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1960/03/03 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会 第19号
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1960/03/03 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 予算委員会 第19号

#1
第038回国会 予算委員会 第19号
昭和三十六年三月三日(金曜日)
    午後六時二十七分開議
 出席委員
   委員長 船田  中君
   理事 愛知 揆一君 理事 青木  正君
   理事 重政 誠之君 理事 野田 卯一君
   理事 保科善四郎君 理事 井手 以誠君
   理事 川俣 清音君
      相川 勝六君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    井出一太郎君
      小川 半次君    上林山榮吉君
      仮谷 忠男君    菅  太郎君
      北澤 直吉君    倉石 忠雄君
      田中伊三次君    中野 四郎君
      羽田武嗣郎君    松野 頼三君
      松本 俊一君    三浦 一雄君
      山崎  嚴君    高田 富之君
      堂森 芳夫君    永井勝次郎君
      野原  覺君    長谷川 保君
      松井 政吉君    井堀 繁雄君
      内海  清君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        法 務 大 臣 植木庚子郎君
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
        厚 生 大 臣 古井 喜實君
        農 林 大 臣 周東 英雄君
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
        郵 政 大 臣 小金 義照君
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
        自 治 大 臣 安井  謙君
        国 務 大 臣 池田正之輔君
        国 務 大 臣 迫水 久常君
        国 務 大 臣 西村 直己君
 出席政府委員
        総理府総務長官 藤枝 泉介君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
 委員外の出席者
        専  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
二月二十五日
 委員永井勝次郎君、佐々木良作君及び西村榮一
 君辞任につき、その補欠として足鹿覺君、田中
 幾三郎君及び内海清君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員足鹿覺君辞任につき、その補欠として有馬
 輝武君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員有馬輝武君辞任につき、その補欠として永
 井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員小松幹君、永井勝次郎君、野原覺君、松井
 政吉君、内海清君及び田中幾三郎君辞任につき、
 その補欠として阪上安太郎君、有馬輝武君、河
 野正君、石田宥全君、井堀繁雄君及び玉置一徳
 君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員有馬輝武君、石田宥全君、河野正君及び阪
 上安太郎君辞任につき、その補欠として栗原俊
 夫君、島本虎三君、西村関一君及び田口誠治君
 が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員栗原俊夫君、島本虎三君、田口誠治君及び
 西村関一君辞任につき、その補欠として永井勝
 次郎君、松井政吉君、小松幹君及び野原覺君が
