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1960/02/25 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会第二分科会 第1号
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1960/02/25 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会第二分科会 第1号

#1
第038回国会 予算委員会第二分科会 第1号
本分科会は昭和三十六年二月十八日(土曜日)委
員会において設置することに決した。
二月二十三日
 本分科員は委員長の指名で次の通り選任された。
      臼井 莊一君    小川 半次君
      菅  太郎君    北澤 直吉君
      倉石 忠雄君    櫻内 義雄君
      床次 徳二君    松本 俊一君
      田中織之進君    堂森 芳夫君
      野原  覺君    長谷川 保君
      西村 榮一君
同日
 北澤直吉君が委員長の指名で主査に選任された。
―――――――――――――――――――――
昭和三十六年二月二十五日(土曜日)
   午前十時四十二分開議
 出席分科員
   主査 北澤 直吉君
      菅  太郎君    櫻内 義雄君
      床次 徳二君    松本 俊一君
      田中織之進君    野原  覺君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
        文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
        厚 生 大 臣 古井 喜實君
 出席政府委員
        内閣官房長官  大平 正芳君
        外務政務次官  津島 文治君
        労働政務次官  柴田  榮君
    ―――――――――――――
二月二十四日
 分科員長谷川保君及び西村榮一君委員辞任につ
 き、その補欠として横山利秋君及び受田新吉君
 が委員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員横山利秋君及び受田新吉君委員辞任につ
 き、その補欠として長谷川保君及び西村榮一君
 が委員長の指名で分科員に選任された。
同月二十五日
 分科員西村榮一君委員辞任につき、その補欠と
 して内海清君が委員長の指名で分科員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計予算中外務省、文部省、
 厚生省及び労働省所管
 昭和三十六年度特別会計予算中厚生省及び労働
 省所管
     ――――◇―――――
#2
○北澤主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
 私が主査を勤めることになりましたので、よろしくお願い申し上げます。
 本分科会は、昭和三十六年度一般会計予算中、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管、同じく特別会計予算中、厚生省及び労働省所管につきまして審査を行なうことになっております。
 審査の順序は、本日は所管全部について説明を聴取し、明後二十七日は外務省所管、二十八日は文部省所管、三月一日は厚生省所管、二日は労働省所管について、それぞれ質疑を行なうことにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。
 なお、二日午後に、予算委員会におきまして、主査報告を行なう予定になっておりますので、御協力いただきたいと存じます。
 それでは昭和三十六年度一般会計予算中、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管、昭和三十六年度特別会計予算中、厚生省及び労働省所管を議題とし、順次説明を求めます。まず外務省所管について説明を求めます。小坂外務大臣。
#3
○小坂国務大臣 外務省所管の昭和三十六年度予算について大要を御説明いたします。
 予算総額は百五十二億三千二百五十五万二千円で、これを組織別に大別いたしますと、外務本省六十八億四千九百四万一千円、移住あっ旋所四千二百十一万一千円、在外公館八十三億四千一百四十万円であります。
 ただいまその内容について御説明いたします。
 第一、外務本省一般行政に必要な経費十三億五千二百八十三万六千円は、外務省設置法に定める本省内部部局及び付属機関の一般事務を処理するため必要な職員千五百十八名の人件費及び事務費等であります。
 第二、外交運営の充実に必要な経費六億七千万円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また各種の条約、協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため本省に必要な工作費であります。
 第三、アジア諸国に関する外交政策の樹立及び賠償実施業務の処理等に必要な経費一千七百六十七万三千円は、アジア諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整並びに賠償の円滑かつ統一的な実施をはかるため必要な経費であります。
 第四、欧米諸国等に関する外交政策の樹立に必要な経費一千五百八十四万八千円は、北米、中南米、西欧、ソ連東欧、中近東、アフリカ及び英連邦諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施に必要な経費であります。
