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1960/04/13 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第5号
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1960/04/13 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第5号

#1
第038回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第5号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
   午前十一時二十三分開議
 出席小委員
   小委員長 簡牛 凡夫君
      伊藤 五郎君    岡田 修一君
      高田 富與君    細田 義安君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      堀  昌雄君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
 小委員外の出席者
        大 蔵 委 員 田原 春次君
        大 蔵 委 員 佐藤觀次郎君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    泉 美之松君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      上田 克郎君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
四月十三日
 小委員岡田修一君三月二十二日委員辞任につき、
 その補欠として岡田修一君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同 日
 小委員高田富與君三月十七日委員辞任につき、
 その補欠として高田富與君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制に関する件
 税の執行に関する件
     ――――◇―――――
#2
○簡牛小委員長 これより会議を開きます。
 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。
 本日は、まず入場税の問題について平岡委員より発言を求められております。これを許します。平岡忠次郎君。
#3
○平岡小委員 私は、入場税減免に関しまして、大蔵委員会において決議を行なうために、本小委員会におきましてその案文を起草し、小委員長より委員会に提案されるようお取り計らいをお願いいたします。
#4
○簡牛小委員長 ただいまの平岡委員の御提案について、他に御発言はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○簡牛小委員長 それでは、平岡委員提案のごとく決することにいたします。
 なお、決議案の案文につきましては、次のようにいたしたいと存じます。
  わが国文化の発展に重大な影響を持つ映画、演劇等は高率の入場税により、その健全な発展が阻害せられている現状である。
  政府は、この点にかんがみ、更にまた入場税の取扱いに対する先進諸国の例に照らし、文化保護の立場に立脚し、可及的速やかにその減免を実施すべきである。
 以上でございます。
 これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○簡牛小委員長 異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 また、委員会における報告等につきましては小委員長に御一任を願いたいと存じます。
     ――――◇―――――
#7
○簡牛小委員長 次に、物品税に関する問題について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
#8
○堀小委員 過日この小委員会に「物品税法違反者に対する処分状況調」というのを御提出を願いまして、これを拝見したわけでありますが、よくわからない点がありますので、最初にちょっとこの資料についてお伺いをいたします。
 「無申告犯」と書いてありますのは、これは当然申告すべきものを申告しなかったという点でわかります。「ほ脱犯」というのは、ある正当でない申告をしたことによって起こっておる脱税だと思うのですが、次の「秩序犯」と響いてあるのは一体どういうものを意味するのか。
#9
○上田説明員 秩序犯と申しますと、一般的に申し上げますと、物品税をいただきます場合に、そのいただくための手続と申しますか、記帳の義務だとか申告の義務だとか、そういうようなものを規定してあるわけでございます。その義務に違反したものを秩序犯としてやっております。
