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1960/05/11 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第7号
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1960/05/11 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第7号

#1
第038回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第7号
昭和三十六年五月十一日(木曜日)
    午前十一時十七分開議
 出席委員
   委員長 竹山祐太郎君
   理事 青木  正君 理事 首藤 新八君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 早川  崇君
  理事 早稲田右エ門君 理事 佐野 憲治君
   理事 島上善五郎君 理事 堀  昌雄君
      仮谷 忠男君    木村 公平君
      長谷川 峻君    林   博君
      三和 精一君    米田 吉盛君
      板川 正吾君    太田 一夫君
      戸叶 里子君    山中日露史君
      井堀 繁雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        自治政務次官  渡海元三郎君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
    ―――――――――――――
五月十一日
 委員金子岩三君辞任につき、その補欠として木
 村公平君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員木村公平君辞任につき、その補欠として金
 子岩三君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十日
 公職選挙法の改正に関する請願(伊藤卯四郎君
 紹介)(第三八八九号)
 同(春日一幸君紹介)(第三八九〇号)
 同(鈴木義男君紹介)(第三八九一号)
 同(田中幾三郎君紹介)(第三八九二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 選挙制度審議会設置法案(内閣提出第一二〇
 号)
     ――――◇―――――
#2
○竹山委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、選挙制度羅議会設置法案を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。井堀繁雄君。
#3
○井堀委員 前回の本委員会で質問をいたし、回答を願うように御用意いただくことにしておいたのでありますが、例の奄美大島の場合に行なわれましたと同様の意味において、沖繩の主権が復活した際における国会議員の議席を、あらかじめ別表に用意するという点についてお尋ねをいたしたのであります。その節、時間の都合もあり、十分お尋ねができませんでしたので、二、三不足した部分をお尋ねして、大臣からさらに前回の質問に対する御回答をいただくことにしたいと思います。
 今日の選挙法第四条の規定によりますと、定数は四百六十六人でありますが、奄美大島一名を加えて 四百六十七名ということになっておるのであります。選挙法の肯定に従いますと、人口の増加などによりまして別表の変化を必要とすることになっておりますが、この場合、現在の沖繩の人口と国内の人口と総合して定数をふやすとすれば、もし奄美大島のように一名増加するということになりますと、沖繩の場合、衆議院議員ですと議席を何人くらいふやさなければならなくなるか、あるいは参議院議員の場合はどういう形になるか、この点についてお伺いいたします。
#4
○安井国務大臣 現在、沖繩の人口は八十万名というふうに推定されております。そうしますと、今の一応の基準としますと、二十万人に一人というような衆議院の比率になりますが、しかし、御承知のように、日本でも各地区によりましてみな変わっておりますし、その状況で今定数が、はたして何名が妥当であるかということにつきましては、もう少し検討いたしたいと思っておる次第であります。
#5
○井堀委員 もちろん、正確な数字をこの際きめるということは――今回上程されております選挙制度審議会の審議対象にも上せておるようでありますから、正確なものはその際検討されるものと思うのでありますが、一応目安というものがなければならぬと思います。国内の現在の比例二十万ということになりますと、大体四名というふうになりますが、その点どうでしょう。
#6
○安井国務大臣 機械的な計算上は三名ないし四名、その辺かと思っております。
#7
○井堀委員 従来何回か別表に規定された記憶をわれわれは持っておるのでありますけれども、正確なことを記憶しておりませんのでお尋ねいたしたいと思いますが、何回か別表が改正されて、そのたびに沖繩区域の定数が変更したことがあると思うのです。それは、たとえば大選挙区で一回やったし、中選挙区、さらに小選挙区を試みた時代もあるのですが、そのたびに変更が行なわれておるはずであります。それを一つ、おわかりになれば、この際明らかにしていただきたい。
