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1960/03/14 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第6号
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1960/03/14 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 法務委員会 第6号

#1
第038回国会 法務委員会 第6号
昭和三十六年三月十四日(火曜日)
   午前十一時開議
 出席委員
  委員長 池田 清志君
   理事 田中伊三次君 理事 林   博君
   理事 山口六郎次君 理事 井伊 誠一君
   理事 猪俣 浩三君
      井村 重雄君    一萬田尚登君
      上村千一郎君    唐澤 俊樹君
      小島 徹三君    千葉 三郎君
      楢橋  渡君    長谷川 峻君
      畑   和君    原   彪君
      中村 高一君    田中幾三郎君
 出席政府委員
        法務政務次官  古川 丈吉君
        検     事
        (大臣官房司法
        法制調査部長) 津田  實君
        法務事務官
        (矯正局長)  大澤 一郎君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局事務次長  内藤 頼博君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局総務局第
        一課長)    長井  澄君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局人事局
        長)      守田  直君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
三月十四日
 委員片山哲君辞任につき、その補欠として田中
 幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十三日
 鹿児島地方、家庭裁判所川内支部の甲号昇格に
 関する請願(池田清志君紹介)(第一三七二
 号)
 岡山市南方緑地帯に岡山検察庁々舎建設反対に
 関する請願(大村清一君外二名紹介)(第一三
 七三号)
 めいてい犯罪者に対する禁断処分法制定に関す
 る請願(池田清志君紹介)(第一三八二号)
 同(中山マサ君紹介)(第一三八三号)
 同(戸叶里子君紹介)(第一三九八号)
 同(床次徳二君紹介)(第一四一七号)
 同(柳谷清三郎君紹介)(第一四一八号)
 大日本愛国党とその他の右翼テロリスト団体の
 解散に関する請願外七件(川上貫一君紹介)(
 第一四〇五号)
 同外六件(志賀義雄君紹介)(第一四〇六号)
 同外六件(谷口善太郎君紹介)(第一四〇七号)
 鹿児島地方法務局鹿屋支局庁舎敷地の買収に関
 する請願(二階堂進君紹介)(第一四八一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六一号)
 矯正医官修学資金貸与法案(内閣提出第六七
 号)
     ――――◇―――――
#2
○池田委員長 これより会議を開きます。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び矯正医官修学資金貸与法案の両案を一括議題として審査を進めます。
 前回に引き続き、質疑を続行いたします。井伊誠一君。
#3
○井伊委員 下級裁判所の判事の定数を増員する、こういうことですが、裁判所の判事のこれに対する補充の対策というものは、根本的に立っておるのであるか。先日は大体今度の増員に対する対策はできておるということだったが、その後のことについてはまだ十分なことを承ってないわけです。これに対する対策をほんとうに立てられているかどうか、そのことを一つ伺いたい。
#4
○内藤最高裁判所長官代理者 下級裁判所の裁判官の今後の充員の見通しでございますが、判事につきまして現在五十名近くの欠員がございます。さらに今回お願いしております定員法の改正によりまして、二十八名の増員がございますが、判事につきましてはこの四月十四日に判事補を十年経験いたしまして判事の任命資格を得ますものが約八十名ございます。判事は御承知のように判事補、検事、弁護士等を十年経験したことによって、その任命資格を得るわけでございますが、ただいま申し上げましたように、この四月十四日には判事補を十年経験した者が八十名ございますので、これらの人たちが当然判事に任官することを希望いたしまして、この欠員の補充ができる見通しでございます。
 それから判事補につきましては、ただいま申し上げました判事補を判事に任命することによりまして、約八十名の定員があるわけであります。これは今度司法修習生を終了いたしました者の中から判事補に任命することになるわけでございますが、それがやはり八十数名は任命をする見通しが立てられておるわけでございます。