#10
○堀小委員 取り扱い上に違反したということになると、具体的に一つ例をあげて言っていただきたいのですが、記帳が抜けていたら、それは脱税でなくても秩序犯――犯ということですから、やはり一種の犯罪になっているのだと思うのですが、具体的に何か例をあげて説明していただきたい。
#11
○上田説明員 たとえば品物を売っております外交員がおったといたします。その外交員が売りましたものの記帳が抜けておる。そういうような場合に、その抜けたままで計算して申告いたしますと、それは悪意があって逋脱しょうと思ってやるのでなくて、実際上抜けておる、あるいは集計の計算が間違っておった、そういうようなことは具体的にあるわけであります。その場合、逋脱の意思はないというような場合に、秩序犯ということになります。
#12
○堀小委員 そうすると、意思があったかなかったかということは、あとの判断に基づくことになるわけですね。過失とあなたの方で認めた場合は秩序犯、こういうことになるわけですね。
 そこで、この資料を拝見しますと、「犯則検挙」という表現として見ますと、三十二年から三十四年にかけて犯則検挙はだんだん減っておるようですが、しかし、今のこういう脱税問題については、明らかに脱税されておる事実がわかった場合は、これは、全部ここに出るような犯則検挙といいますか、こういう表現になるのか。特に言いますと、今の秩序犯等の問題になれば、事実上悪意はなかった、犯意がなかった、しかし抜けていたという場合に、これは一種の犯罪というか、そういう取り扱いとしてならしたのはどうかと思うのですが、これ以外にそういう事実はもうないのか、どういうふうに表現したらいいですかね、まだ何らかの格好で脱税が結果としては出てきたというものは、すべてここに出ておるのかどうか。
#13
○上田説明員 普通の場合は一般に指導いたしておりまして、なるべくそういう秩序犯はないようにいたしておりますが、発見いたしました場合に、政府決定という方法がある。いわゆる犯罪にならないで、税金を納めていただかなければならぬものを納めていただくという程度の政府決定という方法、それでやっておる場合が多うございます。
#14
○堀小委員 ここに書いていただいておりますのは、秩序犯の三十四年を例にとりますと、反則検挙百三十六件、通告処分が百二十一件で、「外書は、反則行為者分である。」ここはちょっとよくわからないのですが、そういう内訳になっています。さらに、通告処分のあとずっと参りますと、不履行告発が三件で通告履行が百二十件、こういうふうになって、こちら側の数とちょっと合わなくなっておるわけですね。ここの関係は一体どうなっているのか。通告処分というのは反則があるからということで通告をする。そのあとの形がこういうふうになっているのは、ちょっとよくわからないのですが……。
#15
○上田説明員 これは表の作り方でそういうような誤解があろうかと思いますが、実は、反則検挙と申しますのは、調書を取りまして税務署長までに報告をした件数でございまして、それから以後通告処分なり告発処分なりをいたすわけでございます。ここに書いてございます件数は、まだ通告処分にも告発処分にもいかない件数も、その検挙という数字の中に入っております。経過的なものが入っておりますので、必ずしも左と右と数字が合わない、そういうふうな表になっておりますので、誤解を招いたかと思います。
#16
○堀小委員 そうすると、外書きの反則行為者分であるというのが昭和三十四年が二十七で、下に書いてある通告処分が百二十一、これはどういうことなのですか。外書きの二十七の反則行為者分であるという意味がよくわからないのですが……。
#17
○上田説明員 上の外書き二十七というのは、たとえば法人の場合は、従業員がその行為をやった、その従業員に対して直接やるのが行為者、そういうことになっております。
#18
○堀小委員 今ので大体わかったわけでありますが、この物品税の問題は、ここへ出ております部分で全部問題が済んでいるのじゃないような気が私はするのです。実は物品税の取り扱いをちょっと消費税関係で調べてみますと非常に複雑です。大きな事業所であれば、いろいろな庫出その他多数の人が関係してくるから問題が少ないと思うのですが、業態が小さくなればなるほど物品税の取り扱いが非常にむずかしい問題になってくるのではないか、そういうふうに思います。これを拝見しております限りでは、思ったよりもそういう反則が少ないと思うのでありますが、今おっしゃった行政指導によって処理されておるものとこの反則検挙をされたものとの関係は、大体どのくらいの比率になっておりますか。
#19
○上田説明員 税額という点から申しますと、先ほど申し上げました反則処分までいかないで政府決定でいきました税額と、それから反則処分でやりました税額とを比べますと、大体同額程度になっております。たとえば三十四年の実例を見ますと、政府決定の増差税額が二億一千二百九十一万円、約二億一千三百万円、それに対しまして反則処分いたしましたときの通脱税額は二億三千三百万円、そうなっておる。大体同額程度でございます。
