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1960/05/25 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 本会議 第45号
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1960/05/25 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 本会議 第45号

#1
第038回国会 本会議 第45号
昭和三十六年五月二十五日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十六号
  昭和三十六年五月二十五日
   午後一時開議
 第一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助
  の暫定措置に関する法律の一部を改正する法
  律案(内閣提出、参議院送付)
 第二 公衆電気通信法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第三 日本国とオーストラリア連邦との間の国
  際郵便為替の交換に関する約定の締結につい
  て承認を求めるの件
 第四 日本国とパキスタンとの間の国際郵便為
  替の交換に関する約定の締結について承認を
  求めるの件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)及び農業保険事業団法案(内閣提出)
  の趣旨説明及び質疑
 日程第一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫
  補助の暫定措置に関する法律の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 公衆電気通信法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第三 日本国とオーストラリア連邦との間
  の国際郵便為替の交換に関する約定の締結に
  ついて承認を求めるの件
 日程第四 日本国とパキスタンとの間の国際郵
  便為替の交換に関する約定の締結について承
  認を求めるの件
    午後一時二十四分開議
#2
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び農業保険事業団法案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律案及び農業保険事業団法案の趣旨の説明を求めます。農林大臣周東英雄君。
  〔国務大臣周東英雄君登壇〕
#4
○国務大臣(周東英雄君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨の御説明をいたします。
 現行農業災害補償制度は、その実施以来、数次の改正を加えつつ、すでに十数年を経過しておりますが、その間に、この制度が災害対策として農業経営の安定に多大の寄与をして参りましたことは、周知の通りであります。しかしながら、最近におきましては、農業技術の進歩と生産基盤の整備によって農業災害の発生の態様も変化して参りました関係などから、この制度が実情に必ずしも即応しない面も現われ、各方面からその改正が強く要望されてきました。政府におきましては、その要望にこたえ、昨年来、関係者や学識経験者の意見を聞き、慎重に検討をいたしました結果、この制度の適正かつ円滑な運営、特に、末端の市町村段階における共済責任の強化と自主性の尊重及び農家負担の軽減をはかることを主眼とし、農作物共済を中心に改正を加えようとするものであります。これが、この法律案を提出いたした趣旨でございます。
 次に、法律案の主要点につきまして御説明いたします。
 まず、第一は、画一的強制加入方式の緩和であります。
 現行制度のもとでは、その経営規模がきわめて小さく、農業所得の比重が非常に低い農家でも加入が強制されておりますが、これを、農業経営の実態に合うよう、地方の実情に即して緩和し、任意加入資格者の範囲を拡大することができることとするとともに、事業量が僅少である等の理由がある場合には、農業共済組合等は、農作物、蚕繭について、これを共済目的の種類ごとに共済事業の対象から除外することができるようにした次第であります。
 第二は、農作物共済における引き受け方式の合理化と補てん内容の充実であります。
 現行制度では、一筆収量建引き受け方式がとられ、耕地ごとに三割以上の減収があった場合に共済金が支払われることとなっておりますが、改正案では、所得補償の見地から、農家単位収量建引き受け方式を採用して、農家ごとに二割以上の減収があった場合に共済金の支払いを行なうことといたしております。補てんの額は、水稲を例にとりますと、現行制度では、全損の場合百五十キログラム、すなわち、一石当り、最高は約五千円、最低は約千五百円となっておりますものを、改正案では、最高を七千円に引き上げ、最低でも三千円とし、大災害を受けた場合にも再生産を確保し得るようにいたしております。なお、引き受けにつきまして、都道府県知事が指定する農業共済組合等につきましては、三年間を限り、現行の一筆単位方式によることができることといたしております。
 第三は、農作物共済にかかる農業共済組合等の共済責任の範囲の拡大であります。
