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1960/04/04 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
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1960/04/04 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

#1
第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和三十六年四月四日(火曜日)
   午前十時四十九分開議
 出席委員
  委員長 竹山祐太郎君
   理事 青木  正君 理事 首藤 新八君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 早川  崇君
 理事早稻田柳右エ門君 理事 佐野 憲治君
   理事 島上善五郎君 理事 堀  昌雄君
      仮谷 忠男君    林   博君
      米田 吉盛君    戸叶 里子君
      井堀 繁雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        法制局参事官
        (第二部長)  野木 新一君
        自治政務次官  渡海元三郎君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 選挙制度審議会設置法案(内閣提出第一二〇
 号)
     ――――◇―――――
#2
○竹山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、選挙制度審議会設置法案を議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀委員 本日議題になりました選挙制度審議会設置法でありますけれども、これまでの調査会と特に異なる点を一つ具体的に御説明いただきたいと思います。
#4
○安井国務大臣 従来の選挙制度調査会は、総理府設置令で調査会を置くことができるという方針に基づきまして、いわば政府が任意に置いて、適当に必要な答申をお願いする、こういう建前になっておりました。今度のものは、そういうことでございませんで、同じ総理府に置きますが、初めから法制的な根拠を持ちまして、設置法という形で審議会をお願いいたしまして、さらに、その審議の内容あるいは構成メンバー、任意といったような点もあらかじめ明確に法律できめまして、具体的に選挙制度の調査、あるいは改正案についての御審議を願うということにいたしておるわけでございます。
#5
○堀委員 いずれも諮問機関でありますから、この前の調査会でも、この第二条に掲げるようなことは、諮問をすればできたと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#6
○安井国務大臣 それは御説の通りでございます。
#7
○堀委員 そういたしますと、この法案の中でこの前の選挙制度調査会と異なるのは、私は、政府みずからがこういう法案を作って、政府自身をある程度逆に規制をするといいますか、コントロールする意味でできた法案というような感じがしてくるわけでありますけれども、この前の調査会でも、諮問機関でありますから、政府が諮問しさえすれば、ここにあるようなことはできますし、さらに、政府が答申を尊重しようとすればそれなりにできることで、今度はそれがただ具体的に――これまでの一種の内部的な政令か何かでいろいろなことが書いてございましたけれども、それを法律に書き直した、あるいはその審議会から答申があったときは尊重しなければならないと、逆に政府が政府自身を拘束しなければならぬような法案を出してきたことについては、われわれは、どうも普通に考えると、そういうものはなくてもできるようでなければならぬのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#8
○安井国務大臣 お話の通り、選挙制度調査会にいたしましても、この答申を尊重しなければならぬということは、趣旨としてはその通りでございますが、今度、今申し上げましたように、さらに政府が、この選挙の関係全般にわたりまして、むしろ積極的に、一つ具体的な御検討を願うという意思を強く出しておる、それがこういう形になってきておるというふうに御理解願えればと思います。
#9
○堀委員 気持の問題だけでございますと、これは積極的、具体的にやりたいんだとおっしゃるならば、われわれはそれなりに承りますけれども、問題は、選挙制度調査会が行なわれておりました時代でも、答申が出ると、任期が切れても委員を補充しなかった、少なくとも、何か問題があれば調査会の委員は委嘱されるけれども、問題のない場合には、たしか一年くらい委員が委嘱されないっぱなしのときがあったように私は思っておりますが、今後は、この審議会については任期が一年となっておりますが、どういう取り扱いで臨まれるのか。依然として、この前のように何かの問題で答申をされると、次に答申をしないだけではなく、委員も任命しないというようなことが今後も行なわれるのかどうか、この点を一つ……。
#10
○安井国務大臣 これは、一年の任期の間に選挙に関するいろんな懸案についての御答申を願いたいという趣旨で、期限も急いで切っておるわけであります。従って、その中間で答申案が何かの形で出ました場合に、あとはあとでさらに検討する要がある、あるいは政府として、もう少しこういった問題も追加して願いたい、こういう状況になれば、その年度内におきましてはさらに補充といいますか、御検討を願うということもあり得ると思いますが、それは答申の出方によろうかと思います。
#11
○堀委員 第二条には、はっきりと一から四までについて項目があげられております。ですから、審議会がもし設置をされますならば、おそらく、「次の各号に掲げる事項に関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する。」とありますから、諮問がなくとも――諮問は当然されると思いますが、当然、この四つの項目については、何らかの答申を審議会はしなければならない責任が負わされている。おまけに、これは任期が一年でございますから、これだけで見るならば、この四項目については一年以内に答申があるものと私どもは理解するわけでありますが、今のお話では、そこは何かちょっと部分的に出て、あとにも残るというようなお答えがあったように承ったのですが、どうなのか、全部の項目について、一応の答申は一年以内にあるものと理解してよろしいのか。
#12
○安井国務大臣 建前はそういうつもりでございます。ただ、審議会の運営は審議会におまかせいたしますので、どういう形で出て参りますかは別として、この法律の建前あるいは政府の期待いたしております建前は、一年以内にこれだけの項目についての御答申を願う、こういうことでやっております。
#13
○堀委員 そこで、この法律にこういうふうな項目が書かれて参りますと、次にちょっと問題が出て参るのは、この四つの項目について、もちろんペンディングになったような答申が出るかもしれませんけれども、一応形を整えた答申が四つ全部出たといたしますと、この審議会は、委員の任期は一年ですが、審議会そのものは何も一年と限られているわけではないのです。委員の任期が一年で、そこで全部の答申が出てしまうと、一体あとはどうなるかというところを一つ伺っておきたい。
#14
○安井国務大臣 今申し上げましたように、私どもは、これは一年以内にこういった問題に いての御答申を願うということを期待いたしておりますが、審議会の運営の御都合でどういう形の答申が出ますか、これはそのときによって、またいろいろ形も扱い方も違おうかと思っておりますが、この審議会そのものは、これは任期が一年で消滅するという趣旨ではございません。委員の任期を一年にいたしまして――この年にしたという意味は、一年以内に、一つこうして法律できまっている問題につきましては一応の御答申を願いたい、こういうつもりでおります。
#15
