くにさくロゴ
1960/07/03 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員協議会 第1号
姉妹サイト
 
1960/07/03 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員協議会 第1号

#1
第038回国会 建設委員協議会 第1号
昭和三十六年七月三日(月曜日)
   午前十一時七分開議
    ―――――――――――――
協議事項
 六月下旬の豪雨による災害対策に関する事項
     ――――◇―――――
#2
○座長(加藤高藏君) これより建設委員協議会を開きます。
 皆さんの御推挙によりまして、私が座長の職務を行ないます。
 六月下旬豪雨による被害状況について、まず政府当局より説明を聴取することといたしたいと思います。中村建設大臣。
#3
○建設大臣中村梅吉君 きょうはさっそく委員協議会を開催していただきまして、ありがとうございます。
 今回の災害は、ごらんの通り、まことに残念なできごとでございまして、しかも、被害がまことに広範囲にわたっております。また、死傷者等が非常に多かった特殊の状態でございまして、私どももこれらの災害地の人たち、あるいは犠牲になられた方々に対して、まことにお気の毒に思っておるような次第でございます。
 災害の現状は、まだなかなか最終的には数字がまとまりませんで、お手元に配付してあります資料にございますように、大体今のところ明確になっておりますものとしては、直轄分について二十六億七、八千万円、補助分につきまして二百五十八億五千万円ほどに相なっておるのでありますが、まだまだ、だんだん落ちつきまして実態が把握できて参りますと、この数字はふえていく状態にあると思うのであります。
 そこで、私どもとしましては、さっそくそれぞれ現地に参りまして、実情を、委曲を尽くしたいと思っておったのでありますが、ごらんの通りまことに広範囲でございますので、私としては、実は一番激甚地である長野県に出向く予定にいたしまして、その他の地区につきましては、それぞれほかの方々にすでに現地に行ってもらっておるようなわけでございます。各地区に向かいまして、災害査定官を初め係官をそれぞれ派遣してございますが、まず東海四県につきましては、幸い災害の起こりましたころ、政務次官が三重県におられましたので、三重を振り出した、東海四県を歩いていただき、また神戸方面には、柴田次官と住宅局長に行ってもらいました。神奈川県下はおもにがけくずれでございますので、これも神戸から住宅局長が帰りました翌日、直ちに神奈川県下に出張をしてもらっておったのでございます。
 長野県につきましては、先ほど県知事及び市町村長の方々からお話がございましたように、非常な激甚をきわめておりまして、混乱の中に私どもがただ飛んで参りましても、地元に御迷惑をかけたり、あるいは応急の救助処置がうまくいかないで、その障害になってもいけないと思いまして、いろいろ現地と連絡をとっておりました。そのうちに県知事さんも上京して見えましたので、東京でお目にかかりまして、県の方の意向等も伺い、現地には山本技官を派遣いたしまして、山本技監と連絡をとっておったのでございますが、昨晩までの連絡によりまして、私は明日の午前八時十分の新宿発で長野県に向かいまして、長野県の南部の激甚地帯のお見舞及び視察をして参りたいと思っておるような次第でございます。
 なお、この災害対策につきましては、私どもはあらゆる手段を講じて万全を期したいと思って諸般の手順をいたしておるのでございますが、特に先刻長野県知事からお話のございました重要な二点につきましては、私どもまことに同感でございますので、去る先週の金曜日の閣議の席上で私から、ただいま長野県知事から御発言がありましたような趣旨を徹底するように申し述べました。ただ、これは即座に閣議でどう決定するというわけにも参りませんので、大蔵大臣を初め関係当局にその具体化について考慮を要望しておいたような次第でございます。各閣僚ともいずれも考え方につきましては同感でございますので、近く政府自体といたしましても、そういうような点について方向を明らかにいたしたい、かように考えておる次第でございます。従いまして、災害の復旧につきましても、復旧改良のみならず、さらに進んだ対策を考えたいということと、ことに直轄工事等は二年間で復旧を完成することにいたして、従来そういう慣例になっておりますが、これも二年間といわずに、長野県下のような激甚な地帯で、もしまた類似の事態が起こったらば、それこそ大へんでございますから、おそくも来年の出水期までにはそれらの作業を完成するように進めて参りたい。あるいは補助事業等につきましても、これも政府のまだ公式の考え方には固まっておりませんが、私どもの進め方の考え方といたしましては、三・五・二の比率にとらわれることなしに、いけるところまで進めていく、これについての財政措置等は大蔵省の了解もとりつける。あるいは場合によりましては閣議決定等の処置も講じまして、各地元の御要望にもこたえ、また今後に備えるためにもそういうような進め方をして参りたいと思っておるような次第でございます。あるいはまた・補助率の特例法等につきましても、もう少し事態の落ちつきを見ましたところで検討をいたしまして、建設委員の皆さんにも御検討をわずらわさなければならないというように考えておるような次第でございます。
 なお、災害の各地区における実情につきましては、事務当局からそれぞれ所管の局長をしてお手元に配付いたしました資料に基づいて御説明をこれからすることにいたしたいと思いますから、お聞き取りをいただきたいと思います。
#4
○河川局長山内一郎君 それでは、お手元の資料に基づきまして、河川局の関係所管の分につきまして御説明をいたします。
 この資料の四ページをお開き願います。これは直轄河川の出水の状況、それから被害の状況が書いてございます。河川数は、四ページから五ページにわたりまして、二十四河川に直轄河川の被害が及んでおります。このうち出水のひどかったところ、それから被害の大きいところを申し上げますと、関東地建の管内の富士川、これが一番右に被害の状況が書いてございますが、二十二カ所で二億六千八百万円、こういうふうになっております。それから、その次の次の那珂川、久慈川、これは茨城県でございますが、これが計画高水位と今回の最高水位を比較をしていただきますと、非常に計画の高水位に近い出水を見ている、こういう状況でございます。
 それから、北陸地建では、ここに書いてございますような状況でございますが、なお雨が昨日、一昨日も降った関係上、北陸地建の信濃川、これがもう寸前、破堤をしそうでございましたが、そういう点についてはまだこの資料には入っておりません。従って、この信濃川等につきましては、この被害額は相当増大する見込みでございます。
 それから、中部地建の狩野川でございますが、大仁のところで計画高水位が四メートル七六に対しまして、今回の最高水位が三メートル七七、伊豆長岡より上流でございますが、これは三十三年災の復旧によりまして、出水は一メートルほど低かったのでございますが、黒瀬といいますのは沼津市内の浄水場でございますが、これは計画をこえました出水を見ております。まだ放水路が完成いたしておりませんので、完成すればこれは下がると思われます。そのほか五ページに移りまして、中部地建管内、長良、揖斐、それから藪川、木曾川、牧田川、これは木曾三川の水系でございますが、大体伊勢湾台風に近いような出水を見まして、被害の報告額は一番右の百十カ所、七億一千四百万円、こういうようになっております。それから一番ひどかったのは天龍川上流、この水位の関係は、非常な破堤があったために、最高水位というのは低くなっておりますが、この辺は現在調査中でございます。ただいまのところ、復旧費といたしましては、二十一カ所、六億七千四百万円、合計いたしまして二百七十四カ所、二十四億二千万円、こういうような額に上っております。
 次は六ページの直轄砂防の被害の状況でございます。これは総計で二十二カ所、一億一千百万円。このうちまだ天龍川、木曾川等については詳細わかっておりませんので、なおふえる見込みでございます。
 次は、少し飛びまして、八ページの補助災害被害状況でございますが、八ページ、九ページ、一〇ページ、一一ページと全国の被害の概況が書いてございますが、三十都府県に及んでおります。そのうらおもなところを御説明いたしますと、茨城県が一番右に被害報告額九百三十七カ所、十億八千八百万円、こういうふうに上っております。これは中心は土浦、鉾田、水戸、石岡、笠間、こういう地方でございます。
 それから次に、千葉県につきましては、被害の報告額九億九千八百万円、約十億になります。これは主として太平洋岸の千葉県の地帯が被害を受けております。
 それから八ページの一番下へ参りまして、山梨県の被害が九億四千二百万円、これもなお増額の見込みでございますが、甲府市を中心といたしました笛吹、釜無の水系が被害をこうむっております。
 九ページに参りまして、長野県でございますが、これは現在飯田市を中心といたしました被害の報告でございますが、これが二千四百三カ所、七十五億七千百万円。これも昨日来の雨で、犀川、長野県の北部の方でございますが、それの被害がなお増額する見込みでございます。
 次は岐阜県が千九百八十二カ所、二十一億九千四百万円。これは長良、揖斐、木曾川、牧田川の水系でございまして、この水系の出水が非常に高かったことと、いわゆる内水河川のはんらんによりまして相当な被害をこうむっております。
 次は静岡県が二十二億八千五百万円。これは伊豆半島を中心とした地帯と、それから天龍川の上流の方の地帯の被害が相当な額に上っております。
 一〇ページは、愛知県が二十億四千六百万円。これも木曾川の出水がひどかったために内水がはけなかった、いわゆる内水河川のはんらんと、それから天白、新川、いわゆる低湿地帯を通っております各河川のはんらんによる被害でございます。
 それから、三重県は十三億八千二百万円に上っておりますが、これは熊野灘、尾鷲に非常な豪雨がありましたことと、なお津を中心といたしました瀧の北部、安濃川、雲出川、朝明川、こういうような河川のはんらんによって被害を受けております。
 次は兵庫県の十二億六千四百万円でございますが、これは神戸市を中心といたしまして、神戸、西宮、尼崎、こういう地帯に非常な豪雨がありまして、ここに書いてございますような武庫川、有馬川、天神川、こういう河川の出水による被害でございます。
 二ページに参りまして、ここに書いてある各県につきましては、この表の通りでございますが、総計をいたしまして、二万百九十五カ所、二百五十八億四千七百万円。現在のところこういうような被害の報告が参っております。なお相当変更のある見込みでございます。
 以上で河川局関係の状況の報告を終わります。
#5
○座長(加藤高藏君) 高野道路局長。
#6
○道路局長高野務君 道路局関係の報告を申し上げます。
 ただいまの印刷物の七ページにお戻り願います。
 七ページは一級国道の指定区間の被害状況でございます。一級国道のうら地方建設局が推持修繕を行なっております区間の被害状況は、昨日午後五時現在で、合計いたしまして一億四千五百二十七万でございますが、そのうち六千六百万は維持修繕費及び工事中の災害分でございますので、災害復旧の工事といたしましては七千九百二十七万でございます。このうらこの表の一番上の三島市三谷新田、その次の志太郡岡部町、中部地建の一番下の岐阜市日置江、これは現在におきましてなお交通不能でございます。一番上の三島市三谷新田は二級国道の東京−沼津線を通って迂回しております。また志太郡岡部町は宇津ノ谷トンネルの西側二百メートルくらいの個所でございますが、これは旧国道のトンネルを使いまして迂回をしております。
 岐阜市日置江の二十一号国道は、現在もなお水深が一メートル一〇センチくらいございますので交通不可能で、県道を迂回しておるという現状でございます。
 いずれにいたしましても、その他の区間にしても全部応急工事に着工いたしまして、交通支障のできるだけ少なくなるように努力をしておるのでございます。
 別に差し上げております資料をごらんいただきたいと思います。これは同じく二日十七時現在の「交通支障箇所」とございますが、これは交通不能個所でございます。
 まず、ただいま申し上げました指定区間内の三カ所につきましては、それぞれ、三谷新田は七月三日に仮道ができまして、何とか交通を通せるようになろうかと思います。
 それから宇津ノ谷トンネルの西側は二日の午後五時二十分に上りは旧道、下りは現国道、それぞれ一車線を交通開始をしております。
 二十一号の岐阜市日置江は、なお水深が一メートル一〇ございまして、交通は不能でございます。水が引くことを待っているという状況でございますが、県道を迂回して、これも辛うじて通っておる状況でございます。
 次に、指定区間外でございますが、長野の十九号、長野県西筑摩郡の日義村、これが小型車だけ村道を迂回して辛うじて交通しているという状況でございまして、七月三日には開通見込みという報告が参っております。
 そのほか、兵庫県の淡路島、富山県の四十一号の婦負郡細入村蟹寺、和歌山の四十二号の串本などが交通不能でございます。特に富山の四十一号につきましては目下調査中でございます。これは被害が少しおくれておりましたので、目下調査中でございますが、何とかして早く通したいと思っております。
 次に、二級国道について申し上げたいと思います。特に長野県の名古雄―塩尻、飯田−豊橋、これは災家激甚地の中の二級国道でございまして、名古屋−塩尻は飯田から北が辛うじて通れる程度でございますが、飯田市以南が交通不能でございます。また飯田−豊橋につきましても、飯田市の川路以北は通れるのでございますが、これも辛うじて通れるという程度でございますが、川路以南が交通不能でございます。この個所の被害につきましては、非常にずたずたに切れておりますので、目下調査中でございます。できるだけ早く何とかして曲がりなりにも開通をさせたいという努力を続けて参りたいと思います。
 そのほか常山の岐阜−高岡、石川の七尾−高岡、岐阜の蒲郡−岐阜、福井−松本、岐阜−高岡、静岡の下田−小田原、これは開通いたしました。三重の大和高田−松阪、福井の金沢−岐阜、福井−松本、兵庫の神戸市−赤穂−岡山、いずれも交通不能になっているのでございます。交通開始をできるだけ急いでいたしたいということで、目下応急工事中でございます。道路関係はそれだけでございます。
#7
○座長(加藤高藏君) 關盛計画局長。
#8
○計画局長關盛吉雄君 一二ページをお開き願いたいと思います。一二ページに都市災害の関係につきましての被害額を取りまとめてございます。これは七月二日現在の被害報告額を基礎にいたしまして掲げたわけでございまして、関係の府県十府県の関係市町村が二十九市町村で、被害額は一億八千三百五万余円ということになっております。この都市災害の被害を受けました施設は構築中の街路でありますとか、あるいは公園、あるいは下水等の関係でございまして、特に関係の市町村の数にもよりますが、茨城の千二百二十四万、あるいは長野県の飯田市のみで三千百万円、三重県の関係六市町村ではありますが、二千三百七十五万、兵庫県の七市町村の八千六百十万、こういったものがこのおもなるものでございます。これにつきましては、緊急に調査をいたしまして、復旧の査定を目下取り急いでおるような実情でございます。
