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1960/03/01 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第9号
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1960/03/01 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第038回国会 農林水産委員会 第9号
昭和三十六年三月一日(水曜日)
   午前十時三十三分開議
 出席委員
  委員長 坂田 英一君
   理事 秋山 利恭君 理事 大野 市郎君
   理事 小枝 一雄君 理事 小山 長規君
   理事 石田 宥全君 理事 角屋堅次郎君
   理事 芳賀  貢君
      安倍晋太郎君    飯塚 定輔君
      倉成  正君    田口長治郎君
      田邉 國男君    中馬 辰猪君
      綱島 正興君    寺島隆太郎君
      内藤  隆君    中山 榮一君
      野原 正勝君    福永 一臣君
      藤田 義光君    本名  武君
      松浦 東介君    森田重次郎君
      八木 徹雄君    東海林 稔君
      中澤 茂一君    楢崎弥之助君
      西村 関一君    山田 長司君
      湯山  勇君    玉置 一徳君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  井原 岸高君
        林野庁長官   山崎  齊君
 委員外の出席者
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
二月二十八日
 委員河野密君及び田中織之進君辞任につき、そ
 の補欠として楢崎弥之助君及び湯山勇君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月二十八日
 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第九八号)
 果樹農業振興特別措置法案(内閣提出第九九
 号)
 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 森林開発公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四五号)
 公有林野等官行造林法を廃止する法律案(内閣
 提出第四六号)
 森林火災国営保険法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第四七号)
     ――――◇―――――
#2
○坂田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の森林開発公団法の一部を改正する法律案、公有林野等官行造林法を廃止する法律案及び森林火災国営保険法の一部を改正する法律案を議題とし、政府に補足説明を求めます。山崎林野庁長官。
#3
○山崎政府委員 三法案につきまして、お手元に参考資料をお届けしてあると思いますので、これに従いまして補足説明をいたしたいと存じます。
 まず第一に、「森林火災国営保険法の一部を改正する法律(案)参考資料」というのをお手元に配付いたしておりますので、ごらん願いたいと思います。
 この順序に従って御説明を申し上げますが、これの一ページには森林火災国営保険の統計表を掲載しております。これをごらん願いますと、三十四年現在におきましては、火災保険の件数が六万七千七百件、面積にいたしまして百四十八万七千町歩、保険の金額が四百五十九億八千万円となっておるのであります。この年の保険料収入が二億円余、損害てん補は件数にして六百十一件、面積で五百七十四町歩、損害てん補額が千五百二十万円、業務費が九千四百八十七万円、大正十二年からこれを開始いたしまして現在までの積立金の累計が三十四年度までにおきまして九億一千五百万円というふうになっておるのであります。それから、事故率につきましては、これを二十年生未満の幼齢林、二十一年生以上の壮齢林、両者を合わせた林齢込みという三段階に分けて事故率を計算しておりますが、幼齢林につきましては、昭和二十一年度が一・九九三というような事故率でありましたものが、三十四年度におきましては〇・四一一というふうに非常に下がってきておるのであります。また、壮齢林におきましては、二十八年に〇・〇四二であったものが、三十四廣には〇・一〇九というふうに、壮齢林につきましてはやや増加の傾向にある。両者を合わせまして林齢込みにおきましては、二十七年度に一・一九九という事故率のものが、三十四年度には〇・三四七というふうに急激に減少して参ったという形になっておるのであります。これにつきまして、契約保有高の欄で六万七千七百件に対しまして面積が百四十八万七千町歩となっておりますので、一件当たり二十二町歩弱の契約面積ということに相なるのでありますが、一件と申し上げましても、それぞれの年度に新しく植えられましたものが森林組合の単位あるいは市町村等の単位で一件として保険に入るという関係もありますので、平均いたしまして一人当たりの保険契約の面積というものは一町に足りない四反強というふうな状況にあるのでありまして、国の火災保険は非常に小面積のものを対象にいたしまして火災保険をやっておると見ることができるように思うのであります。
 それから、第二ページに、保険料率の計算に使用した事故率というものを計上いたしたのでありますが、火災につきましては、先ほど申し上げましたように、二十七年から三士二年までのものを掲げまして、その平均が、二十年以下の木については〇・九五一、二十一年以上については〇・〇九五、林齢込みでは〇・八三三という事故率を適用したいと思うのであります。気象災につきましては、やはり、二十年以下、以上と分けまして、二十年以下で〇・八四六、二十一年以上で〇・六〇七、林齢込みで〇・七六三という事故率を使いまして保険料率を計算していきたいと考えておるわけでござさいます。
 それから、三ページをごらん願いたいのであります。これに気象災害の種類別年次別損害調べを掲載いたしておきましたが、この気象災害の中で最も大きいものが風害でありまして、風害の欄をごらん願いますと、二十九年から三十四年までのものを掲上いたしておきましたが、被害区域の面積につきまして、この六カ年間に、一番少ない年は百三十六町歩、一番大きい年は三十四年の伊勢湾台風のときでありまして六万町歩というふうになっておるのでありまして、年によって違いがきわめて大きいということを明らかに物語っておるように思うのであります。風害につきましては、この六カ年間の平均が、被害区域面積は一万二千二百六十一町歩、実損面積が千六百六十三町歩というような工合になるわけであります。それから、水害、雪害、早害、凍害、潮害等、それぞれ掲上いたしておきましたが、これらを総合いたしまして、最後の計の欄をごらん願いますと、この六カ年間に気象災害の最も少なかった年は、三十三年の四千町歩、それから、最大の年が、やはり伊勢湾台風等の影響もありまして三十四年の六万五千五百七十五町歩というようなことで、やはり全体といたしましても年により大きい差があるということを物語っておるのであります。それで、六カ年の平均といたしましては、二万二十七町歩の被害区域面積であり、実損は三千五百五十六町歩であるということになっておるのであります。こういうものをもとにいたしまして、先ほど申し上げました事故率の計算をいたしたわけであります。
 それから、四ページをごらん願いますと、保険料率の推移を示しておるのであります。先ほど申し上げましたように、火災保険は漸次事故率が低下して参りましたので、数次にわたって保険料率の訂正を行なっておるのであります。昭和二十三年度におきましては、一番右にありますように、十年生未満のものは一町歩当たり千円につき十円の掛金、十一年から二十年生は八円六十銭というようなものでありましたが、それを、二十七年には、二十年生以下が、一等地から四等地まで七円から九円五十銭というような工合に引き下げました。さらに、三十年度には、それを五円から八円の幅に引き下げた。また、三十三年度におきましてはさらに四円から六円四十銭という幅の中に引き下げたのであります。三十六年度の予定といたしまして、一等地が四円八十銭、三等地六円五十銭という工合にいたしたいと思うのでありますが、これは、先ほど申し上げました火災の事故率と風水害の事故率とを合わせまして三十六年度からこの料率で進んでいきたいというように考えているわけであります。
 それから、五ページをごらん願いますと、現在の保険契約いたします場合の一町歩当たりの標準金額というものを決定いたしておるのであります。それを掲記いたしたのであります。それで、林齢を、カラマツを除く針葉樹、カラマツと広葉樹というふうに分けて、この標準の保険金額をきめまして、これによって保険契約を結ぶという工合にいたしておるのであります。五年以下におきましては、針葉樹一町歩当たり三万五千円、だんだん高くいたしまして、四十一年以上は八十万円というような工合に決定いたしまして、これをもととして保険契約を結ぶということにいたしておるのであります。
 それから、六ページをごらん願うと、損害てん補のてん補額の規模別件数を掲上いたしておりますが、火災におきましては、五百円未満と、それから幾つも段階をこしらえまして、一万円以上というような工合に分けておりますが、五百円未満というふうなものが、三十二年度では十五件、三十三年度では八件というような工合にあったのでありますが、この点につきましては、今度の省令で定めて、小額のものはてん補しないことができるという規定もありますので、五百円未満は損害てん補をしないというふうにいたしたいと考えておるのであります。と申し上げますのは、火災等が起こりました場合に、その森林の所有者の現地の立ち会いを得まして、査定官相互が調査してこれを決定するわけであります。その場合に、国の方の調査等の費用は別といたしまして、森林所有者の方の日当にもならぬというふうな額は、むしろてん補するのもどうかというような考え方に立ちまして、五百円未満は損害てん補をしないというふうに三十六年度から訂正して参りたいと考えます。
 それから、七ページをごらん願いますと、森林火災保険は、保険契約の期間を一年とするというものではありませんので、五年とか六年とか、長いものは十年というような期間にまたがりまして保険契約を結ぶという措置を講じているのであります。そういう点からいたしまして、先ほど申し上げましたように気象災害を合わせますと保険料率が現在よりも少し高くなるというふうな関係もありまして、従来保険契約を結んでおったものの経過措置が必要になってくるわけであります。法律案におきましては四月一日以降保険契約の残存期間が三カ月未満のものは文句なしに従来通りの火災だけを対象とするということにいたしたいという案ができているわけであります。それが、この七ページの一にありますように、残存契約期間が三カ月未満のものが二千九百五十一件、四万一千四百十七町歩、保険金額にしまして十六億一千万円余あるわけでありまして、これは火災だけを対象にするということになるわけであります。2として、三カ月以上の期間のありますものは、本人から火災だけにしてもらいたいという申し出があれば別でありますが、そうでない方々に対しては森林気象災害もあわせて保険に入れていくという経過措置を考えておるのであります。その対象になります三カ月以上のものが、ここに掲上いたしましたように、六万四千七百九十一件、面積にして百五十一万町歩、保険金額四百八十七億円余あるわけであります。これの中で、昭和三十年三月三十一日以前に契約いたしましたものは、当時の火災保険料率が三十六年度より実施しようとしております保険料率よりも高かったというふうな関係にありますので、気象災害をあわせて保険するといたしました場合には、やはり掛金の追加等をしないでも十割の保険金額を支払いするということにいたしたいと考えておるのであります。これの一番右の最後の欄の「政令による気象災害のてん補割合」、これが三十年三月三十一日以前の契約のものは十割というふうに規定いたしておるのであります。自後の保険料率改正の線に従いましてだんだん火災保険料が下がったという関係も考えまして、この七割、五割というふうな線にそれぞれ引き下げまして、バランスをとった支払いを経過措置としていきたいというふうに御承知いただきたいと思います。
