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1960/03/01 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第3号
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1960/03/01 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第3号

#1
第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第3号
昭和三十六年三月一日(水曜日)
   午後二時二十八分開議
 出席小委員
   小委員長 簡牛 凡夫君
      岡田 修一君    金子 一平君
      高田 富與君    細田 義安君
      米山 恒治君    平岡忠次郎君
      広瀬 秀吉君    堀  昌雄君
      安井 吉典君    横山 利秋君
 出席政府委員
        国税庁長官   原  純夫君
 小委員外の出席者
        大蔵事務官
        (国税庁直税部
        長)      白石 正雄君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
三月一日
 小委員安井吉典君同日小委員辞任につき、その
 補欠として広瀬秀吉君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税の執行に関する件
     ――――◇―――――
#2
○簡牛小委員長 これより会議を開きます。
 税務行政に関する諸問題について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀小委員 前回いろいろと国税庁の方からお話を承っておるわけですが、大法人のための調査のスタッフが今度設けられ、詳しく調査をなさるということで、私も大へんけっこうだと思うのですが、実はその前に、この前いただいた資料の別表の一で、昭和三十四年度に一億円以上の資本金の会社で査察が行なわれて、申告所得の総計が四億八千五百万円余りに対し調査所得額は七億四千二百万円余りというのが三件も出ておるわけですが、これの実情というのは、大体どういう業種の会社であって、この金額、約五〇%の増が出たのは一体何に基づくものであるかという点を、会社の名前はいいですから、ちょっと承りたいと思います。
#4
○原政府委員 どういう会社でどうというなには、今ちょっと資料がなくてお答えできませんので、次会までに調べまして申し上げます。その際、今お話がありましたように、会社の特定性はなるべくぼかしませんとなんでございますので、その辺は一つ御配慮いただきたいと思います。
#5
○堀小委員 その後実は私、ここに出ておりますのは三十三年度と三十四年度しかないわけでございますが、もう少し前には、このような大きな資本金の会社ではこういうことはなかったのかどうか。五千万円以下についてはいろいろと数も多くありましょうし、問題ないのですが、一億円以上の資本金の会社となると、こちらで拝見をしますと約千八百ぐらいしかないということになっておりまして、その中で相当大規模な脱税が行なわれておるということは相当問題があろうかと思いますので、過去の分も含めて、こまかいことはけっこうですから、大体あったのかなかったのか、件数その他について伺いたいと思います。今度特にいろいろと調べられておると思うのでありますけれども、その場合に、結局私どもが今一番問題になろうかと思いますのは、たとえば鉄鋼でございますと、八幡とか冨士とか、いわゆる超マンモス企業というものははたしてどの程度にわかるのかという問題が一つあると私は思うのであります。というのは、あれほどの大きな企業になりますと、全体がわかっておる人はほとんどいないということじゃないかと思うのです。その中にいる人たちでも、部分的にはみないろいろと知っておるでありましょうが、それほど大きなものになると、全体をどういうかっこうで把握するかという点は私は非常に問題が出てくると思いますし、この前ちょっとお触れになりましたいろいろな品物が入ってきて、それが出ていく間のいろいろなものの評価の問題とか、そういう点についてもはたしてどの程度にそれが把握できるものかも、実は私どもしろうとでありますけれども、なかなか困難な問題ではないかと思いますので、そういうふうな点については一体どういう基準といいますか方法といいますか、いろいろなものをお調べになる一つのルールか何かがあるとすれば、それは少なくともこの基準を越えればどうだというような点について伺いたい。なぜ私がそういうことを伺うかと申しますと、大きいところの基準と小さいところの基準というものが非常に私問題になってくると思うのです。大きなところはその基準の幅が非常に広くなってきて、小さいところへいくほど何かそういうものを調べる場合に基準の幅が狭くなるということになりますと、シビアの程度というものが企業の大きさによって変化が起こってくるという問題もその裏側に続いて出てくる可能性があるのではないかというふうに考えますので、そういう面を含めて一つお知らせをいただきたいと思います。
 きょうはその問題はこのくらいにして、次に一つ伺っておきたいのは、この前委員会で私が申し上げました青色申告のいろいろな取り扱いの問題でありますけれども、この青色申告の取り扱いの問題は、厳密に申せば、私がこの間申し上げたようなことになろうかと思います。しかし一時は相当多数の更正決定が出ていたものが、今は非常に少なくなったということは、運営上の問題としてはやはり弾力があるということの現われだろうと思うのであります。運営が非常にストリクトに行なわれておれば更正決定その他ももっと出てくるというのが現状ではないかと思うのですが、それが比較的減ってきたということは、運営上多少弾力がある。そうするとその弾力のあり方が今度は次に問題になってくるのではないかというふうに感じるわけであります。たとえばいろいろなものが否認をされる場合に、私関係者の方に聞いてみますと、結局記帳のおくれだとか――たとえば調べにいくと、記帳が五日間おくれている、そうするとそれについて注意を受けるとか、なるほどある結果として見れば記帳が全部できておるけれども、その経過の中で、記帳がおくれておるということは信憑性について問題が多少出てくるわけでありますから、そういうふうな点だとか、いろいろ個々の問題について、五日間おくれている場合はどうだけれども十日になったらどうするとか、いろいろとそこには量的なものの判断というものが、今の弾力的な運営という関係で生じて参る可能性があるというふうに私は感じておるわけであります。そこで、青色申告指導の建前としては、大体そういう記帳の取り扱いについては、どの程度までは一応認めていこうという方針なのか。もちろん完全であることに越したことはありませんから、皆さんとしては、それは完全を要求されるのは当然だと私は思います。しかし、その完全を要求する部分と青色を取り消すという部分との間に幅が少しある。この前私が申し上げたような格好で言うならば、不完全であるからすぐ取り消しにくるというのは、理論上はそうだと思うのでありますが、運営上はその間に少し幅があるとするならば、そういう運営上の幅というものは、どの程度に現状として理解されておるのか、この点について、少し伺い方が抽象的に過ぎてお答えしにくいかもわかりませんが、お答えいただける範囲で一つ……。
#6
○原政府委員 ただいまのお尋ねは、青色申告納税者の記帳の仕方が十分でないという場合に、それをすぐに取り消しに持っていくか、あるいは相当事情をしんしゃくして扱っておるかということと伺いましたが、青色申告納税者の中にも、もうこれは御案内の通りいろいろございまして、非常にいい記帳をされる向きと、記帳が非常におくれている向きとございます。そういう場合に、私どもの態度でありますが、まあ感覚的に言いますと、それをきつ目に取り消していくということよりも、むしろ、せっかく青色になったのだから何とか記帳を改善するようにというような方向でいくというかまえでやっております。従いまして、取り消しの数字が、これは所得税の関係を中心に申し上げるとして、所得税につきましては、三十三年分について六千三百八十件、三十四年分は六千百十件、全体の青色申告納税者が六十万近くでございますから、約一%程度ということに相なっております。その度合いがどの程度かというのはちょっとここでは申せませんが、相当事情を考えて、なるべく取り消しをしないという態度でやっておると言ってよろしいと思います。
#7
○堀小委員 そこで私は、やはりこの前からだいぶ委員会で論議をいたしましたけれども、青色申告は毎年行なわれておるわけですね。そうすると、私はちょうどこの前の法人の問題についても、同じことが行なわれておるのじょないかと思うのですが、おそらくその申告をする人々には、私はくせがあると思う。これはわれわれが自分たちの世界で診療報酬のいろいろな問題を調べてみましても、いろいろ請求をなさる点に無理がある場合にはくせがありますが、おそらく個々のそういう申告者自体についても、いろいろなくせがあるだろうと思います。そのくせという表現がどうかわかりませんけれども、しかし、申告について毎年そういうことが起きるということは、やはりその指導のあり方にも多少私は問題があるのじゃないかと思う。ですから今ここで表に出ておりますのが取り消しは一%だということだと思うのですが、今度は逆に完全無欠な青色申告はどのくらいあるかということになると、これも実は私は、最近のいろいろなあれを見ると、案外少ないのかもしれないという感じもいたすわけです。ただ、これは取り消しだとか更正だとかという形にならないだけであって、そこでは、この前の話し合いによって何らかの結論が出つつあるということになっておるのではないかと思うのでありますけれども、やはり、私は、そうではなくて、青色申告をするならばするような方向への指導というものが行なわれて、個々にそういう人たちのくせというものが系統的に、少し分析をされるならばこの人はどうも売り上げが少し抜ける傾向があるとか、あるいはいろいろなそういう特定の傾向というものは出てくるのではないか。こういうものについては、結局問題になる部分はそんなにたくさんはないと思います。ですから、そういう点の指導というものももう少し積極的に行なわれて、そうして、特に私が感じておりますのは、最近は納税組合その他いろいろな団体をもって青色の方は処理されておるようでありますけれども、やはりそういう部分についての誤りを傾向として指摘して、ある程度その誤りが直らない場合には青色の取り消しもやむを得ないというような格好の指導というものが少し行なわれる必要があるのではないか。青色の取り消しを出すことが私は目的だとは思いませんけれども、やはりそういう青色が青色らしくならないと紛糾する問題が常にいろいろな形で出て参るのではないかという感じがいたしておるわけでありますから、そういう指導に対しては、現在はどういう方法がとられておるのか、一つ承りたいと思います。
