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1960/04/19 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第28号
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1960/04/19 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第28号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第28号
昭和三十六年四月十九日(水曜日)
    午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 足立 篤郎君
   理事 伊藤 五郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 細田 義安君 理事 毛利 松平君
   理事 有馬 輝武君 理事 平岡忠次郎君
   理事 堀  昌雄君
      岡田 修一君    簡牛 凡夫君
      久保田藤麿君    田澤 吉郎君
      高田 富與君    津雲 國利君
      永田 亮一君    西村 英一君
      藤井 勝志君    佐藤觀次郎君
      田原 春次君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    武藤 山治君
      安井 吉典君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 小金 義照君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (恩給局長)  八巻淳之輔君
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      船後 正道君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
 委員外の出席者
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
四月十五日
 国税庁の勤務条件改善等に関する請願外一件(
 五島虎雄君紹介)(第二四九七号)
 同外五件(辻原弘市君紹介)(第二四九八号)
 同外十四件(三鍋義三君紹介)(第二四九九
 号)
 同外一件(安井吉典君紹介)(第二五六一号)
 同外十三件(吉村吉雄君紹介)(第二五六二
 号)
 同外二件(野原覺君紹介)(第二六八七号)
 同外三件(八木一男君紹介)(第二六八八号)
 特別税理士試験制度存続に関する請願外二件(
 五島虎雄君紹介)(第二五〇〇号)
 同外五件(辻原弘市君紹介)(第二五〇一号)
 同外十五件(吉村吉雄君紹介)(第二五六〇
 号)
 同外二件(安井吉典君紹介)(第二六一七号)
 同外二件(野原覺君紹介)(第二六八九号)
 同外五件(八木一男君紹介)(第二六九〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第二一号)(参議院送付)
 昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じ
 た国家公務員共済組合法等の規定による年金の
 額の改定に関する法律等の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一三一号)
 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一五六号)
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一五九号)
     ――――◇―――――
#2
○足立委員長 これより会議を開きます。
 公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
#3
○広瀬(秀)委員 前会に引き続きまして、一、二点お伺いいたしたいと思います。
 今回の法改正によりましてかなりの前進がなされることはけっこうでございますけれども、さらにまた、ただいま理事会等におきましても附帯決議を付そうではないかというような御意見もあったようでございます。そこで、特に国鉄の場合に、外地鉄道の引揚者の問題がなお非常に切実な問題として残っておるわけでありますが、国有鉄道といたしましても、やはり外地鉄道の数多くの経験というものをそのまま受け入れている。従って新規採用の何にも知らない人たちを受け入れたのとはやはり違う実情にあるわけであります。そういうようなことから、何とかこの人たちも救済をする道はなかろうか、こういうように思うわけであります。あるいは電電公社、電気通信関係などでも、満鉄あるいは華中、華北鉄道、これに見合うような当時の機関もあったやにも聞いておるわけであります。そういう場合、そういうようなところから公社に戦後就職をしたような場合において、この通算の問題もやはりやるべきではないかというように考えるわけでありますが、そういう点についてどのように今政府としてお考えになっておられますか、その点をちょっとお伺いいたしたいと思うわけであります。
#4
○小金国務大臣 ただいま御指摘になりましたような点につきましても、この改正案を立案審議する際にいろいろ経過的に考えたようでございますので、その衝に当たりました政府委員から答弁さしていただきます。
#5
○松田政府委員 御指摘の問題につきましては私どもも考えているわけでございますが、現在の公企体共済組合法の体系におきましては、今の資格期間として扱っておりますいろいろな資格の方たちが幾つかこの法律の中にあがっておるわけでございますが、外地関係のただいま御指摘の方たちにつきましては、現在の共済組合法の中におきましても全然取り上げていない問題でございます。さしむきこの法案を提出いたしまして、これを調整いたしましていろいろと事柄を考えるという場合には、この問題は少し根本的に考えなければならない問題と関連すると思いますので、今回の改正にはその問題は取り入れられなかったわけであります。外地関係の問題につきましては、引揚者と申しますか、そういう方たち全体とのつり合いの問題もございますし、なお私ども慎重に検討いたさなければならない問題と考えておる次第であります。
#6
○広瀬(秀)委員 検討をされるということでございますので、あまり長く御質問をいたさないつもりでありますが、公務員関係の共済組合法の中にも、外国政府に勤務しておった期間などもこれから通算しょうというようなことも出ておるわけであります。外鉄の場合にこれを通算しろという場合に、若干問題点があると思われるのは、やはり掛金の問題があるだろうし、また均衡の問題というものもあるだろうと思うわけであります。そうだとするならば、やはり外国政府の職員というのも、これは外国政府で共済組合に相当するものがあったとすれば、そこには積んでおったかもしれないが、やはり積んでおるわけではないわけであります。しかしながら、現在内地において公務員としている、こういう場合には、そういうものをもできる限り通算しょうというような時期になってきておるわけでございまするし、そういうようなことも考えますならば、当時の満鉄とか、あるいは華中、華北鉄道というようなもの、あるいは満州電電というのがたしかあったと記憶しておるわけでありますが、そういうようなところに勤務しておって、しかもこれはかなり国策的な立場で大いに政府が奨励をして向こうに行ってもらうというようなこともあったわけですし、その会社の性格というものもやはり準政府機関的な色彩が非常に強いものであったわけでありますから、その間にそれを絶対に区別するほどの根本的な差異というものはやはり見当たらないんじゃないか、こういうようにも思われるわけであります。従って、こういう点について今後の問題としてできるだけ早い機会に十分御検討をいただきまして、もちろん均衡の問題、それから掛金をその期間全くかけてなかったというようなものもあるわけでありますけれども、そういうようなものも彼此勘考いたしまして、何とかそれらのものを若干でも通算できるような形をぜひ一つ出していただくようにお願いいたしておきたいと思うわけであります。その点で大臣からも御答弁をいただきたいと思います。
#7
○小金国務大臣 ごもっともな御意見でありまして、やはり掛金とか勤務地の相違、いろいろなことがありまして、根本問題として他との振り合い等も考慮いたしまして、できるだけすみやかに検討を加えまして、御趣旨の線に沿うて努力して参りたいと思っております。
#8
○足立委員長 平岡忠次郎君。
#9
○平岡委員 きょう上程になっておる法律案に必ずしも直接関連のないことでありますが、小金郵政大臣がお見えになっておりますので、お伺いしたいと思うのです。