 議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員淡谷悠藏君、小松幹君、河野密君、田中織
 之進君、高田富之君、堂森芳夫君、永井勝次郎
 君及び玉置一徳君辞任につき、その補欠として
 芳賀貢君、栗原俊夫君、楢崎弥之助君、湯山勇
 君、角屋堅次郎君、滝井義高君、西村関一君及
 び佐々木良作君が議長の指名で委員に選任され
 た。
同日
 委員角屋堅次郎君、栗原俊夫君、滝井義高君、
 楢崎弥之助君、西村関一君、芳賀貢君及び湯山
 勇君辞任につき、その補欠として高田富之君、
 小松幹君、堂森芳夫君、河野密君、永井勝次郎
 君、淡谷悠藏君及び田中織之進君が議長の指名
 で委員に選任された。
三月一日
 委員淡谷悠藏君、小松幹君、河野密君、高田富
 之君、堂森芳夫君、永井勝次郎君、野原覺君、
 松井政吉君、井堀繁雄君及び佐々木良作君辞任
 につき、その補欠として有馬輝武君、勝澤芳雄
 君、小林進君、加藤清二君、河野正君、滝井義
 高君、大原亨君、赤松勇君、内海清君及び春日
 一幸君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員赤松勇君、大原亨君、勝澤芳雄君及び内海
 清君辞任につき、その補欠として島本虎三君、
 岡本隆一君、田原春次君及び本島百合子君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田原春次君辞任につき、その補欠として田
 口誠治君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員有馬輝武君、岡本隆一君、加藤清二君、河
 野正君、小林進君、島本虎三君、田口誠治君、
 滝井義高君及び本島百合子君辞任につき、その
 補欠として淡谷悠藏君、野原覺君、高田富之君、
 堂森芳夫君、河野密君、松井政吉君、小松幹君、
 永井勝次郎君及び井堀繁雄君が議長の指名で委
 員に選任された。
同月二日
 委員木原津與志君、河野密君、田中織之進君、
 高田富之君、堂森芳夫君、野原覺君及び松井政
 吉君辞任につき、その補欠として滝井義高君、
 横山利秋君、田口誠治君、三宅正一君、大原亨
 君、小林進君及び島本虎三君が議長の指名で委
 員に選任された。
同日
 委員小林進君、島本虎三君及び三宅正一君辞任
 につき、その補欠として赤松勇君、田邊誠君及
 び角屋堅次郎君が議長の指名で委員に選任され
 た。
同日
 委員赤松勇君、角屋堅次郎君及び田邊誠君辞任
 につき、その補欠として帆足計君、足鹿覺君及
 び森本靖君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員足鹿覺君、大原亨君、田口誠治君、滝井義
 高君、帆足計君、森本靖君及び横山利秋君辞任
 につき、その補欠として高田富之君、堂森芳夫
 君、田中織之進君、木原津與志君、野原覺君、
 松井政吉君及び河野密君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員田中織之進君及び春日一幸君辞任につき、
 その補欠として大原亨君及び内海清君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員大原亨君辞任につき、その補欠として田中
 織之進君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十六年度一般会計予算
 昭和三十六年度特別会計予算
 昭和三十六年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○船田委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十六年度一般会計予算、同じく特別会計予算、同じく政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際分科会主査よりそれぞれ分科会における審査の報告を求めることといたします。
 第一分科会主査相川勝六君。
#3
○相川委員 第一分科会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。
 本分科会は、昭和三十六年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管事項以外の予算につきまして、二月二十五日より本日まで六日間にわたって慎重審議いたしました。
