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1960/03/31 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第17号
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1960/03/31 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第038回国会 地方行政委員会 第17号
昭和三十六年三月三十一日(金曜日)
   午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 濱田 幸雄君
   理事 田中 榮一君 理事 中島 茂喜君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 吉田 重延君
   理事 川村 継義君 理事 阪上安太郎君
      伊藤  幟君    宇野 宗佑君
      小澤 太郎君    大沢 雄一君
      亀岡 高夫君    仮谷 忠男君
      久保田円次君    富田 健治君
      前田 義雄君    佐野 憲治君
      二宮 武夫君    野口 忠夫君
      門司  亮君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        自治政務次官  渡海元三郎君
        自治事務官
        (財政局長)  奧野 誠亮君
        自治事務官
        (税務局長)  後藤田正晴君
        消防庁長官   鈴木 琢二君
        自治事務官
        (消防庁総務課
        長)      山本  弘君
 委員外の出席者
        自治事務官
        (財政局財政課
        長)      松島 五郎君
        専  門  員 圓地与四松君
    ―――――――――――――
三月三十日
 委員仮谷忠男君辞任につき、その補欠として松
 浦東介君が議長の指名で委員に選任された。
同 日
 委員松浦東介君辞任につき、その補欠として仮
 谷忠男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月三十日
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一六三号)
同月二十九日
 質屋営業法の一部改正に関する請願(保利茂君
 紹介)(第一八七〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 消防組織法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第六五号)(参議院送付)
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一六三号)
     ――――◇―――――
#2
○濱田委員長 これより会議を開きます。
 昨日本委員会に付託されました内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
  地方税法の一部を改正する法律案
  〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○濱田委員長 まず政府より提案理由の説明を求めます。安井自治大臣。
#4
○安井国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
 地方税制につきましては、最近の数次の改正により引き続き住民の税負担の軽減合理化を行なって参ったのでありますが、最近の諸情勢にかんがみ、地方財政の実情をも勘案しつつ、次に述べるような方針に基づいてさらに税負担の軽減合理化を行なうこととしたのであります。すなわち、国税、地方税を通じて国民の租税負担の軽減を行なうことを念頭に置きながら、地方税におきましては、地方財政の動向を勘案の上、その実情に適した改正を行なうものとし、減税規模を平年度二百二十六億円、初年度九十八億円としたのであります。なお、このほか道路財源充実のため、軽油引取税の税率引き上げを行なうことといたしております。その内訳は、平年度において減収額三百一億円、増収額百十九億円、差引百八十二億円であり、初年度は減収額百五十億円、増収額九十一億円、差引五十九億円であります。
 改正の方針の第一は、地方税制の自主制をさらに強化するために、国税の改正に基づく自動的な影響をでき得る限り遮断し、地方税として自主的な運営が行なわれるようにすることであります。そのために、住民税において、課税方式の簡素合理化をはかるとともに、課税標準等について所要の改正を加えることとし、事業税についても所要の調整を行なうことといたしております。
 方針の第二は、零細負担の排除を重点として地方税の減税を行なうことでありまして、電気ガス税において免税点制度の創設、遊興飲食税において大衆の飲食及び宿泊について免税点の引き上げ等を行なうことといたしております。
 方針の第三は、新道路整備計画の実施のための財源の充実をはかることでありまして、軽油引取税の税率を引き上げることにいたしております。
 方針の第四は、税負担の均衡化の推進等税制の合理化をはかることでありまして、住民税、事業税、娯楽施設利用税、遊興飲食税、自動車税、固定資産税、軽自動車税等につきまして非課税規定等の整理合理化、税率の不均衡是正等を行なうことにいたしております。
 以下その内容の概略を御説明申し上げます。
 第一は住民税に関する事項であります。
 その第一は、市町村民税所得割についてであります。現行の市町村民税所得割の課税方式は、所得税の課税を基礎といたしているため所得税の改正が自動的に影響を及ぼしてきて、所得税改正のつど、納税義務者数及び税収に変動を来たし、地方財政の運営並びに分任を基調とする住民税のあり方から見てとかく批判のあったところであります。また、現在の五つの課税方式では複雑にすぎるということにも問題があったのであります。昨年末、地方制度調査会及び税制調査会におきまして、住民税の課税方式について、検討を遂げられ、これについての答申があったのでありまして、政府におきましては、この答申に基づき地方税制の自主性を強化する見地から、国税改正による自動的影響ができるだけ所得割に及ばないようにするとともに、課税方式の簡素合理化をはかることを目的として、現行の課税方式に根本的な改正を加えることとしたのであります。このような見地から、現行の五つの課税方式を整理して第二課税方式の本文とただし書きの二方式とし、これに次のように所要の改正を加えることにしたのであります。
(一) 課税の基礎となる所得の範囲及び計算方法は納税者の負担及び税務行政の簡素見地から、原則として所得税法の定めるところによることといたしております。ただ、専従者控除制度につきましては、市町村財政の見地からも、また負担分任の見地からも、住民税においては独自の立場で考えることが適当であると思われますので、現行のままとすることにしております。(二) 所得控除については、原則として、現行の第二課税方式本文と同様に、基礎控除、扶養控除、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除及び生命保険料控除を行なうことを原則とし、その額もすべて現行の金額によることといたしております。ただ、市町村は財政上特別の必要がある場合においては、現行の第二課税方式ただし書きの場合と同様に基礎控除のみとすることができることとしているのであります。(三) 税率は、現行の第二課税方式と同
 様に地方税法においては準拠すべき
 税率を定め、具体的な税率は市町村
 が条例で定めることといたしており
 ます。(四) 税額の算定方法については、総所
 得金額、退職所得の金額または山林
 所得の金額ごとにそれぞれ分離して
 計算することとするとともに、山林
 所得、変動所得、資産所得等にかか
 る税額の算定について合理化をはか
 ることといたしております。(五) 障害者、老年者、寡婦及び勤労学
 生に対する税額控除は、改正案にお
 ける本文方式にあってはすべてこれ
 を行なうべきものとし、ただし、書
 き方式にあっては、市町村の実情に
 応じ条例の定めるところによってこ
 れを行なうことができるものといた
 しております。(六) 所得割の課税上必要な事項に関す
 る申告制度を整備したことでありま
 す。現行法においても適宜条例の定め
 るところにより申告制をとることが
 できるようになっているのでありま
 すが、今回の課税方式の改正に伴い、
 納税秩序の確立を期する趣旨から、
 所得割については原則として申告制
 をとるものとし、所得控除、税額控
 除、純損失及び雑損失の繰り越し控
 除、変動所得及び臨時所得の平均課
 税は申告に基づいて行なうこととし
 たのであります。もっとも給与所得の
 みを有する給与所得者については、別
 途給与支払い報告書が提出されます
 ので、雑損控除、医療費控除等の適用
 を受ける場合を除き、申告書の提出
 を要しないものとしております。な
 お、申告にあたっては道府県民税及
 び市町村民税を通じて一本の申告書
 で行なうこととし、記載事項も、で
 きる限り簡易に行ない得るよう留意
 しております。
 以上が市町村民税所得割の課税方式に関する改正の概要でありますが、この課税方式の改正によって住民の負担には変動を来たさないように措置されております。
 なお、給与所得者については、給与所得控除を引き上げることといたしましたので、負担の軽減がはかられることになっており、また個人の市町村民税の非課税の範囲を改正し、現在障害者、未成年者、老年者及び寡婦については前年中の所得が十三万円以下である場合のみ非課税となっておりますのを、今回十五万円に引き上げることとし、負担の軽減をはかることにしております。
 その二は、道府県民税所得割についてであります。道府県民税所得割についても、市町村民税所得割の課税方式の改正に対応して、その本文方式と同様の課税方式によることといたしております。なお、その賦課徴収につきましては現行通り市町村に委任することにいたしております。
 その三は、法人の住民税についてであります。法人税における減税に対応して法人税割の減税を行なうとともに、法人税における耐用年数の改訂その他所得計算に関する租税特別措置の改正につきましては、その改正の趣旨にかんがみ、特に税率の調整を行なうことなく法人税割においても、これらと同様の措置をとることにいたしました。なお、これまで法人税が課税されることになっているにもかかわらず、住民税均等割及び法人税割については非課税とされている法人がありますが、およそ国税が課税される建前になっている法人税につきまして、地方税において非課税とすることは、住民税における負担分任の見地からも、また負担の公平をはかる点からも適当ではありませんので、これら非課税規定は原則として国税のそれの範囲内にとどめるように整理いたしたいと存じます。
 第二は、事業税に関する事項であります。
 その一は、個人事業税についてであります。青色申告者については、現在八万円を限度として専従者控除を行なうこととしておりますが、白色申告者についても、新たに五万円を限度として専従者控除を行なうこととし、負担の軽減と均衡化をはかっております。また基礎控除につきましては、その性格を明らかにするため、名称を事業主控除に改め、その額は現行通り二十万円といたしております。なお、災害または盗難により事業用資産について生じた損失について、新たに雑損控除の制度を設け、個人の事業税制度の合理化をはかることとしております。
 その二は、法人事業税についてであります。各種協同組合等に対する課税の特例については、国税法人税における特別措置の範囲を越えているものを整理して法人税と同様の取り扱いにすることにいたしました。なお、法人税における配当課税の改正については、法人税と事業税の性格の相異にかんがみ、事業税には影響を及ぼさないようにいたしております。
 第三は娯楽施設利用税に関する事項であります。
 その一は、ゴルフ場の利用に対する税率の引き上げであります。ゴルフ場の利用に対する現行の標準税率は一人一日二百円でありますが、最近のゴルフ場の利用料金は相当高くなってきており、また相当程度の担税力もあることを考慮いたしまして、標準税率を四百円に引き上げることとしたものであります。
