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1960/03/09 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第11号
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1960/03/09 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第11号

#1
第038回国会 建設委員会 第11号
昭和三十六年三月九日(木曜日)
   午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 加藤 高藏君
   理事 薩摩 雄次君 理事 松澤 雄藏君
   理事 石川 次夫君 理事 山中日露史君
      逢澤  寛君    綾部健太郎君
      大沢 雄一君    金丸  信君
      齋藤 邦吉君    徳安 實藏君
      二階堂 進君    廣瀬 正雄君
      松田 鐵藏君    岡本 隆一君
      栗林 三郎君    實川 清之君
      日野 吉夫君    三鍋 義三君
      三宅 正一君    田中幾三郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
 出席政府委員
        建設事務官
        (大臣官房長) 鬼丸 勝之君
        建設事務官(大
        臣官房参事官) 高田 賢造君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (石原建設株
        式会社社長)  石原 四郎君
        参  考  人
        (辻建設工業株
        式会社社長)  辻 熊次郎君
        参  考  人
        (大和建設株
        式会社社長)  中村 重喜君
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月九日
 委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
 春日一幸君が議長の指名で委員に選任された。
同 日
 委員春日一幸君辞任につき、その補欠として田
 中幾太郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月六日
 群馬県少林山地帯の地すべり防止に関する請願
 (栗原俊夫君紹介)(第一〇七五号)
 県道相馬市、福島市及び猪苗代町間の国道編入
 に関する請願(齋藤邦吉君紹介)(第一〇九〇
 号)
 鳥取県内国道改修促進に関する請願(赤澤正道
 君紹介)(第一一四五号)
 県道津山倉吉線及び倉吉羽合線の国道編入に関
 する請願(赤澤正道君紹介)(第一一四六号)
 二級国道津山米子線中国山脈四十曲り峠の改修
 に関する請願(赤澤正道君紹介)(第一一四七
 号)
 国道四号線福島県安積町地内等の整備促進に関
 する請願(伊藤幟君紹介)(第一一四八号)
 南日本国道建設促進に関する請願(生田宏一君
 紹介)(第一一四九号)
 姫路、津山、米子及び松江間道路の一級国道編
 入に関する請願(赤澤正道君紹介)(第一一五
 〇号)
 離島主要道路の二級国道編入に関する請願(中
 馬辰猪君紹介)(第一二三六号)
 地代家賃統制令撤廃反対に関する請願(田中榮
 一君紹介)(第一二六八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防災建築街区造成法案(内閣提出第一三六号)
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五七号)
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 去る三日付託になりました防災建築街区造成法案を議題とし、審査に入ります。
#3
○加藤委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。
 中村建設大臣。
#4
○中村国務大臣 ただいま議題になりました防災建築街区造成法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知の通り、都市における耐火建築物の建築を促進するため、昭和二十七年に耐火建築促進法が制定され、都市の枢要地帯において防火建築帯を造成して、今日に至っておるのであります。
 しかしながら、最近における都市災害の発生の状況と社会情勢を見ますときに、新しい見地からさらに対策を講じまして、都市の防災化を強力に推進いたしまする必要が痛感されるのであります。