#8
○原政府委員 青色申告納税者の記帳あるいは申告につきましての、不十分な点を指導していくという問題は非常に大事な問題で、おっしゃる通り、くせもあると思いまするが、私の感じでは、何よりも記帳を励行するということが中心ではないか。売り上げを除外といいますか、漏れるといいますか、意識的に除外するということになりますと、これは青色申告がかえって脱税の一種のカムフラージュみたいなことになりますので、こういうことがあっては困る。やはり漏れるというような場合、これはまあ広く言って今申した記帳度合いが、記帳態度がまだ十分でないといいますか、そういうようなことが一番問題だろうと思います。そこでこれはやはり時間はかかりまするが、経営を合理化し、近代的な、科学的な経営をやっていくためにはまさに必要なものでありますから、そういう角度からも申し上げてやっていただくというわけで、税務の調査に行きます場合も、そういうかまえでやっていると思いますが、なお詳細は、一つ直税部長が参っておりますので、直税部長から申し上げさせたいと思います。
#9
○白石説明員 青色申告に対しまする更正決定のやり方、あるいはこれに対しまする指導のやり方ということにつきましての御質問でございますが、お答えといたしましては、ただいま長官からお答えいたしたところに尽きておるわけでございますが、従来からのやり方を考えてみますと、青色申告が発足いたしました当時におきまして、何と申しましても、青色をまず量的に育てなくちゃならないということから、いわば質的な面よりもむしろ量的な拡充をはかるということを第一の目標としてやっていったわけでございます。御承知のように、すでに十年の月日がたったわけでありまするので、量、質とも一つりっぱなものに育て上げなくちゃならないということで最近はやっておる次第でございます。具体的な場合におきまして、従いまして、そういった重点の置きどころの若干の変遷はありまするけれども、それは具体的な税務署の指導の窓口におきまして、今御指摘になりましたように、こういう点までは記帳は認めるが、これ以上の点については更正決定するというようなことは、何と申しますか、実際の個々の具体的な問題でございまするので、一般的な方針といたしまして、そういった基準と申しますか、そういったものを作るというわけにもなかなか参りかねるかと思うわけであります。大体の方向といたしましては、今なおやはり青色申告につきまして親切に助長をはかるという意味から、できるだけ更正決定はやらずに、指導の面におきまして指導をしていくという方向をやはり続けておるわけでございまして、中にまあなかなか悪質であって、その指導になかなか乗ってこないというようなものにつきましては、これはやはり更正決定をやる。従いまして、また調査といたしましても、事前調査というようなこともやっておりまして、これはまだ申告の出てこない前の段階でございますので、そういった点では、記帳を指導し、あるいは記帳がただいま御指摘になりましたようにおくれておるような場合におきましては、漏らさないようによくやれというような指導をいたしまして、なるべく指導という立場からりっぱな申告をやっていく努力をいたすというように努めておる次第でございます。
#10
○堀小委員 そういう指導もけっこうなのですが、そこで、この前ちょっと触れました効率表とか標準率表ですね、こういうものをもとにして売り上げ額といいますか、それを推定される場合が、私は、現状では青色でもおそらくあり得るのではないか、こういうふうに思うのですが、青色の場合には、そういうことで、どうもこの業態に比してこの収入は異常に少ないという場合には、やはり何らかのそういうものさしではかって、これはこのくらいではないかということが出てくると私は思いますが、それについては、青色の場合には何かそれを引き出すための資料か何かと比較してやっていらっしゃるのか。大体はこうじゃないかということでやっていらっしゃるのか。落ちているという問題については、向こうが自発的に出してくれば簡単だと思うのでありますが、それは事実今のは二つ問題があって、意識している場合には問題は別でございます、しかし、無意識な場合には実はわからない。本人もそれを別に隠す意図でないとすると、そこに出ていないわけです。しかしまああなたのところはこのくらいの売り上げがあるじゃないかということで、こういうことが出たときの取り扱いというものは、現状では大体どういう方針で処理をされておるか。
#11
○白石説明員 具体的に税務の調査の結果、更正をやると申しますか処分をやるという段階と、その前の指導の段階とはやはり区別して考えなければならないかと思います。実際問題といたしましては、なるべく指導の面から、納税者と対立するような形にならずに、円滑に行政を進めていきたいという面から、指導の面を強調いたしておりますので、その段階におきましてはいろいろの話し合いと申しますか、そういうことが行なわれると考えられるわけであります。その段階で店先に臨みましていろいろ調べてみますと、どうも売り上げが少ないようではないか、在庫あたりから見ましても記帳がどうであろうかというような段階におきましては、いわゆる内部的に推定の
 一つの資料として効率あたりを頭の中に浮かべながら、ほかのところの店ではこの程度の売り上げがある、従業員数からいけばこの程度ありそうだが、お宅は一体それで十分であろうかというような、いわば指導と申しますか話し合いの段階もあろうかと思うわけであります。しかし、これはあくまで諸般の状況から一つの類推をする段階でありまして、これを取り上げてどうのこうのということはどうかと思うわけでありまして、最後に更正をやるとかあるいは修正申告を具体的に指導するという段階におきましては、さらにもっと具体的な資料を重ねまして、そうして行政処分の段階に移る、かようなことに相なろうかと考える次第でございます。
#12
○堀小委員 そうすると、ここだけはっきり伺っておきたいのは、指導の範囲ではあまりそう詰めた調査に基づかない指導が行なわれる、処分段階になると相当調査がはっきりして、資料に基づいて処分をする、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
#13
○白石説明員 私が申し上げましたのは、考え方として申し上げたわけでございまして、具体的には、税務の職員が調査をいたします場合に、この段階は指導の段階であって、この段階は調査の段階であるということでなしに、それが一体として、調査として行なわれるわけでございまするけれども、しかし調査も、あくまでも指導という面に重点を置きましてやっておる、かように申し上げておるわけでございます。従いまして、事柄が二つに分けて行なわれるわけではございませんので、考え方といたしまして、そのような考え方で行なっておるということを申し上げておる次第でございます。
#14
○堀小委員 今のお話でその気持は了解をいたしますけれども、私どもが最近感じております一番気になります点は、この前どなたかもおっしゃっておりますけれども、税制が改正をされると、本来ならば税は減るわけなんですね。ところが現実に見ると、常にふえておる。税制改正をされて形の上では減税になったけれども、大体ふえている。それは業種によっていろいろ違いましょうが、ふえているということで、一般の業者の諸君は、減税というのは非常に形式的なもので、実際は、減税したらそれにも増してまた税収の方はふえるような仕組みになって、われわれはどうにもならぬというような一般的な声があるわけであります。この前も、私いろいろと主税局長その他から、予算上の伸びの問題あるいは今の所得金額の伸びの問題というようなものを実はいろいろ伺って、昔は何か相当対前年度比その他が重視されたが、最近はそうでないというふうにお話は承るのですが、どうも現状の姿を見ると、必ずしもそうではなくて、相当伸びるようなふうになっておる、それが実態なのかということになると、これはもちろん議論のあるところでありますが、それは伸びないのがあたりまえなのか、伸びるのがあたりまえなのかといえば、今の経済の伸長の度合いからいえば、これは当然伸びることでありましょうけれども、その伸び方や何かという面に、どうも一般の人の側としては、もう一つ納得のしがたい要素が見受けられる場合が非常に多いものでありますから、そこで今の青色の問題についても、どうもそういうような伸びというものが相当に影響しておるような感じを受けるわけであります。そこで私どもが最近非常に驚きますのは、いろいろな租税の自然増収というものが当初に予想されたより非常に著しく大きく出てくるという中にも、もちろんこれは個人事業所得については、今度の年度末で調べてみなければわからないことでありましょうけれども、どうも当初の見込み額に比べると、あらゆる税において自然増収が非常にたくさん出るという、この自然増収というものの問題の中に、私どもはさらにちょっとそういう税の取り扱いとの関係で、これがほんとうに正しい自然増収なのか、あるいは何といいますか、全体の伸びがこうだからこのくらいになるのじゃないかということになれば、自然増収というものは当然ふくらんでくることになるわけでありますから、そこらが少し、当初の見込みが甘いのか、どちらか、それは私どももよくわかりませんけれども、この幅が少し大き過ぎるということは、税の取り扱い上にどうも私ども不審な点が多いわけでありますが、税を取る立場としては、そういう点は一体どんなふうに考えておられるのか。
#15
○原政府委員 自然増収が大き過ぎる、これについて執行面の立場でどういう感じ、どういう考えであるかというお話でございますが、これは主税局の方から御説明申したと思いますが、ただいまのお話の自然増収といいますのは、一般の伸びと、予算以上の伸びと、二段になっておるわけでありまするが、経済が伸びて、そして国民の所得がふえる、そのために直接税、間接税いずれも増収が出、その伸びが予算で見ました予想以上でありますと、予算をこえるところの増収が相当出て参る。その際に、大体間接税系統のものは、国民所得の伸びが予算を上回ったものとかなり近い関係をたどる。税の種類によってこれも違います。やはり物品税のようなものは、かなり奢侈的な、必需品から非常に遠いものにだんだん集中してきておりますから、こういうものは景気のいいときに伸びが特によろしいというようなことがございますが、間接税系統は、大体国民総生産、国民所得の伸びと違っても、何割かの違いでいく。ところが直接税、特に所得税、法人税におきましては、そういう伸びがあります場合には非常に顕著な伸びを示すのであります。これはいわば税の構造自体がそうなっておるということが一つと、それからもう一つ、執行面に関係がありますのは、年度の区分が、仕事が機械的にずっと流れておる態勢になりますと、そこの年度の間の実際上の調整がきかないというような二面あると思います。
