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1960/02/01 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第1号
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1960/02/01 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第1号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第1号
本国会召集日(昭和三十五年十二月二十六日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
  委員長 足立 篤郎君
   理事 鴨田 宗一君 理事 黒金 泰美君
   理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君
   理事 山中 貞則君 理事 石村 英雄君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 平岡忠次郎君
      伊藤 五郎君    宇都宮徳馬君
      岡田 修一君    金子 一平君
      川村善八郎君    簡牛 凡夫君
      藏内 修治君    篠田 弘作君
      田澤 吉郎君    高田 富與君
      高見 三郎君    竹下  登君
      谷垣 專一君    津雲 國利君
      塚田十一郎君    永田 亮一君
      西村 英一君    福田 赳夫君
      藤井 勝志君    坊  秀夫君
      米山 恒治君    加藤 勘十君
      栗林 三郎君    田原 春次君
      広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      山本 幸一君    横山 利秋君
      春日 一幸君
―――――――――――――――――――――
昭和三十六年二月一日(水曜日)
   午後一時二十一分開議
 出席委員
  委員長 足立 篤郎君
   理事 黒金 泰美君 理事 細田 義安君
   理事 毛利 松平君 理事 山中 貞則君
   理事 石村 英雄君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 辻原 弘市君 理事 平岡忠次郎君
   理事 横山 利秋君
      伊藤 五郎君    岡田 修一君
      簡牛 凡夫君    藏内 修治君
      田澤 吉郎君    高田 富與君
      高見 三郎君    竹下  登君
      谷垣 專一君    永田 亮一君
      藤井 勝志君    坊  秀男君
      米山 恒治君    有馬 輝武君
      田原 春次君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    堀  昌雄君
      武藤 山治君    安井 吉典君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (首都圏整備委
        員会事務局計画
        第一部長)   水野  岑君
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石野 信一君
        郵政事務官
        (貯金局長)  大塚  茂君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (理財局次長) 吉田 信邦君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
一月三十日
 委員加藤勘十君、栗林三郎君及び山本幸一君辞
 任につき、その補欠として安井吉典君、辻原弘
 市君及び有馬輝武君が議長の指名で委員に選任
 された。
二月一日
 理事石村英雄君及び佐藤觀次郎君同日理事辞任
 につき、その補欠として辻原弘市君及び横山利
 秋君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月三十一日
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一号)
 通行税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 国政調査承認要求に関する件
 税制に関する件
 金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○足立委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本会期中、国政に関する調査を行なうため、国の会計に関する事項、税制に関する事項、金融に関する事項、証券取引に関する事項、外国為替に関する事項、国有財産に関する事項、専売事業に関する事項、印刷事業に関する事項及び造幣事業に関する事項の各事項について、議長に対し国政調査承認要求をすることとし、その手続については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○足立委員長 この際大蔵大臣より発言を求められております。これを許します。水田大蔵大臣。
#5
○水田国務大臣 昭和三十六年度予算案は、去る二十八日、政府より国会に提出いたしました。明日衆議院の予算委員会におきまして提案理由の説明をいたし、御審議を願うことになっておりますが、この予算案に伴う関係法案は、ただいま二十七件ございます。その他大蔵省関係の提出法案は別に八件が予定されておりますので、今国会中三十五件の法律案を当大蔵委員会において御審議を願うことと相なることと存じております。成案を得次第逐次提出いたしたいと存じますので、何とぞよろしく御審議、御協力のほどをお願い申し上げます。
 また、一昨日、私は、本会議におきまして、昭和三十六年度予算の御説明とあわせて、財政金融政策等に関しまして所信を申し述べたのでありますが、ただいま政府が意図しております経済成長の目標を達成するためには、諸施策の総合的な展開が必要でございます。そのためには、予算における財政措置だけでは不十分であります。いわゆる財政金融一体化の構想をもって対処する必要がございますので、その点を十分に考慮し、財政投融資計画を決定したつもりでおります。たとえば、いわゆる三本の柱といわれております減税、社会保障、公共投資を例にとりますと、減税は平年度国税におきまして千百三十八億円、中央地方を通じては千四百三十億円を予定いたしておりますが、これと相並ぶように、社会保障、公共投資の部面におきましても、予算額の増加と、これに対する財政投融資額の増加とを合わせますと、それぞれ前年度に比して一千億以上の強化となっておりますが、その他のいろいろな施策におきましても、それぞれ均衡を失することのないよう配慮したつもりでおります。
 しかしながら、さらに重要と思われますことは、経済の成長に必要とされる資金の供給をいかにして円滑ならしめるかという問題でありまして、日銀の通貨供給方式等今後十分に検討してもらわなければならぬ問題がありますことと、また、公社債の市場の育成、その他いわゆる金融正常化に関連して、今後政府が努力しなければならないことが多いと存じております。同時に、貿易・為替の自由化に対処して、わが国企業の国際競争力を強化するために、割高な金利水準を国際金利水準にさや寄せすることが重要でありますので、先般来いろいろ努力して参りましたが、幸いに最近その機運が醸成され、去る二十六日に公定歩合、続いて三十日市中の貸し出し金利がそれぞれ引き下げられましたことは、非常に時宜を得た措置であると考えられまして、喜びにたえません。今後預貯金金利を初め全般的な金利水準の引き下げに及ぶものと思われますので、政府といたしましても極力この方向に協力するつもりでございます。
