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1960/04/20 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第29号
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1960/04/20 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 大蔵委員会 第29号

#1
第038回国会 大蔵委員会 第29号
昭和三十六年四月二十日(木曜日)
   午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 足立 篤郎君
   理事 伊藤 五郎君 理事 鴨田 宗一君
   理事 毛利 松平君 理事 有馬 輝武君
   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君
      岡田 修一君    金子 一平君
      簡牛 凡夫君    久保田藤麿君
      田澤 吉郎君    高田 富與君
      高見 三郎君    永田 亮一君
      西村 英一君    藤井 勝志君
      米山 恒治君    佐藤觀次郎君
      田原 春次君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    安井 吉典君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (財務参事官) 磯田 好祐君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      上林 英男君
        大蔵事務官
        (理財局長)  西原 直廉君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石野 信一君
        大蔵事務官
        (為替局長)  賀屋 正雄君
        運輸技官
        (港湾局長)  中道 峰夫君
        自治事務官
        (財政局長)  奧野 誠亮君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    村上孝太郎君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のた
 め発行される外貨地方債証券に関する特別措置
 法案(内閣提出第一五七号)
     ――――◇―――――
#2
○足立委員長 これより会議を開きます。
 大阪港及び堺港並びにその臨港地域の整備のため発行される外貨地方債証券に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀委員 ただいま議題となりました大阪港及び堺港の開発に関する外貨債の発行に関する件に関しまして、大蔵大臣に少しお伺いをいたします。
 最近の設備投資の増高は新聞紙上でも伝えられておりますように異常な高度な状態が続いておるのでありますが、この大阪湾における開発計画もやはりこの設備投資の増高の一環として理解しなければならない問題だと思うのであります。そこで、現在の設備投資の状況その他につきましては、私は実は企画庁長官の出席を要求いたしましたけれども、きょうは他の方に所用があって出られないということでございますので、この問題につきましては一部二十五日の委員会に譲りたいと思いますけれども、当面一番私心配いたしておりますのは、何と申しましても現在の国際収支の問題でございます。そこで、最初にお伺いをいたしたいのは、三月三十一日現在でけっこうでございますが、外貨保有量の中に占めますところのユーザンス残高、ユーロー・ダラーの引当分、クリーン・ローン、自由円その他というようなわけ方で、一つ細分的に三月末の状態を伺いたいのと、それから、昭和三十五年三月末と昭和三十六年三月末における外貨保有高の推移を、ただいま申し上げましたような長期的な債権と短期債権とに区別をして、実質的な年間における黒字幅の増大というものは一体何に基づくのかということを、計数的に一回お答えを願いたいと思います。
#4
○賀屋政府委員 お答え申し上げます。
 三月中におきます国際収支は、ただいま日本銀行において計数を整理中でございまして、おそらく明日ごろ公式に発表いたす段取りになっておりますので、本日のところはまだ概数と申しますか推定の数字しか申し上げられませんので、その点をお断わり申し上げておきたいと思います。外貨準備の方は、すでに発表いたしました通り、三月末におきましては十九億九千七百万ドルという数字に相なっております。このうちの短期の外債に見合う分が幾らあるかということでございますが、いつか当委員会でも御説明申し上げましたように、この十九億九千七百万ドルという数字は日本銀行と大蔵省が持っております外貨の純資産でございます。これはそのまま債権でございまして、ただそういった純資産が生ずるに至った原因には、短期の負債に基づいて獲得したものがやはり大蔵省の保有外貨になっている、こういう関係でございます。従って、この十九億九千七百万ドルの内訳という意味において債務があるわけではないということは当然おわかりのことと思いますが、念のために申し上げておきたいと思います。
 ところで、三月末において短期の負債がどの程度あるかということでございますが、外貨準備と対比いたしまして考えます場合には、まず第一に自由円勘定でございます。よくユーロー・ダラーもこの短期の債務として問題になるわけでございますが、このユーロー・ダラーが短期の債務であることには間違いないのでありまして、あるいはホット・マネーであるということもいわれるわけであります。これは、御承知のように、日本の為替銀行がロンドンに支店を出しておりまして、そこで、高金利を目ざしてヨーロッパへ流れてきておる資金を日本銀行が吸収するということになっております。これの外貨準備との関係でございますが、このユーロー・ダラーを受けました額が、そっくりそのまま外貨準備の増になって現われておるということではないのでございます。つまりユーロー・ダラーを取り上げまして現地で活用するという場合もございます。そうして、その一部を申しますが、半分に近い金額が、いわゆる自由円として内地に換金されまして自由円勘定になっておる。従って、外貨準備との比較において短期負債を見るという場合においては、この自由円勘定が幾らあるかということでございますが、これが三月末で三億二百万ドルという数字に相なっております。
 それから、もう一つ、外貨準備の増加の大きな要因をなしておりますものは、いわゆる輸入ユーザンスでございます。これは、外銀によってうえられておりますところのユーザンスと、本邦の為銀の海外支店が与えておりますユーザンスを合わせまして、九億七千五百万ドルという数字になっております。それから無担保借り入れと称しておりますものが一億四千百万ドル。その他為替銀行の負債、これはこまかいものがいろいろあって、証券担保の借り入れとか、あるいはメール・クレジット、オーバードラフトといったものを合計いたしまして五千四百万ドル。それから、短期の負債の特殊なものとして、綿花借款の三千九百万ドル、石油のスタンドバイ・クレジットが三千三百万ドル、こういうものを合計いたしますと、いわゆる短期の負債額は十四億四千四百万ドルという数字に相なっております。
 しからば、その外貨準備が十九億九千七百万ドルあるうち、この十四億は短期の負債であって、従ってこれがすぐ引き揚げられるということになれば、確実な資産としては、その差額の五億程度にすぎないじゃないかということでございますが、しかしながら、一方におきまして、外貨準備は先ほど申し上げましたようなネットの資産であるのに加えまして、今申しました短期の負債は為替銀行が持っております負債でございます。同時に為替銀行は一方において資産を持っておるわけであります。ちょうど輸入のユーザンスを受けております反対の輸出のユーザンスも出しておりますから、そういった資産は大体七億程度あるわけでございますので、必ずしもこの十四億幾らの資産を外貨準備から直接差し引いて考えなければならないということにはならないと思うのでございます。
 それから、昨年三月末がどうであったかということでございますが、外貨準備筒は十三億六千百万ドルでございます。従いまして外貨準備の増加高は六億三千六百万ドルという数字に相なっております。その際の短期の負債はどうであったかという数字を申し上げますと、御承知のように自由円は昨年の七月に創設されました勘定でありますので、こういうものはございません。輸入ユーザンスでありますが、これは五億二千万ドル、それから無担保借り入れが五千万ドル、その他為替銀行の負債が二千五百万ドル、綿借が三千六百万ドル、石油のスタンドバイが三千百万ドル、合計いたしまして六億六千二百万ドルという数字に相なっております。
#5
○堀委員 今の御説明でこまかいことが少しわかったのでありますが、なるほど輸出ユーザンスもあるから、それと輸入ユーザンスの残高とは差引になるといえば差引になるかもしれませんが、実質的に確実な長期のものはやはり五億四千三百万ドルであることには変わりないと私は思います。
 そこで、今度の問題に非常に重要な関係があると思いますのは、金利の引き下げ問題に基づきますところの、金融の緩慢を予想して起こるところの設備投資の増強ということが非常に著しくなっておりまして、諸外国の例に比べてみましても、今の日本の状態というものは著しく高いように思うのであります。そこで、政府の方にお伺いいたしたいのでありますが、政府と民間の設備投資を合わせたものの額と、国民総生産額との割合について、最近における西ドイツあるいはアメリカ、イギリスと日本の三十五年度のものというところで、一回お答えいただきたいと思います。
#6
○村上説明員 ここに正確な数字を持っておりませんので、正確なパーセンテージは申し上げかねますけれども、大体日本は政府及び民間の投資を合わせまして三〇%に達しております。それに対して、西ドイツが、これに次いで高く大体二三、四%、イギリスその他はさらに低くなっております。これは日本の経済のどういう特徴から出ておるかということは、いろいろ原因があると思うのでありますが、この総資本形成率の大きな理由といたしましては、やはり公的な投資が非常に大きいのでございまして、これは御存じのように産業基盤あるいは国民の生活環境整備のためのいわゆる社会資本の充実が非常におくれておりますので、その関係の投資が非常に多くなっております。それだけ見ましても、イギリス本土に比べて約四、五%の差がGNP対総資本形成率の間にある。これが今述べましたような国民総生産の中に占める総資本形成率の高い一つの理由でございます。そのほかにも、御指摘のように、民間の設備投資が割合としては西欧諸国に比べて多くなっているということも言えると思います。これは現在自由化を控えての合理化その他技術の内外における差を埋めようとする投資意欲からきておるものが大きなものであろうと私ども考えております。
#7