○堀委員 私も今そのように理解しているわけですが、たとえば、一の「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」ということで、一つ答申が出たといたしましょう。おおむね現在われわれが考え得る、こういう問題についての重要事項の答申がすべて一応出たというふうになりますと、この審議会の委員の任期は一年で、審議会は済んで、次に委員の新しい指名が行なわれる。そうすると、一の「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」は、もうそのあとの委員は審議をしなくなると思います。一事不再議といいますか、そこまで厳密であるかどうかわかりませんが、前の審議会はこういう答申をしたが、次の委員がかわるとまた別の答申が出たということでは、審議会の運営上問題があろうかと私は思いますから、一応はやはり一つの問題についての答申が出れば、これが審議会の答申なんですから、委員がどうかわろうとこれについては触れない。そういうふうに、一、二、三、四とこういきまして、たまたま一年以内に全部必要にして十分なる答申が出たといたしましよう。これは仮定の問題でありますから将来の問題になるが、全部出たとすると――これには法律としてもうこれだけしか書いてないんですよ。法律としてこの審議会がやることは一から四までのことになっているわけですから、そうすると、もう全部出てしまったら、この審議会に委員を委嘱しても、やることはなくなるわけですね。その限りにおいてはなくなる。十年も二十年も先になれば別でしょうが、ことし答申が出来たものを、また来年委員を委嘱して、同じ問題をやらなければならぬような御答申が出るのならば、審議会自体に問題があるわけでありますから、そういうことになってきたときにおける審議会のあり方は、全部答申が出たら、委員は次には委嘱をしないのか、答申すべきものがなくても委員を委嘱することになるのか、ここは私、ちょっと問題が残ってくるところじゃないかと思います。
#16
○安井国務大臣 答申の出方にもよろうかと思いますが、問題が依然として残るようでありますれば、むろん継続してまた委員の任命はいたす。また、全部出ましたためにもう必要がないというような事態がありますれば、そのとき、その状況によって一度考えたいと思っておりますが、趣旨は、この一年以内に全体的な御答申を願うという趣旨で出しておることは事実でございます。
#17
○堀委員 私がそこにこだわっておりますのは、今度は、今大臣もおっしゃったように、積極的、具体的で、一年以内に出してもらいたいという、これはわれわれも賛成なんです。その限りにおいて別に反対ではございませんが、審議会を法律によってきめて、そして、その審議するいろいろな項目までもきめてということになりますと、それが、そのこと自体では時限的な立法といいますか、選挙制度をいろいろと論議をしていくために、長く制度として設けるものであるというものの考え方が一つあると思うのです、それと、やはり問題があるから、その問題のために設けられるのだ、問題が終わればこれはなくなるのだ、こういう審議会のあり方、私は基本的には二つあると思うのですが、これを見ておりますと、これだけの四つの問題に限っておりますから、この四つの問題だけのために審議会が設けられた、こういうふうに理解をすることになると、これは一種の時限的な委員会、こういう理解をせざるを得なくなる。しかし、法案の持っておる性格は、どうも感じとしては何か長いものをねらっているような感じもあるし、そこのところは一体どうなのかということをちょっとお伺いしておきます。
#18
○安井国務大臣 形式的に申しますと、審議会そのものは時限的なものじゃないわけであります。しかし、諸般の情勢から見まして、委員の任期も一年にいたしまして、全般的な問題はできる限り早くやっていただきたいということでお願いをするわけでありますが、それが一応、これだけの四つの項目が全部答申がたとい出たといたしましても、その後の状況において、さらにいろいろ御検討願う問題のある場合もあるかもしれませんし、あるいは、なければしばらく休火山にしておくというような形になるかもしれませんが、これは一度、一年以内での御答申の出た工合によって扱い方は考慮したい、形式的に言いますならば審議会そのものは時限的なものじゃない、こういうふうに考えます。
#19
○堀委員 そこで、今度は少しこまかく伺いますけれども、第二条の一に「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」とございますが、「公の選挙」という言葉の持っております範囲といいますか、内容的なもの、これは一体どの程度までのものをさしておられるのか、ちょっと伺いたいと思います。
#20
○安井国務大臣 選挙局長から答弁させます。
#21
○松村(清)政府委員 「公の選挙」と申しますのは、こういうふうに解しております。法令に基づく選挙であって、広く国民または住民一般が参与するもの、こういうふうに解しまして、具体的に申し上げますと、国会議員、地方公共団体の議会の議員、長、それから市町村の農業委員会の委員、海区漁業調整委員会の委員の選挙、こういうように具体的には考えております。
#22
○堀委員 この間ちょっとここで井堀さんからお尋ねになったのでありますけれども、そういたしますと、選挙という言葉の内容になると思うのですが、たとえば、参議院の選挙、全国区がどうなるかというようなことをも含めてこれは論議の対象になる、こういうことでございますか。
#23
○安井国務大臣 その通りでございます。
#24
○堀委員 そういたしますと、これは衆議院の選挙について言うなれば、小選挙区に始まり、比例代表制の問題等、各般にわたる、参議院については、そういう地方区、全国区のあり方をも含めるというようなことになると、実は私がさっきいろいろ議論をしておりました中ですが、一体そういう問題にまで一年以内の答申が期待できるのかどうか、自治省としては、そういう基本的な問題に対して、大体どのくらいの目安でそういう結論を希望するのか、あるいは委員会が任意的に、そういう制度の問題には触れないというような形をとるならば、それなりに終わるのか、そこら辺は、自治省としては一体どういうふうに考えておられるか。
#25
○安井国務大臣 これは審議会自体がお考えいただくことでございまして、われわれとしては、この法律に並べておりまする四つの条項についての御答申を一応願うという趣旨で作りますし、その委嘱もするわけでございますが、あとの扱いにつきましては、委員会自体の運営に待つというふうにしたいと思います。
#26
○堀委員 ちょっとそこでよくわからないことが出て参りますのは、「審議会は、次の各号に掲げる事項に関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する。」こういうことが出ておるわけですね。そうするとその諮問のあり方が、私はいろいろと問題になってくるんじゃないかと思います。今私が伺ったように、「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」について答申を求めるなどというような諮問がもし出されるならば、そこには、非常に委員会自体の答申に対するあり方が千差万別で、政府の期待したものと答申自体との間が必ずしもつながらないようなことが起こる可能性が、私は非常に多いと思う。そこで、一つ伺いたいのは、「内閣総理大臣の諮問に応じ」という、この諮問は、次に掲げる項目の中で全部ずらずらと並べて、次に掲げる項目を諮問するというような諮問が行なわれるのか、ある程度、諮問については限られた範囲の問題が順次諮問をされるのか、諮問のあり方は一体どういうことになるのか、ちょっと伺いたい。
#27
○安井国務大臣 これはもう政府の期待といたしましては、四つの項目についての御答申を願うという期待をしておるわけでございますが、これは審議会ができました上で、さらに、その運営なりやり方については、これは政府も御相談をした上で、いろいろ具体的な諮問の扱い方等も考えたいと思っております。全体といたしましては、四つの問題についての御答申を期待しておるということでございますが、それじゃ個々の扱い、順序をどうしてやる、あるいは全体の手順を立ててやるかというような問題については、これは委員会御自体の考え方もありましょうし、また、そのときによっての政府の諮問の仕事も、一応そのときにはっきりきめるというような問題も起きてこようかと思います。
#28
○堀委員 これは私は、今の答弁ちょっと重大だと思うのであります。というのは、委員会の側は、委員会独自として諮問されたものについて答申をすることになるのではないか、この法律の建前はそうなっております。「次の各号に掲げる事項に関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する。」とあるわけですから、もし審議会ができても、内閣総理大臣の諮問がなければ委員会自体動けないということになっておるわけですから、そういたしますと、この間池田総理も、諮問がなくたって勝手にやれるのだというようなことをおっしゃったけれども、法律の建前は諮問に応じて調査審議をするのであって、諮問もないのに調査審議はできないと思いますが、そこを確認して参りましよう。
