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1960/03/01 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会第三分科会 第4号
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1960/03/01 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会第三分科会 第4号

#1
第038回国会 予算委員会第三分科会 第4号
昭和三十六年三月一日(水曜日)
    午前十時二十一分開議
 出席分科員
   主査 三浦 一雄君
      青木  正君    赤澤 正道君
      井出一太郎君    仮谷 忠男君
      松浦周太郎君    松野 頼三君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      加藤 清二君    川俣 清音君
      高田 富之君    滝井 義高君
      永井勝次郎君
   兼務 床次 徳二君 兼務 堂森 芳夫君
   兼務 春日 一幸君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
        国 務 大 臣 迫水 久常君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済企画庁長
        官官房長)   村上  一君
        総理府事務官
        (経済企画庁長
        官官房会計課
        長)      川村 鈴次君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    中野 正一君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合計画局長)  大來佐武郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  曾田  忠君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        査局長)    金子 美雄君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 樋詰 誠明君
        通商産業事務官
        (大臣官房会計
        課長)     井上  猛君
        通商産業事務官
        (通商局長)  今井 善衞君
        通商産業事務官
        (企業局長)  松尾 金藏君
        通商産業事務官
        (重工業局長) 佐橋  滋君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 秋山 武夫君
        通商産業事務官
        (繊維局長)  松村 敬一君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  伊藤 繁樹君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  今井  博君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      大堀  弘君
        中小企業庁長官 小山 雄二君
 分科員外の出席者
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局調整課長) 赤沢 璋一君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合計画局計画課
        長)      遠藤  胖君
        総理府参事官
        (経済企画庁総
        合開発局参事
        官)      南部 哲也君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局総合開
        発課長)    玉置 康雄君
        外務事務官
        (経済局米国カ
        ナダ課長)   須磨未千秋君
        大蔵事務官
        (主計官)   田代 一正君
        農林事務官
        (農林経済局肥
        料課長)    太田 康二君
        農 林 技 官
        (振興局普及部
        長)      江川  了君
        通商産業事務官
        (中小企業庁振
        興部長)    川島 一郎君
        労働事務官
        (大臣官房労働
        統計調査部労働
        経済課長)   山下不二男君
        労働事務官
        (労政局労働組
        合課長)    辻  英雄君
        労働基準監督官
        (労働基準局賃
        金課長)    東村金之助君
    ―――――――――――――
三月一日
 分科員淡谷悠藏君、高田富之君及び永井勝次郎
 君委員辞任につき、その補欠として有馬輝武君、
 加藤清二君及び滝井義高君が委員長の指名で分
 科員に選任された。
同日
 分科員有馬輝武君、加藤清二君及び滝井義高君
 委員辞任につき、その補欠として淡谷悠藏君、
 高田富之君及び永井勝次郎君が委員長の指名で
 分科員に選任された。
同日
 第二分科員床次徳二君、堂森芳夫君及び第一分
 科員春日一幸君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計予算中経済企画庁及び
 通商産業省所管
 昭和三十六年度特別会計予算中通商産業省所管
     ――――◇―――――
#2
○三浦主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。
 本日は、昭和三十六年度一般会計予算中経済企画庁及び通商産業省所管、同じく特別会計予算中通商産業宿所管予算を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。床次徳二君。
#3
○床次分科員 通産大臣に電力料の問題についてお尋ねいたしたいと思います。電力料の値上げは、今後の所得倍増計画の実施にあたりましては、非常に影響のあるものでありまして、特にいわゆる後進低開発地区に対しましては、新しい工場誘致のために、また現在の住民の生活費膨張を防ぐために、極力これは抑制すべきものであると思うのであります。しかるところ九州電力は、昨年の夏以来、会社といたしましては一七・五五%という値上げの申請をいたしておるのでありまして、これは九州に対しましては非常な脅威である。特に著しい低開発地区として将来の開発を期待しております南九州の住民としては、重大な関心を持っておるところであって、この値上げに対しましては極力反対をいたしておることは御承知の通りであります。政府もこの値上げを抑制する方針と聞いておるのでありますが、九電に対しましては、その特殊事情がありますので、これに相応したところの対策を講じてもらいたいと思うのであります。すなわち、元来発足当時から無理があるのでありまして、いわゆる電力の九分割以来全国的な調整が不可能になり、そのため一つの大きな不利をこうむったのであります。一時水火力の調整金の交付を受けておりましたが、これも今日はなくなっておるという状態であります。もとより会社自体もいわゆる経営合理化という努力を必要とすることは当然でありますが、政府におかれましても、今日の電力料を増加せざるを得ない会社の実情に対しましては、十分調査をしていただきまして、将来におきましていわゆる地方の所得格差を是正することのできる目途のもとに電力料も押えてもらいたい。私どもの考え方によれば、電力料も、あるいは運賃、郵便、電信等のいわゆる公共料金というものと同じように抑制しなければ、地方格差というものはふえるのではないかと思います。また特に地方格差の是正のためには、道路、港湾等に対しましても極力開発に従事をしておる関係でありますので、この点は一つ政府として考えていただきたいと思うのです。地元として要望しておりますことは、特に九電に対しましては、電源開発の借入金の利子負担軽減の措置、あるいは財政投融資の額を拡大していただきまして、そして経営を楽にさせる。あるいは一般的な問題でありますが、電力消費者に対する課税の減免、あるいは特に会社に対する固定資産税の減免というような処置も、場合によったならば必要ではないかと思いますが、この九電値上げ申請に対するところの政府の御方針を承りたいと思うのであります。
#4
○椎名国務大臣 九州電力会社の財政状況は、他の電力会社の大多数のものに比して非常に苦しくなっておるということにつきましては、今床次委員からお話が出ましたように、水火力の調整金がなくなったということがかなり大きな原因である。また遠因といたしましては、水力条件に非常に恵まれておらない。その他いろいろ需用構成等もございましょうが、もし水火力調整が存続されておれば年額約三十億近いものになる。それで値上率の五%程度に相当するものでございますから、相当大きな要因であることはいなめないのであります。その他どの会社もそうでありますけれども、最近は資本費が非常に増高いたしまして、これのために財政状況がだんだん苦しくなっておるという状況であります。一方において電力の需用というものはすばらしい勢いで上昇をしておる。九州においてもしかりであります。さようでございますから、需用に追いつくように供給を間に合わせるのには、この苦しい財政の中からなおかつ今後相当の努力をしなければならぬ。そういう二重の問題にはさまれておるのでございまして、できるだけ財政資金でまかなったらどうか、その他税制等の考慮を施したらどうかとおっしゃいますけれども、所要資金全部に財政資金を投入するということでありましても、なお値上率の二%そこそこくらいの程度にしかならないのでありまして、とても追いつかない。やはり需用者に一部負担してもらわなければ、とうてい九州の電力需用というものに責任を持ってこたえることができないという状況でありますので、やむを得ずこれをこの際できるだけ低く認めることにしておる次第でございます。需用家層の負担に耐える力の実勢に対しましても十分に考慮を払って、そうして電力値上げによって一般の国民生活が混乱しないように、電力需用者の方面におきましても著しい衝撃を受けないように十分考慮いたしまして、最小限度の料金値上げは認めざるを得ないという態度で今日これに対処しておる次第であります。
#5
○床次分科員 政府に対しましては、ただいまの御答弁もありましたが、極力抑制する手段を講じていただきたいと思うのであります。
 なお特に私が要望しておきたいのは、将来の需用の増加のために新しい開発ももちろん必要でありまして、このためにある程度は消費者に負担のかかることもやむを得ないと思うのでありますが、しかし将来の開発計画の結果、特定の地域が特に高い電力料を支払わなければならない状態ができないように、政府の方におきましても、新しい発電所設置の場合におきましては、いろいろ配慮をしていただくことが必要なのではないか。あるいは重油発電所、あるいは水力発電所等の建設にあたっては、特にその基本から資金等の問題を考えられまして、格差が出ない、そうして将来の産業開発に障害を来たさないというような配置を一つやっていただくことが必要だと思うのであります。われわれ今さら過去の全国の九分割いたしましたものをさらに再編成いたしまして、これを画一にしろというようなことは、今のところ考えてはおらないのでありますが、新しく格差がだんだん出てくる、また格差ができたまま、将来ずっと長く持続するということに対しましては、所得倍増計画において、また地方の工業の発展という見地から見ると、非常な迷惑を受けることになるのでありまして、この点に関しまして、政府といたしましては新しい格差を将来どんどんと作らないだけのいわゆる財政的の措置なり、あるいは切りかえなり等の配意を、一つ将来の方針としてもこの点は十分考えていただきたいと思うのでありますが、これに対しまして大臣の御所見を承りたいと思います。
#6
○椎名国務大臣 地方の低開発地帯の開発のためには、種々の悪条件を克服して参ることが必要でありますが、なかんずく電力料金が高いというのでは、これはもう問題にならない。電力料金が安いということによって、相当な産業が魅力をそこに感ずるのでありますから、将来とも九州の電力事情については、こういう点を特に考慮せよというお話でござました。まことにごもっともな御意見でございます。それでこれに対しましては電源開発株式会社が今日存在しておるその使命は、九電力の開発にまかしておいたのでは、なかなかむずかしい。そこで特に財政資金を多分に使って、そうして困難な開発をあえてするという、そのために電源開発の存在が初めて意味があるのでありまして、そういうような見地から、今日すでに電源開発において、若松の低品位の石炭をもって火力発電をする、そうして九州の電力界に大いに貢献しようということで、ただいま建設中であります。また将来の計画といたしましては、鹿児島県の川内川の開発計画もございまして、これまた電発がこの任に当たるということに相なっておるのであります。これらの計画の推進に関しましては、十分に私どもも努力するつもりであります。
 それからまた開発銀行が九電力に、十分ではございませんけれども財政資金を融資しておりますが、それらの配分の問題につきましても、十分に考慮いたしまして、九州が今後おくれをとる、諸般の産業開発をするという上において、電力料が高いがゆえにその障害になっておるというようなことは、これはもう全然なくして参りたい、かように考えておる次第であります。
#7
○床次分科員 通産大臣に対する質問はこれで終わりまして、あとは企画庁長官に対する御質問でありますが、大臣が見えましたときに……。
#8
○三浦主査 今参議院の本会議に行っているものですから、明日でもお願いいたします。
 次は、川俣清音君。ちょっと川俣清音君に申し上げておきますが、本日の質疑者は多数でございますので、おおむね三十分ないし四十分程度で一つ締めくくるようにお願い申し上げておきます。
#9
○川俣分科員 私の力から主査にお願いしておきますが、答弁がまごつかないようにお願いいたしたいと思います。その時間だけは別にいたしたいと思います。
#10
○三浦主査 どうぞ各省とも、その点に御注意しておやり下さい。
#11
○川俣分科員 私はこの際肥料問題と電力料金問題と二点お尋ねしたいと思います。
 肥料の問題は農業基本法が政府で考えられて以来、農業生産物のコストを引き下げるためにいろいろな努力を払わなければならない、そこで農産物が国際競争に耐え得るようにするには、農産物のコストを下げていくよりほか方法がないわけでありますか、生産コストを下げる一番有力なものとして肥料があるわけです。肥料価格がどのような形成をするかということによって、日本の将来の農産物の転換等も考えていかなければならぬのであります。
 そこで、大臣にお尋ねするのですが、近く肥料審議会が開かれるはずでありますが、まだ農林省と通産省の間で十分に協議がととのっていないようであります。昨日農林省の見解をただしたわけですが、農林省ではなるべく硫安が安くなるようにという考え方で通産省に折衝しておるのだが、通産省はなかなか農林省の意見をいれないという大臣の説明でございましたが、通産省はいかがでありますか。
#12
○椎名国務大臣 今、農株省と対立関係ではなしに、全く並進の関係でこの肥料問題を円滑に運んでいきたいということでやっております。それで私どもも肥料業界が一日も早く国際競争力を身につけるように合理化を早く完成するように、この点については農林省と全く意見を異にしておりません。一致しております。そういう意味において、近く開かるべき肥料審議会において農林、通産一致した意見を形成いたしましてそこに提案いたしたいと考えております。
#13
○川俣分科員 開銀融資の中で、資料によりますと、その他百五十億という内容が、硫安十四億を初め百三十三億だけがまとまっておるようですが、あとの十七億はどのように配分される予定ですか。
#14
○秋山政府委員 ただいまおあげになりました数字が、ちょっと私はっきりのみ込めませんでしたが、大体の考え方を申し上げますと……。
#15
○川俣分科員 いや、数字を聞いておるのです。
#16
○秋山政府委員 ただいまおあげになりました百八億でございますか。
#17
○川俣分科員 百五十億でしょう。
#18
○秋山政府委員 この中には他省の分も同時に含まれております。たとえば運輸省等が入っております。通産省所管の分だけではございません。「その他」の中にもう一つ「その他」が最後にありまして、その最後の小分類の「その他」の中に硫安関係の合理化資金を含めてあるのであります。
#19
○川俣分科員 それじゃ答弁にならない。通産省から出された資料は百五十億の内訳として一般機械八億、硫安十四億、合成化学十億、鉄鋼八億、国際観光二十五億、都市交通十三億、その他五十五億で、合わせて百三十三億で、百五十億という予算の見積もりに対して百二十三億より内訳がないから十七億はどうしたんだと聞いておる。
#20
○秋山政府委員 私もちょっと勘違いしてお答えをいたしたと思いますが、ただいま先生のおあげになりました数字は、実は通産省全体、たとえば機械とかその他の品目を含んでおりまして、最後の十七億という数字をおあげになりましたのは、どうも私どもにはよくわからないのであります。
#21
○川俣分科員 百五十億のうち百三十三億だけが内訳ができているが、十七億は通産省に関係があるのかないのか、それだけでいいです。あるならば内容を示してもらいたい。なければないでけっこうです。
#22
○秋山政府委員 申しわけございませんが、どうも省全体の数字を私つかんでおりませんので、その最後のその他の中に何と何が含まれておるかということは、私の口からちょっとお答えを申し上げかねます。
#23
○椎名国務大臣 さっそく調べてお答えいたします。
#24
○川俣分科員 それではこの分だけ保留しておきます。
 本論の硫安に入ります。農林省では非常に不満の意を表しまして――不満の意というのは、九日に通産省と農林省と打ち合わせをいたしたようでございますが、各社の合理化の内容、コストのとり方、今後の見通しなどについて農林省が不満の意を表した、これはきのうの委員会で明らかです。その問題は片づいたのですか。不満であるということで今折衝中だということですが、もう少しこの内容を言いますと、なかなか農林省は内容は言わなかった。こういう内容じゃないかということで問い詰めたところが、結局それを承認したのですが、これが増設の内容、通産省では三十八年度の不足能力を硫安換算七十三万六千トンとし、片肺五工場の増設を認めているが、この中には原油分解方式を採用する工場がある。しかし鉄鋼合理化計画の進展や石油化学の発展を考えると、むしろ能力増加は廃ガス利用回収硫安でいった方がいいではないかという主張のようでございます。その中には宇部興産の回収硫安などあるいは日本瓦斯、日産、いろいろなものがあるでしょうが、そういう方へ割り当てないで、いわゆるバルク・ライン内のものに――将来安くなる工場に割り当てないで、救済的に小工場に割り当てているのでは、硫安価格を決定する限界以下のところで増設を認めましても効果がないじゃないかということが農林省の主張たということでございます。そういう主張がなかったのですか、あったのですか。
#25
○秋山政府委員 抽象的にはただいまお説のような意味の主張がございました。ただ、ただいまのお話のところと農林省の主張とは実は正確には一致していない点がございます。と同時に、農林省も実はそういう主張が一般論として主張されており、個々の工場の問題については、実はわれわれの考え方とそう食い違っておりません。実は今晩もその問題を検討いたしますが、だんだん近寄ってきております。それからただいまおあげになりました宇部興産の問題、これは実はやや性格の違う問題でございます。ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、要するに現在アンモニアについての設備規制をしておるわけでございますが、その規制後に――規制といってもこれはいわば自主規制、協定でございますが、その申し合わせとやや反した形で過去に少し大きい設備をしてしまった、それを今承認してもらいたいという性格のものでございます。たとえば触媒を改良して、操作が非常に能率がよくなったというような、技術的な改良によるコストの低下とは宇部の主張はやや違う性格のものである、これは説明をすれば農林省としても十分わかってもらえる問題であると私考えております。
#26
○川俣分科員 そのほかに限界要素の想定方式についても農林省から意見が出ておるはずであります。これは四十ドルを目標にし、通産省はそれ以上のところを目標にしておられるようです。結局どんなに安く硫安ができるかということがわれわれの主張であると同時に農林省の主張でもあったと思うのです。この点については農林大臣は明確に言われておる。どうも通産省は硫安の能力あるにかかわらず、それを押えて硫安価格の低落をしないようにやっておると見られる点があるわけです。それから利潤の算定方式についても農林省から意見が出ておるはずであります。あるいは過去の赤字の処理の問題についても農林省から意見が出ておるはずであります。これらについても意見が一致したのですか。農林省では目下折衝中だということですが、どうですか。
#27
○秋山政府委員 全く折衝中でございます。実は昨晩もいたしました。昼間は国会の方で、両局長なかなか会えませんものですから、夜間作業でやっておりまして、今晩もまた継続してやるつもりであります。確かに限界要素の問題等過去にもいろいろ議論がございました。現在もまだ議論がございますが、これはいつも審議会にかけますまでには、必ず意見を一致させてから出しております。
#28
○川俣分科員 実は通産省からいただいた資料については工場名を載せるわけにはいかないというので、符号できておるのです。符号で申し上げてもいいのですが、肥料要覧によりますと、この順序でちゃんと名前と生産能力が出ている。一般に公表しているものを、国会の要求に対してどうして名前をつけられないのです。大臣この点御答弁を願います。
#29
○椎名国務大臣 まあ大体事情のわかっている人は、その工場は何の工場だということはおわかりになるかもしれませんが、とにかく一応営業上の機密と申しますか、多少そういうものに触れる点もあるのでございまして、そういう考慮から符号で資料を差し上げておると思います。
#30
○三浦主査 ちょっと、先ほどの保留された答弁につきまして松尾企業局長から答弁があるそうです。
#31
○松尾政府委員 御承知のように開発銀行の融資のワクとしてはっきりいたしておりますのは、電力、海運、それから昨年度から地方開発、この辺はワクとして正式なワクでございますが、それ以外は一応石炭、それから特定機械、この辺は金利が特別になっておりますので、そういう関係もありまして一応予定はいたしますけれども、これらは必ずしも正式にワクというものでないことは御承知の通りでございます。硫安化学肥料につきましても、同じような意味で特別のワクというようなものもございませんで、全体としまして先ほど御質問のございました中で、その他の中のその他に百五十億ほど来年度の開銀の融資見込みというふうに予定をされておるが、その内訳の中に十七億というものがあるが、これは一体どういうものかという御質問がございましたが、今申しましたような趣旨で、この百五十億のさらに内訳ワクというようなものが現在予定されているという性格のものでもございませんし、厳密にそういうものを大蔵省その他とはっきり想定いたしたものはないわけであります。
#32
○川俣分科員 そうするとこれは予算を、融資ワクをきめたのではなくて、もらったならばこれからやろうというふうに理解してよろしゅうございますか。補正によって融資ワクができたのではなくて、これから計画して必要な分だけこれで埋め合わせようというわけですか。まだ内容がきまっていないとすればこういうふうに理解するよりしようがないと思います。あとで委員会で聞きますけれども、そういう解釈にもし不服ならば答弁をいただきたい。
#33
○松尾政府委員 それぞれの産業部門から資金の要求はございますけれども、その資金の要求を十分そのままに満足できませんので、一応今その他の中のその他として百五十億が予定されておりますが、あとはそれぞれの産業部門からの要請を調整して運用をやっていこう、こういうことに相なるわけでございます。
#34
○川俣分科員 それでは時間がなくなりますからこれはあとに保留しておきます。
 そこでもっと具体的に大臣にお尋ねしますが、三十五年十月に作成した長期需要見通しでは、七十八万六千トンの設備増加が必要であるという説明をなされておりますか、実際は、今の説明によると、今まではアンモニアの製造を押えてこられた。なぜ押えてきたかというと、肥料価格が安くなっては困るからなるべく生産制限をしてこられた結果なんです。ところが法律が出ましたときには、どうして増産をするかという増産の裏づけのための予算措置を講じ、法律を作ってきた。それを勝手に業界からの圧力によって生産制限をしてきたのはあなたの方じゃないですか。私はそう思います。これは意見ですから申し上げておきますが、その七十八万六千トンのうちで、すでに農林省と十分な相談なしに東洋曹達に対しまして十二万五千トン、徳山曹達に対して十二万五千トン、八幡化学に対して四万六千トン、合わせて二十九万六千トン、そのほかになお五十六万九千トンが必要だということで設備の増加をするようでございます。これが融資の対象になるわけでございましょうが、「ト」工場に対しまして十二万五千トン、「ヌ」工場に対しまして十二万五千トン、「ヨ」工場に対して十二万五千トン、これは原油の分解方式でございます。「ツ」も原油分解方式で、これはあまりコストの安くなる方法じゃない。それに対して十二万五千トン、「カ」は六万九千トン、こういう形になる。しかも既設の分の某会社に対しましては、すでにあなたの方の肥料課の中からこの会社へ行くことが予定されておる人がある。行くことと交換条件に施設許可をしたという疑いがあるわけです。これは国家公務員法百三条に基づいて、当然大臣の認可を得なければ、監督しておりました工場に就職することができないわけですけれども、大臣どうですか。政治を正しくするなんという場合に――もし名前を言えといえば工場の名前もその人の名前も言いますが、大臣どうですか。
#35
○椎名国務大臣 お話のように、予定されておるというコースを今後進める上において、もし所要の手続が必要ということであれば、その手続を十分踏んだ上でやっていきたいと思います。規則をカンニングするようなことはいたしません。
#36
○川俣分科員 私が聞いているのは許可を与えるか与えないかじゃない。こういういろいろな問題があるときに、特にこういうところへ増設を認めておいて、その恩恵で会社へ入るというようなことは、政治を正しくする上において妥当じゃないじゃないか、そういうことをやらすべきではないじゃないか、こういうことなんです。もっと詳しく内容を言ってもいいけれども、それは公開の席ではあまりにはばかりますから遠慮いたしますが、しかし大臣、みんなそういう抜け穴をやっておるということを考えないというと、りっぱにやりますなんて言ったってそれは、だめですよ。私はそれだけのために覆うのだけれども、秋山さんはりっぱだからそういうことはやらないと思いますが、そこで将来の五十六万九千トン、前の二十九万六千トンも、いずれにしても三年後にバルク・ラインに入る、限界の中に入る可能性があるのかという、おそらく自信はないだろうと思う。もしも入らなかった場合に、増設を認めて合理化するんだと言いながら、合理化のラインに入らなかった場合の責任はだれが負うのですか。その場合には秋山さんはやめて、いないでしょう。だれが責任を負うのですか、大国から答弁をいただきたい。
#37
○椎名国務大臣 将来人を売り込む前提のもとに云々ということを申されましたが、これは全然事実と違いますから、この点は誤解のないように私から申し上げておきます。
 それから、五十六万九千トンの問題がはたしてバルク・ラインに入るか入らぬかというようなお話でございますか、局長から申し上げます。
#38
○川俣分科員 責任を持ってやれるかどうかということを大臣に聞いているのですよ。
#39
○椎名国務大臣 事情を一応……。
#40
○秋山政府委員 ただいまの御質問は、今後の長期の需給見通しの中から増設を認めるかいなかという検討をしておるという点の問題かと承りますが、昨日農林省にもそのお尋ねがあったようでございまして、実は先ほど農林省から若干訂正と申しますか、農林省が少し説明を間違えた点がございますので釈明をしてもらいたいという趣旨の連絡がございました。それば最初におあげになりました三社の分でありますが、合計二十九万六千トン分を、かつて外資法による技術導入の問題がございまして、すでにそれぞれ許可を与えてございます。これは実は農林省とは完全に意見が一致して許可をしたものでございます。農林省が反対をしたものを押し切ってやったという性質のものは全然入っておらないのであります。その点農林省からも釈明をしておいてもらいたいという意味の連絡がございましたので、申し上げておきます。
 それから残りの、現にまだ三十八年までには若干増設の余地がある、これをやらないとかえって足りなくなるかもしれないというようなことで、アンモニアの増設の可否の検討を今しております。これは実はまだ農林省とは最終的に意見が一致したというところまではきていない分でございます。これが約五十七万トンございます。そのうちで、将来バルク・ラインに入る見込みはどうなのかというお尋ねでございますが、おそらく全部が入ると申し上げてよろしいと思います。と申しますのは、まだ最終的に固まっておりませんけれども、現在の会社別のコストで順に並べました序列で最も優等といいますか、要するにコストの最も安い工場が、実は三十八年になりますと、その同じような並べ方の序列では一番下になる。つまり、最も高いコストになる。言いかえますと、三十八年まで現にわれわれが考えておりますような合理化計画が実行せられますと、現在どの工場がやっておるよりも、全部の工場がもっと安いコストでアンモニアの生産ができるようになるというような目標を今考えつつあるわけでございます。従って、そういう意味では全体的に非常に画期的な合理化が行なわれるということをまず申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、今それぞれ符号で述べられまして、これはまことに恐縮でございます。まあ会社名をあげてもいいのでありますが、あまり公開の席で個々の会社の論議をするのもいかがかという意味で、実は符号であげたのであります。これをごらんになる方が他の資料をお比べ下されば当然わかるわけでございまして、川俣先生専門家でありまして、もちろんおわかりのことだと思います。この工場は、実はほとんどがいわゆる片肺工場でございます。経済単位から見ますと、先ほど申しました設備の規制にひっかかって、経済単位の半分にしかなっておらぬという状態で、そのために非常にコストが高いという状態にあるわけであります。たとえばそのうちの、今おあげになりました符号の「ヌ」でございますが、「ヌ」の工場のごときは、本年度では確か下から三番目くらいに位置しておるのでありますが、三十八年には実はこれが上から二番目くらいというような状態でございます。御承知のように、現在二十工場ございます中の十七番目くらいの工場が上から二番目くらいというくらい、実は非常にコストが安くなるということで、これも天然ガスを使うということでございます。そういう意味で、合理化は私どもあらゆる考えられることを取り入れてやっているのだということを申し上げておきます。
#41
○川俣分科員 時間がないから、大臣、結論だけを申し上げておきます。合成硫安では安くならない、これは各界の定説でもある。従って回収利用で安くしようというのが国際競争に耐え得る道だ、こう大体いわれておる。わざわざ原油分解方式などをとる工場が安くなるんだという説明は、この場では通るかもしれぬけれども、世間は通らないと思うのです。大体肥料需給安定法ができてから通産省は、これだけの資金があればこれだけ合理化するという約束のもとに国費を使っておりますけれども、現在までにその目標に達していないのです。これからやります、これからやりますというのは国会ごとの答弁なんです。それでは重要な国の融資をする場合に、それを承認するわけにはいかない。ことにいろいろな情実でやられたようなことにつきましては、この分科会でなくて、これは予算委員会の総会であらためて総理天臣に意見を聞きたいと思いますから、この点はあとに保留しておきますが、とにかく新しい五工場については農林省の意見もありますし、これは白紙に戻して十分検討し直すということにできるかできないか、この一点だけ……。できなければできないなりに、また別の機会にやります。
#42
○椎名国務大臣 新五工場の考え方については、農林省と十分協議いたしまして、そして考え方を一致させて結論を出したいと思います。
