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1960/02/17 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第6号
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1960/02/17 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第6号

#1
第038回国会 建設委員会 第6号
昭和三十六年二月十七日(金曜日)
   午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 加藤 高藏君
   理事 佐藤虎次郎君 理事 薩摩 雄次君
   理事 瀬戸山三男君 理事 石川 次夫君
   理事 中島  巖君
      逢澤  寛君    綾部健太郎君
      大倉 三郎君    大沢 雄一君
      木村 公平君    徳安 實藏君
      二階堂 進君    丹羽喬四郎君
      廣瀬 正雄君    松田 鐵藏君
      山口 好一君    栗林 三郎君
      實川 清之君    三鍋 義三君
      田中幾三郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
 出席政府委員
        建設事務官
        (大臣官房長) 鬼丸 勝之君
        建設事務官
        (計画局長)  關盛 吉雄君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  稗田  治君
 委員外の出席者
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
二月十五日
 中国縦貫自動車道の建設促進に関する請願(足
 鹿覺君紹介)(第四八九号)
 県道小山今市線の改良及び舗装促進に関する請
 願(小平久雄君紹介)(第五六九号)
 県道宇都宮水戸線の二級国道編入に関する請願
 (志賀健次郎君紹介)(第五七〇号)
 北海道道神恵内、入舸、古平線を二級国道に指
 定の請願(壽原正一君紹介)(第五七一号)
 鴻巣市地先荒川に永久橋架設の請願(福永健司
 君外一名紹介)(第五七二号)
 主要地方道前橋秩父線杉ノ峠、出牛峠間の改修
 に関する請願(荒舩清十郎君紹介)(第六〇三
 号)
 琵琶湖の水資源開発に関する請願(草野一郎平
 君紹介)(第六〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第三三号)
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三四号)(予)
 建設省関係重要施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び一本住宅公団法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、審査を行ないます。
 前会の大臣の提案説明に引き続き、政府当局より補足説明を聴取することにいたします。稗田住宅局長。
#3
○稗田政府委員 ただいま議題となりました住宅金融公庫法案等の一部を改正する法律案につき、逐条的に御説明を申し上げます。
 この法律案は、住宅金融公庫法におきましては、住宅用地の収得造成について住宅金融公庫が貸付を行なう範囲を拡大し、土地の収得造成及び中高層耐火建築物等の建設にかかわる貸付金の利率を変更し、並びに住宅金融公庫の理事を一名増員することといたしております。また、産業労働者住宅資金融通法及び北海道防寒住宅建設等促進法におきましては、産業労働者住宅の一部にかかわる貸付金の利率を変更することといたしております。
 まず、住宅金融公庫法第一条につきましては、住宅金融公庫の貸付の対象となる住宅の建設資金の中に、住宅の用に供する土地の取得及び造成に要する資金を含むことを明らかにいたしました。
 同法第九条の改正は、住宅金融公庫の理事の定数を、四人以内から五人以内に増加したものであります。
 同法第十七条の改正は、資金の貸付を行なうことのできる宅地造成の範囲を拡大し、主として公庫の貸付にかかわる住宅に限らず、一般に住宅の用に供する土地の取得造成について貸付を行なうことができることといたしますとともに、当該土地の造成とあわせて居住者の利便に供する施設の用に供する土地を造成することが適当である場合には、その施設の用に供する土地の取得造成に必要な資金をあわせて貸し付けることができることを明らかにしたものであります。
 同法第三十一条第二項の改正は、土地の取得造成にかかわる貸付金の利率について、現行年六分五厘を年七分五厘に改めたものであり、同条第五項の改正は、中高層耐火建築物等の建設にかかわる貸付金の利率について、現行年六分五厘を、住宅部分については年七分、住宅部分以外の部分については年七分五厘に改めたものであります。
 同法第三十五条の二の改正は、さきに述べました同法第十七条の改正に伴い、貸付金にかかわる土地の譲渡に関する規定を整備したものであります。
 次に、産業労働者住宅資金融通法第九条の改正は、産業労働者住宅の建設及びこれに付随して必要とされる土地の取得に必要な貸付金の利率について、現行年六分五厘を、主務大臣の定める中小規模の事業または主務大臣の定める業種の事業にかかわるものについてはそのままとし、その他のものについては年七分に改めたものであります。
 次に、北海道防寒住宅建設等促進法第九条の改正は、北海道の区域内に建設される産業労働者住宅の建設資金の融資について、産業労働者住宅資金融通法の改正と同趣旨の改正を行なったものであります。
 次に、附則について御説明申し上げます。
 附則第一項は、この改正法の施行期日を昭和三十六年四月一日としたものであります。
 附則第二項は、住宅金融公庫が昭和三十五年度以前の事業計画にかかわる資金の貸付の申し込みを受理したものについては貸付金の利率、なお、改正前の規走によることとしたものであります。
