くにさくロゴ
1960/03/10 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第11号
姉妹サイト
 
1960/03/10 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 内閣委員会 第11号

#1
第038回国会 内閣委員会 第11号
昭和三十六年三月十日(金曜日)
   午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 伊能繁次郎君 理事 小笠 公韶君
   理事 草野一郎平君 理事 飛鳥田一雄君
   理事 石橋 政嗣君 理事 石山 權作君
      辻  寛一君    藤原 節夫君
      前田 正男君    牧野 寛索君
      緒方 孝男君    杉山元次郎君
      田口 誠治君    山内  広君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 池田正之輔君
        国 務 大 臣 西村 直己君
 出席政府委員
        総理府総務長官 藤枝 泉介君
        総理府総務副長
        官       佐藤 朝生君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   島村 武久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   杠  文吉君
        総理府技官
        (科学技術庁資
        源局長)    黒澤 俊一君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁計
        画局計画課長) 橘  恭一君
        検     事
        (民事局付)  住吉 君彦君
        文部事務官
        (大学学術局技
        術教育課長)  犬丸  直君
        自治事務官
        (行政局行政課
        長)      岸   昌君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術会議設置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第三一号)
 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四八号)
 北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四九号)
 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第五〇号)
 特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法
 案(内閣提出第一二二号)
     ――――◇―――――
#2
○久野委員長 これより会議を開きます。
 特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。西村国務大臣。
    ―――――――――――――
#3
○西村国務大臣 特殊海事損害の賠償の請求に関する特別措置法案の提案理由及び内容の概要について御説明いたします。
 この法案は、新安全保障条約に基づく地位協定第十八条第五項(g)の規定により、同項の他の規定の適用を受けないこととなる特殊の海事損害の賠償請求の円滑な解決をはかるものであります。
 旧行政協定にかわる地位協定におきましては、民事請求権に関する第十八条の規定は全面的に米国がNATO諸国と結んでおります同種協定と同様なものになったことは御承知の通りであります。従いまして同条第五項(g)におきまして、日本国にあるアメリカ合衆国軍の船舶の航行等から生じます事故によりまして第三者がこうむりました被害のうち、物的損害に関する賠償の請求につきましては、同条同項の他の規定の適用を受けないことになりまして、米国政府が直接に取り扱うことになります。すなわち旧行政協定で同じく民事請求権について規定している第十八条におきましては、その第三項によりまして海上におけるこの種の賠償請求も陸上における場合と同様、日本の政府機関の行政措置により処理され、または日本の裁判所の裁判により解決されるのでありますが、新協定におきましては、米国の政府機関または裁判所より処理されることになります。
 右のごとく改定になりましたのは、この種の海上における船舶に関する賠償請求のような特別の事案については、NATO協定のごとく取り扱われるのが国際通念であることに基づくものでありますが、米国の関係法令に十分通暁せず、また言語慣習の相違のある日本国民に対しましては、新協定実施後も、この種請求の取り扱いについて政府が必要な援助を行なって円滑な解決をはかる必要があると存じます。これが本法案を提出する理由であります。
 法案の内容といたしましては、この種海事事故の被害者たる日本国民が米国政府に対して損害賠償を請求する場合には、調達庁長官がそのあっせんをすることとし、あっせんにより適正迅速なる解決をはかることとしたのが第一点であります。
 次に右のあっせんによっても被害者の満足すべき解決に至らずして、被害者が米国の裁判所に訴訟を提起するときには、訴訟費用の立てかえその他訴訟についての必要な援助を行なうことができることとしたのが第二点であります。右立てかえ金は無利息といたし、また訴訟終了時には償還を要するわけでありますが、その償還は場合により支払いの猶予、全部または一部の免除ができるように定めております。
 以上、この法律案の提案の理由と内容の概要を申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
#4
○久野委員長 本案についての質疑は次会に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#5
○久野委員長 次に、科学技術会議設置法の一部を改正する法律案、総理府設置法の一部を改正する法律案、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案及び原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の四案を一括議題とし、前会に引き続き質疑を継続いたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。受田新吉君。
#6
○受田委員 科学技術庁長官兼原子力委員会委員長池田先生に、政策的な、根本的な問題をお尋ねをしたいと思います。
 池田国務大臣は輿望をになうて、今申し上げた二つの責任者になっておられるのでございますが、原子力委員会が昭和三十年、科学技術庁が引き続いて成立をしまして今日に至っておるわけでございますが、すでに五年も六年もたった今日、一応基礎的な研究調査は実を結んで、たとえば原子力についてはその平和利用について、いかにして開発をしていくかというような具体的な問題と取っ組む段階に来ておるし、また科学技術についても理論的な研究、基礎的な研究の段階を乗り越えて、実際にその活用をどうするかという段階に来ておると私は思っておりますが、御見解はどうですか。
#7
○池田(正)国務大臣 科学の世界は非常に広く、非常に深いのでありまして、従って御承知のように基礎的な研究ができたのもあれば、またできないのもあれば、自分でできたと思っても案外まだできなかったり、そこで私はこの間神代時代という言葉を使ったら笑われたのでありますが、私の言葉を笑うのは、これは想像力のない人だと思っております。そういうわけで原子力の面におきましてもその他の面におきましても、幸い終戦後あの空白時代を経て今日、ようやくにして日本の科学技術というものが立ち上がりまして、そして今や建設の時代に入ってきたということだけは申されると思います。
#8
○受田委員 私は最初に、昨日の社会党議員各位の質問にお答えになられた科学技術会議関係の具体的な問題についてお尋ねをしてみたいと思います。
 すでに科学技術会議も何回か会合を開いて、その諮問に対する答申もされておるのでございますが、その答申の最初の、十年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策に対しましては、その基本原則として、科学技術振興のために非常に大きな理想を持っておられる。それはまず十年後に到達すべき科学の目標を、国際交流、国際協力を対等、またはそれ以上に遂行できる水準に到達すること、こう書いておるのでございますが、十年後には国際交流、国際協力を対等、またはそれ以上に到達するという自信を持って、これからあなたのお仕事をお進めになろうとされておりますか、いかがでございますか。
#9