 現行制度では、農業共済組合及び共済事業を行なう市町村の実質上の共済責任は画一的に一割となっておりますのを、この改正案では、通常災害部分に対応する責任の全部として、その責任の範囲を拡大しております。これに伴いまして、基準収量の設定、通常災害の際の損害評価についても農業共済組合等の自主性を尊重するよう配意いたすこととしております。また、異常災害については、新設を予定しております農業保険事業団が責任を負うこととしております。ただし、過去の災害発生状況等から見て安全をはかる必要がある場合には、農業共済組合等は、その通常災害部分に対応する責任の一部を農業共済組合連合会の保険に付することができることとしております。
 第四は、共済掛金の算定方式及び国庫負担方式の改善であります。
 現行制度では、都道府県ごとに標準率が算定され、これを都道府県内の危険階級別に割り振って基準率を定めることになっておりますが、これは必ずしも地域の被害の実態に即応しておりませんので、改正案では、農業共済組合等ごとに、その過去における被害率を基礎として基準率を算定し、これを、必要な場合には、その区域内においても幾つかの地域に分けて定めることができる仕組みにいたしております。共済掛金の国庫負担につきましては、現行の超異常災害は全部、異常及び通常災害は二分の一という趣旨を踏襲いたしておりますが、負担割合は、現在、都道府県別に一率となっておりますものを、農業共済組合等別に、共済掛金基準率の高低に比例して定めることとし、個別化をはかった次第であります。
 第五は、共済掛金の割引と病虫害防除事業の推進であります。
 水稲について病虫害防除態勢の備わっている地域の農業共済組合等においては、病虫害を共済事故としないで、これに対応する共済掛金を割り引くとともに、国庫はその組合等に対し防除費の一部を補助することができることとし、この制度を技術の進歩に適応させることといたしました。
 そのほか、農業共済再保険特別会計にかわり農業保険事業団が農作物共済についての保険並びに蚕繭共済及び家畜共済についての再保険事業を行なうことにつきましての所要の改正を行なっております。
 なお、これらの新制度につきましては、昭和三十七年産水陸稲、昭和三十八年産麦からの実施を予定いたしております。
 以上をもちまして農業災害補償法の一部を改正する法律案の趣旨説明といだす次第でございます。
 次に、農業保険事業団法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 農業災害補償制度の改正は、法律案としましては、農業災害補償法の一部を改正する法律案と農業保険事業団法案の二法案が不可分の関係にありますが、農業災害補償法の一部を改正する法律案につきましては、その趣旨説明で御説明申し上げました通りでありますので、農業保険事業団法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 農業災害補償制度の円滑な運営と健全な発展に資するためには、その機構、組織が重要な役割を果たすことは申すまでもありません。その点にかんがみまして、従来の農業共済再保険特別会計にかわり、事業の中核的実施機構として、その業務の適正かつ能率的な実施に当たるため農業保険事業団を設立する必要があります。これが、この法律案を提案した趣旨でございます。
 次に、法案の主要点につきまして御説明いたします。
 まず、第一に、農業保険事業団の業務に関してであります。
 農業保険事業団は、政府関係機関として農作物共済にかかる保険業務と蚕繭共済及び家畜共済にかかる再保険業務とを主たる業務とし、あわせて、これらの業務と関連して、料率の決定、損害認定準則の設定等、農業災害補償法によりその権能とされる事項を行なうほか、国にかわり共済掛金等の国庫負担金の交付をも担当するとともに、農業共済組合等の行なう共済事業等に関し援助することといたしております。
 第二は、事業団の財務及び会計についてであります。
 この事業団が多額の金銭を取り扱うとともに、重い責任と任務とを持つものであることにかんがみまして、会計の区分を法律で明記し、農林大臣、会計検査院等の監督、検査を厳にするとともに、その決算を国会に報告することといたしております。
 事業団の資本金は、とりあえず、その設立の日における特別会計の再保険金支払い基金勘定の現在高に相当する金額とし、政府からその出資を受け、保険金等の支払い財源の不足に充てるための財源等といたしますが、大災害で手持ち資金のみでは保険金等の支払いに不足を生ずるような場合にも、農家に対する共済金の支払いに支障を来たさないため、政府その他から必要な資金の借り入れをすることができることといたしております。なお、この場合、政府からの借入金につきましては利子を徴しない等、通常より有利に取り扱われることができるようになっております。また、事業団の事務費につきましては、国庫がこれを負担することといたしております。このほか、事業団の組織、業務の委託、監督等について所要の規定を設けておりますが、事業団の行なう保険及び再保険の業務につきましては、農業災害補償法の一部を改正する法律案に規定いたしております。
 なお、事業団の発足の時期は、昭和三十七年度から新制度が実施される関係上、昭和三十七年二月一日を予定し、所要の予算措置等も講じております。
 以上をもちまして農業保険事業団法案の趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び農業保険事業団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。よって、これを許します。楢崎弥之助君。
  〔楢崎弥之助君登壇〕
#6
○楢崎弥之助君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました、農業災害補償法の一部を改正する法律案並びに農業保険事業団法案につきまして、以下、数点にわたり、内閣総理大臣並びに農林大臣に対して質問を行ないたいと思います。(拍手)