 このような情勢にかんがみまして、政府といたしましては、従来の方策を拡充強化することとし、地方公共団体、防災建築街区造成組合等により、防火地域等の特定の街区における防災建築物の整備を促進することによりまして、都市における災害の防止をはかり、あわせて土地の合理的利用の増進及び環境の整備改善に資するため、耐火建築促進法を廃止して新たに防災建築街区造成法案として提案する運びとなったものであります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、建設大臣は、防火地域及び都市計画区域内の建築基準法の規定による災害危険区域内にある土地について、防災建築物及びその敷地を整備すべき街区を、防災建築街区として指定することができることといたしまして、特に津波、高潮、出水による災害に対処するためにも、防災建築街区を造成することができることといたしました。
 第二に、従来の帯状の防火建築帯を面的な防災建築街区に改めることといたしまして、防災建築街区は、都市の枢要地帯において、災害を効果的に防止することを考慮して系統的に配置されるように指定しなければならないことといたしました。
 第三に、防災建築街区において防災建築物を建築しようとする者の共同の利益となる聖業を行なって、防災建築物の建築の促進をはかりますため防災建築街区造成組合の設立等に関する規定を設けることといたしますとともに、都道府県知事または市町村長による組合への加入の勧告、都道府県知事、市長村長または組合による権利関係の調整、組合による建築協定のあっせんができることといたしました。
 第四に、国は、都道府県または市町村が防災建築物を建築する者に対して補助金を交付する場合またはみずから防災建築物を建築する場合には、その費用の一部を補助することができることといたしました。
 以上のほか、都道府県または市町村長がみずから防災建築街区造成事業を施行することができることといたしまして、そのための所要規定を整備したのであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#5
○加藤委員長 本案に対する質疑は次会に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○加藤委員長 建設業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。
 本日は、参考人より意見を聴取することといたします。
 御出席の参考人を御紹介いたします。石原建設株式会社社長石原四郎君、辻建設工業株式会社社長辻熊次郎君、大和建設株式会社社長中村重喜君、以上の方々でございます。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、御多忙のところ、本委員会に御出席下さいまして、まことにありがとうございました。
 御承知の通り、本案は名称登録制の創設、公共性建設工事を施工する建設業者の経営に関する事項の審査の法制化並びに建設業者団体の届出制の決定等がおもな内容でありますが、本案につきまして業者の立場から忌憚のない御意見を承ることができますれば幸いと存じます。
 議事の順序は、まず参考人各位より御意見を承り、御意見の開陳が終わった後、委員各位より各参考人に質疑を行ないたいと存じます。なお、時間の都合上、参考人各位の御意見の開陳はお一人十分程度にお願いいたします。
 それでは、石原参考人からお願いいたします。石原君。
#7
○石原参考人 私は、業界で十数年、この二十四年に施行されました建設業法の施行下において業を営んだのでございますが、建設業法が施行せられて以来、業界としましては立法の趣旨が逐次徹底してきて、その間非常な変化を遂げておりますために、業法が早く、もう少し業態に合うようになってもらいたいということは、みんなが希望しているところでございます。
 特に今度の法案で一番大きな問題として出ております登録制の問題等につきましては、私どもとしましては、でさるだけその要件が充実して、それに即応する行政施策が徹底的にそれに付随してうまく行なわれるということが、非常に長年の布望でございましす。今回の業法の一部改正は、おそらく大多数の業者のこれらの布望を満たすために、最大公約数の条件のもとに一応の要件を整備するということになったものと存じます。このことは、業法が、業界の伸展に伴う要請に対して、ある程度形式的にそれに即応するような体制をとって下すったということに了解いたしまして、この方向が全体の業界の進歩発展のために、いい方の面にはっきりと一歩踏み出すということになってきたということを感じまして、まことにうれしく存ずる次第でございます。要は、なおなお今後業界のあり方等もよくせなければなりませんし、それに即応する法制がもう少し前進的なものになっていただきたいと考えておる次第でございます。