 なお、郵便貯金の利率引き下げ等につきましては、先般具体案を決定した次第でありますし、また、政府関係金融機関の貸し出し金利は、すでに一月一日以降、政府関係中小企業向け金融機関と北海道、東北開発公庫の金利を三厘引き下げましたほかに、二月一日から開発銀行の基準金利についても引き下げを行なうことといたしております。このような金融経済情勢の推移によって、今後金融機関のあり方が経済に及ぼす影響はだんだん大きくなってくるものと思われますので、今後とも、私どもは十分な指導をして、金融の正常化を進めていきたいと考えております。
 こういう問題に関しましては今後いろいろむずかしい問題がございますので、私もできるだけ当委員会の御審議も御意見も承りますし、またいろいろの御協力を願いたいと存じておりますが、御承知のようにしばらく予算委員会の方にこの身柄を縛られますので、その間は政務次官、事務当局がいろいろ当たって下さることと思いますが、できるだけの時間を見て私もここに参って御意見を伺うつもりでおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○足立委員長 税制及び金融に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。
#7
○佐藤(觀)委員 大蔵大臣からいろいろ説明を承りましたが、今度の予算編成について、これは政党内閣では仕方がありませんけれども、大蔵省の原案が自薦、他薦その他党内のいろいろな関係で膨大な予算になったというのでございますが、少なくとも予算の編成権は内閣にあるわけで、大蔵大臣はその責任を持っておられるわけであります。こういう点について、党の言うままになったような印象を与えておるわけでありますが、こういう点について大蔵大臣はどのようにお考えになっておるのか、まず一点お伺いいたしたいと思います。
#8
○水田国務大臣 予算の編成権は言うまでもなく政府にございますし、その限りにおいて、この編成権が不当にゆがめられたというような事実は私自身ないと思っております。この大蔵原案を決定しましてから、当然この調整は最後には政府の案として閣議がこれに当たることになるわけですが、その間編成の当事者としての各大臣と私は折衝し、その意見も聞きますし、政党政治でありますから与党の責任者の意見も十分に聞く。それから、圧力団体云々のお話がございますが、私は、今度この編成に当たる期間中、もう外部の人には一人も会わないという原則を貫いて、いろいろ予算編成上御意見を聞きましたのは、国会議員、政府閣僚、与党、それから社会党の方からも面会を求めてこられた方の意見は随時聞くということをいたしましたが、その他のいろいろな圧力によってこの予算がゆがめられたというようなことは、全然私の関知する限りではございません。
#9
○佐藤(觀)委員 水田さんもだいぶうそがうまくなられた。池田さんに似てこられたので、正直のようなことを言うて、うそを言うようなことがないように……。いろいろ圧力団体がやったことは事実でありまして、われわれも知っておりますけれども、それはそれとして、大蔵大臣は、第二次補正は出さぬ、こういうことをはっきり言明されたわけでございます。ところが、今度の三十六年度の予算のやりくりができないので、実は第二次補正を四百数億組むという問題があるわけでございます。それから、もう一つ、この予算の第二次補正というのは財政法第二十九条の違反にならないか。これは前からの規定ははっきりしておりまして、いろいろ論議になっておりますが、この二点について大蔵大臣の所見を承りたいと思います。
#10
○水田国務大臣 前回、補正予算の御審議を願いますときに、第二次補正はないかという御質問がございました際、私は今のところ第二次補正は考えていないと答弁したのでございますが、当時は、御承知のように、まだ自然増収の見込みにつきましても、いろんな不確定要素を持っておったときでございますので、今見込み得る確実な歳入を歳入として予算を補正するだけであって、今後のことについては考えていないという御答弁をしたわけでございますが、その後自然増収がまだ当初の予想よりも上回るという事情が出て参りましたので、今度の第二次補正を適当と考えて、この国会に提出した次第でございます。
 それから、その次の御質問は、これは昭和三十三年のときでございましたか、同じような措置をとったときに、財政法との関係でいろいろ御論議があったようでございますが、私どもはこれに抵触するものではない。前例に従って今回もこういう措置をとったという次第でございます。
#11
○佐藤(觀)委員 これは財政法違反になるかならぬかという問題は、おそらく予算委員会の同僚委員からもいろいろ問題にされると思いますから、それ以上追及しませんけれども、しかし、大蔵大臣が一たん言明されたことは、国民がやはりそういうようなことについて政府のことをだんだん信用しなくなる例になりますので、そういう点についてはやはり十分に注意をしていただきたいということが私どもの希望であります。
 それから、減税一千億というかけ声が今度非常に大きく選挙で宣伝されたわけでございます。税制調査会においても大体一千億減税ということが上がっておりますが、実際の減税というのは一千億以下だ。六百二十八億くらいよりならないのですが、こういう点についてもこれは食言問題になりはせぬか。これは政治家は幾らうそを言ってもいいじゃないかという例になる一つであります。われわれは、減税というのは少なくとも一千億円以上になるという、こういう胸算用でおったわけでございますが、かけ声だけで実際に行なわれていないという事実がこの予算の面に現われたわけです。この点について大蔵大臣はどんな考えを持っておられますか、これも承っておきたいと思います。
#12
○水田国務大臣 与党の選挙公約としては一千億円以上の減税ということを申しておりましたし、また、私どもも、今度の税制の改正はできるだけ税制調査会の答申に従ってやるという方針で、税制調査会の答申を待っておりましたが、この答申によりますと、平年度千二百二十億円の減税を適当とするということでございました。この答申と今度の政府の減税案の違いますところは、九十億円私どもの減税案の方が幅が狭いということでございます。これは、税制調査会の意見は、課税所得百八十万円以下の減税もせよということでございましたが、大体課税所得七十万円以下の納税者が現在納税者の九五%もある状態でございますので、その中小所得者の減税を中心にやれば目的は達するというようなことから、平年度千百三十八億円の減税をするということを私どもは政府案として決定したわけでございまして、大体税制調査会の意見通りの減税でございますし、また平年度千百億円以上の減税、地方税の減税を合わせますと千四百億円以上の減税ということになりますが、これは予定通り私どもは今度は行なうわけでございます。特別措置そのほかの合理化をするということで、減税と合わせて事実上の増税を三百億円以上するということをいたしましたために、これを差し引きますと、減税の幅が六百何億というようなことになりますが、しかし、減税の目的は、今回の場合は所得税と法人税を中心とする減税、しかも両方とも中小所得者、中小企業を中心とする減税、この減税を千億以上やるという方針ははっきり貫いておりますので、政府の所期した内容の税制は少しも変っていないのだ。問題は、増税も同時にやっていることによって、国民負担が非常に大きくなるかどうかという問題ですが、大体今度の減税によって二〇・五、六%の国民所得に対する負担率ということになりますので、私どもは大体妥当な減税ではなかったかと思っております。
#13
○佐藤(觀)委員 同僚議員の質問がありますから、最後にしておきますが、減税々々と言っても、大衆と関係のあるようなガソリン税を値上げするというような、こういう矛盾したことを政府で勝手にやる。それから、減税などでも、今私たちは、この税金の中で間接税の物品税というのは、六十数目にわたって、これはひどい税金がかかっておるわけであります。こういうような悪税中の悪税である物品税などに対しては全然触れないで、取りやすいやつはどんどん取って、非常に取りにくいような租税特別措置法なんかにはなかなか手を下さぬということは、これは片手落ちではないかといわれても無理はないわけであります。私たちは、少なくとも間接税の問題についても、なぜ政府は検討しないか、大蔵大臣はどういうお考えを持っておられるかということを、最後にお尋ねしたいと思います。