#43
○川俣分科員 それでは一応白紙に返して農林省と折衝する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#44
○椎名国務大臣 その結果どういうことになりますか知りませんが、まあ白紙に返すというような既成観念でなしに、農林省と十分……。
#45
○川俣分科員 それでは五工場の新設については、従来主張しておったのにとらわれないで、農林省の意見を大いに聞いてやるのだということですから、それを監視することにいたしまして、次に電力料金の問題に移りたいと思います。
 大臣、これは電力料金の計算はコスト式をとっておられるのですが、このコストの中で重要な要素を占占めておるのがダムの効率だ、こう思うのですが、そうではございませんか。
#46
○大堀政府委員 開発いたしますと資本費負担が増高するわけでございますが、特にダムにつきましては、建設費がキロワット当たり十五、六万円いたしますから、非常に資本負担が大きいので、それが料金に影響してくると考えております。
#47
○川俣分科員 大臣、今お聞きの通りです。ところが、最初の計画は有効貯水量を相当見ておりながら、堆積の結果有効貯水量が少なくなりまして、そのために、固定資産でありますダムの効率が発揮できないためにこれがコスト高になっている点が非常に多いと思うのです。時間がないから一々そのダム名を申し上げませんが、そう理解してよろしいのじゃないですか。
#48
○大堀政府委員 やはりダムの耐用年数が相当長い、百年くらいあるわけでありますが、その間にどうしても自然に土砂が堆積して参る。従って、ダムの寿命ということに関連いたしますが、これは結局ダムの償却ということで償却して参っておるわけであります。その中で特に堆積の多いものと少ないものと、川の水の状況によりましていろいろございますが、そのために非常に経理に影響してくるというふうには考えておりませんが、そういう事案はございます。
#49
○川俣分科員 当初計画に対して能率が発揮できていない、もうすでに有効容量が三三・八%も落ちておるようなところもありますし、五〇%以上に有効容量が落ちておるところもあります。これは建設出時の資産に対しまして有効度合いが減少しておるのですから、必然これがコストの中に占める率が高くて、そのために電力料金を上げなければならないという問題が九州電力の場合は特に起こっておるのじゃないか。時間がありませんから申し上げませんけれども、九州電力の場合はこのコスト高が非常に大きく影響しておるようです。そうじゃないですか。九州電力を値上げしなければならない大きな要素の中には、これが重要な役割を果たしておるのじゃないですか。
#50
○大堀政府委員 九州の場合、特にそのために値上げに大きく影響しておるということはないと思います。河川によりましては、先生今資料を差し上げましたが、個別の河川をとりますと、多少埋没の率が御指摘のように確かに高いところがあります。九州の場合特にそのために非常に経理に大きく影響しておるということはないと思います。
#51
○川俣分科員 あなた方の資料によりますと、九電の値上げの大きな理由としては、内容を分析すると、資本の回転率とか固定資産の回転率が悪いということが値上げの理由になっておるようです。このことは、結局ダムの効率が悪いということなんでしょう。ダム効率が悪いから値上げの要素になっておるのじゃないですか。
#52
○大堀政府委員 御質問にお答えすることになるかどうかわかりませんが、結局私どもの現在の開発の考え方は、火力でべース・ロードといいますか、常時電力をとりまして、水力はむしろ今後ダム方式によってピーク調整として使っていくという考え方になっておりまして、できるだけダムを高くして、従ってその意味では一キロワット当たりのコストはかなり高くなって参ります。高くなって参りますが、これは夕方のときとか、朝晩のピーク時に放流して電気をとります。その意味では、多少高くても質的にいえばそれはやむを得ない、こういう考え方に立っておりますが、私どもは値上げの理由として資本費が増高しておるという点については、先生御指摘のように、新しい建設、特に水力あたりは資本が非常に大きく出て参りますし、火力におきましても、従来の料金に入っておりますキロワット当たりの簿価は、水力が五万円であり、現在作るものは大体十五、六万円、火力にいたしましても薄価は二万円くらいのところでございます。それに対して新しいものは六、七万円かかる、そういうことで、それが進行して運転に入って参りますと、金利償却に相当な経費がかかる、これが料金値上げの基本的な理由になっております。
#53
○川俣分科員 大臣にお尋ねしますが、結局ダムの設備をするときには、全容量がどのくらい有効容量になるかということによって一キロワットの計算が出てくると思う。そこでダムをりっぱなものを作りましても、実際中に貯水される有効容量というものがコストに影響してくるわけですから、その比率が悪ければ悪いほどコスト高になるわけです。そのために設計に悪い点があるのじゃないかということが一つと、もう一つは、やはり上流から流れてくる堆積ができて、有効容量が減ってくるということになります。そういうことだと思います。設計当時より有効容量が減ってくるというのは、堆積がたまったからだということになる、土砂が堆積したということになる、そのために容量が減ってきた、そのためにコスト高になるんだ、こういうことだと思うのです。大堀さん、そうですね。
#54
○大堀政府委員 確かに個々の地点について、つまりダムの償却年数の割合以上に堆積の方が早くなっていく場合は、それだけキロワット当たりの原価が上がってくるということが言えると思います。ただ全体としましては、非常に予想以上に早いというところもぼつぼつございますが、そのために今の料金値上がりを出しているかというとこれは大体古い戦前の設備が多いと思いますが、新しい設備も多少ございますが、やはり戦前の設備が相当埋没しております。それは現在の料金からいいますと、簿価が非常に低くできておりますから、料金に対する影響からいうと、現在の値上がりに対してはそう大きな影響を持ってない。むしろ新しく建設をしたものの資本費の増加の方が値上がりに影響している、かように考えております。
#55
○川俣分科員 大臣、参考までに申し上げますが、二年より経過してないもので、九州に一一・五%減少しているのがある。わずかに二年で有効容量が一割一分五厘の減少です。二年ですよ。だから古いのなら別ですが、こうした計画についてあなたの方の設計監督等について、場所の設定等について十分でなかった、計画の疎漏の責任を需要者に負わせるということは、許しがたいと思うのです。自分の計画が誤っておったことによってコスト高になったその責任を、需用者に負担させるということは不当であるというふうに大臣お考えになりませんか。
#56
○椎名国務大臣 これは私どの地点か知りませんが、多目的ダムではないでしょうか。
#57
○川俣分科員 そうじゃないです。
#58
○椎名国務大臣 もしそうじゃないとすれば、二年くらいでかように堆積の率が多いということは、もし当時予見し得べかりし事実であったとすれば、確かに設計の怠慢であった。予見し得ないために何十年に一ぺんの大水が出たといったようなことでございますと、多少情状酌量すべき点もあると思います。よく調べてみます。
#59
○川俣分科員 私は個々について調べろと言うのじゃなくて、そういうことの結果、設計及び計画の十分でなかったという疎漏の点から起こる損害を、需用者に負担させるということは酷ではないか、妥当でないのじゃないか。この点をお尋ねしたいのです。
#60
○椎名国務大臣 それはごもっともです。その点はただ簡単に右から左と需用者に転稼するということを控えなければならないと思います。今のお話は、宮崎県営のでございましょうね。
#61
○川俣分科員 そうです。これは宮崎県営の分です。時間がないから私急いだのですが、たとえば八年経過して、これは九州電力ですが、三三・八%減少しているのがある。そういうのがありますから、私は一例を出したのです。従って設計の悪かったためではないか。設計の疎漏からくる責任を、そのために起こるところのコスト高を、需用者に転嫁させるということは不適当じゃないか。そこで九電からの申請に対しましても、それは需用者に負担させるべきではないという検討が、通産省で行なわれなければならないのじゃないかというのが結論なんです。無条件で設計の悪いことまで需用者に転稼させるようなコスト計算については、通産省としてはどのような見解をとるか、これが結論なんです。
#62
○大堀政府委員 ただいま先生御指摘の九州電力の岩屋戸は、昭和十七年の竣工で、十八年経過しておりますが、確かに三三%有効容量が減っております。全体といたしましては、これは戦前のものでございますから、むしろ値上げからいいますと、資産の再評価等が低くできておりますために、実際あるべき姿よりも安くなっている。しかし御指摘のように、企業家の努力不足によって原価が上がってくるというような点につきましては、われわれとしては厳重にできるだけ査定をするように努めておる次第であります。
#63
○川俣分科員 一々申し上げませんけれども、結局計画が疎漏であった、設計が疎漏であったということになりますから、上流から流れてくる土砂の想定が悪かった、河川の想定が悪かった、あるいはダム地点の想定が悪かったというところから起こってくる損害をコストに見ることは不適当じゃないか。そういうものをチェックしておられないのが従来の通産省の態度であるから、改められる必要があるのじゃないか、こういうことなんです。
#64
○椎名国務大臣 これは戦争まっ最中の建設のようでございます。従っていろいろ疎漏な点があったと思うのでありますが、今日から見てこれは一体どういう重要性を持っているかといいますと、戦前の建設であって十八年経過した今日において三三%余の減退をしているということのためにどれくらい――もしこれが正常であった場合、少し見込み違いの点を差し引いて、どれくらい一体コストに影響するかということになりますと、ちょっと今調べておりませんけれども、そう大したものでないと思います。しかし筋はあなたのおっしゃるように、こういうようなことを全部右から左に需用家に転嫁するような考え方はよくないと思います。
#65
○川俣分科員 将来需用者に転嫁するようなコスト計算をしないということでありますれば、それはそれでよろしい。
 次に起こってくる問題で、大臣、ぜひあなたに答弁願わなければならぬのは、この堆積土が時によって減少する場合があるのです。有効容量をふやすために堆積を抜く場合がある。抜くと、これが下流の洪水となって災害が発生するわけですが、この損害の責任は抜いた電力会社にあるのではないかと思うのですが、大臣どうでしょうか。
#66
○大堀政府委員 実際問題として洪水等がございました場合に、オーバーフローして、またある程度水門をあけて、あとで危険が生ずるという場合があるかもしれませんが、堆積している土砂が上流の土砂と一緒になって下へ流れてくるということがあろうかと思います。もちろんそれによる被害等がございますれば、これは原因及び因果関係を調べまして、会社に責任があれば、当然これは会社が負担しなければならぬことだと思います。
#67
○川俣分科員 大臣、上からオーバーした水は大したことはない、そのときに耐えられないということで、下の土砂を抜く場合が多い。これは災害になって出てくる。堆積を抜く場合を別にして、一年間に急に堆積が減るということはないはずです。これは流出したからです。この流出のために起こってくる下流に与える災害については、今までは往々にして国が負担をしておるわけですね。これは電力会社の責任じゃないか、そう思いませんかどうか。常にあなた方は、電力会社に加担をしまして、この災害を擁護せられるおそれがあるので、私は例をとって、どこの堆積が減ってどれだけの被害を与えたかという一応のものはありますが、今これをもって議論する時間がないから抽象的でけっこうですが、こういう災害に対しては今後どういう処置をとられるのか。
#68
○大堀政府委員 ただいま土砂を流すというお話がございましたが、発電所の場合は、結局水門をあけて水位を落とすという場合はございますが、それだけで、土砂が流れるわけではございません。結局、水門をあけて水を落としておいて、あと洪水がきましたときに調整するわけでございますから、その場合に、水門をあけてその水が流出をするときに、ことに洪水の水の勢いが強いときに、土砂が一緒に流れるということはあろうかと思いますが、土砂を流すという形ではないと思うのでございます。むろんそればいかなる場合においても、会社にこういう過失がございますれば、当然それは一般の原則に従って会社に責任があると思います。そこをどう判断するかという実際上の問題であろうかと思います。
#69
○川俣分科員 それではもう一つ大臣に……。
#70
○三浦主査 川俣君に申し上げますが、大体……。
#71
○川俣分科員 もう一つだけです。
#72
○三浦主査 それでは一つだけ……。
#73
○川俣分科員 もう一つだけですが、上流の対策が悪いというと、ダムの効率も下がってくるわけですが、上流に対する水資源の涵養と申しますか、土砂の流出を防ぐような責任は、国が負うのが妥当なのか、あるいはその水を下流に配分するダムの責任者が負うのが至当か、この点はいかがでございましょうか。
#74
○椎名国務大臣 これは一般の治山治水の問題であると、こういうふうには考えますが、そういう場合はどっちかといったら、やはり国の仕事になるのであって、それまで電力会社の責任というわけにもいくまいのではないか。これはどういう場合というふうに具体的に検討しませんとわかりませんけれども、一般的にはそうじゃないかと私は思います。
#75
○川俣分科員 一般的には国の責任であるからして、ダムの効率を上げるために国が施設を講ずべきである、私はそれでよろしいと思う。ただ、もう一つ問題があるのは、上流にわたって電力会社が道路をつける場合がある。これは請負わさせて山を切り開いてやるわけですね。このために山の崩壊が起こる。山腹の崩壊が起こる。この崩壊が堆積になる場合があるわけです。どうも通産省はダムについてはかなりいろいろな検討をしますけれども、この上流に至るダムの杆止のための道路をつけられるようなことについては、無関心でおられるのではないかと思うのです。この点に対して将来検討される用意があるかどうか、お伺いいたしたい。
#76
○椎名国務大臣 建設の途上においてそういうことがよくあるのでありまして、それが疎漏な処理をしておるために、ちょっとの雨でも崩壊して下流に迷惑をかけるというような場合がなきにしもあらず、そういう点は十分に将来とも厳重に監督いたしまして、あらかじめそういうことのないように処置したいと思います。
#77
○川俣分科員 私の質問はこれで終わりますが、硫安の問題についてはあらためて本委員会において質問することを留保して、大臣に警告だけ発しておきます。
#78
○三浦主査 加藤清二君。同僚の方々からたくさんの質疑者がございますので、四十分程度でお取りまとめをお願いします。
#79
○加藤(清)分科員 主査の発言に協力するつもりではございますが、答弁のいかんによってはまたこの限りでございませんから、さよう心得ていただきたいと存じます。
 まず承りたいことは、所得倍増に対する国民の期待は非常に大きいと思います。国民は、生活向上の夢をこれに托しておると思います。この所得倍増につきましては、輸出の消長ということがこの所得倍増のポイントになると思いますが、大臣のお考えをまず承りたいと思います。
#80
○椎名国務大臣 非常に大きな影響を受けるものと考えます。限度の影響ではないと思っております。
#81
○加藤(清)分科員 特に貿易につきましても政府は、地域的にはアメリカ貿易にウエートを置いておられるようでございます。特にこの所得倍増十カ年計画によれば、アメリカ及び西欧の諸国に対しては、基準年度の四倍以上を期待しておられるようでございます。そこで承りたいのでございますが、まず、安保条約の第二条は、日米の貿易を拡大、強化、発展させる旨をうたい込んでいると思いますが、大臣のこれに対するお考えはいかがですか。
#82
○椎名国務大臣 御指摘の通りだと思います。
#83
○加藤(清)分科員 そこで、その安保条約が締結されて以後、この趣旨に沿って日米の貿易を強化、拡大するために、アメリカ側から日本に対してどのような要請なりあるいはサゼスチョンなりがございましたか。
#84
○椎名国務大臣 安保条約の第二条でしたか、それは、大体の原則をうたったのでございまして、それに基づいて具体的にどういう措置があったかというお話でございますが、私の知る限りにおいては、何もなかったようです。
#85
○加藤(清)分科員 何もない。
#86
○椎名国務大臣 ええ。具体的な折衝――貿易をこうしようとかあるいは貿易の関連の問題についてどのようにしようといったような、アメリカからの提言は何もなかったと思います。
#87
○加藤(清)分科員 それでは通商局長に承りますが、米国から日本に対して、米国の品物を輸入要請しているものはありますか、ありませんか。
#88
○今井(善)政府委員 特に向こうから品物を指摘して輸入要請をしているものはございません。
#89
○加藤(清)分科員 それでは、貿易を自由化すると言っておられますが、この貿易の自由化に対しても、何らサゼスチョンもなかったとおっしゃるのですか、大臣。
#90
○椎名国務大臣 貿易自由化に関連して、対米に特に輸入制限をしておったものが十品目ございます。これに対して、これをできるだけ早く輸入制限の措置を撤廃をしてもらいたいという申し入ればありました。
#91
○加藤(清)分科員 この貿易の自由化に対する今後のスケジュールは、日本政府独自の考えで行なわれるものか、ないしはアメリカとある程度の相談、協議等々があって行なわれるものか。いずれにいたしましても、自由化に対するある程度のスケジュールがあると存じますが、それの御発表をお願いしたい。
#92
○椎名国務大臣 昨年の六月に大綱を発表いたしまして、大体そのラインに沿って今日まで来ておるのであります。この四月には原毛、原綿を初めとして早期自由化の品目というものを次々と自由化して参るつもりでございます。詳細のスケジュールについては、なお所管の局長から御説明いたさせます。
#93
○加藤(清)分科員 その自由化がスケジュール通り行なわれた場合の日米貿易の帳じりは、一体どのように相なるのでございましょうか。特に安保条約が締結された以後の貿易帳じりをながめてみますと、必ずしもこれは日本貿易にとって喜ばしい現象のみとは言えないのでございます。特に貿易の帳じりのみを取り上げてみますと、すでに政府の方でも御調査済みの通り、一九五二年から六十年に至るその帳じりはほとんどが赤字でございます。四億ドルから三億ドルに至る間、慢性的な赤字が続いているのでございます。一体今後のこれに対する見通しあるいは政府の考えを大臣にお願いしたい。
#94
○椎名国務大臣 毎年赤字ばかりでもなかったと思うのでありますが、最近の三十五年は三十四年に比較しましてだいぶ減退しております。三十六年度もそうこれを上昇させるわけにはいかぬかもしらぬという予想でございます。これはただものの売り買いというばかりでなしに、いろいろな技術革新や何かの問題でアメリカの技術を導入したいという関係もございます。将来の見通しといたしましては、もちろんこういったようなことは一進一退があると思いますが、一進一退をしながらもだんだん貿易量はふえていくものと考えております。
#95
○加藤(清)分科員 私は貿易外収支や貿易量のことを聞いておるのではございません。帳じりが赤字になっているということを聞いているのです。赤字ばかりではないとおっしゃるから、あなたの方の手元でできたデータを読み上げて見ましょうか。一九五二年においては四億四千百万ドル、五十三年にまた四億三千三百万ドル、五十四年か四億六千八百万ドル、次の五十五年が一億三百万ドル、五十六年が二億ドル、五十七年に至っては、これはひどいです。七億九千四百万ドルの赤字なんです。こういうことが慢性的に行なわれている。貿易量がふえたってどうにもならぬ。これに対して大臣、どう考えるか。
#96
○椎名国務大臣 特需を入れた総合につきましては……。
#97
○加藤(清)分科員 それを聞いているのではない。貿易のことを聞いているのです。
#98
○椎名国務大臣 私は総合の方をお話ししているのです。ですからそこに食い違いがあったら訂正いたします。
#99
○加藤(清)分科員 この赤字をどうするかということが、日米の友好関係や日本の経済の発展に大きな影響を及ぼすと思うのでございます。特にこの解決なくして所得倍増はおそらくや空文になるではないかと思われるのでございます。従って真の貿易、特に貿易が自由化されます今日以後においては、これをいかに処理するかということが、通産省の一つの命題でなければならぬと思う。それが大臣にわからぬようでどうするのです。大臣の答弁を要求する。
#100
○椎名国務大臣 結局対外貿易全般から見て、日本の経済が健全に伸展することが必要でございまして、特に一国との間において赤字がふえるからということが致命的な問題でも何でもない。私は必ずしも対米貿易において赤字がふえるから日本の所得倍増が達成されないとか、あるいは全般の国際収支の問題に非常な悪影響あるいは暗影を投ずるというようには考えておりません。
#101
○加藤(清)分科員 それではこのバランスは将来解消しようとする努力も払われないというのですか。
#102
○椎名国務大臣 今後あらゆる努力をして、日本の産業貿易の伸展をはからなければならぬと思うのでありますが、あらゆる努力をいたします。
#103
○加藤(清)分科員 あらゆる努力をするとおっしゃるならば一つ承りたいことがございます。なるほど綿製品の輸出については相当の努力をしていらっしゃった。ところがその努力は常に外に向けられるのではなくて、内輪に向けて規制々々といって、すべて日本の業界ないしは商社にワクを設けることに多くの努力を払われているようでございます。その結果、自主規制と称してワクを設定した後におきまするアメリカに対する綿製品の輸出実績は、一九五八年においてはパーセンテージは七一・七ございました。ところが一九五九年になりますと、これが四一・〇に減少いたして参ります。一九六〇年に至りますと、一七・六と三分の一以下にはなはだしく減少しているのでございます。大臣はこれでも努力を払ったとおっしゃるのでございましょうか。しかもその間においてアメリカの綿製品購入の総体の実績が一体減ったかとながめてみますと、さようではございません。特にスペイン、ポルトガル等におきましては非常にふえております。特にふえているのは香港でございまして、香港は同じ年度をとってみますと、一・五%のものが翌年は一二・三%、その翌年、すなわち日本が一七・六%と減少した年においては、一六・一%と逆に増加しているのでございます。実はこの内容についても私は詳細にわたってあなたと検討をしたいのでございますけれども、それは商工委員会に譲るとして、これに対するあなたの御見解を承りたい。これでも努力をしておるのですか。
#104
○椎名国務大臣 これはおっしゃる通りの情勢になっておるのでありますが、その前に日本の綿製品の輸入に対して、アメリカの業界において非常な反発をいたしまして、場合によっては関税障壁を高められるのではないかというような状況にあったのでありますが、いろいろ経済外交で折衝の結果、日本において自主規制をする、口約束だけでなしに、ほんとうにそういう態勢を示しましたので、向こうは関税障壁を高めるということはしなかった。そういうようなことで五九年、六〇年と推移いたしたのでございますが、その間にアメリカの全体の輸入量がふえまして、自主規制をやった日本が、結果においてはいわば非常にばかを見たというような状況になっておることは、まことに遺憾しごくでございます。そこでその規制はことしが最終でございまして、来たる年度からはこの率をふやして、そうして日本の正当な貿易上の利益を回復するようにいたしたいとせっかく折衝中でございます。
#105
○加藤(清)分科員 ただいまの大臣の言たるやまことによしでございまして、正直者がばかを見た、せっかくワン・ダラー・ブラウスを初めある程度コストの点において遺憾の点があったから、日本としては自主規制、業界としても恭順の意を表しようというわけで頭を下げたとたんに、こつんとなぐられたと同じなんだ。私は正確を期するためにアメリカの大使館からもデータをとりました。これによりますれば、やはり一九五八年度におきまして、これは金額比率でございますが、日本の綿製品の輸出は四六%あったはずでございます。これが一九五九年になりますと、三六%に減っております。次の一九六〇年に至ってはやはり二八・二%と減少の一途をたどりまして、金額の面におきましても自主規制をする以前の年、その当初の基準の年と比較しまして半分程度に減っているわけでございます。やがて五年が過ぎまして新しく契約を取りかわさなければならぬという時期におきまして、ただ努力するだけでは困るのでございまして、もうすでにある程度の計画があってしかるべきだと思いますが、これについて大臣はどのような考えで臨まれますか。おそらくあなたの命はそれまで続くと思いますから、この際しっかりとした性根を入れた答えをしていただきたいと思います。
#106
○椎名国務大臣 数字の点にわたりますので、詳しくは所管局長からお答え申し上げます。
#107
○松村(敬)政府委員 ただいまの御質問の対米折衝の点でございますが、大臣から御説明申し上げましたように、本年が協定の第五年でございまして、今加藤先生御指摘のように、自主規制いたしましたために、日本の分け前が非常に減っておりますことは事実でございまして、一応五年の協定では、初めに約束いたしました年度の数量からあまり大きな額は従来は増加することが困難であったわけでございますが、今御指摘のような日本が非常に損をしておるという事実を特に強調いたしまして、この本年の第五年の交渉につきまして従来よりも強い線で、できるだけ多い額で話をつけたいということで臨んでおりますが、なおより重要と思いますのは今後の問題でございまして、六二年度以降どういうやり方をいたしますかということは、新政権が、現在旧政権が日本といたしましたようなそういう協定方式のようなことをやるかやらないか、また向こうがやると申ました場合にも、よほど弾力性のあることでなければ非常に不利でございますし、そういう点は十分新政権の政策等を見守りまして、来年以降の繊維輸出が、今までのように正直者が損をしたという、そういうことにならないように、全然また新しい見地で、おそらくそれは今年の秋になると存じますが、折衝に臨みたいと思います。
#108
○加藤(清)分科員 綿製品が、大臣、担当局長ともに認めておりますように、かくのごとく正直者がばかを見た結果を来たしておりまするそのやさきに、今度はまたぞろそのお隣の毛製品のアメリカ輸出に対してどえらい問題が起きてきているのでございますが、これに対して大臣はどのような処置をとられますか、承りたいのでございます。
 すなわち先月の十三日から十五日にかけまして、マイアミ・ビーチの某所においてACWすなわち米国合同紳士服労組の大会が行なわれました。この席上において決定されました事柄は、アメリカ輸入の日本の既製服が安過ぎる、その結果は労働者に対して非常な悪影響を及ぼす、しかるがゆえに日本の既製服の販売は拒否するように、同時にそれのみならず日本から輸入されるところの洋服生地、これの裁断を拒否する、しかもそれは五月一日からである。これが連鎖反応を起こしまして、トランジスター・ラジオその他の電気器具の修理は拒否するんだ、電気器具の組み立てその他も拒否するんだ、こういうことに相なってきておるようでございます。会長ヤコブ・S・ポトフスキーは非常な勢いをもって断固これに臨んでいるということでございますが、一体これに対して政府としてはどのような調査を進めておりますか。まず調査から承りたいのであります。
#109
○松村(敬)政府委員 ただいまお話しの既製服関係の労働組合が五月一日以降日本からの毛織物の裁断を拒否するという決議を一応採択した。一応と申しましたのは後に御説明申し上げますが、これはわが国にとっても毛織物の輸出にとりまして非常に重大な問題でございますとともに、また一つの輸入制限の運動の中で、ある業界の輸出に対して別な業界の輸出の妨げになる、そういう意味において従来にない最も困った形の運動でございますので、そういう意味におきましてもきわめて重要であるということで、いろいろ調査をいたしておるわけでございますが、何分今お話しの決議が秘密会でなされました模様で、はっきりした発表がございませんので、やや不明なことがあるのでございますが、現在まで大使館その他われわれの方で得ました資料を通じて申し上げますと、第一にそういう五一月一日以降裁断を拒否するということの決議は、その実行について執行部に権限を与えた、そういうような形の決議の模様でございます。それに対してまだ執行部からそういうことの拒否に関する指令と申しますか、そういうものは現在出ておらない模様でございまして、従ってその決議自体が実際に動き出すかどうかということは――もちろん動き出させては大へんなんでございますが、そういう状態には現在はなっておらない模様でございます。最近のあるアメリカの新聞等では、決議後むしろ動きとしてはそういうことを実行しない方向に行きつつあるのじゃないかというような新聞の記事もございました次第でございますが、もちろんそういう新聞のニュースをもって事態を楽観するというつもりは毛頭ございません。現在の決議自体の様子は大体そういうことであります。
#110
○加藤(清)分科員 すでに担当局長も認めておりますように、日貨排斥の運動はきのうきょうの問題でございません。ところで過去における日貨排斥は、終戦後におきましては経済の需要度が非常に低かった。それからまたその原因において、理解のできないこともなかった。ところがこのたびは、大単産も含むところの全米の合同労働組合による輸入制限運動でございまして、これは戦後最大の高まりを見せているわけでございます。しかもその原因が、既制服が安かったから禁止するのだというなら話はわかりますが、それとは関係のないところの生地までも規制する、トランジスター・ラジオも規制する、電気器具も規制する、こういう。これでは全く日米友好を唱えられまするアメリカの態度とは受け取りがたいのでございます。大臣は、これに対して一体どうお考えでございましょうか。繊維局長は、これについて楽観はしないがさほど心配もしていないという意味のことをおっしゃられましたけれども、すでに殷鑑遠からず、この問題が発生してから、おそらく通産省でもおわかりのことと存じますけれども、契約破棄の問題と日本の毛製品船積み延期の申し出があったはずでございます。一体それはどうなっているか。
#111
○椎名国務大臣 今担当局長から申し上げたように、ちょっと従来と形の変わった全く始末の悪い運動であるということは、だれでも認めるところであります。しかし一方において、ケネディ新政権は一体どういう政策をとるであろうかということが注視されておったところが、先ごろ、保護政策は一切とらない、関税障壁を高めたりあるいはまた輸入制限をするというようなことは一切やらない、ドル防衛はもっと前向きの積極的な政策、すなわち世界の貿易量を積極的にふやす、そういう面において問題の解決をはかりたいということを、堂々と声明を発しておるような状況でございますから、これがアメリカの政府の政策に影響を与えるというようなことは万々あるまいとは存じております。しかしながら、今申し上げたように、かなりこれはしつこい運動として現われておりますので、この点に関しましてはまず在米朝海大使からきわめて厳重な抗議を申し入れて、この運動のために政府がもちろん動くようなことのないように、積極的に、動きを鎮圧するように向こうに働きかけておる状況でございます。
 それから、そのために早くも日米の取引が変調を来たしておるというようなお話でございましたが、確かにその徴候はございます。条件付で話が進んでおるというような状況でございまして、これ以上影響が大きくならぬように、むしろこれを食いとめなければならぬと考えておりますが、その情勢を注目しておるところであります。
#112
○加藤(清)分科員 破約があったかなかったか、船積み延期がどの程度あったかという問いに対して、徴候だけとおっしゃっているようですが、数字がわかっているはずでございます。一体どれだけあったか。
#113
○椎名国務大臣 担当局長から申し上げます。
#114
○松村(敬)政府委員 最初に一言、先ほどの御説明につけ加えさしていただきます。先ほど調査はどうなっておるかというお話でございましたから、拒否をしないのではないかというニュースもあるので、そのニュースのことにつきまして調査の結果を申し上げましたわけで、それを楽観しておるというようなわけでは全然ございませんので、その点御了承願いたいと思います。
 ただいまの契約の状況でございますが、この五月一日以降裁断は拒否するのではないかというようなニュースは、かなり前からございましたわけで、それを阻止することにつきましても、朝海大使を通じて米国政府に強く要望をいたしておったわけでございます。これは労働組合の独自の動きということで、一応決定になってしまったわけでございますが、あらかじめ五月一日ということがわかっておりましたので、現在までの毛織物の輸出契約の中で、五月一日にそういうことが起こらなければ入れるというような文言になっておったものが相当あるわけであります。