 その二は、釣堀、貸船場を法定課税対象施設から除くとともに、料金を課税標準とする場合の標準税率を引き下げるとともにその合理化を行なったことであります。
 第四は、遊興飲食税に関する事項であります。
 その一は、免税点の引き上げであります。現行の免税点制度は、大衆負担の軽減をはかることを目的として設けられているものでありますが、最近における国民の消費水準の向上等を勘案し、さらに大衆負担の軽減をはかるという見地から、旅館における宿泊及びこれに伴なう飲食については八百円から千円に、飲食店における飲食については三百円から五百円に、チケット制の飲食店における飲食については百五十円から二百五十円にそれぞれ免税点を引き上げることといたしました。
 その二は登録ホテルまたは旅館における外客の飲食及び宿泊に対する非課税規定の廃止であります。もともと消費税たる本税において内外人を区別することは税制上適当でないと考えられますのでこれを廃止することとしたのでありますが、その実施の時期は、諸般の事情を考慮して昭和三十七年四月一日としたのであります。
 なお、本税の性格及び内容を適確に表現するために名称を料理飲食等消費税と改めることにいたしております。
 第五は、自動車税及び軽自動車税に関する事項であります。
 その一は、自動車税及び軽自動車税の標準税率の不均衡是正についてであります。自動車税につきましては、税負担の均衡をはかるため、トラック及び三輪の小型貨物自動車に対する税率について自家用及び営業用の区分を廃止することとし、トラックは年額一万五千円に、三輪の小型貨物自動車は年額三千八百円に統一いたしております。また、軽自動車税の税率につきましては、最近特に増加してきた三輪または四輪の軽自動車について三輪または四輪の小型自動車または二輪の軽自動車との税負担の均衡を考慮しまして、三輪の軽自動車は年額二千円に、四輪の軽自動車のうち、乗用のものは年額三千円に、貨物用のものは年額二千五百円とすることといたしております。
 その二は、三公社が所有する直接その本来の事業の用に供する自動車及び軽自動車に対する非課税規定の廃止についてであります。三公社が所有する事業用の固定資産は、固定資産税にかわる納付金の対象となり、非事業用の資産は固定資産税、自動車税、軽自動車税の対象になっておりますが、事業用の自動車、軽自動車のみ非課税となっておりましたので、均衡上この非課税措置を廃止したものであります。
 第六は、固定資産についてであります。
 都市ガス事業の拡充に伴う新設の償却資産につきましては、最近都市ガスの普及に伴ない、新設資産にかかる固定資産税が急増し、ひいては消費者負担の増加を招来するおそれがありますので、発電施設等と同様に軽減措置を講ずることとし、昭和三十四年一月一日に固定資産課税台帳に登録されたもの、すなわち、昭和三十三年一月二日以後新設されたものから適用することとしております。
 また、内航船舶につきましては、現在その価格の三分の二の額を課税標準とする特例措置が講ぜられておりますが、今回外航船舶との関連等をも考慮いたしまして、その価格の二分の一の額を課税標準とするよう特例措置の拡充を行なうこととしたのであります。
 以上のほか、新設の大規模償却資産の対象に新たに変電所を加えるとともに「新たに建設された一の工場」の範囲を明確にする等所要の規定の整備を行なうこととしております。
 第七は、電気ガス税についてであります。
 電気ガス税につきましては、零細負担排除の趣旨から新たに免税点制度を設け、一カ月の使用料金が三百円以下の電気またはガスの使用に対しましては電気ガス税を課さないこととし、もって一般家庭用の電気及びガスについて負担軽減の措置を講ずることとしたのであります。
 なお、物品の製造または鉱物の掘採に使用する電気につきましては、非課税措置が講じられているのでありますが、今回非課税品目の追加及び整理を行ない、これが合理化をはかることといたしました。
 第八は、軽油引取税に関する事項であります。
 道路の整備が緊要でありますことは申すまでもないところでありますが、今回昭和三十六年度を初年度とする新道路整備五カ年計画の策定に伴い、その実施に必要な道路財源を充実するために別途国税の揮発油税及び地方道路税の税率の引き上げに照応いたしまして、軽油引取税におきましても、その税率を、一キロリットルにつき従来の一万四百円から一万二千五百円に引き上げることといたしております。
 なお、本税が道路の目的税である趣旨にかんがみ、免税軽油の範囲を拡充合理化することにしております。
 以上申し上げました諸事項のほか、税制の合理化その他規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○濱田委員長 次に補足説明を求めます。後藤田税務局長。
#6
○後藤田政府委員 お手元にお配りいたしました地方税法改正要綱細目に従いまして法律要綱の細目説明を申し上げたいと思います。
 第一が住民税でございます。
 まず個人の市町村民税でございますが、今回の改正の眼目の一つが所得税改正の自動的影響を遮断するため、自主的な課税方式に改めることにあるのでございますが、それに伴いまして従来は国税の課税を基礎といたしておりましたために、自動的に住民税についても適用がありましたところの実質課税原則に関する規定を地方税法に設けることにいたしました。法第二百九十四条の二ないし第二百九十四条の四、第二十四条の二ないし第二十四条の四の改正規定でございます。
 次に、従来障害者、未成年者、老年者または寡婦について、年所得十三万円以下である場合は非課税として参りましたが、その後における物価の推移等を勘案し、これらの人々の負担の公平をはかりますために、今回これを十五万円に引き上げることにいたしました。なお道府県民税についても同様でございます。法第二百九十五条第一項第三号、第二十四条の五第一項第三号の関係規定でございます。
 次に、今回の改正の眼目でありますところの課税方式の改正についてでございます。まず、現行の課税方式のうち、所得税額を課税標準とする第一課税方式及び課税総所得金額から所得税額を控除した金額を課税標準とする第三課税方式を廃止いたしますとともに、課税総所得金額を課税標準とする従来のいわゆる第二課税方式に、以下申し上げますような所要の改正を加えることにいたしました。
 すなわち、その一が所得の範囲及び計算の問題でございます。所得割の課税標準は前年の所得について算定いたしました総所得金額、退職所得の金額または山林所得の金額によるものとし、総所得金額、退職所得の金額または山林所得の金額は地方税法またはこれに基づく政令で特別の定めをする場合を除くほか、原則として所得税法その他の所得税に関する法令の規定の例によって算定することとしております。ただし、専従者控除については、青色申告者にあっては専従者一人について八万円を限度として総所得金額等の計算上必要経費に算入するものとし、白色申告者の専従者については、専従者控除制度の性格、負担分任を基調とする住民税の性格、市町村財政、特に財政力の手薄な農山村の財政に及ぼす影響等に顧み、専従者控除を認めないこととしております。法第三百十三条第一項、第二項、第三十二条第一項、第二項の関係規定でございます。
 次に、所得計算にあたっての繰り越し控除の関係でありますが、青色申告書を提出する所得割の納税義務者については、所得税と同様に前年前三年間に生じた純損失の金額で前年前に控除されなかった部分の金額を総所得金額等の計算上繰り越し控除するものといたしました。法第三百十三条第三項、第三十二条第三項の関係規定でございます。
 また青色申告者以外の者でありましても、前年前三年間に免じた変動所得の計算上の損失の金額もしくは被災たなおろし資産の損失の金額または雑損失の金額で、前年前に控除されなかった部分の金額は総所得金額等の計算上控除するものといたしております。法第三百十三条第四項、第三十二条第四項の規定であります。
 なお課税の合理化と納税秩序の確立の趣旨から、専従者控除並びに純損失及び雑損失の繰り越し控除は原則として納税義務者の申告に基づいて行なうものといたしました。法第三百十三条第二項、第三項、第四項、第三十二条第二項、第三項、第四項の規定であります。
 次に、資産所得の合算課税についてでありますが、生計を一にする親族のうち世帯員が資産所得を有する場合におきましては、所得税法の規定の例によりまして、合算課税の方式により、それぞれ主たる所得者及び世帯員に課税するものといたしまして、税負担の公平をはかるものといたしております。法第三百十四条、第三十三条の規定であります。
 次は、所得控除の関係でありますが、まず市町村におきましては、総所得金額、退職所得の金額または山林所得の金額から雑損控除額、医療費控除額、社会保険料控除額、生命保険料控除額、扶養控除額及び基礎控除額を控除するものといたしております。これらの控除を行なう課税方式を本文方式ということにいたします。ただし、市町村において財政上特別の必要がある場合におきましては、基礎控除額のみを控除いたしまして、その他の控除を行なわないことができるものといたしました。なお、この場合において総所得金額中給与所得があるときは現行通り給与所得にかかる収入金額の百分の五の最高二万円までを総所持金額から控除するものとして、他の所得者との負担のバランスをはかるものといたしております。これらの控除を行なう課税方式をただし書き方式ということといたしております。法第三百十四条の二第一項、第三十四条第一項の規定でございます。
 次に、これらの控除額の内容について申しますと、まず雑損控除額、医療費控除額、社会保険料控除額及び生命保険料控除額につきましては、所得税における計算と同様の方法によって算定した金額といたしました。法第三百十四条の二第一項、第三十四条第一項の規定であります。
 また扶養控除額につきましては、現行と同様に次に申し上げます金額によるものとしております。すなわち、扶養親族が一人の場合につきましては七万円、ただしその納税義務者に前年の合計所得金額が五万円をこえる配偶者があるときは五万円とし、扶養親族が一人をこえる場合、そのこえる扶養親族一人ごとに三万円を加算して得た金額といたしております。なお、扶養親族と生計を一にする市町村民税の納税義務者が二人以上ある場合におきましては、ただいまの金額は、各扶養親族につきまして政令により順位を付するものとし、第一順位の扶養親族について七万円、ただし、その扶養親族を自己の扶養親族とする納税義務者に前年の合計所得金額が五万円をこえる配偶者があるときは五万円、第二順位以下の扶養親族につきましては三万円と定めております。なお、扶養親族が青色専従者給与額の支給を受けている場合におきましては、これらの金額から当該青色専従者給与額のうち必要な経費に算入された金額を控除した金額といたしております。法第三百十四条の二第一項第五号、第二項、第三項、第三十四条第一項第五号、第二項、第三項の規定であります。
 次に、基礎控除額でございますが、これは納税義務者につき現行の所得税法と同額の九万円といたしております。法第三百十四条の二第一項第六号、第三十四条第一項第六号の関係規定であります。
 次に、これらの控除の順序でありますが、本文方式にありましては、まず雑損控除額を控除し、次に医療費控除額その他の控除をするものとし、かつ本文方式、ただし書き方式とも総所得金額、山林所得の金額または退職所得の金額から順次控除するということにいたしております。法第三百十四条の二第六項、第七項、第三十四条第六項の関係規定であります。
 なお、これらの控除のうち基礎控除を除く所得控除につきましても、原則として納税義務者の申告に基づいて行なうものといたしました。法第三百十四条の二第八項、第三十四条第七項の関係規定であります。
 次に、税率及び税額の計算でございますが、所得割は、次に申し上げます金額の区分及びその区分に応じて順次に適用される率に準じまして市町村の条例で金額の区分及び率を定めるものといたしております。この場合税額につきましては、課税総所得金額または課税退職所得金額につきましては、当該税率を順次適用して計算した金額といたしますが、課税山林所得金額につきましては、いわゆる五分五乗方式を採用いたしまして、その金額の五分の一の額に当該税率を順次適用して計算した金額の合計額に五を乗じて得た金額によって課するものといたしております。法第三百十四条の三第一項の規定であります。
 なお、税率でありますが、税率は現行所得税の税率の二〇%に相当した税率と定めておるのであります。