#20
○堀小委員 次に、少しこの問題で具体的に参りたいと思うのでありますが、別紙の第二という方に「検挙件数」「ほ脱税額」というので見て参りますと、一番大きいのがゴルフ用具、三十四年度四件でございましたものが三十五年度は五十件に達しまして、金額においても六千五百万円の逋脱税額が出ているわけです。その次がパチンコで、その次がピアノ、テレビジョン、宝石ですか、こういう格好で並べられておるわけであります。このゴルフ用具の脱税の問題は、昨年各地で相当に出てきたわけでありますが、皆さん方は、今物品税の中で一番高い課税をされておるこのゴルフ用具の物品税の取り扱い方が現状のままでいいかどうか。これは国税庁よりも主税局の方にお答えいただいた方がいいのかもしれませんが、どういうふうにお考えになっておるのか。このゴルフ用具の脱税の問題の経過の中で、私、何らかやはり大蔵省当局として気づかれておる点があるだろうと思うのですが、これは国税庁からでも主税局からでもどちらでもけっこうですが、これは多少制度に関係があると思いますから……。
#21
○村山政府委員 ゴルフにつきましては、御案内のように、今製造課税第二種として五〇%の最も高い税率を盛っております。来年度間接税全般については検討を加えることになっておりますが、その消費の実態からいいまして最高の税率を盛られることは、現在の状況ではやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#22
○堀小委員 いや、私が申し上げておるのは、税率が高いから脱税が起こるという問題も一つはありましょう。しかし、私は、実はこのゴルフの脱税の問題をちょっと調べて感じておりますことは、取り扱いの問題といいますか、物品税としての取り扱いの問題、製造課税ということですから、実は最終的に物ができ上がる時点がやはり製造ということでは、なるほど製造課税の対象になると思うのでありますが、調べてみますと、ゴルフのクラブというものは、シャフトという棒の部分と先にある木部その他とでできておる。ところが、事実上は、シャフトを作るところあるいはそういう木部を作るところは、きわめて大量生産をやって企業的な処理をしておる。ところが、これを今度は製品にするために、あるいは多少みがいたりあるいはセットするためのところは、おおむね企業的に見るときわめて小さいところへ分散をしておる。そうすると、そのきわめて小さいところが手工業的なことをやって取り付けて、そうして出すところへ物品税が五〇%課せられておる。こういうところに、非常に零細な企業であるために、物品税の負担が強くかかり過ぎる。五〇%自体も高い税額でありますけれども、そういうかかり方が起きておるところに、私はこのゴルフの問題の脱税の真因があるんじゃないか。こういうものについてもし今後物品税を依然として五〇%課税するということになるならば、製造課税という表現のところの――製造課税という表現は、今私が申し上げたように、最終のセットするところが製造ということになっているようですが、事実的には、その前段階のシャフトができるとかあるいはその先の木部ができるとかいう、大量生産部分で庫出をするところで課税が行なわれるような格好になれば、もちろん金額として多少そこは変わってくるかと思いますが、それで五〇%というのなら、今後の脱税関係の問題についてはきわめて捕捉は簡易になるのではないか。物品税の脱税で、私はやはり最初に申し上げたように、多少大きな企業形態をとっておれば捕捉はしやすいけれども、家内工業的なものでやっておって、それから物品税を取るということ自体が、物品税体系として見ると問題があるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、主税局の方では、これは物品税というものの取り方の問題になりますが、どういうふうにお考えになっておられますか。
#23
○村山政府委員 課税物品としてゴルフ用具を指定しているわけでございますので、最終的にはその完成品の段階での価格、これを課税標準にして、それで五〇%がいいかどうかということでございます。それで、お話のように現在全国で百六十一場ばかりゴルフ用具を作っておるところがあるそうでございます。シャフトあるいはアイアンのクラブ・ヘッドを一手に企業的に作っておるところがあるのであります。これはもちろん現行法では部分品まで取り入れておりますので、その段階で課税していく。それで、それを使うところは、通常物品税法十三条の原料免税の手続を受けて、それで完成品に持っていけば二重課税の問題はない、こういうふうに考えております。お話のようにこれを企業段階だけ今大量に作っておるシャフトなりあるいはクラブ・ヘッドの部分品のところでかけるということになりますと、先ほど申しましたように、完成品の値段ということを課税対象に置いているわけでございますので、物品税の全体の構想が変わってくるのじゃないか。おっしゃるような点は確かにありますが、そこはわれわれは原料免税ということでつないでおる次第でございます。まあ百六十一場でございますので、零細とはいっても、ある程度指導よろしきを得れば、そう問題はないのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#24
