日(木曜日)
   午前十時四十二分開議
 出席協議委員
  委員長 辻  寛一君
   理事 秋山 利恭君 理事 遠藤 三郎君
   理事 首藤 新八君 理事 中野 四郎君
   理事 角屋堅次郎君 理事 下平 正一君
   理事 中島  巖君
      小川 平二君    金子 一平君
      木村 守江君    北澤 直吉君
      佐藤虎次郎君    竹下  登君
      増田甲子七君    宮澤 胤勇君
      岡本 隆一君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    井堀 繁雄君
      玉置 一徳君
 協議委員外の出席者
        厚 生 大 臣 灘尾 弘吉君
        自 治 大 臣 安井  謙君
        警察庁警備局警
        備第二課警視  塩飽 徳郎君
        厚生省大臣官房
        長       高田 浩運君
        厚生省環境衛生
        局環境整備課長 金光 克巳君
        厚生省社会局長 太宰 博邦君
        農林省農林経済
        局統計調査部長 久我 通武君
        労働省大臣官房
        長       村上 茂利君
        建設省河川局長 山内 一郎君
        自治省財政局理
        材課長     茨木  広君
        日本国有鉄道施
        設局土木課長  和仁 達美君
        国民金融公庫理
        事       油谷 精夫君
    ―――――――――――――
七月二十七日
 協議委員内田常雄君、川野芳滿君、柳谷清三郎
 君及び玉置一徳君辞任につき、その補欠として
 竹下登君、木村守江君、増田甲子七君及び井堀
 繁雄君が協議委員となった。
同日
 協議委員井堀繁雄君辞任につきその補欠として
 玉置一徳君が協議委員となった。
    ―――――――――――――
協議事項
 小委員会設置並びに小委員及び小委員長の選任
 災害対策に関する事項
 北海道における集中豪雨による被害状況に関す
 る説明聴取
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより災害対策協議会を開会いたします。
 前会に引き続き災害対策に関する事項について議事を進めます。
 一昨日、昨日の本協議会において、建設省及び農林省関係に対する質疑は一応終了しました。本日は自治省、厚生省、労働省及び国鉄当局等に対する質疑を行ないます。
 発言を求められておりますので、順次これを許します。
 北澤直吉君。
#3
○北澤協議委員 私は、先般の集中豪雨によりまして非常な損害を受けました茨城県の桜川の水害対策につきまして、政府、国鉄当局のお考えをお尋ねして確認をしておきたいと思うのであります。
 茨城県におきましても、先般の集中豪雨にあたりましては、中小河川が各地ではんらんをしまして、多大の損害を受けております。桜川におきましても、急激に増水しまして、上流の岩瀬町、それから下流の土浦の両地区におきまして、災害救助法の発動を見るような損害を与えたのであります。沿岸各地におきましていろいろの損害を受けておるわけでございます。桜川は、昭和十五年に着工して昭和三十九年完工の予定でありまして、現在までに大体四億円の事業が行なわれておりますが、あと残った事業が大体二億円ということになっておりますが、本年度、三十六年度はわずかに四千九百万円というふうな予算だけでありまして、今までのような工事の進行状況ではまことに心細い、こういうふうに考えておるわけであります。今度の集中豪雨の損害につきましては、各県とも中小河川に非常に損害を与えておるわけでありますので、政府の治山治水十年計画というものがありますが、今回の集中豪雨の損害にもかんがみまして、一つこの十年計画というものに再検討を加えて、そうして、今回のような損害が二度と起きないように政府に善処を願いたいわけであります。
 まず最初に、河川局長にお尋ねしたいのであります。桜川の改修計画でございますが、今後二億円くらいの事業費を要することになっておりますが、今後どんなふうな段取りでこの改修工事を進める考えでありますか、最初に伺っておきたいと思います。
#4
○山内説明員 桜川の計画でございますが、昨年度治水十カ年計画というものを作りまして、そのうちの前期五カ年計画によりまして着々実施中でございますが、桜川につきましては、前期五カ年計画で二億二千万円、これで完了したいという目途で現在やっております。これは三十五年度以降でございますが、それに対しまして、三十五年度は四千七百万円、三十六年度は四千九百万円、こういう調子に仕事をやっておりまして、この進捗状況から参りますと、五カ年計画は確実に実行できる見通しがついておる、こういうふうに考えられます。
#5
○北澤協議委員 昭和十三年にもこの桜川が土浦市内で決壊しまして、全市内が水をかぶるということで、大へんな損害があったのであります。その後、だんだんと改修工事が進んでおるのでありますが、土浦市を貫通する部分におきましては、まだ未完成の状況でありまして、そういうわけで、市民も、この川の改修につきましては非常な重大な関心を持っております。先般当協議会から茨城県に派遣されました議員団団長の報告にも、この点強調しておるわけでありまして、私が詳しく申し上げるまでもないのでありますが、現地の市、それから住民が、この改修を一日も早く促進をして完成してもらいたいという強い希望を持っておりますので、どうぞ一つ政府におきましても、この改修の促進方について御努力を願いたい、こう思うのであります。
 そこで、問題は、桜川がときどき決壊をするわけでありますが、その一つの大きな原因は、この桜川が土浦市を貫通して霞ケ浦に入るところに国鉄の常磐線の鉄橋があるのであります。そのために、その河口付近におきまして、川幅を広げて改修ができない。国鉄の鉄橋のあれを広げないと、河川改修ができない。従って、鉄橋の上の方はだいぶ川幅を広げまして改修がされておるのでありますが、その一番大事な霞ケ浦に入るところが、国鉄の鉄橋のために改修ができない。こういうことで、そのために、先般の豪雨の際にも決壊をしまして、約八百戸以上の住宅が全部水をかぶった、こういう状態でございます。この国鉄の桜川鉄橋の改築につきましては、建設省、それから国鉄、その他が中心になりまして、現に着工は始めておるのでありますが、その工事の途中に、この間の集中豪雨がありまして、土浦市内においてこれが決壊した、こういうふうなことになったわけでありますが、この桜川の国鉄の鉄橋を広げて、そうして桜川の河口を広げて改修をする、こういうことも一日も早く完成をしてもらいたいという希望が現地の方で非常に強いのでありますが、これについて建設省、国鉄当局から御答弁願いたいと思います。
#6
○和仁説明員 ただいまお話のありました桜川を横断いたしておりますところの鉄道橋、現在四十メートルの長さの橋になっております。おっしゃいますように、非常に狭窄部になっておることは事実でございまして、茨城県と協議いたしまして、三十三年の一月からすでに着工いたしておりまして、百十四メートルに径間を広げるという工事、工費としては約二億円程度の工事でございますが、現在本体工事を終わっております。あそこには、常磐線の上り線と下り線の二線のほかに引揚線が一線、都合含めて三線ありますので、今上り線と下り線の方の工事を終わりまして、引揚線の工事を現在やっておるわけでありますが、来年の六月までには完全に終了いたす、こういう予定になっております。さいぜんお話のありましたように、一日も早く完成いたすように努力いたしたいと思います。
#7
○北澤協議委員 ただいまのお話によりまして、来年六月までにはあの鉄橋を広げる工事を完成したい、そういう方針で進んでおるということでありますが、それと並行して、今の桜川の河口付近の川の改修工事、これについては、建設省の方で、国鉄の工事と見合って改修工事を進めるということになっておるのでありますか、その点はいかがですか。
#8
○山内説明員 国鉄橋につきましては、ただいま国鉄側から御説明した通りでございますが、それに合わせまして、本年度も国鉄の下流になる場所におきまして、引き堤工事をやっております。従って、国鉄橋の仕事の歩調と合わせて引き堤も続けてやりたい、こういうふうに考えております。
#9
○北澤協議委員 先ほどの国鉄の方の御答弁によりますと、来年六月ですかには完成したいということでございますが、現在工事を進めるについて、何かそこにむずかしい問題、土地の買収とか、そういうむずかしい問題があるのでありますか、ちょっと伺います。
#10
○和仁説明員 来年の六月と申しますのは、工事の工程をずっとやっていきますと、これが予定の工程であるということでございます。特にむずかしいとかなんとかという、用地買収その他で困ったという点はございません。
#11
○北澤協議委員 それから、問題は資金の面でありますが、その資金の方はすでに手当が済んでおるのでありますか。
#12
○和仁説明員 さいぜん申しおくれましたが、総事業費二億を国鉄と茨城県でそれぞれ半分ずつ、一億ずつを持つという分担になっております。今年度につきましては、工程に合うだけの予算をとっております。
#13
○北澤協議委員 ただいままでの御答弁で、大体桜川の鉄橋に関係する問題、それからまた、桜川全般に関する改修の問題について、政府及び国鉄の御答弁があったわけでありますが、先ほど来申し上げましたように、雨が降るたびに住民が非常に心配しておりますので、どうぞ一つ今後とも政府、国鉄におきましては、川の改修、それから鉄橋の拡張工事、これにつきまして最大限の御努力をお願いしまして、私の質問を終わります。
#14
○角屋協議委員 今の質問に関連いたしまして、ちょうど河川局長がおいでの機会でありますので、すでに建設省に対する総括的な質問は一昨日行なわれまして、私ども視察をいたしました静岡、愛知、三重のうち、特に建設関係では、狩野川の放水路問題、あるいは天竜川を中心にしたダムとの関連の恒久的な治水対策等の問題については、同僚委員からいろいろな具体的な質問があったわけでありますので、その際質問として落ちておりました三重県関係の揖斐川の問題につきまして、少しくお伺いいたしたいと思います。
 河川局長も御承知かと思いますが、三重県の多度町に関係する問題でありますけれども、多度町には七号輪中というのがございまして、昭和二十八年の災害の際にも、堤防決壊で大災害を受け、さらにまた、過般の昭和三十四年の伊勢湾台風の際にも、再度堤防の決壊によって大災害を受けた地区でございますが、今回の集中豪雨にあたりましては、伊勢湾台風後における災害復旧の効果の関係で、従来決壊した個所方面においては被害はなかったのでありまするけれども、今度は揖斐川本川関係の表小段、堤防の天端を含む裏面側約四十メートルにわたって、六月二十八日の朝に崩壊をしたというふうな事態が生じておるのでございます。これは、一体、どういう原因から揖斐川本堤の裏面がこのように相当な距離にわたって崩壊をしたかということが、一つの問題でありますし、もし、これらに対する適切な措置というものが、台風期までに講ぜられ、さらにまた、恒久的な対策が講ぜられるということにならないと、かつて、ここは明治二十九年の際に相当大きな災害がございまして、岐阜県の南濃町からさらに南下いたしまして、桑名方面にまで相当大きな被害を生ずるというふうな、そういう重要な地点になっておるわけであります。過般、この問題については、建設省では、治水課長も直接現地に行かれて、いろいろ実態を調査されまして、河川局長の方にも報告があったと思うのでありますが、当面揖斐川の本流に関する緊急の対策、あるいは今後の恒久的な対策というものについて、どういうふうにおぜん立てを進めておられるか、お伺いしたいと思います。
#15
○山内説明員 今回揖斐川に相当数の決壊個所を生じまして、やっと水防で食いとめたという個所はたくさんございます。それにつきましては、次の台風季に備えまして、さっそく現地調査並びに設計を作りまして、予備金からすでに、補完個所も含めてでありますが、四億二千六百万円を支出いたしまして、現在応急工事に着工中でございます。いろいろ治水課長を現地の指導に当たらせたわけでありますが、まず応急工事に着工いたしまして、引き続き――今回決壊いたしましたのは、やはり裏の方の補強が足りなかったのではないか、伊勢湾台風につきましては、前面を相当強固にいたしましたが、引き続いて裏小段をやるという工事が、まだ未着工のために決壊したのではないか、こういうように考えております。従って、今回は応急工事をやると同時に、引き続きまして、裏の方の小段の補強もやる、こういたしまして、次の台風に備える、こういう段取りでやっております。
#16
○角屋協議委員 河川局長は相当実態を御承知のようでありますが、今のお話のようなことで、今度の集中豪雨の際には、特にこの地区においては建設省関係、あるいは自衛隊の出動等も求め、地元民の決死的な努力によってようやく災害を未然に防止することができた。しかも、これはちょうど二十七日の夜間の、最高水位時において生起したのではなくて、二十八日になって、若干水が引き始めてから堤防の裏面における崩壊が生じたのは不幸中の幸いであって、もし、これが二十七日の夜半の最高水位時分に堤防の決壊が起こる、こういうようなことになるというと、非常な大災害が惹起されたのじゃないかというふうに思うわけでございます。従いまして、現地側といたしましても、最も信頼しておった揖斐川の本堤関係において、堤防の裏面に相当広範囲の陥没が出たということで、非常な不安の念にかられておるわけでありまして、今後の台風季に備えてとりあえず、裏面におけるところの堅固な内小段を速急に急設してもらいたいという要請や、さらに、恒久的な問題として、やはり裏面、あるいは裏面を含む強靱な、木曽岬方面でやられたようなああいう堅固な海岸堤防を改良復旧として実施をしてもらいたい、こういう強い要請が出ておるわけであります。先ほど来申しておりますように、この七号輪中は昭和二十八年、昭和三十四年の両度にわたって大災害を受け、今度はやっと今言ったような経過で大災害を未然に防止することができましたけれども、今後の台風季に備え、あるいは今後の恒久対策の問題については、現地へも行っておられるわけでありますから、万遺憾のないように、一つお願いをいたしたいと思います。