○堀委員 そこで、大蔵大臣に一つお伺いいたしたいのでありますが、ただいま調査官がお答えになりましたように、西ドイツは総資本形成のGNPに対する比率は大体二〇%内外、三一・二%程度ではないかと思うのでありますが、これが大体最近はずっと安定して続いておる。西ドイツ、アメリカ等におきましても、一四ないし一六%程度のものが安定して続いておりますけれども、日本の場合は二〇%から二五%、三五%、三七%というふうに、非常に著しい設備投資のカーブが高い状態でどんどんと今伸びつつあるわけであります。最近の企画庁やあるいは通産省の調べを見ましても、大体本年度の予想というものは三兆四千億をこえるであろうということになっておるようでありますが、過般来、新聞で見ておりますところによりますと、企画庁長官も、それから特に椎名通産大臣は、最近の設備投資の増高というものは設備近代化のために必要なものであるから押える必要はない、こういう発言をしておられるようであります。しかし、実際にこのような異常な設備投資が起きておることに伴って、実は輸入の状態を調べてみますと、機械類の輸入というものは著しい大きな伸びを示しておる。私は、昨年の予算委員会で、企画庁に対して、その問題について、今後の輸入についての機械類の増加というものは設備投資の異常な伸びとともにふえるであろう――この委員会でも私は村上さんに言ったことがあるわけでありますが、その姿が最近著しくはっきり出てきておると思うのです。生産財輸入が非常にふえておるということが今の経常取引の赤字に大きな関係がある、こういうふうに見ておるのでありますけれども、大蔵大臣はこういうふうな見方についてどういう見解を現在持っておられるか。
#8
○水田国務大臣 設備投資が多くなれば当然輸入がふえますので、従って、輸出がそれに伴ってふえない限りは国際収支は悪くなる。これは当然だろうと思っております。問題は、それではその設備投資のあり力の、実情はどうかという問題でございますが、これがただいたずらに競争によって自分の規模を大きくするというようなもので、過当競争による設備投資というようなものだったら、これは考えものでございますが、実際の内容を見ると、そういう危険性はあまりない。やはり日本が自由化を前にして、これから国際競争にたえていくというための企業改葬のための必要な合理化、そのための設備投資が多いというのが実情でございますので、これは日本として今これをとめるときか、そうじゃなくて必要な合理化は適当にまだ伸ばす時期かというような判断の問題になるわけでございます。行き過ぎというふうなものについては私どもは抑制しなければならぬと思っていますが、今それをさせなかったら日本の企業の国際競争力は先へいってみすみす負けるということがわかっている以上は、必要な合理化はまだ日本は今やらせる時期だというふうにも私どもは考えておりますので、この間の調整をどうするかというところに政府の指導なりいろいろな施策上の問題がございましても、今の傾向が悪いというふうには私どもは思っておりません。
#9
○堀委員 かねてから大蔵大臣がおっしゃっておることを繰り返してただいまおっしゃったわけでありますけれども、それではちょっと伺います。本日の日本経済にも出ておりますが、四月の信用状開設の状態は、少なくとも中句まではまだ赤字が出ておるように聞いております。これについて、このような状態の中におけるところの第一、第二・四半期における経常収支なり総合収支の見通しは、大蔵大臣は、今日現在の四月の信用状開設が赤字の状態の上で、一体どうお考えになっておるのか、お伺いいたします。
#10
○水田国務大臣 確かに、おっしゃられます通り、四月中旬までの信用状の状態は四、五千万ドルでしたか赤字が出ておりますが、この見通しは、しばしば私どもが申しましたように、私どもは上半期はこの経常収支の赤字はずっと一応続くだろう、下半期にいってこれが変わってくるというふうな最初からの見方でございまして、三月の信用状はそういう形で戦後最高の数字を示しました。この反動ということはございませんが、時期的に見ましても、四月の信用状が落ちているということは好ましいことではございませんが、私どもは最初から一応この六月、七月ぐらいまでの赤字というものは大体予想していたことでございますので、別にここで大きい変化がきたとも思っておりません。
#11
○堀委員 四月の信用状の赤字は月末になりませんと最終的なことはわかりませんけれども、しかし、少なくとも現在、昨日あたりまでの様子を見ますと、赤字の幅は予測されたよりも相当大きいということは大臣も認められるであろうと私は思います。そこで問題になりますのは、政府の側で言われております中に、原材料在庫がある程度一巡をしてくれば輸入は下がるだろう、こういうような声が出ておりますが、原材料の在庫率というものは最近あまり上がっていないというふうに思うのですけれども、具体的な数がおわかりでしたら、最近のものをちょっとお答えいただきたいと思います。
#12
○村上説明員 正確な数字はわかりませんけれども、十二月、一月と下がりましたのが二月には多少上がっていると思います。九〇%そこそこぐらいまで下がりました原材料在庫率指数が、大体二月には少し上がって九五・六%になっております。
#13
○堀委員 しかし、依然として九〇から九四ぐらいまでの間で動いておるようでございますけれども、この状態 は、少なくともこれまで大体一〇〇の付近を動いておった中から見ますと、相当な輸入がされておるにもかかわらず、輸入原材料在庫率というものがあまり上がっていないということは、私は、やはり、設備投資が非常に大きいために在庫率になるひまがない、それほどに実は設備投資が進捗しておる。こういうふうに理解するのが正しいのではないか。そういたしますと、ここで相当なふえ方をしないということであるならば、今のような昨年度をさらに二〇%程度も上回るであろうといわれるような設備投資がこのままに放置されておるならば、輸入に占めるところのこれらの動向というものは、皆さんのおっしゃるように下半期になっても私は必ずしも下がってこないだろう、まだますます上がる傾向が残ってくるのではないか。なるほど下半期において日本の場合は輸出がふえるわけでありますけれども、現在の見通しからするならば、私はやはり設備投資がある程度行政的な指導によってコントロールをされなければならない段階にきておるのではないかと思うのでありますが、その点は今大臣は必要がないとおっしゃっておる。ところが、日銀の方は四月十四日に大幅な窓口規制を行なって、大体昨年度と同額程度のところまで圧縮をしてきておるわけでありますけれども、この日銀の窓口の引き締めについては、大蔵大臣はこの問題を一体どう考えておられるか。
#14
○水田国務大臣 設備投資は当然金融の伴うものでございますし、政府はこの設備投資を直接抑制する法的な力というようなものは持っておりませんので、従来こういうものの調整というものは多く金融機関を通じてやられたというのが実情でございます。これを政府政策として意識的にやるかやらぬかというのは別問題でございますが、金融機関としては、やはり過剰投資になることを避けるためにとか、あるいはその投資が当面必要とされない設備投資であるとかいうような認定は、常に金融機関がこれを見て、いろいろ調整してきたというのが実情でございますので、その線に沿って、従来と同じようなことを若干やるということにおいては、別に干渉すべきものじゃないと私どもは思っております、今の設備投資を政府として必要なものでも押えるんだという方針のもとに日銀に窓口規制をやれというようなことをやらせておるわけではございませんので、金融機関で独自の判断で若干そこにいろいろな調整策を講ずるということは、私は別に問題ないことだと思っております。
#15
○堀委員 もちろん私は今の問題で非常に重要な点はここにあると思うのであります。実際に、今おっしゃったように、これまでの設備投資を押え得るほんとうの力というものはどこにあるかといいますと、日銀の公定歩合操作がやはり一番先にあると思いますし、さらにそれに伴うところの窓口規制の問題等、金融的な引き締めが本質的な手綱になると思うのであります。ところが、事実は、計画の中において、通産省なり企画庁なりがさらに個別的な指導をやらなければならぬ段階があるのじゃないかと思うのであります。鉄綱生産につきましては、大体昭和四十五年度に達成されるという目標が四十年にはすでに達成されようとするところの過剰投資が実際は行なわれつつあるというのが現状であります。そういうような現状が片一方にありながら、今大臣がおっしゃるように、政府がこれをコントロールすべきではないんだ、これをコントロールするには金融による以外にはないんだということになりますと、実際上は日銀が勝手にやる以外には仕方がないというふうにも聞こえるわけであります。心配しておりますのは、一番問題になっているのは、池田さんを中心とするところの成長ムードと申しますか、ともかくこれが物価の上にもはね上がっておりますし、企業京の頭の中にも将来十年先の問題ばかりを考えて、所得倍増十カ年計画の最終点ばかりに目をつけていくならば、できるだけそこに早く到達しょうということで、設備投資は今異常な競合状態にあると思います。これは、本日の議案の中にありますところの大阪港及び堺港、臨港地帯の問題におきましても、実際には二つしか入れないところに、石油化学は三つ競願をしておる、こういうような実態でありますし、名古屋周辺における問題にしましても、日本石油なりゼネラル物産が競争して許可を申請しているのが現状の姿です。率直に言うならば、現在の石油生産というものはすでに過剰生産になって、今度のガソリン税の値上げの問題なんかについても、値上げ分は今の自然の増産の下りぎみの中で、吸収をされるような条件にすでに現在ではあるわけです。ところが、これに対して操短をやろうということで、公正取引委員会が動いておるというのが伝えられておりますけれども、現状の段階ではすでにオーバーになっておるというような状態がありながら、依然として石油化学というものは各地において激しい設備投資を考えて進出しょうとしているのが現状でありますから、やはり私はある一つの一貫した計画の中でコントロールがされなければならない。皆さん方の言っておられるような手放し的な楽観が業者たちのこの異常な競争をあおっておる、こういうふうに思うのです。そして、結局しりぬぐいは日銀がさせられておる、こういうふうに私は見ざるを得ないのであります。
 そうすると、あなた方が、もし依然として今のような態度でいかれるとするならば、六月における財政収支の揚超時期における金融の取り扱いが次には問題になってくると思います。そこで、今の日銀の引き締めなり日銀総裁のいろいろな談話を読んでおりますと、総裁としては、明らかに国際収支の赤字の状態、諸物価の値上がりの状態、最近の卸売物価の中において占める生産財の値上がりの部分というのが一番高いわけでありますから、これらの卸売物価の値上がりの状態等、いろんな状態を考え合わせてみますならば、当然私はある程度の配慮が必要な段階にきておると思うのでありますけれども、政府側は依然として手放しで楽観をしておられるわけであります。そこで、今伺った六月の財政揚超におけるところの政府の金融対策を一体どうされるか、大臣にお伺いしておきたいと思います。
#16
○水田国務大臣 政府の揚超があるというときには、これを緩和する金融政策というものが自然にあっていいことでありまして、どういう方式でこの緩和をやるかということは、私どもの方にも意見がございますし、日銀側にしても、十分これに対処する意見を持っているわけでございますので、おのずからこれは善処されると思います。