#29
○安井国務大臣 この法律の建前からいたしますと、審議会は、この二条の2で、「前項各号に掲げる事項に関し、自ら調査審議して内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。」こういうふうにもなっておりますので、実際問題として、これは審議会自体が積極的に、自由な意思でやられることも可能であると思っております。しかし、扱い方としましては、これは審議会ができましてから、その審議会の運営の模様というようなことの状況を参酌いたしまして、諮問事項にするか、あるいはどういうふうな手順で扱うかということは、具体的にはぎめたいと思っております。
#30
○堀委員 法制局は今来ていないですね、呼んでないから……。ちょっと私は疑問があるんですがね。と申しますのは、前段に「諮問に応じて調査審議する。」とあることは、今度諮問が出ると、これは答申になるということだと思うんですね。調査会としての答申になる。次の第二項は、「審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、自ら調査審議して内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。」であって、意見を申し出るのと答申とは、私は性格が違うのじゃないかと思うんですが、あなた方は、これを同一だという理解をしておられるのですか。
#31
○安井国務大臣 法律的な用語として、あるいは法律的な技術的な解釈につきましては、これはまた、専門家から必要によりましてはあれですが、政府としましては、答申をお願いしたものに対する答申案はむろん、それから、自主的に出ました御意見についても、できるだけ同じような権威を持ったものとして尊重をする、こういう趣旨でございます。
#32
○堀委員 ちょっと法制局の出席をお願いいたします。
#33
○安井国務大臣 選挙局長から、もしなんでしたら……。
#34
○松村(清)政府委員 仰せのごとく、答申と申します言葉は、諮問に対する言葉であり、意見の申し出というものは、みずからの調査審議の結果に基づくものでございます。言葉はそういう違いはございますけれども、この答申といい、意見の申し出といい、両方とも実質的には調査会の意見でございますから、第三条によりまして、これはいずれも、政府は尊重する建前に法律上いたしておるわけでございます。
#35
○堀委員 そうしますと、私がわからなくなるのは、第二条で諮問をすることと、あとの二条の二項で意見を申し出ることとは、実質的には差がなくなりますね。一体どう違うんですか。今のようなお話で、最初の、諮問の内容なり幅の問題について伺ったこと、これは審議会の意見を聞いていろいろ相談をしなければ、諮問の内容やその他についてもまだきまらないのだというようなことなら、これは初めから諮問機関でなく、最初の「諮問に応じて調査審議する。」を削ってしまって、あとの「審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、自ら調査審議して内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。」これだけあったっていいのじゃないですか。事実上二本にしなければならない意味は、一体どこから……。
#36
○安井国務大臣 これは、最初申し上げましたように、政府としては、全般的にこの四つの事項については諮問もいたし、そうして答申を期待をする、こういう建前でやっておりますが、それ以外の問題等について、また積極的に自主的な御意見も出れば、これを尊重するという考え方でございまして、ただ、先ほど申し上げましたのは、この四つを一時にやるのか、あるいはどういう手順でやるのだという御質問に対しましては、いま少し全体の成り行きを見ました上で諮問の仕方については十分検討をいたしたい、こういう具体的な問題の扱い方について申し上げましたので、全体としては、この四つを諮問するという建前には変わりはないわけであります。
#37
○堀委員 ちょっとやはり法制局の出席を求めます。どうも私、それはよくわからない。今それ以外の問題を諮問されて、それ以外の問題についてみずから調査審議をして、総理大臣に意見を申し出られるということになるならば、この一から四までの項目について、ある幅の狭い諮問が予想されるのではないかと思うんですね。もしそうでなくて、これの全般にわたる諮問がされておって、じゃ、それ以外ということは、この条項では――その他選挙に関する事項というようなものがあるなら別ですよ、そうじゃなくて、これは一、二、三、四と項目ははっきりされているのですから、それ以外の事項はありようはずがないのですね。そうすると、あなた方の方が諮問をする場合に、公の選挙ではあるけれども、これは衆議院の小選挙について聞くというような諮問の仕方をしたときに、そうすると、公の選挙のあり方として、比例代表制の問題について意見が述べられるということはあり得ると思うのだけれども、だから私が特にここで伺っておるのは、その諮問のあり方がどういうあり方かによって、私は、この法律自体の中に矛盾が生じてくるのではないかということを伺っておるわけです。
#38
○安井国務大臣 先ほど申し上げましたように、政府はこの四つの項目を期待しておるわけでございまするが、その具体的な扱いにつきましては、これは審議会のいろいろな御意思もございましょうから、そういった点について、あるいは手順をどういうふうにやっていくというような問題も出てくるでありましょうし、また、これだけの項目をあげましても、それ以外に、また実際の、審議会御自身で御意見をお述べいただく場合もあり得るかと思います。ありました場合には、それを十分尊重しなければいかぬというふうに考えております。
#39
○堀委員 どうもよくわかりません。「審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、」と、この二項のあれはしぼられておるわけですよ。そうすると、前項各号に掲げる事項というのは、一から四で、項目がはっきり明らかにされておるわけですからね。その明らかにした分については、あなた方の方は諮問をする、こう言っているのだったら、一体その諮問をしたものに対する答申以外の見の述べ方というものは、何について意見を述べるのか、私はわからないですね。意見があるならば答申に盛られるはずであって、それ以外に、みずから慎重審議して意見を述べる部分というのは、一体何について述べるのか。四項は、みなあなた方、諮問するとおっしゃっているのですよ。四項についてはすべて諮問すると言っている。
#40
○安井国務大臣 ですから、今の諮問の具体的な仕方につきましては、もう少しこの審議会自身のでき工合と申しますか、審議会の模様も見て、政府も具体的な諮問の仕方はきめたい。今のように総括に、全般の問題について御答申願いたいというふうに出しますか、あるいは個々のものを手順をつけて出しますか、その際に、手順をつけたような場合に、しかし、審議会としてはこのほかにもこういう問題があるという御意見がないともいえないと思います。それから、これだけ四つに限りましても、それ以外の中で、自主的にあるいは御意見がないということも保証できないと思いますので、ありました場合には、それはそれで尊重するというふうに考えておりますので、諮問の仕方、具体的な手順、どういうふうにやるかという点につきましては、もうしばらく検討した上できめたいと思っております。
#41
○堀委員 過去における選挙制度調査会に対する諮問のあり方も、かなり項目的にはっきり区切られたものが出されておるわけですね。そうすると、今ここでこの法案を審議する段階において、項目を一から四まで掲げておきながら、そうして一年以内に結論を期待しておりながら、その諮問の内容について、一体どの程度の幅のものを諮問するかもまだわからない、委員の顔ぶれがきまってから考えるなどということは、私は、政府は少し怠慢だと思うんですがね。当然、ここでわれわれはこの法案を審議して、できればすみやかにこの委員が委嘱をされ、すみやかに諮問が出されるべきだと思うんですが、一体あなた方は、もしこの法律が成立したとしたら、いつごろまでには委員を出し、諮問を出すのか、大体その腹がまえができておるのかおらないのか、ちょっとこれについてお伺いしたい。
#42
○安井国務大臣 法律が成立いたしますれば、早急に発足でき得るように手順を進めていきたいと思っております。それから、諮問の仕方、手順につきましては、むろんこの全体の諮問をやるという建前でやるわけでございますが、それについての具体的な手順につきましては、もうしばらく検討した上で決定したい、こう考えてわります。
