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1960/07/10 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員協議会 第1号
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1960/07/10 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員協議会 第1号

#1
第038回国会 運輸委員協議会 第1号
昭和三十六年七月十日(月曜日)
   午後一時三十九分開議
    ―――――――――――――
協議事項
 集中豪雨による運輸関係の災害対策に関する事
 項
     ――――◇―――――
#2
○三池座長 これより運輸委員協議会を開きます。
 先例により私が座長を勤めます。
 先般の集中豪雨による気象状況について、まず気象庁より説明を聴取し、さらに交通機関等の被害状況について、国鉄当局及び鉄道監督局よりそれぞれ説明を聴取したいと存じます。運輸省和達気象庁長官。
#3
○和達気象庁長官 今回の昭和三十六年梅雨前線豪雨について、簡単に御報告申し上げます。
 今回の豪雨は、六月二十四日ごろから始まり、なお今日にまで及んでおると申してよいほどの長い期間にわたって各地に豪雨をもたらしたものでございます。本年の梅雨期は、その初め割合に気温が高く、いわゆる梅雨というじめじめした長雨の傾向でなく、むしろ早魃をおそれられたくらいに、雨量は全国にわたって少な目であったのでございますが、二十三日ごろから本邦の南岸沖に発生した弱い梅雨前線が、翌二十四日ごろから強まってきまして、しかもそのときに南方からやってきました弱い熱帯性低気圧が台風六号となりまして、その影響が加わりまして、この梅雨前線が非常に活発となり、六月二十四日ごろ四国の南東の部分から始まった豪雨は、その後近畿地方に及び、また紀伊半島の東側あるいは濃尾平野に及び、それから長野県あるいは伊豆半島また関東の北部というように東に移動をいたしました。またこれは約一週間くらいの間に各地に豪雨を降らせました一つの経過でありますが、七月に入りましても、なおその梅雨前線は停滞し、北に移動して、山陰あるいは長野県の北部、新潟県、山形県、秋田県あるいは北陸の他の県にも相当の豪雨をもたらしました。
 その雨量は、ただいまあげましたような各地の豪雨のあったところの一番強いところをとりますと、数日間の間に千ミリをこえておるところも珍しくないという、量といたしましても、非常に多量の雨を降らしたのであります。
 この梅雨前線は、わが国の梅雨末期に降る豪雨としましては、その性質としては、毎年と申してよいようにこの性質は毎年あるのでございますけれども、梅雨前線の強さと停滞したということから、このように広い区域にわたって各地に豪雨をもたらしたことは、非常に珍しいことでございまして、近くは昭和二十八年の北九州を初めとするあの水害の年、またもう少し前は昭和十三年の関東及び関西に大水害を起こしましたこの年と同じような気象状況から起こりますところの梅雨前線豪雨であったのであります。
 今日なお、この前線は山陰沖から奥羽地方にかけて日本に存在しております。この関係上、たとえば東京あたり非常に昨今暑くなっておりますけれども、まだ日本が完全に夏になったと申すことはできない状態にあります。
 以上をもって報告を終わります。
#4
○三池座長 柴田施設局長。
#5
○柴田日本国有鉄道施設局長 お手元の日本国有鉄道という資料につきまして、概略被害の概況を御報告申し上げます。
 この資料の五ページのところをお開きいただきたいと思いますが、図の一というのがございます。ただいま長官から御報告のございましたように、今回の災害、六月二十四日から七月の五日にかけましての梅雨前線の停滞状況でございますが、この間本州中央部に停滞いたしましたために、各地にかなりの雨を降らせております。その雨の降りました状況が次の図の二というのにございます。これは主として本州中央部付近でございますが、この数字は六月二十四日から六月の三十日まで降りました降雨量と、カッコに書いてございますたとえば大阪付近で四百二十五ミリ、カッコ二十、これは一時間に降りました雨の量をカッコ書きで書いております。この図でごらんいただきますように、場所によりましては五十ないし八十、百、時間雨量からいきますと、非常に多い雨が降っております。