○堀小委員 すでに検挙件数としてゴルフ用具は三十四年度四件、三十五年度五十件と出ておりますが、そうすると、一体ゴルフの脱税がわかり出したのはいつから気がつかれたのか。そうして行なわれておる時期は一体どうなのか。これは二カ年にわたっておって、最初の年はわかっておりながら、次の年になってさらに五十件という数字が出てきた。最初の年がゼロで次の年がふえたというなら話はわかるのですが、そこいらの関係はどういうことなんですか。
#25
○上田説明員 ゴルフの脱税の発見の端緒と申しますか、気がつき始めましたのはおととしの暮れからでございます。それからいろいろ資料を取りまして、シャフト業者のところからいろいろな資料を入れまして、それで各地の国税局にまたがった問題になりまして、それで件数が去年になりまして大きくなった、そういう関係でございます。
#26
○堀小委員 この件は、百六十一場ならばおそらくもう全部調査をされて結論が出てきたことだと思うのですが、この問題を私もちょっと調べてみて感じましたことは、今のあり方では今後にまだ事件の起こる可能性がある。それは、今私が申し上げましたような、多少そういう制度的に家内工業的な処理をしておるところから、こういう格好での物品税が最終段階にしわが寄ることになっております。中間段階はそうではなくて、最終段階の価格のところで五〇%というしわが寄るような格好で、小さい――小さいといっても相対的なものになりましょうが、まあ家内工業的な処理がされておるところに課税の問題が行なわれておる点は、私、今後問題が起こる可能性が十分にあるのではないかという点で、まあ今後の経過を拝見したいと思うのであります。
 次に、この中で出て参っておりますのは、ピアノの検挙件数が八件、五件、相当にあるのですが、ピアノというのは、ほんとうのピアノというとおかしいですが、ちゃんと体をなしたピアノのことでございましょうか。そうすると、ピアノの製造業者というのはそんなに私たくさんないと思うのですが、一体今物品税としての製造業者というのは何事業場ございますか。
#27
○上田説明員 製造業者として私たちの方でつかんでおりますのは、ピアノで三十二場ということになっております。ただ、今御指摘の製造場の数も少なくてわかっておるはずだという問題でございますが、御承知のように、ピアノは、割に技術者でございますと、部分品を持ってきて部屋の中で組み立てることができるような性質のものでございまして、反則が起きておりますのは、そうした大きなピアノ製造業者ではなくて、小さな、技術を持った方が自分で組み立てておられる、そういうようなところに反則が多いようでございます。
#28
○堀小委員 ピアノの問題で、私どもが実はそういう小さい事業場、大きい事業場の関係で感じますことは、私よくわかりませんが、小さい事業場というのは一体年間に何台くらい出るのですか。一体そういうものが成り立つというのが私どうもよくわからないのですが、部分品と言ったって、こんなものを一人で作るわけにいかないでしょうから、この取り扱いで私ちょっと感じますことは、大企業の場合は免税的なものが相当に出たりいろいろするという点はあるのでしょうが、おそらく、小さな事業場の場合には、そういう名前は通っていませんから、学校その他の免税品というようなものは出ないので、そこで結局そういう個人的なもので売れないということで、違反が起こるのじゃないかと思うのですが、このピアノの反則の何か抽象的な経緯でもいいのですが、それは一体どういう場合に起きておるのか、そうしてどういうことでわかったのか、これをちょっと伺いたい。
#29
○上田説明員 私、ちょうどこちらに参ります前に、名古屋の国税局長をやっておりましたが、一番ピアノの反則の多いのは、名古屋の国税局管内で浜松地区でございます。ここは、いわゆる大きな会社に前に勤めておったとか、そういうような方で技能を持った方が、小さな一つの会社組織にいたしまして、それで主として自分が部品を買ってきて、自分で組み立てて、それを特定の顧客の注文生産と申しますか、そういう特殊な形で出す。それで、これはよけいなことかもしれませんが、多くの場合は、何といいますか、会社は、こうやって見つかりますと、会社そのものが解散ということになりまして、また税金を取れないまま、今度はまた別の会社を作って、さらにまた組み立てをやる、そういうケースがありまして、実際通告処分しても履行が少ないのも、このピアノを無免許で作っておられる、そういう方に多かった記憶がございます。それで、案外何と申しますか、技術を持っておれば人知れず作れるもののようでございます。