#115
○加藤(清)分科員 ちょっと発言中ですが、私の問いだけに答えて下さい。時間が限られておりますから、こまかいことはまた委員会でやりますから……。
#116
○松村(敬)政府委員 そういたしますと、現在キャンセルになったものが幾らあるかという御質問と存じますが、一応われわれの方でつかんでおります数字では、十八万ヤールのものがキャンセルになった、件数としては二件でございます。それから船積みの問題は、ともかく先月一日に間に合うようにすべて入れてしまった方がよろしいということで、三月十五日までに早く船積みしようということで、今業界がその期日に間に合うように、積むことに努めております。
#117
○加藤(清)分科員 相手方の一方的な意向によって、そのようなことが業界に押しつけられますと、またぞろかつて中国へ輸出した毛製品と同じように、シッビング・サンプルと違う、梱包が違う等々のことが生じまして、これがまたキャンセルの原因を生まなければいいがと私は心配しているものでございます。ところでどうしても解せないのは、この組合の拒否の理由になったところの既製服の数量でございますが、何と日本から輸出されたものは、わずか三万着なんです。アメリカの総使用量は二千五百万着なんです、八百分の一なんです。これは十時間分しかない、一日ないのです。日本がすでにこれに対して提示しているところは十二万着ということでありますが、それでもなお千分の五には満たないはずなんです。こういうきわめて軽少な数量でさえも、なお拒否してくるということになりますと、一体友好通商という文字はどういう意味に解釈したら、いいのか、私にはわからないのであります。大臣にこの解釈を一つまずお願いしたいのでございます。
 なお米国紳士服産業輸入委員会委員長R・ラナー氏が、搾取的工場で作られた製品の急進展が廃止されない限りにおいては自分の地位を自分で守るのだ、こういう意気込みだそうでございます。一体みずからの賃金水準を守るために輸入に制限を加える能力がアメリカの労働組合にはあるのかないのか、これは労働省か法務省の担当官に聞きたいのでございます。しかもそれはケネディさんのあの大統領の就任の場合のごあいさつ、それ以後たびたび諸国に向かって行なわれましたところのあのあたたかいリンカーン精神とは、およそかけ離れたものと言わなければならないのだが、一体これについて法的に調査をされたことがありますかございませんか。まだそこまでは調査が進んでおりませんか。
#118
○椎名国務大臣 大体協定では一年に十四万着、その四分の一にも満たない三万着程度でこれだけの騒ぎをしておるのはわからぬとおっしゃるのですが、私もどうもあまりよくわからない、御同感でございます。ただ今日失業者が五百万人以上突破しておるということで、かなり労働市場が不安な空気になってきておるのではないか。それからまた日本の既製服か――私は見たわけではないが、いい物が相当安い、そういうことがただ量の問題でなしに、これは大へんだ、アメリカの既製服に従事しておる労働者の飯の食い上げがくるかもしれぬというような気持を吹き込まれたか、そういうことをみんなが感じたか、とにかく日本の既製服がいい物が安いということに非常な脅威を感じておるのではないか、こう思うのでございます。もちろんこれは直接関係のあるアメリカの労務者の人たちの考え方であり、またその人たちの行なっておる運動でございまして、アメリカ全体の国民の声でも何でもない。むしろアメリカの国民はわれわれの作った物を差しおいて日本の物に飛びつくかもしれないという恐怖からきているのですから、アメリカの国民の全般の声でもなければ、いわんや政府の政策に何ら関係のない問題である、こういうふうに私は考えております。そしてまた労務者の一部がアメリカ政策を――国際貿易の問題に関して実力を発揮するというような要素は一つもない、チャンスもない、ただこの問題は従来と違った形において始末の悪い厄介な問題として浮かび上がっておりますので、その点については善処方を極力厳重に国務省に抗議をしておる、こういう状況でございます。
#119
○加藤(清)分科員 法的に調査が進んでいるかいないかという問題でございますが、それにお答えいただく前に、先般のワン・ダラー・ブラウスが排斥を受けました折に、本件は日米友好通商航海条約違反ではないかとお尋ねいたしましたところ、時の答弁はそれはその通りだ、しかしながら州法によって各州が独立的行動によって排斥をしておるのだ、だからやむを得ないという意味の旨で、ついに規制となり、規制の結果は先ほど申し上げましたような正直者がばかを見るというようなことになったわけです。
 そこでこの際お尋ねしますが、私は不敏にしてアメリカ国内法を研究いたしておりません。そういう調査網もございません。そこでアメリカの州法は一体国法に優先するものであるかどうか、もう一つ労働組合の決議は法的基準があるのかないのか、この決議は国法に優先するものであるかないか、それはやがてアメリカの使用者側と、アメリカの労働組合側との間において結ばれておりまするところの労働協約、これもあわせ調査願わなければならぬと思うのでございます。それらについて政府としては一体どのような措置を講じておられますか、それについて伺いたい。
#120
○松村(敬)政府委員 今お話しの法律的な問題でございますが、お話しのように十分調査を進めなければいけない点で、その点につきましても在米大使館側に依頼しておりますが、まだ御指摘のような諸点について現在では十分調査ができておりません。
 それから今お話しの問題のほかに、実はこういう形である組合が違う製品についてのボイコットをやるということが米国の独禁法上差しつかえないかどうか、違法ではないかという点をもあわせてこちらからは抗議を申し込んでおりますが、それがはっきり法律上そうであるかどうかということにつきましては、いまだ十分な調査結果もしくは回答は得ておらない状態でございます。
#121
○加藤(清)分科員 少なくとも私がしろうと考えに考えましたところによりましても、なお安保の第二条の精神やガットの精神には反すると思う。と同時に、日米友好通商航海条約の第十四条第一項、第二項、第五項を取り上げてみますと、どうもこの第十四条に違反するおそれが十分にあると思われるのでございますが、これに対してどう考えておりますか。
#122
○須磨説明員 日米航海条約の友好通商の精神に反するという問題につきましては、すでにことしの一月半ばと二月の初めにパーソンズ国務次官補あるいはホッジス商務長官に対しまして、そういう精神からおかしいじゃないかというので強力な抗議はしております。
 そのほかに、独禁法の第一条に触れるのじゃないかという懸念につきましては、米国に日米貿易協議会というのがございまして、これはアメリカと日本の民間の業界の会社その他をもって構成せられておるものでございますが、それがそこの理事長の名前で独禁法違反のおそれがあるというような抗議を今の労働組合に対してもしておるわけです。ちょうどたまたまその協議会の理事長が本日参りますので、この法律上の問題もとくと打合わせをしまして今後の対策を検討いたしたいと思っております。
#123
○加藤(清)分科員 日米友好通商航海条約によれば、日本も米国もともにこの締約国民は内国民と同等の待遇ないしは最恵国待遇に下らざるところの待遇を受けられるということがその精神であると同時に、特に十四条に至っては貿易上の規則及び手続その他あくまで平等の立場において行なわれるのであって、制限または禁止をしてはならないとあるのでございますが、特に米国は日本のようなガット十四条国ではなくして――たしか八条国であったと記憶いたしておりますが、これは私の記憶間違いでございましょうか。
#124
○松村(敬)政府委員 御指摘の通り、八条国でございます。
#125
○加藤(清)分科員 八条国であるとすると、かような問題を起こすことは許されないじゃないか、こういう見解にならざるを得ないのでございます。しかも、ガットもIMFもほとんどがこのアメリカ国の意思を尊重されて行なわれておる。私もそれについては賛成なんです。そういう国が、日本流にいえば、みずからもって範をたれなければならないところの国が、それに反するようなことをやられるということは解せないと思うのです。そこで、考えが浮かぶはずでございます。大臣にお尋ねしたいのでございますが、すでにケネディ政権もこれについては非常な苦慮をしておられるようでございまして、米国では閣僚級の委員、特に日本流にいえば、商工、大蔵、農林、この閣僚を五名任名されまして、繊維を初めとするこれらの諸問題の解決のために諮問機関とされる旨が報告されておるのでございます。大臣としては、一体この解決方法をどうしようとしていらっしゃるのか、日本もまたアメリカと相呼応して、このような解決策をはかるための機関を作る用意はないのか。
#126
○椎名国務大臣 アメリカとしては、事、国の基本的な政策に反する現象が起こりつつあるのでございますから、そういう機関を作ったものと考えるのであります。日本といたしましては、これに別に呼応するということは、ただいま考えておりません。今、外交機関を通じて厳重に善処方を申し出ておるという状況であります。
#127
○加藤(清)分科員 朝海大使が本件に関して、ほんとうに誠心誠意、日本の立場を吐露、披瀝して、いうなれば、孤軍奮闘していらっしゃる姿は、私よく存じております。まことに慶賀にたえない。ところが、政府が朝海大使だけをたよりにしているようでは、なかなかに解決できないと思うのです。特に本件は相手国のケネディ政権の考え方とは違った決議が労働組合の手によって行なわれているわけなんです。そこで、これの解決方法としては、クォーター制の設定であるとか、あるいは販売、使用の秩序の保持であるとか、いろいろ声が出ておるようでございますけれども、いずれにいたしましても、ほんとうに両国の友好が行なわれ、通商が発展する、すなわち、安保第二条あるいは日米友好通商航海条約の精神が生かされて、ともに両国が発展するの道を作るには、一番いいチャンスであると思う。もしこの際これを忘れたならば、この波はやがてトランジスター・ラジオ、タイル、合板その他一個々々について、私は討議を重ねてみたいと思うのですが、時間がございませんので、銘柄をあげるだけにとどめますが、何も綿製品、毛製品だけの問題ではございません。すでに繊維局長が今おっしゃられましたように、他の労働組合でこれと相似たケースの反対決議が行なわれている。日貨排斥が行なわれている。こういうやさきでございますから、ぜひ一つ政府は総力をあげてこれの解決方を早急に行なっていただきたいと思うわけでございます。そこで一つ、たとえば申し上げますが、日本の労働組合の代表、すなわち、総評、中立、全労等の代表をアメリカに派遣して、アメリカの労働組合の代表との間で話し合いを行なわせる、こういう意思はございませんか、考えたこともないのですか。
#128
○椎名国務大臣 ただいまの段階では、朝海大使を通じて厳粛抗議しておる状況でありますが、なおこの問題は関係閣僚間においても寄り寄り協議をしております。情勢の進展に伴ってまた十分に協議し、重ねて適切な措置を講じて参りたいと考えておりますが、今のところ労働組合の代表を送って向こうの労組の代表と協議をするということについては、まだ私のところでは考えておりません。
#129
○加藤(清)分科員 それは拱手傍観というものである。それでは、労組代表ではいけないとおっしゃるならば、せめて、聞くところによりますと、池田首相は国会終了後渡米されるという話でございます。ちょっとおそきに失してはおりますが、池田さん渡米の折に本問題についてケネディ大統領ないしはホッジス商務長官に対して、本件を交渉するの用意なり心がまえがございますか、ございませんか。
#130
○椎名国務大臣 もちろんそういうあらゆる機会を活用いたしまして、本件の打開に努力したいと考えております。
 それからなお、ただいま労組の代表者というお話がございましたが、全労の代表がただいま渡米中であるのであります。そこで先方の指導者に適当な機会において会談をするというようなこともこれは期待されると考えます。
#131
○加藤(清)分科員 同時に、椎名通産大臣、あなた自身も出かけられる必要があるのではないかと思うのです。あなたとあるいは高碕さんあたり、こういうベテランが全権大使として派遣されるということになれば、ここに解決のめども可能ではないかと思われますが、いずれにしても大臣、本件に関して至急打開策を打たれますよう希望いたします。この問題についてはその後の経過を追ってそのつど質問をいたします。
#132
○三浦主査 加藤君、いかがでしょうか、もう十五分以上延長いたしましたので、簡単にお願いいたします。
#133
○加藤(清)分科員 ドル防衛について二、三お尋ねしたいと思います。
 いわゆるアイクさんの命令、それを受けられましたケネディさんの方針等々によりましてドル防衛が行なわれることになりましたが、そのうち特にICAの問題、APAの問題、この特需は一体将来どのような方向をたどるでございましょうか、これが問題でございます。先ほど通産大臣がおっしゃられた通り、貿易の帳じりは常に赤字が慢性的になっている。その穴埋めが行なわれていたのがこの特需でございます。しかるに、この特需がドル防衛の方針によってもし減少の一途をたどったということになりますと、これは大へんな問題で、ますます日米間の貿易の帳じりは赤字を累積するということになると存じます。それについて伺いたい。
#134
○椎名国務大臣 詳しく関係局長から答弁いたさせます。
#135
○今井(善)政府委員 この特需は狭い意味の特需とICAの調達の特需と二つございますが、ICAにつきましては昨年の十一月アイゼンハワーの教書の発表によりまして、今後海外から軍人の家族を引き揚げるとか、あるいはアメリカ物資を買わせるようにするとか、いろいろの関係がございまして、ICAにつきましてはやはり何と申しましても相当の影響を今後受けてくる。ところで昨年度のICAの輸出は約一億三千万ドル程度でございましたが、私どもはこの影響が三十六年度においては全面的に出るわけじゃなくて、既契約等もございますので一部出るのじゃないか。その結果大体特需が五、六千万ドル減るのじゃないかという見通しを持っておったのでございますが、実際はアメリカ品が非常に高いというふうな関係もございまして、これを購入する方からいいますと、やはり日本品だというような問題もございまして、従ってあるいはそれほど減らないのじゃないかというふうに本年度については考えておりますけれども、長い将来におきましては、やはり漸減するというふうに覚悟はしております。
#136
○加藤(清)分科員 ただいまのお答えの通り、長い将来においては漸減するであろうということでありまして、私もそうであると思いますし、国民もまたそうだろうと推測はしていると思います。
 そこで経企長官にお尋ねしたいことは、国民所得倍増計画、これは保守党の政策のいわゆる大黒柱であるはずなんです。これによりますと北米及び欧州の高等所得地域に対しては、基準年度の四倍以上の貿易規模を期待している、こういうことになっておるわけなんです。これは大臣、所得倍増でありません、四倍ですぞ。そうすると一体考えてみてそうなりますでしょうか。アメリカと日本との貿易は常に赤字である。それを解消するのに特需をもってしていた。ところがその特需も減少の一途をたどるであろうという。特需以外の雑貨、労働集約的製品までも今度は別な手によってだんだん削減されていく。それをおじぎのしっぱなしで、頭のたたかれっぱなしにしておる。こういうことなのです。こうなって参りますと、日本経済の打撃と申しましょうか、国際収支の見通し、特に日米間の見通しは甘いと言わなければならぬが、ほんとうに四倍増を行なう、こうおっしゃるならばそのスケジュールを見せていただきたい。
#137
○三浦主査 先ほどお打ち合わせの際申し上げました通り、ただいま経企長官は参議院の本会議に出席中でございまして、午後でなければ出席いたしませんことを御了承願います。従いまして経企長官のものは保留してもかまいません。
#138
○加藤(清)分科員 それでは委員長のおっしゃる通り、本件は保留をいたしましょう。
#139
○三浦主査 ただしあなたに四十分程度ということでお打ち合わせしておったのですが、すでに一時間になるので、結論を急いでいただきたいと思います。
#140
○加藤(清)分科員 大臣はこれについてどう思われます。
#141
○椎名国務大臣 貿易のスケジュールというのは別に作っておりません、早く言えば。しかしかえってスケジュールなんか作っていくよりも、やはり臨機応変に情勢によって努力していくのが筋でありまして、相手のある問題でありますからスケジュール通りにはいかないと思います。
#142
○加藤(清)分科員 そうなりますとこの国民所得倍増計画なるものは場当たりである、しかもこれは紙にかいたもちである、こういうことでございますね。何と、かかれたもちはだんだん減少するかもしれぬというやさきに四倍だと、こうおっしゃる。今下り坂であるのに、一体いつ上り坂になりますか。その時期なりともどうです。いつ上り坂になりますか、それも場当たりでございますか。
#143
○椎名国務大臣 最近日本の経済が非常に伸長いたしまして、これに伴って輸出が非常な飛躍的な増進を遂げておる。これは別にスケジュールがあってやったわけではありません。あらゆる総合的な施策、民間の努力、政府の施策がそこに総合されてかような結果になったのでありまして、大体従来の方針によってだんだん高めて参りたい、かように考えております。
#144
○加藤(清)分科員 自分のところには施策はなし、しかし効果の上がったのはわれらの手柄であるとおっしゃるようでございますが、これこそは違うのだ。われわれの考え方からいえば、国民が常々としてかせいだ汗とあぶらなのです。しかもそれはテープ・レーバーと呼ばれ、レーバー・ダンピングと呼ばれるところの低賃金のたまものなのだ。もしそうでないとおっしゃるならば、通産省に専門輸出商社の指導育成強化の具体策はありますか。あったら見せていただきたい。これらにはこれをやっちゃいけない、あれをやっちゃいけないという禁止のワクこそありますけれども、いまだかつてそれは聞いたことがございません。そこでこれが少なくともずさんであるという責めは免れないと思いますが、私はこの際常識的に考えてみれば、対米依存度の貿易量が現在でも三〇%以上なのです。その赤字をよそで埋める。その結果はどうなるか。西欧諸国は日本に対していわゆるガット二十五条の援用だと、こうくる。これをいつまでも続けておっては、ほんとうに国民の所得は倍増にならないと思うのでございます。そこで大臣に結論を急げとおっしゃられますから急ぎますが、解決策として市場構造をもはや改革しなければならぬ時期にきていると思うのです。中ソの市場を開拓しなければならぬと思う。幸い政府の方もそれに対して見本市開催の予算は準備しておられるようでございますが、一体この見本市はいついかなるときに、いかなる場所において行なわれる予定でございますか。
 もう一つ続けて労働省にお尋ねしたいのでございますが、アメリカが日貨排斥をいたしまする原因、あるいは欧州諸国がガット三十五条を援用するこれらの原因は、一にかかって日本の低賃金のゆえなのです。そこでアメリカはあれほど高い賃金であっても、なお最低賃金制を引き上げようということが今行なわれつつあるわけでございます。そこで日本政府特に労働関係としては、これに対してどうしようとなさるのか。何も手がなかったならば、今の賃金はIMFから文句を言われ、ガットから文句を言われ、チープ・レーバーだと言われても、日本の貿易量に対してワクをかけられても、なおこの賃金でよろしいというお考えでございますか。労働省の山下労働経済課長さんと東村賃金課長さんが来ていらっしゃいますね。通産省と労働省二つにお尋ねします。
#145
○椎名国務大臣 ソ連圏、特に中共との貿易を回復するということにつきましても、方針はすでに明らかにしております。それで見本市のお話でございますが、これは数年大体本年度と同じくらいの五千五百万程度の見本市の費用を予算に計上して、そうして情勢が好転したならばいつでもこれに応ずる態勢を整えている、こういう意味でこの予算を計上しておるのであります。そこで、情勢のいかんによってはいつでもやれるということは、ただいまでもむしろそういうチャンスが近づいてきておるのではないかという考えを持っておるのでありますけれども、まだどこへどういう規模においていつやるかというようなところまでは熟しておりません。そしてまた、いよいよやるとすれば、こんな予算の程度ではもちろんできまいと思います。そういう場合には、また臨機の処置を考えなければならないと考えております。
#146
○東村説明員 御承知の通り、わが国の低賃金問題につきましては、三十四年の七月に最低賃金法ができまして、以来この法律によっていろいろ対策を講じておる次第でございます。参考までに申し上げますと、現在まで一年有半を経たわけでございますが、五十万人の労働者について最低賃金ができております。この中で最も多いのは繊維関係の労働者でございます。今後この最低賃金法をどう運営するかという問題でございますが、われわれといたしましては、ただいま御指摘のありました所得倍増計画等の問題を背景といたしまして、所得格差の縮小、それからただいまいろいろ御議論になっております輸出貿易の伸長、こういう角度から、今後さらにこれを大いに拡大したい。具体的に申しますと、三十六年度を初年度といたしまして、向こう三年間に約二百五十万人についてこの最低賃金を拡大したい、こういうふうに今計画を立てて進めておるところでございます。
#147
○加藤(清)分科員 最後にここで一つだけ不思議に思われる点を解決していただいて、私の質問はあとの委員会に移したいと思います。
 すなわち、アメリカ国は日本商品を排斥する、これがずっと続いてきておる。制限をしようとする、これもずっと続いてきておる。ところが、そういうやさきに、それじゃ一体技術提携の面は、こうながめてみますと、あるいは資本提携の面はとながめてみますと、これはさきの高碕通産大臣の言をかりるまでもなく、申し込みが殺到しておる。これは一体どういうことなのか。大臣はこれに対してどう考えておるのか。一体これは何を意味するのか。日本の商品は排斥する。制限する。ところが技術提携と資本提携だけはどんどんと申し込みしてくる。これは何をかいわんや。私の考えでは、日本の低賃金、日本労働者の勤勉、頭脳、なおかつ日本の金利は非常に高い。従って投資の利潤、利回りがよろしい、こういうところにあると思うのでございます。産業構造を云々し、市場構造を云々すると同時に、こういう経済の根幹をなすところの基本的な問題について、一体通産省としてはどのようにお考えであるのか。
 また、もう一点は、チープ・レーバーであるとか、日本の品物が安過ぎる、こういう陰には、日本も姿勢を直さなければならぬ点があると思う。それは、一例をとってみれば、日本の卸売価格と、日本が他国に輸出しているところの品物のFOB価格と比較してみました場合に、日本の国内売りの方がぐんと高くて、輸出の方がぐんと安いという品物がわんさとあるのです。先ほどここで審議なさいました肥料もその一つで、硫安一かます十貫匁俵、農業協同組合倉庫庭先渡しで八百円から八百四十円もしている。ところがこれが輸出されますところの値段は、同じ品物で、同じ量にして、なおこれは七百円台だ。ウォッチ、カメラ、ミシン、みなしかりである。私はここにたくさんのデータを持っております。政府の方から出していただいたものも、私の手元で集めたものも、たくさんにここに持ってきているが、委員長の言に従ってこれでやめますが、こういう問題はやがてチーブ・レーバーであるとかレーバー・ダンピングであるとかいうことになり、日本の品物を排斥される原因になり、片や三十五条を援用されることになり、貿易不振になる結果、そのしわ寄せは内地の国民の物価高を呼ぶ、こういうことになって、悪循環が繰り返されているのです。これらについては、委員会においてとくと大臣の所信をただすと同時に、改正して、所得倍増の前に物価が一足お先に御無礼しないような、内地物価が御無礼しないような施策をしっかりとこの際打ち立てていただきたいと思います。腹帯を締め直して次の委員会において答弁されんことを要望して、私の質問を終わります。
#148
○三浦主査 午前中はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十五分開議
#149
○三浦主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。床次徳二君
#150
○床次分科員 私は企画庁長官に低開発地域の開発に関して質問いたしたいのでありますが、政府は低開発地域におけるところの工業開発を促進し、また地域間の格差の縮小をはかり、国民経済の均衡ある発展に資するということを目的といたしまして、いろいろと今後措置いたしておるのでありますが、特に低開発地域工業開発促進法を今日制定することを予定しておるのであります。まことに趣旨においてけっこうで、ぜひ十分な効果を上げてもらいたいと思うのでありますが、一番肝要なことは、この法律にいうところの低開発地区、工業開発地帯というものは、法二条によりまして、政府が指定することになっておりますが、この指定の条件につきましていかように考えておられるか、伺いたいのであります。
#151
○迫水国務大臣 地区の指定の要件は、御承知のように政令できめることになっておりますが、この法律案の立法の趣旨が、特に開発のおくれております小都市の工業配置に主眼を置いております関係上、都心の規模とか、それからその都市の人口の増加の割合がどうなる等というような、そういうような立地条件などを勘案して指定することになるわけでありますが、指定の具体的要件は目下検討中でございます。一つの大きな都市に隣接した地帯、村なら村が指定された場合、それと地続きのようなところで大きな都市の部分も入ってくるような場合には、これは何か具体的にその関連を考えていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思っております。
#152
○床次分科員 ただいま政令の構想についてお話があったわけですが、伝えられるところによりますと、大体小都市の基準として、おおむね十万をこえない市であるということを言っておられるわけでありますが、しかし低開発地域の開発を要するのは、何も小都市に限らず、人口十万以上の地方におきましても確かに開発を必要とする、特にいわゆる低開発地方の中心地域、たとえば県庁所在地のごときは人口十万をこえまするか、しかしこれは開発しなければならないわけでありまして、こういうものを小都市でないから、十万をこえるからといって除外する理由はないと思います。なおあるいは、本法におきましては、小都市を対象とするから、これを除外するけれども、しかし大都市につきましては、別個な、いわゆる低開発地域の中心地区として別個の開発をやるというならば、またそれも考え方だと思うのでありますが、いずれにいたしましても、かかる地域を除外することにつきましては、まことに当を得ないものと思うのであります。
 次に、第二のいわゆる政令の要件の中にこういう規定が作られるかのような話を聞いておるのであります。それは、過去の人口増加率が一定率以上の人口増加をしておりますものはやはり除外するというふうに予想しておられるかと思うのでありますが、しかし地方の中心地でありますると、付近の農村部分からだんだん人間が集まってくるということは、やはり低開発地方におきましても見られる現象なんでして、特に県庁所在地のごときものは、がなくても、やはり人口の集中があり得るのでありまして、もしもかかる一定率以上の増加率を持つところは除外するということになりますと、これは工場のない都市でも除外されるという結果になって、まことに不合理だと思うのであります。従って、むしろこの規定の適用にあたりましては、工場が少ない。すなわち政令案に予定されておるといわれているところの住民一人当たり償却資産の額というものを基準とするというような、何かむしろ客観的妥当性のあるところの基準を中心としてやるのが適当だと思うのであります。この点に関しまして、政府の御所見を伺いたいと思うし、なお今後、ただいま申し上げましたような趣旨に対して、政令の制定等において十分御考慮をいただけるかどうか、あるいは本法によらない場合におきましては、他の法律におきまして十分その趣旨が救えるようにと申すますか、補うことのできるような処置をおとりになるお考えであるか、その点を伺いたいのであります。
#153
○迫水国務大臣 ただいまのお話、いろいろ具体的に政令の要件の内容について、伝えられているところといってお話しになりましたが、そういうようなことが今論議されておることは事実でございますけれども、床次議員のおっしゃいましたことは、きわめてごもっともでございますから、政令を作る場合にはさらによく検討をいたしたいと思います。
#154
○床次分科員 政府がいわゆる所得倍増、地方格差の是正ということを考えております以上は、ただいまの問題はきわめて重要な最後のきめ手になる問題でありますので、十分一つこの点は慎重な御研究をいただきまして、遺漏のないようにしていただきたいと思います。
 なお、この機会に一言お尋ねしておきたいのでありますが、政府は今回の国民所得倍増計画を発表せられておるのでありまして、特にこれにはいわゆる構想というものをつけられまして、農業と非農業間の格差是正、あるいは大企業と中小企業間の格差是正、あるいは地方間の格差是正ということを目標として実施するということにしておられるのであります。従って、当初いわゆる経済審議会の答申の所得倍増計画から見ますと、相当努力目標が加重されておると思うのであります。従って、この新しい構想に基づくところの計画の実施案というものも、いずれはできるものと思うのでありますが、従来予定されました昭和三十八年度におけるところの国民総生産十七兆六千億円というような目標に対しましては、これが渋滞をする、あるいは時間が延びるということなくしてできるとお考えかどうか。これはほんとうの見通しなんでありますが、そう困難にはならないという御確信であろうと思うのでありますが、この点を伺ってみたいと思います。数字等につきましては、大体いつごろになりますならば、具体的な数字が出るか、これも見当がつけばその腹案を伺ってみたいと思います。
#155
○迫水国務大臣 昭和三十八年度において十七兆六千億という国民総生産を上げようという目標というものは、十分達成できるものと見ております。これは絶対大丈夫といっても間違いないと思いますが、さらにそれよりも上の数字になると思っております。地域間格差という今度の法律など、いろいろの関係もございますので、所得倍増計画の補完的な計画といってもいいかと思いますが、現在私ども企画庁におきましては全国総合開発計画というものを立案をいたしておりまして、これはあと三、四カ月の間には完成したいと思っております。
#156
○三浦主査 それでは有馬輝武君。
#157
○有馬(輝)分科員 企画庁長官にお伺いいたしたいと思います。
 今度の施政方針演説の中についても、今床次委員から触れられましたように、地域間、産業間の格差を是正するという点を大きく強調しておられるのであります。これは農林省にもあるいは大蔵省にも税制の面あるいは生産基盤の強化なり、今度も政府で用意しておられますところのたとえば魚価安定基金法案なり、いろいろな法案を準備していらっしゃるわけでありますが、そのいずれを見ましても、私はある程度事農業に関しましては守勢といいますか、防衛的な措置に終わっているきらいがあるのじゃないか、こう考えるわけであります。これには政府としてもいろいろ御議論がありますでしょうけれども、私たちが直観的に受け取る感じとしましては、そういった域を抜けません。しかも長官も御承知のように、特に私どもの郷里などにおきましては、貯金の額一つ見てもお話にならないくらい低位なんです。そこにやはり抜本的な措置が講ぜられなければ、おっしゃるところの他産業との均衡というものはなかなかとれないのじゃないか。今みたいな守勢な形で、たとえば魚の値段を、とれ過ぎたときには、冷蔵庫を作ったりなにかして輸送の面で考えてというような手段では、根本的な是正にはならないのじゃないか、こう思うわけです。そういう面から見ますと、これは何もことあげして言うわけではありませんけれども、ソビエトなんかではウラル地方などに対して非常に大幅な財政投資をやっておる。あるいはアメリカ等におきましては、バレイショ等の作付制限等に対して膨大な予算を組んでおる、そういうような措置がとられておるわけです。予算的に見ましても、総予算に対する比率が非常に高い措置というものがとられております。そういう面で、私はここに抜本的な施策というものが必要じゃなかろうかと思うのでありますが、そういう点について、ただ単に農林省の角度から、あるいは建設省の角度からというのではなくて、やはり企画庁長官としてこれに対する一つの筋を通させる、こういうことがぜひ必要であろうかと思いますので、その基本的な方策についてお伺いしたいと思うわけであります。
#158
○迫水国務大臣 私どもの経済企画庁の立場というのは、御承知のように、一つの計画というものを立てまして、あと現実の行為におきましては、各官庁のと総合調整いうものが仕事であることは御承知の通りであります。従いまして、ただいま有馬さんのおっしゃったようなことは、所得倍増計画という格好で、一応私どもの立場を明らかにしておると思うのでございます。従って、所得倍増計画というものをごらん下さいますれば、その中に経済企画庁とし考えている農業のあり方というものはこういう格好だということを御了解願えるのじゃないかと思います。
