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1960/08/30 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会 第10号
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1960/08/30 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 災害対策協議会 第10号

#1
第038回国会 災害対策協議会 第10号
昭和三十六年八月三十日(水曜日)
    午後三時四十六分開議
 出席協議委員
   委員長 辻  寛一君
   理事 遠藤 三郎君 理事 中野 四郎君
   理事 下平 正一君 理事 中島  巖君
      小川 平二君    大野 市郎君
      大森 玉木君    金子 一平君
      壽原 正一君    前田 義雄君
      宮澤 胤勇君    小林  進君
      島本 虎三君    芳賀  貢君
      玉置 一徳君
 協議委員外の出席者
        北海道開発庁事
        務次官     熊本 政晴君
        大蔵政務次官  天野 公義君
        厚生政務次官  森田重次郎君
        農林政務次官  中馬 辰猪君
        通商産業政務次
        官       森   清君
        建設省計画局長 關盛 吉雄君
        建設省河川局長 山内 一郎君
        建設省住宅局長 齋藤 常勝君
        自治政務次官  大上  司君
    ―――――――――――――
八月二十二日
 協議委員竹下登君及び渡辺惣蔵君辞任につき、
 その補欠として細田吉藏君及び島本虎三君が協
 議委員となった。
同月二十三日
 協議委員木村公平君辞任につき、その補欠とし
 て前田義雄君が協議委員となった。
同月三十日
 協議委員野田武夫君辞任につき、その補欠とし
 て大野市郎君が協議委員となった。
    ―――――――――――――
協議事項
 小委員長の報告聴取
 災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○辻委員長 これより災害対策協議会を開きます。
 災害対策に関する事項について議事を進めます。
 この際、各小委員会の報告を求めることにいたします。まず、建設小委員長遠藤三郎君。
#3
○遠藤協議委員 建設小委員会の審査の概要につきまして御報告申し上げます。
 本小委員会は、前後六回にわたって建設省所管の災害対策事項につきまして審議を行なったのでありますが、その熱心な審議状況の詳細は会議録をごらん願うこととし、その結論につきまして、きわめて簡単に御報告を申し上げます。
 本小委員会といたしましては、審議の方針といたしまして、伊勢湾台風時の災害復旧の特例について検討を加え、それを基準といたしまして今回の災害の特殊事情を考慮し、付加すべきもの、あるいは削除すべきものについて協議をいたしました結果、公共土木施設災害復旧事業、災害関連事業、水防資材、堆積土砂及び湛水の排除、公営住宅、以上の五項目の対策に重点を置きまして、現在までに集まった被害報告額をもとにして、伊勢湾台風の場合と同様の基準で行なった場合の試算につきまして建設省当局より説明を聴取し、その説明に基づいて各項目別に審議を進めたのでありますが、若干伊勢湾台風の特例に変更を見る部分はありますが、ほぼそれと同様の特別措置を講ずる必要があるということに意見の一致を見た次第であります。
 なお、これら特別措置を講ずることにつきまして、念のため大蔵省当局より意見を聴取いたしましたが、大蔵省当局といたしましては、今回の災害の規模において、伊勢湾台風のそれに劣ること、あるいは時間をかけて特別措置を講ずるよりは、行政措置によって早期に補助を行なうことが望ましい等の理由をもって難色を示したのでありますが、当小委員会といたしましては、諸般の情勢により、あくまで特別措置を講ずることの必要を再確認し、満場一致をもってお手元に配付いたしました要綱案を取りまとめた次第であります。
 次に、その内容につきまして簡単に御説明申し上げますと、
 第一に、公共土木関係でありますが、その一といたしまして、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の特例でありまして、被害激甚地について、災害復旧事業費の額に応じ、標準税収入の二分の一までは十分の八、二分の一から一倍までは十分の九、一倍以上は十分の十の割合で国庫負担を行なうこととしたものであります。