#17
○堀委員 ただいまおっしゃった政府の意見を一つお伺いいたします。
#18
○水田国務大臣 私どもの意見は、通貨供給方策として、単純な方策でなくていいという考えがございますので、供給方策としてはいろいろ考えられると思っております。
#19
○堀委員 お答えは非常に抽象的で、いろいろとおっしゃいますから、そのいろいろを一つ項目的に伺っておきたいと思います。
#20
○水田国務大臣 大蔵省の指導ということと日銀の権限でやるべきことがございますので、私どもは、こうせい、ああせいという印象を与えないように今いろいろ申しているのでございますが、それに成長政策をとっている以上は、資金の円滑な供給ということは政策の前提条件でございますので、この資金の円滑な供給をするための通貨供給方式というものは、今後はいろいろ構想を持たなければならぬと思いますし、私どもも貸し出し一本の方式だけを考えていないということでございますから、大体御想像はつくと思います。
#21
○堀委員 どうしてもおっしゃいませんから、私の方から伺いますけれども、貸し出し一本にたよらないということは、マーケット・オペレーションが行なわれることを期待すると理解してよろしゅうございますか。
#22
○水田国務大臣 必要があれば、期待さるべきものだと思います。
#23
○堀委員 前段で通貨の供給ば必要であるとお答えになったわけでありますから、そうすると、必要があれば期待するということは、三段論法になりますけれども、六月の揚超時期においてはマーケット・オペレーションを期待するということになると、これは、私は、今後の設備投資の問題について、六月にマーケット・オペレーションをやるのに、四月に金融の窓口引き締めをやるということは、非常に矛盾が出てくると思うのでありますが、一体この間の矛盾をどう御理解になりますか。
#24
○水田国務大臣 不必要な設備投資は避けたいというためのいろいろな配慮は必要であると思います。しかし、それとは無関係に、揚超というような新たな事態に際して資金の円滑な供給ということは、これはまた別の問題でございますので、矛盾はないと思います。
#25
○堀委員 そうすると、大体皆さん方のお考えというものは、成長政策をとっている以上は、資金面では政府としてはできるだけ供給をするんだ、こういうことがただいままでの論議の中で明らかになったわけでありますけれども、これは今の日銀の窓口規制をしておられる部分を、政府の方針としては、今もちろん、不急のものだ、こうおつしゃいますけれども、不急の認定というものは私は非常に困難だと思うのであります。窓口で規制するものは資金量全体の関連になるわけでありますから、それが各銀行を通じて個々の企業との間につながっていく場合に、私は今のような形だけではなかなかほんとうの問題の処理はできないと判断をしておるのでありますが、大臣は、しかしそれで不急不要のものはコントロールできるんだ。ここに大臣と私の見解の相違があると思うのであります。私どもは、当然さらに一歩前進した行政指導によって、設備投資は少なくとも本年度の経済見通しのバランス上に立った程度のコントロールがさるべきであると思うのでありますが、設備投資の方は、今の経済見通しよりもずっと前へいって、国際収支の方は経済見通しよりもうしろへ下がってくる、こういうような大きなギャップが現在出ておる時期における政府の金融指導のあり方としては、私はきわめて楽観的に過ぎるという感じがするわけであります。
 そこで重ねてお伺いをいたしますけれども、最近のこういう状況の中で、皆さんの方は、国際収支につきましては、上半期の見通しとして、経常取引、輸出が二十億七千万ドル、貿易外受け取りが三億七千万ドル、受け取り合計が二十四億四千万ドル、輸入が二十一億二千万ドル、貿易外支払いが四億一千万ドル、支払い合計が二十五億三千万ドルで、経常収支じりは九千万ドルの赤字になる、こういうふうな見通しを政府の方では立てられておるようでありますが、現在の時においても、このように経常収支において九千万ドル程度の赤字では、四月の信用状開設状況からすると済まないのではないかと思いますがこれの見通しは一体どうでしょうか。
#26
○水田国務大臣 三十五年度を見ますと、私どもは経常収支で一億二千万ドルの黒字を予定をいたしましたが、実際は七千万ドルの赤字になりまして、資本取引におきましてはやはり若干の狂いを生じておりますが、総合収支じりの見通しは三十五年度は千万ドル程度、私どもの見通しよりも総合収支はよかったということで、大体見込み違いがなかったということになります。しかし、中身の見方においては三十五年度において相当の食い違いを示しましたので、この食い違いの原因というものが三十六年度にも引き続いてその原因が見られますから、当初私どもの見た経常収支じりの九千万ドルというものも、私は相当実際には狂ってくるのではないかと思いますが、まだこの四月から出発したばかりでございますので、現在この見込みをどう直すかというようなところへはいっておりませんが、三十五年の継続の傾向から見まして、ある程度これは狂うのではないかと思っております。
#27
○堀委員 以上のように、大体国際収支の面で見ますと、国際収支は赤信号、それから卸売物価の騰貴、これは、生産財の値上がりを中心として、設備投資に基づくところの需要過多ということで、これも赤信号、金融の面で見れば、三月末は異常なコール高を生じておるというようなことで、あらゆる面で見て、日本経済というものは、皆さん方が言われる成長政策がやや前へ行き過ぎておる、こういう判断をするわけです。
 そこで、この問題に関連をして、もう一つ伺っておきたいことは、数日来外資法の取り扱いの変更の部分が伝えられておるわけでありますが、これは一体どういう取り扱いによって現在の二年据え置き、三年分割送金というものを二年据え置きだけにするとか、あるいは非居住者資本円勘定の振りかえを認めるとかいうことは、法律的にはどういう項目との関連で行なわれているのか、ちょっとこれを伺っておきたいと思います。
#28
○賀屋政府委員 御承知のように、外資法が昭和二十四年に制定せられました最初の目的と申しますか、これは、当時外資を導入いたしますためには、送金保証ということがなければなかなか入りにくい。つまり、日本で資本を投下して、いろいろ事業をやってもうけたといたしましても、円でもうけるだけであって、外貨でそれを自国の通貨に還元するという方法が保証されない限りは、なかなか外資は導入しにくい、こういう声が外国投資家の中にも強かったのみならず、日本でもその必要を感じまして、そこで外資法を作りまして、一般の為替管理法のいわば例外法と申しますか、為替管理法は対外送金をそのつどそのときの国際収支の状況とにらみ合わせて許可していく、こういう方針でございますが、外資法におきましては、一たんその外資が入って参りますときに、これは日本の経済にとっていい外資であるという認定を認可の形でいたしますれば、その外資が入りまして国内で利潤を上げた場合その送金ができる、こういう一々為替管理法の許可が必要でないという方策を考えたわけでございます。
 そこで、この外資法におきましてその取り扱いをどういうふうにきめたかと申しますと、御承知の通り、たとい一たん入ります場合にいい外資であるといっても、引き揚げたいというときに一挙に引き揚げられては、日本の経済にとって国際収支に対しても大きな影響があるということで、ある程度の期間は日本の経済に貢献してもらいたい、それから、いざ出ていく場合におきましても、一挙に引き揚げられるということでなしに、分割をして引き揚げてもらいたい、こういうことから、外資法の大原則は、株式投資の場合におきましては二年据え置く、つまり外国投資家が株を買いましてからすぐ売ったのでは、その売上代金はドルにはかえられない、とにかく二年以上は持ってもらいたい、二年以上持っていてこれを売った場合には、その売上金は五分の一ずつ五年間に分けて送ることを保証しよう、こういうのが外資法で考えたことであります。
 ところで、御承知のように、昨年の六月からこの五年据え置きというのはあまりに長過ぎるという声が内外に起こりまして、これを、為替の自由化も進んでいく際であるから、もう少し短縮したらどうかという意見が強くなりまして、これを三年に短縮いたしたわけでございます。それでは外資法の改正が必要ではないか、こういうお考えが当然起こると思いますが、外資法は、ただいま申しましたように、保証をするという意味合いにおきまして、最小限度と申しますか、これだけのワクの範囲内で保証をしようという限度をきめておるわけでございます。最近のように、国際収支の状況と申しますか、外貨準備が非常にふえて参りましたので、日本政府が積極的にその保証をするのが五年の分割送金であるが、その中で外貨事情がいいので特に短かく許す、為替管理法の運用で、為替管理法上の許可でもってさらにこれを三年に縮めて許可するということは一向差しつかえないのではないかということで、あえて法律の改正をしないで、為替管理法の許可といたしまして、外資法の保証しておる範囲内で特にさらに有利な送金を認めるということにいたしたのでございます。それが昨年の六月の措置でございます。今回も、その後引き続き為替面の自由化は順調に進んで参りました。ただし、大部分と申しますか、ほとんどが経常取引面における自由化でございます。御承知の通り、雑送金の緩和でありますとか、あるいは海外渡航の面におきまして、あるいは商社の外貨保有あるいは銀行の融資面における制限、そういったものを徐々に撤廃して参りました。これはいずれも為替の経常取引面における自由化でございまして、それ以後資本取引面における自由化を様子を見ておったのであります。年度も改まりまして、昨年六月にその措置をとりまして以来もう一年近くにもなりましたので、この際、昨年の例にならいまして、法律の改正によらず、為替管理法の運用によりまして、三年据え置きという点を撤廃いたしまして、二年引き続き持っておりますれば、それを売却した売却代金の円は一括して送金できる、こういう取り扱いにいたすことにしたわけであります。
#29
○堀委員 きょうはちょっと私時間がありませんから、次の機会にもう少し詳しく伺いますけれども、この資本取引の問題については、今のADR等に伴うところのそういう資金の動きだけではなくて、すべてが二年据え置けばあとはフリーだ、三年の問題はもう特定のそういうものではなくて、資本取引なりどれにも通用する、こういうふうに理解してよろしいわけでしょうか。
#30
○賀屋政府委員 ただいま申し上げましたのは、主として株式について申し上げたわけでございます。それから、社債につきましては、従来の取り扱いが償還期まで五年以上のものだけにしか投資できない、そうしてその償還期間が過ぎますれば一ぺんに送れる、こういう取り扱いにいたしておりましたのを、今度は、為替管理法の運用によって、二年間持っておれば、償還金であろうが売却金であろうが送れることにするということでございます。そのほか、資本取引の面におきまして、投資の形といたしましては例は少ないのでありますが、証券投資信託でありますとか、貸付信託もございますが、貸付信託の方は社債に準じた扱い、それから証券信託の方は株式に準じた扱いにする、こういうことにいたしております。
#31