 あと、その他のことにつきましては、なおお尋ねがございますれば申し上げたいと思います。要は、いろいろな、経営の合理化でございますとか、その他の問題もございますので、これらの合理的運用等もあわせて考えます場合に、業法の施行にあたりましても、運用において十分いろいろの点で御考慮をいただく点が多々あるのじゃないか、こう考える次第でございます。おおむね建設業法の今回の改正につきましては、私個人といたしましては、まことにけっこうなことだと考えておる次第でございます。
#8
○加藤委員長 ありがとうございました。
 辻参考人。
#9
○辻参考人 私は、中小業者といたしまして、昭和四年以来営業をやっておるものでございます。その間、幾多の変遷を経まして、昭和二十四年に業法が制定されまして、その当時から今日の業界の伸展を見ますると、非常に加速度にわれわれの業界が伸びておるのでございます。伸びておりますということは、経済の成長もございましょうし、また機械化の伸びもございましょうし、国家経済といたしましてわれわれがになう使命はまことに大であると思います。当時の業法の制定から見ますれば、非常に今日はあらゆる産業面で進歩しておりますと同時に、公共性の事業も多分に多くなったと、かように考えておる次第でございます。
 そこで、当時の業法の制定の趣旨を見ますると、まことに微弱な問題でございまして、今日の状態では、もはやこの公共性から割り出しまして非常にわれわれ業界は責任を感じている次第でございます。そこで、機械化その他のあらゆる技術面に即応いたしまして、われわれといたしましては、 いま一歩国家の責任においてもう少し飛躍した業法が制定されることを望んでおったのでございますが、幸い今日のこの業法を見まするに、非常に政府当局並びに関係当局の御理解ある御提案によりまして、満点とは申し上げられませんが、これは中小業者にとりまして一歩成長するものでないか、かように考えている次第でございます。かように考える次第でありますから、この法案につきましては、われわれ中小業者の代弁者といたしまして満腔の敬意を表する次節でございます。
 それから、後にいろいろの問題があると存じますが、それは細則その他にいろいろうたってあるのでございます。私からは申し述べる必要はないと存じますが、御質問でございますれば、わかっております範囲内におきましてお答えをいたしたいと思います。簡単ではございますが、一応これで終わります。
#10
○加藤委員長 ありがとうございました。
 次に中村参考人。
#11
○中村参考人 私は、戦後昭和二十二年ごろから、主として建築方面を中小企業の規模で経営しているものでございますが、業界の経験も浅く、また業者の団体などとの関係もほとんどありませんし、またこの業界との接触もきわめて限られておりますので、本日ここに申し上げますのは、全く私身辺の立場から見た感想でありまして、はたして御参考になるかどうか。また、ただいまお二人から御意見が出ましたが、私、表現は違いますけれども、結果においては大同小異のところに落ちつくものと存じております。なお、参考資料はいただきまして拝読いたしました。また、二、三の点につきましては関係の方からお話を承ったのでありますが、いずれにしましても、具体的のことは政令に譲られ、また行政解釈にまかせられておりますので、本日申し上げますことはきわめて抽象的と申しますか、上すべりのことに終わるほかないと存じております。
 従来、この業界規制の一方法として、あるいは免許制、あるいは登録制といったような問題が論ぜられているということは、うすうす存じておりましたけれども、私自身としましては、日常の営業上の切実な問題に忙殺されまして、あまり身近に感ぜず、これに対して研究したこともございません。ただ、漠然たる私の感じとしては、やはりかような問題は、建設業者を含めた中小企業全般の立場から結論を出すべきものである。それでなくては、一つの規制方法によって解決するということは非常に困難ではないかというような感想を抱いておりまして、今回は、そういう登録制あるいは免許制に変わる過程、あるいはそれに至る道程と申しますか、その方法として現行の登録制度の整備が行なわれておりますが、私の感想としては、前進といっても、ほんの一歩の前進であるし、いわば最小限度のものであろうと思います。前進といえば前進といえましょう。ただ問題は、法律の文句に現われております総合工事業者の登録要件としての資格、「指導監督的な実務の経験又は業務管理の責任者としての経験」という文句がありますが、この範囲をどういうようにワクを作るのかということが、やはり業者には相当重大な関係があると思います。しかし、これはすべて今後の行政解釈にまかせられておりますから、これにつきましては適切な法律解釈ができることを希望いたしております。