 それから、さらに、今度の災害調査の際には、遠隔のために、直接現地に行く機会はなかったのでありますが、同じく三重県北牟婁郡の海山町というところに流れております銚子川関係でございまするけれども、これは局長御承知のように、昨年の集中豪雨の際に堤防が破堤をし、さらに国鉄の鉄橋を失わせ、相当広範囲にわたる農地を荒廃させて、数名の死傷者さえも出るという大災害が生じまして、その後銚子川の改良復旧というようなことでやられておるやさきに、今回の集中豪雨によって再び同じところが破堤をいたし、また、鉄橋を流失し、相当長期にわたって国鉄が不通になる、こういう事態に追い込まれたわけであります。ここにおいては、やはり再度の災害の経験からいたしまして、抜本的な改良復旧の河川工事をやらなければならぬ、こういう要請が強いわけであります。現地に行けばわかるわけでありまするけれども、河川がこういうふうに流れて参りまして、直角に大体曲がっておりまして、また、直角に河川が流れていく、ちょうど直角になっておるここのところが水勢の強さでもって破堤をする、そうして新しい河川を生み出す、こういう事態が二度にわたって生じたのでありまして、これはやはり自然にさからうという限度が河川改修の場合には当然考究されなければならぬということを教えていると思うのであります。今回の災害並びに昨年の集中豪雨の経験にかんがみまして、特にここは国鉄、国道等も通っているような重要なところでありますから、この際抜本的な改修対策を立てなければならぬと思いますが、その辺のところを具体的にどういうふうに進められているか、お伺いしておきたいと思います。
#17
○山内説明員 銚子川につきましては、昨年度非常な災害が起きまして、原形復旧ではとても今後処理できない、こういうので、改良費を含めまして、河川助成事業として着工中の川でございます。しかし、まだ未完成のために、今回再び災害を受けまして、われわれとしては、まことに残念でございますが、今回の雨量の点をもう一度再検討いたしまして、再びこういうことがないように、今後処置をして参りたいと思っております。
#18
○角屋協議委員 河川局長にさらに、これは、私災害視察をしての個人的な見解になるわけでありますけれども、たとえば、三重県の四日市方面を視察いたしましたときに、これは三滝川でありますけれども、橋梁をわずか一つ残して、数多くの橋が流れてしまった、こういう事態が生じております。これは単に三滝川ばかりでなくて、災害のときに各地において見られるわけでありますけれども、従来、平坦部では橋脚を建て、その上に橋台をずっと渡すという式のことが常識でありまして、山間部にとられるつり橋のようなものは、平地において考えることはないのであります。しかし、相当な水勢のものが集中豪雨あるいは台風の場合に流れて参りますと、強靱でない橋はどんどん押し流されて、さいの河原のような状態になる、こういうことをしばしば経験するわけであります。これは今後の検討問題になるかもしれませんが、橋脚等を用いない橋梁は、平地においても十分実態に合った設計を検討して――これはもちろん軽度な、人やあるいは三輪やオートバイ、自転車の通る程度のもの、あるいは、さらに大型のトラックその他の通るもの、それぞれによって橋梁の荷重その他考えなければなりませんから、一がいには言えませんけれども、もっと災害に見合った橋梁の敷設、あるいは橋梁のあり方について十分検討する必要があるのではないかということを感じたわけであります。同時に、橋そのものがやはり大衆の利益ということを本位にしてかけられるのでありますけれども、都市周辺に参りますと、相当に密接してたくさんかけられている。それが水勢をそぐ。そしてまた、相当大きな災害の場合には、将棋倒しのように橋をこわしていく。これらのものは、もっと河川に見合って合理的な配置を考える必要があるかどうか、これはなかなか大問題でありまして、一般的な理論というものと、実際の具体的の適用ということでは、なかなかむずかしい現実にぶつかるわけであります。そこで、予想される河川の流量、それからくる強度、それらのものに耐え得る橋梁の配置の限界というものを総合的に考えていくことが、災害対策をあわせ考える場合根本的な問題ではないか、こういうことを実は災害地を回りながら痛感したわけであります。三滝川のような場合でも、たとえば、橋脚をコンクリートの軽度なものに変えて、それが今度やはり流されている。わずかの金で改良したところはこれに耐え得ないという実態が出ている。従って、それらは量より質、配置についてはやはり災害対策の面からもっと総合的な検討が必要ではないかということを感じたわけであります。住民の利益ということと、工学的な面からの合理的な配置ということはなかなかむずかしい現実にぶつかると思いますけれども、単に、ここで橋が流れたから、あるいは何年内に何回流れたから、これを木橋からコンクリート橋へ、こういうふうな機械的な取り扱いばかりでなしに、もっと理論的な根拠に立ったそういう問題の検討ということが、やはり基本的には考えられていいんじゃないか、こういう感じが率直に、災害地を回りながら、あるいは従来の災害の経験からしてもするわけでありますが、それらの問題についてはどういうふうにお考えであるのか、承っておきたいと思います。
#19
○山内説明員 川の面からいいますと、橋梁は非常にじゃまになるわけでございます。しかし、橋梁は絶対必要なものでございますので、どういう構造にすれば治水上影響があるかないかという問題につきまして、従来からいろいろ検討いたしております。特に狩野川の水害におきましてその点が強く感ぜられまして、模型試験までやりまして、一つの径間の長さは幾ら以上であるべきかという点についていろいろ検討しておるわけでございます。従って、新築する橋につきましては、強くその面を治水担当者として申し上げておりますし、災害復旧の場合におきましても、木橋をできるだけ永久橋でとる。従来は、ほとんど木橋である、こういう原則でやっておりましたが、最近は、治水の面から、どうしても木橋で持たないという場合には、できるだけ永久橋でとるというふうに、いろいろ現在配慮して参っておる最中でございます。今後も、なおそういう面につきましては、いろいろ検討いたしまして、治水上万全な措置をとって参りたい、こういうふうに考えております。
#20
○角屋協議委員 国鉄の方、まだおいでですか――国鉄の方に少しくお伺いしておきたいのですが、これは一昨年の伊勢湾台風のときもそうでありましたし、今度の集中豪雨のときもそうでありますが、たとえば、三重県の場合でいうと、集中豪雨なり台風のときには、必ず津の一身田地区では、低湿地帯でありますので、国鉄の線路が水につかって、数日間水が引くまでは線路が通れない、こういう事態がある。これは単に津の一身田地区ばかりでなしに、低湿地帯を鉄道路線が通っておるような場合、重要な経済の動脈としての国鉄の交通路を確保するというふうな意味から、そういう面については、災害対策という問題と関連をして、線路の地上げ等を恒久的に、しかも、計画的に推進をしていく必要があるんじゃないか。そういう面では、もう大体、災害があれば、鉄道の不通個所はあそことあそこだろうというところが必ずやられておる。そういう実態をしばしば経験するわけでありまして、これは国鉄でも、全国的に線路を地形的にも通観するならば、大体見当はつく。それらの問題については、単に新線を作っていく、あるいは特急車を作っていくというばかりでなしに、庶民の交通というものを災害時においても最大限に確保するという立場から、そういう面については、非常にじみではありますけれども、もっと積極的に推進をしていく必要があるんじゃないか、こういうことを感ずるわけですが、それらの問題については、国鉄ではどういうふうに検討されておるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#21
○和仁説明員 お話にありました四日市市を中心とする前後の関西線のお話、これは一例でございますが、全国的に、災害で雨のつど線路が浸水するという個所はかなりございます。その中から、もちろん幹線が優先するというようなことで、現在毎年一億程度の金をかけてやっておるわけでございますが、先ほどの話に出ました関西線につきましても、伊勢湾台風の直後において、低い個所は平均で三十センチ程度の打上をいたしております。なお、四日市の構内も、最近一億数千万をかけて打上するというような計画でございます。以上でございます。
#22
○角屋協議委員 若干そういう面については考慮してやられておるようでありますけれども、これはやはり冒頭に申し上げましたように、もっと積極的に、全国的なそれぞれの地域の検討をなされて、計画的に推し進められるよう、一つ要望しておきたいと思います。
#23
○辻委員長 増田甲子七君。
#24
○増田協議委員 まず、地元のことから御質問いたしまするが、佐藤視察団がよく調査して下すった通り、犀川の決壊でございます。犀川は国の直轄工事でございますが、その支派川である奈良井川は中小河川でございまして、奈良井川の中小河川の工事費は約一億円、これは多々ますます弁ずで、私どもは感謝しておりまするが、犀川は直轄工事であるにかかわらず、よその例はあまり存じませんが、三千万以下であるというようなことで、中小河川の三分の一以下であるというようなことでございます。日本アルプスからあれほどの急勾配で流れてくる川、しかも、源はなかなか深いのでございまして、私どもが従来習ったところによると、洪水というものは、大体約四時間がクライマックスである、四時間たてばクライマックスはなくなるのであるから、治水関係、災害予防関係は楽だといいまするが、どうも災害のあんばい見をてみますると、天竜川もそうだと思いまするが、アルプスは山がなかなか深うございまするから、私は、災害のクライマックスが非常に長いと思います。つまり、長時間にわたると思います。そこで、犀川が決壊したのは雨量が一番多かるべきはずのときでなくて、その後、二日も三日もたったときに決壊をいたしておるのでございます。この災害復旧は、もとより建設省において大いに努力をしてやって下さることは明瞭でございまするが、私の主として願いたいのは、結局、治水計画四千億円に関係することでございます。直轄河川が中小河川より工事費が少ないというようなことは、一つの公式論として申してもおかしな現象である。ぜひとも、いやしくも国が直轄河川として扱うからには、工事費は中小河川より必ず多いというような形式でやってもらえると思いまするが、河川局長において建設大臣を大いに補佐して、そういう意味でやってもらえますかどうか、この点をお伺いいたします。
#25
○山内説明員 御承知のように、昨昭和三十五年度から、治水十カ年計画をスタートして参ったわけでございますが、その計画をよく今回の災害にかんがみまして考えてみますと、まだまだ不十分な点が相当ある、こういうふうに感ぜられます。直轄河川につきましても、相当馬力をかけて、そのワクの中ではやっておるつもりでございますが、ただいま御指摘のように、中小河川よりも少ない直轄河川がある、こういうことではとても今後の災害に対処していけない、こういうので、今回の災害にかんがみまして、ただいま極力検討いたしております。従って、今後の治水事業をどういうふうに持っていくべきであるか、ともかく、十カ年計画というものは一応きまっていますが、それを極力繰り上げて実施するとか、いろいろな面で、治水の事業を今後大いに強化したい、こういうことで現在検討しておる最中でございます。
#26
○増田協議委員 それから、御承知の本州を横断するところの一大地溝といいますか、フォッサ・マグナといいまするか、糸魚川から始まりまして姫川、それから青木湖、中綱湖、木崎湖、それから高瀬川、犀川、それから諏訪湖を横断いたしまして釜無川、富士川に至る幅四十キロ、長さ大体三百数十キロの、この本州中部構造地溝は、必ず山くずれがあるわけでございます。地すべりがあるわけでございます。そこで、これに対して私は、専門家であるあなたがほんとうに良心的に考えると、とほうにくれる問題ではないかと思うのです。つまり、本州は有史以前には二つの島があって、その二つの島が、地殻の変動によって本州という一つの島になった。その縫い目が大きな溝というラテン語の専門語になっておるようでございます。そこで、新潟県の糸魚川から始まって富士川に至る、静岡県に至るこの線というものは縫い目でございまして、幅は四十キロ、十里あるわけでございまして、非常な災害があるときには、同じ災害がよそにあってもこの地帯の災害は激甚であるということに相なっておりまするから、防災という見地からも、よほど力を入れてもらわなければならぬと思いますが、治水計画四千億円のうちには、このフォッサ・マグナに対する防災的の計画はどれくらい入っておりますか、お伺いいたしたいと思います。
#27
○山内説明員 ただいまお話しの非常に地質の悪いところにつきましては、砂防事業を極力推進すべきである、こういうふうに考えております。治水事業の前期五カ年計画は四千億でございますが、そのうち災害関係事業を除きますと三千六百五十億円、そのうち砂防関係事業は七百三十億円程度でございますが、これも、治水五カ年計画を作ります際にいろいろ砂防事業の重要なことを考えまして、従来よりもワクをふやしたのでございますが、今回の災害を考えますと、非常にこれでは不十分である、こういうので今後大いに検討したいと思っておりますが、今申されましたその地帯だけの砂防関係の事業は幾らになるか、この点、ちょっと資料の持ち合わせがございませんので、後ほど資料ででも提出させていただきます。
#28
○増田協議委員 自民党でここに立てました、将来村作りが困難なものに対しては、移転をしてもらって、そして移転に関する費用は、たとえば多目的ダム等を作った場合に補償いたしますが、その補償ができるような法的措置を講じたいというのが、われわれの考えでございます。あるいはお読みかと思いますが、自民党の立てました災害対策のうちの最後に、恒久的抜本策として、地形その他の関係上、連年災害どころではない、ふだんに災害が必ずある、そこでは生活することができないのだ、居住不適地であるということを国が指定をしてやりたい、また、そういうことに対して国が補償をする必要がある、これは立法措置を私ども作りたいと思っております。これに対して政府はどういうお考えをお持ちですか、お伺いいたします。
#29
○安井国務大臣 災害地に対しまして、たびたびこれは起こってくるので、これ以上改良してもむだだというような地方につきましては今、お話しの通り、移転を行なうことにするといったようなことも考えられております。長野県で、現にそういった地帯も起こっておるように聞いております。そこで、これをやります際には特別法が要るかどうかという点につきまして、長野県自体と今打ち合わせをやっております。もしでき得れば、現行法の中でできるものはどんどん片づける。しかし、どうしてもやむを得ないものについては今後これを考える、こういうことで、今打ち合わせをいたしておる次第でございます。
#30