 以上で、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案についての参考資料の説明を終わりたいと思います。
 次に、もう一つ、森林開発公団法の一部を改正する法律案、公有林野等官行造林法を廃止する法律案、両者を合わせました参考資料がお手元に配付されておると思いますので、とれの順序に従いまして簡単に御説明を申し上げたいと存じます。
 まず、一ページをごらん願いますと、官行造林事業の概要といたしまして、官行造林面積の実績を調べたものを掲上いたしております。これをごらん願いますと、大正九年に法律改正をいたしまして、現実に植栽する仕事は大正十一年から開始されたのであります。自来年々造林を続けまして、昭和三十五年度末におきましては、三十五年度に一万六千町歩ばかり造林を予定しておりますのと、造林面積の合計が三十一万一千八百町歩ということに相なっておるのであります。
 二ページをごらん願いますと、官行造林契約の実態を調査したものを掲上いたしておいたのであります。との公有林野等官行造林法が出発いたしました当時は、この対象の土地は市町村有林に限定されておったのであります。しかも水源林等の地域は対象としない、いわゆる里山の一般経済林というものを対象にして造林するという趣旨であったのでありまして、大正九年の六月から昭和三十一年七月までの間におきましては、契約いたしました件数が千六百四件、その面積が二十八万六千町歩ということに相なっておりまして、その件数の内訳を見ますと、十町歩以下というものが二件、五十町歩未満が百十一件、百町歩未満が五百四件、百町歩以上が九百八十七件というような工合に、当時におきましては百町歩以上というような大きい団地を対象といたしましてこの造林事業が進んできたというふうに考えておるのであります。ところが、昭和三十一年三月にこの法律を改正いたしまして、対象地を水源地域の私有林等にまで拡大することができるということに相なりまして、それに伴いまして、官行造林の対象地を公有林、私有林ともに水源地域に持っていこうということに相なりまして、その結果は、法律改正後、昭和三十一年八月以降現在までの状態を載せておきましたが、件数で七百九十四件、面積で五万七百六十二町歩、その内訳を見ますと、十町歩以下が十四件、五十町歩未満が四百三十五件、百町歩未満が二百八件、百町歩以上が百三十七件という工合に相なっておりまして、こういう対象地の変更という点に伴いまして、やはり小さい面積のものに重点が移らざるを得ない、また当然そういう方向に移ってきたということに相なっておるのであります。その法律改正以前におきましては、契約の最小限の面積を大体五十町歩程度にしようというととで進んでおったのであります。法律改正後におきましては、それを十町歩というような点に引き下げましてこの契約を進めていくという方針にいたしたのであります。
 それから、三ページをごらん願いますと、官行造林の売り払いの実績を掲上いたしておきました。二十三年から三十四年まで、主伐、間伐分かれておるのであります。主伐と申しますのは、大体四十年というふうな正常な伐期が来まして皆伐するというものについてはほとんどなくて、地方公共団体等の経済事情その他の事情によりまして、少し切るのには早いが切らざるを得ないというふうな事情に応じて伐採したものが大部分であります。これをごらん願いますと、三十四年におきましては、材積が四十七万立方メートル、金額にして十五億円、間伐が二十四万立方メートル、金額にして五億四千八百万円、合計いたしまして、七十一万立方メートル、金額にして二十億四千九百万円の売り払いの実績を示しているのであります。この二十億四千九百万円の半分が市町村に入り、半分が国に入るということになるわけであります。
 それから、四ページに官行造林費の支出の実績を掲上いたしておきましたが、現在までに、三十五年度見込みまで入れまして、累計で九十二億円ばかりの支出をしたのであります。それは当初からいろいろな貨幣価値の変動等がありますので単なる参考ということにごらんを願いたいと思います。
 それから、五ページをごらん願いますと、今後の官行造林の売り払い計画を掲上いたしておいたのでございます。これをごらん願いますと、主伐、間伐合わせまして、三十六年度に、百三十二万立方メートル、金額にして四十五億六千八百万円、三十七年度におきましては、百四十四万立方メートル、金額にして五十一億九千万円、漸次増加いたしまして、最後の昭和四十四年度におきましては、百五十七万立方メートル、金額にして六十三億九千八百万円というような工合になって参りまして、四十五年度以降はほぼ四十四年度の線で継続するということに相なるのであります。従いまして、三十六年度からは、従前の約倍の数量の伐採を行ない、金額も倍をこすということになるわけでありまして、三十六年度には市町村に二十二、三億円の金が入り、四十四年度以降は三十一、二億円の金が市町村に入る、しかもそれが今後継続するというような工合に相なって、相当の効果を生んでおるというふうに考えておるわけであります。
 それで、六ページをごらん願いますと、今後公団によって水源林の造林事業をやろうと考えておりますが、それが一体どういうようなことを考えておるのかということを簡単に書いてあります。
 第一ページの(1)をごらん願いますと、規模別の面積を掲上してあるのであります。総体の面積は二十三万二千町歩を予定いたしまして、それの契約をします場合に、契約の件数が約一万四千四百四十二件に上ると考えております。その内容をごらん願いますと、五町歩以上十町歩未満というものが、件数にいたしまして一万七百二十九件、五十町歩未満のものが二千三百五十二件というような工合に相なりまして、従来と非常に違って、この十町歩未満というふうな小面積の団地が奥地に分散化されるというところに今後のこの事業の大きい問題点を含んでおるわけであります。
 所有形態別を(2)に載せておいたのでありますが、二十三万二千の中で、市町村有林が約九万八百六十、部落有は四万九千、私有は九万というようなことになります。地区別は、北海道から九州までやはり広がっておるのであります。
 こういう点からいたしまして、従来の官行造林事業が、相当大きい一件あたりの団地面積を持ちまして、その一団地について二年とか三年とかいう計画で植えつけをやり、また手入れをやるというふうな形態で進みまして、事業自体も営林局署が直営という形で計画的にやっていくということが可能であったわけでありますが、こういうふうに十町歩未満というふうな面積が全体の七十数パーセントを占める、しかもこれが奥地に点在してくるというふうな関係からいたしまして、造林事業の実行、維持、管理というふうな仕事まで従来のようなやり方で事業をやっていくということは、どう考えましても、造林事業というものの性格から言いまして、現実にそぐわぬように考えるのであります。従いまして、今後は、こういうところの造林の仕事、維持管理というふうな仕事は、原則として地元におきます土地の所有者にその造林、維持管理というような仕事を責任を持ってやっていただくということの方が最もいいのではなかろうか、また現実に即した行き方ではなかろうかというふうに考えておるのであります。その場合に、水源林地帯のしかも無立木地、散生地等を対象にするわけでありますので、造林費もややかかり増しをいたしましょうし、造林の成果につきましても、里山の一般林と違って、そこにやや見通しの困難性もあるというふうな点からいたしまして、補助とか融資とかいう方法によりましてはなかなかこの地帯の造林に手が回らないというふうな問題もありますので、造林、維持・管理等の経費は国ないし国の機関が全額負担いたしまして・分収造林の実施者という形になりまして、市町村有林でありますならば市町村に金は全部出してやる、しかしながらその造林と維持管理の仕事は市町村に責任を持ってやってもらう、成林しまして切るときに一定の割合で分収していくという方法を考えて参りたいというのが、この公団による水源造林事業を考えました主要な点であります。
 この機会に市町村有林の造林の概況を申し上げますと、三十年、三十一、二年ごろにおきましては、市町村の造林は、官行造林を除きますと、補助造林によって行なわれていたのであります。当時におきます年々の補助造林による造林遂行面積は、二万ないし二万五千町歩の範囲にとどまっておったのでありますが、三十四年度から、市町村に対しましても、農林漁業金融公庫を通じて長期据え置きの造林融資を始めたのであります。そういう結果からいたしまして、最近におきましては、当時の約倍程度、四万五千ないし五万町歩というふうなものが造林されるという段階になって参りまして、われわれといたしましては、今後補助造林事業並びに長期据え置きの融資造林という制度を強化いたしまして、里山の一般経済林の造林を市町村についても今後とも進めていきたい、そういたしますならば、市町村の造林も大体計画の線に沿って十分やっていけるというふうに考えておる次第であります。
 それから、七ページに水源造林の事業計画及び事業費を掲上いたしたわけであります。
 それから、八ページに、現在の森林開発公団のやっております林道事業の概要を掲上いたしておいたのであります。八ページの計画と実績をごらん願いますと、熊野、剣山両地域で、三十六路線、延長三百二十七キロ、事業費で三十三億七千一百万円の金額を、ほぼ計画の線に従って完了いたしたのであります。これによって、この両地域の開発、面積にいたしまして九万五千ヘクタール、蓄積にして千二百六十九万立方メートルの開発を行なったわけであります。
 九ページに、公団林道の災害復旧事業、公団林道の維持管理事業の概要を掲上いたしておきましたが、この事業の状況をごらん願いますと、熊野、剣山両地域で、三十五年度におきましては大型トラックが三万二千六百七十二台、小型トラックが三万七千八百三十一台というふうに、予想以上の利用が見込まれました。利用料も二千六百五十五万円というものが出ているということに相なっております。この利用料をもとといたしまして、この林道の維持・管理をやるということにいたしまして、管理の状況の欄にありますように、管理事務所を四カ所置きまして、管理員七名、保線夫五十六名、監視人三十二名を配置いたしまして、これの維持管理をはかっておるわけであります。
 それから、十ページでございますが、両地域でなくて、全国的な視野に立ちまして開発利用をする路線、新規の林道の開設を行なっております。これは国有林と民有林が同一流域にありまして両者が協力して開発しなければならぬという林道でありますが、これが、民有林におきましては受益者負担の関係でなかなか計画通り道がつかない、従って奥地にある国有林の開発にも手がつかぬというような流域が全国で四十くらいのものが考えられますので、それを、三十四年度以降、国有林野事業特別会計の金で、計画的に、民有林、国有林を問わず開発いたすという考え方のもとに事業を行なっております。これの概況を掲上したわけであります。