 私が、まず第一番にお尋ねをいたしたいのは、この法律改正案が出されましたその時期並びにその経過についてでございます。
 農業災害対策というものは、わが国のように、地理的に非常に細長い、狭い国土で、非常に自然的な条件に左右されやすく、しかも、その経営が過小零細農の多い国におきましては、国の経済にとってはもちろんのこと、これが農民の生活にとってまことに重大な影響を持つものであることは、申すまでもありません。ところが、この農業災害対策として作られております現行の農業災害補償制度は、すでに、全国的な農民の不満と、政策の行き詰まりによりまして、破産に瀕しております。もはや、抜本的な改正か、しからずんば制度の廃止かという、重大な岐路に直面をいたしておったのでございます。このような状態の中におきまして、わが党は、この制度がほんとうに農民の利益を守る社会保障的な制度になるように、かねてから、その改善の努力をして参ったのであります。また、政府におきましても、昨年四月、農業災害補償制度協議会を設置いたしまして、制度改正の検討を行ない、すでに本年二月十三日にその答申を農林大臣に行なっておるのであります。しかるに、これほど重大な法案――本来ならば、この国会は昨日で終わっているのです。しかるに、とのおまけの十五日という延長国会になってやっと出されてきたというこの政府の態度は、一体、この重大な農業災害補償制度に対してどう思っていらっしゃるのか、その感覚を疑わざるを得ないのであります。(拍手)御承知の通り、農林省は、との国会に三十件ほどの法案を提出いたしております。昨日までに約十件ほどがやっと成立をいたしております。先ごろ強行通過させられました農業基本法に関連する法案のごときは、まだほとんど手を触れられておらないというこの農林水産委員会の審議状態の時期に、このような重大な農業災害補償制度の改正案を提出して参り、一体、この国会でほんとうにこの改正案を成立させる意思があるのかどうか。私は、せんだっての農業基本法のように、ほとんど審議をせずに強行通過をはかるというようなことがないとも限らないと思うわけでございます。
 私は、初めてこの国会に上ってきて、この国会ほど常識の通用しない世界はないと思うのです。(拍手)せんだっての二十七日の農業基本法のあの農林水産委員会の採決についても、農林水産委員長がたった一分間に十くらいの議事を行なっておるということで、私は、こういう常識の通らない国会であっては困ると思うのです。従って、私は、これは非常な国会軽視の風潮であると思いますゆえに、この点について内閣総理大臣及び農林大臣に対して御質問をいたしたいと思うのであります。(拍手)
 いま一つは、この改正案の提出に至った経過でございますけれども、二月十三日に農林大臣あてに出されました制度協議会の答申の冒頭に、こういうことが書かれてあります。「政府は答申の意見を十分尊重して、すみやかに制度改正を実施することを強く要望する。なお、政府は、当協議会の正式結論が出される前に、昭和三十六年度予算編成に関連し、当協議会の経過を軽視するごとき措置をとりつつある模様であるが、このことはまことに遺憾である。」このように冒頭に書かれております、一体、政府は、どういうおつもりでこのような農業災害補償制度協議会をお作りになったのでありますか。協議会の答申と政府の今回の改正案との関係は、一体どうなっているのでありましょう、協議会に参加された各界の有識者たちが過去一カ年という長い時間を費やして真剣に作業をされておるその間に、すでに、政府は、昭和三十六年度予算の編成に関連をして、協議会の作業と関係なく、勝手に改正の方向を打ち出し、協議会で審議されつつあった方向を無視いたしまして、多くの点で答申と矛盾する今回の政府改正案を出すに至ったのであります。農業基本法審議の際にも中央あるいは地方で公聴会が行なわれましたが、これは全く形式を整えるためのアクセサリーにすぎない。その公聴会で出された多くの農民の意見は完全に無視されて、あのような強行通過が行なわれ、今回もまた、この農業災害補償制度改正に際しまして、協議会に参加された有識者の努力をまっこうからじゅうりんするようなこうしたやり方を、一体、政府の責任者である池田総理並びに担当大臣である周東農林大臣はどのようにお考えになっておるのか。先ほどの提出時期に対する考え方と一緒に、この点のお答えをまずいただきたいと思うのでございます。(拍手)
 次に、私がお伺いしたい点は、法案の内容についてであります。
 現行法は、御承知の通り、占領下の昭和二十二年に公布実施されたものでございます。しかし、この制度が制定されてから今日まで、これほど農民の不満を買った農業立法もおそらくはかに類例を見ないであろうといわれております。従って、過去十六回に及ぶ改正が行なわれたのでありますが、不満の声は一向におさまらないばかりか、災害の多い地帯からも、災害の少ない地域からも、全国的に農民の不平なり不満が高まり、各地で共済組合の解散決議や掛金の不納、事業の停止などの運動が起こりまして、これが農民の一致した世論となっているのが現状でございます。一体、どうしてこのように農民からこの制度がきらわれておるのかと申しますと、災害のないところでは、掛金がかけ捨てになって何の恩典もない。あるいは災害の多いところでは、掛金の高い割に、もらえる共済金はほんのわずかばかりでありまして、とうてい農業の再生産を保障するどころの額ではございません。おまけに、農民の負担は、掛金と賦課金で大へんな出費になっておる。こうした点に農民の不満が集中されておるのでありまして、従って、これらの農民の不平なり不満を解消して農民の生活を安定するということが制度改正の中心点でなければならないと思うのでありますが、今度の改正が、はたしてこれらの農民の願いに率直にこたえるものであるかどうか、ここが問題であります。
 そこで、内容についての第一の質問は、組織と機構についてであります。