 それから、その次の改正事項として、経営事項の審査と申しますか、いわゆる業者の格づけというものが今度は法制化されておる。これは現在も事実上ある方法で行なわれておるのでございますが、大きな、世間に名の通っておる人はともかく、われわれ微弱なものは、いわゆるお役所の格づけをいただく次第でありますから、非常に重要な関係があります。しかし、この格づけが公正にかつ妥当に行なわれるかどうかということは、主として審査項目、またこの基準のきめ方がなかなか困難と思いますが、これはどうなるかということであります。これまた将来の問題であります。それで、われわれとしては、この項目及び基準が適切にきめられ、それが公表せられ、またその審査の結果も公表せられるべきだ、こういうように感じております。
 それから、今度は団体以外に、業者に対する個別指導と申しますか、個々の業者に対する指導、助言、勧告というものがうたわれております。これもお手薄なお役所の方で、大ぜいの業者に対して、はたして個別指導が実効があるかどうかわかりませんが、妥当に行なわれるならばきわめてけっこうなことであろうと思います。
 要するに、今度の改正の法律案を拝見しましたところとしては、現在行なわれておるようなことを法制化するといったような方面が強く、また文句の割に実質的の変動が少なく、ある意味においては非常に慎重な改正であるし、ある意味においては非常に重要な、実際的な、大幅な変更をもたらしておらぬような感じもいたします。しかし、結局、それでは最後にどういう意見かと言われれば、現在のこの法律改正事項としては、中小企業の立場から見ても別に困るようなところはございません。賛成かといえば賛成であります。しかし、要は、先ほども申しましたように、今後きまる政令事項または行政解釈が妥当にきめられ、それが適当に運用せられていくというところに条件があると思います。はなはだ、なんでありますが、われわれ業者といしたましては、ことに最近、日常の切実な営業上の問題に忙殺されております。たとえて二、三の項目を申し上げますれば、機械化に伴う設備投資の問題、それに伴う長期信用、あるいは建設労務者の組織、あるいは待遇の問題、あるいは公共工事の工事費の適正化の問題、いろいろの身近の問題がありまして、法律事項に現われておりますことはむろん重要なことだと思いますが、やはりこれは中小企業対策の全般の一環として動いていき、また全般の方向に向かって業法の改正が行なわれていくということを希望いたします。これは私個人のほんとうの、先ほど申しましたような一個の中小企業、それも事業経験も薄く、世間の接触も少ない者がお招きを受けて、率直に感じを申しましただけでございます。
#12
○加藤委員長 以上で意見の開陳は終わりました。
 参考人に対する質疑を行ないます。
 石川次夫君。
#13
○石川委員 大へんお忙しいところをわざわざおいでいただいて、恐縮でありますが、まず石原さんに伺いたいのであります。御三人の方にそれぞれ伺いたいと思いますが、こういう仕事を独立して始められましてからどのくらいの年数になっているか、従業員がどのくらいいて、それから資本金は一体どのくらいになっているか。株式会社ですから、法人組織になっているわけですが、資本金の関係、それを一応伺いたいと思います。
#14
○石原参考人 会社の創立は昭和二十三年でございますから、ちょうど十何年かになります。それから資本金は三千万円、従業員は百十四名、これはホワイト・カラーでございます。
#15
○石川委員 それで、石原さんの御意見の中でこの法案は結果的には賛成、けっこうである、ただ、運用の点から注意すべき点が多いということをおっしゃったわけですが、運用の点で、何か特に御希望の点があれば、一つお知らせ願いたいと思います。
#16
○石原参考人 業者の格づけの問題、それからやはり、私どもの所属します建設業団体の規制の問題、そういうようなものが、運用上かなりいろいろ問題があると思うのでございます。ただ、大体今まで十年の建設業法の歴史もございますので、これはおそらくすべてにおいて一歩ずつ整備され、前進されるものであると思っております。
#17
○石川委員 次に辻さんに伺いたいのです。今、石原さんにお伺いしたと同じようなことで、経験と年数と資本金というのを、大へん失礼でございますが、一応お伺いします。
 それから、先ほどおっしゃられました中で、満点とは言えないけれども、中小企業者にとっては賛成であるという御意見の開陳があったわけです。満点とは言えないけれどもとおっしゃいますが、しからば、その満点のために特に御意見があれば伺いたいということが一つ。それから、特に中小業者にとってということを強調されるわけですが、この法案が特に中小業者にとって有利であるといいますか、必要な法案であるということになっておる根拠といいますか、それを一つお知らせ願いたい。
#18
○辻参考人 個人営業といたしまして昭和四年に設立いたしまして、昭和二十一年に株式会社として法人組織になりました。資本金は二千万円でございまして、ホワイト・カラーは六十名でございます。