 その二といたしまして、災害関連事業に関する特例でありますが、被害激甚地において、地方公共団体またはその機関が災害復旧事業と合併して再度災害防止のための災害関連事業を施行する場合、他の法令の規定によって国の負担または補助の率が三分の二以上である場合を除き、国が当該事業に要する費用の三分の二を負担し、または補助するものとしたものであります。
 その三といたしまして、水防資材に関する特例でありますが、被害激甚地において、都道府県または水防管理団体が水防のため使用した資材に関する費用で、政令で定めるものについて、国が予算の範囲内でその三分の二の補助を行なうことができるものとしたものであります。
 以上、公共土木関係につきましては、伊勢湾台風の場合とその内容は全く同様であります。
 第二に、堆積土砂及び湛水排除に関する特例でありますが、被害激甚地において、堆積土砂及び湛水の排除事業を施行する地方公共団体またはその他のものに対し十分の九の国庫補助を行なうものとしたものであります。
 本項の湛水排除につきましては、伊勢湾台風の場合の政令の基準は、面積三十ヘクタールにつき滞水日数七日間ということでありましたが、滞水期間は短く、湛水面積も少なかったが、その排除事業費については莫大に使用したというような場合も考えられますので、この点について修正をいたしました。その基準の緩和が望ましいという意見が出ましたので、建設当局においても滞水日数その他若干の修正をした次第であります。
 なお、堆積土砂及び湛水排除に関しては恒久立法化が望ましいという意見が出ましたことを付言しておきます。
 第三に、公営住宅法の特例でありますが、被害激甚地において、被災者の入居すべき第二種公営住宅の建設を促進するため、滅失した戸数の五割以内について四分の三の国庫補助を行なうことができるものとしたものであります。今回の災害においては、公営住宅については災害により滅失または損傷した例もなく、また、産業労働者住宅資金融通法の特例についても、現在のところ地元の要望もないので、それらについて特例を設ける必要はないという建設省当局の説明を一応了承いたしまして、第二種公営住宅建設の費用についてのみ、伊勢湾台風の場合と同様四分の三の国庫補助を行なうことができるものとしたものであります。
 以上、要綱案の概要でありますが、これら特別措置適用につきましては、激甚地指定を初め、その他についてすべて政令にゆだねることとしておりますが、その基準につきましては、全面的にワクを広げるよう強い要望がありましたことを御報告いたしておきます。
 なお、その他、低地域に対する治水対策強化のための排水ポンプの整備、堤防の強化、ダムによる災害防止のための治水、利水の総合的な指導体制の再検討、連年災あるいは経済効果の大きな個所、人家密集地帯等についての改良復旧基準の緩和、直轄砂防区域の拡大、小災害の起債の特例等、細部にわたりまことに熱心な質疑応答がありましたが、これら詳細については会議録をごらん願うこととし、報告を省略いたしますが、六日間にわたる審議を通じまして、今回の災害が伊勢湾台風のそれと比較いたしまして小規模であるとはいえ、その特殊事情にかんがみ、その対策については伊勢湾台風の場合を下回るものであってはならないという意見の圧倒的でありましたことを申し上げまして、御報告を終わります。(拍手)
#4
○辻委員長 次に、農林小委員長代理中野四郎君。
#5
○中野協議委員 農林小委員会における経過について御報告を申し上げます。
 本小委員会は、農林水産関係の災害対策に関しまして、去る二日、三日、八日、十八日及び今三十日の五日間にわたり慎重に検討を重ねたのであります。
 すなわち、政府当局より梅雨前線豪雨及び北海道、新潟における豪雨等による被害状況並びにその対策等について説明を聴取し、政府に質疑を行ない、また、しばしば懇談により協議をいたしました結果、本小委員会におきまして意見の一致しました諸点につきまして、以下、概略御報告申し上げます。
 まず、被害農林漁業者等に対する資金の融通についてでありますが、諸般の情勢にかんがみ、今回は天災融資法の改正は行なわず、別途、本法についてはその貸付限度額、償還期限及び貸付利率について、一般金融制度及び他の災害対策との関連をも考慮して、さらに根本的な検討を加えることといたしまして、この際は、伊勢湾台風の際に準じて、今次災害のみに適用される特別措置法を制定することとし、その貸付限度額を一般貸付二十万円、北海道にあっては二十五万円、ウナギその他政令で定める水産動物の養殖に必要な資金は四十万円とし、家畜の購入または飼養に必要な資金として貸し付けられるものが含まれる場合は三十万円(北海道にあっては三十五万円)とすることとし、事業資金を一千万円、連合会二千万円とすること、また、早急に激甚地には三分五厘の低金利による融資を行なうこと、以上について意見の一致を見た次第であります。