○堀委員 そうすると、そこはわかりましたけれども、その次に、非居住者資本円勘定の振替ができるようになるというように伝えられておりますが、その点はどうなんでしょうか。
#32
○賀屋政府委員 従来、為替管理法に基づきまして、非居住者の特殊の預金勘定といたしまして、非居住者円預金勘定という制度があったのでございます。これは別段その残高について送金を認めるとか、あるいは振替を認めるとかいう措置は全然なく、完全に封鎖せられた勘定であったわけでございまして、この勘定に入るものは、ただ証券を売った売却代金に限らない。その他いろいろなものが出し入れされておったわけであります。たとえば非居住者が一定の滞在費に使うということもありましたし、場合によっては動産等の売却代金も入るということになっておったわけでございます。こういった勘定のうちから一つ区分いたしまして、為替の自由化の一環といたしまして、御承知のように昨年の七月自由円預金勘定というものを創設いたしまして、いつでもドルに交換できる勘定、ドルと同じ扱いにするという勘定を作ったわけでございます。従ってその方に出ていったものはいつでもドルに交換できる。しかし残ったものについては依然としてそのまま封鎖される。しかし、この勘定につきまして、為替の自由化のワン・ステップといたしまして、このたび新しくこれに振替性を認めよう――一挙に全部に対して交換性を与えるというのは多少行き過ぎでございますが、その前ぶれといたしまして、とりあえず振替性を与えておくというのが今回の改正の趣旨でございまして、よく新聞等にも証券との関係を云々されておりますが、イギリス等のいわゆる証券ポンドの制度、これは純粋に証券取引のみについての勘定でございます。私どもの今度の振替性を与えました非居住者円勘定と申しますのは、必ずしも証券取引のみではなくて、もっと広い取引に使われておる預金勘定でございまして、これについて為替自由化の一歩前進という意味で振替性を与えたわけでございます。その結果いわゆる証券円的な働きをするということも期待できるわけでございますが、主たるねらいはそういったものであるわけでございます。
#33
○堀委員 実は、この前、昨年の十月ごろでございましたか、ADRが問題になりましたときに、私、大蔵大臣に、証券円の取り扱いについてはどうか、ADRは今のままでは無理ではないかとお話ししましたら、ADRはこのままでございます。証券円はやりませんということを、水田さんははっきりここでお答えになったのですが、今度は証券金以上の幅の問題に踏み切られたわけですが、それのよって来たる理由は一体何ですか。池田さんがアメリカに行く手みやげだというようなことでは、われわれはどうも感心したものではないと思うのでありますし、さらにまた、もう一つ問題になりますのは、実は証券市場がそうでなくても今異常な動きを示しておる時期に、このような処理をされることによって、私は証券市場がさらに異常な高さになるのではないかと思う。そういうこと自体は、やはり設備投資に関連して、膨張的な要素というものの一つになるという点で、この処理が今行なわれたことについては、ちょうど金利引き下げと同じように、経済的な客観的情勢から見ると必ずしも望ましくないのではないかという感じがしておるのですが、この点について一つ大蔵大臣からお聞きしたいと思います。
#34
○水田国務大臣 為替取引の自由化については、昨年政府が大綱をきめましたそのプログラム通りに、実は三十五年度に予定されてあったものはほとんど全部やってしまった、こういうことでございますので、この次に私は資本取引の自由化の問題にプログラムとして入っていこうということを最初から考えておりましたので、今度のとられた措置については、今卒然としてとったわけではございませんで、当時から一つのプログラムとしてわれわれは検討しておったものでございます。それで、ADRの問題が出ましたが、そのために証券円というようなものをやる考えはないと答弁したわけでございますが、そのとき私どもの考えておりましたのは、証券円のためではなくて、全体としてこの資本取引の自由化ということについて政府はもう一歩前進しょうという考えを持っておったから、そういうときに、もっと広い立場で解決さるべき問題だというふうに考えていろいろ検討し、今度の措置をとったということでございますので、今度池田総理が渡米するから、そのみやげにやったとかいうような性質じゃございませんで、もう昨年以来私どもは次の自由化のプログラムを考えておったその一環として、手初めにまず今度の措置をとったという事情でございます。
#35
○堀委員 しかし、あのときにお答えになったお答えのニュアンスは、必ずしも今のようなものではなかった。皆さん方の方では、それはいいですけれども、どうもちょっとその点についてそれほどの先見性があったようには、あの答弁では受け取れなかったのですが、それはよろしいとして、こういうような取り扱いになると、為替相場が二本建になる可能性が出てくると思うのですが、これに対処する政府の考え方は一体どういうことですか。
#36
○賀屋政府委員 今度の措置をとりまして、はたしてどの程度利用されますか、私も数字的に確たる見通しを持っておるわけではございません。従いまして、需要供給の関係からどの程度の幅が出てくるかという点についても、数字的な見通しを持ってはおりませんが、ただ、現行の三百六十円の基準レートとは別な相場が海外において立つということは、理論的に当然考えられるわけでございまして、これを実行いたしました後の状況によりまして、はなはだしき不合理な状態が生じないように、そのときどき適切な措置をとっていきたいと考えております。
#37
○堀委員 これによりまして私ちょっと心配をいたしますのは、外資を導入すること自体は私は決して反対はしないわけでありますが、入り方が予測できないような入り方をして、これもやはりユーロー・ダラーのようなホット・マネー的にADRの格好で入ってきたものがもし非常に急速な動き方をする、いうなれば投機的な動き方をするようなことになりますと、それでなくても非常に投機的な傾向のある日本の証券の問題については、今後非常な危険が起こる可能性があるのじゃないか。株式保有高が相当高いですから、一〇%なりの中で動けるということになれば、かなりの危険がある。それが今の自由円振替勘定のようなことで、ともかくもいろいろな格好で処理ができるという道を開いたことに対して、政府側としては、これは大蔵大臣としてのお答えいただきたいのですが、証券対策について、こういった外資との関係で今後の不安はないのかどうか、一つ伺いたい。
#38
○水田国務大臣 日本の為替相場が二重になりはせぬかという御心配です。こういう送金制限緩和をやれば確かにそういう心配はありますが、やらなかった場合には、たとえばADRのような問題になってきますと、今度は日本の株式の相場もまた二重性というような問題が考えられますし、いずれにしろそういう問題はつきまとうわけでございますが、ではいつまでも壁を作っておいて、その中での安全性を保つということがいいかどうかということになりますと、そうは参りませんで、やはりこの自由化の波の中にさらされて起こり得るいろいろな事態に対して必要な手を打っていくということが、本格的な進み方の姿だと私どもは考えますので、そういうことから起こり得るいろいろな事態に対しては、あまり心配しておりません。それが起こったときに、それに対する施策を考えるよりほかないと思っております。ことに株式の問題は、何といっても株式の保有のパーセントというものは非常に少ないものでございますので、こういう措置をとることによって、そういう影響はおそらくないだろう、影響を与えるほど大きい問題ではなかろうと私は考えております。
#39
○堀委員 そこで、時間がございませんので、先を急いで本法の問題に入りたいのであります。
 これはどこでお答えいただいたらいいのかわかりませんが、今度の大阪港、堺港の開発に伴うところの所要資金は大体一千百億円余りになっておるようでありますが、この中で外債に期待しておる部分は一体幾らになるのか、これをどこでもいいからちょっとお答えいただきたいと思います。
#40
○奥野政府委員 三百五十八億余円でございます。
#41
○堀委員 その三百五十八億円、約一億ドル近いものでありますが、これを初年度として九十億円のマルク債で借り入れたいということのようでありますが、あとの見通しが一体立っておるのかどうか。三百五十八億から九十億引いた残りというものについては、私は見通しがないんじゃないかと思うのですが、これはどうでしょうか。
#42
○磯田政府委員 今回の大阪築港の外債発行の問題でございますが、先ほど奥野財政局長からお話しのように、三百五十八億、約一億ドルの外債発行を期待しておるわけであります。さしあたり本年度におきまして約九十億を期待いたしまして、あとの二百七十億に相当するものは、先方に対しましてはこれだけの外債発行を希望するということを申し入れてあります。従って、私どもといたしましては、今後先方におきまして好意的にこの問題を考えてくれるということを期待いたしておるわけでございます。なお、さしあたり発行いたします外債はドイツで発行予定いたしております。今後の情勢によりましては、スイスのマーケットとか、あるいはほかのマーケットも考えられるわけでございまして、従って、私どもといたしましては、今後の外債発行というものに対しては強い期待を持っておるわけであります。
#43
○堀委員 そうしますと、それは一応できたと仮定いたしますと、この資金計画の中で借款対象事業費が七百七十億になっておりまして、借款希望額三百五十八億になりますと、残りが四百十二億というのは、一体これはどこから資金が供給されるのですか。
#44
○奥野政府委員 工業用地の造成などにつきましては、でき上りました土地の売り払い代金などがあるわけでございます。若干は工業用水路などにつきまして一般会計から繰り入れをしようというものもございます。
#45
○堀委員 大体この埋め立てが、大阪湾でもそうでありますし、東京湾もまた埋め立てが行なわれることになって、東京でもまた外債を一つ発行したいということが新聞に伝えられておるのでありますけれども、一体この埋め立てというのは、どのくらいの単価で行なわれる見通しでこういう計算ができておるのですか。
#46
○奥野政府委員 場所によって違うわけでありますが、一万円から二万円の間のものでございます。
#47
○堀委員 大阪湾の場合は幾らですか。
#48
○奥野政府委員 場所によって違うのでございますけれども、今申し上げましたような範囲内ででき上がる予定でございます。
#49
○堀委員 そこで、この資金計画一千億円。相田膨大な計画になっておるわけであります。これは大蔵省の方にお伺いしていかないといけないのですが、今のマルクの動きですね。この前五%弱のマルクの切り上げが行なわれた。最近の様子によると、現在ドルの流入は依然としてやまない。すでに八十億ドルをこえてきておる状態であるというので、早晩マルクの切り上げが再び行なわれるのじゃないかという思惑のもとに、ドルが相当流れ込んでおるというのが現在の実情のようでありますが、今後のマルクの動きについては、政府な一体どう考えておられるか。
#50