○増田協議委員 御承知の清水山でございますが、清水山は現在も動いております。そこで、居住地不適地でありまするし、幾らそこで砂防堰堤を作っても、ほんとうに岩盤に到達するということは、本州中部の縫い目地帯というものは困難ではないか。結局大鹿山が抜けるようなことは、従来歴史上しばしばありましたし、私どもの知っている知識の範囲内でもございます。そこにこの砂防堰堤を作られましても、砂防堰堤自体が抜けておりますから、別に技術的のことを非難するわけではございませんが、経済的効果というようなことをおっしゃらずに、ああいうふうにふだん動いておるところ、しかも、一日何センチか必ず動いておるところ、そういうようなところは、集中豪雨あるいは台風があれば必ず動くわけでございますから、ほんとうに根本的の措置を小谷の辺、糸魚川の辺にはぜひ講じてもらいたいと思いますが、具体策がございましたならばお伺いいたしたいと思います。ただ見てもらって気休めにはなっておりまするが、どうも気休めだけではいけませんから、将来、あの辺一帯の新潟県あるいは長野県の方には移転をしてもらう。ほんとうに良心的に、これで地盤が動かないということになるならば格別でございますが、動かないだけの床どめ、あるいは岩盤に到達いたしました砂防堰堤を作り得るものであるかどうか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
#31
○山内説明員 詳細は、係官が現地を調査して、検討している最中でございまして、ただいまここで申し上げる結論はございませんが、できるだけ早く検討いたしまして、具体策を立てたい、そして実施をいたしたい、こういうふうに考えております。
#32
○増田協議委員 他の同僚委員から御質問があると思いますが、実は、美和ダムというものは、洪水調節のために作ったダムでございます。これが調節するときに、どうも多目的ダムになりますと、豊水期でありながら、やはり電気を起こしたいために、相当あけておくことを惜しむというような傾向がありはせぬか。もっとも七メートルくらいあけてあったようでございます。一時間に一メートルずつ上がったそうでございまするが、最後に放出するために、秒速八百五十トンも出してしまった。最初からどんどん出してもらった方がよかったのであって、最後に八百五十トン出したものだから、竜江村とか川路村とか、その他飯田市も相当な被害を受けておる。こういうようなことでございまするが、もう長雨でございまするが、豊水期でございますから、せっかく作った洪水調節のダムの第一の目的は洪水調節にあり、第二の目的は電気を起こすことにあり、第三の目的は灌漑にあるわけでございますから、あくまで第一の目的を忘れないように、管理の仕方について気をつけていただきたいと思います。小渋川についても、将来はダムができるわけでございまするが、管理が悪ければ、かえってあとで、どさっと出されると結局水津波が起きたようなことになってしまいます。ことにあの辺は、本州縦貫構造地溝とかなんとか申すそうでございますが、要するに、山くずれ、山津波のおこり得る地帯でございますから、特に洪水調節のため建設省主管のダムとして作ったダムが、ある程度効果を奏したことは私も認めますが、管理の仕方について、天気予報その他の関係を勘案いたしまして、六、七、八、九くらいは電気の方はなるべく起こさないで、そうして洪水の調節としての効用を十分発揮していただくように、管理者に御注意を願いたいという考えでございまするが、御意見を承りたいと思います。
#33
○山内説明員 一般的に多目的ダムにつきましては、洪水調節を第一に考えまして、なお使える水があれば利水に使う、あるいは発電に使う、こういうふうな考え方で、ただいま先生のお話のようにやって参っておるわけでございます。美和ダムにつきましても、大正二年ですか、ともかくできるだけ古い資料を集めまして、その洪水に対処するような洪水調節計画、こういうものを作ってやっていたわけでございますが、今回の雨量はそれのほとんど二倍になるというような大豪雨でございまして、そういうような豪雨が参りました際には、従来の計画も十分には発揮できなかった、こういう現状でございます。従って、今後そういう大きな豪雨ができても、十分発揮できるようにいろいろ対策を大いに講じたい、こういうふうに考えております。
#34
○辻委員長 国鉄に関連して、中島君。
#35
○中島(巖)協議委員 関連して……。実は、個々の問題については臨時国会において詳しく政府にお尋ねし、本協議会では特別立法の制定一本にしぼりたいという考えでありましたけれども、ちょうど国鉄の施設の責任者が見えておりますので、今度の集中豪雨に対する国鉄関係について、二、三お尋ねしたいと思うわけです。
 実は、飯田で一番災害のひどかったのは、野底川という支流のはんらんであったのでありますが、この原因は、飯田市の桜町駅と上郷駅にあるこの野底川の国鉄の水路が詰まりまして、そこで大きな貯水池ができて、これが一挙に吹き出しまして、そしてその下の綿打屋なんかは、一家六人全部が流されて行方不明になった。それから、いま一つは、この間から問題になっておる高森町の天竜社の工場の埋没でありますけれども、これもあそこに大島川という川がありまして、これに対してやはり国鉄の飯田線の給水路があって、それが狭くて、そこへ材木がかかって大きな貯水池となりました。そしてはんらんして、この天竜社が全部埋まってしまう。一方、この水が惣兵衛堤防の裏へ回りまして、堤防の破壊をいたしまして、百数十町歩の穀倉地帯が流失してしまう、この二つが大きな問題であるわけであります。飯田線は、私が申し上げるまでもありませんが、かつて伊那電という私鉄を戦時中に国で買い上げたものでありますが、築造当時は私鉄会社がしたわけであります。しかし、そういうように原因が明らかになりますと、これは国家賠償法の第二条にも、国の公の構築物のために他人に損害をかけたときは、国が弁償せねばならぬとはっきりいたしておるわけであります。そこで、地元の者が出先の国鉄と交渉いたしましても、これはおそらくらちがあく話ではないのでありますけれども、これらの問題について国鉄にもそういう詳細な詳報が入っておるか、また国鉄はそういうものを調査したのか、調査したとしたら、あとどんな計画を持っておるか、この点について国鉄にお伺いいたしたいと思うわけであります。
#36
○和仁説明員 私も先週現地を拝見させていただきました。まことにお気の毒だと思ったのでございますが、天竜川のいずれも支流になっておるのでございまして、抜本的には、上流川の山腹あるいは渓流砂防といったようなものにならなければ、まずあの治水というものは考えられないのではないかというように感じております。いずれにいたしましても、今回ああいう災害を見ておりますので、鉄道橋の付近におけるところの改良――河川改修等との関連におきまして鉄道橋を改善するというようなことを、長野県と現在協議に入っております。
#37
○中島(巖)協議委員 私、関連でありまするし、この問題は、鉄道当局を追及してもおそらく満足な返事はできないと思いますので、また臨時国会のときにあらためていたすことにいたします。
#38
○辻委員長 自治大臣が先ほどからお見えになっておりますので、自治省関係に対する質疑をお願いいたしたいと思います。佐藤虎次郎君。
#39
○佐藤(虎)協議委員 実は、自治大臣がちょうどお見えになっておりますから、本論に入る前に、一言、閣議へ行って御報告願いたいことがあるのです。私は、毎年のように災害地を視察、お見舞に派遣されております。そのつど、こういう災害は繰り返さないような根本的の復旧をしてくれ、改良復旧をしてくれという要求なんです。ところが、そのように報告し、そのように運びましても、どうも建設省、農林省あるいは自治省にいたしましても、大蔵省に押されてしまって、役所の手に渡すと全部大蔵省に押し回されて、予算を少なくされる。幸い、自治大臣は留任になるくらい政党人として鍛え上げたあなたでありますから、今度は、再びそういうことを大蔵省に押し回されないように、一つやってもらいたいということを閣議で発言していただきたいということが一つ。
 それから、いま一つは、実は私も静岡県に狩野川台風でお世話になり、今回もその通り、伊豆半島における災害を逐次私は質問いたしたいのでありますが、それは特別立法を皆さんとともに作り上げて、のんでいただくということになりますから、そういう詳細のことはいたしません。ただ、自治大臣にお聞きしておきたいことが一つあります。それは何であるかというと、この災害によって町村の小災害が生じます。特に災害のために、つなぎ融資について行き詰まっております。今日、裕福の市町村というものは、きわめて全国的にまれであります。率直に申し上げると、災害を食うところに限って貧乏町村です。そこで、つなぎ融資というものが今日ないだろう。それで大蔵省にただせば、出先機関である財務局において調査し、そして応分の手当はしておりますというお話でありますけれども、私はそれでは足りないという見通しだったんです。そこで、郵政省に私は命じまして、郵政省の簡保資金を短期で融資したらいいのではないか、直ちにその手配をせよということで、私は郵政省に参りまして、各地方ブロックの局長あてに、郵政省から簡保の金を短期でつなぎ融資に一応するようにいたしておりました。これは短期でありますから、三カ月であります。当然、地方起債を認めてもらわなければならぬという結果にも相なります。その場合に、自治大臣は非常に人情家でありますが、各災害市町村がこの地方起債を申請した場合に認めていただけるかどうか、十二分に認めてやっていただく心がまえがあるかどうかということを私はお尋ねして、特に今日の罹災者の悩みを一日も早く除去してやりたい一念に燃えてあなたの御意見を伺うような次第であります。
#40
○安井国務大臣 災害復旧その他の費用につきまして大蔵省に押しまくられぬようにしろ、こういうお話につきましては、十分御意思を体しまして、所管の各閣僚ともよく協議いたしまして、御趣旨に沿うように努力するつもりでございます。
 なお、小災害に対します融資あるいは資金手当の問題でございますが、これはその小災害につきましての市町村の団体の負担額については、全額起債をやるという方針でやります。これに対しまして相当な元利保証も考えるということでやっております。
#41
○佐藤(虎)協議委員 まことに罹災者に対する大臣の決意ある御答弁を感謝します。どうぞ御実行に移していただきたいと思います。罹災者もさだめし大喜びのことと思います。ありがとうございました。
#42
○宮澤協議委員 関連して、簡単に伺います。このたびの災害によりまして、御承知の通り、地方自治団体は莫大な経費を使っております。伊勢湾台風のときにおきましては、地方自治団体の職員の被災者に対する共済組合の見舞金くらいは増額するというような特別立法を行なっております。しかし、それにしても、財源がなければすべてやれないわけです。そこで、地方交付税を被害地の団体に対してどういうふうにせられるかというお考えを伺いたいと思います。
#43
○安井国務大臣 交付税につきましては、さしあたり、当該団体に交付すべき交付税のうち、約六十七億を繰り上げ支給をいたしております。なお、さらに足りない分につきましては、今後特別交付税の面で十分考えたいと思っております。
#44
○宮澤協議委員 その特別交付税において、この三十六年度、新たにこれらの団体に対しては今の法規において特別の考慮をしてやっていただけるのでございますか、特別立法でも作るのでありますか、作らないでも、自治省の配分の計画において十分その地方々々の実情に応じた配分がしていただけるのでありますか。
#45
○安井国務大臣 特別交付税の配分につきましては、これは現在の制度で十分実行できると思います。その他につきましては、必要に応じましては、あるいは赤字起債というような問題も起きるでありましょう。これにつきましては特別立法を必要とするかと思います。
#46
○辻委員長 中島巖君。
#47
○中島(巖)協議委員 安井自治大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、今回の災害に対して、ことに被害激甚地方は、地方自治体が維持できるかできぬかというような、せっぱ詰まった非常に危険な状態にあるわけです。そこで、この災害となると、建設省関係、農林省関係、こういうような被害が一番大きいのでありますけれども、地方自治体はどこへすがるかというと、結局自治省よりほかないわけです。従いまして、自治省というものは、結局、こういうような災害に対しまして、地方公共団体の大きなささえとならねばならないものでありまして、災害復旧の予算は、起債であるとか、交付税であるとかいうようなことによって補うのであるけれども、それ以前の問題として、地方公共団体、市町村を擁護して、いわゆる親の立場でもってこれを育成するのはあなたのところだ。従って、あらゆる万般の災害その他を勘案して、健全な自治体を育成すべきところの任務を持っておるのは自治省である、こういうように私は考えるのでありますが、基本的な自治大臣の御方針をお聞かせ願いたいと思うわけです。
#48
○安井国務大臣 仰せのごとく、地方自治体がほんとうに健全に発展していくためには、万般のお世話をいたしますのが私の方の仕事だと心得ております。従いまして、災害等で、個々の主管省の補助金あるいはその他の政策もさることながら、財政全般の面につきましては、いろいろな面で十分な配慮をしていきたいと思っております。
#49
○中島(巖)協議委員 ただいま自治大臣から御所信を披瀝されたわけでありますが、そういうことになりますと、この災害対策に対しましても、閣議などにおきましてあなたが中心的な存在となってこれを指導していかなければならぬ、こういう立場だと私は思うのです。こういうような観点からいたしまして、今回の災害に対して現在衆議院のこの協議会でいろいろと研究いたしておりますけれども、現行法において災害の救済のいろいろな道が開けておりますが、特別甚大な被害をこうむったところにおいては、現行法だけではどうしても救うことができない。従って、自治省としては、かつて昭和三十四年度に起債に関する特例や、その他二つぐらいの法律を成立さしておりますけれども、この法律だけではなくて、進んで、建設省関係の公共土木災害に対するところの特例法、並びに農林省関係の農林漁業施設復旧に関するところの国の補助に対するさらに高率の特例法、こういうようなものも、あなたが閣議で中心になって推進力になっていただかねばならぬ、こういうように私は考えるわけでありますが、大臣の御所見はいかがでありますか。
#50
○安井国務大臣 自治省がいろいろとこういった問題の中心になって働けという御説はごもっともでございまして、御趣旨は十分体してやるつもりでございます。なお、たとえば公共事業の補助率等につきましても、実は、御承知の通り、今年度の予算におきまして、特例法を作りまして、財政状況のよろしくないというか、平均以下の府県に対しましては特別補助率を適用するような法律をすでに今年は出しておるような次第でございます。今後ともまた、この災害等におきましてどうしてもその町の、あるいは団体の財政がやっていけない、あるいは赤字をこうむるというようなことにつきましては、さらに特例法も考慮したいと思っておりますが、現在のところは、実際を調査の上でこれは処理したいと思っております。
#51
○中島(巖)協議委員 私は根本的な考え方についてお伺いしたわけでありますけれども、さらに、自治大臣は、地方公共団体、市町村をになうものは自治省である、こういうような立場から、起債の特例だとか、そういうものばかりでなくして、建設省関係の特例であるとか、さらに自治省は、各地方公共団体の被害地の経済の基盤をなすものは農林省関係が多いのでありますから、これらに対しましても強力に発言して、各省とも伊勢湾台風並みの特例法を出すように一段と御協力をお願いいたしまして、私の質問をこれで終わります。