#8
○安井国務大臣 直接別表に載っておりましたのが、施政権がアメリカに移りました直後、定数表から落としたわけであります。落としました直前の別表に載っておりました数は、二名ということになっております。
#9
○井堀委員 その以前に、大選挙区の場合には、あそこは一選挙区と見たと記憶しておりますが、それからさらにその前、小選挙区を、いつの時代ですか、実施したことがあります。その時分にはどういう定数で取り扱っておるか。
#10
○松村(清)政府委員 ずっと以前のことは、ちょっとここに資料を持ってきておりませんのでお答えできませんが、戦前、終戦前には沖繩の定数は五名でございまして、それが、御承知のように、戦後大選挙区制のもとで総選挙を行なったことがございます。その際に二名になりまして、その次の中選挙区に戻ったときの選挙からは、もう全く別表から落ちたわけでございます。
#11
○井堀委員 この別表から落としたいきさつについて拝聞しますと、あちらの方からの問題じゃなくて、間接的なサゼスチョンか何かあったかどうか、あるいはそのいきさつを、この際伺っておくことが必要だと存じます。できるだけ詳細に、一つその経過を……。
#12
○松村(清)政府委員 戦後、昭和二十一年の大選挙区制のもとにおける衆議院の選挙に際しましては、別表に、先ほど申し上げましたように、沖繩の定数二名というふうに出ておったわけでございます。ただし、法律の附則では、沖繩には勅令で定めるまでは選挙を行なわないというふうになっておりまして、これはおそらく、事実上アメリカ軍が占領しておりますので選挙ができないので、法律の上でそういう規定がしてあったのだろうと思います。それから間もなく司令部の方から覚書が出まして、沖繩の行政事務分離ということが行なわれたわけでございます。その結果であるかと思いますが、次に、昭和二十二年に中選挙区制に戻して選挙をやりました際には、もう沖繩の定数というものは別表から落ちておったのでございます。それで、私どもの推測といたしましては、おそらく、昭和二十一年の大選挙区制のもとで選挙をやりました当時においては、法律的には、日本の主権と申しますか、行政権が沖縄に及んでおる、従って、選挙法――当時は衆議院議員選挙法でございましたが、選挙法という法律も沖縄に当然及ぶ、しかし、実際は選挙がやれないから、勅令で定めるまでは選挙をやらない、こういうふうに法律的になっておりまして、そのあとで司令部からそういう覚書が出まして、そこで、沖縄には日本の行政権が及ばない、そういう法律的観点から日本の法律も沖縄に及ばないということで、別表から沖縄の部分は削除したのだろうと思われます。
#13
○井堀委員 そこのところをもう少し正確に知りたいと思いますが、当時まだ占領下の時代であったか、また、どうかということも問題があるだろうと思います。その後、独立したことによって、こういうものに対する判断の基準も、おのずから変わることは当然であります。そういう意味で、GHQの方から、沖縄の行政権のないことを理由にして別表からはずすという御注意があったということであるが、それはいつごろ、どういう形であったかわかりませんか。
#14
○松村(清)政府委員 昭和二十一年の一月二十九日に、ただいま申し上げました行政権分離の覚書が司令部からきたわけでございます。それに基づきまして、六月の十八日に、ポツダム政令でもちまして、ただいま申しました、こまかくなりますが、附則で、沖縄――これは沖縄だけに限りません、北海道の歯舞、色丹の方も同一でございますが、そこには勅令の定めるまで選挙を行なわない、そういう規定そのものを落としてしまったわけでございます。従って、当時においては、沖縄には行政権は及ばない、こういう法律解釈で、次の選挙における別表からは沖縄がはずされたのであります。
#15
○井堀委員 ただいまの御答弁で大体経過が明らかになったと思います。
 そこで、自治大臣にお尋ねをいたすのでありますが、二十一年の一月二十九日のことでありますから、当時のGHQの分離を命ぜられたいきさつは、ある意味において、まだ占領下でありましたので当然の処置であったと思うのでありますが、その後、わが国も、独立国としての体面を一応形式的にも、実質的にも備えてきておる今日、この問題に対する政府の解釈というものは、おのずから明確にする時期がきておると思うのでありますが、この点について、内閣としての正式の見解がきまっておいでになりますか。
#16
○安井国務大臣 前々回でございましたか、井堀委員からの御質問を兼ねた御提案の問題がございまして、私ども、これは非常に大事な問題だということで一応閣議にも報告をいたしまして、種々今後検討をいたすというふうにしておりますが、どういうふうにするという、まだ政府としての決定には至っておりません。
#17