 制度的な問題として申せるのは、まず所得税から申し上げますと、所得税で所得が一割ふえるという場合に、税は一割ふえるかといいますと、御案内の通り、所得税には控除というものが相当ありまして、四十万円の所得のある人でも、控除で三十万円控除されてしまいますと、税率を適用される課税所得が十万円しかない。四十万円が一割ふえますと、四万円ふえるわけであります。今まで十万円だった課税所得が四万円ふえるので、それだけで四割ふえる。つまり一割の所得の伸びは四倍の税収の伸びの割合になるというようなことになります。その上にまた、上積みになりますと、税率が高いところに入るというようなことが起こりますので、所得税においては、国民所得の伸びに比べて何倍かの税収の伸びがあるというのが基本的な構造であります。それから法人税につきましては、控除というものはございませんが、なお申し上げることは、法人税だけでなくて、所得税の中でも事業所得については当てはまることでありますが、伸びのいいときといいますのは、事業家にとってはコストが下がるときであります。というのは、御案内の諸経費が少なくて済むということになります。その上、景気のいいときには、物価がえてして強含みになる、仕入れたときよりも売るときの値段が高い、そういう物価上昇による値幅というものが入って参る。それは前の期にはなかったわけで、こつ然と出てくるわけですから、普通の伸びに比べましてかなり大きな伸びが出て参ります。これは所得税でも事業関係の所得税については同様なことがあるのですが、法人税では特にそれが顕著でありますので、法人税の見積もりの際には、生産が何%伸びる、物価が何%上がる、その相乗積分は法人税もふえるであろう。しかしそれを越えて、景気のいいときには、さらに五%とか一割も伸びますし、嫌気が悪いときといいますか、景気のよさが減ったとき、普通に伸びるというときでも、前期、前年非常によかったという次の年には、普通に堅実に伸びても、やはりそういう意味では前年の一時的な増がなくなりますから、減るのです。それを私どもの見積もりでは所得率という名で呼びまして、所得率が高いときは一一〇、低いときは九〇というようなのがよく議論する場合の率でございますけれども、場合によって、それをもっと上回ったり下回ったりする実績が出るようなことはございます。この辺が構造的に見た国民所得の伸びとはるかに違う伸びが見られるということであります。今の法人税の場合の所得率一一〇という場合を考えますと、国民所得が一〇ふえました、生産物価ですか、それで出たものにさらに一〇ふえることになりますから伸び分としては一〇プラス一〇で倍になるというようなことになるわけですね。一一〇にもなるというのは相当なことでありますが、かなり景気のいいときのことでありますけれども、それにしても今申したようなかなり大きな倍率で国民所得の伸び以上に伸びるという事情があり、またそれは伸びが国民経済がスランプになったり、あるいは神武景気とか岩戸景気とかのあとの年には、こぶがとれるという意味でかなり顕著な下落を示すというようなことになります。この辺が構造的な問題で、たまたま三十一年ごろ以来いわゆる神武景気、岩戸景気と二つ大きなこぶがあった。その間三十三年の税収は、実は補正予算で見ました数字より若干赤字が出たのです。そういうようなときもございました。三十六年度はそういう意味では非常にブームの年ではなくて、むしろブームの若干あとになりそうだというような感じがいたしますが、構造的な、制度的な問題としてはそれがある。
 そのほか、執行面から申しますと、大体制度が申告納税制度になった。昔は全部賦課課税でありますから、賦課の政府の処分が発動する時期について必ずしも法律的にはっきりした制約があるわけじゃないから、率直に申しまして、年度の財政の状況を見まして年度末に賦課を行なうかあるいは年度を越してから行なうかということがかなりやはり裁量にゆだねられておった。ところが現在はとにかく大部分は申告で納まる、申告で税額がきまるわけであります。それは三月三十一日なら三月三十一日に法人の場合でありますれば申告があるものはあるということになって、あと更正決定で増差は出ますけれども、これは総体からいうとかなりに小さい割合である。しかも私ども税務行政の態度として、あまりそういうことで国の都合で年度をどうするというようなことをするのもいかがかということで、それらは私どもは大体税務行政は税務行政として最も能率がよく、かつ納税者にも御都合がいいようなつもりでずっと年間の計画を組んでおりますので、そういう意味では税務行政が昔に比べてオートメというと少し言い過ぎでありましょうが、規格化したということは言えると思います。そのために昔はおそらくそういう意味で若干いい年度のものが悪い年度にずれるというようなことはあったと思いますが、そういう点は少なくなっているということも年度々々の増減がより顕著に出るという原因になっているのではないか。やはりこれはこれでよろしいのではないか。申告納税制度をとっている以上、大体そういうことになるのではなかろうか。あとはやはり財政論として、歳入のうちの一番大きい税収というものが相当動くというような構造的な、制度的な面があり、かつその制度によった執行面でもそういうような事情があるということを考えて、何か財政政策的にこれをどうされるかというような問題はあろうかと思いまするが、税務の執行に当たる私どもとしては、大体今まで申しましたような年度末に査定、更正を繰り上げようか、あとにしようかというようなことをあまり財政の都合でやっていくのはどうかというような気持でやっております。その点が一番これに大きな関係がありはしないか、こういうふうに思います。
#16
○堀小委員 きょうは私はこれだけにして、もう一回次会に伺う問題について申し上げておきたいと思います。
 それは物品税の脱税の問題がかなりあるように思います。私の知っておる範囲で、新聞などには出ませんけれども、いろいろの事件があるようでございます。過年度におけるそういう物品税の問題の起きました業種、業態、そういうものとそれの大体の経緯を、次回の委員会で、私がお願いしましたものとあわせてお調べをいただいて御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私はこれで終わります。
#17
○簡牛小委員長 広瀬君。
#18
○広瀬(秀)小委員 この前の税制小委員会の場合にも問題になったわけでありますが、雇用関係と、従って労働関係が成立する場合と、さらに請負関係とどちらともつかないような場合に、そこらのところが割合にあいまいになっておる。そういうような場合に課税の実務に当たられる国税庁として、給与所得あるいは事業所得、どちらの形で課税をするかという判定の基準はどういうところに置かれておりますか。
#19
○白石説明員 給与所得であるか、事業所得であるかの判定でございますが、給与所得は使用人として受け取るところの所得、これが大体給与所得であると考えます。従いましてこれは雇用契約に基づいたもの、かように考えております。具体的の場合に、ある契約が雇用契約であるのか、請負契約であるのか、これは事実判定の問題といたしまして、いろいろ困難な面があろうかと思います。そういう場合におきまして、雇用契約であるか、請負契約であるかを判定する一つの考え方としましては、その契約の内容が他人の代替を入れるかどうか、つまり、その人でなければできない、その人の労働を契約しておるという場合におきましては、ほかの人にかわっては困るわけでありまして、その人自体の労働を買っておる。こういう場合はやはり雇用契約であろうかと思うわけであります。ところが、ある仕事を頼んでおるわけであって、その人がその仕事をやろうが、かわりの人がその仕事をやろうが、頼んだ方の人にとってはその点はあまり問題でないというよう場合におきましては、これは請負契約であろうかと考えるわけであります。またその一つの仕事をやるにつきまして、個々的に指揮監督をするかどうか、たとえば大工さんなら大工さんを一日雇ってこの仕事をやってくれ、ここはこうやってくれ、あそこはこうやってくれというように雇用者の方が一々これにつきまして指揮監督をする、こういう場合におきましては、これは雇用契約である。しかしそういった指揮監督をせずに、これだけの仕事をやってもらいたいというように頼んだ場合におきましては、これは請負契約であろうかと思うわけであります。そのほかいろいろの考え方はあろうかと思いますが、大体において労働それ自体を買っておるという場合が雇用契約でありまして、それでなしに一定の仕事を請け負わしておる、これが請負契約であるというように考える次第でございます。
#20
○広瀬(秀)小委員 民法の雇用契約と請負契約というのが、六法全書の配列なんかも、雇用契約の次にすぐ請負契約が出てくる。しかも条文は今部長がおっしゃったように労務を提供し約束する、片方は仕事の完成を約束する、それに対していずれも報酬を与える、これはほとんど似かよったものであって、現実の面でもそういう実態はどちらであろうかということの判断に迷うような事例は非常に多いだろうと思うのです。第一次的に、今判断の基準というのはお聞きいたしたわけでありますが、現実の場合にこういうことは参考にされませんか。中央労働委員会で、これはなるほど請負契約という形はとっておるけれども、しかし実態はどうやら雇用契約なんだという関係で、労使の問に使用従属関係というものをある程度認めた形で、委託契約しておる人たちも含めた労働組合の存在を、労働組合法上はっきりそれは労働組合として適格である、こういう判定を下された場合に――なるほどその請負契約の中には、代人を使ってもよろしいということもその後において入れたのです、しかしその場合にはなかった。しかしながら、これは国税庁にもきっとお聞きになってそういうことをやられたのだと思いますが、そういうことがなかったのを、あわてて入れて請負契約らしい格好をとろうとしたというようなことがある。しかし労働委員会としては実態を見て、そういう少なくとも形式の上では請負契約をしておる、しかしながらその請負契約下にある仕事をやっておる人たちを含む労働組合の存在というものを、資格審査において、労働組合法第二条と第五条に適合する組織であるということで資格認定を与えた。こういった場合に、国税庁としてはその所得に対して事業所得を課するのかあるいは給与所得を課するのか、ここらあたりになるとどういう御見解ですか。
#21