#52
○辻委員長 角屋堅次郎君。
#53
○角屋協議委員 自治大臣に対する災害対策関係の質問については、すでに関係委員から触れられたわけでありますけれども、私は、今後立法措置を講ずるための政府の考え方としてさらに確認をしておきたいと思うのです。
 先ほど来の自治大臣の答弁からいたしますと、一昨年の伊勢湾台風の際に考えました公共土木関係あるいは農林水産業施設関係の小災害に対する対策については、いわゆる伊勢湾台風に準じて、地方公共団体の起債の特例等に関する特別立法でもってこれを措置していく、従って、来たるべき臨時国会等には、地方行政関係としては、必ずこれは小災害対策として政府自身が提案をするつもりだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#54
○安井国務大臣 たとえば農地の復旧の費用の補償等につきましては、実情調査の上、あるいは特例によらなければならぬ面もあろうかと思います。大体におきましては、現在の制度内で相当補給できるように考えております。
#55
○角屋協議委員 ちょっと自治大臣、質問の焦点を理解して言われたのかどうか、必ずしも十分わからないのですけれども、御承知の通り公共土木関係あるいは農林水産業施設関係、特に公共土木関係でいえば、府県の十五万円以下五万円以上、あるいはまた、市町村の十万円以下三万円以上、こういうふうな小災害に対しては、起債の特例によって起債を認め、これの元利補給をする、こういう形がとられましたし、農林水産業施設関係についても、御承知の通り、十万円以下三万円以上のものについても、同様に地方公共団体の起債の特例等に関する特別立法でもって措置した、これはやはり公共土木関係、農林水産業関係の現行の法律の関係では、今申しましたような小災害については助成の措置の対象になってない。従って、起債の特例等によって起債を認め、元利補給等をやるということによってやらなければ、小災害対策というものは、当然地方公共団体ないしは地方の地元住民にはね返ってくる、こういうことでありますから、先ほど来の関係委員の質問に対して答えられた自治大臣の意味は、小災害対策について、先ほど来申しておりますように、地方公共団体の起債の特例等に関する特別立法を政府みずから次の臨時国会には提案して、そして小災害対策の万全を期するのだ、こういうふうに理解していいかどうかということをお尋ねしたのであって、先ほどちょっとあいまいでありましたので、再度お答えを願いたい。
#56
○安井国務大臣 先ほども、公共事業費に関する小災害につきましては、その地元負担は全額起債を認める方針であることを申しましたが、これは特例法は必要といたしません。現行のままで実施できる予定でございます。なお、農地等の復旧に関しましては、御承知の通りに、これには特例法を要する面もできて参りますので、これは必要によっては特例法も作ろう、こう考えます。
#57
○角屋協議委員 どうも明言がなかったので、少しくあいまいな点がありますが、これは後ほどのお互いの相談の事項の重要なポイントになりますので、この程度に政府の意見としては承っておきたいと思います。
 さらに、先ほど来お話がありましたし、自治大臣からも御答弁があったわけですけれども、今度の集中豪雨に対する被災団体に対する交付税の繰り上げ交付の問題については、七月六日付でもって、六十七億六千七百万円というものを、とりあえず被災団体に対する交付税の繰り上げ交付として行なったわけであります。この各県別の配賦状況なんかをいろいろ検討してみると、被害の一番ひどかった長野県に二十一億八百万円、以下それぞれ配賦金額が資料として提示されておるわけでありますけれども、これは大体いつの時点の災害の実態に基づいて各県別の配賦金額というものをはじかれたのか、その辺のところを伺っておきたいと思います。
#58
○安井国務大臣 これは概算で検討したわけでございますが、六月末を基準に引き上げ額の大体概算調査の上で実施をいたしたわけであります。
#59
○角屋協議委員 特別交付税の今後の問題もありますけれども、とりあえず被災団体に対する交付税の繰り上げ支給はこれでもって終わる、こういうお考えでございますか。
#60
○安井国務大臣 一応、繰り上げ支給の分はこれで終わりにいたしたいと思います。
#61
○角屋協議委員 今後特別交付税の配賦の問題については、どういう段取りでどういう時期にやられるのか、その点も伺いたい。
#62
○安井国務大臣 特別交付税は、大体来年の一月ないし二月ごろにおおむねの整理がつきました上で算定をいたして実施したいと思います。
#63
○辻委員長 自治省に対する質疑はひとまずこれで終了いたします。
 小川平二君。
#64
○小川(平)協議委員 国民金融公庫に対して一点だけお尋ねをいたします。
 国民金融公庫が災害発生以来、熱意を持って被災地の中小企業者の復興に努力をしておいでになることに対して、敬意を表しておる次第でございます。実は昨日、商工会の全国連合会から、今回の災害について一点要望をいたして参っております。その趣旨は、国民金融公庫の現在の貸し出し状況を見ると、九月をもって終わる第二・四半期のワクをすでに七月末において消化し尽くしてしまっておる、使い切ってしまっており、現在すでに、一般の融資希望者に対して、二カ月後でなければ融資ができないという状況になっておる。そこへ持ってきて、今回の災害に対処するために特別のワクを設定しなければならないということになるわけであるが、従来、特別ワクの配賦は、次の半期からの繰り上げによって行なわれている例になっておる。こういうことであると、それによって一般の触資ワクが圧迫をされるおそれがないだろうか、さようなことがないように万全の配慮をしてほしい、こういう趣旨の要望を出してきております。実は昨日この要望書がたまたま私の手元に参りましたので、事実について直接取り調べておるいとまもないわけでございます。また、この要望によりますれば、繰り上げ措置でない、全く別ワクのものとして十三億円を確保してもらいたいということを申しておりますが、この十三億という数字等についても根拠を確かめるいとまもないわけでございます。はたして、ここに申しておるような第二・四半期のワクをすでに七月において使い切っておるというような事実があるといたしますれば、ここに出てきておる要望はまことに無理からぬものだと考えるわけでございます。そこで、この際かような事実があるのかないのか、もし、こういう事態になっておるとするならば、一般の中小企業者にしわ寄せをしない形で今回の災害に伴う資金需要を充足していくための対策というものをおそらく御用意になっておることと存じますが、一般の中小企業者の不安を除くためにこの際承りたいというのが私の質問の趣旨であります。
#65
○油谷説明員 国民金融公庫の理事をやっております油谷でございます。ただいま小川平二先生から、国民金融公庫の資金事情、特に災害の資金を含めた国民金融公庫の資金の需要について、大へん御心配をいただいておるようでありますので、この機会にお答えをして、また、いろいろお知恵を拝借し、お力を拝借したいと考えております。
 実は今度の災害につきましては、とりあえずの措置といたしまして、五億円の特別の融資を考えまして、ワクの増加をいたしまして、現在実行にかかっておるわけでございます。今御質問にありましたように、この五億円は、とりあえず、今後の政府からの借り入れの資金を先に借りまして、それを充当した格好になっておるのでございます。従って、その分だけは若干圧迫を食うことになることは事実でございます。ただ、全体の資金計画は、本年度予算を立てまする時分には、昨年の実績に比べまして、大体八%くらいの増加を見込んできておるわけでございます。ところが、この四月以降最近までの申し込みの状況を見ますと、割合に申し込みの趨勢が強いのでございます。昨年に比べまして、一八%ないし二割近い増加の申し込みになっておる状況でございます。従って、今申し上げましたような、昨年同期の資金の手当では、今後このままの趨勢で参りますと、相当苦しくなるということも事実なんでございます。今御指摘になりました、七月の申し込みが、すでに第二・四半期の七、八、九の三月分を全部ワクを食ってしまったという御心配でございますが、これはそういうことまでには立ち至っておりません。第二・四半期の資金の計画は現在二百四十六億の融資をする計画でございます。順調にこれがずっといっておるわけであります。ただ、今申し上げましたように、申し込みの趨勢が、強いものでありまして、とかく申し込みの手持が少しずつふえておる状況でございます。現在でも約一月余り手持ちをしておるというような状況になっておる。災害がなくても、必ずしも、第三・四半期以降の資金需要は、今申し上げましたことで、楽観はできないのでございます。それだけ災害がまた加わりましたので、私どもとしても、その点は楽観をしておりませんで、もう少し情勢を見て、また対策を講ずる案を作りたい、かように思っている次第でございます。
 概略お答え申し上げた次第でございます。
#66
○小川(平)協議委員 御説明の趣旨はわかりましたが、今申し上げたような次第でございますから、今後もこの災害の直接関連する資金需要を充足することによって、一般の中小企業者にしわ寄せがなされないような形で、解決していただきたいということを切望いたします。
 それからまた、今回の災害で、中小企業者の中で、直接深刻な被害を受けた者もございますし、しからざる者も、周辺の農村が壊滅的な非常な打撃を受けておるということのために、商売が思うようにならないというような状況に置かれております。そこで、元利金の支拂い等にも非常な困難を感じておるという中小企業者がたくさんある実情でございます。国民金融公庫法には、災害の場合には対処する特別の規定も置かれておることでもありますから、貸付条件の変更、緩和その他については、これから先もぜひ一つ十分弾力性のある態度で対処していただきたいということを切望いたします。
 以上でございます。
#67
○辻委員長 厚生大臣がお見えになっておりますから、厚生省関係に対する質疑をお願いいたします。井堀繁雄君。
#68
○井堀協議委員 今回の集中豪雨によります水害で、厚生並びに労働関係に一、二お尋ねをいたしてみたいと思うのであります。
 厚生省の任務の中で、きわめて重要なものとして、災害救済その他国民生活の保護指導の規定がありますように、こういう災害の際における厚生省の任務のきわめて重要でありますことを、私どもは心から痛感をいたしておるわけでございます。今まで各委員からいろいろと御質疑があったようでありますが、厚生関係の問題について言及されておる傾きが比較的少なく、非常に軽いようでありますので、特に実例をあげてお尋ねしてみたいと思うのであります。
 それは、一つには、災害救助の際における人命に関係する事故が、従来もしばしばでありましたが、今回はことに多いようであります。こういう問題につきましては、直接人命の危機を防止するとか、あるいはすみやかに救済のための措置を講ずるということももちろんでありますが、ただ、この機会に、私は一つの疑問を感じましたので、これを明らかにして、そういう問題について、一つ厚生当局の所見をお尋ねいたそうと思うのであります。
 私どもの調査いたしました中で、横浜のがけくずれによりまして、一カ所でかなり多くの死亡者を出しておるわけでありますが、この死亡者の中で、二人の老人と幼児を救済しようとして、その近くにありました飯場の若い人たちが、その救済事業に参りまして、ともに土砂の下敷きになりまして死亡した事故であります。このことは、それが警察官とか消防団員のような公務員でありませんために、そういう人々のこういう災害に対する措置はどうあるべきかということについて、疑問を持ったわけであります。現場におきまして、いろいろ調査をいたしましたが、明確なお答えは得られませんので、この機会に、厚生大臣に、こういう場合における措置はどうあるべきか、また、どうなさるかということについて、まずお尋ねをいたして、次に質問を進めていきたいと思います。
#69
○灘尾国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいま御引例になりましたような事件について、非常にお気の毒なことだと思っております。現在の制度の上から申しますと、私はまだ十分につまびらかにいたしておりませんが、そういう場合に、救助におもむくようにというような命令が出ておりますようなことであれば、それに対する措置もできることになっておるように承知いたしております。それがない場合においてどうするかというところが問題点ではないかと思うのであります。現在の制度の活用ということも、もちろん十分考えなければなりません。また、あまりに窮屈な法律の解釈ということも、よほど考慮を要する問題だと私は思いますが、それらをはずれております方々に対する救済という問題については、私はまだ確たる意見を持っておりません。非常にお気の毒だということは、もちろんよくわかりますし、また、いろんな方法でもって弔意の道を講ずべきであるということも、当然のことでございます。制度的にはこれをどう考えておるかということに御質問の御趣意があるといたしますならば、なお一つ検討させていただきたいと思います。
#70
○井堀協議委員 それでは、具体的にそういう報告をお受けになっておることと思うのでありますが、横浜市内のがけくずれですが、新聞にも当時かなり大きく詳しく報道してありました。この場合の事例は、問題が幾つもあると思うのでありますが、その事実をどれだけ御承知になっておるかということによって違うかもしれませんが、当然お調べになっておると思いますから、そのおつもりでお尋ねしておるわけであります。
 一つは、この場合、一般人がそういう災害救助活動で人命にかかわるような犠牲があった場合に、どうするかという制度上の問題が一つある。そういうものに対する制度上の確たるものがない場合におきましては、こういう事故の起きた場合における隣保共助というか、そういうものを阻害する結果になるのじゃないか。
 また、そういうことがあるなしにかかわらず、そういう場合における補償の道は、この際講じて置くべきではないか。そういう点で、そういう制度がないというふうにわれわれは今のところ理解しておるわけであります。しかし、こういう災害によって発生した事故でありますから、この際は特例を設けてこうする、あるいは臨機の措置が行なえるというようなことが考えられておるのではないかと思うのであります。でありますから、制度上の欠陥については立法措置を講ずるなり、臨機の措置については行政的にこの際どうされるか、こういう点に対する正確な見解を伺っておきたい。
 それからもう一つ、この問題に関連して、特異な事情があると思いますのは、救助に臨みました人々が、その近くに設けられておりました飯場に泊まっていた労働者であるという点であります。これは労働省の所管にもなりますが、そういう三つの内容について、当局の正確な御答弁を伺っておくわれわれの義務があると思いますので、お尋ねしておるわけであります。
