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1960/02/16 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第2号
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1960/02/16 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第2号

#1
第038回国会 法務委員会 第2号
昭和三十六年二月十六日(木曜日)
    午後一時五十六分開議
 出席委員
   委員長 池田 清志君
   理事 田中伊三次君 理事 林   博君
   理事 牧野 寛索君 理事 山口六郎次君
   理事 坂本 泰良君
      井村 重雄君    一萬田尚登君
      浦野 幸男君    小島 徹三君
      長谷川 峻君    山村新治郎君
      坪野 米男君    畑   和君
      原   彪君    志賀 義雄君
 出席政府委員
        法務政務次官  古川 丈吉君
        検     事
        (大臣官房経理
        部長)     近藤 忠雄君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局事務次長  内藤 頼博君
        判    事
        (最高裁判所事
        務総局経理局
        長)      栗本 一夫君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
二月六日
 委員山村新治郎君、阿部五郎君及び片山哲君辞
 任につき、その補欠として羽田武嗣郎君、木原
 津與志君及び田中幾三郎君が議長の指名で委員
 に選任された。
同日
 委員羽田武嗣郎君及び木原津與志君辞任につき、
 その補欠として山村新治郎君及び阿部五郎君が
 議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
 片山哲君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月六日
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
 (予)
同日
 裁判所の代行書記官等制度廃止に関する請願外
 十九件(大原亨君紹介)(第一五号)
同月十一日
 岡山市南方緑地帯に岡山検察庁々舎建設反対に
 関する請願(逢沢寛君紹介)(第二三五号)
 鳥取地方、家庭、簡易裁判所庁舎改築に関する
 請願(足鹿覺君紹介)(第三二六号)
 裁判所の代行書記官制度廃止に関する請願外五
 十九件(大原亨君紹介)(第三二七号)
 鹿児島地方、家庭裁判所川内支部の甲号昇格に
 関する請願外三件(池田清志君紹介)(第三四
 七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月十三日
 住民登録法強化に関する陳情書(東京都千代田
 区九段一丁目十四番地全国市長会長金刺不二太
 郎)(第六八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)(
 予)
 昭和三十六年度法務省関係予算、裁判所関係予
 算に関する説明聴取
     ――――◇―――――
#2
○池田委員長 これより会議を開きます。
 この際、国会法第七十二条の規定により最高裁判所の長官またはその指定する代理者の出席説明に関する件についてお諮りいたします。
 今会期中におきまして、本委員会の審査または調査に関し、最高裁判所の長官またはその指定する代理者から出席説明の要求がありました場合は、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○池田委員長 これより下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、まず提案理由の説明を聴取いたします。古川政府委員。
 この法律案は、最近における市町村の廃置分合等に伴い、簡易裁判所の名称及び管轄区域を変更する等、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律に所要の改正を行なおうとするものであります。以下簡単に今回の改正の要点を申し上げます。