 以上、この法律案について逐条的な御説明をいたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いする次第であります。
 次に、日本住宅公団法の一部を改正する法律案について、逐条的に御説明申し上げます。
 最初に、第三十一条の改正について御説明します。第三十一条は、公団の業務の範囲を規定しておりますが、今回新たに第三号を加えました。
 これは、日本住宅公団が、市街地において住宅を建設する場合に、その住宅の建設と一体として商店、事務所等の用に供する施設を建設することが、住宅の建設用地の取得を容易にし、または住宅の居住者の利便の増進と居住環境の維持向上に資し、あわせて市街地の合理的利用を促進するため、ますます必要となって参りましたので、従来付帯業務として行なって参りましたこれらの施設の建設、賃貸その他の管理及び譲渡の業務を公団の業務として法律上明らかにしたものであります。
 この第三号の追加によりまして、第三十一条第三号以下を一号ずつ繰り下げ、その他所要の条文整理を行ないました。
 次に、第三十二条の改正について御説明します。
 第三十二条は、住宅、宅地または施設の建設、造成、管理及び譲渡について、建設省令で定める基準に従って行なわなければならない旨を定めておりますが、第三十一条第三号に新たに加えました施設の建設、管理及び藤波につきましても、同様に規定する必要がありますので、これを加えたものであります。
 次に、第三十二条の二を新たに加えました点について御説明します。
 日本住宅公団の住宅は、耐火性能の集団住宅で、大団地を形成している点にその特色を有するのでありますが、これらの団地には、市役所の出張所、郵便局、学校、診療所、集会所、店舗、託児所、倉庫その他団地生活上必要な施設を建設し、運営することが必要であり、また、これらの団地内の清掃、塵芥処理、植樹、芝化の手入れ等の環境の維持、改善に関する業務を実施する必要があります。
 以上述べました団地施設のうち、公団が建設して、地方公共団体、民間企業等に賃貸しているものまたは公団みずから運営に当たっているものを除きまして、これらの経営主体が現在設置運営することができない事情にあり、なお、居住者からは非常に要望の強い託児所、貸倉庫、車庫等の政令で定める施設につきましては、公団が、これらの諸施設の建設、管理を行なう事業体に投資または融資をして資金的援助を行ない、これらの施設の建設、運営を行なわしめ、もって居住者の不便を解消するとともに、団地の財産管理の適正を期することが必要であります。
 また、団地内の清掃、塵芥処理、植樹、芝生の手入れ等の環境の維持、改善に関する業務につきましては、市町村が実施している場合、または適当な業者がある場合を除き、前述しました公団が投資した事業体に委託して、その能率的な実施をはかることが適当と考えられます。
 以上に述べました趣旨により、今回第三十二条の二を設けたのであります。なお、公団がこれらの業務を行なう事業体に投資する場合は、主務大臣として十分監督するため、建設大臣の認可を受けさせることといたしました。
 次に、第五十八条の改正について御説明します。
 第五十八条は、建築基準法及び宅地建物取引業法の適用について、公団は、国とみなす旨を規定しておりますが、同様の趣旨によりましで、不動産登記法、土地収用法及び登記手数料令につきましても、公団を国または国の行政機関とみなす必要がありますので、最近の立法例にならって、不動産登記法及び政令で定めるその他の法令については、公団を国または国の行政機関とみなして、これらの法令を準用することとしたものであります。
 次に、第六十一条の改正について御説明します。
 第六十一条第一項第一号は、建設大臣が、公団の資本金の増加等について認可の処分をするにあたり、あらかじめ、大蔵大臣と協議しなければならない旨を規定したものでありますが、今回新たに設けました第三十二条の二の規定による投資の認可につきましても、大蔵大臣と協議する必要がありますので、このことを規定したものであります。
 以上、日本住宅公団法の一部を改正する法律案について、逐条的に御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
#4
○加藤委員長 以上で両案についての補足説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#5
○加藤委員長 次に、建設省関係重要施策に関する件につきまして調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。石川次夫君。
#6
○石川委員 実はきょうは、最近建設関係の問題で、水資源の開発あるいは道路の基本的な考え方の問題、土地が最近急に上騰を続けておるということに対する対策、そういう問題について質問をしようと思ったのですけれども、さきに提案をされました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に関連して、住宅に限ってもらいたいということが一応理事会で決定をいたしましたので、住宅関係の基本的な問題、ことに、きょう提案されました一部改正の法律案について若干の質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に質問したいと思うのでございますけれども、これは私から言うまでもなく、実はアメリカあたりでは、景気の指標として、鉄綱関係の投資と同時に、住宅の投資というものを一つの柱にしておるくらい、住宅というものが非常に恵まれておるにもかかわらず、非常に積極的な投資を行なっておるということは御承知の通りだと思うのです。ところが、日本はまだまだそこまでいっておりません。たとえば、政府の施策の住宅は、ヨーロッパのイギリスあるいはドイツあたりでも五〇%をこえておりますが、日本ではまだまだそこまでいっておらない。三五%程度にしかなっておらないというような状態で、決して住宅に対する政府の施策というものは万全だとは言えないと思うのです。そこへ、かてて加えて、最近非常に鉱工業の生産が飛躍的に上昇しております。特に私の選挙区のことを申し上げてどうかと思いますけれども、日立、東海あたりの地区では、通勤可能範囲の働く人たちはほとんどもう取り尽くしてしまって、どう考えても、これ以上の生産を上げる、あるいは政府でやろうとしているところの所得倍増を実現をさせるということのためには、通勤の範囲内だけの人に頼っていたのでは、これ以上の飛躍的な上昇をはかることは不可能だという限度に来ておる。どう考えても、住宅を豊富に作る以外には生産の増加は期待できないという状態に来ておることを、まのあたりに見ているだけに、私どもは非常に痛感をしておるわけでございます。特に、仮設住宅で、三畳間に五人くらい詰められて工場に通わなければならぬという苦しい狭隘な住宅の状態の中からは、ほんとうの生産意欲は出てこないということは、同時に社会政策の面から考えなければならない。