 けさほどの毎日新聞の投書欄に、「不合理きわまる郵便年金」と題しまして、投書が載っております。これは短いですからちょっと読みますが、この問題につきまして当局の御説明をいただきたい。「老後の生活安定ということで年金額三十円、五十才支払開始の据置終身年金に三十年前に加入契約した。」三十年前の話です。「掛金は四十八円三十九銭、第一回支払開始昭和三十六年七月となっているので、」そろそろ受給の期に入ってきたというわけです。そこで、「受給に必要な注意事項を見たところ、受給のたびごとに、戸籍抄本を提出するように書いてある。年金支払は年四回ですから一回七円五十銭ずつと思う。それなのに抄本手数料は三十円。つまり年金三十円の支払をうけるのに百二十円の抄本手数料が必要というわけだ。これは一体どういうことなのでしょう。三十年以上も据置いた今日、これが老後の生活安定とは……。」慨嘆しておるわけです。なお、つけ加えまして、「当時の掛金四十八円二十九銭といえば、農家にとってはなかなかの大金でした。おそらくいまでは、納得のいくように改正されていることと思いますが、いなか者ゆえ、なんにも知りません。関係当局のご説明を願います。」こういう投書ですね。この説明を求められておる事項に対して郵政省の方が色よい返事があろうとは私は思っておりません。しかし、この事例は、今回あなたも閣僚の一人として提案されておる国民年金法というものの将来をトする一つの事例だと思う。われわれ自身が考えてみましてなかなか含蓄のある質問です。そのいうことでありますので、郵政大臣から右の投書に対する御回答をいただきたいと思うわけであります。私自身が回答を受けておる筋合いではないのですが、やはり国民の声ですから、一つ御説明をいただきたい。
#10
○小金国務大臣 保険とか年金とか、相当長期にわたる掛金または払い込み等をする制度につきましては、ただいま御指摘になった新聞記事のような実例がございます。特に郵便貯金にも小額のそういう金額が相当たくさんございます。戦前戦後にわたりますと、貨幣価値が御承知のように三百倍とか四百倍近く物価指数等から動いておりまして、この調整をどうしてするかということは当然考えられたようでありますけれども、これは他の生命保険その他とも関連いたしまして、郵便年金制度についてその措置がとられなかった。しかし、貨幣価値の大変動の直後において、できるだけどんどん手当をされたようでありますが、今御指摘のように、いなかでよく事情のわからなかった人は、そのままに放擲されておった実例があるようであります。ただいま御指摘になりました点は私どもさらによく考えますけれども、先般来、法案の審議に関連いたしまして、郵便年金制度そのものが、国民年金やあるいはまた各種保険の発達等によりまして、どうのこうのという御意見が出ましたけれども、やはり郵便年金は需要者も相当ございまして、現在、はっきりした数字はまだわかりませんが、六十億円くらいじゃないかという見当でありまして、その中に、どの程度ただいま御指摘のようなものがあるか、これもよく調べまして、われわれとしては、他の長期にわたる掛金、積み立て等に関連する一環の問題として研究いたしたいと思います。ここで具体的に今日の物価指数に直して支払うというようなことができれば一番御満足がいくと思いますけれども、他の制度との関連もありまして、ここらを十分研究いたしたいと思っております。
#11
○平岡委員 御回答の限界はそのくらいなことであろうことは想像いたしておりました。ただ、現在郵便年金というものの制度はやはりあるのでしょう。
#12
○小金国務大臣 ございます。
#13
○平岡委員 そうしますと、将来に向かいまして、こうした矛盾せる事例にかんがみまして、将来インフレ、貨幣価値の変動に見合ってスライドをしていくというような、そういう合理的な方式が打ち出せるものかどうか。それから、将来四、五十年たって、現在の郵便年金の奨約について、こうした嘆きを見ることがないような形が一つもとられておらないのであるかどうか。こうした点について御見解はどうなんでしょうか。
#14
○小金国務大臣 郵便年金制度をもちろん存続いたしまして、これからも郵便年金を御利用の方にサービスをするつもりでおりますが、ただいま御指摘のように、相当長い年月を経ると、貨幣価値の方からいって価値がなくなるんじゃないかというような不信を起こされてはまことに困るのであります。しかし、第二次世界大戦という異常な状態を中にはさみまして、その間の一環の措置としてとるべきものが、ほとんど全部がとられなかった。その一つとして今残っておるのであります。私どもは、今後の郵便年金の普及につきましても、期間をなるべく短くする、あるいはまた、貨幣価値の変動があった際には、その程度に応じて適当な措置を講じていくべきである、大体こういう考え方を持って、まず郵便年金を御利用される方はそこを考えていただいて、われわれの方も再びこういうようなことを繰り返さないという立場で、今郵便年金の御利用を願っておる次第であります。
#15
○平岡委員 ただいまこれから本委員会を通過せんとする公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、この法律案は旧令共済組合期間と三公社共済組合期間の通算の合理的是正を要旨としております。要するに国民年金等を扱っているそういうサービス部門としての職員関係においては、戦前の問題と戦後の問題とを貨幣価値においてスライドする、こういうような法律案すらできまして、そして合理的是正が企てられておるわけです。ところが、こういう職員の方に対してはこれだけ行き届いたことがあるのですけれども、主人公である国民それ自体の年金とかいう事柄に対しては、その万分の一も配慮がなされておらぬわけなんです。ですから、この点を対照的にしてみると、われわれとしては矛盾撞着を感じまして、納得いきかねるわけであります。この公共企業体の職員それ自身は本来は国民へのサービスをなす人たちなので、その人たちの身分保障とか物価上の是正、つまりインフレに対する正当な防衛的なことを法律案として出してくることはけっこうなんですけれども、あなた方が奉仕すべき国民それ自体においては、この新聞紙上に訴えがあるがごとく、このこと一つを取り上げてみましても、なかなか行き届いた処置にはなっておらぬという矛盾をわれわれは痛感いたしますが、こういう訴えを契機としまして、郵便年金制度を運営なされておる郵政省――これは単に郵政省ばかりではありませんが、これと同じような一連の制度に取り組んでおる政府機関としては、やはり真剣にこのような問題を検討していただきたいことを強く要望しておきます。
#16
○足立委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたします。
#17
○足立委員長 なお、本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 お諮りいたします。
 本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○足立委員長 次に、本案に対しましては、理事会の申し合わせにより、附帯決議を付したいと存じます。
 案文を朗読いたします。
    公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
  政府は左の事項について速かに検討し、その実現を期せられたい。
 一 旧陸海軍工廠等から日本国有鉄道その他の公社に引き継がれた職員等の通算措置については、その期間の完全な通算、減額規定の是正等に関し適当な措置を講ずること。
 二 日本国有鉄道はじめ三公社に再採用された者について、再採用前の職員の在職期間を組合員の期間としてすべて通算すること。
 お諮りいたします。
 本附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本附帯決議を付するに決しました。
 ただいま議決いたしました附帯決議に関し、郵政大臣より発言を求められております。小金郵政大臣。
#21
○小金国務大臣 ただいま全会一致をもって御決定になりました附帯決議の御趣旨につきましては、十分検討いたしまして、善処することといたしたいと存じます。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#22
○足立委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#24
○足立委員長 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。有馬輝武君。
#25
○有馬(輝)委員 最初に運営審議会の問題についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、連合会の審議会のメンバーについてでありますが、各省庁の単位共済の運営審議会のメンバーで、現在特にずっと見まして問題になります点は、外務省の共済組合と法務省の共済組合であります。外務省では、組合員を代表する委員に官房の総務参事官、アジア局事務官、欧亜局事務官、情報文化局事務官、ただ一人外務省職組の委員長が入っておりますし、また、法務省の共済組合では、東京地検の事務局長、東京法務局の会計課長、関東地方更生保護委員会の総務部の総務課長、公安調査庁の総務部職員課長補佐、こういった人たちがなっているようでありますが、現在もこの人たちがやっておられるのかどうか。もしやっておられるとするならば、この人たちがはたして組合員を代表する委員として考えられるかどうか。これについてちょっとお伺いいたしたいと思います。
#26