○原政府委員 お話の通り、この事業所得と給与所得の境というのはいろいろな疑問が出て参るところではございます。そこで請負と雇用というお話しから、ただいま中労委あたりで、請負契約であっても実質は雇用的なものだとして、その交渉の場に入れるというようなものについてどう考えるかというお話しでございますが、なかなか大きな問題ですからなおよく検討してみますけれども、私のただいまの感じでは所得税法における給与所得の概念というものは何のためにあるのかと、いいますと、給与所得になるといわゆる給与所得控除がある、それから源泉徴収があるというように、所得税法は所得をいろいろに分類いたしまして、あらゆる所得を無差別一様に課税するというのでなくて、所得の種類によって収入から何を引くかという引き方も、はっきりそれに応ずるような、一番妥当性のある引き方をして、それからいわゆる控除なども、たとえば一時譲渡所得の方には十五万円の控除がある、これは給与とか事業とかにはないわけです。必ずしも一律じゃない、そういう控除の仕方、それから税率の当てがい方にしても、山林所得というようなことになると、五分五乗というようなことをやっておるということで、所得の種類によって課税対象の計算の仕方、控除の額、あるいは税率の適用の仕方、これを区分しております。この辺がやはり大きな基準であろうと思います。そういうようなことから考えまして給与所得というものについて先日来の御議論は、実は伺っておりますと、なるべく広くあらゆる所得を見まして給与所得になるものはなるべく広く見たいというお考えのようであって、それは給与所得になりますと、給与所得控除があったりいたしますから、そういう意味では利益の方につくというお気持はわからぬでもありませんけれども、同時に給与所得控除を与えるというような点は、やはり事業的なものにはない、それは何かといいますと、雇用か請負かという境目がなにするという問題よりも、給与所得控除の理由にいろいろありますが、把握控除だということをよく言われます。理由としては三つ四つあるのですけれども、その中の一つに事業の所得というものは、なかなかその収入というものがはっきりしない、経費もはっきりしないというようなことで、いわゆる正しい額が申告されることがなかなかむずかしい。そうして税務署の調査でも、それを調査して百パーセントつかむということは、なかなかむずかしいというようなことが言われるわけです。そういうようなことを考えますと、これも給与所得と見ていいじゃないかということでいくのは、所得税法における給与所得の概念の、目的論的に、意味的に――意味的にといいますか、法律の法意を考えましていいかどうか。そういうわけで中労委がそう言うております場合に、すぐそれに乗るかどうかということについては、率直に申しまして、私はやはり税法は税法の建前で考えなければいかぬだろう、税法の趣旨、目的に照らして考えなければいかぬだろうというふうに考えますが、御指摘の場合はどんな場合でありますか、後ほどでも伺わせていただいて考えてみたいと思っております。
#22
○広瀬(秀)小委員 具体例でちょっとお伺いしてみたいのですが、新聞配達人などの場合に、これは請負的な性格が強いと言えば言えるし、やはり特別な時間等の規則を入れて雇用契約としてやっておるところもあると思います。しかしながら新聞配達というような仕事は、請負契約をとろうと雇用契約をとろうと仕事の内容、実際にやっておることについては、ちっとも変わりないと思うのです。そういうような場合、これはどのような取り扱いをして、全国的に一貫した方針が貫かれておるかどうか。同じ仕事であるけれども、新聞配達の場合にこれを給与所得としてとるところもあるし、あるいは事業所得として請負契約だと見れば、そういう課税をやっているところもあるというようにまちまちであるのか、それとも全国的に一律なとり方をしているか、この点をお伺いしたい。
#23
○白石説明員 新聞の配達人その他の集金人は、やはり一軒配達すれば幾らというような請負契約であろうと考えておるわけであります。中には全然そういうものでなくして、ほんとうの雇用契約に立って、何軒配ろうが、月給で幾らやるというのが別にありといたしますれば、それはまた別問題でございますけれども、一般的の場合におきましては請負契約であろう、従いまして、法律の四十二条の第二項におきましても、そういった集金人等に払われるものに対しましては、いわば源泉徴収をいたしまして、事業所得でありますけれども、給与所得と別に源泉徴収の規定がありまして、あとで精算をするというような規定も設けております。その中に特に集金人という言葉も使っておるわけでございまして、一般的にこれらは事業所得に属するものだと考えております。
#24
○広瀬(秀)小委員 私が、実はきょうお聞きしょうという主たる目的は、やはり集金人の問題です。東電に集金人がおるわけですが、これは当初社員制度でずっとやってきたわけです。それをだんだんやめた人などと集金の請負契約を結んでやらしているということで、大体半々くらいになっておるようです。従って、仕事のやり方としては、使用従属関係というものが、委託集金の事業規定というようなものもありまして、ちゃんと朝八時半なら八時半に出勤するのだ、そこで所定の領収書をもらって受け持ちの区域に出て行く、こういうようなことをやっておるわけです。しかもこれは独立の事業者という形ではとてもできない性格のものじゃないか。ということは、その集金の流れ作業というくらいに、東電の社員である検針員がずっと回る、その検針員が回ったあと、回る順序がちゃんときまっておりまして、そのあと二日おいて行くというルールが確立されておる。そういうような形でそのあとずっと東電の一貫した指揮のもとに回らされているわけです。実は先ほど直税部長が言った、本人でなければいかぬか、代人を認めるかどうかという問題は、労働関係を主張されて初めてつけ加えたのです。東電では請負契約の中にそういうものはなかったのです。たとえば黄色い自転車へ乗りなさい、黄色い自転車は会社の幾らか古くなったやつを払い下げてやる、そういうようなことで黄色い自転車に乗りなさい、被服も東電のユニホームの少し古いようなものを貸し与えて、そういうような規制をする。こういう関係になって、しかも集金したら必ずその日のうちに納金する、しかも沿革的にも社員が全部やっておった仕事を、企業を合理化する、安上がりの労働者を使うというような形からそういうようなものに切りかえていくということをやっておるわけです。こういう場合など、税務署だって請負契約をちゃんと認めておるのだから、君たちとの労働関係を規定する雇用従属関係というものはないのだ、指揮命令というものはごく薄いのだ、代人だっていいというようなことを言っておりますけれども、事実上はほとんど行なわれない。形式的な抜け道、脱法行為にすぎない。実態はあくまで社員が本来やるべき仕事であり、しかも社員が受けておったと同じ程度の指揮命令を受けておるというような形になっておる、そういう場合に、実際に働いている人たちは、事業所得と給与所得の面で、取り扱い上給与所得として認定された方がもちろん有利であるわけです。そういうようなことで非常に妙な形でやられておるわけなんです。こういう実態があくまで労働関係なんだ、ただ法の抜け道としてそういうようなものを選んでいるというような場合に、所得税における課税所得の押え方をどっちにするかという、所得独自の目的があるのだというだけで、雇用の実態あるいは雇用関係というようなものをゆがめるような形でいってはいけないのじゃないか、このように私ども思うわけです。税を納める立場というものは、これは国民の一種の権利だ。正しい意味での税金を納めるということは権利であると同時に義務であるわけですけれども、こういうものはやはり有利に解釈をしてもらう権利が国民にはあるだろうと思うのですが、それを単に所得税法の目的から、あるいは所得税法の目的が税をよけい取るという目的で貫かれておるとするならばまたやむを得ないかもしれませんけれども、そういう点で実態に即して考えていくべきじゃないかと思うのですが、その点いかがお考えですか。
#25
○白石説明員 課税が実態に即して適正に行なわれなければならないということはおっしゃる通りでございます。従いまして、実態が同じようなものにつきましては同じような課税をするように取り扱うべきだと思うわけでございまして、そういう意味におきましては、全般的に考えますと、いわば集金人につきましては、同じような種類に属するものとして、生命保険の外交員とか新聞配達の集金人とかその他各種の集金関係に属するような人々につきましては、それらは一般的に請負契約に属するものが多いわけでございますので、中には個別的に特にその契約内容が異なっておりまして、雇用契約に属するものがございましょうけれども、全般的には請負契約が多いわけでございますので、私どもの立場といたしましては、請負契約として取り扱っておるわけでございます。従いまして、ただいまおっしゃられた個別的な事件につきましては、私も十分調査いたしておりませんので、ここで断定的なことを申し上げるわけにはいかないのでございますけれども、特別の事情があり、特に雇用契約と認められるような事情がない限りにおきましては、課税の公正と申しますか、公平と申しますか、そういう見地からやはり請負契約として取り扱うことが適当ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#26
○広瀬(秀)小委員 今生命保険の外交員との比較を出されたわけですけれども、それとは著しく異なるわけです。生命保険の外交員の場合にはいかなる対象でも、どこを歩いてもかまわないわけです。包括的にどれだけのことをやればいいのだということになっておるわけです。従って、あっちへ行こうが、こっちへ行こうが、自分でいいと思ったところに自由に行って契約を結んで保険料を徴収してくる。こういうことが非常に自由に独立的な立場でできるわけです。いわば契約関係が包括的な委任みたいな形になっておって、自由独立性が非常に高いわけです。ところが東電の集金人なんかの場合は、受け持ち区域がきちっときまっておって、お前はここを集金するのだ、検針員が検針をした二日後にそこを回るのを原則とする――それは違ったらいかぬというくらいかなりきつい制約を受けておる。どこへ行っても、取りやすいところへ行って取ってくるということは全然許されない。東電の計画と方針に従って集金警務をやって、しかもそれを報告する義務なりその日のうちに持っていってきちんと納める義務なりが入っておるわけでありまして、しかも先ほど申し上げたように、会社所定の服装あるいは会社所定の自転車で歩くとか、勝手に自分でやれるというような形にはなっていないわけです。まあ一部先ほど申し上げたように、あとからあわてて請負契約として完璧な形をとろうというようなことをやったようでありますけれども、実態としては依然として変わっていない。今までの通りだ。そして実際に代人を認めるといっても、代人なんかでなかなかやれる仕事ではない。無理してでもやらないと自分の仕事が完遂できない。そこで長い間お世話になった会社だからというので、どんな無理をしてでもその計画と方針に従ってやらざるを得ないのだ、こういう条件にある者とは非常な差があると思うのです。そういうようなことからやはり中労委でも組合の資格を認定したわけです。労働組合法では、これは言わでもがなのことですけれども、労働組合とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的社会的地位の向上を目的として組織する団体またはその連合体だ、こういうふうにいっている。賃金、給料あるいは年金その他――年金ということはあれには入っていませんが、所得税の方には入っているわけですけれども、その他所得となっていますが、そういうような関係をやはり中労委でははっきり認めているわけですね。労働組合の資格認定をやったということは、いわばそういう実態というものを認めて労働組合の成立ということを判定されているわけです。そうしますと、税法においても、そういういわばボーダー・ライン的なものについては、本人にとって有利な方にいくのが建前ではないか、このように思うのですが、いかがですか。