 こういうところから、犯罪が生まれる可能性も出てくるわけです。従って、住宅の関係では、今度は非常に前向きの姿勢をとろうという意欲を見せまして、大体政府の住宅は四〇%を目標として五カ年計画というものを作っておられるということは、一つの喜ばしい現象だと思いますけれども、われわれからいたしますというと、まだまだ不徹底、不十分ではないかという感じがします。特に、私どもの地方を見ますというと、住宅の問題が解決されない限りは、絶対に生産の問題は解決がつかないというような追い詰められた状態になっておるわけです。そこで、この五カ年計画の四〇%というものは、目標は四〇%であるが、実際にこれができるかどうかという点すら一応問題になるわけです。大臣としては、私の今申し上げたような考え方について何か御意見があれば伺いたい。
 それから、この目標というものは必ずやらなければならぬ、あるいはこれをこさなければならぬとわれわれは考えております。それに対する考え方を一つお知らせを願いたいと思います。
#7
○中村国務大臣 目標の達成は、ぜひ行ないたいと思っております。
 それから、産業の伸展に伴いまして住宅需要の非常に盛んでありますことと、これに対する施策を考えなければならぬことも、重々承知をしておる次第でありまして、産労住宅等につきましては、近年特に力を注ぎまして、三十六年度予算編成に当たりましても、その心がまえで当って参っておる次第でございます。今後とも一そう、この点につきましては、御趣旨の点を尊重いたしまして、十分努力をして参りたいと思います。
#8
○石川委員 非常に抽象的な御答弁なんですけれども、私たちとしては、この五カ年計画それ自体は、まだまだもっと目標を引き上げてもらいたいという非常に強い希望を持っておることを、一応この際申し上げておきたいと思います。
 それから、今度の住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に関連する問題でありますけれども、ここにも、私は住宅政策の前向きの姿勢になっていないという点を一つ取り上げてみたいと思うのです。御承知のように、産労住宅の利率あるいは融資の割合というものを、大企業と中小企業と区別いたしまして、いわば社会政策的な見地から融資率を大企業の場合には引き下げる、そうして戸数をふやしていく。この考え方自体はわれわれとしては賛成だし、こういう方向にこれからもすべきであるということは了承できるのです。しかし、私は前向きの政策にはなっていないということを実は申し上げたいのです。というのは、これは現実問題でございますけれども、私は日立製作所という大会社に所属しておりますから、会社の実態はよくわかるのですが、そういうように融資率を下げたから戸数がふえるかというと、絶対にそういうことにはなりません。官庁関係でも、予算統制が非常にきびしいわけですが、この予算統制のきびしさは、大会社は官庁以上にきびしい。投資に対する効果をすぐに考える。従って、融資率が下げられたから金額をふやしていこうというような考え方ではなくて、戸数が減るという方向にしか働かない。そうして、融資率を下げた結果、戸数が減れば、大企業が困るのではなく、大企業に住むのは同じ勤労者であって、そこにしわ寄せされるのです。大企業の融資率を下げたからといって、中小企業の人たちが直ちにそれだけよけいに恩典にあずかるという結果にはならない。従って、われわれは、大企業の融資率を下げることはわかりますけれども、ほんとうの住宅政策を前向きにするという観点からいうと、これは消極的な面にすぎないということを私たちは指摘したいのであります。
 それから、あと一つの問題ですけれども、こまかい問題になりますけれども、住宅金融公庫法の改正の中で、居住者の利便に供する施設の川地にまで貸し付けることにしたということが、改正の中にうたわれております。この「利便に供する施設」の範囲というものは、一体どの程度になっておるのかという点を、一応この際伺っておきたい。
 それから、先ほど私が申しました、大企業と中小企業との融資率を分けた、あるいは利率を区別をしたという考え方は、決して私たちは不賛成ではないけれども、ほんとうに住宅政策というものを前向きにしようとする場合には、これは積極的な施策でないという点を、一つよく含んでおいてもらいたい。住むのは労働者であって、大企業それ自体が住むのではない。こういうことを一つ考え合わせながら、的な施策を進めてもらいたいという要望と、それから今のこまかい問題になりますが、施設の範囲を、一つここでちょっと御説明願いたいと思います。
#9
○中村国務大臣 前段につきまして、私からお答え申し上げます。実はこの金利の問題でございますが、当初第一次査定におきましては、産労住宅につきましては、どちらも七分ということであったわけでありますが、戸数を確保する上からも若干の金利の問題はいたし方ない。しかし、中小企業向けにつきましては、どうしても六分五厘の現状維持をはかりたいということで、結論としましては、中小企業の問題につきましては従前通りということに相なりまして、大企業につきましても、企業者が他から融資を受けます場合には、七分でございましたら、まあ、そう他の金利に比較いたしまして高いというよりは、安い金利でございますから、この辺のところは数を確保する上においてやむを得ないのではなかろうかということで、最終的にかような落ちつきを見たような次第でございます。この点につきまして、こまかい計算をいたしてみますると、大体三十五年償却でございますが、三十五年間に償却費としましては一戸当たり百二十四万円を償却するわけでありますが、七分になりまして百三十一万円、三十五年間に総計して七万円の償却費の増ということでございまして、大企業関係はこの程度のことはがまんをしていただく以外にないということで、かような落ちつきを見たような次第でございます。