 第五、国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費一千七百六十九万円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行なう際の準備等に必要な経費であります。
 第六、海外経済技術協力に必要な経費八億七千二百八万二千円は、海外との経済協力に関する企画立案及びその実施の総合調整を行なうとともに、コロンボ計画等に基づく技術者交換及び各種技術センターの設立等、経済技術協力を実施するため必要な経費で、技術協力実施委託費四億七千五百八十四万八千円、海外技術センター事業委託費二億四千九百四十九万九千円、メコン河開発事業調査委託費五千五百十七万九千円、国際技術調査委託費千五百八十二万三千円、社団法人アジア協会補助金二千七十三万四千円、財団法人国際学友会補助金三千六百七十九万七千円、社団法人ラテン・アメリカ協会補助金千四百五十万六千円であります。前年度に比し六千八百八十七万四千円の増加は、技術協力実施委託費、海外技術センター事業委託費、メコン河開発事業調査委託費及び財団法人国際学友会補助金、社団法人ラテン・アメリカ協会補助金の増加によるものであります。
 第七、条約締結及び条約集編集等に必要な経費四千八百五十四万六千円は、国際条約の締結、加入及び条約集等の編集、条約典型の作成、条約、国際法並びに内外法規の調査研究のため必要な事務費であります。
 前年度に比し三千六百八十六万円の増加は、国際司法裁判所への応訴に必要な経費の増加によるものであります。
 第八、国際協力に必要な経費二億四千三百六十七万五千円は、国際連合等に対し協力するため、国際連合各機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な事務費及び諸種の国際会議にわが国の代表を派遣し、また本邦で国際会議を開催するため必要な経費と財団法人日本国際連合協会補助金千百二十四万二千円、財団法人日本エカフエ協会補助金六百八十五万円、財団法人日本ユニセフ協会補助金百七十七万円であります。
 第九、情報啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費二億六千二百四十六万二千円は、国際情勢に関する資料の入手、海外に対する本邦事情の啓発及び国内啓発並びに文化交流を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な啓発宣伝資料の作成、購入に必要な経費と、財団法人国際文化振興会補助金二千九百五十六万九千円、財団法人国際教育情報センター補助金四百八十八万円及び啓発宣伝事業委託費四千万円であります。前年度に比し五千百三十八万三千円の増加は、宣伝啓発費及び啓発宣伝事業委託費等の増加によるものであります。
 第十、海外渡航関係事務処理に必要な経費二千四百二万八千円は旅券の発給等海外渡航事務の経費と、その事務の一部を都道府県に委託するための委託費千二百四十八万八千円であります。
 第十一、国際分担金等の支払いに必要な経費十九億七千一百四十四万五千円はわが国が加盟している国際機関の各種分担金及び拠出金等を支払うため必要な経費であります。前年度に比し九億一百七十八万四千円の増加は国際連合分担金、後進国経済開発技術援助拡大計画及び国連特別基金拠出命、ユネスコ分担金及びアジア生産性機構分担金等の増加によるものであります。
 第十二、旧外地関係事務処理に必要な経費百万五千円は朝鮮、台湾、樺太、関東州等旧外地官署職員の給与、恩給の支払いその他残務整理に必要な経費であります。
 第十三、旧外地官署引揚職員等の給与支給に必要な経費千四百万円は三十六年度中の旧外地官署引き揚げ見込み職員五名と未引き揚げ職員百七十九名の留守家族に支払う俸給その他諸給与等であります。
 第十四、移住振興に必要な経費十三億三千七百七十五万一千円は中南米等に移住する者一万一千人を送出するための旅費、事務費及び渡航費貸付金七億九千四百五十五万七千円、日本海外協会連合会補助金四億三千六百十八万三千円、移住者支度費補助金五千五百十九万五千円、農業労務者派米協議会補助金千九百九万七千円等移住事業の振興をはかるため必要な経費であります。前年度に比し一億九千六百九十一万七千円の増加は移住者渡航費貸付金及び日本海外協会連合会補助金等の増加によるものであります。
 移住あっ旋所。第一、移住あっ旋所業務処理に必要な経費四千二百十一万一千円は、移住者選出の万全を期するため本邦出発前に健康診断、教養及び渡航あっ旋等の業務を行なうため必要な経費であります。前年度に比し一億二千九十八万円の減少は横浜移住あっ旋所新営費の減少等によるものであります。
 在外公館。第一、在外公館事務運営等に必要な経費七十億一千九百六十九万五千円は、既設公館九十八館二代表部七百八十五名と三十六年度新設予定の在スーダン、在セネガル各大使館、在レシフェ総領事館のために新たに必要となった職員十二名並びに在パラグァイ、在ウルグァイ、在ボリビア、在エクアドル各公使館、在カサブランカ、在プレトリア各総領事館、在レオポルドビル領事館の大使館昇格、ナイロビ領事館の総領事館昇格及びこれらを含め既設公館の職員の増加三十七名、計八百三十四名の人件費及び事務費等であります。
 第二、外交運営の充実に必要な経費七億三千万円は、諸外国との外交交渉のわが国に有利な展開を期するため在外公館において必要な工作費であります。