 それから、この問題は満点とはいわないと申し上げましたことは、現状におきましてわれわれ業者から考えてみますと、まだこの法案は手ぬるいのじゃないかというような感じがいたします。と申しましすことは、要するに、先ほど来申しました通り、公共事業が非常に多くなって参りました。そして、社会の福祉に貢献する事業だと、私はかように考えております。そこで、この技術の面その他におきましても、詳細に見ますときに、一名程度ということでは非常に不足じゃないかというように考えております。少なくとも、もう二、三名以上は必要ではないかという考え方をいたします。それは、われわれの形態といたしまして、一人やそこらでは、なかなかこの公共性の事業に対応していくことはでき得ない。一つの工事をやりまして、ほんとうに責任を感じて施工いたしますなれば、二名、三名が一工事においても必要でないか、かように私、考えておる次第でございます。そこで、こういった面の方にやはり何らか対策を考えて、そうして貢献するようにしなければならぬというように思いましたので、この法案はその点において満点でない、かように考えた次第でございます。
 それからもう一点は、失礼でございますが……。
#19
○石川委員 中小業者ということを特におっしゃられた…………。
#20
○辻参考人 中小業者といたしましては、こういった法案で規制されまして、そうして経営の合理化その他の問題に指導を待つことが非常に多いのであります。といいますのは、技術の面並びに事務の面に非常に人員が欠乏しております。そこで、時代に対応するような指導強化並びに監督、あらゆる経理面に対する講習その他の面がこれによって行なわれまして、そうして得るところが非常に大きいのではないか。大企業がそういった人員が整備完成されている。かように考えますから、私はさように申し上げたのであります。
#21
○石川委員 ありがとうございました。では、その次の大和建設さん。
#22
○中村参考人 私の方は昭和二十二年の設立でありまして、払込資本金は五千三百万円であります。それから、従業員は、本年の新規採用を入れまして百五十名であります。主力工事は住宅、ことに鉄筋アパートを主力工事としております。
#23
○石川委員 それで、大和建設さんにちょっと伺います。資格の問題で、この中に指導管理の経験のある者ということが一つの条件になっております。それについて、この指導管理の経験というふうなことだけでは非常にばく然としているのではないか。これをはっきりさせなければ、ほんとうの資格条件の基準としては不十分ではないかという御意見があったと思うのです。それなら、何か特にここでもって、はっきり具体的に示す方法を、私見として大和建設さんの方でお考えになっているところがありましたら、一つお知らせを願いたいと思います。
#24
○中村参考人 これは私、ちょっと承りましたところでは、指導監督というのは技術的方面のものだ、業務管理の責任者というものは経営的のものだ、というふうに承りました。それで、現在この建設業を営んでおりますものは大体会社組織であります。また、会社組織でなくとも、大体いわゆる部課組織を持っております。部長とか課長とか現場主任とか、いろいろな職名もありましょう。これを適切に押えるには、現在の土建業の部課組織を基礎にして、それによって適当に押えていただく。しかし、これも大きな会社と小さい会社とは、どちらかといえば、小さい会社の方がつまらぬ人間が一人で全般的な仕事をしておるし、大きな会社では専門的な仕事をしておって、担当関係は狭くても、十分な能力を持っているというような点もありますので、なかなか部課組織だけでは押えられないかもしれませんが、現在の部課組織は大体共通しておりますから、これを基礎として、一つ具体的に列挙するようなことでもなさって、適切にやっていただいたら、というようなことを感じました。
#25
○石川委員 大へんけっこうな御意見、ありがとうございました。
 それで、実は法案のよりよき完成のために、歯にきぬを着せないでざっくばらんに申し上げたいと思いますけれども、実はこの法案を作ると、これによって非常に整理が促進され、ある一定の方向づけが促進をされるであろうというような利点はだれも認めるだろうと思う。ただ問題は、皆さん方においでいただいて大へん恐縮でございますけれども、実は皆さん方以下のもっと小さな業者が、これによって指名からはずされて、仕事が少なくなってしまうのではないか。御承知のように、日本では建設業の関係で業者が非常に多過ぎるわけです。これに一定の指導方向を見出すために登録制度を設けた。その後、昔はそう言っちゃ、なんでございますが、請負業者というものは、相当低い地位にあったようなものが、最近では土建業として相当成長してきたということは、まぎれもない事実だと思うのです。そういう点は認められますけれども、それでも、現実は確かに業者が多過ぎるわけであります。皆さん方よりもさらに小さい、皆さん方が中小業者とすれば、いわゆる零細業者という方が多いので、これによって登録はしても、仕事の方は別に変えないということは明記はしてあるのでございますけれども、しかし、やはり業種別の登録を整理し直すことによって、指名の場合の一つの目安がまた細分されるということになりますと、零細業者がさらに仕事にありつく機会が少なくなるのではないかという懸念が出てくる。そういう点に対する御意見、これはどなたでもけっこうでございますけれども、一つ伺いたい。