○賀屋政府委員 今後のマルクの動きについての御質問でございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、今回の借款は相当長期にわたるものでございますので、十年、十五年という間にどういう動きをするかということは、もちろん予測はできないわけでございますが、さしあたり近い将来においてどうかという点、これにつきましても、私どもはっきりと絶対にそういうことはないという断定はもちろんできないわけでございます、ただ、いろいろな情報等から判断いたしまして、なるほど、御指摘の通り、せんだっての切り上げ以後におきましても、ホット・マネーの流入は続いております。それから、一部には、せんだっての切り上げの幅が小さかったということから、当然再度切り上げがあるのではないかというようなことも、うわさとしてはいわれておりますが、私どもの得ております情報では、ドイツの通貨当局も正式に、予見し得る近い将来において再度切り上げをすることは全く考えておらぬということを言明したと伝えられております。それからもう一つは、これは三月でございますが、御承知の国際決済銀行の月例会議というのがございまして、ここに西欧八カ国の中央銀行総裁が集まりまして、これはマルクの切り上げ直後でございますが、当時いろいろなうわさがございましたので、通貨の再調整のうわさは全く根拠がないものであるということを確認して、関係国の各中央銀行が為替市場において緊密な協力をしておるということを一般に周知徹底させる必要があるという意見が、決議といいますか、そういう話し合いがこの月例会議において行なわれたというようなことから判断いたしまして、それから、先般御承知のドイチェ・バンクのアプス頭取が参りまして、そのときの個人的な考えも聞いておりまして、そういったようなことからいろいろな判断いたしますと、近い将来に再度の引き上げがあるということはまあないと考えていいんではないかという――これは他国のとります措置でございますので、私どもがいかにないと申しましても、今回の措置そのものには御承知のように極秘裏に突然行なわれた措置でざざいますので、責任は持てないと申しますか、断言はいたしかねますが、いろいろな情報から判断いたしまして、ないのではないかというふうに私どもは見ておるわけであります。
#51
○堀委員 もちろん通貨価値の変更はあらかじめ前もって発表する国は世界にないわけでありますから、もちろん今のようなことは当然予想されることであって、しかし、客観的な情勢を見ると、ホット・マネーがどんどん入ってきてドルが非常にふえて、今のようなドイツの状態から見ると、あとに残る手は、やはりもう一回切り上げざるを得ないのではないかということに、思惑とそれとが重なり合って追い込まれていくのではないかという条件が非常に近い将来にあるのではないか、近い将来といいましても、そんなに三年も四年も先ということでなくて、あるのではないかという気持がするわけでありますが、そういうことが予想されるときに、こういう借款を行なうことになれば、非常にその間の差が、それだけのものはもうみすみす失うという格好になるわけでありますから、にする必要があるのではないかと思います。
 もう一つ私が心配なのは、東京市でかつて仏貨債でずいぶん問題が起きたように、一体今後は、こういう問題の最終的な支払いについては、この前の仏貨債ではきわめてあいまいな条件があったために意見が対立したわけでありますが、今度のマルク債についての最終的な支払い町においての通貨価値の変更の問題については、一体政府はどういう格好でこれを処理していこうというのであるか、お伺いしたい。
#52
○磯田政府委員 マルクの再切り上げあるいは通貨価値の変更の問題をどう考えるかという問題でございますが、先ほど為替局長がお答えいたしましたように、私どもといたしましては、現在の段階において、近い将来にマルクの再切り上げがあるということは期待しておりません。それから、なお今後そういう場合に対処してどういう措置をとるかという問題でございますが、私どもとしてはそういうことは予想しておりませんけれども、いずれ、この問題につきまして、先方からミッション等が参りました際には、十分そういう問題を念頭に入れて交渉いたしたいと思っております。
#53
○堀委員 念頭に置いて交渉するというようなことは一体どういうことになるのか。具体案がはっきりして、要するに為替の変動が将来起きる。これはこの前通貨価値の変更によってフランス債は非常に問題が残ったわけですが、こういうことを繰り返さないためには一体どうしたらいいのかという具体的な何か方法があります。
#54
○西原政府委員 東京都の仏貨債あるいは政府の四分利仏貨等について問題が起こりましたのは、約款の中に、幾らか、たとえばポンドにリンクするようなことを、ほかの国との関係の、何といいますか、通貨選択約款的なものがあるとかいうようなことから起こっているのではないかと思います。従いまして、いろいろな通貨で選択してもいいような外債を発行することは、将来のことを考えますと、問題を残し、紛糾の原因を作ることになります。今度の場合はマルクとの関係だけでございますから、そういう意味でそういうことはないようになる、私どもはそう考えております。
#55
○堀委員 マルクの動き、日本の円の動きが、三十年の長きにわたっておることでございますから、現在予測をされないわけでございますけれども、少なくとも、きょうはちょっと時間がありませんから、二十五日にさらに引き続きもう少しやりますが、この利子の見通しは一体どのくらいに考えておりますか。
#56
○磯田政府委員 利子がどの程度になるかという御質問でございますが、最近までドイツで発行されました外債の例で見ますと、大体応募者利回りが六%前後で出ているのが多いようでございます。しかし、はたして、そういう条件でできるかどうかという問題は、今後の交渉いかんにかかるわけでございます。また、最近、御承知のように、ドイツは昨年の十一月に公定歩合の引き下げをいたしまして、相次いでまたことしの一月ころ公定歩合の引き下げをいたしました。公定歩合が昨年の十一月においても五%であったものが今三・五%に下がっております。一方、外債市場におきます金利というものは、ポンド市場は必ずしもそれに相応してよくなっておりませんけれども、漸進的によくなる情勢を示しておるのでございまして、こういうドイツにおけるマーケットの状況等を十分勘案いたしまして、できるだけ有利な条件をもって交渉するという以外に、今のところお答えの仕方がないと思います。ただ、従来の例から申しますと、ドイツにおける外債の例というものは、大体応募者利回り六%前後ということになっております。
#57
○堀委員 それに関連してちょっと伺っておきたいのですが、電電債がいつでしたか最近発行されましたね、千五百万ドル、これの利回りは一体幾らになっておりますか。
#58
○磯田政府委員 電電債は、今電電からミッションが行きまして、ニューヨークで交渉しておる最中でございます。大体今の予定では、来月の上旬ころまでには調印を見るという運びで事務を進めておるわけでございます。従って、現在の段階におきまして、目下御質問の利息の点と申しますか、条件を交渉しておる最中でございます。従いまして、今の段階では、私どもといたしましては、どういうところに条件が移るかということはお答えいたしかねる、これは調印の日に初めてきまるというのが実情でございます。
#59
○堀委員 調印の日はいつですか。
#60
○磯田政府委員 来月の上旬を予定いたしております。
#61
○堀委員 まだ国会中ですから、そのときにまた伺いますが、私どもが聞いております範囲では、見ておる範囲では、どうも七・三七五%ぐらいになるのではないかということも一部伝えられておるわけであります。そういたしますと、電電債の、国内債の公社債ですか、これよりは高くなる。要するに、外資導入というものは、安い資本を入れたいということになっておるにかかわらず、逆に高いものを入れてくるということになる可能性がある。皆さんの方ではまだそんなことはわかりませんと言えばそれまでですから、きょうは触れません。追ってそのきまったときに、それ以後の機会に、またこれは郵政省も一つ来ていただいて、ちょっとこれは問題がありますので、詳しく一ぺん検討させていただきたいと思います。
 ちょっとその次に伺っておきたいのは、銀行局に――開発銀行の電力に対する融資の率は幾らですか。
#62
○石野政府委員 開銀の電力に対する融資の金利は六分五厘でございます。
#63
○堀委員 開銀債については、昨年でしたか、ことしの春でしたか、出すことについてお聞きをいたしたわけでございますが、今の電電債の見通しが七%を上回るというようなことになってくると、開銀債は、これは大体電力引き当てとして考えられておこったように思うのでありますが、この問題については、一体これまた逆ざやになってくるということになると、非常に妙なことになると思いますが、これについて今交渉をしておるのか、その見通し等は一体どうなっておるのですか。
#64
○石野政府委員 法案を通していただいて、交渉ができる態勢にはなったわけでございますが、一方先ほどのお話の中にございました電電債の方の外債が話が進んでおりますので、まだ本格的な交渉に入るというようなことにはなっておりません。今お話しの金利の問題でございますけれども、もちろんこれはまだそういう意味で具体的な話になっておりませんので、今から必ずそういうふうにするときめておるということじゃございませんけれども、考え方といたしましては、電力債を外債で発行いたしました場合に、逆ざやで六分五厘で貸すというようなことでなくて、やはり資金調達のコストを考えまして、そのときには金利を、そういうことで調達いたしました資金の貸し出しについてはコストも考えてきめるというなことに相なると思います。
#65
○堀委員 そうすると、今度私問題が起きてくると思うのは、金利引き下げというのは、大体が貸出金利を下げていこうというのが問題になっていた。ところが、外債を受けるために外債の方が高くなってくると、逆向けに国内の開銀の融資率が上がってくる。金利引き下げというものが外債との関係で逆になるという点がちょっと私一つ題問があると思うことと、もう一つ伺っておきたいことは、ユーロー・ダラーの流入が依然としてあるわけですけれども、たとえば東京銀行なら東京銀行におけるドル勘定、ドル預金といいますか、ドル預金の金利については何らかの国内の金利関係との間の関連があるのかどうか、ちょっと承っておきたいと思います。
#66
○石野政府委員 最初の部分についてまずお答えいたしますが、これは、電力資金をどういう形で調達するか、電力資金全体をどういう形でどういう金利のもので調達するかという問題でございまして、開銀の六分五厘の金利の資金がどの程度必要かということでございますが、これは社債で調達する部分も開銀の資金よりはるかに多い金額でございます。従いまして、全体の資金調達の中で六分五厘のものが幾らあるかということでございまして、それが百億の金がどうなるかということで、非常に大きな経理に対する影響ということでもないわけでございまして、従いまして、外債に依存する部分というのは、その六分五厘で開銀が融資する部分が振りかわるということでなくて、日本の国内での社債を発行するそういうものが振りかわったというふうに考えてもいいわけでございますから、そういう意味では、外債が発行になるから直ちにそういう意味で金利が高くなるということには相ならないというふうに考えていただいていいと思います。