#159
○有馬(輝)分科員 私がお伺いしたいのは、その先なんです。今までみたいに各省庁の仕事を総合調整してと、長官としては自分を守っていらっしゃるという謙虚なお気持だろうと思いますが、事農業に関しましてはそういうことではどうともならない、抜き差しならないところまできている点については、これは大臣十分御承知のところだろうと思います。それに対してやはり一本筋を通させる。これは価格政策あるいは補助金政策、いろいろあろうと思います。そういう点についてそういう手出をしないで、今まで通り各省庁が持ってくるものを、特に農林省が主となって持ってくるものを助長していけばいいのだ、総合調整していけばいいのだというお考えなのかどうか。それとも農業に対してはこういう手を打たなければならないのだという案をお持ちかどうか、そこら辺について私はお伺いしておるわけです。
#160
○迫水国務大臣 有馬さん経済企画庁を少し買いかぶっておられるのじゃないかと私は思います。というのは今、分を守った謙虚な気持だろうという非常にいいお言葉でお話をいただいたのですけれども、やはり私はそういうものを中心に考えるのは、それこそ農林省の仕事と思っておるのでありまして、そういうことを考えなかったら、農林省というものはある必要がないのじゃないかと思うのです。ただ農林省が、たとえば問題をあまりにも農業本位的に考えているというような格好が出てきたような場合には、私どもの方で若干の意見を言うことがあるでしょうし、またいろいろなそういう調整ということについては、私たち意見を言いたいと思いますが、その意見を言う一つの目安というのは、所得倍増計画に出ておる、こういう立場です。今度出ました農業基本法というのは、その意味においてみんなで共同して作りました一つの問題でありまして、この基本法によって需給の見通しがさらに立てられるということにもなっておりますので、基本法の実施という線を通して日本の農業政策というものに筋が通ってくるのじゃないか、こういうふうに考えております。
#161
○有馬(輝)分科員 郷土の大先輩である大臣が経済企画庁長官に就任された際に一番私が望んでいたのは今の点なんです。今おっしゃるように、もちろん農林省も各般の努力をしていらっしゃるが、そのあとを見ますと、やはり漁業については浅海増殖もやらなければならない、無動力船を動力船に変えなければならないというように、一つ一つ取り上げていかなけばならないことばかりなんです。そしてそれを忠実に、しかも積極的に努力をした御努力のあとが今度の予算に出ております。しかし、先ほど私が申し上げましたような大きなひだをなくするには、どうともならないのです。今までの仕事の助長なり継続なり、あるいはある程度の発展などということでは、どうとも、ならないところに来ておりますから、それに対して一つの筋を通すべきではないか。いわゆる単なる総合調整ではなくして、日本の経済全般を見渡した上での一つの指針というものを与える仕事が大臣の仕事じゃなかろうか、こう私は考えておるのです。それは行き過ぎじゃなかろうと思っております。
#162
○迫水国務大臣 それだから政府及び民間経済の道しるべとして、所得倍増計画というものを策案して、それを閣議決定をいたしました。その所得倍増計画というものの中には、農業はこういう格好であるべきだというあるべき姿が想定されておりまして、たとえば農業人口の問題であるとか、それから一応の米麦等の農産物の需要の変化というようなことも、それに沿うて策定されておるのでありまして、有馬さんのおっしゃる道しるべを示すべきだというお話に対しては、所得倍増計画というものでこたえている。それが足りない場合には、さらに具体的に個々の問題について補完をしていく場合がありますけれども、しかし原則的に言えば、所得倍増計画で通しるべを立てているつもりだ、こういうことを申し上げている次第でございます。
#163
○有馬(輝)分科員 その積極的な道しるべ云々ということについてお答えがなければ、今大臣のおっしゃるところの総合調整の面から見ましても、この前予算委員会で淡谷委員の質問に周東さんがお答えになりました際にも、農業生産の伸びについては御承知のように五〇%にもならない。これはもう皆さん方確認していらっしゃるところなんです。とすれば、今おっしゃるところの所得倍増計画に歩調を合わせるためにはどうすべきか、これは経済企画庁のお仕事じゃなかろうかと思うのです。何が施策として足りないのか、それとも現在の農業の実態に対してどう把握すべきか、ここら辺について、具体的に申し上げますならば、たとえば米価につきましても、本委員会におきましては周東さんは、本年の米審の結果を持たなければならないけれども、少なくとも予算に組まれたところの石あたり一万四百五円の線を下回らないようにする、こういう線でおっしゃっております。その生産者価格に対する認識については、いろいろまた議論の存するところでありますけれども、ただ抽象的に申し上げて、現在の農産物価格を政府が手当をする場合に、この程度で維持しておっていいかどうかという点については、これは議論のあるところだろうと思います。あとで肥料の問題についてだけきょうはお伺いすることになっておりますが、その基本的立場として、農産物価格、たとえばバレイショに対して、アメリカがやっておりますような特例な手当をする考えはないかどうか。現在の価格で長官のおっしゃるところの企業として成り立つ農業に持っていけるのかどうか、その点だけにしぼってけっこうでございますから、お聞かせ願いたいと思います。
#164
○迫水国務大臣 農業物価格というものは、私はきわめてデリケートな問題だと思っております。それで消費者の立場から言いますと、御承知のように、端境期で当然野菜が上がったような場合も、野菜が上がる、上がると言って奥さん方が非常に私を責めるわけであります。そうかといって、夏野菜から秋野菜にかわって、白菜がただになってしまうというくらいに安くなっても、これは奥さん方は決してけっこうだとはおっしゃらないで、農家の方がはなはだ困るというわけで、農産物価格というものは私は実にむずかしいと思っております。これをどう決定していくかということは非常な問題だと思いますが、これは私少し言い過ぎかもしれませんけれども、せっかく有馬さんのお尋ねでございますから申し上げますと、今後農産物価格の問題について政府内においてもちろんそれぞれ議論いたすわけであります。そのときには、生産者を代表するのは農林省がいるか、消費者の立場を代表して発言する者は政府の中に一人もいませんから、経済企画庁長官が消費者の立場をとって一つ発言をしていきたい、こう実は思っております。従って私が発言した場合に、それがかりに農家のために不利なようなことになっても、それは決して農家というものをないがしろにするものではございませんで、一つの価格の線をきめる上においては、生産者の立場ばかり考えるべきではない、消費者の立場も当然考えるべきだという立場から、政府の内部におきましては、農林省という生産者の立場を十分代表する者がおる以上、消費者の立場を代表する者がいないとすれば、私がその立場を代表して発言をする、こういうふうに私は考えておるわけであります。
#165
○有馬(輝)分科員 消費者の立場を代表して発言していただくこと、これは非常に重要なことであります。それと同時に、私はさっきから繰り返しお話しし、またお尋ねしてくどいようでありますけれども、価格一つ取り上げてみましても、農業が企業として成り立つ線にいくには相当な手当をしなければ、今のままでは、農民全般が思っておりますように、とにかく百姓は引き合わないのだ、やむを得ないからやっておるのだという意識――たとえば今の耕作反別が二倍になったってなかなかこの意識、そうしてその意識の裏づけをなす経済状態というものは改善されていかないと思うのです。価格面についてはまた機会を改めてぜひお伺いしたいと思いますから、個別に御検討をいただいておきたいと存じます。
 次に通産省の軽工業局長にお伺いしたいと思います。本日は肥料だけについてお伺いいたします。各国で肥料に対するいろいろな施策が行なわれておりますが、特にドイツとイギリスではそれぞれ農業基本法、農業法におきまして農民に対する肥料の補助金政策がとられております。ここ三年くらいでけっこうでございますが、両国におきます補助金の総額並びにその率、これについてお教えをいただきたいと思います。硫安の場合に限ってけっこうであります。
#166
○秋山政府委員 資料が多少古い点はございますが、お許しを願いたいと思います。実は外国の数字で、しかも中にはなかなかつかみにくい数字もございますので、はっきりしない点もございますが、大体私たちの使っております現在の資料は、一九五九年の七月から六〇年六月、ちょっと一年ばかり前です。ドイツは国内価格が五八年から五九年にかけて六十一ドル九十五セントであります。そのあとの五九年から六〇年にかけては六十三ドル〇六ということになります。それからイギリスは五八年から五九年にかけての価格が五十八ドル六十八セント、五九年から六〇年にかけましての価格が、少し下がって五十八ドル五十五セントということでございます。いずれもこれは補助金込みの価格であります。
#167
○有馬(輝)分科員 それに対して補助金を出しておりますが、その額と率についてお聞かせ願いたいと思います。
#168
○秋山政府委員 先ほど申し上げました、ドイツの国内価格のうち補助金はトン当たりで八ドル十セント、これは比率にいたしますと大体一四%、イギリスの場合は五十八ドル程度に対して約二十八ドル弱、二十七ドル九十三セントの補助金、これは比率にいたしますと四八%くらいになっております。
#169
○有馬(輝)分科員 今お伺いいたしますと、ドイツにおきましてもトン当たり大体八ドル前後、それからイギリスにおきましては非常に率が高くて二十八ドルくらい、パーセンテージにいたしますと四八%くらいの補助をいたしておりますが、私が聞きましたところ、そのトータルが一九六〇年、ドイツにおきましては日本円で大体百九十七億、イギリスにおきましては、これはちょっと古いですけれども、五九年で二百九十二億に上っております。問題はこの補助の仕方なのでありますが、具体的にどういった形で補助をしておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#170
○秋山政府委員 ドイツの場合は日本で申します卸売業者といいますか、流通の一番もとになる元卸でございますが、これが一種の公社式の制度、国の機関のようなものになっておりまして、補助金はすべてそこに与えられるというやり方をいたしております。従って肥料メーカーは公社に対して、先刻申し上げましたような価格で売り渡して、公社は政府から補助金を受けて、そのうちの補助金相当額を減額したもので消費者に渡すというやり方になっております。イギリスの場合でございますが、イギリスの場合は農民自身が補助金を政府に対して請求する権利を持っておりますが、同時にそれを肥料の供給者すなわち販売業者に委託するというのですか、それだけを受け取ってもらって、値引きをしてもらって受け取ってもよろしいという両方のやり方を併用しております。
#171
○有馬(輝)分科員 次にノルウェーの場合ですが、ドイツ、イギリスと違いまして、一般補助金、それから輸送費補助金、それから小農民特別補助金、この三つを併用しておるようでありますけれども、この最後の小農民特別補助金のやり方はどういう形でやっておるのか、もし御存じでしたらお聞かせを願いたいと思います。
#172
○秋山政府委員 先刻来ずっと申し上げておりますことは、日本の在外公館を通じていろいろ資料等を取り寄せまして調べたものでございまして、私自身の調べでありませんので、この通りと申し上げていいかどうか自信はあまりありませんが、その資料によりますと、ただいまお話しの小農民特別補助金というノルウェーの制度は、小農民というものは耕地面積が十ないし七十五ヘクタールという条件と、それから資産で七万五千クローネ、円にいたしますとこれは三百七十五万円くらいになります。それからもう一つの条件が年収で八千クローネ、これが約四十万円になります。こういう三つの要件に該当するものを小農民と言っております。補助金のうちの一般補助金、それから輸送補助金、これは肥料価格から初めにまず差し引いてしまう。従って差し引いた残りが入手価格になるわけでございますが、その入手価格のさらに三〇%相出額を特別補助金として支給する。ただし北部のノルウェーにおきましては、三〇%でなしに五〇%ということに率は上げられております。
#173
○有馬(輝)分科員 先ほどのドイツの場合ですが、公社に対して補助金を出しておる。しかもその公社は各肥料会社の集まりだと思うのですけれども、これに対して補助金を出すことで、問題はその卸売価格をどの程度に押えていくかというような点について相当の規制措置が講じられなければ、せっかくの企図が農民の方へ及ばないおそれがあると思うし、当然これに対する措置がイギリスにおいても同様にとられておるのですけれども、そのメーカーの生産者価格をどのような形において規制しておるのか、そこら辺について、もし御存じならばお聞かせをいただきたいと思います。
#174
○秋山政府委員 ドイツの場合でございますが、ただいまお話しのような公団はメーカーの集団といいますか、構成員をメーカーとするものではないようでございます。日本で申しますと政府機関、純然たる政府系統の実働機関であるようでございます。名前はドイツ監査信託会社という名前になっております一種の公社のようなものでございます。そして肥料メーカーの版売価格の規制につきましては、価格法というのがございます。これは占領軍命令であったらしいのですが、今現にそのまままだ使われているようであります。これが公定価格決定の基礎になっておるようでございます。いずれもメーカーが自分の出したい、いわば建値でございますが、それを政府に申請をいたしまして――変更の場合でございます。改定の申請をいたしまして、経済省がこの決定をするという建前になっておるようでございます。つまり、価格決定は経済省で、補助金の方は農業省が担当しておるようでございます。ですから、もちろん経済省と農業省は価格決定について協議をして、最終的には閣議に諮るというようなやり方をしておるようでございます。
#175
○有馬(輝)分科員 通産大臣にお伺いいたしますが、こういった形でのノルウェーなりドイツなりイギリスなりでの方法を日本に持ってくる点については、また何かと問題があろうと存じますし、私たちにもそれなりの意見があるわけでありますけれども、問題は、きのうから川俣分科員からも非常に詳細な質問が行なわれておりまして、国内の各肥料会社の現在までの企業努力というものについては、いろいろ通産省としても検討をしていらっしゃいますし、また肥料審議会等におきましても綿密な検討が加えられておるわけでありますが、もちろんその製法によりまして、電解法なりいろいろ企業努力にも問題があろうと思いますし、また原料面等においても、これは年々――年々というよりも月々進歩しておる技術の中で、私は一つの限界があろうと思うのです。問題は、先ほど経済企画庁長官にもお尋ねいたしましたのもそういった角度からなんですが、やはり各会社に対しまして、生産者価格をできるだけ下げて、農民に安い肥料を供給するという努力も、必然これは今後熾烈に続けていかなければならないと思いますが、それには一つの限界がある。とすれば、ほかに新たに何らかの措置を講じなければ、なかなか農業の伸びというものは期待し得ないと思うのです。特に肥料の生産者価格に占める比率というものが高い。これはもう、アメリカや今申し上げましたドイツなんかに比べましても、ドイツの八倍くらいも使っておるかと思うのですが、そういう日本におきまして、この肥料に対する特別な措置というものがあってしかるべきだと思うのでありますが、通産大臣としてのこの点に対するお考え、また、現在までこういった面について検討された経緯があるかどうか、あわせてお聞かせを願いたいと思います。
#176
○椎名国務大臣 各国の肥料需要家に対する補助は、今説明をした通りでございますが、日本のただいまのバルク・ライン方式による肥料二法のもとで行なっているやり方と比べて、はるかに商いものであると考えております。日本のただいまとっておるこの方式では、おのずから限度がありまして、あまりに生産者に苛酷な値下げをするということになりますと、もうそれ以上の合理化の実施もできないということになって、卵がほしさのあまり鶏がやせるというようなことにもなるおそれがある。従って、さらに肥料問題を取り上げて補助をしようとするならば、他に別途何らかの再発をしなければならないということは、われわれもそう考えられるのでありますけれども、まあ大体において、これは主管省が農林省でございまして、今まではこのバルク・ライン方式によってまずまずというところできておるわけでございます。各国の実例に徴して、決して日本のとっておる程度が十分とは言えないかもしれません。まあかように考えております。
#177
○有馬(輝)分科員 簡明でけっこうでございますが、今秋がお尋ねしましたように、他の方途を考えられたことがあるのかないのか。あるとすればどのようなことを考えられたか、その点だけをお聞かせを願いたいと思います。
#178
○椎名国務大臣 農林と通産との間において協議したことがあるそうでございますが、いずれも結論に達しないで現状のままになっておる、こういうことでございます。
#179
○有馬(輝)分科員 農林省から振興局長見えていますか。
#180
○三浦主査 肥料課長と普及部長が来ておりますが、振興局長を呼びましょうか。
#181
○有馬(輝)分科員 いや、肥料課長でもけっこうです。
 課長にお伺いしますが、今の点について結論に達しなかった隘路といいますか、また、積極的な意思がなかったのかどうか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
#182
○太田説明員 一応農林省といたしましては、現在の硫安対策につきましては御承知のように、肥料二法がございますので、肥料二法に基づいた合理化計画というものを徹底的に進めることによって、御承知のように年々硫安価格の値下がりも見ているわけでございますので、一応ただいままでのところでは、その方針を少なくとも昭和三十八年度までは続けて参りたい、かように考えておるわけでございます。
#183
○有馬(輝)分科員 今、年々下がっておるとおっしゃいましたけれども、それは相対的な意味で、だろうと思います、他の物価との関連で。しかし、私は、冒頭で申し上げておりましたように、肥料の農家に対する負担は、非常に大きいものです。それに対してやはり抜本的な政策が講じられなければ、もう所得倍増どころか、私のところなんかでは、農家はボーダー・ラインにあって、とにかくニコヨンに行きますか農業を続けていきますかと、その境目をふらふらしまして、そうしてどうもならぬ連中が手をあげて、大阪あたりに出て臨時工になったり、その日の仕事をやって、農業を投げ出しておるのですよ。これについて二、三日前に農林省にお伺いしましたところ、いや、二次産業なり三次産業のなかなかいいところに就職しておる、池田さんのおっしゃるように、他に就労の機会はずいぶん国の生産が伸びてあれしておるのだからというようなお話でしたけれども、とにかく農業が企業として成り立つなんということは、ほんとうに遠い夢なんです。それに対して五円、十円のあれでは、もうこれは手当にならないのですよ。ですから、やはり農林省あたりか――今通産大臣、企画庁長官は、これは農林省のことだからとおっしゃいましたが、やはり農林省も積極的な意欲を出さなければ、通産大臣も企画庁長官もほおかむりしてしまうのですよ。やはりそこら辺について、現状を続けていこうというのじゃなくして、いま少しこれは御研究をいただきたい。これは生産価格の問題もありますし、また購入物資の問題もあります。こういった総合的な施策がただまんべんなく例年のように続けられるという形じゃなくて、ほんとうに一歩を踏み出すという意欲のもとに手がけられなければ、決して農業の他産業に対する格差というものは是正、できない。お手上げだ。こう考えるわけです。そういう点について一つ御努力をいただきたいと思います。と同時に、今申し上げましたように、両大臣ともただ調整の役に回る、あるいは農林省から言ってきた場合に御相談に応じましょうということではなくて、せっかくの御配慮をわずらわしたい。二・八%伸びるなんということを言っておりましても、他の産業がどんどん伸びていく、物価が上がるということで、その伸びも決して農家の所得の増になりはしないのですよ。そういう点について、ぜひまたいずれ機会を改めまして具体的にお伺いしたいと思いますから、御配慮をわずらわしておきたいと存じます。
 ちょうど約束の時間が参りましたので、私本日の質問はこれにとどめておきたいと思います。
#184
○三浦主査 先ほど保留されておりました経済企画庁長官に対する加藤君の質疑を許します。ただし、これから先の時間との関係もありますから、簡潔にお願いいたします。
#185
○加藤(清)分科員 わかりました。
 私はこの際、先ほど留保になっておりましたところの経企長官に対する質問をかいつまんで申し上げたいと存じます。実は、前におっていただきますと、経過がよくわかったと思いますけれども、時間が短こうございますが、趣旨がわからないといけませんので、簡単に趣旨だけを申し上げます。
 問題は、このあなたの方でお作りになりましたところの国民所得倍増計画に関してでございますが、これによりますれば、基準年度から十年たった後には、市場構造において北米及び欧州では四倍以上にするのだ、それから商品構造において、繊維に関する限りは、八・八億ドルの基準年次から、目標は一七・二億ドルにするのだ、こう書かれているわけでございます。そこで私が要求したいのは、これのスケジュールであります。なぜかなれば、きのうきょうの市況はあなたがよく御存じの通りでございますが、事アメリカ貿易に例をとってみましても、安保条約が結ばれまして以降、IMFのサゼスチョンとかあるいはガットの要求によりまして、貿易の自由化が行なわれようとしております。その内訳を米国にとってみますと、米国から輸入を日本に要請されている品物は非常に多い。そこで日本政府は、今後の貿易の自由化のスケジュールをきちっと組んでおるようである。ところが、事アメリカの状況はどうかというと、そうではない。輸入の制限が次々に行なわれている。過去の貿易収支の実績を見ましても、一九五二年以降から今日に至るまでは、たった五九年一年を除いては、ほとんどマイナスである。そのマイナスの金額は大体四億ドルである。こういう状況のもとに、ドル防衛措置によるところのICAあるいはAPAの特需は減少せざるを得ないであろうという予測が立っている。貿易の帳じりの赤字を埋めていたのが特需であった。それで大体とんとんになっていたわけだ。ところが特需の方も先細りを予想しなければならない、こういう状況下にあって、なおきわめて心配なことは、アメリカの対日輸入制限の現状はとながめてみますと、すでに御存じの通りなんです。過去五年にさかのぼってみますと、アメリカの綿織物の輸入量というものは、あの当時から比較して二倍にふえている。ところが日本は自主規制をした、そのおかげでどんどん減っていった。三分の一以下に減っている。金額においても二分の一以下に減っている。その間に他の国々はわっと殺到してふやしている。こういうことなんです。ところで、毛製品に至ってはもうひどい拒否なんだ。特に今度は労働組合が、全米の農業関係、工業関係の全組織に指令を出している。そうして拒否に出てきた。その結果、すでにキャンセルが十五万スクエアも出てきている。輸出ちょっと待った、それでなければ急げというものが四十五万スクエアも出てきている。こういう現状なんです。これはやがて燎原の火のごとく伸びて、伸びて、トランジスターからタイルから合板に至るまで次々と伸びていっている。名古屋あたりで合板会社で、ぶつ倒れた会社もあります。タイルも弱ってしまって、労働者の賃下げはもちろんのこと、首もだんだん切らなければならぬじゃないかということが起きてきているということで、社会不安を醸成している。そういうやさきにあたって、輸入制限運動のため現在輸出数量の規制を行なっているものが、あなたの御存じの通り、まず十指に余っている。現在輸入制限が問題になっているもの、これも十指に余っている。労働団体によってボイコットが行なわれる、このことが燎原の火のように伸びてきている。こう考えて参りますと、あなたはこの間、十二月の赤字一億ドルぐらいはそう心配なことじゃないという答弁書を出していらっしゃるようだが、一体あれが心配なければ、それじゃいつの日に黒字に転換していくのか、特に、日米間の貿易の帳じりはいつの日に黒字になるであろうか、これをおっしゃっていただくことが社会不安や労働不安を解消するのみならず、あなたたちのおっしゃっていらっしゃるところの所得倍増に対して国民の夢をつなぐことになると思う。相手方が数字、数量ではっきりしてきているのだから、この際日本側もこれに対してはっきりとしたスケジュールというものがなければならぬはずではないかと思う。さしあたって、当面の問題に対するところの対策と、それから所得倍増計画の目標に達するために、つまりアメリカや欧州等高等圏内に対しては四倍増にするという、それはもう始まっていなければならぬ。ことしの予算から組まれていなければならぬ。そのスケジュールをお示しいただきたい、こういうことです。
#186
○迫水国務大臣 アメリカが日本の輸出に対してとかく意地の悪いことをしているということはいろいろ新聞等にも出ておりまして、事実のようでございますが、対米の輸出の実績を過去にさかのぼってみますと、歴年でございますけれども、昭和二十八年は一億二千六百万、二十九年が二億七千七百万、三十年が四億四千九百万、三十四年に至りますと十億三千万、三十五年が十億八千万、こういうふうに近々十年足らずの間にほとんど四倍にふくれ上がっておりますので、こういうようなことがアメリカのいろいろな意地悪を招く一つの原因になったのかもしれないと実は私は思うのであります。そこで、今加藤さんおっしゃられましたように、当面いろいろアメリカについては問題はございますし、ことにアメリカのドル防衛の問題と直接関係があるかどうかということは、私は必ずしもそうは思いませんけれども、アメリカの景気の後退をしておりまする状況が、率直に言いまして、一月あたりのケース、諸々の指標を見ますと、私が頭の中に描いておりましたアメリカの景気の下がり工合とは、やや私の想像の方が甘かったなということは率直に思います。しかしそういうような関係で、当面アメリカとの貿易というものは、私は決して楽観をすべき状態であるとは申しませんけれども、何しろ所得倍増計画、これから十年先の話を考えているのでありまして、このところちょっと工合が悪いからもうとても四倍にはなるまい、四倍になるというなら、これから先毎年こうなるのだ、毎月こうなるのだというスケジュールを示せとおっしゃっても、これはできない相談だと思うのです。この四倍という数字が出ました計算の根拠は、私がここで御説明をする能力はありませんけれども、それぞれ専門家がアメリカの所得増加の状態あるいは日本における生産の状態あるいはそういうものをいろいろ考えて、大体こういうことにはいくだろうということで考えていたのでありまして、すでに三十五年が十億八千万としますれば、四倍でなくて三十五年から起算すれば二倍になっているわけで、私はこういうことは不可能なことではなかろうと実は今でも思っております。それじゃスケジュールを示せ、こうおっしゃってもできない。しかし当面一月の九千九百万ドルという赤字が出ました。これは一体日本の国際収支はいつから黒字に経常収支が変わるか、こういうことについては、こういうところで申し上げるのはどうかと思いますけれども、私一流の思い切ったことを申し上げて恐縮でありますけれども、私は六月までは経常収支の赤はなくならないと思います。場合によっては六月ごろになると、総合収支さえ赤になるのじゃないかとさえ思っておりますが、そのことば日本の国際収支の状態から、経済の全体から見てちっとも心配することはない。軍司令官は前線の損害を見ても、やや大きいなと思っても、西部戦線異状なしという報告をするという勇気を十分に持っておるということを申し上げておきます。
#187
○加藤(清)分科員 さすが戦時中統制物価の問題について辣腕をふるわれたあなたのことでございますから、かりに負けても負けてもなお西部戦線異状なしとお答えになるのは無理からぬことだと思うのでありますが、ここにせっかく作られましたところの所得倍増計画、これが絵にかいたもちで終わっては相ならぬと思います。それはなるほどスケジュールがそのつどできないとおっしゃれば、これはやむを得ぬと思います。しかし少なくともでき得ることは何かと言えば、当面の赤字をいかにして解消するか。またその赤字の原因となっているところのアメリカの対日輸入の制限運動に対して、可及的すみやかに手を打つというくらいはすでに行なわなければならぬ状況ではないかと思われるわけでございます。特につい先だって就任なさったばかりのケネディ政権すらも、なお閣僚級五人もこの対策のために投入して、審議答申させるところの特別委員会を作られたはずでございます。それよりも以前から経企の大臣をやっていらっしゃる長官は、当然のことながらそれに対する対策があってしかるべきである。もしないとするならば、失礼ながらかつての将軍老いたりと言わざるを得ないのでございます。
 そこでもう一つ問題になります点は、IMFあるいはガットその他からの要求によって、今後の自由化スケジュールだけは事こまかにできておるようでございます。買いの方は事こまかにできておりながら、売りの方ができないとなりますと、これは遺憾ながら片手落ちと言わざるを得ないのでございます。そこで倍増の問題よりも何よりも、まずそれではその手始めとして、買いの方だけはわかった。買いの方は出ている。それじゃ売りの方は、一体アメリカに対しては何品をどの程度売るのか、もっと突っ込んでいけばいよいよ五カ年間のあの綿織物の制限はこれで終わるわけなんです。新しく契約を結ばなければならぬ。さすればもう準備があってしかるべきなんだ。正直者がばかを見て、金額において二分の一以下、数量において三分の一以下に減らされた今日、他の国々は十六倍にふえている国がある、香港のごときは。それを指をくわえて見ておっていいのか。これは業者の自主規制ということに相なっておりますけれども、これは政府間において行なわれたところの協議によってワクをはめられたわけなんです。スケジュールが言えなかったらせめて目の前に迫った、足元に火のついたこの火の粉くらいはどうやってお払いになりますか。
#188
○迫水国務大臣 先ほど気炎を上げ過ぎまして西部戦線異状なしということを言いましたが、そのときに負けても負けても異状なしという、ちょうど昔の大本営発表のようなことを思い出したような気がいたしましたが、私はそういう必勝の信念だけで言っているのではなしに、いろいろ経済企画庁の力を動員しまして、あるいはアメリカの状態を判断して、下期にはこれが回復してくるという前提のもとに申し上げておりますので、決して東条流の必勝の信念だけで言っているのではないことを、ちょっとお断わりをいたします。
 それからもう一つ、最後にお尋ねになりました買いの方はスケジュールがきまっているとおっしゃいましたが……(加藤(清)分科員「自由化のスケジュール」と呼ぶ)自由化のスケジュールはきまっておりますけれども、それでアメリカから、どういうものを幾ら買うというスケジュールはきまっておりません。つまり貿易を自由化するという建前の問題はきまっておるのでありまして、従って対米輸出というものに対して何をいつどういうふうにして輸出するかというスケジュールはきまってないじゃないか、それは並べることの方が、理屈を言って済みませんけれども、私は少し無理じゃないかと思います。同時に、最後に申し上げたいことは、対米輸出の問題というのはそれこそ通産省の本務でありまして、私たちはそのうしろの方にいるのでありまして、アメリカとの交渉をどうするか、そういう計画を見通さなかったのはけしからぬじゃないか、それをどう処理するのかということは、隣におります通商産業大臣にどうぞお聞きを願いたいと思います。
#189
○三浦主査 いかがですか、もう……。最後に一問だけ……。
#190
○加藤(清)分科員 これで終わります。
 それでこの問題はあなたの答弁ではきわめて不満足であります。入るをはかって出るを制するのが初歩の経済学だそうでございますが、その出ることばよくわかったが、入ることがわからないというようなそういう計画では、遺憾ながらこれは承服できない。