○池田(正)国務大臣 これまた国際的と申しましても、たとえば御承知のようにソ連とかアメリカはずば抜けて進んでいる。その他のドイツ、フランス、イタリアは、現在のところはものによってはわが国より進んでいるものもあります。従ってそういうものを対象にした場合には、これはそう驚くにあたらぬだろう。ことにわれわれがこれから勇気を持って努力を重ねていくためには、少し実際よりも目標を高く掲げて、それを目標にして努力する。これが一つの方向だろうと思います。
#10
○受田委員 今ソ連とかアメリカとか、ずば抜けてすぐれた発達をしている国には及びもつかないということになるわけですか。
#11
○池田(正)国務大臣 ソ連必ずしもおそるるに足らないので、ただソ連は御承知のように宇宙科学や何か、そういった特殊なものは非常に進んでいますけれども、ある種のものは日本よりずっとおくれているものもあるので、そう一がいには言えないと思います。
#12
○受田委員 けさも報道機関の報道によって、ソ連が人工衛星船の第四号の成功を発表しているわけです。そういう点においては、日本では及びもつかない。しかしソ連よりもすぐれておるというところはどういうものがありますか、具体的に……。
#13
○池田(正)国務大臣 こまかいところになると、間違えるとしかられるといけませんから、政府委員から説明させます。
#14
○黒澤政府委員 私も今すぐ全部というわけにも参りませんが、たとえば合成繊維あたりになりますと、日本は現在世界第二位の合成繊維生産国でありまして、特にビニロンあたりになりますと、世界で日本しか成功しておらない。外国からも日本のビニロン技術導入の引き合いをしておるというようなこともございますので、部分的にと申しますと、きわめて一例でございますが、ビニロンあたりはその例になると思います。
#15
○受田委員 そうした技術面における――科学といわず、そういう技術面における特徴を一、二持っているということを御指摘になったようですけれども、大体宇宙開発審議会というものも、すでに内閣の付属機関としてちゃんとしたものができておる。そうしますとそういうところで、宇宙開発という点においては、国際交流その他の関係で対等またはそれ以上に遂行できるという見通しは立たぬ。ただ、今のような単なる化学繊維その他の技術の面では一日の長があるけれども、そうした大きな立場からの宇宙開発というような問題は、十年後においても、日本はとうていそうした大国に伍することはできないという悲観的な立場をおとりになるわけですね。
#16
○島村政府委員 宇宙の問題につきましては、全般的に申しまして、ソ連のような大規模の実験、あるいは将来はその開発というようなことは、日本の国力からいたしまして、とうてい手の出ないところではなかろうかということは言えるかと思います。しかしながら宇宙に関しますことが、すべて技術的にソ連には太刀打ちできないときめてかかるようなものでもないと思います。先ほど長官からお答え申し上げましたように、すべて一律にきめてかかることはできないわけでございまして、現在のところ、日本が宇宙の研究に手を出しましてから、まだ幾らも時間がたっておりませんけれども、日本は日本らしい宇宙の開発の仕事の受け持ちがあるというふうに私どもは考えておるわけでございます。たとえば人工衛星に備えつけますところのいろいろの観測機器その他通信関係の機器というようなものになって参りますと、今日でも必ずしもアメリカあたりにも劣っておるというほどのものではないというようにも聞いております。従いまして宇宙関係は全部ソビエトやアメリカにとても及ばないというふうにきめてかかることはできない。ただソ連やアメリカのように大規模な研究開発というものが、今後十年後を見通しまして、アメリカあるいはソビエト並みに日本がやるのだというようなことは考えていない、こういう趣旨でございます。
#17
○受田委員 そうした部分的な研究をやっておる。そうした大じかけのものはとても考えられないということになると、日本はそうした科学技術関係、特に宇宙開発については大国の列に入ることを前提としないという、非常に消極的な立場で今政策をお進めになる心配があると思うのです。しかしながら今の科学技術会議の答申の中にある事柄は、そういうものも含めた目標を達成せよという御注意であろうと思うのですが、いかがでしょうか。
#18
○島村政府委員 もちろん科学技術会議の全般的な御意見というものは、海外の諸国に比べて劣らない、あるいはそれ以上の目標をねらうというところにあるのでございますけれども、大臣からもお答え申し上げましたようにすべての点について何でもかんでもみんなそういった国より上になろうというわけではございません。従いまして宇宙の関係につきましても、科学技術会議の答申は、宇宙を除いているのだというふうには私考えませんが、そうかと申しまして、宇宙開発のやり方を、ソビエトよりもアメリカよりも大きなやり方でやるというふうなことを、科学技術会議の答申が言っておられるというふうにも解していないわけでございます。
#19
○受田委員 一応十年後の目標を科学技術会議が答申をしておるのでございますが、十年間にどういう段階でもってこの科学技術の発達を期しておるのか。年次計画というものをおよそお持ちであろうと思います。その十年後における目標達成への段階的な計画を発表していただきたいと思います。
#20
○池田(正)国務大臣 御承知のように、科学技術会議の取り扱っておる内容をごらんになってもおわかりのように、非常に広いので、従ってその事態の内容いかんによって、年次計画を立てられるものと、立てられないものとおのずからございまして、そういうようなものの仕訳はこれからやって、そうして可能なものから順次やっていく、こういうこれからの努力ということになると思います。
#21
○受田委員 可能なものからというのは、どういう具体的な内容を持っておるのか、お示しを願います。
#22
○島村政府委員 科学技術会議の答申は、ごらんいただきましたように、非常に部厚い広範なものでございますけれども、たとえて申しますと、そのうちの一つといたしまして、人材を養成することの必要と急務を説いておるわけでございます。これらの問題につきましては、少なくとも立てようと思いましたならば年次計画の策定が可能であり、また必要なものだというふうに考えておるわけでございます。従いましてその実行面につきましては、もちろん主として文部省の担当するところになるわけでございますが、文部当局では、やはりあの科学技術会議の答申の線に沿いまして、十年後を目標にするところの必要人員というものを目ざして、人材養成の第一年度というものを三十六年度から開始しようというふうにしておられるわけでございます。ところが、なかなか年次計画的にきめにくいものがあると考えられますのは、答申の中で相当のページ数を使いまして、種々述べております研究開発の関係、これはたとえば家を何万一尺何十万戸建てるという問題と違いまして、研究の結果出てきましたものの上に立ってまた前進しなければならぬ。それが成功するか成功しないかというようなことが、非常に予測を立てにくいというような問題がございます。従いましてそういったような個々の研究開発の面につきましては、計画が立てやすいものと立てにくいものとあるというふうに考えるわけでございます。立てることの可能なものは、今後できる限りそれを計画化していくということが望ましいわけでございますけれども、科学技術会議の答申の全部につきまして年次計画を作るというような構想は、ただいまのところ考えておりません。できるものをできるだけ計画化していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#23
○受田委員 人材養成の問題が出たのですけれども、文部省の方は来ておられますか。
#24
○久野委員長 今呼んでおりますが、まだ来てないです。
#25
○受田委員 それではそれはあと回しにします。
 大臣、今の人材養成の具体的な対策として、ぜひあなたに伺っておきたいのですが、きのう中教審、中央教育審議会で一応の承認を得た問題は、五年制の専門学校を新しく学校教育法の中に規定するということ、それは特に科学技術関係の人材を養成する目的から生まれたようでございますが、大体大学という機関は、特に科学技術関係においては、非常に重要な役割を持っておるところでありまして、大学が真剣に科学技術と取っ組んでくれなければ、あなた方のお仕事も実を結ばないわけです。それはそうでしょう。ところが今の大学の実態を見ると、国立が四割、私立が六割という比率になっておると思います。国立につきましても大した所要経費が与えられてない。いわんや私立においては全く野放しです。理科教育振興のために数億の金を、毎年多少増額しておるようですけれども、これを予算に計上しておるにすぎないのです。こういうことで大学に、今官房長が言われたような科学技術の振興を人材養成の立場から期待することができますかどうか、お答え願いたい。
#26