 なお、後段につきましては、住宅局長からお答えをいたさせます。
#10
○稗田政府委員 住宅金融公庫の宅地造成の貸し付けのワクを拡大した中に、「利便に供する施設」というのがございますが、これは簡便な住宅街区域を形成をいたします場合に、たとえば、小学校がその大きな団地内に必要でございますとか、あるいは日用品を売るところのマーケットの用地、あるいは診療所というような、住宅地区を形成する場合に、当然一団地として必要なそういう施設を言っておるわけでございます。
#11
○石川委員 それから、住宅政策で大臣に念のために伺いたいと思うのですけれども、今度の「住宅対策の概要」をいただきました中で、「その他」というのがだいぶふえてきておる、これはどういうことかといいますと、厚生年金の住宅は、昭和三十五年が五千戸、三十六年が一万一千戸、今後ますます厚生年金の額がふえて参りますと、還元融資ということで、相当この戸数もふえてくるだろう。あるいはまた、国民年金というものの中から住宅を充実するということが認識を改められて、さらにまたこれがふえてくるであろうということも考えられるわけです。そのこと自体は非常にけっこうなことでありまして、われわれも大いに推進をはかっていただきたいと思いますけれども、ただ、住宅政策を一括、一元的にやっていこうという考え方からしますと、これはいわゆるセクトの問題になってきますけれども、厚生省で所管をするということになって、建設省の手を離れ、一元的に住宅政策というものが行なえないという欠陥が露呈されてはまずいのではなかろうか、こういう危惧の念があるわけです。この点について大臣はどういうふうにお考えになっておられるか、それを伺いたい。
 それから、先ほどの大臣の答弁の中で、産労住宅の利率の問題についてお話しがございました。この利率の問題は、私は大して大きな問題じゃないと思います。それではなくて、融資の割合については、これはかなり住宅戸数を大企業では減らさざるを得ないという方向になります。大企業よりはむしろ中小企業の方が住宅で困っていることはわかっていますけれども、大企業それ自体も非常に困っているわけで、これが結局しわ寄せになるのは労働者それ自体であって、大企業それ自体ではないということですから、この融資の割合を変更することに対しては、反対ではないのですけれども、それは決して前向きの政策ではないのだということを申し上げたかったわけです。利率の問題は大した問題ではないと思います。
 それで、今申し上げた後段の厚生年金住宅あるいは国民年金の住宅というものも、これから生まれてくるでありましょうから、それについても、大臣は、内閣としても、どう対処されるのか、それを伺いたいと思います。
#12
○中村国務大臣 この「その他」と申しますのは、三十五年度三万戸でございましたのが、三十六年度は三万八千戸ということに増を見たのでございます。この中には、御承知の通り、厚生年金の還元住宅、それから国民年金の還元住宅、国家公務員住宅、入植者住宅、あるいは政府関係機関職員住宅、災害の公営住宅、災害復興住宅、地方公務員宿舎等、いろいろ含まれておるわけでございます。御指摘のように、住宅政策は一元化すべきではないか、この点は私どもとしても全く同感でございます。しかし、この厚生年金住宅あるいは国民年金住宅は、都道府県を通して建設をされることに相なりますので、その段階でできるだけ調整をはかるように努力を現在はいたしておりますのと、また、実態をできるだけ建設省の住宅局で把握するように現在努めておるような次第でございます。できますことならば、各省協議をいたしまして、いやしくも、どこから資金が出る、あるいはどういう目的の住宅であるにせよ、建設省住宅局に住宅建設というものが一元化されることが望ましいので、この点につきましては、他省との関係もございますので、われわれとしましては、他の関係省の理解を得つつ、今後努めて一元化に努力して参りたいと思います。
#13
○加藤委員長 中島巖君。
#14
○中島(巖)委員 私は、計画局関係について少しお尋ねをいたしたいと思います。
 本年度の街路事業でございますが、この予算は、オリンピックの関係やら、いろいろあったのでしょうけれども、首都圏と大都市圏の予算が非常に膨大で、一般都市のがわずかな数字になっておるわけです。これは計画局長の答弁でけっこうですけれども、全国で都市計画を実施しておる都市は、どのくらいの数あるのですか。
#15
○關盛政府委員 都市計画法を適用いたしております市町村の数は、千二百五十九でございます。
#16
○中島(巖)委員 そうしますと、この予算関係で見ますと、首都圏と大都市圏に百四十七億の数字になっておりまして、それから、今お話のあった千何百の都市に対して九十五億しか予算措置を講じてないわけです。これはやはり、所得倍増計画の基本となる所得格差解消なんかの問題と関連して、あまりに都市集中加養の傾向が、この予算面でも非常に強く呪われておると思うのですけれども、これらの予算配分については、どんな基本構想のもとに配分されたのだか、その点をお伺いしたいと思います。
#17
○關盛政府委員 ただいま御指摘になりました都市計画の街路事業の予算の問題と、地域との関係についてのお尋ねでございました。御承知のように、首都圏と申しておりますのは、前回に御説明申し上げましたように、この区域に属する市町村は、東京都の区部のほかに十三市、四町村含めております。それから、大都市圏と申しておりますのは、中京地域を中心とする地域、それから京阪神地方を中心とする地域でございまして、これらの関係市町村は、六十二市、三十五町村、こういうことになっておるわけでございます。