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1960/03/17 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第14号
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1960/03/17 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 建設委員会 第14号

#1
第038回国会 建設委員会 第14号
昭和三十六年三月十七日(金曜日)
   午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 加藤 高藏君
   理事 木村 守江君 理事 佐藤虎次郎君
   理事 瀬戸山三男君 理事 石川 次夫君
   理事 中島  巖君 理事 山中日露史君
      逢澤  寛君    綾部健太郎君
      大沢 雄一君    金丸  信君
      徳安 實藏君    二階堂 進君
      廣瀬 正雄君    松田 鐵藏君
      山口 好一君    兒玉 末男君
      日野 吉夫君    三鍋 義三君
      三宅 正一君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 中村 梅吉君
 出席政府委員
        建設政務次官  田村  元君
        建設事務官
        (計画局長)  關盛 吉雄君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  稗田  治君
 委員外の出席者
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三四号)(参議院送付)
 防災建築街区造成法案(内閣提出第一三六号)
 公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、承認第二号)
 公共施設の整備に関連する市街地の改造に関す
 る法律案(内閣提出第五九号)(予)
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案、防災建築街区造成法案、公営住宅法第六条第三項の規定に基づき、承認を求めるの件、並びに公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案の四案件を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。
 中島巖君。
#3
○中島(巖)委員 まだ、計画局長が見えないようでありますから、住宅局長に質問をいたしたいと思います。
 ただいま上程されております日本住宅公団法の一部を改正する法律案であります。この内容を調べてみますと、三十一条の三号において、団地の付帯事業を行なうことを規定しておる。そしてさらに、この付帯事業の賃貸、譲渡とか管理等についての新しい問題が、この法律で提案されておるわけであります。それから三十二条の二において、これらの付帯事業を民間が行なう会社に融資を行なわせることができることを規定しておる。すなわち、この法案の改正点は、公団がみずから管理すべきものを、第二会社を作って、これに管理せしめるというような意図が察知できるのではないか。こういうふうに条文の上から解釈できるのでありますけれども、具体的に、わかりやすく、どういう意図をもってこの一部改正案を提出したのであるか、その点克明に承りたいと思います。
#4
○稗田政府委員 ただいまお尋ねの点につきまして、大体二点あるわけであります。三十一条の改正、これは従来、日本住宅公団が市街地の宅地の高度利用という意味におきまして、下に店舗、事務所等を建てて、その上に公団の賃貸住宅を乗せておる、市街地施設つき住宅の建設をいたしておったわけでございますが、その店舗、事務所等の建設、管理というようなことについては、従来は全体の付帯業務というものの拡張解釈で事業を行なってきたわけでございます。しかしながら、大都市における市街地改造の問題も非常に重要性を帯びて参りましたので、年々市街地のげたばき住宅の戸数もふやしてきたわけでございます。そこで、従来の業務に付帯する事業として行なうよりも、法律上はっきり公団の業務の中に、そういった市街地高度利用の住宅建設をいたす場合の店舗、事務所といったようなものの建設、譲渡、管理というようなことについて、明定した方がいいではないかという趣旨に基づいて、三十一条を改正したものでございます。
 次の第二点でございます。これは、公団の団地の居住者の利便に供する施設で、政令で定めるものについて投資をすることができるように改正するわけでございます。従来は、御承知のように、公団の団地と申しますのは、不燃構造のアパートの大きな一団地を形成いたしておるわけでございます。この利便に供する施設の中で、今日まで公団として当然実施しなければならないような集会場であるとか、あるいはその団地内に設ける役所の出張所といったようなものについては、公団が建設をいたしておるわけでございます。ただ、今日まで居住者の要望の非常に強いものの中で、公団の居住者全部が利用するものでない施設、たとえば託児所でございますとか、非常に家財道具の多い方が貸倉庫を作ってほしいというような希望、また通勤するのに自転車を使いますので、自転車の倉庫を作ってほしいというようなことがあったわけでございます。これらのものにつきましては、公団の資金並びに人員等のこともございますので、ただいま申し上げました政令で指定する内容の託児所、貸倉庫、集団電話の施設というようなものにつきましては、一部、出資または融資ができることにいたしまして、事業資金の効率的な運用をはかっていくというような考え方から、今回の改正を提案いたしたわけでございます。
#5
○中島(巖)委員 公団法の一部を改正する法律案に、「業務を行なう事業に投資(融資を含む。)」ということになっておるわけです。そういたしますと、別に住宅金融公庫があって、住宅金融公庫で融資をしておるわけでありますが、これらの関係とどうなるかという問題が一つ。
 それからまた、中高層建築に対しては、やはり金融公庫で融資をしておるわけで、公団で融資をするとなると、金融公庫と公団の関係がそこに錯綜して、すっきりせぬような点があるのじゃないかと思うのです。これらに対してどういう構想をお持ちだか、その辺をはっきり一つ御所見を承りたい。
#6
○稗田政府委員 最初のお尋ねの点でございますが、住宅金融公庫は、御承知のように、扱っております融資の種類は、公庫法の目的にもございますように、一つは、国民大衆に、健康にして文化的な住宅を建設するために、その資金を、一般市中銀行では貸さないようなものに対して貸すということ。それから、産業労働者住宅に対しまして、事業会社等に給与住宅を建設するための資金を融資する。第三点には、市街地の防災上あるいは宅地の高度利用というような点から、都市の不燃高層化をはかるというふうな意味で、相当の住宅部分を有する高層建築物に対しまして融資をいたしておるわけでございます。
 従いまして、公団の団地の中に設けられますところの託児所でございますとか、貸倉庫といったようなものにつきましては、融資の道は開かれてないわけでございます。