○池田(正)国務大臣 これは大へん言いにくいことなんですけれども、きのうもここでちょっと触れましたが、文部省のやっておる技術者養成の計画というのは、これはなってはいないです。現に私どもが予想しておる、また政府が予想しておる十カ年の間のいわゆる経済の成長というものから見ました場合も、大学を卒業した理工科の学生は大体十七万と踏んでおります。ところが現在の文部省の案を見ますと、大体その半分しかいってない。しかもその半分の中には、――はっきりした数字を今持ち合わせておりませんが、大体半分と見てよかったと思います。半分、かりに八万人なら八万人の卒業生が出たといたしましても、その二割ないし三割はいつもロスが出るのです。卒業者が全部職場にいくわけではないのですから。そんな関係から見ますと、せいぜい六万人くらいしか見積もられない。一体何で補おうとしておられるのか。そこできのうの教育審議会から出たああいう案が生まれてきのだろうと思う。これは官僚的なものの考え方だと思う。かようなことでわれわれが要求しておる計画を満たすことはできない。まことに残念だと思っております。
#27
○受田委員 残念では済まぬわけです。国立の学校へ専門学校を新しく置こうとしておるわけなんです。ところが国立の学校といえども、科学技術関係の研究というのはわずかであって、特に原子力委員会設置法を一部政正しようという法律案を出されたときに、国会の附帯決議の中にもそういうことが出ておりましたし、また原子力委員会を作るときにも、大学の学部の研究費は原子力のために必要とする養成機関の経費とは別に考えるべきだというはっきりした線が出ておる。そういうことからいっても、大学の学部における科学技術研究というものは、よほど政府が力を入れないと期待ができないことになるのです。先ほど私が申し上げた私学というもの、これは数が多い。私学はまた独特の持ち味を持ってこういうものに取っ組んでくれるわけです。私学における科学技術の振興というようなものに、一つその独特の持ち味を生かすような思い切った措置をとってやる必要はないのですか、大臣。あなたのお仕事のうちだと思う。文部省の仕事であるが、根本はあなたの方に根っこがあるわけですから、一つお答え願いたい。
#28
○池田(正)国務大臣 何しろ所管が文部省でありますから、私の直接の所管であればおのずから私は策を持っております。しかし残念ながら――この間これは内輪の話ですけれども、文部大臣と話をしましたときに、文部大臣は、今の文部大臣というのは、文部行政の機構がどうもおかしなもので、大臣が命令したり指導したりできないようになっておる。そういうようなところにもネックがあるようです。いろいろな面で、そういう機構の上にも欠陥があるのではないか。これは私個人の意見になって恐縮ですが、そんなようなことから、文部大臣も非常に苦慮しておられるようですが、何といってもとりあえず利用できる面で私学の理工科系統を利用するということに目をつけなければならぬはずなんで、私の知っておるところでは、この四月から、いずれも名のある早稲田、慶応、日大その他それぞれ基礎ができておる理工科系の学校から、約一万人の学生の増募を申請しております。ところが文部省には妙な規定がありまして、いわゆる法規にもない規定でこれを制約して許可しておらぬのです。さようなばかげたことをやっているのが今の文部官僚のやり方です。そこで私は、これに対しては最も近い機会に何らかの手を打とう、かように考えております。
#29
○受田委員 科学技術庁設置法の第十一条には、あなたが今職務を担当しておられる科学技術庁長官の権限として、いろいろな規定が掲げられてあります。その規定の中には、科学技術の振興及び資源の総合利用をはかるため特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対して科学技術の振興及び資源の総合的利用に関する重要事項について勧告する勧告権がある。その次の項には、その勧告についてとった措置について報告を求める権限がある、さらにその次の項には長官、あなたの権限で内閣総理大臣に対して当該事項について内閣法第六条による措置がとられるよう意見を具申することができるという規定があるわけです。このあなたに与えられた権限をどのようにお使いになっているか。あなたの前任者がやってきたこと及びあなたがやってきたこと、科学技術振興に関してのこの伝家の宝刀をどうお用いになっているか。文部省に対しても、その行政機関の長に対して今の規定の通り報告権も勧告権もあるわけです。また内閣法第六条によるところの閣議決定によってこれを強制することもできるわけなんですが、いかなる措置をおとりになっておられるか、御答弁を願います。
#30
○島村政府委員 法律を援用せられましたお話がございましたので、私からちょっと申し上げたいのでございますけれども、御指摘になりました第十一条、いわゆる科学技術庁の長官は必要があると認めました場合には必要な資料の提出あるいは説明を求め、場合によりまして重要事項については勧告をする、あるいは勧告の結果について報告を求めることができるという条文でございます。これにつきましては、その前の方の第三条の任務というところの規定の中で、以下この法律全文についてそのようなことになるわけでございますが、科学技術と申しますものは大学における研究を除くと書かれておるわけでございます。従いまして第四条以下同じでございますので、当然この第十一条も含めまして大学におきます研究の問題につきましては、科学技術庁長官はそのような権限がないという形になっておるわけでございます。従いましてただいま御質問になりました趣旨が、大学の研究の問題につきましてのお話でございましたといたしますれば、この第十一条に基づいてどうこうという問題はないわけでございますので、そのように御了解いただきたい。
#31
○受田委員 大学の学問の自由を侵してはならないということは、科学技術会議法を作るときにも基礎研究を重視すること、学問の自由を侵してはならないという二つの附帯決議をこの委員会で付してこれを通しておるわけです。だから大学の学問の自由、自治を侵してはならぬということはわかります。しかしながらここにあげてあることは大学の問題を除いてでも、文部大臣に対して科学技術振興のための研究を別の角度からでも要求する権限はあるわけです。そういう意味から私は、この十一条の規定について今まで勧告権を行使した実際の取り扱いがどういうようになっておるか、これをいろいろな角度からお答えをしていただきたいと思います。十一条の第三項、四項、五項のそれぞれについて御答弁を願います。
#32
○島村政府委員 それではもとに戻りまして、第十一条に基づいて勧告を行なったケースがあるかどうか、あるいはどのようにしてそれをやっておるかという点についてお答え申し上げます。第十一条に明白に勧告権というものが規定されておりますが、科学技術庁が設置せられまして以来五年に満たない期間におきまして、この規定に基づきまして関係大臣に勧告をしたという事例は一件もございません。その本来の勧告権のよって来たりますもとは、関係行政機関の間で調整を要するような問題が起こりまして、話し合いその他によりまして事務連絡等によりまして勧告をしなければならないような事態が起こった場合に、この勧告権は発動するという考え方が正しい読み方だろうと思うのでございます。現在までのところそのような事例に遭遇いたしませんで、十分各関係省庁との間に協調を保ち得まして推移いたしております関係上、しいてこの勧告権を発動させなければならないというような事態に遭遇したこともございません。従って一度もないわけでございます。ただその話し合い等が非常にうまく進行しておるということの背後には、こうした勧告権が科学技術庁長官にあるということが間接に響いておるのかもしれません。いわばこの規定は俗な言葉で言いますとあるいは伝家の宝刀的なもので、しょっちゅう使うべき性質のものではなかろうと考えております。その意味におきましてもこの勧告権を発動するような事態が起こらないことの方が望ましいし、一度も発動したことがないということは、逆に申しまして望ましい事態ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#33
○池田(正)国務大臣 今官房長からきわめて事務的な説明がございましたが、その通りであります。しかし私はいやしくも国務大臣として政治的な立場から一言申し上げます。これは大学の研究にわれわれは口出しをすべきものではない。受田委員の言われた通りです。従って第三条にはそういうふうになっておる。しかし第十一条の精神から見まして大学の構成なり機構なり、そういうもののあり方というものに対して、たとえば今度の場合のように一つの大きな国家要請として研究員をあるいは学生をふやさなければならぬといった問題になりますと、研究内容とはおのずから違ってきた立場において要望することができると私は解釈いたしております。従ってそういう立場に立って、しからばお前勧告をするかと言われまして、それではするとは申し上げるわけにはいきませんが、今官房長からも言ったようにこれは伝家の宝刀でありますから、あまりやたらに振り回すものではないので、それに準じた何らかの手を打ちたい、かように考えております。