その他が、御指摘のように、この予算の説明では一般都市と、こういうことにいたしておりますが、御承知のように、既成市街地の大都市内部における交通上の諸般の永久の施設の整備と、それから他の地域の施設の整備というものとは、やはり都市計画事業の投資の上から見まして、まず緊要度から見ましても、ほうってはおけないというふうなところをまず中心に考えてみますというと、今度の計画の第一年度といたしましては、明らかに御指摘のような首都圏及び大都市圏についての予算の計画ということになるわけでございまして、これからの都市問題というのは、既成市街地の整備のほかに、新たに都市施設の整備が、人口、産業の構成から見まして、従来の既存都市地域外にも行なわれますので、それらをにらみ合わせて行なっていく、こういうことにならなければ適当じゃないと思っております。現状といたしましては、既成市街地の整備と、既成市街地を中心といたしまして、首都圏のような場合では、いわゆる市街地開発区域の内部の整備、市街地開発区域相互間を連絡するところの道路事業、特にその市街地開発区域は、衛星都市として既存の都市から独立できる形の人口、産業、交通の状態を作り上げる。こういう構想で首都圏計画ができておりますので、その意味におきましても、予算の関係におきまして新たに項を作りまして処理をいたしておるわけでございます。今後、広域都市の計画を立てまして実施をいたしますことによって、既成の大都市問題の解決にもなると同時に、周辺地域の整備も行なわれる。こういうふうな形で、今後いくべき形を意味するために他の大都市圏という地域を設けたわけでございまして、その他の地域につきましても、既存の計画に従いまして逐次整備をはかっていく、こういう考え方でございます。
#18
○中島(巖)委員 これらの基本的の考え方、政府の方針が大きな変革のない限り、今、局長の言われたような方針でやられるより仕方ないだろうとは思うのですが、いかにいたしましても、この所得格差の解消を題目にしておる池田内閣として、都市計画の街路事業から見ましても、あまりにも大都市重点過ぎるのではないかと思うわけでありまして、これらの問題については、あとでさらにまた意見を申し上げたり、大臣の御構想をお伺いいたすことにいたします。
 それから、都市計画事業の国庫補助なんですが、これは三分の二と法律で規定されておるわけであります。そこで、六大都市なんかは、例の地元負担に対する財源として、道路剰余税並びに軽油引取税を与えてある。これは国家で財政的な処置もできておるわけであります。ところが、普通一般都市では、全くその都市の負担において三分の一を出さねばならぬ、こういう関係になっておるわけです。従って、ある府県では、この地元負担に対して、十分の一なりあるいは十分の二なりの、若干の補助をその都市に出して行なっておるというのが現況じゃないかと思うのですが、全国的な情勢はどういう情勢になっておるか、この点をお伺いいたしたいと思う。
 さらに、地元負担に対して起債はどのような方法で行なわれておるか、あるいは平衡交付金に算入のできるところの起債であるか、あるいは特別交付税でもって交付する起債であるか。そして起債の額の程度も、地元負担に対して大体何%くらいであるか。これらについて、局長から大体の現在の状況をお伺いしたい。
#19
○關盛政府委員 都市計画事業として実施いたします道路事業、これを街路事業と申しておりますが、この街路事業の実施は、いわゆる都市計画事業決定を大臣がいたしておりますので、六大市におきましても、その他の市町村におきましても、これは同じ補助率をとっております。お尋ねの点は、その事業を実施するための地方負担額の調達方法について、五大市とその他の市町村については、特定財源の与え方に制度上違いがあって、従って、一般都市については、少し事業をやろうと思えば、その財源措置がうまくないとできないことになるのではないか、こういうことにも関係のある御質問でございました。
 この点につきましては、都市計画事業として実施いたします街路事業が、県道以上の場合でありますれば県が実施するということになっております。従って、その街路が市町村道である場合におきましては、当該市町村が事業を実施する。こういうふうになっておりますので、いわゆる地方負担額の財源を充当する方式といたしましては、都道府県と五大市の部分を一つのグループと考えまして、第二は、一般の市町村のグループを第二のグループと考えて、自治省と相談をいたしておるわけでございます。そこで、この事業の実施につきまして、財源的な問題として、お話のように、地方負担額の問題につきましては、一般の市町村については基準財政需要額算入の問題がございます。これは、全体としての五カ年計画の実施と、市町村の単独事業を含めました地方負担の問題につきましては、自治省と五カ年計画の規模の問題のときに総体として話がついておるわけでございますが、これからは、その年度の予算の実施に必要な財源が当該市町村に与えられることが、事業の決定と平仄を合わせて必要なことでございます。これは目下折衝いたしております。
 その次の問題は、起債の問題でございます。これは、現在市町村につきましては、適債事業は、事業費百万円を単位といたしておりますが、百万円につきまして三〇%の充当率をもって都市計画事業市町村分についての補助事業に対する起債を予定することになっております。その他は、市町村におきましては、一般の税と、特に都市計画事業として行なっておりますので、都市計画税というものがその担保になるわけでございます。この都市計画税につきましては、三十六年度につきましては、明らかな見通しはまだはっきり申し上げられませんが、おおむね三十五年度の収入見込額として百十億というものが一応予定されておりますので、三十六年度はそれより一割程度は増徴するような見込みも目下自治省と相談をいたしておりますが、これは、最近の都市計画事業の一般市町村における事業量のこれからの五カ年分を想定すると同時に、三十六年度の配分等もにらみ合わせまして、都市計画税なり、基準財政需要額算入分なり、あるいは地方債の分を一つよく見まして、御懸念の事業の執行に十分こたえるようにして参りたい、こういうふうに考えております。
#20
○中島(巖)委員 こまかな話になるのですが、今、局長の答弁を聞いておりますと、大体、都市計画事業の地元負担に対しましては三〇%程度の起債を認める。そうしますと、かりに地元の都市の負担が一千万ある場合は、三百万の起債が認められる。あとの七百方は、大体その都市計画税で徴収ができる、こういうようなお見込みなんですか。その点、一つはっきりしていただきたい。
#21
