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1960/04/21 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
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1960/04/21 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号

#1
第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
昭和三十六年四月二十一日(金曜日)
   午後二時四十八分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 青木  正君 理事 首藤 新八君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 早川  崇君
   理事 佐野 憲治君 理事 島上善五郎君
   理事 堀  昌雄君    薩摩 雄次君
      太田 一夫君    坂本 泰良君
      山中日露史君    井堀 繁雄君
 出席政府委員
        自治政務次官  渡海元三郎君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
 委員外の出席者
        議     員 島上善五郎君
    ―――――――――――――
四月二十一日
 公職選挙法の一部を改正する法律案(島上善五
 郎君外七名提出、衆法第二七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(島上
 善五郎君外七名提出、衆法第二八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十日
 公職選挙法の一部改正に関する陳情書(浦和市
 高砂町四丁目四十九番地の一埼玉県町村議会議
 長会長松井勝蔵)(第六三二号)
 公職選挙法の一部改正に関する陳情書(松山市
 一番町愛媛県町村会長末永芳朗)(第六七九
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(島上善五
 郎君外七名提出、衆法第二七号)
 政治資金規正法の一部を改正する法律案(島上
 善五郎君外七名提出、衆法第二八号)
     ――――◇―――――
#2
○竹山委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 ただいま島上善五郎君外七名提出の公職選挙法の一部を改正する法律案、同じく政治資金規正法の一部を改正する法律案が本委員会に付託されました。この際、両案を議題とするに御異議ありませんか。
#3
○竹山委員長 御異議なしと認めます。よって、右両案を議題とするに決しました。
 それでは、これより両案を議題とし、その趣旨について提出者より説明を求めることといたします。島上善五郎君。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#4
○島上委員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規制法の一部を改正する法律案につきまして、簡単にその理由並びに内容について趣旨を御説明申し上げます。
 公職選挙法の改正につきましては、かねてから世論の強い要求もありましたし、各党それぞれの立場において検討を続けておりましたことは、皆さん御承知の通りであります。しかるに、昨年度は諸種の事情のためについに改正に至らず、古い法律のままで十一月の総選挙に臨みまして、その結果は、私はここであらためて数字等をあげて申しませんけれども戦後最大の違反者を出した選挙である、その違反者のうちでも目立って増加しておりますのは、いわゆる悪質違反といわれる買収、供応、利害誘導等の違反者が目立っておるといことであります。このことは、金のかからない選挙、公明選挙、きれいな選挙ということが叫ばれ、要求されておる事実に対して、選挙の実態はこれ著しく相反するということを物語っておるものでございまして、私どもは、とうていこの状態は放置することができないと思います。