 第三、対外宣伝及び国際文化事業等の実施に必要な経費一億四千三百八十六万五千円は、わが国と諸外国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済、文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに国際文化交流を行なう等のため必要な経費であります。前年度に比し六千四百二十七万二千円の増加は視聴覚啓発及び対外広報活動に必要な経費の増加によるものであります。
 第四、在外公知営繕に必要な経費四億四千七百八十四万円は在トルコ大使公邸新営(第一年度)、在ブラジル大使館連絡事務所新営、在アメリカ大使館事務所増築(第二年度)、在タイ大使公邸土地建物購入、在ベトナム大使館事務所土地建物購入及び在外職員宿舎の新営並びに在外公館の事務所及び館長公邸建物の補修費等であります。
 以上がただいま上程されております外務省所管昭和三十六年度予算の大要であります。詳細御審議のほどお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○北澤主査 次に文部省所管について説明を求めます。荒木文部大臣。
#5
○荒木国務大臣 昭和三十六年度文部省所管予算案の大要について御説明申し上げます。
 昭和三十六年度文部省所管の予算額は、二千四百十六億千九百九万五千円でありまして、これを前年度予算額二千百四十一億四十一万三千円に比較いたしますと、二百七十五億千八百六十八万二千円の増加となっております。また、この文部省所管予算額の一般会計総予算額に占める比率は十二%強となっております。
 次に、昭和三十六年度予算案のうち重要な事項について申し述べたいと存じます。
 第一は初等中等教育の改善、充実に必要な経費であります。
 義務教育水準の維持向上をはかるため、前年度に引き続き、公立義務教育諸学校の教職員定数の増加及び施設の整備、特に中学校生徒の急増に対処するため必要な経費を計上しております。まず、義務教育費国庫負担金といたしましては、小・中学校児童生徒数の自然増減等に伴う、教職員九千百六十六人の増員、人事院勧告による給与改訂の平年度化、恩給及び退職手当の増、校長管理職手当支給率の引き上げ等に必要な経費を含めまして、所要給与費千三百二十五億二千五百万円を、また教材費として十七億八千九百万円を計上したのであります。
 次に公立文教施設につきましては、これが整備に必要な経費百一億七千五百七十七万二千円を計上したのであります。
 すなわち、本年度においては中学校の不正常授業の解消を目途とした施設整備を最重点として四十四億二千六十八万七千円を、さらに工業高等学校の一般校舎整備費を新たに補助対象として一億九千二百九十七万六千円を計上いたしましたほか、屋内運動場の整備、学校統合の促進、危険校舎の改築等を既定五カ年計画の線に沿い実施することとしたのであります。
 第二は科学技術教育の振興に必要な経費であります。まず初等中等教育におきましては、理科教育及び産業教育の振興に重点を置き、それぞれの振興法に基づく補助金を八億五千五万二千円及び十七億七千二百六十九万五千円と大幅に増額計上したのであります。特に、産業教育につきましては、中堅技術者の不足に対処するため前年度に引き続き、高等学校の機械課程二十三、電気課程二十三、工業化学課程二十一、建築課程九、土木課程九、合計八十五過程を新設し、生徒一万人の増募をはかるとともに新設過程については補助率を従来の三分の一から二分の一に引き上げたほか、設備更新費、特別設備費等をそれぞれ増額し、また中学校の技術家庭科の設備につきましては、本年度以降二カ年度で整備を完了する目標のもとに所要経費の大幅な増額をはかったのであります。
 次に大学教育につきましては、国立学校において、大阪大学基礎工学部の新設、三工業短期大学校の新設、理工系二十六学科の新設、十九学科の拡充改組等により、千七百九十人の学生増募を行ない専門技術者の養成をはかったほか、工業教員の不足に対処するため全国九つの国立大学に工業教員養成所を設置することといたしました。さらに、科学研究の面におきましては、原子力の研究を拡充するとともに、プラズマ研究所及び原爆放射能医学研究所を新設する等の措置を講じ、出た、科学研究費交付金等に必要な経費二十一億九千四百万円を、在外研究員の派遣に必要な経費一億九千百万円を、また民間学術研究団体補助金一億三千百十一万七千円を、さらに前年度に引き続き南極地域観測事業を実施するために要する経費二億二千八百四十八万二千円をそれぞれ計上したのであります。
 第三は、国立学校の運営に必要な経費であります。
 これは、国立大学七十二、国立短期大学二、国立同等学校八、大学附置研究所五十八、大学附属病院二十三を維持運営するため必要な経費でありまして、本年度におきましては、さきに申し述べましたように、科学技術教育振興の線に沿いまして、北海道大学外六大学に原子力に関する講座または部門を増設し、東北大学薬学研究科を、九州大中外四大学の工学研究科にそれぞれ修士課程または博士課程を、大阪大学に基礎工学部を、東北大学外二十三大学に二十六の理工系の学科を新設し、また宇都宮、長岡及び宇部に工業短期大学をそれぞれ創設するとともに、東京工業大学外八大学に工業教員養成所を附置し、プラズマ研究所を名古屋大学に、原爆放射能医学研究所を広島大学にそれぞれ創設することといたしたのであります。また、教官研究費、教官研究旅費、設備費等については大幅な予算の増額を行ない、基準経費の充実をはかったのであります。
 以上申し述べました経費を含め、国立学校の運営に必要な経費総額は六百四十六億二千四百五十四万円でありまして、国立学校の項に四百六十二億千三百五十万八千円を、大学附属病院の項に百二十九億二百九十四万八千円を、大学附置研究所の項に五十五億八百八万四千円をそれぞれ計上したのであります。