○關盛政府委員 私が申し上げましたのは、事業費に対しまして三〇%の充当率、こういうことでございまして、その事業費の財源は、まず国費が三分の二参るわけでございます。それで、都市計画税を徴収いたしております市町村につきましては、特定収入がありますので、その特定の収入を差し引く。いわゆる事業費という場合には事業費から差し引く。こういうのが一応の建前になっております。
#22
○中島(巖)委員 私の方で誤解しておるのか、わからぬことになったのですが、今御答弁から見ますと、この都市計画事業は三分の二でありますから、約六割六分が国庫補助、三割四分が地元負担となっておるわけです。そこで、これは一つの例でありますが、長野県なんかは、県で十分の一補助を出しておるわけです。そうすると、七六%は国と県の補助金であって、地元の負担は二四%になる。この場合に、ただいま局長の答弁からすると、事業費の三〇%の起債を認めて、そうして、その都市計画事業なんかで収入があった場合においては、それを控除した額の起債を認める、こういうように了解してよろしゅうございますか。
#23
○關盛政府委員 これは、個々の市町村によって、県と市町村の都市計画事業の協力体制がいろいろあると思います。そこで、財政計画を定めます場合には、都市計画事業の事業量の一般市町村分というものが概定されます。従って、その事業量に対する何割ということを先ほど申しましたが、その場合に、いわゆる補助事業債といたしましては、定められましたところの全国の一般市町村分の起債額というものは、都市計画税として調達見込額をまず事業量から差し引きまして、その三割分を予定する、これが全体の建前でございます。そこで、A、B、Cの市町村にどのような起債を充当するかというのは、市町村に財源があれば、あえて県を通じて借金をする必要がないということにもなりましょうし、また、ただいまのお話のように、その市の事業に対しまして県が特定の補助金を交付しているというふうな場合には、やはり特定の収入として差し引くという方式が、現実には、今、先生の
 おっしゃるような場合にはとられる場合があろうかと思っておりますが、ただいま、全体としての一般市町村分の都市計画事業の財源として国が想定しておる場合はどうか、という意味でのお尋ねについて申し上げたようなわけでございます。
#24
○中島(巖)委員 まだ、下水道その他について質問いたしたいのでありますが、これは大臣がお見えにならないときでもよろしいので、大臣がお見えのときに質問したいことをごく大ざっぱに一括して質問いたします。
 説明書によりますと、予算額において本年度は昨年度より五割増の三十一億になっておる。それから、起債の関係は、厚生省関係の終末処理場まで含めて約百三十五億が予定されておる。こういうような説明書になっておりますが、この下水道は日本の都市計画上の一番の盲点ともいわれておるわけでありますけれども、これだけの予算とこれだけの起債との合計額によって、いろいろ各都市から出る下水道の申請の何%ぐらいが実視できるのであるか、この点が一点。
 それから、都市下水道なんかは、前から、災害のあった場合なんかに公共土木の国旗負担法を適用すべきである、こういうような意見が委員会なんかでたびたび出たわけでありますけれども、大蔵省とそういうような話し合いをしたことがあるかどうか、この二点についてお伺いしたいと思います。
#25
○關盛政府委員 下水道事業の整備の現況につきましては、ただいまお話のありました通りに、非常におくれておりまして、御指摘の通りに、ことしの予算の規模をもっていたしましても、また、ことしの地方債の予定されております部分をもっていたしましても、三十六年度の事業量は百八十五億円程度を見込まれることになっております。従って、この効果といたしまして、既存の市街地に対する普及が、三十五年度末におきまして一五%であったものが、一・五%の普及率の上昇である、こういう進度になるわけでございます。当初、この五カ年間において相当規模の投資を考えまして、逐次全国の市街地の下水道の完備をはかっていきたいと考えておりました規模から見ますと、それが約二百九十億でございましたので、まだ計画自体にはかなりおくれを来たしております。しかし、今後も下水道の整備の問題は、計画を持ちまして促進をいたしていきたいというふうに考えております。
 さらに、第二のお尋ねの、公共土木施設国庫負担法の公共施設と下水道の関係についての論議をしたことがあるか、また、そのような制度化をすることについての検討をしたことがあるかというお尋ねでございました。この点については、建設省といたしましては、今から三年ほど前に、公共土木施設国庫負担法の公共土木施設の中に公共下水道等を追加いたしまして、 ’の復旧制度を、予算補助ではなしに法律の負担とするという制度を創設すべく、大蔵省とも熱心に交渉いたしたのでございますが、大蔵省といたしましては、水道と下水道との似た点を指摘いたしました。水道と下水道の似た点と申しますと、汚水を下水道が排水いたしますので、その汚水分については使用料を徴収するという仕組みになっております。水道は、汚水ではなくて、水道そのものの料金を利用者から徴収する。そういう点において部分的に似ておる。全体としては、下水道は、雨水を排除したり、あるいは低湿地、いわゆる浸水地域の浸水防止をはかるとかいったような純粋な公益的な、不特定多数の人々のための公益を達成する意味において、河川、道路の効用と全く同じであるわけでございますが、その部分と、汚水を排除することによって下水道を利用する人から使用料を徴収するというところの部分と、二つの性格を持っておる。その一部の性格に着目いたしまして、公共土木施設国庫負担法の対象事業とすることについての可否について論議を行なったのでございますが、にわかに賛成することはできない、こういうので、今日まで公共土木施設国庫負担法の対象の公共土木施設とはなっておらないのでございます。ただし、災害復旧の場合におきましては補助金を出して復旧をいたしておる、こういうことでございます。ただいまのお尋ねの点についての経過を申し上げた次第でございます。
#26