 こうした結果、国鉄線におきましても各地に被害が起こっておりまして、概況は、もとに戻りまして、一ページのところを開いていただきたいと思いますが、その中ごろに、最初四国、紀伊半島、この辺に降りました雨のために四国の牟岐線、紀勢線、これが被害を受けました。二十六日に至りまして阪神地区が集中的な豪雨になりまして、山陽線、東海道線の一部、そういうものが不通になり、引き続き神戸西宮地区も時雨量四十ミリという雨によりましてその辺が不通になりました。そして加古川、大久保と線路が浸水いたしまして、二十七日の六時から翌二十八日の一時まで山陽線が不通になりました。同時に紀勢線、関西線、福知山線、こういった主線にも不通個所が発生いたしました。それから二十七日に至りまして前線が北に向かいまして、中部の山岳地帯に停滞いたしましたため、中央線、飯田線に洪水が起こったわけでありますが、天龍川水系のはんらんによりまして飯田線が大きな被害を受けました。二十八日には、さらに前線が南に下って参りましたために、甲信及び関東西部地区が雨がひどくなりまして、大船、熱海付近では一時間五十ミリという雨が降りました。このため、線路が浸水いたしまして、東海道線が二十八日の十八時から翌二十九日の七時まで長期にわたって不通となった次第でございます。そのほか信越、中央、東北、常磐、各地にも相当の被害が発生いたしました。
 それから、二十九日以降も本邦付近に停滞しておりましたが、この間は雨もなく平穏でございました。しかし七月四日に至りまして再び北上いたしまして、出雲今市付近に雨が降っております。このため山陰線、木次線、こういったところの線路が浸水いたしまして、築堤及び切り取りが崩壊をいたしました。大体そういう経過をたどっております。
 なお、との災害発生に際しまして、管理局及び本社におきましてそれぞれ災害応急態勢を整えて対処して参ったわけでありますが、被害はおおむね件数にいたしまして約二千八百四十件、例年年間六千件前後のこうした被害が起こっておりますが、今回だけですでに四五%、件数にいたしますと相当の件数になっておるわけでございます。被害の額は減収を含めまして約三十億というふうに推定をいたしております。
 なお、おもな線区の開通状況は別にございますが、ただいま不通になっております個所につきまして御報告を申し上げますと、図の三、つまり九ページでございますが、静岡局の飯田線の開通状況は、ただいまこの図面の黒いちょぼと黒く塗りつぶしてあります区間が不通であります。その開通の見通しは、豊橋方から北上いたしましてただいま平岡まで開通をいたしておりますが、平岡から上に上がりまして時又というところがございます、約二十五キロ六百、ことの開通が七月の十三日の予定でございます。この間築堤が大きく流されており、また川路の構内におきまして土砂が流入いたしておりますためにその復旧を要する区間であります。それから飯田を出まして辰野方に向かいまして、市田と山吹、この間が大島川という川がはんらんをいたしまして線路が埋没いたしておりますが、ここの間の復旧は七月の二十日を予定いたして目下作業を進めておる次第でございます。従いまして、飯田線といたしましては、この山吹−市田間の七月二十日、これが最終的な開通の個所になる予定でございます。
 それから次に図の四というのがございますが、小海線もただいま不通でございます。小海線の小海−海尻、この間が橋梁が一カ所傾斜をいたしておりますために、大体七月の二十日の開通予定で作業計画を進めております。
 それから大糸線は実は昨日開通をいたしましたので、ここは開通ということで御承知いただきたい。
 概略以上で御報告を終わります。
#6
○能見運輸省鉄道監督局運転車両課長 私鉄関係の今度の水害で受けました被害状況を御説明申し上げます。
 横刷りの三枚とじのお手元の資料をごらんいただきます。
 第二枚目に私鉄関係というのがございますが、今回の豪雨で被害を受けましたのは大阪、名古屋、東京、新潟、広島の各陸運局管内の私鉄でございまして、現在まで開通しておりません私鉄の状況は上の方の欄にございます七社でございまして、その被害額が約五千二百万、それから現在までに水害を受けまして復旧に努めましてすでに開通をいたしました鉄道は、下の欄にございます十五社でございまして、損害額は約四億ということで、この被害額は先へ行きまして多少上回るものと思われます。
 現在までの判明いたしました状況はこの程度でございます。終わります。
#7
○三池座長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#8
○久保三郎君 気象庁長官に二つほどお尋ねしたいのです。
 今度の水害は、特徴的なものは中小河川を中心にした被害が大へん多いのでありますが、この中小河川等に対する局部的な豪雨というか、そういうようなものの観測の施設の整備状況というか、そういうものはどういうふうになっているんだろうかということが一つです。
 もう一つは、これは私は見ませんでしたが、すでに気象庁はかかる豪雨があることを予告警報をしていたということでありますが、それはいつのころ出されておるのか、そして関係方面にはどれほど徹底していたと思うのか、そういう点についてお伺いしたい、こういうふうに思います。
#9