○井堀委員 この問題は、いろいろな独立後の処理をいたすべき事項の中でも最もすみやかに、かつ、わが国の見解を明示して解決をはかるべき事項の一つであると信ずるのであります。その意味においても、今日まで延引していること自体が、国会を含めても責任があると思うのであります。これから御調査をなさるとか、研究をなさるとかいうことの問題ではないように思われる。いかがでしょうか。どの条約に基づいてそういう状態が放置されるかどうかという問題があるのでありますならばとにかくとして、一応日本に潜在主権のあることだけは、いずれの点からいっても、きわめて明確であります。そして、日本が独立をした今日においては、これはその潜在主権に対する考え方を貫いて、その考え方の上に処置を講ずべき事柄だと判断できるわけであります。とすれば、相手方の外交上の儀礼的手続はいかがかと思うのですけれども、本質的には、わが国の判断によって決することのできるものと私ども判断しておるのですが、大臣のこの点に対する見解を明らかにしてもらいたい。
#18
○安井国務大臣 井堀委員のお話のような御見解も確かに有力な御見解だと思って、われわれもせっかく検討中のものでございますが、平和条約の条章その他いろいろな関係もございまして、これは、政府として今直ちに右から左へこうしたいという方針を決定するには、もう少し検討の時間をいただきたいと思っているのであります。
#19
○井堀委員 しつこいようですが、何かそういうことを決定されると弊害がございましょうか。そういうことも、まだおわかりになっていないのでしょうか。
#20
○安井国務大臣 これは一つは空気といいますか、感触というような問題もあろうかと思いますが、対外的な関係から見まして、どういう形で、どういう方法で取り上げるのがいいかという点につきまして、まだちょっと結論を得る段階に至らないわけであります。
#21
○井堀委員 平和条約の三条の規定が何か問題になるかのように言っておられる向きがありますが、しかし、私どもこの三条を見てみますと、別表に規定することがこの精神に抵触するとか、あるいは外交辞令上、何か相手に不快な感じを与えるとかいうようなことは一向ないじゃないか、ただ、実施の時期が、主権が回復した際ということさえ明確になれば、何も問題はないじゃないかというふうに感ずるのであります。私のこの考え方が誤りでありますならば、政府の異なった見解を伺いたい。
#22
○安井国務大臣 今申し上げますように、私どもも今慎重に検討いたしておる最中でありまして、井堀委員のお話が、全面的に、これはどうも絶対困るんだとかなんとかいうことは、むろん出しているわけではない。そういうお考え、また、気持におきまして、私ども、これは非常に同調すべき性格のものだというふうに思っておりますが、今申し上げましたような条約の問題等も関連して見ますと、たとえば、別表に規定を載っけるという場合に、今沖縄に影響のあるような日本の法律が作用するというような場合に、はたしていかがなものかというような点については、もう少し検討を要する面があると存じまして、そういった点を目下検討中ということでございます。
#23
○井堀委員 まことに遺憾に思われることは、これは独立国の体面を保持する最小限度の措置ではないか。今御答弁の中にありますように、行政権のないところへ法律が及ぶような規定を作るということは、これは私ども適当じゃないと思うのです。しかし、別表にそのことを規定してあって、それが、前提になるべきものは、今言うように主権が復活した際にということになれば、これは現実的にも、あるいは理論的にも、故障を起こすようなことはごうもない問題だ。そういうことが、この際にわかに決定できないというのについて、むしろ逆な不安を感ずるのであります。一体、条約でも拘束を受けないし、あるいは国際信義の上からいっても当然だし、また、国内法の上からいっても一向に差しつかえのないようなことを、何か相手国にはばからなければならぬというような態度は、私は、厳にこの際改むべきだと思われる一つの大きな具体的事実だと思います。ことに、前回もお尋ねした際に申しましたように、沖縄の同胞に対するわれわれの当然の任務の一つでもあります。それらの問題をなおざりに、時間を費やすということは、そういう意味で非常な損失になる。また、われわれ日本国民としましては、沖縄の同胞に対して、極端な無責任な態度のそしりを受けると思うのであります。これは政府だけを責めるのじゃありません。もし、何もないけれどもということで、国の最高の機関である国会の意思決定等があればというようなことならば、これはまた各党とも諮って、国会の意思決定をするということによって運ぶという方法も出てくると思うのです。しかし、今までの御答弁の中では、不得要領といえば言い過ぎかもしれませんが、どうも納得のできる御答弁じゃないので、もっと納得のできるような政府の見解を一つ明らかにしてほしい。
#24
○安井国務大臣 井堀委員のお話の御趣旨、気持は、私どもも非常によくわかるのでありまして、何とかそういった点でさらに具体的な結論を出したいと思って検討を進めておるのでありますが、現実は、先ほど申し上げましたような点も若干問題が残っておりますし、もう少し時間をかしていただいて検討したい、政府としてはそう考えております。従って、今の御提案のような趣旨が絶対できないときめておるわけでもございませんし、また、できるものならやりたいという気持も持っておるわけでありまするが、手続上あるいはその他の関係から、決定をいたしますにはもう少し検討を進めてからにしたい、こういうふうに思っております。
#25