#43
○堀委員 早急というのは、日数として一体どのくらいになるか。これは私どもこの法案を今後審議していく上に非常に重要な問題になりますのは、御承知のように、われわれは、この前総理大臣に御出席を願ってお願いをしておるのですけれども、少なくとも来年の参議院選挙には、根本的な問題については、とてもそれは間に合わないかもしれませんが、少なくともこの前の選挙制度調査会が答申をしておられる範囲程度のことについては、政府側が答申を受け取って、次の通常国会には提案をして、そうして、次の参議院選挙に間に合うようにやってもらいたい、こういう熱意を持っておるわけです。ところが、今のお話のように、早急に委員を委嘱するけれども、その諮問の手順だとかその他については、今後これから検討する、一体そういうことで、われわれの期待するようなことができるかどうか。政府側として少し熱意を欠いておるのではないか。法案がともかく国会に提出されたのは、たしか三月ごろだと思う。それから一カ月たっておっても、依然として、その諮問の手続はまだきまっていない、大体諮問の範囲すらもここで答えられないというようなことで、それで一体、いつになったらその手順がきまり、その範囲がきまるのか。人間を委嘱しなくたって、人間自体は、これはもう事務処理でできることですから、あなた方の方にその準備がないなどということでは、われわれは、これを熱心に審議をするような気持にならないのです。どうですか。
#44
○安井国務大臣 前にも申し上げましたように、この四つの事項についての答申を政府としては早急に期待しておるわけでございます。ただ、諮問の具体的な仕方につきましては、もう少し検討した上できめたい、こう思っておるわけであります。
#45
○堀委員 手順とか具体的な仕方とかおっしゃるのですが、この順序は、まあよろしいといたしましよう。しかし、諮問の方法すらもわからない。第一に、一号をとりましょう。「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」という、この一項目があるでしょう。じゃ、これについては、一体あなた方はどういう諮問をするつもりなのか。まだ今もきまっていないというようなことでは、われわれはこれは納得できない。一の「公の選挙及び投票の制度に関する重要事項」に関しては、総理大臣は、審議会ができたらどの程度の幅の諮問をするのか。それも手順だとか、あるいは取り扱いだとかいう問題ではないと思うのです。この一項目一項目について、はっきりしているのもあります。「国会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める基準及び具体案の作成に関する事項」、これはこのまま諮問になっていいだろうと私は思うのです。ところが、一号のような書き方がされておると、こういうことでそのままが諮問されるのか、もっと範囲を限ったことで諮問をするのか、それくらいについては、あなた方、ここへ法案を出してくる以上は考えがなければならないと思う。それがあるから、うしろにくっついているのじゃないですか。第二号、第三号をくっつけた以上は、法案提出に際しては、順序、時間は別としても、まず第一にはこういう問題、第二にはこういう問題、第三はこういう問題、そういう格好でもよろしいから、この法案を出してきた以上、私は、少なくともそれに答える義務があると思うのです。どうでしょうか。
#46
○松村(清)政府委員 ここに、第二条に四つ列挙してございますが、諮問に際しましては、この事項そのままを諮問するという形でなくて、この中の四つの事項が、あるいはこの全部が含まれておるか、あるいはその一部分が含まれておるか、そういう形でもって諮問が出されることになるだろうと思います。従いまして、具体的にどういうことを含めて諮問をするかといいますことは、この審議会が発足しましたときのいろいろな諸情勢を勘案して、きめられるべき問題だろうと思います。
#47
○堀委員 諸情勢とはどういうことですか。そんな諸情勢なんというものがわからない。どういうのが諸情勢かということを説明して下さい。発足するのはもう近いのです。一年先に発足するというなら諸情勢もいいけれども、少なくとも今後一カ月以内に発足するのが、一体今とその諸情勢がどう違うのか。
#48
○松村(清)政府委員 これが発足するときと今と、あまり期間の違いはないかと思いますが、たとえば、来年の参議院選挙に当面間に合わすようなつもりでの改正、そういうものを頭に置いた諮問にするとか、あるいはもっと根本的な諮問にするとか、そういうふうに、そのときのいろいろな事情によって判断の違いが出てくるかと思いますが、そういうようなことが、例をあげて言えば申されるかと思います。
#49
○堀委員 大へんおかしな御答弁だと思うのですが、諸情勢という中で、来年の参議院選挙のために一つ何かやらなければいかぬというようなものがあれば、そういうことも勘案してやるのだということになると、選挙制度調査会のできてきたゆえんと今の答弁とは、私はちょっと筋が通ってこないと思う。その程度のことは、すでに前の選挙制度調査会から答申が出ておる。出ておるものを、あなた方の方は――この前私は総理に質問をしたら、別に、審議会から答申または意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならないということがなくても尊重するのだというような答弁をされておるのです。そういうふうな来年の問題について、来年の参議院選挙というようなことだけを考えるのならば、それは諸情勢でも何でもない、あたりまえのことであって、きまっておるでしょう。来年、偶然参議院選挙が行なわれるわけじゃない。そうなるならば、それに関しては、すでに選挙制度調査会の答申があるからそれを尊重をして、政府は法案を作っても差しつかえないのです。にもかかわらず、今度これが出てきたということになると、あなたの今の答弁とこれの出てきた経緯というものは、違うんじゃないかと思う。同じなら、政府は法案を作って出すべきだ。そこはどうですか。
#50
○松村(清)政府委員 一昨年の選挙制度調査会の答申に基づきまして、政府も立案はいたしましたし、また、昨年は各党でもいろいろ話し合いが行なわれたわけでございますが、先般の調査会の答申は何分にも内容が非常に抽象的でございまして、いざ法律案にいたしました場合に、具体的な問題でなかなか意見の一致ということが見られないわけでございます。そこで、今回は、この審議会には具体的な答申というものを私どもは期待しておるわけでございす。
#51
○堀委員 この前の答申は、あれが抽象的で、今度出るのが具体的だというと、これまた、私は論議が出てくると思うのです。具体的ということになると、今度出てくるのは、その法律要綱というか、ある程度、もうそれイコールすぐそれが法制局へ回れば法案になる。この前のときでも、あれだけ回したって法案になるものが、たくさんあると私は思う。それは多少抽象的なものがあるかもしれないが、全部が抽象的だとは思わない。しかし、そこまでこの審議会でできますか。
#52
○松村(清)政府委員 これは今後きめられる運用の仕方かと思いますけれども、私どもは、従来のいろいろな経過にかんがみまして、でき得るならば、この答申がそのまま法文の形になり得るような、具体的なものを希望しておるのでございます。
#53
○堀委員 私は実は、今の政府の答弁でちょっと納得がいかない点は、審議会から答申が出たものがどういう形のものであれ、その真意をそのまま政府が把握をすれば、そこから法案にするのは政府の責任じゃないか。ところが、今のあなたの答弁を聞いておると、政府は何しろいい子になって、あげて責任を審議会に負わしておいて、そういうことで一つごたごたをできるだけ避けたい、こういうふうな感じに受け取れるわけですが、そこは一体どうですか。政府として、ともかくこれが正しい、国民のすべてが希望しておることだということを考えるならば、そんなに一字一句法律に適用するかどうかということ自体を委員会に求めるべきではなくて、そこは政府の責任においてやるのだということであるべきではないかと思うのですが、一体どうでしょうか。
#54
○安井国務大臣 それはおっしゃる通り、建前はそうだと思います。選挙制度調査会の前回出ました御意見につきましても、政府は十分尊重いたしたいと思っておりましたが、御承知のように、なかなか各部門での意見の一致ができなかった。また、できなかったことにつきましては、あの答申自体では、まだ政府としても相当疑問を持っておる面もある。たとえば公営という問題につきましても、公営というものの範囲、あるいは言葉が適切かどうか知りませんが、泡沫候補まで含んで、国民の税金による非常に莫大な費用を全面的に公営に広げていくのがいいかどうか、相当なしんしゃくが要るかどうかというような疑問をあげていけば、いろいろございます。そういう点につきましては、今度の審議会においては、政府の疑問も投げ出しまして、もう一つ第三者の解明というか、結論を得たい、こういう趣旨が、今答弁しました中には含まれておると思います。