 もちろん、このような選挙のいまわしい状態というものは、法律の改正だけで事が足りるものではなくて、法律の改正とあわせて国民の協力を求める、あるいは各政党が自粛自戒をするというようなことも、あわせて必要であることは言うまでございませんが、私どもといたしましては、率先して法律の改正を行ない、国民の協力に呼びかけるということが当面必要ではないかと存じます。特に明年七月、参議院の通常選挙が行なわれます関係で、早くも事前運動らしい動きがちらほら見られます。今国会において、これら悪質な事前運動、金のかかる事前運動に対して禁止する法的措置を講じませんと、悪くすれば、昨年の衆議院選挙に輪をかけたような悪質選挙が行なわれるのではないかと心配されるのであります。それらのこと等をも考え合わせまして、鉄は熱いうちに打つべしという言葉もありまするように、私たちは、今国会において可能な限りの法律改正をぜひ行ないたい、このように考えておる次第でありまして、そのような見地からこの改正案を提出した次第であります。
 内容につきまして少しく申し上げますが、ただいま配付しました要綱について御説明申し上げます。
 第一に、私どもは、金のかからない選挙にするために、公営をできるだけ拡大するということが必要であろうと思います、完全公営という言葉もございますが、文字通りの完全公営ということは、言うべくして行ない得ない問題でございますので、私どもは、公営を現在考えられる限り最大限に拡大いたしたい、こういうふうに考えまして、第一に、選挙運動用のはがきの枚数を、ここに印刷してございますように増加する、同時に、地方の長及び議員の場合も、無料としてこのはがきを使用するものとすること、衆議院の場合について申しますれば、現行一万五千枚を三万枚にする、参議院の全国区は、現行六万枚を十万枚にする、参議院の地方区及び知事の場合は、衆議院の三万枚をもととしまして、衆議院の選挙区が一をこえる場合は、その一区ごとに五千枚を加える、このようにいたしたい。その他都道府県県会議員、指定都市の長、議員、前号の市以外の市の長、同じく議会の議員、町村の長、町村議会の議員も右に準じまして、それぞれ適当な枚数をふやそうとするものであります。
 同時に、このはがきは、在来しばしば不正に使用されておる。たとえば、譲渡するというようなことが行なわれておった事実にかんがみまして、枚数をふやして、今までのように譲渡の抜け穴があるということではかえって弊害が大きくなりますので、これは他の候補に譲渡することのできないように、その他不正使用ができないような措置を講じたいと考えておる次第です。
 新聞広告につきましては、衆議院及び参議院地方区にあっては、現行二回を三回に、参議院全国区は、現行三回を五回に、都道府県知事は、現行一回を二回、指定都市の長の場合は、現在は一回有料でございますが、二回無料でというふうに改正いたしたいと思います。
 政見放送につきましては、衆、参、知事候補の政見放送には、現行のラジオのほかに、日本放送協会もしくは一般放送業者のテレビ放送を一回だけ無料で使用せしめることであります。指定都市の長の候補者もこれと同じくいたしております。
 衆議院議員の選挙にあっては二十五名以上、参議院議員の場合には十名以上の候補者を有する政党の代表者に、日本放送協会もしくは一般放送業者のラジオ及びテレビを通じて、三回を限り、無料で政見を放送せしめることといたしました。
 また、都道府県議会議員の選挙及び指定都市の長の選挙においても、立会演説会を義務制とし、その他の選挙においても、条例の定むるところにより、公営の立会演説会を行なうことができるものといたしました。
 公営立会演説会の開催を周知させるため、選挙管理委員会は、開会前おおむね一時間、会場付近に拡声機等により周知をはかるものとする。
 国会議員及び知事の選挙につきましては、現行の公報のほかに、経歴、写真のみの公報をさらに一回発行することとする、このさらに発行する一回の公報の字数は四百字として、その他につきましては政令で定めることになっております。
 都道府県議会議員五百字、指定都市の長二千字及び議員五百字の選挙に関する公報を一回発行することといたしました。
 選挙運動用のポスターの掲示につきましては、一投票区に二カ所の公営掲示場を設けることとし、掲示の締め切りとか順序等は、政令で定めることにいたしました。
 第二に、文書といたしましては、現行ポスターのほかに次のように現行規格の立て看板を認めることといたしました。
 参議院全国区につきましては、一都道府県に三十本以内で、総数二百本以内。参議院地方区及び知事につきましては三十本とし、衆議院選挙区が二以上である場合は、一につき十本増すこと。衆議院及び指定都市の長は三十本。都道府県議会議員及び指定都市の議員は十本。この立て看板の掲示については、選挙運動用ポスターの掲示の規定を準用することといたしました。
 この立て看板と関連いたしまして、選挙事務所に掲示する立て札、立て看板は三枚に限ることとする。
 並びに、街頭演説の場所に掲示する立て札、看板は二枚に限り、かつ、演説の開始から演説の終わる時間中のみに許されることとする。