 なお、本問題につきましては、天災融資法は昭和三十年に制定された法律であり、その後の経済情勢の変動及び現在の農業経営の内容にかんがみ、この際本法の改正をなすべきであり、現行の貸付限度額についても三十万円、北海道四十万円、乳牛の所有者及び乳牛以外の牛馬の所有者に対する加算額を、それぞれ十万円及び五万円に引き上げるべきである、また、償還期限についても、据置期間を含めて八年に延長し、一般貸付利率についても、それぞれ一分ずつ引き下げるべきであるとの意見が述べられました。
 また、今回意見の一致を見た特別措置法における貸付限度額二十万円、北海道二十五万円、組合一千万円、連合会二千万円についても、さらにその額を引き上げる努力をなすべきであるとの強い意見が述べられた次第であります。
 次に、農林水産業施設災害復旧についてでありますが、これにつきましては、今回は暫定法の改正は行なわず、伊勢湾台風の際の措置に準じた特別措置法を制定することとし、被害激甚地(一農家当たりの被害五万円以上)の農地農業用施設及び林道の災害復旧事業の補助率は、一定の基準額を超過する部分について十分の九とし、その共同利用施設の災害復旧事業の補助率は、一定の基準額を超過する部分について、被害激甚地にあっては十分の九とし、その他の地域のものは十分の五とする、また、被害激甚地の開拓施設の災害復旧事業の補助率を十分の九とする、政令で定める地域の農地農業用施設または林道の災害復旧事業に合併して行なう災害関連事業については補助率三分の二の補助を行なうこと、なお、政令で定める地域指定の基準は、伊勢湾台風の際と同様とする、以上の通り意見の一致を見たわけであります。
 なお、本問題につきましては、別途、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置法の原形復旧主義にとらわれず、昨今の災害の実情にかんがみ、防災上も対処できる改良復旧事業がなし得られるよう検討すべきである、さらに、暫定法の共同利用施設の補助率が他の補助率に比してきわめて低いこと、及び例年の大災害にはそのつど特別法が制定され、激甚地において九〇%、一般地域においても五〇%に引き上げられていることにかんがみ、この際共同利用施設の補助率の基準を五〇%に改めるべきである、また、暫定法においては、その災害にかかった個所が五十メートル以内の間隔で連続しているものにかかわる工事、及び五十メートル以上であっても工事を分離して施行することが不適当であるものについては、一カ所の工事とみなすこととなっており、五十メートル云々は事実上空文になっていると思われるので、これを百メートルに改めるととが至当と考える、また、関連事業については、伊勢湾台風の際の特別措置法においても高率補助をもって復旧を行なうことになったのであるが、暫定法には関連事業について何ら規定がないので、この際明文に規定すべきである等の意見も述べられたのであります。
 次は自創資金についてでありますが、これについては、天災融資法の適用ともにらみ合わせ、貸付ワクの拡大をはかるものとすること、なお、自創資金の貸付利率、償還期限、貸付限度額については別途検討を行なうものとするという点において意見の一致を見た次第であります。
 なお、これについては、第三十八回国会の農林水産委員会における審議の経過にかんがみ、この際、一農家当たりの貸付金の限度額三十万円を百万円に、償還期限二十年以内を三十五年以内に、据置期間三年以内を五年以内に、利率年五分を三分五厘に改めるべきであるが、とりあえず、限度額を五十万円、償還期限を二十五年以内に、据置期間五年以内、利率を年四分とすべしとの意見も出されました。
 次に、農地等の小災害の復旧事業についてでありますが、これにつきましては、伊勢湾台風の際と同様に起債を認めることとし、一部については国が元利補給を行ない、地方公共団体で負担すべき残りの部分については交付税の財源計算に繰り入れる措置が確定している旨、農林省当局より説明があったのでありますが一本小委員会といたしましては、伊勢湾台風の際に準じ、被害地方公共団体の起債の特例法を制定することとし、対象事業は農地その他の農林水産業施設とすること、市町村の施行する一カ所の工事費が三万円以上十万円未満のものとすること、地方債の発行限度は農地五〇%、その他の施設六五%、政令で定める特に被害の著しい地域については一定の基準をこえる部分について九〇%の範囲内とすること、発行地方債の元利償還金については七一・五%は国が補給し、二八・五%については地方交付税の基準財政需要額に算入すること、なお、政令で定める地域の指定基準は伊勢湾台風の際と同様にする、以上の点について意見の一致を見たのであります。