 第一は簡易裁判所の名称の変更であります。すなわち、簡易裁判所の名称でその所在地の市町村の名称を冠しているものは、市町村の廃置分合またはその名称変更に伴い、これを改めるのを原則としているのでありますが、このたび、青森県大湊田名部市の名称をむつ市とする名称変更に伴い、田名部簡易裁判所の名称をむつ簡易裁判所に変更しようとするものでありまして、地元の住民の希望を考慮したものであります。
 第二は簡易裁判所の管轄区域の変更であります。すなわち、土地の状況、交通の利便等にかんがみ、会津若松簡易裁判所の管轄に属する福島県耶麻郡高郷村の区域を喜多方簡易裁判所の管轄区域とし、また、熊本県阿蘇郡西原村の設置に伴い、御船簡易裁判所の管轄に属する同県上益城郡旧河原村の区域を熊本簡易裁判所の管轄区域としようとするものでありまして、これらの管轄区域の変更は、いずれも、地元の住民、関係諸機関等の意見を十分参酌したものであります。
 第三は下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の別表の整理であります。すなわち、市町村の廃置分合、名称変更等に伴い、同法の別表第四表及び第五表について当然必要とされる整理を行なおうとするものであります。
 以上が下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう、お願いいたします。
#5
○池田委員長 以上で本案に対する提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#6
○池田委員長 次に、法務省及び裁判所関係予算につきまして、当局より説明を聴取することといたします。
 まず、法務省関係予算について、近藤経理部長より説明を求めます。近藤政府委員。
#7
○近藤政府委員 法務省所管の昭和三十六年度の予算の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 昭和三十六年度の予定経費要求額は三百三十一億八千六百七十八万一千円であります。これは、前年度の当初予算額二百八十六億九千七十九万三千円に比較しますと、四十四億九千五百九十八万八千円の増額となっております。増額分の内訳を大別申し上げますと、第一は、人件費関係の三十五億六千二百三十一万円であります。第二は、営繕施設費の三億六千五十五万九千円であります。第三は、その他一般事務費といたしまして、五億七千三百十一万九千円となっております。
 まず第一の、人件費の三十五億六千二百万円の増加でありますが、これは昨年実施を見ました公務員給与ベースの改定に伴う所要経費並びに昇給等の原資といたしまして、職員俸給等が増額されましたのがその大部分でございます。なお、そのほかに検事、保護観察官等二百五十四名の増員及び定員外常勤的職員九百九十名の定員組み入れに伴うところの所要人件費が含まれております。
 人件費に関連いたしまして、増員二百五十四名の内訳について簡単に申し上げますと、第一に、非行青少年対策を推進いたしまして、かつ強化するための目的から百四十名の増員がいたされております。その内容は、第一が青少年検察の刑事政策的運営を強化するために、その一といたしまして、本省の刑事局青少年課に事務官を三名、それからその二といたしまして、地方検察庁の刑事資料調査室に検事三名、検察事務官十名、計十三名の増員であります。第二は、保護観察官の事務負担量が過重でございますので、それを軽減し、保護観察の円滑かつ充実した運営をはかりますために、保護観察官百名を増員いたします。第三は少年院の補導力を強化するために、教官を十四名増員いたします。第四は少年鑑別所における鑑別業務の充実をはかる目的で、技官十名を増員いたします。これらを増員いたしまして、以上の各関係機関の連携を緊密化して、犯罪特に青少年犯罪の防止及び犯人の改善を強力に推進いたしたいと思っておるわけでございます。
 第二に、暴力犯罪対策等治安対策を推進いたしまして、治安維持の機能の確立をはかるために、四十六名の増員をいたしております。その内容は、一は地方検察庁の担当部門の充実をはかるために、検事五名、検察事務官八名、計十三名を増員し、第二は破壊活動調査機能の充実をはかるために調査官三十三名増員いたしまして、悪質な集団暴力犯罪等の事件に対処いたしまして、治安維持の機能を充実強化して、治安対策の確立をはかる計画であります。