 以上をもちまして都市災害の関係の御報告を終わります。
#9
○座長(加藤高藏君) 稗田住宅局長。
#10
○住宅局長稗田治君 お手元の資料の一三ページをお開き願いたいと思います。住宅の被害関係につきまして、昨日の午後現在で集計したものでございます。総計におきまして全壊戸数が八百七、流失が六百七、合わせて千四百十四戸が滅失でございます。ほかに半壊が千二百七十戸でございます。
 被害のはなはだしかったところは、上から順に申しますと、兵庫県下におきまして滅失が百十二戸長野県におきまして滅失が八百四十三戸神奈川県が百六十八戸でございます。
 復旧につきましては、災害公営住宅の第二種公営住宅、また住宅金融公庫の災害復興住宅の貸付の融資等の準備を進めておるわけでございます。
 なお、今回の住宅関係の災害としまして、一つの大きな特色になっておりますのは、兵庫県並びに神奈川県下におけるがけくずれの問題でございます。両県におきまして、それぞれ約四十名に上る生命がこのがけくずれによって失われたわけでございます。ことに兵庫県の方におきましては、丘陵地における工事中の宅地造成のために死者が大へん出ておるわけでございます。これらにつきましても、調査の結果を十分検討いたしまして、早急に対策を立てたいと思います。
    ―――――――――――――
#11
○座長(加藤高藏君) それでは質疑に入ります。
 瀬戸山三男君。
#12
○瀬戸山三男君 私は質疑というよりも希望を政府に申し上げて、すみやかに対策を実施に移す、こういうお考えを持ってもらいたいという趣旨で申し上げます。
 今回の豪雨災害は、ただいま御報告がありましたように、大へん広範囲にわたっております。そこで、六月災害でありますから、これからが大へんな災害時期に入ると予想されます。そういうことは申し上げるまでもないことでありますけれども、しかし、年々繰り返しておることは、政府としても国会といたしましても、非常に残念なことでありますので、それを頭に入れて政府の方でも急速な調査と、それからそれに対する復旧の実施を急いでもらいたい、これが第一であります。
 それから、今度の災害の中心地であります長野、山梨あるいは岐阜、愛知等、私ども建設委員会の一行相当多数がその直前に、ここに中央自動車道の視察で参ったところであります。ちょうど先月の二十四日が飯田市、その時分に雨が降り出しております。ところが、まだ雨が足らずに田植えができないというようなことを山間部落で言うておられた。その状況を見た直後から雨が相当降り出しておりましたが、そのあとでこの災害が起こったということで、われわれも被災地に対して衷心から御同情と申しますか、お見舞を申し上げたい。現地の状況が目に映るような感じがいたして、深刻に考えておるわけであります。
 そこで、調査がこれから進むわけでありますので、被害の状況がもっと膨大に明らかになってくると思いますが、こまかい点について私から今質疑応答しておる段階でないと思います。そこで要望申し上げておきたいのは、先ほど知事さんからもお話がありましたし、また大臣からも御決意のほどを承っておりますけれども、従来から考えておりますことを今回の問題にからめて、老婆心になるかもしれませんけれども、申し上げておきます。
 この天龍川水系は、御承知のような水系でありまして、前から天龍川の問題はいろいろ検討と申しますか、現地をたびたび見たことがあります。ここばかりではありませんが、日本の地形から申して、災害復旧はけっこうであります、大いにこれはやらなければなりませんけれども、重複災害が非常に多い。特に天龍水系の飯田市を中心とずる地形は、これだけの雨量がくれば、非常に申し上げにくい言葉かもしれませんが、当然にそうなるということはだれが見ても明らかであります。そこで、今日まで河川改修もまだまだ十分でありません。しかも、しばしば災害を受けて災害復旧をやっておりますけれども、現在ごらん下さればすぐわかりますように、今度のような雨量あるいはこれ以下の雨量でも、これだけの災害が当然に起こるという状況になっておる。先ほど知事さんからもお話がありましたが、今度の災害にあたっては、もちろん復旧を急いでもらっておりますけれども、いわゆる根本的な対策をどうしても立てなければならぬ。あるいは部落全体と申しますか、これを何らかの方法で相当強力な措置と申しますか、その地方の人たちに安心を与える措置を講じて、できれば部落移転等の措置を講じなければならない。これは一例でありますけれども、この災害の中心になっておる川路、龍江の小学校というのは、この写真にも出ておりますが、洪水時には昔から二階の屋根までつかるということです。これはさまっておる。そういうところになおかつ小学校を復旧してやっておる。河川堤防とずっと同じ高さに学校がある。あるいは河床が上がっておりますから、河床よりも低いところにたんぽがあり、河床と同じ程度のところに学校がある。こういうことは、相当金もかかりましょうが、国も十分に考えて、学校ばかりじゃありませんけれども、先ほどお話しになったようなことをぜひこの際は計画を立てて、将来同じことを繰り返さないようなことをいたしたいものだ、それが第一点であります。
 それからもう一つは、あの地帯は御承知の通り非常に砂防もやっておりますけれども、崩壊しやすい山岳地帯でありますから、この間参りましたときには、雨が降らずに田植えができない状態でありましたが、各地に山地の崩壊個所があるようでありましたから、これだけの豪雨がありますと、ああいう山岳地帯で、しかも崩壊しやすいのでありますから、当然に、長野県ばかりじゃありませんけれども、あの地方はそういうふうな状況にある。治山、砂防は、これは当然でありますけれども、まだまだ手おくれをしておるという実情であります。
 それから私は、これは個人的なことを申し上げて恐縮でありますが、数年来泰阜ダムを撤去すべきだということを申し上げておるのであります。もちろん天龍峡を境とするあの地方の河床の上昇は、それはその泰阜ダムのほかにも御承知のようにたくさんありますが、それだけが原因とは申し上げません。しかし、あれだけ各所に狭窄部があり、しかも、そこにダムを作っている。しかもかてて加えて、今申し上げましたように、山地崩壊の個所である。ごらんの通り、山梨県でもそうでありますが、東京近辺には砂利がないけれども、あの地方には砂利が山積しておる。それがとうにもならないというなら、やはりそういう自然の状況に応じてこれを克服するだけの処置をとるべきだと思います。そういう意味において、泰阜ダムなどはあの峡谷のすぐ下にああいうダムが、今申し上げましたように川路、龍江というようなところはもう河床も上がって、従来のたんぼは湿田地帯になっている。これを災害復旧でやろうたって、これは子供だましみたいなものですから、この際やはり大英断をもって根本的に治療を加える。同時に、それだけでは足らないと思いますから、やはりそれにかかわらず将来災害が起こるということはこれは常識的にわかることでありますので、これはできるだけ、理想的にはいかないかもしれぬけれども、移転等の処置をとるという計画をぜひお立てを願いたい。
 それから第二には、さっき大臣がおっしゃったように、三・五・二の比率にとらわれずに進めていくという御発言を願っておるということは非常に意を強うするわけであります。例の災害復旧三・五・二の原則、これは御承知の通りに数年前ようやくにしてこの原則を立てて、最後は緊急以外のものは四年ということになっておりますが、この原則は実は特定な原則であります。しかし国力と申しますか、日本の経済力の関係であの当時は三・五・二ということをわれわれの方で政府と共同してこういう案を立てたわけであります。しかし、今所得倍増であるとか、国の経済力が急激に伸展をしておる。一面においては消費ブームで国があげて何といいますか、潤沢になっている。このくらいの経済力が出てきたときですから、数年前作った三・五・二、これは何も科学的なものじゃないんです。合理的なものじゃないんですよ。ただ財政の事情だけを考えて、まず三・五・二までこぎつけておるという事情、これは大臣その他の諸公もよく御存じであります。今のこの経済力を誇るならば、この際思い切って三・五・二なんというものは改めるべきである。御承知の通り、ずっと前には少なくとも災害は二年でやっておった。これは当然であります。できれば一年でやりたい。あるいは金の都合あるいは技術の都合によって一年ではできないことがありますから、少なくとも二年でやるという決意をこの際すべきときだと思います。これはいいチャンスだと思いますから、これは建設大臣だけのあれではいきませんけれども、政府の責任としてこのくらいのよい政治をすべき適当な時期である。これは大臣にも御努力を願っておりますけれども、われわれとしてもやはりそういう考えを持っておりますので、それをお願いしておきたい。
 第三は、原形復旧の問題です。これは従来から原形復旧ということが非常に問題になっております。しかし、財務当局というか、これも財政の事情ということで、復旧だから原形復旧、言葉の遊戯のようなことをやってきておるわけでありますが、最近はいわゆる原形復旧理論というものがだんだん改まってきた。いわゆるこれに関する法律の表現もだいぶ変えましたが、しかし、実際はだいぶん取り扱いが変わっておりますけれども、その建前としてはやはり原形復旧にこだわっておるというのが現状だと私は思っております。これは私が申し上げるまでもなく、まさに国の金を浪費するという、全部とは申し上げませんけれども、そういう場合が非常に多い。現に天龍川なんというところは、今日まで復旧したところはただ一朝にして水に流してしまった。そうして多くの人命を捨て、多くの財産を捨てて国民が塗炭の苦しみをするというようなことは、この際一つ根本的に改める。その原形復旧理論を待っておりましたら、さっき申し上げましたように部落を移転して安住の地を作ってやるということも起こらないと思いますから、どうかこれも一つ、各省にまたがることでありますけれども、建設大臣この際一つ奮発をしていただきたい。
 それからもう一つ、これは今宅地造成というような、住宅局長がお話しになりましたが、宅地造成事業ということでこれはほとんど自由経済と申しますか、勝手次第にその丘陵地帯を掘り回しておる。私はけさ汽車で九州から帰ってきたばかりでありますが、神戸の話なんかを聞きましたから沿線をずっと見ていると、沿線の丘陵地帯、ながめのよさそうなところは全部掘り起こしておる。そうして宅地造成をし、あるいは精密機械の工場なども作っている。それも必要なんでありますけれども、やはりこういう問題を、日本みたいに雨の多いところは災害ということを頭に入れて、これは全体的から検討してもらわなければならぬ。自分の山あるいは他人の山、自分の山だから勝手に住宅地を作るのだ、あるいはこれを売って土地会社が造成するのだ。そうしてあとは災害が起こる。そうして、災害は復旧するのだ。そうして、そこにもうそのときには家の災害があるし、あるいは人命の災害があるということは、これは実にこっけいなんです。住宅地の造成ももちろん必要でありますが、しかし、そこまで深く考えてこういう計画を立つべきだ。将来そういうことの起こらない方策を立てて宅地造成なりをする。あるいは道路の建設でもそうであります。さっき私は冗談に言いましたが、中央道を作るについても、今回ばかりではありませんけれども、こういう痛い経験を、苦い経験をやはり頭に置いて山岳地帯の道路を作るということでなければ、ただ道路に目がくれてしまって、そうしてその後の大災害で国民が苦しむということは、これは今日の科学技術、知恵の発展しておるときには大いに考えなくちゃならぬ。道路を作るなというわけではありません。作るときには、将来地形に変更を来たしますから、それに応じて雨が降った場合はどうなるということで、専門家はよく考えてやっていただきたい。これは大臣、さっき御決意を聞いておりますから、あらためて質疑をするという段階では私は今ないと思いますので、こういう点を要望として申し上げておきます。そうして、この災害の調査をよくいたしまして、それからあらためてまた政府の意見をただしたいときにはただしたい、こういうふうに思います。この間現地でお世話になって、そうして将来のことをいろいろと現地の皆さんと語り合ってきたとたんにむしろ逆の事情を生じおりますので、私は痛切に現地の皆さんに何と申しますか、お見舞申し上げたいという気持で将来のことを一つお願いいたしておきたいと思うのであります。
#13
○座長(加藤高藏君) 佐藤虎次郎君。
#14
○佐藤虎次郎君 まことにこのたびの災害はお気の毒のことであって、お見舞申し上げます。実は私の県がいつも毎年々々災害で皆さんに御迷惑をかけております。このたびの長野県、岐阜県を襲いました集中豪雨は、私は当時新潟県におりまして、新潟県の方から帰りつつあの災害の報告を聞いて、大体三百ミリくらいであろうと私は考えておったところが、御報告を聞きますというと、五百ミリないし八百ミリだ。こういう集中豪雨では、その被害の大きさというものは想像以上であろうと私は思うのであります。
 そこで、実はまことに残念でならないことは、きょうのこの建設委員協議会であります。これは正式の建設委員会でありますならば、大蔵省からも御出席を願うことができるのでありますが、不幸にして国会末期にこの委員会を正式に開くこともでき得ないような結果に陥ったことは、私ども議員としてまことに残念であります。
 そこで、特に大臣にお願いいたしたいのです。今日地方財政というものは相当各府県が逼迫しております。特に長野県のような県は、まことに申しわけない言葉かもしれませんが、生産工場が少ないために、ベルト地帯とは違って、固定資産税というもので入る金がなくて、相当府県、市町村の財政が行き詰まっておると思います。こういう大きな災害が発生した場合に、今までのような補助率であっては、とうていでき得ないのじゃないか。ただいま瀬戸山君から、三・五・二という比率でなく早くやれという言葉はもちろんでありますが、特別立法というものが以前に適用されるようにできておりますから、大臣があす現地に御視察においで下さるようでありますから、どうか大蔵省の役人を帯同して行っていただきたい。ということは、大蔵省の役人が実態を見るときには、大体道も歩けるようになり、その悲惨なる災害のつめの跡がやや少しでも復旧したようなときに大蔵省の役人が常に行くのであります。実際にあれよあれよといって、事実どうしたら一体この復旧ができるのかというように各県民はお考えになっておると思います。でありますから、この実態をまのあたり一日も早く見せる必要がある。あす御視察に御出発下さいますならば、大蔵省とも打ち合わせて、権威ある役人を引っぱっていって、そうして建設省の予算要求にこたえるというようにさしていただきたい。私は災害の実態はまだ写真でのみしか見ておりませんが、行き詰まれる地方財政も今日負担金とか補助金でなくして、どうか特別立法の適用を得られるようにしていただきたい。