 選挙運動期間中の政党及び政治団体の行なう政談演説会、街頭演説を表示する立て札、立て看板も前項に準ずるものとする。在来、御承知のように、街頭演説会場と称して無数の立て看板を立てたり、選挙事務所にこれまた無数の立て看板、立て札をたてておりまするが、これをこのように制限し、同時に、今申しましたように、衆議院の場合三十本の立て看板を許す、こういうふうにいたしております。
 第三に、その他の運動につきましては、国会議員と知事と指定都市の長の選挙に限って、午前八時から午後六時の問に、運行中の車上のいわゆる連呼を許すことといたしました。
 第四に、事前運動の制限強化について、でありますが、次回の選挙に公職の候補者となろうとする者については、次の行為を禁止することにいたしました。
 候補者となろうとする者を後援する目的をもって作られた団体、後援会の結成大会、総会、旅行等において供応、接待をし、または金銭、記念品等を供与する行為。二は、当該選挙区内における政党及び政治団体、その支部に対する通常一般の社交の程度を越える寄附、並びに財産上の利益を供与する行為。ただし、自己の属する政党は省いております。御承知のように、現行は、自己の属する政党であるとなしとにかかわらず、無制限に寄附が許されておる、いわば抜け穴のようなものがあるのでございますが、自己の属する政党以外には、今申しましたように、通常一般の社交の程度を越える寄附、財産上の利益を供与する行為を一切禁止するというふうにいたしました。
 政党等の政治活動につきましては、一つは、選挙運動期間中における政党及び政治団体中の確認団体の政談演説会回数制限は、これを緩和いたしまして、現行の二倍にすることにいたしました。
 第二には、選挙運動期間中、政党及び政治団体、その支部は、その開催する大会その他の集会において、参加者に対し供応接待をし、または金銭、記念品等を供してはならないことといたしました。
 立候補につきましては、高級公務員――高級公務員とは、各省の事務次官、外局の長で国務大臣以外の者及びその次官、次長、内局の長等は、その職を離れてから二カ年間は公職の選挙に候補者となることを制限する。次に、同時に重複して、他のいかなる公職の候補者となることはできないものとする。これは当然のことでありますが、現行法には抜けております。また 被選挙権のない者は立候補することができないこととする。郵便による立候補の届出を禁示する。このように改正いたしました。
 第七に、寄附制限につきましては、候補者の後援団体は、当該選挙に関し、当該選挙区の有権者もしくは有権者の組織する団体――この場合も自己の属する政党を除きますが、それに対しまして一切の寄附をしてはならないものとする。
 第二には、選挙に関し候補者が受ける寄附については、国会議員である場合は、国――公社、公団を含む、知事及び地方議会議員である場合には、地方自治体からそれぞれ財政投融資補助金、交付金、利子補給等を受けている団体からは、受けてはならないものとすること、これはあとで申します政治資金規正法との見合いで、このように公職選挙法の改正を行なうことにいたしました。
 第八の罰則強化につきましては、連座制は、総括主宰者、出納責任者並びに事実上出納責任者の職務を行なう者が、買収及び利害誘導、多人数買収及び多人数利害誘導、公職の候補者及び当選人に対する買収及び利害誘導、新聞、雑誌の不法利用罪のいずれかを犯し、刑に処せられたときは、あらためて訴訟を要せずして当選無効とする。御承知のように現行法は、この場合あらためて当選無効の訴訟を起こし、それが最高裁で決定されるまでには連座制は適用されないので、実質的には連座制はあってなきにひとしい状態でございますので、連座制を生かすためには、あらためて訴訟を要せずして当選無効とするというふうに改正いたした次第でございます。
 候補者が、今申しました四つの罪を犯し、刑に処せられた場合は、五年間――現在の公民権停止の最高五年間、公民権を停止する。従って、この間は公職の候補者となることができないわけであります。
 さらに、前記四つの違反のいずれかによって刑に処せられた者は、必ず公民権を停止することとする。
 また、前記四つの違反及びおとり罪の被疑者が逃亡した場合の時効を五カ年間とする。
 さらに、今度新しく設けた項でございますが、ポスター、立て札、看板、氏名掲示を破棄した行為を、現行の選挙の自由妨害罪に加えて処罰することといたしました。
 最後に、投票につきましては、投票開始時間を一時間繰り上げ、締め切り時間を一時間繰り延べることを明文化することにいたしました。現行法でもそのような措置が選管によってできるようになっていますけれども、法律で明らかではございませんから、しなくてもよろしいわけです。そのために、工場等に勤務する人々の投票は非常に不都合な場合が多いという事実にかんがみまして、これを法文ではっきりと出した。
 このように考えております。