 次に国立文教施設整備につきましては、施設の現状にかんがみ予算の大幅の増額をはかることといたしましたが、科学技術教育振興の見地から理工系学部の建物等を重点的に整備するとともに、一般施設整備、病院施設の整備、老朽建物の改築等のため、前年度予算額の六五%増の七十一億六千六百七十九万三千円を増額計上したのであります。
 第四は、教育の機会均等と人材開発に必要な経費であります。
 優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して国がこれを援助し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため、円本育英会に対する奨学資金の貸付と、その専務費の補助に必要な経費として五十三億九千七十五万七千円を計上したのでありますが、本年度は特別奨学生を大幅に増員し、高等学校生徒は新規採用を六千人から一万二千人に倍増し、大学生にも新たに八千人の採用者を予定したほか、大学院学生に対する奨学金の単価の引き上げ等を行なったのであります。
 次に、義務教育の円滑な実施をはかるためには、経済的理由により就学困難な状況にある児童生徒に対して特別の援助を行なう必要があるのでありますが、これが援助の範囲を従来の要保護二・五%を三%に、準要保護二%を四%にそれぞれ引き上げることとし、教科雷については、二億五千三百九十六万四千円、給食費については、五億六千九百五十九万九千円、修学旅行費については、一億八千五十三万三千円、保健医療費については、一億九千四百五十九万二千円を計上したほか、本年度より新たに学用品について五億三千四百四十六万九千円を、通学費について六百三十二万七千円を同様の趣旨により、それぞれ補助することといたしたのであります。
 次に、へき地教育の充実をはかるため、従来に引き続きへき地教員宿舎建築費四百戸分、テレビ受像機設置費四百校分、その他火力発電の施設、スクールバス、ボートに対する補助等を含めまして、九千七百五十六万九千円を計上したのであります。
 次に盲、ろう学校及び養護学校への就学奨励については、援助率を従来の六〇%から七〇%に引き上げるとともに、本年度より新たに小・中学部の学用品費及び高等部の寄宿舎食費を援助の対象とする等のため必要な経費を加えて二億三千二百四十七万三千円を、さらに、養護学校設備及び特殊学級の計画設置に伴う設備の整備費並びにスクールバス購入費に対する補助を合わせまして六千四百五十四万円を、また、新たに盲学校五、ろう学校三を対象とし、新職業開拓のための施設設備補助金として五百八十五万六千円を計上する等、特殊教育の振興にさらに意を用いたのであります。
 次に、中学校生徒一斉学力テストに要する経費として、九千五百十九万八千円を新規に計上いたしておりますが、これは、学力水準を全国的に調査し、教育に対する反省と改善の資料を得、また教育指導に関する客観的資料を得ることを目的としておるのであります。
 第五は、勤労青少年教育及び社会教育の振興に必要な経費であります。
 勤労青少年教育の振興は、学校教育と社会教育の両面において両者相待って行なわなければなりませんが、学校教育の面におきましては、従来に引き続き放送利用による高等学校通信教育の普及のための経費として千七百五十一万千円、定時制高等学校設備費及び通信教育運営費の補助として一億二千三百十万七千円、定時制教育または通信教育に従事する校長、教員に対する定時制及び通信教育手当の補助として一億九千九百五十四万九千円、夜間定時制高等学校給食施設設備の補助として六百六万五千円をそれぞれ計上したほか、新たに夜間定時制高等学校の生徒三十三万七千五百人に対して、ミルクを給与するための補助金として七千五百十三万八千円を計上いたしたのであります。
 次に社会教育の面におきましては、前年度に引き続き青年学級の改善充実をはかるため一億二千八十九万二千円、婦人学級の開設、婦人の国外研究活動等を助成するため八千六百三十四万九千円、吉少年団体及び婦人団体その他の社会教育関係団体の行なう事業業を助成するため六千万円、さらに、公民館、図書館、博物館、青年の家及び児童文化センター等の社会教育施設設備を整備するため一億六千八百九十八万八千円、教育放送等、視聴覚教育の積極的な活動を助成するため七千八百二万千円をそれぞれ計上いたしたのでありますが、青年学級の振興及び公民館等社会教育施設の整備を特に重点として予算の増額をはかったのであります。
 第六は体育の振興に必要な経費であります。
 体育は、国民の健康を維持増進し、その生活を明るくする上に重要な意義を持つものでありますが、前年度に引き続き、体育館十七カ所、プール四十三カ所の国民体育施設を整備するため一億二千六百十四万円、オリンピック東京大会実施準備費として国立競技場の拡充、オリンピック組織委員会の機構拡充、競技技術の向上等に要する経費を含めまして二億七千八百三万七千円、国際学生スポーツ週間競技大会選手派遣費、日仏学生柔道交歓等の国際スポーツ交歓費として六百万円、さらに、青少年のスポーツ・リクレーション活動、指定市町村青少年スポーツ活動、全国青年大会、全国高等学校体育大会、国際庭球試合参加等の助成費として五千八百万円をそれぞれ計上したのであります。
 第七は、私立学校教育の振興助成に必要な経費であります。
 私立学校教育の重要性については、あらためて申すまでもないところでありますが、まず、私立学校の施設等の整備に要する資金に充てるため、私立学校振興会に対する政府出資金として八億円を計上し、また私立学校における科学技術教育を拡充振興するため私立大学理科特別助成として十億九百四十八万三千円、私立大学研究設備助成として五億五千二百八十八万千円を、さらに私立学校教職員の福祉増進のため私立学校教職員共済組合に対しその給付費及び事務費の一部を補助するに必要な経費九千六十一万円を、それぞれ増額計上し、また新たに私立特殊教育諸学校に対する補助として、三百二十万円を計上したのであります。