#27
○原政府委員 ただいまお話しの一点の集金人の問題は、私どもその件については詳細に調べをいたした上で、この小委員会の次の機会に調べの結果に基づいて御返事申した方がよろしいのではないか、そうしませんと、今の通達では、給与であるか請負による報酬であるかの区別は、雇用関係にあるかどうかによっているというふうに書いているわけなのです。雇用関係にあるものは給与だと書いてある。疑わしい場合、はっきりしてない場合はこれこれというような、今お話のありましたような他人の代替を入れるとか、指揮監督を受けるとか、材料あるいは用具を支給されるとかいうような関係を書いてあります。その各般のものが明らかでない場合の関係については、お話の筋によりますと、かなり給与的な感覚のものだというお話のように伺いますが、その辺は実情を調べ、かつなぜその契約形式が請負契約になっているのか、事情を調べまして検討いたしました上でお答えさせていただいた方が――今ですと抽象論になりまして、通達の建前をかたくなに御主張申すというのもいかがかと思いますので、調べました上で申し上げさせていただきたいと思います。
#28
○広瀬(秀)小委員 その点はそういうことでけっこうなのですが、聞くところによると、会社の方では、国税庁でもこの請負契約というのはちゃんと認めているではないか、だから君たちとの間にはあくまで雇用従属関係、使用者と労働者との関係というものはないのだ、これはもう国でもちゃんと認めているではないかというようなこともやはり主張の一つになっているらしいのです。しかし今申し上げたような形で、中央労働委員会が、いろいろなこじつけが行なわれておっても、実態は雇用関係であり、労働関係が成立するのだというようなことをやはり国の一つの機関として判定をしたという場合には、もちろん所得税を徴収する者の立場としては、それなりの目的意識というもののあることも必要であろうとは思いますけれども、やはり税をとる立場の者が判定をしたことが、その雇用関係か請負関係かという判定に逆にはね返ってくるという形は、どちらかというとまずいのではないか。もし事業所得にした方が国民の立場として有利なんだというならば、そういうこともあり得てもいいと思いますけれども、税の問題については、国民はやはりより適正な、実態に即した税金を納得して納められる形に持っていくことが課税の原則である以上、そういう点についても十分御検討をいただいて、その話がむしろ逆になるという形にならないようにしていただきたい、こういうように思うわけです。
#29
○簡牛小委員長 岡田修一君。
#30
○岡田(修)小委員 きのうきょうの新聞に、所得税天引きは違憲である。これについて総評弁護団が三月三日に東京、大阪、福岡の税務署長を相手に行政訴訟を起こす、こういうことが出ているのですが、このことを御存じでしょうか。あるいはあなたの方ではないかもしれませんけれども、どういうふうにお考えか一つ伺いたいと思います。
#31
○原政府委員 実はその記事を私も見たのでございますが、訴状と申しますか、訴訟の趣旨も伺いたいと思っておりまするし、訴訟となりますると国は当事者であるわけでありますから、ごもっともな御質問で、すぐにがっちりした御返事をしなければならぬ筋合いのものではありますが、訴訟の当事者となりますと、その意味でもデリケートになりますので、ただいまのところではごく大ざっぱに申し上げますと、もちろん私どもは違憲だとは思っておりません。法律でお認め願い、かつその際にも、違憲でもないという議論が立法の際にあったという記憶もございますから、違憲だとは思っておりません。おそらく違憲論の根拠は平等に扱えという憲法の条文に関するものだと思いますけれども、あの平等が、先ほどもちょっとお話が出ましたが、どんな所得者でも同じ形で、同じ時期に、同じ控除でやれという平等かどうかということになりますと、よく公共の福祉のためには、ああいう権利はがまんしなければならぬということがある。そのもっと以前の本質的な平等が大事だ。所得税法で所得の種類を十に分けて、それぞれ課税の仕方が違うということが、何か単純な平等論からいきますと、完全にくずれるというような非常に非常識な結果になるのではなかろうかという感じがいたしておりまするし、また金利の点とか、あるいは徴収義務者に費用がかかるというような点につきましては、それでは実際に源泉徴収しないで申告納税にしたらばどうかといいますと、これはもうはっきり言えることは、非常に費用がかかるだろう。それは国の方も手数でありますが、納税者自体も手数であろうし、雇っていられる向きもやはり申告の時期に、あるいは更正決定があって税務署に出頭しろというようなこと、あるいは調べに参るというようなことで、今の手数の何倍かの手数がかかるのじゃなかろうかというような感じがいたす次第であります。また経費の控除がないというような議論が出るかもしれませんが、その辺は給与所得控除というようなもので、あるいは先ほど申しました把握、あるいは金利というようなこともいろいろ考えた結果でありますが、経費を個々に控除しないということは、また給与所得控除の大きな理由になっておるというようなことから、そういう点も考えてああいう控除があるということを考えますと、私のきょうのお話は非常に概括的なことで、なお精細な理論を考えて参る必要が出てくるかとも思いまするが、ただいまのところ卒然とお答え申す答えでありますが、大体そのような筋合いで違憲論は当たらないのではないかというふうに考えております。
#32
○岡田(修)小委員 この問題は私は給与所得者の心理へ非常に訴えるものがあると思うのです。だから大蔵省あるいは国税庁におきましては十分御研究おきになる必要があると思いますから、どうぞ……。
#33
○簡牛小委員長 横山利秋君。
#34
○横山小委員 この間に引き続きまして質問検査権についていろいろな角度から伺いたいと思います。
 質問検査権と、捜索、領置、臨検というものとの法律上の違いは一体どういうところにあるのか。法律上ですよ。実際の問題についてはまたいろいろと議論がありますが、質問検査権と、捜索、領置、臨検の権限をもってやる場合との法律上の違いをお伺いいたします。
#35
○白石説明員 質問検査権は所得税法、法人税法その他各税法において調査のために認められている権限であります。捜索その他の権限は、犯罪捜索のために刑事訴訟法等において認められておる権限であります。
#36
○横山小委員 それはもう百も承知のはずなのです。質問検査をする場合にどの程度までが許されておるか、質問というものは一体どういうことであり、検査というものはどういうことなのか。
#37
○白石説明員 質問とは、その言葉から申しますれば、問いただすことでございますので、いわば説明を求めることだと承知いたしております。それから検査は、これはいわば調べることでございまするので、何と申しますか、調べるというのはむずかしく申しますれば五感の作用によってその真実を知ると申しますか、やさしく申しますれば、ものを見たりあるいは聞いたりいたしましてその真実を調べるということだと考えております。
#38
○横山小委員 きわめて明快でよろしい。そこで検査と捜索とはどう違います。
#39
○白石説明員 捜索というのは実力をもって探すことであります。検査は、ただいま申し上げましたように調べることでございます。
#40
○横山小委員 そうすると検査ということは探さないということですね。
#41
○白石説明員 検査は調べることでありますが、捜索は実力をもって探すことでございます。従いまして、捜索の方には実力行動と申しますか、実際的な行動が入る。この点が相違いたしておるかと考えております。
#42
○横山小委員 念のために申しますが、検査ということは、実力をもって探さない、実力をもって云々が別だけれども、つまり探さない、任意に出されたものを調べるということだけですね。
#43
○白石説明員 検査の場合は、検査官が自分で実力をもって探すということまでは入らない。これはやはり捜索になると考えております。
#44
○横山小委員 あらためてもう一ぺん言いますが、検査というものは、出されたものを調べる。かりに目の前にあろうと何であろうと、自分がそれを要求をすることはできるけれども、それを実力でこれちょっと見せてちょうだいというようなことは、これは一種の実力ですけれども、検査と捜索の違いというものは、私は法律上は当然あろうと思う。あなたは少し言葉を濁していますが、捜索は実力をもって探すことである、検査というものは調べることである――その調べるということは、実力をもって探さないのですから、自分が要求して出して下さいと言い、そして任意な納税者の気持から出されたもの、これを調べるということに限定をしてようしゅうございますね。
#45
○白石説明員 検査は調べることでありまするので、従いまして、調べる以上は、その調べるものを出してもらわなくちゃならないわけであります。従いまして、そのものを要求をして、そしてその内容を調べる。みずから捜索をして実力をもって、相手の同意を得ずに探し回るということは、これはもちろん検査の範囲から逸脱するかと考えております。
#46
○横山小委員 私の言っていることをあなたは少しそらしているけれども、検査は実力を使わない、要求をする、出してもらう、出してもらったものを調べる。つまり、その間要求に対して納税者は拒否する権利がある。それを拒否権を認めないということでは、これは実力です。その点はいかがですか。
#47
○白石説明員 所得税法には、質問検査権を認めておりまして、同時にこれを忌避し、拒否した場合におきましては、処罰の規定があります。従いまして、検査を拒んだ場合におきましては、これは罰則の規定によって処罰されるということに相なります。
#48
○横山小委員 検査を拒むのではない。検査をすることについては、所得税法にも法人税法にもある。けれども、その書類を出すことについて強制権を持っていないということです。その点はどうですか。
#49