#30
○堀小委員 今のお話で少しわかって参りましたけれども、そこで、今のお話でわかったのは、会社、法人でそういう行為が起きた場合には、反則がわかって、その会社がつぶれたらそれでしまいまして、またその同じ人間が新しい会社を作って、そうしてそういう物品税の取り扱いについても申請か何かするのでしょうか。もう何もしないで、完全にやみからやみに処理をしていって、わかったらやめるという、こういうことなんでしょうか。
#31
○上田説明員 あとでおっしゃいましたやみからやみの例が多いようでございます。
#32
○堀小委員 物品税全般の問題になりますけれども、一体、そうすると、さっきお話しになった行政処分によって同額のものが行なわれているわけですが、この最初のところに戻りまして、これらの犯則件数、昭和三十四年度は全国で千五百十七件ありますけれども、正規の事業場といいますか、今の物品税を取り扱うことでわかっておる事業場と、ほんとうにやみからやみのやつでここへひっかかってきているものとが、この内訳としてわかりますでしょうか。
#33
○上田説明員 ただいまの資料では、その内訳はわかっておりません。
#34
○堀小委員 今のお話で私も少しわかって参りましたけれども、製造業ということになれば、おそらくその法人その他は、直税の方で見れば所得税が何としてもかかるのじゃないかと思うのです。法人における所得税は、法人を作った以上は一応登記をし、いろいろな手続をしておりますから、その所在等は明らかだと思いますが、そういうような法人における法人税等の関係とこの今の物品税の関係、私が最近ずっと感じますのは、要するに間接税と直接税との関連なんです。そういう部分においては、今のやみにおける事業場というものは、裏返していけば、おそらく法人税をも払ってないというような格好になっておるのじゃないかと思うのです。間税部長に伺ってはちょっとあれですが、名古屋で国税局長をしておいでになった経験から見て、そういう場合はいずれも脱税になっておるのかどうかをちょっと伺いたい。
#35
○上田説明員 実はその両方の関連で意識して考えたことがございませんので、脱税が伴っておるかと思いますが、はっきりした記憶はございません。
#36
○堀小委員 今のような問題になりますと、実際、国税庁としても、やみからやみにすべてが行なわれておるものの物品税の把握というのは、なかなか大へんなことだと思うのでありますが、私は、やはり、物品税というようなものが課税をされる以上は、一応のルールで処理されなければならぬと思う。ただこの場合に問題になります点は、今の零細事業場といいますか、何らか課税をしてそれが処理できるような条件といいますか、制度といいますか、何かそういうものがこの中に少し配慮されてこなければ、裏返して言うならば、要領よくやっている者は得をする、なまじっか正直にやれば損が起きるというようなことであっては、私は課税の公平を欠くのじゃないかと思うのです。ほかのものは大体一種の免税といいますか、基礎控除とかいろいろの面の問題があるのですが、物品税その他の取り扱いの面について、きわめて零細な部分についての何か取り扱いの特例等を考える余地がないのかどうか。あれば、そういうことでルールができて、それ以下のものはよろしい、それ以上のものについては正確に届出をさせるとかなんとかということに処理できるのじゃないかと思います。零細をどこで引くかは別でありますが、そういう取り扱いを今後検討してみる意思はないかどうか、ちょっと主税局の方で……。
#37
○村山政府委員 来年度われわれは物品税につきましても根本的な検討を加えたいと思っておりますが、その一つのテーマとしては、零細な企業を納税義務者からできるだけはずす方向に持っていくというのが一つ考えられます。それから、もう一つは、課税最低限をどこに持っていくかということによりまして、事実上零細業者の扱っているものはのける場合がある。ただ、非常に高級なもので零細業者がやっておるというものがあるわけでございます。これが課税技術の上でどういうことになっていくのか。今お話しのピアノのような例はまさにその通りだと思います。原料段階が企業形態をなしておって、組み立ての方が零細だというものはどこまで及ぶか、この辺は検討の余地があると思いますが、方向としては、課税最低限をきめる場合、あるいは納税義務者をきめる場合に、そういう観点を取り入れてみたい、かように考えております。
#38
○堀小委員 今のお答えで御検討をいただくのでけっこうですが、結局、この物品税の中で、今あとでお触れになった比較的高級なものが零細なところで行なわれる場合は、大体技術的な要素が入っているのですね。技術的な要素があるために、高級なものが実際行なわれているけれども、それは大量生産ではできないために、きわめて小規模なものもあり得るというところに一つの特異性があるように私は判断をしているわけです。ですから、そういう一つの技術によって問題が生まれてきている。しかし、特殊の技術というものを生かそうとすれば、勢い零細たらざるを得ないというような部分については、一つこの際根本的な御検討をいただきたい。本来の趣旨は、そういうものと機械的なものとを同一の線で見て処理をしていいのだということではないのではないかと思いますので、その点は十分に検討していただきたいと思います。