 第八は国際文化の交流及び文化財保存事業に必要な経費であります。
 まず、沖繩の教育につきましては、従来からの教員の内地派遣研究制度の実施及び国費沖繩留学生の招致のほか、新たに現職教員の再教育講習会に対する講師の派遣、沖繩在住高等学校生徒の特別奨学制度実施のための資金援助等を行なうこととし、これらのために必要な経費五千八百七十二万七千円、また、国際文化の交流につきましては、東南アジア、中近東、欧米等よりの外国人留学生の招致に要する経費として七千八百八十六万六千円を計上しましたほか、外国人留学生の受け入れ等の手業を行なっている財団法人日本国際教育協会の事業費の補助として千八百十八万五千円、また、第六十回ユネスコ執行委員会、その他の国際会議に出席するための外国旅費として千七十方七千円をそれぞれ計上したのであります。
 次に、文化財保存事業は逐年その成果を上げておりますが、本年度も前年度に引き続き国宝、重要文化財等の保存修理、防災施設の整備を行ない、さらに、無形文化財を保護する等のため必要な経費を含めて五億四千九百四十四万八千円を計上しました。また、国立劇場の設立準備のため二千二百万円を前年度に引き続き計上し、その事業の促進を期し、さらに、国宝重要文化財等の買い上げに必要な経費を増額して五千万円を計上したのであります。
 以上のほか、公立高等学校普通課程における家庭科設備費の補助、教職員の研修、研究の場としての教育会館の建設、東アジア文化研究の促進及び研究成果の普及をはかるため、ユネスコ東アジア文化研究センターを財団法人東洋文庫に付置すること、また、東京国立博物館の法隆寺献納御物収蔵庫新営、近代美術館の増築、史料館の民族資料収蔵庫新営等のため必要な予算を計上しているのであります。
 以上文部省所管に属する昭和三十六年度の予算案の大要につきまして御説明申し上げた次第であります。
 何とぞ御審議の上御賛同あらんことを希望いたします。
    ―――――――――――――
#6
○北澤主査 続いて停止省所管について説明を求めます。古井厚生大臣。
#7
○古井国務大臣 昭和三十六年度の厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。
 昭和三十六年度の予算編成にあたりましては、医療保障の充実、低所掛者層の福祉の向上、国民年金制度の改善、母子福祉及び児童福祉の充実、生活環境の改善など厚生行政の中核となる諸施薬を強力に推進することといたしております。
 さて、昭和三十六年度厚生省所管一般会計予算における総額は二千二宙七十六億二千四百五十万円でありまして、これを昭和三十五年度当初予算一千六百四十七億一千四百九十四万五千円に比較いたしますと、六百二十九億九百五十五万五千円の増加と相なり、前年度予算に対し、三八・二%の上昇を示しております。また、国家予算総額に対する厚生省予算の比率を見てみましても、前年度一〇・五%であったのが一一・七%と相なっております。
 以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。
 まず第一は、国民皆保険の推進に必要な経費であります。
 国民健康保険については、国民皆保険計画達成後の初年度として、被保険名数を四千八百六万七千人として所要の経費を算定し、医療費の一〇%引き上げに伴う特別財政措置として新たに十五億円を計上いたすとともに、結核及び精神病対策の一環としてこの疾病の世帯主被保険者の給付率を五割から七割に引き上げることとし、その引き上げに要する経費を全額国庫負担することといたしております。
 また、専務費補助については、一人当たり単価を百十円に明き上げ、これが経費として五十二億八千七百余万円、国民健康保険団体連合会に対して診療報酬審査支払い事務に関する補助金として一億三千万円を計上する等総額四百十六億四百余万円を計上いたしております。
 次に、国民皆保険の推進に必要な基礎的条件を整備するため、公的医療機関を整備するとともに、僻地に診療所を設け、新たに巡回診療車及び診療船を整備いたすこととしております。
 さらに、国立病院の整備改善のため十六億六百余万円を計上いたしております。
 また、私的医療機関等に対し、長期、かつ、低利の資金を融資するため、医療金融公庫に対し、新たな事業資金として六十八億円を用意いたしております。
 第二は、生活保護費及び社会福祉の増進に必要な経費であります。
 まず、生活保護費でありますが、生活扶助費につきましては、飲食物費を引き上げるとともに内容の改善をはかり、十八%引き上げることとし、これに要する経費三十一億九千五百余万円を計上し、期末一時扶助についても改訂を行なうとともに住宅扶助、教育扶助及び生業扶助につきましても基準改訂を行なうことといたしております。
 また、勤労控除についても所要の改訂を行なうこととし、十三億一千二百余万円を計上するほか、養老施設等の整備に努めるととも、施設職員の待遇改善を行なうことといたしております。
 以上、生活保護費として、総額五百七十八億九千七百余万円を計上いたしておりますので、前年度当初予算に比し百十四億二千七百余万円の増額となっております。
 次に、社会福祉の増進に必要な経費でありますが、身体障害音及び精神薄弱者の保護と更生をはかるため、前年度に引き続き収容施設を拡充することとし、新たに、老人福祉対策として軽費老人ホームを設置することといたしております。
 このほか、世帯更生資金については、新たに、修学資金、身体障害者生業資金及び住宅資金の貸付を行なうこととし、五億五千万円を計上し、また家庭授産等を行なうための経費として、二千五百余万円を計上いたしております。