 変動所得及び臨時所得の平均課税でございますが、変動所得及び臨時所得がある場合の税額の計算につきましては、納税義務者の申告に基づきまして、所得税法の計算の例によって算定するものといたしております。法第三百十四条の四、第三十六条の規定でございます。
 次に簡易税額表でございますが、税額を算定する場合におきましては、その処理を簡素化いたしますために簡易税額表を百万円以下の所得を有する者に対しては定めることができる、こういうことにいたしておるのでございます。法三百十四条の五、三十七条の第一項の規定でございます。
 次に、税額控除の関係規定でございますが、本文方式の市町村におきましては、納税義務者が障害者、老年者、寡婦もしくは勤労学生である場合、または納税義務者に障害者である扶養親族がある場合には、それぞれ一人につき千円を標準として市町村の条例で定める金額を所得制額から控除するものといたしております。この千円は所得税の五千円の二〇%ということでございます。またただし書き方式の市町村におきましては、納税義務者が扶養親族を有する場合は、その扶養親族の数に応じ、市町村の条例で定める金額を所得制額から控除するものとし、また納税義務者が障害者、老年者、寡婦、もしくは勤労学生である場合、または納税義務者に障害者である扶養親族がある場合は、新たに市町村の条例の定めるところによって、条例で定める額を所得割額から控除することができることにいたしております。法三百十四条の七第二項、第三項の規定でございます。
 なお、これらの税額控除につきましても、原則として納税義務者の申告に基づいて行なうということにいたしております。法三百十四条の七第六項の規定でございます。
 次に、賦課制限でございますが、以上によりまして、住民税を算定するのでございますが、総合した税負担が過重となることを避ける意味におきまして、市町村民税の所得割額、道府県民税の所得割額及び前年の所得税額の合計額が、市町村民税の課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額の百分の八十をこえることがないよう、市町村民税の所得割額及び道府県民税の所得割額を減額するいわゆる賦課制限の規定を設けております。この場合におきましては、減額する金額は、市町村民税の所得割額と道府県民税の所得割額の比率によって定めるものといたしております。法三百十四条の八、第三十七条の三の規定でございます。
 また所得の算定基準につきましては、総所得金額、退職所得の金額、または山林所得の金額は、所得税の申告書が提出され、または政府が更正もしくは決定した場合には、その申告書に記載され、または更正し、もしくは決定した金額を基準として算定するものとして、納税者が二重調査を受けることがないよう配慮いたしますとともに、この際、国、地方団体相互の協力関係を従来より一そう緊密なものとするよう運営して参りたいと考えております。なお所得税の決定額がない場合には市町村がみずから調査をして、この調査に基づいて算定することになります。法三百十五条でございます。
 最後に、申告についてでございますが、住民税における申告制度を整備し、所得割の納税義務者は、所得金額その他課税上必要な事項を記載した申告書の提出を要するものといたしまして、課税の民主化と納税秩序の確立を期しますとともに、住民の市町村自治に対する積極的関心の喚起と自主納税に対する意欲の向上をはかるものといたしております。ただし、給与所得のみを有する者につきましては、別途給与支払い報告書が市町村に提出されますので、原則として申告の必要はないものといたしております。法第三百十七条の二、第四十五条の二の規定でございます。
 次は、個人の道府県民税についてでございますが、個人の道府県民税につきましては、市町村民税所得割の本文方式と同様の課税方式にいたしております。従いまして、その内容の大部分は市町村民税本文方式と同様でございますので、異なる点についてのみ御説明を申し上げたいと思います。
 なお賦課徴収の方法につきましては、納税者の負担感、徴税経費等を勘案いたしまして、現行通り市町村に委任をいたすことにいたしております。
 まず税率及び税額の計算でございますが、所得割の税率は、現行所得税の税率に百分の八を乗じて得た率を標準税率といたしております。この場合税額の算定でございますが、市町村民税と同様に簡易税額表を定めるものといたしておりますが、道府県民税の簡易税額表を定めた場合におきましても、市町村民税の簡易税額表を定めていない市町村につきましては、市町村長の申し出によりまして簡易税額表によらないで道府県民税を課することができるものといたしております。法第三十七条第一項ただし書きでございます。また道府県民税の簡易税額表と市町村民税の簡易税額表と所属金額の区分が違うという場合は、道府県民税の簡易税額表の所縁金額の区分を市町村民税の簡易税額表の所得金額の区分に合わせることができるものといたしまして、実際に事務を処理する市町村の便宜をはかっております。法第三十七条第二項の規定でございます。
 次に税額控除でございますが、現行の所得税と同じように、納税義務者が障害者、老年者、寡婦もしくは勤労学生である場合、または納税義務者に障害者である扶養親族がある場合は、所得割額からそれぞれ四百円を控除するものといたしております。この四百円は五千円に対する八%ということでございます。法第三十七条の二第一項の規定でございます。この場合の税額控除は、原則として納税義務者の申告に基づいて行なうことといたしましたことは、市町村民税の場合と同様でございます。
 次は、法人の住民税の改正についてでございますが、法人の住民税の非課税規定の整理が中心でございまして、その他の改正は規定の整備にとどまっております。すなわち公益法人等につきましては、現行法上は住民税が非課税とされているものがございますが、これらにつきましても、収益事業を行なった場合には住民税を課することにいたしました。これらの法人は法人税法第五条法人でございまして、収益事業を行なえば法人税を課税せられるものといたしておるのでございます。この場合におきまして住民税を課する道府県または市町村は、これらの公益法人等の収益事業を行なう事務所または事業所所在の道府県または市町村とするものといたしております。法第二十五条、第二十四条第二項、第二百九十六条、第二百九十四条第二項の規定でございます。
 また各種協同組合等につきましては、現行におきましては非出資組合である各種協同組合及び積立金額が出資総額の四分の一に達しない各種協同組合について、住民税を課さないものといたしておりますが、これらの組合には法人税が課されることといたしておりますので、住民税も同様に課税するものといたしました。なお、法人税において課税の特例が認められております再建整備中の農業協同組合、漁業協同組合、森林組合及びこれらの組合の連合会並びに事業協同組合及び協同組合連合会につきましては、附則第十条及び第三十五条の規定によりまして、現実に法人税が課されない限り非課税として、法人税と同様の取り扱いをいたしております。
 次に事業税の関係規定の御説明を申し上げます。
 まず法人事業税における法人税の改正との関係でございます。法人税におきまする耐用年数の改訂その他所得計算に関する租税特別措置の改正につきましては、その改正の趣旨にかんがみ、事業税においてもこれらの措置をそのまま適用するものといたしております。ただし、法人税における配当に対する税率の軽減及び法人が受け取る配当の一部益金算入の措置につきましては、その性格にかんがみ、事業税には影響を及ぼさないよう改正をはかっております。従って受取配当金は従来通り益金不算入となります。法第七十二条の十四第一項の規定でございます。
 次に法人事業税に関して行なうことといたしております改正は、非課税法人、公益法人、特別法人の整理でございますが、法人事業税における非課税法人等の分類を法人税における分類と一致させるため、規定の整理を行なうことにいたしております。法第七十二条の四第一項、第七十二条の五第一項第四号、第七十二条の二十二第四項の規定でございます。
 次は個人事業税において雑損控除を認めることにいたしました。すなわち、災害または盗難により事業用資産について損失を生じました場合に、その損失の金額が事業所得の十分の一をこえるものである場合におきましては、当該金額を事業所得の計算上控除し、なお控除し切れない部分につきましては、三年間に限り繰り越し控除を認めるということにいたしました。法第七十二条の十七第四項、第六項の規定でございます。
 次は個人事業税の基礎控除及び専従者控除に関する改正でございますが、まず個人事業税の専従者控除額は、所得税の青色申告者については八万円、その他の者については五万円を限度として所得の計算上必要な経費とするものといたしております。法第七十二条の十八第二項の規定でございます。
 これに伴いまして、現行の基礎控除の名称を事業主控除と改めますとともに、金額は現行通り二十万円に据え置いて、これを事業の所得の計算上控除するものといたしております。法第七十二条の十八第一項の規定でございます。
 次は法人事業税の留保金非課税に関する規定でございますが、法人税と同様の取り扱いとするために、出資組合である各種協同組合等で積立金額が出資総額の四分の一に達しないものに対する課税の特例の規定を租税特別措置法における各種協同組合等に対する法人税の課税の特例の規定と同様の取り扱いとなるように改めるものといたしました。法第七十二条の十八第二項削除、附則第五十二条の規定であります。
 そのほか個人事業税の賦課の方法に関する規定を整備いたしまして、本来不動産所得または事業所得であるべき所得を他の種類の所得として所得税の申告をしている場合におきましては、これをそのまま事業税の課税標準としないで、道府県知事の調査によって事業税の課税標準を決定できるということにいたしております。
 また雑損控除等を新たに設けましたことに伴いまして、事業の所得の計算上控除される諸控除等は申告に基づいて行なうこととし、これに伴い事業税の申告に関する規定を整備するものといたしております。法第七十二条の十七、第七十二条の十八、法第七十二条の五十五の規定でございます。
 以上が事業税の改正の内容でございます。
 次は不動産取得税でございます。
 まず法人の政令で定める分割による不動産の取得に対しては、法人の合併による不動産の取得の場合と同様に形式的な所有権の移転であると考えられますので、不動産収得税を非課税とすることにいたしております。法第七十三条の七第二号の規定でございます。
 次に譲渡担保の設定及び解除に伴う不動産の取得については、法律的には所有権の移転という形をとりますが、経済的には債権担保の目的のためでありますので、その譲渡担保の期間が一年以内である場合は、非課税とすることにいたしております。法第七十三条の七第七号及び第七十三条の二十七の二の規定でございます。
 また道府県知事が独自に不動産の価格を評価することができる場合に、増築、改築、損害のほかに、地目の変換がある場合を加えることにいたしております。法第七十三条の二十一第一項の規定でございます。
 さらに新築住宅用土地の取得に対する不動産取得税の六十万円の減額規定を適用する場合に、次に申し上げます二つの場合を追加することにいたしました。法第七十三条の二十四第一項でございます。
 すなわち第一には、土地を取得した者が土地を取得した日前一年の期間内にその土地の上に住宅を新築した場合でございます。
 第二には、地方公共団体、日本住宅公団等から、いわゆる土地付建売住宅をその住宅を新築した日から一年以内に購入した場合、それらの場合に不動産取得税の現行規定を適用することにいたしております。
 次は娯楽施設利用税でございますが、娯楽施設利用税につきましては、まず法定の課税対象施設の整理合理化を行なうことにいたしております。法第七十五条第一項の規定でございます。
 具体的に申し上げますと、第一には釣堀とか貸し船場を法定の課税対象施設から除外することにいたしております。第二には、法定施設以外の娯楽施設につきましては、道府県の自主的な判断によって、道府県の条例の定めるところにより課税することができることにいたしております。
 次に税率でありますが、入場税及び遊興飲食税等の税負担との均衡上、利用料金を課税標準とする税率を引き下げることにいたしております。法第七十八条第一項の規定でございます。
 すなわち、ゴルフ場その他これに類する施設等につきましては、利用料金の百分の五十を百分の三十に、その他の施設につきましては利用料金の百分の三十を百分の十五にそれぞれ引き下げることにいたしました。なお、学生、生徒または児童が運動競技施設を利用する場合に適用される軽減税率百分の十の規定は、その対象施設がすでに非課税となっておりますので、削除することにいたしました。法第七十八条第二項削除の規定であります。