 まず各省、各庁当局よりそれぞれ所管予算の説明を聴取し、質疑を行ないました。質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることといたします。
 最初に、現在政治問題化しておりまする北方地域からの引揚者に対する援護措置の問題につきまして政府の見解がただされました。すなわち、政府は北方地域の引揚者に対して十三億円の交付公債を発行することとし、関係法案の提出準備謹めているようでるが、関係法案をいつ国会に提出するのか、また給付に必要な予算措置が三十六年度予算でなされていないのはなぜであるか、給付金の総額は幾らであるかとの質疑に対し、政府の答弁は、給付の性格について政府内で種々議論があったが、取り扱いについては、旧漁業権の補償に準ずる措置で解決したいという方向で今検討中である。給付金の総額は実態がまだきまっていないので未定である。関係法案は本国会中に出したいと思っており、予算措置をもあわせて目下検討しているとのことでした。
 次に、防衛問題について申し上げます。
 防衛関係では、三十六年度予算要求と長期防衛計画との関係、米国よりの援助の見通し、ロッキードF104−J購入の契約、ミサイル、定員充足の状況等について質疑がありましたが、これらに対する答弁を要約すると次の通りであります。
 すなわち、第一次防衛計画は一応三十五年度までの計画であるが、これはいまだ完全には実行されていない。そこで三十六年度の予算要求は、第一次計画の残りの部分と、さきに国防会議で決定した本年度限りの防衛力整備方針とを基礎としている。ただし、長期的な計画が必要だから、防衛庁としては本年五、六月をめどとして第二次計画の大筋だけでも作りたい。計画決定後は当然に三十六年度が計画実施の初年度ということになろう。米国の援助については、無償供与は今後当然に減ることになろうが、三十五年度の見込み二百八十二億円に対して、三十六年度は二百十二億円を期待している。三十七年度以降四十年度ぐらいまでは大体二百億円ないしはそれを少し割る程度の金額が期待できよう。もっとも三十六年度から三カ年はこの金額の中にF104−Jの分二千五百万ドル、九十億円を含んでいる。F104−J購入に関する契約は、三月末ぎりぎりに新三菱重工と締結するが、これは従来もF86−Fその他の契約についても同様であって、特に今回だけおくれているわけではない。ナイキの訓練要員は、三十五、六の両年度にアメリカに派遣することになっているが、帰国の際にはナイキ・アジャックスと一個大隊分のユニバーサル型発射機三十六台を供与される予定である。
 現在ではアジャックス専用の発射機はないため、ハーキュリーズも発射し得るユニバーサル型を使用するわけだが、核武装の誤解を避けるためアジャックスだけを用いる。定員の充足の問題に関しては、現在陸上自衛隊は、定員十七万に対して二万余の欠員があるが、この定員は部隊編成の単位、すなわち一個分隊が何名、一個小隊が何個分隊という構成から積み上げた数字であるから、これを動かすわけにはいかない。欠員はできるだけ埋めるよう努力するが、三十六年度は実情を考慮して定員充足率を八八%として予算を組んだ。以上が防衛庁当局の答弁でありました。
 最後に、大蔵省関係では、財政投融資の問題に質疑が集中し、特に国民年金、厚生年金積立金の運用について政府の見解がただされました。すなわち、国民から集めた零細資金である国民年金及び厚生年金の積立金は、三十六年度において国民年金で三百億円、厚生年金で一千四十億円となる。この積立金は、その性格からいっても、当然被保険者の直接利益となるように使用すべきである。たとえば原生年金還元融資二百六十億円のうち四十億円を年金福祉事業団に充てることとしているが、この事業団の融資先として、労働者の金融機関である労働金庫を指定すべきである。また国民年金における死亡一時金の財源は何に求めるつもりかとの質問に対し、政府の答弁は、国民年金、厚生年金の積立金については、その性格からいって、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業及び農林漁業など、国民生活の安定と向上に直結する分野へ優先的に使用する。年金福祉事業団の受託機関として労働金庫を指定するかどうかは政令できめるが、労働金庫を受託機関として認めることはさしつかえないと思う。また死亡一時金の財源として要する額は、実施当初三百億円であって、この財源は、現存の国民年金の運用利回り五分五厘を六分から六分五厘程度まで運用できるようにし、その利差益で見たいとのことでした。