#55
○堀委員 まあそういうことで善意でやられることですから、一々それに文句をつけるわけではありませんけれども、私どもは、第一に、選挙制度をいいものにしなければいかぬという点においては一致しておるわけです。一致しておるけれども、いろいろな利害がそこに入ってくる。率直に言うと、いろいろな利害が出てくるのは、政府案が出た以後の問題だと思うのです。だから、審議会から政府案が出るまでの経過は、その点で、もう少しビジネス・ライクな処理がされるのが政府として当然である。選挙制度のようなものは、それが国会にかけられてきて、そこの中でいろいろ論議をされるということなら、私は話がわかると思うのですが、どうも、こういうことがここにつけられた中には、審議会の答申と政府の原案との間に、何か入り込むものがこれまではあり過ぎたのじゃないか。だから、あなた方としては、ここへ入り込まないようにするために、政府みずからが政府を縛るような書き方をしてきたように感じるわけですが、幾ら拘束しても、入り込むものはあると思うのです。そこをあなた方は一体どうするか。ここに「審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」と書いておっても、それは尊重はしましたけれども、これは違いますということが起きるのかもしれないという不安が、われわれにとってはある。こう書かなければならぬところに問題がある。書いたからそれがなくなるわけではない。一体それについての政府の心がまえというか、今のお話では、今度は相当具体的なものになって出る、その答申が具体的なものになったら、政府はその具体的なものをありのまま一つ出していく。論議は国会でするなら、これは当然のことで、いいと思うのです。出てくるまでの間に、今度は中には入らせないようにやるのかどうか、ここらは一体どうでしょうか。
#56
○安井国務大臣 これは程度の問題で、実際出た場合の判断によると思いますが、今言っておりますのは、選挙制度調査会での精神は十分尊重いたしますが、具体的に法案を作成しようと思うと、各方面の意見の一致もそうなった、また、政府自身も、考えてみるとまだ相当疑問で、第三者の意見を聞いてみる必要があると思われる部面も相当あるように思われますので、そういう点をひっくるめて一つ審議会の御審議を願う、そして出たものにつきましては、できるだけ尊重して、その精神なり具体案を生かしたいということであります。そこから先、字句をどの程度まで考えるか、条章をどの程度まで尊重するかということになれば、これはやはり実際出ました場合の具体的なケースによらなければ、ちょっと御答弁をいたしかねると思います。
#57
○堀委員 そうなると、またあいまいな御答弁で逆戻りしてきたように思いますが、ここで具体的に伺います。「国会議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定める基準及び具体案の作成」、こうなっております。基準という表現が、私ちょっと気になるわけですが、「議員の数を定める基準」というのは、例をとりますと、これも、「選挙区及び各選挙区において選挙すべき」とありますから、選挙区自体が動くということもこっちへ入ってくるのかもしれませんけれども、一号の方にも制度として入る。二号の場合には、選挙区の広がりが多少変更されるということが技術的にあるのかもしれません。「選挙すべき議員の数」、選挙区における数が具体的にはっきり出てくると、これは動かせないのであるかどうか。この前、たしか小選挙区についての選挙制度調査会の答申が出た。ところが、これが政府提案になるまでには動かした。こういうものすら動かしたという経緯を私は承知しておるのでありますが、今度、これは一体どうなるか。そういう、はっきりと具体的な問題が出たときには、政府はそのままを政府案とするのか。
#58
○安井国務大臣 基準の基本的な問題につきましては、政府としても、審議会の御意見をそのまま十分に尊重していくという精神で当たるつもりでおります。
#59
○堀委員 そのまま十分にというような言葉で、私ちょっとまだすきがあって納得できないのですが、たとえば、兵庫一区、定員三名のところは五名にする、こういうように出る、あるいは兵庫二区、定員五名のところを六名にする。そうすると、六名区というのはないから、今度は三名区、三名区の二つに分ける。そうすると、どこからどこまでを二区のうちのAの区に分け、片一方をBの区に分ける、こういうような答申を期待しておるのか。第二点は、そういうふうに、はっきりと地域を限り、数が出たのを、今のような、そのまま十分にというような言葉で、そのものを政府案とするのか、そこらにはまだ訂正される余地があるのか、そこのところを伺いたい。
#60
○安井国務大臣 これは答申案をそのまま採用するというのを原則にして考えますが、しかし、これは実際問題になりまして、どういうケースが生まれないとも言えませんから、これを一言一句に至るまでということをここで言明するわけにはいきませんが、精神は、その答申案をそのまま尊重していく、こういうつもりでおります。
#61
○堀委員 そうすると、第三条の「政府は、審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」というものには幅があるということに理解されるのですが、そういうことになるわけですか。今あなたは、そのままというわけにはいかないんだ、原則はそうだけれども、例外があるんだ、こういうことでしたね。この前だってそうじゃないかと思うのですよ。政府が作った委員会が答申をして、それを尊重する意思のないような委員会なら、初めから作らなければいい。私は、原則として承認をするつもりだと思うのですが、例外が多過ぎるということだと思うのです。その例外を減らすためにここにこの項目を起こしたのに、依然として原則は尊重するというようなことでは、これから委員になる方も誠意が持てないと思うのです。具体的な問題については、そのまま一つ取り上げるんだというくらいの、あなた方は勇気があってもいいのじゃないか。ここにこれだけつけた以上、問題が間にはさまれるのを望まないだろうと思う。あなた方政府も意見を述べていけないわけじゃないから、答申の出る前に政府側の意見も審議会に述べる。政府側の意見を述べたけれども、審議会の意見はこうだときめた。しかし、おれたち政府は、やっぱりここをさわるんだということであれば、これまでとちっとも変わらないと思うのですが、一体そこはどうですか。
#62
○安井国務大臣 今お答え申し上げましたように、基本的には、その出たものをそのまま尊重するという建前でやることは、もう間違いないわけです。ただしかし、どういう事態がないとは言えませんから、それをここで一言一句までいかぬとかなんとかいう問題になりますと、これは言い切れない場合があるかもしれません。しかし、今お話しの御趣旨に合う線で、政府もはっきり考えておるわけでございます。
#63
○堀委員 それでは次に、少し手順について、あなた方の腹がまえの方を一つ承っておきたいと思うのですが、公の選挙及び投票の制度に関する事項の中で、公の選挙については、当面諸情勢についてのところは諸情勢のときにでよろしいが、今は大体どの程度の諮問を考えておるのか。法案を提案してきているから、今は全然白紙で、何も考えておりませんということは私はないと思いますが、投票の制度については、一体どの程度を考えておられるか。
#64
○松村(清)政府委員 これは、選挙と投票の解釈の問題をちょっと前提に申し上げたいと思いますが、この選挙に伴う投票という問題は、「選挙」という文字に含まれて読むわけでございます。ここで「投票」とわざわざ断わりましたのは、最高裁判所の国民審査の投票とか、あるいは地方自治の場におきまして、いろいろリコールの投票等がございます。そういうものを、この「選挙」では読めませんので、「投票」と書いたわけでございます。その区別が言葉の違いでございます。
 そこで、今の投票の制度という問題については、今のところ、特に取り上げるほどの問題はないのじゃないかと思いますが、選挙の方の問題といたしましては、さしあたっては、少なくとも選挙の公明化をはかるためにはどうしたらいいか、こういう観点から選挙というものを考えるべき問題があると思います。
#65