 なお、市街地の不燃高層化に対する施策として、金融公庫の、ただいまお尋ねの中高層の耐火建築に対する融資と、日本住宅公団による市街地の施設つき住宅の両建があるわけでございます。その違いと申しましては、住宅金融公庫の中高層の耐火建築物に対する融資と申しますのは、相当の住宅部分を有する高層建築物に対しまして融資をするわけでございまして、その融資の割合は七割五分というふうに全額を融資するわけではないわけでございますが、日本住宅公団で行なっておりますのは、全建設費を公団が受け持ちまして建設をしました下の店舗、事務所等につきましては、これを割賦分譲する。上に乗せます住宅につきましては、公団の賃貸住宅といたしまして、長期にわたって適正な家賃で勤労者のために開放して供給していくというわけでございますので、上に乗る住宅の使用の仕方が、金融公庫の中高層の住宅の場合よりも非常に用途が明確になっておるわけでございます。
#7
○中島(巖)委員 今、局長の答弁によって、金融公庫の融資する中高層と公団の建設する中高層との区別は、大体それでわかったわけです。そうすると、今の説明によると、店舗つき住宅は、住宅部分を譲渡もしくは賃貸借させて、そうしてその上に乗っておる住宅は依然として普通の住宅のように公団が家賃をとって経営していく、こういうように了解してよろしいですか。
#8
○稗田政府委員 さようでございます。
#9
○中島(巖)委員 次に、私の聞かんとする問題点を先ほどから局長ははずしておるのですが、結局、実際の具体的な構想としては、公団の第二会社みたいなものを作って、これらの運営に当たらせる。こういうような構想を抱いておるわけであるか。この点を、もう少し腹一ぱいの話をしてもらいたい。
#10
○稗田政府委員 出資または融資の対象とする事業につきましては、先ほど申し上げましたように、託児所でございますとか、倉庫、車庫あるいは集団電話施設の建築物というようなことでございますが、実際に運営していく場合には一応別法人ができまして、大体サービス業の事業の性質から申しまして、地域に非常に密着した関係がございますので、日本全国一円の一つの法人ということでなしに、東京に一つ、大阪関西方面に一つと、場合によれば、将来の問題といたしましては公団の支所ごとに一つずつというような考え方で別法人を作って、それに民間資金も導入いたしまして、資金の効率的運用をはかりながら居住者へのサービスをできるだけさせていこうという考え方でございます。
#11
○中島(巖)委員 そこで、今、局長があげられました託児所であるとか保育所であるとかいうような関係は、厚生省でも補助金をたしか出しておると思いました。従って、団地関係の方が、これらの補助金などを使って高度利用して、自主的にやればやれるものじゃないかと思うし、それから自転車の預かり所とか共同倉庫、これも必要でしょう。しかし、これは民間事業でもって、自転車なら預かり金を取る、共同倉庫なら倉庫の保管料を取る、ということでやっていける仕事であると思う。従って、政府なり公団が金融措置さえつければ、別にそういうような第二会社を作らなくても運営ができるのじゃないか、こういうように考えるわけです。そういうようなことは、この法案を作るときに問題になったかどうか、研究になったかどうか、この点をお伺いしたいと思う。
#12
○稗田政府委員 ただいまお尋ねの点等につきましては、十分研究を積んだわけでございます。まず、厚生省等で行なっております保育所の関係でございますが、現在、市町村長は、保育に欠ける児童を保育所に入所させる措置をとらねばならないという義務があるわけでございますが、保育所をみずから設置するという法律上の義務づけはないわけでございます。また、この預かる児童の関係でございますが、生活保護法による被保護世帯、それから前年度分の市町村民税の非課税世帯、それから前年度分の所得税の非課税世帯といったような方々を最優先に入所させることになっておるわけでございます。従いまして、公団の住宅団地の居住者の場合は、優先の度合いがぐっとおくれるわけでございます。
 さような関係から、現実の問題として、市町村が団地内に保育所を建設していただくというようなことは、なかなか期待できないような事情にあるわけでございます。さような関係で、託児所を公団の団地内に建設をしまして経営をいたしていくということを考えたわけでございます。
 それから、第二の点でございます。この公団の団地は、一応、御承知のように、公団の財産保全のこともございまして、また、居住環境を良好に保たなければならないわけでございます。従いまして、団地内に建設されますところの共同の利便に供する施設といたしましては、当然耐火構造にしなければならないというようなことも出てくるわけでございます。なお、これが一般の関係のないところの民間に借地権等を設定いたしまして、そういった施設を経営させますと、それが将来用途が変更するというようなことも阻止できないわけでございます。さような考えから、公団の方がこれらの不燃構造で建設しなければならないといったような負担の過重に対しまして、若干の出資をいたしまして、それに民間資金を導入いたしまして事業量を拡大して、早くこの居住者の要望しておる線を満たしたいというような考え方をいたしておるわけでございます。
#13
○中島(巖)委員 問題は、運営の点にあると思うのです。結論的に申し上げて、現在大きな団地をこしらえておる場合でございますから、そうしたサービス機関を設置することについては、当然これはだれも反対がないだろうと思うのです。しかし、問題は運営にあると思うわけでありまして、ある一部の人からは、公団が第二公団をこしらえて役人のうば捨て山にするのじゃないかというような説もあるわけです。そこで、この運営の面については、つまり公団の団地の自主的な機関なんかを、意見を聞くとか、計画に参与させるとか、そういうような考えはこの法案作成中に議論となったかどうか。もし、局長としての試案があれば承りたいと思うわけです。
#14
○稗田政府委員 このサービスの法人が、十分居住者の意向を反映して、密着した形で経営を行なっていかなければならないというのはお説の通りでございます。それで、まず、この出資をいたします場合には、住宅公団が建設大臣の認可を得るということになるわけでございます。それで、認可の場合に、建設省といたしましては、公団にこの運営について誤りのないような、監督のできる条件を一つつけようというわけでございます。
 なお、この公団は、出資をしました工事につきましては、出資が過半を占めるようにいたしまして、公団の株主としての意見が十分反映するようにして監督をして参っていくわけでございます。現在、日本住宅公団の団地の中には居住者の協議会等ができておりまするが、公団が月々居住者の協議会とも連絡をとりまして、会合等も持っておるようでございます。それらの会合等に、場合によればサービス機関の方も出席して話し合いをして、意思が疎通するというようなことで今後やっていけば、居住者の意向も十分反映するのじゃないかと考えておるわけであります。
#15
○中島(巖)委員 それで、もっと突っ込んだ話、団地は、どこへ行っても団地の自治会みたいなものができておるわけですが、その自治会がみずからこれを運営したいというような希望のあった場合においては、これにまかせるような考えがあるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#16
○稗田政府委員 御承知のように、公団の団地が千戸なり二千戸建設されまして、ここへ入居の希望者が入ってくるわけでございます。一応、ある期間の間は、烏合の衆といっては悪いわけでございますが、見ず知らずの人が集まってくるわけでございます。われわれの考えとしまして、そういった団地ができましたときに、当初からそういったサービス機関があった方がいいのじゃないか。それにはやはり、公団の入居者の協議会とかあるいは自治会というものでなしに、ただそれらの意向が十分密着した関係で行なわれるような機関であればいいのじゃないかと考えておるわけでございます。なおまた、公団の居住者の方々でございますが、そこへ入居される前にすでにそれぞれ生業を持っておられる方々でございます。これは相当めんどうな、多岐にわたる仕事でございますので、それに居住者の方が直接運営に入っていくということも、実際問題としてはなかなかむずかしい問題じゃないか、かように考えておるわけでございます。