 それから、ついでに、これは大へん古いことで恐縮なんでございますが、もう四年ぐらい前になりますか、私は地方におったわけでございますけれども、一級国道を、それまでは県が大体工事をやっておったわけです。これは一つの例として申し上げます。ところが、一級国道というものは日本の産業の幹線という意味で、県ごとに工事をまかしておったのではでこぼこができる。それから、仕事も非常におくれてしまう。これは国でもって積極的に、一質的にめんどうを見なければならぬということで、直轄工事にしたという、その方向は非常にいいと思う。これは否定できない。ところが、これをやったために、いわゆる県の指名業者はそこからはずされてしまって、建設省の指名業者の方に仕事が移行したという点で、地方の業者はそれによって国道の仕事からもボイコットをされるという結果になるという点で、非難が出たわけです。非難が出ても、国全体から見ればやむを得なかったという見方もあるわけですが、そういう点について、皆さん方どうお考えになっておるか。これは大へん古い話なんですけれども、そういうこととかね合いで、今度またこういうように整理をしていくということは、非常にけっこうなのであるけれども、指名業者の中で細分化されていきますと、また零細業者が別な意味で仕事からあぶれてしまうのではないか、というような心配を私たちは感ずるわけであります。
 一つは、御承知のように、自民党、社会党を問わず、格差をなくそうということは、今度の政治の一つの大きな方向になっているわけです。こういう法案をきめて、非常にいい方向だとは思いますけれども、これによってそういう格差を是正する方向じゃなくて、何か格差を広げてしまうというような方向にいく危険性がないかどうか、という点についての御意見を率直に伺いたいと思います。
#26
○辻参考人 それでは、私、過去の経験から、お役所の段階におきますところの指名方法につきまして、ちょっと申し上げたいと思います。
 細則その他の方法によりまして、入札の合理化制度というものがございます。これは業者の資本金、その他年間の施工実績というものにおきまして、五段階、あるいはそれ以下六段階、七段階の階層が設けられておると思います。それから、今おっしゃいましたような零細業者と申しますか、営業を始めた方は経歴もございませんので、そういった五百万円以下の方は、そういった経歴がなくてもはいれる。それから、そういった工事を優秀に完成すれば、現在では倍額程度までは指名に参加することができ得る、かようなことがございます。それからまた、われわれのような業者、かりにCクラスといたします。そうすると、Bのクラス並びにAのクラスへも入らしていただくような制度になっていると思います。今おっしゃったことは古い例でございますから、そういうことがあったかもしれませんが、最近におきましては、その地域の特殊事情というものを勘案願い、かつまた、その地方においていろいろ国家として認めておられますところの協同組合法によって、そういう者が何人か寄って、そういうAクラスの業者と対等に指名に参加ができ得る、かような制度になっておると私は考えております。そういったことによりましてわれわれはこの工事を獲得する面におきまして、大業者と大した遜色はないのじゃないか、かように考えております。また、われわれといたしましても、そういった特殊のケースとか、あるいはまた一段階、二段階上の位の入札に参加さしていただくことによりまして、われわれの営業が薄らぐとかいうようなことはない、かように私は考えております。御参考までに申し上げます。
#27
○加藤委員長 山中日露史君。
#28
○山中(日)委員 中村参考人にちょっとお尋ねいたします。
 先ほどの御意見によりますと、中央建設業審議会の審査の結果を公表すべきである、こういう御意見であります。今度の改正案によりますと、注文者から要求のあった場合においては、その審査の結果を通知することができることになっておって、公表ということはないわけです。特にあなたは公表すべきであるということを主張される、その理由をお聞きしたいのです。
#29