 あとの部分につきましては、大体ユーロー・ダラー等の金利につきましては現在五分前後というようなところでとられておるようでございますが、これにつきましては、その市場その市場の金利というものが働くわけでございますから、そういう意味におきましては、国内の金利とは一応関係はないわけでございます。
#67
○堀委員 時間がありませんから、これは、今の電電債がきまったときにもう一ぺんそのところを、少し今の答弁で私納得できませんので、伺います。
 それでは、大臣にちょっとここでこの大阪湾の埋め立て等の問題については政府としての見解を伺っておきたいのですが、これは二十五日に企画庁長官に来てもらってやりますけれども、大体皆さんの方は、今度の所得倍増計画の中では、所得格差というものを減らしていきたいのだということを盛んに予算委員会でも言っておられたわけですけれども、現実には、実は大阪なりそれから東京周辺なり名古屋周辺、北九州というようなところに今の設備投資は非常に集中をいたしております。企画庁の調べによりましても、大体これらの四大工業地帯とその周辺で、今度の一兆幾らの調査をされた中の七五%くらいが集中をしておるというふうに伝えられておるわけですが、さらにこういうふうにして大阪湾なりこれをどんどん広げていく一あとでちょっと運輸省に来ていただいておりますから伺いますけれども、あそこには今度阪神防潮堤というものを作ってその内側を埋め立てるというようなことが、大阪の方の経済界では盛んに要望されておる。一体皆さんの考えておられる所得倍増計画の中の地方分散をしたいという工業立地の関係と今やられておることとは、完全に私は逆だと思うのです。今の設備投資との関係等で私非常に問題がある。特に大阪湾については、工業用水が非常に実は問題になって、枯渇をしておるわけです。これはこの間商工委員会でかなりこまかい議論をしましたからここではやりませんけれども、もう淀川水系の緊急水利ではほとんど困難な状態にきておる。さらに琵琶湖開発をやるとすれば、何千億という新規投資が要るという段階にきておるときに、どんどん自治体がそんなことをやって、それを認める、資金も外債でやるんだ――外債が入ることはけっこうです。しかし外債だけでいかないでしょう。いろいろなことでどんどんこういうことをやっていっていいのかどうか。皆さんの考えておられることとやっておられることとは違うんじゃないかと思いますが、大蔵大臣どうでしょう。
#68
○水田国務大臣 工場の地方分散化、それによる地域格差の解消ということは、方針は方針として私どもは今後貫いていくつもりでございますが、それとは別に、また一定の現在の工場地帯をさらに整備し強化することによって、国際競争力が特に著しく増すというようなことについては、現在の地帯を中心にして拡充していくという政策もあわせてやる必要があろうと思います。特に今問題になっておりますのは、いわゆるコンビナートの問題でございまして、一工場が独立して経営するということほどむだなものはない、数工場が同一地帯で全部連携して、一切の資材をむだにしないし、そうして隣接して全体計画を作ることによって日本のコストは著しく下がるんだということを中心とした計画というものも現に今進んでおりますので、それはそれとしての計画を並行してやっていく必要があろうと思いますので、従って、こういう計画も進めると同時に、そとれ関係なく、独立して地方へ行っても問題のないというような工場をどんどん地方に分散さしていくという政策もあわせてとるべきものだろうと考えております。
#69
○堀委員 今のは私全然ナンセンスだと思う。方針は方針としてある。額へ書いて張っておきましょう。しかし、それは額へ張っておくだけだから、われわれは合理的にできるところから一番やりましょう。なるほど、資本主義の原則から見ましたら、今離れたところヘコンビナートを一つぽんと置くよりは、それは消費地に近いところに置くのが一番有利にきまっておる。消費地に一番近いところ、そうしてともかくもそこの土地造成がこういう格好で地方自治体がどんどんとやってくれて、できればそれに越したことはないですけれども、あなたのおっしゃるようなことを言ておる限り、所得格差というものが縮まる可能性は全然ないのであって、それを少しドラスティックにやらない限り、これは変なこういう勾配になるのは明らかです。現在ですら非常な所得の格差がある。大体所得の状態は、住民一人当たりの分配平均所得を見ると、京浜地区一六九、阪神一四九、中京一二四、北九州一一二と、こういうことになっておるのですけれども、ともかく東北へいくと七八、北九州を除く九州は七三・一、実際には三分の一くらいしかないのです。だから、所得倍増計画というものの基本は、何にしてもある程度ならしていくということにならない限りいかぬということは、あなた方何回も答弁しておられるけれども、実際にはそういうことをやろうとするような努力は実は見られぬのです。これでは私今後非常に問題があると思う。なるほど、大阪市なりあるいは大阪府なり堺市なりというところは、地方自治体としても財政力も豊かでありましょうし、そういうところがやることについては政府は非常に積極的にやる。しかし、ほかのところでそういうことをやりたいときに政府は一体どうするのか。自治省あたりはこれを一体どう考えておりますか。よその方ではこういうことが起こる可能性がないのですか。東京、大阪とか名古屋だから外債を受けてやれるけれども、それ以外の、さっきちょっと私が触れたいわゆる後進地域は一体どうなりますか。そういうめんどうをあなた方自治省で見ますか。
#70
○奥野政府委員 自治省といたしましても、後進地域の開発を促進するということにつきましては、強い関心を持っておるわけでございます。また、そういう意味におきまして、後進地域の立地条件を整備しやすいようにということで、今回後進地域開発促進のための公共事業費国庫負担の特例に関する法律案を国会に提出いたしておるわけでございます。従いまして、後進地域におきましても同様な計画ができ上がって参りまして、またそれにつきまして政府としても援助し得るようないろいろな態勢が出て参りました場合には、積極的に協力して参りたい、こういう気持を強く持っておるわけでございます。
#71
○堀委員 時間がありませんから、後に運輸省に伺いたいのでありますが、現在、阪神防波堤の問題については、私ちょっとこの商工で聞きましたが、課長がお見えになって、よくわからなかったのです。二千万円の調査費を組まれている、浚渫船として四億五千万円の予算が組まれておる、こういうことでありますが、この浚渫船の四億五千万円と阪神防潮堤は可分なのか不可分なのか、この点をちょっと伺いたい。
#72
○中道政府委員 阪神防波堤の問題でございますが、御承知のように、神戸なり大阪、堺等の阪神地区の港湾が年々発展をして参りますと同時に、施設が狭隘を告げて参りますので、それに対する施設計画を五カ年計画といたしましていたしておるわけでございます。一方で阪神地区は御承知のように非常に災害を受ける可能性が多いところでございますので、それらの災害を防止するという問題、また港湾全体としての能率的な施設整備、あるいは管理運営というような観点から、阪神地区については、ここに防波堤を建造することによってこれらの目的を達成できるのじゃないか。これは、実はもともと昔からこの計画があったわけでございますが、最近のような情勢に対しまして、こういった計画が地方でも強く要請されておりますので、運輸省といたしましても、この問題については徹底的に一つ調査をしょう、こういう段階に至っておるわけでございます。
 そこで、お話の浚渫船の問題でございますが、阪神地区、特に防波堤の予定地、あるいはその他の地区におきましては、地盤が割合によくないところが多いのであります。しかし、ある程度の水深以下になりますと、埋め立てに利用できるような砂質土が取れるということがわかっておりますので、そういった土砂を利用して、防波堤の建造の基礎を作るなり、あるいは土地造成を行なう、そういうような意味合いにおきまして、それに適当した浚渫船を考える。これは、現在の港湾計画におきましても、埠頭計画等において相当の土地造成を行なわなければ埠頭地帯ができないわけであります。そういう意味で、今神戸市あたりでは山土を持ってきて埋め立てをする計画をしております。しかし、必ずしもそれだけでは十分ではないので、あるいはコスト高になる面もあるかもしれない。そこで、そういう海底から土砂を比較的安価に射出することができれば非常に港湾計画の推進上役に立つ、こういう意味で、実は今までの浚渫船と違いまして、深いところから良質の土砂を取ろうという一つの新しい試みといたしまして、これは過去相当実は検討、研究して参ったわけでありますが、今回そういう意味でこの浚渫船の建造に取りかかろう、こういうことでございますので、さしあたり今の港湾五カ年計画そのものにこれを利用しょう、こういうふうに考えておるわけでございます。
#73
○堀委員 そうすると、この四億五千万円による浚渫船と阪神防潮堤とは一体のものとして考えなくてもいいということですね。
#74
○中道政府委員 さようでございます。
#75
○堀委員 次に、この防潮堤の見通し――調査費をお組みになったことですから、なかなかそう簡単に今結論は出ないと思うのですが、順調に進んだとしたら一体いつごろになるのですか。可能性があるのかないのか。私は、あそこは相当深くて、実は技術的な問題としてもちょっと問題があろうかという判断をしておるのですが、その点についてはどうでしょうか。
#76
○中道政府委員 実はその点が一番問題でございます。計画自体としては先ほど申しましたようないろいろな意味があるわけでございますが、これがはたして合理的に実現できるかどうか。これについては技術的な検討が一番重要なものになる。従いまして、これも実は昨年来いろいろな方面から技術研究をやっております。しかしまだ十分でございませんので、今後もこの調査費を利用いたしまして十分な検討をいたして参りたい。しかし、何と申しましてもこういったような計画は実現できるというふうに考えておりますので、これを合理的に建設したいと考えております。今お話しのどれくらいでできるかということでございますが、一応五年かあるいは六、七年くらいでやれたらどうかと考えておる段階でございます。
#77
○堀委員 私が実は心配しますのは、防潮堤が防潮堤としてだけできるのならば問題は少ないと思っておるのですが、防潮堤ができると、内側を埋めたいということが次に起こってくる。そういたしますと、これは非常に重大なことが起こってくるわけです。そこで港湾の方の立場で伺っておきたいのですが、両へりが今埋め立てられつつある。堺、大阪の側と神戸の側をだんだん埋め立てる。だんだんまん中のところが少しへこんでくる格好になります。こういう場合に港湾の立場から高潮その他で危険だと称する説もあるわけですが、皆さん側の方の判断としては、両側が埋め立ててくれば、防潮堤がない限りは、まん中を、埋め立ててみても、まん中における被害というものはそう変わらないのじゃないかと私は思うのですが、そこはいかがですか。
#78