 次に、堆積土砂及び湛水の排除についてでありますが、これにつきましては、伊勢湾台風の際に準じ、国は地方公共団体または土地改良区等の工事施行者に対して、その事業費の九割を補助すべきであるとの点について意見の一致を見ました。
 次に、農林漁業金融公庫資金についてでありますが、これについては、農林漁業金融公庫業務方法書の貸付条件のうち、主務大臣指定施設災害復旧資金の貸付金利七分を大幅に引き下げるよう行政指導を行なうべきであるとの意見もありましたが、結局、貸付金利七分を六分五厘に、据置期間一年を二年に、据置期間の金利を六分に改めるよう行政指導を行なうこととの線で意見が一致いたしました。
 以上、小委員会において意見の一致いたしました諸点及びその論議の概要について申し上げたのでありますが、この他、再被害者対策、連年災害に対する融資の問題、共済保険金の支払いの問題天竜社の復旧再建問題、災害復旧に要する国有林産物の払い下げ方法及び価格問題、家畜の被害に対する融資問題、砂利の乱掘の結果生じたと考えられる被害とこれに対する責任の問題発電用ダムの放流による被害と河川管理の問題、奥地における雨量測定の問題、病害虫防除対策、特殊治山対策の問題等、各般にわたり熱心に質疑が行なわれたのであります。その質疑応答の詳細については会議録をごらん願いたいと存じます。
 以上をもって農林小委員会の報告を終わります。
#6
○辻委員長 次に、厚生等小委員長宮澤胤勇君。
#7
○宮澤協議委員 厚生等小委員会の審査の概要について御報告申し上げます。
 当小委員会におきましては、六回にわたり関係各省より被害状況及びその対策につき説明を聴取する一方、昭和三十四年の伊勢湾台風の際の被害状況並びにその対策と今次災害の特殊性とを比較いたしながら、熱心なる質疑と協議懇談を重ねて参ったのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたしまして、関係各省別にその大要を申し上げます。
 まず、大蔵省所管関係でありますが、今回の災害については、従前の例にならい措置を講じているが、府県等からの被害報告に基づき、 つなぎ融資、予備費の支出、その他交付税の繰り上げ交付、預貯金払い戻しの優遇措置、国民金融公庫等の資金の増額、貸付期間の延長、猶予等の措置を講じている旨の説明がなされ、次いで、懇談に際しては、国民金融公庫等の金利引き下げ、償還期限、災害復旧予算の査定、国有機械の減額交換及び国家公務員共済組合等の特別給付等について質疑が行なわれました。
 次に、文部省関係でありますが、公立学校施設の災害復旧については、特別立法を講ずることなく、現行の公立学校施設災害復旧費国庫負担法に基づき措置し、特に査定をすみやかにし、復旧事業費の早期決定、国庫負担金のすみやかなる交付を行ない、また、私立の文教施設の災害については、私立学校振興会法に基づく特別融資のワクを運用し、すみやかに融資の措置をしたいとの説明がなされました。
 なお、教科書、学用品等については、すでに教科書は手配済みであり、国公立学校学生、生徒に対する授業料の減免、育英資金の貸付についてもそれぞれ措置を講じている旨の説明があり、質疑に際しましては、私立学校の災害及びこれに在学する学生、生徒に対しても、関係当局と協議し、補助金の交付等の行政措置を講じ、教育の機会均等の精神にのっとり、公立と同様に助成措置を講ずるよう強い要望がなされ、なお、授業料についても、地方公共団体の長を指導助言し、公立学校の学生、生徒同様に救済措置を講ずるようにとの要望がありました。
 公立学校等の建物等の災害復旧に関する特別措置及び私立学校施設の災害復旧に関する特別措置につきまして協議を重ねたのでありますが、公立学校については現行法で、私立学校については私立学校振興会に融資することでまかなえるということでありますから、今回は特別立法を講じないでよかろうということにまとまりました。
 次に、厚生省関係について申し上げます。
 厚生省当局より、昭和三十四年災害における厚生省関係の特別措置法七件と今回の災害とを対比して、特別立法の要否について説明がなされ、小委員より、災害救助に要する資材費に対する措置、災害救助の緊急性、特に無線連絡、ヘリコプターの利用、舟艇利用等、災害救助協力者の日当及び補償、罹災者の生活保護、見舞金または弔慰金の支給、国民年金法の一部改正と福祉年金の特別措置等について質疑が行なわれました。このうち、災害救助費に関する特別措置については、行政措置で大体いけるということであり、福祉年金の支給に関する特別措置は、国民年金法の一部改正案に織り込み、次国会に提出するとのことでありますので、特別立法は行なわないことに意向がまとまりました。