○中村参考人 先ほど申しましたように、審査事項と審査基準は公表されると聞いておりますが、結果の方は本人に通知だけで、公表ということはございません。私が申しましたのは、希望でございますが、しかし、そういう感想を抱きましたのは、今度の審査は主観的事項ではなく、生として客観的の事項で行なわれます。それで、この審査のデータが正しいかどうかということは、客観的事実が正しいかどうかということによるのでありまして、これは主として業者の申し入れによると思います。これを一々お役所の方で、各個の業者についてお調べになればなにですが、数が多いから、おそらくそういうことはできぬので、結局、客観的事実というのは、事実上、業者の申告によるということになると思います。そういたしますと、やはりその結果をみんな並べてみる。たとえば、例の税金などは、みんな申告をする。それを税務署が詳しく調べる。そして、所得税というのは、税収を公表するという意味もあるし、また事実上、国税庁あたりではいろいろ公表しておるというようなことと考え合わせまして、やはり業者のランキングということを公表すべきであるということは、これを正しい方に導いていく一つの方法ではないかということを、私個人として感じた次第でございます。
 よろしければ、もう一つ、先ほどの格差のことで、ほんの一言だけ意見を申し述べさしていただきます。大、中という業者がございますが、ここにその間の格差の縮小ということはけっこうであります。しかし、事実問題として、現在現われておるのはどういうことかというと、第一は、従業者の待遇、給料というのが、中小企業も大企業の方に引きつけられて高くなっていくという傾向が顕著に現われております。それから、建設労務者の待遇が、大企業が使う者も中小企業が使う者も、どうしても同一の待遇をしなければならぬということです。私の小さな会社の経験としましても、昨年の秋には労務者の、主として現場労務者の賃金の引き上げをやりましたし、また本年は社員の賃金の引き上げをやりました。そうやりませんと、安定ができないのです。それで、格差の縮小というものがどういうふうに現われていくか知りませんが、当面の問題として、一番苦しい立場におるのは中ぐらいの業者ではないか。まあ、よそのことを存じませんけれども、自分を中心として見ればそういうように感じております。一方、工事関係から見ましても、大企業のものはほとんど五割以上も随意契約のもので、われわれ小さいところの業者は、ほとんど全部競争入札で仕事をする。一方、コストの方はだんだんと高くなっていくというので、ほかのことは存じませんが、とにかくわれわれは大いに苦しいということであります。
#30
○山中(日)委員 現在の建設業法でいけば、一件五十万円以下の業者は登録しなくてもいいということになっておるのですが、最近何か建設業界の中で、一件百万円ぐらいまで限度を上げたらどうか、こういう意見があるやに私ども聞いておるのです。そういう点について、何か御意見があれば、一つお伺いしたいと思います。
#31
○中村参考人 それは、私、別に意見はありませんが、最近一件当たりの工事価格というのが次第に向上して参る傾向がございます。官庁や、たとえば公団あたりで住宅工事をなされるにしても、これはお役所の都合もありましょうが、今までは百戸単位で出しておったのが、今度は百五十戸単位で出そうという。だんだん向こうも手数がかからぬようにというのか、あるいは何かいろいろありますか、一件当たりの工事単価というものは漸次上昇の傾向にございます。それで、この五十万円というものが、いつきまったか存じませんけれども、やはり実際にスライドするという意味であれば、自然に引き上げていくものであろう、こういうような感想を抱くわけであります。
#32
○加藤委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位には、長時間御苦労様でございました。いろいろ貴重なる御意見をお述べ下され、まことにありがとうございました。委員会を代表し、厚く御礼申し上げます。
    ―――――――――――――
#33
○加藤委員長 引き続き政府原案に対する質疑があればこれを許します。――なければ、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、討論を行なわず、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○加藤委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。
 採決いたします。建設業法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#35
○加藤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、本案議決に伴う委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#36
○加藤委員長 御異議ないものと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
#37
○加藤委員長 次会は明十日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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