○船後政府委員 御質問は各省に分かれております単位共済組合の運営審議会の委員の問題でございますが、御指摘の通り、私どもが確認しておるところでは、外務省におきましては、組合員を代表する委員といたしまして、官房総務参事官、アジア局事務官、欧亜局事務官、情報文化局事務官及び外務省職組委員長となっております。法務省におきましては、東京地検の事務局長、東京法務局の会計課長、関東地方更生保護委員会の総務部総務課長、公安調査庁総務部職員課長補佐でございます。御承知の通り、運営審議会の委員につきましては、共済組合法第九条の第三項に規定がありまして、「委員は、各省各庁の長がその組合の組合員のうちから命ずる。」次に第四項に、「各省各庁の長は、前項の規定により委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとす、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」かように相なっておりまし。従いまして、各単位組合の運営審議会の委員の任命は、各省各庁それぞれの御判断によりまして運営する次第でありまして、ただいま御指摘の外務省、法務省につきましても、このような構成を適当と認め、また十分円滑に運営されておる、かように承知しております。
#27
○有馬(輝)委員 今、後段の方でお読みになりましたように、法第九条の四項では、委員が一部の者の利益に偏することのないように注意すべしという規定があるわけであります。それについて、あとでお伺いいたします掛金率の変更等についても、今までいろいろ問題があったわけであります。今外務省や法務省を一例にあげましたけれども、この規定のようにはたしてこれが一部の者の利益に偏しないような人事構成であるかどうか。この点についてもあとでお伺いいたしたいと思っておりますが、少なくとも大蔵大臣が大きな権限を握っておりまして、こういった問題にまでタッチできる大蔵省として、これがはたして民主的な構成であると考えておられるのかどうか、これについて再度御答弁を願いたいと思います。
#28
○船後政府委員 運営審議会の委員の任命は、先ほども申しましたように各省各庁の長に委任いたされておりまして、特に大蔵省に承認を求める、あるいはその協議を要する、かような扱いになっておりません。いずれも各単位共済の自主性にゆだねております。先ほど申しました通り、外務省、法務省を除きましては、大体それぞれの省庁の労働組合の代表者をその組合員を代表する委員にいたしておりまするけれども、この二つの省庁におきましても、特に組合員を代表する委員が、労組代表でないということのために、共済組合法第九条の四項の趣旨を逸脱するような運営の方法があったというふうには考えておりません。
#29
○有馬(輝)委員 私が聞いておるのは、組合員全員を代表すべき性格の方であるかどうかということを聞いておるわけです。御承知のように、これは、御答弁でありますが、少なくとも組合に加入しておる全員の気持を代表する形で選ばなければならぬというのが後段の規定だろうと思うのです。そういった性格を持って代表されたものであるかどうか、その点大蔵省としての考え方を聞いておるわけです。外務省や法務省は自主的に選んだのでありましょうけれども、大蔵省としてその選び方が妥当であると考えていらっしゃるのかどうか、その点についてお考え方を伺いたいと思います。
#30
○船後政府委員 外務省と法務省が他の省庁と多少異なるような委員の選出方法をいたしておりますが、大蔵省といたしましては、先ほども申した通り、各省庁の自主性にゆだねておりますので、もし御指摘のような御心配がございますれば、当然われわれとしても注意しなければならないことでございますから、なお外務省、法務省両当局とも十分その点につきましては御相談申し上げたいと存じております。
#31
○有馬(輝)委員 答弁になっていないです。妥当かどうか、はっきりイエス、ノーと言って下さい。
#32
○船後政府委員 妥当かどうかという点を、ただ単に、その委員の現在の職責が何であるかという点から、外形的に判断するわけにも参らない点があると思います。従いまして、実質上外務省、法務省のこういう選び方が第九条四項を逸脱しておるかという点になりますと、私ども外形標準のみでは逸脱しておるとは考えておりません。ただ運営方法いかんによりましては、一部の者の利益に偏することのないようにという注意規定に触れるおそれもございますので、それらの点は実情に即して両当局とも御相談申し上げたいと思います。
#33
○有馬(輝)委員 それではお伺いいたしますが、外形で一がいには言い切れないといいますと、その判断はどこでされるのですか。少なくとも各省庁には管理職群というものがあり、それによってその性格を規定するし、労働組合の組合員の範囲等についても、今ILO条約とも関連いたしまして非常に問題になっておりますが、形式を抜きにしてどのような点を妥当かどうかという判断の基準にされるのですか。
#34
○船後政府委員 法律の第九条四項で申しておりますのは組合員の問題でございまして、これは共済組合員でございます。従いまして、各省によりまして、たとえば外務省でございますが、外務省では、職員の相当部分が外地におり、特殊な事情にございますので、大体こういった一部の者の利益に偏することがないという基準の置き方を種々の職域に置いておられると了解いたしております。また、法務省におきましても同様、本省系統、あるいは法務局系統、あるいは公安調査庁系統、あるいは保護委員会系統というように、それぞれ職域に一つの基準を置きまして、広く組合員の利益を代表する委員を選出しておられる、かように了解しております。
#35
○有馬(輝)委員 たとえば官房とか、アジア局とか欧亜局あるいは法務省の東京地検とか東京法務局、ここらにはいわゆる組合に加入しておる人たちはいないのですか。
#36
○船後政府委員 私ども、それぞれの省庁の労働組合がどういう構成になっておりますか、遺憾ながら知識を持ち合わせておりませんが、いずれにいたしましても、これらの人たちは共済組合員でございます。御指摘のように外務省の官房にはもちろん共済組合員がおるわけでございまして、その官房の総務参事官も共済組合員でございます。その中に外務職組の組合員がおるかどうか、これはどうも私ども確認いたしかねます。
#37
○有馬(輝)委員 非常に形式的な答弁をされるのですが、私が聞いておる趣旨はおわかりだろうと思うのです。何もこういう形で、ほかの省庁に比べまして、外務省と法務省が管理職群にあるような人たちを入れる必要はないのでして、やはりほかの衆議院(しゅうぎいん)とか農林省とか文部省とか、こういったところと同じような構成メンバーにすることが妥当なのだし、特に外務省、法務省がこういった選び方をしなければならない理由があれば、それをお伺いしたがったわけなのです。そして、それについて、絶大なる権限を持っておる大蔵大臣が、ただ自主性にまかしておるんだからといって、ほかのことは縛りながら、こういった問題についてほったらかしておく理由についてお伺いしておるわけなのです。そういった立場で御答弁をいただきたい。
#38
○船後政府委員 先ほども申し上げております通り、運営審議会の委員は全く各省の自律性にまかしております。法務省、外務省では、私先ほど申しましたような特殊の事情から、職域ごとに共済組合員の利益の代表者を選んでおるわけでありますから、他の省庁と異なった形でありますので、その点につきましては、さらに両省庁に事情を聴取いたしまして、先生の御意向もお伝えした上で、御相談申し上げたいと存じております。
#39
○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしますが、各単位共済で組合員を代表する委員と当局を代表する委員が現在のところ同数になっておるようでございますが、この同数にしなければならないという規定はどこにあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#40
○船後政府委員 法律の規定によりますと、委員は十人以内といたしておりますので、必ずしも同数でなければならない、かような結論にはならないのでございますが、ただ各単位組合には定款がございまして、子、の定款の中で、それぞれ自主的に委員の選出方法あるいはその数、こういったものを規定しておる次第でございます。
#41
○有馬(輝)委員 先ほど申し上げましたそういった各省庁の定款によりまして同数を選んでおるのでありますが、これは法九条第四項の趣旨に合致する選び方であるかどうか、この点について大蔵省としての考え方を聞かしていただきたい。
#42
○船後政府委員 ただいま申し上げましたような委員の選出方法と運営の仕方でもって過去十数年共済組合は円滑に運営して参っておりますし、私どもといたしましては、各省定款に定めておりますような規定の仕方でもって十分九条の趣旨には合致しておる、かように判断いたしております。
#43
○有馬(輝)委員 今十数年間スムーズに運営されてきておるというお話でございましたので、この点についてはあとでまたお伺いいたします。
 次に、私は、連合会の理事会と評議員会の性格について、実際の運営上わからない点があるのですけれども、理事会というものはどういった性格のものであり、評議員会というものはどういった性格のものであるか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。
#44
○船後政府委員 連合会の理事会はいわば執行機関でございまして、理事長が連合会を代表し執行するわけでございますが、その理事長を補佐して連合会の業務を執行するということのために理事会があるわけでございます。これに対しまして、評議員会の方でございますが、評議員会の方は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一名をもって組織いたしております。そして、その会の性格といたしましては、連合会の運営に関する亜要事、項を審議するための諮問機関である、かような性格に相なっております。