#17
○中島(巖)委員 さらに突っ込んでお聞きします。現在すでにできておる団地で、自治会なんかができておるのが多いようでありますが、これらが希望した場合にどうするかという点が一点と、もう一つは、本年度これに投資なりあるいは融資なりする予算措置はどうなのです。この二つの点をお尋ねいたしたいと思います。
#18
○稗田政府委員 サービス関係の事業でございますが、ある程度の適正規模で効率的な運営をするという考え方も持っておりますので、私たちといたしましては、公団の入居者の自治会がこれをやっていくというようなことについては、全然考えていないわけでございます。ただ、その自治会の意向等が十分くみ取られて、事業に反映していくというような点については、もちろん考えておるわけでございます。
 それから、出資金でございます。公団といたしましては、今年度におきまして公団の居住者から敷金をちょうだいいたしておるわけでございますが、その敷金の運用の利子に相当する分、その一部をさいて出資をしようというわけでございます、その敷金の運用利子に相当する額のうちから、千八百万を出資いたそうというように考えておるわけでございます。なお、民間の出資につきましては、一千万円程度期待いたしておるわけでございます。そのほかに、民間借入資金等を二千六百万考えておるわけでございます。
#19
○中島(巖)委員 まだ他に質問する方もあるので、この程度でとめたいと思いますけれども、今、これらの出資金の額を聞けばわずか千八百万。こうした法律の一部改正をしまして、この仕事に乗り出すとしたら、もう少しまとまった投資をするようにしたらどうか、こう考えるわけであります。
 それから、第二点といたしましては、施行細則にからんで、公団の自治会なりの意見を聞くような諮問機関でも作るような方途を講じたらどうか。この二つの点を希望いたしまして、住宅公団法の一部改正に対する私の質問は終わることといたします。
 計画局長が見えられたようでありますので、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律、単独立法で今回新たに上程されたわけでありますが、これは私としては根本的には賛成であります。賛成でありますけれども、建設省の道路政策もそうだし、都市計画事業もそうなのでありますけれども、いつもいつも、動きのとれぬようになっちゃって、どうにもならぬようになってからこういうような法律を出して、目先を糊塗しておるのが実際の状況なんです。従って、こういうような単独立法を出すのなら、もう少し構想の大きな、規模の大きな法案を出したらどうか、こう思うわけなんです。おそらく私の想像するには、これはどこかへ手をつけて、そうして行き詰まってしまってこういう法案を提出したのだろう、こう思うわけです。そういうことではなしに、たとえば東京都が年々人口が二十七、八万もふえ、自動車の台数は三年か四年で倍々になっていく。そうなった場合において、十年後において東京都の形はどう変貌するのだ、こういうような見地からこういう立法措置をすべきである、こう考えるわけなんです。おそらくこの法案は、計画局かあるいは首都高速道路公団が、どこかへ手をつけて困って、その一部分に対処するために作ったような法案らしいにおいがしてしようがないのですが、そういうことはないのですか。一つ基本的の構想をお聞かせ願いたいと思います。
#20
○關盛政府委員 公共施設の整備に関連する市街地改造法につきましての問題でございますが、この提案をいたしております動機と申しますのは、ただいまもお話のございましたように、最近の市街地の自動車交通量の激増ということからいたしまして、人口の集中と同時に、都市の公共施設の機能が著しく低下いたして参っております。そのために、また結果といたしまして、都市の健全な機能を維持するということが、現在の都市の実情といたしましてはきわめて困難な状況になっておりますので、この道路、広場、その他の重要な公共施設の整備を行なうという緊急性からまず来ているわけであります。その緊急性を達成する方法といたしましては、さらにこの市街地における土地の合理的利用をはからなければならない。いわゆる中心の市街地につきましては、土地の高度利用をはかりまして、無秩序な市街地の拡張計画の拡張という姿を、それによって是正していこう。こういうことがこの法律のねらいでございまして、公共施設の整備の緊急性と同時に、都市の構築を合理的なものにして土地の高度利用をはかっていく、こういうところにこの法律を提案いたしております根本の理由があるわけでございます。
#21
○中島(巖)委員 いや、今の計画局長の答弁はよくわかるけれど、この法案をぼくは、はなはだ勉強不足で、ここに来てから目を通しただけなんですが、これに目を通して直接感じたことは、どうにも動きがとれぬようになってから、あとからあとから追っかけるような提案をいたしておって、十年後においては東京はどういう状態になるか、現在の人口のふえから車のふえ数において、そういうようなことを構想に入れて、大所高所から立法したものではない。遺憾ながら、こういうように思わざるを得ぬのです。
 たとえば、この法案の中に、市街地の改造に対する指定区域をもっと大幅に先にぽんと指定して、そこにおいては、あといろいろな建築制限なんかもするというような、そういう大きな構想がこの中に盛られておらないのですよ。従って、これはむしろ大臣にお尋ねした方がいいと思いますけれども、十年後の東京の自動車の台数はどうなるのか、そうして、たとえば世界の大都市におけるところの市街地に対する道路の面積はどれだけあるのだ、公園の面積はどれだけあるのだ、その面積内におけるところの居住者はどれだけおるのだ、こういう大きな構想からこういうものを立法すべきである、こういうように私は考えるわけなんです。十年後におけるところの東京の青写真と申しますか、構想は、どういうものであるかという点について、こういう法律を出す以上は、少なくとも十年の後ぐらいのことは議論になったと思うのですが、自動車の台数であるとか、人口であるとかいうような点について、もしそういうことを御研究になったことがあったら、大臣からお聞かせ願いたいと思うわけです。
#22
○中村国務大臣 ただいま御指摘のありました自動車の台数の増加趨勢、その他道路面積の各国の比較等、実は道路局で明細の資料を持っております。私、はっきり記憶いたしておりませんから、次会にでも道路局を呼びまして、詳細御説明申し上げることにいたしたいと思います。
#23
○三宅委員 大臣に、これに関連してちょっとお伺いいたします。
 今、中島君から御質問の通り、きょういただきました市街地改造法、これは三軒茶屋かどこかの改造のようでございます。これはけっこうなことでございます。しかし、今、なかなか立ち退きはしない。反対運動は起きる。そういう中で、二カ所や三カ所やりますことは、私は事務当局がこういうことを考えられますことはごもっともであり、これも必要だと思うんですが、あくまでこれは補完法であって、中島君が言われましたように、それこそ過大都市の膨張をどうするかとか、国土のほんとうの配分をどうするかとかいうような基本的な計画がなければ、あとから追っかけては、非能率で金もうんとかかるということで、問題にならぬと思うのであります。こういう点について、何か根本的に考えておられるか。あるいはすでにこういうことを考えておるのか。たとえば東京湾の埋め立てをやれとか、あるいは遷都論も出ておれば、あるいはまた学校だけでも移したらどうかとか、いろいろな議論が、民間からも専門家からも出ておるのです。国の姿勢が、これとほんとうに取り組むという姿勢ができておらぬところに根本的な問題があると思うのです。