 でありますから、まず第一の制度上の問題でありますが、もしそういう制度がないとするならば、日本のようにこういう災害がたびたびあるということは、われわれとしてまことに遺憾であるし、それをなくすための抜本的な対策を講ずることが、もちろん急務でありますけれども、しかし、天災によるこういった事故というものを抜本的に解決できない現状において、こういうものに対する制度上の措置というものが必要ではないか。ことに厚生省の任務の関係からいえば、こういうものに対して厚生当局あたりが立案をする立場ではないかと思いますので、大臣の政策上の問題ですから、就任早々でありましょうけれども、これは閣僚としての御見解があると思いますので、この点をまず伺っておきたいと思います。
#71
○灘尾国務大臣 横浜のことについての御引例でございますが、実は私よく承知いたしておりませんし、また、地方からの報告をまだ受けておらないそうでございます。それはともかくといたしまして、今お話になりましたような場合における処置をどうするかという問題につきましては、いろいろ考えなければならぬ場合がたくさんあるのじゃないかと思うのでございます。おあげになりましたような事例の場合もございましょうし、そのほか、そういうふうな難におもむいて遭難せられた、こういうような事例も幾多あろうかと思うのでありますが、その問題につきましては、私確たる御返答を申し上げるだけの用意もございませんけれども、十分研究さしていただきたいと思います。
#72
○井堀協議委員 何も責めるつもりは一つもありませんけれども、就任早々でありましょうから、なんでしょうが、こういう問題は政治家の常識でもあると思うのです。確かに、われわれこういう機会は初めてでありますけれども、この際、調べてみると、きのうの朝日新聞でしたか、高等学校の生徒でしたか、中学の生徒でしたか、おぼれている者を助けようとして、そのために、ともに溺死した事実が起って遺族補償のために、金額ははっきりいたしませんけれども、相当額の補償をいいだしたようであります。こういう事例もよく似通った事例だと思います。しかし、この場合は、もっと積極的な意義を私は感ずのであります。というのは、ああいう豪雨の節、しかも現場を見てすぐ直感をいたしましたが、その危険をかなり前に察知して、警察、消防等から避難することを要請されており、それからおさおさ準備も進めておった模様である。そこに案外早く災害が発生したということであります。でありますから、居合わせた屈強の青年が、その救済に当ったというのでありますから、確かに大きな美挙として推賞できることだと思います。その人たちが、しかも、四人もそのまま生き埋めになってしまったというようなことは、なおざりにできない事柄だと思います。でありますから、制度上の問題に欠陥がありますならば、制度の問題は、先ほど申し上げたように、今すぐには間に合わない。その準備をなさる必要が政府にあるのではないか。それから、さっきも事例をあげましたように、こういうものは、特例としてしかるべき措置をとるべきではないかと思います。この点について、何かお考えがありましたならば、この点一つ念のために伺っておきたいと思います。
#73
○灘尾国務大臣 今お述べになりましたような事情のもとに遭難せられました方に対しまして、これは何らかの措置をとるべきであるというような気持においては、私、井堀さんと何も変わりはないわけであります。それが公の制度のもとにできることであれば、もちろん、すみやかに行なわなければなりません。また、そういうふうな場合に、適切な措置を講ずるだけの公の制度がないとするならば、この問題については、おっしゃる通りに、検討しなければならぬ問題だと思います。また、現実に各地方において、その事態に対して、おそらくそれぞれの処置はとっておられることと私は思うのでありますが、まだそれについての事実をつまびらかにいたしておりませんので、その点は確たることを申し上げかねる次第でありますが、一体、現実に各地方において、その事態に対してどんな措置がなされたかということについて、一度状態を調べてみたいと思います。何かのことは、もちろんやっておることと私は存ずるのであります。問題は、今後の制度というふうな問題でございますが、今申し上げましたようなことでございますので、この点は決して逃げるとかなんとかいう意味で申し上げているのじゃございませんけれども、そういうふうな問題を一つ十分検討させていただきたいと思う次第でございます。
#74
○井堀協議委員 一つ至急にしかるべき緊急措置をおとりになることを希望いたしますと同時に、制度の確立を急がれたいことをこの際強く要望しておきたいと思います。
 もう一点、この点に関連してお尋ねしておきたいと思います。従来のいろいろな例を調べてみておりますと、こういったような関係で一般人がこういう災害に遭遇したというような場合も、ないわけではないようでありますが、比較的少ない。しかも、今度のように多数一挙にというようなこともまれなことでありましょうが、こういうことを解決するということは、ひとり、その遺族に対する問題あるいはそういう犠牲者に対するねんごろな国民の意思表示をするといったような事柄は、その当事者に対する問題だけでなく、むしろ、私は、一般に対する思想的な影響が非常に大きい、厚生行政などはそういう点を重視すべきではないかと思う。たとえば、警察官の職務に努力し災害を受けた場合における法律などを調べてみますと、遺族に対する給付は三十七万とか六十万とかあるいは葬祭料二万、三万といったような規定がされておるわけであります。これは当然なことで、あるいは低きに失するかもしれない。しかし、そういう思想というものは、むしろ、一般人が、公務でないにもかかわらず、公務にある者にかわって、そういう社会的行為をした者に対する救済の道を開くということ、これは先ほど大臣も申された通りであります。でありますから、制度を作ります場合に、この豪雨に伴ういろいろな対策を今政府が緊急に立てておるわけでありますが、その中にぜひこれを入れて処置すべきではないか。従来の例を見ますと、何がしかの香典がわりになるといった程度、府県の知事あたりがごく限られた金額でお茶を濁しているという例があるようであります。今回の場合はどうしておられるか、詳細なことはまだ聞いておりませんが、そういう例になろうということになりますと、影響するところはきわめて大きい、こういう点に対し、これは国がやるとすれば、どういうところからどういう方法で醸出されるか、私もよく存じません。それから地方庁にそういう仕事をやらせる場合には、またどういう方法で道が開かれるかということも、よくわかりませんが、こういう点に対する厚生省の措置を伺っておきたいと思います。
#75
○灘尾国務大臣 今のような場合も、先ほど申し上げました、県知事から協力命令が出ておったというような場合におきましては、それに対する措置がとられることは、御承知のことでありますから、詳しいことは申しませんが、そうなっておるわけでございます。そういうふうな協力命令がなかった場合にはどうするかという点が、一番気にかかる問題でございます。知事の協力命令が出ておりましたときには、制度的には何がしかのことをするということになっておることは、あらためて申し上げるまでもないことであります。そういうことを離れて、一般に他人のために難におもむいて、そのために死亡なり負傷をした場合にどうするかということは、先ほど第一に私が申し上げておる通りであります。おっしゃいましたように、国がやるかどうか、あるいは県にやってもらうのかどうかというような問題、立法問題なんかもございましょう。それからまたケース、ケースでいろいろ考えなければならぬというような問題もありましょう。いろいろ考え合わせなくてはならぬ問題もあろうと思いますので、ここで結論を申し上げるというわけにも参りませんが、仰せになりました御趣旨については、私は決して違った考え方を持っておるわけではありません。十分一つ検討さしていただきたいということを申し上げたわけであります。御了承いただきたいと思うのであります。
 なお、協力命令その他につきましては、事務当局より御説明申し上げます。
#76
○太宰説明員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、災害救助法の第二十五条におきまして、都道府県知事は、その近隣の人たちその他の人たちに、その救助業務に協力をお願いすることができる、こういう規定がございます。そういうお願いをして、不幸にして救助の最中に事故にかかった場合、この法律の規定に基づきまして、けがをされた場合にはどう、あるいはその間の休業、また軽度な傷害、あるいはなぐられた場合にどうというようなことが規定されておるわけであります。お尋ねの趣旨はそういうものがない場合のことで、これは大臣先ほど申し上げました通りでございますが、すでに御承知と思いますが、そういう救助命令、お願いが出ております場合には、そういう手当ができておるわけであります。先ほどの御質問の御趣旨につきましては、大臣がお断わり申し上げましたように、はなはだ申しわけないのでありますが、私ども、刻刻現地から詳細な報告を受けておりませんので、さっそくその間の事情をつまびらかにいたして、その適切な処置を講ずるとともに、今後につきましては検討して参りたいと思います。
#77
○井堀協議委員 何もしつこく追及しようと思いませんけれども、今お話しの中で、私もちょっと調べてみたのですが、救助命令のあるなしの問題が、法律解釈ではきわめて重要な点のようであります。しかし、今回の事例で皆さんも御想像ができると思いますが、緊急の場合に、救助命令を受けてから救助に行くなどということは、現実としてあり得ない。むしろ、自発的にそういう行為があってこそ、災害を防止する一番適切な事柄じゃないか。ただ、法律がついていけなかったというだけの話。でありますから、私はさっきからお尋ねをしておるわけであります。今回の場合には、何も抽象論ではなくて、報告を受けていないからとおっしゃられておりますけれども、あれだけの大きな事故が、新聞にかなり詳細に報道されておるのでありますから、ごらんにならないはずはない。こういう問題については、私は、今のような答弁を伺ってはなはだ遺憾でありますけれども、一体、厚生省はどこをにらんでおるのか、非常に不満を感ずるわけであります。大臣個人を責めるわけではありません。厚生省という役所の立場から見て、こういう災害の問題に対しては一番強い関心を示して、臨機の処置がいつでもとれるような態勢であってこそ、私はその責任が全うできると思う。答弁を伺いまして、厚生省の災害に対する態度が不徹底であることを、まことに遺憾に思うのであります。しかし、もうできたことでありますから、ぜひ一つこういう問題は手ぎわよく、誠意を持って臨機の措置をおとりになることが、今後のために非常に大切だと思いますから、質問をあえてしたわけであります。
#78
○辻委員長 ちょっと井堀君に御了解いただきたいと思いますが、実は、厚生大臣お急ぎのことでもございますので、厚生大臣に対する関連質問をまず先に済ましていただきたいと思います。――それでは中島巖君。
#79
○中島(巖)協議委員 関連質問でありますので、ごく簡単にいたしますが、今回の災害に対しまして大臣の基本的なお考えをお伺いいたしたいと思うわけであります。
 三十四年の伊勢湾台風におきましては、名古屋市、四日市なんかを中心にして非常に被災者が多かった、けれども、今回はごく局地的の災害である、しかし、その災害の度の深いことは、かつての伊勢湾台風あるいは狩野川あるいは九州の諫早なんかと同じ、もしくは、それ以上の深い災害である、こういうふうに考えるわけであります。そこで、当災害対策協議会といたしましては、自民党の諸君を初めといたしまして、伊勢湾台風並みの立法措置をとらねばならぬ、こういうような考えを持っておるわけであります。そこで、局地的であるがゆえに、法の公平とか国の施策の公平という立場から考えて、これはゆるがせにすべきものではない、こういうように私は考えるわけであります。そこで、この三十四年の伊勢湾台風のときにおける厚生省関係は、ただいま調べてみますと、九つの特別立法措置をいたしまして、そして救済の手を伸べておるわけであります。現在は飯田市を中心とするところのあの深刻な災害に対しまして、土木であるとか、あるいは農地であるとかいうようなところにしぼられてきておりますけれども、そろそろ厚生省関係の問題が頭をもたげて、今大きな問題になりつつあるわけであります。こういうような見地から、大臣は、今回の災害に対して、伊勢湾台風のような広範な特別立法をお出しになる考えはあるかどうか、そして、もし現行法であの法案と同じような救済ができるというお考えなら、具体的に法律名をあげていただいて、救済できることを言明していただきたい。質問が非常に広範にわたりますけれども、大臣の御所信をお伺いしたい。
#80
○灘尾国務大臣 伊勢湾台風の場合はどう、今度の災害の場合はどうというふうなことでございますが、罹災されました方々に対する救済といいますか、救助というような問題につきましては、大きな災害であろうと、小さな災害であろうと、それは十分なすべきであると考えております。ただ、災害の規模が非常に大きいというふうなことで、その救助活動といったようなものが思うようにできない、かような場合に特別の立法をもってその遺憾なきを期する、こういう建前のものじゃなかろうかと思うのでございます。厚生省といたしましては、今回の災害につきまして特別立法を必要とする状態であるかどうかということをいろいろ検討いたしておる次第でございます。今日まで一調べましたところによりますと、伊勢湾台風と同じような特別立法をする必要は、あるいはないのではなかろうか、かようにも考えておる次第でございます。大体今の程度でやっていける、こういうふうに思っておるわけであります。ただ、県によりますと、罹災救助のために非常に多額の経費を要するというふうな県もありますので、それらをなおよく調べまして、できるだけ不自由のないようにする、大体こういう考えのもとに、必要があらば特別立法ということで検討いたしておりますような次第であります。
 なお、詳細の点につきましては、事務当局からお答えさせていただきたいと思います。
#81