#45
○有馬(輝)委員 それではお伺いいたしますが、現在の理事並びに監事と評議員の氏名、これをずっと読み上げて下さい。
#46
○船後政府委員 実はその名簿を持参いたしておりませんが、私の記憶で申し上げますと、評議員は……。
#47
○有馬(輝)委員 めんどくさいから私がずっと読み上げてみます。理事長今井一男、常務理事筒井竹雄、柳沢英蔵、常任監事赤沼香、理事杉村重吉、保倉忠、横田陽吉、海野将親、高橋豊、佐藤昌之、清水成之、長坂強、これは全部各省庁の管理課長なり厚生課長です。そして、評議員会では、今申し上げました杉村重吉、保倉忠、清水成之、横田陽吉、海野将親、高橋豊、佐野昌之、長坂強、そのほかに参議院の厚生課長、総理府の会計課長等々が入っておられます。
 それでお伺いしたいのは、今の御説明では、理事会というものは執行機関であり、詳議員会というものは運営に関する諮問の機関である、こういうお話でございました。これについては、今も私が名前をあげましたように、両者がダブっておって、執行機関にいる人たちが諮問機関にいる人たち、つまり自分自身に尋ねて、そして運営する、こういうあり方について、これが妥当だと考えていらっしゃる大蔵省の考えの根拠についてお聞かせを願いたいと思います。
#48
○船後政府委員 御指摘の通り、連合会の理事のうち、常務理事を除く理事は、大体評議員会のメンバーでございます。先ほども申し上げました通り、この評議員会の方は、それぞれの加入組合を代表いたしまして、評議員としての資格で連合会の重要事項の審議をいたすわけでございます。他方、同一人が理事の資格で執行機関――もちろん同一人格が三つの職を兼ねるにつきましては、監事と理事が同一人格を占めるということは、これは禁止しなければならないと思うのでございますが、先ほど申しました通り、評議員会は各単位共済の代表者をもってそれぞれ重要事項を審議するという性格でございますので、同一人格が二つの職を兼ねておりましても差しつかえない、かように解しております。
#49
○有馬(輝)委員 しからば、諮問機関に近い性格を持っておるものと執行機関とが同一人で構成されておるようなものの例がほかにありましたら、一つお教えをいただきたいと思います。
#50
○船後政府委員 私の記憶する限りでは、ほかの方の法人のこういった構成状況を存じませんので、そういった例を申し上げることはできません。御了承願います。
#51
○有馬(輝)委員 私は、少なくとも、この構成というものは、評議員と理事というものは別々にするのが筋ではないかと思うのであります。常識で考えて当然そうだと思うのです。自分たちがきめておいて、自分たちが執行して、評議員会に諮るも何もありはせぬですよ。そうでしょう。それでは今まで評議員会でどのように運営されてきたか、実例をお聞かせ願いたいと思います。あとで私は具体的な例でお伺いいたしますけれども、何か沸騰するような議論がありましたか。その日に決算書を出して、膨大な資料をこんなに山積みにして置いて、評議員が異議なし異議なしで通してきたのが現在までの実情ではありませんか。
#52
○船後政府委員 私、特に評議員会に出席するような立場に置かれておりませんので、内部の審議の状況は存じておりませんが、従来からの例によりますれば、重要事項、たとえば最近の例によりますと、三十六年度の事業計画でございますが、こういう事業計画につきましては、連合会の執行機関でもって原案を作成し、事前にこれを各単位共済に通知いたしまして、各単位共済の運営審議会で十分議論を尽くし、そうして連合会の評議員が、それぞれ単位共済の意見を持って評議員会の場に臨み、その事業計画を審議する、こういうように実行していると了承いたしております。
#53
○有馬(輝)委員 法第三十五条の四項で、評議員というものは非常に大きな権限を持っているわけでありますが、法第三十五条の第三項で、その選出については、各省各庁の長が一人を選出することになっておりますが、今私が読み上げましたような各課長を任命しなければならないという規定がどこにあるか、一つお聞かせていただきたいと思います。
#54
○船後政府委員 ただいま御指摘の第三十五条第三項によりますと、評議員も各省各庁の長が選任するわけでございますが、この評議員の性格は、第二項にあります通り、加入組合を代表するものでございますので、各単位組合で選出されます場合には、事柄の性質上、当然共済組合の事務に最も明るい方を任命される。そういたしますれば、おのずから担当の課長が任命されるということになる次第であります。
#55
○有馬(輝)委員 明るいということと全組合員を代表するかどうかということと一緒なんですか。
#56
○船後政府委員 当然評議員は各組合を代表しなければならないものでございます。そこで、各単位組合の意思というものは、もちろん各単位組合には運営審議会があるわけでありますから、この運営審議会で十分議を尽くされました上で、評議員の方が、その結論を持って評議員会にお臨みになるわけでありますから、事務担当に明るい方がそういうことでもっていかれますれば、やはり組合を代表することになると存じております。
#57
○有馬(輝)委員 今お話にありましたが、御承知のように、三十五条の第二項では、「評議員会は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一人をもって組織する。」そうして、第三項で、「前項の評議員は、連合会加入組合に係る各省各庁の長が、その組合員のうちから任命する。」ということになっておりまして、しかも、この評議員会の仕事は、定款の変更、それから運営規則の作成及び変更、毎事業年度の事業計画並びに予算及び決算、重要な財産の処分及び重大な債務の負担、その他連合会の業務に関する重要事項、こういったものを決定することになっているわけであります。その決定にあたっては、先ほど申し上げましたように、第九条によりまして、全組合員の意向を反映するようにということがちゃんと規定づけられておりますが、今私は、大蔵省当局の見解として、議を尽くしているから、全組合員の意向を代表して、しかも十数年間スムーズに運営されてきたというお言葉をお聞きしたのでありますけれども、現在の千分の四十四の掛金率をきめます際に、スムーズに運営されて参りましたのですか。私は、この千分の四十四が決定されました経緯について、この際詳しくお聞きしておきたいと思います。
#58
○船後政府委員 千分の四十四の長期の掛金率は、三十四年十月の切りかえの際ですが、そのときにおきましては、連合会の定款でもって定めるべき事項でございますので、一方におきましては各運営審議会に諮りつつ、他方におきましては連合会評議員会の議を経るような措置をとって参りました。実際問題といたしましては、この間労働組合の方々と見解の相違もございまして、難航いたしましたことは事実でございます。私先ほどスムーズにと申しましたのは、概してのことでございまして、御指摘の通り、この千分の四十四のことを今日から振り返ってみますれば、相当紆余曲折のあったことは事実でございます。
#59
○有馬(輝)委員 どういうふうにきめたかを私はお聞きしておるのです。その経緯を詳しく話して下さい。
#60
○船後政府委員 経緯と申しますと、御承知の通り、この旧共済組合法から新法に切りかえになりまして、これでもって従来の官吏についての恩給制度と雇用人についての共済年金制度が一本の共済年金制度に統合されたわけでございます。従いまして、新法に即しまして、また新法の対象職員に即しまして、新しく財源率の計算が必要になったわけでございますが、従来の恩給の千分の二十というのは保険数理的に算出された率ではありませんので、この率よりも上昇することは当然でございますし、かつまた旧共済における大体千分の三十前後というその掛金率も、対象職員がふえましたこと、あるいはまた給付内容がレベル・アップいたしましたこと、これらの要素から当然上昇することが予想されたのでございます。そこで、昭和三十四年におきまして、新法の規定によりまして、保険数理に基づき、種々のデータをそろえまして、客観的に計算いたしたのでございますが、その結論が総財源率として全体で約千分の九十九、これを四十五対五十五の負担割合によって分けますと、組合員の掛金が千分の四十四、国の負担金が千分の五十五、こういうことが連合会関係におきましては結論として出てきたわけでございます。なお、当時の関連組合でございますが、公務員共済の適用を受けております他の林野庁あたりにおきましてはこの掛金率が子分の四十五になり、あるいはまた郵政の方ではたしか千分の四十一だったと思います。あるいは、先ほどございました公企体共済でございますが、公企体共済におきましては千分の四十四あるいは四十三という率になっておったわけであります。大体それとほぼ同じような結論がこの連合会加入組合についても出ましたわけでございまして、これを、法律の規定によりまして、連合会の定款でもって規定するという読みかえ規定になっておりますので、連合会の評議員会の議を経て連合会定款の改正をすることといたした次第でございます。他方、これは組合運営に関する重要問題でございますので、各運営審議会にもかけまして、それぞれ御審議を願うことにした次第でございます。
#61
○有馬(輝)委員 法第二十四条の第一項に連合会の定款で定めるべき事項が書いてありますが、その一は目的、二が名称、三が事務所の所在地、四が役員に関する事項、五が評議員会に関する事項、六が長期給付の決定及び支払いに関する事項、七が福祉事業に関する事項、八が資産の管理その他財務に関する事項、九がその他組織及び業務に関する重要事項となっておりますが、掛金率の算定についてはどこに出ておりますか。