#34
○受田委員 政治的な配慮をされることを伺ったわけで、池田長官の今後における科学技術振興に対する熱意を何かの形で具体的に示していただきたい。これに準じた形のものにしていただきたい。もちろん第三条に掲げられてあることは、人文科学のみにかかわるもの及び大学における研究にかかわるものとしてあるのであって、機構とかその他の問題ではないわけです。研究の問題なんです。機構に関してはこれはワク外ではないかと思うのですが、いかがですか。官房長、もう一度お伺いします。
#35
○島村政府委員 もちろん大学における研究に関することという形になっておりますので、問題はこの解釈いかんということになります。従いまして大臣が今おっしゃっておられますような何らかの措置というものの内容自体が問題になって参ります。機構であれば何でもできる、研究ではないからやれるというふうな関係でなくて、やはりその機構の問題が研究と密接不可分あるいは研究自体を意味するような内容のものでありましたならば、やはり工合が悪いということになります。またその中身が研究自体の問題とは直接的に関係がないというようなことでございますれば、それは大学における研究ということに読むことはできない、そういうふうに思います。従いまして大学における研究ということの解釈にあたりましては、その実態がどのようなものであるかということとの関連において考えられなければならぬというふうに考えております。
#36
○受田委員 科学技術庁は消極的な立場で学術を振興しようとしたって、とても大国の飛躍的な発達の列に伍することはできないと思うのです。少なくとも科学技術に対する行政面においては最高責任者が長官なんです。従って文部行政の面においては、これは今の研究そのものを除いた面においては、この法律でも当然これが技術庁長官の力の及ぶ限界である。しかもあなた方のその国務大臣というものが特別の国務大臣をもって充てるというような役所になっているということになれば、行政管理庁だって勧告権を持っている。これは手きびしい。これはどんどんやっておるのです。あまり問題になるようなことがなくて、話し合いで解決するから一面からいえばめでたしめでたしだとおっしゃられるが、科学技術庁がある程度なめられているということも言えるわけですからね。これは長官もやさしいし、官房長も消極的だし、この方はなめていけるというので、あなた方がなめられておるということになったのでは、せっかくこの科学技術会議、しかも国会の承認を得て委員が任命される原子力委員会だって同様です。そういう重要な機関をあずかる責任は果たされないと思うのです。私はこの池田長官が就任された機会にあなたはものをざっくばらんに言われる、放言される。――放言というと失礼ですが、言われるのですが、だからあなたが閣議で十分科学技術全般の問題を行政各部に侵透させるような努力をされることで、ソ連であろうとアメリカであろうと、宇宙開発についてわれわれもまた彼らに劣るものではないというくらいの意気込みで、その方へ思い切った経費を割り当てることも私は不可能ではないと思うのです。この点については一つもっと勇気を持って事務当局も消極的な考え方ではなくして、原子力の平和利用などについては、必要によっては国際的にこれを提唱していくくらいの馬力が要るのです。内国の問題だけではなくして、外国の問題にもこれを反映させるような努力をあなた方がなさるべきだと思うのですが、いかがですか。そういう面について、つまり原子力の平和利用、科学技術の振興ということについては、国際間の交流等にどんどんと日本の意思をつぎ込んでいく、こういう点について御所見を伺いたい。そして現に原子力の平和利用あるいは科学技術の振興等について、国際的に日本がどういう役割をあなたが努力をされて果たしておるかということについても、あわせて御答弁をお願いします。
#37
○池田(正)国務大臣 まことに心強い御支援のお言葉だと私は拝聴したのですが、御承知のように残念ながら終戦後長い間の空白時代があったために、日本の科学技術が若干おくれておる。そこで今その基盤を作るのに、つまり基礎的なものを作っていくのに精一ぱいでやっておる。これができ上がると、あなたが今おっしゃったように世界的にこれは飛躍の時代、そういう時代を一日も早くわれわれは取り返さなければならぬ。さような方向に向かって大いに勇気をふるっていきたい、こう思っております。
#38
○受田委員 具体的に国際交流、国際協力の関係で、どのように日本政府は努力されているか、これはあなた方のお仕事の一面にもなっておるのじゃないかと思うのです。これは外務省との関係で話ができておると思うのですが……。
#39
○島村政府委員 国際交流と申しましても非常に範囲の広いことでございまして、一々例をこまかにあげますのも恐縮だと思うのでございますけれども、たとえば今御指摘のございました原子力の関係などについて申しますならば、わが国も率先いたしまして国際原子力機関ができますと同時に、これに加盟いたしました。現在では日本の立場と申しますものは、国際原子力機関の中でも相当に重い地位を占めるに至っておる、そのように考えるわけでございます。一般的な原子力の開発の程度に比較いたしましては、かなり重要な役割を演じておる。一例を申しますと、理事国にもなることができました。それから国際原子力機関の理事会以外の各種の会合等につきましても率先これに参加いたしまして、それぞれの各部門におきまして日本の発言等は相当重要視されてきておる、そのように考えます。また国際原子力機関ばかりでございませんで、国際連合に御承知の科学委員会と申すものがございますけれども、これにもずっと代表を派遣いたしておりまして、これはほとんど学問的な会合に近い会合でございますけれども、日本のこの科学委員会におきます発表等は非常に重要視せられておるわけでございます。一般的に申しまして、そのような機関に加盟いたすことのほかに、現在外務省の職員としてではございますけれども、主要国に、たとえばアメリカ、イギリス、フランス、ドイツといったような国々に対しましてはアタッシェを派遣いたしまして、情報の収集等に当たらせてもおります。これにつきましては三十六年度におきまして、さらにソビエトにも派遣するような措置を考えておるわけでございます。
 原子力以外の問題につきましても、たとえば先ほどお話のございました宇宙関係につきましても、タイロスの観測に協力いたしますとか、これは予算に関連して申し上げますと、こまかいことではございますけれども、三十六年度にはアジア地区におきます電子技術の会議を東京で開催いたしたい、そのようなことも考えております。エレクトロニクスの関係でございます。
 それからこれは昨三十五年から実施いたしておりますが、豪州との間には研究員の交換を行なうというような特別の仕事もやっております。研究員につきましては、これは原子力につきましても、一般の科学技術全般につきましても多数の研究員を海外に派遣いたしまして、それぞれ研究に当たらせておりますほか、アジア地区その他からも留学生を日本自身も受け入れるというようなこともいたしております。
 思いつきますままに国際協力の実例を申し上げたわけでございますが、そのような観点からいたしまして、私どもも従来とも科学技術の関係では日本の何と申しますか、孤立というようなことにならないように、広く世界各国と情報を交換し、あるいは世界の技術水準とともに進むという心がまえのもとに仕事をいたしております。今後ともさらにそのようなことはできるだけ考えられる知恵をしぼりまして、国際交流の実を上げるように努めて参りたいと考えておるわけでございます。
#40
○受田委員 ソ連の科学陣の偉大な成果である人工衛星の打ち上げなどについて日本が観測に協力している、今のお話の中にそういう意味のことも含まれていることになりますね、観測に協力している、いいですか。
#41
○島村政府委員 ソ連の打ち上げましたものにつきまして協力をしておると申し上げましたのではございませんで、私が申し上げましたのは、アメリカの打ち上げましたタイロスの観測に協力しておるということを申し上げました。
#42
○受田委員 アメリカの方に協力してソ連の方に協力しないのですか。
#43
○島村政府委員 アメリカに協力してソ連に協力していないという言い方は非常に不穏当でございますけれども、ソビエトの場合の打ち上げの仕方と申しますものは日本でよくわかりませんが、アメリカの方はそういうような連絡を受けますので、事務的にも打ち合わせをいたしました上で観測に協力しておる、こういうことでございます。
#44
○受田委員 こうして宇宙開発などに関して国際的に大きなセンセーションを起こしているような際には、相談があったから協力した、相談がないから放任してあるというような形では、やはり国際交流ということにならぬ、国際協力にもならぬと思う。少なくともこうした宇宙開発に関係してそれぞれの国が非常な努力をしている問題については、日本自身が積極的にその成功を祈り、その成功に協力するという態度をとるべきではないですか。むしろこちらから進んでこれを平和利用の方向へ持っていく。戦争への利用でなくして、平和利用だということからいくならば、一方的な協力関係というのは私ははなはだよろしくないと思っております。