 なお簡易裁判所の判事につきましては、約四十名の欠員が現在あるわけでございます。これは例年弁護士の方の中から、あるいはその他一般の中から、これは特別の任命になりますけれども、任命されることになっておりまして、簡易裁判所の判事の方は比較的補充が容易でございますので、補充し得ると考えておるわけであります。
#5
○井伊委員 さしあたりの対策は今のようなことでありましょうが、司法修習生になることを希望する者がだんだん多くなるという傾向というか、そういう見通しを持っておられるのかどうか。聞くところによると、やはり司法修習生の方はだんだん裁判官の――これは検察官の方においてもそうだというのですが、だんだん希望者が少なくなるということを聞いておるわけでございますが、そういうことが事実だとしますと、判事補を得る、あるいは判事を得るということがむずかしくなってくると思うのであります。それがその次の対策として大切なのじゃないかと思いますが、その点はどうでありましようか。
#6
○内藤最高裁判所長官代理者 御指摘のございました問題でございますが、司法修習生から判事補へ志望いたします者の数は、過去三年間で見ますと、昭和三十三年度が六十七名、三十四年度が八十六名、三十五年度が八十六名となっております。ことしは大体九十名くらいというふうに見られているわけでございます。大体この数字はそれほど動かないというふうに私どもは考えているわけでございます。現在の裁判官の数を補充して参ります上におきましては、その程度の数字が維持されれば、さしたる支障はないとは存じますけれども、御承知のように、裁判所の現在の状況を見ますと、裁判官の増員がどうしても要請されてくるのでございます。この増員のことを考えますと、現在のこの志望者数では、将来の見通しとして決して明るいとは申せないのであります。この点につきましては私ども判事補へ多くの優秀な人が志望するようにぜひしたいのでありますけれども、それにはやはり率直に申しまして弁護士の方へ希望する若い人たちが多いものですから、私どもが期待するだけの、将来の裁判所の必要を満たしていくだけの志望者が得られるというような見通しが現在のところはなかなか立てがたい状況であります。
#7
○井伊委員 弁護士から裁判官を希望する者は、今までの実績ではどのくらいでございますか。それからまたこれからの見通し傾向としては、期待を持てるものであるかどうか、そのことをお聞きしたいと思います。
#8
○内藤最高裁判所長官代理者 弁護士から裁判官に任命される方々は、終戦の直後には比較的数が多かったのでございますけれども、最近はやはり数がずっと減っております。過去三年間を平均いたしますと、年間約二十名でございます。判事が約六名、判事補が約五名、簡易裁判所判事が約九名というような状況であります。これも実は私どもといたしましてはぜひ弁護士から裁判官になっていただきたいということを常に申しておりますし、また日本弁護士連合会におかれましても、積極的に私どもに協力していただきまして、お骨折りをいただいておるのでありますけれども実情はただいま申し上げましたような次第で、今後この点につきましても、現在のままではそう大きな期待は寄せられないのではないかと考えております。
#9
○井伊委員 このことはやはり非常に重大な問題だと思います。これらの裁判官に司法修習生からの志望が今の話ですと一応上昇の機運にあるようでもありますけれども、将来のことを考えると安心はできないと思うのであります。弁護士の方からの志望者もきわめて少ない、将来はだんだん裁判官の数はやはりふやさなければならぬという方向だろうと思います。しかしあまり明るい見通しは立っていないようであります。これは心配はしておるけれども、将来において非常にむずかしいものを残すと思いながら、今は、正直のところ、打開の道はなかなかないとみな思っておるのではないかと思うのであります。何かこれに対するところのほんとうの根本的な対策というものをお持ちでありますか。
#10
○内藤最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のございましたように、裁判官の充員ないし将来の増員のことは非常に重大なことでございまして、私ども常々その点につきまして考慮いたし、その対策も考えているわけではございますけれども、ただいまお話し申し上げましたように、現在のところ、私どもとしては明るい見通しを持ち得ないのでございます。これは大へん遺憾なことであり重要な問題でございますけれども、結局はやはり法曹全体の協力、それからそれに応ずるところの裁判官の地位、待遇というものが確立されませんと、打開はできないのではないかという工合に考えているわけでございます。
#11
○井伊委員 裁判所職員のことについて少し聞きたいのですが、裁判所の事務官というのは、定員よりも千七百名以上も現在実際上はよけいになっておる、こういう定員よりもよけいになっておるということは、いつから始まったのでありますか、これはどういう事情からこういうふうになっておるのか。
#12