#62
○船後政府委員 第二十四条の定款規定は、連合会の定款で規定すべきことを列挙しておりますが、この列挙に漏れたものは連合会の定隷事項はない。これは明らかであると考えております。他方、長期給付の掛金率の規定といたしましては、実体的には第百条二項が「掛金は、大蔵省令で定めるところにより、組合員の俸給を標準として算定するものとし、その俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。」かようになっております。ところが、他方におきまして、同法四十一条に読みかえ規定がございまして、四十一条第一項によりますと、この「組合」とありますのは、「長期給付で連合会加入組合に係るものにあっては、連合会。」この規定がございますので、先ほど申しました通り、連合会加入組合にかかわる掛金率は連合会の定款で定めねばならないということになるわけでございます。従いまして、連合会の定款の改正措置をとった次第でございます。
#63
○有馬(輝)委員 今のお話の経緯でもわかりますように、少なくとも連合会の定款で定めるべき重要事項として、私は、今申し上げました各項のほかに、掛金率の問題をあげるべきではないかと思いますが、その点どうなんですか。
#64
○船後政府委員 立法問題といたしましては、先生の御意見は非常にごもっともでございますが、現行法によりましても、二十四条は一応列挙しただけでございまして、ことに第九号には「その他組織及び業務に関する重要事項」という包括的なことも載せておりますので、その二十四条の規定と、先ほど申しました第四十一条、第百条、これらの規定を同時に体しますれば、連合会の加入組合にかかわる掛金率は連合会の定款で定めることは明らかである。そのように解しております。
#65
○有馬(輝)委員 その連合会の定款で定めることは明らかであると、四十一条その他を援用してのお話なんですけれども、掛金率というものはその他というようなことで包括していいような軽いものなんですか。
#66
○船後政府委員 決して軽いものではございません。第二十四条の第六号に「長期給付の決定及び支払に関する事項」とございます。立法論といたしますれば、このあたりに掛金率に関する事項も明記すべきではあったかというふうにも考えられますけれども、書いてないからといって、さればといって連合会の定款事項ではないということにはならないと考えております。
#67
○有馬(輝)委員 読みかえ規定をもって強引なことをやられたわけでありますが、同時に俸給から天引きするということをやられておりますが、その基礎をお聞かせ願いたいと思います。
#68
○船後政府委員 共済組合法の百一条第一項でございますが、「組合員の給与支給機関は、毎月、俸給その他の給与を支給する際、組合員の給与から掛金に相当する金額を控除して、これを組合員に代って組合に払い込まなければならない。」この規定に基づいております。
#69
○有馬(輝)委員 先ほどの理事会なり評議員会なりの構成の問題とも関連してくるのですが、この今の規定は、基準法との関連はどうなりますか。
#70
○船後政府委員 基準法よりも直接には給与法の適用を受けるわけでありますが、これは法律に別段の定めある場合には天引き規定が許されております。
#71
○有馬(輝)委員 それから次に、先ほどの掛金率改訂の法的基礎について、いま一度お聞かせいただきたいと思います。
#72
○船後政府委員 先ほど申し上げました通り、四十一条でございますが、四十一条は非常に技術的な規定でございまして、第一項に、給付の総則規定でございますが、「給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基いて、組合」とこうなっておりまして、カッコの中で「長期給付で連合会加入組合に係るものにあっては、連合会。以下この条、」とずっといきまして、第百条第二項において同じとなっております。百条第二項には「俸給と掛金との割合は、組合の定款で定める。」となっておりますので、これを両者あわせて読みますれば、連合会加入組合にかかる俸給と掛金との割合は連合会の定款で定める、こういうことになります。連合会加入組合におきましては、各組合をプールいたしまして保険計算をいたしておるわけでありますので、こういった保険条理からも、一本でもってきめねばならぬのは当然でございます。連合会加入組合ごとにばらばらの掛金率であっては、保険数理の運用上からも不可能でありますので、そういった条理上からも当然の規定でございます。
#73
○有馬(輝)委員 四十一条並びに百条の規定によるということはわかりましたが、四四にしなければならなかった理由についてお伺いしておるわけです。
#74
○船後政府委員 これは保険数理の問題でございます。掛金率の算定の方法につきましては、まず第九十九条の第一項の第二号にございまして、「長期給付に要する費用については、その費用の予想額と長期給付に係る次項の掛金及び負担金の額並びにその予定運用収入の額の合計額とが、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、かつ、毎事業年度の同項の掛金及び負担金の額が平準的になるように定める。」という一般的な事項をうたっております。つまり、ここで申しておりますことは、恩給制度とは違いまして、この年金制度におきましてはどこまでも保険数理的に掛金率をはじきなさいということ、それからまた、完全積み立て主義をとりまして、いわゆる平準保険料方式にしなさいということであります。これらの規定を受けまして、それぞれ政令におきましては具体的にいかなるデータを用いてはじくかということを規定しておりますが、これを簡単に申し上げますと、各組合員につきまして、脱退あるいは死亡あるいは年金受給者の死亡あるいは俸給指数の上昇傾向その他保険計算の基礎資料がございますが、これを実情に即しまして収集し、それぞれ保険数理的にた処理いしまして、その結果として収入と支出とが長期にわたってとんとんとなるような率が何であるかということを計算するわけでございます。この計算方法は、国家公務員共済組合に限らず、公共企業体共済につきましても、あらゆる共済につきまして同様の計算方法をとっております。
#75
○有馬(輝)委員 きょうは都合がございまして、あすにまた今の問題についてはお伺いしますが、さらに、昭和三十四年の十月一日に恩給がなくなって今の共済組合に引き継がれたわけでありますが、百分の二の国庫納金、このいわゆる整理資源ともいわれるべき引き継がれた部分についての額、その利子はどのくらいになっておったのか、この点についてお聞かせ願いたいと思います。
#76
○船後政府委員 先ほども申し上げております通り、恩給制度は保険システムによって運営いたしておりません。従いまして、恩給当時の運営は、毎年国庫納金の形で収入を受け取り、他方その年度の給付の必要額を歳出予算に計上する、こういう方法をとっております。従いまして、国庫納金はその年度の国の雑収入として受け入れられております。従いまして、共済制度におけるような積立金あるいは準備金という概念は全くございません。そういう意味では、切りかえ時に何らの積立金も引き継いでおりません。そのかわりといたしまして、恩給時代にかかわる追加費用はすべて国の負担となるという経過規定が設けられておる次第でございます。
#77
○有馬(輝)委員 少なくとも、共済組合に引き継がれた経緯からいたしまして、私は今おっしゃったように雑収入として処理すべき性格のものではないと思うのですけれども、その点どうなんですか。
#78
○船後政府委員 厳密なる保険理論の上からいたしますれば、あるいは特別会計を作りまして収入と支出を両建にするということもあり得ましょうが、この恩給制度は何分明治初年に始まりまして、国の一方的な給付で、沿革的に申しましても、明治時代は恩給納金に相当するものがゼロであります。これが逐次一%、二%というふうにふえてきております。そういう運営をとっておりますので、共済制度運営の目でもって準備金をすべきであったということは、今日ではちょっとさかのぼっていかんともしがたい問題であると考えております。
#79
○有馬(輝)委員 その十月に引き継がれたときのいわゆる雑収入部分というのはどの程度あったのですか。
#80
○船後政府委員 これは毎年々々の勝負でございますので、引き継がれたものはございません。
#81
○有馬(輝)委員 先ほど申しましたように、中途半端でありますが、時間の都合がありますので、ただ最後に一言お伺いしておきます。先ほどお尋ねいたしました審議会の理事の構成並びに評議員会の評議員の構成については、私は、どう考えても、課長の御説明にもかかわらず、組合員全員を代表すべき者とは考えられないわけなんです。ここら辺について、大蔵省としては将来弾力性のある考え方をしておられるのかどうか、この点について再度お聞かせおきを願いたいと思います。
#82
○船後政府委員 運営につきましては、仰せの通り、民主的にかつ広く組合員の利益を考慮して行なうのが共済組合の本旨でございます。現在の構成がずっと今後にわたり絶対に正しいのだというわけのものでも、ございません。従いまして、御趣旨の線に沿いまして、運営方法につきましては十分検討いたしたいと思います。
#83
○足立委員長 本案に関する質疑は次会に譲ります。
     ――――◇―――――
#84