○中島(巖)協議委員 協議委員今、大臣は、前段において、広範な災害であろうと、あるいは局地的な災害であろうと、同じようにこれを救済せねばいかぬ、こういう考えを述べられたわけです。この点は私は同感なんです。その後段において、特別立法を設けなくても今度は救済できるのじゃなかろうか、こういうことをおっしゃったわけです。これは大臣の最初の基本的のお考えと、後段の、現在の災害に対する処置に対するお考えとは、実に矛盾して相反するお考えであると私は思う。厚生大臣も御就任早々で、特別立法なんかの内容についてあまり御存じないので、そういうような御答弁をなされたと思いますけれども、前段の大臣のお考えその方針で、これから事務当局と打ち合わせしてやっていただきたい。どうしても現行法においては救済のできぬ点、どうしても伊勢湾台風並みの特別立法を厚生省関係においてもしていただかぬ限りは救済のできぬ問題が数あるわけです。これを一々ここで具体的に例をとって申し上げれば、非常に時間のかかることでありますから省略いたしますけれども、基本的のお考え通りにやっていただけば、必ず特別立法を制定せねばならぬ、こういう結論に達すると私は考えるわけです。そこで、具体的に、これは事務当局の方でけっこうでありますけれども、飯田市では、厚生省の所管になっておるところの水道がめちゃめちゃになっておる。それから下水道の終末処理が、これまためちゃめちゃにやられておる。これに対してどんなような処置を現在とられておるか。また、これらに対しても、やはり伊勢湾台風並みの高率補助の立法措置が必要だと思うわけです。それは大臣とお打ち合わせを願うことにいたしまして、具体的に、今の二つの問題に対してどういう処置をなされておるか、この点をお伺いいたしたいと思う。
#82
○金光説明員 私からお答え申し上げます。
 御質問の第一点の、どういう処置をとっておるかということでありますが、水道の復旧につきましては応急措置を講じまして通水いたしております。下水道終末処理場につきましては、これは土砂で埋まった関係上、現在土砂を除去しておるのであります。下水道終末処理場の運転につきましては、完全に復旧するのには九月半ばごろまでかかると思いますが、とりあえず通水を急ぐということで、沈澱池を第一番に復旧いたしまして簡易処理を行ないまして、通水を行なうということにいたしております。今月末には大体通水することができる、こう考えております。
 次に、補助率の点でありますが、前回三十四年度の災害の際には、予算措置としまして、一般建設の補助率よりも高率に補助いたしておるわけでありますが、今回もそういう方法によって万全を期したいと考えておるわけであります。
#83
○中島(巖)協議委員 飯田市は下水道を建設するために、市の方で奨励して古い便所をとってしまって、市街地はほとんど全部水洗便所にしてしまった。そこで、今度の災害で終末処理場がなくなったが、水洗便所を使わせぬというわけにはいかぬから使っておる。それがそのまま流れ出て、応急処理みたいなことをしておるが、非常に不完全なものである。従って、これらに対して国でも一段と力を入れていただきたい。その他もろもろの災害でもって手のつかぬ、右往左往の状態なんです。そこで、先ほど大臣にも申し上げましたけれども、あなたの方の関係で、この前、福祉施設あるいは医療機関その他に関して九つの特別立法を出して、広範な救済をしているわけである。従いまして、今回も、この前の伊勢湾台風並みの特別立法を厚生省関係でもこしらえていただきたい。これは今大臣にも要望しておきましたけれども、おそらく閣議で決定して、各省とも足並みをそろわせなければならぬことと思うのでありますが、事務当局から、こういう率になるのだから、特別立法を作らなければここが救われないのだということを一つ一つ出して大臣に説明すれば、おそらく大臣も納得すると思うのです。このことを事務当局に要望いたしまして、これ以上いろいろの質疑応答をいたしておっても仕方がありませんから、私の質問を終わります。
#84
○岡本(隆)協議委員 関連して。大臣がおられると思っていたら帰られたそうですから、簡単な問題だけお尋ねしておきます。
 ただいま中島委員のお尋ねの終末処理場の復旧の問題でございますけれども、承っておりますと、とにかく簡易処理をやって応急措置を講じておるということでございますが、それはどこへ応急の沈澱池をお作りになっていらっしゃるのでしょうか。
#85
○金光説明員 応急処置でございますが、この簡易処理と申しますのは、実は、下水道法で認められておる方法でございまして、沈澱池に汚水を集めまして、そして、うわ水はそのまま消毒して放流する。恒久処理になりますと、さらに上水を散水濾床にかけて処理するわけであります。そこで、簡易処理の場所でございますが、これは従来作ってあります沈澱池の土砂を早急に排除してそれを使用する、こういうふうに考えておるわけでありまして、第一番目にこれに着工しておるわけであります。今月末には沈澱池は復旧するという予定であるわけであります。
#86
○岡本(隆)協議委員 私は、災害後のあのあたりを見ておりませんけれども、災害直前に参りましたので、ある程度の想像がつくのでございますが、あの辺一体はすっかり土砂に埋まって平面になっておる。そこで、復旧されるにつきましても、この間も建設大臣に私の考え方を申しておったのでございますけれども、もう一度昔の表土といいますか、そこまで掘り起こして、耕地であるとか、その他を復旧するということになりますと、これは再度の災害が幾らも予想されるから、非常に大規模な改良復旧をやらなければだめじゃないかということであります。大体下水道の終末処理場というものは、一番低いところにあるわけです。また、一番低いところに作らなければだめなんです。できるだけ低くするということなら、なるほど掘り起こして、もう一度前のを使うという考え方もあろうと思うのですが、しかしながら、掘り起こしてそういうところに作れば、もう一度また水をかぶり、土砂をかぶるということは当然予想されるわけなんです。だから、その場合、復旧の方針というものについてよほど慎重にしていただかないと、また同じことが繰り返されるのではないかと思うのです。ただ単なる復旧でありますと、今度はもう飯田市のあのあたりは土砂で埋まって、さらに災害が頻発するというふうな条件を備えてきているところなんです。そこへ元のままで原形復旧されたところで、すぐまたその施設が災害にあうということは予想されるところでございますので、そういう点を配慮して復旧計画をお立てになっているのか、あるいは単に土砂をのけて原形復旧ということで考えておられるのか、その辺の復旧計画というものについてお尋ねしたいと思います。
#87
○金光説明員 下水道の終末処理施設は当然低いところに作らなければならぬ、そういうことで、水害を受けやすい場所になるわけであります。この点につきましては、従来もいろいろ検討し、そういう防護の点について考えておったわけでありますが、問題は、やはり河川の護岸の問題、防護の問題とあわせて考えていきたいということで、今回の飯田市の処理場につきましても、そういう点については十分考えていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#88
○岡本(隆)協議委員 私は、京都におりますが、京都の下水処理場が例年つかる。それで、下水道の処理場というものは低地に作るものだということで、そこの盆地の一番底に作れば水につかりやすい、だから、それについての設計は十分に考えなければいかぬということをいつも痛感しておりますだけに、飯田市に他の市町村に見られないようなりっぱな施設を厚生省が指導して作らしておられるという限りにおいて、今度罹災した施設を復旧されるには、やはりそういう点に十分な配慮をしていただかないと、短期間でありましても屎尿がたれ流しになっておるという現状から見ますとき、どのようなものに今度は復旧していただくように、特に希望いたしておきたいと思います。
 それから、社会局長へのお尋ねでございますけれども、だんだん災害の性格が変わって参っておると思うのです。たとえば、飯田市の場合なんか、なるほど、ああいうふうな集中豪雨があったということは一つの天災かもしれません。しかしながら、泰阜ダムができて、それでもって非常に川床が高くなっておった、そこへ豪雨がやってきたという意味においては、これは人災なんです。だから、そういう意味において、現在災害の常襲地帯というものは、人間が自然に抵抗して河川に、工作物を作ったり、いろいろな施設をやっている、その結果としてまた災害が出る、人間と自然との戦いを通じていろいろ不測の事故が起こってくる、そういう意味において、今日の災害というものは、必ずしも人災とのみいえない事態になってきていると思うのです。そうしますと、災害というものは、これは災難だ、それはお気の毒でありますから、何とかちょっとお助けいたしましょうというようなことで、――ほんとうの天災であればそういうことで済むかもしれないと思う。また、今日の災害救助法というものは、そういう考え方に出発していると思う。たとえば、応急にあかりをつけるためにろうそくを配るとか、応急の生活必需品であるとか、その他寝具とか毛布というようなものを配るとか、そういうふうなほんの当座のもの――だから食事だって握り飯にたくあんだ。それで三日間、四日間、一週間も生活させるというふうな考え方で災害救助法ができておると思う。しかしながら、たとえば、飯田であるとか――これは私の方も災害常襲地帯であるので、人ごとでない、あすはわが身というわけで、絶えず痛感しておるのですが、そういう地帯の人たちにとっては、もうこれはいろいろな形で河川をいらわれて、そのために災害が出てきた、これが災害常襲地帯になってきておるということであれば、これは災害を補償してもらわなければ困る、だから、災害補償法というものを作ったってあたりまえじゃないか、こういう考え方が出てきておるのです。また、泰阜ダムによって川床を上げられて再三災害を受ける人にとっては、これは当然政府に補償してもらってあたりまえだ、ダムを作ったものに補償してもらうのはあたりまえだという考え方が当然出てくると思う。また、われわれのところでも、やはり下流の防御のために、ある地点が、いつも水害の場合に遊水池にされているというようなところの人にしても、下流のためにわれわれが犠牲を払うなら、これは補償してもらってあたりまえだという考え方が当然出てきておるし、現在そういう考え方が非常にみなぎっておるのです。だから、災害救助法というふうなものでなしに、災害補償法というものができてもいい、作ってもいいというふうな考え方が、これはわれわれの中にも出てきておるわけです。だから、社会党も、災害救助法というふうな名前は不適当だから、災害援護法ということにしようじゃないかというのでもって、救助法を改正して援護法にまで発展させていこうというふうなことを先国会に提案しておるのです。だから、そういう意味から、一つ政府の方でも、そういう点、われわれ以上に――何でも財政的な支出を少なくすればいいのだということで、救助法でお茶を濁しておくというふうなことでなしに、災害罹災者に対するところの救助というふうなんじゃなしに、ほんとうの援護というふうな気持を持って、たとえば、罹災者にもっと大幅な融資の道を考えるとか、見舞金を出すとかいうふうなことを政府として考える方向へ出ていかなきゃならぬと思うのですが、それは政府として今直ちにそこまで――社会局長としては、そういうふうに進みますということは答弁しにくいと思いますが、しかしながら、大体今までの災害救助法という考え方を改めていかなければならないと私は思うのです。それに対するあなたの御見解を一つ承りたいと思うのです。
#89
○太宰説明員 いろいろお話ございましたように、災害が起こりましてからあとで、やれ、お気の毒であったとか、救助する、どうこうするということも、これはもちろんやらなきやなりませんけれども、その前に、災害が起きないようにもろもろの施策について十分な手当をして、そういう不幸を招かないようにする、また、それぞれの施設をいたしましたものにおいても、そういう点を考えてその点の手当をしていく、こういうふうなことは当然必要になってくるわけでございまして、さような点等もいろいろ考えまして、御承知の通り、前国会でございましたか、災害対策基本法、これは抜本的な一つの基本法であります。この基本法の精神にのっとりまして、それぞれ災害救助なりその他水防なりいろいろな手当をして参る、こういうふうな施策を政府として考えておるところでございまして、そういう基本法の御審議とともに、それぞれ関係の法案についても改正すべき点を検討いたしまして、御審議をお願いしたいと思っておる次第でございます。社会党で御提案なすった災害援護法につきましては、これは遠慮させていただきたいと思います。
#90
○岡本(隆)協議委員 災害のときに食事を配りますね。今食費は幾らですか。
#91
○太宰説明員 たき出しその他の費用でございますが、一応一人一日七十円ということになっております。これが伊勢湾のようにだんだん長くなるということになりますれば、これはまた考えなければなりませんが、一応七十円でたき出しをやっております。
#92
○岡本(隆)協議委員 それじゃ、伊勢湾のときは幾らまで増額されたのですか。
#93
○太宰説明員 当時は五十円が最初の出発でございましたが、最後は九十円までなったと思います。
#94
○岡本(隆)協議委員 伊勢湾のときにも話を聞いておったのですが、握り飯を作ってからも、現地へ持っていくまでの間に相当時間がかかってしまう、少し塩けをつけて握ってあるので腐りかげんにできておるということから、現地ではもう腐って食べられない、せっかく届いたおむすびが腐って食べられないということがしばしばあったように聞いておるわけです。そこで、一食七十円なら話はわかるのですが、一日七十円。これはもういつもよく児童福祉法のときに出てくる。今の児童施設に収容されている子供の食費と、狂犬予防のために集めてきた犬の食事が同じだということでいつも言われておったが、結局、罹災者の食事もそういうことになっておるわけですね。だから、こういう点も、災害救助法という考え方が、やはり食費は応急だからそれでいいというふうなことで、二日や三日なら握り飯でしんぼうしてもらおうというふうな考え方があるから、やはりそういうお粗末な食費ということで済まされておると思うのであります。この間名古屋へ参りましたところ、名古屋では、カン詰にした焼き飯を配給しておるんですね。あれを見て、これはいいな、やはり罹災者に対して救護をやる場合にも、こういうふうな配慮が当然行なわれるべきであって、戦時糧食としていろいろな、たとえば戦時中にも、中には、もうアズキ飯のおこわのカン詰まで作られておったのをわれわれ見たことがございますが、やはり潜水艦であるとか、あるいは船の乗組員などに対してはそういうふうな準備を日ごろ国でもしておったわけなんです。これだけ災害が常襲的にあり、いつなんどき、どこに大きな集団の罹災者が出るかもわからないというふうな場合には、やはりカン詰でもって相当栄養価のあるいろいろな食糧の準備があってしかるべきだ。そういうふうなことをまた国は日ごろ心がけておかなければならない。災害が起こってから、とりあえずのことだから、これからおむすびを作るのだ。しかも、罹災地で水も十分ないというようなところで握り飯を作るということは、不潔きわまりないところですから、伝染病の蔓延がいつ起こるかわからない。だから、これだけ何といいますか、人間の尊厳がもうすでにみんなのはだについたものになり、そしてまた、災害というものがこれだけ常襲的に絶えずあるというふうなことになり、しかも、その災害救助法によって政府は災害対策としていろいろなものを備蓄しなければならないということが義務づけられておる。その義務づけられておるところの備蓄の中には、ローソクだとか、食糧もあるでしょうが、しかしながら、そういう素材でなしに、やはり栄養価のある食糧品を災害用の非常時食糧品として絶えず準備する必要があるんじゃないか。名古屋で、一体幾らにつくのですかと言ったら、お米を持っていって加工賃が四十円だというようなことでしたから、米一合十五円くらいで、それに加えれば五、六十円というところでしょうか。一食五、六十円になれば、なるほど予算としては相当ふくらむかもしれませんが、しかしながら、災害を受けて復興作業にいろいろ肉体的な労働もやらなければならないというふうな人たちにとっては、何よりもまず体力の消耗を防ぐということが大切であり、従って、それにはエネルギーや栄養価のある食べものの補給ということが大切であるということを考えていただきますならば、この災害救助法の食費をもっと大幅にふやしていただきまして、それでもって十分な栄養価のあるところの食糧の補給を心がけていただくようにお願いしたいと思うのでございます。けれども、これはちょっと話が飛躍し過ぎているでしょうか、あるいはそうではない、やっぱりそうしたいと思うのだというふうにお考えでしょうか、その辺のところを承りたいと思います。