 第三は、児童福祉及び母子福祉の増進に必要な経費であります。
 児童保護措置費につきましては、保育所給食費、養護施設等の飲食物費及び日常諸費をそれぞれ増額するとともに、新たに、入進学支度金として一件当たり二千円を計上し、児童福祉施設職員の待遇の改善をはかるため給与額を七・五%引き上げ、期末手当を国家公務員並みに引き上げる等児童保護措置として百四億八千九百余万円を計上いたしております。
 また、児童扶養手当につきましては、昭和三十七年一月から支給することとし昭和三十六年度においては、三カ月分として二億三千余万円を計上いたしております。
 また、青少年非行対策の一環として、新たに、短期治療施設を設けるほか、精神薄弱児の通園施設を増設するなど児童福祉施設整備費として四億三千五百余万円を計上いたしております。
 次に、母子福祉及び母子保健対策につきましては、新たに、僻地保育所の設置費について補助することとし、また、三才児の特別一斉検診並びに新生児の保健指導費等として四千五百余万円を計上するほか、母子福祉センターを増設する等母子保健福祉対策として五億八千余万円を計上いたしております。
 その他、結核児童療育費として従来のカリエスのほか一般結核患者にもその対策を拡大する等諸般の施策の強化拡充をはかっております。
 第四、主要疾病対策に必要な経費であります。
 まず、結核及び精神病対策でありますが、昭和三十六年度下半期より、これを強力に推進するため、命令入所及び措置入院患者の医療費を原則として全額公費で負担するとともに、国旗補助率を八割に引き上げることといたしております。また、この新措置に伴い命令入所及び措置入院患者の数を大幅に見込む等、結核予防費補助として八十億九千七百余万円、精神障害者入院措置費補助として三十七億万五千二百余万円を計上いたしております。
 この他、国立結核療養所の整備運営費として百五十六億六千二百余万円、国立精神療養所の整備運営費として五億六百余万円をそれぞれ計上いたしております。
 次に、小児麻痺対策についてでありますが、定期及び臨時予防接種のため二億五千八百余万円を計上するとともに、ポリオワクチンの検定、研究費をそれぞれ計上するなど、小児麻痺対策として総額四億六千七百余万円を計上いたしております。
 また、成人病のうち特にガンにつきましては、国立ガン・センターを設置することとし、これが整備運営のため九億五千四百余万円を計上いたしてお
 第五は、生活環境の改善向上に必要た経費であります、明るい生活環境を実現するため、特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、簡易水道については十二億四千三百万円、下水道終末処理施設については十億二千万円、屎尿消化槽等の清掃施設については七億四千三百万円をそれぞれ計上するなど、いづれも前年度に比し大幅な増額となっております。
 このほか、国立公園等の整備のため二億七千万円を計上し、また、地方改善事業としては、従来の同和事業の拡大をはかるほか、新たに不良環境地区の改善費についても補助するなど二億二千余万円を計上いたしております。
 以上、昭和三十六年度厚生省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げたのであります。
 次に、昭和三十六年度厚生省所管の特別会計予算の大要について御説明申し上げます。
 まず第一は、厚生保険特別会計についてであります。厚生保険特別会計につきましては、一般会計より九十億八千五百余万円の繰り入れを見込みまして、健康勘定におきましては、歳入、歳出とも一千百十三億五千七百五十四万六千円、日雇健康勘定におきましては、歳入、歳出とも九十六億一千八百五十五万八千円、年金勘定におきましては、歳入一千二百五十二億三千六十三万八千円、歳出百七十六億三千七百四十二万円、業務勘定におきましては、歳入、歳出とも七十一億十三万七千円をそれぞれ計上いたしております。
 なお、健康保険については、新生児手当金、分娩費の改善、また日雇健康保険については、分娩費の改善、給付期間の延長、傷病手当金の支給日数の延長等所要の改善をはかるとともに、国庫負担率の引き上げを行なっております。
 第二は、国民年金特別会計についてであります。国民年金特別会計につきましては、一般会計より四百七十三億七千六百余万円の繰り入れを見込みまして、国民年金勘定におきましては、歳入三百五十六億七千七百六十三万七千円、歳出四千二百四十八万円、福祉年金勘定におきましては、歳入、歳出とも三百七億二千九百四万六千円、業務勘定におきましては、歳入、歳出とも二百七十六億八千五百二十五万円をそれぞれ計上いたしておりますが、福祉年金につきましては、本格的支給を行なうため平年度予算として二百九十六億四百余万円、新たに未支給年金の支給に要する経費四億六千六百余万円、母子福祉年金の支給対象を準母子世帯に拡張するに要する経費一億三千三百余万円、また母子福祉年金の支給制限の改善に要する経費二億六千百余万円を計上し、拠出年金につきましては、昭和三十六年度から保険料が納付されますので、この年度において納付される保険料の総額の二分の一に相当する国庫負担額百十五億七千六百余万円、検認等の事務執行のための市町村交付金として二十一億三千七百余万円を計上いたしております。
 第三は、船員保険特別会計についてであります。船員保険特別会計につきましては、五億二千七百余万円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入百八億百五十九万七千円、歳出八十億三千三百十万円を計上いたしております。なお、新生児手当金及び分娩費について所要の改善を行なっております。