○足立委員長 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案及び昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
#85
○堀委員 最初に、ちょっと、恩給局が入っておられると思いますから、恩給局の方にお伺いいたします。
 今度、恩給法の改正が行なわれることになっておると思うのでありますが、その中で、海外引揚者について、初めから外国政府の職員であった者が引き揚げ後公務員になりました場合には、これは通算されるのか、あるいは、たとえば満州国における開拓義勇軍というか、こういうところ、あるいは協和会等の政府機関と同様な状態のところに、当時の国内の政治的な要請に基づいて内地の公務員であった者が赴任をして、そうして戦後引き揚げをしてまた再び公務員に復活をした場合に、これらのものも通算をされるのかどうか、恩給側の取り扱いをちょっと先にお伺いしておきたいと思います。
#86
○八巻政府委員 ただいまお尋ねの、今国会に提案いたしております恩給法等の一部改正の法律案の内容の一点でございますが、満州国政府職員としての期間を恩給公務員期間に通算するという措置をとっております。これは、戦前におきまして、日本国政府から、日本国政府の恩給法上の公務員が満州国の方に出向になりまして、そうして満州国に行って二年以上勤めて、そしてまた再び日本国政府の恩給公務員に戻ってきた、こういった人たちにつきましては、戦前から、昭和十八年でございますが、満州国時代の在職期間を恩給に通算する、こういう措置が講ぜられておったわけであります。ところで、こちらの日本国政府の方から向こうに出向させましたけれども、終戦になってしまいまして、そうして、引き揚げて参りましたけれども、本属長の方ではいろいろな事情からその人を採用することはできない、まあこういうような人がございます。そこで、そういうような人につきましては、終戦後の特殊事情にかんがみまして、満州国時代を通算して恩給を支給しょうというのが第一点ございます。
 その第二点は、満州国で採用になった満州国政府職員、こういう方々が終戦後引き揚げてこられまして、日本国政府の恩給法上の公務員になられた。こういう場合にも、相当中年層で向こうの行政経験を積んで、そうして日本国政府の役人になったという場合におきましても、これらの職員が相当老齢になって退職をする。このときにあたりましてまだ恩給年限に達しない、こういうような事情もございますので、そこで、従前満州国政府職員につきましては日満人事交流というふうな問題がございましたので、そうした満州国政府職員としての期間を通算するという措置を拡大して適用していこう、こういうふうに考えております。今お尋ねの満州国政府職員以外の協和会の職員であるとか、あるいは開拓義勇軍の職員であるとか、こういうふうないわゆる日本で申しますると官吏あるいは待遇官吏、満州国におきましても官吏、待遇官吏がございましたが、やはり恩給法で扱うのは満州国における官吏、待遇官吏というものだけを恩給のレールに乗せていこう、こういう考え方でございます。従いまして、その協和会の職員あるいはその他の公法人の職員というものはそれに含まない、こういう考え方でやっております。
#87
○堀委員 今回の退職手当の関係で、恩給法の取り扱いとしては、今伺いましたように、当初満州国職員であった者が引き揚げた場合には認められることに改正案が提出されておるところでありますが、大体これはこの法案の政令によって処理される部分の該当の部分だと思うのであります。大蔵省側としては、そういたしますと、今の恩給の取り扱いに準じて、少なくとも外国政府職員として勤務した者については、これを通算することができるように配慮しておられるかどうか。初め公務員で次に外国政府公務員というのでなくて、今の恩給法の取り扱いは、今もお話しになったように、当初満州国の職員、それから引き揚げて日本の公務員という場合には、今回の改正で通算をしたいということを申しておられますが、退職手当の方ではそういう取り扱いが考慮されておるかどうか、お伺いいたします。
#88
○船後政府委員 問題は共済組合と退職手当と二つあるわけでございますが、共済組合の改正法案におきましては、ただいま恩給局長から申し上げました通りの措置をそのままそっくり引き継いでおります。
 それから、退職手当でございますが、退職手当につきましては、従来から、日本国政府の職員でありまして、そうして満州国に参りまして、また日本へ帰ってきたという面をとらえておりまして、今回それは改正いたしておりません。これは若干片手落ちでなかろうかというような御意見もあろうと存じますけれども、やはり退手と共済年金とは似たような制度ではございますが、若干意味を異にいたしておりまして、退手の方ではどこまでも引き続いた勤続年数ということを前提に置きまして、その引き続いた勤続年数に対しまして退職時に一時金として給付をやるという仕組みになっておりますから、日本国政府以外の職員期間というものは、日本国政府の要請によっていわゆる出向人事の形で行った期間に限るという一般原則でもって処理いたしております。
#89
○堀委員 ものの考え方はいろいろあろうと思うのですが、事実関係で見ると、今恩給の処理あるいは共済組合の方で処理をされるというものと、これに区別をつけなければならぬというほどの積極的な理由がどうも不十分ではないか。なるほど、こちらの公務員であって、次に外国職員であって――公務員ということならば、スタートの時期と最終の時期がはっきりしておるから、その間の分は含める。しかし、事実上年令その他の関係で当然本来ならば内地の公務員であるべき者が、たまたま外地の満州国において大学を卒業し、そういう客観情勢のために内地に当時就職することが困難で、そういう者を率先して満州国政府の職員としょうとしたという歴史的な事実の上に立つならば、それは本人の特定の希望によって行なわれたのではなくて、その当時の政治的な要請がもとになっておるという判断が私は成り立つと思うのですが、そういう場合に、少なくとも内地に育った者はおそらく内地の公務員となって出向したでありましょうが、当時長い年月にわたって日本は満州の経営をしておったわけでありますから、純粋に満州に育ち、満州の学校を卒業して、そうして当然内地の公務員になりたいけれども、当時すでに満州国としてのいろいろな要請があって、先にそっちになったという者の場合には、私は事実関係から見ると取り扱いがいささか公平を欠くように思うのですが、これを拡大してはいけないという積極的な理由があるのかどうか。すでにこれらの者は今後に拡大をする予想のあるものではなくて、すでにもう限られた範囲の中で残されておる者の取り扱いでありますから、限定はされたものであって、今後の取り扱いに支障を来たすものではない。そうするならば、恩給法の取り扱い等においても考慮されておるものが、当然本質的に性格を同じうするところの退職手当についても適用されてしかるべきであると考えますけれども、一考する余地はないのかどうか。
#90
○船後政府委員 先ほども申し上げました通り、退職手当の方は、日本国政府にある一定期間勤めたという事実をとらえて、それに対する退職時の一時金、この性格につきましては、後払い説でありますとか、あるいは功労の表彰であるとか、いろいろな性格がございますが、いずれにいたしましても、そういったある雇用主に一定期間勤めたために出る日本特有の制度でございます。その面に着目いたしますと、満州国政府でお勤めになったという期間は、やはり満州国政府が雇用主でございましたので、それぞれ退職手当があったかなかったか、あるいはまた制度があったとしても、混乱時に受け取らなかったという方もございましょうけれども、建前といたしましては、それぞれの雇用主がみずからの責任でその勤務期間に対しては退職手当を支払うという建前であろうと考えております。現在の退職手当法はそういった建前を貫いておりますので、職員がいろいろな異動をいたしました際も、一人の雇用主から退職手当をもらえば、もうその期間は問題としない。たとえば職員が一回退職いたしまして再び再就職したケースでございますが、恩給なり年金の場合には、やはり年金権付与という目的がございますので、一時金はかりにもらった期間がありましても、あとで年金権を付与するために合算するということを恩給でも共済年金でもとっております。ところが、退職手当の方では、一度勤めまして退職いたしまして、そうして退職手当をもらったという期間は、原則としてあとの再就職時には問題といたしておりません。それを特に問題といたしておりますのが、終戦時の混乱という、個人の力をもってしてはいかんともしがたいあの引き揚げ、追放の問題、これだけは勤務期間を引き継ぐという特例を適用いたしておる次第でございます。従いまして、満州国政府の採用者が日本に再び帰ってきました場合の再就職後の退職手当につきましては、これを見直すことはかえって制度の建前上困難ではないかと考える次第であります。
#91
○堀委員 国家公務員退職手当法施行令第三条第三項の規定による解釈運用方針という中で、旧南満州鉄道とか、満州電電とかいろいろなものが、取り扱いの例としてこれらのものが適用されるということになっておるようですが、そうすると、これらの者と満州国政府の職員との関係は、満州国政府の職員である方が次元が低いというふうに理解することになりますか。
#92
○船後政府委員 ただいま御指摘の取り扱い通達は、他方政令の施行令の第三項の第三号でございます。これは外国政府はもちろん政令の方で無条件に入っておりまして、この取り扱い通達に譲っておりますのは、こういった特殊法人で特に政府と密接な関係のあるものを列挙しておるわけであります。この限りにおきましては、先ほど問題になりました退手法の方がむしろ恩給系統よりも進んでおるという一つの面であります。