 最後に、ゴルフ場の利用に対する定額課税の標準税率につきましては、利用料金が現行税率をきめた当時に比べて相当高くなっておりますので、一人一日二百円を四百円にいたしております。法第七十八条の二第二項の規定であります。
 次は遊興飲食税でありますが、名称につきましては、その性格と内容を的確に表現をし、簡明かつ理解しやすいものにするため、料理飲食等消費税に改めることにいたしております。
 次に、現行免税点につきましては、おおむね大衆負担の軽減という目的を達して、いると考えられますが、この際一そう大衆負担の軽減をはかるためその引き上げを行なうことにいたしました。法第百十四条の四、第百十四条の五の規定でございます。すなわち、旅館における宿泊及びそれに伴う飲食につきましては、八百円を千円に、飲食店における飲食につきましては、三百円を五百円にそれぞれ引き上げることにいたしました。なお、チケット制の飲食店における免税点につきましても、百五十円を二百五十円に引き上げることにいたしました。
 次は、登録ホテルまたは旅館における外人客の飲食、宿泊に対する非課税規定でありますが、一般に消費税についてかかる特別措置をとっている例がないこと、一般の旅館における外人客の飲食、宿泊に対しては非課税とされていないこと、またこの特別措置の創設理由である観光誘致による外貨獲得は、登録ホテル等の施設の充実によるべきであること等の理由により廃止することにいたしたのでございます。法第百十四条の二第二項を削除いたしました。ただ、すでになされております契約その他の事情を考慮いたしまして、附則第二十六条の規定によりまして、昭和三十七年三月三十一日まで経過的に存続させることにしております。
 次に、自動車税でありますが、貨物自動車の税率につきましては、自家用、営業用を問わず、事業の用に供されている実態にかんがみまして、自家用と営業用の税率を統一することにいたしました。法第百四十七条の規定であります。すなわち、トラックにつきましては現行営業用は一万四千円、自家用一万五千円でありますのを、特に道路損傷度の高い車種についての税率の引き上げを行なうという税制調査会の答申もありまして、いずれも年額一万五千円にいたしております。また三輪の小型自動車につきましては、現行営業用は三千三百円、自家用は四千三百円でありますのを、いずれも年額三千八百円にいたしました。
 次に三公社に対する非課税規定につきましては、事業用自動車以外の自動車及び固定資産との負担の均衡を失しておりますので、廃止することにいたしました。
 次は狩猟者税であります。甲種狩猟免許及び乙種狩猟免許を受ける者につきましては、三千六百円及び一千八百円の二種の税率でありますが、現行法によりますと、相当高額な所得者でありますたとえば山林所得を有する者等も低税率一千八百円を適用せざるを得ないことになっております。そこで低税率を設けました趣旨にかんがみまして、狩猟業もしくは林業を主たる生業とする者で道府県民税の所得割額を納付することを要しないもの、または農業を主たる生業とする者でもっぱら自家労力によってこれを行なうものに限ることとしたのでありますが、これはいわば現行法の欠陥を整備した規定であります。法第二百三十七条第二号の規定であります。
 次は固定資産税でありますが、まず都市ガス事業の拡充に伴う新設の償却資産につきまして、固定資産税の負担の緩和をはかり、消費者の負担の増加を防ぐため、ガス事業法の規定による許可を受けたガス事業春が、ガス事業の用に供する償却資産でガスの製造及び供給の用に供するものに対して課する固定資産税の課税標準を、その償却資産に対して新たに固定資産税が課されることになった年度から五年度分の固定資産税につきましては、当該償却資産の価格の三分の一の額とし、その後の五年度分の固定資産税につきましては三分の二の額とすることにいたしております。法第三百四十九条の三第三項の規定であります。
 なおこの特例措置は、都市ガス普及第二次五カ年計画との関連を考慮いたしまして、昭和三十四年一月一日に固定資産課税台帳に登録されたもの、すなわち昭和三十三年一月二日以後において新設された償却資産に対しても、昭和三十六年度分の固定資産税から適用するものといたしております。附則の第四十三条の規定でございます。
 次に、外航船舶との関連等を考慮いたしまして、内航船舶及び漁船に対して課する固定資産税の課税標準を、当該船舶の価格の二分の一、現行は三分の二でございますが、二分の一の額とすることにいたしております。法第三百四十九条の三第七項の規定でございます。
 また新設大規模償却資産の対象に、新たに建設された一の工場または発電所のほかに変電所を加えますとともに、これらに増設された設備でこれらに類すると認められるものについても、市町村の課税限度額をこえるものであれば、新設大規模償却資産として固定資産税の課税標準の特例を認めまして、府県と市町村との間の税源配分を明確にいたしたのであります。法第三百四十九条の五第一項の規定でございます。
 次は、軽自動車税でございます。
 まず三公社所有の軽自動車等につきましては、自動車税と同様に非課税規定を廃止することにいたしております。法第四百四十三条の第二項の規定でございます。
 次に、軽自動車等に対して課する軽自動車税の税率でございますが、現在一律に年額千五百円とされております。しかし、最近特に増加してきた三輪または四輪の軽自動車について、小型自動車あるいは二輪の軽自動車との負担の均衡をはかるため、その標準税率を、二輪のものにあっては現行通り年額千五百に据置きますとともに、三輪のものは二千円に、四輪のうち乗用のものは三千円、貨物用のものは二千五百円とすることに改めております。
 次が電気ガス税でございます。
 まず非課税品目の整理合理化を行なうこととしております。すなわち新たに亜炭、鉄鉱、砂鉄等十九品目を追加いたしますとともに、砂金、トリウム鉱等五品目を削除することにいたしております。法第四百八十九条第一項の規定でございます。
 次に、零細負担排除の趣旨から新たに免税点の制度を設けまして、同一の需用場所において使用する定額電灯もしくは従量電灯またはガスの一カ月の使用料金が三百円以下の電気またはガスの使用に対しては電気ガス税を課さないものとし、一般家庭用の電気及びガスについての負担軽減措置を講ずることといたしました。なお免税点の算定の基礎となる電気またはガスの使用料金の支払期間が一カ月をこえる場合における免税点の適用につきましては、日割計算を行なうこととし、その料金を当該料金の計算期間の日数をもって除した金額に三十を乗じた金額をもって一カ月の料金とすることにいたしております。法第四百九十条の二の規定でございます。この規定によって徴収員と家庭とのトラブルを少なくいたしたのでございます。
 次が軽油引取税の関係でございますが、新道路整備計画の財源の充実をはかりますために、軽油引取税の税率を一キロリットル一万四百円から一万二千五百円に引き上げることにいたしております。法第七百条の七の規定でございます。
 次に、脱税の防止と課税の均衡をはかりますために、特約業者または元売業者以外の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油を混和し、または軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造された軽油を販売いたしました場合には、その販売量から課税済み部分を控除したものを課税標準として軽油引取税を課税することといたしております。法第七百条の三の規定であります。
 次に、免税軽油の範囲につきましては、産業の発展等に即応いたしまして、道路と直接関係のない軽油を使用する場合につきまして、これを拡充合理化することにいたしております。法第七百条の六の規定でございます。
 最後に、災害等により軽油引取税の全部または一部を受け取ることができなかったときは、納税義務を負わせることが必ずしも適当でないことが多いので、このような場合には特別徴収義務者の納税義務を免除することができることにいたしております。法第七百条の二十一の二の規定でございます。
 次に、国民健康保険税でございますが、市町村民税の課税方式の改正に伴いまして、国民健康保険税の所得割額は、所得割総額をただし書き方式による課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額に按分するものとし、この方式によることが著しく困難である場合は、本文方式による課税総所得金額、課税退職所得金額及び課税山林所得金額の合計額または市町村民税の所得制額に按分して算定することにいたしております。これは住民税の規定の改正に伴う健康保険税の規定の整備でござさいます。
 以上のほか、住民税の実質課税の原則の規定に対応する総則規定の整理、法人住民税及び法人事業税の申告制度、延滞金の計算方法、個人住民税、固定資産税の一時徴収の制度の合理化を行なう等、各税目にわたって所要の規定の整備を行なうこととしております。
 最後に施行期日等に関してでございますが、個人の住民税及び個人の事業税は昭和三十七年度から、その他のものは昭和三十六年度から実施することといたしましました。
 また名称の変更、免税点の引き上げ等の遊興飲食税に関する改正規定及び外人客に対する料理飲食等消費税の非課税に関する附則の規定は、昭和三十六年五月一日から施行することといたしております。
 登録ホテルまたは旅館における外人客の飲食、宿泊に対しましては、すでに申し上げました通り、昭和三十七年三月三十一日までの間は、料理飲食等消費税を課さないことといたしております。これは附則第二十六条の規定でございます。
 電気ガス税に関する改正規定は、今回の免税点制度の創設に伴う電力会社及びガス会社の事務処理上の準備期間等を考えまして、昭和三十六年六月一日以後の分、特別徴収にかかる電気ガス税にあっては同日以後において収納すべき料金にかかる分、つまり消費者にとっては五月分から免税の規定を適用する、こういうことにいたしております。これは附則第四十三条の関係の規定でございます。
 以上が本改正法案の要綱細目の内容でございます。
#7
○濱田委員長 以上をもちまして、政府の提案理由及び補足説明は終わりました。本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#8
○濱田委員長 消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。川村継義君。
#9
○川村(継)委員 消防組織法の一部を改正する法律案に関係しまして、二、三お聞きをしておきたいと思います。
 実は、消防関係の問題につきましてはずいぶん問題があるのでありまして、ほんとうはもう少し当委員会としても各種の問題を一緒に審議、検討すべきではないかと常日ごろ私たちは考えておりましたが、なかなかそういう時間がうまく見出せませんし、今日に及んでしまったわけでありますが、特に消防庁が自治省の外局として組織がえをされました後には、委員会としてもあまり消防関係の問題を論議していないように私は思います。先ほども申し上げますように、お聞きしなければならぬことがたくさんありますけれども、きょうは時間もだいぶたっておりますし、ほんの二、三点についてお聞きをしておきたいと思います。
 何かこうとっぴなことを聞くようですけれども、長官、消防庁が国家公安委員会のもとにあったときからはずれて自治省の方に移ってこられた、その組織がえと申しますか、それは運営の上から考えても、あるいはその他のいろいろ行政上の問題から考えても、どのような利便と申しますか、出ておりますか。あるいは何か前よりも工合が悪いということがありゃしませんか。前よりもこういうところが非常によくなったということがあるだろうと思いますけれども、そういう点がありましたらちょっと話していただけませんか。
#10
○鈴木(琢)政府委員 昨年七月国家消防本部が改組されまして、自治省の外局としての消防庁になったのでありますが、御承知のように消防は市町村自治体消防であります関係上、地方自治体の一般の指導に当たっております自治省の外局になって、自治省の内局と緊密な連絡をとれるようになりましたことは、財政指導の面からいきましても、行政指導の面からいきましても、いろいろな便宜が生じております。
#11
○川村(継)委員 前に比べて困るというところはありませんか。
#12
○鈴木(琢)政府委員 困るという面はほとんど考えられません。