#45
○島村政府委員 ソビエトの打ち上げましたものにつきましても、日本においてもいろいろ観測し、そのデータをとりたい希望はおそらく関係の科学者、技術者の間にはあると私は思うのでございます。もちろんこれに協力したい気持もあると思うのでございますが、何分にもそういうような打ち上げが何と申しますか、何ら知らされないような形において現在行なわれております関係上、どうも残念ながら協力できない、こういうような状況にあるものと承知いたしております。
#46
○受田委員 そこに国際協力とか国際交流とかいう問題があるわけなんで、すでに発信された後においてもこれに対する協力の方法がある。こういう科学技術に関しての外交努力というものをこちらから働きかけてはいかがですか。向こうが言うてくるのを待っておって協力するということでなくして、いかがですか。
#47
○池田(正)国務大臣 仰せの通りで、当然そうあるべきだと思います。それから先ほどからの受田委員のお話を聞いておりますと、要するにアメリカとは協力するけれども、ソ連やその他共産圏と協力してないではないかといったような意味が含まれているように感じられるので、この際御参考までに申し上げますが、東海村の原研にはアイソトープの研修所がございます。そこには主として東南アジアの若い学徒が来ておるのですが、それにはチエッコからも一人参加いたしております。これはわが国が喜んでこれを迎えて、現在原研で研究を重ねております。
#48
○受田委員 アイソトープの産業利用というような問題、これは今具体的な問題でお答えになったので伺いますが、それは今御指摘の通り、その問題に関して一つ別の角度からこちらから働きかけて、国際的な科学の勝利というものに協力、貢献する、そういう形が日本の科学技術行政の外交を含んだ重大な使命だと私は思うのです。だからその観点を十分あなたが胸に入れられて、ソ連側のそうした科学の勝利に対しても祝福してやる。アメリカの場合も同様、そういうことについてはみな国際的な人知の進歩の意味から祝福してあげて、そして必要なる協力を惜しまないという、そういう外交上の努力をされる、こういうことは日本の平和外交、科学技術の振興ということにも大へんな貢献をするものだと私は思いますが、どうでしょうか。
#49
○池田(正)国務大臣 全くお説の通りであります。
#50
○受田委員 お説の通りというのは、努力すべきであるということに対してのお説の通りでありますから、努力するということでしょうね。
 そこできょう審査されておるこの法案に関係するのでございますが、科学技術会議とあわせて原子力委員会設置法の一部改正法案の中に、原子炉安全専門審査会というものができるわけであります。これはもちろん昨年の科学技術振興に関する特別委員会の附帯決議に基づいてお取り上げになったものと解するが、さようでございますか。
#51
○池田(正)国務大臣 その通りであります。
#52
○受田委員 そうしますと、ここで原子炉の安全性ということについて、現実に安全を欠く問題にぶつかっておられるのではないですか。
#53
○杠政府委員 御質問の要旨がはっきりいたしませんが、具体的に何かそのような事例がございますか。
#54
○受田委員 「原子炉に係る安全性」ということをことさらに取り上げなければならなかった根拠をお示し願います。
#55
○池田(正)国務大臣 これは御承知のように原子炉そのものに関して、特にそれの扱い方あるいは処理、いろいろな面からまだまだわかってない面がたくさんあるのです。ですからこれを扱う上においてはまずもって安全性ということを最大の目標として私どもはやっていきたい、かように考えております。
#56
○受田委員 安全性を考慮することはすべてのものに必要なことであります。これは具体的に今そういうものにぶつからないけれども、念のためにそういうものを設けて審査してもらうのだという、念のための委員会だ、こう了解していいのですね。
#57
○池田(正)国務大臣 決して念のためではございません。これは現実に必要でございます。まだまだそれでも足りない。今までは審査の部会で審査をして参りました。ところが現実にその審査が不完全であったという事例さえ今現に起こっております。そういうものが次々に来ますから、これは慎重に慎重を期して、あらゆる科学者の頭脳を動員しまして、慎重にやりたい、かように考えております。
#58
○受田委員 その慎重にやる専門の調査官というものはそれぞれ用意されていると思う。それを特にこの審査会を設けて三十人以内の審査委員を設けてやらなければならないということは、これは機構の上において非常に複雑な機関がここにできるわけですが、なるべくそういうものがなくて済むような方法で専門の審査をし、専門の調査をする人物を適当に配置して、その人物によるところの審査で調査目的を果たすという方法もあるのですね。
#59
○池田(正)国務大臣 三十人でがやがややったらかえっていかぬじゃないかというようなニュアンスのように私は受け取ったのですが、もちろんその中にはそれぞれ専門々々がございまして、同じ原子炉といいましても、原子炉一つの中にはいろいろな部門がございまして、それでもなおかつわからない。それではりっぱな学者を頼んでお願いしてその人の意見を聞いても、その人の言うことが当てになるかどうかというと、必ずしも当てにならない段階が生ずるのです。これは現実です。そこに原子力をこれからわれわれが取り扱っていく上において慎重を期さなければならぬということを申し上げたわけであります。
#60
○受田委員 これは附帯決議で昨年国会で通っている問題ですから、それを置くことについてわれわれは異議を差しはさむものではないのだけれども、それを置かざるを得ないような立場に――科学技術庁としても原子力委員会としても、今までそうした責任者を通じての調査、審査というものが、不行き届きであったという責任があなたの方にあるわけです。そういうことは言えますね。
#61
○島村政府委員 私どもはそのようには考えておりません。原子力委員会の原子炉の安全性に対する役割と申しますものは、内閣総理大臣の諮問がありました場合、その諮問は、もちろん原子炉を設置しようといたします者が内閣総理大臣あてに設置の許可の申請をいたすわけでございますが、その場合に内閣総理大臣が原子力委員会に諮問をするという建前になっておるわけでございます。これは原子力委員会設置法でなくて、原子炉等の規制法と申しますか、法律できめられておることでございますが、そういうような諮問がございました場合、それに対して、原子炉規制法にきめられましたような、許可して差しつかえないものであるかどうかということの意見を原子力委員会が述べますので、従来ともその判断の責任というものは原子力委員会にあるというふうに考えておるわけでございます。その点につきましては、御指摘のありました附帯決議におきましても、原子力委員会の充実強化をはかるということも一緒に言っておられまして、これはいわば原子力委員会がそういう責任を持ってやることの原則を変えるという趣旨ではないけれども、現実に原子力委員会の下にあって実際に審査を担当するところの専門委員、この地位が法制上明らかでないので、その辺の責任ももっと明らかにするようなことが必要であろう、こういうのが附帯決議の御趣旨であると私どもは解しておるわけでございます。従来とも原子力委員会におきましては、全責任を持って、しかも原子力委員だけの知識でなくて専門家の知識を集めるという意味から、少なくとも得られます最高の専門家を集めて専門部会という形で審査しておりましたものを、明らかに法制上も責任を持った機関という形で安全専門審査会ということにいたしまして、法律の中に織り込んでおきたいというのが今度の趣旨でございます。従いまして従来のやり方が間違っておったとかあるいは責任がはっきりしないとか、御質問のようなことはないと私どもは考えております。
#62
○受田委員 原子力委員会には専門委員が百五十名以内置かれるわけです。百五十名というと相当の人数です。その相当の人数の中から三十人が選ばれるというようなことになるのか、あるいはこれとは別ワクに審査会の委員を任命するということになるのか。大体原子力委員会そのものの強化拡充ということを抜きにして、こういう機関が別の方から出てくるということになると、責任の所在ということも考えられるわけなんです。百五十人の専門委員というものが、実際にどのような仕事をしているのか。今度審査委員になる三十名以内で組織するというこの委員会の構成は、専門委員が兼ねることができるのかどうか、これを御答弁願います。
#63