 協議会の答申におきましては、中央の農業共済再保険特別会計を中心に、農業共済基金、全国農業共済協会及び都道府県農業共済組合連合会の機構を一本化いたしまして農業保険事業団を作り、これと市町村段階との二段階制に改めることによって、この制度を簡素化し、合理化するように答申して参っております。しかるに、政府の本改正案におきましては、都道府県連合会の再保険方式を残存いたしまして、現行の三段階制度を温存しようとしておるのでありますが、一体、この理由はどういうところにあるのでありましょうか、これをお伺いしたいのでございます。与党議員の中には県の共済組合連合会の会長を務めておられるお方もあると聞いておりますが、まさかその人たちの自分の身分保全の策動によってこういうことになったとは思いたくありません。しかし、もし、そういうことであるならば、全くこれは言語道断の話でありまして、農民の利益を犠牲にするもはなはだしいものといわなければなりません。また、中央段階における農業共済基金及び全国農業共済協会を一体どう取り扱おうとするのか、これもまた明らかにされておりませんので、あわせてお答えをお願いいたします。
 第二にお尋ねいたしたいのは、農作物共済の補てん内容の充実という点でございます。
 すでに述べましたように、この制度に対する農民の信頼感を取り戻すためには、この制度をほんとうに社会保障的な性格のものに改正しなければならないと思いますが、そのためには、まず第一に、農民の負担を軽減するということ、そして、いま一つは、災害の場合には、農家の生産費及び所得が十分に補償されまして、農業の再生産ができるようにすることが必要であります。ところが、本政府改正案におきましては、補てん方式は農家単位収量建を原則にいたしまして、引き受け数量を基準収量の八割とし、減収量を二割以上にして、しかも、共済金額を単位当たり価格の九割と押えながら、共済金額のきめ方は低米価を基礎としておるのであります。ほんとうにこれら農民の再生産費や所得の補償を十分に行ない得るかどうか、また、農民に対する国の補償が実質的に現在より厚くなるのか薄くなるのか、こういう点も、まことに疑わしいものがあると思われます。減収二割以下は、結局切り捨てになって補償対象にならない。しかし、給料取りが、月給が二割下がった場合にどうなりますか、こういう点を考えると、非常に問題ははっきりして参ります。せめて、一割以上の減収を補償の対象にならないものかどうか、こういう点につきましてもお伺いをしたいのでございますが、また、基準収量、損害額の認定準則は、補てん内容を充足するかどうかの最大のポイントであります。末端農民の不満も、これに対する不安が多いのでございますけれども、一体、これを、どのようなデータに基づいて、どのような内容に制定する予定であるのか、さっぱり、これまた明らかにされておりません。こういう点の具体的な案が同時に示されませんと、法案審議というものは全く形式的にならざるを得ないと思うのでございます。われわれとしては、基準収量は、もし災害がなかったならばこれだけはとれたであろうという実収主義によって行なうべきであると考えますが、そういう点について、農林大臣は一体どのように考えられるのか、これをお尋ねいたします。
 さらに、農民の負担に関連をいたしまして、従来、農民は、共済掛金のほかに、共済制度の事務費や人件費を賦課金として負担してきたのであります。これが農民の負担を重くしておった大きな一つの原因になっておったのでございます。この点について、制度協議会では、基幹事務費は全額国庫負担と答申しているのでありますが、改正案におきましては、国による組合等の事務費負担金を三十六年度におきましては約十億円増額はしておりますものの、しかし、一方、機構上において、中央に農業保険事業団を設けながら、さらに、県段階において連合会を残して、三段階制を依然としてとっておるために、農民の事務費負担は依然としてほとんど軽減されないのではないか、こういう点が危ぶまれるのでございます。また、これでは事業団設置の意義もほとんど失われてしまうのではないかと思いますが、この点についてもお伺いをいたします。
 次に、建物等の任意共済の取り扱いについてお伺いをいたしたいと思います。
 制度協議会におきましては、任意共済事業を一元化すべきこと、並びに、この問題解決のため七人程度の委員を委嘱すべきことを答申いたしております。この任意共済の積立金は年々巨額に上りまして、農林金融の中ですでに大きな比重を占めてきております。従って、この事業は、もはや一刻も放置すべきではなく、農協に一本化するという線で急速にその取り扱いをきめるべきときがきておると思うのでございますが、この点につきましても、農林大臣の明確なる御見解をお伺いいたしたいと思います。
 また、この制度を運営するには、市町村段階における運営を健全化することが必要であることは申すまでもありません。この点につきまして、市町村段階の共済組合の事業を市町村の公営へ移譲することが、事業そのものを安定せしめ、また、末端職員の身分を保障する一番いい方法だと思うのですが、政府改正案には、この市町村公営の健進という問題が全く無視されているのは一体どういう理由なのか、行政管理庁長官も、去る一月三十日に、市町村公営促進を農林大臣に勧告しておるはずでございますけれども、農林大臣はこれを無視しております。こういう事態を一体どう考えられますか、この点も御見解と御処置をお伺いいたします。
 最後に、重大な問題について総理大臣並びに農林大臣にお伺いをいたします。