#13
○川村(継)委員 大へんけっこうだと存じます。そこで、今度提案なさっております消防組織法の一部改正の法律の中には、その一つとして次長を置くということが出ておりますですね。前には次長制度はなかった。それを次長を置かねばならないということは、言葉には「長官を助け、庁務を整理する。」とありますけれども、大へん前に比べて今はいろいろの点で利便が出てきておるというお話でありますが、以前は次長がなくてずっと消防行政をやってこられた。今度次長を置かなきゃならぬということになったのは一体どういうお考えでございましょうかね。
#14
○鈴木(琢)政府委員 従来は国家消防本部長のもと、現在は消防庁長官でございますが、そのもとにすぐに課長という組織になっておりました。ところが、私どもの消防庁の仕事の内容がだんだん複雑になって参りまして、特に一昨年御改正を願いました危険物関係の消防法の改正、昨年改正いただきまして、間もなく実施されます消防法の一部改正というような、相当重要な改正をこの数年来やっております。それらの関係におきましては、各省関係とのいろいろな仕事の密接な関係が出て参りまして、その折衝等の仕事が大へんふえて参りました。そういった問題、それから従来消防講習所であったものが一昨年消防大学校に昇格して内容が充実されたというようなこと、それから消防研究所が付置機関として、これも相当重要な仕事を持っておるというような関係から、内部の指導、指揮にいたしましても、外部関係省庁との連絡等から参りましても、消防庁長官だけでは十分その用が足せませんので、それを補う意味におきまして次長を設けた次第でございます。
#15
○川村(継)委員 よくわかりました。私は実は、以前次長制がなくても十分な消防行政の運営ができておる、それを今度次長制度を作ろうとなさるのについては、これは相当な根拠がやっぱりあるだろう、前にやってきたものが、今日次長制がなくてもやれないはずがないのじゃないかと一応疑ってみたのですけれども、今あなたのお話で聞きますと、いろいろ消防講習所が大学になったとか、あるいは各省との関係、連絡等も非常に業務の上で複雑になったとか、消防の行政の業務が非常にたくさん出てきた、特に明日からは昨年の改正に伴う施行令の全面実施ということになりますので、非常に大きな仕事があるということであれば、よくその理由はわかるのでありますけれども、ただ、これはあなたに申し上げるわけじゃありませんけれども、昨年から非常に次長という制度が作られてきた。ということになりますと、やはりあなた方の方の何かポストの問題としてこれが取り上げられてきたんではないか、いわゆるそういうような一つの役職という面から出てきたんじゃないかという疑いも持つわけです。こういうことは、やはり将来自治省としても十分一つ慎重にやってもらわなければ、国民に不信を起こすようなことがあってはならぬ、こう思うわけです。余分な、言葉になるかもしれませんが、地方官庁あたりを考えますと、いわゆる役職というのは非常に少ない。そこに、今度の公務員の給与改定等についても非常に問題が出ておるのは御存じだと思います。本庁関係では非常に役付が多い。だから給与の実施にあたっても、頭打ちというような、俗にいうそういうのが出てこない。ところが地方官庁ではそういうのが少ないのですから、給与の面におきましても、頭打ちという、いわゆる何年たっても一定の給与にストップしておらなければならぬ、上の方に昇格しなければ給与の上昇がないというような状態が非常に出てきておる。これは地方の公務員の給与の運用の上からも大問題となって、今日大きな課題となっておるわけですから、そういう点を考えると、やはり本庁におきましても、その辺のところは十分配慮いただかなければならぬのじゃないかと思いまして、お尋ねをいたしておくわけであります。
 それでは次にもう一つお尋ねいたしますけれども、そうして皆さん方の努力で、機構の充実整備はできていく、いろいろ前進をいたしているわけでありますけれども、今日の消防行政の上から考えても、特に火災の現状というものは一体どういうふうになっておるかということをお聞かせおきいただきたいと思います。つい先日配付していただいた「地方財政の状況」の百八十九ページに、火災発生状況という表がありますが、これを見ますと、これは三十四年度の分まで書いてあるわけでありますけれども、残念ながら、火災の発生件数は年々上昇をたどってきておる。しかもその損害額もずっと高いところにある。こういうことを考えて参りますと、せっかく機構の整備はできていく、いろいろ法律改正は出ていく、しかし火災の件数等が少なくならない、上昇をたどるということは、ちょっとこう、われわれしろうとの立場からしても、矛盾を感ずるわけですね。これは非常に問題だと思いますけれども、まあそれはそれといたしまして、ここには三十四年度までの表が出ているわけですが、三十五年度等の状況、あるいはそれに関係いたします今日の現状というものをお聞かせいただきたい。
#16
○鈴木(琢)政府委員 お話にありましたように火災件数は年々増加いたしております。まことに遺憾に存ずる次第でございますが、これはいろいろ原因があろうかと思いますけれども、消費経済が拡大されて生活がいろいろ文化的になると申しますか、火災要因が一般の生活に非常に多くなっておる関係で、非常に文化が発達して、かえって火災が多くなるというのはおかしな現象ではございますが、大体そんな原因から火災の件数が毎年ふえてきておるのじゃないかと観察されるのございます。しかし件数はふえて参りますが、損害額は年々減って参っております。これは統計もございますように年々減って参ってきておるわけでございます。大体三十五年度も、まだ全部は計数が出ておりませんが、三十五年度もやはり同じような傾向をたどっております。これは結局消防の施設が充実してきたということと、それから消防と一般国民の連絡と申しますか、一般国民の消防に対する認識も深まってきて連絡が非常に早い。従って大きな火災にならずにぼやでみんな済ましておるというととがそういう結果を来たしておるものと見られるのであります。そういうことで件数はどんどん――まあどんどんと申しますか、相当ふえる傾向にあるわけでございますが、損害額は年々、ことに最近は大火というようなものがありませんので、年々相当大きな幅で減っております。そういう結果になっておるわけでございます。
#17
○川村(継)委員 ちょっと今のに付随してお聞かせ願いたいと思いますが、地方における各市町村の消防の間の連携、消火等の計画あるいは行動における連携、こういうのはいつか非常に問題になって、各地に問題があったようでありますが、その辺についてはずいぶん指導もいただいてだいぶん密接な連絡ができるようになっておるようでありますが、どうしても私、もう一つお聞きしたいと思いますことは、ある町に一つの大きな工場がある。工場には工場の私設の消防を持っているわけです。その町には町の消防がありますね。実に残念なことですけれども、その工場の近くの町に火災が起こったというときに、私は工場の中の消防の人がさっと持ち場にはついてポンプの用意まではしたけれども、その町の民家の消防に手を出さなかったという事実を知っているわけですね。その工場の人たちがばっと飛び出して行って消火に努力してくれれば、その火災は最小限に済んだのじゃないかと思われますけれども、まあ工場の人たちは門から出なかった。こういう事実がありますが、これはいろいろ工場の内部の問題もありましょうし、それを無理やりに協力せよといっても、それはあるいは法の上から考えても問題がやはりあると思いますが、そういうものの何かうまい連携というものは考えられておりませんか。私がどうしてだろうと思って疑っておる一つの問題は、おそらく消防団員に対する公務災害の補償等にもこれは関係があるのじゃなかろうかと思ったのですが、この点はいかがでございましょうか、あわせてお話し願いたい。つまり工場の消防はもしもその工場の消火に努力をして、不幸にして障害を受けたというときには、相当高くやはりこれは補償を工場が出すと思う。ところが町村に出ていってもしもけがなどした場合に、これはこちらの方の災害補償の対象になるかもしれません。微々たるものであるからというような打算的なものがやはりからまっているのじゃなかろうかというふうにも見るのですが、そのような事例に即して工場消防と一般の町村の消防との連携というのは全然指導がなされていないのかどうか、あるいは将来どういうふうにそれをしていくべきであるかというような問題と、私が疑って、おるやはり公務災害の補償額との問題にそういう基因がありはしないか、こういう点についてちょっとお話し願いたい。
#18
○鈴木(琢)政府委員 ただいま御指摘の工場会社等の自衛消防隊と公設消防との連絡の問題でございますが、自衛消防隊はおそらくこの四月一日から消防法の改正施行令が実施されますと、非常にふえてくる傾向になるのじゃないかと考えられます。御指摘の自衛消防隊と公設消防との連絡とか、協力関係というものは今後ますます重要な問題となってくるかと思うのでございます。おおむね今日まで作られております自衛消防隊、近くの例ではたとえば日光の古河電工とか、あるいは日立市の日立製作所の自衛消防隊が相当りっぱな自衛消防隊を持っておりますが、これらの自衛消防隊は、その市の消防本部と十分な連絡をとりまして、協力関係あるいは火災時の活動の連携計画というようなものをはっきりと立てておりまして、相当綿密な連携活動をいたしておるようでございます。もちろん全部が全部そんな理想的にいっているわけではございませんので、今後自衛消防隊と公設消防との連絡関係は十分研究し、またその方向に指導を強めていかなければならないかと存じております。公務災害の問題で、これは一つ一つのケースについて見ますと、いろいろな問題があろうかと思いますが、公務災害補償責任の関係におきましては、当然そういった公設消防と連絡をとり、また協力契約を結んでおりますので、当然消防庁の要請に応じて協力するということになりますれば、公務災害補償の関係におきましては協力者としての補償を受けるわけでございます。またもしもその自衛消防隊の所属する会社が特別な補償規定があって、それの出す額がよけいだということになれば、当然その協定とも関連いたしまして多い方をとるというようなことにおおむねなるのじゃないか、これは一つ一つのケースについて違うかと存じますけれども、今後そういった問題につきましてもよく注意いたしておきまして、ただいま御指摘のような原因のために協力関係が思うようにいかぬということがないように、一つ十分気をつけていきたい、さように考えております。
#19
○川村(継)委員 今の自衛消防と町村の消防との連携の問題、もしもその原因の中に災害補償等の差等の問題等があった場合、これは大へんだと思います。これはぜひ一つの大きな問題点としてこういうところからやはり手をつけていただくということを一つやってもらいたいと思います。
 そこでちょっとお聞きいたしますが、ことしのあなたの方の予算を見ると、今の公務災害補償のあの基金でございますか、あれは減額されておるようでございますね、これはどうしたわけでございましょう。
#20
○鈴木(琢)政府委員 これは前年度、三十五年度は伊勢湾台風による特別支出の補充の関係がありまして、臨時に増額されたものでございますので、その関係でことしは比較すれば減少しておるわけでございます。
  〔委員長退席、中島(茂)委員長代
  理着席〕
#21
○川村(継)委員 これは現在、今までやってこられた金額で支障はないと一応考えておいてよろしゅうございますね。
#22
○鈴木(琢)政府委員 さようでございます。
#23
○川村(継)委員 ことし消防組織法の一部改正で、新しく「非常勤消防団員が退職した場合における報償の実施に関する事項」というのを、あなたの方の職務内容として盛り込んでおられるわけでありますけれども、この報償実施に関して、報償はあなたの方でおやりになるのでございますか、あるいはそれぞれの市町村の消防団でやるのでございますか。予算には七千万円程度たしか組んであったかと思うのでありますが、この七千万円というのは補助金でございますか、あなたの方でおやりになればあなたの方の報償金でございますか。
#24
○鈴木(琢)政府委員 これは国の直接の報償でございまして、消防庁で取り扱うものでございます。
#25
○川村(継)委員 町村の消防でやるのに対する補助金でなくて、あなたの方で直接おやりになるわけですね。七千万円というのはおそらく積算の基礎というのか、それがあると思いますが、どういう計算をなさっておられるわけでございますか。
#26