○井堀委員 これ以上何回お尋ねしても同じことを繰り返すことになると思いますので、この点はやめますが、ぜひ一つ、今の御答弁の中にありますように、具体的に何も故障のないように判断されておるのでありまして、もう少し検討してという意味でしょうが、伺いますと、最近沖縄からも、政治責任を帯びた重要な代表者が政府にも一国会にも陳情に見えております。また、新聞の報ずるところによると、近く日本からも代表者を送って、実情調査その他問題の処置に当たる方法が講ぜられておるように伺っておるわけでありますが、その以前には、少なくともこの問題は解決しておくべきだ。できるなら、沖縄の代表に対しては、やはり適当な回答が要請されるものと思うのであります。そういう意味で、すみやかに一つ御決定を願って、この委員会に報告できまするように要望をいたしておきたいと思います。この点に対して、一つ大臣の所見を伺いたい。
#26
○安井国務大臣 できるだけ御趣旨の線で努力していきたいと思っております。
#27
○竹山委員長 他に質疑はございませんか。――他に質疑がなければ、これにて本案に対する質疑を終了するに御里一議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○竹山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 それでは、これにて休憩をいたし、午後一時より再開いたします。
   午前十一時四十分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時五分開議
#29
○竹山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 選挙制度審議会設置法案に対する質疑は終局いたしておりますので、これより本案を討論に付します。
 別に討論の通告がございませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○竹山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#31
○竹山委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#32
○竹山委員長 ただいま可決になりました選挙制度審議会設置法案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者よりその趣旨説明を求めます。青木正君。
#33
○青木委員 ただいま提出されておりまする附帯決議につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党を代表いたしまして、提案の説明をいたします。
 申し上げるまでもなく、わが国の選挙制度につきましては、その改正の必要ありとする世論が高まっておるのであります。従いまして、この審議会におきまして、十分世論の動向にもかんがみ、また、選挙の実際にもかんがみまして、公正な改正意見の出てくることを私ども希望するのであります。しかしながら、現実の問題といたしますと、選挙の理論を通さなければなりませんし、同時にまた、諸般の政治情勢等を勘案する必要もありますし、各般の面からいたしまして、この審議会に諮問するにあたりましては、政府として十二分にそういった点についての配慮がなければならぬと思うのであります。そこで、私どもは、この際、この法案の通過にあたりまして、附帯決議を提出いたしたいと存ずるのであります。
 まず、附帯決議の案文を朗読いたします。
   選挙制度審議会設置法案に対する附帯決議(案)
 一、選挙制度審議会の調査審議に当たっては、まず、当面急を要する事項について早急に行ない、選挙区制の根本的改正について調査審議を行なう場合には、特に慎重を期すること。
 二、公明選挙を推進するため、選挙管理委員会の組織及び権限を強化すること。
 三、選挙公営を拡充強化し、罰則を強化する等選挙の腐敗防止に努めること。
 四、現行選挙区制のもとにおける衆議院議員の選挙区別人口と議員定数の不均衡をすみやかに是正すること。
この四項目であります。
 簡単に理由を申し上げます。
 第一点につきましては、すでに選挙制度調査会、あるいはまた、各政党等におきまして、現行選挙法について改正を要すべき点に関し、十分検討を尽くされた問題もあるのであります。こういう問題につきましては、できるだけ早い機会に審議会において結論を出していただくことが私ども望ましいのでありまして、政府におきましても、そういう考えのもとに諮問をしていただきたいということを、私どもは期待いたすのであります。ただ、他方におきまして、選挙区制の根本的な改正の問題も、本審議会の性格として当然取り上げられる問題とは考えるのであります。しかしながら、選挙区制の根本的改正につきましては、これは現実の政治情勢等を勘案する必要もありますし、特に慎重に検討すべきものである、かような考えのもとに第一項をうたったのであります。
 第二項につきましては、これは常時啓発の徹底、あるいは選挙の管理、執行の適正化、あるいは公営の拡大に伴ういろいろ事務の複雑化等に関連いたしまして、選挙管理委員会の組織及び権限を特に強化する必要があるのではないか、こういうことを表わしたのであります。