#14
○水田国務大臣 私どもが考えております減税は、ただ部分的にいろいろな部門の減税をするというのではなくて、やはり税制全体としての体系的な改正をやりたいという意味から、税制調査会にそういう方向の全面的な税制の検討を願っていただいておる際でございますので、この線との体系を害しない範囲において、結論のついたところから一つ一つ実施していくという方針をとっておりますので、今回は特に法人税と所得税中心の減税をやったわけでございますが、引き続いて次の減税の方針についての検討をいたしておりますので、今御指摘になりました間接税その他の減税というものは、大体日程として三十七年度の減税の中に入ってくるものだと思っております。
#15
○佐藤(觀)委員 最後にお願いしておきたいのは、これは大衆との関係の深い酒税、それからたばこの税金――これは税金じゃなく専売利益金になりますが、そういう間接税に対しましても、やはりそういうかけ声だけでなく、一つ今の物品税とともに減税をするように考えていただきたいということを申し上げまして、私の質疑を終わります。
#16
○足立委員長 堀昌雄君。
#17
○堀委員 私は、昨日の本会議で、勝間田同僚議員から水田大蔵大臣に対して、金利問題についてはどうかという質問がなされたのに対して、実は大臣はお答えがなかったわけです。そこで、本日は、最近の金利の利下げ問題について、少し詳しく伺いたいと思いますが、最近の金利の引き下げというものは、一体主たる目的は何かということから伺いたいと思います。
#18
○水田国務大臣 今私どもが一番必要性を痛感しておる問題は、日本の割高な金利水準そのものでございまして、御承知のように、これから貿易・為替の自由化というものはさらに進んで参りますし、これに処して日本の企業が国際競争に勝っていくというためには、どうしてもこの国際水準より割高な日本の金利水準を下げるという努力をしなければならぬと考えておりましたので、ただいま私どもが努力しているのは、水準のレベル・ダウン、これを特に重要視してやっておるのでございまして、ねらいはやはり日本の経済成長政策の前提になっておる国際競争力との問題からこれを取り上げておるというわけでございます。
#19
○堀委員 そういたしますと、金利の今度の問題について、いろいろと新聞その他にも出ておりますが、本来的な資本主義のルールからいくならば、金融が緩慢になっておるときに金利を下げるというのは常識だと思うのですが、今回は非常に政策的に問題が取り扱われたように感じておるわけでございます。特に最終的な段階で見ると、日銀の公定歩合を下げるのが先なのか、市銀が貸し出し金利を下げるのが先なのかというようなことで、しばらくもたついたように新聞紙上でも拝見しておるわけでありますが、そういうもたつきの基本的な原因というものは、やはり原則的な資本主義のルールでないあり方の政策的な金利引き下げが行なわれたというところに原因があると思うわけです。そこで、その政策は、今大臣がおっしゃったような国際競争力を強めるために企業の利子負担を軽減しよう。なるほど、日本の企業の利子負担は西欧の二・三%に比べると、一四・五%ときわめて高いわけでありますが、しかし問題に単にその利子を下げたというだけで解決をしない。その背景にある資本構成の問題というものがあると思うのです。そこで、もちろんこの資本構成を正していくこともあわせて行なわなければならないということで、いろいろ税制の面でも最近やっておられるようでありますけれども、この取り扱いが、私が見ましたところでは、企業の方には非常に重点的に考えられておるけれども、一体預金者の立場という上からこの問題を考えられたことがあるのかどうか、この点について一つお伺いをいたしたいと思います。
#20
○水田国務大臣 日本の今までの悩みは、やはり資本蓄積の少なかったことで、ございますので、この資本を蓄積するためには、いろいろ優遇措置をとって今日まできましたが、これがまた一面日本の金利肩、コストの商い原因にもなっておりますので、今申しましたような立場から、金利水準をここで下げるということのためには、外国に比べても特に高い、特別な奨励の意味からいろいろ優遇されておった日本の預金の金利ということについても、検討を加えなければならぬ段階にきておると私どもは思います。ですから、貸し出し金利を下げるということをやった後に、当然この預金金利の問題についても検討を加えていくつもりでございますが、これを一度にすぐそういう方向に持っていくということにつきましては、まだまだいろいろの問題がございますので、私どもは、この預金優遇についての特別措置というようなものも、こういう点とからんで、すぐに廃止するのを見合わせるというような措置も考慮しながら、この問題の解決をはかっていきたいと考えております。
#21
○堀委員 全般的なお話ですから、あとでこまかい点を伺いたいと思いますが、片面、今秋が触れました日本の金融情勢、これは事務当局でもけっこうですが、どうも一月末あたりの状態を見ると、かなり資金は窮屈なようで、コールも旧二銭三厘ぐらいまではきておるということも日銀から出ておるようでありますが、今の金融情勢についてちょっと伺いたいと思います。
#22
○石野政府委員 現在の金融情勢についてのお尋ねでございますが、昨年末金融全般としてはやはり締まりぎみな感覚が続いてきておると思います。しかし、昨年の五、六月から八月ごろにかけまして、とみに財政の揚げが大きかった関係で、金融が詰まるという逼迫感がございましたが、そのような逼迫感はその後若干緩和されてきている。全体として資金の需給関係が、需要が強いじゃないか。これはおっしゃる通りでございます。
 最近の金融情勢でございますが、きょうあたり新聞に出ておりますように、これは月末の金融情勢でありますが、通貨の還流状況等も、年初は積雪地区等は積雪の関係でおくれたような関係もございましたが、順調に参っております。それと、一−三月は、財政の揚げ超の関係が、補正予算等が組まれた関係もございまして、昨年より減少をするというようなことで、金融的には通貨の還流状況もよろしいし、財政の揚げが少ないという観点から、どららかというと、傾向的には昨年に比べれば緩和の見込みにあるわけでございます。全般として資金の需給関係が、需要が強いじゃないかというお話は、日本の経済成長力が非常に強いという点で、経済原則という一つの考え方は、資金の需給関係がゆるんだときに金利は下がるのだ、詰まったときには上がるのだ、それを自然な形で行くのがいいという考え方がございますけれども、そういう意味で日本の経済が非常に不景気になって、それで金利が下がるのを待つというのがいいのか。特に経済の状況が過熱の危険があるというような場合でなくて、大体ニュートラルな状態であれば、資金需要が強くても、折りを見て下げるということで、できる限り国際水準に近づける努力をしていくというような考え方の方が適当じゃないか、こういうふうに考える次第でございます。
#23
○堀委員 今のお話の中で、最近のコールの状態ですが、かつてこれは日歩二銭八厘まで行ったりして、表向きは二銭三厘としていても、実質的にはやみコールが起こるということが相当あるわけですが、最近のそういう実情はどうでしょうか。
#24
○石野政府委員 コールにつきましては、申し合わせで従来二銭三厘ということになっておりますが、今度の金利引き下げに関連しまして、二銭二厘ということで、最高限度が一厘下げの申し合わせになったわけでございます。このコールというのは、先ほどお話しの資金の需給関係で金利がきまるということの最も自由市場的に行なわれる関係の強い性格の金利でございますので、申し合わせが完全に守られているというふうに参らないことは事実でございますけれども、しかしながら大部分は常にその最高で押えておる。一部分にはやみ金利が出るということになるわけでございます。それも特に財政が揚げますときには金融市場が逼迫しまして、金融機関としてそのときそのときの、要するに非常に短期の資金繰りを調整するためのものがコールでございますから、そういう意味で日本銀行の貸し出し政策とも関係があるわけでございますが、これが非常な引き締め体制をとっておりますときには、無理をしてでもコールをとるというような関係で、一部分についてそのやみが出る関係がございます。二銭二厘の申し合わせが実行に入りましたのはこの三十日でございまして、ちょうど月末でございましたので、ごく一部には二銭三厘程度、二銭二厘をこえたものがあって、徹底はしなかったようにも聞いておりますが、大体二月に入りまして、月末期を越えますと、二銭二厘のところへ落ちついてくるのじゃないかというふうに考えております。