 第三に、公判審理の迅速、充実化をはかるために、検事七名、検察事務官十二名の計十九名の増員をいたしております。これは御承知のごとく、著しく当事者主義化した現行刑事訴訟法のもとにおいては、公判審理の促進は検察官の立証活動の迅速化、活発化に負うところがきわめて大であるわけでございます。しかるに現在の検事の数をもちましては、裁判所の部の増設等に対応する十分な公判要員が得られておりませんので、このために公判準備に万全を期することができませず、立証活動も必ずしも満足に行なわれているとは言いがたいのでございます。これを充実させるためには現在の捜査事務を犠牲にするほかないのでございますので、もし、これを行ないますときは、最近の犯罪情勢特に青少年犯罪の増加に対処いたしまして、適確な処理を行なうことがいよいよ困難であるのみならず、捜査不十分によるところの公判の紛糾、遅延を来たすという悪循環に陥るわけでございますので、かかる事態に対処いたしまして、公判審理の迅速化、充実化をはかりまして、なおかつ、あわせまして捜査事務の弱体化を防止するための増員でございます。
 第四に、交通事件処理機能の充実をはかるために、検察事務官二十名の増員をいたしております。これは御承知のごとく、最近における交通違反事件の激増の状況と、新道路交通法施行の新事態に伴いまして、検察に及ぼす事務負担量の増加はまことに著しいものがございます。かかる現況に対処しまして、事件処理の充実、合理化をはかるために、検察体制を強化する必要からの増員でございます。
 第五に、法務局において事務官十名を増員いたしております。これは法務局における主要事務の登記、台帳事件が逐年増加の一途をたどっております。現今の経済情勢からも、今後事件数は上昇するといたしましても下回ることは考えられないのでありまして、職員の超過勤務による執務の強化、事務の簡素化、機械等による能率化をもってしても十分に処理し得ない実情にあるわけでございます。かかる事態に対処いたしまして、登記事務の迅速化、適正化をはかるために、前年度に百四十二名の増員を行ないましたが、なお引き続き十名の増員を行なう次度であります。
 第六に、国連アジア地域研修所、仮称でございますが、その要員として教官等十九名の増員をいたしております。これは国連の社会防衛に関する技術援助事業の一環として、犯罪の予防並びに犯罪者の処遇に関しまして、アジア極東地域諸国、これは国連加盟国が二十一カ国ございますが、それより派遣される予定になっております委託研修員に対する研修、研究等を国連と協同して行なうために必要な要員の増員であります。
 以上が一応増員の内容でございます。
 次に一般事務費五億七千万円の増加の内容について御説明申し上げます。これは事務量の増加にスライドして増額されたもののほか、積算単価の是正及び事務能率化、器具等備品の整備等、質的な改善に伴う増額でございます。この内容につきましておもなる事項について順を追って申し上げてみますと、まず第一は、所管各施設の各所修繕費につきまして、坪当たりの単価が三百円から五百円に是正されましたのに伴いまして、一億四千六百四十七万一千円が増額されております。
 第二は、刑務所作業費の一億八百四万二千円の増額でございます。これは刑務所収容者に対し作業を行なわせるに必要な経費でございますが、現在なお手内職的低格作業に従事する者が多いのでございまして、職業補導上及び所内の保安上支障を来たしている現状にかんがみまして、はたまた最近の作業量の増加に伴う原材料の購入等に要する経費が増額されておるわけでございます。
 第三は、少年院の収容者に対する矯正教育の一環としての職業補導を充実するにあたりまして、それに要する経費として、技術指導謝金で百七十四万五千円、事業用器具の整備等、庁費で八百二万一千円、原材料費で五百六十五万円、合計いたしまして一千五百四十一万六千円が増額されております。
 第四に、事務量の増加にスライドして増額されましたおもな経費について申し上げますと、まず検察費でございます。検察庁において処理いたしまする一般刑事事件その他各種犯罪事件の直接捜査活動に要する経費でございますが、検察旅費で二千二百五十二万六千円、庁費で四千四十万八千円、合計六千二百九十三万四千円の増額と相なっております。
 次に、登記諸費でございますが、すなわち法務局、地方法務局等におきまして、法令に基づく登記、台帳あるいは供託、戸籍等の事務を処理するために要する経費でございます。登記登録旅費で百十三万五千円、庁費で二千二百三十四万五千円、それに供託金の利子四千二百万円、合計いたしまして六千五百四十八万円の増額となっております。なお、このほか、庁費では、土地台帳付属地図の補修整備経費といたしまして、前年度に引き続きまして一千三十万三千円が計上されておりますが、これも前年度に比較いたしまして、四百四十八万一千円の増額と相なっております。