 現行法の第四十六条は、農業共済組合の解散について規定をいたしております。この条文に準拠いたしまして、共済制度に不満を持つ多くの農民は、各地において農業共済組合を解散しようという動きが起こっております。これは、農民が、この制度の矛盾にもうがまんがならなくなったことを示すとともに、よりよい制度に改革しようとする農民の積極的な意欲の表われにほかなりません。ところが、農林省は、去る三十三年、三十四年に、経済局長の名で、組合の解散を認可しないようにという通達を発しておるのであります。これは、制度をより合理的なものに改善しようとする農民の意欲を故意に抑圧しようとするねらいを持つものであると同時に、さらに重大な点は、立法権を行政権が明らかに侵犯しておるという事実でございます。(拍手)この事実は全く憲法違反の疑いなしとしないのでございますが、非常に重大な問題でございますので、今後どのような処置をとられるのか、あるいは直ちに局長通達を撤回されるかどうか、総理大臣並びに農林大臣の明確なる御答弁をお願いいたします。
 以上、私は、数点の質問をいたしたわけでございますが、今回の政府改正案は、現行法に対する農民の不満を解消するどころか、過般本院を強行通過いたしました農業基本法と並べて考えてみましたときに、まことに本改正案は反農民的性格を強化したものと見るべきでございまして、政府はもう一ぺん考え直して出直しておいでになった方がよいのではないかという意見を添えまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#7
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 今回の農業災害補償法の改正につきましては、政府は、根本的改正を企図いたしまして、いろいろ研究をしたのであります。何分にも多岐にわたりますので、意見の調整に時間を要しまして、今日提案することになったのであります。このことは全国農民のひとしく熱望しておる改正でございまして、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
 なお、農業災害補償制度協議会の答申につきましては、機構の点につきましては多少の相違がございますが、内容的には答申を大部分受け入れておることを申し添えておきます。
 なお、その他の問題につきましては農林大臣に答弁いたさせます。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇〕
#8
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 第一の点につきましては、ただいま総理から答弁をいたしました通り、協議会の答申は十分尊重して、その意見の大部分を取り入れて本案を制定いたしておりますことを申し上げます。
 それから、第二点は、共済組合連合会を残した理由というお話でありますが、これにつきましては、答申の中にもありましたし、また、農家の希望する最末端の町村単位の共済組合に自主性を持たせ、そこに通常災害に対する全責任を持たせるということに対する処置はつけまして、その意味におきましては、町村の共済組合と今度できる保険事業団との間における関係は二段制になっておるわけであります。ただ、現在、御承知の通り、家畜保険並びに蚕繭保険は、これは共済組合連合会の取り扱いになっておりますし、そのものに対する今後のやり方をいかにするかということは、根本的になお研究の余地がありますので、これを残しました。同時に、また、現在、この連合会に対して共済基金から出しております資金の赤字等の処置の問題も考えなければなりませんので、暫時これが残っておるわけであります。
 なお、ただいま御指摘になりました農業共済協会というようなものと、共済基金の処置はどうするかということであります。これは、一つは政府出資に基づく共済基金であり、片一方は、任意に設立されておる農業共済協会でありますので、多少その性質が違っております。従って、さしあたり、共済基金は共済基金としてなお残しますし、農業共済協会は、これはできれば中央保険事業団に一緒にして仕事を扱わせるかどうかを検討していきたいと思います。
 第三は、農家単位収量建制と一筆単位収量建制との間における関係はどうか、また、それから起こる農家負担の減はどうかということに関連してのお尋ねでありました。農家の要求している点を相当に取り入れた一つの点としては、やはり、従来の一筆単位収量建制でありますると、一筆ごとに三割以上の収量減がないと保険料は払えない格好になっております。むしろ、大きな災害等におきましてはもちろんのこと、農家単位収量建制にして、二割以上の災害を負うた場合においてこれを補てんする方が、よほど農家のために利益になる。しこうして、これは、大体において、平均いたしまして、従来の行き方よりも一五%ぐらい農家負担は軽減される見込みであります。
 第二は、基準数量の問題でありますが、これは、従来は、農林省で府県別に基準数量を決定して、また、都道府県がその基準数量をさらに市町村別に割り当て、市町村がさらに組合ごとに上から天下り的にきめておったということはよくないと、今度は、むしろ、下から各保険事業団が準則を示し、それに従って町村の共済組合がその地方地方の実態に即して基準数量をきめていく方が妥当であり、これが農家のために非常に利益になる、かような考え方に変えておりますから、その点は御了承願いたいと思います。
 なお、農家の負担軽減の問題として、賦課金の問題、事務費、人件費等の問題でありますが、これは、このたびの法制と関連いたしました予算措置といたしましては、この七月から全額国庫負担になりまするので、これらも農家の要望をいれているところでございます。
 それから、建物共済について一元化するかどうかという問題です。この点は、この九月までに、この法案とは別途に、私ども政府におきましては、建物共済の経営主体の一元化に関する委員会を作って、さらに深く検討いたしました上で決定をいたしたい、かように考えております。(拍手)
#9