 なお、社会党の方から、被害を受けた者の援護に関する特別措置について強い要望があり、この点につきましては、協議会においても十分検討願いたいと存じます。
 なお、下水道の終末処理については、現行措置で三分の二の補助をしており、上水道並びに簡易水道については二分の一を行政措置でやっており、いずれも伊勢湾台風の際の特例と同率でありますので、今回は特別措置は要らないと当局から説明がありました。
 次に、労働省関係では、失業保険法関係及び失業対策事業については行政措置で行ないたい旨の説明があり、小委員から特に要望のあった職業訓練手当については、事実上炭鉱離職者並みに手当が出ることとなりました。
 通産省関係については、検討の結果、中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置を行なうことに意見がまとまりました。
 次に、運輸省関係では、私鉄関係の復旧に伴う資金のあっせん等、郵政関係では、不通となった場合の電話接続の問題等について質疑がなされました。
 次に、自治省関係について申し上げます。
 普通交付税については、被災地方公共団体に対して繰り上げ交付した旨の報告があり、特別交付税については、従来と同様の取り扱いをいたしたい、被害額を調査の上、過去の例に準じて歳入欠陥債、災害対策債の発行を許可することを検討中であるとの説明がありました。小委員会としましては、地方公共団体の起債の特例について協議の結果、特別立法を講ずることとし、なお、新たに集団移住に関する特別措置の必要が認められますので、立法いたしたいと存ずる次第であります。
 以上が審査の概要でありまするが、協議を重ねた結果、当小委員会におきまして得られました意見を項目別に申し上げます。
   厚生関係等災害対策要綱
 次のものについては特別措置法を制定するものとする。一、中小企業者に対する資金の融通
 に関する特別措置
  中小企業金融公庫、国民金融公
 庫、商工組合中央金庫が行なう被
 災中小企業者に対する資金の融通
 を円滑にするため、貸付利率を六
 分五厘に引下げ、据置期間及び返
 済期間の延長、担保条件の緩和等
 特別の措置を講ずること。
  特に、商工組合中央金庫が指定
 被害中小企業者に対して再建資金
 の貸付けを行なう際の貸付利率引
 下げに伴う利子補給金を支給する
 旨の規定等については、立法措置
 を講ずること。二、地方公共団体の起債の特例
 (1) 地方税、使用料、手数料等の減免により生ずる財政収入の不足を補う場合又は災害対策に通常要する費用の財源とする場合においては、地方債をもつてその財源とすることが出来るものとすること。
 (2) 農地その他の農林水産業施設の小災害復旧事業(一箇所の工事の費用が三万円以上十万円未満のもの)の経費に充てるため農地については当該経費の百分の五十、その他の農林水産業施設については当該経費の百分の六十五の額の範囲内(特に被害激甚な地域については一定の基準をこえる部分について百分の九十)で発行が許可された地方債については、国がその元利償還金について百分の七十一・五に相当する額の元利補給を行ない、百分の二十八・五は地方交付税の基準財政需要額に算入するものとするとと。
  (3) 前項の地方債は、資金運用部資金又は簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもつて引き受けるものとし、その利息の定率及び償還方法は政令で定めるものとすること。
 三、災害による被害者の集団移住等に関する特別措置
   災害により激甚な被害を受けた地域について、国民の生命及び財産を将来の災害から保護するため、復旧事業に代えて他の地域に移住することを促進するために必要な措置を定める。
 以上で厚生等小委員会の審査の報告を終わります。(拍手)
#8
○辻委員長 以上で各小委員長の報告を終わりました。
    ―――――――――――――
#9
○辻委員長 この際お諮りいたします。
 本年五月ないし八月の風水害に対する災害対策につきましては、ただいまの各小委員長の報告に基づきまして、委員長において本災害対策協議会の災害対策要綱案を作成いたしました。この際案文を朗読いたします。
   昭和三十六年五月乃至八月の風
   水害対策要綱案