 そこでもう一点だけ、これも先ほど通産大臣にはちょっと触れた問題です。お答えがなかったのですが、所得倍増があなたたちの一つのりっぱなスローガン、私も大賛成、社会党といえども所持倍増については反対はないのです。ところがこの所得倍増の前に物価が一足お先に御無礼しておるというようでは、この所得倍増も計画倒れと言わざるを得ない。そこで一体物価が高いか安いかという問題についていろいろお尋ねがあり、お答えがあったわけでございますが、常に政府側の答弁は卸売物価指数に例をとってお答えのようでございます。そこできょうは私も卸売物価指数を調べて参りました。ところがこれがまたまことに奇妙なことに、日本の卸売物価指数と日本から輸出されまするFOB価格、いわゆる卸売物価を並べてみますと、輸出の方だけはぐんと安くて、内地の卸売物価は非常に高いのでございます。一例が先ほどここで論議されていた肥料価格でございます。手編み毛糸でございます。手編み毛糸のごときは、卸売物価と輸出価格と比較してみますと、日本の卸売か大体二千円程度――これはこの前の話の続きでございます。ところが輸出は千五百五十九円程度でございます。まさにこれは二五、六%の相違があるわけなんです。ところがこれを内地の小売物価指数と比較いたしますと、八〇%以上の相違があるわけでございます。他に同じような例はウォッチ、カメラ、ミシン、みなこれしかりでございます。生産財の方に例をとってみましても、銅から鉄あるいは化学薬品その他、いずれをとりましても――時間かないから簡単に端折りますが、二〇%から二五、六%、開きの少ないものについても一一、二%はあるのでございます。ただ内地の卸売価格と輸出とがさほど開きがないと思われるのがわずか綿製品あるいは人絹、スフ製品でございます。一体これでもってはたしてよろしいのか。さなきだにガットの方からはチーブ・レーバー、レーバー・ダンピングだ、こう言われている。アメリカの日本製品排斥の運動の理由を先ほどあなたはおっしゃいましたけれども、一つ忘れたことがあるじゃございませんか。今度のきっかけになりましたところの既製服は一体幾らで売られていったとお思いなさる。十ドルですよ。三千六百円。日本流に考えたら仕立賃にもならぬ。なぜそのような安値で売らなければならないのか。労働者を苦しめ、自分の利潤を少なくし、なおかつ出血輸出を続けなければならないのか。この点について長官の信念ある答弁を願います。
#191
○迫水国務大臣 いろいろお述べになりまして、私、啓発されるところ非常に多かったと感謝いたします。全くそのことはよく言われていることなんで、何で日本の連中は競争して不当に安い値段に落として、そうして向こうから排斥をされるようなことをするのだろうかということは始終聞くことなのでございますけれども、それがどうもうまくいかないというところ、どういうところに欠陥があるのか、私ももう少し勉強さしていただきたいと思いますので、通産省とも十分に連絡をとりまして、この次というか、しばらくたってから加藤さんにお目にかかったときに、もう少しいい答弁をしたいと思います。それまで少し勉強をさしていただきたいと思います。
#192
○加藤(清)分科員 これで最後にしますが、もちろん、内地物価が国際プライスに比較して高いものは、輸出市場で競争する場合には国際プライスにさや寄せをしなければならないから安くするということもわかります。ところが、もしそれでありとするならば、アメリカからそれほど排斥を受けて、なお頭を下げなければならぬ理由はないはずなんです。ここに問題があるわけなんです。常に内地の物価をつり上げてそこでもうけて、そのもうけのさやで出血輸出を補ってもなお市場を確保し、あるいは市場を開拓しなければならないところの日本の貿易商あるいはメーカー、この苦しみ、その苦しみは、やがて低賃金――テープ・レーバーと言われつつもなお、たたかれながらもその手にすがって働かなければならぬ勤労者の涙となっておる。その詳細についてはいずれ品目別にやりたいと思いますが、長官と大臣の誠意あるこれに対する御答弁を願いたいのでございます。――その結果、輸出業者やあるいは国内の労働者のみならず全消費者は、余分に高値で買わされているのです。ここに物価高を呼ぶところの原因がある。所得倍増の前に物価が先に行ってしまう。それじゃ何もならないじゃないか。そういう通商政策、特に貿易指導の政策のあやまちは、やがて国際市場において日本品を排斥されるのみならず、その結果は内地において物価高を呼んで、内地の消費者に犠牲を背負わしておる、こういう結果に相なっておるわけなんです。ポンド千五、六百円で買える手編み毛糸を二千七百円で買わされたり、一万円前後で買えるミシンが二万円で買わされたり、とどのつまりは日本のカメラは日本内地で買うよりは、香港で買ってきた方が安いからというので、日本製品が外遊してきた人のみやげとなって香港から返ってきている。同時にそれは、やがて貿易面においては逆戻り輸入になりこれが通関なりあるいは関税違反を起こしておる。これが例年のように累積されてきている。それを一体どうするつもりなんです。これを解消せずして所得倍増の、輸出振興の、と言うてみたところで、その輸出振興は常に国民の犠牲において行なわれておると言わざるを得ない。
#193
○椎名国務大臣 だんだんと中小企業の分野におきましても、一般の経済の上昇につれて、なかなか人を獲得することができないような条件のもとで、どうしても中小企業自身においても待遇条件を向上させるとか、しからずんば機械力によって人手を省くというようなことを情勢上しいられておる。従って、だんだんいわゆるチーブ・レーバーといったような、従来非難された面が少なくなってくるのではないか。ことに貿易の自由化によりまして、だんだん物とともに人の問題も国際的になってくる、こういう情勢になっていくのではないかと思われます。われわれは、いずれにしましても、中小企業におけるテープ・レーバー、給料が非常に低いという点はどうすれば是正することができるかといいますれば、やはり生産性の向上以外にないのじゃないか。生産性の向上があって初めて賃金その他の待遇条件も改善されるのであります。今の状況は不幸にしてごく零細企業は、普通の企業の四分の一くらいの生産性しかない、こういう状況でありますから、やはり根本にさかのぼって、日本の中小企業の体質改善、近代化というものに努力をいたしまして、根本から改善をしていく、こういうこと以外にはないように思われます。
#194
○迫水国務大臣 これから倍増計画よりも先だって物価の方が上がるということは、これは私は絶対にないということは、もう一ぺん繰り返してここで申し上げておきます。消費物価は若干の上昇があるであろうということは、これはまた物価の別の問題のときに申し上げますが、ただいま輸出価格と国内相場の問題、非常に深刻なお話がございまして、私その問題もう一ぺん一つしっかり考えてみたいと思います。そこにあるいは物価を上げるのでなしに、逆に国内物価を下げる一つのかぎがありはしないかということをお話で感じましたので、その物価の面からいって、もう一ぺん少し時間をかしていただいて、勉強をいたしたいと思います。
#195
○加藤(清)分科員 それでは、きょうの答弁は両者ともきわめて不満足でありますが、幸い経企庁の長官はまじめにこれと取り組む、そうしてこれの打開策を講じたい、こういうお話でございますので、後日に譲ります。
 一つ宿題でございますが、先ほどお尋ねしたのに対しまして答弁がなかった。ほんとうは、私は答弁があるまでここですわり込みたいのでございますけれども、同僚議員のためにそれはいたしませんが、すなわち、アメリカの労働組合が日本商品をボイコットする、それを決議して実行に移した、その結果日本の輸出がとまった、クレームとして返ってきた、こういうことは、はたして安保条約第二条、ガット精神、これに合っているかいないか。私の調べでは、先ほど申し上げましたように、日米友好通商航海条約のその前文及び十四条の第一、第二、第五項、これに違反する行為だと思いますが、これを一体法的にどう解釈するか、これをぜひ一つ調べていただきたい。また日本の商法第五百二十四条によれば、かかる場合は、倍額請求が可能なはずでございます。悲劇を受けたところの業者あるいは労働者に対して、一体政府としてはどのような措置にいずるか。またこの問題はアメリカ国内法、すなわちシャーマン法及び米国のその他の国内法、たくさんありますけれども、それの違反のおそれが十分にあるが、それは一体調査済みであるのかないのか。と同時に、このことはやがてアメリカの経営者側とアメリカの労働組合側とが結んでおりますところの労働協約、これにも関係を生じて参りますことでございますから、これなどをよく一つ御検討の上、今度こそは答弁ができなかったということのないように、答弁のみならず――私は答弁が迷おうが迷うまいが、そんなことは問題じゃない。この結果日本国民が悪影響を受け、業者が困り、そこに働く労働者が首を切られていくということに心を痛ませると同時に、もっと大事なことは、そのことがやがて日米友好の精神に反し、ケネディさんの言うところのあのリンカーン精神に反するような空気が国内に醸成されることをおそれるものでございます。私どもはあくまでアメリカとも、中ソとも仲よくして、わが国が発展することをこいねがってやまないものでございます。
 以上、その趣旨に沿って御検討の上、実行に移されんことを希望いたしまして、質問を終わります。
#196
○三浦主査 次に滝井義高君。
#197
○滝井分科員 私は少し目新しいことを尋ねたいのですが、それはさいぜん迫水長官がおっしゃった、内閣には消費者を代表して内閣で発言をする人がいない。そこで経済企画庁としては、政府の中でひとり消費者の代表としていろいろ発言をしているのだというお番葉があったのです。それほど日本には事業主とか企業とか生産者の行政はあるけれども、消費者の行政というものがないわけです。そこで、少し消費者の行政についてお尋ねをしてみるわけですが、迫水長官としては、今後の日本の消費者行政というものをどういう工合にお進めになろうとお考えになっておるのか、これをまず明らかにしていただきたいと思います。
#198
○迫水国務大臣 消費者行政という言葉は前からある言葉でございましょうが、実際そういうことに立ちました場合にどういう内容をやっていくか。たとえば経済企画庁におきましては、今回国民生活充実のための委託調査費として一千万円の予算がとれましたし、また審議会の予算もとれておるのでございますが、私としましては、消費者行政の本来というものはどうあるべきかということを考える前に、この委託調査費をどういうことの目的に使うか、あるいは審議会というものをどういうふうな立場で運営しようかということを実は考えている。そっちから入っていきたいと思っております。学問的にはあるいは全般的に消費者行政とはいかんという理論的なお答えをするのには、私もまだ勉強が不足でございますけれども、当面の対策では、委託調査費というものをどういうふうに使っていくかということについては目下いろいろ研究をいたしておりますが、何と申しますか、今の消費者というものはとにかく泣き寝入りで、何か言いたいけれども、また自分としてはある品物なら品物を買った、あるサービースならサービスを買ったとき非常に不満であったけれども、まあ泣き寝入りになってしまうという場合がずいぶんあるのじゃないか。この消費者を泣き寝入りさせないように、何かそこに一言言えるという仕組みを考えたら、消費者の立場というものが非常に明らかになってきて、それを行政の上に反映していくということができるのじゃないか、こういうふうに考えて、そういうようなものに若干使ってみたいと思っております。
 もう一つは、やはり物価の問題というのが何といったって重大な問題でありますし、物価の問題というものを検討していきます場合には、先般予算総会においても問題になりましたが、消費者物価指数というふうなものが非常に問題になると思いますので、この消費者関係の物価を的確に判断する方法、もっと端的に言えば、消費者物物価指数のあり方といってもいいかもしれませんが、そういうようなものを調査研究するのに使ってみたい、このくらいのことを今考えているところでございます。
#199
○滝井分科員 非常に適切な、わが意を得たりという御答弁をいただいたわけですが、実はCPIとかCPSというようなものをいろいろ内閣で御発表になっておるのですが、そういう消費者物価指数なんというものは、現実に第一線で台所を切り盛りしている主婦にとっては、全く架空のものなのですね。どこからか集めてきたものの平均です。そこで私はきょう質問をするために、二、三の主婦に頼んで、昭和二十四年以来現実の台所で一体どういう工合に品物が上がってきたのかということをやってもらったのです。二十四年一月から現在までの間で、実際に主婦が同じ店で同じような品物をずっと買っていって、月にどの程度の家計の支出増になるかということを調べてもらいました。ところが今まで現実に値上がりをしたものだけで二千四百六十四円になっておる。ところが今後政府が値上げ案を出されておるもの、国鉄、私鉄、電気代、郵便小包、水道料金、都電、バス代、バター代、牛乳代――きょうから牛乳が一合一円上がるらしいのですが、こういうものを今度やってみますと、これは五百七十円になるわけです。そうすると、この前予算委員会でちょっと質問をいたしましたが、迫水さんの力の御説明によれば、物価は一・一%しか上がらぬ、こう言っておったわけです。ところが三万円の標準家族の家庭で見ますと、五百七十円というと一・九%上がっているわけです。これがもっと低い家計になると、もっと上がるわけです。それからもう一つ、正確にするために他の人に頼んで手に入れてもらってみたのですが、世田谷の保健所で五人世帯の献立を作っておるわけです。それによりますと、三十五年二月で五人世帯の夕食なら夕食は材料二百円でできたのです。ところが今日、それを同じ献立で同じ店で同じ材料を買ってやってみますと、二百六十五円になる。三割上がりました。私はこのほかにも各単品を全部ずっと調べてもらってみた。もちろん下がっておるのもあります。たとえば卵なんかは、最近非常に養鶏が盛んになってきて、昭和三十三年は四百グラムの卵が九十五円だったのが、三十四年が九十八円、去年は八十五円と下がっておるのもありますが、単品をずっと見てみますと相当みな上がってきておる。こういうものは生活必需物資でございますが、それが現実には非常に上がっている。CPIとかCPSといったって、それは架空の数字ですから、現実に買っているものではないわけです。経済を論議する場合にはそれでいいかもしれませんが、現実に生きている人間の生活の場面になると、それでいくと大へんな間違いができてくるというわけです。そういう意味で、今あなたが言われるように、泣き寝入りをしないで何か一言言っていけるところがやはり必要だと思う。徒然草の兼好法師じゃないけれども、もの言わぬと腹がふくれます。腹がふくれると何か社会不安が起こる。だから不平はどこか窓口を作って言わしてもらう。こういうことが消費者行政にやっぱり一番必要なことじゃないかと思うのです。従ってそういう意味であなたがそれをやられることは非常にいいと思うのです。ところが最近の年産者の側の状態を見ると、まず家庭用の電気器具類のメーカーの競争、これを見ると、実にでかでかと新聞広告をしていますね。それからテレビ等を見ると、このPRというものにばく大な経費をかけてやっているのです。そういう莫大な経費をかけてあれだけの宣伝をやり広告をやるならば、一体アフター・サービスについてどの程度のものをあの会社はやっているのか。これはちっとも考えていないのですね。これは通産省としては、どんどん大きな電気メーカーにお金の世話をしよう、一つできるだけ安い品物を作って輸出をして外貨をかせいで下さい、こうなるのだが、池田さんも言われるように、日本でできた生産物の九割というものは国内消費なんだ。そして一割が輸出品なんです。きょう新聞で発表された今度の経済見通しでも、設備投資というものはもう伸びないのだ、今後はやはり国内消費というものが日本の生産をまかなっていく、経済拡大の重要な一番の要素になるのだ、こうおっしゃっておるわけなんです。そうしますと、やはり消費者に対するアフター・サービスくらいは企業にしてもらう体制というものが必要なんです。そういう点については通産省は一体どういう指導をされていますか。
#200
○椎名国務大臣 消費者行政の体系としては、まだ日本はまことに幼稚な段階にあることは、経済企画庁長官からお話があった通りでありますが、それじゃこういう方面について全然なかったかと申しますと、そうでもない。たとえば繊維製品の品目を表示する制度、あるいはまたこれも完全じゃないので拡大しようとしておりますが、さらにまた今お話のありました電気用品の安全確保の点から、まず少し消費者の方に自覚を促したいという段階でございます。そしてその方法についてはただいま具体的な対策を考究中でございます。進んでアフター・サービスの問題等についても、これは業者に対して呼びかけるということよりも、むしろ消費者の自覚というか、消費者の方を教育いたしまして、消費者がどういうものを買えばあとあとまで安心してそれを使うことができるかというような商品に対する一つの教育、そういうものも同時にやっていかなければならぬものだと思うのであります。今規格協会というのがございまして、いろいろな工業品の規格、いわゆるJISマークを制定して政府と業界との中間に立って普及宣伝に努めておりますが、このJISによる規格をもう少し消費財の方にも拡大強化していくならば、それによって生産者は生産をする、消費者はその規格を信頼して物を買う、こういったようなことになりますので、そういうような従来とも行なって参りました方面をこの際強化拡大して、生産者も勉強する、消費者も同時にそれらに対する知識を得て選択上誤りなきを期する。このためにはさらに進んで、今日本生産性本部に消費者教育活動に関する施設がございまして、これに対して政府はほんの申しわけばかりに百万円くらいの補助金を計上しておりますが、この生産性本部において相当の資金を集めてこの運動に当たるということになっております。ただ消費者教育というばかりでなしに、広く日常生活に必要な商品情報を集めてこれを頒布する。場合によってはあるいは商品テストも行なうというところまで進ませることが必要ではないか、かように考えておるような状況でございます。いろいろそういったような施策を行ないまして、生産者を鞭撻し消費者の教育程度を高めて、そうして商品の選択に誤りなきを期するようにしたい、かように考えております。
#201
○滝井分科員 最近の生産品の実態というものが非常に複雑で、そして大量にはんらんをするために、今通産大臣が言われたように、一体どれが一番安全で、規格に合って、耐久力の強いものなのかということは、さっぱりわからぬわけです。最近、主婦の読む「暮しの手帖」なんかを見ると、電気掃除機なんかを比較検討をした記事なんかが出ております。それから同時に、前の冬の号には、国産の石油ストーブなんかの精密度をテストしたのも出ておりました。しかしあの牛カンの問題ですね、カン詰の中を見てみたところが、牛カンではなくて鯨だった、あるいは馬だったという牛カンの問題以来、急激に消費者の眼が製品に対して、これは食いものであろうと日常の耐久財であろうと、向いてきたわけであります。われわれ国民生活というものは、昔ならば、われわれの衣服だって、全部自分の家で家内が一生懸命縫って作った。ところが、最近では、もうそんな縫う時間よりか既製服を買った方がいいんだ、こういう形になってきた。食いものだって、だんだんアメリカ流になってきたのかどうか知らぬけれども、インスタント料理というようなものが流行してきたわけでしょう。そうすると、衣だって食だって、非常に生活構造というものが変わってきた。いわゆる消費の対象というものは、今までみたような、家庭でこつこつ作るというような状態ではないわけですね。最近のテレビやらラジオの料理の講習を見ても、昔はどう作るかということを教えておった。今は、どう盛りつけるかということが放送の内容になっています。そういうように内容が違ってきておる。住宅だけはこれはちょっと別な問題がある。住宅だけはあとで農村等にも触れますが、ちょっと別の問題があると思います。そういうようになってきますと、もう消費というものが一発の勝負になってくるわけですね。洋服でも、もとは丁寧に生地をよって、そうして自分の家でからだに合ったものを作っておったんだけれども、今は、これが流行だと思ったら、それを買って着る。しばらく着たらさっとあとの流行のを買う、こういう形ですよ。最近、毎日新聞なんかを読んでみたら、日本だけかと思ったら、アメリカもやっぱりそういう状態が非常に顕著に出てきている。それで最近、アメリカのバンス・パッカードという消費経済学者の「むだを作る人々」とかいう本がベスト・セラーで、アメリカでは非常に売れている。それを見てみると、家なんかはもう夏と――ずっと未来のことを夢みて書いているわけですが、未来を夢みるというのは、現実にそういう要素が含まれていることを意味するわけですが、家なんかは、夏と冬の大掃除をやるときには建てかえる。それから、自動車は、もう軽プラスチックで作って、四千マイル走ったら自然に溶けてなくなっちゃう、こういう形ですね。いわゆるそこには盛んな消費と盛んな浪費が行なわれて、新しい生産が繰り返されていく。私は、今の日本の消費ブームというような傾向の中にも、そういうニュアンスというものは確かにあると思うのです。それだけに、やはり消費者というものは、よほど慎重に物を見てやっておかぬと、二千マイル走ったときにそのプラスチックが溶けたら大へんだと思うのです。そういう点があると思うんですよ。それだけに消費者の行政というものは、日本の政治の中でもう少しお客様として扱われなければならぬ部面があるのではないか。特に、経済の拡大をやっていくのに、消費の拡大というものはもう一番大きなもの、日本の生産力の拡充の非常に大きな原効力になると思うのです。ますます消費が多くなってくるのに、今それが行なわれていない。そこで、今からお尋ねしたいのは、ことしの予算の中にあるそういう消費者の行政を中心とするものについて、少し尋ねてみたいわけです。
 まず農林省ですが、日本の九千万の国民の中で、一番生活程度のおくれておる、しかも一番非近代的な生活をやっているのは農村なんですね。この農村における消費者行政というものは、農林省はどういうことをおやりになっていますか。
#202
○江川説明員 ただいまの滝井先生の御質問にお答えいたしますが、農林省といたしましては、普及事業の一環として、生活改善普及事業というものを推進いたしております。大体生活改善普及現業のねらいが、ただいま滝井先生御指摘の、農民を対象にした消費者教育とも言い得るのではだかろうかというふうに考えております。大体三十六年度予算として要求を今いたしておりますのは、生活改善普及事業関係で三億四千九百万円でございまして、まず金額としてその内容の主たるものを占めておりますのは、生活改善普及員の設置であります。要するに、御指摘の通りに、この事業はいわゆる教育事業でございますので、その農家の生活改善を教育するそれに従事する人の職員費、大体専門技術員というものを百三十八名、それから普及員を千八百五十名というものをお願いいたしまして、その分が三億一千八百万円でございます。なお、その普及員の活動のためのいわゆる施設として、オートバイ、スクーター、そういうものの設置、これを一千八百九十万円というものを計上いたしております。その次は、活動いたします際に、いろいろな普及の教育の器材を使用いたしましていろいろ普及活動を行ないますが、その器材整備費といたしまして二百十六万九千円というものを計上いたしております。なお、一般に農家の生活改善に関しましては、従来試験研究という両が非常に立ちおくれております。作業衣の問題、あるいは食事についても、特に農家の食事となりますと、農繁期における、いわゆる忙しいさなかに特に要求されるものは、保存食、そういうものがありますが、そういったいろいろな農家の生活の面についての研究が立ちおくれておりますので、そういった研究費といたしまして、これは専門技術員が研究いたします分として、三百七十四万円というものをこの普及事業の中に計上いたしております。なお、都道府県の農事試験場あるいは国の試験場、この分の研究費は、別途試験研究費として計上いたしております。なおもう一つは、それらの普及器材を利用いたしまして普及活動をいたしますが、その際に、特にいなかのことでございますので、短期の生活教室というものを開設いたしまして、一種の講習会的だものでございますが、その費用といたしまして二百二十八万円。それから、なお、今御指摘のように、こういった消費者教育というものが非常にその要請が高まって参りまして、また生活の内容も、非常に従来の生活の内容から比べますと高度化して参りましたので、まずそういった教育に従事する普及員の教育能力を高めなければならないということからいたしまして、その普及員の研修費といたしまして三百四十一万八千円というものを計上いたしております。なおもう一つ、最後は、従来一般に農村を中心にしての普及活動が主でありまして、特に漁村地帯、農漁村を対象にしたこういった普及活動が非常におくれていたのでありますが、昨年来特にその面についてのいわゆる漁家を対象にしての普及活動、その特別の普及活動費として四十二万円というものを計上いたしております。以上合計いたしまして、先ほど申し上げました三億四千九百万円というものを計上いたしております。
#203
○滝井分科員 農林省はなかなか具体的におやりになっておるわけですが、今の専門技術員百三十八名と普及員千八百五十人は、一体農家に行って具体的にどういうことを御指導になっておるのか、これが今ちょっとはっきりしないのですが、そこらの具体的な活動、どういうことをおやりになっておるのか、それを御説明願いたいと思います。
#204
○江川説明員 ただいま御質疑の普及活動の方法でございますが、農家と直接接しまして活動を行ないますのは普及員でございまして、その普及員にいろいろ教えるのが専門技術員でございます。従って一番肝心なものは普及負の普及活動の内容だと存じますが、一般に多数の農家の婦女子を対象にして――わずか千八百五十名では非常に行き届きませんので、まず活動の方法といたしましては、生活改善グループというものを育成いたしまして、そしてそういった一つの集団を対象にして教育活動をするということにいたしております。今日生活改善グループというものが一万二千くらい結成されております。それにいたしましても、なおかっこの生活改善普及の方は手狭でありますので、県を指定いたしまして、特に計画的に重点県、また県の中においても濃密指導地域というものを設置いたしまして、そして順々にいわば普及活動をやっていく、ただ非常にまんべんと薄くというような形でなしに、できるだけ徹底する意味において、そういう重点的にやっていくということであります。
 ところでその普及活動の内容でございますが、生活改善と申しましても、大体分類的に申し上げますと、衣、食、住に家庭管理、この四部門に分けております。まず衣につきましては、御承知のように農家のいわゆる作業衣というものについては、一般に特殊な作業でございますが、また従来からそういった特殊な購買力がなかなかないということから、一般の工業用などの作業衣などは相当既製品というものが売られておりますけれども、農作業川がなかなか売られてない。従って普及員が専門技術貝といろいろ研究をして、農作業向きの生活用の衣を改善というか、工夫をする、それを現実に展示したり、あるいはその展示する前の仕立て方等も、手をとってそのグループを対象にして教えていくというようなことをやっております。また食については、一般に見られるようないわゆる料理の講習会式のものを開催する。また住につきましては、従来はいわゆる一定の定められた家屋の中の、特に台所を中心にした一つの改善ということでありましたが、最近は必ずしもそういった一定のワクの中ということでなしに、住そのものの設計、構造という面についても、だんだん技術的にも進んで参りまして、それは結局非常に専門的な建築の専門技術負というようなものが得られるようになりまして、そういうことから農家の住宅そのものについての設計の指導というようなことをやっております。現に、一昨年でございますか、伊勢海台風等の災害地につきましては、連棟住宅、 しかもブロックの三階建で、一番下は作業場中心で、二階に寝起きする、そしてかりに水が来ても一応人間の生命は、脅かされない、とりあえず作業場だけの被害にとどめるというようなことにして、連棟住宅の設計指導というような面をそういう水害の危険のあるところについてはやっていく。また最も肝心なのは家庭管理でありまして、いわゆる農家の生活というものを規制しているのはやはり地方に残っております一つの因習でございます。それにつきまして、特にばあさんを中心にしましてみんなが寄り合って、その寄り合いの中に入って相談し合いながら、一つのいい事例等を中心にしてそういう因習の打破に努めていくようにいたしております。
 活動の内容は大体以上申し上げたようなことであります。
#205
○滝井分科員 農林省はなかなか具体的です。そうしますと、問題は、今言われたものの中で、住の問題です。住宅金融公庫その他がたくさんお金を貸しているのですね。ところが、今の衣と食の問題は、これは今言われたようなことでけっこうだと思います。またあとで各省との関連を聞きますが、家庭管理の問題も農村の封建性を打破するために、近代的な新しい風を入れてくることも当然です。しかし住宅の問題というものは、農村においでになると、依然としてなお玄関のすぐ左か右にお便所がある。そうしてその便所の横には牛か馬の寝るところがあるのです。いわば人間と一緒に牛や馬も寝ておるという状態です。こういう住宅の改善、いわゆる住宅のモデル設計ですか、そういうようなものが、やはり生活改善としては当然やらなければならぬと思うのですが、そういう点の御指導、いわゆる資金の融通の面と、その融通されたお金で近代的なモデル農村住宅を建てる、こういう点についてはどういう御指導をなされておりますか。
#206
○江川説明員 先ほどの説明もその辺落としまして失礼いたしましたが、資金の融通あるいは補助金を交付するとか、そういったことについては、実は私の方ではやっておりません。先ほどの連棟住宅にいたしましても、建設省と連絡をいたしまして、建設省の方から、住宅金融公庫の中に、一定の農村のそういった連棟住宅のワク分を確保していただく、また確保していただくように御連絡申し上げる。ただ農林省としていたしておりますのは、生活改善普及事業は、あくまでこれは農家を対象とした教育事業であるということからいたしまして、そういった特に水害頻度の高いようなところにつきましてはこういう設計がございます、またこれは一つの非常にいいものでございます、それには大体どのくらいの金がかかりますといったような、いわゆる教育事業の範疇にとどまっております。それ以上のことは大体生活改善普及事業の範疇でないものと私どもは考えまして、それぞれの相当の省、部局に連絡を申し上げましてやっておる次第でございます。
#207
○滝井分科員 それはあなたの所管でないかもしれませんが、住宅金融公庫からそういう農村の住宅改善のためにどの程度のお金がきておりますか。
#208
○江川説明員 数字は、私大へん失礼でございますが、存じ上げておりませんが、たしか昨年の伊勢湾台風被災地の連棟住宅を建設省にお願い申し上げる際にいろいろ教えてもいただきましたが、農村を対象にしては都市に比較いたしましてほとんどいってないというのが現状のようでございます。
#209
○滝井分科員 これはまた別の省で聞きましょう。そうしますと、大体農村における消費者行政の範疇に入る生活の改善普及はだいぶ具体的にわかってきました。
 次は厚生省です。厚生省、あなたの方には生活協同組合その他があって、しかも社会保険その他消費者の行政をやる一番中心なんですが、具体的におやりになっている問題があれば一つ御説明願いたい。
#210
○尾村政府委員 私公衆衛生局長だものですから、厚生省の行政全般がいわゆる国民共通の消費生活に関係あるといえば全部関係あるものでございますから、それからいえば厚生省の予算はほとんどがそうである。そのうちで農村にどれくらいということになると、また農村人口に関連のあるものを全部申し上げなければならないのですが、その点を申し上げるのはちょっと適当でないので、さしあたって私の方の公衆衛生局関係、いわゆる公衆衛生としての健康増進あるいは疾病対策、これの方に関係のある部面の具体的なものを二、三申し上げますと、たとえばこれは農村だけとは限りませんが、農村に中心が行くと思いますが、栄養指導車というものを、本年度府県にさしあたり二十台、国庫補助を出しまして設置する。これは補助率三分の一でございますから、二十台分国庫費は五十万円でございますから一千万円でございますが、これをもってやる。これは法律でいいますと、栄養改善法によりまして義務を負っているわけでございます。国民の食生活の改善、向上のために栄養指導員を府県が置いて、それぞれの住民の食生活改善を指導する。その手段といたしまして最も適当なものでありますので、この栄養指導車を設置する。これも、ことしから国費をもってやる事業としては新しい事項でございます。
 それから保健所、これは全国のいずれの地域もおおっているわけでございまして、これが八百ございまして、そのうちの約半数は農村地帯にあるわけで、ここに約二万二千名の補助職員が現存いたしておりまして、これが消費者といいますか、国民の衛生を中心とする生活の指導をしておるというわけでございます。これのうちの農村型という型に属する保健所の事業は、いずれも農村の生活改善に当たっている、こういうことでございます。その場合に一つの問題は、先ほども農林省の方から御説明がございましたように、これらが、国民一般を対象とするいわゆる衛生を中心とした生活指導、農村としてやっておる部面とのつながりでございますが、これは今言いましたように、私どもの方も五種類に保健所の活動の型を分けまして、農村型と都市型というふうに分けまして、農村地帯には比較的農村に合ったような編成と指導方法をやっておりますけれども、しかし、これは厚生省の立場はあくまでも国民共通の最低の部面を義務的にやる。これだけは衛生の問題からやる。さらに栄養で申しますれば、農村は農村なりに特別な欠陥を持っている。これに一そうプラスして手厚くしてやらないと、国民一般の水準に達しない場合があるものでございますから、先ほどの農村に置かれておる生活改良普及員、これが農村の事情というものとよく密着したシステムを持っておいでなので、これと保健所とを中心とする指導車とがうまく計画的に配分し合いまして、これが協力をいたしますと非常によくいくわけであります。そういう形でやっていけばいいであろう、こういう方針をとっておるわけであります。