 やはりこれは何といっても、過大都市ができて交通がやっかいになれば、迷惑をする官庁は建設省であります。一番中心は建設省、運輸省等になってきます。しかし、建設省だけの感覚でやれることには限度というものがある。従いまして、私はやはり、国務大臣としての見識において、こういう問題をほんとうに解決する。少なくともその基本的な調査機関だとか、あるいは方向だとか、そういうものができて、これを逐次立法化もしていくし、その基本的な法律ができた上に、全国の市街地の整備のためにこういう法律が出るのだということでないと、全く順序を転倒しておるように思うのであります。そういう点について、すでに、少なくとも建設省庁内においてはまだ立法の段階にならぬけれども、ここまでは考えておるとか、庁内の機関としてはそういうことで調査さしておるとか、こういうことがありましたら、お聞かせ願いたいし、何か国全体としての態勢について考えておられまするならば、それもお聞かせ願いたい。毎日毎日のことが忙しいから、それに追いまくられておったのでは、私は何もかも立ちおくれになると思うのであります。やはり大臣などが、特にしろうとの大臣が閣僚になられますことは、専門家ではあまり当面のことにかかわり過ぎておるから、そういう点で大きな手が打てるのだ。少なくとも、そういうアイデアを持っておるのだ、理念があるのだ、そしてそれに対する熱情を感じておるのだ、そうして政治的に助けてやるのだということでなければ、私は大臣の職を汚すだけであって、決してほんとうの国務大臣としての見識じゃないと思うのであります。こういう点について、一つお話をいただきますればけっこうだと思います。
#24
○中村国務大臣 実は私どもも、ただいま三宅さんの御指摘になりました事柄につきましては、きわめて情熱を持っておるつもりでございます。これからも、日本が限られた国土で繁栄をしていこうというには、国土を総合的にくまなく高度に利用するということが、日本の経済的発展の基本であると私は思うのであります。と同時に、その反面、既成市街地の過度の人口集中ということはどうしても避けていかなければならない。過大都市を作らないようにする努力というものが、政府、民間ともに力を合わせてやっていくべき大事な事項であると思うのであります。
 今国会に、所管は違いますけれども、後進地域の工業開発の促進に関する法律案等を提案いたしておりますのも、できるだけ後進地域に工場を誘致できるようにし、またそうした場合の保護措置と申しますか、恩典を与えるような道を講じたいという考え方から立脚をいたしておるわけで、これからはできるだけ過大都市の中あるいは周辺に新しい工場等ができないように、過度の人口集中を来たさないように努めていく必要があると思うのであります。建設省が考えております広域都市建設というようなことも、やはり後進地域に広域都市を作りまして、これはもちろん建設省の立場だけではなくして、通産省が現にやっております産業立地条件の調査、すでに地域的調査は一応できたようでございます。さらに通産省としては、業種別の立地条件、この事業は、水その他交通、あるいは消費都市との関係等で、どこが立地条件としていいかという、業種別立地条件調査というのを今年から開始される予定でございます。これらを活発にやってもらいまして、そうしてその立地条件に応じて後進地域へ、今建設省の構想として考えております広域都市建設、既成の市町村の区域に縛られないで、その立地条件に応じた広域都市建設を、建設省の所管する道路事業を初め、建設、公共事業投資の面でそういう仕組みでやっていこうというようなことを考えておりますのも、できるだけ後進地域に入口を定着させまして、過大都市に過度の集中を来たさないようにさせたいという配慮から行なっておるわけでございます。
 ことに、東京が一番問題なわけでございますが、東京におきましては、すでに数年前、首都圏整備法が制定されまして、衛星都市の建設ということを非常に熱心にやっておるわけでございます。すでに四カ所の地域指定をいたしまして、この指定された区域は、かなり新しい工業地域として整備されつつあります。たとえば相模原にいたしましても、相当の整備を終わりました。大宮、浦和につきましても、一応の用意ができまして、最近数十の工場がここへ集中いたしますので、目下、その工場の敷地等についての配分の用地取得を、担当いたしました住宅公団を中心に計画を立て、各社の申し込みを受けておるような次第で、そのほかに、さらにこの衛星都市を近いうちにもう十カ所ぐらい指定をして進めたいということで、進行いたしておるのでございます。
 ただ、私ども、もっと急速に進行したいという意欲に燃えておったわけでございますが、工場ができて、そこに生産と人口の定着をはかろうといたしますと、道路の関係、及び一番大事なのは、やはり原料及び製品の積み出し、積み込みをいたします貨車能力というものに非常に影響されます。一例をあげますと、相模原にいたしましても、非常に地域もようございます。東京からも近いし、横浜からも近い。しかし、工場用地を取得いたしまして、そこに工場を東京の既成市街地から移していこうという希望の工場がすでにできておるのでありますが、ただ、あそこは鉄道が整備されておりません。あれは南武鉄道というのですが、単線が一本あるぎりで、貨車の配分などが非常に乏しいところでございます。何とかこれを複線にして、国鉄としての貨車能力をつけてもらわないと、工場が行く踏み切りがつかないという声を聞いておりますので、運輸省の方にも折衝いたしまして――これも貨車能力ができるまでには、どうしても三年ぐらいかかるということでございまして、いたし方ない次第でございます。大体、ロンドンの周辺にできましたニュー・タウンを見ましても、かなりよく感心するようにできておりますが、あのニュー・タウンができ上がりますまでに、どこも大体十年かかっておるようでございます。ですから、首都圏整備事業というものを始めまして、まだ三年か、足かけ四年になるという程度でございまして、かなり活発にはやっておるわけでございますけれども、まだそこに工場を誘致して、完全に工場を定着さして、人口を定着させ、そして東京に集中して参ります過度の人口を排除して、この衛星都市に定着させるというような目的を果たしますのには、イギリスのロンドン周辺のニュー・タウンを見ましても、相当の年月を要することは、やはりやむを得ないことであるとは思いますが、努めて迅速にこれを実行いたしまして、過度の集中を来たさないようにいたしたいという方向に尽力をしておるような次第でございます。
 ごらんの通り、最近新しい工場等は、この混雑した東京に集まりますよりは、今申し上げたような整備されつつあります衛星都市、あるいはそれ以外の地域に設置される傾向に、大体機運としてもなって参りました。これは政府の努力だけでなしに、やはり国民的な雰囲気ができまして、そういう機運が盛り上がりませんと、強制してやる仕事でございませんので、うまく参りません。幸いに、近ごろはそういう機運になってきておると思うのであります。
 それと、もう一つは、これはわれわれ東京の者としては、在野当時、非常につらいことでございましたが、既成市街地内における一定規模の工場、学校等の建設は許さないという、既成市街地における工業等の制限に関する法律というのを制定することになりまして、われわれも推進をいたしまして、在野当時成立を見たのでございます。これも成立をしまして、十分とは申しかねるかもしれませんが、相当に成果を上げております。この工業等の制限に関する法律の制限に該当する工場、学校等が、これのできます前には三、四十件になりますか、数十件、年々相当の規模のものができつつあったのでありますが、これができまして以来だんだんとなくなりました。特殊の、たとえば早稲田大学の理工学部を作る、こういったようなことについて、理工科教育というものの重要性にかんがみて、理工学部の新設を許可いたしました。もう一件、これもやはり既成市街地で、やむを得ないという状況のものを一件許可いたしたようで、二件ほど新設が行なわれることになりました。その他のものは既成市街地にできませんで、他の地方に行っておる。こういうようなことも、若干成果をあげておるわけでございます。