 以上のほか、内閣調査室の調査委託費の問題、沖縄への教育指導員派遣費削減の問題、北海道総合開発計画と北海道関係公共事業費一割地元負担の問題、金山ダム水没地補償の問題、板付基地拡張の問題、国際連合軍関係補償の問題、ガリオア、エロア対米債務返済の問題、科学技術振興の問題、裁判所書記官研修所施設取得の問題、国産大豆及び菜種保護対策の問題、肥料企業への開銀の合理化資金融資の問題などのもろもろの問題について活発な質疑応答が行なわれました。
 かくて、本日質疑を終了し、分科会の討論採決は本委員会に譲ることと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#4
○船田委員長 第二分科会主査北澤直吉君。
#5
○北澤委員 第二分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本分科会は、昭和三十六年度一般会計予算及び特別会計予算中、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管について慎重に審議いたしました。
 審議は、まず二月二十五日、関係各省よりそれぞれ所管予算案の説明を聴取し、二十七日外務省、二十八日文部省、三月一日厚生省、二日労働省及び文部省、三日文部省の順序で終始熱心に質疑応答が行なわれたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたしまして、ここではそのうちの若干のものについて御報告申し上げます。
 まず、外務省所管について申し上げます。
 その一は、国連を中心として軍縮問題も論議されると思うが、世界的軍縮及び核武装禁止を達成するためには中国の国連加盟が必要と思う。政府はいかに考えるかとの質疑に対し、政府より、世界平和をはかり、軍縮に努力するのは当然である。特に核武装については、まず核実験停止協定を作って実験を禁止することであり、いま一つは、すでに核分散防止決議案を出して、新たに核兵器を持つ国が出ないように努力している。従って、核武装を含めた軍縮の達成のためには中国の国連加盟の意義は大きいが、一部には、現加盟国でも解決できないので、新たに加盟しても解決できるかどうかという考えもあり、慎重に考えたいとの答弁がありました。
 その二は、小笠原諸島の返還について、米国側との交渉の経過及び損害補償の見通しいかんとの質疑に対し、政府の答弁は、施政権の返還について絶えず要求してきたが、今後も折衝に努力する。米国側の態度等より東西の冷戦が緩和されれば返還してもよいという感じを受けている。さきに米国で損害補償として六百万ドル支払いの立法が行なわれたが、これは財産権を米国に移転するものではなく、また右金額の配分については、全島民を対象とする見舞金であり、財産権を尊重して配分することに住民側三団体との間に話し合いがついたので、米国側と交換公文を取りかわし、早急にまとまるよう努力するとのことでありました。
 その他、低開発国に対する経済援助、海外における遺骨の収集状況、賠償、在外公館の活動状況等の諸問題について質疑が行なわれました。
 次に、文部省所管について申し上げます。
 その一は、義務教育費国庫負担について、給与費、教材費以外に国庫負担の対象を増し、また国庫負担の割合を引き上げる等内容の改善をはかるべきである。また一律二分の一負担は、後進県の財政負担を過重にしているのではないかとの質疑に対し、政府より、PTAの負担が二百億円にも上っているので、この負担は解消すべき筋合いのものと思うが、さしあたって国庫負担についての内容を改定する考えはない。しかし、将来の問題として再検討すべきものと思う。また、その配分についても二分の一負担という最低限度は貧富県の別なく公平に負担するのが原則であるが、現に富裕県では最高額を押えている。今後の問題として考えていきたいとの答弁がありました。