 いま一つは、瀬戸山委員からもお話がありましたごとく、今までは災害があれば原形復旧、こういうことであったが、それではいけない。根本的に再びそうした災害を繰り返さないようにしていただくということを、大臣の御決意でよくわかっておりますが、特に閣議等におかれまして大臣の所信を貫くようにしていただきたい。第一に、一番いい例が、私どもの県の静岡県の狩野川のあのおそるべき台風。原形復旧でなく、根本的に改良復旧したおかげで、このたびの集中豪雨においても、これだけのことをやっていただいたから被害がなくて済んだというので、実は私昨日まで郷里に帰って、けさ六時の汽車で静岡から帰って参りましたが、狩野川沿線の復旧された方々が、今日建設省、政府当局に非常に感謝されております。どうか一つ、大臣が政党人として今日まで鍛え上げられた手腕と力をもって、このたびの特別立法、原形復旧でなくして、根本的に改良復旧をするというようにお願いをいたしたい、かように思うのであります。特に、毎年々々集中豪雨のために、あの山間僻地の山くずれのあるようのところに民家が充満しております。こうしたものを一日も早く政府の協力によって、人命、人家に損失のないように移転させていただく。どういう言葉を使いますか知りませんが、山間僻地のこのがけくずれのあるような民家は、宅地を造成して、移転させるように協力をして補助金も出して、そうして政府においてそういうものを被害の起こる前に移転させるような法律をどうか作っていただきたい。先日、災害対策につきまして、この次の国会に立法化するように提案をしたい、目下検討中だという大師の決意を、テレビの放送討論会で聞きまして、私は非常に意を強ういたしました。ただ、その決意が、放送討論会のスタンド・プレイであってはいけない。実際やってくれるのかどうか、これだけ一つ大臣にお聞きして、どうか一日も早くこの災家罹災君を安心のできるように御決意をしていただきたい、かようにお願いいたします。
#15
○建設大臣中村梅吉君 実は御承知の通り、宅地造成につきましては、かねがね住宅局を中心に適当な法律制度を作りたいということで検討いたしておりましたが、個人の財産であり、私権との関係もございまして、行き悩んでおったようなわけであります。しかし、今度の災害で、長野県の激甚災害の地域は別として、兵庫県あるいは神奈川県下の大ぜいの死傷者を出した災害のあり方は、無理な宅地造成をいたしました結果、がけくずれによって犠牲が出ておるという現状でございます。ことに神戸等の現地に参りました住宅局長あるいは次官等の報告を聞きますると、たとえば神戸市なら神戸市が傾斜地を宅地に造成をしたというようなところは、あれだけの降雨にあいましても、がけくずれも起こりませんし、災害が起こっていない。ところが、類似の傾斜地を民間で開発いたしました造成宅地は非常な地くずれを起こしまして、災害を起こしている。こういうような状態等から考えましても、これからだんだん宅地の窮迫した事情からいえば、傾斜地を利用しないというわけにも参りませんが、利用いたしまする場合には、例を神戸市にとって申しますならば、やはり市の責任においてやりましたような堅固な一定ののりをとり、あるいは堅固な擁壁を作り、あるいは排水の処置を十分にとっておけば災害が起こらないものが、そういうような十分な処置をとらないで、粗雑な造成方法をやることによって大災害が起こるというような現状にかんがみまして、私ども宅地造成全般というものをどうしてもまとめ上げようということになりますと、いろいろむずかしい問題に逢着をいたしますから、できることならば、今度は災害ということだけに関連をした宅地造成のしっかりした基準を一つ法制化することをまず急がなければならないのじゃないだろうかということに最近着目をいたしまして、所管の局を中心に、すみやかな成案を得るように検討に着手しておるような次第でございます。御指摘のような方向に向かいまして、私どもとしましては一つ最善を尽くしていきたいと思います。
#16
○宮澤胤勇君 私は関連して一言申し上げたいと思います。
 今度の災害復旧に対しても、各地ともそれぞれの応急的な措置をしなければならぬこともちろんでありますが、さて、いよいよそれに着工する手続となると、手続の問題で非常に日にちがかかる。昨日も私の地元の方で、どうしてもこの工事をやる、地方事務所が来て、五十日たったら書類を県へ出して何とか処理しますということで、地元はびっくりしていました。そういうわけですから、県の出先、建設省の出先の方の電話くらいの連絡で、それぞれの関係者との連絡でも措置をなすにまかせていく、こういう応急の措置をしてもらわなければ間に合わない。自衛隊が今出ておりますが、自衛隊だけが何でも勝手にどんどんやってくれる。これはみんな手を合わせて自衛隊を拝んでおります。そういうわけですから、今後の施設というものは、出先のそれぞれの建設事務所長でも、地方事務所長でも、それらの協議によって決定して、それを県なり建設省なりへ電話で報告して大体いける、こういうようなことで一つ措置をしていただくことが、私は一番大切なことだと思います。いろいろな視察をして応急の措置をするとしても、時間がかかっては何にもならない。そういう点は、無理なことかもしれませんが、ぜひとも一つ……。
 ことに、大蔵省の査定などは、これはあと回しにしなければ、所管大臣が責任を持って独断で措置をしてもらって、大蔵省はあとからついていく、こういう措置をしてもらうよりほかないと思いますので、切にそれをお願いしておきます。
#17
○瀬戸山三男君 重ねて申し上げて恐縮でありますが、明日大臣が長野県においでになります。そこで私は、さっき天龍峡近傍のことを申し上げましたが、あの下流に問題の泰阜ダムというのがあります。そこまで道路の事情で行けるかどうかわかりませんが、できたら地元の方の意向をくんで行ってみてもらいたい。というのは、これは御参考までに申し上げるわけで、役所の方は御存じですが、実は私のところの九州に大淀川というのがございます。その上流に大淀川第一発電所の堰堤が大正十三年に作られております。それと地形がちょうどよく似ておりますが、年々大洪水のために農村地帯は非常な災害をこうむって苦しんで参りました。長い間の係争によって、補償金などの問題を毎年起こしておりましたが、今回に匹敵するような昭和二十九年の大災害をきっかけにして、撤去すべきだということで、稲浦次官のときでしたが、ようやくそれを撤去するという方針を国会できめて、今年の初めにそれの撤去が済みました。今日まで想像できたような洪水があれば、災害のためにあまり心配することはないということになっております。日本で初めてのケースであります。これは御参考までに申し上げておくのです。その通りに天龍川の場合が合致するかどうかは、専門家にも検討してもらわなければなりませんが、私は相当の効果があると思います。効果があるということであれば、河床は上げっぱなしで堤防をしくなんていうつまらないことをやめて、そういうことをぜひしていただきたいと思いますので、もし交通の事情がよければ見ていただきたい。それを御参考までに申し上げておきます。
#18
○座長(加藤高藏君) 石川次夫君。
#19
○石川次夫君 実は私もこの間長野県の地元に行っておりますが、こういう災害が出るであろうということを予測して帰ってきたとたんに、予想したように災害が出たという結果になっておるので、地元の被害者の皆さん方には心から深甚なお見舞いを申し上げる次第であります。実は私のあとで中島さんが現地の実情に即していろいろと御質問があると思います。火急な場合でございますから、きわめて大ざっぱな、要望に近いような質問だけを申し上げたい、こう考えておるわけであります。
 まず第一に、きょうは正規の委員会ではないわけです。先ほど委員長席にすわられた加藤さんがおっしゃったように、きょうは座長というような形で席に着かれておりますが、こういうふうに災害にあえいでいる人たちに対し、国会としても早急に活動を開始して報いなければならぬという当然の責任を痛感するわけでございますけれども、国会が開会できないというその責任がどこにあるかということを今さらとやかく言っても始まらない問題でありますので、何とかこれは円滑に対処しなければならぬ、こう考えるわけであります。われわれといたしましては、何とかこの災害だけについて早急に臨時国会を開会しなければいかぬのじゃないか、こういうことを切望しておるわけであります。所管の建設大臣だけの責任において答弁はできないでしょうが、内閣に列する一員といたしまして、どうか早急に臨時国会を開いてもらいたいという、切なる議員としての当然の希望だと思うのですが、この点についてどうお考えになっておるか、伺いたいと思います。
#20
○建設大臣中村梅吉君 御承知のように、ことしは必然的に臨時国会が開かれる状況に相なっておるわけでありますが、急速に繰り上げて臨時国会を開会しなければ災害の処理ができないかどうかということにつきましては、私どもも実は検討をいたしたのでございます。その結果からいいますと、直接災害につきます諸般の経費の支出方法は、予備金支出で十分に間に合っていく段階と心得ております。それから補助災害につきましては、従来の例にならいまして、あとの補助金額の支出等は、いろいろでき上がりましたあとから精算をして交付して参りますので、当面は資金の運転に支障を来たす県及び市町村に対してつなぎ融資を大蔵省がいたしまして、まずこれで災害の復旧改良等を必要な限り、またできる限りやっていくというのが従来の一つの例のようでございます。従いまして、これらの点から見れば、年内の九月なり十月なり、そうおそくない時期に臨時国会が開かれるということになりますれば、これを繰り上げてやらなければ災害復旧に支障を来たすという状況ではないというように実は判断をいたしておるのでございます。臨時国会を繰り上げて早急に開くべきかどうかにつきましては、これは私どもの責任でちょっとお答えは申しかねるのでございますが、災害と直接関連をいたしまして、私ども支障があるやいなやという点についての検討から申しますと、そういうような段階でございます。
 ついででございますから、先ほど宮澤さんから御発言のありました点等に関連いたしまして、実は今度の災害は、県として全滅するような県はありませんので、県の方のつなぎ融資の支障というものは割合少ないかもしれませんが、町村については局部的にずいぶんひどいので、補助事業に対する復旧改良等をやって参りますのには、当面金がなければやれぬという市町村が非常に多いのであろう。ことに長野県の南部の方はそういう状態と私ども思って心配をいたしておるのでございます。そこで、大蔵省とも話をしまして、一々中央へ出てきて交渉しなければそのつなぎ融資も手に入らぬということでは災害対策がうまく参りませんから、それぞれ出先の財務局に、大蔵省からそういうつなぎ融資の貸し出しの権限及び方法の処理等を示達してもらいまして、それぞれ所在の財務局で処理のできるようなことに取り運んでおります。どうかこの点は皆さんからも一つそれぞれの地区にお話をいただきまして、できるだけ災害対策が各市町村で迅速にできまするように、私どもも期待をいたし、またそれに必要な問題につきましては、どうか皆さんからも大蔵当局にも御要望いただき、われわれにもお話を聞かしていただきますれば、極力関係方面に連絡をいたしまして、支障のないように努めて参りたい、かように考えております。
#21
○石川次夫君 今の御答弁一応わかりますけれども、しかし、御承知のように、災害にあえいでおる皆さん方は非常に悲惨な気持で、何とか早急にこの対策を講じてもらいたいというときに、国会がこれに関して活動できない。たとえば今から長野県に行こうと思っても、実は国会の国政調査としては絶対に行けないという立場になっておるわけであります。どういう非合法の手段を講ずるか知りませんけれども、何とかして行ってみなければならぬと思っても行けないのが実態なんです。
 それからもう一つは、先ほど瀬戸山さんの方からも話がありましたように、泰阜ダムを撤去しろという非常に思い切った発言が出ておる。しかし、これは議員の立場でなければ出ないと思う。これはおそらく大蔵省あるいは建設省の立場では、こういう思い切った考え方にはならない。しかし、罹災者の立場からいえば、確かにそういう気持になるということもうなずける。ところが、臨時国会が九月に開かれる、あるいは十月に開かれるという段階になってから、またその点について検討するということになれば、今の被災者の悲壮な気持がすぐにその場に反映しないで、大蔵省あるいは建設省の言い分はやむを得ないのだという泣き寝入りというような形が出てこざるを得ないと思うのです。やはりこういう災害対策というようなものは、災害があったときに直ちにその善後策を講ずるというのでなければ、ほんとうの対策は出ない。そういう意味で、われわれとしては、どうしても臨時国会を開いて、このことだけで対策を考えるということこそが、罹災者に対する、あるいは国民に対するきわめて親切な、当然な国会としての任務ではなかろうか、こう考えております。この点については、また中島さんの方からも要望があるかと思いますから、私はそういう強い要望を申し上げておきます。一体議長職権か何かでおやりになるのかというふうに考えますけれども、少なくとも正常な形ではないと思うのです。国会は動けない、麻痺しておるという状態の中で対策を講ずることは、われわれとしては非常に不本意であるということを強く申し上げておきます。
 それから、こまかいことは申し上げないつもりでございますけれども、長野県へ行ってみまして出たのが、災害は忘れられたころに来るという話ですけれども、あれは当然予想された人災であるというふうにわれわれは考えざるを得ないわけであります。従って、今にして、単なる原形復旧という形ではなしに、抜本的な対策を講じないと、忘れられたころに天災が来るのではなくて、忘れないうちにまた人災が来るということは当然予見される、こう思わざるを得ないわけです。従って、こういう災害というものをはたして抜本的に防ぐことができないのかどうかという点について、専門家の方もいろいろお考えになっておるのでありましょうけれども、長野県の場合は、実は新聞にも出ておりまして私も同感したのでございますが、東京大学の井口助教授らが言っておるように、土木工事というのは日本では非常に高度に発達をしておる。特に災害復旧ということは世界のどこよりも多くの経験を経ておるので、その経験を経ながら各国に比べて劣らないだけの技術を持っておる。しかしながら、日本の社会の発展の仕方が非常に無統制に発展をしておる。その社会の発展の段階に応じた新しい技術、総合的な見方、計画というふうなものが成り立っておらないのではないかということが出ておる。従いまして、全体的に社会の発展に相応したところのそれをコントロールするだけの技術というものを持たなければ、同じような災害を繰り返すばかりである。ということは、たとえばあまり地下水をくみ上げたために地盤沈下が起こるとか、あるいは汚水によって沿岸の漁業が麻痺してしまうとか、いろいろな状態が現実に出ておるわけです。この災害もそれと同じようなことが言える。そのことをこまかく申し上げる時間の余裕もございませんけれども、そういうことで、たとえばこの前の水資源の問題でも、水を何とか四大工業地帯に供給をするという立場だけで水資源開発公団というものが考慮されておる。しかしながら、水資源を涵養しなければならぬ立場にあるところの長野県あるいは山梨県、茨城県というような立場では、保全涵養、それから森林の砂防というふうなものを前提としながら、その水資源を持っている関連地帯の総合開発というものを考えながら、水資源の開発をやってもらいたいという切なる陳情が出たことは御承知の通りであります。われわれもその陳情をいれて、水資源開発公団法案の修正というものを用意したのでありますけれども、実はわれわれの要望は取り入れられなかったという結果になりましたが、幸か不幸か、この水資源開発公団の法案というものは一応廃案になったわけでございます。そういうことで、やはり社会の発展に即応してダムを作らなければならぬということになれば、それに即応してやはり土木工事、災害対策というものを総合的にコントロールする対策を考えなければならぬのではないかということを、一つこの際強く申し上げておきたいと思うのです。単なる水資源を供給するということだけではなくて、それによって生ずるところのいろいろな弊害というようなもの、社会の発展の段階に即応したいろいろな技術というものを総合的に考えていきたいということを、ぜひこの際に強く関心を持っていただくように、一つ大臣に御要望申し上げておきます。