○守田最高裁判所長官代理者 事務官の下に補助職員として雇があるわけであります。この事務雇は、だんだん勤続年数が長くなりますと、そのままほうっておくわけにいかないわけであります。そこで一定の試験をいたしまして順次事務官に昇任をさして繰り入れておるわけでございます。そこで、過渡的に昭和三十五年度におきましては過員となっておるわけでございますが、しかし昭和三十六年度予算におきましては、これらの過員はすべて事務官に組みかえていただきまして、昭和三十六年四月一日からはこの過員という現象はなくなってしまうわけであります。
#13
○井伊委員 これらの事務官の職務の範囲ですね、やはり検察審査会の職員というようなものが、この中に入っておるわけですか。
#14
○内藤最高裁判所長官代理者 検察審査会に属します事務官も、ただいまの数の中に入っております。
#15
○井伊委員 検察審査会の方の職員である事務官というものは、現在どのくらいあるのでありますか。
#16
○内藤最高裁判所長官代理者 定員五百四十名でございます。
#17
○井伊委員 この検察審査会の五百四十名というものを今度千四十二名にするということになりますと、これはやはりこの事務官の中からそれだけの者を入れていく、こういうわけですか。
#18
○内藤最高裁判所長官代理者 今回の改正案の中にございます千四十二名と申しますのは、これは事務官ばかりではございません。その他の職員も加えまして全部で千四十二名ということでございます。
#19
○井伊委員 この検察審査会の事務官というものは五百四十名の定員で、これを今度さらにこれだけの定員数に増加しますと、これは検察審査会の仕事が非常に大きくなっていくということを予想しておるわけなんですが、今までのところを見てみますと裁判所の事務官が検察審査会の職員として兼務をしておるような事態が多いのでないかと思うのであります。今度少なくともこの専従の定員を千四十二名、これ全部事務官ではないとしましても、これは事務官を相当にそちらの方へ振り向けるという、そういう意味でありますか。
#20
○内藤最高裁判所長官代理者 ただいま申し上げましたように、事務官の定員のほかに他の職員も加えまして全部で千四十二名ということになるわけでございます。従いまして、事務官の数が千四十二名に増加するという趣旨ではございません。千四十二名という数は、従来の職員の数のままであります。すなわち従来は事務官だけの数が法律に出ておりましたけれども、今度は事務官以外の職員も加えまして数字を出しましたので千四十二名になったわけでございまして、職員全体の数は従来と変わっておりません。
#21
○井伊委員 この検察審査会事務官が、今までは裁判所の事務官が兼任をしておるようなものもあるように私は思うのですが、今度のこの少なくとも千四十二人というものには、事務官のほかに他の職員も入るではありましょうが、それは専従となるわけでありましようか。
#22
○内藤最高裁判所長官代理者 検察審査会の事務官は、身分は裁判所事務官でございまして、裁判所事務官が検察審査会事務官の仕事をしておるわけでございます。各庁のそれぞれの事情に応じまして、事務の繁閑もございますので、検察審査会の事務官の職をとります者が、同時に裁判所の方の事務も扱うこともあり得るわけでございます。
#23
○井伊委員 そうするとこの千四十二人、そのうちに含まれるところの検察審査会事務官、それらの者はどうなりますか。専従かどうかということです。
#24
○守田最高裁判所長官代理者 検察審査会事務官は、裁判所事務官から任命することになっております。裁判所事務官というのが官であって、検察審査会事務官というのは職ということになるわけであります。だから検察審査会事務官になるためには、どうしても裁判所事務官でなければならぬ。大体が専従になっておると思いますけれども、しかし事務の繁閑等もありまして、あるいは裁判所事務官で検察審査会の事務官としての職務を行なうべきものと定められている者が、裁判所事務官としての身分で裁判所の事務を行なっているという部面もあるかもわかりませんが、原則として専従ということになるわけでございます。
#25
○井伊委員 そうしますと、特に今度の改正をいたします第二条のところの「裁判官以外の裁判所の職員の員数は、二万三百三十七人」その下にカッコして「千四十二人は、検察審査会に勤務する職員とする。」こういうふうに数を限定いたしますのは、あまり必要がないということになるのでしょうか。裁判所事務官の資格を持っておればこちらの方へ向けられるというのですが、数をこう限定してあるのは、これはどういう意味なんでしょうか。
#26