#95
○太宰説明員 たき出しとか避難所への収容というようなことは、応急の措置でございまして、何せ着の身着のままで避難された方にそういう食糧を支給する、また、支給する方も、やれ人命の救助だとかそういう災害のさなかにあるわけで、現場は火事場騒ぎで、文字通りひどいところが多いと思う。従いまして、その間における応急措置でございますから、ろくなことがどうもできない。たとえば、大体握り飯とか乾パンとかいうようなことがまず最初に出てくるわけでありまして、それが長引いてくるに従って、だんだん少しはよくなると思います。そういうようなことです。それで、七十円という額は少ないじゃないか、焼き飯ぐらい最初から出したらどうかというような御意見かと思いますが、それは、そういうものが最初からできればそれに越したことはないと思う。また、七十円の額は、もうこれ以上上げる必要はないのだという考えではありませんが、先ほどもちょっと申しましたように、伊勢湾の当初は五十円だったわけでありますが、これを今回七十円にしたというようなわけでございまして、この点まだ決して十分とは言えないかもしれませんけれども、これはだんだんということで今日のところは御了承をいただきたいと思います。
#96
○岡本(隆)協議委員 これでやめますが、災害救助というふうな考え方を是正すべき段階になってきておる。だから、災害援護であるとか、場合によれば災害の補償というふうな与え方にだんだん移っていかなければならないというふうに思いますので、その辺、十分そういう配慮を加えた対策を立てていただくことをお願いしておきまして、私の質問を終わります。
#97
○井堀協議委員 厚生省関係にもまだまだお尋ねをいたしたいのでありますが、時間の都合もあるようでありますから、急いで労働関係の質問をいたしたいと思います。厚生省関係の問題につきましては、私は、根本的な考え方をぜひ改めるように要望いたしておきたいと思うのであります。それは、一般的な風潮でもあるようでありますが、今回に限ったわけではありません、災害対策といいますと、この機会に地方財政の日ごろの貧困を何とか満たそうという努力も、わからないわけではありません。とかく災害の復旧あるいは恒久的措置への橋渡しに、この機会に予算の増額などの要求も当然であるかと思いますけれども、あくまで、やはり災害対策の根本は、人命を尊重するところに重点を置くべきだと私は思う。さらに、住民の福祉増進のために災害を未然に防ぎ、あるいは最小限度に食いとめるという考え方の上に、一切の政策が立てられなければならないと思うのであります。どうも災害の現地を調査いたしまして、また、各方面からの陳情や要望を伺いまして、隔靴掻痒の感をいたすわけであります。特に私は、厚生行政は災害に対して最も重要な立場にあって、積極的な政策を打ち出し、あるいはこういう機会に積極的な態度で発言をすべき役所であると思うのでありますが、ただ単に一例をあげて厚生当局の見解をただしてみたら、私の想像は全く的中をいたしまして、いずれに災害対策の基本があるかが明らかになったような感じがいたすのであります。どうぞ、今後もあることでありますが、あくまで、やはり災害は、人命を保護するための、また、住民の福祉を守るための抜本的な対策と結んで、応急対策を行なうそれぞれの措置をなすべきだと思うのであります。そういう意味で、厚生省の役割は非常に今日高く要請されておることを重ねて申し上げて、事務当局の御発奮を願いたい。大臣にはまた機会があると思うが、政府も、そういう点についてはもっとしっかりしなければならぬときでもあると思います。この機会にそういうことを要望いたしておきたいと思います。
 次に、労働関係でありますが、今の事項にも関係があるのであります。今回の災害を通じて、これも災害対策の中心が、災害によって損壊をいたしました施設の回復に重点があって、その目的がいずれにあるかを実ははき違えておるのではないかと思われる事例を、幾つか経験をいたしました。そういう意味で一つ労働省に、これは政策上の関係が主でありましたから、大臣の出席を求めて、この内閣の労働政策に対する、こういう場合における見解を明らかに国民の前に示すべきであると思いましたので、大臣の出席を要求いたしましたが、何かの御都合で事務当局がかわって御答弁下さるそうで、政策の問題については従って御答弁はむずかしいと思いますが、せっかくの機会でありますから、ごく簡単にお尋ねをして、この機会は質問を終わろうと思うのであります。
 それは、先ほどの質問の中にもありましたように、その救助に出ました人が、そのそばにあった飯場にいました労働者であります。不幸にして、その飯場は、その崩壊をいたしました事業所に直接関係のある飯場でない点であります。もちろん、直接関係があれば、労災法の適用などの問題も起こってくると思う。しかし、この点については、伊勢湾台風のときに、罹災者に対しまして休業手当のかわりに失業保険を転用したといったようなかなり器用な緊急対策をおとりになったことは、そのよしあしをここで論ずるのではありません、そういう措置まで講じて、非常事態に法律の不備を補おうとした努力を多とするのであります。そういう意味で、今回の場合などは、多少事実問題について私はもう少し調査をしなければ何とも言えませんけれども、現行法の関係からいきますと、労災法の適用も、また不可能ではないと思われる点があるのであります。この点についてお考えになったことがあるかどうか、これはもうお調べになったと思うのでありますが、その点、どうでしょう。
#98
○村上説明員 ただいまのお尋ねでございますが、事実関係が、いま少しく詳しくお伺いできますならば仕合わせでございますが、一般的に申しますと、労災補償なり労災保険法による補償は、これは先生十分御承知のところでございますが、業務上の災害に対して補償が行なわれるわけでございます。業務上であるかいなかということが問題の根本になるわけでございますから、従来労働省のとっておりました見解は、労働者が業務に基因し、業務遂行中にこうむった災害について補償する、こういう見解をとっておりました。別な言葉で申しますと、使用者の指揮命令のもとに置かれた状態において災害を受けた場合に補償されるわけでございます。従いまして、御指摘の事例、ちょっと不明確な点もございますけれども、事業主の支配下にない別の現場において災害をこうむったという場合に、そういった現場に使用者が出向いて救助しろという命令が出た場合は、これは業務とされる可能性が出て参りますけれども、本人が自由な意思に基づいてもっぱら人道主義的な気持から救援におもむいたという場合に、その補償責任を使用者に課するということは、労働者災害補償の建前から見まして、困難ではなかろうかというふうに考えられるわけでありますが、しかし、その使用者の指揮命令のもとに置かれておるかいなかという点については、厳密な事実認定を必要といたしますので、御指摘の事例が直ちに業務外であるというような論断は、今差し控えたいと存じます。今申しましたような労災補償制度の建前から見まして、失業保険の場合と似たような考え方で業務上の類推ができないかという問題になりますと、失業保険と違いまして、労災保険の建前は、使用者のみの責任という建前、使用者のいわゆる無過失賠償責任というものを根底に置いて作られた制度でございますので、そういった災害が発生した場合は、使用者にその責任を負わせることが妥当であるかどうかという基本的な問題が残っておりますので、そういった基本的な問題を前提にして考えますと、かなり理論上はむずかしくはなかろうかというふうに存ずる次第でございます。
#99
○井堀協議委員 この問題は、ちょっと私も事実をもう少し調べたいと思いまする点は、業務遂行行為かどうかという点については、直接業務遂行行為でないことはきわめて明瞭なんです。それから事業主の支配による行為であったかどうかということについては、問題があると思います。というのは、それに隣接した作業場、そしてそこの飯場も崩壊しておりますから、飯場がつぶれて圧死を受ければ、これは労災保険の適用を受けることは、私どもも承知しておるわけであります。ただ、その際、たとえば飯場にはそれぞれ責任者がおって、その支配下にありますから、雇い主にかわっての権限を持っている人がいて、それがそういう場合に緊急の措置として、一人で飛び出したわけではありませんから、全員飛び出して救済に行っているところを見ると、経営者の立場を代表する人が先頭に立って行っておるわけでありますから、そういう点は、私は、いわゆる事業主の支配下にあっての行為だというふうに理解することのできる内容がひそんでおるのではないかと実は思ったからであります。これは事実をよくお調べをいただいて、そういうものを適用することがこの際いいかわるいかということは問題があると思うのでありますが、先ほどあなたはおいでになりませんでしたけれども、政府はこういうような問題について特別な対策を持っていないことを先ほど厚生大臣から答弁がありました。はなはだ不都合だと思いますので、私ども十分そういう事実に対してもう少し真剣な要求をいたす意味できょうは質問をいたしておるわけで、それに関連してお尋ねしておるわけでありますから、そういう点でお調べを願って、文書でもけっこうでありますから、詳しく御返事いただきたいと思います。
 次に、これはやはり今回の調査の対象になりました一つの事例で、これまた具体的なことを先に申し上げれば、お答えを正確にしていただけると思うのでありますが、労働省の方の報告もちょうだいいたしました。それは茨城県の岩瀬町を中心にいたしまして、御影石の特産地である。これが今回の水害で山くずれをいたしましたり、あるいはその搬出の道路である林道や私道が崩壊したために、作業が中絶しておる一零細企業あるいは中小企業の中の小の部分であるようにわれわれは見受けるのありますが、ここで問題になりますのは、そのために作業が不能になりましたので、労働者の労働条件については私は直接的には問題がないように思います。というのは、雇い主は、そういう人たちに、道路の復旧でありますとか、あるいは崩壊した土砂の取り片づけといったような作業を命じて適当に報酬を支払っておるという報告を聞いております。でありますから、ここではすぐ生活に問題があるようなことではないと思う。しかし、私はこの現場を通じまして労働省にお尋ねをしようと思いましたのは――この作業に従事しております労働者の限られた者かもしれません。特殊の熟練労働が要求されておる作業であるということを現実に見ている。そうして、こういう作業は今後の日本の建築工業の中においても新しい分野として進出を始めてきたように聞いております。そうすると、政府の表看板にしております、要するに、新しい産業の分野の労働力確保の問題と関連してくる事柄である、こういう問題に対して、こういう災害の際においてとる措置というものは、存外正直なものが出てくると思うのであります。そういう意味で、私は池田内閣の労働政策の中にこういうほんとうの筋がはっきり知りたいと思いまして、これを機会にはっきりお尋ねしようと思ったのが私の質問の目的であったのでありますが、閣僚でありませんから、そういうことをお尋ねすることは困難だと思います。その輪郭として事務当局のお答えを願っておきたいと思います。あなたの方もお調べになっておりますが、ここはかなり多くの業者が散在しておる。この熟練労働者が一たび離れると、戻ってこない。だから、それを定着させるためには必死の努力をしておるのでありますが、なかなかその努力が困難である。その一つの理由は、熟練労働者でありますから、自分のやっておる専門の仕事に従事することは、少々苦痛が伴ってもがまんができるけれども、全然異なった土工のような仕事、臨時人夫のような仕事をさせられたのではたえられないというので、逃げ出しておる。このことが業者としては非常に痛手だという訴えをしております。しかし、その訴えは、私としてとりましたのは、そういう特殊の産業で、特殊の熟練労働というものを保証し、あるいは温存するということは、もちろん業者の責任ではありますけれども、国の政策との関連においても、こういう問題はやはり非常に重大な事柄ではないか。人数はごく限られたもののようでありますけれども、特殊産業と申しますか、そういったような点に対してこの政府としては何か適切な処置でもおとりになっていこうとしておるかどうかを実は聞こうとしたわけであります。あなたの方は事実を調査をされ、事実はよく承知をしておる。こういう特殊の技術労働者に対する方法ということになると、早く道を直して作業がすぐ再開できるようになるならば一番いいが、実際は一月なり、それ以上かかるところもある。事実逃げるようなところもあるようであります。今後も離職が起こるだろうと予測されるものもあるそうでありますが、こういう点に対する労働省の御見解を伺っておきたいと思います。
#100