 これは、一度に効果をあげる、一服できく薬というのは、なかなかでき上がりませんで、あらゆる施策を総合いたしまして進めていかなければならない。方向としましては、われわれ後進地域の開発ということとあわせて、できるだけ全国くまなく工業なり人口なりが分散をして、均衡のとれた国土利用ができるように進めていきたいという考え方に立ちまして、いろいろやっておりますような次第でありますが、なお今後とも、一つ国会関係の御意向とお知恵を拝借いたしまして、政府としては十分熱意を傾けてこの方向に強力に進めていきたい、かように考えておるような次第でございます。
#25
○三宅委員 大臣の御説明で、御苦心のほどはよくわかりますけれども、どうも、私どもといたしましては、たとえば相模原の問題にしても、あそこへ工場を移すということならば、少なくとも先行手段としての鉄道や道路だけはきちっと作っておいて、工場が行ってこれから三年あとということでなしに、しなければいけない。それからまた、第一生命が静岡県か神奈川県か知りませんが、移る。ああいうのは自発的に移る体制ですけれども、生命保険の関係などは、ちょっと気のきいた生命保険は、都心部に膨大な計算事務関係のものは必要ない。私の知っておるところでも、数年前に東京都内から多摩川に移した。その方が能率が上がっておる。いろいろあるのですけれども、これなども、もうちょっと基本的に計画を国が立てまして、しかも場所を整備してやるという勧奨をいたすならば、生命保険事業及び火災保険事業だけが東京都外へ移ったというだけであっても、非常に大きな人口だと思うのです。
 大臣とも個人的にはお話しておりますけれども、たとえば官公立の大学にいたしましても、従貫自動車道は富士吉田までは技術的にも文句がないのだから、直ちに始め、それによって土地会社が土地を買って、値段が上がって、それをとるのに困るという状況でなしに、それらの点についても手を打たれながら、私は基本的に学校だけでも環境のいいあそこに移される。学者は行政機関に必要だし、委員会にも出てこなければならぬ。しかし、一時間くらいならば何でもないことですから、富士吉田は今からそういう感覚のもとにやられる必要があるのじゃないか。
 そういう点について、各省が思い思いで、広域都市の法案をこっちは考える。向こうは後進地域の開発を考える。自治省は自治省で考える。地方はそのためにまた運動をする。国の財政にも限度があるから、ろくなことはできやしない。私は今聞きたいのは、個個のそういうことではなしに、経済企画庁が考えることか、内閣で考えることか知りませんけれども、各省の知能を集め、外の知能も集めて、もっと根本的にやらないと、かりに今三つ四つ工場を移される区域の都市ができた、これがかりに十になってみても、やはりそれらの都市はベッド・タウンであって、人口はますます東京に集まっていくというような状況は、私は今の程度のやり方であればおさまるまいと思います。こういう点について、たとえば内閣の申し合わせによって企画庁において本気にその点について考えておるのであるとか、そうではなしに、連絡会議で考えておるとか、そういうことが必要だと思いますが、そういうものがありましたらお話を願いたいし、ないようだったら、ほんとうに内閣としてお考えを願いたい。もう一ぺん御答弁をいただきたい。
#26
○中村国務大臣 ただいま御指摘の点は、総合企画官庁でございます経済企画庁が中心になりまして進めておるわけでございます。私実は、昨年末に就任をいたしまして、早々のときの閣議の席上で、私も首都圏整備事業あるいは総合開発の問題等に在野当時多少関係をいたしておりましたので、所得倍増政策を活発に進めていこうというのには、国土が総合的に高度利用されなければ目的を果たすことはできないので、その意味において、国土の総合開発ということは、国土総合開発法ができましてもうすでに十年になりますが、どうも今までは、地域指定等が行なわれる程度で、活発でなかったように思われる。ついては、急速に活発に作業を進めて具体化をはかる必要があるということを、閣議の席上でも発言をいたしまして、総理からも、しっかりやるようにというお話がありまして、経済企画庁が中心になりまして、最近企画庁の総合計画局が中心になりまして、また、あそこは手足のない部分がありますから、これらは建設省、通産省、農林省等、関係各省に委託調査等をいたしまして、実は熱心に国土総合開発に関する調査立案を今開始しておる段階でございます。従って、政府といたしましては、この方向に向かいまして、従来とは格段と違った力の入れ方で活発にやっていきたいという考え方に現在立って、作業中である次第でございます。
#27
○加藤委員長 日野吉夫君。
#28
○日野委員 大臣の今の説明で、熱意を持っておられることはわかるのですが、この熱意を、日本の政策のうちで一番立ちおくれている住宅政策に注いでもらいたい。こういう観点から、二、三点聞きたいのです。
 大体、道路の問題については、過般ワトキンス報告という、何だか信じられないほど悪い道路があるというような、なぞのようなあれを言っておるのですが、もし、外国から住宅視察団が来て、日本の住宅を視察したらどういう報告書を書くだろうか。まことに惨たんたる住宅の事情に対処するために、大臣はどういう考えを持っているのか。道路問題については、所得倍増計画との結びつきがやや、はっきりなっているが、住宅政策については、どう所得倍増計画と結びついているか。われわれは、ほんとうに住宅政策を完全にやることが、日本の所得を倍増せしめ、そして、不均衡を是正する一つの政策になるのじゃないか、こういう観点から見ますと、今の住宅政策というものは、ここに示されてある五カ年計画をこれから立てるのだ、これは法律を通してから作るのだ――僕はこれに不服なんです。もっと年次計画というものをきちっと持って、これをやるためにこの法改正が必要だからやってくれというならいいのですけれども、そういう計画なしに、この法律が出たらやるのだというような、いかにも白紙委任というような法案の提出の仕方には反対なのです。民間と自力を合わせて六十七万戸を建設する、政府の施策住宅を二十四万六千戸にするとか、こういう計画を持ってここに出しているのですが、どうも政府の部内では、住宅問題に対する理解が足りないのじゃないか。今度の予算は、所得の倍増計画とどういう結びつき、どのくらいの所得倍増の年次率に見合うところの予算でここへ出て参ったのか。その間に、いろいろ企画庁や閣議の方で折衝された経過等あれば、大臣からちょっと伺って、大臣の住宅問題に対する熱意の程度をお聞かせ願いたい。
#29
○中村国務大臣 住宅問題の重要性は申し上げるまでもないことでございます。実は、私ども住宅難の解決に向かいましては、大いに努力を注ぐべき重要項目であると考えまして、三十六年度予算編成の際にも、この点には大いに重点を置いて主張をして参ったのでございます。結果は、ごらんの通りのような状態でございますが、それでも、従来に比しますと相当に建設戸数の増大を見ることができまして、もちろん、これで十分とは考えておりませんが、今後とも大いにやって参りたいと思うのでございます。