○津田政府委員 この検察審査会事務官は、裁判所事務官のうちから任命するということは検察審査会法に規定されております。でありますが、現在の検察審査会法によりますと、その二十条一項におきまして「各検察審査会に通じて五百四十人の検察審査会事務官を置く」ということになっております。ところが今度のこの改正案によりますと、その五百四十人というのを削るわけでございます。その理由は、現在お手元にお配りいたしております参考資料の表に「裁判官以外の裁判所の職員の定員・現在員等」という表の中にございますように、検察審査会には五百四十人の現在定員に対しまして、今度はそれを八百十二人に事務官を伸ばす、事務官の数をふやすというのは、つまり事務雇から事務官に組みかえるという予算措置がなされたわけです。これは事務雇を名称の上で優遇するという趣旨になるわけでございます。ところが一方検察審査会から申しますと、事件数は少しも多くなっておりません。大体年間に二千件前後です。その意味におきまして、本来の事務官をふやすということはいかがなものであろうかということが考えられますので、この検察審査会事務官の数は、ほかの裁判所における事務官と同じように、その数の内容は全部裁判所がきめるという趣旨で、法律上からはその事務官の定員のワクをはずした方が、裁判所としては自由に事務官を予算の範囲内においてふやすこともできるだろうという趣旨におきまして、この裁判所職員定員法の第二条を改正いたしまして、検察審査会に勤務する事務官、雇を含めて総計千四十二人、これは現在の定数そのままの数をここで押えるということによって、その内容は裁判所におまかせするのが相当である、こういう趣旨でございます。
#27
○井伊委員 さらに聞きたいのですが、速記官、速記官補というものがある心そして各裁判所に置かれるということになっておるようですが、定員六百四十八名、そうして現在員がその通りということなんですが、これが実際置かれてあるところの裁判所は、各裁判所というよりは、あるところとないところがある、こういうふうにも思うのです。これはどういうところに置いてあるわけですか。
#28
○内藤最高裁判所長官代理者 速記官は、現在地方裁判所の本庁全部、それから高等裁判所の本庁全部に配置されております。本年度にもさらに研修を修了して速記官になるものもございますが、それらの者もいずれも地方裁判所本庁に配置されることになっております。
#29
○井伊委員 今度増員になります計画のようですが、これはやはり地方裁判所本庁以上のところでその必要が増加したということですか。
#30
○内藤最高裁判所長官代理者 これは地方裁判所本庁の仕事に従事するわけでございますが、必要が増加したと申しますよりは、現在までにまだその必要数を満たしていない、足りないのだ、それをおいおいこうして配置いたしまして、必要を満たしていくということでございます。
#31
○井伊委員 この速記官というものは、地方裁判所本庁よりもさらにその下の支部であるとかあるいは簡易裁判所であるとか、そういうところまでこれを拡大していくという御意向はありませんか。
#32
○内藤最高裁判所長官代理者 速記官をつけます審理は、何といたしましても、事実審に一番必要なわけであります。同時にまた事実審の中でも、簡易な事件は、これを除いてよろしいわけでございます。そうなりますと、やはり地方裁判所本庁がまず第一になりますし、将来できますれば甲号支部には必要なことだと存じております。しかし支部及び簡易裁判所になりますと、比較的簡易な事件でありますので、すべて速記官を配置する必要はないかと考えております。
#33
○井伊委員 さらに、この速記官の権威ある記録と、それから裁判所書記官の作成するところの調書、そういうものとの調整はどういうふうになっておりますか。
#34
○内藤最高裁判所長官代理者 書記官が作ります供述調書というものがございますが、速記がつきました場合には、速記をもって書記官の供述調書にかえることができることになっております。
#35
○井伊委員 それでは書記官の事務の範囲と申しますか、そういうことについて、かつて書記官が職務以外の仕事を裁判所によってやられておるというようなことで大へん問題になったことがあります。それ以来こういう事態については、確かに実際において定められたところの書記官の仕事以外の事柄もやらせられておるということがあったと思うのであります。そういう事態は今日どういうふうになっておるか。つまり正しくこれが行なわれて、事務以外のことはさせられないようになっておるというようなそういう直った跡があるか、もとのままであるか、そのことを承りたい。
#36
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判所書記官につきましては、御承知のように裁判所法によりまして、「裁判所の事件に関する記録その他の書類の作成及び保管その他他の法律において定める事務を掌る。」ということになっております。これはここに職務のうちの主要なものを掲げたわけでございまして、これに付随し、またはこれに密接に関係する事務、いわゆる訟廷事務と言われておりますが、この訟廷事務一般につきまして書記官はその職責を有するわけでございます。これは今日も従来とその解釈においては変わっておりません。
#37