○堀委員 選挙の公明化の面から選挙を考えるということになりますと、当面は、基本的な制度の問題までは、順序としては少しあと回しになるのであって、その方に比重を置けば、少なくとも今の中選挙区制度というものの土台の上で一応ものを考える。これは次々と、いろいろ出てくるでしょうが、そういうふうに理解してよろしいですか。
#66
○安井国務大臣 これは、正直な話、非常にむずかしい問題だと思います。現在の選挙区画のままでの公明選挙を考えるのか、あるいは区画を合わせて、その公明も両方組み合わせて考えるのかという問題は、これはむずかしい問題だと思いますが、この扱いにつきましては、選挙制度審議会自体におまかせするより仕方あるまいと思います。
#67
○堀委員 実は私が今そのことを伺ったのは、これは四つなんですけれども、率直に申しますと、組み合わせが非常に多くあるわけですよ。まず、中選挙区という制度の土台の上で二号の定数基準、いろいろな問題があり、政党その他の政治団体、政治資金の制度があり、公明選挙の運動の問題についてもあるわけです。小選挙区制ということになれば、これは各項目みんな違うわけです。これについてはみんな違ってくる。その次に、今度は比例代表制となればまた違うし、土台となる中選挙区なら中選挙区というものが一つきまってこない限り、今あなたのおっしゃるような言い方をして――そんな諮問じゃ、どういうことを諮問されるか、ますますわからなくなるのです。向こうにまかせ切りになったら、順列組み合わせで、あの場合とこの場合といったら、何百という答申を準備しなかったらできない。そんなことは、何年かかっても私はできないと思うのです。そうすると、まず、答申のかまえについては、中選区制度の場合ということを想定して、それに伴う二、三、四というものの答申を願う。また、そうでなくて、小選挙区なら小選挙区というものを想定して、それに伴う二、三、四、その中でもまだ問題が起こるのですよ。小選挙区といったって、今の国会議員の選挙区及び選挙区における議員定数なんというものは、事実上は幾つも出てくるのじゃないかと思うのです。それは最終的には一つにしぼられるでしょうが、経過の中では幾つも出てくるだろうし、今度は、参議院の全国区が変わってくるために地方区との問題がどうなるというようなことになれば、またこれは一々あれするわけですから、そんな雲をつかむようなことでは、逆に、私が審議会の委員だったら、答申のしようもないというふうになってしまうのです。そういうことだから、われわれが非常に心配をするわけなのです。一体この委員会というものが、一年間でやれるのかどうかということが心配になってくる。こういうことですから、もう少しそこらについては、事務的処理の面から考えられても、ある程度皆さん方が考え方を整理をしておられなければ、問題は発展しないと思う。一年以内に答申の出ることを期待はしても、委員の身になってみれば、とんでもない、そんな間口の広いもので答申ができるかということになると思うのですが、その点一体どうですか。だから私は順序を言っているんですよ。ともかく先に中選挙区という今の現状についてやれという、その次に、また小選挙区なりあるいは参議院の問題なり、順序は、さっきおっしゃったように手順はあろうからいいんですよ。だけど、最初にやるところぐらいは問題を少し整理してかからなければ、私は、これは発足したつて意味ないと思うんですよ。どうですか、最初には、現状の中選挙区を中心としてやるのかどうか。
#68
○安井国務大臣 そういう御趣旨でございましたら、これは今の現状における、まず公明選挙のあり方というものを答申願うというつもりでおります。ただしかし、審査の過程におきまして、それはしかし、それだけでは困るというふうに扱われますならば、それをも政府としてはいかぬとかなんとか言うつもりはない、こういう趣旨で申し上げたつもりでございます。
#69
○堀委員 法制局がおいでになりましたから、ちょっと法制局に伺いますが、第二条に「審議会は、次の各号に掲げる事項に関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する。」こうありますので、この審議会は、本来は諮問にこたえる審議会であるというふうに私は性格を理解するわけです。ところが、第二項に「審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、自ら調査審議して内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。」こういう一項がここで継ぎ足されておるわけです。そうすると、このこと自体は、諮問がなくとも任意に活動して、任意に何でもできるのだということを規定しておるわけですね。前項の各号に掲げる事項に関しては何でもできる。そうすると、この諮問とそこの部分との関係は、一体どうなるのか、ちょっと私は矛盾があるように思うのですが、法制局の見解はどうですか。
#70
○野木政府委員 この第二条におきましては、御説の通り、第一項においては「諮問に応じて調査審議する。」ということになっております。この一項だけから見ますと、まさに諮問がなければ調査審議が始まらないという建前になっております。しかし、第二項におきまして、審議会は「自ら調査審議して」とありまして、第二項では、審議会は、諮問がなくても調査審議して、意見を申し立てるという書き方になっておるのであります。しかし、一項と二項とでは、一項に「諮問に応じて調査審議する。」二項に、今言ったような「自ら調査審議して」ということを置きますから、気持としては、一項の方が重いと言ったら言葉が当たりますかどうか、先に立つということになっていますから、あるいは通常は、諮問して調査審議するということを予定しているかもしれませんが、しかし、諮問がなくても、法律的には二項で、審議会としては、みずから、一項に掲げた事項については調査審議して意見の申し立てができる、そういう建前になっておるわけであります。
#71
○堀委員 他のこれまでの政府の審議会で、こういう規定のあるのはありますか。
#72
○野木政府委員 通常の審議会におきましては、諮問してそれに答申するというのが普通の形でございますが、中には、審議会の特殊性に応じて、これに類似のものもあります。たとえば、雇用審議会というのが総理府に置かれておりますが、これにおきましても、第一項で「審議会は、次の各号に掲げる事項について、調査審議する。」とありまして、そして第二項におきまして、審議会は、前項各号に掲げる事項に関し、諮問に答申し、かつ、必要に応じては諮問がなくても、内閣総理大臣または関係各大臣に対し意見を述べ、または報告することができる、こういうことにもなっておるわけであります。
#73
○堀委員 その雇用審議会では、こういうふうにはっきりと、審議をする事項が明らかにされているわけではないでしょう。
#74
○野木政府委員 第二条第一項におきまして、「次の各号に掲げる事項について、調査審議する。」といたしまして、一号から四号までありまして、たとえば、一号においては「雇用構造その他雇用及び失業の状態に関する事項、」二号、三号ありまして、四号、「その他雇用及び失業に関する重要な事項、」こういうことになっております。
#75
○堀委員 そこに私は問題があると思う。四号がその他何々に関する重要な事項ということであるならば、私は、法律の建前として、その他というのは諮問についての個々問題じゃないから、意見を申し出る余地が非常に広いと思うんだが、これにはその他という項目がない。項目が限定されている。項目が限定されていれば、本来、諮問がこれについて出てくるということになれば、それについて意見を述べるというのは、法律の建前としてはおかしい。その他があるなら、私はこういうことには触れない。その他選挙制度全般に関して、諮問事項以外についても意見を申し出ることができるということになっているならいいけれども、これはその他がない。項目全体について、はっきり具体的な事項を出されている。どうですか。
#76
○野木政府委員 しかし、雇用審議会におきましても、一項一号から四号までの事項に対して内閣総理大臣の諮問に答申するとありますから、この一号から四号に掲げる事項、その最後の「その他雇用及び失業に関する重要な事項」を諮問しようと思えば、諮問できる範囲の事項になっておるのでありまして、その意味においては、法律的には、今回の場合と変わりないのではないかと存ずる次第であります。
#77