○白石説明員 検査する以上は、これはやはりものを提供してもらわなければできないわけでありますので、その検査の要求に対しまして検査を拒否されるということがありますれば、これは当然罰則の規定の適用があります。
#50
○横山小委員 検査を拒否しているのではないのですよ。検査をするに必要な物件について、物件を提出しろという強制権があるかと聞いている。
#51
○白石説明員 それは、ものを検査する以上、そのものを出してもらわなければ検査できないわけでありますので、それは検査の必要なことを拒絶した、検査を拒絶したということに入ると考えるのは当然だと思います。
#52
○横山小委員 当然ではない。そうしたら事実上は捜索と何も変わらない。出せ、出さない、それなら処罰する、こういうやり方は捜索と何ら事実上は変わらない。
#53
○白石説明員 出さない場合に検査官が家の中を探し回ってそうしてみずからものを取ってくる、これは捜索の範囲に入ると思います。しかし検査をする以上は、ものの提供がなければ検査はできないわけでありまするので、これこれを検査したいからものを出してもらいたい、こう要求した場合におきまして、そのものの提供を拒めばこれは検査を拒否し、あるいは忌避したことになりまするので、やはり処罰の規定の適用は当然あると考えております。
#54
○横山小委員 書類の提出を拒んだときに処分するというのは何条のどこにありますか。
#55
○白石説明員 再三申し上げておりまするように検査の拒否に相なると考えております。
#56
○横山小委員 それは強行論ですよ。そんなことは書いてない。私は知らぬからいろいろ聞いておるのだけれども、当然の解釈として書書類を提出させる権利があるという条文があればいい。しかし検査をすることができるということは、検査ということは書類を見てそれを調べるということです。ところが最初おっしゃったようにだんだんあなたの議論が発展して捜索と実質上変わりないということになるのじゃないですか。
#57
○原政府委員 直税部長がお答え申している通りでありますが、ちょっと私補足して申し上げたいのは、たとえば所得税なら所得税で納税義務を持っておられ、納めていただくということを考えますと、申告納税で申告によって納めていただくのでありますけれども、しかしやはりそれに間違いがあったり、また脱漏があったりというようなことがあります。それを税務官吏としては調べなければならぬということでこの質問検査権が認められておるわけであります。いわば社会のための納税義務が適正に実現されるために、これは必要不可欠なことであろうと思います。ただいま横山委員の御質問を伺っておりますと、何か検査は力を使わない、そうすると出すのに力は使えぬだろうというようなことで、何か検査というところに一枚入れなければできないという結論になるような御立論に伺いますが、やはり先日の会議で申しましたように、納税義務というものはきわめて重要な義務であり、それが適正公平に実現されるためにはやはり課税の対象になるものの書面がなるべくガラス張りになるということが必要ではないか、そして所得税でありますならば、その基本になる帳簿書類を出していただいて調べるということは当然のことではないか。検査であって検査は力を伴わないから出す義務はないというような御議論をなさるのでなくて、やはりもう少し法の精神と申しまするか、納税義務の精神と申しまするか、そういうような点もお考えいただきますならば、もう少し違った御議論も出るのではないか。少し言い過ぎかもしれませんが、私としてはやはり社会全般が課税の対象となるものについてはなるべく公平にわかるようにしよう、そうなれば納税者のところへ行って帳面を見せて下さい、それが検査と書いてあるから出さないといえばそれまでだというような御議論では私は困る。法律の意味もそういうことではないということを今直税部長が申し上げたというふうに御了承いただきたいと思います。
#58
○横山小委員 私の聞いていることはそういうことではないのです。原長官の気持はわかりますけれども、こういう質問の際に問題をぼかしてもらっては困る。私は法律の文句をただしておるのだから、かりに法律が悪ければ法律を直したっていいのですよ。私も法律における語句の定義という意味において聞いているのですから、もしも私の言うように検査物件ないしは書類を検査することができるということが実情と違っておるならば、私の言うような理解と実情が違っておって、実情がそれを必要であるとするならば、考え直すべきで、私もそれに拘泥すべきことではない。問題は法律上における質問検査権と実際上の質問検査権との間に違いがある。そうして先般来言っておりますように、質問検査権というものはリミットがない。質問検査権というものはあらゆるところにオールマイティのように理解されるというところに私の質問の趣旨がある。それでは原長官に逆に伺いますが、あなたの立論から言うと、質問検査権はほとんど実質上オールマイティ、そういう感じを受ける。だからこういうこと以外は――こういうことまではしていいけれども、これ以上は質問検査権を乱用してはいかぬということを、いつもの原さん流でなくして、具体的に実証的に一つ説明して下さい。逆に聞きますけれども、質問検査椎は法にあるようにやっていい、これ以上は質問検査権を乱用してはいかぬぞということを具体的に一ぺん説明して下さい。
#59
○原政府委員 具体的な事柄は非常に多いわけでありますから、これはやはり個々の具体的な事例に応じて適用を考えるという以外にはないというふうに思います。もちろんその際納税義務の必要もさることながら、納税者の経済あるいは生活の便宜といいますか、都合を考えるというのは当然だと思いまするが、限界がどこというのを具体的に言えと言われましても、やはり具体的な事例に応じて考えてお答え申すというふうにしていただきたいと思います。
#60
○横山小委員 直税部長は具体的な御意見はありませんか。
#61
○白石説明員 具体的と言われますと非常に困るわけでございますが、質問検査でございまするので、やはり所得の検査、所得の内容を知る上におきまして、ずっと所得の内容を確かめ、所得の内容を調査するというために質問検査をするわけでございまするので、あらゆることにつきまして質問検査ができる。ただ検査でございまするので、先ほどから繰り返し申し上げておりまするように、実力をもって捜索になるようなことはできない、かように解しておるわけでございます。個々具体的の場合にどうかと言われますと、あらゆる場合があろうかと思いまするので、一がいに御答弁いたしかねる次第でございます。
#62
○横山小委員 警戒をしてものを言っていらっしゃるようだけれども、私はもう基本的には税の民主化、それから税務職員の信頼をされる立場、そういうことを念願しておる。今私の気持としては、このオールマイティというような質問検査権の状況ではいかぬ。ここのところは、これ以上は質問検査権を乱用してはいかぬという、そういうリミットを国税庁としてお考えになっていいのではないか。これは千人のうちの一人かもしれない、万人のうちの一人かもしれない。けれども今のあなた方のお答えのように、えらい警戒してそのリミットをつけるということを忌避しておられるようだけれども、たとえば一例をとってみましょうか、この間うち言っている夜間検査ですね、これは原則としてしないというふうに大臣がおっしゃったでしょう。しかし夜間検査は原則としてしないという考えよりも、何らその夜間検査について、違法でもなければやっていいのであるという観念が、東京国税局でもしているのですよ。そういう点なんかいろいろリミットをつけるとすればありそうではありませんか。いかがですか、一例ですよ。
#63
○白石説明員 夜間検査の問題でございますが、これは刑事訴訟法におきまして捜索状を持っていくというような場合におきましては、令状に特別その旨規定していなければ、夜間はやってはいけないというような規定があるわけであります。つまり刑事訴訟法におきまして、そういった捜索状の場合、あるいは差押状を執行するという場合において特別の規定がありまして、夜間の調査を一定の場合に禁止いたしておるわけであります。翻って、所得税法その他税法におきまする一般質問検査権につきましては、そのような特別の規定がないわけでございます。従いまして、法律の形式面におきましては、別に夜間にやってはいけないということには相ならないわけであります。しかし一般的に権限の行使にあたりまして、これが乱用になってはいけないということは個々の条文を超越いたしました一般的な原則として守らなければならない問題でありまするので、昼間営業をやっておいでになるお方につきまして、夜間お休みになっておるところにお伺いして質問検査をするというようなことは、常識的に見て権利の乱用になると思われるようなものにつきましては、これは慎むべきであろうと考えるわけであります。しかしバーとか、キャバレーとか、一般的に夜間においても営業をやっておられるというようなところにつきましては、これも昼間調査ができますれば、もちろんこちらといたしましても、昼間調査をいたすわけでございまするけれども、そういう場所におきましては、昼間はお伺いいたしましてもお留守でおいでにならない。むしろ夜間、営業をやっておられるときお伺いしなければ調査ができない、こういうようなところにつきましては、質問検査権に基づきまして、調査を実施するということは当然のことであろうかと考えるわけでございます。
#64
○横山小委員 原さんにお伺いしますが、バー、キャバレーはあとにしましょう。一般的に一般調査として夜間調査は原則としてすべきでないということを言うてありますか、言うてなければ、お言いになる気持はありませんか。国税局では、今白石さんがおっしゃったように、法律ではきめてないのだからいつやってもいいのだという原則だそうです。この原則は法律のまことに小さな解釈だと思うのです。先ほど白石さんがおっしゃったように、国税犯則取締法や刑事訴訟法や民事訴訟法で例外を許しておるのですから、一般的に税の調査で、夜間、きめてないのだからいつやってもいいのだという理屈は、私はこれはまことに小児病的な解釈だと思う。法律を通した精神というものは、夜間調査は一般調査としてすべきでない、バー、キャバレーはあとにしますが、そういうことを一ぺんこの際徹底させるお気持はありませんか。
#65
○原政府委員 ただいま直税部長のお答えしました点は、税務の責任者を集めました会議において、通達という形ではありませんけれども、ちゃんと文書を渡して、こういうふうなことでやれということを示してある事柄でありますので、その点を御了承願いたいと思いますが、(横山小委員「いつごろですか」と呼ぶ)文書を中心にしていろいろ協議して、示しましたのは昨年の秋でありますが、その前にも口頭をもってはいろいろな会議の際に、ただいま申したような趣旨を言ってきたということでありますので、御了承願います。
#66
○横山小委員 お差しつかえなかったらでけっこうですが、お差しつかえなかったら、夜間調査について、口頭ないし文書をもってお示しになった内容をいただきたい。これはお差しつかえあったらけっこうです。いかがですか。