#93
○堀委員 もう一つ、実は帰還をされて退職手当を一回もらった方、それがまた再就職をされた格好で、今度はこの法令では改善をされておるという点の問題でありますけれども、引き続き受けた方と、昭和二十一年、二十二年ごろに帰還をして、当時の非常な混乱時期に五百円なり千円なりの退職手当を一応もらった方でありますが、その後また就職をされている方と、初めからもらわないでいた方との差というものが著しく、実は半分くらいしかもらえない格好になっておる。ところが、実際にそのころの金額でもらったもの自体は、非常なインフレーションの中であって、実際に今の金額に換算してみると、あまりにも零細であるという事実があるわけであります。これについては今度改正をされまして、通算のいろいろな率によってこれまでよりは改善をされておる点は非常に多とするものでありますが、もう少し何かこれを他の通算をされておるものに近づけるような工夫はないものかどうか、一つ伺っておきたいと思います。
#94
○船後政府委員 御指摘の通り、引揚時のインフレ期におきましては、退職手当としては数百円程度であったろうと思います。ただ、これを返還するからもとの期間をつなげという御要望もあるわけでございますが、そういたしますれば、終戦当時のあの非常なインフレ期におきまして種々の一時金があるわけであります。そういった一時金につきましても、同様今日の目で見ますればはなはだおかしな面もございますが、そういった一連の措置がどうなりますか。それらとの関連におきましてなお今後も検討いたしたいとは存じますが、退手法だけで解決いたそうとすれば、やはり今回提案いたしましたような支給率で調整して長期勤続の有利性を保証する、これ以外には方法がないと考えております。
#95
○平岡委員 ただいま上程の諸法律案は、旧令、新令通算シリーズでありますので、この際恩給局長にお伺いします。治安維持法該当者の恩給法上の扱いはどうなっておりますか。
#96
○八巻政府委員 恩給法におきましては、恩給法の第九条で、その処刑された理由のいかんを問わず、「死刑又ハ無期若ハ三年ヲ超ユル懲役若ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキ」には、その恩給権を失権するということになっております。それからまた、五十一条の二号に、「在職中禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキ」には、引き続いた在職について恩給を受ける資格を失う、在職年についての利益を失うという規定もございまして、およそ各種の犯罪といたしまして、こういう規定に該当いたしますと、恩給権を失権し、あるいは在職年についての恩給を受ける利益を失う、こういうことになっております。
#97
○平岡委員 そういたしますと、第九条、第五十一条の二号の犯罪の種類という点に対しては無差別である。もっと具体的にいえば、政治犯も破廉恥罪を犯した者も同一の扱いに立っておるということ、この点がアップ・ツー・デートに妥当とお思いですか。
#98
○八巻政府委員 立法論としてはいろいろあろうと思いますけれども、恩給的に申し上げますと、やはり大正十二年からこの恩給法ができましたし、またそれ以前から文官恩給法なり軍人恩給法があったわけでありまして、その当時からずっとこういう立法形式でやってきておるわけであります。その処刑された因由と申しますか、原因によって差別をするという立法例は従来とっておらないわけであります。従いまして、そういうことについ差別をするかどうかということになりますと、今後の立法政策の問題になる、こう思っております。
#99
○平岡委員 具体的に事例を引きましてお尋ねします。今の広島大学長の森戸辰男先生の場合であります。東大にも在職されましたが、例のクロポトキンの論述で、治安維持法の該当者として追放されたわけであります。この方の場合、東大の在職年と広島の在職年はそれぞれ何年だったでしょうか。
#100
○八巻政府委員 ただいまのお尋ねですが、森戸先生の在職年は、調べてみますと、失官前の在職年が五年十一カ月、再就職後の期間が十二年五カ月、三十六年三月までで計算いたしましてそういうことになっておるようであります。
#101
○平岡委員 森戸さんの場合に、われわれが直截に考えまして、この方の恩給法上の取り扱いとしての在職年数は、五年十一カ月と十二年五カ月、両方合わせまして十八年何カ月が妥当ではないかという感じをいなみ得ないのです。ところが、恩給法上では、そのことがそうはならぬということですね。この矛盾をどういうふうに御解明いただけますか。
#102
○八巻政府委員 ただいまのお尋ねの通り、確かに失官前の期間五年十一カ月とその後の再就職してからの十二年五カ月を加えますと十八年ぐらいになるわけでありまして、失官前の在職年、すなわちその在職中禁錮の刑に処せられたということによって、在職年の利益を失った五年の期間がふいにならなければ、今度退職なさっても恩給権が獲得できる、こういうわけだと思うのです。従って、個人的には非常にお気の毒だと思っておりますけれども、この法規の上では、その犯罪の行なわれた理由のいかんを問わず、第五十一条の二号では、「在職中禁錮以上ノ刑二処セラレタルトキ」は、その在職について思給を受ける資格を失うということで、五年十一カ月が除算される、こういうことになるわけでございます。従いまして、現行法の規定の解釈上あるいはそれに基づきます裁定上はいかんともなしがたい、こう思っております。
#103
○平岡委員 過去の伝承に基づく恩給法を尺度にする限り、あなたのお答えは正しいでしょう。しかし、先ほど私が提起しました森戸さんの場合の十八年何カ月とされるべきであるというわれわれの判断も、やはり相当支持されると思うのです。そこで、この矛盾を解決するために、現状の恩給法というものをもっと前進させて、これを改正して、こうした方を救済すべきであると私は考えておる。政府は救済する意思がございますか、ございませんか。
#104
○八巻政府委員 今後の立法政策として、こういう方々についてどういうふうな措置をとるかということは非常にむずかしい問題でございまして、お説のような意見も立ちますし、また、一方においては、そうすべきではない、およそ官吏の服務規律が厳正であった当時において、その服務規律に違反したことに対しては、恩給についてはやはりそれに相応した処遇をすべきであるという意見もありましょうし、また、たとえば先生の御意見のようにいたしましても、その場合には、犯罪の原因について、治安維持法だけはいいんだ、あるいは新聞紙法だけはいいんだ、懲戒免職はいけないのだ、あるいは占領目的の違反行為だけはいいんだとか悪いのだとか、そういうふうな価値判断というものは非常にむずかしいわけでございます。従いまして、そのお気持はよくわかりまするけれども、立法政策として考えます場合も非常にむずかしい問題がある、こういうことになると思います。
#105
○平岡委員 立法技術上むずかしいということですね。本旨はこれを救済しなければならぬとお考えですか、どうですか。
#106
○八巻政府委員 これは私の個人的な意見になると思うのでありますけれども、やはりその当時のと申しますか、現在でもそうでありますけれども、公務員としての社会秩序というものを守らなければいけない、そして公務員として国民に奉仕しなければいけない、そういうふうな義務のもとに立たされておりまするから、従いまして、これに対する違反、法秩序に対する違反というものは恩給の面でも現われる、こういうふうな現在の制度というものは私は正しいのじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。もちろん別な違った意見もございましょうと思います。それらはいろいろございまするから、検討しろということであれば、十分いろいろ検討いたしまするけれども、私の気持はそういう気持でございます。
#107
○平岡委員 恩給法は当委員会の案件ではございません。従いまして、これは内閣委員会等におきまして大いに党としても論述を尽くさせるつもりでおります。恩給局長のようなお考えは打破しなければならない。従いまして、私どもは、その前進のために、あなたにやめていただくような、そうした論争もあるいは行なわれるかもしれません。十分腹に置きまして御対応のほどをお願いいたします。
#108
○広瀬(秀)委員 関連して。
 国家公務員の退職手当法の一部改正の問題で関連質問をいたしたいのですが、給与課長にお伺いしたいわけです。今の恩給局長の個人的な考えとして言われた点を予断として抱かないでお答えをいただきたいのですが、終戦後の問題で、治安維持法と同じような、これは若干占領軍が完全な介入をした事件でありますけれども、レッド・パージと俗にいわれる共産主義者及びその同調者で業務阻害のおそれありと認められる者というような、きわめてばく然たるGHQからの当時の覚書であったか通達であったか、そういう形式論は忘れましたけれども、そういうようなことによって公職から追放された人たちがおるわけです。その人たちの中で、当時非常にこの取り扱いは、単に組合運動をやったということだけで共産主義者に対する同調者だというような、きわめて情実的なものなんかもあって、これは当時非常に大きな問題であったわけでありますけれども、その後そういう点でのあやまちが認められ、あるいはそういうものではなかったというようなことが判明いたしまして、教員の中にもあるいは公務員の中にも相当復職している人たちがいるわけです。そういう人たちに対するこの退職手当等についての期間の通算というような問題は、今度の場合、公職追放には追放期間が通算される、こういうようなことになったわけであります。これと照らし合わせれば、これはまさに彼此相通ずる問題であろうと思うのです。レッド・パージで復職したものの場合に通算をしないということは、まさに片手落ちもはなはだしいものじゃないかと思うわけです。これについて何らか考えるべきだと私どもは信ずるのでありますけれども、その点給与課長はいかがお考えですか。