 次が補導援護費でございます。保護観察所におきまして、犯罪者予防更生法あるいは更生緊急保護法及び執行猶予者保護観察法に基づきまして、刑余者並びに執行猶予者を補導監督しまして、これを更生せしめるための補導援護に要する経費でございます。補導援護旅費で八十六万円、更生保護委託費で八百四十七万六千円、保護司の実費弁償金で五千九百八万七千円、その他庁費、被保護者被服費、食事費給与金等で七十九万二千円、合計いたしまして六千九百二十一万五千円の増額と相なっております。このうち更生保護委託費でございますが、これは食事付宿泊費の現行一人一日当たり単価の八十五円を九十一円七十二銭に、また宿泊費の現行単価の二十二円八十一銭を二十四円八十銭にそれぞれ単価の是正を行なっております。それに伴いまする増加分としまして三百十二万四千円が含まれております。また保護司の実費弁償金につきましては、補導費の現行単価一件当たり――これは御承知のごとく、対象者一人一カ月で一件に相なっておりますが、その百九十円が二百三十円に是正されまして、それに伴う増加分としての四千六百四十万八千円が含まれております。これら単価の是正によりまして、更生保護会の充実をはかり、収容者の完全な是正を期しますとともに、他方におきまして、保護司の活動を充実強化し、保護観察官の増員と相待ちまして、保護観察の効果を期したい所存でございます。
 次が昨年度より本格的に作業の実施を開始いたしました改正の不動産登記法に基づく登記制度と台帳制度の二元性を一元化するための作業に要する経費といたしまして、処理対象件数の増加等によりまして、執務強化に要する超過勤務手当の四千二百六十三万七千円の増額のほかに、指導事務応援等の旅費といたしまして五百八十五万三千円、用紙代等の庁費で三千七百十四万六千円、合計して四千二百九十九万九千円が事務経費として増額と相なっております。
 以上が事務量の増加等に伴うところの増加額のおもなるものでございます。
 第五は、矯正関係におきまして、収容者被服乾燥機、レントゲン等の医療器具、護送者等の収容施設、備品の整備に要する収容施設備品費といたしまして、二千七十万円が増額されております。
 第六は、法務局におきまして、登記、台帳事務処理の機械化、能率化をはかりますため超速複写器、特殊タイプライター等、また戸籍副本のマイクロ化による保管等能率化器具の整備に要する経費といたしまして、庁費に前年度に引き続きまして二千百十万八千円が計上されております。前年度に比しまして六百五十八万円の増額と相なっております。
 以上が一般事務費の増額となったおもなるものでございますが、それになお、三十六年度予算におきまして新規に予算の計上を見ました事項につきましての経費の増加分がございます。
 その一つは、前述いたしました国連アジア地域研修所の事務運営経費として、初度設備費を含めました一千九百十九万六千円であります。
 その二は、矯正施設の医師の充足をはかるために、これは仮称でございますが、矯正医官修学資金貸与法に基づきます医科大学生及び実施修練生に対する学資貸費に必要な経費としての二百八十八万円でございます。
 最後に営繕施設費の三億六千五十五万九千円の増額でございますが、非行青少年対策の一環としての少年院施設の整備に要する施設費六千八十二万六千円の増加及び国連アジア地域研修所の新営施設費六千五百六十二万六千円が増加額の一部として含まれております。
 なお、営繕費につきましては、このほか官庁営繕費として建設省所管予算に三億六千七百八十八万円が計上されております。これも前年度に比較いたしまして三千四百八十三万二千円の増額と相なっております。
 以上簡単ではございますが、増加額の内容について概略申し上げたわけでございます。
 なお参考までに、当省が三十六年度予算において主要事項として取り上げました暴力犯罪等治安対策及び非行青少年対策について、簡単にその予算の内容を申し上げたいと存じます。
 第一は暴力犯罪等治安対策でございますが、前述しました検事五名を含めた四十六名の増員による機能の充実をはかりましたほか、暴力カード等資料作成費としての庁費三十万円の増額が行なわれております。これによる資料の収集整備により暴力団並びにその構成員の実態を常時把握いたしまして、暴力事犯を適正に処理するとともに、基礎資料として利用することによりまして暴力事犯取締対策の樹立に資したいと考えておるわけでございます。
 第二に、非行青少年対策でございますが、これも前に申し上げました検事、保護観察官、少年院教官、鑑別技官等百四十名の増員によりその機能の強化をはかりますほか、経費のそれぞれの増額によりまして、その充実を期しております。