#211
○滝井分科員 今私もいろいろ探してみましたが、厚生省の中で具体的に消費者の生活指導をやる施策としては、いわゆるキッチン・カー、今の栄養指導車以外は具体的にはないようです。保健所、これは昔からあって、何も生活改善ということ、消費者行政というものではないので、全般的な衛生活動をやっておるわけです。それは広義の消費者行政にはなるかもしれませんけれども、しかしそれは生産者にも行っておるわけですから……。問題は、この栄養指導車というものが、今農林省が御説明になった生活改善普及のこの仕事とどう一体結びついておるかということです。これは厚生省はお作りになるときに農林省と十分御相談をしてお作りになったのかどうか。あるいは農林省はそういうものができておることを御存じになっておったかどうか。
#212
○尾村政府委員 これは実を申しますと、国費をもってのものは今回が初めてでございますが、終戦後アメリカの方から借り受けまして、無償貸与を受けましたものが十二台、これは現在まで相当な実績で実は動かしているわけであります。これを府県に貸しまして、巡回さして、従来十二台だけでも年間五千回以上の講習をやっているわけであります。このほかに府県自身が設置している県は十三県ございますが、二十台、これは今まで比較的資力のある府県なりあるいは市がもうすでに設置いたしましたもので、その実績は数年以来上がっているわけでございます。ただ、これ以外に、各府県に、従来のような自主的なやり方で、自前でやるということを大いに推奨してきたわけでありますけれども、これ以上伸びない。要するに、自前でこれらを作り上げることができる県は大体作り上げたわけでございまして、それ以外のところがこれからこれによりましていよいよ活動を開始する、こういうことになるわけであります。従いまして、従来この動かし方についてはもう何年もの実績がございまして、地方のそれぞれの農村の生活改良の部局とこれらが平素から一緒になりまして、実際実績を上げているわけであります。これは部落の端々に行きまして、主婦を集めたりいたしまして講習会をやっているわけでございますが、もちろん地域によりましては必ずしも接触のよくないところもございます。これは生産物を使うものでありますから、大部分はそれぞれ地域の農協の団体等とも手をつないでいる、今までもすでにそういう実績を上げている、こういうことで最後の仕上げをする、こういう形になったわけです。
#213
○滝井分科員 この百三十八人の専門技術員が農林省の側におる。そうして千八百五十人の普及員がおって、百三十八人の専門技術員がその普及員の教育に当たっている。そういう優秀な普及員をできるだけ増加せしめるような方向で農林省の行政が行なわれていると思う。あなたの方の栄養指単車にはおそらく栄養士が乗ると思うのです。そうすると、衣食住、家庭管理――、キッチン・カーですから、衣と住は別にしても、食というものについてはそこに共通の広場を持たなければいかぬと思うのです。そこで、厚生省と農林省のこの部面に対する行政というものは、絶えず緊密に連絡をとりながらやられておるのかどうかということが当然一つの疑問点として出てくるわけですが、どうも私の見るところではそれはやられていない。たまにどこかでやられているかもしれないけれども、全体的に見るとやられていない。農林省は農林省の、いわゆる農業の改良普及事業の形でいくし、あなたの方は栄養という、厚生行政の栄養改善ということだけでいっている。片一方は生産的なものの中における衣食住の問題を見ており、片一方は人間を中心にただ栄養だけを見ていこうという形で、交錯する可能性が非常に少ないのです。こういう点が問題なんですよ。これは新しい消費者の行政ですから、私がきょうわざわざ言っているのはそこなんです。今、企画庁の迫水長官が言われたように、こういう予算をことしはとったのだが、さて審議会を一体どう連帯しようかということがまだ問題になっているくらいですから、従って、こればかり触れていると時間が終わりますから、私は簡単に略しまして、問題点だけ指摘しますが、農林省の伝統的な生活改善の普及のための経費が、昨年は二億六千万円くらいとって、ことしは三億一千万円くらいまでふえてきているわけです。これは消費者行政がある程度まで農林省では前進していることを意味すると思う。特に生活改善が一番必要だ。消費者行政で今後やはり重点的に見てやらなければならぬものは、所得の伸びの少ない農村の生活が合理的でなければならぬ。少ない所得からいい品物を買うということは、これは当然農村が考えなければならぬ。所得が少なくても安いいい品物を買えば、それだけ所得が上がったのと同じことになるのですから、二・八%しか伸びない農村なら当然そういうことが考えられなければならぬ。そこで次は通産省の部面に至りますと、まあ物を作るところだからかもしれませんけれども、さいぜん椎名大臣が御説明になった通り、とにかく消費者のための行政は、今まで繊維その他は展示会等がおありになったかもしれないけれども、国民的な規模でおやりになっているわけではない。どこかわれわれの知らぬようなところでおやりになっているので、われわれはまだそんなものは見たことはない。国民的規模で行なわれていない。しかもそれが通産省みずからがおやりになるのではなくて、何か生産性本部というようなところでおやりになっておるのだ。この生産性本部については、私たちはいろいろこれができるときから問題を指摘をしているわけです。これについてはアメリカからいろいろ金をもらったりなんかしていて問題があるとわれわれは見ておった。これについては社会党は参加をしておりませんが、この消費者の教育室か何かに百万円お与えになっているだけで、通産省自身に消費者のための行政がないということです。これはやっぱり私は非常な問題だと思うのです。そこでやっぱり作る側が今後は農村なり厚生省の側と密接に連絡をとってもらわなければならぬと思う。それがない。それから公取が最近公正取引課というのをお設けになって、これは百三十九万円ぐらいで誇大広告の取り締まりその他を少しおやりになるようでございます。そうすると問題は、農林省、通産省、労働省、厚生省、公取というものを総括的にやるところは迫水さんのところなんです。ところがここが、さいぜんあなたが正直に言って下さったので、私非常にありがたいと思うのですが、ことしもあなたの方の予算を見ますと、国民生活白書六十二万八千円、それから国民生活の審議会が百四十万六千円、国民生活の充実対策費として九百九十三万一千円おとりになっておる。ところがこの国民生活の審議会というものを今後どう運営をするかということ、それから生活の充実対策費のこのお金というものを一体どう使うか、どういうところにこれを委託をしていくかということが問題だ。今考え中だと非常に御正直な御答弁をしていただいて、消費者が泣き寝入りしないようにしたい、それから物価の問題、消費者物価指数等を検討したいという二点をお出しになりましたが、やはりこの際迫水さんの力でこういう基本的な調査をおやりになったならば、一番おくれている農林省、それから広く国民、消費舌に接触をする厚生省、こういうところと連絡をとりながら、今度は通産省の力に行政をきちっとお出しになることが必要だと思う。そうしますと、あなたの方が仲立ちになって、消費者と生産者と全部一括した行政が、予算はばらばらでも何かそこに筋の通った一括したものが出てくるのです。そういう行政を今後やってもらわないと、私は消費者というものは大へんだと思うのです。今のようにどんどん品物がたくさん出てきますと何を買わされるかわからないのです。そうして民間の一、二の「暮しの手帖」とかいうような雑誌がたまたま書いたって、そんなものは全部の国民が見るわけではないからわからないのです。どうしても消費者行政というものは、やはり大きな一つの政治のルートの上に乗せる役割をみんなが協力してやってもらわなければならぬと思うのです。生産者を代表して椎名さんの方に、全部総括的なものをやるものとして迫水さんの方へ、今のような要請をしたいのですが、どうお考えになり今後どう推進するつもりなのか、結論として答弁していただきたい。
#214
○迫水国務大臣 ただいま滝井さんは、全く私が今頭に考えております通りのことを実はおっしゃったのでありまして、この審議会を一つの土俵にいたしまして、関係各省それぞれ連絡調整をとりまして、そういう筋の通ったことをやりたい、これから私それを一生懸命に考えていきたいと思います。
 なおちょっとこの機会に申し上げることを許していただきたいのですけれども、先ほど昭和二十四年を起点とする物の値上がりのお話がございまして、主婦の方が大体同じくらいやるのに二千円よけいかかるようになったという統計を承りました。私案は非常に参考にはなったのでありますが、基準を二十四年にとるということは非常に工合が悪いのじゃないかと思って、もしできますれば例の朝鮮事変の済みましたあと……。
#215
○滝井分科員 ちょっと、それは三十四年一月から今日までに値上がったものが二千四百六十四円、それから今後政府が値上げをするというものについて見てみますと五百七十円になる、こういうことです。
#216
○迫水国務大臣 わかりました。あとでちょっと、それ少し私の方の胸算用と合わないものですから、一ぺん資料をいただいて勉強さしていただきたいと思います。
#217
○椎名国務大臣 今、繊維製品の展示会とおっしゃいましたが、そうでなくて、繊維製品の品質標示の制度をとっております。
 それから、電気用品の安全確保のために簡単な法律で検査制度を施行しておりまして、検定済みのものは検定済みの証印を帳って販売さしておる、こういう状況でありますから、これはまだ不完全でありますので、今度新しく正式の法律を作りまして、そうしてこれらの施設をもっと拡大強化して参りたい、こう考えております。
#218
○滝井分科員 とにかく消費者行政をもう少し御推進願いたいと思うのです。
 時間がありませんが、もうちょっと石炭行政をやらして下さい。
#219
○三浦主査 なるべく簡潔にお願いいたします。
#220
○滝井分科員 次は石炭政策についてお尋ねをしたいのですが、どうも消費者行政で時間をとりましたから簡単にやります。
 斜陽産業といわれる石炭産業は、今筑豊炭田におきましては、その石炭産業のいわば撤退作戦が行なわれておるわけです。これは撤退作戦をやるからには、できるだけ損害を少なく、最も合理的に撤退をしていかなければならぬと思うのです。
  〔主査退席、赤澤主査代理着席〕
その撤退作戦をやるについては、やはり政府がこの石炭生産の明確な目標というものを示していく必要があると思う。なぜならば、所得倍増計画というような経済拡大の政策というものについて、九・二%というような数字をお出しになったからには、それに見合うエネルギーというものが当然その基礎として算定されておらなければならぬわけです。それが絶えずぐらついておったのでは、石炭の生産をする側も石炭を消費する側も絶えず混迷の中にあるわけです。そこで私は椎名大臣にお尋ねをいたしたいのは、そういう意味で、一体昭和三十六年度の出炭規模というものを政府はどの程度に見ておるのか、それをまず御説明願いたい。
#221
○椎名国務大臣 ただいまのところ六千二百カロリーの計算で、五千四百八十万トン程度を考えております。
#222
○滝井分科員 三十六年度六千二百カロリー、五千四百八十万トン、そうしますと、現在御存じの通り石炭業界の情勢を見てみますと、群雄割拠と言ってはおかしいですが、三池問題の終結を契機として、石炭業界で一体出炭調整をやるのか、それともこの際野放しでいくのかといういろいろな議論が行なわれておるわけです。これについては非常に合理化の進んだ山と、そうでなくてわずかばかりの労務者に犠牲をしょわして、合理化をやらない山とのアンバランスというものは、非常に最近顕著に現われてきたわけです。従ってこういうアンバランスの石炭業界を控えて五千四百八十万トンという出炭ベースを、ワクをはめた。そうするとその内部における調整というものをやるのかやらないのかということが一つの大きな問題になってくるわけです。今まで私たちは石炭産業というものは自由企業で野放図にほうっておいたらよかったかもしれないけれども、こういう撤退作戦をやって、大きな犠牲が労働者なり地方自治体なりに及んでいる現実においては、当然これは国が何らかの調整について基本的な方針というものをやはりお出しになる必要があると思う。これはもうほうっておけば労働者にそのしわが寄ってくるのは明らかなんです。三池問題を契機として、政府は石炭政策についてはある程度責任を持つという言明をされているけれども、出炭調整をやるのか野放しにするのか、やるとすればどういう基本的方針をおとりになるのか。
#223
○椎名国務大臣 現状ではわれわれが考えておる計画数量よりも上回るのではないか、こう考えられますので、これは適当に調整をやるように指導したいと思っております。
#224
○滝井分科員 具体的にどういう工合に調整をするかということが問題になってくるわけですが、どういう調整をおやりになる所存ですか。
#225
○今井(博)政府委員 今大臣から答弁されましたように、各社の出炭計画は、なまのままでは相当大きなものになるのでありますが、われわれの方で五千四百八十万トンという程度のワクを示しまして、各社の計画を合理的にその辺の線で圧縮したい、こう考えております。
#226
○滝井分科員 割合はっきりしてきました。ぜひ一つきちっとした指導方針のもとに労働者にしわの寄ってこないようにしていただきたいと思うのです。
 そこで最近は重油が、だんだん値下がりの傾向が強くなってきたわけです。五千四百八十万トンというワクをおきめになって、重油の方の値段はどんどん下がってくる、こういうことになるとこれはなかなか問題が出てくるわけでございますが、昭和三十八年までに千二百円の値下げをやる、こうおきめになった当時においては、重油の値段は八千円くらいのベースだったわけです。ところが現実は八千円をはるかに割るという情勢が出てきているわけです。このかね合いですね。重油がずんずん下がっていく、そうして石炭は五千四百八十万トンを維持するというこの矛盾点ですね。これは当然重油に何らかの現制を加えるか、それとも石炭に何らかの手を加えるか以外に方法はない。しかし、石炭はことしはもう五千四百八十万トンと一応きめて、そうして業界の調整をおやりになる、こうきめたからには、もう手をつけることは重油をどうするということにしかほかに残らぬと思う。重油に対する対策は一体どうお考えになっているかということです。
#227
○椎名国務大臣 大口需要者すなわち鉄道あるいは製鉄、セメント、ガス等、四、五の部門がございますが、この四、五の部門にただいま折衝中でありますが、大体において重油の値段のいかんにかかわらず、一定の引き取り義務量というものをきめまして、そうしてそれを引き取る。どういうことがあってもこの限度は引き取る、こういうことに結論を持っていこうとしております。その結果、大体全数量の六〇ないし六五%ぐらいは消化できてしまう、こういうことでございます。そのほかに、産炭地においては何と言っても石炭の方が有利であるという場合が多々ございますので、その使用見込みも見込むことができるし、その他いろいろの努力をしまして、全出炭の消化を私ははかって参りたいと考えております。
#228
○滝井分科員 これは迫水さんにこれからお尋ねすることになるのですが、今通産大臣が大口需要者、鉄鋼とかセメントとかガス、おそらくそのほかに電力があると思いますが、そういうところに、重油はどんどん値が下がっておるけれども石炭の六割ないし六割五分は引き取ってもらう、こういうことをおっしゃったわけです。そうしますと、その面からセメントなりガスなり電力の値上がりがくる可能性が出てくるわけですが、その分の心配は、企画庁として吸収できて心配要らぬ、こういうことを考えてよろしいですか。
#229
○迫水国務大臣 非常に抽象的なお尋ねでございまして、つまりもし石油を使えば安くなるであろうと思われるところのものを、石炭を使うことによってその分だけ安くならない。その安くならない分は考えに入れているかという御質問でしょうか。――その部分が高くなるということは私は考えられないと思うのですが、将来もっと石油を使えば安くなるであろうというものが安くならないで、石炭ではあるところでとまっているという状況になるんじゃないかと私は思いますが、そこのところをもう少しよく勉強してもよろしゅうございますが、ちょっと私は今御質問をとっさに考えるとそういうふうに思います。
#230
○滝井分科員 石炭の値段は千二百円三十八年までに引き下げるというときには、重油の値段が昭和三十六年ぐらいには七千円台になろうとは夢想だにしなかったのですよ。ところがそれが七千円台になってしまったわけです。ところが石炭の方は五千四百八十万トンは三十六年度には掘ります、そうして業界の調整もやりましょう、今答弁でこう言ったわけです。そうしますと業界の調整をおやりになるならば、油の方をどんどん伸ばしてもらっては困るから、油の方をどうかしなければいけませんぞ、そういうことになるわけです。通産省としては鉄、セメント、ガス、電力等に六割ないし六割五分引き坂って使ってもらいましょう、こうなったわけです。そうしますとたとえば駐留軍がセメントなんかずいぶん買っておったわけですが、ドル防衛で二百万トンぐらいは削られる可能性も出てくるわけです。そういうセメントは今後はコストを引き下げて対外的な競争をしなければならぬという部面が、一方においてはアメリカのドル防衛で出てきておる。そういう中で、今度は油でなくて石炭を使わなければならないわけですから、これは当然内地の資源を守るためにはそうなるわけです。その場合に、あなたの方はその油よりも幾分高い石炭を使っても、鉄鋼やセメントやガス、電力の値段というものは現状通り吸収できていくという自信がおありでしょうねということを御質問申し上げているわけです。
  〔赤灘主査代理退席、主査着席〕
#231
○椎名国務大臣 三十八年以降の、つまり千二百円トン当たり値下げをした後において、それ以前は重油規制法や何かありますからそれでそう何はないと思いますが、三十八年度以降になりますと千二百円下がる約束によって、大きな各需要部門が引き取るということでございます。そうするとあなたのおっしゃるのは、千二百円下げてもなお重油が下がる傾向にあるから、それだけ高いものになるんじゃないか、こうおっしゃる。しかし、そう顕著には出てきておらぬと私は思います。まだそうむやみに重油を使うという段階になっておりませんから、問題は三十八年以降だと思います。それでそれぐらいのところはずいぶん合理化でやってもらって、それを一つの口実にして値上げをするなどということはお互いに言いもしなければ、受けつけもしない、こういうことにしなければつじつまが合わない。
#232
○迫水国務大臣 今の石炭と他産業との共助関係は私の方も了承して、そういう格好でやっておるのでありまして、そのために値段が積極的に上がることはない。しかし、そういうことをしなければ、安い重油を使えるから下げるべきものが、下がらないということは、お話の通りあるかもしれぬけれども、そのために逆に相棒的に値段が上がることはないという判断です。
#233
○滝井分科員 つじつまを合わしていただければそれでけっこうです。
 次は、こまかいことを少し聞きたいのですが、時間がないから大きいところだけをいきますと、この撤退作戦にあたって、今までは石炭鉱業の経営者側が一方的に閉山その他をやってのけたわけです。ところが昨年の十月十一日に雇用、審議会の有沢さんの方で、石炭企業がそういう撤退作戦をやるときには「できる限り労働組合等との事前の協議により、無用の紛争をさけるとともに、自ら配置転換その他離職者の就職あっせんに万全をつくすこと。」こういう答申が出てきたわけですが、一体労働省としてはこの問題をどういう工合に業界に指導されておるかということです。日本の労働行政というものはどうも使用者側の指導が不足で、労働組合にはなかなか熱心に指導したり、いろいろ干渉――と言ってはおかしいが、干渉みたいなことがある。しかしおやじ教育が足らぬですね。ここに、日本の労働組合なり労働運動のすくすくと伸びていく姿ができずに、何ひねくれた状態が出てくる原因があるのです。これはこういう答申が出てきた。政府はいつも答申というものに対して、あそこの諮問機関がこう言いましたからと国会ではよく言うのですが、これはきわめて大事な答申です。どういう工合に御指導になっておるのですか。
#234
○辻説明員 ただいまお話がございましたように、一般に労使間で話し合いによりまして、理解と納得によって労使間の問題を処理するということは当然のことであり、また望ましいことだと思っております。ことに石炭の合理化というような重要な問題につきましては特にその必要が強いのでありまして、雇用審議会の答申に書かれておりますようなことは、私どもとしても当然のことであろうと考えております。実際の問題におきましては、御承知のように日本でもいろいろ労使の協議がありますけれども、十分に成果が上がっているかどうかということになりますと、まだ不十分な点はあろうかと思います。基本的に考えますと、率直に申しまして、事前の協議によって話し合いがつかなければ絶対何事もできないというようなことでありますれば、なかなかむずかしい問題であります。一方また使用者側の方も、単に話だけ一方的にすればいいような考え方がまだ若干残っている点もあろうかと思います。そういう点で一ぺんに非常に理想的な形のものができないといたしましても、考え方といたしましては、ただいま御指摘の雇用審議会の答申にありますような方向で、私どもも指導いたしているつもりでございます。今後ともさようにやって参りたいと思います。
 石炭について申しますと、御承知の石炭の経協と炭労との間の首脳者会談というものが昨年の暮れからございまして、各山元ばかりでなく、そういう場で相互の理解を深めるというようなことも逐次進んでいるように思いますので、今後ともその趣旨が生かされますように私どもとして努力して参りたい、かように考えます。
#235
○滝井分科員 そうしますと、合理化を推進する役割を持っておられる通産省としては、この合理化を推進するにあたって事前協議制を一体どういう工合に取り入れていきますか。
#236
○椎名国務大臣 合理化を実施するにあたって、事前に労使が協議をするということは望ましいことであり、また必要であると私は考えております。ただその場合に政府がこれに加わるということは適当でないと考えております。
#237
○滝井分科員 今度の予算で、炭鉱整備保証基金三億円等をお出しになって、採掘権者やら租鉱権者やらが離職する労働者に対して支払うべき賃金の支払いに必要な資金、あるいは当該採掘権者や租鉱権者が事業を廃止する鉱区、または租鉱区にかかわる鉱害の賠償に必要な資金、こういうような資金に充てるために三億円の出資金を予算にお組みになっているわけです。当然合理化をやろうとする炭鉱その他は、そういう金を大臣の方に貸してくれとかなんとか言ってくるはずです。これは一応合理化事業団の方になっておりますけれども、やはりこれは大臣の監督のもとにある機関ですから、そういう場合に当然やみくもに労働者のみの犠牲において閉山したり合理化をやるということは、これは私は許されぬと思うのです。だから撤退作戦をほんとうに合理的、紳士的にヒューマニズムを持っておやりになろうとすれば、やはり事前協議制について一番力をもって勧奨することができるところは通産省以外にないと思います。労働省はいわばアウトサイダーです。監視者というか、いわゆる行司の役割しかないのです。当事者それぞれにものが言えるというのは通産省が一番だと思う。そこで問題は、雇用審議会は池田総理に対してこういう答申をされているのですから、当然通産省としては十分尊重してもらわなければならぬものです。あなたの方がそういう力があり、チェックする力を持っているのだから、あなたの力で出前協議制についても十分配慮してもらわなければならぬと思うのですが、どうですか、そういう点は。
#238
○椎名国務大臣 これは炭鉱を整備するときの保証の基金であります。その金を銀行から借り入れる場合に政府が三億円の基金を持って保証する、こういうことでございますから、いずれにしても通産省の方にその問題が事前に持ち込まれる。その場合におきましては、もちろん労使とも十分に協議したかどうかということを確認した上でこの基金を運営したい、こう考えております。
#239
○滝井分科員 ぜひ労使協議したかどうか確認した上に出すようにしてもらいたい。
 昨日でしたか、本会議で国鉄運賃値上げに関する法律案の提案理由の説明と質問があった際に、農林水産物資の運賃の暫定割引、この断定割引が行なわれているというのは、農林水産物資は低い位に運賃のランクがきめられているのだ、それは百一品目だ、これに加えて暫定割引をしているのだから、運賃制度のワク内でやっているのだ、だから農産物は別に優遇しているわけでも何でもない、石炭については暫定的な割引はやれませんという答弁が運輸大臣からあったわけです。実はあなたの答弁をちょっと聞きそこなったのですが、通産省としては一四・六%の値上げによって、開くところによると、単価にはこれがトン当たり大体最高九十五円、平均六十三円くらい響くのだ、こういうことになっておるわけです。三十八年までに千二百円引き下げをする場合には、これは当時の石炭審議会ですか、あそこの意見を読んでみましても、大体北海道から京浜までで二百十円、九州から阪神までで百円程度の流通面における経費の切り下げをやる、こういうことから千二百円ということが出てきておるわけです。そうしますと、トン当たりに最高九十五円から平均で六十三円の運賃の値上がりがあるということになると、五割以上というものが流通の経費についてはだめになるわけです。これはやっぱり石炭政策の上で非常に問題になると思うのです。ところが一方国鉄は、この運賃の値上げによって、多分石炭関係で三十億ぐらいの増収になるのじゃないかと思うのです。一方国鉄は四百万トンの石炭を買うているわけですから、最近何か見ると、業界では、そういう工合に国鉄が言うならば、国鉄に納める石炭については値を下げぬぞ、こういうことが言われておるわけです。それならば、お互いに持ちつ持たれつなのですから、この際、農産物についてそういう特例をお認めになっておるならば、石炭についてもお認めになっても、ちっとも差しつかえないのじゃないかと思うのです。三十億その分の出血があるかもしれないけれども、これは国家に準ずる機関なんですから、ここらあたりまで石炭行政を推進する上において、関税の問題とか、重油専焼の問題に関連して石炭の専焼のものを作るとか、いろいろ問題がありますが、当面大臣が手がけなければならないものは、国鉄運賃における石炭の輸送を一体どうするかという問題だと思うのです。これは大臣どうですか。明白に一つここで大臣の腹がまえをお聞かせ願いたいと思います。
#240
○椎名国務大臣 昨日でしたか、この問題について本会議で質問がございまして、私は、石炭合理化をして、そうして産業界にエネルギーの異変が起こって、どうしてもこれは三十八年度までにトン当たり千二百円を引き下げなければならない。合理化によってこれを実行しなければならぬという重大な課題に当面しておる。それに加えて、今度の運賃値上げによって、あなたの指摘されるような数字がさらに負担として加わるということになるのでありますから、そこまではどうしても合理化によって吸収はきわめて困難である。従って実質上この負担を回避するあらゆる方法を講じなければならぬと思う。運輸大臣が今答弁したけれども、それにかかわらず、関係方面と折衝して目的を貫徹したい、こう話したのです。私はそのつもりでやります。
#241
○滝井分科員 そうしますと、物価に一番関係をお持ちになる企画庁の行司が必要になってくるわけですね。今言ったように、国鉄の方を一四・六%引き上げるというのは、これは長官の力もそのくらい上げたって、池田総理もそうおっしゃったのですが、大して問題ないということを池田さん言われたし、あなたも大体今までそういう方針なのです。ところがこちらの通産大臣の方は、今の石炭産業からいうと、その吸収はちょっと無理ですぞとおっしゃっているわけですね。そこでやはり国鉄と通産省との岡の行司役は企画庁ですよ。これはあなたは一体どうするかということです。これはやはり予算の通るまでにきめてもらわぬと、この石炭の合理化政策というものはわれわれとしては納得がいかなくなるのです。責任ある通産大臣がとても吸収できないとこうおっしゃっている。国鉄は、われわれはこの三十億もらわなければ、国鉄の今度の新線建設その他というのは資金調達ができないのだ、こうおっしゃっているわけです。だからその仲を、一体これはどうするのかということを池田総理に進言をし、その解決をはかるのは、あなたのところが一番公平妥当なところだと思うのです。
#242
○迫水国務大臣 石炭に対する鉄道運賃の影響の問題は、実は物価の問題ではなしに、物価については私は大した影響はないという意見を依然として持っておるわけです。これは石炭合理化計画の推進ということに重大な障害があるから、どうしてもこれは処置をしなければならぬ。私は椎名通産大臣に、そんなことならもっと早く言い出せばよかったのだということを何べんも言っているのでありますけれども、私、はなはだ申しわけない次第でありましたが、あの当時、国鉄の問題と取っ組んでおるときはこの問題に実は気がつかなかった。(「あかん」と呼ぶ者あり)あかんと言われてもその通りですけれども、はなはだ申しわけなかった。通産省にもっと早く言わなければいけなかったのだということをしきりに言っておりますけれども、事ここに至ってはやむを得ませんから、やはり石炭の合理化を達成せしめるということは、エネルギーの方からいって非常に重大な問題で、ぜひこれは達成せしめようと思います。問題の解決は、場合によっては大蔵大臣もこれに片棒をかつがせる方法において解決させるかどうか、全部運輸省に背負わせるかどうかということは、まだ私結論が出ませんけれども、場合によっては大蔵大臣に片棒をかつがしてもこの問題は片づけたいと思っております。
#243
○滝井分科員 結局、石炭鉱業の合理化は達成をしたい、国鉄の運賃によって合理化が妨げられる部面については、国鉄で全部持ってもらうかどうかはまだ問題があるが、場合によっては大蔵大臣に片棒をかついでもらってでも解決をやりたいというのが行司役の企画庁長官の言明でございました。ありがとうございました。これで終わります。
#244
○三浦主査 春日一幸君。
#245
○春日分科員 私は、当面いたしておりまする中小企業の諸問題について、通産大臣並びに企画庁長官に三、四の問題についてお伺いをいたします。
 思いまするに、ここ三カ年間ばかりわが国の経済は拡大発展の一途をたどっておりまして、その結果といたしまして、ようやくにして大企業と中小企業との間のいろいろな格差の断層がさらに拡大されつつあるのでございます。そこで私は、中小企業の問題については、早急に解決をせなければならぬのでありまするが、三年前でありましたか、団体法が審議されまして、きびすを接してその他の諸政策も審議をせなければならない諸情勢になったのでありまするが、実はその後において警職法や、ヴェトナム賠償や、新安保等のいろいろな重要法案が国会にかけられまして、ために多くの波乱を呼んで、そういうようなきめのこまかい経済政策を論ずるの場所が失われて本日に至っておるのでございます。従いまして、今や国会は小康を得ておりますので、そのような経済政策を深く耕し、こまかく打つというような意味合いで、真剣に、国会は超党派的に取り組まなければならない段階にあろうと思うのでございます。そういう意味で、椎名さんはかつてより商工行政のヴェテランでもあられますので、そのような歴史的な経過も尊重されて、今後中小企業政策と真剣に取り組んで、懸案の解決を期するという決意で当たっていただきたいと思うのでございます。このような意味で私は、ここ数年来懸案として掲げられたままに解決を見ず本日に至っておりまする諸問題、これをお伺いいたしますので、単なるおざなりの答弁ではなくして、野党の意見でもやはり必要なものはこれを政府の政策の中に取り入れて、ともに実現をばかって、わが国経済の健全な発展を策する、このような心がまえで両大臣から御答弁がこいねがいたいと思うのであります。