 そのほかいろいろありますけれども、こまかいことは除外いたしますが、きょう気象庁長官がわざわざ来ておられますので、大へんお忙しいところでございますが、しろうとの質問で全く恐縮でございます。私、テレビでもって、災害のときに中村大臣と一緒に会談をされ、河川局長あたりといろいろ対談をされておるのを聞いておりますと、これからの見通しとしてどうなるのかあまりよくわからないというようなお話がありました。もちろん集中豪雨というものは、どこの個所にどういうふうに雨が降りそうだというところまでは非常に困難だろうと思います。非常に困難というより、不可能に近いだろうということは、われわれでもわかるのです。わかりますけれども、そのテレビを見ていた被災者の皆さん方というものが、なんて心細いのだろうという気持を持ったのは、けだし人情として当然ではないか、こう考えるわけです。今の技術としては、なかなかそこまでいくことはむずかしいということは、わからないでもありませんけれども、しかし、科学技術庁の方の関係でも、いろいろ私がお話しておりますように、何とか百尺竿頭一歩を進めて、これだけの設備があれば、あるいは飛行機でもって時々刻々上空から集中豪雨の降りそうな――これはしろうと的な考え方ですけれども、飛行機一台も持たない気象庁だということをわれわれは前から聞いておったわけです。予報が一時間でも二時間でも早ければ何割かでも災害を縮小できるということを考えますと、気象庁の方で遠慮なさらず、何とかこれだけの設備があれば、われわれの方では絶対に災害は予報できるという確信がある対策が、できるのかできないのかは別といたしまして、一歩でも前進できる。そのためにはどうしても飛行機が要る、あるいはこれだけの設備が要る、あるいは観測所が要るということがあれば、遠慮なしにこの機会に積極的に意見を出し、希望を出して、それが通るように努力をしてもらいたい。われわれはもちろんそれに協力することにやぶさかではないわけであります。従って、この機会でございますので、気象庁長官として、ここのところをこうしてもらえばもっと予報はうまくいくのだ、あるいはこういうところがまずいというふうなことがあれば、この際ぜひお聞かせを願いたいと思うのです。
#22
○気象庁長官和達清夫君 今回の豪雨は、御承知の梅雨前線の強化によって降りましたもので、梅雨前線が強くなりますとこのように各地に強い雨の降ることは、従来の例でも知られておるところであります。私どもとしては、そういうように全体的の豪雨の可能性は現在つかめるのでありますが、いつどこでどのくらいというこの正確さにおいて、まだ勉強しなければならぬところが多い。現在御承知のように、山にはロボット雨量計と称する自動的の雨をはかる機械を全国二百カ所すでに据え付けております。豪雨予報のための気象用レーダーの設備も逐次設備されまして、今回も非常にそれが働いておるのであります。ただ残念なことに、それらの機械は降り出すきっかけができてから有効に働くので、その前の数時間あるいは半日ぐらいというものが現在最も要望され、われわれも努力いたしておるところであります。この点は、一方は気象学の研究に十分力を入れ、特別の大がかりの研究をいたしたいと思っておりますが、一方は現在進めておるレーダー設備の完成と、先ほど言っていただきました飛行機観測もその一つでありますが、観測の充実、またこれは急ではございませんけれども、現在非常に進歩をして、近い将来に行なわれますところの気象衛星をわが国において早く受信して活用するというような、あらゆる方策を進めていきたいと思っておるところでございます。力強い御支援をいただきましたので、今後大いに努力したいと思っております。
#23
○座長(加藤高藏君) 日野吉夫君。
#24
○日野吉夫君 気象庁の長官にちょっと伺いたいのですが、今復旧についていろいろ協議をしておるところなんですが、あなたの方で長期の予報をやっておりますね。本年度の長期予報、それから台風の予想、こういうものがあったらちょっと聞かしていただきたい。
#25
○気象庁長官和達清夫君 今回の梅雨の方を言いますと、御承知のように、本年の梅雨は、いわゆるじとじと降って温度の低い型でなく、割合温度が高く夏のような気候で、そのかわりくれば大雨が降る、こういう予想は少し前から立てておりました。もう一つそれの確証を得て強く申さなかった点は残念だと思っております。
 それから、これからでございますが、今日もまだ梅雨前線が残っております。これが二、三日で解消いたすとは言い切れませんけれども、一応強い梅雨前線は弱まりました。梅雨季が明けるかということは、もうちょっとはっきりいたさないとわかりません。
 それから、台風でございますが、八月に一つくらいはくるだろうという予想を立てております。九月には、もちろんこれは毎年のことでありますので、今年も平年並みの台風はくると予想しております。長期予報は非常に概括的でございまして、もう少し詳しく申し上げられるように今後努力いたしたいと思います。
#26
○日野吉夫君 あなたの方で長期予報を正確にするためにできるだけ、完全なものはできないとしても、何かそれに対する今石川君が言ったような施設とか設備とか、問題になった定点観測なんというものの充実とか、そういうものについて、今じゃとても不十分で的確な予報は出せないが、この程度までやればもう少し正確なものが出るというような要求や希望、そうしたものはございませんか。あったら承りたいと思います。
#27
○気象庁長官和達清夫君 観測資料が多ければ多々ますます弁ずるわけでございますけれども、現在の長期予報は、少なくとも今まであった資料だけでももっと勉強しなければいけないのじゃないかと思います。近来、今までの資料を整理、計算する有効な機械もできておりますし、また日本だけでもいけませんので、外国と協力し、あるいは外国から資料をもらいして努力するのであります。第一番は、高層観測その他相当資料もございますので、これの勉強を先にいたさなければならぬと思っております。第二番は、確かにおっしゃいますように、高層の資料をもう少し集めること、特に海の地域における資料の集め方でございますが、これも巌近技術が進んでおりますので、私ども最も有効な手段を考えていきたいと思っております。
#28
○日野吉夫君 建設大臣に伺いますが、やはりこれからはもうどうしても臨時国会を開くことがこの対策を一番完全に進めるゆえんだと思う。石川君の言われたように、国会活動ができないというような状態では、建設省と大蔵省との単独の交渉だけでも非常に困難ではないかと思います。予算は曲がりなりにも何とか予備費でやれる、このことは苦心のあれはわかりますけれども、予算支出というものはやはり国会活動が伴わないと完全な遂行ができぬのではないかと思います。閣議やいろいろのことから建設大臣単独に臨時国会を開けとは言えないかもしれぬ。そのことはよくわかるのですよ。しかし、関係は農林大臣、厚生大臣、大蔵大臣、いろいろありますから、これらの大臣等がいろいろ協議をして、やはり臨時国会を開いて完全な対策を立てるという方向への努力が必要じゃないか、こう僕は思うのです。特に立法化の必要が出てくる問題があろうかと思うのです。私、瀬戸山さんの言う三・五・二を改定して、少なくとも二年、できれば一年、こうすることには大賛成であります。しかし、このことを決行するにいたしましても、国会が開かれてないという状況では困難であります。予算的な問題は、財政投資十カ年十六兆というものもあるのですから、災害に対する予算の措置をするのには都合のいい事情もあろうと思う。建設大臣は何といっても災害対策の中心であろうと思いますので、あなたはそういう努力を――ここで単独によし開くという回答は求めませんが、各関係省と相談して、そういう努力をする意思があるかないか。同時に、今さっそく緊急を要するからというので復旧に着手をするということでけっこうでありますが、やはり着手時に重大な心がまえと当初計画が非常に大事だと思うのです。これはやはり国会活動がないと、十分なものができないのではないか、こう考えるから、いろいろ事情もありましょうけれども、一つ関係各省と相談をして、早期に臨時国会を開くような努力をなさる御意思があるかどうか、ちょっとお尋ねしたい。
#29
○建設大臣中村梅吉君 先ほども申し上げましたように、災害に関する財政的な処置としましては、私どもそういう角度からの立場で今まで検討をいたして参りました結果から申しますと、先ほど申し上げたような通りでございますが、国会活動という面になりますと、また別の問題があります。そこで、さような点につきましては、与党であります党との関係もございますし、政府部内の関係もございますので、私といたしましては、今日の場合、一つ御意見のありまするところを関係方面に伝えまして、検討をいたしてみますということを申し上げる以外に方法はないと思うのであります。どうか一つその辺で御了承願います。
#30
○座長(加藤高藏君) 岡本隆一君。
#31
○岡本隆一君 気象庁長官がお見えになっておりますので、日ごろ考えていることをお尋ねいたしたいと思います。
 どうも私は、ダム操作というものが現在科学的に行なわれていないように思うのです。理屈から考えていきますと、名谷ごとというわけにはいかなくとも、ある一定の面積ごとに区分けいたしまして、その一定の面積ごとに雨量計を備えておいて、一定のところにそれを集積すれば、その集積面積ごとの降雨量というものは今何ぼ降っているかということが出てくると思うのです。それをまた奥計いたしましたら、今日では電子計算機もあることでありますから、すぐに河川ごとの、一本々々の支流ごとの降雨量、流水量というものは算出できると思う。そのことによってまたそれがどれだけの速力で流れてくるか、だからいつごろにはどの地域においてどれだけの流量になってくるということが、当然理屈の上からは出なければならぬと思うのです。ところが、そういうふうな計算に基づいて現在はダム操作が行なわれておらないと私は思うのですが、そういうことが可能なのかどうかということです。そうしてまた、それには相当な費用がかかるだろうと思いますが、予算的にどれくらいの措置をしなければ、主要河川ごと――計算はなかなか大へんでしょうが、そういうことが理屈の上からは可能だが財政的にはとても不可能なことなのか、あるいはまたそうでなく、ある程度の意欲を持てばそういうことは可能なのか。そういう辺についての長官のお見通しを承りたいと思うのです。
  〔座長加藤高藏君退席、座長代理佐藤虎次郎君着席〕
#32
○気象庁長官和達清夫君 お答え申し上げます。今日洪水警報は建設省と気象庁と共同でいたしております。これは重要河川でございますが、その他は気象庁がいたしております。おっしゃいますように、降った雨が十分に把握できれば、計算によって時間と量とは出るわけであります。現在まだ十分ではありませんけれども、山の方に自動ではかれる雨量計を分布しておりまして、たしかある程度の差をもって計算してその対策をいたし、またもちろん警報、注意報重出しているわけであります。問題はそれを人為的に操作するダムの操作というものが一方はあるし、また従来できている河川に対する対策とか、治山の方もございますし、特に土砂の崩壊のごとく計算にもむずかしい問題もございますが、それらも初めから考えておくわけであります。私どもとしては、気象の方から申すことは、雨というものは平均がとりにくくて、突拍子もない大きいのが出る。これが非常に計画に取り入れにくいという点でございます。その他は結局人為的対策になるのでありまして、建設省の方からお答え願った方がよろしいかと思います。十分やっておるのでありますが、突拍子もない雨、あるいははからざる山くずれ、土砂の崩壊とかいうような点もいろいろあると思いますが、私としてはこれだけ申し上げてお答えとしたいと思います。
#33
○岡本隆一君 それこそ雲をつかむようなお答えで、どう判断していいのかわかりませんが、今度の雨の場合に、私は飯田へ参りまして、二十四日に京都へ帰りました。京都へ帰る汽車の中で、京都の状況を心配しながら帰ったのですけれども、滋賀県に入りまして、滋賀県の河川の状況を見、また琵琶湖の出水量を見ましたら、そう多くないのです。だから、京都の方は今度は水害を免れるだろうと実は思って、三時ころ私の宅へ帰りました。ところが、もう六時には例年のように淀川の宇治の方がはんらんしまして、電車も通らないというふうなことになっております。それから宇治の市役所へ、七時過ぎだったかと思いますが、参りまして、枚方の事務所へ電話をいたしました。一体琵琶湖の水位は、自分が見てきたのではそんなに多いと思わないが、どうしてこんなにはんらんしているのか、どうも洗せきの予備放水を、まだ降るかもしれないという観測で大量にやっておるためにこんなについているのではないかと思うが、というふうなことで、私は見通しを尋ねたのです。なるほど午後までは毎秒六百トン流しておったそうですが、下流の方がはんらんしてきて、下流の方から要請があったので、今全閉しておりますということを言っておりました。洗せきの運営というものがどういうようなことで行なわれたのか知りませんが、とにかくダム操作というものが降る量、あるいはこれから降る量、あるいは今流しておる量というものの操作をうまくやらなければ、起こらなくてもいい水害がせきの使い方によっては起こってくるわけでございます。従って、もっと流量調整ということは、真剣に科学的な集計の上において行なわれなければならない。そういう場合には、やはりこの前も委員会のときに河川局長に、無電の雨量計がどのくらいあるのかお尋ねしたのですが、非常にまばらにしかないわけであります。京都府下で二カ所あるように私は記憶しておりますが、非常にまばらに置かれておるところの今日の無電雨量計のような配置をしていては、集中豪雨というものはもっと集約的にやって参りますから、とてもできない。だから、もし無電式の雨量計を備えることに非常に金がかかるのなら、これは地域にそれぞれの消防団、水防団というようなものがあるのですから、そういうふうな人的な労力を、水防のためにはある程度やむを得ませんから、そういう努力をしてもらってでも各地の雨量というものを的確につかむ。地域ごとの洪水、出水量を計算して、それを電話なり何なりですみやかに一定の地域へ集計していくことによって、私はかなり正確な流量というものが河川ごとに出せると思う。そういうふうな努力を現在組織的にやっておらないから、結局現在流れている量を見てあけたり締めたりというふうなことで、行き当たりばったりのダム操作が行なわれているのではないかと疑わざるを得ないのでございます。その辺についての御意見を、長官と河川局長にお尋ねしたいと思います。