#67
○原政府委員 ただいま申しましたのは、事務計画を相談するという場合に、いろいろな業種についての調べをやるという際の協議の書類でありますので、きわめて部内的なものなので、それをお出しするというのはちょっとどうかと思いますので、これは後ほど御相談して扱いをいたしたいと思います。
#68
○横山小委員 それから先般来私が言うていることは、反面調査の限界です。問題は、この人が脱税の疑いがあるという場合に、税法でもこれは許されてはおりまして、その取引先などを質問し検査する権利があると認められておりますが、しかしこの脱税をした人と、その関連をしている人、この人たちの間に質問検査権について差はありませんか。
#69
○白石説明員 実際に脱税をしておるという人は、納税義務者あるいは納税義務者と認められる人であります。その相手方は、その人と取引関係のある人であります。この両者について質問検査権の内容に差はないかというお尋ねと承ったのでございますが、これは六十三条に、質問し又は検査することができるとなっておりまして、別に相手のいかんによってその質問検査の内容に制限を設けていないわけでございますので、質問検査の内容といたしましては同一であると解釈しております。
#70
○横山小委員 実際の運用についてはどうですか。
#71
○白石説明員 質問検査は、申すまでもなく、必要があるとき行なうわけでございますので、必要もないのにむやみに行なうというようなことはやはり慎しむべきであろうと思うわけでございます。しかし必要がある以上におきましては、やはり目的を達するために所要の質問をし、所要の検査をしなければならぬということは当然であろうかと思います。
#72
○横山小委員 原さんにお伺いしますけれども、実際取引をして、この人が脱税をしている疑いがあるというなら、それはいいのですよ。その人の相手方、取引先のその人は、実際問題としてお宅に脱税があるわけではない。これは税務署としても大体わかっておる。けれども、そこを押えなければ、この脱税がわからないという場合も首肯できると私は思います。しかしながらその場合に、その質問検査を受ける。単に私の言う質問質査とあなた方の質問検査と、実際においてはだいぶ違いがあると思うのですが、しかしそこに税法上違法なこともなく、脱税もない、ところがそういう質問検査権の適用を取けてやられることについて、何かこうじくじたるものを私は感ずるのですが、その辺は何もお考えになりませんか。
#73
○原政府委員 まずその納税者自体の調査という意味で申しますと、お話の通り、人手も限られておることでありまするから、脱税の疑いの多い人に主力を集中するというのは当然であろうと思います。また人情からいっても、当然そういうことであるべきだと思います。ただいろいろな税の種類によっても違いますけれども、この所得課税の所得などというものはなかなか計算のむずかしいものであります。それからそれのできますもとが、目に見える場合と見えない場合といろいろありまして、なかなかむずかしいものであります。従いまして疑わしいものに重点を置いて調べるというのが調査の大部分の大勢ではありまするが、やはりそれでは疑わしくないと思って調べなかったものを、長い間そのままに置くかどうかということになりますと、これはやはり、そこに税務行政の一つのエア・ポケットがあってはいかぬということから、疑わしくないものとしてあまり調べてないものも、何年かに一回はサンプル的に抜き出して調べる、そういうようなことをやることは必要だと思いますし、やっております。
 それから相手方の方の問題ですが、反面調査の対象としては、相手方の人が疑わしいという意味じゃなしに調べますから、ただいまの問題は、そちらの方には別段疑わしいとかなんとかいう問題なしということで御了解いただきたいと思います。
#74
○横山小委員 そんなことを聞いておるのじゃないのです。脱税の疑いも何もないのですが、反面調査でそこの家をやらざるを得ない。その場合に、質問検査権の適用について何ら差はないというふうに白石さんがおっしゃったが、何か心に残るものはないだろうか。
 この間私が言った一例で御説明しましょう。ブドウ糖をおろすところですね。ブドウ糖をおろした相手先の酒屋さんですが、その疑いがある酒屋さんを調べたらいかぬから、ブドウ糖をおろすところを調べる。そこを根こそぎやればわかるというわけです。その人は病人であった。湿しんかなんかで寝ておった。一日ものも食わずにおったけれども、見たところはちょっと憔悴しているような感じだったそうです。しかしそこをやったらすぐ向こうがわかるからということでしょうか、た結果書類を持って署に来てくれというわけです。病人だからと言っても聞かぬのです。聞かぬということが、この質問検査権のどういうことなのだろうか、私は不思議に思うのです。どうしてもこいと言うので、書類を持って署に行った。行ったら、夕方になっても帰してくれない。判こを押さなければ帰さない。夜の九時になった。奥さんが心配して行ったけれども、調べが終わらぬからまだ帰さないということです。夜の九時ごろになってまだ飯も食っていない。これじゃかなわない。自分もうろ覚えであって、おやじがやっておるからわからないと言ったけれども、がえんじない。結局それじゃというわけで、仕方がなく判こを押して家に帰った。帰ったけれども、あれでは納得もできないし、私の言ったことについてもどうも数字上誤りがあるように思うので、あくる日行って訂正を申し込んだところが、断わられた。またあくる日行ったけれども、会議中で結局あかぬ、こういうことなのです。あとになって私ちょっと聞いてみたのですが、あそこが問題ではない、あそこがおろしておるブドウ糖の取引先である酒屋さんが実は問題なんですということも、私どもは明確にわかっておる。この一連の事実、あなたは事情を聞かなければわからないということをお話しになると思うのですが、かりに私の言ったことを一応真実だと仮定して下さってもけっこうです。この中で、質問検査権は乱用でないだろうか。正しい行使であろうか。あるいはまた本人の訂正申し込みを事実上拒否したのですよ。そういうことが一体適当であろうかどうか。この一例を、事実を調べなければわからぬと必ずおっしゃると思うから、かりに私の話の内容が真実だと仮定したらという前提を置いて下さってもいいと思うのですが、この事案についてのあなたの判断を願います。
#75
○原政府委員 実はそれとそっくりな事案が私の耳に入っております。どうもそれかどうかわかりませんが、ブドウ糖を作る会社がブドウ糖を流しておった。この事案では、相手方を違った名前にして、虚偽の名前で帳簿整理をしておった。ある業者でそれが出て、ほかにも行っているだろうというようなことで、ブドウ糖の供給業者を調べる必要がある。つまりかなり重大な酒税法違反といいますか、酒税の脱税の嫌疑が濃厚であり、かつそれのもとになった原料を、虚偽の名前で帳簿に記載して供給しておる業者があったのです。それにぶつかった場合の局なり署なりのなには、やはり調査の必要ということからいいますと、相当の緊急な必要があろうというふうに思います。えてしてそういう場合には証拠の隠滅――証拠といいますか、書類や何かの改ざん等をやられるおそれもあるので、急いだという事情はあると思います。急ぐという事情と、調べられる方のそういう病気とかなんとかいう事情とがかみ合った場合に、私どものなにが押しつけがましい結果になるというので、批判を受けることがあるかと思いますが、それはそれで常識的な範囲にとどめなければならぬと思います。別段そうでない、急がぬ場合に病人なのに出てこいと言えばそれはいかぬと思いますが、どうもただいまの例は、私自身が先日聞きましたケースにあまりにも酷似しております。何かそういうような事情もあるかもしれない。やはりそういう事情も聞いた上で、間違いがあれば納税者にもおわびせねばならぬと思いますし、皆さん方にもおわびせねばならぬと思いますが、具体的な事情をおっしゃっていただいてからにしたい。そうしませんと、税務署員が緊急に資料を握っておかなければいかぬというふうに思うのはまことに無理もない事情だったようなケースを私は聞いております。それと横山さんの言われるのが違ったならば大へん失礼な話で、そういう急ぐ事情がないのにそうしたらこれはいかぬということははっきり申せます。ただ急ぐ場合は、常識的に急ぐという事情とお互いのかね合いを両方ではからなければいかぬだろうというふうに考えます。
#76
○横山小委員 あなたのケースと私のケースが一緒であるかどうか、論ずる時間がございませんから、必要とあれば別途やってもけっこうですが、私の質問しておる趣旨は、反面調査の限界というものはないか。脱税したとおぼしき人のために反面調査をする。反面調査というものの限界が一体あるのかないのか。白石さんのお考えは、脱税の疑いをかけられておる人と同じように扱っていいというふうなお考えのように承りましたが、それについていささか私は疑問なしとしないのです。それからかりにあなたの場合をもっても、一般調査の段階ですね。この一般調査というものが犯罪捜査と一緒に考えられてはならぬという文句がどこかにありましたね。これはどういうことを意味するのですか。犯罪捜査のための調査と解されてはならぬという文句がいろいろなところにございますね。この犯罪捜査のためと解されてはならぬということと、一般調査及び反面調査の限界というものに、どういう区別をつけられるわけですか。
#77
○白石説明員 犯罪捜査のための捜索と申しますか、これにつきましては憲法並びに刑事訴訟法上のいろいろの規定がございまして、たとえば自分に不利益な供述は強制されないとかいうような、人権保護の見地からの規定があるわけでございます。従いまして、そのような規定のもとにおきましては、たとえば自己の不利益な供述は強制されないわけでございますので、その意味において、その検査に対しまして自白は強要されないわけでございます。ところが所得税法上の質問検査につきましては、やはり租税を正確に収納するという立場から、正確なる所得を捕捉しなければならぬわけでございまするので、その質問検査に対しましてうその供述をなされるということでは所得税法上の目的が達せられない。従ってその質問検査に対して虚偽の答弁をしたという場合においては処罪をする、こういう規定があるわけでございます。そういう意味におきまして、各税法上の質問検査と、それから犯罪捜査上のそういった種類の規定とは異なる扱いを受けるわけでございますね。そういう意味におきまして、犯罪捜査上のものと解してはならない、こういう規定が設けられておるわけであります。
#78
○横山小委員 私の認識不足でありましょうか、これはまことに驚いたのですが、そうすると、犯罪捜査のために認められたものと解してはならぬということは、納税者の保護条項でなくして、むしろ刑事訴訟法やそのほかで犯罪者を守られておる保護条項を適用除外するものだ、こういう御意見でございますか。