○堀委員 法制局のそういう見解は、私は納得できません。「その他雇用及び失業に関する重要な事項」でありますから、その他というものは、非常に幅が広いわけでしょう。その他で、ほかの項に関係しないもので、私はたくさん該当するものがあると思う。しかし、こういうふうな場合にはその他というのじゃないのであって、全部はっきり出されいるんだから、私は、法律の建前としては、ここにその他選挙に関する重要なる事項というものが一項あるなら、大いにそれを活用されたっていいと思うけれども、――私は、諮問のあり方についてもさっきちょっと伺って、問題があるんだけれども、ともかくも、諮問が項目について出るならば、それに関するものは全部答申の中に盛り込んでいいわけなんですから、意見を申し出る必要はないわけなんです。取り扱い上として、答申のされない分について意見を申し出ることになるのが建前でしょう。四項目ちゃんと出ているなら、それについて関連して答申を出されればいい。なぜ意見を申し出ることができるということになっているのですか。
#78
○野木政府委員 法律的に申し上げますと、本法案におきましても、第二条第一項の場合におきまして、各号に掲げる事項に関して内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する内閣総理大臣は、一号から四号まで全部を、直ちにそれについて諮問するかどうか、必ずしもそこは保証されておらないわけであります。たとえば、まず一号だけ諮問する、二号だけ諮問するということも、法律的には考えられないわけではありません。そういう場合に、審議会は、内閣総理大臣がたとえば一号だけ諮問して、二号以下を諮問しないという場合でも、二項で、二号以下のことを調査審議して意見を申し出ることができる。実際の運用はしばらく別問題として、法律的にはそういうことになるわけでありますから、雇用審議会と、純粋の法律的な意味においては変わりないと存ずる次第であります。
#79
○堀委員 法律的にはとおっしゃいますが、法律的ならば、そういう特例の事項を考える必要はないのですよ。法律的ならば、普遍的な問題で議論する。普遍的な問題となれば、これは委員の任期が一年となっているのですから、委員の任期が一年となっていてこれだけの事項が書かれていて、これは総理大臣に意見を申し出ると法律的になっておれば、当然一号から四号までは諮問されるべきだと考えるのが、私は法律的だと思うのです。普遍的なものを考えるのが、法律的な問題の考え方じゃないですか。特例的なことを考えて、その場合について一号しか諮問しないかもしれないから、二号、三号、四号について意見を申し出ることができるとあるなら、これだけの事項を掲げて、任期一年の委員に対して、大臣は四号全部にわたって諮問するのだと答えられておるわけですが、私は、やはり法律の書き方自体としては、その他選挙に関する重要な事項というなら、うしろの書き方に了承できるけれども、こういう書き方でやるのなら、最初の諮問を削ってしまえはいいと思う。裏返して言うなら、諮問は要らないのです。第二項の「審議会は前項各号に掲げる事項に関し、自ら調査審議して内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。」それだけでいいのですよ。それを二段に書かなければならぬというのなら、私は、それだけの積極的な理由を、ここにあなた方は出さなければならぬと思う。
#80
○野木政府委員 審議会は一応恒久的の建前になっておりまして、委員の任期は一年というだけになっておりますから、審議会の性格としては恒久的なものであります。その恒久的なことを考えてみますと、二条一項と二項との関係は、法律的にはこれでよいのではないかと思います。ただ、先生がおっしゃったように、諮問がなくたって二項だけでもいいじゃないかという議論も、政策論としてはあるいはあり得ると存じますが、それがあると同時に、こういう建前もまた同様にあり得るのではないかと存ずる次第であります。
#81
○堀委員 まああなた方がそう言うならそれでいいですが、どうも私は、諮問機関であるようで、何か自分で勝手に動く委員会であるようで、一体どっちが主体なのか、これだけを見るならば、さっぱりわからないのですよ。やはり私は、そういう問題については、こういう委員会ができるときには、諮問をされる委員会であっても、本来諮問をされる委員会は意見を述べられないことはないと思うのだ。いろいろな問題について、意見を付して出したって別にどうということはないし、それは政府自体のかまえの問題であって、それを聞くかどうか自体は、私は別の問題だと思う。にもかかわらず、ここには諮問の問題が出て、意見を申し出る問題が出て、次に「審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」という本来ならば書かずもがなのものまでくっついているわけですね。
 そこで、ちょっと伺いますが、政府の審議会の中で、答申または意見を尊重しなければならないという項目のついておる審議会が他にあるかどうか、一つ伺いたい。
#82
○野木政府委員 今具体的の名前はちょっと調べておりますが、ないわけではございません。ございます。たとえば、多少違う点もありますが、原子力委員会設置法におきましては、第三条で、「内閣総理大臣は、前条の決定について委員会から報告を受けたときは、これを尊重しなければならない。」こういうような規定も置いてございますから、審議会によっては、特にその審議会の答申なりを政治的に見ても非常に尊重しなければならないといった場合には、こういう規定を置いても差しつかえない、そういうことだろうと存ずる次第であります。これは尊重しなくたっていいかといえば、そういうわけでもないと存じますが、こういう規定を置けば、やはり法律に置いただけあって、国会の意思として置かれるわけでありますから、政府としては、この規定があるということに留意するという意味で、一そう尊重するということになるのではないかと存ずる次第であります。
#83
○堀委員 ちょっとその原子力委員会のところを見せてくれませんか、私はちょっと意味が違うと思うのだが。――これを見ますと、ちゃんとここには「決定の尊重」ということで、やはり今おっしゃったように、「内閣総理大臣は、前条の決定について委員会から報告を受けたときは、これを尊重しなければならない。」その前に、「委員会は、次の各号に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定する。」と、委員会自体の性格も、第一条、目的及び設置が「原子力の研究、開発及び利用に関する行政の民主的な運営を図るため、総理府に原子力委員会を置く。」、こういうことになっていて、本来これは諮問の委員会だということになっていないですね。この委員会は独自に動く委員会ですね。そうでしょう。だから独自に動く委員会が何らかの報告をしたときには、それは尊重しましょうということで、私は諮問をされる委員会について申し上げているのですが、政府が諮問をする委員会について、その諮問を尊重しなければならぬというのはありますか。私はないと思うのだ。そんなことしたら、ほかの委員会との関係がめちゃくちゃになってしまうと思うのだ。ほかのものは、諮問があっても答申を尊重しませんよという、裏側の意味を法律的には持っている。今度は部分的な改正案を出して、あらゆる審議会、諮問委員会に全部この一項をつけてしまうか、そうすればみんな納得するだろうけれども。
#84
○野木政府委員 今ここでほかの例を探してみましたが、たとえば電波監理審議会ですか、郵政大臣が電波法第九十九条の十一第一項に掲げる事項を行なう場合には、その諮問に応ずる、そして郵政大臣は、右の諮問にかかる審議会の議決を尊重して措置をしなければならない。これはいま少し先の方が書いてあります。そのほか、たとえば運輸審議会、これも「運輸大臣は、左に掲げる事項について必要な措置をする場合には、運輸審議会にはかり、その決定を尊重して、これをしなければならない。」といったような条文もあります。これはおそらく原子力のときよりも古かったのではないかと思いますが、原子力のときには、それと類似の議論があったような記憶があります。
#85
○堀委員 そういうものがあると、私は重要だと思いますのは、そういう委員会における答申と政府の原案の尊重の関係、これは一体どうなるのかということについて、これは法制局に伺ってすぐわかることがどうかわかりませんが、どうですか。その委員会の答申は、多少程度があるでしょうが、しかし、われわれの常識からいくと、九〇%以上くらいは尊重されておるかどうか、政府原案には……。これは法制局は法案についてはわかるだろうけれども、行政措置の問題についてはちょっとわかりませんかね。どうですか。事実、そういう尊重の文句がついた部分は、ほぼ尊重されておるかどうか。
#86
○竹山委員長 ちょっと野木君ではそこまでは無理だろう。
#87