○井伊委員 当時その問題について書記官の間から大へんな抗議が出てきた、そのことによって懲戒をされたということも起きたのであります。その懲戒をされる標準というものは、規定に定められた職務の範囲外のことをやられておる。これに対してその制度について争ったものと思う。そして争った人たちが懲戒された。今それはどういうふうになっておりますか。争っておりますその結果はわかりませんけれども、もしその後実際上そういう事態がないということであるならば、こういうような事態もまた起き得ないと考えるのであります。そこで実際はその職務以外の仕事というものを、むしろ従来の裁判所の持っておる伝統的な一つのよさであるというようなことで、その職責――それは明確になっていなくても、規定された職責以外と認められるようなものをやらせられた実際がある。それについて、一応最高裁ではこれに対する見解を披瀝して、確かにそういうことで主張しておるその者がいけないというので処分をしておると思うのです。それから見ると、その後依然としてあの見解というものをやはり維持しておられるのか。そうすれば、今の事態というものが前と同じく裁判所の内部においては、裁判所職員はある場合には、職務以外のことをやらせられておるという事態がなくならない限りは、これはまだ依然として解決はできていないことであると田ふう。これもなかなかむずかしい内部の裁判指揮の問題でありましょう、そういうところに重大な意義があると思うのです。その点につきまして、そういう事態が改善されていないということになっておりますか。従来通り何かどこかに見解の食い違ったところがあって、そのままになっておるというものであるか、そういう点を聞きたいと思うのです。
#38
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判所書記官の職務の範囲につきましては、最高裁判所の見解は以前も今日も少しも変わっておりません。また書記官の実際にとっております職務も、以前と今日と少しも変わっておりません。
#39
○井伊委員 ついでに、検察審査会の制度が設けられました後、今までにあげられました実際上の成果、こういうものをお聞きしたいと思うのです。
#40
○内藤最高裁判所長官代理者 検察審査会が活動を始めましてから昨年六月末までの活動状況でございますが、受理件数が一万八千八百四十五件に達しておりまして、その他検察審査会の方で建議、勧告いたしましたものが四百二十七件となっております。当初はこの制度が一般に知られておりませんでしたために、年間五百件に満たない件数でございましたけれども、その後だんだんに申立数もふえて参りまして、昭和二十六年には二千件に近い件数を取り扱うようになりました。その後やや減少した年もございますけれども、昭和三十一年以後は大体年間二千件前後の事件を扱っているわけであすます。
#41
○井伊委員 今あげられました事件の取り扱い総数ですが、これは片寄っておりませんか。大きな裁判所に所属するところの検察審査会の方が非常に多くて、地方の方が少ないとか、そういうような傾向はないのでございますか。
#42
○内藤最高裁判所長官代理者 それはやはり大都会には事件が多くございますし、地方には少ないということで、検察審査会における扱いの事件もそういう相違がございます。東京あたり、多いところでございますと年間に百数十件扱いますが、少ない地方になりますと数件というところもあるわけであります。
#43
○井伊委員 検察審査会の扱われましたところの具体的な成果、そういうものの資料をいただきたいと思うのです。
#44
○内藤最高裁判所長官代理者 資料でございますが、たとえば年々扱いました件数、それから処理の内容でございますとか、そういったようなものでございましたら差し上げることができます。
#45
○井伊委員 それを一ついただきたいと思います。
 検察審査会の件数は大体二千件見当ということでございますが、これに対しての裁判事務官の専属職員というものが多くなるというのはどうなんですか。その数字の内容は検察審査会にかかる事件の内容というものが非常に複雑になってくるという傾向を現わしておるのですか、この事務官の数がふえるということとの関係はどうなんですか。
#46
○内藤最高裁判所長官代理者 検察審査会の事務官が数がふえるようになっておりますのは、これは先ほど人事局長から申し上げましたように、雇からの定員の組みかえがあるわけでございまして、千四十二名という全体の職員の数は、従来と変わっておりません。この際検察審査会関係におきまして、職員の増員があるわけではございません。従来のままでやるわけでございます。
#47
○井伊委員 私の質問はこれで終わります。
#48
○池田委員長 畑和君。
#49
○畑委員 内藤次長にお伺いいたしたいと思います。代行書記官の制度について、この前の機会にもお伺いしたのでありますが、これに関連してあとお尋ねしたいのは、裁判所の職員の定員、現在員等の表、このうち書記官(補)とありますが、家庭裁判所の調査官も補でありますが、これは両方通じての定員ですか、どうですか、まず承っておきたいと思います。書記官並びに書記官補として含めて定員になっているのですか。
#50
○内藤最高裁判所長官代理者 その資料にございます数字は、官と官補と両方含めた数字でございます。
#51
○畑委員 そうしますと、要するに書記官補から書記官に任命するのは、それだけの資格、能力等を備えておれば、その定員内において補から官の方に自由に任命することができるのでありますか。
#52
○守田最高裁判所長官代理者 法律定員では一本になっておりますが、しかし予算定員では書記官も書記官補もそれぞれ定員がきまっておるわけでございます。従いまして、書記官補から書記官に昇任させるにも、書記官に欠員がない限りできないという意味でございます。