#79
○白石説明員 各税法上の質問検査は犯罪捜査のために行なわれるものではない、ただこういうことでございます。
#80
○横山小委員 どうもそれは、白石さん、ちょっと勉強不足じゃないかな。いいですか、あなたが先ほど答弁されたのは、検査の権限、質問の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということはどういうことなのかと言ったら、犯罪捜査のためには拒否権がある、自己の自白を強要されないという保護条項があるけれども、これは税法には適用しないのだ、こういう解釈だと承ったのですが、間違いないですか。
#81
○白石説明員 ちょっと私の言い方があるいは悪かったかと思いますが、その規定自身は犯罪捜査に使ってはいけない、こういう意味でございます。
#82
○横山小委員 そのことは文書に書いてある通りだから、その解釈はどういう意味なのか、質問検査権のリミットというのは、法律上ここへもう一つ出てきておるわけですが、犯罪捜査のために認められたものと解してはならぬということは、具体的にはどういうことなのか、先ほどのあなたの答弁、取り消されるのなら取り消して下さい。
#83
○白石説明員 犯罪捜査のために用いたものといたしますれば、そこに収集された各種の証拠をもって、これで刑事上の責任を追及するための証拠になるわけでございます。ところが本規定に基づいて質問検査いたしましたものは、犯罪捜査のために設けられたものと解してはならないわけでありますので、このような質問検査権に基づいて収集された証拠を、これをもって直ちに刑事上の責任を追及するための証拠に使用してはならない、かような意味でございます。
#84
○横山小委員 先ほどの御答弁は一体修正されるつもりであるか、そのまま残っておるんですか。
#85
○白石説明員 先ほど申し上げましたことは、別の方面のことを申し上げたわけでございまして、ただいま申し上げたことと別に矛盾はいたしていない、かように考えております。
#86
○横山小委員 そうすると、この項目は納税者の保護条項であると同時に、逆にまた、何といいますか、納税者の刑法によって保護されておるものを適用除外している条項でもある、こう解してよろしゅうございますか。
#87
○白石説明員 納税者の保護条項とか、あるいはそうでないというようなことでなしに、この税法に認められた質問検査権は、犯罪捜査のためのものではないというだけの規定でございまするので、従いまして、結果的にその効果がどのように現われてくるかは、これは別にそれぞれの規定によって出てくるわけでございまするので、この規定そのものから別に保護だとかそうでないということには直ちに相ならぬかと思うわけでございます。
#88
○横山小委員 納得しません。率直に先ほどの答弁を御修正になればともかくとして、この条項の解釈が納税者の保護条項であると同時に、刑法によって納税者が守られておる条項の適用除外の条項である、両方とも意味があるというような御答弁は、あくまで固執されるならば法制局長官に来てもらいます。
#89
○白石説明員 各税法に認められておりまするのは、各税法に基づく質問検査権である。これは犯罪捜査のために設けられたものではない。従いまして、各税法に基づいた質問検査は、それぞれ所得なら所得の調査のために必要な限りにおいてこれが用いられるわけでございます。従って、その結果といたしまして、そこに基づいた証拠のうち、たとえばその供述というようなものも、これを用いて直ちに刑事上の責任を追及する証拠というようにはならない。(堀小委員「それが次に犯則に発展していったときに、それは証拠とならぬですか、そういう言い方をされると」と呼ぶ)その場合におきまして、今度は次に犯罪捜査のためには、たとえば国犯法とかその他の規定に基づきまして刑事上の手続が発展することもあるわけでございます。そのような場合におきましては、前の各税法の質問検査権に基づいた供述は、直ちに次の刑卒手続上の証拠にはならないわけであります。ただものによりましては、たとえば物件その他どちらの手続によって行なわれようが同じ一つの物件的なものにつきましては、これは問題が同一でございまするので、そのような物件といたしましては、これはやはり同時に刑事上の責任の証拠ともなるということはあり得るわけでございます。ただ質問検査に基づきましては、それぞれの供述をとるわけでございますので、これらの供述は、各税法に基づいた質問検査については、所得を決定するための証拠にはなる。しかし刑事上は、先ほど申し上げましたように、自白は強要されないというような刑事上の手続の規定もあるわけでございまするので、前の質問検査権に基づいて得た供述が直ちに刑事上の証拠とはならない、かように申し上げておる次第でございます。
#90
○横山小委員 どうも固執されるようでありますが、原さんに伺いますが、この条文はその各項にわたって収税官吏の権限をうたっておるわけですね。その一番最後に、ただし書きという意味において番いてある。だから明らかにこれは納税者に対する保護条項である、こう考えるのが至当だと思うのですが、いかがですか。
#91
○原政府委員 この規定は、保護という意味は全然ないというふうに申すわけではございませんが、この項が入りましたのは、やはり憲法の黙秘権との関係において議論が出て、それで入ったということを、私立法の経過にタッチしたものとして記憶いたしております。つまり黙秘権は刑事手続につながる関係において黙秘権を認める。一般的な行政上の必要に基づいて供述を求めるということについては黙秘権は及ばないんだという解釈がございます。その解釈に至ってその趣旨をこれで書いておるというふうに御了解願うべき項であろう、従って行政上、つまり納税義務の実現、履行ということのために調査権を与えるという面は、その面において黙秘権の範囲外で自足的にやれるようにしてある、ただしそれが刑事手続に発展していく場合には、これによって得られた、ただいまお話の出ました供述書というものの証拠力というようなものにチェックをしておく必要がある、それをいわば念のために書いたというふうなものと私は理解しております。
#92
○横山小委員 これはきわめて意見の分かれるところでありますが、残念ながら私には時間がございませんから、委員長にお願いできますならば、次会は法制局の本問題についての担当者に出席していただくようにお願いして、一応次の問題に移ります。
 次は挙証責任の問題です。私はこれは少し勉強不足で、ございますからなんですが、挙証責任は一般的に納税者にあることになっておるのかどうか。たとえば推計課税をする。その場合に、推計課税をした責任は税務当局側にある、推計課税をした以上はそれがどういうわけでこういうふうになるかという挙証をする責任が税務署側にあると思われるのですが、いかがですか。これが第一です。それから推計課税ばかりでなくて、税務当局側が脱税がこれだけあるといった場合の挙証責任というものは、どちらに税法上なっておるのか、これを一つ現行法の解釈をお伺いしたい。
#93
○原政府委員 大へん恐縮でありますが、挙証責任の問題は税法でもなかなかむずかしい部面であります。今御質問があって即座にお答えしないのは格好が悪いようでありますけれども、この委員会はそういう即座々々の形をとりますよりも、十分に検討してしっかりしたところでお答えする方がよろしいと思います。それで恐縮でございますが、及ぶべくは本日は横山委員がどういう角度でどういう点を御質問になるかという点を、一つずっとおっしゃっていただきまして、私ども十分検討の上申し上げるというふうにしたいと思います。こういう問題はあまりやりとりで発展するというようなことでもよろしくない。決して私はそのゆえに不当に腰を落としてしまって、逃げるとかなんとかいう気持ではございません。非常に重要な、むずかしい項目とされておることだけに、慎重に、建設的ないい議論になるようにと思ってお願いするわけでございますから、どうぞそういう意味で一つ御質問の御趣旨をずっとおっしゃっていただいて、次回ということにさせていただければ幸いでございます。
#94
○横山小委員 そう折り入っておっしゃられると私もなんでございますけれども、それでは挙証責任についての法律上の解釈はどうなっておるかということを御研究を願って、できますならば印刷物をもって、いろいろな事例をあげて御説明願いたいと思います。
 その次には質問検査権の中で、必要があるとき、ないしは認められるとき――たとえば法人税法四十五条で「調査について必要があるときは、」と書いてある。それから相続税法六十条で「贈与税の徴収について必要があるときは、」それからどこやらにまた「認められるときは」ということで書いてあります。これは税務官吏のオールマイティで、必要があると言ってしまえばそれまでのことか、認められるというふうに言ってしまえばそれまでのことなのか、何らのリミットはないのか、自由裁量権として解釈すべきものかどうか、これが次の質問の要旨であります。
 それから立入権です。これはたしか捜索、領置等の場合に立入権が認められておるが、一般調査において立ち入りらしいものが認められるかどうか。たとえばある例を申しましょうか。脱税の疑いがある人のところにやってくる。そうして金庫はどこにあるか、奥の部屋にあります、そこに案内してもらいたい、きょうは何がしの理由があってちょっと困ると言うけれども、それはいけませんと言うて――特調も一般調査に入りますね。
#95
○白石説明員 任意調査は一般調査です。
#96
○横山小委員 こういう場合に立ち入ってやっていくような、そういうことがどこまで認められるのであろうか。そう言うと、おそらく先ほどのお話では、そんなことで立入権を否定したらかえっていかぬのですから、結局はやらしてもらわなければいかぬということだろうが、しかし立入権が認められておる場合と認められてない場合とあるのですが、そこにどういうリミットが収税官吏のもとにあるのかどうかという問題ですね。
 それからその次は記帳義務です。記帳義務に何か罰則をつけるという話が今後の問題ですが、伝わっておるけれども、それはどういう理由でそういう話が出てきておるのか。そういうことを国税庁として一体お考えなのかどうかということ。
 ずいぶんあるのでございますけれども、あまり言うと忘れてしまいますからこの辺にさしていただいて、きょう御答弁願えるものがありましたら、きょう御答弁をいただいてもけっこうです。後刻ということでありましたら、私の質問はこれで終わります。
#97
○原政府委員 いずれも先ほど申したような意味で、相当練ってお答えしなければならぬと思いますので、次会に譲らしていただきたいと思います。
#98
○簡牛小委員長 次会は追って御通知することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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