 以下公団の現況を掲上いたしましたので、ごらん願いたいと思います。
 以上をもちまして補足説明を終わりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#4
○坂田委員長 ただいま補足説明を聴取いたしました三法案のうち、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。石田宥全君。
#5
○石田(宥)委員 森林国営保険の一部改正についてただいま詳細御説明を承ったのでありますが、二、三点についてお考えをお伺いいたしたいと思います。
 まず第一に、この法案の対象は、従前からそうでありますけれども、造林地に限定されておるようであります。しかし、地域によっては、必ずしも造林地でなくとも相当の収益をあげる相当の森林があるのでありますが、これを造林地に限定されたのはいかがな理由によるものであるか。自然林といえども必ずしも造林地に見劣りしないようなところもあるのであって、そういう場合には、希望者があるならばこれを対象にしてもいいのではないか、こう考えるのですが、どうですか。
#6
○山崎政府委員 この保険事業は大正十二年から始まったのであります。当時におきます考え方といたしましては、やはり、国が補助金等も出しまして林力増強という線で人工造林をいたしておるわけであります。せっかく人工造林に相当金を投じて計画的に造林を行ないましても、若いうちに火災にかかれば、せっかくの投資がまるで零になるというふうな観点から、特に人工造林地のしかも幼齢林というものを対象にして火災保険という制度を作っていかなければいかぬというふうな考え方に立ってこれが行なわれたわけでありまして、一般の自然林と申しますと特に薪炭林等が多いと思うのでありますが、そういうものにおきましては、火災等を受けましても比較的その損害が少ないというふうな関係にも立って、人工造林、しかも若いものを中心にしてその制度をするというふうに相なったわけであります。
#7
○石田(宥)委員 自然林というと雑木林に限るような答弁でありますけれども、実態はそうではないので、自然林といえども松などについてはやはり相当は森林があるわけでありまするし、当初この法案が成立した当時におきましては相当に奨励指導をしなければならなかった事情にあると思いますけれども、ただいま御説明がありましたように、かなり普及徹底をしておる今日においては、その所有者の希望によっては自然林を加えることも私は意義のあるものであろうと思うのでありまして、この機会においてそのように考え方を変えてはどうかと思いますが、どうですか。
#8
○山崎政府委員 お説の通り、広葉樹林でなしに松等の天然林も全国的にはあるわけであります。先ほど申し上げましたように、やはり、その林を作るということに積極的に相当の投資をしたかどうかというような点にも分かれるところがあるわけであります。われわれといたしましても、天然林を加えるというようなことにつきまして、今後の問題として一つ検討をさしていただきたいと考えます。
#9
○石田(宥)委員 次に、今回の改正で気象災害に六種が加えられまして、ことに雪害もその中に入れられましたことは、積雪地帯における山林業者としてはまことに喜ばしい次第でありますが、この六種の災害についていろいろと御調査があったようでありますが、その種類別による被害率というものがどういう順位をなしてどの程度か、承りたいと思います。
#10
○山崎政府委員 先ほど御説明申し上げました資料の三ページをごらん願いたいと思いますが、この六つの気象災害を一〇〇といたしますと、一番大きいものが風害でありまして四六・三%、次が早害でありますが、これが二八・一%、次が水害の八・八%、次が凍害の七・二、次が雪害の六・八、一番少ないのが潮害の二・八という工合に相なっておるのであります。
#11
○石田(宥)委員 この中にはひょう害というものが除かれておりますが、幼齢林等においてはひょう害も相当に被害をこうむる場合が多いと思うのでありますが、これを含める必要があるのではないか、こう考えられるのでありますが、これについてはひょう害を除かれた理由はどういう点でありますか。
#12
○山崎政府委員 まことにこの点われわれとしても残念でありますが、ひょう害につきましての率は信憑すべき統計というものが従来整備されてなかったというようなところが大きい原因でありまして、今後こういう点も統計を整備いたしまして加えていくようには考えていきたいというふうに考えております。
#13
○石田(宥)委員 次に、先ほど申しましたように雪害がこの対象となったのでありますが、この雪害のはなはだしいような地域あるいはそういう年次においては兎害、あるいは鼠害等があわせて起こる、それから暴風雨その他の場合には病虫害等が併発をするような場合があるのでありますが、鼠害や兎害あるいは病虫害というものが全然対象にはなっておらないけれども、併発したような場合にはその中に含まれるものと理解してよろしいのでありますか、あるいは、それは併発した場合といえどもそれから除外されるということになりますか、どうでしょうか。
#14
○山崎政府委員 お話のありましたウサギの害あるいはネズミの害というようなものは、もちろんこの気象災害に次いで起こる場合もあると思いますが、その被害の実態というものが風水害等とはっきり区別がつくというふうな性格のものであるように思いますし、また、これらにつきましても、薬剤による駆除その他の方法も残されておるわけであります。そういうものを必ずしも一緒にして対象にしていくというふうにはしたくないと考えておる次第であります。
#15
○石田(宥)委員 気象災害を対象にされることによって掛金が一〇%ほど引き上げられることになるのでありますが、本来、国営でございますので、これはこの保険の会計じゃなくてやはり国の方で事務・人件費等をまかなってやる必要があるのではないか。従来通りの火災だけであれば、経理の内容を資料で拝見いたしますと十億程度も金ができておるということでありますからけっこうでありまするが、ただいま申しましたように、気象災害の六種目もこれに追加され、掛金率が一〇%もアップされることになりますと、せっかくその軌道に乗ったものに水をぶっかけるようなことになるおそれがなきにしもあらず。これはそういう点について事務・人件費を国がまかなうというふうにはいかないのかどうか。
#16
○山崎政府委員 率直に申し上げまして、林野庁といたしましても、この火災保険だけで今後進むといたしました場合には、国営保険でなければならないというふうな性格も現在の段階ではもう薄れているのじゃないだろうかというふうに考えておったのであります。しかし、気象災害をこれに加えるということにいたしますと、先ほど資料で申し上げましたように、伊勢湾台風というふうなものが起こりました場合は、実損の面積にいたしましても九千町歩もの実損の面積を出す、保険金額についても今までにかってなかったような多額のものを保険金額として支払わなければいかぬという事態も生まれてくるわけでありまして、従来の火災と非常に違った状況に相なる。従いまして、先ほど申し上げました十億というふうな余裕金を持っておるのでありますが、こういうものがありますからこの気象災害等にも乗り出せるという関係にも相なっておるように思っております。今後、この気象災害、火災を含めまして、そういうものの事故率がどういうふうに推移していくかという点も十分検討いたしまして、従来のように漸次保険料率を下げていくという方向にぜひとも努力して参りたいと考えておるのであります。
#17
○石田(宥)委員 次にお伺いしたいのは、現在全森連では火災共済制度を行なっておるのでありますが、これは若干その性格は違うことはもちろんでありますけれども、全森連のやっております火災共済と国営保険というものを何らかの形で統合することが、両者にとってもまた政府としても都合がいいのではないかと思われる節があるのでありますが、そういうことについて話し合いをされるとかあるいは検討を加えられたことがあるかどうか、また、どうしてもこれは統一することが不可能なのかどうか、お伺いしたいと思います。
#18
○山崎政府委員 全森連が行なっております火災共済事業は、御存じのように、森林法の制定に伴いまして、伐採が不許可と相なりました森林を対象として伐採調整資金を貸し出しておるのでありますが、この伐採調整資金を借りた方々がその借りた金の見合いとして担保を提供するわけでありまして、この森林を対象として火災保険を共済でやっておるというのが現実であります。国の保険とだいぶ対象が異なりまして、国の保険は二十年生未満という造林地が全体の八割以上も占めるということに相なりますが、全森連のやっておりますものは二十一年生以上四十年生未満というふうな壮齢林だけを対象にしてやっておるというところに非常に差異があるように考えております。しかも、火災におきましては、この林齢が高まれば高まるほど火災による損害というものは少ない、危険が少ないという性格のものでもあるわけでありまして、そういう点で性格的にだいぶ違っておるのでありますが、今後気象災害をあわせて行なうことにいたしました場合に全森連がそういう山に対してどういうふうな措置をとっていくのかという点も今後両者で十分打ち合わせなければいかぬと考えております。われわれといたしましても、外国にも例のないような気象災害というような制度を実行いたしまして、共済的な制度でやっていけるという見込みが立ちますならば、われわれとしても共済制度に移していくということにやぶさかでないというふうに考えておりまして、今後も十分検討して参りたいというふうに考えております。
#19
○石田(宥)委員 もう一点伺いたいと思いますが、この法案によりますと、三十六年四月一日からこれを実施するということになっておりまして、二カ月の契約継続がなければ支払いされないということになっておるようでありますが、実は、先ほど申しました本年度の豪雪の被害がはなはだしかった大積雪地帯の諸君は、何とか今回の法改正の機会にこれが適用されるようにという要望を持っておるわけでありますが、施行期日を繰り上げてこれを該当せしめるか、あるいはまた、四月一日から実施をし、四月一日にこれが加入の申し込みをし、その被害が確定することがもう少し後に行なわれるということになれば、これが適用される可能性もないわけではないと思うのでありますが、そういう面についての法律の適用と本年度の豪雪被害の問題との関連について承りたいと思います。
#20
○山崎政府委員 この法律の施行が四月一日以前にさかのぼるということは、現在の段階からいきまして非常に無理じゃないかというふうに考えられるのであります。また、この性格、性質というか、法律から申しまして、気象災害をもあわせた保険契約を四月一日に新たに結ぶということはもちろん可能でありますし、それはわれわれとしてもやっていくつもりでおりますが、法律から申しましても、具体的な災害の発生がやはり四月一日以降でなければいかぬというのが趣旨でありまして、四月一日以降に災害が発生したというものはもちろん保険金を支払うということに、法律の線に沿った行き方をぜひしていきたいというふうに考えております。もちろんそれから漏れるものはあるわけでありますが、そういうものに対しましては、若い森林に対しては改植等につきましての造林の補助というものを行ないますし、また、根起こし等をしようとするものに対しましては造林の保育の融資というふうなものも考えていきたいと思います。また、大きいものが損害を受けました場合は、天災融資法等の活用ができるものはそういうものでめんどうを見ていくというふうに考えていきたいと考えております。