 第四は、国立病院特別会計についてであります。さきに述べましたように、国立病院の整備改善等のため、所要財源を一般会計より繰り入れるほか、三億五千万円の国庫債務負担行為を計上し、国立病院特別会計といたしましては、歳入、歳出とも百三十八億五千三百五十五万四千円を計上いたしております。
 最後に、あへん特別会計についてでありますが、昭和三十六年度のあへん買い入れ予定量は、輸入五十六トン国内産四トンでありまして、一方製薬原料としての売り渡しは、五十五トンを予定いたしまして、歳入、歳出とも四億二千七百六十八万三千円を計上いたしております。
 以上、昭和三十六年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたします次第であります。
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#8
○北澤主査 最後に、労働省所管について説明を求めます。柴田労働政務次官。
#9
○柴田政府委員 今回提案されました昭和三十六年度一般会計及び特別会計の予算案中、労働省所管分につきましてその概要を御説明いたします。
 まず第一に、一般会計におきましては、歳入において総額四億二千二百七十三万八千円でありまして、前年度の二億七千八百八十二万一千円に比較いたしますと、一億四千三百九十一万七千円の増加となっております。
 一方歳出におきましては、総額四百七十九億五千四百八万三千円でありまして、前年度の四百二十七億一千七百三十万五千円に比較いたしますと、五十二億三千六百七十七万八千円の増加となっております。
 次に、この歳出の内容につきまして概略御説明申し上げたいと存じます。
 その一は、発展的雇用対策の推進に必要な経費であります。経済の高度成長を完遂するために、量、質両面にわたる労働力を確保し、あわせて産業構造の変化等に伴う雇用移動に対する適切かつ積極的な施策を講ずることとし、まず第一に、地域間、産業間における労働力の流動性を高めるべく、広域職業紹介体制を強化、充実するとともに、移動労働者用住宅の確保、移転費の支給等の援護対策を推進することとし、第二に、経済の高度成長に対応する技能労働力の育成並びに離職者、転職者の就職機会の増大を確保するために、技能訓練、職業訓練を拡充強化するとともに、国家技能検定制度を整備して技能水準の向上をはかり、あわせてこれら施策を職業安定機関と協力してきめこまかく親切に、しかも積極的に実施する機関として雇用促進事業団を設立することとし、これらの施策に必要な経費といたしまして十五億二千九百九十一万九千円を計上いたしております。
 このほか失業保険特別会計に三十二億四百七十八万一千円を計上いたしておるのであります。
 なお、雇用促進事業団は、炭鉱離職者援護会及び労働福祉事業団の職業訓練部門を統合して、炭鉱離職者援護及び技能訓練、職業訓練を承継実施するとともに新たに移動する労働者のために住宅の建設貸与、移動援助、職業訓練協力等の業務を行なうこととし、これに関する法律案は、すでに今国会に提出いたした次第であります。
 その二は失業対策に必要な経費であります。
 最近における雇用失業情勢は、ここ数年にわたる経済の活況に伴い、全体として著しく改善されてきておりますが、なお完全失業者、不完全就業者が多数存在しておりますし、さらに、ここ数年間にわたる多量の新規労働力及び炭鉱離職者等産業構造の変化に伴う多数の離職者の発生など雇用失業情勢は依然として楽観し得ない面があります。
 かかる情勢に対応いたしまして、国民所得倍増を目標とする長期経済計画に見合って、完全雇用を達成すべく、雇用対策の推進に努めておるのでありますが、なお、過度的な現象に対処するため失業対策事業を実施して、失業者の生活安定と、労働意識の維持向上をはかるとともに失業保険制度を改善することとしております。
 明年度の失業対策事業といたしましては、経済の好況による日雇い労働者の民間需要の増加等から見まして、事業の規模は、本年度よりやや下回る程度にしておりますが、就労者の生活安定と事業能率の向上を期するため、一般及び特別失業対策事業、並びに炭鉱離職者緊急就労対策事業の事業費単価、特に労力費の大幅な引き上げを行ない、あわせて日雇い労働者の滞留化の傾向にかんがみ、その一般雇用への復帰促進をはかるため、新たに日雇い労働者転職促進訓練を実施いたすなど失業対策事業の整備改善をはかることとし、これらに必要な経費といたしまして、二百六十六億五千五百十五万円を計上いたしております。
 このほか建設省所管に臨時就労対策事業費八十三億円を計上いたしておるのであります。
 また、失業保険費負担金及び政府職員等失業者退職手当に必要な経費といたしまして百七億一千七十七万円を計上いたしております。
 なお、日雇い労働者の賃金の引き上げに合わせて日雇い労働者失業保険給付の改訂等を行なうこととし、これらに関する失業保険法の改正法律案は、すでに今国会に提出いたしたところであります。
 その三は、中小零細企業の労働対策に必要な経費であります。
 わが国の中小零細企業の多くは、労働条件、労働福祉等の面におきまして、大企業に比較して著しく劣っておりますし、また、労務管理等適切を欠くものが多く、労使関係の安定、並びに労働生産性の向上に大きな障害となっている実情にあります。
 かかる実情にかんがみまして、まづ最低賃金制の推進及び中小企業退職金共済制度の改善及び普及をはかり、さらに週休制の普及等労働時間の合理的改善、指導を行なって、労働条件及び、労働福祉の向上をはかるとともに、労務管理の改善指導、労働相談等を行ないまして中小零細企業の労働者の保護と、労使関係の安定促進をはかることとし、あわせて中小零細企業と密接な関係にある家内労働の改善について適切な行政指導を講ずることとし、これらに必要な経費といたしまして二億三千六百五十三万五千円を計上いたしております。