 なお、今国会に、この住宅公団法の改正案等をお願いいたしました内容といたしましても、従来は団地の造成ということが、団地住宅であるということが住宅公団法の主目的でございました。実は私、かねがね考えておりましたことは、団地もけっこうでございますが、既成市街地内に高層建築をして高層住宅を建設いたしますれば、交通の関係等もございまして、地価は高くても、地価の高いことは何とかカバーできるではないかというようなことを考えておったのでございます。今度の住宅公団法の改正で、げたばき住宅を建てることを公団の一つの使命として明記していただきましたような次第で、郊外に団地住宅を作るということも、これは捨てるわけには参りませんし、やらなければならないと思いますが、あわせて既成市街地内に、下は店舗であって二階以上が住宅の高層建築を作りまして、住宅の量をふやす。また、交通との関係もにらみ合わせて、住宅を造成していくという行き方をとることも必要であるという角度から、今度の改正案を御審議願っておるような次第でございます。
 これは、国の出発によっていろいろ違うわけで、同じ敗戦国の中にも、アメリカの援助資金を、まず住宅を作れということで、住宅に専念して、住宅資金にこれを充てた国がヨーロッパにあるわけであります。そういう国は住宅が非常によく整備されたわけでございます。日本は、敗戦によりまして産業がほとんど壊滅状態になりましたが、産業の再建という方面に重点を置いて参りましたので、産業は非常に伸びましたけれども、住宅は置き去りを食っている。置き去りを食っているといいますか、そういう住宅重点で行った国のようにできていないといううらみがあると思うのであります。
 そこで、これだけ日本が経済的に成長して参りました以上は、住宅建設にもっと力を入れ、また、団地住宅の利便というものをいろいろ考えて、よくしていかなければならないと思うのであります。実は私も就任以来、三鷹の団地、あるいは東京都の住宅協会がやっております向原団地など、二カ所ほど現地を見たのでございますが、もう団地の中へ入って参りますと、これが日本の国かしらんと思うくらいに高層建築で、中には花壇ができている。通路はみな舗装がされており、見違えるようなところを見まして、用地が手に入る限りにおいては、ああいったような種類の団地を作っていくことが非常に必要ではないか。それからまた、既成市街地内におきましては、道路を拡幅する等の際に、今度お願いいたしております市街地改造法によりまして、一階をできるだけ店舗にして、二階以上を住宅にいたしましたげたばきの高層建築をいたしまして進めて参りますならば、これをなまけずに熱心に続けていけば、十年もたったらば、見違えるような状態にできるではないか。また、そうせねばならない。こういうような気持でおるようなわけでございます。今後とも御鞭韃を受けつつ、私どもといたしましては住宅の整備に努力をして参りたいと考えます。
#30
○加藤委員長 日野委員に申し上げます。中島委員の質問がまだ残っているそうですから、関連質問はなるべく簡単に……。
#31
○日野委員 今、説明があった通り、世界各国いずれも住宅政策に重点を置いて取り組んでおること、日本が立ちおくれたこともまたその通りであります。自由主義の国も、社会主義の国も、いずれも住宅というものに重点を置いて、社会主義の国では工業と並行するか、工場建設の一歩前にすでに住宅建設をやる。そうして、労働者の住宅が非常にりっぱな低廉なものになる。一方、農村住宅等が非常な開きが出て参るので、中国などは、人民公社が七カ年計画で農村住宅の改良に着手しているようです。世界の問題になった香港、あの戦前百万であった香港に、中国からの難民が二百万も流れ込んで、三百万の人口になって、香港島の中腹に難民街を形成して、これが淫売、麻薬吸飲、賭博、あらゆる罪悪の根源になる。これをどう解決するかということが世界の課題になったときに、さすがイギリス政庁は、これに住宅を与えた。十七階の高層住宅を作って、低廉な家賃でもってこれらの諸君を収容した。その結果、やはり住宅を与えられた難民が、そうなると、今のような生活形式でなく、低廉でもコンスタントな月給を求むるために定職についた結果として、今香港というのは軽工業が非常に発達しまして、輸出がどんどん振興して、日本の綿織物が香港に輸入され、そこで低賃金の縫製作業を経て世界各国に流される。こういうような一つの結果を出しております。
 やはり、日本のいろいろな問題も、悲劇も、住宅難から起こってきておる点が非常に大きいと思う。建設省がもう少し本気になって、住宅政策と取り組むならば、こういう角度から住宅をきちんと提供して――もう衣類の点も、食の点も、十分とはいえないが、一応ある程度までいっている。残された問題は、やはり住宅の問題です。低廉な住宅を供給して、もっとコンスタントな収入を与えることになれば、日本の都市の罪悪、こうしたものが逐次減って、コンスタントな一つの労働供給源ができるから、所得倍増計画と結びついて、日本の正常な発展をやるためにこの住宅政策というものは非常に重要である。こういう角度から、これらの点は私は非常に参考になる、こう考えている。
 ことしの計画の特色として、低所得者住宅とか、不良住宅の改良とか、不燃高層化、宅地の質の向上、それから、中小企業の住宅の供与、農漁村の住宅の改善と、項目はあがっておりますけれど、道路政策でも指摘されたように、三宅さんが言うような、建設省が指導官庁になって一つ日本の再建をやるのだという気魄に、何か一つ欠けているような気がする。住宅政策は特にあれして、予算は若干ふえたというけれども、こういう観点から見ますならば、所得倍増計画に即応する日本の住宅政策というものは、もっと大きな予算を組んで、大々的にやらるべきである、こう考える。これをやるにも、やはりもう少し資料を充実させて、こういう政策をやる、そのためなのだということになれば、団地取得なんかも、もっと安易にできると思う。計画がない、何をやるかわからぬのに、土地を提供せい、施設を提供せいと言われても、やはりレジスタンスが起こる。そういうことをスムーズに進行させるためにも、やはりそういう根本的な計画の用意が必要だとわれわれは思うのでありますが、そういうことに対する大臣の考え方を一つお聞きしておきたい。詳細な項目については、あとで伺います。
#32
○中村国務大臣 住宅というものは、人間の心の安定という上からも非常に重要な要素をなしていると思います。従いまして、住宅建設につきましては、すでに申し上げましたように、建設省といたしましても十カ年計画を立てまして、大体前期五カ年にはこのくらい、十年たったならばもう全く一世帯一住宅の充足ができるようにという、一つの目標を持ちまして全力を注いで参りたいと思います。
#33
○中島(巖)委員 続いて、今の問題に入るわけであります。三宅さんや日野さんから大きな問題を提出されたようで、それについて一つ大臣にお伺いしてから、この法案に入りたいと思うのです。
 それ以前として、私の考えを率直に申し上げますと、中村さんのようなしろうとの方、といっては失礼ですが、しろうとの方が建設大臣になるということは、私は歓迎しておるのです。大臣になる方は、相当長い間、いわゆる政治に携わってきておって、古いものにとらわれずに、その政治的感覚でもって処理してもらう、そういうことを非常に期待しておるのです。多くの大臣の方は、大蔵大臣なんかもごたぶんに漏れずですが、役所に入ると役所のとりこになってしまって、役所の代弁ばかりを委員会に来てやっておるというのが、今までの普通なんです。私は大臣に期待することは、いわゆる大臣の政治的感覚でもって、大きな点から、日本の国土はどうすべきであるというような観点から割り切っていっていただきたいということが第一点。