○村上説明員 御質問の内容を拝聴いたしておりますと、茨城県の個別的な具体的な事例と、それに関連しますところの現在の雇用上の基本的な問題に関連した非常に大きな問題があるように拝聴いたしたわけであります。茨城のそのケースにつきましては、御質問の中にございましたように、その技能者の本来の仕事に従事することはさしあたり困難であるが、しかし、復旧作業に従事しておるという場合には、これは休業ではございませんので、労働しておりますので、正規の賃金が支払われるということで、これは御指摘の通り問題がないかと存じますが、問題は、そういった従来の労働と別種類の労働をやらせられてはかなわぬ、かつまた、もっと高い賃金のところにかわりたいという場合に、それをとどめて無理やりにその事業場で働かせるということは、これはちょっと法律的には不可能なわけでございますが、私ども御指摘のような事例を聞きましたので、そういう労働者が転職する場合に、安定所を通じまして他に転職するというような場合には、その労働者と十分相談をいたしまして、その災害を受けた事業場がいつごろ復旧するか、また、従来の仕事が継続できるかどうかといった点についても、事業主の見通しをはっきりつけていただきまして、みだりに他にかわる、理由なくして他にかわるという場合には、当該事業場の事情もよく聞きまして、納得のいくような形で、使用者にも、かつ労働者にも利益になるような形で処理して参りたいと思っております。しかし、何分にも技能労働力の不足という基本的な問題がございますので、技能労働者がよりよい労働条件を求めまして他に転職するという場合には、これを従来の事業場にとどめるというわけには参りません。労働省といたしましても、技能労働力の不足、さらに、その根底には、労働力の一般的な不足という問題が最近特に顕著になって参っておりますので、基本的には広域職業紹介の機能をさらに強化いたしまして、地域的には労働力が過剰な地域もございますので、そういった労働力の過剰な地域と、不足しておる地域との、いわば労務需給の調整をさらに円滑に処理して参りたい。現在は、労働力が不足しておる地域におきまして個別に労働力の多い地域に交渉いたしますために、その求人、求職の関係が相当混乱しておりますので、いわば交通整理を行ないまして、労務需給の適正化をさらに促進して参りたいというのが一つの基本的な考え方でございますが、しかし、それは量的な調整でございまして、質的な技能労働者の不足という問題は、紹介機能の強化だけでは解決いたしませんので、これは井堀先生も古くから御提唱になっておられます職業訓練という問題をさらに強力に推進して参りたい。特に雇用促進事業団がこの七月一日から発足いたしました。新たなる機構のもとにおきまして、従来の総合職業訓練所などをさらに活発にその機能を発揮していただきまして、技能労働者の訓練にさらに努力して参りたいというふうに考えております。こまかに申しますれば、たとえば中高年令層の問題、その他地域的な、あるいは年令的ないろいろな問題がございますが、そういう問題につきましても、目下総合的に検討を加えておる次第でございます。
#101
○井堀協議委員 大へん時間も経過したようでありますから、これで終わりたいと思いますが、最後に希望だけを申し上げておきたいと思います。
 この種の災害によりまして労働者の受けておる被害は、今の問題は、熟練労働、特に政府のいう熟練労働者の適正配置に対する、こういう非常事態の緊急措置というものがどうあるかということについて聞きたかったのでありますが、今のお話で、事務的に、あるいは現行法でどうするかという問題では解決が困難だということだけは明らかになっておると思います。こういうような点について、これは茨城県の実例にすぎぬのでありますが一災害が起こりますと、必ずどこにもこの種の問題が発生することは必然だと思うのであります。農業労働にいたしましても、林業労働にしても、あるいは協同蚕業などの受ける被害は特に顕著であります。そういう際に、国がやはり重視しなければなりませんことは、労働の量、質ともに、労働者の生活を左右いたしますことは言うまでもありません。しかし、今回のような場合は災害を急速に復旧するということによって、ある程度傷を浅く済ませるということにもなるわけでありますから、そういう方面との関係ももちろんありますけれども、こういう問題を扱う場合に、主客転倒されないで、あくまでそこの住民の生命なりあるいは労働者の生活の問題、住民の福祉の問題が第一義的に取り上げられるように考うべき問題の一つだと思いまして、実はお尋ねをしたわけであります。各地でそれぞれ御調査なさいまして、きっとこれと関係した事項はたくさんあることだと思いますので、今後災害に連なります労働者の問題、特に勤労をもって生活をささえる住民のための福祉について、最大限の援助をすみやかにやるように要望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
#102
○辻委員長 以上で自治省、厚生省、労働省、国鉄当局等に対する質疑はひとまず終了いたしました。
     ――――◇―――――
#103
○辻委員長 遠藤三郎君より、北海道地方の災害について発言を求められておりますので、これを許します。遠藤三郎君。
#104
○遠藤協議委員 去る二十四、二十五の両日にわたりまして、北海道にきわめて深刻な集中豪雨があったことなどが伝えられております。その豪雨の被害について、政府当局で集めました資料に基づいて報告をこの委員会にしていただいたらどうか、場合によっては、この委員会で災害対策の問題をあわせて処理をしていく、そういうことにすべきかいなかということを決定する材料にもなりますから、現在のところ出ております被害状況について、できる限り詳細にここで御報告を願いたい、そういう動議を提出したいと思います。
#105
○辻委員長 今の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#106
○辻委員長 御異議なしと認めます。それでは、聴取することにいたします。建設省山内河川局長。
#107
○山内説明員 二十四日からの豪雨によりまして、現在北海道で災害が発生をいたしておりますが、なおまだ河川の水位が高いという状況で、全般のことは今後の調査に待たなければいけないと思いますが、現在までに北海道庁から入りました公共土木施設の被害だけを御報告申し上げます。
 河川といたしましては、石狩川水系がおもでございますが、その周辺の都市といたしまして、砂川、赤平、美唄市、それからなお西南部といいますか、西の方の余市、倶知安、こういう付近が被害の中心地になっております。そして公共土木の現在までの被害報告額は、河川が七億一千万円、道路が七千八百万円、橋梁が三一億三百万円、合計いたしまして十億九千一百万円、こういう状況でございますが、先ほど申し上げましたように、まだ河川の水位が高いという状況でございますので、なお相当ふえる見込みでございます。
 概略御報告申し上げます。
#108
○辻委員長 次に、農林省久我統計調査部長。
#109
○久我説明員 農作物関係の被害状況を御報告申し上げたいと思います。
 二十四日から昨二十六日の夜まで降り続きまして、ようやくまだ小降りになり出したというような状態でございますので、正確なところはわかっておりません。大体来月の七日ごろに、やや詳細に御報告できるかと存じております。何分にも昭和七年あるいは二十六年の記録を破りまして、札幌、岩見沢あるいは寿都等のいずれの測候所からも、創設以来の集中豪雨だというような報告が入っております。そこで北海道におきまして最も被害が豊作物に出ておりますのは、石狩川と空知川との合流点が決壊をいたしましたために、ちょうど稲は、御承知のように、北海道では、早いものは出穂期、あるいは穂ばらみ期から出穂期の間のものが大部分でございますので、これが相当流失、埋没あるいは倒伏等をいたしております。さらにまた、豆類などの豊作物、畑作物につきましても被害が出ております。目下、明確なところははっきりいたしませんが、三、四千町歩が冠水しておるような状態でございます。
 なお、ちょうど全く同じ日に、二十四日から昨二十六日にかけまして、これは局部的ではございますが、四国の高知におきましても三百ミリからの雨が降りまして、集中豪雨がございました。稲も約二千町歩ばかりが被害を受けておりますが、御承知のように、ここにも、いわゆる第一期作の早い稲は、すでに穂の出出しておるものもございます。これらの水稲関係の被害は、今日御審議の六月の豪雨のときよりもひどくなるかと思っております。これらのところでは、さらに植えかえをいたすというようなことはほとんど不可能でございますし、また、穂ばらみ期に近いものは、相当の日にち冠水いたしますと、非常にひどい被害になりますのが従来の例でございます。従って、相当な被害になるものと存じております。
 ただいまは、その程度でお許し願いたいと思います。
#110
○辻委員長 厚生省高田官房長。
#111
○高田説明員 北海道の集中豪雨によります災害の対策について、けさまでの状況につきまして御報告申し上げます。
 まず第一に、災害救助法の適用の状況でございますが、これは全部で十二市町村でございまして、その具体的な市町村の名前は、赤平市、美唄市、砂川市、当別町、余市町、泊村、古平町、倶知安町、京極村、共和村、岩内村、蘭越町という十二市町村でございます。なお、これはほかに増加する見込みでございます。
 それから、被害の状況でございますが、まず、人的な被害といたしましては、死者が一名、そのほか、行方不明、負傷者等含めまして、四名となっております。それから、住家につきましては、流失が九十四尺、そのほかに、半壊、床上浸水、床下浸水を含めまして、約一万二千百三十戸というふうになっております。
 救助の実施の状況でございますが、知事は、災害救助法等に基づきまして、避難所を設置して罹災者を収容するとともに、たき出し、飲料水の供給、被服、寝具その他生活必需品の給与に当たっておる状況でございます。
 その次に、公衆衛生関係の状況でございますが、災害地には、さっそく巡視船をもちまして濾水機を四台、それからクレゾール等を、防疫班とともに急送いたしました。また、給水車三台を災害地に急送いたしましたが、目下のところは、まだ伝染病の発生は見ておらない状況でございます。
#112
○辻委員長 次に、警察庁塩飽警視。
#113
○塩飽説明員 警察庁の方できょうの正午までに集計いたしました全道の被害でございます。一部詳細に判明していないところもございますが、とりあえず、今までに報告があった分についてだけ申し上げます。
 死者が五名、行方不明が十六名、血傷者が九名であります。罹災世帯、これは大体床上浸水以上のものを罹災世帯と称しておりますが、これが六千八百世帯であります。それから罹災者の数は、これはやはり床上浸水以上の災害をこうむったものでありますが、約三万名というふうな数になっております。
 次に、倒壊家屋は、全壊、半壊並びに流失を含めて、約百五十棟であります。浸水家屋は、床上と床下と合わせて、一万七千二百という数字になっております。
 次に、田畑の被害でございますが、水田と畑の流失、埋没、冠水、全部合わせて約二万八千五百ヘクタール、道路の損壊が約二百五十カ所、橋梁流失が二百八十カ所、堤防の決壊が約百二十カ所、山・がけくずれが八十カ所、鉄軌道の被害が二十五カ所というふうな集計になっております。
 次は、被害がどういうふうにして発生したかという概要でございますが、これは二十四日の大体午後十時ごろから降り出した雨が、夜半並びに二十五日にかけまして非常に大きな集中豪雨になりまして、最高では石狩川の近くの寿都で二百六十七ミリというふうな雨が降りまして、主として北海道のまん中から西南の方に約二百ミリから三百ミリ近い集中豪雨がございました。その関係で石狩川を初めとする各支流が急激に増水いたしまして、石狩川の本流と空知川との合流点にある例の砂川市の本町付近、ここで昨日の朝の七時四十分ごろに溢水はんらんしたというふうなことを初めといたしまして、各地で小河川が一せいに溢水あるいは堤防決壊というふうなことで、ずっと被害が発生いたしました。おもな被害が発生したところは、先ほどお話がありました砂川、滝川、岩見沢、江別、月形、当別、余市、岩内、苫小牧というふうな各市町村であります。現在の状況でありますが、大体二十五日の正午から雨がやみまして、それ以後はほとんど降っていないというふうな状況であります。ただ、石狩川の平常水位が約一二・二五メートルでございますが、これが二十メートルちょっとになりまして決壊いたしました。それから最高二十二メートルまで参りましたが、きのうの午後から十七、八メートル、けさあたりは十五、六メートルぐらいに減水しているというふうな状況で、これ以上特に被害が大きくなるようなことはあまりないのではないか。ただ、下流の方は、広がりが非常に大きいものですから、平坦地の関係で、急激には増水はしないで徐々に増水していく下流の方には、まだ若干被害が発生するおそれがあるというふうな状況でございます。一応そういうふうな状況でございます。
 警察庁といたしましては、一応道警察本部、方面本部、各警察署ともそれぞれ災害対策本部を設置いたしまして、昨日までに千二百七十一名の警察官を出動させ、それぞれ関係機関と協力いたしまして災害情報の収集、危除区域の警戒、市内誘導、被災者の救出というふうなことに、現在でも、ほとんど二十四日以降不眠不休で警戒、警備を続けておるというふうな状況でございます。
 以上が概要でございます。
#114
○辻委員長 ほかに御発言はございませんか。
     ――――◇―――――
#115
○辻委員長 それでは、この際、小委員会設置についてお諮りいたします。
 理事諸君との協議に基づきまして、本協議会、災害対策の樹立につきさらに慎重を期し、調査を進め、また、必要な法律案等を起草するため、部門別に三小委員会を設け、建設省関係については建設小委員会、農林省関係については農林小委員会、その他厚生省労働省、通商産業省、文部省等の関係については厚生等小委員会を設けるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○辻委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 ただいま設置するに決しました小委員会の小委員の員数は、おのおの十名とし、小委員及び小委員長は委員長において指名いたすに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○辻委員長 御異議なければ、さよう決します。
 それでは、建設小委員に
   遠藤 三郎君  小川 平二君
   木村 公平君  木村 守江君
   佐藤虎次郎君  首藤 新八君
   石川 次夫君  岡本 隆一君
   勝澤 芳雄君  中島  巖君農林小委員に
   秋山 利恭君  大森 玉木君
   金子 一平君  竹下  登君
   中野 四郎君  野田 武夫君
   角屋堅次郎君  久保 三郎君
   下平 正一君  玉置 一徳君厚生等小委員に
   赤澤 正道君  北澤 直吉君
   瀬戸山三男君  辻  寛一君
   内藤  隆君  増田甲子七君
   宮澤 胤勇君  加藤 清二君
   北山 愛郎君  五島 虎雄君以上、小委員に御指名いたします。
 なお、建設小委員長に遠藤三郎君、農林小委員長に秋山利恭君、厚生等小委員長には宮澤胤勇君を御指名いたします。
 なお、協議委員の異動に伴う小委員の補欠選任等については、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○辻委員長 御異議なければ、さよう決しました。
 なお、各小委員会は、いずれも来週八月二日水曜日、三日木曜日、四日金曜日開会される予定になっておりますので、お含みを願います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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