 次に、五番目に出ております貴石、貴金属製品の脱税というのが相当に多いのであります。これは件数が少ない割に金額は相当になっているわけですが、これは一体どういう場合が多いのでありましょうか。ちょっと具体的にお示し願いたい。
#39
○上田説明員 御承知のように、この五番目のは小売り課税になっておりますが、貴金属商だとか、それから、最近わかりましたのでは、百貨店なんかで、会社としてそういうことをやるというよりも、売り場の人が、物が小さい関係もありまして、脱税したままで売っている、そういうようなケースがございました。
#40
○堀小委員 この場合問題が生じてくるのは、物品の価格が非常にラビールなものであって、一体幾らが正しい価格かということが実際わからない。ということになると、今度はここに出てきたのは逆に比較的大きいところで出ているのじゃないか。この貴石、貴金属製品の脱税は、小さいところでは一体幾らで売買したかは、現実に買う人と売る人と対になれば、これは実際は幾ら幾らでございます、しかしこれで売ったら税金がこうなりますから、一つあなたこれで買っていただいて、しかし表はこうですよという話がもしできたとすれば、これは事実上犯則をつかむことは不可能じゃないかと思います。これは今度は逆に、四件、十二件は出ているのはそういう業者の中でも比較的大きいものである、従って額の方も多いんじゃないかという感じがしますが、どうでしょうか。
#41
○上田説明員 どうも答えになるかどうかわかりませんが、大きいところもあり、小さいところもあるということであります。金額で免税点がどうこうということで問題になるよりも、初めから税金を取らないということでやっている例が多いようでございます。
#42
○堀小委員 そうすると、これも大体初めから、さっきのピアノではありませんが、わかるまでは無申告でいくというような格好で出ているのが多いのでしょうか。今の貴石、貴金属のは無申告犯、逋脱犯、秩序犯という割合から見てどこに集中しておりましょうか。
#43
○上田説明員 これはいわゆる逋脱の方で、初めから一部を抜いてしまう、そういう例が多いようであります。
#44
○堀小委員 貴金属の問題については、今後、私は、だんだん情勢がこういうふうになって参りますと、いろいろな点でこういうものの売れていく率が多くなるのではないかという感じがするわけでありますけれども、そういう取り扱いの問題で、私どもはこまかいことですからよくわかりませんけれども、このいろいろな過程、最終的には小売課税でございますね。これはたしか小売課税でありますから、通ってくる経緯等の関係でいろいろな問題が私は出てくるのじゃないかと思うのです。あの免税点は二千五百円ですか、そういうことになっておりますが、脱税の起きておりますケースというのは、その辺といいますか、それよりあまり遠くないところに多いのか。それとも相当高額なところに多いのですか。その辺についてちょっとお知らせ願いたい。
#45
○上田説明員 むしろ相当高額のところに多いようでございます。
#46
○堀小委員 あと幾らもありませんけれども、化粧品なり写真機なり嗜好飲料、家具等いろいろ項目別に掲げてあります。金額はいずれも大したことはありませんが、これらのものは今度は逆に小さいところが多いのではないかと思います。化粧品とか家内工業的なものだろうと思うのですが、ここらは一体どういうことになっておりますか、項目別におっしゃって下さい。
#47
○上田説明員 化粧品、写真機、嗜好飲料、それぞれごらんの通り金額は小そうございます。メーカー自身も、逋脱犯をやるようなものは小さいメーカーに多い傾向がございます。
#48
○堀小委員 拝見をして感じましたことは、テレビもおそらくそのうちに入ると思うのでありますけれども、物品税については総体的に反則が出ておるところは小さいところだというところに問題があると思いますので、今の特殊技術を使わない、ただ小さいからというだけでは問題があると思う。ことに化粧品その他は税率も小さいものでありますから、税率が小さいから大したことはないだろうというので、逆に小さいところで起きておるのかもしれませんが、こういう問題をも含めて、先ほど主税局長が御答弁された趣旨で、一つ物品税の全体の取り扱いについての角度を今度は御検討をいただきたいと思っております。
 以上で終わります。
#49
○簡牛小委員長 次会は追って公報をもって御通知することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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