#25
○堀委員 そこで、金融の情勢は大体私が感じているほどには締まってこないようなお話、それはいろいろありましょうからけっこうですが、今の金利問題について、実は郵便貯金の金利ですが、これを下げるということが報道されて、これは何か逓信委員会に法律案として出るように聞いておりますが、この問題について私が新聞や何かで拝見しておる範囲では、銀行側の要望が相当に強くて、ともかく郵便貯金も下げてもらいたいというようなことで、これが今の利子引き下げに相当関連があったように聞いておるわけです。これについては大臣が直接小金さんのところへ行って相談をされて話をきめたということも報道されておりますが、この間の状況はどういうことでしょうか。
#26
○石野政府委員 手続的のことでございますから、私からお答え申し上げます。
 預金金利の引き下げの手続といたしましては、臨時金利調整法という法律に基づきまして大蔵大臣が発議をいたします。決定は、日本銀行政策委員会が決定をいたします。日本銀行政策委員会が決定をいたしますにつきましては、金利調整審議会というものがございます。その審議会に諮問をいたしまして、それの答申があって、政策委員会が決定をして、大蔵大臣に報告をして、そして大蔵大臣が告示をする、こういう形式をとるわけであります。一方、郵便貯金の方は、御承知の通り法律できまることになっておりまして、法律案の審議が行なわれます。従いまして、それが最終的にきまって参りますには、これはその法律案の審議と並行的に、そういう審議会の審議が行なわれることになると思います。先ほど大臣からのお話がありましたように、全般的には金利水準を下げるということでございますから、これはバランスをとってみんな下げるということでありませんと、なかなか下がらないということに相なりますが、そういう点は今までの順序を通じてバランスをとると思うのでありますが、水準全体を下げるという意味で、両方がバランスがとれて下がることを期待しておりますけれども、手続はそういうことでございます。
#27
○堀委員 そこに私はちょっと問題があると思います。金利水準を下げるということですね。今お話になった主たる目的は何かというと、国際競争力をつけるために、企業の負担しておるところの利子その他を低くしようということが主たる目的であるということになれば、要するに貸し出し金利の面が先行するのが私は建前になるんじゃないかと思うのです。そして、その貸し出し金利を下げるに伴って、預金金利もある程度下げざるを得ないというのが、私は物事の順序だろうと思うのです。そういうことになると、郵便貯金の場合には、郵便貯金の貸し出し金利というのは、資金運用部資金の貸し出し金利ということになるんじゃないかと思うのですが、一体その運用部の率を下げて、それに関連してこれを下げるためには郵便貯金はこうなるというなら、私は話はわかると思うのですが、その点についてはどうなんでしょうか。その水準という問題は、私は貸し出し金利の水準というのが先であって、預金金利の水準を下げるということが先ではない。道理としてはそう思いますが、大臣はいかがでしょうか。
#28
○石野政府委員 ただいまの御質問でございますが、郵便貯金の方は、御承知の通り資金運用部に預けられて、資金運用部で財政投融資に運用しておるわけであります。従いまして、金利としては、財政投融資の金利というものが一般の金利よりも低く運用されておる関係から申しまして、郵便貯金の貸し出し金利というものをこの際さらに下げる。郵便貯金を原資といたしております資金運用部なり財政投融資の金利を特に下げるということは、むしろ金利のバランスからいって必ずしも必要はないというふうに考えます。むしろ、今まですでに、そういうふうに安い金利で運用されておるということでございます。従いまして、郵便貯金の方も、それで収支のバランスをとっていくという関係にもなるわけであります。従来から安く運用されているわけであります。
 それでは、資金運用部の方は理財局の所管でありますから、理財局の方から……。
#29
○吉田説明員 その点につきましては、従来郵便貯金の特別会計は、現在の金利を払いまして毎年相当な赤字を出しております。実質的に申しますと、郵便貯金の資金コスト自体が六分七、八厘程度に相なっておるわけでございます。資金運用部といたしましては、本来郵便貯金特別会計からは六分の金利でお預かりするということになっておりまして、その差額は実際問題といたしまして赤字ということで、資金運用部から赤字補てんという形でその差額を補給いたしておったわけでございます。それにつきましては、実は資金運用部に集まって参ります金は、一番大きなのは郵便貯金でございますが、それに次いで現在の厚生年金、今後国民年金という問題があるわけでございます。それで、厚生年金等その他のすべての会計についても、従来一番長期のものは七年で六分ということで預かっておりました。そうして、郵便貯金特別会計だけは赤字がございますので、資金運用部の利益の中から――利益と申しますか、一種の利益でございますが、その中から郵便貯金特別会計に赤字補てんをして参る。来年度につきましては、今のお話に出ておりますような預金金利の改定を行ないますれば、大体六分五厘程度のコストに下がるということに相なっております。今回、これにつきまして、一応資金運用部として預かります一般の金利が六分で、郵便貯金だけには赤字補てんという形でともかくも事実上七、八厘程度の差額が支給されておる、こういうことでは、ある意味で郵便貯金とその他の特別会計の資金の間に、赤字補てんという形ではあるけれども、実質的に資金運用部から支給する金額が違うじゃないか、そういう意味では不公平じゃないかという議論もいろいろございまして、それに対処いたしまして、今回は郵便貯金についてもそういう形でほぼ六分五厘程度の金利でコストがまかない得るということになりますので、国民年金その他の特別会計からお預かりしているお金につきましても、大体六分五厘程度の金利を――郵便貯金だけに赤字融資というやり方ではなくて、そういう特別会計からお預かりしている資金と同じように六分五厘を支払うというような方向へ進みたいということで、実は別に資金運用部資金法の改正等につきまして、近く御提出し、御審議を願いたいと考えている次第でございます。
#30
○堀委員 どうも、今の話を聞くと、これはちょっと筋が通らない。今の資金コストが六・七%ぐらいだということ、資金コストの出し方は――郵政省来ていますね。これは私は問題があると思う。なぜかというと、どういう出し方か郵政省で説明してもらいたいのですが、郵便局というものがやっている中で、郵便局の建物の何%の償却はどうくるとか、そのコストにはね返ってくる資金というものは、銀行のような金融だけを扱っているものならばいいけれども、末端の郵便局は郵便事務を扱い、いろいろなことをやっている中で、郵便貯金のコストが六・七%か八%かという出し方は、だれが見ても納得がいくのかどうか、私は問題があると思う。この六・七、八%というのは、いつからそういう逆ざやになっていたのですか。郵政省の方で、資金コストの六・七、八%というのは、だれが見てもやむを得ないものなのかどうか……。
#31
○足立委員長 ちょっと待って下さい。堀君に申し上げますが、参議院の本会議が間もなく開かれますので、大臣はあとせいぜい十五分ぐらいしかいらっしゃらぬと思いますが、いろいろ御都合もありましょうが、大臣に対する直接の御質問を先にお願いできませんか。
#32
○堀委員 あとは譲って事務局に聞きますから……。
 では、時間がないようですから、大臣に肝心なところだけを一つ伺っておきますが、郵便貯金の定額積み立ての問題で利子を下げるということが出ている。そこで、われわれが常識的に判断すると、銀行の定期預金ならば、たとえば四月一日から金利を下げても、それ以前に契約した定期の金利は下がらない。それが原則になっておる。そういう考え方からすると、これまでの郵便貯金の金利引き下げのときには、定額については、その金利引き下げの日以前に契約されたものについては、その金利は当然そのままでいったというふうに理解しているわけですが、これは私は常識だと思いますけれども、大蔵省はその点についてどう考えておられるか、この点ちょっと大臣からお答え願いたい。