 第三点につきましては、これは金のかからぬ選挙ということが選挙法改正の一つのねらいでもあり、また、民主政治の根本を正しくするためには、何と申しましても、選挙の公営を拡充強化することと罰則を強化することが、最も必要だろうと考えられるのであります。
 第四点といたしましては、いわゆる選挙区の人口と定数のアンバランスの問題であります。このことは、もう今さら説明するまでもなく、きわめて不合理なことであり、できるだけ早く解決しなければならぬことは言うまでもないのであります。特に昨年の国勢調査の結果もすでに判明いたしておりますので、この不均衡の是正ということをすみやかに取り上げなければならぬ。
 かような趣旨のもとにこの附帯決議を提出することにいたした次第であります。何とぞ御賛成を願います。
#34
○竹山委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 本動議について、島上善五郎君より発言を求められております。これを許します。島上善五郎君。
#35
○島上委員 ただいまの附帯決議は三党共同提案のものでありまして、私どもも、もちろんこれに賛成しておるわけであります。今青木委員からその理由の説明がありましたので、今さらつけ加えて申し上げることもないわけですが、この機会に、念を押す意味において私どもの考えを述べ、並びに大臣の所見を最後に一言伺っておきたいと思います。
 私どもの考えは、本案の審議の過程でかなりはっきりと浮き彫りされたつもりですし、また、その間に大臣の答弁もございました。記録に載っておりますが、要するに、明年参議院の選挙がある、去年の十一月の選挙にかんがみて、早急に、不正、腐敗の選挙を防止するための法改正、並びに、それと関連するわけですが、最も悪質と思われる各種の金のかかる事前運動を防止する手が、法律改正その他行政措置で必要だと思われる。ところが、一方には、制度の根本の改正をしなければ、そのような改正ができないものだというような考えもあるわけです。しかし、制度の根本的な改正というものは、なかなかむずかしい問題で、現に各党の意見も一致しておりませんし、さらに言うならば、党内の意見だって必ずしも一致していないという状況であります。これについては政治情勢というものも関連しますので、制度の根本改正と当面の改正とは、一緒に関連させてやろうという考えに立ちますと、必要な当面の改正もずるずると流れてしまう。これは今までの経験に徴してもそうなのです。そこで、この附帯決議にもはっきりしておりますように、当面の緊急を要する改正、すなわち、公明選挙を行なうための選管の組織及び運用を強化すること、選挙公営を拡充強化し、罰則を強化するというような法的改正をやること、さらに、はなはだしい人口の移動による衆議院議員の選挙区と議員定数のアンバランスの是正というようなものを先に改正を行なって、区制の根本問題を検討するような際には慎重を期するということ、これは、私ども附帯決議を作成する過程で私どもの考えを申しましたが、話し合いの政治の精神に徹して、土俵の根本を変えるようなときには、与党が若干多数であるからといって与党の考えで押しまくってしまうということじゃなしに、十分各党で話し合いをして、それを前提としてそういう問題に取っ組むべきものであるというふうに私ども考える。特に小選挙区制については、社会党は、しばしばはっきりいたしましたように、強い反対を持っておるし、本日、わが党の本案に対する最終態度を決定する際にも、そういう強い意見があったのであります。その点を十分考えの中に入れていただいて、この附帯決議の精神を十分に尊重してもらう。そうしませんと、せっかく必要な改正まで流れてしまうという危険性があります。私どもは、当面の改正についてはほんとうに高い立場に立って真剣に世論にこたえたい、こういうふうに考えておりますので、この点に対して、ぜひ大臣においては一つ十分考えの中に入れておいていただきたい。そして最後に、大臣の所見を承っておきたいと思います。
#36
○竹山委員長 ただいまの島上君の発言に関して、自治大臣の発言を求めます。自治大臣。
#37
○安井国務大臣 ただいま青木委員から、三派を代表されまして、附帯決議が提出されたわけでございます。これに関連しまして、島上委員から、特に現行制度においてやるべきものを早急にやれ、そうして、根本的な選挙区画といったような問題については慎重の上にも慎重を期せ、こういう御要望がございましたが、政府といたしましても十分この御意思を尊重いたしまして、その線に沿って善処するつもりでございます。
#38
○竹山委員長 他に御発言がなければ、これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#39
○竹山委員長 起立総員。よって、本動議は可決されました。
    ―――――――――――――
#40
○竹山委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○竹山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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