#109
○船後政府委員 やはり問題は、ただいま恩給局長がお答え申し上げましたようなことと類似するわけでございまして、現行法の規定によりますと、退職手当は、国家公務員法八十二条の規定による懲戒免職の処分を受けた場合には、これを支給しない、かようになっております。ところが、当時のレッド・パージといたしましては、懲戒免職になった者もごく少数ございますが、大部分の方は依願免職というような形式もあったわけでございます。それぞれの免職あるいは退職の形態によりまして、当時の法制のもとにそれぞれ退職手当を支給しておるわけでございますが、これは、その後再就職されました場合には、やはりその原因、因由となりましたことを問うて問題といたしまして、そうして事後の退職手当を調整するということは、やはり現行制度の建前上きわめて区別が困難ではないかと考えております。
#110
○広瀬(秀)委員 非常に形式的な答弁で大へん不満なのですけれども、当時の実情としては、非常にまじめな優秀なたとえば教職員あるいは公務員であっても、ちょっと共産主義同調者ではないかと上司に疑われたために名簿に載ってしまった。それで、やむことなしにやめさせられる。形は当時依願免というようなことで退職者もたしか出たと思いまするけれども、当時も非常に低額のものしか与えられていない。しかも、その後そのあやまちが認められて、決してそういう者ではなかったということで復職しているというような事実があるとすれば、その者にとっては、これは回復しがたい損害を、一方的に、しかも誤った判断のもとにやられた。こういうようなこともあるわけであります。しかもそれがGHQのそういう覚書か何かに基づいてやられた。これを、当時の政府が、大へん得たり賢しというような形で、拙速でそういう非常に重大なことをやられて、しかもその判定のあやまちを認めて復職をさした。こういうような場合に、これを何とかこういう退職手当の面でも救済する措置を講ずるというようなことは、これはしごく当然のことだと思います。公職追放の場合には、今度はその期間が通算をされるというようなことにもなるしわけであります。その問題との関係をどういうようにお考えですか。
#111
○船後政府委員 公職追放は今回初めて取り上げたわけではございませんでして、従来から取り上げておりました。いろいろな期間通算の仕方あるいは改定の特例の協賛をお願いしておる次第でありまして、新たな問題ではございません。これに対しまして、懲戒免職の場合は、その事由がレッド・パージもございましょうし、種々の原因がございます。また、それがその後に至りまして誤りであったという非常にお気の毒なケースもございます。しかし、誤りでございますれば、これは公務員法上の救済措置もあるわけであります。やはり現行制度が整備された後の問題といたしましては、現行制度の建前で解決する以外にはない、かように考えております。
#112
○広瀬(秀)委員 これで終わりますけれども、この問題もまたあと尾を引く問題でありますから、いつかまたやろうと思いますけれども、政務次官、今私が質問した点についてどうお考えですか。
#113
○大久保政府委員 先ほど来、堀さん、広瀬さんその他の皆様から御質問の点は、まことに建前上困離な問題でございますけれども、しかし森戸さんのようにお気の毒な方もおありであるわけであります。われわれといたしましては、今後恩赦法または恩給法等の諸規定を考えました上で、それらお気の毒な方に対する措置をどうするかということも一つ十分考究さしていただきたい、かように考える次第であります。
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#114
○足立委員長 ただいま議題となっております両法律案中、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対しましては、各派共同提案の修正案が提出されております。
#115
○足立委員長 この際、提出者の趣旨説明を求めます。毛利松平君。
#116
○毛利委員 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 修正案の案文はお手元にお配りいたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
 御案内の通り、今回の改正案は、外地官署引揚職員、外国政府職員等であった者が、昭和二十八年八月一日以降、本邦に帰還した日から一定期間内に国家公務員等として再就職した場合に、勤続期間の計算について特例を設けることとしたこと、及び外地官署引揚職員等が退職した場合に支給する退職手当の額の計算について特例を設けることとしたことの二点をその内容とするものでありますが、これらの特例はいずれも本年三月一日以降の退職にかかる退職手当について適用することといたしております。
 しかして、右のうち、退職手当の領の計算の特例につきましては退職手当の支給率と密接な関係がありますし、また退職手当は本来遡及適用すべき性質のものではないと思われますので、これは遡及適用することを適当といたしませんが、勤続期間の特例につきましては、引揚職員等の特殊事情に基づくものでありまして、本年三月一日以降の退職者と何ら区別すべき理由がないと思われますし、また、この種の勤続期間通算の問題は、現行法の建前から、将来発生する問題でなく、過去の限られた問題である等の事情にありますので、この際、改正後の勤続期間の計算の特例に限り、昭和二十八年八月一日以降の退職にかかる退職手当について遡及適用せしめることとしようというのが、本修正案の目的及び内容であります。
#117
○足立委員長 これにて修正案の趣旨説明に終わりました。
 国会法第五十七条の三の規定により、本修正案に対し、内閣において御意見があれば述べていただきます。大久保政務次官。
#118
○大久保政府委員 ただいま御提案の修正動議につきましては、政府といたしまして、やむを得ないものと存じて了承いたします。
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#119
○足立委員長 両法律案及び修正案に対する質疑はこれにて終了いたします。
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#120
○足立委員長 両法律案及び修正案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 まず、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。
 まず、修正案について採決いたします。
 本修正案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これを原案の通り可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は修正議決いたしました。
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#123
○足立委員長 次に、本案に対しまして附帯決議を付したいと存じます。
 案文を朗読いたします。
  政府は、外地官署引揚職員等の退職手当の計算の基礎となる勤続期間の取扱いについて、左記の諸点に留意して運用されたい。
 (イ)外地官署引揚職員等の退職手当計算の基礎となる在職期間の通算措置を、終戦後の特殊事情等を考慮し、実情に即して緩和すること。
 (ロ)前号の措置は、昭和二十八年八月一日以後の既退職者についても、遡及適用せしめること。
 以上であります。
 お諮りいたします。
 本附帯決議を付するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本附帯決議を付するに決しました。
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#125
○足立委員長 次に、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の領の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 お諮りいたします。本案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
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#127
○足立委員長 なお、両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は明二十日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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