  昭和三十六年五月の風害、同年六月乃至八月の豪雨等の災害の実情にかんがみ、又台風期に備え、急速にその復旧、救助を進めるとともに、今後の災害防除に遺憾なからしめるため、次の対策を講ずるものとする。次の事項に関しては、特別の立法措置を講ずるものとする。
 一、建設関係
  一、公共土木に関する特例
   (一) 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の特例
   (1) 昭和三十六年五月から八月までの風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定により、国が災害復旧事業費の一部を負担する場合における国の負担率は、同風水害の災害復旧事業費の総額を次の各号に定める額に区分して逓次に当該各号に定める率を乗じて算定した額の当該災害復旧事業費の総額に対する率によるものとすること。
    イ、当該地方公共団体の昭和三十六年度の標準税収入の二分の一に相当する額までの額については、十分の八
    ロ、当該地方公共団体の昭和三十六年度の標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額については、十分の九
    ハ、当該地方公共団体の昭和三十六年度の標準税収入をこえる額に相当する額については、十分の十
   (2) 前項に規定する災害に関し、国が施行する災害復旧事業の事業費に対する地方公共団体の負担の割合は、前項の規定により国が負担すべき割合を除いた割合とすること。
  (二) 災害関連事業に関する特例
    地方公共団体又はその機関が、昭和三十六年五月から八月までの風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、災害復旧事業と合併して再度災害防止のための災害関連事業を施行するときは、他の法令の規定により国の負担又は補助の率が三分の二以上である場合を除き、国は、当該事業に要する費用の三分の二を負担し、又は補助するものとすること。
  (三) 水防資材に関する特例
   昭和三十六年五月から八月までの水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、都道府県又は水防管理団体が水防のため使用した資材に関する費用で政令で定めるものについては、国は、予算の範囲内で、その三分の二を補助することができるものとすること。
  一、堆積土砂及び湛水の排除に関する特例
   被害激甚地において堆積土砂及び湛水の排除事業を施行する地方公共団体又はその他の者に対し十分の九の国庫補助を行なうものとすること。
  一、公営住宅法の特例
   被害激甚地において被災者の入居すべき第二種公営住宅の建設を促進するため滅失した戸数の五割以内について四分の三の国庫補助を行なうものとすること。
 二、農林水産関係
  一、農林水産業施設災害復旧補助率を次の通り引上げる。
  1 被害激甚地(一農家当りの被害五万円以上)の農地農業用施設林道等一定の基準額を超過する部分について 補助率 十分の九
  2 共同利用施設
    一定の基準額を超える部分について
   (イ) 被害激甚地 十分の九
   (ロ) 一般   十分の五
  3 開拓地の施設十分の九
  一、農林水産業施設災害関連事業
   被害激甚地について災害関連事業の国庫補助率を三分の二まで引上げる。
  一、農地等の小災害に対する特別措置
   1 被害激甚地で市町村が行なう復旧事業につき、地方債の発行限度を農地五〇%、その他の施設六五%(特に被害激甚な地域については一定の基準額をこえる部分について九〇%)の範囲内とする。
   2 右の地方債の元利償還金については、七一・五%を国が補給、二八・五%は地方交付税の基準財政需要額に算入する。
  一、天災融資法について
    被害激甚地について、経営資金及び事業資金の貸付限度を次の通り引上げる。
   1 一般
    内 地     二〇万円
    北海道     二五万円
   2 家畜の購入又は飼養資金をふくむ場合
    内地     三〇万円
    北海道     三五万円
   3 うなぎその他政令で定める水産動物の養殖
         四〇万円
   4 事業資金
    組合 一、〇〇〇万円
    連合会  二、〇〇〇万円
 三、 厚生関係等
  一、中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置
    中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫が行なう被災中小企業者に対する資金の融通を円滑にするため、貸付利率を六分五厘に引下げ、据置期間及び返済期間の延長、担保条件の緩和等特別の措置を講ずること。