○中道政府委員 両側を今埋め立てております。今お話しのように、防潮堤の目的の一つに、高潮を防御する。土地造成をやりますためにも、そういった第一線の防波堤がありまして、それによって台風のエネルギーをそこで押える。それから、土地造成といたしましても、あるいは工場敷地だけでなくて、港湾施設もそこにもちろん作るわけでございます。あるいは都市計画等も行なわれる。そういたしますと、その防波堤の内部にやはり水域を設けまして、そこに本船がつけるというような施設もできてくるわけでございます。従いまして、それらの全体を総合的に勘案いたしまして、最もいい計画をその中に立てようというのがわれわれのねらいでございまして、そういった意味で調査を続ける、こういうふうな行き方でございます。
#79
○堀委員 私の伺い方がちょっと悪かったのですが、今両わきを埋め立てますね。そうすると、高潮になったらまん中があぶないから、まん中も埋め立てなければならないという議論が一つあるわけです。それと防潮堤の問題と今二つ出ているわけですが、もし防潮堤が技術的に非常に因難でできないと仮定をした場合に、あなた方港湾の側から見ると、両側が埋め立てられて、まん中が引っ込んでできた場合は、内部の方が高潮の際に非常に危険だというような意見をとられるかどうか。私は、事実上の問題として、それは、奥に入ってくれば、その奥の部分というものがある程度幅が狭められた格好で問題が起こると思うのです。しかし、実際は両わきを埋め立ててもそんなに高いものじゃないから、まん中の部分にそんなに大きな影響が集中するものじゃない、両わきが高いものであれば別ですが、今の海岸埋め立てではそんなに高いものができるはずはないのですから、その点はあまり大した被害はないのじゃないかと思いますが、海湾の側として見たらどうお考えですか。
#80
○中道政府委員 先ほどの御説明がピントをはずれておりましたが、今のお話は、たとえばらっぱ状に両側が狭められておる場合に、奥の方が非常に大きな被害を受けるのじゃないかということだと思います。御承知のように、名古屋のようなああいった形になりますと、やはりそういう影響があると思います。しかし、今の場合非常に海岸線が平べったく長いものですから、必らずしもそういった影響が強いかどうか――それほどでないかもしれません。ただ局部的にはそういった現象も起こるかもしれません。しかし、湾曲して参りますと、全体に一直線の平べったいところよりはそういった影響が多少起こるのじゃないか。そういう意味から言いましても、防潮堤なりあるいは埋立地の防壁、そういったものの考慮はやはり必要だと思います。
#81
○堀委員 以上で終わります。
#82
○足立委員長 安井委員。
#83
○安井(吉)委員 初めに、この大阪湾及び堺港総合整備事業計画の外債に関する問題につきましてちょっと申し上げたいと思うのですが、私どもが今までにいただいている資料は、政府の提案理由の説明、この三ページのものだけなんです。大体この裏業主体がだれで、どういう事業計画で、どういう借款の内容を持つのかということについての資料は一切いただいておりません。これはいささか不親切な態度ではないかと思うのです。これはもうこの事案だけについて言うわけじゃなしに、今までもこちらから要求しなければ資料をお出しにならない、そういう態度であったのじゃないかと思うのですが、一つこれを契機として、政府並びに委員長においてぜひ善処をして、出していただきたいわけです。この審議は次に続くそうですが、全体的な事業計画、さらにまた、ただいまも質疑の中で若干は明らかになったわけでございますが、借款のいろいろの条件とか一応の見通し、そういうものについての資料をぜひこの次にお出しをいただきたいと思います。
 そこで、きょうは、この外債導入に関する形式的ないろいろな問題につきまして、いろいろな問題といっても時間がありませんから、ごく簡単に一つ伺いたいと思うわけであります。
 まず初めに、一体どういうふうな意図で今度の外債導入計画が計画されたのかということです。つまり、国内で地方債についての資金調達の資金源が非常に枯渇して乏しいから、外債に持っていかなければいけなかったのか、あるいはまた資金コストがごく安いからそちらの方に飛びついていかなければいけなかったのか、それともまた別な条件があったのか、その点からまずお伺いいたしたいと思います。
#84
○奥野政府委員 御承知のように地方債計画全体が二千億円でございます。そういうことから考えて参りますと、特に大阪港及び堺港を中心としてこれだけの資金を投入していくということになって参りますと、かなり無理が起こるわけでございます。しかし、無理があるからといって、不利な条件で外債を入れるというような考え方は毛頭ないわけでございます。ぜひ有利な条一件でこれだけの資金を確保したいという考え方に立っておるわけでございます。そういう希望のもとに、外債を地元の団体といたしましても自治省としても計画いたしておるわけでございます。
#85
○安井(吉)委員 そういたしますと、当初の政府の財政投融計画、その中に地方債の計画があったわけでありますが、ことしは九十億円ですか、これはそのワク外なんですか、それともワクの中なんですか。
#86
○奥野政府委員 ワク外でございます。
#87
○安井(吉)委員 そういうことになりますと、結局、これからあとも、外債というような問題が地方公共団体に提起されるといたしますと、そういうものがワク外でどんどんどんどんふえていく、そう理解していいわけですか。
#88
○奥野政府委員 適当な事業があり、有利な条件で相当な資金が導入できるというような場合には、ワク外でそれらの画計の達成に自治省としては努力していきたいという考えでおるわけでございます。
#89
○安井(吉)委員 そういうことになりますと、結局、当初財政投融資計画といったような、もっともらしいような形を作って、一応全体的な規制をしようというふうな考え方が――私はそれがいいからそうすべきだというわけじゃありませんけれども、そういうようなものが一応今のお答えの中では意味がなくなってしまうような気がするわけです。全体的な計画というものがこわれてしまう。だから、将来とも、地方公共団体の地方債というものは、上からワクをきめて規制していくというふうな考え方を、もちろんこれを放棄されるというのならいいわけです。もっともそういうふうな希望もずいぶん多いわけですから、そういうふうなところまで踏み切るお気持を持って今度のような措置に出られたのか、その点についてもう少し伺いたいと思います。
#90
○奥野政府委員 地方債計画を続けます場合には、国内で調達できます資金の限度の問題と、地方団体が必要といたしておりまする事業資金、両面からきまって参る問題であろう、こう考えておるわけであります。外債の問題は、そう簡単に適当なものを見つけることができるとは思わないわけでございます。また、外債ということになりますと、相当規模の大きな事業ということになってくるだろうと思いますので、政府としてもぜひ協力をしていかなければならない、大規模な事業があり、しかもまた有利な条件で外債を導入できるというようなものにつきましては、積極的に協力したい、しかしそういうものはざらにあるわけのものではない、かように考えておるわけでございます。
#91
○安井(吉)委員 そこまでいきましたら、たとえば地方公営企業等の起債はもうワクははずすのだというようなところまで――それが一応当面の措置として現在は規制されたままになっておるわけですが、そういうようなものもこの際全部ワクを払ってしまう、そういうようなところまで踏み切るような段階にまできているように思うのですが、その点いかがですか。
#92
○奥野政府委員 公営企業でありましても、地方債の許可制度をはずすという考え方はございません。やはり究極的には地方団体の財政負担に帰着するものでざいます。同時にまた、地方債の許可制度を通じまして、それぞれの資金を必要なところに適正に配分していきたいという考え方を持っておるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、特に許可制度をはずすというような考え方は持っていないわけでございます。
#93
○安井(吉)委員 大蔵省の方では、今の地方債、の全体的な規制といいますか、ワクをもって措置していくというふうな問題につきまして、今度のこの借款の問題を含めてどういうふうなお考えを持ち、将来どういうふうな方向で進めて参りたいというお考えを持っておられますか、その点一つ伺いたいと思います。
#94
○西原政府委員 地方債の許可と申しますか、ワクの問題でございますが、ただいま奥野さんからお話がございましたように、私どもの方といたしましても依然やはり地方債としては一つの計画をもって起債の許可というようなことを続けていくべきだというふうに考えております。今度の外債の件は、これからいたしますと少し例外的なことになるかと思いますが、外債はそう常に簡単にできるものでもございません。また、今後の取り扱いとしては、地方債計画なんかを最初から作りますときに、こういう外債が相当早くからわかるようなことにでもなりますれば、あるいはこの地方債計画に入れるべきかどうかというような点は今後検討をして参りたい、こういうふうに思います。
#95
○安井(吉)委員 これは、一つ自治省の方に伺いますが、地方財政計画の中の部分ですか、公営企業の中の部分になりますか、どちらでしょう。
#96
○奥野政府委員 公営企業ないし準公営企業に帰属するものでございます。
#97
○安井(吉)委員 今の場合を一つ特殊なケースとして扱いたいというようなことでありますが、現に、新聞で見ますと、東京都も副知事が近くヨーロッパへ行くんだそうですね。そういうようなことで新しい計画を持っているというふうな報道もありますし、それについて今自治省なり大蔵省の方とどういうふうな話し合いが行なわれているかということも一つお聞きしたいわけであります。さらにまた、そういうようなものは今後ともケース・バイ・ケースでいかれるのか、あるいはまた、一般的な原則といいますか、許可方針といいますか、そういうようなものをお持ちになって対処されるおつもりか、それを一つ伺います。
#98
○奥野政府委員 地方団体が外債ででもよいから多量の資金を導入したいという希望を漏らし、あるいはまた外債に応じたいというような話があるというようなことを聞き始めましてから、十数年たっているわけであります。これが初めて具体化したケースでございます。東京都におきましても、あるいは千葉県におきましても、なかなか規模の大きな仕事をやっておるわけでございまして、有利な条件で大量の資金を確保できるなら、その事業が相当進捗できると思うのでありまして、またそのことがわが国の経済の伸展にも大きく寄与できるのではなかろうか、こう存じておるわけであります。はたしてそのようなことが可能であるかどうか、かなりむずかしい問題がたくさんあると存じておるわけであります。従いまして、将来とも、その事業の内容、さらにまたどのような条件でどの程度の資金を導入できるかというようなことと見合って検討すべき性格のもの、だろう、かように考えておるわけでございます。
#99
○安井(吉)委員 大蔵省の方一つ…。
#100
○西原政府委員 新聞なんかに東京湾とか千葉とかの話が出ておりますが、私どもの力としてはまだ直接そういう話を受けておりません。ただいまお話のございましたようなことにつきまして、各地方団体でいろいろ計画がありました場合に、それが具体的になって参りましたら、そのときにケース・バイ・ケースでいくかどうか、いろいろと検討をして参りたい。何分外債とか外貨によってやろうとなりますと、その通り資金手当ができるかどうか非常に不確かな面もございますから、早くから計画があるからといって、すぐそれを地方債計画に入れるかどうかということは、その具体化の確実性とかなんとか、そういう面を見て考えなければならない、そういうふうに考えます。