#33
○水田国務大臣 その問題は、過日郵政大臣とお会いしたときも問題が出まして、そういう要望もありましたし、これは、こういう法案を出す前に、両当局でゆっくり検討することにしようということで別れておりますので、今検討中でございます。
#34
○堀委員 金利のあれは事務局に聞くといたしまして、もう一つ、けさの新聞にも出て、だいぶ前から問題になっておりますが、私がかつてこの委員会で取り上げて参りました九州電力の世銀借款の問題で、けさの新聞に伝えるところでは、世銀借款のためには九電の電力料金を値上げをするんだ、しかしそれは予算通過後にやるんだとかなんとかいうことで、それが条件でないと世銀からは金が出ないのだということになって、非常に問題が出ておるのですが、これに対しての見解をちょっと伺っておきたい。
#35
○水田国務大臣 この問題はまだ正式な相談に私はあずかっておりません。
#36
○堀委員 見通しその他についても、まだ何ら考えておられないということですか。
#37
○水田国務大臣 これは、昨年私どもがこの問題を政府部内で検討しましたときは、九州電力の電力料金の一定の値上げは必要であるという結論を政府部内では出しておりますが、今御質問のような具体的な問題については、その後まだ政府部内で相談しておりません。
#38
○足立委員長 広瀬秀吉君。
#39
○広瀬(秀)委員 きょうは時間もないようでありますから、私は大蔵大臣に一つだけ伺っておきたい問題があるのであります。それは、首都圏整備法に基づきまして首都圏市街地開発区域の指定がなされて、私が今とりあえず調査しましたのは、宇都宮の場合でございますが、ここで今工業団地を造成しようということで、市街地開発組合を作って工業団地の造成に懸命になっておるわけでありますが、この計画を推進するにあたりまして、一番問題になっているのが、まわりの農民たちが土地を売りたがらない、こういう難関に直面をいたしまして、計画が非常に行き悩んでおる、こういう実情にあるわけであります。それは、被買収該当者が言うことは、住宅公団で買収される場合には、租税特別措置法の第三十一条の一号ですか、これによって優遇措置が講ぜられ、税金が非常に安い、こういう措置があるのでありますが、この首都圏整備法に基づく工業団地の造成については何もそういうものがない。非常に高い税金を納めなければならない。いずれ土地を手放してしまえば、中にはそれを売った代金で何年かは食べていかなければならないというような人たちがありまして、税金が安くなるかどうかということは非常に大きな問題になっているわけであります。この問題は、首都圏整備法というものを作って、それに対して政府みずからがどの程度力を入れて、本腰を入れて首都圏を整備されるか。今日の首都圏が、四年先のオリンピック等も含めて、通勤の問題や、あるいは過度に人口が集中し過ぎていろいろな困難な問題が出てきておりますが、これら大きな視野に立って、大きく首都圏という幅を広げて調整をはかっていこう、その問題に対してどれだけ政府が熱意を持っているかという問題に関連いたしますので、特に大蔵大臣に御答弁を願いたいわけでありますが、ただいま申し上げたような場合において、工業団地を市街地開発組合において買収をした場合に、土地の売却代金に対して、租税関係の、少なくとも住宅団地造成の場合と同じような減税措置というものをやられて、そういう計画を推進し、そしてすみやかな、しかも非常にりっぱな首都圏を整備される熱意があるかどうか。この点についての大臣の明確な考え方、そういう方法をとる、そういう気持があるということを、一つ答弁を願いたいわけであります。もちろん、技術的な問題等につきましては、主税局長もおいでになっておるようでありますし、まだ堀さんも途中のようでありますから、あとで、首都圏整備委員会の方、あるいは主税局長に、事務的な問題についてこまかく伺いたいと思いますが、その大きな考え方そのもの、政府の熱意そのものについて、従って、結論的には、そういう特別な租税に関する優遇措置をそういう場合にやるお気持があるのかどうか、この点についての大臣のお考えを明確に一つ御答弁をいただきたい。以上であります。
#40
○水田国務大臣 住宅団地の問題だけでなくて、ただいままだ政府で問題になっておりますものは、道路の整備に関して必要な土地を手に入れられないというような問題もございますし、それからただいまのような問題もございますし、また地方に工場を誘致する場合の問題もございますので、こういうものは私どもは一括して、全体どういう形で解決するかというようなことを検討したいと思っています。現に一部はもうこの問題の検討をいたしておりますが、ただいまのような問題も当然全体との均衡をとって解決すべき問題だと思っております。
#41
○広瀬(秀)委員 大臣は非常におざなりな答弁をなさったわけですけれども、道路や鉄道とか河川関係、そういったものは、今例をあげられたような場合、あるいは住宅の場合等は、みんな特別措置を受けておるのです。非常に優遇されておるわけです。ただいま私が問題にしておる、工業団地形成のために買収をされる土地売却代金、これに対する措置が抜けている。これはどうも均衡を失しているじゃないかということなんです。ですから、ほかのものを引き合いに出されずに――これは非常に大きな問題だ。特に過度の人口集中という問題をならそうということが、首都圏整備法の、また市街地開発区域指定の大きな眼目になっておるわけでありますから、私は、比較的この問題はすなおに聞いていただける問題だ、かように考えておるのですが、この点一つもう一ぺん御答弁をいただきたい。
#42
○村山政府委員 現行法につながる非常に技術的な問題でございますので、あらかじめ私からお答え申し上げておきます。
 現在、お話しのように、工業団地を買収する場合につきましては、租税特別措置法の適用はございません。と申しますのは、これは租税特別措置法が都市計画法なりあるいは土地収用法に乗っかりまして、その規定の上で強制買収されるものについては、二分の一にするとか、あるいはかわりの資産を買った場合には、圧縮記帳して課税を将来に延ばす、こういう規定になっておるわけでございます。ところで、ただいまお話しになりました工業団地の収用について、土地収用法なりあるいは首都圏整備委員会の勧告を受けた上で実行する都市計画法の上で、それがはたして収用の対象になるかと申しますと、現行の都市計画法並びに土地収用法において、それを適格の事業と見ていないというところに問題があるわけでございます。従いまして、これは租税特別措置法の問題でなくて、土地収用法なりあるいは都市計画法を変えてかかってこないと直ちにはできない。法制はすべてそういうふうになっておるわけであります。
#43
○広瀬(秀)委員 あとで技術的な問題もお伺いすると申し上げたのは、その点をはっきりさせようと思ったわけなんです。大蔵大臣も内閣の閣員でありますから、政府の立場に立って、首都圏整備法に基づくそういう工業団地の造成という問題が、ほかの問題、特に土地収用法を適用させる性格のものかどうかという点について若干の疑義はあろうかと思いますけれども、真に首都圏整備法を作ってその実効を上げさせようという立場は、これはやはり政府の責任だろうと思う。政府の閣僚の一人であるわけですし、しかもそこに今要求が出されておるわけですから、そういう技術的な問題はあとでまた問題にしたいと思いますが、そういう問題の解決とともに、やはり大蔵大臣としてもやってやるべきだという考えになられることを強く要請を申し上げたいと思うのです。その点について一つ大臣の考え方をお聞かせいただいて、大臣に対してはそれだけで終わりますが、あとまた質問を継続したいと思います。
#44
○水田国務大臣 ですから、先ほど申しましたように、土地収用の問題というようなことになりますと、今道路との関係が出ておりますので、こういうものを一括して研究しようということになって、ただいま実は法務省でこの問題の研究に入っておりますので、そういう点からこの問題を解決していく糸口を見つけるのが一番いいんじゃないかと思っております。
#45
○堀委員 今質問をしかけて話が横へいきましたけれども、郵政省の方で六・七なり、六・八%という資金コストというのは、これは科学的な根拠があるとして出していただけますか。
#46
○大塚政府委員 郵貯特別会計ができましたのが昭和二十六年でございますが、そのとき以来、御承知のように利息というものは正確な数字が出てくるわけでございます。利息とそれから経費、事業費でございますか、これを支出としまして計算をいたして参っておるわけであります。利息については問題ございません。結局事業費というものがどういうふうに算出されておるかということが問題かと思いますが、それにつきましては、予算定員がございまして、大体庁舎なんかを建てます場合にも、その郵便事業あるいは保険事業、貯金事業というものは、一応定員を基準にしまして、その建設分担額をきめるというような計算の仕方等をやりまして、共通の経費を各事業別に負担をするというような計算の仕方ではじかれておりまして、これは大体私どもは正しいものじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#47
○堀委員 そうすると、この六・七なり六・八の資金コストというのは、いつからそうなったのですか。これは理財局に伺います。
#48
○吉田説明員 これは、以前から郵便貯金の総合的なコストはかなり高いものに相なっております。それで、ただいま六分七、八厘と申し上げましたのは、昭和三十四年度の実績が六・七五%、それから三十三年の実績が六・八七%ということに相なっております。さらに以前にさかのぼりますと、昭和二十六年には七・二四%、二十七年には七・三一%というような相当の高いコストに相なっております。その当時昭和二十六年に資金運用部の法律が改正されまして、現行法のもとになったわけでありますが、その当初におきましては、何分にも預金の金額が戦前等に比較して実質的に非常に減っておる。そのために資金コストが非常に高くなっておる。預金量がふえますれば、結局預金がふえたに応じて人がふえるというものでもございません。そういう意味で、漸次資金コストが下がっていくだろうという計画でございました。そういう意味合いにおきまして、普通の郵便貯金の特別会計から資金運用部へ預けます基本的な金利は、出初は五年以上のもので五分五厘という計算でございました。その後三十年に七年以上という区分をつけまして、それについては六分という金利をつけるということに相なったのでありますが、それでも当初におきましてはなお足りないというので、しかし預金量がふえればいわゆる事務費の割掛は減るであろうということで、特別利率というものを普通のものに加えまして、郵便貯金に対しては普通の資金運用部の預託金利子のほかに特別利率をつけ、それを年々減らすというような法律に相なっておったわけであります。
 そういう意味で考えられましたこの資金コストには、結局突き詰めると三つあるわけで、預金者に対する利子と事務費とあるわけでございます。それで、事務費の方は年々預金量がふえるに従いまして漸減いたしております。たとえて申しますと、昭和二十四年には四・八六%というような事務費でございましたのが、昭和三十四年には二・一五%、約半減しておるわけでございます。しかし、同時に預金なさる方の長期の預金がふえたというような形で、他方支払い利息の金利が非常に上昇しております。それが二十六年をとりますと、支払い利息が二・三八%であったものが、三十四年度には四・六%というふうに、実質的にお払いしている金利が増額して、その結果、当初予定したほどに、順次に下がって参ってはおりますが、急激には下がらないというような状況でございまして、それに対処いたします手段として、当初は一般会計から赤字を補てんしておりましたが、途中から資金運用部の利益の中から赤字補てんをするということになりまして、昭和二十九年には一般会計から一部出ておりますが、三十年以後は全額資金運用部から赤字を補てんして参ってきておるわけでございます。三十年度が五十一億、三十一年度が五十二億、三十二年度が四十億、三十三年度が六十二億、三十四年度が六十四億というような赤字補てんをいたしてきておる。それじゃ、資金運用部がどうしてそういう赤字補てんができたかといいますと、一般的にお預かりしている金利と貸す金利の間に若干のさやがございます。そういったようなさやで今の差額を補てんするという形をとって参ったのでございます。
 しかし、これに対しまして、御承知かと存じますが、現在資金運用部に入ってきている資金のうちでも郵便貯金のほかに厚生年金積立金というものが非常に大きなウエートを占めてくるに至っております。それらの立場から申しますと、一応法律できまった利率は七年以上六分ということになっていて、年金積立金には六分しか払わないんじゃないか、郵便貯金会計にももちろん六分だけれども、そのほかに赤字補てんという形で何十億も出しているじゃないか、何かここいらの不均衡を是正するわけにはいかぬかというような御要望もございまして、かねがねこの郵便貯金の赤字繰り入れの問題につきましても、郵便貯金の特別会計としても、実質にかかっているコストなんだから、むだ使いして赤字を出しているわけではないのだから、これは何とかコストをカバーするようなことができないかということで、六分で預からないで、もっと高い金利で預かれないかというお話もいろいろございました。そういうような関係がございましたもので、実は本年大蔵省といたしましては、総理府に設置されております資金運用審議会というのに事実上御検討いただきまして、その結果、何か金利を差別するのはおかしいではないか、同時に赤字繰り入れというようなことはやめたらどうだ、もしどうしても足りないようだったら、何か別の措置を講ずるとしても、今のように資金運用部からの赤字の繰り入ればやめたらどうかというような御意見も提出されておった次第でございます。それには資金運用部の資金が現在七年以上のものを六分で預かるという金利そのものが――政府資金としてはなるべく安い金利で貸した方がいいけれども、それは低過ぎるじゃないか、むしろこれらの金は――郵便貯金は一応金利が赤字でも何でも払ってはおりますが、厚生年金その他の特別会計の立場からいっても、零細な資金の集まりを運用しているという立場からいって、今の六分という金利は低過ぎはしないかということで、始終検討いたしました結果、大体皆さんに同じような金利を払うようにしようということで、いろいろ案を練っておりましたところ、たまたま今回の金利引き下げの問題等もからんで、具体的に考えてみますと、大体郵便貯金特別会計では六分五厘程度で収支も償う、そういうことで、むしろ今までの赤字繰り入れというような制度はやめて、独立採算をもっと拡充したいという御意向でもございますし、また、他の厚生年金等の関係からも、今までの六分ではいかぬ、六分五厘程度、あるいはそれ以上にも上げてもらいたいというような御要請がありまして、現在の資金運用部の貸し出し金利は、若干の手直しはするにしても、原則として動かさないという範囲で、どの程度までできるかということで、いろいろ計算した結果、大体七年以上の預託金利については六分五厘程度のものは何とか出せるのじゃないか、しかし、これについては、金利水準は今後もいろいろ動くことも予想されますので、法律に現在きめてある六分という金利はそのままにして、それに五厘程度の特利と申しますか、特別に付加する金利をつけ加えることができるというような形で、法律の改正をお願いしたらどうか、大体そういう構想で、今お話し申し上げました郵便貯金の赤字繰り入れがかりに七厘立毛あったとすれば、そのうらの五厘分は今の預託金の利子を上げるということで、郵便貯金にそのままかえて、あとの二厘五毛は、厚生年金その他の特別会計の同じく七年以上の預託金についてお預かりする金利を、現在六分のものを六分五厘程度に引き上げるという形で、そららに還元するというような基本的な構想で考えておる次第でございます。
#49
○堀委員 率直に言いますと、今のお話を聞いて実は驚いておるわけです。金利水準を下げるということは、私は、前段で申し上げたように、貸し出し金利の水準なんであって、預金金利の水準に関係がないわけです。それは、貸し出し金利の水準を下げるために必然的に預金金利の水準を下げなければならぬというのなら、物事の道理だと思うのです。ところが、郵便貯金の問題について見ますと、そういう問題じゃない。全然別個で、赤字はすでに昭和二十四年からやっておるということならば、それはともかく政策だったでしょう。資金コストが赤字でも資金をふやそう、財政投融資の原資をふやそうという目的のために政策的にやっておったものである。政策的にやっておったものならば、その政策を変更しなければならぬような理由がはっきり出た時点でやるべきであって、それを金利水準に並べてやったということは、あなた方の説明はそういう方向からしておるけれども、私どもはそう理解はできない。なぜ理解できないかというと、資金の下がり方が市中銀行の金利の下がり方と同じにしてあるという点です。大体郵便貯金の、今度あなた方が改定案として新聞その他に発表されておるものを見ると、通常貯金については三厘六毛ですか引き下げてある。ところが、市中銀行についても、普通預金は三厘六毛下がっておる。市中銀行の下げ方と郵便貯金の下げ方が同じに下げてあるということ、その他のいろいろの点を見ても、あなた方の言っておるような五厘分は利子で見たいということ、そういう片面はあるでしょうけれども、現われておる現象は、銀行預金にならしてくれという要求の方に、下げ方が同じなんだから、あなた方が同調してこれを下げたのだというふうに理解せざるを得ないわけです。それが別ならば、また別個の論理ということもあり得るわけです。同じに下げてあるという点では、非常に問題があると思うのです。
 そこで、今はここの問題だけをちょっとやって、あしたに譲りますが、これは私は、今の考え方からするならば、非常におかしなことになると思うのですよ。利子を下げれば、今度は貯金量は減るわけですよ。貯金量が減るということは、相対的にコストが高くなるということですから、初め七・二四%もあったものが、今だん、だん六・七五%まで下がってきた。さらに今のトレンドを続けていくならば、六%なんというのはちょっとべらぼうだと思うのですけれども、やがてだんだんと低い方にいく。これは私は原則的な行き方であると思う。ふやそうという政策できたんじゃないですか。もう要らないということですか。郵便貯金をふやさなくてもいいのだ。これはけっこうです。ほかの国民年金ができて、これをたんまり資金運用部に入れるから、資金コストの商いものは減らしてもいいのだというような、そういう頭の切りかえをしているならば話はまた別ですが、そこのところは私はちょっと重要だと思います。
#50
○吉田説明員 あるいは説明が不十分だったかもしれませんが、今回金利をどれくらい下げるかという問題は、そういう赤字補てんをやめるためにやったのではございません。金利を下げるという措置は、他の一般の市中の預金金利等とあわせて考えられていったものと存じます。それで、今申し上げましたのは、先ほどの御質問を私が取り違えたのかもしれませんが、郵便貯金の金利が下がれば、それだけ貸し出し金利を下げるのかというふうに受け取りましたので、それは従来から今の赤字補てんの問題がございましたので、その分が赤字が消えるという形で参るということを御説明したつもりでございます。
#51
○堀委員 だから、そこのロジックが私は合わないと思うのです。ロジックが合わないということは、貸し出し金利を下げるために預金金利を下げるというのが、今の預金金利の下げ方じゃないですか。今度市中銀行の預金金利も下げるというのは、貸し出し金利が今度さらに一厘下がった、だから、それでは銀行もやっていけないから、銀行経理の関係で預金金利を下げるのであって、それでなしに下げるのだったら、銀行をもうけさすだけです。そうではなくて、貸し出し金利を下げるから、やむを得ず預金金利も下げましょうということならば、私は預金金利の下がるのもやむを得ないと思う、というのです。ところが、初めの金利を下げる理由というのは、企業における利子負担を軽減して国際競争力をつけるのだということで、貸し出しの方に問題があるのであって、預金の方に問題があるわけじゃないから、貸し出し金利を資金運用部の方で下げるためにこれを下げますよというならば、今の金利引き下げの一環のものの考え方の上に乗るけれども、そうではなくて、市中銀行の方が貸し出し金利を下げて、それに伴ってこちらが預金金利を下げた。この下げた預金金利に――貯金の方はただこれだけを下げて貸し出しに関係がないということであるならば、これは便乗して、ともかくおれたちの方の銀行も、郵便局の方が少し高いから資金が向こうに流れては困るから、おれたちの方を下げるからあっちも下げろという下げ方をしたというのであるならば、前段で大臣が言った金利水準というものの目的と違う格好で、この郵便貯金の金利の引き下げという問題が起きている、こういうことになるということを私は言っているわけです。道理としてそれはどうですか。
#52
○石野政府委員 金利というものについて考えます場合には、やはり体系というものがございまして、預金金利というものは資金の吸収をやるわけです。そうなりますと、たとえば社債を発行するということになりますと、社債は発行して資金を吸収する目的でもあると思うのですが、これは貸付を受けるのと同じ性格のものでもあるわけです。従いまして、預金金利と興し出し金利というものは全然別個のものではなくて、金利水準というものを考えます場合は、全体としてやはりそういう関連も考えなければいけないわけです。
 そこで、今の郵便貯金の方の金利を下げて、財政投融資の貸し出しが下がらないじゃないか、郵便貯金を下げるならば、貸し出しも下げなければいけないじゃないか、要するに片一方を下げるのに片一方を下げないのはおかしいじゃないか、こういう御質問の御趣旨にもなるのじゃないかと思いますが、そういう点では、先ほど来理財局の方からも説明しておりますように、今すでに赤字があるということは、貸し出し金利の方をむしろ上げなければならないという筋合いになるわけでございます。それを上げないでおいて、郵貯の独立採算をとるということになりますと、赤字を解消するということになりますと、資金コストの力を下げなければいけない。それは従来からやっていたのだから、そこの方針を変えなくてもいいじゃないか、資金運用部からの赤字の補てんだけでいいじゃないかというと、これは資金運用部全体の採算の関係で、他の原資の運用に対するバランスが問題になってくる、こういうことを先ほど来理財局が御説明申し上げたわけでございます。要するにバランスを考えるということは確かにございます。そういう意味では、貸し出し金利と預金金利、これは社債とかの債券類というものは両面に関係もございますし、また歩合との関係もございますから、そういう意味でバランスがございますが、その関係と、それから金利水準、預金金利を下げる場合には全体としてバランスをとって下げるということが、どうしても必要になってくるわけでございます。そういう意味で、おっしゃる点、郵便貯金と銀行預金とが全然関連なしにやっているのだということではございません。もちろんそういう意味でバランスを考えていることは事実でございますけれども、同時に赤字解消という問題もございまして、その点は先ほど来理財局が申しましたような必要もあるわけです。
#53
○堀委員 だいぶ長いようですから、私は一応これを保留します。この問題は非常に重要なので、まだ二時間ぐらいかかりますから、あしたやります。
#54
○広瀬(秀)委員 首都圏整備の関係で、水野部長がおいでになっているようですから、二、三質問してみたいと思います。
 この問題を主として扱っておられるわけですが、今日首都圏整備は、計画したところに従いまして順調に実施が進められているのかどうか。その状況と、隘路になっているいろいろな問題というものについて、あなた方はどういうお考えを持っておられるのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#55
○水野政府委員 ただいまの御質問でございますが、首都圏整備は、三十二年度を初年度として出発いたしまして、着々事業を進めております。今御質問にありましたような最近までの実施状況並びにその隘路の点でございますが、端的に申しまして、御承知のように既成市街地、近郊地帯、周辺地域、この三つの地域に重点を置きまして、それぞれ事業を進めておるのであります。その中で一番おくれておりますのは市街地開発区域の整備の問題である、というふうに申し上げざるを得ないと思っております。この市街地開発区域の育成発展措置でおくれております最大の問題は、御承知のように、市街地開発区域と申しますのは、工業衛星都市、つまりそこに職場を持つ独立都市を建設するという構想でございますので、工業団地の取得、造成というような仕事が何と申しましても大きな仕事でございます。この工業団地の取得、造成をいたします場合に、なかなか円滑に土地の取得ができない、こういうようなことがおくれております大きな原因の一つでございます。この工業団地の取得をこれまでの実績で申し上げますと、大体二十万坪ないし三十万坪、こういうような団地を取得いたすわけでございますが、いろいろ地元に反対もございますし、それから先ほど御指摘になりましたような税制上の問題もありますし、それから、何と申しましても、工業団地の取得につきまして土地収用権がない、こういうようなことが大きな一つの隘路でございます。この工業団地の確保につきまして、大体平均いたしまして二年かかっておるという状況でございますので、こういうような工業団地の取得につきましても、住宅団地の取得と同様に、住宅公団でありますとか、あるいは県市の一部事務組合でありますとか、そういうふうな地方公共団体というような公共的な機関が、この首都圏整備計画に基づきまして、国策として工業団地を確保する、こういう場合におきましては、ぜひ土地収用権を付与してもらいたい、こういうことを私どもとしては非常に関係方面に要望しているという段階でございます。
#56
○広瀬(秀)委員 ただいま水野部長から、大体この問題が困難をきわめているポイントというものが、土地収用権がないところにあるというお答えを得たわけであります。首都圏整備の問題は、やはりこのような法律が、非常に長期の理想的な首都圏を整備しようという立場から作られた、そして三十三年にはまた市街地開発区域整備法も作られておる、こういうような経過を見ましても、また、先ほども申し上げたように、四年先のオリンピックというような場合において、首都圏の非常に整備された姿というものを出して、全世界の人たちに不便をかけないりっぱな首都圏を見てもらうという、非常に大きな国策の問題が今日あろうと思います。そういうものに対して、ことしあたりの予算を見ましても、首都圏整備委員会は七千四百万――去年は六千八百万くらいで、非常に予算的にも微々たるものであった。また、その御答弁なんかにも大へん元気がなくて、何か発言権があまりないような印象を受けておるわけなんです。現実にやはり首都圏整備の観点に立って、既成市街地に対する、特に東京に対する人口の集中というものを地方に分散をしていく。それからまた、自民党で今の政府がおっしゃっているような、将来の工業の地方分散、これは自民党だけではありません。適正な人口の地方分散、工業の地方分散というようなことは、これはすべての工業発展の原則として認めていかなければならない大きな問題でもあろうと思います。そういうような観点に立って、この問題を全面的に押し出すような形で、もっと強力な働きかけというものが必要だろうと思うのですが、土地収用権をいたずらに拡大するということは、やはり国民の権利にも触れる問題でありますから、私どもの好まないところでありますけれども、住宅公団に許されておって工業団地造成の場合に許されないということは、若干その間に権衡を失する問題もあろうし、さらに、現実の問題としては、やはり土地収用という強権の発動までいかなくても、それに近い何らかの圧力によって土地を売る者は、結局は売らなければならぬ、損害を承知で売らなければならぬ、こういうことに追い込まれるわけです。そうしますと、その土地を売る者の立場に立てば、やはり結局土地収用法にひっかかった方が、まだおれたちは得なんだ、こういう現実というものは無視できないと思う。だから、そういう観点に立って、これからもしっかり大いにやってもらいたいわけですが、今までどのように、それらの関係方面に対して、具体的にいろいろ技術的に困難な面があろうと思いますけれども、そういう方向についてどういう活動なり進め方をなされてきたか、その点を一つはっきりこの際お聞かせいただきたいと思います。
#57
○水野政府委員 先ほど大蔵省の方に対しまして御質問がございました税の軽減の問題、こういうような問題も私どもはぜひ軽減させていただきたいということをかねてから主張しておりました。ところが、先ほど主税局長からも答弁いたしましたように、現在の税体系からいたしまして、土地収用権があるものに税を軽減するというような建前になっております。それから、先ほども申しましたように、工業団地を円滑に取得するというような点から申しましても、土地収用権の付与が工業団地の造成の場合に必要でございますので、私どもといたしましては、これを何とか早く実現したいということで、ちょうど建設省の中に工業用地取得調査会というものが設置されまして、いろいろと土地収用法の改定の問題、その他工業用地取得全般の問題につきまして、学識経験者も入れましていろいろ調査、審議をしておられますので、その工業用地取得調査会へ、私どもの委員会の意見として、ぜひ土地収用権を工業団地造成の場合に付与してもらいたいというような意見を強硬に申し入れて、今その実現にせっかく努力しているというような状況でございます。
 それから、なお、この市街地開発区域の育成をいたします場合に、工業団地の造成のほかに、もう一つ重要な事業といたしましては、道路、街路を整備するという仕事がございます。ことに、この市街地開発区域内の道路、街路の整備はもちろんでございますが、市街地開発区域と大消費地である東京とを結ぶ連絡幹線道路網を整備する、そういうことがこの市街地開発区域の育成発展のためにどうしても必要なことでございますので、そういう道路、街路事業につきましては、一つ特段の措置を考えてもらいたいということを主張して参っておったのでございますが、そこで、来年度予算から、この首都圏の道路、街路事業につきましては、予算の中で新たに首都圏道路整備事業という項を設置いたしまして、首都圏整備事業に対する道路、街路事業を明確にする、そしてその推進をはかる、こういうような措置が来年度予算からとられる予定になっておりますが、こういうような点に私ども努力して参ったのでございます。
 そのほか、宇都宮地区につきましては、県市による一部事務組合によりまして工業団地の造成を進めましたが、大部分の市街地開発区域につきましては、住宅公団――この住宅公団は、御承知のように住宅建設と住宅団地の造成が本来の任務でございますけれども、首部圏整備につきましても市街地開発区域の工業団地の造成にも一役買わせようということで、住宅公団に財政投融資をいたしまして、大規模な工場団地の造成をせしめる、こういうような措置を従来からやっておりまして、この住宅公団の工業団地造成の仕事も着々進んでいるような状況でございます。
#58
○広瀬(秀)委員 きょうは時間もないようでありますから、これ以上やりませんが、この問題は、市街地開発組合等におきましても現実の問題として非常な困難に遭遇をいたしまして、ある程度土地を団地として取得する目安が立っても、一軒のうちに反対をされれば、しかもそれに対して納得させるすべがないということで、飛び地になってみたり、団地としての体をなさないような状態にありますので、この問題については、整備委員会としても今後とも一つ大いに勉強されて、努力されることをお願いをいたしまして、きょうはこれだけにしておきます。
     ――――◇―――――
#59
○足立委員長 理事の辞任についてお諮りいたします。
 理事石村英雄君及び佐藤觀次郎君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
 続いて理事の補欠選任を行ないますが、先例によりまして委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○足立委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長において、辻原弘市君及び横山利秋君を理事に指名いたします。
 次会は明二日午前十一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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