 その二は、義務教育の小、中学校のすし詰め学級解消について、三十三年から小学校は五ヵ年、中学校は三ヵ年で解消する計画であったが、中学校については計画通り解消されていない。法令の基準にも違反するのではないか、また高校入学者の急増に対する対策ありゃとの質疑に対し、政府より小、中学校のすし詰め解消について、三十六年度は小学校一学級五十六人以上、中学校一学級五十四人以上のとこるを解消するための予算措置を講じた。中学校については、当初計画後生徒数が急増したので、これに対応して計画を修正し、三十八年度には人的、物的設備も整うので、計画通り小、中学校とも五十人にできると思う。高校については、三十八年度から急増し、四十年にピークに達するが、その間中学校卒業者の増加二百万人のうち百万ないし百十万人が進学するものとして、公立七割、私立三割の収容計画を立て、そのうち公立の学校新設で十五万人の収容をはかる予定である。なお校舎の新設は二百校、その六割は工業高校を予定しているが、三十六年度としては、工業高校の新設に充てるために一億九千万円、理科実験設備を充実する関係で三億三千万円を計上し、また起債で三十億円を予定し、急増対策を講じているとの答弁がありました。
 その他、学校給食、科学技術教育の振興、育英資金、要保護、準要保護児童対策、国立大学付属病院、私学振興、私学の授業料引き上げ、PTAの教育費負担軽減、教育の機会均等等について質疑が行なわれました。
 次に厚生省所管について申し上げます。
 医療問題について、行政上何の法的権限もない与党三役が医師会及び歯科医師会の会長と会談するのは行政府たる厚生省を無視するものである。医師会は一斉休診に続いて保険医総辞退を考慮しているが、これは三十五年度に完成する国民皆保険制度の支障となるものではないか。また医療費の合理化、一〇%引き上げの幅及び地域差をいかに考えるかとの質疑に対し、政府より、現在の紛糾している医療問題を解決するため医師会側の参加により中央社会保険医療協議会を軌道に乗せるためには、党幹部のあっせん等もやむを得ない。また中央社会保険医療協議会の改組については社会保障制度審議会の答申によって検討する。国民皆保険の達成は自由診療の立場に立つ開業医の協力に待つところが多く、従って開業医の意見を尊重し、調和点を見出し、保険医総辞退は何とか解決するように努力したい。医療費の合理化については、単価及び点数のいずれにも不合理な点があるので、これを是正し、一〇%引き上げの幅は最低のもので医療協議会の意見を聞いた上で最終決定したい。地域差については財政上の問題もあり、漸次撤廃の方向に持っていきたいとの答弁がありました。
 その他、保険制度の改正、原爆被爆者の医療対策、日赤スト、分べん給付、保育所、厚生年金等の諸問題について質疑応答が行なわれました。
 最後に労働省所管について申し上げます。
 公労協のストは、明らかに法律で禁止されているにもかかわらず、国労の半日スト、その他の実力行使が決定しているが、政府はこれに対し、いかなる対策を持っているかとの質疑に対し、政府より、スト権は公共の利益のために禁止されているが、そのため仲裁裁定によって労働者を保護することとなっており、そのために仲裁裁定は当事者を拘束する。ただし予算上、資金上支出不可能な場合は最終的に国会がこれを決定する建前ではあるが、政府としては、誠意をもって、これが実施を労働者側に約束しつつ、労働者側には違法行為をしないよう説得を続けている。
 また、昨年公務員のベース・アップが行なわれたため、公労協関係の賃金は低目になっているので、当然引き上げる必要を認めているので、この際、当局側は例年ゼロ回答をしてきた態度を変えて、財源を十分に検討し、労使が誠意をもって団体交渉の場で話し合うことができるように期待している。それでも、もしストライキを行なった場合は、世論もこれを許さないであろうし、もちろん参加者は法に照らし厳重に処断されなければならないとの答弁がありました。
 その他労働基準法の是正基準及び基準監督官の処遇、病院スト、労働行政のあり方、ILO条約、雇用賃金等の諸問題について質疑応答が行なわれました。
 かくて、本日質疑終了後、本分科会の討論採決は本委員会に譲ることに決定した次第であります。
 以上、簡単でありますが御報告いたします。(拍手)
    …………………………………
#6
○船田委員長 第三分科会主査三浦一雄君。
#7
○三浦委員 第三分科会は、昭和三十六年度一般会計予算中、経済企画庁、通商産業省及び農林省所管並びに特別会計予算中、通商産業省及び農林省所管について審議をいたしたのでありますが、その経過及び結果について御報告申し上げます。
 審議日程は、二月二十五日、各省庁より予算の説明を聴取し、続いて質疑に入り、質疑は本日正午まで前後六日間にわたり熱心かつ活発に行なわれたのであります。