 それから、われわれ社会党としては、このような国土計画なんということは、そんなイデオロギーの入っておる問題ではありませんから、極力自民党の諸君と一緒になって大臣を応援するというか、こういう前向きの姿勢に現在おるわけです。そこで、日本の政府の一番欠陥と申しますことは、大臣の任期があまり短か過ぎるのです。ドイツの交通関係なんかは、ちょうど現在の運輸省と建設省の道路局を一緒にして交通省というようなものがありますけれども、この交通大臣はすでに十年以上一貫して大臣をやっている。従って、それらの方針も、いわゆる大臣の方針によってすべてが動いておる。こういう状態なんです。こういうふうに日本政府もなってもらいたいという希望が私、切なるものがあるわけであります。
 そこで、今回の予算面を見まして、地域格差の解消ということで、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、建設省は広域都市建設法を準備しておる。経済企画庁でありますか、自治省でありますか、基幹都市建設法というものを準備しておる。それから通産省なんかでは、未開発地域の開発促進法というものを準備しておる。しかも、それらに対しまして建設省は、予算措置として、たしか千二百万ですか、あるいは企画庁は五千万ですか、そういう予算をもってこれらを準備しておるわけであります。そこで、私が思うには、総理大臣も、経済企画庁長官も、予算委員会などで傍聴しておりますと、地域格差の解消ということを盛んに打ち出して、現在のいろいろなサービス業の物価の値上げは仕方ないけれども、これに便乗するやからがあるから、これを気をつけねばならぬ、こういうことを言っておる。私はむしろ、地域格差の解消に便乗しているのは政府じゃないか。とかく役所ごとに、お互いに変な問題ばかり出しておって、便乗自体が政府ではないか、私はこう思って、おかしくて笑っておったわけなんです。
 そこで、私の希望するのは、こういうようなものも一つにして、経済企画庁とか建設省などからエキスパートを出して、大臣のフレッシュな政治感覚のもとに、日本はこういうように持っていかなければならぬというような、大臣が根本方針を打ち出して、これが各省にわたるところの予算を一つにして、そして日本の国土をこう持っていくべきであるというふうな方針を樹立すべきではないか、こういうことを私は考えるわけです。
 そこで、大臣にお伺いいたしますことは、経済企画庁、自治省、通産、建設、それぞれいわゆる所得格差に便乗した法案を準備しているが、この四つの法案は提出になる見込みなんですか、どうでありますか。一つ閣議の御様子をお伺いしたいと思います。
#34
○中村国務大臣 実は今お示しのように、各省それぞれの立場において、それぞれの任務に応じた施策を進めておるわけでございます。後進地域開発関係といたしましては、御承知の通り、建設省にも通産省にも、あるいは自治省にも若干の予算づけができましたが、大体考え方としましては、経済企画庁に一番よけい予算をつけまして、経済企画庁が中心になって各省のこれらの事柄を調整していく。従って、経済企画庁の予算は、後進地域開発に関する調整費としての費目でできておるようでございます。政府としては、ばらばらにいったのではよろしくないのでありまして、建設省の考えは道路を整備し、河川を改修し、あるいは水の関係を考慮し、そして地方の後進地域開発のために広域都市建設をやりたい、またやるべきである、という考え方に立っておるわけでございます。
 もちろん、これを実行に移しますには、自治体を統合監督をし、指導いたしております自治省との関係も緊密にとらなければなりません。また同時に、それをやります基本としては、産業の立地条件というものが非常に重要な要素をなすと思います。これらの点を思い合わせまして、当初、広域都市建設に関する法律案を提案予定法案の中に入れておったのでありますが、今度の予算のつけ方等から見まして、また現状から見まして、各省十分に連絡をとりまして、再検討と申しますか、十分に練った上で前進すべきであるというように、目下のところ考えているわけであります。しかし、一刻も作業は休まないつもりで、三十六年度予算に盛り込みました千二百万円、広域都市建設をどの地域にしたならばよろしいかという見当をつけまして、同時に、そこをどういう方法で開発すればいいかというようなことについて具体的に、金額は少ないのでありますが、少ない金額を最高度に利用してやって参りたい、かように考えている次第でございます。
#35
○中島(巖)委員 そこで、大臣に希望することは、池田内閣が所得倍増計画に伴う所得格差の解消、特に地域格差の解消をぶち出すと、ただいま申し上げたように、各方面から便乗した法案が出たわけです。私の考えとしましては、今、大臣はさらに研究するというお話でありましたが、これらの予算を一つにして、各省のエキスパートに集っていただいて、そして大臣の政治感覚によって、こうしたらいいというようなことを企画庁長官とお打ち合わせを願って、これらの法案は今国会に全部出さないようにして、そして一年間置いて練り上げて、国一本の法案で出していただくように努力していただきたい。どこの省と協議して作ったにいたしましても、事業主体は、ほとんど八〇%、九〇%が建設省にあるのだから、こういうようなみっともない、ばらばらの法案を出さないように、練って一本にしていただきたいと考えるわけであります。
 そこで、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案にしぼって申し上げます。この法案とうらはらの関係にある公共用地の取得に関する特別措置法は、いつ提案される予定になっておりますか。これは計画局長でもよろしい。
#36
○關盛政府委員 ただいまのお話の公共用地の取得の問題につきましては、法律的なものは現在土地収用法があるわけでございます。公共用地の取得に関する特別法という名前でお尋ねがございましたが、要するに、土地収用法といいますか、公共用地の取得全体の改善の問題をめぐりまして、公共用地取得制度調査会にその問題についていろいろ審議をしていただいておりまして、答申をいただいたわけであります。従って、そのうち特別措置に関する部分についての法律案の準備を今いたしております。まだ、立案の作業過程でございますので、正確な時日の見通しはつきませんが、いずれにいたしましても、今月中に成案を得たいと考えております。
#37
○中島(巖)委員 私どもの考えは、公共用地の取得に関する特別措置法なんという臨時立法でなしに、土地収用法の改正をすべきだと考えておるわけであります。何か社会党は、めちゃくちゃに土地収用法に対して反対しているような印象を与えておりますけれども、これは私個人の考えではありますが、公共事業を遂行していく上において、ある程度の規制を加えなければ公共事業は推進しないのであるから、決してわれわれは全面的に反対の立場に立っているのではないです。
 ところが、問題は、今あなたから特別措置の作業中だということをお聞きしたので、私の意見をここで申し上げておくのでありますけれども、財産権はあまり重く見ないように、問題は生活権と居住権である。この点を十分尊重しさえすれば、われわれは土地収用法の一部改正、公共用地の取得に便法な方法で十分納得できて、賛成ができるのです。たとえば、一般に財産権ということになってきますと、ある大きな会社が土地を買っておいて、ぼろもうけをする。あるいは山林の大きな所有者であるとか、土地をたくさん持っている者は、それに便乗して、むずかしいことを言って、たくさんの金を出さなければその土地の取得ができない。こういうようなものに対しては、大いに規制を加えなければならぬが、生活権、居住権を尊重するところの精神がその中に一貫して流れておれば、われわれは今言ったような見地から反対するんじゃない。公共事業を大いに促進する上において、むしろもっと強い立法でも私どもは差しつかえない、こういうように考えておるわけであります。私の基本的態度というものを申し上げて作業上の参考にしていただきたい、こういうように考えるわけであります。