 まず最初に、関連事項といたしまして、今滝井君から消費者行政の問題がございました。実はこの問題につきましては、わが党におきましても昨年来いろいろと検討いたしておりまして、このような構想を持ち、またこのような施策が必要であるかと考えておるのでございます。ただいま経企長官の御答弁によりますと、生活審議会の予算がとれたけれども、どうしてこれを実施するか確たる構想は固まっていないということでございますので、あるいは参考にもなろうかと考えますので申し上げますから、両大臣において十分御検討がいただきたいと思うのであります。それは、私どもは、そのような要請を満たすためには、こんな機関を設けてはいかがであろうかと思うのであります。なるほど消費者の利益を守るための行政は三者あるようでありますけれども、一個の法律をもって一つの体をなした行政というものは現存いたしてはいない。しかし、少なくともこれを作る必要があるとするならば、どんなものが考えられるか、これでございます。私どもが考えておりますのは、商品価値評定委員会設置法というようなものでございます。と申しますのは、現在はマスコミ時代といわれまして、大企業は誇大な宣伝を行なっておるのでございますが、一方中小企業は、そのような宣伝費を持っておりませんことのために、不利な立場に置かれておると思うのでございます。なお誇大な宣伝が行なわれておりますと、消費者は真の価値というものを知らぬままにその宣伝にまぎらわされてその品物を買う。そんなものかしらと思い込んでしまって、同じような効用価値のあります商品でも、中小企業の製品は、そのような宣伝が不可能でありまするために、自由にして公正な競争の立場からこれがずり落とされておる点もあろうと思うのでございます。従いまして、私が今申し上げました商品価値評定委員会という国家の機関を設けて、真の商品の価値、品質、効用価値、価格というようなものをその機関が認定して、そうしてこれを大衆に明らかに公開、告示する。そういたしますると、大企業の作った商品でも、それから中小企業の作った商品でも、真の効用価値というものについて、そのような国家機関によって分析された権威ある分析結果が公表されてくると、宣伝力がないところの中小企業製品といえども、機会均等の原則の上に立って、宣伝負けということで商機を逸するということがその点において防がれはしないか。同時にまた誇大な広告によっていろいろと宣伝されておりまするそれらの商品の真の価値また価格の限界というようなものも、これによっておのずから国民の消費者の前に知らされる。よってもって消費者の利益と同町に中小企業の立場も守られはしないか、こういうふうに考えるのでございます。これについては政府は当然専門的立場から御検討があろうかと思いますが、昨年新聞の報道によりますると、春ごろでありましたか、灘を中心とする消費地帯で民間の識者が集まって、商品価値の評定委員会を設けて、これは原価このくらいのものだ、そうして価値はこんなものだ、これとこれとの効用価値は同じくらいのものだというようなものがその地域において公開、告示されることによって、消費者の利益もまた中小企業者の利益も大幅に守られたというようなことが載っておりました。そんなことのヒントからこのような政策を講ずることによって、消費者行政としての体系を作ってはいかがであろうと考えておるのであります。今申し上げました限度内においてはなお御理解が願えないかもしれませんが、大体経企長官、このような問題についてどんな御見解を持っておりましょうか、お伺いいたしたいと思います。
#246
○迫水国務大臣 諸外国の消費者行政の内容というものをいろいろ勉強いたしておりますが、ただいま春日さんのお述べになりましたようなもののいろいろな学問上の研究、そういうものは私もいろいろ拝見をいたしておりまして、一つの着想であると思って考えております。ただこれは今の場合どういう格好で運営したらいいのか、かりにそういうものを作った場合、何人か提訴してきたものについて見るのか、勝手にその人自身がこれはこれしか価値はないものだということを公表して、営業の妨害になってもいけないというような、いろいろそういうむずかしい問題が諸外国でも起こっているようなことを聞いておりますが、なおまた春日さんからも教えを受けて考えて参りたいと思っております。
#247
○三浦主査 ちょっと迫水長官が一、二分中座したいということですが、よろしゅうございますか。
#248
○春日分科員 けっこうですが、私どもが御参考に供したいと思うのは、この法律の目的は、商品の品質、価格、効用価値、こういうようなものの認定を行なって、公正なる競争を推進する一助にしたいということでありまして、商品の選定はこれはおのずから政令できめることにいたしまするが、これは日用品というものを限界に置く、こういうことでございましょう。そうしてその委員会の構成はむろん学識経験者を中心といたしまして、消費者代表、それから流通関係、卸売関係というものからの合議制のものに相なるのでございましょう。そうして国家の工業試験所であるとか、そういうような機関が分析の衝に当たっていく、評定の衝に当たっていく、こういうことであろうと思うのであります。いずれにいたしましても、これは消費者の利益を守りつつ、同時に中小企業の自由にして公正なる競争の場所を確保することのためにも必要な措置ではないかと考えられますので、両々相待って十分一つ御検討が願いたいと存ずるのであります。――経企長官よろしゅうございます。
 次いで、通産大臣に中小企業金融を中心といたしましてお伺いをしたいと思います。実は本年度から公社債の投信制度が実施されるに至りました。御承知の通りあのボンド・オーブンは一月と二月でかれこれ九百億ほどの設定を見るに至りました。ところが、この金はどこからくるかというと、これは通産大臣もすでに陳情を受けられておるのでありましょうが、これは大衆の資本参加という形でございまするから、その大部分のものは、地方銀行の預金が引き出されて、そのボンド・オープンに応募するという足取りをとっておるのではないかと思われるのでございます。そういたしますると、結局はその公社債は電力会社あるいは将来他のものに拡大されたといたしましても、大企業でございます。そうすると、中小企業金融機関の金が引き出されて、そうしてこれがこのボンド・オープンを通じて大企業の長期建設資金として活用されていく。大企業がその金を受けました場合は、当然これは設備投資に充てるか、あるいは自分の債務の返済に充てるか、そのいずれかでありましょうが、債務の返済に充てまする場合には、大企業の取引先は大銀行でありますから、結局中小企業の金融機関からとられる金が大企業に領託されていくという形になって参ると思うのでございます。そうすると、地方銀行は何といっても中小企業関係の金融のウエートが多うございましょうから、従ってその減った分だけ中小企業金融の原資を欠く形になりはしないかと思うのでございます。二カ月間で一千億近いのでありますから、この制度が継続的に行なわれますると、一年間にどのくらいになるか、あるいは将来数年間にどの程度になっていくか。現在投資信託が六千何百億という膨大な元本残高を持っておるわけでありまするが、そういう形になって参りますると、中小企業金融機関の資金源でありまする地方銀行の金が減ってくる。そうして中小企業金融というものはそれだけ不円滑になって参るであろうことが心配されるのでございます。これに対して何らかの対策が講じられなければ相なりません。通産大臣は、このような現象に対して、どのような対策をお考えになっておるのか、この際伺いたいのであります。
#249
○椎名国務大臣 地方の比較的中小企業の方に回るべき資金源が、どうも社債証券の方、信託の方に回っているという推定は、おそらくお説の通りかもしれませんが、それがあるなしにかかわらず、中小企業のただいまの金融状況は、決して現状をもって満足すべきものではない、かように考えるのでございます。そこで、昭和三十六年度におきましては、五年度に比して、投融資におきましても二百数十億増加したようなわけであります。今後もできるだけ財政資金をこちらの方に回して、そして中小企業金融の諸問題を解決したい、かように考えております。
#250
○春日分科員 本年度の財政投融資は、三公庫を通じて二百数十億の前年増になっておりまするけれども、私が指摘いたしておりまする数字は、もしこのボンド・オーブンの制度が継続的に行なわれて参りますると、二カ月だけでもってかれこれ九百億、これが一年間ずっと続けて参られますると、これは相当膨大な額に至るであろうと思うのでございます。そういたしますと、これはことごとくとは申しませんが、大部分のものが、中小企業金融の資金源を食っておるというような実情から考えまして、本年度において、さらに将来において、中小企業金融というものの原資をはなはだしく減らしていくであろう。これは今大臣が答えられた二百数十億をもって事足るものではございません。何らかこの際積極的な打開の方法を政策的に講じなければならぬ情勢にあろうかと思うのでございます。そこで、私は一歩進めて、私の意見も加えて申し述べてみたいのでありまするが、相当長い懸案でありました中小企業金融公庫に対して、この際金融債発行の制度に踏み切るべきではないかと思う。そうして公社債のボンド・オープンに将来組み入れていくというようなこともあり得るでありましょうし、あるいはこれを銀行に持たしめるというような方法もあるでございましょう。財政投融資というものの原資にはおのずから限界がありまして、これは開発銀行だとか輸出入銀行等を加えても、ここへ融資し得る限度額というものは、これは将来そんなに拡大は望めません。そうだといたしますると、やはり何らか他の手段、方法によってその原資を調達し、そして政策金融の原資を確保する、こういうことが必要なことになって参ると思うのでございます。でありまするから、その道をかなえるためには、しょせんは中小企業金融公庫に金融債を発行せしめるとか、あるいは国民金融公庫にもあわせてこれを考慮する、こういうようなことによって、市中にありまするところの金を政策金融の方向へ吸い上げていく。そうして政策金融という面によって、このような足らなくなる面、足らなくなるばかりではなくて、中小企業もその生産量から、また占めておりまする地位から、当然正常の場合でも、その原資の増大を考えなければならぬのでありまするが、わけてこのボンド・オープンによって現実にこのような資金の減少を見ようといたしておりまするとき、その施薬というものはいよいよ急に必要であろうと考えるのでございます。金融債発行について検討されておりまするところを一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
#251
○椎名国務大臣 春日さんの言われるのは中小企業金融公庫ですね。
#252
○春日分科員 そうです。
#253
○椎名国務大臣 まあ制度の建前から言いますと、商工中金は金融情をもって資金源とする、中小公庫の方は全部政府まるがかえ、こういう建前となっておりますが、その制度を改めて、そうして金融債を発行できるようにしたらどうか、こういうお話でございますね。
#254
○春日分科員 そうです。
#255
○椎名国務大臣 事務的には非常に大きな変革でございます。お説の点は関係方面ともよく研究いたしたいと思います。
#256
○春日分科員 現実には、こういう問題はすでに数年来要望の久しかった問題でございます。財政投融資の原資がある程度しかございませんので、従って、政府が融資し得まする限度額というものは、大体マキシマムがこのあたりじゃないかと思われるのであります。ところが、中小企業金融はどうしてもやっていかなければならぬ。一方、ボンド・オープンによってとにかく相当の額が減るであろうという想定の中におきましては、今こそそのような特別の施策に踏み切って、そうして多年の懸案を解決するのときであろうと思いますので、十分一つ御検討の上、すみやかにその御実現のあらんことを――結局は中小企業政策金融の原資というものは、市中の金というものをそれによって吸収する以外にもはや限界に達しておるのだという認識の上に立つのでございまして、すみやかに御検討の上、実現あらんことを強く要望いたしておくのでございます。
 次は、それに関連いたしまして、中小企業資金を確保いたしますることのために、この際、臨時措置法的なものを作られてはどうであろうか。実は、この問題は、大蔵省において十分検討せらるべきではありましょうけれども、大蔵省の銀行行政は、何といっても大企業に重点が置かれて参っておりますので、中小企業を保護し、これを育成するという意欲的な立場からは、その政策が行なわれてはいないのございます。従いまして、通産省は、中小企業庁をかかえておられる立場から、わけてこの問題については責任もありましょうので、責任的立場において、中小企業金融というものが銀行行政を通じてその効果が上がり得るような、そういう施策を特にとられる必要がありはしないかと存ずるのでございます。そのためには、現在の財政投融資を見てみますると、本年度にいたしまして合計八百三十億、全体額からいたしますると、これはかれこれ一二、三%か、そんなものしかないでございましょう。それらの原資の性格から考えまして、公共投資もさることながら、三〇%程度のものは、これは中小企業の政策金融の原資として、特別ワクを設定する必要がありはしないか。少なくとも三〇%程度を中小企業資金として確保するということがこの際必要ではないかと考えるのでございます。従いまして、政府の行なう中小企業向け資金の確保措置として、こんな程度の措置を法的に、財政法の立場からまあ天引き的にやっていって、そうして中小企業金融というものを社会政策的に確保していく、こういう点についてお考えはいかがでございますか、お答えを願います。
#257
○椎名国務大臣 三十五年、六年を通じて、大体御指摘のように二%何がしになっておりますが、これを約三倍の三〇%を確保するということは、まあ中小企業金融は非常にどうも満足な状態でないのにかかわらず、これを高めることは非常にいろいろな困難に遭遇するのでありますから、一ぺんにこれをよくするために法律上――これを法制をもって確保するというお話でございますが、実際問題としては、いろいろな困難な抵抗にあうだろうと考えるのであります。またこの一一%を除いた他の部分がそれでは大企業であるかと申しますと、必ずしもそうではない。鉄道輸送や電力は大企業でありますが、全般の経済の推進のために土台となるものであります。そういういろいろな点を考えまして、中小企業に三〇%ということは非常にむずかしいと思います。この率を一挙に高めていくという方法もございましょうが、今お話しのように、中小企業金融公庫が証券を出して、いわる金融債を発行するという方法であるとか、あるいはまた従来の商工中金のいわゆる割商の売れ行きが、他のものに比較して、どうも金利やその他の点においてそう差異はないのにかかわらず悪いというような点を、どうすればもっと普及させることができるか。そのためには政府保証も考えてみたらどうだというような一部の御意見もあるのであります。いろいろな方法によって、頭から率をきめて、これだけよこせ、こう言わないで、裏の方から潤沢な資金源が得られますように努力してみたらどうかというお話のその点につきましても、もちろんわれわれは趣旨としては不賛成ではございません。不賛成ではございませんが、実際問題としてはなかなか困難ではないか、かように考えております。
#258
○春日分科員 冒頭申し上げましたように、それはなかなか抵抗もあり、困難が予想されます。実現を見ないのは、今日まで中小企業が金融梗塞のままに置かれておることがそれであります。しかしながら、中小企業者のためにものを言うのは、通産省以外にございません。大蔵省なんかは一つのマンネリズムの中にありまして、金融に対して規制措置をとるということについてはなかなか抵抗を示すのでありまして、さればこそ本委員会で特に私はこのことを強調いたしておるのでございます。そういう意味で、公共性のある投融資のことは当然われわれも理解できるのでございますけれども、中小企業の金融というものは、経済ベースではなかなかいけない。従って、これは政策金融によらなければならない。しかも中小企業の実態が、従業員数、企業数、その生産高から考えて、国家に占めております地位というものは、財政投融資の総額の三〇%をワクづけられたからといって不当なものではないという立場からこのことが主張されておるのでありますから、どうか大臣におかれましても、確信を持って、中小企業者を保護するものはおれなんだ、おれ以外に余人はないんだという責任感の上に立って、もう少し意欲的に一つ閣内で働いてもらいたいと思うのでございます。
 次いで、今度は一般の市中金融でありますが、統計によって示されたところによりますと、都市銀行は総貸付の二七%が中小企業、地方銀行は五五%、長期信用はわずか六%、信託銀行は一六%という程度の中小企業金融しか行なわれていないのが現状でございます。これでは中小企業が資金梗塞で経営困難を来たすのは当然でございます。かつて政府は三、四年前に資金委員会法という法律を出そうとしたこともあるのでございます。その精神から考えますと、私は、金融の持つ公共性からして、その融資に対して一定の特別ワクを確保するということは必ずしも行き過ぎではないと考えます。従って、都市銀行としては四〇%、地方銀行としては六〇%、長期信用は二〇%、信託銀行は三〇%、不動産銀行、それから相互銀行、信用金庫、信用組合は当然一〇〇%中小企業に金融をなすべきであるという、その特別ワクを法律によって規制していく、しかもそのような事柄は今や社会常識として消化され得る段階にあろうと考えますので、財政投融資に対する確保措置と同時に、市中金融における特別ワクによる確保措置、この点についても一つあわせて御検討を願っておきたいと思うのでございます。
 次は、もう一つ特に申し上げておきたいのでありまするが、実は零細金融でございます。中小企業の中でも零細業者に対する金融は、特に困難な実情にあるのでございます。三年前団体法ができましたときに、二十三条に、政府は税法上金融上零細業者に特別な措置を講じなければならぬというあの一条を設けておるのでございますが、この前予算委員会の本委員会で御答弁になったところによりますと、中小企業者にも金を貸し得るように何らかの通達を出したというようなことでございました。けれども、通達なんかでは効果が上がるものではございません。なるべくというようなことは何も言わないと同じことでございまして、相手方に対して何らの拘束力も持ってはいないのでございます。でありますから、あのように二十三条が、法律として政府に対してその実行を宣言しておりまする以上は、当然その実施がなければならぬ。とにかく国家の意思がそうきまったのでありますから、政府はその決定に基づいて実施の義務を負うと思うのでございます。でありますから、私は、この際、あなたの方に一つの具体案として申し述べたいことは、少なくとも商工中金、中小企業金融公庫、この二つの政府関係金融機関は、その年間総貸出額の三〇%は零細業者に金を貸さなければならない、零細業者とは、あの団体法の中にうたっておりますところの小規模事業者、小組合並びにそれと同等のものでありまするが、それに対しては、政府関係金融機関の中で少なくとも中小企業金融公庫、商工中金は、その総貸出額の三〇%は、その金にイヤマークをつけて、これを零細業者に貸さなければならない、あるいは小組合、あるいはそれと同じような零細業者にそれだけの金を貸し与えなければならない。国民金融公庫については七〇%以上、そういうような法的な規制か、公庫法を改正するなり、それぞれ何らかの規制措置を講ずることによって、あの二十三条にこたえていただきたいと思うのでございます。単なる大臣通達や行政指導だけでは現実に効果が上がっておりませんので、あえてこのことを重ねて申し上げるのでありまするが、御所見はいかがでありますか。
#259
○椎名国務大臣 小組合の組合に対しては、政府は税制上金融上特別の措置を講じなければならぬ、この法律の精神に従って一つも実現されておらぬという点につきましては、今回予算委員会におきまして御指摘がございました。大蔵大臣も同席しておりまして、税制上の問題については非常に困難な問題がある。金融上の問題については、一つ奮発して、法の精神にこたえたいということを言っておる次第であります。その後両省の間でただいま具体的に考究中でありますので、いずれこの問題に関しまして、金融上何らかの、零細業者に対すると申しますか小組合の組合に対する措置が講ぜられるものと考えております。
#260
○春日分科員 お互いにこの中小企業の問題は長年扱っておりまして、可能な限界はどこにあるかということは大体のめどがつくのでございます。いろいろやってみると言ったところで、手は一つか二つしかございません。私が今申し上げております政府関係金融機関のうち、国民金融公庫は、零細金融を現実にやっておりますから、これはしばらくおくといたしまして、中小企業金融公庫、商工中金は、中小企業金融機関とはいいながら、中小企業者の中でも比較的大きいところの中小企業に――それが金融ベースでありますか、やはりそこにウエートを置いて貸し出しがなされておるのでございます。そこで担保力の少ない、そうしてまた零細な金融は煩瑣でもありますので、零細金融が現実に行なわれておりません。政策金融の目的は、現実に、両公庫によって全的に果たされてはいないのでございます。でありますから、私の申し上げておりますのは、いろいろ両大臣が考えてみると言ったところで、手は幾つもあるものではございません。この二つの金融機関の中で、その年間貸し出し総量の中の三〇%というものを必ず零細業者に貸さなければならない、これだけの規制措置を講じますれば、現実に零細業者にはそれだけの金が行き渡るのでございます。私は今そのことを申し上げておるのでありますが、大臣としての御所見はいかがでございますか。これを一つ御答弁願いたいと思います。
#261
○椎名国務大臣 金融機関が金を貸すという観念を多少規制するような、三〇%は貸さなければならぬ、こういったようなことは、従来の金融という観念からいうと少しきつい規制であると思うのであります。従って、関係方面とも話してはみますけれども、私はきわめて困難な事情にぶつかるのではないかと思います。
#262
○春日分科員 私は商業銀行に対してそのような規制をせよということは前には申しましたけれども、それはやはり一つの段階があるでございましょう。けれども、今ここに二十三条にこたえての法的措置ということになりますれば、政府が出資しておりますところの中小企業金融公庫と国民金融公庫と商工中金、こういうようなものに対して、これは国の意図をもって設けられたところの政府関係の政策金融機関でありますから、その政策金融機関は現実に大企業に貸してはならないという法的規制がされておるのでございます。中小企業だけに貸し出すべしという金融機関でございます。しかしながら、中小企業の中でも、従業員は多いのは三百人から一人親方まであるのでございますから、従ってその中小企業の中でも大きな人たちだけがそれを独占しておるので、零細業者のところへはその政策のフェーバーが行き渡っていない。だからあまねくそういう人たちにも行くように、そういうような工合に特別のワクを設定して、零細業者にもその金が行き渡るような、すなわち法律の目的を円満に達成し得るような措置をとれ、このことを言っておるのでございまして、このことができないはずはないと思うのでございます。あらためて御答弁をお願いいたします。
#263
○椎名国務大臣 零細業者に行っているかどうかということについては、貸し出しの一件当たりの金額を調べれば大体わかると思います。そういう点からいって、一件当たりの平均金額が大き過ぎる、だから零細業者に行き渡っていない、こういうことに結論づけられるものと思いますが、貸し出し額の低いものにもつと件数を増す方法はないかというような点に着眼して、その点を誘導するようなことについては研究してみたいと思います。
#264
○春日分科員 貸し出し額の問題ではないと思うのでございます。二十三条の関係について私は申し上げておるのであります。二十三条によります事業協同小組合というものは、従業員五名以下、サービス業二名以下という小さなものばかりを限定しておるのであります。従いまして、そのような零細業者を対象として現実に貸し出しが行なわれてはいないので、そういう人たちにも金が行き渡るように、そのために作ったあの政策金融機関であるのだから、本来の使命が果たし得るような工合に、足らざるところを補完の措置を講じろというのでありますから、私はこんな問題ははっきりわかった問題だろうと思うのであります。全面的にそうしろというのではございません。中小企業の中でも比較的大きい連中の融資もしなければならぬので、その点については七〇%をもって活用すべし、足らざるは市中銀行をもってコンプリメントすべし、しかし小さいところは市中銀行が相手になってくれないので、少なくとも政府関係の金融機関に財政投融資している中の三〇%程度のものはイヤマークをつけて零細業者に貸さなければいかぬぞということは、零細業者はこの中小企業等協同組合法二十三条にいっておりますところの小組合並びにその組合員、こういうものでございますから、私はわかった話だと思います。この点御理解できないはずはないのであります。あらためて御答弁願います。
#265
○椎名国務大臣 一般の零細業者ではなしに、小組合及び小組合の組合員並びにそれに該当……。
#266
○春日分科員 やはり機会均等でなければなりませんから、法律として出るときは。
#267
○椎名国務大臣 小組合の組合員というものに、特に金融上の措置をしなければならぬというように了解しまして、その問題について今考えておるわけであります。ただそれと同じような、同等のものということになりますと、また研究の対象が変わってくるわけでありますが、いずれにいたしましても、零細業者に還元するように考究してみたいと思います。
#268
○春日分科員 この問題は実は歴史的な問題でございまして、その当時超党派的にあの二十三条が満場一致で通過をしておるのでございまして、その当時にもこのような政策内容については与野党とも了解事項でございました。ところがあとからあの警職法が出たり何かして、このことが論じられないままに大臣が幾たびかかわってしまって、懸案解決がなされないままに今日に至っているのでございます。どうかあなたの手でこの問題は解決してもらいたい。あなたも新安保なんか提出して国会を混乱に陥れてしまって、こういう審議ができなかった元凶でありますから、罪滅ぼしの意味を兼ねてこれはやってもらわなければしょうがないと思うのでございます。ただ私は申し上げておきますが、商工中金はその組合員でなければなりませんから、だから小組合でよろしゅうございます。ところが中小企業金融公庫は国民を広く対象とするのでございますから、二十三条とはまたそのワクを離れて、それと同じような零細業者にやはりフェーバーの及ぶように、間口を広げて、零細金融という立場で問題の解決をおはかり願わねばならぬと考えるのでございます。この問題は経企庁長官にも御関係のありそうな問題でございますし、しかもあなたは何となく馬力のありそうな格好でありますから、一つぜひとも通産大臣をバック・アップされて、この懸案解決のために御努力を願いたい。
 もう一つだけお伺いをいたしますが、中小企業の労働者対策でございます。現在中小企業の求人難は御承知の通りであります。それは待遇が悪いから中小企業には来ない。待遇のいい大企業を選ぶのでございます。そこで先般私新聞でちょっと見たのでありますが、石田労働大臣の構想として、中小企業従業員の福利厚生センターというようなものを考えておられるようでございます。ところが法案にはちっとも出て参りませんので、あえて通産大臣にお伺いをするわけでございますが、結局中小企業の従業員は、拘束時間が終わりますと、所在がない。だから二階に上がって古雑誌を読むか、ごろんと寝ころんで将棋をさすか、全く味気ない生活を送っている。だから中小企業には人が集まりません。賃金の少ない点も大きな要因でありますが、他にこういうような福利厚生的な施設がない。そこで中小企業の求人難を解決いたしますためにも、またそこで働いている従業員の福利厚生の点を考えますためにも、私は福利厚生センターというようなものを国と公共団体と業者と三者合作して、そんな設備を設置いたしまして、そうしてそこには雨天体操場、図書館、あるいはピンポン、マージャン、将棋等の娯楽設備とか、進んで合宿設備もあればそれに越したことはないと思うのでありますが、いずれにしてもそういうようなものを中小企業地帯に全国的にこれを作っていく。そうすると中小企業の従業員は、作業が終わったらそこに行って、楽しい生活を送ることができる。そうして大企業とのいろいろな格差もそういうことで政策的に解消されていく。よってもって中小企業の求人難の解決もはかられると思うのであります。またその福利厚生もはかれるというように、政策目的も多様に効果が見出し得ると思うのでありますが、この福利厚生センターを設置するという問題について大臣は何かお考えになっていることばありませんか。
#269
○椎名国務大臣 労働省において予算措置を考えたそうでありますが、不幸にしてそれが口の目を見なかったのであります。これにかわるものというわけではありませんが、ただいまこういう労務者の福利厚生施設、特に中小企業の労働福祉施設といたしましては、協同組合の共同給食施設あるいは共同府泊施設、そういったようなものに補助金を各府県の窓口から出しておる。国家がそのうしろにあって補助をしておる、こういう状況でありますが、三十六年度からは厚生年金積立金の還元融資として約四十億、これが福祉事業団に出資されまして、そのうち十八億円が主として中小企業向けの労務者の福祉施設、すなわち会館でありますとか休養所、宿泊所、それから給食の施設、そういったものに融資されることになっております。それからまた中小企業の労務者に対する労務者用の住宅資金として、地方公共団体を通じて約三十億円程度が活用されるということになっております。
#270
○春日分科員 厚生年金の出資をそんな工合で活用されることも一つの考え方ではありましょうけれども、しかしながらこの中小企業従業員、全国的には総数が千七百万をこえるでありましょうが、その従業員が置かれておりまする立場というものはみじめであります。従って、中小企業というものを保護育成しなければならぬという至上命令もあるのであります。従いまして、それを国家の政策とし、また財政資金を惜しみなく投入することによって、この問題の解決をはかるべきであろうと思うのでございます。でありますから、そのようなあちらこちらとクッションを置いてそんな機関にやらせるというのではなくして、国家がみずから立ち上がってこの問題の解決に当たるという、そういう建前でもってすべからく中小企業従業員の福利厚生センター設置法、こんな法律をお作りになって、そうして国が三分の二なら三分の二を助成する。三分の一は地方公共団体あるいは業者がそれを出損する、こういうような形で今中小企業関係従業員の福利厚生の問題は国家的な規模において取り組んでいただかなければ、解決はしがたい問題であろうと思うのでございます。どうかこの問題は一つ総合的に経企長官も参画されまして、ぜひともその実現を御進捗願いたいと思うのであります。と申しますのは、石田労働大臣は当初計画においてそのことを構想されておりましたが、予算の中にも、法案の中にも出て参りませんでしたので、はなはだがっかりしておるわけでございますから、ぜひとも一つ復元を願いたい。
 それからもう一つは、中小企業の町工場の技術が非常に立ちおくれておるのでございます。これは大学や専門学校を出た者が中小企業に参りません。従って為替貿易自由化の将来に備えまするためにも、中小企業の生産性を向上しなければならぬ、これはもう申すまでもございません。そのためには、設備のためにさまざまな国家の施策がありますけれども、設備近代化改善資金もありますけれども、やはり技術の問題については十分な施策がありません。そのために私は中小企業の工業技術専門学校というようなものを作ったらいかがであろうかと思うのであります。新しくそれを作れといったってなかなかできぬでありましょうから、国立大学のそういうような工科の夜間部を中小企業に開放しまして、そうして中小企業の工員が進んでそこで学習も受けていく。そしてその費用は国家とその経営主が適当な歩合で分析をし合っていく。そしてそこで学習を受けた者が中小企業工場に戻って、それを伝習していく。こういう形で中小企業の機械設備、生産設備の近代化と同時に、その工業技術の向上に資さなければならぬと思うのでございます。どうかそういう意味で、中小企業従業員の工業技術専門学校、こういうようなもの、おそらくは国立学校の工科夜間部を開放する、活用すれば私はできないことはないと思いまするし、また新しくそういうものを独立に作ることも有益なことであろうと思うのでございます。こういうようなことについてのお考えはいかがでございますか。あわせてお伺いいたします。
#271
○椎名国務大臣 中小企業の技術者訓練の施設として、各府県の公設の試験場において実施しておる状況であります。これではもちろん足りませんで、職業訓練の施設等を中小企業向けの再訓練の場としてやる。それからまた所得倍増計画に関連して、工業高等学校を全国に急速に普及するという政策をとっておりますが、これらはすなわち中小企業向けの工業技術訓練教育機関でもある、かように考えております。
#272
○春日分科員 ぜひとも御促進を願いたいと思います。
 もう一つくらいいいだろうということでございますので、一つ、大臣にお伺いをいたしますが、数年前、小売商の要望にこたえて百貨店法が制定されました。これの法意は百貨店制限法でございました。しかるところ、現実には百貨店がどんどん増設、新設の申請をし、百貨店審議会はそれをどんどん許可する。この百貨店制限法はまるきり百貨店保護法みたいなことになっちまって、法意はゆがめられて今日に至っておるようでございます。さらに消費ブームに備えまして、百貨店は今大へんな増設、拡張の申請を行なっておるようでありまするが、これに対して、百貸店法について何らかの形で改正を必要とはお考えにならないか。あるいは百貨店審議会の制度についてこの際再検討の必要性はお考えにならないか。大臣の御所見をお伺いいたします。
#273