○鈴木(琢)政府委員 大体現在計画いたしておりますのは、消防団員は普通ざっと百七十万といっておりますが、そのうちで約一割が年々更新されております。その一割の十七万ばかりのうちで、十五年以上勤続してやめる者が、ここ三年ばかり統計をとってみたのでございますが、年々三万八千人ばかりございます。この永年勤続して退職した消防団員に対して、その退職の際に報償を出す。こういうことで、大体十五年以上というのがちょうどいいところのように考えられますので、十五年以上勤続して退職する者に対して、その退職の際に二千円見当前後の銀杯を賞状に添えて、国として長い間御苦労だったという意思表示をして感謝の意を表する、現在こういう構想でおります。
#27
○川村(継)委員 わかりました。今の報償というのはそういう意味ですね。一人二千円ぐらいの銀杯をやる。私はまた、何か特別の非常に感謝の真心を込めた相当なものがいくかと思っておりましたが、じゃ大体今までやってこられました表彰式のときに心づけを出すという程度だと考えて間違いないわけでございますね。しかし、ないよりもいいかもしれませんが、ただ私が御配慮願いたいと思いますことは、いろいろ法律改正もできておるし、今度そういう制度が設けられるということは、決して否定すべきことではございませんけれども、何かだんだん、そのように全国の消防団を動かす場合に、あなたたちの方で集権的と申しますか、そういう機構にまで組み上げていく、これはちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、そういう考え方でこの報償制度等が設けられるということになりますと、事は簡単ではないのじゃないかと私には受け取れるわけです。法令の改正やらあるいは今のようなやり方が、そういう意味でやられるということになりますと、これはやはり十分考えていただかなければならぬのじゃないかと私は考えます。皆さん方に非常に努力はしてもらっておりますけれども、やはり消防というものは、私たちから見ましても、ほんとうに計画的な、そして慎重な消防計画というものがあって、しかも即応できるような即効薬と言っては語弊がありますけれども、訓練そのほか、その事態に即応できるところの態勢を作るというようなことが消防の実績を上げるゆえんではないかと思います。法令をいじくったりあるいは次長を置いたりというようなこと、これが不都合だとは決して言いませんけれども、それで消防の目的が達せられると考えてはならないと私は思うわけであります。そういう意味合いにおいて、やはり次長をお置きになったらそれだけの実績が上がるように、十分なる検討を願わねばなりませんし、報償制度が設けられるならば、それが何年か後に全国の消防をあなたの命令一下で自由自在に動かせるような、その素地を作るのだということに決してならないように、ぜひお考え願いたい、このように思うわけであります。
 そこでもう一つは財源の問題でございますが、資料によりましてちょっと見てみますと、「昭和三十四年度消防費の状況」というのが載せられておりますが、一般財源が非常に大きいわけであります。今日の市町村は消防関係に非常に大きな負担をしておるということは御存じのことだと思います。ところが、こういうものにも全然出てこない住民の負担が非常に大きいということもおそらく御存じであろうと思います。これをこのままにしておいてはならないということは、これは地方財政計画等の問題にからんで本委員会でもそれぞれの委員から指摘されているところであります。これについて消防庁の方としては一体どういうお考えを持っておられるのか、お聞きせねばなりません。こういうようなやり方でいいかどうか。こういうように一般財源が非常に大きいという状態をこのままにしておいていいかどうか。財源の方はこうしておいて、先ほどもちょっと申し上げましたように、法令をいじくったり、あるいは報償制度に先に手をつけるというようなこと、これを悪いとは言いませんけれども、そういう考え方でいいかというと、大きな問題だと思われますので、長官のお考えをこの際お聞かせいただきたい。
#28
○鈴木(琢)政府委員 市町村の消防財源が一般的に非常に少ないということはわれわれも遺憾に思っておるのでございます。大体消防費は年々市町村の総予算額の三・六%ないし三・七%程度でございまして、この割合からいいますと欧米等に比べて非常に少ない。従って消防の整備に非常に遺憾の点があるという現状で、まことに遺憾に存じておるわけであります。その市町村の消防費の総額はおおむね二百六、七十億というのが普通でございますが、それのほとんど大部分を交付税による一般財源が占めておるわけでございます。そのほかあるいは国庫補助あるいは起債というようなもので、市町村の消防財源を充実するように努力はいたしておりまして、年々ふえてはきておりますが、まだまだ不十分な点がございまして、今後ともそういった財源の充実、整備の強化というものにあらゆる面から努力していきたい、さように考えておる次第でございます。
#29
○川村(継)委員 これはやはりおろそかにしていただいては困る問題だと思います。本年もあなたの方の予算の中に、消防施設整備の補助に必要なお金は三千万円程度増額されてはおるようでありますけれども、これではもの足らない。今の地方財政の状況の資料を見ましても、消防施設の現況というところをちょっと見ただけでも、昔のような簡単なポンプからだんだん動力のポンプに非常に大きく移行しようとしておる。そうすると、手押しのポンプというものはほとんどなくなって、相当高い消防ポンプを購入しなければならぬ状態になっておりますし、そのことはそれだけ消防力を強めていくわけですから、施設にわずか三千万円ぐらい増額されたからといって喜べないわけでしょう。施設の推移から見ると、実に微々たる金額にしかならない。そうなると、消防施設費の大部分というものは、私たちもはだに感じて知っているわけでございますけれども、みなその住民の直接負担にかかっている。火を消したり自分の家を守るのだから、自分たちで金を出してもいいじゃないかとおっしゃればそれまでですから、そのことにはおそらく御賛成にならぬと思いますけれども、このような消防の活動、消防力を強めるということには国が当然それだけの財源を見てやるという責任があると思います。その点はぜひ一つ今後とももっともっと努力していただかなければならぬと思うのです。これは何年前でございましたか、私申し上げたことがあるのでありますが、全然今日まで手をつけられていない。消防施設強化促進法、これに基づいて政令があるわけであります。国の補助の対象となる消防施設を定める政令、これは二十八年でございましたか、作られたまままだ内容はそのままじゃないかと私は思うのです。これは改正なさいましたか。
#30
○鈴木(琢)政府委員 二十八年に設けられました促進法の強化充実につきましては、補助対象を多くするということと補助率を多くするということについて年々努力いたしておるのでございますが、いつも予算折衝において思うようになりませんで、補助総額はふえておりますが、補助の内容において、その率とか補助の対象については、その法律ができた当初から全然変わっておりません。
#31
○川村(継)委員 それがやはり先ほどからも申し上げますように、私非常に残念に思いますので、皆さん方に努力してもらわなければならぬと思います。今の政令を見ましても、機械器具、設備の二つの項目に分かれております。その機械器具の中に「消防ポンプ自動車、手引動力ポンプ及び小型動力ポンプ」これだけあげてある。設備に「火災報知機、消防専用電話装置及び防火水そう」こういうふうに書いてある。私が何年か前に特に強くこういう点で要望したのは、設備の中に火災報知機等についてもちゃんと補助が出るようになっているから、市町村の消防の火の見やぐら、こういうものについてもやはり国の補助の対象にした方がいいのじゃないか、こういうことを私は申し上げた覚えがある。これは火災報知機も、村に立っておる半鐘を打ち鳴らして知らせることも、実質は同じだと解釈しておる。そういうようなものをこのまま補助対象に入れないでおきますから、今日火の見やぐらを作るにしても相当な費用がかかる、それをみんな住民が負担しておる、こういうことでございます。もちろん国の予算折衝であなた方が苦労して、少しくらい増加したけれども、なかなか補助の率とか範囲を広げるわけにいかぬとおっしゃっておられますけれども、そういう点はもう少し実態をよくお調べいただいて、補助の対象にしていただく必要があるのではありませんか。そういう点について政令の改正はお考えいただけませんか。
#32
○鈴木(琢)政府委員 私どももこの補助の対象をふやし、また率を上げるということを心から念願しておることは、先ほど申し上げた通りでありますが、三十六年度の予算折衝の際にも十年計画、ものによっては五年計画でございますが、計画に基づく補助金、当初事務的には十七億ばかり要求いたしたのでございますが、結果としては六億八十という程度にとどまったわけでございます。今後なおこの増額につきましてはたゆまず努力していきたいと考えます。お話のありました望楼あるいは庁舎等につきましても、相当補助を出したいという気持はあるのでありますが、今申し上げましたような事情でそういうところにまで補助の対象を伸ばしていくことが非常に困難な実情にございます。望楼とか庁舎とかはそういった関係で起債の方でめんどうみるということで、さしあたりはやっておるような状況でございます。
#33
○川村(継)委員 それは消防庁はちょっと実態を御存じないと思うのです。起債となりますと、やはり町村の役場がやらなければならぬ。ところが火の見なんというのは村や町に一つあって済むわけじゃありませんし、いなかになれば特に町村合併等で広い区域になっておるし、やはり部落なら部落、町内なら町内にそれぞれ火の見やぐら等は必要になってきておるのです。そんなのを役場に頼んでも起債のあれにはしてやりません。そういうことはくどくど申し上げる必要はありませんけれども、うんとがんばっていただかなければならぬ。またつまらぬことを申し上げるようですけれども、次長さんをお作りなさるその熱意と同様に、それ以上にこちらの方にがんばっていただかなければならぬと思います。
 先ほど財政のことをちょっとお聞きしましたが、財政課長にちょっとお聞きしたいのです。今度の財政計画、交付税の算定において、消防は市町村関係で大体その増加を十億くらい見ておられるようであります。市町村関係の消防団員の報酬及び出動手当の改定に伴って十億くらいの増加を見ておられるようであります。これの積算の基礎といいますか、それはどういうふうになっておりますか。
#34
○松島説明員 消防団員の報酬並びに出動手当の改定を考えております。団員の報酬につきましては、昭和三十五年度におきましても、待遇改善の意味から積算の基礎になる単価の改定を行ないまして、一般職員等の給与改定等の事情もございますので、再び明年度におきましても改定を行ないたいということで考えております。具体的に申し上げますと、団長が現在積算単価が九千円になっておりますのを一万円、副団長が七千円を八千円、分団長が四千円を、五千円、それから班長を千円から千五百円、消防職員を七百円から千円というようなことを考えております。また出動手当につきましても、出動回数を現在年六回見ておりますのを十回にいたしたい、こういうようなことを計画いたしております。
#35
○川村(継)委員 消防職員を一名増加する、これもその一考だと思います。それから非常勤消防職員の報酬、これは今お話しのように、団長さんが九千円が一万円になるそうですが、これはあまり大きなベースアップでない。それから出動手当、これは今まで年六回だったのを十回にする。消防庁長官、この出動の十回というのは、一体現実にはっきり合っておりますか。
#36
○鈴木(琢)政府委員 出動回数、これは実際の火災の場合、それから訓練出動、全部を入れて計算しますと、地方によって非常に違いますけれども、年に十回なんということは普通はないわけでございます。ただ出動と一応いいましても、時と場合によっていろいろな意味の出動がある。それを的確に年何回、二回とか三回とかいうことをつかむことは非常に困難でございます。もちろん私ども今十回で十分だとは思っておりませんが、今後とも出動回数の問題につきましては、それから出動手当の問題につきましても、十分実情を検討して、改善を加えていきたい、かように考えております。
#37
○川村(継)委員 十回で多過ぎるとおっしゃったり、足らないとおっしゃったり、はっきりしませんが、もちろんこんなのはそんなにたくさんあってくれたんではたまったものじゃありません。なるたけ少ない方がいいかもしれませんが、これは十回、この辺でよかろうということで、ほんとうに実績をお調べになって考えておられないように私は思われます。そこで財政課長にちょっと聞きますけれども、一回の出動は一体幾らと見ておりますか。