○議長(清瀬一郎君) 質疑はこれにて終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#10
○議長(清瀬一郎君) 日程に入ります。
 日程第一、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#11
○議長(清瀬一郎君) 一委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事秋山利恭君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔秋山利恭君登壇〕
#12
○秋山利恭君 ただいま議題となりました、内閣提出、参議院送付、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審議の経過並びに結果につき簡単に御報告いたします。
 現行法によれば、毎年、その年に発生した農業施設等の災害が激甚であります場合には、農林大臣は、地域を指定して高率補助を荷なうこととなっているのでありまして、補助金の算定については、いわゆる単年度主義を原則としているのであります。しかしながら、たとえ当年度災害が激甚でない場合であっても、農業者等が数年連続して災害を受けた場合には、そのこうむる打撃は決して少なくないのであります。
 そこで、今回、連年の災害を受けた者に対しては、過去三年の災害が当年度に発生したものとみなし、現行法の単年度についての補助の規定を適用して得た金額のこれらの災害復旧事業費に対する比率をもって補助率を算定し、その補助率を当年度の災害復旧事業費に乗じて補助金を算出することとし、もって当年度災害の補助率を引き上げ、農林業者の災害復旧事業費の負担を軽減しようとして、本案が提案されたのであります。
 本案は、三月十三日提出され、五月二十三日補足説明を聴取し、質疑及び討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一一公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#15
○議長(清瀬一郎君) 日程第二、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#16
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長山手滿男君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔山手滿男君登壇〕
#17
○山手滿男君 ただいま議題となりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は去る三月十日内閣から提出されたものでありますが、その趣旨とするところは、最近における都市の発展、行政区域の合併等による社会生活圏の拡大、並びに、電話市外通話の自動即時化の推進に対処するため、公衆電話事業の料金体系及び関連する制度につき所要の改正を加えようとするものであります。
 法律案の内容のおもなるものを申し上げますと、第一に、市外通話の三分ごとに料金のかかる現行方式を改めて、自動即時通話の場合は距離別時間差法により、手動通話の場合は三分・一分制の方式をとることとしたこと、第二に、市外通話の料金算定基準となる距離のはかり方を、従来は電話局相互間の距離によっていたのを、全国で約六百程度の単位料金区域内中心局相互間の直線距離によることに改めたこと、第三に、単位料金区域内の自動通話につき、市内、市外両通話の中間的な準市内通話制度をとることとしたこと、第四に、加入者の数による電話局の級別制度を実情に適合するように改正したこと等であります。
 逓信委員会におきましては、慎重審議の結果、五月二十三日質疑を終了、次いで、討論に入り、日本社会党を代表して森本靖君は本案に反対、自由民主党を代表して佐藤洋之助君は本案に賛成、民主社会党を代表して受田新吉君、日本共産党を代表して谷口善太郎君は、いずれも本案に反対の意見を述べられ、引き続き採決を行ないました結果、賛成多数をもって本案はこれを原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#18
○議長(清瀬一郎君) 討論の通告があります。よって、これを許します。島本虎三君。
  〔島本虎三君登壇〕
#19
○島本虎三君 ただいま議題になりました公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表して、これに反対の意を表するものでございます。(拍手)
 わが党がこの法案に反対する理由の第一は、この法案が料金調整に名をかりた電話料値上げ法案であるからであります。(拍手)
 電電公社は、新料金体系では増収にも減収にもならない、いわば実質的料金の引き下げになるということを強調しておるのでございますが、しさいに検討すれば、これは、国鉄運賃、郵便料金と、相次ぐ公共料金引き上げと全く同じ意図を持った法案であります。(拍手)値上げ反対の世論の攻撃におそれをなして、料金調整という美名のもとにかくれて、あたかも値上げのよろいの上に値下げの衣を着て堂々まかり出た平清盛のごとき法案であるといっても過言ではございません。(拍手)電電公社は、年間三十数億円の減収になることを唯一のよりどころにして、値上げではないと宣伝しておりますが、これこそ、巧妙にして知能的なからくりであります。何となれば、昭和三十四年度の料金体系による収入と、新料金体系による単なる制度上の収入との差額にすぎないのでございます。この比較は、電話利用状況の変化という重要な要件を全く無視して、旧料金体系における資料をそのままに用いるという大きな過誤を犯しているのであります。