#34
○気象庁長官和達清夫君 仰せの件について、建設省の所管のことはあとで言っていただくことにして、気象庁は、第一に天気予報をすることで、日本は山が多く急流河川でありますので、降った雨だけでは間に合わないことが相当あります。それで、私どもは非常にこの点に苦心をいたしまして、先ほど来から不十分であるというお話、まことにごもっともで、私どもは努力し、あくまでもそのダム開閉に必要な資料になるだけの正確な予報を出したいと思います。
 第二は、降り出してからの雨であります。これは御指摘のように、山地の自動の雨量計も、その数は十分とは申せません。がしかし、数年来ふえて参りまして、今日一応の体制を整備いたしました。それから、人の住んでおるところも、できるだけ頼んでその資料を送ってもらうようにいたしておりますが、もっと十分なる観測網を張りたいと思っております。このようにしてようやく資料を集めまして、そうして気象庁で今後の天気の見通しをつけ、これで建設省がダムの操作その他水害の応急対策を立てることになっております。これは現在の施設と、また学問の範囲では、日ごろ用意してあるところ、勉強してあるところに基づいて、そのときそのときに対策を立ててやっておられることと信じております。
#35
○河川局長山内一郎君 大河川の下流の方に対する洪水予報と申しますか、これは上流の降った雨とか、それから水位の状況をできるだけ早く把握をいたしまして、それを下流に通知をすれば、ある程度的確なものができると思います。ただ、上流地帯の、どのくらいの水位になるとか、どういう洪水がくるかという点につきましては、非常に洪水の流れが早いということから、やはりその雨量をつかんでからでは、なかなかその的確なれはできない。そういう的確な観測をやっている間に洪水がきてしまう、こういう状況になると思います。従って、上流のダムの操作につきましては、従来の洪水を参考にいたしまして、あらゆる洪水に対処できるような洪水の調節容量をとっておく。それで、その容量によりまして洪水の調節をやるということを現在やっておりますが、ただ、降った雨をつかむというのではやはりおそいという場合が起こりまして、あるダムによりましては計画通り的確な調整ができないという場合もあり得るかと思います。従って、やはり上流地帯の洪水調節のダムにつきましては、ある程度の雨が降った場合に、今後どの程度の雨が降るであろう、いわゆる雨量の予報という点まで入り込まなければ、現在の段階では的確な洪水調節はできないのじゃないか。しかし、従来の実績を集積してやっておりますので、今までの大部分の洪水調節のダムの洪水調節につきましては、やや下流の判断に待ち過ぎるというようなことでやっておるわけでございます。
#36
○岡本隆一君 もう時間がないので、この程度にしたいと思いますが、日ごろ私の関係の深い河川、淀川については、長良のダムといい、洗せきといい、ダムの扱い方について問題がいつも起こっておりますので、そういう点について研究をもう少し科学的にしていただいて、下流民がある程度納得できるような、説明できるような方法を講じていただきたいと思います。また、おっしゃる通り、気象庁の一番大きな仕事は予報であろうと思います。しかしながら、予報というものは、これは非常にむずかしい問題であるから、予報にあわせてやはり現在おりているものを的確にキャッチしていくということが大事であろうと思いますから、その辺あわせてそういう方向の研究をしていただき、またそういう点についての必要な予算要求、またそれについてはこれくらいの費用が要るのだというようなことも私たちによく御説明願いまして、今後の参考になるようにしていただきたいと思います。それをお願いして終わりたいと思います。
#37
○木村公平君 今岡本君からいろいろ気象に関する質問が出ておったようでございますが、これに関連して、ちょうど長官も来ておられますので、私からも若干の質疑を申し上げて御教示を得たいと思うわけであります。
 おそらく日本の気象学は世界的なもので、ことに和達長官はその道の世界的なベテランであることは今さら私が申し上げるまでもないことと存ずるのでございます。従って、非常に敬服をいたしておるのでございますけれども、ただ私どもの琴線に触れませんのは、いつの集中豪雨による災害でも、伊勢湾台風といい、あるいは九州災害といい、今度の集中豪雨災害といい、おそらく災害の予知はできなかったにせよ、これほどの雨量が若干でもあなた方の英知をもってすみやかに予報されているとするならば、おそらくこのような災害は未然に防ぎ得たではないか。未然に防ぎ得ないまでも、やや軽減できたのではないかと存ずるのであります。あしたの天気の予報というものは、いろいろ見方はありましょうが、適中率が高いと私どもは存じております。けれども、災害の予報の適中率というものは、今までどの程度のものやら、その点私どもあまり気象庁を信頼するわけにいかない。気象庁の予報によって災害が未然に防がれたとか、幾らか軽減されたとかいうようなことは、今まで寡聞にして私どもの耳には入ってこないのでございます。天気の予報もさることながら、集中豪雨の予防であるとか、あるいは洪水の危険の公知であるとかいうようなことは、これは気象庁として本来の使命であるかどうかは存じませんが、そもそも気象庁というものが設立されたのは、災害の防止ということが大きな目的の一つであったろうと思うのであります。その大きな目的の半ば以上が達成されないとするならば、すでに気象と取り組んで数十年、数百年、日本の気象学は今や世界でなかなか有名なものでございますが、学問というものに対する信頼を失わざるを得ないということになりますので、その点についても一つ長官から確信を披瀝していただきたいと思います。
 それから、なおそのあとに、不思議な現象が二つ、三つございますので、河川局長、道路局長にお尋ねしたいことがございます。
#38
○気象庁長官和達清夫君 気象庁の任務の最も大きいものは災害の防止でございまして、私どもそれに全力を注いでおります。従って、台風の警報はもちろんといたしまして、大雨にいたしましても、大雨警報、大雨注意報、また洪水にも、洪水警報、洪水注意報を出しております。今回もいかにいたしましたか、また過去の台風の場合にも、いかにいたしましたか、ごらんいただけばわかると思います。御指摘のように、私どもが最善を尽くしておると自分では思っておりましても、そういう印象が薄い、また効果的ではないから、もっといかないかという点については、私ども十分に反省いたしたいと思います。しかし、私どもの仕事の最大の中心は災害防止であり、これは現在それで警報、注意報を出しているということは、どうかお認めを願いたいと思う次第であります。
#39
○木村公平君 洪水警報であるとか洪水注意報であるとかいうものが発令されたそのことと、災害が起こったこととの時間的の差、どれほどの時間に事前にそれが予想されたのであるか。あるいは予想されたかされないかというのは、これは一番時間的の問題が大きい問題だと思うのであります。現在のあなた方の学問上の問題、あるいは臨床的にいろいろの御体験の結果、大体どのくらい前に察知できるのですか。集中豪雨であるとか、あるいは河川がはんらんをするという危険というようなことは、いろいろのデータが直ちに集まってくると思いますが、それによって大体どのくらい前にそういうようなことが、従来の御体験によれば、事実上災害が起きたそのどのくらい前に予想されたことが一番早かったか。あるいはその予想ができなかったこともあるでしょうけれども、一番早く予想できるような状態のものはどのくらいのものですか。
#40
○気象庁長官和達清夫君 時間の点に関しましては、台風の場合には、沖にあるから注意を要するというのは相当前にわかると思います。伊勢湾台風等におきましては、夕刻名古屋地方を襲いましたが、午前には当方に相当強いのが来るというのを予報いたしております。ただ高潮の高さについて、伊勢湾台風の予報にわれわれの推定があれほど高いというのがなかったという点については率直に認めます。
 豪雨につきましては、豪雨が梅雨前線に沿って降りそうだ、およそこの地方に降りそうだということはわかりますが、現在の豪雨が集中しているような地域に何時ごろから降るという予報は非常にむずかしいので、確たるそういうような具体的の予報はなかなか出せないので、この県の山地に大雨の注意が要るというようなのはその前から出しておりますが、いよいよ警報を出す、事態は非常に緊急であるというのを出すのは、現在の気象学でなかなか降らない前に出すことができず、降り始めたときにレーダーその他いろいろな観測で出すというのが現状で、その点は、はなはだ遺憾だと思っております。
#41
○木村公平君 もう一つ。そこで、今度は建設省の河川局長あるいは建設大臣にお伺いいたしたいのです。ただいま自由民主党を代表いたしまして長野県、山梨県方面の水害の視察を終えて帰って参りました委員から詳細な報告を伺って、ここへ出てきたわけでありますが、その委員の報告の中に、たとえば長野県では地方言葉ではございますけれども、鉄砲水というものが伊那の山間部に出た。その鉄砲水というものはいわゆる山くずれの現象でございましょうか、どういうのか存じませんが、あの辺では鉄砲水といっておる。鉄砲水というのはどんな状態だったか。ミシンを踏んでおったところが、鉄砲水が出て、ミシンも家もこっぱみじんに流されてしまった。そういう状態を鉄砲水と向こうでは言っておるのだそうであります。そういうのが局所的に長野県、山梨県においては相当ある。しかし、県全体から見ると、被害額あるいは被害の量というものは、伊勢湾台風などから比較すると案外少なかったかもしれないのでありますが、局部的に見ると非常に深刻な場面が多い。そういうような場合に、一体防ぐ道があるのかないのかというような問題。たとえば鉄砲水というのは気象学上から予知できないかもしれない。あるいは集中豪雨の結果そのような現象が想像されるのでございますが、従って、気象庁にも多少関連がある問題でありましょうし、また河川局におかれましても大きな関連があると思う。こういう鉄砲水と称されるような現象が一体不可避であるのか。
 あるいはまた国道の、これは道路局の問題でありますが、二十一号線がいつも水がつくことがある。今度は一メートル、二メートルついている。私の方のことを申し上げて恐れ入りますが、私の方の二十一号線のあの部分は、政務次官が視察に岐阜まで来るけれども、私どもの国道を通って来ることができないから、一番大事な水害地を見ることができない。あるいは自民党、社会党から視察に来られた諸君も、その国道にさえぎられて全部むなしく引き返しておる。そうして今なお麻擁しておるような状態なんです。しかも、それが今度初めてじゃないのです。いつもその辺は低湿地帯で水がつく。そこへ国道が敷設されておる。しかも、一級の一番大事な国道が、一番低いところということが百年も前からわかっているところに作って、破堤しておるわけです。木曾川水系はどこも破堤をしておらない。補助河川だけは破堤しておりますけれども、直轄河川は一つも破堤しておらないにもかかわらず、二メートルの水がついておる。そして二十一号線が麻痺しておる。自動車も通れない、視察の人も来ることができない。緊急に救助する諸君も、そこは踏み切ることができない。渡河することができない。そういうような低湿地帯であるということは百年も二百年も前からわかっておるにもかかわらず、そこに国道が敷設されたということに対する国の考え方。これはちょうど今度東海道の新幹線ができる、あるいはまた通称弾丸道路と称する高速道路ができる。それが低湿地帯とわかるところを通って、こういう集中豪雨のときにまた二メートルも水かさが上がった、水がその上に二メートルも上がったという場合には、一切の交通は途絶し、一切の汽車もとまる、自動車もとまる。そういうようなことが今後も起きるということになりますれば、建設省及び運輸省あるいは国鉄の責任だけで済むものではございません。交通は麻卸してしまう。それと同じことが、小さいことではあるけれども、わかり切ったところに一番大事な道路を作ることによって、二メートルも水が上がっておる。ここに、今なお通らない、交通途絶とはっきり書いてある。
 それから、この前水害視察をして、不正工事に似たようなものが各地にあるのに驚きました。決算委員会において、愛知県の伊勢湾台風のあと、伊勢湾台風という悲惨なあのときに不正工事が行なわれたというその心持、その考え方、その愛情のないということに対して、私どもは憤激いたしたのでありますが、今度また集中豪雨が起こって水害が各地に起きますと、いろいろな疑問な工事が続出してくる。直轄河川において、あるいは一級道路において、いろいろな不思議な現象が起きております。私はそういうような現象をここで露骨に申し上げることをはばかるのでございますけれども、今度私は歩いて驚いた。これはおそらく会計検査院だって放置することができないと思う。そんなことが水害のたんびに気がついて、ああ悪かった、だから地建の何々を首切ってみるとか、あるいは請負師の追放をしてみるとかいうことをやっておられるようでありますが、そういうばかげたことが水害のたんびに発見されるということは、一体日本の面子上いかがなものでありましょうか。世界に聞こえたら恥かしいことです。水害のたんびに不正工事が出てくる。そんなばかげた現象が出てくる。たとえば一昨年でございましたか、伊勢湾台風のために破堤いたしました個所が今修理をしておる。一カ所は修理ができたけれども、他の個所は今なお工事中でありますが、現場を見て驚いた。サンド・ポンプで砂だけを上げたけれども、ほったらかしです。これでは豪雨とともに砂が流出するにきまつております。せっかく多くの国費を費やしてサンド・ポンプで砂をどんどん上げて、堤防のかさ上げをやろうとしておるのに、天気が続くと忘れてしまって、砂は流れるにまかしておる。いよいよ堤防は脆弱になる、ずるずるになる。いつこの堤防というものが破堤しないとも限らない。しかも現在は洪水期です。