○杠政府委員 この審査委員三十人以内と申しますのは、法制上の建前といたしましては別立てでございます。百五十人以外でございます。しかしながら実際問題の任命といたしましては、やはり百五十名の委員の中から兼ねて任命されることもあり得ると思います。と申しますのは、専門別分野で非常にこまかく分かれておりますが、これから御披露申し上げますけれども、たとえばこの専門部会と申しますのは、放射能調査専門部会であるとか、あるいは原子炉の安全審査専門部会、これは今まであったのですが、今度これが審査会に変わるわけであります。それから原子炉の安全基準の専門部会、核燃料の専門部会、核燃料の経済専門部会、金属材料専門部会、放射線化学専門部会、材料試験の専門部会、原子炉の災害補償専門部会、あるいは再処理の専門部会というふうに、従来とも十専門部会がございました。ですから、平均いたしまして十五人ということに相なりますが、その間には専門別の分野におきましてはっきりと分かれない方もございますから、多少重複して任命されているということもございます。従いまして今回の場合、法制上の建前は別ワクではございますが、その間重複して任命される方があり得るとは思います。しかしながらそれでもって差しつかえないかどうかということになりますと、今回の審査委員の方は任期制をとっておりまして、任期二年でございますし、従来の専門委員の方は任期制ということはございませんで、その専門部会が諮問された事項を答申してその任務を終了いたしましたら、解職されるということになっております。
#64
○受田委員 だから、その第三条の四項の規定によって解任される。つまりここにあげてある原子炉安全専門審査会に属する委員も、この審査の任務を終われば解任されるというような考え方もあるわけですね。
#65
○杠政府委員 こちらの方の専門審査会の審査委員になられる方は、解任されるということはありません。任期二年でございますから、離職される、辞任されるという場合はあり得るかもしれませんけれども、今の任務終了に伴う当然解任ということは考えておりません。従いまして従来ありました専門部会を廃止いたしまして審査会に切りかえましたゆえんのものも、またその恒常的機関にある。従って先ほどから責任の所在ということもありましたが、責任をしっかりと持ってもらうという建前になっておるわけでございます。
#66
○受田委員 原子力委員会そのものの責任ということがはっきりしなければならない。それがこの審査会のようなものができて、そこで審査の公正を期するということで、その方へ責任を転嫁するような形になってくると、根っこの原子力委員会の責任感がとかく安易な気持でゆがめられるおそれもある。原子力委員会の専門委員の構成が、もっとしっかりした責任体制を確立しておれば、実際はこういう機関を設けなくてもいいのだ。しかしながらこういう機関を設けて念には念を入れる必要があるからこれをやったのだという見方にも、とれないことはないわけです。どうですか。専門委員百五十名、今十に分けたと御説明があったのですが、そういうところでこの原子炉の安全性を審査する機関も今まであったわけでしょう、実際はあったものをまたここで、屋上屋を重ねてやるという場合に、附帯決議があったにせよ、責任の所在をきわめて明確にしておかないと、この方に責任を転嫁して、原子力委員会そのものの権限、責任というものがおろそかにされる心配がある。
#67
○杠政府委員 その点はこの際御提案いたしております法案の中におきまして、第十四条の二の二項でございますが、「審査会は、委員長の指示があった場合において、原子炉に係る安全性に関する事項を調査審議する。」というふうにはっきりと委員会の下部機構であるということを規定しておりまして、これによって委員会の責任が審査会へ移るということはございません。審査会を並立させたということではございません。
#68
○受田委員 新しいこの機関は二年の任期になっているのですから、そうすると二年間に公正な審査をするということで、それから後の問題は、今度は責任が委員会に移ってくるわけでしょう。例の百五十人の専門委員がそれぞれ担当することになる。そこでそのわずか二年の間で安全性の確保関係の結論が出ますかどうか。そしてその後における審査の公正というものは一体どういう機関がやることになるのか、御答弁願います。
#69
○杠政府委員 この審査会の任務は炉の構造等につきまして設置の際に審査いたしますが、従来の例によりますと、ほぼ二カ年間かかりましたら、一つの炉については審査は完了するものだと考えております。しかしながら二カ年でもってそのとき任命された委員の方は終りになるのではないかということでございますけれども、責任はあくまでも恒常的に存置しております委員会がとるわけでございますから、御心配のような向きはなかろうかと思いますし、先ほど読み上げました通りに原子炉安全審査の専門部会は廃止いたしまして、そしてこの審査会に移すわけでございますから、他の専門部会がその後この原子炉設置にあたっての原子炉安全審査をやるということはございません。しからばそのあとの監督はどうするかということに相なろうかと思いますが、その監督には原子力局が当たるということになっております。
#70
○受田委員 もしそうした機関に大きな期待を持とうとするならば、二年と区切らないで、もう少し長期にわたって調査、審査をさせたらいかがですか。
#71
○杠政府委員 やはりこの種の委員会におきましては、任期制をとっておるのが通例であるということも一つございますし、また人員の構成につきましても重点の置き方が時代によって、時間の経緯とともにそれぞれに違ってくることも考えられ得るわけでございます。たとえば計測関係の専門化ということが非常に大切であるということもございましょうけれども、ところがそれがだんだん、計測関係はもう非常に完備されてきたので、実は気象条件とかあるいは地盤の関係に力を入れなければならぬというようなこともあり得ると思います。あるいは保健物理、あるいはどんどん廃棄物が出てきますから、廃棄物の処理関係に重点を置かなければならぬということもあり得るわけで、重点の変更等もあり得ますから、やはり二年間が適当ではなかろうかというふうに考えております。
#72
○受田委員 長官、あなたは、中曽根長官の時代に取り上げられた宇宙開発審議会というものが今非常に活躍しておるのですけれども、この宇宙開発審議会そのものはどのような仕事をしているか。今どのような審査をしているか。過程であるから報告することはできないというのか。ある程度の宇宙開発審議会の審査の内容について報告をすべき段階になっておるのか、お伺いします。
#73
○池田(正)国務大臣 今の段階はまだその基本方策を研究してもらっているという段階であります。
#74
○受田委員 大臣は今文教委員会に呼ばれているそうですが、最後に一言あなただけに一つ決意を表明していただきたいことがあるのです。それはあなたの持っておられるお仕事は原子力関係、科学技術関係、それからもう一つそれに伴う対外的な宣伝、そういうような任務もあるわけです。たとえば日本科学技術情報センターというものが法制化されて、こういう機関をどのように利用されておるか、機関の監督はどのようにされておるか、この機関はどのような成果を上げておるか、こういうことについても、あなたの御所管でありますので一つ御答弁を願って、あちらにおいでいただきたいのです。
#75
○池田(正)国務大臣 御承知のように私のようなしろうとがなったものですから、目下勉強中で、はっきりしたことを申し上げることのできないことをはなはだ遺憾と思います。ただその熱意を傾けてこれから努力していこう、かように申し上げたいと思います。
#76
○受田委員 熱意だけでは仕事はできないのですよ。熱意がいかにあったって、あとに続くものがなくては仕事はできないわけなのですから、この点については、今私がお尋ねした日本科学技術情報センター、法制化されたこの機関の働き工合、監督、そうしてこれらについては営利を目的としてはならぬという手きびしい規定もあるわけですが、それらについてあなたはこの機関を今どのように取り扱っておられるか、御答弁をお願いしたいのです。
#77
○池田(正)国務大臣 これはどうも私から説明するよりも、政府委員の方が適当だと思いますから、どうぞ一つごかんべん願いたいと思います。
#78
○受田委員 政府委員は事務的な説明しかできないのです。政治的な説明、見解の表明、政策というようなものについて、あなたがお持ちになられるのです。あなたにそういうものがなかったとしたら、長官をお勤めになるわけにいかないので、一応大臣から御見解を承りたい。
#79
○池田(正)国務大臣 これは科学技術情報センターというものの内容の若干は私見ておりますし、わかっております。これはますます拡充していかなければいかぬ。そういう意味で今年度の予算もふやし、しかし各国のそういう機関と比較して、必ずしも日本の情報センターがまだまだ充実しているとはいえない。さような意味においてこれから大いにこれを拡大し、強化していくという方向に行きたいと思います。
#80
○受田委員 文部省の技術教育課長さん、きのうあなたは中教審の会議に出られましたか。
#81
○犬丸説明員 出ました。
#82
○受田委員 中教審におきまして、専門学校を新たに学校教育法の中に規定しようという結論が出されたようですが、五年制専門学校の目的とするところはどういうものであるか、お示しを願いたい。
#83