 次に、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 政治資金規正法の一部を改正する法律案につきましては、皆さん御承知のように、実は長い間の懸案であります。昭和二十九年、国会が大へん混乱いたしましたときに、当時の五党が自粛三法というものを国民に公約しました。すなわち、公職選挙法の改正、国会法の改正、政治資金規正法の改正を行なうことを国民に公約いたしまして、その後、国会法及び公職選挙法は、公約百パーセントというわけにはいかなかったと思いますけれども、かなりの程度の改正が行なわれました。しかるに、政治資金規正法のみは改正が行なわれないま、その必要を認められながらも今日に至っておるわけであります。
 御承知のように、この政治資金規正法の一番重要な柱ともいうべき点は、現行法によりますと、国または公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者からは、選挙に関して政党及び協会は寄付を受けてはならない。そのほかに、外国人及び外国の法人、外国人の団体というのもございますけれども、それが一番の柱であると私ども理解しております。しかるに、この肝心の条項が、選挙に関してという六文字がついておりますために、選挙に関してであるかないかという判断が、なかなか困難な場合が多い。そうして、これは選挙に関してでないということが立証されますならば、国または公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者からもらった寄付でも、全然差しつかえないということになるわけであります。
 そこで、私たちの今回の改正は、選挙に関してという六文字を削除することによって、選挙に関するといなとにかかわからず、禁止するということが一点、禁止の対象は、国または公共企業体と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者のみに限らず、さらに、ここにあげてあります五項を追加したわけであります。それは、「国から補助金、奨励金、助成金、負担金その他これらに準ずる交付金の交付を受けている会社その他の法人」、「国から貸付金等の財政援助又は直接若しくは間接に利子補給金、損失補償等の財政援助を受けている会社その他の法人」、「国が資本金の全部又は一部を出資している会社その他の法人」、「国が資本金の全部を出資している会社その他の法人から、資本金の全部又は一部の出資を受けている会社その他の法人」、「国が借入金の元金又は利子の支払を保証している会社その他の法人」、この五項を追加したのであります。これに関連しまして、罰則等の整備条項もございますが、これは省略しまして、法文について御承知を願いたいと思います。
 この政治資金規正法の改正につきましては、多くの議論があるところだと思います。その第一の議論は、こういうふうにするならば、労働団体からの寄付も制限し、もしくは規制すべきではないかという議論が一つ。さらに、もっとアメリカのように、個人かり受ける寄付についても金額を制限すべきではないかという議論等もございます。また反対に、それではあまりにきびしきに失する、現行の国と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者に限定して、選挙に関してという分だけを削除する程度でよいのではないかというような議論、その他の議論等がございます。しかし、私は、あまりに一挙に範囲を広げるということは、現状にかんがみまして少し無理ではないか。そこで、これは必ずしも理想案とは申されませんけれども、理想に近づくための一歩ないし二歩前進の意味におきまして、今申しました国から補助金、奨励金、助成金、交付金、財政投融資を受けている団体、会社その他法人からは寄付を受けないことにする、こういうのが一番現在妥当な改正ではないかと思います、一般の会社、一般の労働団体その他の団体からの寄付について、今日そのよりな制限を設けることは適当でない、このように考えまして、そこまで拡大しなかったのであります。
 大へん簡単な御説明でございまして、資料もまだ十分整っておりませんが、後日要綱、資料等の配付についても手配をいたしますが、御質問によりまして、なお不明の点、御疑問の点は明らかにいたしたいと思います。
 何とぞ慎重審議の上、すみやかに成立するようお願いして、説明を終わります。(拍手)
#5
○竹山委員長 これにて両案の趣旨説明は終わりました。
 次会は、来たる二十七日午前十時より理事会、午前十一時より委員会を開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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