 機構別に申し上げますと、まず検察関係につきましては、事犯の実態を調査分析して、事件処理の適正と、この種事犯の対策樹立をはかるに必要な調査旅費として七十三万円、各種調査票作成費として二十四万一千円、その他備品費として五十万九千円が新たに増額されております。
 次に保護関係におきましては、前述した通りでございます。すなわち更生保護委託費及び保護司実費弁償金についてそれぞれ単価の是正等による経費の充実をはかって、保護観察の効果を期待しておるわけでございます。
 次に少年院関係につきましては、これも前述いたしました通り、職業補導経費の増額と施設備品の整備――これは二百四十三万円の増額でございますが、これと施設の整備経費の増額によりまして、その処遇教化面の改善、充実化をはかっておるわけでございます。
 次に少年鑑別所につきましては、鑑別技官――これは心理学でございますが、それの増員と相待ちまして、鑑別器具等施設備品の整備経費として前年度に引き続き九百三十七万八千円を計上いたしまして、四十八万六千円の増額となっております。業務の充実化をはかりまして、少年の矯正補導をより一そう適正化し、効果あらしめたいと考えておるわけでございます。
 これらのほかに一方法務総合研究所におきまして、非行青少年における再犯予測方式の研究等に要する経費として、前年度に引き続き同額の七百六十八万四千円を計上いたしまして、一貫した方針と施策のもとに青少年犯罪の原因を科学的に究明し、青少年犯罪の一般的予防を積極的に推進いたしたいと考えておる次第でございます。
 以上で法務省所管の歳出予算について概略御説明申し上げたわけでございます。
 なおこのほかに滋賀刑務所及び松江刑務所の移転に伴う施設取得にかかる総額四億二千万円の国庫債務負担行為を要求いたしております。
 最後に当省主管歳入予算について、一言御説明申し上げておきたいと思います。昭和三十六年度法務省主管の歳入予算額は七十六億八千六十六万三千円でございまして、前年度予算額の六十四億六千八十六万五千円に比較いたしますと、十二億一千九百七十九万八千円の増額と相なっております。その増額のおもなものは、罰金及び没収金並びに刑務所作業収入でございまして、いずれも過去の実績等を基礎として算出されたものでございます。
 以上、法務省所管の昭和三十六年度予算についての御説明を申し上げたわけであります。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。
#8
○池田委員長 志賀君から質疑の通告があります。これを許します。志賀義雄君。
#9
○志賀(義)委員 ただいま法務省所管昭和三十六年度予算について、法務省から文書並びに口頭で御報告がありましたが、裁判所の予算経費要求額説明なんかには、ちゃんと調査数字がこういうような表になっておりますが、法務省からお出しになったのには表がございません。これでは審議する上に非常に不便でございます。用意されたものを出されないのか、まだ用意されておらないのか、もし後者であるならば、委員長の方から、法務省の予算の審査の便宜のためになるべく出して下さるようにお願いいたしたい。裁判所のはちゃんと出ております。法務省のはその点少し落第じゃありませんか。
#10
○近藤政府委員 御指摘の数字化したものを今手元に用意いたしておりませんので、さっそく用意して提出させていただきたいと思います。
#11
○志賀(義)委員 先ほど理事会で、次会は二十三日ときまりましたので、そのときにいろいろ質問申し上げたいことがありますが、ちょっとわからないところがあります。きょうは質問いたすわけではございません。
 三ページの初めから五行目の「第二に暴力犯罪」、そこに一、二と数字がございまして、「破壊活動調査機能の充実を図るため調査官三十三名」とございます。この調査官というものは法務省のどこの官庁に属しておるのでございましょうか。
#12
○近藤政府委員 公安調査官でございますので、公安調査庁に属しております。
#13
○志賀(義)委員 私が今ちょっとお尋ねしましたのは、公安調査官と書いてあれば、法律に書いてある文句だからすぐわかります。破壊活動防止法を見まして、公安調査庁法を見ますと、必ず公安調査官と書いてある。裁判所には調査官というものがございます。検察庁法にございますか。だからそういうところで非常にまぎらわしいのです。はっきり書かれておりません。おまけにここは「暴力犯罪」といううたい文句で始まっておる。中身を見ますと破壊活動防止法、どうやらここには何だかごしゃごしゃと縦書きにしておいて、ごまかして通ろうという気持があるととられてもしょうがありません。あなた方も法律はよく御存じなんだから、名称は正確に書かれませんと――そんなことを言って、暴力団というのがあとでまた十一ページに出てきます。そうすると、今のように右翼暴力があるときには、そういうことをやってくれるのか、それは必要なことだと世間では思う。ところがその経費のところを見ますと、人員三十三名、公安調査官。こういうことで非常にまぎらわしいのです。こういう点も正確にやっていただきませんと困る。予算を請求するにも法律に基づいてやるのでしょう。調査官という官名はどこにもないじゃありませんか。内容についてはいずれ質問いたします。そういう点、正確を期していただきたい。この二点を今申し上げておきます。