#101
○安井(吉)委員 ケース・バイ・ケースというと聞こえはいいのですが、行き当たりばったり主義というわけですね。私は、この際、こういったような問題が現に出てきた際ですから、東京がそのような問題にとりかかろうということ、こういうものはおそらく全国の都道府県なんかに広がっていくということが考えられます。おそらく名古屋も考えるかもしれない、横浜もというふうなことで、全体的な問題になりかねないと思うわけです。それがいいか悪いかという結論は、私は、今申し上げるつもりもないし、そういう資料も持ち合わせていないわけでありますが、この際やはり政府として、次のやつが出てきたら考えるということではなしに、こういうときはこう対処するのだという一つの原側といいますか、プリンシプルを打ち立てるべきだと思うのですが、そういうようなお考えはありませんか。これは大蔵省並びに自治省のどちらにも伺いたいと思います。
#102
○西原政府委員 各府県ではいろいろ御希望がおありになるだろうというふうに察せられるのでありますけれども、何分御承知のように外債というものはそう簡単にもできないものであります。金額からいきましても、このマルクの外債の場合におきましても、大体九十億ぐらいというものを本年度予定できるかということでございまして、そういうようなことから考えてみまして、やはり先ほど申し上げましたように、具体的なケースについて、それの実現可能性とか、あるいはそれが事業として一体いいかどうかというような点をよく考えて見ていけば、それでいいんじゃないかというふうに私の方は考えるわけでございます、
#103
○奥野政府委員 基本的に地方債を許可してよろしい性格のものでありますならば、もし特に国内債より有利な条件で確保できるのだということであれば、自治省としてはできる限り協力をすべき性格のものだろう、かように考えております。
#104
○安井(吉)委員 今新しく出てきた問題で、すぐにはそういうふうな原則を打ち立てるというようなところまでいっていないという段階でもあろうと思いますので、きょうはそれ以上はお尋ねをいたしませんけれども、これはやはりそういうようなものをお持ちにならないと、なかなかめんどうな事態も起きてこないわけでもない、そういうような気もするわけです。その点やはり十分な御検討をお願いしておきたいわけです。
 そこで、資金コストですが、先ほども堀君の質問で若干お答えもありましたけれども、国内資金よりも相当コストが下がった形で結論が出るというふうな、はっきりしたお見通しは持っておられるのでしょうか。
#105
○磯田政府委員 資金コストの問題でございますが、現在の段階におきましては、先ほどもお答えいたしましたように、まだ正式の交渉も全然いたしておらない段階でございます。従いまして、今の段階でどの程度の資金コストになるかということはお答えいたしかねるのでございますが、今までにドイツで発行されました外債の例によりますと、応募者利回りが六%前後に出ている、その後のいろいろな経費を入れましても、国内資金よりも安く発行できるだろう、かような見通しを得ておる。また、それは今後の交渉いかんによることでありますので、今のところはっきりしたことは申し上げられません。
#106
○安井(吉)委員 それでは、今の段階で、先ほど堀君の質問でも七分以上に回るようなことも考えられないわけじゃないじゃないかというふうな追及もございましたけれども、こちらの要求している条件に至らない場合において、話し合いがこわれるというふうなことも予想されるわけですが、その点いかがですか。
#107
○磯田政府委員 外債発行のコストが著しく国内資金より上回るというような状況が出ました場合は、いろいろと検討しなければいけないと思っております。
#108
○安井(吉)委員 今地方債の総額ですね、地方公共団体における総額はどれくらいになっているか。その中に外債は過去においてあったかどうでしたか。さらにまた国内の起債条件、一番新しい情勢でその金利などどういうことになっていますか。
#109
○奥野政府委員 地方債の総額は、一般会計、公営企業を合わせまして一兆円をちょっと出たところでございます。
#110
○西原政府委員 地方債の外債は、従来東京とかあるいは横浜、名古屋、大阪の築港等が昔ございました。これらのものはおおむね政府に承継いたしましたので、現在ではそういうものもございません。ただ残っておりますのが東京都の仏貨債だけでございます。
#111
○安井(吉)委員 金利はどれくらいですか。国内の現在の起債金利は今どれくらいに回っておりますか。
#112
○奥野政府委員 七分三厘五毛が指定地方債の利回りでございます。
#113
○西原政府委員 地方債は従来七分七厘二毛でございましたが、今度改定になりまして、七分三厘五毛四糸でございます。
#114
○安井(吉)委員 問題は、外債が安いからというよりも、国内の地方公共団体に対する起債の金利額の方が実は高過ぎるのではないかという気もするわけです。大体において国はあまり借金は負ってない。むしろ毎年一銭も借金なしのいわゆる健全財政で、税金だけはばりばり取ってやっておるわけですから、地方公共団体の方は一兆円も借金を負わされて、しかも国の方で今までは七分七厘、今は七分三厘になるわけですが、そういうような相当高い金利を取ってやっているという現実、しかも、一方財政投融資計画の全体的な俯瞰から言いましても、大企業の方に向けられる資金コストというものはずっと低いものだというようなこととにらみ合わせまして、そういうところにも一つ矛盾があるというふうな気がするわけであります。大蔵省の今後の考え方として、この地方公共団体に対する起債の金利をさらに一そう引き下げていくというふうな問題については、どういうふうな検討が進んでいるか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。
#115
○西原政府委員 ただいま申し上げました地方債の金利は、市中で引き受けられる地方債の金利、従いまして、ほかのいろいろな債券の利回り等の関係というものをどうしても見なければならない金利につきましては、これは全体的にもし機会があれば下げていく、また下げられるなら下がっていく方が望ましいということは、申すまでもないことと存じます。この四月一日から金利の改正がございまして、債券の関係で申し上げますと、電力債が七分八厘三毛から七分四厘に下げられた。地方債が今申し上げましたように七分七厘二毛から七分三厘五毛四糸、金融債が利付七分六厘一毛が七分三厘、公社債が七分三厘一毛三糸が約七分一厘、こういうふうになりましたので、こういうバランスから考えますと、地方債を市中で引き受けてもらうということになりますと、やはり現段階においてはこの程度で仕方がないのではなかろうかというふうに考えられるわけであります。
#116
○安井(吉)委員 電力というのも公益事業というワクの中でしょうが、地方公共団体の仕事はそういうものの範疇を通り越したものであるわけですね。つまり国の一部だというふうな考え方に立って考えれば、一兆円というふうな大きな負債の現在額をかかえて、それに大幅な利子を持たせていく、しかも一方地方交付税等でその元利償還金の一部を見たりもしているわけですね。そういうふうなことからいいますと、地方公共団体の起債の問題は別な特殊な問題として処理されるというお気持でなければ、国・地方を通ずる財政の全体的な健全化ははかられないことだと思います。国は健全財政でも地方が一兆円も借金をかかえていて、しかも最近は赤字は減ってきているようですが、それでも赤字が出ているというような状態は、国全体の健全さというふうな姿でない、そういうふうな見方からも、このことはやはり考えていかなければならぬ問題じゃないかと思います。そういうことになりますと、この外債の問題ももっと問題が変わってくるのではないかと思います。
 ただ、もう一つ資金コストのことで心配になりましたのは、地方公共団体が外国からその借金をするためにいろいろ経費がかかる。そういうようなものがコストを相当引き上げている形になりはしないか。その点はどういうふうに見ておられますか。
#117
○磯田政府委員 ドイツにおける最近の外債発行例によりますると、応募者利回りが六%前後であるということを先ほど申し上げたのでございますが、もちろん、ただいま御指摘のように、先方に参りましたときの旅費とか通信費とか、あるいはあとでこれを償還するためのフィスカル・エージェントに対する手数料であるとか、そういうようないろいろな経費がかかりますので、こういうものを入れた場合には、発行者利回りというものは応募者利回りよりはある程度高くなる。しかし、これはドイツの場合とか、アメリカの場合とか、あるいはスイスの場合とか、起債地によりましてそれぞれの取ります手数料等が違いますので、現実にネゴシエートしてみなければわからない。しかしいずれにしてもそう高くはないと思うわけでありまして、従って、現在の見通しといたしましては、国内の発行者利回りよりは相当下回ったところで発行できるのではないかという見通しを持っておる次第であります。
#118
○安井(吉)委員 それにしても、いろいろの旅費だとか手数料といった経費がかからなければかからないほどコストは安くつくのですから、そういうものがかからないような方向に御指導を願いたいと思うのです
 そこで、最後にちょっと保証の問題について伺います。今私の手元に法案がないのですが、たしか九十億円の保証というように伺ったわけであります。全体の借款規模がたしか三百五十八億ということになりますと、その後の部分、今年は九十億円ですが、あと毎年話がきまれば、特殊立法という形で法案をお出しになるのですか。そういうふうな方向でおやりになるのか。その点一つお伺いをいたします。
#119
○上林政府委員 御審議を願っております法律は、そういう将来のことも考えまして、本則におきましては、大阪湾及び堺港におきまする港湾施設の建設改良またはこれらの臨港地域における工場用地の造成云々、こういうような整備事業のために、国会の議決を経た金額の範囲内におきまして保証契約をすることができる、こういう法文にいたしております。従いまして、三十七年度以降につきましては、予算総則におきましてその限度の御議決を願ううことに必要に応じましてなるわけでございます。三十六年度におきましては、実はこの計画が確定いたしましたのが予算を提出いたしたあとでいたしましたので、この法律案の附則におきまして、ただいま御指摘がございましたように、三十六年度におきまする保証の限度額を九十億円に相当する外貨というふうに規定をいたしているわけでございます。
#120
○安井(吉)委員 なお質問いたしたいと思いますけれども、時間もありませんので、きょうはこれで終わります。
#121
○足立委員長 なお、先ほど安井委員から要求のあった資料はできますね。二十五日には法案を採決する予定ですから、なるべく早く資料を提出するよう要求をいたします。
 次回は来たる二十五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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