 次に質疑の概要について申し上げます。
 農材省予算についての質疑のおもなる事項は、山村、漁村対策木材対策、農業災害補償制度改正問題、土地改良工事及びその負担金問題、農業近代化資金の問題、水資源の開発とその確保の問題、飼料及び肥料価格の問題、砂糖の自由化等の問題でありますが、今二、三の事項について質疑の概要を申し上げますと、その一つは、山村、漁村振興対策でございまして、山村、漁村は幾多の悪条件の制約を受けているので、山村漁民は農業近代化の失格者として取り残されていくおそれがある。農業基本法の制定を機会に、山村、漁村について抜本的振興策を講ずるの必要ありと思う。特に山村の振興のためには、果樹、畜産等の経営に転換せしむる方策を講ずる意思はないか、また農民の職業訓練等についてはいかなる施策を講じているか、さらに、明年度新設を見る雇用促進事業団は、その運営にあたっては農漁民をも対象としているかとの質疑が行なわれました。これに対する政府の答弁は、山村対策については、従来急傾斜地帯並びに山地と耕地との割合が七対三程度の小団地等については、それぞれ特別の措置を講じているが、三十六年度においては多目的林道の開設を計画するほか、薪炭業者に対しては、原木の確保をはかるため、森林の肥培管理の方途を講ずることとしている。
 山村は、その立地条件等から見て果樹、畜産経営へ転換をはかることは一つの着眼点かとも考えられるが、果樹振興については、別途法案の提出をも用意している。沿岸漁業の振興については、漁業権制度の改正が重要なポイントとなっているが、これが改正について、いまだその結論を得るに至っていないので、別途沿岸漁業振興法の制定を予定し、目下内容等について検討中である。沿岸漁業は、海流の変化に伴う漁獲量の増減、漁場、収獲方法等に幾多困難な問題があって、一挙に解決することは困難であるが、あらゆる面より検討し、対策を進めていきたい。農民の職業訓練については、それぞれ訓練所を通じて実施している。また、農村の労働力については、三十六年度より農業委員会を中心に農家労働の需給調整協議会を設け、農村の基幹労働力の確保と、過剰労働力の有利な流動化を目途として農村労働力の合理的な調整をはかっていく方針である。
 農業問題は他産業との関連において解決をはかっていくことが根本方針となっているから、労働力の問題もひとり農林省のみならず、関係各省と総合的に連絡をとって解決をはかっていく方針である。従って農民の職業転換等に際しても、当然雇用促進事業団と密接な関係を持つものであるとのことでありました。
 その二は、木材の問題についてであります。現在国有林について、その蓄積を上回った伐採を実行している上、伝えられるところによれば、今回さらに二百万立方メートルを増伐することとしたようであるが、かかる措置は合理的な森林経営の根本をくずすものと思うが、政府の見解いかんとの質疑がありました。これに対して政府の答弁は、建築用材、パルプ用材の国内消費が堅調を続けており、これに対し供給が追いつかないため木材価格は上昇している。三十六年度も現状のままでは需給の見込みが立ちがたいので、国有林について三十五年度に比し約二百万立方メートルの伐採量の増加をはかり、さらに外材の輸入約百万立方メートル、パルプ、廃材チップの使用百八十万立方メートルをはかれば、三十六年度の需給のバランスがとれ、価格もある程度安定するに至るものと考えられる。国有林においては現在生長量よりも六割程度多く伐採しておる。国有林中天然林は広葉樹を主として、老齢、過熟であり、生長も少ないので、国有林中に占める人工造林地の割合を増加することとした。すなわち三百二十万町歩に達する人工造林計画をさらに一割程度増大することとしている。このためには、植付本数の増加、肥培管理、樹種の転換等をはかり、治山治水に支障のないよう総合的な検討を加えるつもりであるとのことでありました。
 次に、経済企画庁及び通商産業省予算の質疑について申し上げます。
 質疑のおもなる事項は、貿易振興策、中小企業金融対策、エネルギー対策、電力料金問題、後進地域開発問題、肥料問題等々であります。