 そこで、また話は蒸し返しになりますけれども、この公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律、これは私どもも賛成であります。賛成でありますけれども、目先のただ二、三の問題を片づける程度のこういうような法律では、非常にもの足りないと思うのです。たとえば、先ほど大臣から話のありましたように、この都市住宅の高層化というようなことは、これは外国の例を見ればわかりますけれども、あまりにも日本はごちゃごちゃした木造の二階建、三階建に住んでおる。そういうようなところまでも、将来ここが必要な土地である、あるいは市街地造成上において高層建築物にせねばいけないというような土地に対しては、前もってすでにその区域に対して建築制限をするとかいう、いわゆる十年後の大都市はいかにあるべきかという構想のもとに、これらの要綱も組み込んで立法すべきものである。こういうように考えるわけでありますが、この法案作成の過程において、そういうような研究はされなかったかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#38
○關盛政府委員 ただいま御意見を交えての御質問でございました。この市街地改造法との関連についてその点を申しますと、市街地改造法につきましては、結果的に居住者の、いわゆる居住と生活環境というものを現状の姿を維持しようという考え方で、公共施設の整備という事柄と、その生活環境なりあるいは居住の姿というものを維持しようということが、この法律の結果としてのねらいでございます。
 そこで、現在の、今お尋ねのありました公共施設の整備に関連する市街地改造法は、法律論といたしまして、当該公共用地の敷地となる土地に存する所有権その他の権利というものは、御承知の通り都市計画として定められておりますので、事業決定も行なわれておりますから、これはもう土地収用ということになるわけでございますが、今回の改造法は、さらにその付近地につきましても、いわゆる都市計画法でいっております超過収用という形の制度が入ってきておるわけでございます。この超過収用理論というものが今回の法律の中に入ってきておりますのには、かなり現行法制から見まして、当該区域については限定して定めるべきものであろうということは、これはいろいろ議論があったのでございます。この法律におきましては、公共施設の整備に伴って、その付近地が不整形な宅地ができる、あるいはまた過小であるとかいうふうなことから、この法律の市街地改造地区の指定の基準のところに条件が書いてあります。あのような条件を具備して、超過収用という形の理論が初めて出てくるわけでございまして、その問題を踏み越えた議論のようにお聞きいたしたのが、先生の今の発言だったと思うのでございます。
 というのは、一般的に、ここは何階以上の建物にしなければならない、将来の都市の構築を考えて、ここはこういうふうにしなければならないというところを、やはり権利制限をするというやり方としては、いろいろな体系があるわけでございます。それをその通りの姿に作り上げるという形のものに踏み切るには、やはりその権利を取得するという体制を持っておらなければできないわけでございます。今の御質問は、公共施設の整備に関連しないで、一般的にこの市街地改造事業を実行する方法を検討したかどうか、こういうふうな意味に私、最後の重要な点を解釈したのでございます。これは、ただいま前段で申しました超過収用の可能の限界というものが、今お手元に御審議願っております市街地改造法、それの指定基準の条件というものが、まさしく現在の段階における限界だろうと思うのでございます。従って、その範囲を越えた問題につきましては、私益と公益との調整の関係、あるいは憲法上の問題もありますので、今後につきましては十分慎重に検討しなければならないということで、問題を今後に残したような結果でございます。
#39
○中島(巖)委員 今、計画局長の言われた通り、この法律は提案理由の説明にもあるように、「街路等の公共施設の用に供せられる土地及びその付近地における建築物及び建築敷地の整備とに関する事業を内容とするものでありまして、」こういうように限定してあって、私の質問した点は、これらの限界を越したところまで質問したわけであります。その説明の通りでありますけれども、それらの問題については次会に質問することといたしまして、こうした法案を提出せねばならなくなったことは、今までの法案提出の過程から見て、どうしてものっぴきならぬような場所ができて、この法案が提出されたんじゃないか、こう、大へん失礼な話だが、憶測いたすわけであります。現在予定されておるところがありますか。あったら、その場所とか、あるいはどういうわけで差しつかえがあるのか、この点等をお伺いしたいと思います。
#40
○關盛政府委員 ただいまお尋ねになりました市街地改造事業を、実施する予定の三十六年度の計画個所等についてでございますが、これは東京、大阪につきましては三十六年度中に事業化をいたしたい、こういうふうに考えておる地区がございます。東京につきましては二カ所予定いたしております。この二カ所と申しますのは、東京の都市計画街路といたしまして、名称を放射四号線と申しておりますが、二級国道で申しますと、東京−沼津線でございます。この経過地点が、赤坂から渋谷を通りまして、三軒茶屋を通って、西へ行っておるあの路線であります。この路線の沿道に沿っております地域で、特に商店街がございまして、しかも、その背後地が非常に密集しておって、しかも交通の交差点になっておる。こういうふうなところにつきましては、区画整理の手法ではとうてい困難でございますし、さらにまた、交差点であります関係上、その付近の交通事情というものが非常に顕著な状況を示しておる。激化しております。しかも、その居住者の方々を、この付近においてそれぞれの現在の権利関係を移しかえをいたしまして、市街地建造物を造成するということにしないと、実際問題としては困る。困るという上から申し上げたのでございますが、そういうふうな実情でございますので、今予定されておりますところは、東京都におきましてこの沿道沿いの二カ所を予定しておる。さらに、大阪におきましては、大阪駅前広場の整備と、幹線ルートの整備に伴いまして、高層化、不燃化をすでに要請されておる地区内でございますので、これもこの市街地改造等の手法によりまして事業を実施すべく、大阪市におきまして昨年来準備をしておるような状況でございます。事業化についてはこの三カ所でございますが、なお調査につきましては、街路事業費の調査費をもちまして、その他の地区について数カ所実施いたしたい、こういうふうに予定いたしておるわけでございます。
#41
○中島(巖)委員 自民党との約束がありまして、十二時半までということでありますので、質問は次会に譲って、本日はこれにて中止いたします。
     ――――◇―――――
#42
○加藤委員長 この際、お諮りいたします。日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、審査の慎重を期するため、参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○加藤委員長 御異議ないものと認め、そのように決しました。
 なお、参考人の人選、意見を聴取する日時並びに手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○加藤委員長 御異議ないものと認め、そのように決します。
 次会は来たる二十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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