#38
○松島説明員 一回の出動手当の額につきましては、実態調査等を参考にいたしまして、昨年たしか七十円であったのを百円に引き上げております。その後それは実態調査をもとにして是正をいたしましたので、本年も据え置きとしております。
#39
○川村(継)委員 長官、火事があって一ぺん出ていった。その手当が百円、どうでございますか。これは百円ずつ出し合って、機械でも洗ったら、そのあとで一ぱい飲むというそれだけの酒代にしかならないのですが、いかがです。
#40
○鈴木(琢)政府委員 消防団員の出動手当、その他の年手当にいたしましても、今日の社会情勢から申しますと、まことに低い感じがいたすのでございますが、大体消防団というのが義勇消防という考え方で発展して参った関係で、今日から見れば、結果的には必ずしもいいことばかりではない、そういったまことに工合の悪い面も出てきておるわけでございますが、そういった義勇消防という考え方で、無報酬で働くんだという考え方で発達して参りましたために、今日でもそういう状態に置かれているのじゃないかと思うわけでございます。しかし今日の社会情勢に適合した処遇を考えなければいかないと私ども常日ごろ考えておりますので、今後ともこういった出動手当とか年手当とかばかりでなしに、全般的に消防団員の処遇改善についてはあらゆる面から努力していきたい、さように考えております。
#41
○川村(継)委員 どうもふに落ちないというか、欠点だらけのようなことが目について仕方がありませんが、ことしの単位費用の引き上げでも、わずかに四十三円くらいの交付税の単位費用の引き上げになっております。これはおそらく財政課の方では、今のように十回とかあるいは団長の九千円を一万円にするとか、そういうものをずっと積み重ねてはじかれたと思いますけれども、すでにこの基礎そのものの中に非常に大きな問題が残っているということをはっきりわれわれは知らねばならぬ。そうして義勇消防で発達したとか何とかいう理屈であれば、今度の改正案に出て参りますような「消防団員の階級の基準は、消防庁が準則で定める。」というようなことは、おやめになった方がいいのじゃないか。こういうことが出てくると、私はまた、さっき言ったように、法令改正とか何かは皆さんの方で非常に統括しやすい形に持っていって、やるべき団員の報酬とか、そういうものについては全然努力がなされていない、こう言わざるを得なくなるわけです。こういう点は長官、十分お考えいただきまして、自治省と一諸になって努力していただきたい、このように考えるわけです。私はこれで終ります。
#42
○中島(茂)委員長代理 二宮武夫君。
#43
○二宮委員 時間がありませんので、関連して簡単に御質問申し上げます。政務次官にお尋ねしておきたいのでありますが、実は三月の十九日に荒木文部大臣が大牟田に参りまして、昨年の国会で通りました地方財政法の一部改正の法律の中におけるPTA負担その他の問題については、これは法律で三十六年の四月一日から効力を発することになっておるけれども、そういう法律通りにはいかないのだということを、記者会見で発表している事実があるわけです。これは文部大臣にじかに私は説明してもらわなければならぬと思いますが、法を守る閣僚の立場におって、こういうことはまことに不謹慎な言葉であると思うのですが、自治省としての所管の問題でもございまして、特に昨年の審議状況を見ても、第三項では市町村が持つべき負担でこれを個人に持たしてはいけないということを重点にしてこの法案は成立しているように思うわけですが、この点はもしそういうことを荒木文部大臣が言ったとすれば、当然波及するところが非常に大きいわけですが、政務次官の見解をお尋ねしておきたいと思う。
#44
○渡海政府委員 三月十九日に文部大臣が大牟田で発言された言葉がどういう意味で言われたか、私ただいまお聞きするのが初めてでございまして、この点につきましては申し上げかねるのでございますが、昨年財政需要額の中に九十億に上るところの税外負担解消のための財源を付与いたしまして、行政指導の面におきましてこれを指導して参りました。法定化しましたのも、従来のものをそのまま実施に移すことがなかなか困難であろうと思いますので、一年の期間を置きまして、三十六年度からの実施ということで、同時に財政法の規定もしたのでございます。私たちは三十五年度における行政指導の実績に照らしまして、ぜひこの財政法の規定が的確に行なわれるよう指導して参りたい、かように考えております。
#45
○二宮委員 ちょっとこの点確認しておきたいんですが、松島財政課長にお尋ねしますが、市町村の人口一人当たりの消防費の改正された単位費用は幾らになっておりますか。
#46
○松島説明員 三十五年度が二百五十二円三十銭、三十六年が二百九十五円三十九銭、差し引き四十三円九銭の増となっております。
#47
○二宮委員 消防庁の長官にお尋ねいたしますが、私もらいましたのはずいぶん古い昭和三十三年度の決算をもとにした資料しかないわけでありますが、特にその中で中小都市二十における消防の人員に対する調査の結果が出ているわけでありますが、これで調べますと、大体基準に照らして六千人程度の人が足りないという統計が出ておるわけですが、これを御存じですか。
#48
○鈴木(琢)政府委員 基準と実員との関係はお話しの通りでございます。
#49
○二宮委員 これはたまたま二十の中小都市に例をとった統計でございますが、こうした基準で参りますと、全国的に考えますときに、不足人員数というのはどうのくらいに把握しておりますか。
#50
○鈴木(琢)政府委員 現在の消防職員は全国で三万五千人余りございますが、大体われわれの考えております基準から申しますと、まず半数と申してもいいのではないかと思っております。
#51
○二宮委員 最も新しい消防庁における統計で、そうした人員の問題あるいは施設の問題それから出動回数、今出動回数というのは、火事のときだけの話をしておりましたが、私は、予防、査察という火事の起こらないときにもやはり出ていかなければならぬと思うのです。そういうものをも適宜に配当を考えまして、一番新しい計数で一人当たりどのくらいのお金が要るという計算ができておりますか。最近あなたの方でわかったのでいいです。
#52
○山本(弘)政府委員 ただいまの御質問は、消防職員一人当たりの所要額でございますか。ただいまのお話が、二十中小都市というお話に続いておりますので、消防職員と理解いたしますと……。
#53
○二宮委員 そういうことではなくて、負担をする方の側の一世帯あるいは一人当たりにどれくらい頭数にかぶっておるかというその計数です。三十三年度分はあるんです。あなたの資料の中で二百九十二円というのが出ておる。しかしそういうものでなくて、いま少し新しいものです。こちらの単位費用の方も新しいのを松島財政課長が出されたのですから、あなた方が予算要求をされる場合には、最も新しい、それに一致するところの計数というものを持たなければ、私は予算要求ができぬと思うのです、こういう計数でいったときには。
#54
○山本(弘)政府委員 大体消防の年報による統計が、期間の関係上、ただいままでは三十五年の消防の実態と消防の現況として出しまして、それには三十三年までしか正確な数字が上がって参りませんので、実はものによりましては、その一項目だけを抽出いたしまして三十四年がわかっている場合もございますが、現在といたしましては、三十三年というのが、われわれの出しているいわゆる最も新しい統計的数字なのでございますから、御了承願いたいと思います。
#55
○二宮委員 先ほど川村委員が指摘をいたしましたように、三十四年度の決算における地方財政の状況というのは、これは出てきておるわけです。三十三年のあれは、あなたの方で二百九十二円という計数が出ておるのです。しかしそういう計数では、あるべき消防の姿というか、あるいは基準に基づいての消防力というものは、私は予算要求の形としてはできぬと思うのです。結果的にそのトータルを出すのではなくて、やはりそういうものを一つ積み上げて、いろいろな予防査察なりあるいは建築に対する同意を求められた場合これを見に行く出動なり、そういうものを含めてやらなければ、いつまでたったって予算の要求というものはできないし、今私が渡海政務次官にただしましたように、税外負担というものに求めなければ消防力というものは力が発揮されない。こういう結果が招来されるんであって、従来はそれでよかったかもしれませんけれども、昭和三十六年四月一日からそうした税外負担をかけてはならないという法律が発効する段階になりますと、あすから発効になるのですが、そういう段階になりますと、どうしてもそういう財源を、市町村の財源あるいは県の補助、国の交付税あるいは国からの補助、こういうものに求めていかなければ、消防力の進歩向上というのはないんじゃないですか。そういう計数をあなたの方でお持ちにならず、ただくれるものだけをもらって、足りないものはイージー・ゴーイングでどこからか集めるという、そういう消防のあり方というものは、私は慎まなければならぬと思うのです。従ってもう少し計数の面で、なければなくてもいいのですが、そういうはっきりしたものを求める。こういう古いものではだめですよ。こういう古いものではわかり切っているんです。だから、今後はそういうものを計数として要求される場合に、交付税にたよっていけるのかどうか、あるいは税外負担というものが禁止された場合に、市町村の貧困な財政の中からそういう費用が出るのかどうか、そういうことになりますと、どうしても私どもとしては、別にやはり一つの構想を持たなければ、今の国民の安寧を保つための消防に対する期待というものを十分に果たし得ないのじゃないかという心配を持つわけなんです。これは消防庁に対する一つの援助的な立場で私はものを言っているのですから、悪くおとりにならずに、一つそういうものも含めて計数を検討してお出しいただきたい。
#56
○鈴木(琢)政府委員 消防統計が大へん古くてまことに恐縮なんでございますが、市町村から県を通じて消防関係のこまかい統計をとるのはだいぶおくれますので、お手元に差し上げておる資料も、決算から見ますと、三十三年度のものもあり、まあ早くて三十四年度、こういうことになっておって、おくれてまことに申しわけないのですが、今日の自治体消防の現状ではやむを得ない状況でございます。しかし私ども、市町村の消防充実のための計画というのは、十年計画を立てまして、それに基づく――これは昨年消防審議会の答申に基づきまして、市町村の消防力の基準というものを割り出しまして、人の問題につきましても、施設の問題につきましても一定の基準を設けております。その基準に達するのに五年計画ないしはものによって十年計画ということで、それを達成するためのいろいろな財政計画、これは財政局とも十分打ち合わせて計画を立てておるわけでございます。その計画と、ちょっと古いですけれども、この統計に基づく現状と照らし合わせまして、その計画に達するための五年計画とか十年計画とかいうものを立てておるわけでございまして、ばく然と予算を要求いたしておるわけではないのでございます。ただ、残念ながら、われわれの要求する通りの予算が十分獲得できないという点は、まことに遺憾でございますが、まあ実情はそういった計画に基づいて進めておるのだということを御了承願いたいと存じます。
#57
○二宮委員 市町村の消防に必要な人員及び施設の基準というその消防審議会の答申案が出ておるはずなんです。従って、これは一番新しい構想における一つのスケールというものが出ておると思うのです。これはあなた方の方で、現在の状況とそれとプラスして、一体こうなればどれくらいの費用負担が要るんだということの計数はわかるでしょう、わかりませんか。それを財政当局と相談してなどといったようなことでは、それはあなた方の独自性というものはないのであって、あなた方の方では、こういう一つの基準というものが審議会に基づいて出たら、この基準に達するためには、機材ではこれくらい、あるいは水槽、ため池はどれくらい、あるいは人員はどれくらいというようなもので一応の計数の整理をやって、それらに対する努力というのは日ごろからやっておらないと、これは幾ら答申案が出ましても、進歩向上というものはあり得ない。そういうものが出て、これだけは何としても確保したいというときに、その分からの現在の状況を差し引いて、それで初めて予算要求というものができるわけなんだと思うのです。そういう三十三年度のものを唯一無二のものに持っておって、そういう古めかしいものを持っておって、予算要求をやられておるような状況では、とても私は信頼のできる消防にはなれぬと思うのです。そこで、ここにはっきり市町村における消防の基準、人員及び施設の基準というものが出て参りましたら、これに対する計数ぐらいなものはあなた方の方ではっきり出して、大体こうなれば一体どれくらいのあれが要るんだというくらいの必要があると思うのですが、これはやっていないのですか。