#53
○畑委員 予算上の定員ということですね。
#54
○守田最高裁判所長官代理者 そういう意味でございます。
#55
○畑委員 そうしますと、書記官と書記官補の職務の範囲は、どういうような規定になっておりますか。これは官名ですね。
#56
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判所書記官及び裁判所書記官補の主務権限については、裁判所法第六十条に裁判所書記官の権限の規定がございます。書記官の方は「裁判所の事件に関する記録その他の書類の作成及び保管その他の法律において定める事務を掌る。」というふうになっております。このほかに最近の改正によりまして、裁判官の命令によりまして、調査をする事務が書記官に加えられているわけでございます。書記官補の方は、第六十条の二におきまして、「書記官補は、上司の命を受けて、裁判所書記官の事務を補助する。」というふうになっておりまして、書記官補の方は補助ということになっております。
#57
○畑委員 そこでお伺いしたいのは、代行書記官というのは、法文上はどういう職責になっておるのか。どこに根拠があるのか。
#58
○内藤最高裁判所長官代理者 裁判所法の附則にございまして、昭和二十四年法律第一七七号の第三項でございます。「各裁判所は、当分の間、最高裁判所の定めるところにより、裁判所書記官補に裁判所書記官の職務を行わせることができる。」これがその根拠でございます。
#59
○畑委員 現在代行書記官ないし代行調査官の数は、大体でけっこうでございますが、どのくらいになっておりますか。
#60
○守田最高裁判所長官代理者 代行書記官の方は約二千百名、それから代行調査官の方は二百五十名程度だと思いますが、正確な数字は持っておりません。
#61
○畑委員 この前にも請願がございまして、代行書記官の仕事は書記官と同じ、それはその通りだけれども、身分、取り扱い、給与等が違う。そこで、こうした人数は相当多いのだけれども、そうした代行書記官の制度、これは制度そのものは、今言った通り一時的にきめられたものらしいのでありますが、これを廃止してくれという請願がございました。それは一応採択になっておりますが、その審査をしたときの次長からの返答としては、能力に応じて試験をして書記官に繰り入れるということであったわけであります。こういったように相当人数がおられて、これに対する要望が非常に強くあるわけでありますし、われわれのところにもそうした要望が参っておるわけでありますが、これを早急に、一つ何とか早く解決してもらいたい。その見通しはどうでありましょうか。
#62
○内藤最高裁判所長官代理者 私どもといたしましても、代行書記官の制度は当分の間の制度でございまして、でき得る限り早く解消したいということを考えているわけでございます。しかし今日の裁判所の制度並びに裁判所において扱います事件等から考えまして、書記官の任命資格というものは、やはりこれは今日のままに維持されなければならないわけだと存じます。従いまして、書記官補を研修なり、なんなりでやはりそれだけの力をつけまして、客観的に書記官の任命資格を得るようにいたしまして、そうして書記官に任命していきたいということ、その方針はやはり変えるわけには参らないと存じます。そういう措置をできるだけ講じまして、書記官補を書記官に任命いたしまして、代行制度を解消していきたいというふうに考えるわけでございます。
#63
○畑委員 まあ大体趣旨はわかるのでありまするけれども、仕事はともかく代行書記官補でありながら書記官と同じ仕事をしておる。それを要請されておるわけであります。しかも相当人数が多いということになると、まあ今のお話を承ると、それだけの資格というか能力というか、そういうものがないから、まだ代行ということで一時書記官の仕事をさせておるのだ。ところが反面、その仕事をけっこうやっておる。やっておるからには、早く書記官にしたらいい。その辺に若干矛盾があると思う。一つその辺は、定員の関係とも関係があると思いますけれども、どんどん定員をふやすように運動して、早くあれしてもらいたい。これを要望いたします。
    ―――――――――――――
#64
○池田委員長 この際お諮りいたします。
 矯正医官修学資金貸与法案に対する質疑はこれで終了したいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#66
○池田委員長 これより討論に入る順序でありますが、別に討論のお申し出もございませんので、直ちに採決いたします。
 本法案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#67
○池田委員長 起立総員。よって、本案は原案通り可決せられました。(拍手)お諮りいたします。ただいま可決せられました本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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