#14
○池田委員長 次に、裁判所の予算につきまして、最高裁判所栗本経理局長より説明を求めます。栗本経理局長。
#15
○栗本最高裁判所長官代理者 昭和三十六年度の裁判所所管予定経費要求額について、御説明申し上げます。
 まず昭和三十六年度裁判所所管予定経費要求額の総額は百六十九億五千八百九十二万七千円でありまして、これを前年度予算総額百四十五億七千七百二十五万九千円に比較いたしますと、差引二十三億八千百六十六万八千円の増加になっております。この増加額の内訳を大別して申し上げますと、人件費において十四億四千四百九万九千円、営繕に必要な経費において七億八千百三十八万五千円、裁判に直接必要な経費裁判費でございますが、これにおいて九千四十八万五千円、その他、一般司法行政事務を行なうために必要な旅費、庁費等におきまして六千五百六十九万九千円と増加になっているのでありまして、この合計が前述の二十三億幾らの増加額となるのであります。
 次に、昭和三十六年度予定経費要求額のうち、おもな事項について、御説明申し上げます。
 まず最初に営繕に必要な経費であります。裁判所庁舎の継続工事二十三庁、新規工事二十二庁の新営工事費といたしまして十三億四千五百五十五万六千円が計上されましたが、そのうちには、東京地方裁判所刑事部庁舎の新営工事費分の五億六千百六十四万八千円が含まれております。その他法廷の増築、裁判所庁舎の補修等の施設整備費といたしまして一億八千万円、営繕事務費といたしまして二千八百三十万九千円が計上されております。以上の合計は、十五億五千三百八十六万五千円となりまして、前年度予算に比較いたしまして、三億四千九百五十五万三千円の増加となっております。右のほか、営繕に必要な経費といたしましては、庁舎新営に伴う敷地買収のための不動産購入費が千三十六万円、庁舎等特別取得費として、前年度国庫債務負担行為が認められました裁判所書記官研修所施設取得のために必要な経費として四億五千万円が計上されております。
 次に訴訟の迅速適正な処理に必要な経費でございます。第一審の裁判を強化いたしまして、裁判の適正と事務能率の向上をはかるための経費といたしまして、判事二十八人を増員するための経費が四千六百五十一万円、裁判所書記官四十人を増員するための経費が千七百六万円、自動車十台の購入費八百十三万三千円、事務能率器具の購入費四千百七十七万五千円、合計いたしまして一億千三百四十七万九千円が計上されております。
 次に補助機構の充実に必要な経費でございますが、裁判所書記官の適格を有する裁判所書記官補を裁判所書記官に昇任させまして、事務の能率化をはかるため、裁判所書記官補の定員を裁判所書記官の定員へ二百十人組みかえることに要する人件費として八百四十一万八千円、家庭裁判所の事件の処理の適正円滑化をはかるための家庭裁判所調査官三十人の増員に要する人件費千百七十四万二千円がそれぞれ計上されております。
 裁判費でございますが、これは、裁判に直接必要な経費でありまして、国選弁護人の報酬、証人、鑑定人、調停委員等の旅費、日当、その他裁判に直接必要な旅費、庁費等といたしまして十五億二千四百五十七万六千円が計上されております。
 次に調停委員、証人等の待遇改善でございますが、調停委員の日当四百八十円を六百円に増額する費用、同時に司法委員、参与員等の日当五百九十円も六百円に増額する、かような経費として八千百七十一万四千円が計上されております。証人の日当が現在二百三十円でございますが、これを三百円に値上げするに必要な経費として五百九十七万九千円が計上されております。
 以上が昭和三十六年度裁判所所管予定経費要求額を御説明申し上げた次第でございます。
#16
○池田委員長 これにて予算についての説明は終わりました。
 次会は来たる二十三日午前十時から開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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