○椎名国務大臣 百貨店規制法が百貨店保護法化しつつあるというお話でありましたが、最近の数字を見ますと、百貨店法が施行して以来、すなわち昭和三十一年でございましたか、最近までの百貨店の売場面積の増加は、全国平均で三〇・五%ということになっております。そしてその内訳は、地方都市において四三%、六大都市において二二・六%、かような状況を示しておるのであります。従って、この数字に見られるように、地方都市における百貨店の進出が非常に目ざましい、こういう状況になっております。それで中小小売業者との間で問題をかもしておりますが、そのおもなるものは、審議会にかかったものとして仙台の三つの百貨店について小売側の反対が強かった、また、今後東京におきましても池袋地区、新宿地区が問題となるのでありますが、その増設に小売商側は非常に反対をしておる。これらの問題につきましては、十分に小売業の実態とあわせ考えまして、慎重に処理をして参りたいと考えております。
#274
○春日分科員 法律で現実に小売店を保護しなければならぬという一連の考え方の中から、あの百貨店法も制定を見たのでございます。しかしながら、今大臣からお話のございました通り、この数年閥に三〇%の増、さらに聞くところによりますと、本日において大へんな増設の申請が提出されておる。過去の実績から徴しますると、これらのものがまたことごとく許可を得るという形になりますると、百貨店法は有名無実になってしまうのであります。せっかくの法律というものが有名無実になっては相なりません。法の権威を保ちますることのためにも、これは百貨店審議会のあり方が何でも申請したら許可してしまうというような八百長的な審議会であっては相ならぬのであります。どうかこの点については小売業者の利益が十分反映できるように、さればといって消費者の利益が脅かされることがあってはなりませんけれども、その辺の調整がはかられながら、なおかつその百貨店法の法律の精神が十分に生きて活用されまするように、一つ十分運営において御考慮を願いたいと思うのであります。
 それから、もう最後でありまするが、実は団体法ができましたときに、中小企業庁でも中小企業の産業分野を法律によって確保せなければならぬ段階であろうというようなことが理解されまして、小売商業調整法の中でもそんな構想を述べられておりましたが、その後、法案については、大企業の圧迫によって、そんな面はことごとく削除されてしまっておるのでございます。私思いまするのに、現在のわが国の経済が資本主義経済たりとはいえ、やはり自由にして公正なる競争の原則は保たれなければなりません。けれども、大企業がその資本の威力、暴威をほしいままにして、これは自由にして公正な競争ではなくして、弱肉強食的な形になって参りますると、これは中小企業は立ち行かなくなります。たとえば、大企業の綿紡織なんというような繊維関係なんかで、今まで仕立屋さんがやっておったような縫裁加工をどんどんやってきております。電気製品、家共製品、写真、いろいろあると思うのでありますが、そこで、当時構想されておりましたのは、過去の生産実績、中小企業によって需要の大多分が調弁された、しこうして、客観的に見て、中小企業産業にふさわしいと思われるところの産業は、法律によってこれを中小企業産業として指定をいたしまして、そうして大企業がそのような産業分野へ進出することを法律的に規制していく。そうして法律によって中小企業の産業分野を確保し、大企業でなければなれないような電力、鉄、石炭、肥料、造船、いろいろなそういうものは大企業にやらしめる。そうして中小企業でやれそうなもの、中小企業にふさわしいもの、過去の実績でも中小企業によって生産されたもの、そういうものは中小企業でやらしていこう。よってもってわが国の経済活動の全部門を通じて、すべての国民がそれによって生活ができるような、そういう経済秩序を確立してはどうか、こういうことで中小企業産業分野を確保するということの構想を考えられておったのでございました。だんだんと弱肉強食の傾向が激しくなって参りました本段階において、これはやはりすみやかに実現を要する政策であると考えるのでありますが、経企庁長官並びに通産大臣、この点については、これは多年中小企業者の要望の激しい点でありますが、いかにお考えになっておりますか、御所見を伺いたいと思います。
#275
○椎名国務大臣 分野を画一的にきめたらどうかということでございますが、自由主義の経済体制においては、これはきわめて異例の措置であると思うのであります。今日においては、大企業の事業活動が著しく中小企業者の分野に入り込んできて、そうして不当な圧迫をするというような場合には、現在の法制のもとでも団体法とかあるいは協同組合法とか小売商業調整法等によりまして、救済措置を講じ得る道が開かれておるのであります。それをさらに百尺竿頭というか、あるいは抜本的に分野を画一的に確定してしまえということには、今日の場合無理ではないか、今後しかし御指摘のような中小企業の業界を撹乱するような大企業の経済活動がありました場合には、適切なる措置によってこれを矯正するということにしたいと考えております。
#276
○春日分科員 わかりました。この問題はそういう概念ではないのでありまして、やはり経済活動は自由になし得るというその経済憲章の上に立つのでありますけれども、しかしながら、その公正な競争がある限界を越えると、弱肉強食的な形を示して参るのでございます。現実に縫裁加工の諸君がどんどんつぶれていく、ワイシャツ屋がどんどんつぶれていく、そして大企業の関係のものが、そこへ独占的に、その市場を壟断していく、こういう徴候が現実に現われても参っております。これは団体法では救済できません。従いまして、そういうような面につきましては、やはり公共の福祉というものの名において基本的な人権は調整を受けておるのでありますから、経済活動の分野においても、公共の福祉の名においてそのような調整がなし得ないというはずは断じてございません。そういうわけでございますから、私は中小企業の産業分野、中小企業でやれる、過去もやってきた、客観的に見てもふさわしい、こんなものは中小企業にやらして、何でもかんでももうかるなら何でもやるのだというような経済活動というものは、国家全体の経済的な観点において調整されて、そこに経済秩序、経済道義というものがあっていいと思うのであります。そういう意味でそのような法案が要請されて、政府も一時はこれを考慮した、ところが大企業の圧迫で日の目を見ず本日に至っておるのでありますから、今政界も小康を得、こういうようなきめのこまかい問題を論じ得る客観情勢にあるのでありますから、どうか一つこういうような問題についても深く検討されまして、そして要は中小企業を政策的に保護し、これを振興せしめ、同時に、国家国民経済が健全に発展できるような態勢を保っていく、要するに、強いものが何でも勝つのだというようなことは、経済道義、経済秩序を保っていく上から、国家的調整があっても断じてこれは行き過ぎではない、こう考えますから、十分御善処あらんことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#277
○三浦主査 堂森芳夫君。
#278
○堂森分科員 通産大臣に伺いますが、昨年の暮れに、通産省内におきまして、エネルギーの対策協議会というものが作られまして、今後長期的な総合的な対策を講じていく、こういうことになったというふうに聞いております。そこで私は先般の予算委員会で、いろいろ総合的なエネルギーの政策について政府に質問をいたしましたが、きょうは関連しまして、二、三の点について質問を申し上げたい、こう思うわけであります。
 所得倍増計画によりますと、昭和四十五年には国内産の原油を百五十万キロリットルぐらいまでふやしていこう、それから五十五年には、さらにふえて、二百万キロリットルぐらいまでふやしていこう、こういうふうな計画になっておるわけであります。昭和三十年八月の法律第百五十二号によりまして、石油資源の開発を急速かつ計画的に行なうことを目的として作られました石油資源開発株式会社というものがございます。自来、五カ年、計画によりまして、本年度で終わるわけでありますが、年産百万キロリットルの原油を生産する、こういう目的でやったと思うのであります。現在までにすでに政府の出資額は、たしか八十七億ぐらいあると思うのであります。それから民間からの出資が四十六、七億ぐらい出資されておるのであります。合計百三十億ぐらいの金がつぎ込まれてきた、こういうわけであります。ところが、実際にはその成績はあまり芳ばしくないと思います。これは私が説明するまでもないと思うのであります。ところが、昭和三十六年度の政府提出の予算案を見ますると、政府の出資額は四億円ということに相なっております。私が聞いたところでは政府は最初十一億くらいの出資額を予定したところが、予算折衝で四億になった。そしてさらに借入金を五億ぐらい、合計九億の資金で来年度はやっていこう、そうすると昨年度は二十数億の資金があった。ことしは九億でやっていく、こういう予定のようであります。実は私さっき見ておって、昨年のたしか岸内閣当時、昨年の五月十幾日かの商工委員会で、当時の通産大臣であった池田氏が、三十五年度で五カ年計画の第一期は終わりますけれども、何とかして国内における石油資源の開発については引き続きやっていきたいので、さらに延長し、第二次計画をやるようにするか、あるいは他に適当ないい方法があると思うから、よく考えまして、引き続きやっていきたいと思います、こういう意味の答弁をしておるのでありますが、政府は、来年度の予算を見ますと四億というわずかな出資額でありますが、一体今後国内における石油資源の探鉱その他についてはどういうような方法、どういうような対策を講じてていこうとしておられるのか。もう国内の石油資源はいいのだ、なるほど巨額な輸入原油にたよっておる日本の現状であります。将来もそうであります。そうしますと、四千万キロリットルの原油を輸入しておって、六十万や、あるいは三十万、四十万、五十万キロリットルの日本産の原油はどうでもいい、こういうお考えであるのか。まずその点を承りたいと思います。
#279
○椎名国務大臣 日本の石油の需要は、ほとんど数年前には何人も予測しなかったような状況だと思うのであります。戦争中、私の記憶するところによると、一番多く輸入したのでようやく三百万キロリットルくらいの程度であります。今日においては、軍需用というものは全然なしといってもいいくらいですが、それで十倍という状況でございます。日本の国内資源の計画を立てたときも、今日のような状況になるということは、おそらく当事者は考えていなかったろう。そこで今ようやく百万かそこらの資源、何十分の一ということになるのでありますから、ウエートが非常に軽くなったのじゃないかということになりますが、やはり依然として国内資源としての価値は別途にウエートを置いて考えるべきものであると考えておるわけであります。それで三十五年度で切れたわけでありますが、今日までの五カ年間で百万キロリットルの国内資源の確保という問題がどの程度までいったかと申しますと、約七〇%程度までいっております。その中には御承知の通り海底油田の開発等もございまして、日本の石油資源というものは、やれば相当の開発ができるという望みをすら強めておるような状況でございますから、きわめて不成績に経過しておるということでも私はないと思います。大体において成功しておるのではないか。まあ計画はとかくそごしがちでございます。ここ一、二年あるいは少なくとも三年の猶予を与えたならば、完全に当初の目的を達成するものと考えられるのであります。そこでそのあとはどうするかということにつきましては、今後の探鉱及びそれによっておさめられる実績によりまして、慎重に考慮したいと考えております。
#280
○堂森分科員 そのあとのことが非常に大事なんであります。従来第一次の五カ年計画をやってきて七割くらいしか成果は上げられなかった、これから大いにやっていこう、こういうならば、従来同様あるいは従来以上の予算をつぎ込んでいく、これならわかりますけれども、通産省当局が最初要望しておった十一億というわずかな出資額すら確保できずに四億になった、こうなるともうこれはやめるんだ、こういうことになるのではありませんか。それからやはり民間から四十数億という出資を仰いでおるのでありまするから、そういう巨額な出資者に対しても、やっぱり今後どうして行くのだという態度をはっきりする義務が政府にはあると私は思う。従ってこれからやるのだとおっしゃっても、金がなくてはやれないのであります。どうでしょう、今後どういうふうにしてやっていくのか、もう探鉱はやめるのだ――私は探鉱する必要があると思うからお聞きしておるわけです。
#281
○椎名国務大臣 三十一年から五カ年計画で三十五年までやってきたのでありますが、日本の国内石油資源というものは決して捨てたものじゃないという確証を得たのがようやくにして三十三年度であります。自来二年数カ月たっておるのでありますが、この二年数カ月の間に、これに当面する者としては非常な勇気を感じておる状況であります。お約束の五カ年計画、これがどうもまだしっぽが少し出ておりますので、その点をまず一両年かかって完結をいたしますとともに、その間においてなお日本の国内資源の開発の状況を見まして、さらにこれを継続するか、継続するとすれば、どういう方法がよろしいかというような諸点を十分に考究いたしまして、最後の結論を得たいと考えております。
#282
○堂森分科員 過去五年間に百三十三億くらいの資金がつぎ込まれておるのでしょう。そして五年間やって――これは常識でいきますと、大体各国の例を見ましても、最初の五年間には、いわば探鉱技術になれるというか、あるいはいろいろな調査とか、そういうことに非常にかかるのだそうです。そして第二次五カ年計画とか第三次、こういうときに入ってほんとうの効果が出てくる、こういうことであるのが普通だそうであります。しかるに政府は、今まで五年間に、百三十三億という民間の資金及び政府の出資を合わせたものを使っておる。来年度から政府の出資は四億になる、借入金を五億で九億でやる。従来の半分以下、三分の一強、こういう金で従来のようなことができますか。今までやっと準備をし、調査をし、そうしてやってきた努力というものが、これで消えてしまうのじゃありませんか。あるいはもういいかげんでいいのだということならば、これはまた話は別であります。いかがでしょう。
#283
○椎名国務大臣 政府の直接出資は四億でありますが、五億については政府が債務保証する。これは九億出資したとは言いませんけれども、ややそれに近い。あとは自己調達でいけるのでありまして、大体二十億をこえる探鉱資金をもって継続したい、こう考えております。
#284
○堂森分科員 今の通産大臣の御答弁によりますと、従来と変わらない程度の探鉱その他ができる、こういうことでございますか。
#285
○伊藤政府委員 過去五年におきまして、石油資源開発会社が探鉱に毎年つぎました金額は、最初はごく数億の少額でございましたが、だんだんふえまして、ピーク時には二十七、八億になったのでございます。ただいま先生から御指摘のように、今回は政府出資が大幅に減ることになりましたけれども、それは一面におきまして過去の努力が実を結びまして、いわゆる採油量が相当に拡大する見込みになって参ったわけでございます。従いまして過去におきましては開発部門からの繰り入れがほとんどなかったのでございますが、来年度からは開発部門からの繰り入れが相当多額に見込まれます。それから開発部門がそういうふうに盛んになりますので、借り入れの力も相当ついて参りました。もちろん当初予算要求の原案ほどにはできませんけれども、何とか借り入れもふやし、開発の方からの繰り入れもふやしまして、ただいま大臣からお話し申し上げましたように、二十億程度の探鉱規模を続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。この程度の規模で進みますならば、大体二年で五年計画の全部が終了することになるだろうと考えております。
#286
○堂森分科員 大臣に重ねてお伺いいたしますが、先般の予算委員会における質問に対して、国内資源はともかくとして、石油資源は北スマトラだとかあるいはアラビア石油、こういうふうにいろいろ海外にも発展をしていくので、これは国内資源ではありませんが外貨なしに手に入るとか、いろいろなことがあるからぜひ今後そういう方面にも努力をしていきたい、こういう答弁でありました。そこで、さっき局長はうまい答弁をされましたけれども、何と申しましても政府の出資がぐっと激減してくるということは――たとえば帝石なんかに働いておる労働者の諸君にしますと、今度政府の出資が激減してきたために、探鉱を実際に一生懸命やってきた労務者の諸君は意気が阻喪しておるそうです。もうやめるのじゃないか、そして帝石は今後――国内原油は高いせいもありますが、ガスの会社に転身していくのだ、原油の方はおざなりで天然ガスに全力を上げていくのだ、こういうようなことも言っておるわけでありまして、これは将来アラビア石油だとか、北スマトラの石油会社とか、いろいろ問題があると思うのですが、とにかく日本の技術者が向こうへ行ってやるという場合も当然きておるわけです。そうすると、日本国内における探鉱調査というのは、そういう技術面において修練を積んだりっぱな人たちがなくなってくるということなんです。予算がなくなればなくなりますよ。そういう大きい影響があると思うのですが、ほんとうに四億というような非常に少ない出資額――五億は借入金でやるのだ、これは政府が債務保証しておるのだから政府の出資と同じだ、こういう御意見でありますが、従来通りさらにやっていくのだ、こういうふうに理解してようございますか、もう一度答弁願います。
#287
○椎名国務大臣 ただいま局長から御説明申し上げましたように、大体において従来の探鉱規模を続けて参るという見通しがついておりますので、石油油田に働いておる労務者の諸君に対しても十分にその点を説明、解明をいたしまして、安定した操業をするようにしたい、かように考えております。
#288
○堂森分科員 それでは問題を変えまして、石炭の合理化あるいは今後のエネルギー源が同体から流体に変わってくる、これは時代の趨勢でありますが、先般私、日本の新聞を読んでおりましたところ、数社の資本の大きい会社が石油と混載あるいはLPGだけを積む一万数千トンの大タンカーを建造する許可を待て、昭和三十七年度にはもう十八万数千トンですか、二十万トン近いLPGが輸入されるようになるだろう、これは政府がエネルギーの総合政策を持っていないので、国内におけるLPGの製造業者というかメーカーにも大きい影響が来るであろうし、また全国の各都市の都市ガスにも大きな影響が来るであろう、これは一つの大きなエネルギー問題として大混乱が来るのじゃないか、こういうふうに新聞に書いてありましたが、政府はそういうふうなことを見通しておられるのでありますか、その点伺いたい。
#289
○伊藤政府委員 ただいま先生から御質問のございましたLPGでございますが、はっきり申し上げまして急激に需要の伸びて参りました商品でございますので、役所におきましても民間におきましても、現在の実態を十分把握しておるわけではございませんし、それから将来の見通しにつきましても、的確なはっきりした計画はまだ立っておらないわけでございます。先生御承知の所得倍増計画におけるエネルギー小委員会におきましても、石油、石炭を初めといたしまして、各種のエネルギーにつきましては計数的な数字をあげておりますが、ただLPGにつきましては、将来需要が伸びるのではないか、従ってこれは国内精製工場から出ますLPGが現在供給の大半でございますけれども、いずれにいたしましても、現在価格は若干割高でございますが、家庭燃料を中心にして非常に伸びておりますので、昭和四十五年におきましては、大体総需要は百七十万トンくらい、これに対して供給は百二十万トン弱くらいではないかというようなごく大ざっぱな推測が掲げられておる程度でございます。通産省の鉱山局におきましても、現在の実態をいろいろ推測して把握に努めておりますが、これを一々詳細に申し上げることは省略さしていただきますけれども、大体現在は三十五年度でLPGの供給は二十六、七万トンぐらいではなかろうかと考えております。その大半が石油精製工場から出ておるものでございまして、需要面におきましては、その大半がプロパンとして家庭燃料に使われております。ごく少量が都市ガスに、専門的に、あるいは混焼に使われておるような模様でございます。ただ御指摘のございましたように、これが将来大量に輸入されるということになりますと、いわゆる家庭用燃料としての薪炭との競合問題が出ます。それからガス業界との競合の問題も起こります。それから混焼用に使います場合には、石炭の需要とも競合して参りますので、今後なお情勢の把握に努めまして、関係万両との摩擦を生じないように善処していきたいと考えております。
#290
○堂森分科員 局長にお尋ねしますが、三十五年度における二十五万トンの消費量のどのくらいが輸入で、どのくらいが国内で生産されたものですか。
#291
○伊藤政府委員 輸入は全然ございません。
#292
○堂森分科員 そうしますと、これは私が新聞で読んだのですが、日石カルテックスで混載型でLPGを一五千トン、原油を一万トン積む大きいタンカーが三十七年四月には竣工する。それからゼネラル・ガスがやはり混載型でLPGを六千トン、原油一万トン、こういうタンカーを三井造船にすでに発注しており、三十六年七月にはもう完成する。それからブリヂストン・タイヤがやはり専用船ですが、一万五千トンくらいのものを三菱日本重工に発注しておる。こういうようなことで、もう三十六年、ことしの終わりごろから来年にかけて竣工する、こういうふうになっておるわけです。そうすると現在二十数万トンのLPGの消費がある、そうしてこれが年額十七、八万トン、二十万トン近いものが三十七年に輸入されるということになると、国内産のLPGと外国から輸入するLPGとが競合をしまして、非常な混乱が起きませんですか、あるいはそういうことはないとおっしゃるのですか、いかがでしょうか。
#293
○伊藤政府委員 ただいま御指摘のございました日石、ゼネラル・ガス、ブリヂストン液化ガスの三社の計画は事実のようでございます。これらの計画は、LPGがある程度の輸入は当然今後行なわれるであろうということで、業者の方で先回りしてと申しますか、船を作っておるようなことでございますが、私どもといたしましても、相当大量に入って参ります場合はまた問題でございますが、ある程度プロパンを中心として需要が伸びておりますので、ある程度の輸入は、現実問題となりました場合には、関係方面と連絡をとりつつ、認めていかなければならないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 それから、今の船の容量からいって、需要の伸びに対してオーバー・プロダクションになるのではないかということでございますが、これは船の建造技術、それから運搬技術も非常に困難でございまして、いわゆる公称能力だけ持ってこられるかどうかもまだはなはだ不確定でございますので、船舶の、いわゆる設計通りの輸入が行なわれるというふうには、必ずしも考えなくてもいいのではないかというように考えております。
#294
○堂森分科員 何でも、この輸入されるLPGは一立方メートルで十円以下だそうです。そうしますと、タンク・ローリーなんかで運んで、その償却を含めても、十円以下で優に販売されるそうです。ところが都市ガスで、東京瓦斯が一番安いといわれておりますけれども、販売料金が割高の石炭からとるガスと割安の石油からとるガスとを合わせても、一立方メートルで十八円くらいになるそうであります。そうしますと、七円くらいでこれがタンク・ローリーなんかで運ばれるということになりますと、石炭を使うということがなくなっていきませんか。非常に安く、半分以下で、LPガスによって都市ガスが供給されると、こういうことになると思うのです。もっとも、この所得倍増計画を見ましても、都市ガスの原料の石炭は、三十四年に五百万トン、四十五年で六百六十二万トン、五十五年で六百六十二万トン、ほとんど石炭の使用はふえないと、こういうふうに見通しておるわけですが、一方LPGは三十四年が七千トン、四十五年になると十三万トン、あるいは五十五年になると三十四万トンくらいにふえるだろう、こういう見通しを立てているわけですが、今後都市ガスでありますと、やはりパイプの敷設というような非常な資本が必要である。今度はこれをボンベなんかで大量にどんどん運ぶ、こういうことになってくると、都市ガスというものはまた非常な影響を受けてくるのではないかと思いますが、やはりこのLPGというようなものについて、もちろんエネルギーというものは安い方がいいのですから、安い方に流れて参ります。重ねてお尋ねしますが、都市ガスに対する今後の見通しについて承りたいと思います。
#295
○伊藤政府委員 ただいま先生から、輸入のLPGの値段についてお尋ねがあったのでございますが、このLPGをガス原料に使っているという国は現在ないと考えております。そういう関係もございまして、輸入LPGには国際的な建値はございませんので、どれくらいになるのか、役所としても的確につかんでおりませんけれども、一応関税、貯蔵費、運賃、諸経費を加算した場合に、私ども鉱山局の試算では、キロ・グラム二十円くらいになるのではないか、あるいはそれを若干上回るのではないかというような推定をいたしておるわけであります。現在都市ガス業界の方でもLPGの問題は研究いたしておりますが、やはりキロ・グラム当たり十五円ないし十八円ぐらいで供給されないと問題にならないのではないか。もう一つは、大量貯蔵の方法についても問題がございますので、さしあたりガス業界でこれを大量に使うというようなことには、まだ判断の材料が十分整っておりませんから、そういう方針はきまっておらないわけでございます。これは当然ガス業界の今後の問題でございますが、私どもも十分今後これらの問題を研究していきたい、こういうふうに考えております。
#296
○堂森分科員 先刻から局長の答弁を聞いておりますと、LPGの将来については確たる見通しが持てないから、いろいろな対策も立てにくい、こういう意味でございますか。
#297
○伊藤政府委員 それらのいろいろな政策を立てる判断の材料が、まだ十分、業界においても役所においても整っておりませんので、今後至急に研究しなければならない問題になると考えております。
#298
○堂森分科員 もう一ぺん前に戻りまして、昭和三十七年度には二十万トン近いものが輸入されるというようなことは起こり得ないのでございますか。それをもう一度承っておきたいと思います。
#299
○伊藤政府委員 それ以下の数量の輸入の申請が、現実の問題として起こってくるであろうとは考えております。
#300
○堂森分科員 それより少ない量が輸入されるだろう、こういう意味ですね。
#301
○伊藤政府委員 そうです。
#302
○堂森分科員 それでは次のことに移りたいと思います。
 石油化学が戦後異常な発達をしてきたわけでありますが、現在の日本の石油化学というものを見ておりますと、国際競争には勝てない。割高であるということ、それからほとんど技術が海外からの輸入であるということ、それからまた日本における石油化学の原料は御承知のようにナフサであります。そういう原料が輸入である。どういう姿になっていったならば国際競争に勝っていけるか、こういう構想が通産省にあるはずでございます。この点について承っておきたいと思うのであります。
#303
○松尾政府委員 担当の軽工業局長が参っておりませんので、私から概略御説明申し上げたいと思います。
 石油化学の原料輸入の点は、御説のように石池化学に使います原料石油はそう大した量でございませんので、その点で日本が大きな不利を受けるというようなことには必ずしもならないと思います。問題はむしろ石油化学についての経済的規模、国際的に見ましてある経済単位としての規模が非常に問題であろうと思います。もちろん石油化学は、戦後の新しい技術を多分に持っておりますので、技術はその大部分が外国からの導入でございますが、ある程度の導入と国産技術も加味して参りますれば、今後技術について経営よろしきを得れば、それだけで日本の石油化学が今後成り立たないだろうというような、そう致命的な欠陥ではないだろうと思いますけれども、問題はむしろただいま申しました世界的な国際競争力を兼ね備える程度の石油化学の規模が、日本で育ち得るかどうかという点に一番問題があると思います。御存じのように、戦後、日本の石油化学はかなり小さな規模でスタートしたのでありますが、従来までの石油化学は、その以前の石炭化学なりあるいはアセチレン系の化学工業と国内で競争する分には、これは十分余裕のある化学産業であると思いますけれども、今御指摘のように、今後世界的な規模で日本の石油化学が競争していきますためには、どうしても相当大きな経済単位にまで上げる必要がある。また石油化学そのものを、石油化学の分解から出て参ります原料を十分経済的に残りなく使うような総合的な石油化学に育てていく必要がある。こういうところに問題があると思いますが、おそらく日本の場合には、一挙に世界の最高水準までいくということは、いろいろな制約があってむずかしいと思いますけれども、現状では少なくとも欧州並み程度の規模の石油化学までは急いで成長するような誘導策を講ずる必要がある、こういうことが現在の基本的な考え方であろうと思います。
#304
○堂森分科員 担当局長がおられませんから、十分聞けませんので終わりたいと思いますが、私の考えでは、アメリカのような巨大な工場組織、こういうものには勝てないだろうと思います。せめてヨーロッパ並みの工場システムは競争がしていける、こう思うわけでありますが、そういう意味のヨーロッパ並みのコンビナートでやっていく、こういう意味でございますか。
#305
○松尾政府委員 その通りでございます。
#306
○三浦主査 この際、関連して赤澤君に質疑を許します。赤澤君。
#307
○赤澤分科員 今堂森先生が言っておられたことは、私は大事なことだと思うのです。それで何かちょっとあやふやな答弁のように承ったのですが、やはりエネルギー源は石炭から石油に移っていきつつある。続いて原子力の時代に入っていく。その間に天然ガスの時代があると私は思うのです。あなたの御見解はどうか知りません。そこでその過程が今急速に進みつつあります。そこにLPガスの問題が出てきておるのです。それがぐんぐん目の前に迫っておるのに、それに対処する策は事実お考えでしょうけれども、きょうの答弁を承ると、何かあやふやな印象を受けるわけです。大堀君もおられますが、電気もだんだん重油をなまだきするような時代に入ってくるのじゃないですか。この間ある会合に出て松永安左衛門さんの話を聞いたら、重油でやれば二円、五十銭以下でまかなえる、もうデータははっきりしたものを持っておる。今すでに着手しておるということを言っておられました。そうすると、石炭や水力なんというものは問題にならぬことになってくる。今のオイル・ガスの問題ですけれども、やはり石炭ガスはだんだんオイル・ガスに変わっていきつつある。今あなたの御答弁で、世界各国でプロパンをタウン・ガスに使っておる例はないように言われましたが、なぜかというと、やっぱり、どこでも公益事業ですから、石炭をたくために非常に大きな投資をして独占しておるのですよ。LPガスというものはもとはただです。石炭もただといえばただかもしれぬが、天然ガスはふいておるものをどんどん火をつけて燃しておる。アラビアでもどこでも、パイプの便のあるところはどんどん有効に使っておる。そういうところの液化がどんどん進んで押し寄せてきつつある。船の建造計画について今堂森さんからただされたわけですが、これはやはり通産行政としては真剣に取り組んで、今から、大体こうなった場合にはこういう手を打つくらいな構想がなければおそいのじゃないかと思うのです。例の関税定率法の特別措置ですか、ナフサは関税をなくしましたね。そうなればガス会社だってまっ黒になってあの石炭をたくのはいやですよ。ナフサみたいなものを、ちょっとバルブをひねるだけでどんどんガスになっていくわけです。そういうものがもう間もなく関税を撤廃されるのですから、そうなれば――東京瓦斯はあれだけの設備を持っておりますから、石炭をたくことはやめはしません。しかし中小ガスに至るまでナフサを使うようになると思うのです。これに対して石炭局の方では、大して石炭の方には影響ないように言っておられますけれども、私はそう楽観してはいけないと思う。こういうふうにしてナフサなんかをどんどん無制限に使わしていくようになれば、ガス事業そのものの内容もずいぶん変わってくると思う。またそういうふうな特別措置をして、関税をなくしてナフサを入れるということになれば、ガスの製造原価というものはずいぶん下がるはずです。これは大堀さん、胸の中では考えておられるでしょうが、ガス代の値上げ論が出ておるが、関税をなくせば値上げしなくとも相当な利益がガス会社はあると思うのです。私は私見は今持っておりますが、時間がありませんから、今ここで申し述べたくありませんけれども、伊藤局長さんに特に申し上げておくが、今堂森先生の言われたことは軽々に聞きのがしてはいかぬと思う。近い将来、通産行政の一つの転換をもたらすかもわからぬ大きな問題だと考えておりますので、情重に御検討をお願いいたしたいと思います。あわせてLMガスの問題につきまして……。
#308
○椎名国務大臣 御指摘の点につきましては、十分検討いたします。
#309
○三浦主査 本日はこの程度にとどめ、明日は午前十時より開会し、残余の質疑を行なうこととして、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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