○和達気象庁長官 第一番に、中小河川に対する局所的観測の問題でございます。中小河川と申しますのは結局小さい川もしくは支流になる、その意味は大きな地勢ではなくて小さい山脈あるいは谷間、盆地、こういうところの違った気象状況の把握はどういうふうにしているかという問題であります。この点に関しましては、平野部の方は役場、学校等に依頼した観測網がございますが、山地の方はそういうものが少なく、昭和二十八年の水害以来山地に自動的に雨量を観測する器械を鋭意設置して参りまして、現在約二百気象庁関係で据え付けております。また他の省あるいは他の団体がそういうような施設を持っております。日本の二百という数は、外国に比べますと非常にこの方面は日本が先がけてこの設備をなしておるわけてありますけれども、日本の複雑な地勢とその土地の利用状況から見れば、この数はさらに検討しまして要所にはもう少しふやすべきと思います。私ども重要の場所につきましては、一応の整備はしたのでありますが、再度その重要の場所の増設について、昨年あたりから予算を要求し、非常にわずかでありますがその手直しをいたしておる状態であります。これは自動的に降った雨を観測するいわゆる観測網でありますが、一方大雨の注意報、警報あるいは洪水注意報、警報に対しては、現在の気象学あるいは気象技術において、降る前から狭い範囲の量と時間とを的確に言う技術がなかなかまだ進んでおりません。非常に残念ではありますけれども、こういう梅雨前線ができますと、その可能性は十分にわかっておるのでありますから、そういう点につきまして十分情報を持ってその可能性を伝え、そうしていよいよどこかが破れて大雨が降らんとするところをレーダーをもって見つけまして、そしてレーダーは刻々それの見える範囲における雨の降っておる状況を示しておりますので、それが非常に予報者の大きな助けになりまして、今回も現在までに施設しましたレーダーは非常に有力な観測機であることを証明した次第でございます。
 その次に、それではそういうような注意報、警報は十分の時間を持って出し得たか、あるいはどういう方法で出したかという問題であります。先ほどお手元にお配りしました資料の後半に、全国各気象官署がどういう種類の注意報や警報をいつ出し、いつ解除したかという表を出してございますので、この表で実際に降ったあるいは実際に被害を受けたのを参照していただきますとおわかりになっていただけるかと思うのであります。私どももこれを目下こまかく検討いたしておるわけでありますが、もちろん、あるところでは相当な余裕を持ってこれが出ておるところもあります。場所によっては、降り出し、もう水が出そうになってからこれが出ておるところも必ずしもなきにしもあらずと私は思っておりまして、そういう面につきましてはさらに私どもが勉強いたしまして、もう少し早く出るような工夫をいたさねばならないかと思っております。しかしこの注意報、警報はともかくも雨の降り出しがら出ておるのでありますから、雨が降ってから水害が起こるまでの時間の間に間に合うという程度では出ておると一般的に申せるかと思います。
 なおその知らせる方法でございますが、これは前もってその必要方面と連絡してございまして、必要なる官署、公共団体、そういうところは警報、注意報が出ますればすぐ知らせる方途ができておりまして、それに従います。また一般につきましても、報道関係と特別に連絡しておきまして、遺憾なきを期してやった、努力したと思っておりますけれども、さらに不十分のところは十分に今後検討いたしまして、ますますよい注意報、警報を出し、それの的確有効な伝達がなされるように努力したいと思っております。
#10
○久保三郎君 ただいまの御説明でわかりましたが、実は事故が起きてから初めてぴんとくるというならわしがございまして、気象庁なら気象庁からの注意報なり何なりが、真剣に末端まで受けとめられない気風が気象予報というか、警報にはあるんじゃないかと私は思うのです。これはもちろんそういうものに非常に関心を持つ、たとえば国鉄とか、そういうところはあるでしょう。しかし一般地方自治体あるいは末端というところになりますと、どうもわれわれ自身もそうだと思うのですが、そういう気風を直すことも一つじゃないかと思うのです。気象に対する啓蒙というか、これがまだ少し足りないんじゃないかと思います。もちろんこれは気象庁だけの責任ではなくて、むしろ受ける方の側だと思いますが、これもやはり一工夫あってしかるべきだと私は思うのです。
 そこで、気象庁は従来もいろいろおやりになっておると思うのですが、事前に長期予報というか、そういうものをお出しになると思うのでありますが、そのときに、やはり具体的な事例等を、新聞あるいはラジオ等を通じて何とかPRをしていただかねばならぬだろう、こう思うのです。そういう工夫もぜひやっていただきたい。
 それからもう一つは、これはきょうでなくてもいいのでありますが、今まであなたの方でおやりになっている仕事で、実はこれまでやっているのにどうも歯がゆいというところが――先ほど申し上げたのは一つの例だと思うのですが、そういうものがございましたらば、災害対策の協議会もございますので、そういう方面へ一つ御意見を出していただきたい、こういうふうに思うわけです。これが要望をしておきたいという点です。
#11
○三池座長 ほかに御質疑はありませんか。――ほかにないようでございますので、本日はこれにて協議会を終わります。
   午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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