#21
○石田(宥)委員 この法律はそういうふうになっておるわけでありますが、先ほど申しました後段の、四月一日に契約をする、しかし、地域によっては五月半ば過ぎにならなければ雪が消えない、そうしてその被害が確認されない、こういうような場合においてはやはりこの法律でも該当するのではないか。被害の確認の問題で、それが昨年の暮れに被害を受けておったか、あるいは春になって被害を受けておるか、雪が消えてみなければその被害が明確にならない、そういうような場合における被害の確認というものが四月以降あるいは五月以降ということになれば、四月一日に契約したものは当然その保険の対象になり得るというふうに考えられるのでしょうかどうでしょうか。
#22
○山崎政府委員 雪害等の現実を見てみますると、雪が降ったから直ちにそれによって雪害が起こるというものもありましょうが、だんだん雪が降り積もりまして、かたくなり、暖かくなったときに雪が動く、それによって雪害が起こるというようなものもあるわけでありまして、そういう点、われわれといたしましても、ほんとうにどういう理由でどの時期に雪害が起こったであろうかというような点も十分考えまして今次の災害にも対処していかなければならぬというように考えておりますが、趣旨といたしましては、明らかに三月末までにやられておるというようなものについては、その損害を支払うということはできないというふうに考えております。
#23
○石田(宥)委員 しかし、その被害がいつ起こったかということは豪雪地帯ではなかなか確認できないのですね。四月末になっても雪が消えてしまわないんだから、被害の程度もわからないし、それから、降ったときに被害が起こっておるかあるいは消える段階で起こっているか、消える段階で起こる被害も大きいんですから、だから、そういう場合において、消える段階で起こったかもしらぬので、やはり、その確認できる時点、それが一つのポイントにならなければならないと思うのでありますが、そういう場合においては当然保険の対象になり得るというふうに私は判断していいと思うのですが、長官の意見はどうです。
#24
○山崎政府委員 お説の通りでありまして、四月以降におきましてもああいう地方で雪が全然降らぬというわけでもないように考えますが、その被害というものは融雪の時期に起こったのか、ほんとうに降雪のときに起こったのかというような点も十分技術的にも検討いたしまして、四月一日に契約されたものに対してはそう不利なおかしい取り扱いはしないように考えていきたいというように考えております。
#25
○石田(宥)委員 政務次官にちょっと伺いたいと思うのでありますが、先ほど長官に伺いましたように、ここにあらためて気象災害が保険の対象に加えられました。それがために保険金が一〇%ほど引き上げられた。本来、国営保険でありますから、事務・人件費等はその保険の会計の中でなくて国の行政費としてまかなわるべき性質のものではないか。幸いにして若干の余裕金もあるという状況でありまするけれども、気象災害を加えることによって掛金が大幅に引き上げられるというこの機会に、せっかく軌道に乗って成長しようという段階にこれに水をぶっかけるようなことになっては困るじゃないか、こう考えますので、この機会に事務・人件費については国がこれをまかなうという建前をとるべきではないかと考えるのでありますが、政務次官はどのようにお考えになっておりますか。
#26
○井原政府委員 さっき長官も答弁いたしましたようなふうに、気象災害保険は初めてのことでございますので、やはり経過を見て――これは私の推定でありますが、おそらく相当な保険支払いをしなければならないようになるんじゃないかということも想像されるわけでございますので、当然おっしゃるようなことにならざるを得ないのではないか、掛金が不足いたしまする場合には国が補てんいたしまするのみならず、むろん人件費等はこの中からまかない得る力もございませんので、当然国から出すべきであると考えます。いましばらく様子を見まして、おっしゃるようにいたしたいと思います。
#27
○石田(宥)委員 もう一点。これは特に次官に豪雪の中を御視察いただいてありがとうございましたが、先ほど長官といろいろ問答を繰り返しましたが、地元からも、次官に対して、今度の雪害をぜひ国営保険の対象にという強い要望があったはずでございまするので、長官の方もやはり最終的には同情的な答弁があったのでありますが、特に、これらの点については、特殊地域の植林等についての意欲を御考慮下さいまして、取り扱いについて十分実態に即するような取り扱い方を要望してやまないわけであります。これについても御見解を述べていただきたいと思います。
#28
○井原政府委員 降雪当時よりかむしろ私は融雪後においての災害の方が大きいんじゃないかというようなふうに、しろうとでございまするから実態をよく研究しなければわかりませんが、そういうような感じがいたします。おそらく、長官も、法の建前としては、何回御質問ございましてもああいうような答弁をせざるを得ないわけでございまするけれども、その実態をよく調査いたしまして、四月以降に起こる災害の方が私は大きいんじゃないかというふうに考えますので、その程度の心組みでお許しを願いたいと思います。
#29
○坂田委員長 次は、角屋堅次郎君。
#30
○角屋委員 石田委員に引き続きまして、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案の内容について数点御質問申し上げたいと思います。
 今度、法改正によりまして、従来の幼齢林あるいは壮齢林等の火災に加えて、新しく自然災害、特に風害、水害、雪害、干害、凍害あるいは潮害に限って自然災害も含めて保険業務をやっていこうという、こういうところになりまして、この趣旨はまことにけっこうだと思いますが、ただ、従来の火災を対象にした場合と違いまして、自然災害等を含めて参りますと、保険業務としてもなかなか大へんなことに相なろうと思います。
  〔委員長退席、秋山委員長代理着席〕
保険の経理上これが成り立っていくかどうかということは、事故率その他いろいろな関係から十分検討されたと思いますけれども、損害評価等の問題と関連をして、やはり公正妥当な保険業務を実施するということはなかなか大へんなことだろうと思います。
 そこで、まずお聞きしたいわけですが、今度の法改正に伴いまして、国あるいは府県の関係においてそれぞれ若干の人員増加等をやられたわけでありまして、査定官等についても、新年度には、国において四名、さらに府県担当職員において三十名の増員ということを予定されているようですが、はたしてこういう機構、人員構成でもって新しく自然災害等を含めた保険業務が円滑にいくかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
#31
○山崎政府委員 お説の通り、自然災害が加わりました関係から査定業務が増加すると考えまして、最小限度・今お話のあった程度の人員増加を行なったのであります。特に、伊勢湾台風のような災害が起こりました場合は、一定の地域に非常に集中して大きい災害があるのだというふうなことに相なるわけでございまして、そういう際におきましては、全国に百二十名ばかりの査定官がおるわけでありますし、林野庁にも、今お話ししたような査定官と申しますか、査定の指導官というようなものも置いておりますので、そういうものを動員いたしまして査定に当たるというふうに考えていきたいと思っております。また、この災害というものを考えてみますと、火災等はやはりつゆの前に非常にその危険が多い、雪害はやはり三月から四月にかけて多い、それから風水害といたしますとやはり秋口だというふうに、災害自体の発生します時期が割合重ならないというような関係もあるわけでございまして、この程度の人員で、それを各県から必要に応じて現地にそれぞれ集めてやるというような制度をとっていきますならば、大体やっていけるのじゃないか。また、この人員に対しまして、今後保険対象が増加して参りました場合には、それに応じてやはり人員の増加も考えていきたいというふうに考えております。
#32
○角屋委員 損害評価のやり方の問題でございますが、火災等の場合であれば、現実に燃えた状態を評価するわけですから、ある程度やりやすいという点もあるかと思いますが、ただ、天然災害等も加えられまして、風害あるいは水害、雪害、早害、凍害、あるいは潮害、特に大規模に起こる場合の風水害の被害調査の場合には、ことに山林関係は相当奥地にまで延びるわけでありますから、なかなかその評価を公正に行なうことは大へんなことだろうと思う。今後自然災害を含めて損害評価等をやる場合に、考え方として、いわゆる悉皆調査を旨としてやられるのか、あるいはまた、損害の規模その他によって、パイロット的といいますか、標本的にやられて、それから類推をされるという形をとられるのか。人員とのにらみ合わせ等から見ても、その辺のところが問題になろうと思います。損害評価の建前として、悉皆調査に基づいてやられる考え方であるのか、災害の規模その他によってはいわゆる標本抽出によってそれから全体を類推するという形を併行されるのか、その辺のところを伺いたい。
#33
○山崎政府委員 損害評価に関しましては、老齢林等でいろいろな非常に大きい価値の差のあるようなものを評価します場合は、毎木々々調査していくというふうに考えております。比較的若い造林地の幼齢林等で一斉林だというような形のものにつきましては標準地調査というようなことをやる。全体を部分的に区域をきめまして、ここから標準地をとって調査しまして、その部分の評価とする、いわゆる標準地調査法というものも併用して進んでいきたいと思っております。
  〔秋山委員長代理退席、委員長着席〕
#34
○角屋委員 従来の法律を見ますというと、火災の場合に、実際の被保険者の方からこの保険の運営について問題があるときには民事訴訟等もできる、それは森林火災国営保険審査会を通じて行なう、そういう形式になっておるわけであります。従来の火災保険の運営の場合にそういう問題が生じたことがあるのかどうかというととがまず第一点ですが、今後、損害評価の場合に自然災害等を含めてくるというと、評価の公正という意味からいろいろそういう方面の問題も生じ得る可能性があり得る。その辺のいわゆる損害評価が公正でないという場合の処理という問題については、どういうふうに新しい法改正によってやられるか。
#35
○山崎政府委員 火災保険法に審査会制度を設けておりまして、この損害評価に対して意見がある方の申し出によりまして、この審査会で審査していくという制度をとっておるのでありますが、今までに実はこの審査会にかかりました案件はなかったという状況であります。今後、大面積に異常災害等が起こりました場合には、やはりそういう問題が起こるというふうにも予想されますので、そういう場合にはやはりこの審査会というものを中心にして十分なる審査を加えるということにいたしたいと考えております。
#36
○角屋委員 この審査会を通して審査する場合に、最終的な決定の権限というふうなものはどういうふうになっておりますか。
#37
○山崎政府委員 訴訟を提起します前にこの審査会をやらなければならぬという制度になっておるのであります。この審査会で審査いたしまして、本人もそれでいいということになれば問題ないわけでありますが、審査会等で審査しても、その結果にやはりまだ不服ということになれば、民事訴訟という問題になるように考えます。