 電話の利用状況は、御承知のように、増加の一途をたどっております。利用状況の増加は、電電公社の増収がさらにふえていくことを意味し、三十億の減収ということは、事実問題として、何ら意味がないのであります。さらに、見のがすことのできないのは、電話設備拡充のため減収にならないような調整をしておき、手動市外通話の場合、全体を一割一分値上げしてあり、自動車外通話の場合には、下がる分として二割五分よけい見て秒数を定めておるのであります。課金距離の算定でも、二十六区間を二十区間に、自動の場合は十四区間に縮小するが、距離が短くなっても現行と同じ料金がとれるよう調整されており、割高になるような区間の調整はあえて行なわないのであります。従って、新料金体系では、利用状況の変化があろうとなかろうと、すでに値上げになる十分なる公算を含んでおるものであって、これを値下げ法案であると言い張るのは、公社の一方的な独断にすぎないことは明瞭であります。(拍手)
 また、電話の級別段階の改正にいたしましても、電話がふえていけば自然と基本料金が上がるような仕組みになっており、基本料金は、現行の最高一千円を千三百円まで引き上げ、収入の増大をはかる意図に出たことは、疑いのないところでございます。現に、東京では、基本料の千円が千百円に引き上げられるのも間近でございます。将来は千三百円を予定されているのでございます。この法案は、ここにも料金引き上げの性格を露呈しておるのでございます。
 すでに御承知のように、本改正案を国会提出にきめた四月三日朝の閣議で、小金郵政大臣から、この法案は市外電話料金等を合理化するもので、これが実現すればかなり値下げになるケースもあるとの説明に気をよくした大卒官房長官は、記者会見で、池田内閣唯一の値下げ法案であるとして得々と語り、東京−大阪間を例にして解説を試みたところ、逆に値上がりになっているため、いずれじっくり勉強し直して皆さんに知らせますと、頭をかいて引き下がったそうでありますが、まさに、天網かいかい疎にして漏らさざる値上げ法案の正体暴露というべきでございます。(拍手)大衆の生活に脅威を及ぼす公共料金の値上げに反対を表明しているわが党として、かくのごとき料金調整に籍口する値上げ法案に賛成できないのは当然でございます。
 反対理由の第二といたしましては、電話料金は、値上げどころか、むしろ値下げを行なうべき時期に達していると考えるからでございます。
 電話料金は、昭和二十八年に約二割引き上げを行ないました。これと同時に、長期拡充計画が実行に移され、事業内容も年々著しく好転いたしまして、現に、本年度の予算においては、五百億円をこえる膨大な額を益金から建設勘定に繰り入れているのであります。本来ならば、このような巨額の利益を上げておれば、従業員に公正な待遇を与え、必要な要員を充足し、料金の引き下げを行なうのが妥当であります。(拍手)しかしながら、公社当局は、しきりに、事業収支の益金は新規建設財源に充当する必要があると主張するのであります。かりに一歩譲りまして、ある程度の建設勘定繰り入れを是認するといたしましても、建設財源を、利用料金の取り過ぎ、もうけ過ぎに大部分をたより、それでも足らないで、別に、いわゆる拡充法によって新規加入者に巨額の債券引き受けまで強制するに至っては、公社は独占の上にあぐらをかいていると指摘せざるを得ません。(拍手)弱い立場にある加入者に過酷の犠牲をしいるものといわれても弁解の余地がないでございましょう。現在の電話の利用者が将来の電話設備拡張分まで負担しなければならない理由がどこにございましょうか。(拍手)建設資金は、本来、資金運用部資金のような財政資金に依拠すべきが当然でございます。昨年の第三十四回国会で可決された電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律の附帯決議に明確にうたっているではございませんか。しかるにかかわらず、その方面の資金源はほんの申しわけ的な額にとどめまして、大部分を企業利潤や加入者債券に求めようとする安易な経営方針は、断じて許すことができないのでございます。(拍手)
 反対理由の第三としては、技術革新による設備費のコスト・ダウンを料金面に還元した形跡が少しも認められないということでございます。
 技術革新というものは、決して公社のみの力でできるものではございません。国全体の技術水準の向上の結果によるものであって、これが莫大な利益を生んでいる公社経営の現状から、直ちに国民に還元すべき性質のものであり、利用する加入者の料金負担の軽減となって現われるのが、公共企業体の正しい姿でございます。電信電話のサービスというものは、スピード化するだけではなく、利用者の負担が軽くなってこそ、初めてサービスの向上と言い得るのであります。しかるにかかわらず、公社の方針は、スピード化だけを強調し、利用者の負担をますます増加させておりますことは、まことに遺憾でございます。(拍手)公社は、技術革新による設備費のコスト・ダウンを料金面に還元させることこそ、料金政策の根本としなければならないことは当然でございます。
 以上申し述べました三点のほかにも、この新料金体系には、即時方式と待時方式のサービス格差の問題があり、準市内通話制度の単位料金区域の設定と地方的社会生活圏、経済生活圏とが必ずしもマッチしないという問題もあり、東京、大阪等の大都市における料金帯域性の可否等、いろいろ問題を残しておるのでございます。これらの問題を解決しないままに今回電話料金体系を急いで改正することは、将来禍根を残すことになるのみではなく、われわれの最も注目するところは、この案は、全国即時自動化の名のもとに、七円という単位を料金体系の基礎としていることであります。電電公社は、将来、この七円の単位を動かすだけで、ほとんど自動的に値上がりが行なわれるという仕組みになったことを、見過ごすことはできないのでございます。ここにも将来の料金引き上げに対する深慮遠謀が含まれているのでございます。