 特に貿易振興について、国民所得倍増計画を達成するには貿易の振興は不可欠の要件であると思われるが、最近の貿易収支には楽観を許さないものがある。政府の経済諸情勢に対する見通しはあまいのではないか。また今後の貿易振興について政府はいかに対処しようとしているのか。またアメリカにおいて先月、合同紳士服労働組合は、日本からの既製服の輸入拒否、並びにこれと並行してラジオ、トランジスターその他電気器具等の輸入拒否の決議を行なった事実があるが、従来日米間の貿易は日本側における輸入超過が続いている実情であり、綿製品等についても輸出規制を行ない、幾多譲歩をしているにかかわらず、右のような輸入制限運動を展開し始めたことは、日米友好上またわが国貿易振興上きわめて遺憾と思われるが、本件に関する政府の対策いかん。またかかる決議をするに至った原因は日本の低賃金に基づくものと思われるが、賃金対策の実情いかんとの趣旨の質疑が行なわれました。これに対する政府の答弁は、一月の貿易収支の赤字の原因は、季節的または在庫補充的意味合いの輸入増加によるもので、輸出の減退に基づくものではなく、思惑的要素は含んでいない。六月ごろまでの経常収支はあるいは若干赤字となるかもわからないが、下期については明るい見通しであるから心配の要はないものと考える。しかし国際競争は激化の方向にあるから、輸出振興については今後とも格段の努力を要するが、アメリカもドル防衛のため保護政策へ転換するとは言っておらず、世界の貿易量を拡大したいとの意向を表明しておるから大きな変化を生ずるとは思われない。今後は西欧との貿易関係を深めるよう努力していきたいが、この際最も障害となっているのは西欧側の日本に対する差別待遇であるから、日本としても自由化を促進しつつ、この障害を取り除くよう努めている。既製服輸入拒否の問題は、米国紳士服労働組合大会の秘密会で決議されたことは事実であり、この影響を受けて輸出契約中の毛織物十八万ヤールはキャンセルとなっている。政府は目下外交ルートを通じて米国政府に善処方を強く要請しているし、また日米貿易協議会も、既製服と並行して行なった電気器具等の輸入拒否決議は、米国独禁法違反ではないかとの意見を付して抗議をしている。わが国の対米輸出額は昭和二十八年は年間二億二千万ドルであったが、年々増加の一途をたどり、昭和三十五年には十億八千万ドルに増加している。日本品に対する輸入制限運動の原因の一つも、その貿易額が四倍に急増したという事実に基づくものと思われるが、輸入制限運動に対しては万全の策を講じたい。賃金対策については輸出拡大の意味からも十分に考慮しているが、最低賃金法施行以来、すでに五十万人の労働者について最低賃金の実施を見ており、このうち繊維関係労働者が最も多くその割合を占めている。なお三十六年度を初年度として向こう三ヵ年に約二百五十万人に拡大していく方針であるとのことでありました。
 以上のほか、河川に関する行政官庁の所管の問題、物価問題、消費者行政のあり方等についても活発な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑終了後、本分科会における討論採決はこれを本委員会に譲ることといたしました。
 以上をもちまして第三分科会の報告を終わります。(拍手)
#8
○船田委員長 第四分科会主査中野四郎君。
#9
○中野委員 第四分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本分科会は、昭和三十六年度一般会計予算、同じく特別会計予算及び政府関係機関予算中、運輸省、建設省、郵政省及び自治省所管について、去る二月二十五日より三月三日まで、日曜を除く六日間にわたり慎重に審査いたしたのでございます。まず二月二十五日各省所管について一括説明を聴取し、質疑は二十七日から行なったのでございますが、質疑の詳細につきましては、時間の関係もございますので会議録に譲り、ここではその大要について簡単に御報告申し上げます。
 まず第一に、自治省所管につきましては、昭和三十六年度地方財政計画の問題について質疑がございました。すなわち、近年地方財政における給与費は年々増高してきており、三十六年度には歳出の三八%を占め、依然としてその勢いは増大の傾向にある。しこうして地方団体が行なう政策的、投資的経費が十分でない。自治省はこのような給与費の増大をどのように考え、押えていく方針であるか。また住民の税外負担は一二十四年度においてPTA負担百三十九億円、町内会、消防団その他で五十七億円、合計百九十六億円にも達しているが、この際減税よりもまず税外負担の解消に重点を置き、しかる後減税を行なうというのが当然であると思う。三十六年度地方財政計画ではこの点どのような考慮が払われているかというのであります。これに対して、自治省から、地方団体の給与費がかさむ大きな原因は、老齢職員が多いことにあるので、早急に職員の新陳代謝をはかる必要があり、これがため定年制の制定が望ましく、目下実施を考慮中である。住民の税外負担の軽減解消については、すでに三十五年度において九十億円の財政措置を講ずるとともに、地方財政法の改正等諸般の準備を行なったので、三十六年からは軽減される方向にある。要は地方財源の充実が先決問題であり、この線に沿って今後も特段の努力を尽くして参りたいとの答弁でありました。