○犬丸説明員 昨日の中教審におきましては、新しく五年制の専門教育機関というものを作る要綱を御了承願ったわけでございます。その細部の内容につきましては目下検討中でございますが、その目的とするところは、昨日の了承を得ました要綱にもございます通り、主として専門職業の分野における職業的能力を育成する、この点に主眼が置かれております。
#84
○受田委員 専門職業の内訳は、どういうふうなものを基本的にお持ちになっておられるか、承りたい。
#85
○犬丸説明員 そもそもこういう専門職業教育機関が要求されている原因には、現在の情勢における主として工業面というものの要望が非常に強いわけでございます。しかし制度といたしましては、必ずしもそういう面に限定はしないで、実際の場合には目的が緊急のものからやっていくというような大きな方針でございます。具体的にどこまで検討するかということにつきましては、なお検討中でございます。
#86
○受田委員 私は先ほどから科学技術庁長官と一問一答を試みた中で、文部省の考えの中に非常にセクト的なものがあると思うのです。それは国立の学校に工業職業専門教育をやる機関を新たに設ける、しかしながら私学は一向重視されていない、こういうことになってくると、大学の場合四割しか国立はないわけです。六割は私立学校ということになると、科学技術の振興に関しても私学に対する科学技術関係の経費をうんと増額する措置をとらないと、日本の全般的な学問の立場からする科学技術の振興というものは期待し得ないと思うのです。諸外国の実情を見ましても、私学振興というものに非常に重点を置いて、科学技術の振興策の一翼を担当さしておるわけです。日本の文部省はそういう点について何か官学尊重といいますか、大学の自治尊重という何か牙城に立てこもった形で、文部省独特の教育行政をやっておるのじゃないかという印象を与えるのです。これは課長として御答弁願うのは大へんむずかしい点があると思いますが、あなたの御担当されている技術関係の教育についての御所見を、大臣にかわって答弁できる部分についてだけ、あなたの独特の御見解でなしに、文部省の態度としての御見解を承りたい。
#87
○犬丸説明員 まことにむずかしい御質問でございますが、私の課で担当しておりますいわゆる理工系増募計画という観点からのみお答えさしていただきます。御承知の通り一万六千人の理工系増募計画におきまして国公私立の割り振りを見ますと、これは一応の私どもの計画でございますが、国立が一万人、あとの千人が公立、五千人が私立という割り振りをしているわけでございまして、確かに私立の方面の割り振りが少なくなっております。これはただいまの御質問にありましたように、あえて私学を信用しないというそういう考え方に立つものではございませんで、実は今回の一万六千人増募計画をやります前に八千人の増募計画というものをやって参りまして、三十五年度で完成いたしました。これは今回の所得倍増計画の前の新長期経済計画に基づいての増募計画でございますが、初めの予定では八千人のうちの四千人を国立でやる、あとの半分を公、私立でやるという予定で出発したのでございます。しかしながら実際に実施してみますと、公、私立関係が予想より伸びないという結果に終わりました。そのためにその実績に照らしまして、同じぐらいのウエートで進んだのではちょっと無理であろうという見通しで、今回は先ほど申し上げましたような割当を一応やったわけでございます。ただ実際においてこれが私立の方にたくさんできてくるということになりますれば、将来またこの割り振りを変えることも考えられるかと思います。
#88
○受田委員 科学技術振興に関する科学技術会議が諮問第一号に対して答申した内容に、今後十年の間における科学技術者及び技能者の需給推定資料を出しているわけです。これは文部省の資料として出ておりますが、理工系技術者の不足数が約十七万人、工業高校の技能者の不足数が約四十四万人の見込みになっておりますが、これを今のようなやり方で十年間に解決できますか。
#89
○犬丸説明員 私どもの立てました一万六千人の増募計画のもとになりました数字は、ただいま御指摘の所得倍増計画その他にも載っております十七万人と同じ基礎の数字を使っております。ただ十七万人の数字は、今後十年間の累計の不足数でございます。それで最終年度の昭和四十五年度をとってみますと、その一年間の不足数が約一万六千人であるというところで合わせまして、一万六千人の増募計画をやったわけでございます。ただそれをかりに毎年同じペースで今の一万六千人まで持っていくとすると、累計の数は十七万人より不足いたします。しかしながら四十五年度以降は毎年一万六千人ずつ現在よりも多い学生数になるわけでございまして、累計の十七万人に合うだけのものを十年間にやろう、そういう計画を立てるとすると、それから先の剰余に浴されますので、最終年度に合わせまして増募計画を立てたわけでございます。
#90
○受田委員 あなたに責任あることをお聞きするのはむずかしいことでありますが、もう一つ、最近鉄鋼連盟と八幡を中心にした製鉄関係の会社が、工業高校の教育内容に準じたような立場で工員養成を企画して、近くこれが発足するようです。結局ここを出る者は、学校教育法による高等学校の卒業者とみなすことはできない、しかしながらこれに準じた技術教育を大いにやろう、こういう計画を立てておる。文部省の指導監督で教育される工業高校の卒業生が十年後には四十万以上も不足するということを考えて、鉄鋼関係の連盟はちゃんと別の角度からそうした技術者養成をやっておる。これは文部省としてはなはだ残念なことだと私は思うのでございますが、学校教育によってはやり得ない補充を、それぞれの経営者が別の角度からやっておるという現状は望ましいことかどうか、お答え願いたい。
#91
○犬丸説明員 鉄鋼連盟その他各業界におきましても、現在技術者不足に対応するためにいろいろ学校を作っておられるということは、私もよく承知しております。これは建前としては、やはりわが国が必要とする産業技術者は、すべてわれわれの規格による学校で養成するというのが本筋かとも思われます。しかしながら実際の場合には、ただいま一万六千人の数字についても申し上げましたように、大学の規模を拡張するということにつきましては、これはやはり漸を追って進まなければなりませんので、さしあたっては今年あるいは来年施設が完成するまではなお不足が出てくる。年々の不足は直ちには解消されないという状況もございます。さらに大学あるいはその他学校を出ました技術者に対して、現場に即した職業教育というようなものをやる必要があるとも思われますが、学校において必ずしもすぐに工場に入って役に立つ教育を初めからやっていくということも、あるいはできない面もございます。そういう面から、業界においてそういう学校を作っていかれるということについては、私ども別に異議を差しはさむ筋合いではないと考えております。
#92
○受田委員 これはあなたの御答弁の範囲内ではない、政策の方に関係しますが、あなたのお立場でも、学校教育法による工業高校の卒業者をもっとふやしていく、私立で工業高校を持っているところにも国が何らかの形でこれを援助して育てていく、こういうような形で、学校教育による一般的な教養科目を十分加味した教育をして、そうして工場に働かすというような形なら、私は筋として通るだろうと思うのですが、いかがですか。
#93
○犬丸説明員 やはり技術者というものがいろいろ幅広くやるということ、また将来伸びていくためには、基礎教育なしにただ技術教育ということだけでは、おっしゃる通りへんぱなものになると思います。できる限り学校教育――高等学校におきましても大学におきましても拡充していって、さらにその上に職場訓練なら職場訓練をしていくということが望ましい姿だと思います。
#94
○受田委員 これは文部大臣、局長の双方に、文教政策として非常に重大な問題として御質問しますから、あなたは忠実な事務課長としてまじめな御答弁をいただいたので、あなたに対する質問は終わります。どうも御苦労様でした。
 最後に、同僚諸君の御了解を得てもう一つお尋ねしておきたいのは、総理府設置法の中に新たに海洋科学技術審議会というものが設けられるような御要請がされているわけです。海洋科学は科学技術庁の資源局の御担当かと思いますが、こういう海洋にまた目を向けられたということは非常にけっこうだと思いますが、海洋科学技術のねらいというものは一体どこにあるのか、御答弁を願います。
#95