 このようなことが、ひとりこれは一部分の問題ではなくて、全国各地にあろうと思う。そのたばねをしておられるのが建設大臣。道路問題は道路局長がおられる。河川の問題は河川局長がおられる。気象の関係においては、最高の権威であらせられる和達さんがおられる。とれだけの日本の最高の知恵者をもっても、なおかっこの問題について答弁ができない。雨の多いことは予想できない、あしたのお天気のことはわからない、これからあとのことはわからないということになれば、何のために国費をもって気象庁という役所をわざわざ置いて、千人、二千人という多くの雇い人を雇って存在させなければならぬかという、国民として素朴な疑問が起こらざるを得ない。河川においても、道路においても、国道の一級、われわれの方では二十一号線と言うのでありますが、それが雨が降るとほとんど通れない。ちょっと水が多いと、もう二メートルも水がつく。そんなばかげたことが世界のどこにあるでしょうか。私はこの点について、河川局長、道路局長、あるいは建設大臣から、あなた方のお考えのほどを一言伺っておきたいと存ずるのでございます。
#42
○河川局長山内一郎君 長野県の鉄砲水の問題でございますが、現在詳細は調査中でございます。想像をいたしますのに、水源地帯におきまして山がくずれて、それで川をせきとめまして、多少ダム・アップという現象が起きまして、それがさらに切れて下流の堤防の幅を広げておる、こういうような現象ではないかと思います。こういう点につきましては、山を治めます治山工事、それから渓流を治めます砂防工事、これが完璧になれば、これほど大きな被害は発生しないのじゃないか、こういうふうに考えます。
 それから、不正工事につきましては、この前の決算委員会でもいろいろ御指摘を受けましたが、従来も気をつけておりましたけれども、今回の災害につきましてはさらに特に気をつけて、前回のような不正工事は起こらないように注意をして参りたいと思います。
 それから、堤防の補強のためのポンプで引き揚げました土砂が、今度の豪雨で流れてくる、こういうことでございますが、現在工事中でございまして、ある時期を目標にして、そういう大雨とか豪雨のときにはそういう手戻りが起きないように注意をいたしておりますが、さらにこういうようなことが起こらないように、なお一そうの注意をいたしまして、せっかく工事中の個所が手戻りが起こらないようにしたいと思います。
#43
○道路局長高野務君 一級国道二十一号線、岐阜市の鶉から日置江にかけまして今なお一メートル十センチの冠水がありまして、交通不能になっておりますことは、私どもといたしましてはまことに遺憾でございます。伊勢湾台風のときには、その個所より大垣市内が水深が深くて、非常に交通に御迷惑をかけたわけでございますが、この岐阜−大垣の二十一号線は、昭和十二、三年でございましょうか、岐大道路として建設されまして、以来たびたび水害に侵されておるのであります。最近におきまして特に自動車交通が重要になりまして、交通に支障を与える機会が多くなって参ったのであります。今度の災害で、これをどういうふうにするか。あるいは伊勢湾台風のときにやりましたように、かさ上げをしていくかということを今考えておるのでございますが、今後なるべくこういうようなことのないようにいたしたいと思います。
#44
○石川次夫君 私の質問で、気象庁長官に質問したところが、関連質問が大へん長引きましたが、実はこれだけ関連質問が長いということは、気象庁の予報に非常に期待をかけておるということにほかならないと思います。それで、和達さんの御答弁は、われわれとして非常に物足りない。学者的な謙虚な答弁で尊敬するのですが、積極的にわれわれは協力するから、具体的にこうしてもらいたいということをどんどん遠慮なく申し出てもらいたかったのであります。
  〔座長代理佐藤虎次郎君退席、座長加藤高藏君着席〕
このことだけ期待するということだけを申し上げて、いずれあらためて次の機会にゆっくりこの点については伺いたいと思いますが、この機会にぜひ遠慮なく、災害を予防する適当な措置があれば、予算の要望なり、どんどん言っていただきたいと思います。
 私の質問は大体これで終わりますが、こまかいことは抜きにいたしますけれども、最後に一つだけ要望だけ申し上げておきます。
 今度の災害というのは、造成宅地のがけくずれと、ゼロメーター地帯における災害、それから河川のはんらんというふうに大別できる。その中で造成宅地のがけくずれにつきましては、神戸とか横浜あたりでは、市の条例を作って、それぞれ罰則一万円という程度のことで設けておりますけれども、ほとんど顧みられない、守られないというのが実態のようで、今回のような災害が起きた。この前の国会で宅地造成法案、この基準法案というものが当然提案されると予定し、われわれもまた期待しておったのでありますが、とうとう出なかったということは非常に残念であります。ところが、今度いよいよこれを出すということであります。この前、提案にならなかった理由といたしましては、たとえば水資源においては、各省のなわ張りがあるというが、各省間のなわ張りじゃなくて、これは計画局と住宅局の方で、どちらの所管かよくわからないというようなことが宅地造成法案の提案をおくらせた一つの大きな原因であったというふうにわれわれは聞き及んでおるわけです。こういうことはきわめて残念です。今度も、もしこの造成法案ができておれば、このような災害が出なかったということにはならなかったかもしれませんが、今度この造成法が出なかったということは、建設大臣も責任を痛感されて、ぜこの次の国会にこれを出すということを確約してもらいたいということを要望して、私の質問はこれで一応打ち切ります。
#45
○座長(加藤高藏君) この際暫時休憩いたします。
 山梨、茨城両県より陳情がありますので、お聞きを願います。
   午後一時七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時十五分開議
#46
○座長(加藤高藏君) これより協議会を再開いたします。
 中島巖君。
#47
○中島巖君 だいぶ時間が経過いたしまして、農林省からも災害復旧課長、治山課長、自治省からも理財課長に来ていただいておるわけでありますが、もう一時十五分というような時間でありまして、これは人道問題にもなるわけでありますので、三、四十分に時間を詰めて質問をいたしたいと思います。気象庁長官には私の質問はありませんので、お帰りになっていただいてけっこうです。
 そこで、一括して最初大臣にお伺いいたしたいと思います。実は先ほど瀬戸山委員から門島ダムの問題についてお話があった。それから、明日大臣は視察においでになるわけだから、ちょうど長野県知事もお見えになっておりますので、大臣にこの質問をするまで一つ傍聴していてくれということで、忙しい知事を引っぱっておるわけであります。
 そこで、大臣はこの経過について御承知ないと思いますけれども、発電所なんかの水利使用については、許可するときに三十年の年限を切ってある。この年限はどういう理由でもって切ってあるかと申しますと、その河川に構築物、すなわちダムをこしらえて、三十カ年間たって、その間に河川に公益を害するようなおそれのあるような、いわゆる川の流れの変更だとかあるいは河床の上昇だとか、こういうことの審査をするためにこの三十年間の年限を切ってあるのです。ところがこの三十年間の年限を切ってあるうちにこういうような災害がたびたび起きて、この川路村には五回災害救助法を発動してある。それで、門島ダムをとってくれという陳情を盛んにやっておる。にもかかわらず、当時の長野県知事は地元に一回も相談もせずに、三十年間の年限に対して何らの制限もつけずにまた三十年間水利使用の許可を延長したのです。そこに問題があるわけなんです。そこで、地元民はこの行政処分に対して異議ありというわけで、長野県知事を相手取って長野地方裁判所に行政訴訟を提起して、五回裁判をやったわけです。ところが、途中において、今の知事が副知事当時に仲介をして、一億三千二百万円だかの金を取りまして、そしてその他いろいろの条件をつけて、この訴訟を取り下げてしまったわけです。そういうような経過があるわけであります。これは三年前の話であります。
 そこで、天龍川は非常な急流でありますけれども、これがために非常に河床が上昇いたしまして、全度大災害を起こした川路、龍江地先においては十六、七メートル、五、六十尺も河床が上がってしまっておる。あんな災害が起こるのは当然なんです。また二十キロ以上も上の神稲地先において、二十メール以上上がっておる。これは参考人として当時の中部地建の局長である中島君や、その他前の長野県知事をこの席へ私が呼んだときに、はっきりとそれが速記録に残っておる。従って、あの急流な天龍川は、今あの穀倉地帯は、河床の方が耕作地より上がってしまっておる。だから、あす大臣が行ってみていただくとわかるけれども、一たん水害で災害を起こしても、水がまたもとの本流へ戻るわけであるけれども、今度は本流に戻らずに耕作地の中が本流になっておる、こういう状況なんです。そこで、これは明らかに私は国家賠償法によるところの公権力の行使に瑕疵があってこういうことができたのだから、国を相手取って国家賠償によって損害賠償せよ、こう思っておるわけです。おそらく百数十億の金になるでしょう。私はこれから地元が落ちついたら、地元の諸君と話し合って、当面の責任者である長野県知事の西沢君を相手取って、百数十億の国家賠償を提起しよう、こういう決心でおります。だから大臣は、あすおいでになりましたらよくこれをごらんになって、善処していただきたい。
 しかし、しからばダムを撤去せよというような命令は出せないでしょう。出せないでしょうけれども、このダムのために上流地方に堆砂したところの河床上昇の砂をとってしまえという命令は出せるはずです。かつて十数年前に、長野県の物部知事の当時に、田中という土木部長がそういう伝達命令を出したことがある。この伝達命令を出すと、当時のあなたの方の、現在参議院の岩沢忠恭君が河川局長でおりまして、これが中心になって、いろいろな状況でこれを取り下げさせてしまった。こういうふうに訴訟になったり伝達命令が出ると、建設省が中に入っていつも取り下げてしまっている。きょうの災害を起こしたのは建設省にそのもとがある、私はこう思っておるのです。従いまして、もし大臣がごらんになって、そして私の言ったことが事実とすれば、少なくともそれくらいな御命令を出す意思があるかどうか、この点が一つ。
 それから、先ほどこれも瀬戸山君から、原形復旧についてお話がありましたけれども、これは公共土木施設の国庫負担法の中にはっきり原形復旧と書いてあるのだから、幾ら大臣がここにお答えになったって、やはり法的根拠の上に立っておる役人としては法律を守らなければならぬから、とうしても原形復旧にならざるを得ぬ。従って、私は二年も三年も前からこの法律改正をせよということを言っておるのです。法律改正をされる意思があるかどうか、これが第二点。
 第三点といたしまして、先ほど大臣のお話にありました、今度の災害に対してあるいはすぐ臨時国会を開けないかもしらぬが、来たるべき臨時国会に伊勢湾台風のような特例法をお出しになる意思があるかどうか。
 この三点について、まず大臣にお伺いしたいと思うわけであります。
#48
○建設大臣中村梅吉君 ダムの問題と法律改正の問題につきましては、私どもも重大なる関心を持って一つ検討をいたしたいと思います。
 それから、特例法につきましては、今度の災害は非常に広範囲でございますし、その適用範囲をどうすべきかといういろいろな問題があると思いますけれども、ぜひ一つその道を講ずるように努力して進めて参りたい、かように考えております。臨時国会までにはその結論を得まして、次の臨時国会でその措置を講ずるように努力を進めて参りたいと思っております。
#49
○中島巖君 ただいまの点は非常に大きな問題であり、大臣の御答弁はごもっともだと思いますし、特例法については大臣はやられる意思がある。ぜひそうしていただきたいし、われわれも党内の意見をまとめて、また自民党の方へもそういう話をして、下からも作っていきたい、こう考えておるわけであります。
 次にお伺いいたしますのは、現在予備金というものがどの程度建設省の災害関係に対してお持ちになっておるのかどうかということが一点です。
 もう一つは、これは建設省でなしに、むしろ自治省であるかもしれませんけれども、たとえば今度の飯田なんかでは、とうてい補助金のくるまで立てかえのできるような力がないわけなんです。従って、これに対して緊急融資をしてもらわなければ、おそらく立ち上がりができない、こう考えるわけですが、この災害復旧に対してそういうような制度があるかどうか。制度があるとすれば、どういう手続をすればいいのか。その点、予備金と緊急貸し出し制度の二つの点についてお伺いしたいと思います。
#50
○建設大臣中村梅吉君 予備金は、御承知の通り三十六年度百億ございましたが、うら十億余りを他の費目にすでに予備金支出をいたしまして、約九十億近くあるわけでございます。
 それから、各市町村の財政状態で、補助金のおりるまで立てかえることのできない実情のところに対しましては、大蔵省がつなぎ融資をすることになっておりますが、これは努めて活発迅速にやってもらいたいということを私からも大蔵大臣に注文をいたしまして、大蔵省ではさっそくその心がまえでやるということで、しかも、これを一々中央に持ち込んで話をしておったのでは手間取りますから、各関係市町村が所在の財務局と話をすることによって解決のできまするように、財務局にすでに大蔵省から示達をしてくれたということを一昨日大蔵大臣から承っております。従いまして、大蔵省の出先機関でございます財務局と話をされて、その資金に不自由のないように処置をしてもらうように私の方は要請をいたし、手順をしておるつもりでございますから、ぜひ一つそういうふうにお願いをいたしたいと思います。どういう書類を出すかという手続のこまかいことは、私よく存じませんから、必要に応じまして事務当局から御説明いたさせます。
#51
○中島巖君 だいぶ時間もおそいので、私が大臣にお伺いすることはそれだけでありまして、あとはほかの局長及び農林省、自治省の方にお伺いをいたしたいと思いますが、ぜひ今おっしゃったことについて特段の御配慮をお願いいたしたいと思います。また、傍聴の長野県知事さんもこれでけっこうでございます。
 次に、農林省の災害復旧課長さんにお伺いをしたいのです。これは私が申し上げるまでもありませんが、あなたの方では、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、これはたしか昭和二十五年だと思いますが、この法律によって現在いろいろな復旧事業をやっておられるのだと思いますが、その後この法律は相当改正した部分があるかどうかお伺いしたいと思うわけであります。
#52
○農林省農地局災害復旧課長中村武夫君 お答えいたします。今お話にありましたように、農林省におきましては、建設省と同様の負担法の適用も受けておるのでありますが、大部分は、今おっしゃいました農林水産業の暫定法の措置によっておるわけでございます。しかし、その中で変わったかという問題があるわけでございますが、それは伊勢湾に続きまして昨年、そう大きな災害ではございませんでしたが、相当の災害が伊勢湾で被害を受けた地方にまた起こりました関係上、連年災の規定を新たに設けまして、連年――三年以上でございますが、三年間引き続いて災害の発生したところでは、普通の適用よりも高率になるような規定を設けたというのが、最近変わりました点でございます。
#53
○中島巖君 そこで、各局長、それから自治省、農林省の方に前もってお願いしておくのでありますが、飯田市及び下伊那郡各町村が今お話しあったような非常な大災害を受けております。それで今後の方針をどうすればいいか、みんな困ってしまっておる。ちょうどきょう陳情に来まして、町村長会長とか市会の土木委員長の連中が傍聴席におるわけなんです。そこで私は、実際問題としてどうい補助をくれるんだか、どういう起債をくれるんだか、地元の諸君の要望の点のみを現在の法律で――特例法が出れば別でありますが――お聞きしているので、そういうような意味でお答え願いたいと思うのであります。
 そこで、自治省と農林省とが中心の関係になると思うのでありますが、たとえば今度の災害を受けた川路村、ことなんかは日本三大桑園の一つといわれておる有名な美しい桑園があるところで、蚕で生活しておるところです。その桑畑をほとんど全部流してしまって、今は天龍の本流がそこへ入っておるわけです。それからもう一つは松尾地域でありますけれども、これは昭和二十年に災害を受けたときは約三十町歩でありましたけれども、今度は百町歩以上の災害を受けて天龍の本流の底になってしまっておる。だから、ここで農地改良組合なんかを作ってやるという意欲はみんなないわけなんです。従って、どうしてもこれは地方公共団体、飯田市でやらなければならぬというはめに現在なっておるわけです。ところが、飯田市に金がない。そうすると、どういうふうにしてやったらいいかということで、いろいろあなたの方の法律を見て研究したわけなんです。そうすると、農地の復旧事業についてはまあ普通の比率で、高率補助でないにしても、六割五分国庫補助があるわけです。そうすると、あとの三割五分は、地方公共団体が施行主体になった場合においては、これを起債の対象にできるかどうか。これは今まで起債の対象にしておったようであります。そしてこれを基準財政需要額に見込んで、そして交付金で交付できるかどうか。そうなれば大体一〇〇%国庫補助で仕事ができるわけなんです。これは僕はこの法律を見て、ここはこの法律の盲点だと思うけれども、この盲点こそが、立ち上がれないひどい災害を救う唯一の道である、こういうふうに考えておるわけなんです。そこで、今までの取り扱い、御見解を、農林省の方と自治省の理財課長、お二人にお伺いしたい。
#54
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 農地の災害復旧につきましては、従来国庫負担の事業として取り上げられました災害復旧事業につきましては、その地方負担分につきまして、その災害の程度によりまして起債の充当を行なっております。従いまして、その地方債を許可いたしました金額につきましては、交付税法の交付税の基準財政需要額の算定にあたりましてはその需要額に算入するような計算方法を行なっております。
#55
○中島巖君 理財課長、この問題は飯田市が立っていけるか立っていけぬかという非常に大きな問題だと思う。私もこの法律を表から解釈するとそういうことだと考えておったわけです。今、理財課長のお話によりますと、いわゆる地方公共団体が農地関係あるいは施設、そういうものに対して施行主体としてやった場合には、その地方公共団体の負担分については起債を認める、それでその起債は基準財政需要額に見積もって交付金を渡す、こういうようなお話でございましたけれども、この起債を認める場合において一〇〇%認めてもらえるのか、あるいは今までの取り扱いがどうであったか、この点についてもう一言お伺いしたい。
#56
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 農地につきましては地の公共施設と若干取り扱いを異にしておるわけでありまして、一般的には公共災害の復旧事業につきましてはおおむね地方の負担の百分の五十程度の起債の充当があります。それで、その災害復旧事業費の額が当該地方公共団体の財政力に比較いたしまして相当大きな事業費になります場合には、それをさらに二〇%程度引き上げて充当するというような措置を行なっております。これも公共施設と充当率の若干の差がございますのは、本来の地方公共団体の管理する施設でないというような観点から、一般の公共土木あるいは学校等の災害の場合と取り扱いを異にしております。
#57
○中島巖君 そういたしますと、今、理財課長のお話だと、一般公共施設と違う、それはその通りで、ごもっともだと思う。そこで、今のお話を総合して結論的にいえば、地方財政の非常に窮乏しておる公共団体に対しては地元負担額に対して七〇%程度までは起債を許可する、こういうように了解してよろしいのですか。
#58
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 起債の許可いたします割合は、ちょっと説明が不十分だと思いますが、初年度と次年度の場合と若干率を異しております。初年度の場合は災害が起きます時期が年度の途中になるものでございますから、できるだけ初年度の事業費に対しましては率を引き上げております。次年度以降は大体五〇%程度、特に災害がはなはだしい場合におきましては七〇%程度でございますが、初年度の場合にはこれよりもおよそ二〇%程度高い率まで引き上げるという前例がございます。従いまして、飯田市は、まだ私どもの方も被害の状況がはっきりいたしませんが、おそらく百分の七十程度の充当は可能でなかろうかというふうに考えております。
#59
○中島巖君 それから、理財課長にいろいろとお伺いしたいのですが、ああいう災害ですから、あらゆるものがやられておるわけであります。たとえば教育機関、学校であるとか、あるいは下水道であるとか上水道であるとか、こういう状態なんです。それで、下水道、上水道、あるいは教育施設、これなんかにもおのおの補助はあるわけなんです。ところが、地元負担に対して公共つまり教育関係、学校の施設、これに対してはどの程度の起債の許可をされるのであるか。あるいは下水道に対しては地元負担に対してどの程度の許可をされるのであるか。あるいは上水道に対してはどの程度の起債の許可をされるのか。この三点について、自治省の御方針をお尋ねしたいと思う。
#60
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 公共施設の場合におきましては、その地方団体の財政力に応じまして、必要な資金措置はいたすつもりでございます。従いまして、初年度の場合におきましては、災害の非常に大きい地方団体の場合には、地方負担に対しておおむね一〇〇%近い充当が行なわれるというふうに考えております。
#61
○中島巖君 今、理財課長は公共施設とおっしゃいましたけれども、建設省でいえば、公共土木施設災害の国庫負担法がありまして、五つだかの項目にちゃんとしぼってあるでしょう。従って、あなたのおっしゃった公共施設というのは、市町村で維持管理しておるものを、たとえば学校であるとか病院であるとか、あるいは屠殺場であるとか、そういうものを一切含んで公共施設と見なしていいのか。あるいはどういうものは公共施設と見なさないのか。この点、あまりこまかいようだけれども、ある程度お知らせ願いたいと思う。
#62
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 ただいま仰せになりましたように、市町村の維持管理しておるものすべてを含んでおるわけでございます。
#63
○中島巖君 あなたの答弁によってつぶれるかつぶれぬかの飯田市の大方針を樹立せねばならぬ非常に重大な問題なんですが、それらに対しては、大体地元負担の一〇〇%近い起債を認めてもらえる、こういうように了解してよろしいですか。
#64
○自治省財政局理財課長佐々木喜久治君 国庫補助対象になっておりますものは、初年度の場合はおおむね一〇〇%近いところまで起債の充当をしている例がございます。従いまして、この飯田の災害の地元負担分というものはどれだけになっているかということは、私どもまだはっきりいたしませんので、一〇〇%まで必ずやるというお答えは今の段階では困難でございます。新聞等で私ども見ておりますと、おそらくそういう取り扱いをしなければならない状態でないだろうかというような感じを持っておるわけであります。
#65
○中島巖君 実は今度の集中豪雨で、飯田市の裏には、歌なんかにもある権現山という非常に大きな山があるわけであります。ところが、この権現山が鳴り出してくずれるというわけで、八百戸ぐらい避難したわけです。従って、これを全部保安林にして、そうして治山事業をやってもらいたいという、こういうような考えがあるわけですが、これはおそらく治山課長の方の所管だろうと思うのです。そういうものを大幅に保安林に、地方公共団体の要請があればできるかどうか、この点をお伺いしたい。
#66
○林野庁指導部治山課長手束羔一君 保林安の整備につきましては、二十九年の保安林整備臨時措置法という法律の施行に伴いまして、全国的に保安林の整備をされる計画を立てまして、現在それを実行中であるという次第でございます。
 お話の権現山につきましては、その計画に入っておるかどうか、私今手元に資料がございませんが、国土保全上森林所有者の施業の自由を制限してまでも、はたして保安林として公益制限をいたさねばならぬかどうか、かような点についてはその旨につきましてはやはり調査をいたす必要があろうかと思いますが、保安林の指定につきまして地元の要望があればできるかどうか、この点につきましては、森林法の規定によりまして地方公共団体並びに利害関係者は保安林の指定について意見を申し述べることができるということになっておりますので、さような御要望があるようでございましたならば、ぜひその御意見をお出し願いたいと存じております。
#67
○中島巖君 地方公共団体はそういう意見を持っておるけれども、その山を持っておられる所有者は何人もいるわけです。ある者は、自分は保安林にされては伐採ができぬからいやだ、こういう現象が出てくるわけであります。そういう場合にも、これが必要であるとすればやるべきであると思うのだけれども、法律上、またあなたの方の取り扱いの解釈上、その点を、一部の山林所有者に不同意者があってもできるかどうか、この点をお伺いいたしたい。
#68
○林野庁指導部治山課長手束羔一君 保安林の指定につきましては、法律上は国がそれを保安林として指定する必要ありと認めました場合は、これを指定することができることになっているわけでございます。ただ、その指定をする手続上、保安林の予定通知をいたしましてから、ある一定期間内に地方公共団体またはその利害関係人はそれについて意見を申し述べることができる、こういうことになっているわけでございます。その意見の申し述べがあった際は公聴会を開かねばならぬ、かようなことになっておりまして、公聴会を開いた結果によりまして、いろいろその公益上の必要性並びにその私有財産としての利用度等を勘案いたしまして、これを指定するかしないかというふうに決定いたす、かようになっておるわけでございます。そこで、公共団体として保安林にこれを指定したいというような御要望がありました際でも、あるいはその所有者の中の方からこれは困るというような意見が出て参る場合も当然あり得ることでございますが、さような場合はその公聴会等にかけまして、はたしてこれは私有財産の収益処分の自由を制限してまでも公共のために保安林として指定すべきかどうかというようなことにつきまして、一応民主的に論を尽くしましてから指定をいたす、かような次第になっておるわけでございます。
#69
○中島巖君 それから、災害復旧課長にお尋ねいたします。この農地なんかに高率補助の規定がありますね。場合によっては一〇〇%国で補助する、こういう規定があるわけでございますが、この規定の前段として、その地方において一戸当たり八万円以上の災害とかあるいは十五万円以上の災害とか、こういうような文句があるわけでございます。よく読んでみればわかるかもしれぬが、私が二、三度目を通した程度ではわからぬのでありますが、その一地方というのは地方公共団体全体をさすのであるか、あるいは地方公共団体が三千戸なら三千戸あって、そのうらの一部落五十戸だけが異常災害々受けた。この五十戸が一戸当たり八万円以上もしくは十五万円以上になればこの高率補助の適用を受けられるのであるか。その指定した地域という点について、具体的に御説明願いたいと思います。
#70
○農林省農地局災害復旧課長中村武夫君 お答えいたします。
 今お話にありましたように、暫定法におきましては農地につきましては五割、それから一戸当たりが八万円をこしますとそれが八割になりまして、十五万円をこしますと九割ということで、一〇〇%とはなりませんが、逓増いたしまして、九割に近くなっておるということであります。それから、公共施設につきましては六割五分から始まりまして、今と同じようなルールを使いまして九割、それから最後には一〇〇%の十割になるようなことになっております。
 そこで、今御指摘のありました関係の耕作者ということでございますが、これは後段でおっしゃいましたように、それに関係するものだけで割る、関係の耕作者だけで割るということになっておりまして、結局そこの市町村とかそこの部落というのではありませんで、農地であれば農地の被害を受けた関係者だけということでございます。
#71
○中島巖君 ちょっとくどいようでありますが、たとえば今言った川路村にしましても、豊丘村にしましても、その流された地域は一部落もしくは二部落、たとえば豊丘は、四千戸あっても流されたものは三百戸くらいたものだ。そうすると、その主百戸の平均が八万円以上あるいは十五万円以上になれば、その高率補助の適用は受ける、こういうように解釈してよろしいですか。
#72
○農林省農地局災害復旧課長中村武夫君 そうでございます。
#73
○中島巖君 農林省と自治省の方、ありがとうございました。非常にこれから御厄介になると思いますが、よろしくただいまの線でお願いしておきます。
 次に、建設省の各局長にお伺いしたい。まず道路局長にお伺いいたしますが、先ほど来からもお話がありましたように、現在に至ってもまだ交通網がないわけでありまして、ことに鉄道は今月一ぱいだめだという状況です。自衛隊も機械化部隊をどんどん送り込みましたけれども、大きな機械化部隊は飯田から七里ほど手前の七久保付近に集結して、ちっとも入るわけにいかぬ。今、村道であるとかなんとかいうような、ろくに常は道だと思わなかったようなところが、小さなハイヤーだけが通っているという現状だ。そこで、どうしてもこの名古屋−塩尻線の幹線だけは早急に一本あけてもらいたい。県の方でも非常に配慮をしていただいてはおるだろうけれども、あそこは二級国道ですから、二級国道課長か課長補佐くらいをあけるまで現地に派遣してもらいたいくらいに考えておるわけです。そういう点について、何か腹案があれば承りたい、こう考えておるわけであります。
#74
○道路局長高野務君 災害のときには道路復旧がまず第一であろうと思いますが、このたびの飯田地方の災害につきまして、道路、特に二級国道が寸断されて交通が途絶しておりますことは、まことに遺憾でございます。災害復旧は、これは補助の方は河川局の所管でございますが、私といたしましては、道路の担当といたしまして、道路交通をどうするかという義務があるわけでございます。もちろん一日も早く、しかもこの場合には鉄道も不通だというような現状では、一日も早く復旧するように努力をする必要があるのでございまして、この点、道路管理者である長野県の知事さんにも、一つこの席でお願いをする次第でございます。道路局といたしましては、ただいま山本技監と一緒に課長補佐の浜田技官が現地へ参りまして、いろいろ県の方と御協議をしているわけでございます。さらに明日大臣が現地に参られますので、二級国道課長の蓑輪技官を派遣いたしまして、復旧対策を講じたいと思っております。
#75
○中島巖君 もう魚類はほとんどなまのものは切れてしまう。それから第一に困ったことは、ガソリン関係が切れつつある。こういうような状況で、いろいろ内部から麻痺状態に陥っております。ことに二級国道課長を派遣していただくようなら、現地で応急処置をとって、幹線をどれでも一本だけは早急にあけてもらうように一つ御心配願いたい。
 それから、次に住宅局長にお伺いします。災害でもって非常に、ことに天龍川沿線において流された家が非常にあるわけです。従って、例の災害復旧の資金、これを急速にやってもらいたいわけです。伊勢湾台風の節には、住宅金融公庫の北関東ですか、あれに非常な処置をしていただきまして助かったわけなんです。下伊那地方としましては、地方公共団体が保証人になりましてやっておるわけなんです。従って、これに対してどんなお考えを持っておるか、今後の方針はどうであるか、その点をお伺いしたいと思います。
#76
○住宅局長稗田治君 今回の住宅災害でございますが、全国的に申しますると、被害個所が非常に散在してございますので、住宅の復旧にはまず住宅金融公庫の災害復興住宅資金の貸付、これが一番適合しておるんじゃないかということで、住宅金融公庫の方にもさっそく相談所等を開設いたしまして貸付の準備を始めるようにということ
 で、指示をしてあるわけでございます。
 なお、長野県の災害につきまして申し上げますと、地すべりあるいは河川の決壊というようなことで、相当集団的に一部落が全部流されてしまっておるというようなことも聞いておりますので、場合によりますれば、長野県下の災害につきましては、災害公営住宅の建設というようなことも必要ではなかろうかということで、用意をいたしておるわけでございます。
 なお、災害復興住宅の貸付の金額の限度でございますが、これはこの間の八戸等の災害にさかのぼりまして、従来新築三十万円であったものを三十二万円、補修が十五万円であったものが十六万円、なお整地費を六万円、それから用地費を二万円でございましたのを三万円というように、それぞれ融資の限度額を改定いたしまして、今度の災害にも実施する、そういうようなつもりでおるわけでございます。
 なお、資金の貸付総額でありますが、本年度分としまして十億の貸付の契約総額になっておりますので、今回の災害につきましては、既定の予算の中で十分、間に合うのではないかと考えておるわけでございます。
#77
○中島巖君 あまりこまかい話になるのですが、この災害の融資住宅は、前はたしか五年据置で、十五年年賦の五分五厘のように記憶しておったのですが、その後これは変更になりましたか。その点お伺いしたいということが一つ。
 もう一つは、融資住宅でなくて、今度の災害は、長野県と申しましても、南部の、ことに下伊那の中心地から北の方、下伊那郡でも全部にわたっておるわけじゃないのです。一カ所に集中的にやられておるわけなんです。従って、その災害住宅の融資と、もう一つは災害住宅かあるいは第一種、第三種公営住宅、あんなようなものを早急に一つやってもらいたい、こう思うのですが、何らかの方法でそういうものをもらっていくことはできぬものかどうか。この二つの点についてお伺いしたいと思います。
#78
○住宅局長稗田治君 災害復興住宅の貸付の条件でございますけれども、当然災害地方でございますので、据置期間等はございます。ただいま私ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、年限等につきまして、多分二年ぐらいじゃなかったかと記憶しておるわけでございますが、金利は五分五厘でございます。それから、償還の年限は、これは貸付の金額で多少動くようになっておるわけでございますが、大体毎月の償還額等があまり大きくならないようにというようなことで、平均は十年くらいになっておるというふうに記憶いたしておるわけでございます。
 それから、災害公営住宅でございますが、第二種公営住宅は本年度の災害用に約一千戸のワクを持っておるわけでございます。これによりまして、ただいまの長野県の南部の方の災害につきましても、地元の地方公共団体あるいは県が一般的に公営住宅を建設するという場合に割当をする用意をいたしておるわけでございます。
#79
○中島巖君 よくわかりました。何とか早急にあちらへ係の方を派遣していただいて、今言った融資の問題なり、あるいは災害住宅の問題なり、そういうような問題に対して適切な処置を講じていただきたいことを要望して、住宅局長に対する質問を終わることにいたします。
 次に、計画局長にお伺いします。現在飯田市は、都市計画と申しましても、非常に主要な道路になっておりまして、もう各方面が全部途絶してしまって、わずかに二級国道の名古屋―塩尻線が一本だけ北の方へあるわけです。従って、南から西から東から入ってくるのは、みなその道を迂回して、そうしてかなめの町村道へ出ておるという状態なのです。従いまして、あなたの方の所管の関係の街路事業の復旧も早急にやってもらいたい、こういうように考えるわけです。これに対する補助率なんかは一般公共土木施設の補助率と同じだと思いますが、これは一気にできる場所なのですが、ただいま申しました三・五・二なんという比率でなしに、本年度一〇〇%やっていただきたいと思うわけです。ことに河川事業なんかと違って、出水期などということはありませんから、さっそく早急にこれに着手してもらいたい。こういうように思うのですが、そういうような処置ができるかどうか、お考えを伺いたいと思います。
#80
○計画局長關盛吉雄君 お尋ねの飯田市内の道路で、街路として現在使用いたしておりますものが水害で災害を受けた、こういう場合は公共土木施設の負担法によって整備されることになります。目下街路構築中の都市計画事業がまだ未完成の途上においてこわれたというふうなものにつきましては、街路事業補助という災害復旧を行なうわけでございます。従いまして、改良計画を全般的に進めることは、今の災害の有無にかかわらず緊急な問題が都市計画の問題としてあろうと思いますが、それぞれの施設の内容によりまして、お話のありましたような復旧の計画を進めていきたい、こういうふうに考えております。
#81
○中島巖君 それから、下水道があなたの方の所管なんです。この下水道が今度はめちゃくちゃにやられてしまって、非常に困っておるわけです。それで、下水道はまだ公共土木施設の国庫負担法の中に入ってないような気がしたのですが、これに対する補助率は現在どんなような補助率でやっておられるか、これをお伺いしたいと思います。
 それから、終末処理場が全部やられたわけです。これはあなたの方であるか、厚生省であるか、私もよくわからぬのですが、その点についても触れていただきたいと思います。
#82
○計画局長關盛吉雄君 下水道につきましては、確かに飯田の市街の災害が非常にひどかったという報告をいただいております。さっそく係官を派遣をすることにいたしております。それで、下水道の復旧の補助の問題でございますが、これは公共土木施設の負担法の対象の施設になっておりませんが、予算でもって補助を交付しておる普通の例は二分の一でございますけれども、激甚の地帯につきましては三分の二の補助を実施いたしておるのが今日までの実情でございます。
 なお、終末処理場につきましては、これは厚生省の関係でございますが、両省よく打ち合わせをいたしまして、大蔵省と災害復旧の段取りを進める、こういうことになっております。なおそのほかに、ポンプ場等の施設が冠水をいたしましたり、機能がこわれたというふうな状況も聞いておりますので、これは建設省の方でその復旧の事務を担当する、こういうことにいたしております。
#83
○中島巖君 もう一点計画局長にお尋ねいたします。たしかあなたの方の所管だと思うのですが、今度山くずれが非常に多いもので、市街地のうちへ土砂なんかが流れ込んで、これの取り除きが非常に大へんなことになっておるわけです。これなんかに対してやはり補助のあるような法律があったような気がしたのですが、これに対してどんな取り扱いをされているか、その点をお尋ねいたしたい。
#84
○計画局長關盛吉雄君 災害のつど市街地に堆積土砂が発生いたしまして、非常に困る例が多いのでございます。公共土木施設の上に堆積いたしましたものは、それぞれ公共土木施設の機能の復旧とあわせて実施いたしますが、宅地等にそれが山積いたしました場合は、相当な労力をかけないと都市の機能が復旧いたしませんので、そういうものにつきましては、予算でもって一定の規模堆積いたしました土砂を排除するという補助金を出しております。法律でもって出しましたのは、最近の例では伊勢湾台風の際に実施いたしたのでございまして、今回の場合におきましても、堆積土量の程度によりましては、少なくとも予算の上で排土を行なう事業を地方公共団体が実施するものについて二分の一の補助率で実施いたしておりますが、それを実施しなければならぬものについてはさっそく相談をいたしたいと思います。
#85
○中島巖君 今の点で非常に問題の点は、現在の実情は土砂を取り除いておる最中なんです。そこで今、局長の答弁は、地方公共団体で行なった場合、こういうことを言われたわけです。地方公共団体で行なわなければ、個人ではいけないか。この点が一点。
 もう一つは、家の中に入った土砂をあなたの方から査定を受けるまで待っておるわけにいかぬから、どんどん事業をやっておるわけです。そうすれば、写真か何かとっておいて、あとでそういうものを事業に認定できるか。この二つの点についてお伺いしたいと思います。
#86
○計画局長關盛吉雄君 この堆積土砂の建設省が管轄しております今までのやり方は、都市計画の適用されております市街地の機能を復興しようというところに重点があるわけでございます。従いまして、宅地あるいは道路等が一緒くたになって相当な堆積土砂があった、こういう場合におきまして、それを排除するということを実施するのは市町村でございまして、その市町村が各個人の庭先からたとえばどこかのあき地、学校の庭でありますか、あるいは公園のあき地でありますとか、そういうところへ持っていっていただくまでの労力費だとか運搬費というものに対して補助をする、こういう体系になっております。従って、各庭先にそういうものがたまっていることによって、非常に衛生的に悪いとか、いろいろな関係がいわゆる清掃法の関係で出て参ります部分は厚生省が担当いたしますが、一定の公益的な目的のために堆積したものを全体として集積をして町をきれいにする、こういうところに着眼をいたしまして、実施をいたしております。従って、現実にその状況を明らかにしなければ除石をできないわけじゃございませんが、少なくともそういう実態を県や市町村の方へよく前からの例をお知らせいたしておりますので、そういう事実の発生いたしましたときにはあらかじめ相談をしていただくようにいたしまして、手おくれのないように進めておるのが実情でございます。
#87
○中島巖君 最後に河川局長にお伺いします。今度の天龍川の堤防の破壊地帯は、すでに査定官が行かれて御報告があったのですが、非常に膨大なものなんです。ところが、これは堤防が完全にできてしまわないと農耕地の改良復旧事業もできないわけです。従って、三・五・二なんかの比率で三カ年かかると、その三カ年後にこの農地の復旧事業に取りかかるという非常に年数が長くなるわけです。従って、われわれの希望とすれば、出水期ではできぬけれども、湯水期に入れば、なるべく耕地の復旧事業にすぐかかれるように、一年間で短期間でやってもらいたい。こういうふうに考えるわけですが、河川局としてはどんな御方針でおるか。この点お伺いしたいと思います。
#88
○河川局長山内一郎君 その点は、先ほど大臣もお答えいたしましたように、長野県のような非常に被害の激甚地におきましては、三・五・二の三というような率にこだわらず、できるだけ長野県に、県の分担のものについては復旧をしていただきまして、それに応じまして建設省として予算措置を講じたい、こういうふうに考えております。
 それから天龍川上流の直轄河川の区域の分につきましては、非常に被害が激甚でございますが、来年の出水期までには全部それをやり遂げたい、こういうつもりで今いろいろ調査とか対策を講じておる段階でございます。
#89
○中島巖君 非常に心強い河川局長の答弁を承ったわけでありますが、ぜひそうしていただきたいと思います。
 それからもう一つ。ただいま報告にもありましたように、非常に災害の量が多いわけで、技術者が足りないわけです。だから、県からも総動員して技術者をよこしておってくれるけれども、市なんかも非常に困っておるのです。技術者をあなたの方に要請した場合には、何とか心配してもらえるかどうか、この点が一点。
 それからもう一つの点は、これは知事も傍聴席におられるので特にお話しておきたいと思うのですが、今まであの地方は非常に小さい建設業者が多くありましたので、地元だけで談合が行なわれて工事をとる、こういうような空気になっておったわけです。われわれも工事のできるうちは大目に見ておったわけですけれども、今度のこれだけの異常災害を早急に復旧するには、地元の建設業者だけではとうていできるものではないのだから、外から相当多量な建設業者を入札に参加させねばならぬ。その場合において、建設省で最も信用あるような業者を県の方へ推薦してもらいたいと思うのですが、そういうことができるかどうか。この二つの点をお伺いしたい。
#90
○河川局長山内一郎君 復旧のための技術者の応援の問題でございますが、すでに長野県の方から応援の要請がございまして、現在手当を終わっております。
 なお、大業者のあっせんと申しますか、県内業者でできないような場合には大業者も、いろいろ県とお打ち合わせいたしまして、それに必要な対策を講じたい、こういうふうに考えております。
#91
○中島巖君 これでよろしゅうございます。ありがとうございました。
#92
○座長(加藤高藏君) 本日の協議会はこれにて散会いたします。どうも御苦労さまでした。
   午後二時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト