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1960/04/13 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第27号
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1960/04/13 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第27号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第27号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
    午後三時三十五分開議
 出席委員
   委員長 足立 篤郎君
   理事 伊藤 五郎君 理事 細田 義安君
   理事 毛利 松平君 理事 有馬 輝武君
   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君
      岡田 修一君    金子 一平君
      簡牛 凡夫君    田澤 吉郎君
      高田 富輿君    西村 英一君
      藤井 勝志君    坊  秀男君
      米山 恒治君    佐藤觀次郎君
      田原 春次君    広瀬 秀吉君
      武藤 山治君    安井 吉典君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小金 義照君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      谷川  宏君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      船後 正道君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (銀行局保険第
        一課長)    細見  卓君
        運輸事務官
        (鉄道監督局参
        事官)     山口 眞弘君
        日本電信電話公
        社職員局長   本多 元吉君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
四月十二日
 委員川村善八郎君辞任につき、その補欠として
 倉成正君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十一日
 国税庁の勤務条件改善等に関する請願外十四件
 (佐々木更三君紹介)(第二三三〇号)
 同(島本虎三君紹介)(第二三三一号)
 同外一件(淺沼享子君紹介)(第二四一四号)
 同外一件(岡田春夫君紹介)(第二四一五号)
 同外三件(堀昌雄君紹介)(第二四一六号)
 特別税理士試験制度存続に関する請願外十六件
 (佐々木更三君紹介)(第二三三二号)
 同(島本虎三君紹介)(第二三三三号)
 同外一件(淺沼享子君紹介)(第二四一七号)
 同(岡田春夫君紹介)(第二四一八号)
 同外三件(堀昌雄君紹介)(第二四一九号)
 中小企業の専従者課税控除に関する請願(横山
 利秋君紹介)(第二三三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第二一号)(参議院送付)
 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第一七七号)
 小委員長より報告聴取入場税の減免に関する件
 金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○足立委員長 これより会議を開きます。
 税制及び税の執行に関する小委員長より発言を求められております。これを許します。簡牛凡夫君。
#3
○簡牛委員 本日税制及び税の執行に関する小委員会において取り上げられました入場税の減免に関する件について御報告申し上げます。
 小委員会において、本日平岡委員より提案されました入場税の減免に関する件を議題として審議を行ないました結果、すでにお手元に配付してあります案文を本委員会において決議されるよう提案することに全会一致をもって決しました。
 御参考までに案文を朗読いたします。
  わが国文化の発展に重大な影響を持つ映画、演劇等は高率の入場税により、その健全な発展が阻害せられている現状である。
  政府は、この点にかんがみ、更にまた入場税の取扱いに対する先進諸国の例に照らし、文化保護の立場に立脚し、可及的速やかにその減免を実施すべきである。
 以上であります。
 何とぞ万場一致をもって御賛成あらんことをお願いいたします。
#4
○足立委員長 ただいま税制及び税の執行に関する小委員長より提案されました決議案についてお諮りいたします。
 本決議案を委員会の決議とするに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、本決議は大蔵大臣あて参考送付いたしますから、御了承願います。
     ――――◇―――――
#6
○足立委員長 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#7
○足立委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官大久保武雄君。
#8
○大久保政府委員 ただいま議題となりました製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、日本専売公社製造たばこの最高価格を定めている価格表の一部を改正するものであります。
 その概要を申し上げますと、葉巻たばこについては、昭和二十一年以降販売している国産のものは「アストリア」だけであり、最近は相当数量を輸入品に依存しておりますが、戦前における国産葉巻たばこは九銘柄の多きを数えたこともあり、またその販売数量も輸入品を含めた現在の販売実績を相当上回るものでありましたので、葉巻たばこの今後の需要の増加を考え、専売益金の増収をはかるため、昭和三十六年二月一日から高級葉巻たばこ「パンドール」を、同じく三月十五日から中級葉巻たばこ「グロリア」をそれぞれ試製して販売中であります。「パンドール」及び「グロリア」はいずれも売れ行きが良好と見込まれますので、今後継続して販売するため、これらを価格表に追加しようとするものであります。
 また、現在販売中の葉巻たばこ「アストリア」の型式は長さ及び太さの両面から規定されていますが、今回太さという表現を改め、「パンドール」及び「グロリア」と同様に中央部の外周という表現をとることにいたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#9
○足立委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は次会に譲ります。
     ――――◇―――――
#10
○足立委員長 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
#11
○広瀬(秀)委員 公共企業体職員等共済組合法の一部改正の問題について、若干の質問をいたしたいと思います。
 今回の修正案は昨年通るべきであったのですが、いろいろな関係でおくれておるわけでありまして、この間において別にどうこうはないのですけれども、ただ公共企業体の共済組合法の根本的な問題についていろいろやはり問題点がありますので、それらの点についての政府のお考えについてお伺いをいたしたい、かように考えるわけであります。
 まず第一に、三公社が公務員であったとき公社に移る、その移りかわりのときに、恩給納付金というものを職員が大部分――具体的に何人になるか、そういう人数は今調べておりませんけれども、おそらく六、七割といいますか、それだけくらいの人数は少なくとも恩給法の適用を受けて、国庫に対して恩給納付金をやってきたわけであります。公共企業体として独自の共済組合法に身分や何かの関係で移りかわる、こういうことになったわけでありますが、その後そういうわけで新しい公共企業体の共済組合法ができましたために、それまで国庫に納金しておる分は、これは今の公共企業体の組合の経理の中には何にも生きてこない。俗にいえば納めっぱなしになっている。こういう事情にあるわけであります。しかも、当時国鉄なら国鉄、専売公社なら専売公社、電電公社なら電電公社、そういうところに前に公務員時代に納めておって恩給を受けておる人たちの恩給負担金というのは今日でも取られておる。国鉄は、たしか予算書を見ますると昭和三十六年度だけでも十六億ですか、去年は十七億、その前は大体二十億程度、漸次減少はしてきておりますが、そういう恩給負担金などというものもやっておる。こういうことになっておるわけであります。そうしますと、国家公務員の共済組合法、これは政府でみんな見ますから問題はないわけでありますが、いろいろな点からいいまして、将来この給付がピークに達する時代は大体二十年後くらいを予想されておるようでありますけれども、こういうことになりました際に、非常に経営が危機的な状態に陥りはせぬか、そういったおそれがないのかどうか、この点を一つお答えをいただきたいと思うわけであります。
#12
○小金国務大臣 国家公務員相互間でも、会計がかわったような場合の例によりますと、やはり掛けっぱなしといいますか、前の身分であったときのものはそのままになっております。これには経過的ないろいろな問題もございますので、政府委員から答弁させていただきます。
#13
○松田政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生のおっしゃいました点、確かにそういうふうなことがございますが、恩給法でやっておりました時代に、つまりこの公共企業体共済組合法ができます前のことを考えました場合にも、実は恩給法で恩給をもらうというふうなときにも、ただいま大臣から申し上げましたように、結局恩給の納付金というものは各人が出している。ところが、実際やめて恩給をもらいますときには、それはやめたときに公社に所嘱しておりました場合には公社から出す、公庫、公団のときにはそこから出す、特別会計に属しておりますならば特別会計から出す、というふうなことで処理されておったわけでございます。この考え方というものが、恩給というものの考え方が今の共済組合法とは違った考えと申しますか、結局納付金は納付金として納めるわけでございますけれども、それに対してやめたときに老後のために年金が出るということで、現在のいわゆる掛金でそれをそのまま計算いたしまして、実際の給付の財源として充てていくというような直接的な結びつきというものが必ずしもなかったために、そういう形になっておったということも考えられるのであります。ところが、この公共企業体共済組合法ができまして、そのとき以後の問題といたしましては、それぞれ計算をいたしまして、公社の方の負担金、それから従業員の掛金という本ので本人に充てて参ります給付の財源として計算をしていく、こういう形になって参りまして、その以前の、もとの恩給法の適用を受けておりますもの、これはこの法律におきましては更新組合員として付則でいろいろと処理の方法が書いてございますが、そういうものにつきましては、結局前の時代の恩給法の観念というものをそのまま受け継ぎまして公社で出しておったものでございますから、公社でそのまま出していくということで、実は追加費用という形で公社の方から共済組合に繰り入れていく、こういう形に実はこの法律ができますときに整理されて作られた次第でございます。そういう形になって、そのために今後いろいろとこの法律の結果やめていく人たちがふえたような場合に、その財源として出るべき金というものは、この共済組合としての計算におきましては、その方式をいろいろと計算いたしまして大体間に合うという見地で掛金等もきめ、給付の額等もきめられておる次第でありますが、たとえば、そのときの考え方として、これで未来永劫通せるというようなことでもございませんでしたものですから、五年たったらもう一度見返して計算をし直すということになっておるわけでございます。しかし、もとの分については、先ほど申しましたような従前からの引き継ぎの関係で、公社側からその費用を適宜繰り入れていく。ただし金といたしましては一時にたくさん要るというものでもございませんために、公社の財政状況というものもいろいろ考え合わせまして、毎年々々予算で必要な額をこの共済組合に繰り入れていって運営をしていく、こういう運営で処理されておりますので、将来いろいろピークのときになりましても、直接そのことが共済組合の運営に支障を起こすとか、あるいは組合員の便宜に非常に影響を与えるとかいうことがなくて処理されていくだろう、こういうふうに私どもは考えてきております。
  〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
#14
○広瀬(秀)委員 参議院の審議の際にも、郵政大臣は、今回の担当の大臣として、また政府の閣僚として、これらの問題について、将来、今松田さんのお話によると、何とか職員に損害が及ばないようなことでやっていけるのではないかということでありますが、これには相当問題点があるだろうと思います。そういった場合の国の責任というようなものについて大蔵大臣とよく相談をしたい、そうして近い機会に明らかにしたいということを答弁なさっているわけですが、その点について大臣はその後大蔵大臣と折衝をされる機会があったかどうか。それで、今そういう点についてどういう気持でおられるか。この点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
#15
○小金国務大臣 この問題につきましては、その後具体的にまだ相談ということはいたしておりませんが、この法案を国会に提出するにあたりましては、ただいま広瀬さんからおっしゃったような意味でお話し合いをいたしました。なお、まだこの法律施行後四年半ぐらいの施行状況でありまして、共済組合の資金あるいはまたこれを支出する金額、入ってくる金額等の今後の見通しをよく立てまして、あらためて相談をいたしますが、現在のところは、提出後は今まで別段具体的には相談しておりませんけれども、考え方としては、この組合の基金等において非常な差しさわりはないと一応見ておりますが、もしあぶないというような見通しがつきましたら、これは手当をいたすべきだと考えております。
#16
○広瀬(秀)委員 責任準備金が国鉄の場合三千四百六十九億、電電が八百五十三億、専売が二百五億、こういうことでございますが、現有資産は国鉄が四百九十六億、電電が二百三億、専売が六十八億、こういうふうになっております。それで、追加費用は、これまでに到達するまでの、今申し上げた数字の差でありますが、国鉄の場合に二千九百八十七億、電電の場合に六百四十九億、専売が百四十億、こういうように、追加費用としてそれだけ積まなければならないということになっておるわけでありますが、最初出発したときには、毎年五%ずつ積み増しをやっていこうじゃないかということで、その当初の率が、専売が千分の十七、国鉄が千分の二十四、電電が千分の六・五、こういうような形で出発をしまして、毎年々々五%ずつ積み増しをしていこうじゃないか、こういうことになっておったわけでありますが、その後の三公社の経理の実情からいって、なかなかそれができない。特に国鉄などの場合には、運賃値上げをやらざるを得ない状態になっているというようなこととも関連をいたしまして、この積み増しの状況というものが非常に停滞をいたしております。前年と同じように三十一年度は千分の二十四積んだ。それから三十二年度に千分の三十になって、三十三年度は三十一でございますから一%しかよけいになっていない。三十三年度と三十四年度の間は三十六で五%増し、これは基準通りになっております。それから三十五年度には前年と同率ということで、三十六年度は五%増しにしよう。運賃が上がったというような経過もあってこういうことになるわけでしょうけれども、こういう工合に、三公社とも今の国鉄と同じように歩調を合わせておるわけであります。そういうのが現状になっておるわけでありますが、当初の五%積み増しをしていこうじゃないかというのは間違いであったのか。それとも、それは山かけになっておって、こういうような停滞した積み増しの状況でなおかつ大丈夫だ、こう言い切れるものかどうかという点も、一つ問題だと思いますので、その点について見通しを一つ明らかにしていただきたいと思います。
#17
○松田政府委員 この追加費用の毎年の繰り入れにつきましては、ただいま先生の言われましたようなお話がその間にいろいろと出ておったということは、私ども伺っているわけでございますが、ただ、毎年の状況というものを考えました場合には、実際にやめていく人というものは今のところはそれほどに出るわけでもございませんし、共済組合としての運営も今までのところは非常に順調にいっておりまして、剰余金というものが次々と出て参るという状況でもございますししますので、実際の追加費用の繰入額というのは、大体その年その年の予算の状況というものを大蔵当局でいろいろと見ます場合に、具体的にことしはこれぐらい入れれば至当ではないかということで、実はそれが、先生の言われるような工合に、あるときにおきましてはふえないでそのまま前年通りの額が繰り入れられており、またあるときには五%の増が見られているというような形になっておるわけでございます。先ほど言われましたような全体として繰り入れなければならない金額というのは、これは計算上出て参ります金額でございまして、これは非常に長年月にわたっての計算の結果でございますので、今後共済組合というものの実際の動きあるいは公社というものの実際の動きその他を勘案いたしまして――要は組合員の掛金とかあるいは公社の負担金とかいう問題に影響しないということは建前上はっきりしているものでございますから、公社の方の運営の状況その他を考えまして、そういう共済組合そのものの運営に支障を起こさないように、当然私どもも考えていかなければならない、またいくべきであるというふうに考えておりますし、この点におきましては、政府側におきましても、あるいは大蔵省の方におきましても、同様な考えであるというふうに私は信じておるわけであります。
#18
○広瀬(秀)委員 そうしますと、その点は、特に三公社の経理が非常に苦しいというようなことから、こういう追加費用の繰り入れというものが停滞するということ以上に、ことしはこのくらいで大丈夫なんだ、こういう保険数理的な問題でしょうけれども、そういうことでやっているということなんですか。それでもう自信があるんだ、こういうことになると、当初の計画は、五%ずつふやしていこう、そうしてピークになるころまでにはこの追加費用が責任準備額満額になるようにしていこうというその計算に、若干余裕を持った組み方をしておった、こういうように理解してよろしいわけですか。
#19
○松田政府委員 必ずしもそういう考えでもないと思いますが、結局、さしむきの運営といたしましては、この程度の繰り入れでもって全然支障は起こさないということは間違いないと思う次第でございます。ただ、将来のことを考えまして、どの程度に繰り入れてやっていけばいいかということには、いろいろと考え方も成り立ち得るわけでございまして、どういう時期にどういうことでこの金額を入れていけば最もいいのかということは、非常に長期にわたります問題でもございますので、なかなかはっきりとこの線が一番いいということをいいかねる、いわゆる幅のある考え方をし得る点だろうと思うのであります。ただ、その年その年の状況から言いますと、これだけ入れておけばもちろん運営には支障はない。従って、ただいま確かに財政状況その他のことも考えてのことではないのかと言われますと、やはり、そのときそのときの公社財政に及ぼす影響というものは考えに入れられまして、そうして本年度ならばこの程度ということできめられているというふうに考えるべきかと思いますが、ただ、この問題は非常に長期にわたりますために、たとえば本年度はすでに五年を経過いたしますので、本年度においてすでに財源率関係のこともいろいろと計算もいたしますが、そういう場合にも追加費用の問題もやはりあわせて考えて、どういう方針で今後繰り入れていくのがいいかということを検討しなければならないだろうというふうに私どもも考えておる次第でございます。
#20
○広瀬(秀)委員 この点を問題にすることが本旨でございませんので、これ以上申し上げませんけれども、この点は五年目ごとに検討し直そうという予定だそうでありますから、間もなくあと半年くらいで五年になるわけですから、十分それらの点は――これは将来職員の方のベース・アップその他も進むことですし、この点、将来にわたって支障のないように、万全の措置を講ぜられるように希望をいたしておきたいと思います。
 次の質問に移りますが、今回の改正の中で一番大きな改正点である軍人期間というものは、七年未満のものでも全部通算される形になるわけでありますが、この対象人員というのは大体三公社それぞれどのくらいありましょうか。
#21
○松田政府委員 事柄は三公社がそれぞれお答え申し上げるべきかと思いますが、便宜私から代表してお答えさせていただきますと、大体今度の法律によりまして数えられる軍人期間というものが、七年未満のものと、七年から十二年まで、つまり一時恩給を受けている者、それから十二年以上の普通恩給を受けている者という工合に分類されますが、それを内容的に申し上げますと、専売公社といたしましては七年未満として数えられる者がほぼ七千八百人、七年から十二年までの者が百七十人、十二年以上の者が三十人ということで、合わせて八千人でございます。それから、国鉄について申し上げますと、七年未満の者が大体十六万六千四百名、七年から十二年までの者が七千六百名、十二年以上の者が九千六百名、合計いたしまして十八万三千六百人程度でございます。電電公社について申しますと、七年未満の者が二万六千五百五十七人という一応の計算になっておりますが、七年から十二年までの者が五百四十七人、十二年以上の者が二百八十四人、合計二万七千三百八十八人というように現在なっております。
#22
○広瀬(秀)委員 それで、それらの人たちは、恩給法の改正あるいは国家公務員共済組合法の改正、それと今度の改正で、ようやく同列になるわけでありまして、けっこうなことなんですけれども、大体それによって今後給付がどれくらいふえるかということについてお聞きいたしたい。
#23
○松田政府委員 お答え申し上げます。
 専売公社につきましては、これらの人たちに要します経費が大体六億円、それから国鉄につきましては百五十八億七千百万円、電電公社につきましては十三億五千五百万円というふうになっております。
#24
○広瀬(秀)委員 それらの金額というものはかなりの額に上るわけでありますが、そういうように上がって参ります場合に、長期給付の掛金の率を上げなければならないというようなことになりますか。公務員の共済組合の場合よりも、公社関係の掛金率を著しく上げなければならないような事態というものは予想されますか。
#25
○松田政府委員 その問題につきましては、実はこの軍人期間を今回通算するということで計算されますのは、すべてこの共済組合法のできます前の問題でございますので、従って、そういう期間を通算することによって起こって参ります費用というのは、先ほど申し上げました公社が入れる追加費用となるべき性質のものでございますので、現実の組合員の掛金を計算いたします、この法律ができましてから以後のいろいろの計算というものとは別のものでございまして、すべて公社側から出す追加費用というものの増加になるというわけでございますので、組合員の掛金には全然影響はないと考えております。
#26
○広瀬(秀)委員 軍人恩給なんかの場合は全額国で負担しておりますし、公務員の場合等においてもこれは全部国で負担をされるという格好になりますし、公共企業体の場合に、それが公共企業体の経理から、今聞いたような支出がこれから将来にわたってふえていく、掛金には影響を残さないということになれば、当然三公社の経理を若干でも圧迫するような形が出てくるのじゃないかと思われるわけであります。そういった際に、軍人恩給の場合あるいは国家公務員の場合というようなものとの比較において、公共企業体である三公社にそういう負担増を追加費用という形でどんどんふやしていっていいものかどうか、そういうことに対してどうしてもやはり国の何らかの責任ある施策というものを考えていかないと、こういう問題が運賃値上げなり電報電話の料金値上げとかいうようなことにはね返っていくことになるのじゃないかということがおそれられるわけでありますが、そういう点について・もう一度これは三公社の方から、ほんとうに心配がないのかどうか。先ほど、郵政大臣は、問題が深刻に、どうにもならないというような事態になったら考えるべきだろうということをおっしゃったわけですが、そういう点について、三公社それぞれの立場で一つ見通しというものを聞きたいと思うわけです。
#27
○山口説明員 ただいまお話しのように、この問題は、追加費用の増という形で、当然国鉄の経理状態というものに影響を及ぼす性格のものでございます。しかしながら事柄は更新組合員に関しまする事柄でございます。更新組合員の問題につきましては、先ほど松田監理官から申し上げましたように、恩給当時の姿というものをそのまま引き継ぐ考え方でやって参ります関係上、公共企業体自体が負担するという建前で今までのところ通しておるわけでございます。従いまして、そういう形で追加費用になって増になりますけれども、これは何分にも非常に長期にわたりまする退職という場合にそれが現われてくるわけでございまして、今直ちにそのものが全体として起こってくるという問題ではございません。従いまして、なしくずし的といいますか、長期間にそれらのものを公社の方から負担するという形でも、将来の共済組合の運営というものには支障はないんじゃないかというように考えておるわけでございます。
#28
○谷川政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま国鉄の場合に答弁がなされたと大体同じような事情でございますが、特に専売公社の場合は、御承知の通り不足原資も金額が比較的少額でございますので、なおまた、現在の積立金の運用につきましても、法律では五分五厘以上ということになっておりますが、六分五厘をこえる運用利回りを得ております関係もございまするし、また、専売公社の現在の経営状況は、経済界の繁栄に伴いまして年々売り上げもふえまするし、国庫に納付する金額も予定より相当大幅にふえておるような状況でございますので、もし万一共済組合の方の支出の金額が不足するような場合におきましては、主計局とも相談いたしまして、適宜の措置がとれるという状況でございます。
 そこで、三十一年度、最初のときに、旧国共時代の長期組合員について公社から繰り入れた率をそのまま大ざっぱにとったわけでございます。それを一挙に一〇%から二〇%ふやすということも、長い目で見た場合に適当でないと思いますので、今のような状態で、二年目ごとに五、六%ずつふやしていくというようなことをやっていけば、専売公社の共済組合の経営としては十分やっていける、かように存じております。
#29
○広瀬(秀)委員 三公社とも今のところ大丈夫という確信のあるお答えですから、それではそれに信頼をいたします。
  〔毛利委員長代理退席、伊藤(五)委員長代理着席〕
 もう一つ聞いておきたいことは、この掛金の収入なりあるいは公社の追加費用の計上なりということでやっていく以外に、現有資産の運用によって利益を苦干でも上げていくというような面もあるわけでありますが、この点については、長期経理資産の構成割合基準というようなものが、これは大蔵省と協議をしてきめた基準だと思うのですが、流動資産について二〇%、投資、有価証券一六%、不動産三二%、貸付金三二%、その他ゼロというようなことになっていますが、これは三公社とも大体その基準でやっておられるわけですか。
#30
○松田政府委員 仰せの通りでございます。
#31
○広瀬(秀)委員 これは八十三条に基づいて七十四条あるいは六条の一項、二項の問題等について大蔵省の監督がされているわけですけれども、これは私ども経験があるのですが、特に貸付金の問題等について、貸付を受けたいという職員の希望というものは非常に旺盛なわけです。これについては三二%というワクに縛られて非常に借りにくい。おそらく貸付に対してかなり低いパーセントでしか応じられてないんじゃないかと思うわけです。しかも、この貸付というものは、どこに貸し付けるよりも、職員に貸し付けるのですから、これはきわめて安全度の商いものであり、回収はもう一〇〇%を欠けるおそれは絶対にない。しかも適当な利子もちゃんとついておりまして、返済の面においてはこんな信用のあるところに貸していることはないわけです。また、最近における、この種の厚生年金の資金を積み立てる人たちに還元せよというような当然な要求というようなものとも、これは関係のある問題であります。しかも、その回収というものがきわめて安全であって、比較的有利なものだということになれば、大蔵省あたりでも、ここらのところはもう少しゆるめて職員の便宜をはかっていく、職員の希望にこたえていくということがなければいかぬのじゃないかと思うのですが、こういう問題について、三公社としては、そういう私が今申し上げたような職員の実情にあるということを認められますか。
#32
○谷川政府委員 専売の場合につきましてお答え申し上げます。なお、専売公社の担当の理事も来ておりますので、詳しくは、もし御質問ございましたら補足的にお答え申し上げますが、現在、専売公社におきまして、不動産以外の貸付といたしましては、三十五年度十四億三千万円、三十六年度十七億九千万円という程度の貸付を行なっております。さらに、職員に対する貸付といたしましては、職員の宿舎――公社自体が貸与する以外に、共済組合の資金をもちまして建設をして、これを公社職員に貸与しておるという部面も相当の金額あるわけでございます。今お尋ねの一般の貸付金でございますが、現在のところは特に住宅建設資金の貸付が多うございますが、一応組合員の希望を満たしておるという状況でございます。
 なお、今後そういった面の資金の要求がふえました場合におきましては、さらにこれを増額していくということでやっておりますから、万事うまくいくというふうに御了承願っていいと思います。
#33
○山口説明員 資金の運用状況に対しましては、今先生のおっしゃいました、組合員の利益にこれをできるだけ還元するということと、有利安全確実であるということが二つの大きな要件でございます。この点につきましては、私どもといたしましても、常にそういう方向に持っていかなければならぬと考えております。
 おっしゃいました職員に対します貸付につきましても、許す限りできるだけ増大をいたしまして、職員の福祉の向上をはかることが適当というふうに考えております。
#34
○広瀬(秀)委員 今のものでも大体うまくいっているという専売さんのお答えでございましたが、今運輸省関係でお答えになったような点について、これはやはり職場の人たちに聞いてみますと、もっと貸付のワクを広げてほしい、それから、いろいろな制限の条項というもの、何年勤続の者はどれだけの額しか貸さない、しかもそれもワクがあって、必要な時期にはなかなか借りられないというような状況は、これは三公社で若干――特に専売さんのように女子職員の多い職場、従って世帯を持っておりましても別にだんなさんがいらっしゃる、御主人はまた別な会社なり公社なりあるいは官庁におる、そういうような者、あるいは電電も若干そういう面があると思いますが、国鉄なんかではそういう事情はかなり違うと思いまして、貸付金を求めるというようなことが非常に熾烈な要請になっておるわけです。しかもその需要を満たしていないというような点がうかがえるわけなんで、これは私自身も経験しておる問題でありますから間違いのないことなんです。そういった問題について、それぞれ法に基づいて運営審議会などで運営規則等もきめられ、またこの資金をこの程度ふやして使えというような決定などをなされた場合に、たとえばこの三二%というような基準を大蔵省あたりでも若干の幅を持ってそういう要請にこたえられる御用意があるか、それとも今まで通りきちんとほかでもやっているのだからというような形でやられるか、運営審議会のいろいろな審議の結果、もう少し貸付金の面をふやして運用したい、こういうような要請等があれば、その点については相当幅を持ったお考えでその運用の協議の際に認めていただけるかどうか、この点をこの際大蔵省にお伺いしておきたいと思うわけです。
#35
○船後政府委員 長期経理の資金の構成割合でございますが、先ほど公社当局からお答えの通り、現状におきましては、大体職員に対する貸付金等につきましても、現在の構成割合の範囲内で運営されておる、かように承っております。ただ、現在のこの構成割合の規定でございますが、これは国家公務員共済組合の旧法の当時の構成割合と同様でございまして、当時といたしましては、共済組合員といたしましては官吏を除いた雇用人だけの組合でございまして、資金の総量もきわめて少なかったという状況でございます。これが現在のように全職員を対象とする共済組合となりまして、資金総量もふえておりますので、そういった現状に即しまして、この構成割合につきましては具体的に検討すべき必要もあろうかと存じます。従いまして、各公社当局と始終具体的な相談がございます。当局といたしましても検討はいたしております。ただ、この問題は、各公社あるいは国家公務員共済を通ずる問題でございますので、それらとのバランスも考慮しながら検討を続けたいと考えております。
#36
○広瀬(秀)委員 最後に申し上げておくわけですが、大蔵省に対しては今の点について一つ特段の御協力をいただきたいと思うわけであります。
 郵政大臣に最後にお伺いしたいのですが、国家公務員の方は大へんおくれて、同じようなものが一年以上もおくれて今ようやく通ろうとしておるわけですけれども、そのあと今度はまた新しく国家公務員関係は一部改正法案が提案をされまして、給付内容等についてもかなり前進したものが出されてきておるわけであります。常に公務員関係よりも非常におくれた形で追いかけているというような実情にあるわけでありますが、現業官庁――昔は現業官庁という形で今日は公社ですけれども、それぞれ非常に苦労のある職場で働いている人たちでありまして、こういう形でいくことは、現在でも国家公務員に比較して決していい面ばかりではない。むしろ悪い面も相当ある。いい面も若干はありますけれども、そういう実情にありますので、今度公務員の方が先に新しい改正案も出ておりますけれども、これについてまた同じような改正案を当然に考えられ、またやられなければ、均衡の問題としてまずい問題だと思いますが、そういう問題についてどのようにお考えか、はっきり見通しをどういう方針だということをこの際示しておいていただきたいと思います。
#37
○小金国務大臣 この法律案自体がすでに満一年以上おくれまして、今広瀬さんのおっしゃったように、現業官庁あるいはまた三公社等の職員に対する処遇と申しますか、共済制度の点から見まして遺憾の点がありました。これはなるべくすみやかにこの程度のものを成立させたい。昨年提出されたものに新しい事態に即応するよう多少修正を加えましたが、今御指摘のような国家公務員等のこういう問題に対する法案が出ますと、これにあまりおくれないように、すみやかにバランスのとれる処置ができますように今検討中でございます。
#38
○広瀬(秀)委員 早急にできるだけ早くやっていただくということでありますが、大体時期としてはいつごろをお考えでありましょうか。今回は郵政大臣の当番になった、あと大へん楽なものになられても困るわけでありますが、一つ政府の閣僚として、その時期等についても、どの程度の近い時期にやられるか、おおよその見当をお聞かせいただきたいと思います。
#39
○小金国務大臣 お説の通りでありまして、これはかわりましても担当の説明の立場に立つ人がかわるだけでありまして、私ども三公社をかかえておる主管大臣としては同じでありますから、今いつごろまでに仕上げてということをここで御確答申し上げることは差し控えさせていただきますが、また事柄にもよりけりで、簡単に片づくものはすみやかに成案を得て、次の国会とかあるいは通常国会とかいうものに出したいという心組みで勉強いたしております。
#40
○広瀬(秀)委員 一応終わります。
     ――――◇―――――
#41
○伊藤(五)委員長代理 次に、金融に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。広瀬秀吉君。
#42
○広瀬(秀)委員 大蔵省の保険課長にお伺いしたいと思います。
 生命保険の保険業法に基づいて免許をされ、第八条なり第九条なり第十条なりで監督権を行使されて、健全な発展を促進し、また契約者あるいは被保険者、こういう人たちを保護しようという努力をされていることは大へんけっこうなことであります。ただ、その中で私どもがどうも監督の行き過ぎではないかと思われる点は、職員の給与の問題について大蔵省の保険課で大がいおやりになっていると思いますけれども、大体お前の会社はこのくらいのところでとどめておけというようなことをやっておられるのじゃないかということが考えられるわけです。そういうことは少し行き過ぎではないかと思うのですが、その点いかがですか。
#43
○細見説明員 ただいま何か個々の会社の給与の一々をも指図しておるというふうにも承れるようなお話でございますが、私どもとしまして、給与べースを私どもの立場でどうこう申すというようなことは申しておるわけでございませんので、ただ、広瀬委員のお話にもございましたように、片や契約者、広く国民一般の方々になるべく安く、いい保険を提供するということもあわせ考えなければなりませんし、その場合に、努めていい契約を安く提供するということにいたしましても、企業の内容がそのためにきずがつくというようなことがあってはならないことは申すまでもないことだと思います。そういうようなところからいたしまして、個々の給与がどうというようなことより、むしろ会社の経理内容がいかにあるかというような点につきましては、先ほどお話しのように深甚な関心を持っておりますが、具体的に給与の一々をどうこう申すというところまでは実はいっておりません。
#44
○広瀬(秀)委員 保険業法の第九条を見ますと、業務執行の方法の変更を命令したり、あるいは財産の供託を命じ、その他監督上必要なる命令を出すことができる、こういうことになっております。そしてまた、主務大臣としては、報告を徴する権とかあるいは検査権というようなものまで、非常に強大な権限があるわけであります。従って、特に職員の給与という問題は、もちろん会社の経理の中でも重要な部分であることは疑いのないことでありまするけれども、しかし、労働者は、やはり個有の憲法に保障された団結権あるいは団体交渉権、こういうようなものに基づいて、賃金は団体交渉によってきまるのだという原則というものが厳としてあると思うのです。それが憲法の精神なのでありまして、そういう状態にあるのに、お前のところは、経理全体を通じて見ると、この際は大体何パーセントくらい上げるのが適当だとかいうような線までお示しになる例があるということを聞いておるのですが、そういうことは絶対にございませんか。
#45
○細見説明員 具体的にどのような指示を申し上げておるかと申しますと、給与の一々について申し上げるわけではありませんので、経営者として片や契約者をかかえ、片や従業員をかかえられて、それぞれに一番いい方法で報いられるというのが筋だと思います。その場合、大体似たような経営あるいは似たような内容の会社が、他社の様子はどうだというようなことについてお聞きになれば、われわれの方でお話は申し上げますが、あなたのところは何パーセントだとかあるいは幾らだとかいうようなことでなくて、そのようなベース・アップなり、あるいはそのような従業員の雇用計画、さらには業務計画と申しますか、そういうようなものでおやりになった場合にどうなるかということについて、会社側の御意見を聞いたり、われわれの立場で御意見を申し上げることはございますが、給与ベースそのものがどうこうというようなことはあまり申し上げたことはございません。
#46
○広瀬(秀)委員 昭和二十六年七月三十一日に河野銀行局長名で通達が出ているのですが、「特に保険会社の役員及び職員の給与その他の人件費の膨張については、格別の自粛を図り、今後当分の間報酬又は給与の増額又は調整を行おうとするときは、事前に銀行局長に連絡すること。」こういう通達が一つ出ておるわけです。それで、その次にまた同じ年の九月十五日付で、「報酬又は給与の増額又は調整について」ということで、「今後報酬又は給与の増額又は調整を行おうとするときは、書面により、その理由、一人当り支給額、支給人員及びその範囲、新旧給与基準の比較、人件費の増加額その他参考となるべき事項について、なるべく詳細に記載して当局に連絡すること。」こういうような通達が出ているわけです。非常にこまかい点まで実情を知るということはけっこうなことでありまするけれども、「一人当り支給額、支給人員及びその範囲、新旧給与基準の比較、人件費の増加額その他参考となるべき事項」、これを事前に連絡しろ、こういうことですね。これを事前にやらなければならないということは、これによって明確にされてしまうわけです。そうしますと、今あなたが御答弁になったことは、私から言わせれば若干逃げ口上のようになるのですけれども、これだけのものを要求しておいて、そこでその経営者側と話をされることはおよそ察しがつくわけです。今あなたがおっしゃったような形で、その面についてどうこうということはあまりないのだということには取れないわけですね。これだけのものを要求して、しかも事前にそれを連絡するのだという場合には、あなた方は何らかのサゼスチョン程度のことしか言わないのだと言われるかもしれませんけれども、あなた方の非常に強大な監ものもとに服している経営者としては、大蔵省のちょっと漏らしたような、あるいはこういう気持なんだということは、それはもうまさに命令と同じ程度に受け取られる立場にあるということなんですね。従って、これは、そういうような立場であるのだという実態的な姿なんですよ。従って、団交の場面で経営者は何を言うかというと、これは大蔵省の命令だ、従ってこれ以上はとても上げられない、君たちの言うことは聞けないのだ、大蔵省の許可を得られないから、君たちの言うことは聞かれないと言う。経理面ではこれは聞ける可能性はある。これは労使双方で一致しても、それが常に壁になるというのが今の生命保険会社における給与の問題だということになりますと、やはりその表面的な監督の姿と実質的な監督の姿というものとは、かなり違ったものになって相手方に受け取られておる、こういう実態があるわけであります。そういう点では、大蔵省がどのように言おうとも、監督におけるそういう面での行き過ぎというものがどうしてもあるのではないか、こう思うわけですが、そういう点についてはどうですか。
#47
○細見説明員 先ほども申し上げましたように、私どもといたしましては、保険会社の経理がどうなるかということに最大の関心を払っているわけでありまして、御承知かと思いますが、決算につきましても、大体どういう決算になるのか、あるいは契約者に対する配当につきましても、どういう契約者に対する配当になるのかというようなことも、実は事前に承っております。それと同様に、保険会社と申しますのは、御承知のように非常に人件費のウエートが大きいところでございますので、保険会社の経理の内容を監督すると言うと非常に言葉はあれになりますが、内容を将来にわたってどうなるかというような点について検討していくには、やはり人件費というものがどの程度のウエートを占めているかを調べて、その会社の経営の発揮等とにらみ合わせまして、今後大体どういう姿になるかというようなことは十分承知している必があろうということで――人件費の問題は、私から申し上げるまでもありませんが、ただトータルで幾らというようなことでは実は中身がよくわからないという点があるの外、御指摘のようにかなり詳細には承っておりますが、先ほど申しましたように、それはあくまでも経理の健全性を維持するという立場でございまして、そのために側々の給与をどうこう申し上げるというようなことは従来からもいたしておらなかったつもりでございます。もしそういうような言動を経営者の方がなされたとしましても、それはわれわれの真意を必ずしも正確にお伝えになっておらなかったのじゃないか、かように考えるのであります。
#48
○広瀬(秀)委員 それでは、あなたの考えとしては、大蔵省は労働者と経営者の労使双方の団交の結果を侵害するような意図というものは全くお持ちにならない、ただ監督の必要上そういう資料を取り寄せるにすぎないのだ、こういう意向ですか。
#49
○細見説明員 最終的な決定はもちろん監督者、経営者と従業員の間でいろいろ話し合って取りきめられるわけでありまして、従いまして、やや具体的に申し上げますと、会社の規模とか、あるいは従来の給与がどうであるというようなことに拘泥して一律にどうだというようなことは申さずに、むしろ会社として将来にわたってどういう人事に対する経営計画をお持ちかというような点についてお話を承りながら、事を処していくというわけでございます。
#50
○広瀬(秀)委員 大蔵省の考え方は、課長が今おっしゃった通りに相違ないとすれば、そのようにあらためてここで了解をいたしたいと思います。しかしながら、昭和二十六年のこういう通達が出ましてから、職員の給与の実態がしからはどういうようになったかということが非常に重大な問題なんです。二十六年にこういう通達が出た後、二十八年当時のベースを見てみますと、大体一万九千何百円かであったはずです。二十八年当時一万九千円ベースというと、全産業に比較いたしまして高いランクに位置したと思うのです。ところが、現在のベースを見てみますと、三十六年三月現在ですが、二万三百七十円で、この八年間にほとんど五%程度しかふえていない、こういう現実が出ているわけです。出時一万九千何百円かのベースで全産業の比較において高い方にあったものが、現在これを比較してみますると、全生保関係の平均賃金は二万三百七十円くらいである。なお、金融保険業、これは損害保険関係、銀行関係、証券関係、こういうようなものを平均しますと二万四千三百七十刑。全生保は二万円ですから、ほかはよほど高い。人数構成も比較的生命保険の方が多いということになりますと、ほかは四、五千円は高いと言うことが、金融での比較においてもできると思うのです。運輸・通信業が二万三千六百九十八円、電気・ガス・水道関係二万八千、不動産が二万五千、鉱業二万三千、建設業が二万六千、パルプ一紙二万八千、化学二万八千、石油・石炭製品三万円、鉄鍋三万二千円、ゴム三万二千円、こういうことになっているわけです。これは一部ですが、重要な産業の賃金べースは大体出ていると思うのです。こういうように非常に低くなってしまっておる。もちろんこれはこの八年間に人員、年令構成というようなものの変化はありましょうけれども、しかし、それは全産業が同じにあった状態だと見ていいわけでありますから、従ってこの銀行局の通達がやはり相当に響いている。しかも、全生保の組合というのは、比較的ストライキをやるというような強い組合ではない。それで非常に各社の競争が激しいというような実情から、組合もできるだけ愛社精神に徹して、賃金要求なども、大蔵省から言われているのだ、少しがまんしてくれ、そうですかといって引き下がるというようなことになる。そうなりますと、ほとんど賃金決定というものは、大蔵省の事前連絡を受けた際における、これは少し多いんじゃないか、こういう一言が賃金ベースをきめてしまう、こういう効果というものが実態の姿の中で出ているのじゃないかということが言えるわけであります。そこで、健全な保険業界の発展ということは、特に人の金を預かるわけでありますから、この人たちの給与が今日まで――若干の問題は常にあることでしょうけれども、賃金ベースが著しく低くなってくるということになりますと、やはり不祥事件というようなものがそういう中から発生しないとも限らない。そういうことになりますと、これこそかえって信用を落とし、保険というものに対してその発展を阻害する条件にもなるだろうと思うのです。むしろ、今日の状態は、経理面をよくするという方向はあとで申し上げますけれども、非常に順調に堅実に、しかもかなり飛躍的に伸びている。国の経済成長なんかから比べまして、雇用、契約高あるいは剰余金の額においてもどんどん伸びておるわけです。これは去年あたりの異常な経済成長なんかよりもむしろはるかに上回っておるということも出ているわけです。そういうようなことを考えますと、やはりあなたがお考えになっておるものと、あなた方がやっておられることとの結果の差というものは、まるっきり違うものになっているのだということを一つ考えていただきたいと思うわけなのです。今申し上げたように、こういう低い実態にあるということをお認めになられますか。
#51
○細見説明員 これは先生に申し上げるのははなはだ釈迦に説法になろうかと思います。先ほど御指摘のように、生命保険は、戦後と申しましても二十七、八年あるいは三十年ぐらいから急に契約その他が伸びて参ってきたわけであります。従いまして、二十六年当時の人員構成に比べますと、現在は、もちろん年令が違っておる点もございますが、いま一つ御留意願いたい点は、女子の構成が非常に大きくなっております。ごらんのその人件費と申しますのは、大体内部に勤めておられる人たちの給与でありますから、従って女子の構成が非常に大きくなっている。カードだとか契約約款とかそういうものの整理というような点で、契約が非常に伸びた結果、女性のウエートが急に大きくなったというような点がございます。従いまして、大体同一学歴、同一勤続年数というようなことで見ますと、一般の金融機関に対して、まさっておるとは申しませんが、それほどひけ目はないということを申し上げたいと思います。
#52
○広瀬(秀)委員 そのことでしたら私も数字を持っておるのですが、電電公社、専売は女子の多い職場です。電電公社では男女の比率が六対四です。それから専売は六三対三七%、こういう形になっております。それから全生保関係では大体男が四五の女性が五五ということになっていまして、そういう点では男女の構成比というのはそれほど大した開きはないわけです。しかも、学歴別にこれを見てみますと、電電の場台は高小、中卒が非常に多い。これは六割です。高校卒が三〇%、大学卒が一〇%、これが電電です。それから専売が五四%、三七%、大学卒九%。生命保険関係では高小、中卒というのは一〇%しかありません。七〇%が高校卒、二〇%が大学卒、こういうような形にもなっております。その平均賃金を見ますと、電電二万二千二百九十六円、専売は二万二千六百五十六円、これはこの間の仲裁裁定で出ました仲裁委員会で使った資料ですから間違いのない数字であります。全生保が二万三百七十円、こういう形になっておる。公共企業体関係は非常に低い低いといわれて、ようやくこの間の仲裁裁定で全産業にどうやら追いついた、公務員並みになったという程度であります。それよりもなお少なくとも二千五、六百円も少ないという実情にあるわけです。しかも男女の構成比という面でもあまり違わないそういう職場と比較いたしまして、二千五、六百円の差がある。こういうことになりますと、やはりこれはそういう重要な、というよりも非常に金を扱うという商売であるわけですから、そういう人たちにこういうひけ目を感じさせていく、あるいは生活が実際に苦しい、絶対的なレベルが低い、賃金水準が低いということになりますと、やはり何か無理をするというような形にもなってきて、思わぬ金銭上の不祥事故というようなものもふえる可能性も出てくるのじゃないかと思うわけです。そういった面で、正しい保険業の発展それから契約者、被保険者の保護、こういうような立場は、やはり経理面でできるだけ剰余金を出して、そして契約者に対する配当をふやしていこうじゃないか、こういうような面だけにとらわれているうちに、肝心のそれを扱う人たちが事故を起こすというようなことになりかねない、そういうようなところに現状はきているのじゃないか、こう思うわけですが、その点いかがですか。あなたの考えとやはり若干の開きというものが数字の上で出ていると思うのです。
#53
○細見説明員 御指摘のこと、もちろん私どもも生保の場合が他産業に比べて格別に高いというようなことを申し上げておるわけじゃございませんが、ただいまの御指摘の比較で申しますと、先ほども申しましたが、生保の場合は二十七、八年ころから急に契約が伸びまして、それに応じて新規に人を採用してきた。従いまして女性の構成比が大体同じようになっておりましても、年令構成その他が違う。日本の給与の場合でございますと、かなり勤続給というような形になっておりますので、新規の人は比較的給料が低い、そのために出てきておる現象でございまして、先ほどのことを繰り返すわけじゃございませんが、大体同じような学歴で同じような勤続の方につきましては、さほど遜色がないということが言えるわけであります。
#54
○広瀬(秀)委員 あなたはいろいろ言っていますけれども、やはり現実にそういうこまかい議論に立ち入れば、それはいろいろあると思います。しかし、少なくとも平均資金をとってみると、年令構成といっても一気に古い人たちがみなやめて新しい人に入れかわったという実情というものはないはずであります。ほかの産業だってやはり新陳代謝は繰り返されておりますから、そういう点ではこれは同一の条件にあると見ていいわけです。ところが、二十八年の状態に比較してわずかに五%しか上がっていない。しかも現状のベースは全産業的にながめて三、四千円も低い、こういう状態にあるわけです。そのことをまず認めていただきたい。そして、もう一つ、あなた方は給与の中に役員報酬ということも入れておると思うのです。役員報酬は昭和三十年に一億一千五百万出ておった。ところが昭和二十四年度ですでに一億六千七百万円はね上がった。六割ではないですが、五割確実に上がったわけです。あなた方も役員報酬ということをちゃんと事前連絡書で言っているのですよ。おそらく重役の数がわずかこの四年間にそれだけふえたわけはないと思います。おそらく、幾らふえたって、こんなに五割もふえるなんということはないはずです。ところが役員賞与だけはこういうふえ方をしている。この点は一体どういう監督をされ、職員の給与の推移とそれから役員の賞与の推移というものの関係をあなた方はどうお考えになるのですか。
#55
○細見説明員 役員の給与が非常に大きくなったじゃないかという御指摘でございますが、現状で申しましてもなお三万程度の役員の給料になっておる会社もございまして、それは、先ほど申しましたように、役員の方々については大体二十五、六年ごろにおられた方がそのまま勤続されておるという形になっておりますし、一般の職員の方は、人員が入れかわるといいますか、新規の補充が非常に多くなっている。これは参考まででありますが、現在契約者の配当が非常に出ておるじゃないかというお話でございますが、戦後の死亡率が非常に悪くなりまして、その結果保険会社としては保険の支払いが少なくなるわけでありますので、その結果その差益が出てくる。それから一方、戦後のかなり異常と申しますか、長い間高金利の状態が続いておりましたので、その結果資産の運用というようなものから上がってくる収益が相当ある。このような二つのものが配当の源泉に主としてなっておるのでありまして、経営の内容という点になりますと、必ずしもすべてを戦前に比較するのがいいわけじゃございませんが、かなり戦前からは、経営の能率というような面からは、まだ遺憾ながら見劣りしておるというのが実情でございます。
#56
○広瀬(秀)委員 この業績についてはここにありますから、別にそのことをどうこう言いませんけれども、とにかく経営は今あなたも認めたように契約者サービスの方向にかなり回っておるということだし、それから剰余金というものも非常に大きなふえ方を数年来しておるわけです。それを見ながら賃金ベースが非常に上がってない。ここ七、八年間わずかに五%程度しか上がらない。ほとんど定昇だけだというような実態になっておる。中には三万円以上のものもあるだろう。しかしながら、そのこと自体は、やはり健全な経営を維持しながらそれだけ出せるのだから、それは高いとか低いとか言うべき問題ではないと思う。今あなたがそのことを触れたということから、もうすでにあなた方はお前のところは高いじゃないかというようなことを言っておるに違いないのだということが想像されるわけです。現実に労使間で話し合いが行なわれるんですから、それに対して今度の場合もあなた方の方でおそらくこういうことを出しておるのじゃありませんか。これは経営者の方から漏れたことですが、ABCの三ランクに二十社を分けて、Aクラスの径理状態にあるものはこことここのところは幾ら出せ、すなわち一〇%程度は上げてもよかろう、あるいは次のBクラスは九%、その次は八%程度だ、この程度ならばうんと言ってやろうじゃないか、こういうことを実際にはやっておられるのじゃないですか。そういうことは絶対にやりませんか。そういう一〇、九、八というようなことを経営者の人たちに言ったことはありませんか。これははっきり答えて下さい。
#57
○細見説明員 今のお話でございますが、経営をABCと格差をつけて差等を設けておるとおっしゃるわけでありますが、もちろん経営に若干段階があることは、これは遺憾ながら認めなければならぬと思いますが、しかし、その場合に、経営の格差即給与の差等というようには実は持っていっておりません。その場合も、もちろん従来の慣行とか、あるいはその会社におけるいろいろな交渉によって若干差異は出ておるように承っておりますが、しかし、私どもの方から、ABCとか、あるいはそういう格差をつけたような指示ということではなくて、あくまでもその会社として将来の臨時任用の計画というものを考えながらお話を承っておるというのが実情でありまして、経営の能率即給与というところまでは考えたことはございません。
#58
○広瀬(秀)委員 ほかの方もこういう問題でつき合っていただいて、大へん私も心苦しいのです。細見保険課長は前の方よりも大へんりっぱな人だということを聞いておるのですが、案外に答弁が逃げ口上になるので、つい長くなるわけです。やはり監督という立場はいろいろな問題についてあろうと思いますけれども、しかし、現実の問題として、特に給与の問題というものは、これは労使双方でやはり団体交渉できめるんだ。そのことについて憲法は明確に保障しているのだ。それについて大蔵省が何%にしろとかいうようなことを言うこと自体非常に問題なんですね。そんなことは絶対やらない、こう言っておりますけれども、こういうことをやれば、経営者の人たちは何らかの姿で――これは課長は言わないかもしれないが、あるいは課長の次席の人が、おおよそこのくらいに考えているんだと言ったくらいで、すでに経営の人は、それを、大蔵省のお声に反してそれ以上にやったらあとがこわいということで、その声が必要以上に、あなた方が考えている以上にきつい線としてとられて、そのことが今私が申し上げたような結果を生んでいる。こういうことはやはりあなたも率直に認められる必要がある。労働者の権利を監督の立場で侵害するという結果にどうしてもならざるを得ないわけです。もちろん、この監督の仕方というものが、給与の面で、実情を無視し、回りのものともバランスを失したきわめて不当な、そしてそのこと自体によって経理が即危うくなる、そういう場面が出るというようなことは、まず現在の状態では考えられないのです。もしそういう事態が出たときに監督するというのが本来の筋だと思うのです。給与の問題は労使双方の団体交渉できめるのだということについて、どうしても監督の行き過ぎというものはある、こういうように私ども思うわけなのです。そうでなければ、あなたはいろいろなことを言ったけれども、幾ら何といっても、八年間に五%しか上がらぬなんという企業はどこにもないわけです。そういう実態というものを考えると、やはり保険会社でも信用というものを一番大事にする。これは妙なことをやれば自分のところにはね返ってくるのですから、経営者自身が一番大事にする。従って、生保の経営者だって、良識というものも経営感覚というものも十分持っているのです。どのくらいの人件費を出したらあぶなくなるか、どのくらいにとめたら大丈夫か、そのあぶなくなる限界というものは大蔵省に替われなくても知っている。そして職員組合の実情なんというものは穏健そのものです。そういうようなところにあえて上からワクをかますようなことは絶対になさらないようにしていただきたいと思うのですが、一つ明確にその点をお答えいただきたいと思います。
#59
○細見説明員 私どもといたしましても、保険がいかに大事な仕事であるかということは十分承知いたしておるつもりでございます。従いまして、そこに従事される方々が、必ずしも言葉は適当でないかもしれないけれども、安い給料ではそれほどいい人が集められないということも実情かと思いますので、給料が安ければいいというようなことで物事を考えているわけではございません。よりよき給料を出していい人を集めて、その結果保険会社全体の経営がうまくいき、保険会社の場合、会社の中に働く人々、同時に多数の契約者、その両方がうまくいくというのがわれわれの監督の本旨であるということも十分心得て、善処いたしていくつもりでおります。
#60
○広瀬(秀)委員 今その点で、ことしですか、ある生命保険会社が、各都内の高校から百五十名ばかり職員候補者をあっせんしてくれといって頼んでおる。ところが、試験の当日になってみたら――百五十名全部頼んだのですよ。あなたのところからも三名、あなたのところからも三名というようにして頼んだ。そうして当日になってみたら八名しか来なかった。これは、生命保険会社も前には比較的割高だったけれども、すでに初任給が回りのものよりも安くなっている。大体初任給七千五百円くらいでとろうとしたようでありますが、もう魅力を失って、百五十名の口をかけて八名くらいしか応募者がなかった。こういうのがすでに現在の実態になっている。これはやはり、保険業をほんとうに健全な形でりっぱに発展をさせて、契約者つまり被保険者を保護していくというような立場からも、いい人を得るということがなければならぬと思います。いい職員を獲得するということがなければならぬ。そういう点からも問題があるわけです。この点も一つ御認識をいただきたいと思うのです。
 それから、もう一つ、大蔵省監督の生命保険会社に非常に労働基準法違反が多い。そういう点ではあなた方は何も監督されないで、労働基準法違反をどんどんやらしているような形でやっているということなども、やはりこれは職員に質のいい人材を得られないというようなことがあると思うのです。もちろん監督の権限は労働基準監督局長にあるわけでありますけれども、そういうようなことには全然何もサゼスチョンをしないで、そうして賃金はできるだけ上げないように上げないようにという形だけでやられたのでは、どうにもならぬ。そういう点で、私もここに資料を持っておりますけれども、煩雑になりますから、労働基準法違反の事実はあげません。しかし、生命保険会社というものは、われわれから見ると非常にいい職場で、勤務時間なんかも短くて高給だと思っておりましたが――もっともこれは内勤の場合で、外勤の方は大へんな苦労があると思います。ところが実態を見たら大へんなのです。そういう面で今保険会社でこの経営を危うくする要素があるとすれば、それはいい職員が得られなくなったというところにむしろあるだろうと思います。質の悪い職員しか入ってこないような現状にある。もちろんこれは全面的ではない。中には三万円以上のベースの会社もありますが、そういう点をよく考えていただかなければならぬと思います。そういう点についてもあなた方は御存じなのかどうか、ちょっと聞いておきたいと思います。労働基準法違反、特に超勤手当を出さないということ、それから女子に制限外の超過労働をさせておる、こういう面があるわけですが、そういう点、実態についてもつかんでおりますか。
#61
○細見説明員 私どもも、生命保険の従業員組合の方々から、そういう実態があるというお話をときどき承っております。現在の生命保険会社が非常に伸びておるという半面に、そういうかなりきびしい、いわば一種の過当競争にも近いような事柄が行なわれておるということは、将来長い目で見ました場合に必ずしも好ましいととではないわけでありまして、やはり優秀な勤務条件のもとに優秀な人が働いて、しかも能率を上げて、いい契約なりいいサービスなりができるというふうに持っていくのがわれわれの任務だ、かように考えております。
#62
○広瀬(秀)委員 最後に聞いておきますが、今度の場合、一〇%、九%、八%というようなことは絶対になさっておらないか。またそういうことをやる気持はないのでしょうか。あくまでも労使双方できまった線というものは原則として尊重さるべきものだ、こういうことを大蔵省ははっきり認めて、ABC三つのランクに分けて一〇%、九%、八%というもので押えるというようなことは絶対におやりになっていない、このことを一つはっきり確認をしていただきたいと思います。