○堀委員 じゃ、いいです。今の問題は、何というか、行政的な問題に関しているようですね。尊重したら行政的に反映していくということであって、政府が法案を作る土台となる諮問委員会には、どうも私はないのではないかと思います。だから、そこは性格がちょっと違うからよろしいですけれども、この第三条の趣旨、「これを尊重しなければならない。」というのには、あなた方は相当な幅があると理解しておられるかどうか、要するに、出てきたものと、それから政府の提案する法律案、その間にはどの程度のゆとりがあるとあなた方は理解をして、こういう法案が出されようとしているというふうに法制局としては考えられるか。
#88
○野木政府委員 現在この案に現われている限りにおきましては、「政府は、審議会から答申又は意見の申し出があったときは、これを尊重しなければならない。」ということでありまして、これは政府といたしましても、国会で議決になった法律の条文になっているわけでありますから、これがない場合よりも一そうこの審議会の意見を尊重して、何と申しましょうか、憲法上の問題とか、その他ほかの問題がない限りは、大体その答申に沿って法案を作っていく。原則的には、そういうことになるものではないかと思う次第であります。
#89
○堀委員 原則的には、答申イコール政府の案というふうに理解していいわけですね。
#90
○野木政府委員 ただ、この法律解釈論といたしましては、政府が尊重した場合におきましても、全くその通りに法案を作って、そのまま出さなければならないかどうか、そこまで政府が拘束されるのかどうか、そういう点につきましては、尊重しなければならないということは、側面から見た場合には、そこまで強いものではないと思っております。
#91
○佐野委員 関連して。今の尊重しなければならないというのは、法的拘束力を規定したものではなくて、倫理現実でしよう。
#92
○野木政府委員 何と言いましょうか、これを政府が尊重しなかった場合に、これに対して別に刑罰があるとか、損害賠償とかいうような格好の手段はありません。これはおそらく国会で内閣不信任案、そういうことで政府の責任を問う、そういうことになるのではないかと思います。
#93
○佐野委員 どうも、尊重しなければならないという規定、こういう単なる倫理規定を挿入するというところに、問題があるのではないかと思うのです。というのは、ここに青木委員もおられますけれども、警察官職務執行法のときにも、いわゆる人権を尊重しなければならないという倫理規定を入れられる。だから、職権乱用はないのだから心配するなということでしたが、こういう倫理規定を法案の中に入れることが、近代的な法律の形態ではないのではないですか。たとえば、もう一つ、これは青木大臣のもとにおいて出て参った法律改正なんですが、消防法改正のときに、町村消防に対して国、府県は干渉してはならないと具体的に、明確に法律になっているのを、国、府県は地方消防の自治権を尊重しなければならないと改正して、だから干渉するんだという。前のときには干渉してはならないという規定を、尊重しなければならないというのに切りかえる、こういう倫理規定が非常に多くなってきているのではないかと思うのです。法律ではもっと具体的に、明確に、個別的に、規範的に規制するのが法律の建前じゃないかと思うのです。ですから、こういう倫理規定を設けるところにいろいろな疑惑が出てくる、何ら法的拘束力を持たない、しかも、こういう倫理規定を入れられる、こういうことに対して、安井大臣どうですか。
#94
○安井国務大臣 この、尊重しなければならない、あたりまえじゃないかとか、その限度については、今法制局から答弁した通りであろうと存じますが、特にこの選挙法の答申の歴史にもかんがみまして、今度はでき得る限り、政府としてはこの答申案を、うのみにすると言っては語弊があるかもしれませんが、十分反映したもので法律にしたい、こういう意思を積極的に表示したもの、こう御理解いただきたいと思います。
#95
○堀委員 そこで、法制局に伺っておきますけれども、今おっしゃったように尊重しない場合がありますね。尊重しない場合は、当然、政府は尊重しないという積極的な理由を明らかにしなければならぬ責任が、この一項が設けられた以上生ずる、こういうふうに私は思いますが、法制局としてはどう考えられますか。
#96
○野木政府委員 尊重しない場合に、その理由を明らかにしなければならない。尊重しない場合は、何か理由があってその答申通りのことができなかったということになると思いますから、それは、たとえば国会の審議を通じてとか、いろいろな点で明らかにされることになるとは存じますが、しかし、直ちにそれを、どういう方法ですか、明らかにしなければならないという法律上の義務があるかどうかと申しますと、そうした方が適当であろうとは存じますが、別にそうしなければならないという法律上の義務は直ちに生ずるかどうか。たとえば、法律上の義務という意味は、この第三条の規定も一つの法律に書かれてありますから、尊重するという義務も一つの法律に書かれた義務、こういうことも法律上の義務と考えているわけでありますから、必ずしもそこまでの義務は、この規定からは直ちには出てこないのじゃないかと思っております。
#97
○堀委員 この問題はこれで終わります。法制局けっこうです。
 次に、第四条へ参りまして、「特別の事項を調査審議するため必要があるときは、特別委員を置くことができる。」この特別の事項とは、一体何でしようか。
#98
○松村(清)政府委員 これもそのときのいろいろな事情でいろいろ問題が出てくると思いますが、たとえば、選挙の公明化の問題を調査審議するという場合に、選挙運動に関する関係でどういうふうに直していったらいいか、こういうような問題が出たときが特別の事項と、こういうふうに考えられると思います。
#99
○堀委員 そうすると、その「必要があるときは、」と、こういう表現になっていますね。必要があるときはという判断は、だれがするのですか。
#100
○松村(清)政府委員 これは、諮問者である、あるいは特別委員の任命者である内閣総理大臣にあると思います。
#101
○堀委員 そうすると、この特別の事項というものは、ぽっと出たり、またなくなったり、ぽっと出たり、なくなったり、しょっちゅうこういうことが起こるというふうな想定になりますね。今のいろいろな事情といろいろな問題のときということになると、そのいろいろも、もうちょっと具体的に聞かなければ、一体いろいろとは何かわからないのです。これの性格というのは、ある特定の、何かこういうものというものが想定をされておって、それについては、当然、この特別委員という問題は、国会議員の参加をする問題との関連であるわけですから、そういう問題について、あの程度の想定が私はあるべきだと思うのですが、任意にちょっと出てきたら、ほい、すぐ特別委員を作る、また、特別の事項がなくなったら、すぐ解任することになっていますね。「特別委員は、当該特別の事項の調査審議が終了したときは、解任されるものとする。」こういう理解の上に立っているのですか、この特別委員会は。ちょっとそこをはっきりして下さい。
#102
○松村(清)政府委員 これは運用の仕方にかかると思います。従いまして、選挙運動に関する事項を調査審議するときは、国会議員は非常に密接な関係がございますから、特別委員になっていただく必要があればなっていただく。これは例でございますが、たとえば罰則の問題というような点になりますと、国会議員外の学識経験者だけで論議した方がいいと思われる場合は、国会議員というものは抜けることになります。これは従ってそのときそのときの事情によって、また、審議会の運用の仕方によって、いろいろ違ったケースが出てくるだろうと思います。
#103
○堀委員 次に、「審議会は、必要があるときは、公聴会を開くことができる。」こうありますけれども、この公聴会の開き方については、今のあなたの表現からすると、これも、総理大臣が必要があると認めたときはこういうことになりそうですが、この部分については、私どもは、どうも委員が、やはりこういう重要な問題については公聴会を開きたい、こういう必要があるときは公聴会を開くようになっていないと、ただ、さっきのように、意見を具申してワン・クッションを置いてということになると別問題かもしれませんが、公聴会等の問題については、その「必要があるときは、」という、これはどうも表現がそこの点で不確定な気がするのですが、どうですか。
#104
○松村(清)政府委員 これは第八条をお読みになったらその通りなんでございますが、審議会は公聴会を開くということで、審議会が、開く開かぬをきめるわけでございます。
#105
○竹山委員長 本日はこの程度で質疑を終わりまして、次会は、来たる四月十二日午前十時から理事会、十時半から委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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