#38
○角屋委員 もとに戻りまして少しお伺いしたいと思うのですが、この保険の被保険者といいますか、これは人工の幼齢林、壮齢林等を対象とした山林関係の人々のどの程度のものが従来からこれに入っておるのか。おそらくこれは必ずしも強制加入という性格じゃなかろうと思うのですけれども、実際この国営保険に対象の中から入っておる程度というものは従来どの程度であるか。
#39
○山崎政府委員 もちろんこれは強制保険ではなしに任意保険でありますが、御存じの通り、人工造林地の面積は現在民有林におきまして約五百万町歩というふうに考えられておりますので、それに対しまして約三割がこの保険に入っておるというふうになっておるのであります。なぜ少ないかと申し上げますと、先ほど申し上げましたように、火災だけを保険の対象といたしますと、二十年生未満というふうな若い山が非常に危険が多い、二十一年生以上というふうな壮齢林は比較的火災による損害が少ないというふうな関係で、この百四十八万町歩の中で二十一年生以上というものは二割弱程度しかない、八割強が二十年生未満の若い山だというふうなところで、全体としての造林面積に対する保険に入った割合が比較的少ないというふうな関係になっておるように思っております。それが、今後異常災害が加わりますと、若い山だけでなしに、むしろ壮齢林における保険の効果が非常に大きいというふうな問題も出て参りますので、今後といたしましては壮齢林も新たにこれに加入するものが相当出てくるのではないかというふうにわれわれは期待いたしておるのであります。先ほども申し上げましたように、この百四十八万町歩に対しまして六万七千件余が契約の件数としてあるわけでありますから、一件当たり二十二町歩ぐらいがその保険の平均面積になっておる。この一件と申しますのは、森林組合とか市町村とかいうものが単位になって毎年加入するという形になりまして、その一件に大体四十数人が一緒になって保険に入るという形に相なりますので、一人当たりに勘定いたしますと四反歩強が平均の面積だというふうにわれわれは考えております。
#40
○角屋委員 幼齢林なりあるいは壮齢林というものは大体五百万町歩近い、火災ということもあったかもしれませんが、そのうちの三分の一程度が現在入っておる、自然災害等を含めて参りますればやはり対象面積は相当拡大をするだろう、こういうお話のように承ったのでありますが、そうしますと、先ほど触れましたが、自然災害を含めたことによる各時期々々の損害評価問題というのは、これはやはり相当な業務量になるということが予想されると同時に、まだ対象のほとんど全部を包含しておるわけではありませんから、契約事務というようなものについても、すべり出し当初は業務量がふえる可能性もなかなか多いんじゃないか、従って、契約事務的なこと、それから損害評価部門、こういうふうなものの業務関係を明確にして、そして森林の国営保険全体としての運営に万遺憾なきを期するということが十分配慮されなければならぬじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺のところについてお伺いをしたい。
#41
○山崎政府委員 この保険の契約につきましては、森林組合と市町村がその契約の当事者になるわけでありまして、それが県に上がって参りまして、県知事が国の委任を受けて契約を成立させるという責任者に相なるわけであります。先ほど申しました百二、三十名の損害保険の調査員というようなものは、具体的にはほとんど契約事務には関係しないというふうな立場にも立っておるのでありまして、今後の損害査定等につきましては、先ほど申し上げましたような線で、必要な場合には各県の者を動員いたしましてやるというようなこと、それから、壮齢林等の加入がわれわれが期待しているように増加いたして参りますならば、今後また必要な人員を県等にも増加するということで対処していきたいというように考えます。
#42
○角屋委員 今年度の法改正によって、昭和三十六年のすべり出しの第一年目に一体対象面積がどの程度まで拡大できるという見通しの上に立って考えられておるのか、その辺のところをお伺いしたい。
#43
○山崎政府委員 三十六年度といたしましては、この制度を新たに始めるわけでありまして、林野庁といたしましても、この制度の趣旨を森林所有者、造林者等に十分徹底して参らなければいかぬ期間のように考えておりまして、三十六年度としては約二十万町歩前後のものが全体として増加するということになるのじゃないだろうかと考えております。三千七年度以降におきましては、われわれのPRが徹底できますならば相当の増加というものも従来以上に大きく期待できるということにもなるわけでありまして、そういう情勢を見ましてこの人員等にも対応していきたいというふうに考えております。
#44
○角屋委員 ただいま抽象的な御答弁でございましたが、やはり、人工造林について当然国営保険の対象になるべきところについては年次計画で指導性を持って保険加入をさせる、こういう構想が保険特別会計その他の面から見ても当然考えられなければならぬというふうに思うわけですが、これはこれ以上質閲することはやめたいと思います。
 そこで、看板は国営保険と非常にはなばなしく打ち出しておるのですけれども、一体農林省の方でこの保険運営のために従来どれとどれの部面に金を出しておるか、あるいは今度の法改正に伴う部面についてはどれとどれの部面にどの程度金をつぎ込んでいくのか、こういう点を一つ具体的に明確にしていただきたいと思う。
#45
○山崎政府委員 風水害あるいは火災等の問題に対しまして特別会計によってこれに対する特別の経費の支出というものは考えていないのであります。
#46
○角屋委員 ただいまの私の質問の点については、それに関連した資料を次回の法案審査までに一つ出していただきたい。国営保険という看板を立てていますけれども、国がこの保険運営のために一体どの程度のものをどういう方面に出したというふうな具体的な数字と、これから国で負担をしなければならぬ問題については大体どの程度のものを考えておるのかという点については、一つ関係資料を出していただきたい。
#47
○山崎政府委員 この保険特別会計としていろいろな面の支出をいたしておるわけでありまして、それの予算の内容等につきましては詳細なものを提出いたしたいと思います。
#48
○角屋委員 今の質問とも関連するわけですけれども、ほとんど被保険者の掛金が中心になりまして、今日約十億円近い積立金が生まれておる。この積立金の今後の推移という問題については、これは自然災害等を含めて参りますと、今にわかには必ずしも予断を許さないと思いますが、こういう余剰金の運営をどうするか。この積立金は資金運用部以外には預託できないというふうになっておるようでありますけれども、この種積立金は被保険者等の零細な金が集積されて生まれて参ったわけでありますし、ことに、山村地域というのは、御承知の通り、これからの新しい農林水産関係の転換の中ではややもすれば取り残される危険性を十分持っている地帯でありまするから、これの入によってということは必ずしもいきませんけれども、こういう余剰金等についてもできるだけ山村振興事業等に積極的にこれを活用するとか、あるいは掛金の低減をはかっていくとかいうふうな問題に留意して運営をしていくということが緊要であろうと思いますが、これらの問題についてはむしろ政務次官の方から一つお答えを願いたいと思います。
#49
○井原政府委員 ごもっともな御意見でございます。料率の引き下げをやると同時に、今後積立金等につきましては十二分に考慮いたしまして運営をいたしたいと存じます。
#50
○角屋委員 森林火災保険特別会計の関係は、保険料、積立金、借入金、その他の付属雑収入を歳入として、その中から保険金の還付金あるいは無事戻し金、借入金の償還金及び利子、事業取り扱い費その他を支弁するということになっておるわけでございますが、その無事戻し制というようなことについて、従来どういうふうにやっておるか、その辺のところを少しお伺いしたいと思います。
#51
○山崎政府委員 無事戻し制と申しますか、その制度は二十七年度に廃止せられておるのでありまして、現在におきましては、そういう運用はいたしていないわけであります。
#52
○角屋委員 これは近く提案をされて参ります農作物の共済関係でも問題になる点でありますけれども、保険経営として赤字が相当に出ておって国費から補てんをしなければならぬというような事態等も生じて参りますればその辺のところが運営として非常に問題になろうかと思いますけれども、従来の保険運営の中では十億円近い余剰金が出ておる。にもかかわらず、そういう無事戻し制等についても配慮されていなかった。なぜそういう点については具体的に無事故の地帯に対してたとい若干でも還付するという配慮をしなかったか、あるいはまた、今後自然災害等も含めて運営をして参るわけですけれども、やはり、こういう保険運営の過程の中では、災害常襲的な地域と災害の比較的少ない地域、あるいは災害のほとんどない地域というところにおいては、長期の保険運営の中ではいろいろそういう問題が一つの要因になる可能性を持ってくる。従って、無事戻し制というようなものについては当然これは考えていくべきじゃないか、むしろ、これが法制的な規制がなされておらぬのであれば、やはり法制的な規制というようなものをやっていく必要がある、こういうことを考えるわけですが、その点についてお伺いしたいと思います。
#53
○山崎政府委員 いろいろな損害保険の沿革その他を調べてみましても、無事故の契約者が引き続いて再契約するというような場合には、保険料を割り引くというような制度も通例の形で行なわれておりますし、今後のこの国営保険におきましても、なるべく早い機会にそういう考え方を取り入れていきたいと考えておるのであります。三十六年度におきましてはそういう制度はできないという関係もありまして、無事故の契約者に対しましては国から金一封というようなものを出しまして表彰するということを、まず三十六年度にはやりたいというように考えております。
#54
○角屋委員 火災等の場合には、平常非常に注意をされて火災を起こさなかったという意味で褒賞的な性格を考えることもけっこうだと思う。しかし、避けがたい自然災害等によって災害を受ける場合は、これは個人の領域を越えておるわけでありまして、従来の火災の場合と違って自然災害等を含んで保険の中に入れてくる場合は、やはり無事戻し制というようなものを基本的に考えていく、そして、災害を受けた者、あるいは無事故の者、そういう間に円満な長期の保険運営ができる上で支障のないように配慮していくということが非常に重要なことだと私は思う。先ほど来申しました剰余金等と見合って、山村における振興というものを積極的にはかる意味からも、もちろんこれだけではできませんけれども、これもやはりその中に加えていくということが当然考えられなければなりませんし、同時に、今言った点を十分配慮していくことが必要だと思う。