#58
○鈴木(琢)政府委員 この基準に基づく計画は、現在作業をやっておる最中で、間もなく決定いたすことになっておりますが、統計は三十三年あるいは三十四年の古いものでございますが、それと今日と非常な開きがあるかというと、そう大きな開きはないわけでございまして、まず三十三年度あるいは三十四年度の計数を見て大体現状と見てもそう大きな違いはないと思います。ただそれと、その基準に基づく計画との差ははっきりと出てくるわけです。それの財源措置は交付税でどう見るか、あるいは補助金の関係あるいは市町村自体の負担の関係というようなことを計画を立てて、これは全部が国費で見るわけではないのでありまして、主として市町村の一般財源で見るわけでございます。なお交付税とはもちろん関係があるわけでございますが、町村自体に計画を持ってもらわなければいけないわけです。町村自体がそういった五年計画なり十年計画を立てるその基準として、昨年答申を受けました審議会の答申に基づく基準をきめるわけです。ですからもちろんわれわれも、国でめんどうを見るべきものは、なるべくよけいめんどうを見るように努力をしなければならぬことは当然でございますけれども、自治体消防の増強のために、市町村自体も一生懸命になってもらわなければいかぬと思っておるわけでございます。それの基準を一応示すということになっておるわけでございます。
#59
○阪上委員 関連して。この際ちょっと伺っておきたいと思うのですが、消防団の運営に要する一切の経費は、当然公費でもって見るべきものであると思うわけです。この点について、消防庁の長官の考え方を一つ伺いたいと思います。
#60
○鈴木(琢)政府委員 もちろん消防に関する経費は、市町村が公費でこれを見るというのが原則でございます。法律にもさように規定しております。ですから原則としましては、市町村の経費で、公費でまかなう、それに対して補助金その他を出しておる、こういうことに原則としてなっております。
#61
○阪上委員 原則という言葉を非常によく使うのですが、これはおかしいと思うのです。消防組織法では、はっきりと消防団を認めておるのです。従ってこれに要する一切の経費というものは公費で見る。国で見るとかあるいは市町村で見るとかいうことは別といたしまして、この点についての見解をはっきりさせていただきたいと思います。税外負担との関係がある。この点どうですか。
#62
○鈴木(琢)政府委員 現実の問題といたしましては、先ほどもちょっとお話がありましたが、寄付等の特別な財源を求めておる場合がございますが、原則として法律に書いてありますように、消防は市町村の公費でまかなうという建前でございまして、私どもはそれ以外の無理な財源を求めるということについては、もちろんこれは抑制しなければいかぬと考えております。
#63
○阪上委員 私は出動した消防団が、あるいはまた出初式その他でいろいろと儀式をやったあと、あるいは機械の点検等を部落でやった。そういった場合に消防団が一ぱい飲む酒の額までも公費で負担すべきものだと思うのです。今私は一つの極端な例を言っております。一体消防庁は、そういった点についてはっきりした考え方を持っておりますか。国で見てと言っているのじゃないのですよ、公費で見るべきものかどうかという点について、もっとはっきりした考え方があってしかるべきだと思うのですが、どうでしょう。同時に政務次官にお伺いいたしますが、同じ考え方について、自治省としては実際そういうふうに考えておられるか、同時にまたそういった措置をとらしておられるか、こういうことについて伺いたい。
#64
○渡海政府委員 原則として私は公費で持つべきものである、かように考えます。ただし、従来からの運営のあり方につきまして、しからばどの程度の運営が適正なる運営であるかというふうな点で、いわゆる税外負担による運営ということが行なわれておるということも事実でなかろうか、かように考えております。しかしながら、私たちはあくまでも税外負担の解消をはかりまして、近代的な消防に切りかえなければならない、かように思っております。昭和三十四年度から五年度に移ります際は、特に財源を与えまして税外負担の解消を行政指導いたしますとともに、本年は法定をされましたので、この分につきましてもこれで十分とは申されませんが、約三百億近い財政需要額に、消防の面も上げさせていただいたような次第でございます。なお私、この面につきましてただいままでに種々長官との間に御議論があったのでございますが、近ごろの火災の状態また消費生活の状態で非常に技術的な部面がふえてきたのではなかろうか、かように考えます。従いまして、消防そのものも昔のようなものでなくて、相当技術的な知識を要するという面がふえてきたのではないか、かように考えております。ところがただいま消防長官からの答弁にございましたように、現在常設消防が予定しております数の半分に足らないというふうな姿でございます。常設消防を設けましても非常勤の消防団が必要であるということももちろんでありますが、その反面現在の消費生活の状況から考えまして、常設消防、いわゆる技術を持った消防団の整備拡充というものも必要になってくるのではなかろうかと思います。このために設備機械等におきましても、非常に近代化された予防器具が要るというふうな点も指摘されてくるのではなかろうかと思いますので、設備の部面と、また消防の各市町村における拡充という面と、両方あわせ考えまして、地方財政の現況を勘案しつつ、計画ある消防態勢の確立ということに邁進しなければならない。特に自治省の外局に消防庁がなりました点にかんがみましても、これらに対する計画的な整備を今後はかっていかなければならない、このように痛感いたしておるような次第でございます。
#65
○阪上委員 常設消防化していこうという考え方は私は正しいと思うのですが、計画通りなかなか進んでおらない、こういうことであります。私はこういった問題につきまして、消防団の問題にからんで将来の方向というものをもう少し真剣に考えておかなければいけない、こういうふうに思うのであります。この点は一つまたいずれ機会を見て質問を申し上げたいし、意見も申し上げたいと思います。
 一つだけ最後に簡単に聞いておきますが、常設消防職員と常勤の消防団員とはどういう区別があるのですか。
#66
○鈴木(琢)政府委員 常設消防団は消防職員と同じ処遇を受けております。
#67
○二宮委員 三十三年の計数と三十六年の計数はあまり変わらぬのだというようなお言葉は、議事録に残されては困るのです。そういうばからしいことはないはずです。というのは、人員ですでに三万五千の欠員が、人がないという問題もあろうし、設備の問題もあろうし、あるいは今から都市のまん中に水槽を作るといっても、地価が上がってなかなか作れない。いろいろな物価騰貴の問題も含めまして、今のような三十三年度のあなたが持っているような計数が、三十六年度の計数とあまり変わらないのだというような答弁はお取り消しになった方がいいと思う。そういうようなことでは消防庁というものはいつまでたっても伸びませんよ。はっきり申し上げて、そういうような古い頭を持っておったのでは、とても住民の皆さん方の御要望にこたえるような消防庁には伸張しませんよ。そういうことを言われると、今後の交付税の問題も関係があろうし、あるいは予算獲得の面にも関係があろうと思う。あなた方がそれをお持ちになってないだけであって、新しい基準に基づいての消防の状態から見ますと、一人当たりの負担は非常に大きくなってくると思う。三十三年度と三十六年度は変わらないというようなお言葉はお取り消しになった方が妥当だと思う。
#68
○鈴木(琢)政府委員 私の説明が少し言葉が足りなかったのでよく御理解願えなかったかと思うのでございますが、現在の市町村自治体消防のさまざまな統計を集めますのには相当な日にちがかかりまして、ごく最近の完全な統計というものは今日においては不可能に近い状況であります。それで、われわれが現状を統計的に調べるのには、ここにあります一年の的確な計数というものは、お手元の資料以上の最近のものは持ち得ない。推定を入れれば別ですが、推定を入れたのではまた非常に不確実のものになります。私が先ほど申し上げましたのは、消防力の基準に基づいた一つの計数をはじき出す、必要額をはじき出す、それと現状との差を見て、それを五年なりあるいは十年なりで充実していくのには年々どういう計画で進んだらいいかというその年度計画を立てるのには、別に三十三年あるいは三十四年の資料を最近の資料として、これを基礎にしてもそう大きな間違いは出てこないということを申し上げたのでございます。それ以外に方法がないものですから、三十五年、三十六年の最近の統計をすぐに全国からよこせと言いましてもなかなか出てきませんので、やむを得ずこれを基礎にしておるということでございます。そういった意味で先ほどお話し申し上げた次第でございます。
#69
○中島(茂)委員長代理 門司君。
#70
○門司委員 一つだけ聞いておきますが、私の聞いておきたいのは、問題がちょっと違うかもしれませんが、私は消防法十七条の改正をこの際ぜひしてもらいたいと思うのです。法文を読んでいただけばわかりますが、十七条には消防施設その他が書いてありますが、この中には国宝が抜けておるのです。文化財に対する施設が何も書いてない。これは文化財保護法の三十六条に一応書いてあります。同時に同法の三条にもややそれに近いことが書いてあるわけです。だからそれにゆだねてあるかとも思いますけれども、たとえば日光その他の火災を見てみますと、私は文化財保護法の三十六条に火災予防についてはということだけではいけないと思う。これは消防法の中に市町村が十分責任を持って守れというようなことをぜひ一つ入れておいてもらいたいと思う。最近は国宝がむやみに焼けて、実際の日本の国情からいえば弱っているのです。これについては消防法では何も規定を設けておらない。十七条に書いてあるものにはこれが抜けておるということです。映画館や何とかいうものについては、これを施設しなければならぬと義務づけておりますけれども、国宝の問題については抜けておる。従って、文化財保護法の三十六条あるいは三条だけでは不十分だと思いますので、消防法にも、文化財については地方自治体では十分責任を持って、また消防関係も消火施設その他については十分責任を持ってやるということを規定しておいてもらいたい、こういうことを頼みたいのですが、これについての意見だけを聞かしておいていただきたい。
#71
○鈴木(琢)政府委員 昨年改正していただきました消防法の十七条に基づく政令に、ただいまお話しのものを対象に入れております。「文化財保護法の規定によって重要文化財、重要民俗資料、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律の規定によって重要美術品として認定された建造物」これを防火対象物として政令の中に入れております。
#72
○門司委員 政令の中に書いてありますが、問題は、やはり本文の中にはっきり入れて、そうしてこれの責任を市町村にある程度分担してもらう。こうこうしなければならぬとかなんとかいうほかの規定はずっとありますが、ただ所有者だけにまかせておるものですから、ああいう形が出てくるわけです。
 それからもう一つは、立ち入り検査等についてもやはり十分手がつけられるような形をとるべきだと思う。文化財保護法を見てみますと、大体所有者が責任を持っておって、防火については、三十六条にただ「防火」という字があるだけであって、ほかに何も書いてない。そういう修理だとか、あるいは棄損した場合とかいうことはたくさん書いてあるのだけれども、防火については書いてない。だから、この前の改正で、今の政令でいいといえば政令でいいかもしれませんが、私は、どうしても本文に入れて、もう少しはっきりしておいていただきたい。こういうことですから、改正されるならその辺を一つ考えて改正してもらいたいということだけ、この際申し上げておきます。
#73
○中島(茂)委員長代理 次会は来たる四月四日開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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