○中島(巖)委員 下水道が公営企業として成り立つか成り立たないかということは、一目瞭然たるものでありまして、上水道の方は収入でもって、十分建設費も、あとの維持費も、災害復旧費も見れるというのが、おそらくどこの都市でも現状だと思います。また、下水道は、街路や公園の汚水を全部集めて排水するものであるから、当然これは公共土木施設国庫負担法へ入れるべきものだ、こういうように考えるわけで、せっかく、建設省の御努力を希望いたしておくわけであります。
 それから、ちょうど官房長が見えておるので、お尋ねいたします。先ほど三十八国会の提出予定の法律案の一覧表をもらっておるのでありますが、この十八件の中で、提出が危ぶまれておるという話を聞いておるのですが、広域都市建設法案、公共用地の取得に関する特別措置法案、水資源開発公団法案、これらは現在どんな見込みになっておるか。この三案についてお伺いしたいと思うのです。
#27
○鬼丸政府委員 さきに御説明を申し上げました提出予定法律案の十八件のうち、なお現在検討中のものが相当ございます。そのうち、ただいま御指摘の広域都市建設法案と公共用地の取得に関する特別措置法案、水資源開発公団法案、この三法案につきましては、まず広域都市建設法案でございますが、これは関係各省、特に自治省等とただいま協議を進めておりまして、自治省で、先生も御承知の基幹都市に関する構想等を持っておりますので、自治省の構想等と調整をはからなければなりませんので、せっかく話し合いを進めておる段階でございます。また、現段階におきまして、特に提出を断念するとか、危ぶんでおるという状況ではございません。
 次に、公共用地の取得に関する特別措置法案につきましては、これは御承知の、付属機関として昨年の春設置されました公共川地取得制度調査会におきまして、目下この法案の内容となるべき事柄につきまして熱心に審議検討されておる段階でございますので、この調査会の結論の出るのを待って、成案を得れば本国会に提出いたしたい、こういうことでございます。
 三番目の水資源開発公団法案につきましても、これは関係各省が相当ございまして、公団の設置の基本的な考え方の面で、各省と現在話し合いを進めておる状況でございます。
 そのほかの法案につきましても、まだ検討中の問類がだいぶございますので、自余の法案につきまして早急に提出されないものも二、三あるかと存じます。以上でございます。
#28
○中島(巖)委員 そこで、これは大臣に最初お尋ねしたいのですが、計画局関係の行政部費といたしまして、ここに七つ、八つの項目が出ておるわけであります。この項目の中で、広域都市建設計画調査に必要な経費として千二百万円計上してあり、それからさらに、最後に国土計画、地方計画の確立推進に必要な経費、こういうようなものを計上されておるわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねしたい点は、建設省の計画局は、国土計画全般に対してどの程度の発言力があるか。としてどの程度にこれを重要視しておるのであるか。これは一番基本的な問題になるのではないかと思うのです。われわれとしても、いわゆる池田内閣の所得倍増計画に対する考え方について、十年後に所得を倍増するとすれば、日本の国土計画は十年後においてはいかにあるべきかという、大体のアウトラインの青写真を――担当は企画庁であるか、あるいは計画局であるかは知りませんけれども、作って国会に大体のアウトラインは示さねばならぬ。ことに、その背景をなすところの基本的問題である地域格差の解消というようなことを打ち出した以上は、十年後の日本の国土計画はかくかくあるべきものではないかという青写真を国民に示すべきだと考えるのであります。そこで、問題となるのは、どこの官庁がこの主体になっておるか、この点を大臣にお伺いしたいと思うのです。
#29
○中村国務大臣 御承知の通り、省設置法には国土計画という項目がございまして、本来の使命であると思うのでありますが、さきに国土総合開発法が制定されましたときに、その中心官庁がどこになるべきかという論議が政府及び国会においていろいろ行なわれまして、結局国土総合開発法の主管官庁としては経済企画庁ということに相なったのであります。従いまして、この点が若干明確を欠いておるような現状に相なっておるのでありますが、現実の問題としましては、経済企画庁は机上プランを研究し、立案をする官庁でございまして、手足がございませんから、国土総合開発自体の本元は主として経済企画庁でございましても、その作業を進める場合におきましては、建設省がやはり本来の設置法に規定されておりまする国土計画の仕事として、建設省が実施しなければならない、こういう関係にあると思うのであります。
 かような角度から、実は今ございます建設省の計画局というのも、主として一般都市計画を担当しておるのでございまして、全体のそういう意味の計画局になっておりません。そこで、この問題を解決するために、実は最近建設省にそういう部門を専門に担当する部局をほしいということで、一応の仮称でございますが、建政局という名称の局を新設したいということで、予算編成当時から主張して参りまして、大蔵省当局の理解は得られて、予算措置はできました。しかし、各省とも部局の新設の要望がございますので、行き悩んでおったのでございますが、ようやく本日の閣議で建政局の設置を認められましたので、急速に設置法改正もお願いしまして、今御指摘のありましたような重要な業務は、この建政局の部門として強力に推進するように進めたい、かように思っているような次第でございます。
#30
○中島(巖)委員 今の大胆の御答弁で、非常に耳寄りなお話を承ったわけであります。これは所得倍増計画に伴うところの、当然十年後におけるわが国の国土計画、つまり産業分布などはどうあるべきか、こういう青厚真をどうしても示していただかねばならぬ必要な段階に迫っておる。そのときにおいて、担当官庁は、もちろん経済企画庁が中心であろうということは、だれにもわかるのですが、経済企画庁そのものには事務局と申しますか、手足がないわけでありますから、当然われわれの常識として、建設省が食うべきものであるというように考えるのです。さて、それが、ただいま大臣からもお話のありましたように、計画局が都市計画の関係の方が非常に強くて、それで国全体の十年後の国土計画はかくあるべきものだというようなことが、はたしてできる能力があるのかないのか、こういうことに疑問を持っておったわけでありますが、ただいま大臣の説明によって、大体のアウト・ラインはわかったわけです。そこで、当然建設大臣が、経済企画庁長官と一緒になって最高の方針を決定せねばならぬ責任のある重大な立場になるわけであります。