 きょうは時間の関係もありますので、最後に政務次官にお伺いしたいのですが、農林省の最近のいろんな業務部面を見ておりますと、あるいは公団方式があったり、事業団方式があったり、あるいはこういう特別会計による運営方式があったり、それぞれ必ずしも統一的に理解できないような、その問題その問題によって形を異にしておられる。たとえば共済関係ということで参りますれば、これは性格が違うといえばその点もあろうかと思いますけれども、農作物の関係の問題については今度は事業団という形をとろうと考えておられる。ところが、自然災害等も含む相当広範囲な森林関係の国営保険については従来と同じような形でいかれようとする。同じ農林省の役所でも、この種問題を取り扱うについての考え方が必ずしも整然たるまとまった考え方によって検討をせられるということでもないのじゃないか。これは私はいずれ適当な機会に聞きたいと思いますが、一体、公団とか公社とかあるいは事業団とか、そういうものをいろいろ看板として掲げるわけですけれども、法制的に見てこれらの問題がどういうところに差異があるのかという点を一つは検討してみなければならぬかと思うのですが、今度の自然災害を含む保険運営の問題については、農林省全体の機構の建前から見て、やはり、いろいろなものを新しく作られる場合に、この種の問題についてはこう、この問題についてはこういう形式であるというような筋道立った考え方をとって、場当たり的に処理するという感を与えない統一的な見解というものが必要じゃなかろうかと思うのですが、その点はこの問題と関連してお聞きしておきたいと思います。
#55
○井原政府委員 おっしゃるように、その取り扱い機構の問題がそれぞれ異なっておるわけでございますが、やはり、事業々々の特質によりまして一応適当な方法でということがこういうようなまちまちな姿になっておるのかと考えます。しかし、おっしゃるように、行政面でいろいろすっきりしない点もございますので、今後検討いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。
#56
○坂田委員長 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時四分開議
#57
○坂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 森林火災国営保険法の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。芳賀貢君。
#58
○芳賀委員 保険の事故対象に気象災害が加わったわけですが、その場合の気象災害の内容的な災害区分等に対して若干不明確な点があるわけです。たとえば、「風害水害雪害干害凍害及潮害ニ限ル」となっておりますが、自然災害の場合に凍害という表現はあまりないのです。たとえば天災融資法等においても。ですから、凍害という規定がどういう場合を想定しておられるのか、この点について伺いたい。
#59
○山崎政府委員 凍害といいますのは、やはり寒さによる被害というような意味でありまして、一般に凍霜害と言われておりますようなものを対象にしておるというふうに御了解願いたいと思います。
#60
○芳賀委員 そうであればむしろ凍霜害というふうに明確にした方がいいのじゃないですか。
#61
○山崎政府委員 事務的に関係方面といろいろ折衝する際には、凍霜害という言葉でなしに、寒さというものを主体に置きまして凍害というふうな考え方で臨んでおるわけでありまして、この運用におきましても、凍霜害の意味であるということを通達その他でも明確にいたしまして、誤りのない運用をしていきたいと考えておる次第であります。
#62
○芳賀委員 異常気象になって気温が極端に低下して凍結の状態が起きるということが予想されますね。その現象はどういう場合かというと、降霜とか降雪とかいろいろなことに伴って凍害ということになると思うわけですが、ただ単に凍害ということになると、ちょっと現象的には判断に苦しむようなことになるわけです。一例をあけると、天災融資法については、「暴風雨、豪雨、地震、暴風浪、高潮、降雪、降霜、低温又は降ひょう等の天災によって損失を受けた農林漁業者」、こういうふうに規定しておるわけです。この中には当然林業者も含まっておるわけです。ですから、農林漁業者が気象災害を受けて経営困難になるというような場合も、また林業者が気象災害によって樹林地が被害を受けたという場合も、これはやはり通念的には同一のものと考えても差しつかえないと思うのです。ですから、その場合凍霜害という意味であれば凍霜害と明らかに規定されても別に差しつかえないと思う。特に法律の第二条は災害の種類をカッコ書きにしてあるわけですから、わざわざこういうカッコをつけるということになれば、もう少し親切に表現した方がいいんじゃないかと思います。
#63
○山崎政府委員 お話のような点もごもっともと考えるのでありますが、われわれといたしまして凍害というものを前提にいたしましていろいろ損害調査等を実施したのでありますが、そういう段階におきましても、あるいはまたこういう気象災害を保険に加えるというようなことにつきましての各地方庁その他関係方面の普及徹底等の場合におきましても、やはり、単に凍るという字の意味だけでなしに、広い意味における凍霜害というようなものを包含して凍害というふうに考えておるという点をわれわれとしても十分徹底しておるつもりでありまして、そういう点は絶対に誤解のないように現実にもなっておりますし、今後もまたその点を十分徹底さしていくように考えて参りたいというふうに考えます。
#64
○芳賀委員 なお、事故対象にひょう害というのが入ってないですね。ひょう害もやはり自然災害の中には起きるべき事態であるし、特に、降ひょうのある地域はほとんど山間地というような、個所的にはそういうところが非常に多いと思うのです。ですから、一応気象災害という場合にはそういうものも列挙しておく必要があると思うのですね。これによると、これこれに限るということになっていますが、そういう場合にはやはり降ひょう災害等についてもこの中に入れておくべきであると思う。また、天災融資法では、地震、噴火による自然災害というものを規定しております。せっかく新しく保険事業の分野を広げるわけですから、そういうものをできるだけ包括して、具体的な運営についてはいろいろ問題があるとしても、気象災害の中にそういうものを含めるということは必要だと思いますが、降ひょうとか地震、噴火等によって受ける被害をどう考えておるか。
#65
○山崎政府委員 お話の点、まことにごもっともだというふうに考えるのでありますが、林野庁としても、はなはだ残念ではありますが、こういうものにつきましての災害の統計と申しますか、そういうものの整備が今までの段階でまるでできていないというふうな現実もありまして、そういうものを加えるということにならなかったのでありますが、われわれといたしましても、早急にこれらの資料を整備いたしまして、できるだけ早い機会にこれらも保険の対象に加えるというふうにぜひとも努力して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
#66
○芳賀委員 それでは、加えるべきであるということには異論がないのですね。
#67
○山崎政府委員 特にひょう害等につきましても、やはりぜひ加えた方がいいというふうに考えております。
#68
○芳賀委員 ひょう害があった場合に、これを取り入れることによってこの保険設計に大きな狂いがあるようなことは絶対ないと思うのですね。今提示されているいろいろな資料等によっても、これにひょう害を加えたから大きな変化が生ずるということにはならぬと思うのですが、いかがですか。
#69
○山崎政府委員 ひょう害による害と申しますのは、壮齢林というようなものの被害は割合に少ないのでありまして、幼齢林に対します被害が降ひょうによって考えられるのであります。この実態はそう大きいものというふうには考えてはいないのでありますが、先ほどお話しいたしましたように、何せ、これに対します実態調査といいますか、そういうものが現在のところまるで整備されていないというような段階にありますので、早急に一つ整備して、こういうものを加える方向にぜひとも努力したいというふうに考えておる次第であります。
#70
○芳賀委員 次に、この損害の基準ですが、気象災害を事故とした場合の基準等は政令にうたうわけですか、それともまた別途に一定の基準というものを示すのか。事故になり得るかならないかという基準ですね。
#71
○山崎政府委員 その点につきましては、従来から損害てん補の要領というものを林野庁で作りまして、誤解のないように、また公平にこれが行なわれますように規制しておりまして、風水害等が入りました場合にも同様にそういうものを明確にして誤りのないように運用して参りたいと考えております。
#72
○芳賀委員 その場合、たとえば契約の面積ですね、一ヘクタール契約したという場合、その契約地域に災害が起きてこの保険事故の対象になるという場合に、その尺度というものがあるでしょう。その契約面積の総体のどの程度が保険対象になるとかならぬとか。たとえば樹種とか年齢等によっても違う。そういうのは要綱でやるのですか要領でやるのですか、今言われるのは。
#73
○山崎政府委員 保険の対象になっております山が災害を受けました場合には、現地におきまして損害査定官と所有者とが立合いたしまして、面積をはかる、あるいは材積をはかるというふうな措置をいたしまして、その上で損害額何ぼというふうにきめまして、今後は五百円以上の損害額は全部てん補するということでいきたいと考えております。
#74
○芳賀委員 その五百円というのはとういう場合の五百円ですか。一契約についての五百円ということですか。
#75
○山崎政府委員 一契約につきまして支払うべき保険金額が五百円未満という場合には払わずに、五百円以上の場合は払う、こういう考え方でございます。
#76
○芳賀委員 ちょっとわからぬのですけれども、たとえば一ヘクタールの契約の場合もあるし十ヘクタールの場合もある。その場合、いずれも五百円未満ということになるのですか。十ヘクタールの場合も五百円未満、一ヘクタールの場合も五百円未満……。
#77
○山崎政府委員 一契約を単位にして考えるわけでありますから、五町歩の場合でも一町歩の場合でも五百円というふうに考えております。と申しますのは、現地で立会して調査をするわけでありますから、その立会する森林所有者の日当にもならぬという程度のものを払う必要性もないじゃないだろうかというような考え方から、五百円という線をきめたいと思っております。
#78
○芳賀委員 そうなると、たとえば農業災害補償法による損害評価等とだいぶ違うのですね。五百円未満となると、たとえば広範な面積の中で一本の立木だけいたんでも、それが五百円以上の損害だということになると事故対象ということになるのですか。
#79
○山崎政府委員 それは、お説の通り、かなり大きい木が一本損害を受けた場合、その損害額を調査いたしまして、――保険金額としての割合との関係にもなるわけでありますが、国が五百円以上支払うべきだということになれば、一本でも払うということになるわけです。
#80
○芳賀委員 そうなると、先ほど角屋委員が質問した場合でも、損害の査定という件について、長官の場合には、標本調査的なことをやる、必ずしも毎木調査ではないというようなことを言われたが、一本でも被害があれば、それが五百円以上の場合には事故対象になって保険金が支払われるということになると、もうとにかく毎木の調査をしなければ損害の評価ができないと思いますが、いかがですか。
#81
○山崎政府委員 お説の通り、壮齢樹林であるとかいうものにつきましては、個々の一本々々の木というものが相当の値打を持っているわけでありまして、そういうものが被害を受けましたときは、もちろん一本々々毎木の調査をするということになるわけでありますけれども、幼齢林等におきましては、しかも大体一斉林であるというような場合が通常でありますので、そういう場合には標準地の調査という方法で査定額をきめるという方法をあわせてとっていきたいというふうに考えております。