 さらに、昭和二十八年を起点とした膨大な拡張計画は急速な発展を遂げてきているのでございますが、すべて公益性は無視されて、企業利益中心主義が貫かれ、設備拡張に伴う満足な要員配置はされず、すべて電通労働者の犠牲によって遂行されている現状でございます。事業の合理化は労働条件と密接不可分なものであり、合理化の進展と労働条件の向上は並行するものでなければなりません。昭和二十八年に比べて十倍を上回る五百二十四億の企業利潤を生じているにかかわらず、労働者の賃金はわずかに〇・四倍しか向上していない、まことに不合理な状態であるのみならず、これに反対して戦った労働者に対して、かつてない大量の不当処分を行なったことは、皆さん御承知の通りでございます。(拍手)まさに、高い料金の電話で国民が困り、労働強化と低賃金に電通労働者が泣かされているということでございます。
 日本社会党は、これ自身に多くの不合理を含む新料金体系を骨子とし、かつ、実質的に値上げであり、さらに、将来にわたって再値上げの素地をなし、国民と電通労働者を苦しめる本法律案には絶対反対の意を表明し、私の反対討論を終わる次第であります。(拍手)
#20
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 よって、採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#21
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
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 日程第三 日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 日本国とパキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件
#22
○議長(清瀬一郎君) 日程第三、日本国とオーストラリア連邦との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、日程第四、日本国と、パキスタンとの間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#23
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長堀内一雄君。
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  〔報告書は会議録追録に掲載〕
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  〔堀内一雄君登壇〕
#24
○堀内一雄君 ただいま議題となりました二案件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 わが国とオーストラリア及びパキスタン両国との間の郵便為替の交換は、両国がいずれも万国郵便連合の郵便為替に関する約定に参加していないため、現在は、わが国との間に為替約定関係のある英国の仲介によって行なっておりますが、仲介による業務には日数を要すること、仲介手数料を負担する等、種々公衆に与える不便があります。よって、政府は、かねてより両国政府と郵便為替の直接交換のための約定締結交渉を進めて参りましたところ、先般合意が成立いたし、オーストラリアとの間の約定は、本年二月七日東京で日豪双方により、また、パキスタンとの間の約定は、二月七日東京で日本側により、三月七日ラワルピンディでパキスタン側により、それぞれ署名されました。
 これらの約定の締結によりまして、わが国と両国との間には直接に郵便為替の交換が行なわれ、公衆の受ける利便が増大することは申すまでもなく、さらに、わが国とオーストラリア及びパキスダン両国との間の経済的その他の友好関係も一そう促進されることが期待されます。
 この二件は、四月三日に本委員会に付託されましたので、本委員会は、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、五月二十四日、質疑終了の後、討論を省略し採決の結果、この二案件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、報告申し上げます。(拍手)
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#25
○議長(清瀬一郎君) 両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両件は委員長報告の通り承認するに決しました。
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#27
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時二十五分散会
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 出席国務大臣
  内閣総理大臣  池田 勇人君
  農林大臣    周東 英雄君
  郵政大臣    小金 義照君
出席政府委員
  法制局長官   林  修三君
  外務政務次官  津島 文治君
  農林省農林
  経済局長    坂村 吉正君
  電気通信監理官 松田 英一君
ソース: 国立国会図書館
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