 なお、中小企業退職金共済法の改正法律案は、すでに今国会に提出いたしたところであります。
 その四は、よき労使慣行の確立に必要な経費であります。
 労使関係の安定を促進して、自由にして民主的な国家にふさわしい労使慣行の確立をはかることが経済発展の基盤であることにかんがみまして労働事情等の調査機能を充実して適切なる労働情報を常時把握し、労働紛争議を未然に防止するとともに労働運動から暴力を一掃すること、法秩序を守ることなど労使並びに国民一般に対し、啓蒙を行なうこととし、これらに必要な経費といたしまして四千百三十三万円を計上いたしております。
 また、労使関係の合理的にして円満なる調整をはかるため、中央労働委員会並びに公共企業体等労働委員会に必要な経費といたしまして一億七千五百二十七万九千円を計上いたしております。
 その五は、産業災害及び職業病対策に必要な経費であります。
 産業災害及び職業病の防止につきましては、鋭意これが対策に腐心いたしておるのでありますが、なお依然として増大の傾向にあるのであります。
 明年度におきましては、引き続き産業災害半減を目標とする産業災害防止対策を強力に推進するとともに労働環境の改善指導を行ない、特に中小企業に対しましては、巡回検診、巡回指導相談を実施いたしまして職業病の防止、塵肺の予防等の施策を行なうこととし、これらに必要な経費といたしまして三千六百六十八万三千円を計上いたしておりますし、ほかに労働者災害補償保険特別会計に四千七十一万四千円を計上いたしておるのであります。
 なお、じん肺等長期傷病名補償費負担金は五億七千五百九十一万五千円であります。
 また、産業災害及び労働衛生の研究機関であります産業安全研究所並びに労働衛生研究所の整備充実をはかることとし、これに必要な経費といたしまして五千五十九万六千円を計上いたしておりますし、このほか労働者災害補償保険特別会計に四千四百八万四千円を計上いたしておるのであります。
 その六は、婦人及び年少労働者の保護及び福祉に必要な経費であります。
 婦人及び年少労働者の保護、福祉の増進につきましては、各種の調査、並びに啓蒙活動を進めるとともに労働条件の向上、労働福祉の増進につきまして指導援助を行なって参ったのでありますが、明年度におきましてはさらにこれらの対策を強力に推進するとともに未亡人等のために内職相談施設を、また働く婦人のために働く婦人の家を、青少年労働者のために青少年ホームをそれぞれ増設いたしまして婦人及び年少労働者の保護、生活の安定向上及び福祉の増進をはかることとし、これらに必要な経費といたしまして五千二百五十七万四千円を計上いたしております。
 その七は、労働統計調査に必要な経費であります。
 労働統計の重要性にかんがみ、現行の労働統計の充実に努めるとともに、明年度におきましては、特に大規模な賃金センサスを実施することとし、これらに必要な経費といたしまして、八千六百十万二千円を計上いたしております。
 第二に、労働者災害補償保険特別会計について申し上げます。
 この会計の歳入、歳出はいずれも五百二十六億一千六百五十四万三千円でありまして前年度の三百九十三億六千六百七十七万一千円に比較いたしますと、百三十三億四千九百七十七万二千円の増加となっております。
 歳入のおもなるものは、保険料収入の三百七十九億七千二百万冊と支払備金受入の百二十一億四千五百七十万三千円であります。
 また、歳出のおもなるものは、労働者災害補償保険給付費の三百九億七百万円でありますが、この給付費のうちには、けい肺等じん肺患者及びせき髄障害等重篤な患者に対する長期傷病給付費といたしまして十億五千七百七十一万二千円が含まれております。
 このほか、労災病院等の施設を設置運営するため労働福祉事業団に対して行なう出資並びに交付に必要な経費といたしまして十五億二千八百八十七万八千円を計上し、その他の保険施設費、業務取扱費、地方労働保護官署の庁舎、公務員宿舎の整備費といたしまして、二十七億九千百九十六万四千円を計上いたしております。
 第三に、失業保険特別会計につきまして申し上げます。この会計の歳入、歳出はいづれも六百四十七億四千五百七十四万九千円でありまして、前年度の五百二十六億五千三百一万三千円に比較いたしますと、百二十億九千二百七十三万六千円の増加となっております。歳入のおもなるものは、保険料収入の四百七十億九千二百万円と、一般会計よりの受け入れの百三億七十七万円であります。
 また歳出のおもなるものは、失業保険給付費の四百九億五千八百万円でありますが、このほか職業訓練施設、労働者用住宅等を設置運営せしめるため、雇用促進事業団及び労働福祉事業団に対して行なう出資、並びに交付に必要な経費といたしまして二十九億六千五百八十二万七千円を計上し、その他の保険施設費、業務取扱費、公共職業安定所の庁舎及び公務員宿舎の整備費といたしまして、三十二億四千九十二万二千円を計上いたしております。
 以上、昭和三十六年度の労働省所管一般会計及び特別会計の予算につきまして概略御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算の成立につきまして格段のお力添えをお願い申し上げる次第であります。
#10
○北澤主査 以上で説明は終わりました。
 明後二十七日は午前十時より開会し、外務省所管について質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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