#82
○芳賀委員 その点はちょっと珍しいやり方なんで、私もよく検討する必要があると思いますが、ちょっとこれは変なところがあるのですね。やはり、契約の単位というものをどうするかということをきめて、基準を明らかにして、その尺度に基づいて、たとえば契約に対して面積とかあるいは立木の材積であるとか、そういうものがやはり契約の対象に当然なるわけですから、微細な被害でも全部これは対象になるというやり方も国営だから一番理想的かもしれぬが、やはり、一線を引いて、たとえば全体の何%以内の被害の場合には事故対象にならぬとか、何か一線を画して明確にする必要というものは当然あると思うんですが、ただ金額的に五百円というだけでは、ちょっとあいまい過ぎると思うのです。
#83
○山崎政府委員 現在の火災保険、あるいは今後は気象災害のものも一緒になるわけでありますが、今までの契約というものを見てみますと、全体の平均が四反歩程度というふうなのが現実の状況であります。最小の契約面積は一反歩ぐらいから出発するというふうなのが現実の姿でありまして、そういうものを前提に考えてみますと、五年以下でありまして一反歩というような契約になれば、契約金額が三千円か三千四、五百円というふうなものが保険の対象になるわけでありますので、そういう場合に災害を受けましても、やはり厳密な調査をするものはいたしまして、それで保険金を支払ってやるというふうにしなければいかぬわけであります。われわれとしましても、そういう点で五百円という線を引きまして、それ以上のものは、相当手間もかかるかと思いますが、保険金を支払うということで進んでいきたいと思います。
#84
○芳賀委員 次に、気象災害の場合ですね。これは、生育が阻害される場合と、完全に枯死する場合と、両様あると思うんです。その場合、枯死して生長しないというものはもちろん災害の対象になるわけです。異常な気象の変化によって生育が一定期間阻止される、そういうものもやはり損害ということになると思うんですが、その両様が対象になるのですか。
#85
○山崎政府委員 お説の通り、災害に際しましては、生長が阻害されたという場合と、そこにはえておる林木が枯れてしまったり、折れてだめになったり、あるいは根がえり等で将来生長しなくなるという場合と、両方があるように考えておりますが、生長阻害につきましては、将来ある期間経過した後でないとなかなか的確な損害額が出ないというふうな問題にもなりますので、保険の対象といたしましては生長阻害というものはこの対象にしないというふうに考えております。
#86
○芳賀委員 特に、凍霜害のような場合、幼齢木の場合には相当被害があるわけですね。完全に枯死もしないし、著しく生育が阻害されたり、樹勢が回復するまでには相当の期間を要する。やはりそれも被害だということになるのでしょうが、これを対象にしないということになれば、いろいろな事故対象の種目を並べてみても、いやこれはまだ生きておるから大丈夫だということになれば、その契約をする林業者にとっては不利益になると思うのです。これをどういうふうに扱うかということは、特に気象災害の場合やはりはっきりしておく必要がある。
#87
○山崎政府委員 過去の凍霜害あるいは早害等の例を見てみますと、こういうためにもちろん枯れたのもありますし、著しく生長を阻害されたというようなものもあるわけであります。大体そういう被害を受けるものはほんとうの幼齢林に多いわけでありますが、やはり植えかえていかなければいかぬというふうなことで、従来補助金等を支出さしてやってきておりますから、そういうふうに植えかえなければいかぬというものに対しましては、全部損害だということでてん補していくということにして参りたいと考えております。
#88
○芳賀委員 特に凍霜害なんかの場合は、全部枯死しない場合でも被害が普遍的になるわけですね。全面積にわたって被害を受けるということになると、生育阻害だけでも五百円ぐらいではきかぬと思うのです。ですから、そういうものの救済をどうするかということをもう少し明らかにしておく必要があると思います。
#89
○山崎政府委員 凍霜害等の場合におきましても、従来、造林補助その他の程度で、これの救済といいますか、そういうものは続けてきたのでありますが、われわれといたしましては、植かえなければいかぬというふうなものを調査いたしまして、そういう限度において保険金を支払うという形をとって参りたいと考えております。現地におきまして、ほうっておいても何とか木になるというような、あるいは微妙な点はあるかと思いますが、しかし、著しく生長が阻害されまして、それを残しておいてもなかなかうまく育たぬじゃないかというふうな範囲のものも相当あるわけでありまして、そういうものは当然この損失補償の対象としてできるだけあたたかい目でこれを救済していくという考え方で進んでいかなければならぬというふうに考えております。
#90
○芳賀委員 では、その点は損害評価基準等の中で明らかにしていかれたらいいと思います。
 次に、先ほどの質問にもありましたが、無事戻し制を今中止しておるというようなお話なんですが、長期に事故がなかったというような場合には、表彰するというのも一つの方法かもしれません。しかし、本来から言うと、無事戻し制を従前のように一括して行なうということを明らかにして、誠意のある運営をした方がいいと思うのですが、いかがでしょうか。
#91
○山崎政府委員 無事戻し制につきましては、二十七年でありましたか、法律の附則におきまして、既契約のものについては適用するというようなことになりまして、その後のものについては適用しないことに現在はなっておるのでありますが、われわれといたしましては、これをできるだけ早い機会に制度として復活いたしまして、たとえば継続契約というような場合には相当思い切った料金の引き下げをやるというような制度とあわせて、ぜひとも実現するように努力していきたいというふうに考えておる次第であります。
#92
○芳賀委員 次に、積立金の運用なんですが、これは、特別会計法によると、資金運用部に預託するということが明らかにされておって、それ以外の運用はできないということになっておるのです。しかし、現在十億円をこえる積立金があるとすると、その運用益だけでも五、六千万円になると思うのです。従って、少額なものではない。これを十分保険事業の面に活用する必要は当然あると思うのですが、これに対する具体的な考えがあれば伺っておきたい。
#93
○山崎政府委員 お説の通りだと考えております。現在までその利子収入の一部を火災予防の施設等にも振り向けて参ったのであります。今後におきましては、料率の引き下げ、先ほどお話のありました無事戻し制等の復活、そういうことにまず第一次的に使うように十分検討して努力していきたいと考えております。
#94
○芳賀委員 これは会計法を改正しなくともやると言われるのですか。
#95
○山崎政府委員 これの利子収入等は、もちろんこの保険の特別会計の毎年度の収入財源になっておるわけであります。そういうものを収入財源として、先ほど申し上げました保険料率の引き下げとか無事戻し制というようなものを実現していくということには、法律改正しなくてもできるというふうに考えております。
#96
○芳賀委員 その点は、特別会計法によると、歳入の面については積立金の利子等もこれは歳入になるが、それをどこに使わなければならぬということを書いてあるのです。そうしますと、料率の引き下げとか、今長官の言われたような面にこれを活用するとなれば、限定された使用目的を拡大しなければならないと思うのですが、どうですか。
#97
○山崎政府委員 その毎年度の利子収入というものはどういうふうに使わなければならぬという法律規定はないわけでありまして、やはり一般の会計の歳入ということになるわけでありますから、特別会計の法律改正は要らないというふうに考えております。
#98
○坂田委員長 次は湯山勇君。
#99
○湯山委員 人工林の災害としては、火災、気象災、病虫害による災害が考えられると思いますが、病虫害による災害というのはどれくらいあるか、資料でお答え願いたいと思います。
#100
○山崎政府委員 病虫害、その他イノシシ等、いろいろなものによる被害が考えられるのでありますが、昭和三十三年度の調査によりますと、病害によるものの被害面積が八百三十三ヘクタール、損害額が百二十八万円余、それから、虫害によります被害面積が五十八万八千ヘクタール余、損害額が十六億三千七百万円、それから獣、この中でネズミによる被害が、被害面積にしまして三万八千町歩、損害額が一億四千八百万円、ウサギによります害が、面積で四万七千町歩、損害額が二億一千一百万円余、イノシシその他によります被害が、面積で一万町歩余、損害額が六百五十余万円というふうな状況になっております。
#101
○湯山委員 ただいまお示しいただいた資料というのは、森林病害虫等防除法の第八条によって損失補償された対象の面積、対象の金額になっておると思います。あるいはそうでないとすれば、森林病害虫等防除法によって補償した金額あるいは対象面積は大体どれくらいになっておるか、その点はいかがでしょう。
#102
○山崎政府委員 この病虫害によります被害は、法律によります法定害虫以外のものの病虫害も含んでおるわけでありまして、その内訳の詳細につきましては、現在資料を持っておりませんので、後刻また資料として調べまして提出いたしたいと存じます。
#103
○湯山委員 私がお尋ねしておる趣旨は、火災、気象災、それから病虫害、これらについて保険あるいは補償の措置が大体これで一応完備するということを期待しておったわけです。また、今度の法改正に対する各団体の陳情も、病虫害とか火災については補償の措置がとられておるけれども、ひとり気象災についてはそれがなされていないというようなところからこういう希望が出てきたと思うわけです。そこで、そう考えて参りますと、今お手元に資料がないからということですけれども、私の推測では、かなり病虫害関係は残されるのじゃないか。今お示しになった資料によりましても、面積にしても金額にしても相当大きなものが三十三年度に出ておるということになると、病虫害関係はせっかくこういう法律ができましても残されるものが非常に多くなって、この面に気の毒なものができるのじゃないかということを心配するわけです。その点はどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
#104
○山崎政府委員 病虫害に対しましては、御存じの通り、その中の法定害虫につきましては国が助成いたしまして薬剤の散布等をやる、あるいはマツクイムシにつきましては伐採に際しまして補償するとかいう制度をとっておるのでありますが、法定害虫以外の病害虫につきましても、ここ両三年来突発害虫というふうな予算の項目を設けまして、防除に対して国が補助等の制度をとるということをやっておるわけでありまして、その実損額に対する損害填補というものが両者について完全には行なわれてないという状況にあるのであります。これらにつきましては、やはり成長阻害という事態が非常に多いのでありまして、これを保険等の対象にするということにつきましては、林野庁としてはいまだ十分な資料なりその評価の方法なりというものについての確信もつかない段階にあるのであります。
#105
○湯山委員 今の森林病害虫等防除法の第八条によって損失補償に充当する予算、あるいは府県が負担する分もあるかと思いますけれども、それが、今おっしゃった突発害虫の補償の来年度の予算、その総計が大体どれくらいになっておりますか。概算でもけっこうです。
#106