#63
○細見説明員 ベースを幾らにしようというような形で指示する考えはもちろんございませんが、全体の経理が将来どのようになっていくかということについては、われわれの立場として深甚な関心を払わなければならない、かように考えております。具体的な給与ベースをどうこうというようなことは考える必要もなかろうと考えております。
#64
○広瀬(秀)委員 どうもやはりすっきりしないですね。もっとはっきり答えられないですか。それでは、あなた方はこういう場合はどう考えられますか。たとえば中労委に職員組合から問題が出された。それであなた方はやはり経理面の監督上たとえば一〇%は必要だということで押えておった。ところが中労委では一五%あるいは二〇%出した。これは、今の経理状態からいえば、当然このくらいは出せるはずだ、出しても決して危殆に瀕しないのだ、こういうような形で中労委がかりに調停案なりを出した、あるいは仲裁裁定でもそういうようなものが出た、そういった場合に、やはりおれたち大蔵省の考えと違うじゃないかということで、そういうことをやめさせるようなことができると考えておりますか。
#65
○細見説明員 私どもとしましては、保険会社の経理を危うくするというような中労委の裁定はないものと考えますし、そういうような事態にはならない、かように考えております。
#66
○広瀬(秀)委員 しからば団体交渉で結論が出た。これは法律上は団体交渉できまったって労働協約になる。それとまた仲裁裁定で出たものと、あるいは調停を両者が受諾したというものは、労働法上は同じウェートだと思うのですよ。それだったら団体交渉の結果を尊重いたします、こういうことをはっきり言っていただいてけっこうだと思うのです。団体交渉でだって、これは経理を危うくするようなものは出っこないのです、一方的に労働者が賃金をきめるのではないのですから。経営者はあなた方から絶えず監督をされておって、これは足の先から頭のてっペんまで、もう健全な経営でやろうということに徹していると思うのです。そういうようなものが入って、労働者といろいろ何回も団交をやって出た結論というものは、原則として、とにかくよほどこれが飛びはずれた非常識なものでない限り、そしてとんでもないものでない限りは尊重さるべきものだ、少なくともこれだけのことは言い得るはずだと思うのですが、いかがですか。
#67
○細見説明員 おっしゃるように、経営者がとんでもないものをやらないで、自社の経営にマッチしたものを当然おきめになると思いますし、そのようなものは尊重していきたい、かように考えております。
#68
○堀委員 関連して。
 今のお話を聞いてちょっとわかったのですが、その通達ですね、これはまだこの通り今やっているのですか。この通達の取り扱いについては一々書面で当局に連絡しろとか、こまかく規定していますね。現在もその通りに生きていますか。
#69
○細見説明員 大体その通りの御報告をいただいております。
#70
○堀委員 これが出た当時というのは、昭和二十六年で、経済状態として見ると、昭和二十六年というのは、非常にインフレーション、物価が上がってきた時期の最終段階だと思います。以後安定してきているのですね、一般的な傾向としては。そうすると、これが出た時期というのは、過去におけるインフレーションの過程の中でいろいろな問題があって、それに対応して出たものだというふうに私は理解するのです。出た後になって、大体いろんな資料で見ても、昭和二十八年以降、八年、九年くらいからは非常に安定しているけれども、二十六年はたしか朝鮮事変の勃発の年だったと思うので、そのために諸物価の変動がまだあった時期だと思います。だから、その時期と今とで、はたしてこんな緻密なことをしなければならないのかどうか。これはさらっと見ましても、これが出ていたら、あなた方が言を左右にして、それは経理の正常化のためとか言ったって、これは私納得できないのですよ。だから、情勢を勘案して、この通達はもうやめなさい。もう現在の情勢は、経済状態の発展は安定な状態で拡大的に発展をしているのであります。インフレーションの危険はあなた方の政府はないと言っているのだから、ない時期にインフレーション当時の通達を生かす必要はないと思うので、この通達を一つやめてもらいたいと思いますが、それについてはあなたは課長で答えられないと思いますから、政務次官一つどうですか。この通達は、この現状の段階で私は望ましくないと思うんだ。次官おわかりにならなければ読み上げますよ。
  一、給与規程の変更について現行の給与規定について、今後変更しようとするときは、書面により変更しようとする理由、新旧規程の比較等を記載してあらかじめ当局に連絡すること。
 二、報酬又は給与の増額又は調整について
 今後報酬又は給与の増額又は調整を行おうとするときは、書面により、その理由、一人当り支給額・支給人員及びその範囲、新旧給与基準の比較、人件費の増加額その他参考となるべき事項について・なるべく詳細に記載して当局に連絡すること。
 こんな通達を今ごろまで生かしておるというのはもってのほかだと思うのです。それに、このもとになっている方は、「特に保険会社の役員及び職員の給与その他の人件費の膨脹については、」膨脹ですよ、いいですか。「膨脹については、格別の自粛を図り、今後当分の間報酬又は給与の増額又は調整を行おうとするときは、事前に銀行局長に連絡すること。」膨脹という言葉が書かれておるというのは、当時のインフレーションという段階の中における感覚をここに盛り込んでいるのであって、当分の間インフレーションが続くという当分の間を限定しておるのにかかわらず、そういうものが安定しても依然としてこんな規制をしておるのは、全く私はもってのほかだと思う。だから、政務次官どうですか、きょうは大蔵委員会においては大臣が出席しないけれども、りっぱな政務次官が出席しているということですから、一つ政務次官に、責任のある、この通達は取りやめる、この部分についてはお答えをいただきたいと思います。
#71
○大久保政府委員 広瀬さん並びにただいま御質問の要旨につきましては、先ほど課長からも御答弁申し上げたように、ただ、今の通達の内容につきまして非常にこまか過ぎはしないか、あるいは時勢が違っておりはせぬかといったような御指摘でございます。大蔵省といたしましては、先ほども課長が申し上げましたように、一般の契約者の福利をはかっていくという重要な行政目的もございます。その面からいたしまして、経理内容も十分見ていって、会社の安泰をはからなければならぬ、かような趣旨が成り立つわけでございます。そこで、今御指摘の非常な必要以上のこまかい要求をするということは、これは逐次考えていかなければならぬとは思いますけれども、しかし、会社の経営の安定をはかっていくということが契約者にまた返っていくわけでもございますから、その辺を十分勘考いたしまして、今後時勢に応ずる給与価の問題に対する大蔵省の監督の限界をきめていきたい、かように考えておる次第であります。
#72
○堀委員 非常に上手な答弁をされております。それはその通りだと思います。しかし、実は昭和二十六年に出て今三十六年なんですね。十何年です。実際内容は非常に変わっておる。私は、そういうのでなく、もう少しはっきりした答弁を求めたいのです。しかし、きょうはここまでにしておきますが、ここで私ちょっと気がついたのは、少しわれわれは忙しくて手が回らないのですが、一つ生命保険会社の分析を一回今後徹底的に私もやってみようと思います。そこで、生命保険会社は、いろいろ今お話が出ておりますが、全般的な議論になっておりましてわからない。大手もあり中もあり小もあると思うのですが、いろいろ格差もあり、人件費についてもいろいろある。それから経営の内容についてもいろいろありましょうし、それからう一つは、いろいろな保険の種類の出し方なり、あるいはいろいろなことについて問題がある。私も、今政務次官なり課長が答えられているように、保険業務については保険に加入している人たちの利益を守るために政府は監督の責任がある。これは当然だと思う。ただ、その監督のあり方がうしろ向きになってはいけないのであって、前向きの監督をするということでなければならないのに、こういうもののために、ややうしろ向きの監督が行なわれておりはせぬかということが、広瀬さんの指摘されている問題点だと思う。だから、私はきょうここで最終的な答弁を求める意思はありませんが、一つ大蔵省として、この問題について、これから大体法案が上がったら約一カ月時間がありますから、われわれみっちりと委員会を開いて今後検討をいたします。それについて今国会中に通達についても一つ原案を示していただいて、通達の改正もこの国会で出すようにしていただくというところまで処理をしたいと思いますが、そういう面も含めて一つ御検討をお願いいたしておきます。
 資料につきましては、あらためて請求をいたします。
#73
○伊藤(五)委員長代理 次回は来たる十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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