 次に、建設省所管については、国土開発中央自動車道の建設促進についてその構想はどうか、日本道路公団の観光道路建設偏重を是正し、多額の繰越金を出さぬよう指導監督を強化せよ等の質疑がございましたが、これに対しまして建設省当局は、中央自動車道の建設については、昭和三十二年度から三十五年度にかけて一億一千万円の調査費により各般の調査を進めている。三十六年度予算も四千万円の調査費を計上して、さらに慎重な調査を進めることにしている。建設規模が膨大なものになるため、調査の結論を得るまでにも相当の年月を要すると思われるので、今回政府において決定を見た二兆一千億円の新道路整備五カ年計画には織り込んでおらない 調査の進むにつれてさらに関係各省とも協議の上、結論を出す考えである。日本道路公団は、採算主義を建前として発足した関係上、ある程度の偏重はやむを得ないが、観光道路の建設も一つの国策であり、一方、産業開発道路の建設も重要な使命であるので、十分に双方を勘案しつつ指導して参りたい。繰越金が多く出るのは用地取得が思うようにいかないこと等によるものであって、これについては公共用地取得制度調査会の答申を待って、土地収用法の改正を考慮しているとの答弁でありました。
 その他、水資源開発、都市道路の立体交差化、住宅対策等の問題につきまして熱心に質疑が展開されました。
 第三に、運輸省所管につきましては、国鉄経営の合理化と運賃値上げの問題を中心に活発に質疑がかわされたのでございますが、特にこの中で国鉄は独立採算制を建前とする一方、公共企業体として赤字路線の建設や公共負担等いわゆる政策の重荷を背負わされている。このような根本に触れずに、いたずらに運賃値上げによって当面を糊塗しようとするのは悪循環を繰り返すのみで、間違いではないか。むしろ諸外国同様、国が財政資金によってめんどうを見るべきであるとの質疑がございました。これに対して運輸省当局は、国鉄は公共企業体として、財政の収支バランスを失わない限り、新線の建設や公共負担を行なうことは課されたる使命であるが、今日その収支バランスがとれない実情になっている。さらに今後、経済成長に見合う輸送力の増強、施設の改善等を推進するため運賃値上げを行なうこととした。現在国鉄の公共負担は五百二十五億円に達しているが、国鉄財政の現情から見て、これ以上の公共負担をしいることは困難である。今後この五百二十五億円を軽減するため、一般会計からの繰り入れ、もしくはさらに財政投融資の増額等については慎重に検討を要する問題であるとの答弁でございました。
 その他、国際及び国内空港の整備、輸送対策、特に大都市における朝夕のラッシュ緩和対策、海運、造船の振興対策等、幾多の貴重な質疑が展開されました。
 最後に、郵政省所管につきましては、郵便料金の値上げ、郵便貯金の利子引き下げの問題を中心に、その他簡保資金運用の改善、電電公社の資金及び建設計画、労働問題等、郵政業務全般の問題につきまして、委員各位よりきわめて貴重な意見の開陳及び質疑が熱心に行なわれたのでございますが、その詳細につきましては、ここでは割愛させていただきたいと存じます。
 かくて本分科会は、連日きわめて熱心にかつ円滑に審議を進め、所管予算全般の審査を終了いたしました。討論採決はこれを本委員会に譲ることといたした次第であります。
 以上きわめて簡単でありますが、第四分科会の報告といたします。(拍手)
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#10
○船田委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終わりました。
 明四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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