○山崎政府委員 三十六年度の予定といたしましては、虫害、獣害等の駆除に対します事業費三億七千五百万円を予定いたしまして、これに対して国費を一億七千十三万七千円予定いたしております。
#107
○湯山委員 そういたしますと、大体三十六年度で四億弱ということになりますから、三十三年度に比較してみますと、十六、七億の損害に対して四億程度ですから、十数億というものは結局被害のかけっぱなしという大ざっぱな計算が出てくると思います。これは確かに成長阻害というものもありますけれども、それらの中には、森林病害虫等防除法によって指定されていない被害、しかもそれは植えかえなければならないというような被害もやはりあるのじゃないかと思います。たとえて申しますと、九州とかあるいは瀬戸内海の沿岸、そういうところでは、松に対する白アリの被害は相当大きいものがありまして、何年か成長しますけれども、それから白アリが入ってきますと、だんだん枯死していくというような被害も相当あって、これは指定はされていないと思います。こういうものなどは、成長阻害ではなくて、もう明らかに植えかえなければならない。現に国の方から名勝に指定されております広い松原があるのですけれども、そこなんかは、毎年行事としてその付近の者が松苗を持っていって植えております。それで枯れていくのを補植しておるというような事実もあるわけで、実際は、成長阻害ではなくて、今長官がおっしゃったような状態も、南の方は長官もよく御存じだと思いますけれども、九州、四国には相当あるわけであります。これらは、今おっしゃったように、被害が五百円とかいうような程度でおやりになるならば、当然対象になっていいと思うわけです。そういうものに対しては、この際保険を適用するか、あるいは今の病害虫等防除法を適用するか、何らかの方法がとられなければならないのじゃないかということを痛感するわけですが、それについてどうお考えでしょうか。
#108
○山崎政府委員 今お話しの、白アリによる松等の枯れてしまうという問題につきましては、白アリによりそういう立木がやられるというふうな問題の発見も、実は最近になってはっきりわかったような事情もありまして、われわれといたしましても、従来のマツクイムシでありますか、そういうものと大体同じような制度を、必要ならば考えなければならぬというふうに思っております。法定害虫として認められるように、実態も調査して考えていきたいと思っておりますか、それまでの間におきましても、突発害虫という制度もありますので、害虫駆除につきましてはその面で努力して参りたいと考えております。
#109
○湯山委員 白アリの場合は、ちょっと突発害虫というものには該当しにくいのではないかという感じも持っておりますので、今の点は、どちらかの方法、保険で救済できるか、あるいは森林病害虫等防除法で救済できるか、何らかの方法を早急に御検討願いたいと思います。
#110
○山崎政府委員 法定害虫に属するかというふうな問題を一つ早急に決定したいと考えております。
#111
○湯山委員 そうなった場合に、保険でやる場合と森林病害虫等防除法の補償とがあまり金額に差があるようなことがあると、これは困ると思うのですが、病害虫等防除法の方では防除員というものがあっていろいろやっていく、そういうことになっておりますが、保険の場合の保険金とこの補償との間の調整と申しますか、つり合いというのはどういうふうにしておとりになるか、それについて何かお考えがあれば承りたいと思います。
#112
○山崎政府委員 その白アリ等の場合におきまして両者のバランスはどうかという御質問でありますが、これは、実は、林野庁といたしましては、今までに十分調査をいたしていないのでありまして、今後十分な調査を行ないまして、法定害虫にして駆除した場合にはどうなるというふうなことを一つ具体的に検討いたしまして、また先生の方に御報告、御連絡を申し上げたいと考えております。
#113
○湯山委員 森林災害として、火災、気象災、病虫害災、これは並び立つものだと思います。その間に、適用法律が違うために、森林を経営している者の補償といいますか、そういうものに差がある、一方は保険金をかけておるし、一方はかけていないのだからというその差は認めますが、それ以上の不均衡があるようであれば、私は、むしろ、病虫害の場合も保険にさる方が有利であればそういうことも出てくると思いますので、この点のつり合いは、有利なようにとるということをぜひ長官の方でも御配慮願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#114
○山崎政府委員 お説の通り、今後早急に調査いたしまして、ふつり合いでないような線で問題が解決できるように考えていきたいと思っております。
#115
○湯山委員 先ほど芳賀委員の方からも御質問がありましたが、成長阻害の場合、これは全然対象にならないということでございますが、これも台風地帯に多い現象ですけれども、台風によってかなり大きな技が折れる、それは相当経済的に影響があるというような場合、これは倒れたわけではないし、枯れたわけではないから、植直しの必要はないけれども、相当大きな枝が折損するというような被害、あるいは、台風で葉が落ちてしまって、そして新しい芽が出て年輪が一年に二つできることが台風地帯ではよくあります。そういう場合もやはり対象にしないのかどうか。そういうのは、せっかく風害というものが入ったとすれば、――風害というものはおそらく植えた当初にはあまりない現象だと思います。そうすれば、今の枝の折損による損害、あるいは年輪が二つもできるようなひどい風害等は、これは対象にしてもいいじゃないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
#116
○山崎政府委員 風水害の保険につきましても、三十六年度から新たに出発するわけでありまして、成長阻害というふうな範疇の問題につきまして、今直ちにこれを保険の対象に取り入れていくというふうな点には、林野庁としましても技術的な確信を持っていないというような段階にあるわけでありますので、この制度を運用しながら現実に即するように制度もあるいは運用の方法も十分研究して今後改善していくというふうに努力していきたいと考えております。
#117
○湯山委員 それは先ほど芳賀委員にもお答えがあったと思いますが、ぜひ一つ研究して対象にするように考慮していただくということを強く要望いたしたいと思います。ことに今の風害の場合等は特別だと思いますからそれとは別ですけれども、今度の保険の発足に伴って人員増が行なわれるということですが、事務量は一体どれくらいふえるお見込みでしょうか。何割、あるいは何倍……。
#118
○山崎政府委員 この資料でも御説明いたしました通り、従来火災だけでありますと約八百件ばかりをこの保険金支払いの対象にしておったのでございますが、風水害が入るということによりまして五、六割程度は当然ふえるものだというふうに予定しております。
#119
○湯山委員 そこで、定員の問題ですけれども、先ほど長官の御答弁のように、季節的な調整もできることだしということで、五、六割の人員増は見られておりませんけれども、これは、発足してみて、非常に事業量が多い、事務量が多いということになれば、また御配慮願える問題だと思います。ただ、ここでお尋ねしたいことは、そういうふうに事務量が非常に多くなるということになれば、人員の問題は今のことで一応了解するといたしまして、当然、事務費、特に旅費などは、従来のような旅費ではとてもこれはやれないと思うわけなので、そういう点についての御配慮がなされておるのかどうか、承っておきたいと思います。
#120
○山崎政府委員 お説の通りでありまして、県、市町村等に対する交付金もある程度増額はいたしておるわけでありますが、伊勢湾台風等のああいう事態が起これば、やはり現在の予算では不足だという問題が当然考えられるわけでありまして、林野庁といたしましては、そういう際には予備費を支出するというふうな形でこれに対処していかなければいかぬというふうに考えております。
#121
○坂田委員長 他に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
 暫時このままで休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時四分開議
#122
○坂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 森林火災国営保険法の一部を改正する法律案についてこれより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もないようでありますので、直ちに採決に入ります。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
#123
○坂田委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#124
○坂田委員長 次に、石田宥全君より、自民、社会、民社共同提案の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者よりその趣旨説明を求めます。石田宥全君。
#125
○石田(宥)委員 ただいま議決になりました森林火災国営保険法の一部を改正する法律案は、わが国造林事業の発達に伴いまして保険事業もようやく軌道に乗って参りました今日、その対象を気象災害に及ぼすことは適切なる改正であると存じますので、賛意を表する次第でありますが、先刻来の質疑にもありましたように、さらに若干の問題があると考えるのであります。
 ここにおいて、この法律案をさらに完璧なものとするために、次のような附帯決議を付するよう、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して動議を提出いたします。何とぞ御可決あらんことを希望いたします。
   森林火災国営保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、すみやかに左記の点を検討し、その実現を期すべきである。
     記
 一、保険事故に雹害並びに地震及び噴火による災害を加えること。
 二、無事戻制度を復活し、併せて保険料率を引下げること。
 右決議する。
 以上であります。
#126
○坂田委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 これより、自民、社会及び民社共同提案の附帯決議を付すべしとの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
#127
○坂田委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 ただいまの附帯決議に関しまして政府の所見を求めます。周東農林大臣。
#128
○周東国務大臣 ただいまの附帯決議に関しましては、農林委員会の決議の趣旨を尊重いたしまして、十分検討いたし、善処いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#129
○坂田委員長 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
#130
○坂田委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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