 そのような観点から、建設大臣に二、三お聞きしたいと思いますのは、私の手元に国民所得倍増計画というのがありまして、これは十一月一日に総理大臣の諮問機関である経済審議会で発行したものであります。この所得倍増計画によりますと、いわゆる四大工業地帯を中心にして産業を推し進める。それは所得倍増計画の骨幹をなすいわゆる太平洋工業ベルト地帯とでもいうのでしょうが、こういうことを打ち出してあるわけです。それから、東北だとか、裏日本だとか、中部地帯は、前期五カ年計画のあとの五カ年計画においてこれらの開発をするんだ、こういうことをうたっておるわけであります。これは私は、とんでもない間違いだと思うのです。それは、現在の所得倍増計画に織り込んであるところの京浜地区だとか、中京地区だとか、あるいは大阪地区だとかいうところは、これはほうっておいても、立地条件がよくて、どんどん工業が盛んになるところであります。従いまして、いわゆる所得格差とか、あるいは農業が第二次、第三次に移行するとかいう観点、あるいは工業分散という観点からいきますれば、前期五カ年計画におきまして、これらの地方にいわゆる高速自動車国道などを上げて立地条件をよくしまして、そして所得倍増計画を推し進めぬ限りは、地域格差の解消というようなことはどうしてもできなく、地域格差がますます激増する、こういう方向になるだろうと思うのであります。従って、基本的な問題といたしまして、第一次五カ年計画において地域格差の解消をするような実際の大きな予算措置をすべきであるということが、基本的の問題であると私は考えるわけであります。ことに池田内閣の所得倍増計画に対して、国土計画を担当する大臣としてのあなたの御方針というものは、重大な基本的な問題になると思うのです。従って、私は、自動車のものすごい激増によりまして、現在の交通関係というものは一変しまして、将来は高速自動車道を交通の骨幹として、交通政策は立てられるものだ、こう思うのです。これはヨーロッパ諸国へ行っても、アメリカへ行っても、もう現在、はっきりいたしておるわけであります。こういうような観点、それから毎日のラジオやその他でも、交通地獄であるとか、いろいろ言っておりますけれども、動脈硬化したところの大都市の工場その他を分散する、こういうような計画も、ただいま申しました高速自動車網を骨幹としての施策でなければならぬ、こういうように考える。
 こういうやさきにおきまして、先ほど申したような広域都市法案というようなものがここに提出されるということは、私は非常に時代錯誤だと思います。かつて、東北開発振興法という法律のもとに、東北開発に対しまして、これは建設省の計画局の所管でありましたけれども、幾多の国策会社をこさえましたけれども、全部これは半身不随で、ボロ会社になっておる。この原因はどこにあるかと申しますと、その地域の開発はしましても、交通網がないためにこうなったわけであります。この前もちょっと申し上げましたけれども、私の長野県の諏訪郡は約人口十七万でありますけれども、東京に非常に近いような関係で、時計とかカメラというような精密工業が盛んになりまして、これらの工場に働いておるだけで三万五千くらいある。サービス業その他の国家機関の職員を入れると、三万五千世帯のうち約七万近い者がこれらの事業に従事しておる。人手がなくて、長野県下だけの募集では足りなくて、東北や九州まで人を募集しておる。つまり、交通事情さえ備えさえすれば、その他の施策はしなくても、こういう山岡地におきましてもどんどん発展する。これがいわゆる池田総理の言う農村人口の削減と所得倍増論とかみ合わせたものだと思う。その政策の骨幹となるのは、やはり将来の交通の幹線である高速国道である、こういうように私は考えるわけであります。ことに建設大臣は、所得倍増計画並びに地域格差解消の十字路と申しますか、土台となるところの政務を担当されておるのでありますから、御所見を承ると同時に、ぜひこういう御研究を十分されて、大方針を立てていただきたい、こう考えるわけでありますが、御所見を承りたいと思います。
#31
○中村国務大臣 常に当面の経済成長というものと大理想というものとは、頭に描きながら、並行して進めていかなければならないことだと私は思います。ことに、日本のような国柄におきましては、今後の大目標といたしましては、国土の高度利用ということが非常に重要であると思うのであります。あわせて所得倍増政策を進める上におきまして、所得格差の是正、これは業種別の是正あるいは地域差の是正、こういうことに大いに意を用いていかなければならないと思うのであります。この点は、私どもも全く同感であります。そこで、産業の立地条件に応じまして、できるだけその考え方の上に立って、道路交通その他産業の分布がよくなるような施策を進めて参るべきであると思いますので、私どもの考えといたしましては、大体基本的には、今かいつまんで申し上げましたような考え方に立って、今後大いに努力をして責任を果たして参りたい、かように思っております。
#32
○中島(巖)委員 またの機会にいろいろと御質問いたし、御意見を伺いたいと思いますけれども、今回のこの道路関係予算を見ますと、ただいま私が申し上げましたような、いわゆる池田総理がたびたび言われるところの地域格差の解消というような点が全然見当たらぬのです。従って、この総予算、総ワクにおいては、われわれもこれを認めますけれども、何とか一つ、ただいま旧しましたような観点から、ことに建政局でもできますれば、それからの首脳部とよくお打ち合わせになりまして、そうして十年後の日本の国土計画は、そうして産業分布の姿は、かくあるべきだという、こういう大きな構想を骨幹として考え直していただきたい、かように考えるわけであります。
 またいずれかの機会にいろいろと御意見を承りたいと思いますが、すでに十二時十分過ぎでありまして、以上をもって私の質問を終わりたいと思います。
#33
○加藤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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