    特に、商工組合中央金庫が指定被害中小企業者に対して再建資金の貸付けを行なう際の貸付利率引下げに伴う利子補給金を支給する旨の規定等については、立法措置を講ずること。
  一、地方公共団体の起債の特例
   (1) 地方税、使用料、手数料等の減免により生ずる財政収入の不足を補う場合又は災害対策に通常要する費用の財源とする場合においては、地方債をもってその財源とすることが出来るものとすること。
   (2) 農地その他の農林水産業施
 設の小災害復旧事業(一箇所の工事の費用が三万円以上十万円未満のもの)の経費に充てるため農地については当該経費の百分の五十、その他の農林水産業施設については当該経費の百分の六十五の額の範囲内(特に被害激甚な地域については一定の基準をこえる部分について百分の九十)で発行が許可された地方債については、国がその元利償還金について百分の七十一・五に相当する額の元利補給を行ない、百分の二十八・五は地方交付税の基準財政需要額に算入するものとすること。
   (3) 前項の地方債は、資金運用部資金又は簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって引き受けるものとし、その利息の定率及び償還方法は政令で定めるものとすること。
  一、災害による被害者の集団移住等に関する特別措置
    災害により激甚な被害を受けた地域について、国民の生命及び財産を将来の災害から保護するため、復旧事業に代えて他の地域に移住することを促進するために必要な措置を定める。以上の通りであります。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま朗読いたしました災害対策要綱案を本災害協議会要綱と決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○辻委員長 御異議なしと認めます。よって、本協議会の災害対策要綱は決定いたしました。
 この際、発言を求められておりますので、これを許します。中島君。
#11
○中島(巖)協議委員 ただいま決定した要綱の中で、公共土木に対する小災害に対する起債の特例が落ちておるわけでありますが、伊勢湾台風のときにおきましては、十万円以下の小災害に対しまして、五万円以上十万円以下に対して起債の特例があったわけであります。聞くところによりますと、最近に至りまして、この小災害の十万円以下五万円以上に対しまして交付税の対象にいたしておるというようなととも聞いております。それらに対しまして、自治省関係の小委員会においていろいろと議論が出たとは思いますけれども、直接自治省より御説明を願いたいと思います。
#12
○大上説明員 お答えいたします。
 小災害についての地方債の元利償還金につきましては、普通交付税の算定基準となる基準財政需要額に、右の起債の元利償還金を、当該地方団体の財政力に応じ五七%以内に相当する額を算入するほか、連年災害地及び被害激甚地で小災害復旧事業費に充てるため発行した地方債の元利償還金が多額となるものについては、当該団体の財政収支全般の状況を考慮して特別交付税の増額交付をはかる、このような態度で臨みたいと思います。
#13
○辻委員長 なお、ただいま決定いたしました要綱の字句の整理等につきましては、委員長に御一任願います。
 なお、ただいま決定を見ました本協議会対策要綱を関係当局に送付いたします措置等につきましては、これまた委員長に御一任願いたいと存じます。
 なお、各小委員長から報告のありました中において、行政措置で行なおうとするものについては、十分この協議会の意向を体して、思いやりのある措置を講ぜられるよう、協議会を代表して委員長から政府に対し特に要望しておきます。
 また、先ほど決定いたしました特別立法措置のほかに、抜本的、恒久的対策その他所要の立法を講ずべき事項につきまして、別途、検討を進めることにいたしたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
 最後に、政府の所見を求めます。中馬農林政務次官。
#14
○中馬説明員 ただいま御決定になりました災害対策の要綱につきましては、政府といたしましては、すみやかにこれが対策を講じ、御期待にこたえたいと存じます。
#15
○辻委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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