○黒澤政府委員 海洋に関します科学技術と申しますと、海全般のこと並びに海洋の気象に関すること及びその中に含まれております海洋資源に関すること、それからそれの利用に関すること、すべてにわたります科学技術を意味しております。学問の分野から申しますと、海洋物理、海洋科学、海洋生物、海洋地学、それから海洋に関する工学、あるいは採鉱学というような、相当広い科学技術の分野にわたるわけでございます。この海洋科学技術と申しますと、従来は、日本は四面海でございますので、漁業つまり魚をとるとか、あるいは海草を利用するということにつきましては、世界で最もたくさんの漁獲を上げておりますし、とる技術というようなことにつきましては非常に進歩しているところが多いのでございますが、基礎的な調査ということになりますと、それは費用の関係もございますし、あるいは人の関係もございまして、ほかの国に比べますとまだ十分でないわけでございます。特に最近世界各国におきまして、いわゆる大陸だなというところに存在するいろいろな資源の問題、あるいはそこの状況というようなことについて、非常に広い関心が持たれるようになりまして、これは従来海の中というのはいわゆる領海の範囲、距離は国々によっていろいろ異なっておりますが、せいぜい三海里でございますから五キロちょっと、六キロ弱でございますが、広いところでもその三倍か四倍くらいの距離しか対象にしておりませんでしたが、深さ二百メートルくらいの大陸だなというのが、最近の技術の進歩によりまして開発の対象として考えることもできるのではないかというくらいになりましたので、世界的に非常に注目を呼ぶようになったのでございます。そこでそういう分野も考えまして、ただ魚類だけでなくて、海洋気象あるいは大陸だなの問題、そこに存在しますいろいろな各種の資源の問題等の分野までやって参りたいと存じます。ただ政策につきましては、これは海洋科学技術でございますので、範囲外でございまして、科学技術にとどめたいというくらいに考えているわけでございます。
#96
○受田委員 宇宙科学、海洋科学技術、いろいろと手が広がってきておる、まだ何か科学技術で残されたものがあるのですか。
#97
○島村政府委員 宇宙科学技術を作る、今度また海洋を出したから、この次何を考えておるかというお尋ねでございますが、現在のところ、これに続きましてまた追っかけて審議会を作っていただきたいというお願いをいたしますことは考えておりません。
#98
○受田委員 そうしたらこれが最後の持ちごまであったわけですね。これが総理府に今度付属機関としてできる、付属機関がずいぶんできたわけです。今の局長の御説明で、目的も一般政策的なものでなくして、純粋な海洋の科学技術ということに限定されておるようですから、これで質問を終わります。
 もう一つ、これは別の方からの問題として、町名地番制度審議会が総理府に設けられることになっている、このことについて一言お尋ねして、私の質問を終わります。一体今まではこの町名地番に対して、実際に日本の制度というものはどういう姿で不合理であったのか、どこをどういうふうに改めていくことが国民の輿望にこたえることになるのかというねらいを御答弁願いたい。
#99
○岸説明員 町名地番が非常に混乱いたしておりまして、国民の皆様方に御迷惑をおかけいたしておりますことは事実でございます。どうしてこういう混乱が生じてきたかというお尋ねでございますけれども、現在民法とか戸籍法とか住民登録法等に、住所あるいは事務所の所在地というようなものを表示するような規定がございますけれども、そういう住所なり住居あるいは事務所の所在地をどういう方法によって表示するか、たとえば霞ヶ関一丁目一番地、こういう方法によって表示しなければならない、こういう法律上の規定は実はないわけでございます。そこで明治以来のいわば慣例に基づきまして、町名と地番によって表示をするこういうことになっているのが一点で、ございます。次に、地番がいろいろ混乱しているわけでございますが、この地番は御承知のように地租を取ります目的からいたしまして、主として税金を取ります目的から、明治の始め以来順次つけられてきておりました制度でございまして、従いまして国有地からは税金を取りませんので、国有地には地番がない、こういうことになっているわけでございます。従って人をたずねて参りますような場合に便利なようにできておりませんで、土地を把握して、それに番号をつけて徴税の目的に資する、こういうようなことでできておりますために、非常に枝番号ができましたり、無番地に何千世帯というようなうちがございましたり、いろいろの混乱を生じて参っておるわけでございます、これが第二点でございます。これを何とか整理したいということで、若干の市町村におきまして、ここ数年来やって参ったわけでございますけれども、市町村の自主的な努力ではなかなか問題が根本的に解決いたしませんので、これを国の政策として取り上げまして、いろいろの隘路を解消し、できるだけ短期間に全国的に整理を行ないたい、これが今度審議会を設けることとした理由でございます。
#100
○受田委員 町名地番等の改革の皮切りをやった地域は二、三カ所ありましたね。それは成功しておりますかどうか、そのことをあわせて御答弁いただきたいと思います。
#101
○岸説明員 私の記憶しておりますところでは、東京都の足立区でございますとか、北区、板橋区、山形市あたりが、比較的早くこの地番整備に乗り出したわけでありますが、ただいまあげましたところは、いずれも非常に成功をいたしまして、地元の住民の方からも非常に喜ばれておりますし、郵便の配達その他におきましても、非常に能率が上がる、こういうような成績が出て参っておるわけであります。
#102
○受田委員 私、諸外国を訪問したときにも、地番、町名というようなものがきわめてはっきりしているところは、郵政省の所管の郵便配達の皆さんも大へん労力の節約ができて、助かっておるという現実にもぶつかっておるわけでございます。だからこの趣旨は非常にけっこうなことだと思います。ただこの審議会を設けられる場合に、どうしたらいいかという新しい構想をいろいろと討議される委員の方に、非常に高邁な立場からの権威を集めていかないと、思いつきで結論が出てきても、そういう機関の答申は尊重しなければいかぬから、いいかげんな片寄った答申が出ないように、委員の選考というものは、一体どういう面の人を審議会委員として、選ぼうとされておるのか、どういう角度から委員を選ぼうとされておるのか、このこともあわせて伺いたい。これは大体藤枝長官の御所管のようでございますが、それぞれの役所で考えられたものはあなたの方へ御連絡がありますか。あったら総務長官たるあなたから御答弁願うのが至当であると思います。委員にはどういう立場の人を選ぶか。たとえば登記の土地台帳の問題もあるからそういう方の人を抜かしてはいかぬ、一般の常識を持った人も来る、そういう構想がなければいかぬと思うのです。
#103
○藤枝政府委員 この問題は自治庁ばかりでなくて、御指摘のように法務省にも関係がございます。そうした関係の各省から推薦をいただきまして、私の方で選考をするわけでございますが、まだこの法案も通りませんし、これに関連する何らかの政令も作らなければなりませんので、各省ではだんだんそういうことをお考えでありましょうけれども、まだ総理府に上がってくる段階にはなっていないわけであります。ただ御指摘のように、非常に権利義務にも関係いたしますし、またその他国民の生活に非常に深い関係を持つものでございますから、十分そうした面を広く見られる人、しかも専門的な知識を持っておられる人を選んで参りたいと考えております。
#104
○受田委員 この新しくできる見通しの二つの審議会の委員の審査手当というものは、日当幾らということにするか。こういう機関の審査手当はまちまちになっておると思うです。先ほどの科学技術会議の新しい非常勤の委員の日当、それから今度できる二つの委員会の委員の日当はどれだけを予定されているか、それぞれの立場かち御答弁願います。
#105
○岸説明員 町名地番制度審議会の方は、委員一人当たり一日千二百円という予算でございます。
#106
○黒澤政府委員 海洋科学技術審議会の委員は、一回千二百円の予算になっております。
#107
○島村政府委員 科学技術会議そのものの委員は一日三千円でございます。
#108
○杠政府委員 原子力委員会の非常勤委員は一日三千円でございますが、今回専門審査委員の方をお願いしょうという方は九百円ということでございます。
#109
○受田委員 どうも統制がとれておりませんね。みな思いつきで日当を出しておる。しかもそれぞれ総理府の付属機関の委員です。これは一体何を基準にそういうまちまちの金額がきめられたのでしょうか。
#110
○藤枝政府委員 非常勤の委員並びにこうした方は、御承知のように特別職の職員の給与に関する法律の中で最高限がきまっております。それからこうした審議会、調査会の委員等は、予算単価でありますが、大体千円から二千円の間くらいのところでその性質に応じて手当を差し上げておるわけでございます。しかもその中で、開催回数の多い審査会、審議会、調査会と非常に少ないのとがありまして、大へんまちまちでいろいろ不便もあります。従って今後十分注意いたしまして、似たような性質、そうして開催回数も似たようなところは、大体肩を並べるようにいたしたいと今努力いたしております。
#111
○受田委員 つまみ金で適当に配分しているような傾向でありますが、これは非常に大事なことです。同じ総理府の付属機関ですから、あなたの方のそれを取りまとめて一括して基準をもうけてやるというようにしていただきたいと思います。
#112
○久野委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト