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1960/02/16 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第5号
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1960/02/16 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第5号

#1
第038回国会 決算委員会 第5号
昭和三十六年二月十六日(木曜日)
   午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 木村 公平君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 西村 力弥君
      宇田 國榮君    大沢 雄一君
      仮谷 忠男君    正示啓次郎君
      鈴木 正吾君    森本  靖君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      古賀  了君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 池田正之輔君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       松本 一郎君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   島村 武久君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房会計課
        長)      丸居 幹一君
        総理府事務官
        (科学技術庁振
        興局長)    原田  久君
        総理庁事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   杠  文吉君
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      末廣 義一君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局次長)  井上啓次郎君
        会計検査院事務
        官
        (第一局長)  秋山 昌平君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 委員赤松勇君辞任につき、その補欠として山田
 長司君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十三年度政府関係機関決算書
 昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十三年度決算外三件を一新して議題といたします。本日は、総理府所管中、経済企画庁及び科学技術庁関係について審査を進めます。
 審査に入るに先だち、この際各省に要望しておきます。本日より各省所管別の審査に入るわけでありますが、当初承る各省大臣の決算概要説明は、さきに本委員会において決定されております「決算審査に関する運営方針」にのっとり、計数についての説明のみでなく、予算執行の結果現われた主要施策の実績並びにその効率的使用等についても、言及していただきたいと存じます。
 まず、科学技術庁関係の決算概要について、科学技術庁長官より説明を求めます。
 池田科学技術庁長行。
#3
○池田(正)国務大臣 ただいま議題となっております科学技術庁の昭和三十三年度決算の大略について、御説明いたします。
 科学技術庁の経費は、所管試験研究機関経費、原子力関係費、科学技術研究費補助金及び一般行政関係事務費、人件費等、科学技術振興に必要な経費でありまして、その歳出予算現額は九十三億九千八百八十五万二千円で、支出済み歳出額は九十億九千五百三十五万九千円であり、おおむね所期の目的のため有効に使用されたものと考えております。
 なお、歳出予算現額と支出済み歳出額との差額のうち、一億九千八百九十万九千円は翌年度へ繰り越し、また、一億四百五十八万四千円は不用額となりました。不用額は、原子炉用核燃料を購入する予定でありましたが、借り入れに切りかえましたことと、所管研究所で研究者の充足が遅延した等のため生じましたものでありまして、事情を御了承願いたいと思います。
 以上、簡単でありますが、昭和三十三年度の科学技術庁の決算の大略を御説明申し上げました。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御承認賜わりますようお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○荒舩委員長 続いて会計検査院当局より、検査の概要について説明を求めます。
 秋山第一局長。
#5
○秋山会計検査院説明員 科学技術庁の昭和三十三年度の支出済み額は九十億余りでございまして、その大部分、五十七億八千万円というものは、原子燃料公社、原子力研究所等に対する出資金、これが五十七億八千万円ほどございまして、その残りの三十三億のうち、またその大部分が航空技術研究所、放射線医単総合研究所の施設費、設備等でございます。この施設費、設備費等は、航空技術研究所の設備が九億五千七百万円、施設費が三億二百万円、放射線医学総合研究所の方が、施設費四億六千六百万円でございますが、建設工事の方は、関東地方建設局で担当されて施行されております。この工事について、また設備等その他の工事物品の購入について、念査いたしました。
 次に、委託費、補助金でございますが、原子力平和利用研究の委託費が二億二千三百万円、同じく補助金が二億六千五百万円、その他科学技術情報センターの補助金が五千万円、発明実施化の試験費補助金が二千二百万円でございまして、これらにつきましても十分念査いたしました。その結果、試験計画の変更によりまして期限を延長しておるものが相当ございますが、これにつきましては、最後まで適正に処理するように要望いたしておきました。また、委託費等で取得した機械その他の物品につきましても、その後の経理を確実にするよう要望いたしてございます。
 検査の結果、特段に申し上げることはございません。
    ―――――――――――――
#6
○荒舩委員長 質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。勝津芳雄君。
#7
○勝澤委員 私は、最初に委員長に申し上げておきたいと思うんですけれども、決算の審査方針については、三十五年の七月の二十日の決算委員会で決定されまして、先ほど委員長の朗読されましたように、各省大臣の説明については、従来より変わって、もっと積極的な意見を出せ、こういうことがきめられました。それから会計検査院法の中にも、予算委員会を通じてどなたか発言したと思うんですけれども、三十六条に、会計検査院は、検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項があると認めるときは、積極的に意見を出す、こういわれておるわけであります。しかし、今科学技術庁長官の説明を見てみますと、どうも従来とあまり変わっていないように思うのです。そこで、一つ次の大臣から、やはりもっとこの審査の趣旨に沿った説明をされるように、まず最初に要望いたしておきます。
 それで、まず長官にお尋ねしたいのですが、私は、まるきり科学技術庁というのはしろうとでありますので、その予備知識を得るためにも、一つ科学技術行政の組織というものについてお尋ねしたいと思うのです。
 わが国の科学技術の維持発展のために、国の研究機関や行政は、単に科学技術庁だけでなくて、各省それぞれ組織を持っておられるように思います。そこで国全体として、科学行政の組織などについて、研究組織の総合的な問題あるいは統一的な問題というような問題を今論議されておるようでありますけれども、これらについて、長官としては、科学技術庁は一体どういう役割でどういう積極的な意味があるのかという点について、一つお伺いしたいと思うのです。
#8
○池田(正)国務大臣 ただいまの御質問ごもっともなことなので、私も、御承知のように、赴任以来鋭意勉強したのでありますが、なかなかわからないところが多いのであります。しかし、御承知のように、科学技術庁というものが独立の機関として成り立つまでには、幾多の経緯がございます。そして現在科学技術庁のねらいといたしましては、御承知のように、科学技術に対する調整機関ということが一つの大きなねらいになっております。と同時に、現場も持っておりまして、すなわち研究機関も持っておるという二つの性格を持っております。そのあり方がいいか悪いかということにつきましては、これは御議論があると思います。世界各国の実例を見ましても、単なる調整機関として存在しているところもございますし、日本のように二つの性格を持っておるところもあるようであります。何と申しましても、現在のねらいといたしましては、つまり大学における研究は、あくまでも基礎研究という建前に立っておる。その他今御指摘のように、通産省あるいは厚生省あるいは農林省、各省にもそれぞれ試験研究機関を持っております。わが方といたしましては、この基礎的な研究と、それからこれを事業化するという間の、中間的な役割を果たすというところに一番大きなウエートがあるんじゃないかというふうに私は考えておりますが、それにいたしましても、何しろ役所ができまして、しかも、その以前に各省にそれぞれの研究機関を持っておりますので、それらとの、場合によりますと競合するようなこともなきにしもあらず、それからまた、国の科学技術振興政策として一貫したものでなくて、重複するような場面も出てきますので、これを何とか調整しなければならぬというようなことで考えております。先般科学技術会議から答申がありました、その答申の中にも、それらの問題に触れられておりますし、またわれわれとしましても、これから真剣に、私個人の意見を申し上げてはなはだ恐縮でございますけれども、現在の科学技術行政の機構なりあり方というものを再検討しなければならないという段階にきているんじゃないかというふうに考えておりますので、どうぞこの点につきましても、委員各位からの忌憚のない御意見を一つ出していただいて、そうしてこれは万全の策を立てたい、早急にそういう方向に進めたい。場合によりますと、これは科学技術会議などを動員いたしまして、あるいは諮問いたしまして、それらの意見もまとめて早急にこれを一本化したりっぱなものに育て上げたい、かように考えております。
#9
○勝澤委員 長官の気持はよくわかるのですけれども、昨日の予算委員会におきましても、総理の答弁を見てみますと、やはり科学技術庁の方よりも防衛庁の方に重きを置いておるような答弁をなされておる。科学技術庁の技術的な予算を見てみますと、まことにお粗末な予算でありまして、防衛庁の方は、金が使えないくらいある、こういうような状態では、一体科学技術というものをどういうふうに考えておるか、大へん私は失望するわけであります。大臣も同感のようでありますので、一つ積極的に技術の振興について格段の努力をしていただきたい、こういうように要望いたしまして、大臣は用事があるようでありますから、あとはほかの方々に聞きたいと思いますから、どうぞ。
#10
○荒舩委員長 池田大臣は退場してよろしいですか。――それじゃ大臣お帰り下さい。
#11
○勝澤委員 それでは三十三年度の、科学技術庁だけでなくて、国全体の科学技術の予算は一体どのくらいになっているか。この国民所得と、それから一般会計の歳出予算との比率はどういうふうになっているか。これは、諸外国と比べて日本はあまりにも貧弱だと思いますけれども、一つこれについての御意見を賜わりたいと思います。
#12
○原田(久)政府委員 科学技術振興費の一般会計予算に対する比率をまず申し上げてみたいと思いますが、昭和三十二年度以降三十五年度までにつきまして申し上げますと、科学技術振興費は、昭和三十二年度百七十一億、三十三年度二百五億、三十四年度二百十八億、三十五年度二百四十五億と伸びて参っておりまして、一方一般会計歳出予算の総額は、三十二年度御承知のように一兆一千八百四十六億、三十三年度一兆三千三百三十億、三十四年度一兆五千百二十億、三十五年度一兆七千二百十一億と伸びております。その比率を申し上げますと、三十二年度が一・四四%、三十三年度が一・五四%、三十四年度が一・四五%、三十五年度が一・四三%というふうな数字が出て参ります。
 これを諸外国について申し上げたいと思いますが、ただいま手元にあります数字で申し上げますと、米国は、一九五八年でございますが、政府総予算が邦貨換算二十八兆五千億円となります。それに対しまして、科学技術研究費が二兆六千二十八億ということになりまして、その比率は九%という大きな数字になっております。それから英国は、一九五八年でございますが、政府総予算が四兆九千億円、それに対しまして科学技術研究費が二千六百五十億円、比率で申しますと五・五%ほどに相なっております。それから西独は、政府予算が、一九五八年でございますが、三兆四千億、それに対しまして科学技術研究費が六百八十億円、その比率が二%、それからフランスでございますが、政府総予算が三兆六千億円に対しまして、科学技術研究費が八百八十億円でございまして、その比率が二・三%といったような状況に相なっております。
#13
○勝澤委員 一つできれば、科学技術の機関別、あるいは項目別、支出の性格別、補助金、出資金、委託調査研究、こういうようなものについての資料を出していただきたいと思います。
 そこで科学技術のうちでも、最近原子力行政が非常に重要視されてきておるようでありますが、国及び民間における原子力研究機関、企業の原子力グループについて、概要説明願いたいと思います。
#14
○杠政府委員 お答えいたしますが、ただいままでのところ、民間におきましては、およそ五グループ関係、大約三百億円の経費をもって原子力事業をやっております。政府におきましては、百五十億円支出しております。そのグループ別の各事業主体がどのような活動をしているかということは、ただいまのところにおきましては、研究に主力を置いておりまして、いわゆる生産の事業ということは、まだ活発には行なわれておりません。と申しますのが、御承知の通りに、原子力の発電におきましても、ただいま東海村におきまして英国のコールダーホール型一基を入れるということで、基礎工事が始まっておりまして、一応完了した形でありまして、昭和三十九年度におきまして発電に入るというような状況でございます。しかも、それは炉は英国の方から輸入するということになっておるのであります。ただ、国産一号炉というものを各社が共同いたしまして、東海研究所、すなわち日本原子力研究所の東海研究所におきまして、目下建設中でございます。それが五グループ関係における現実的な炉の建設事業でございます。そのほかの関係におきましては、燃料等における研究をいたしております。そのような状況であります。
 政府機関におきましては、御承知の通りに、日本原子力研究所がただいまのところ炉を四基建設するということで、今の一号炉というものは、御承知の通りにすでに活動しております。二号炉と申しますのが、いわゆるCP5でありまして、アメリカの方から輸入いたしまして、ただいま臨界量に達しておりまして、その特性の検査を実施中でございます。三号炉というのが、先ほど申し上げました国産によるところの第一の炉でございます。それから四号炉というのが動力炉でございまして、これはアメリカのGE社から入れるということになっております。
 そのほか、アイソトープ関係におきまして、広く各方面で全国およそ八百五十個所くらいにおいて使用されていることでございますが、これは私の方で一括して予算を使用するというような状況にはなっておりません。民間において輸入するというような形において使用されているという状況であります。
 大約原子力の現状を申し上げました。
#15
○勝澤委員 いずれまた内容的なことは別の機会にお聞きすることといたしまして、次に、科学及び技術者の養成の面で、政府の所得倍増計画に関連して、民間企業からの技術者の需要が増大すると思われますけれども、これにこたえることができるかどうか。国やあるいは私学のこれからの技術者養成の見通しについて検討されておるようであります。この技術者の養成は、文部省の所管かもしれませんけれども、一つ科学技術庁としても、ここらの問題について、当然重要な問題だと存じますけれども、今大体どういうような技術者養成を考えられておりますか。
#16
○島村政府委員 官房長でございますけれども、お答え申し上げます。
 世界各国の例を見るまでもないことでございますけれども、技術革新の時代に入りまして、いずれの国も現在技術者の不足に悩んでおるような状況でございます。日本におきましても、御指摘の通り、現在でも理工系の出身者、研究者、技術者が不足しておるのでございますけれども、今後の見通しを立ててみますと、わが国の科学技術の向上のために必要な第一の問題は、やはり人の問題であるというふうに私どもといたしましても考えておるわけでございます。お話のように、技術者あるいは研究者というものを養成いたしますところの仕事は、文部省の所管になっておるのでございますけれども、科学技術庁といたしましては、全般的な科学技術振興という立場から、人の問題を度外視することはできませんので、文部省と緊密な連携をとり、また、先般政府において決定、発表せられましたいわゆる所得倍増計画そのものの作成にも科学技術庁としても参画いたしまして、そのような面につきましても、具体的な計画推進ということに対しまして、文部省に協力をいたし、いろいろお願いもいたしておるわけでございます。科学技術庁自体といたしましては、そのような行政事務を行なうものではございませんけれども、科学技術庁がいわゆるお世話をいたしております科学技術会議、先ほど長官からも申し上げました科学技術会議が、いわゆる科学技術庁あるいはその他の関係各省のみならず、文部省所管の問題もあわせまして、わが国の科学技術関係の将来の目標及びこれに到達するための政策というようなことにつきまして審議いたしております関係上、科学技術庁といたしましても、いわゆる科学技術会議を通じまして、そのような作業に参画いたしておるわけでございます。今年度の予算におきましても、理工系の教育の充実ということにつきましては、文部省に対しまして相当額の予算が計上せられておりますが、私どもといたしましては、これらの科学技術会議を通じますところの活動と申しますか、先般内閣総理大臣あてに答申せられました科学技術会議の答申が尊重され、逐次具体化していきつつあるものというふうに考えておるわけでございます。なお、新しい学生の教育の問題は文部省でございますけれども、いわゆる技能者の養成といったようなことになりますと、これは労働省にも関係して参ります。それからさらに現在すでに存在いたしますところの科学者と申しますか、研究者、技術者の再教育の問題につきましては、これは必ずしも文部省のみ、あるいは労働省のみということでもございません。科学技術庁といたしましては、この方面にむしろ相当の関心と責任を感じておるわけであります。たとえば原子力関係につきましては、何分にも既存の技術者というものはなかなか得がたいわけでございますので、大学あるいは国の研究機関、さらには民間企業の要望にもこたえまして、先ほど原子力局長から申し上げました日本原子力研究所におきまして、その再教育の仕事を研修所という名前のもとに行なっております。原子炉あるいはアイソトープ、それぞれにつきまして、広く研修生を受け入れまして、その再教育といったような仕事もいたしております。
 さらに、これは本年度の予算にも計上されておるわけでございますが、日本科学技術振興財団というものに対しまして、予算的にもこれを補助いたしまして、そのような財団の事業といたしまして、技能者の再教育というような仕事も活発に行なわれるように措置いたしておる次第でございます。
 簡単でございますけれども、科学技術庁の考え方だけを申し上げました。
#17
○勝澤委員 特に科学技術振興のために技術者の養成は重大な問題でありますので、今後とも一つ積極的な施策を要望いたしまして、次に、会計検査院にお尋ねしたいのですが、今回のこの検査にあたりまして、科学技術庁関係につきましては、批難事件は上がっていないようでありますけれども、日本原子力研究所に対しては、この検査の結果、一応報告書には載せなかったけれども、注意書を出しておるという点が載っておりますが、この具体的な内容等について、一つおわかりになりましたら、お示し願いたい。
#18
○秋山会計検査院説明員 日本原子力研究所につきましては、所管が第五局になっておるのでございまして、私第一局長でございますので、内容を承知いたしておりません。
#19
○勝澤委員 では、あなたの担当いたしました科学技術庁についてはなかった、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#20
○秋山会計検査院説明員 科学技術庁につきましては、先ほど申し上げました通り、特に御指摘したものはございません。
#21
○勝澤委員 それでは科学技術庁にお尋ねしたいのですが、核燃料の賃借料等についてでございますけれども、三十三年度の科学技術庁予算の執行状態を歳入歳出明細書について見てみますと、核燃料物資等購入費は当初予算に六下四百十七万一千円計上され、前年度からの繰り越しが五千六百七十万四千円、歳出予算現額が一億九百四十二万一千円ありますけれども、支出済み額はゼロであります。この核燃料物資等購入費は、前年度の三十二年度においても、当初予算に六千二十一万三千円計上しておりますが、歳出はゼロで、一銭も支出はしていない。また三十四年度においても、歳出予算現額は一億四千八百六十万円であるにかかわらず、支出はわずかに三千九百四十二万余円で、残余は繰り越し及び不用額となっているようであります。三年間にわたって予算には多額の経費を計上しながら、支出が二年間にわたってゼロで、かつ多額の繰り越し及び不用額としておることは、おそらく政府全体を見ても、この項目だけではないだろうか、こう思うのです。そこで三十二年度、三十三年度、三十四年度にわたって、核燃料の借料、購入費等について予算執行の経過はどういうふうになっておるのかという点を、一つ御説明願いたいと思います。
#22
○杠政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘の通りでございまして、その事情を詳細に申し上げますが、それに先だちまして、このような繰越額並びに不用額が起きましたゆえんのものを御説明申し上げますが、この核然料につきましては、御承知だと思いますが、日米間の協定がございまして、その日米協定によって賃借ないしは購入するということでございますが、その協定が成立いたしません限りにおきましては、賃借も購入もならない。と申しますのは、濃紺ウランの状況は、ただいまのところ、アメリカ、英国、フランスにおきまして製造は可能でございますが、その大部分はアメリカでございます。日本においては、残念ながら濃縮ウランを生産するということはできない状況でございますので、やむを得ず日米の協定を結びまして、アメリカから賃借ないしは購入をするということに相なっております。その協定締結にいろいろ経緯がございまして、長引きます事情もございます。従いまして、予算には計上いたしましても、その協定が――協定には親協定と細目協定がございまして、それぞれの炉につきましての細目的な協定がございます。その協定が成立しない限りにおいては、賃借も購入もならぬというような事情がございます。この点で、今後とも残念ながら、このような繰り越しないしは不用に立つというような事態が起こり得るのではなかろうかと思うのでございます。と申しますのは、やはり協定が成り立つであろうということを前提といたしまして予算には計上しておきませんと、燃料の使用はできないというような事情があるからでございます。それをまず前提に渇きまして経緯を詳細御説明申し上げます。
 まず、三十二年度のことでございますが、三十二年度におきましては、核燃料物質借料といたしまして、日本で初めて火が入りました例のウオーター・ボイラー型、東海研究所のJRR1と称しておりますが、そのJRR1の予算額は十一万六千円でございました。しかし、この計算は三十二年の四月から六月にわたる分の借入料でございました。ところが一方におきましては、JRR1の燃料購入費といたしまして、千百六十万七千円を計上いたしております。これはやはり賃借になるか、あるいは購入になるかというようなことがございましたので、そのような措置をとっております。それから次にJRR2、すなわちCP5でございますが、CP5の燃料購入費、加工費、輸送費等といたしまして、三千九百七十八万六千円を計上いたしました。それから増殖の実験用といたしまして、七百六十万円を計上いたしております。それから特殊核物質といたしましてウラン二三五、百グラム、プルトニウム十グラム、ウラン二三三、十グラムの購入費及び輸送費といたしまして百二十二万円、以上合計いたしまして六千三十二万九千円を計上いたしております。
 しかしながら、上の計画は、JRR1、すなわちウオーター・ボイラーを除きまして、ずれて参りました。そこでJRR1の千百六十万七千円のうちから三百五十万九千円をJRR1の加工費、輸送費として流用いたしまして、三百四十四万三千七百四十一円を支出したにとどまったというような事情がございます。従いまして、残額は十八万一千二百五十九円を不用額に立てまして……。
#23
○荒舩委員長 ちょっと待って下さい。それはまだ長くなりますか。
#24
○杠政府委員 はい。
#25
○荒舩委員長 ここで聞いていてもあれだから、資料でどうですか。
#26
○勝澤委員 けっこうです。
#27
○荒舩委員長 それじゃ、それを一つ資料で出して下さい。
#28
○杠政府委員 承知しました。
#29
○西村(力)委員 関連して……。ただいまの答弁で、濃縮ウランの製造可能国はイギリス、フランス、アメリカだけだということでございますが、科学技術庁の答弁としては少し非科学的じゃないかという気がするのですが、いかがですか。
#30
○杠政府委員 ソ連だけを言い落しましたが、ソビエト連邦におきましては、もちろん作っております。そのほかにおいては、まだ製造いたしているということは、われわれ承知いたしておりません。以上でございます。
#31
○勝澤委員 そうしますと、今の質問に関連して、日米間の原子力協定がまだできていないからおくれているのだ、簡単に言うと、こういうことですか。
#32
○杠政府委員 いいえ、それは当初のときには――当初すなわちJRR1の関係を先ほど申し上げましたが、日本において一号ウオーター・ボイラーの関係におきましてはそういう事情がございましたが、その後のCP5等におきましては、できていないからというのではなくて、親の協定ができていても、細目の協定が時期的にずれてくる。すなわちCP5ならCP5の炉ということで、それに幾ら燃料を使うという協定を結ぶという関係になっております。その間の協定がおくれましたのと、先ほど申しましたように工事の遅延、その二つがおもなる原因でございます。
#33
○勝澤委員 そうすると、こういうことなんですか。核燃料の購入がおくれている原因は、CP5の原子炉の計画が遅延している、これに原因している、こういうことなんですね。
#34
○杠政府委員 いやそれは、JRR2すなわちCP5だけの話におきましてはそのようなことでございますが、そのほか国産一号炉等もございまして、これは三十三年度には直接関係はございません、その後のことでございますが、三十三年度におきましては、いわば工事遅延、そしてやはり細目協定の遅延ということでおくれているということでございます。
#35
○勝澤委員 そうすると、核燃料の購入がおくれている最大の原因は何ですか。
#36
○杠政府委員 やはり工事の遅延――最大の原因とおっしゃいましたら、工事の遅延ということでございます。
#37
○勝澤委員 わからないところはまたあとでよく聞きますが、CP5の設置が計画より一年半もおくれている理由は、どういうことなんですか。
#38
○杠政府委員 おくれております理由の中には、わが方において、当初CP5は、五千キロ出すというのはございますが、一万キロ出す炉としましては世界初めてのことでございまして、そこでその一万キロ出させるにつきまして、いろいろな試験等をしなくちゃならぬ、その試験等をするについて、当初の設計を四回にわたりまして変更をいたしました。そのことが一つの遅延の理由でございますのと、いま一つは、何しろこれを請け食いましたところのAMFというアメリカの会社――大きな会社でございますけれども、その会社におきましても、先ほど申し上げましたように一万キロというのは初めての経験なために、付属品等において不完全なものがございます。横浜に陸揚げされましてから試験の結果、やはり多少不備の点があるというようなことで、本国へ送り返して――日本においても、まだ炉関係は、先ほど申しましたような次第でございまして、当時におきまして修理するだけの能力を持っていなかった。そこで本国へ送り返しまして修理して、それを持ってくるというようなことがあったために、おくれております。
#39
○勝澤委員 そうすると、アメリカのAMFですか、こことの契約においてどういう契約をなされておりますか。
#40
○杠政府委員 AMFとの契約におきましては、当初十八カ月におきまして炉を完成するということが、契約の要点の一つでございます。それからその後、据付完了後百八十日――据付を今までに完了していますが、その後百八十日、または契約が発効してから三十カ月のいずれか早い期間において、何か故障が起こった場合には補償するというような契約の内容になっております。契約のおもな内容はそういうことでございます。
#41
○勝澤委員 それでおくれている原因は国内的にもあるというような言い方をしておられたのですが、私はやはりアメリカのAMFで組み立てる炉がおくれているということと、それから濃縮ウラン然料の加工をアメリカのMアンドC会社に依頼したようですが、その加工の検査の過程でいろいろと問題が出ておくれている、こういうように聞いているのですが、大体一致しているようであります。そこでこのCP5型炉の購入の契約が少しわかりましたけれども、その入札なり、あるいは入札価格なり、あるいは燃料の加工契約、こういうものはどうなっておるのですか。
#42
○杠政府委員 入札の経緯を申し上げますと、まず炉の入札経緯でありますが、炉におきましては、AMFという現在作って完成した会社、その会社と、ACFという会社、それからNAAという会社、GEという会社、これが応札しております。これはいずれも一流の大メーカーでございます。そのうち一万キロを出すというのは、AMFでございます。その他の各社とも五千キロワットしか出せないということでございました。
  〔委員長退席、木村(公)委員長代
  理着席〕
それから――燃料につきましても同様に、AMFにおきましては一万キロを保障するということになっております。ACFにおいては五千しか保障しない。ところがNAAにおきましては、燃料の保障はいたしかねるということでございました。それからGE社におきましては、五千キロまでの燃料の保障はできるということでございました。そこで燃料におきましては、御承知だと思いますが、これは政府が契約するというのが日米協定の趣旨でございます。そこで政府におきまして入札いたしまして、M&Cというのが応札したわけであります。そのM&CとAMFとの間の紛争と申しますのは、一万キロワットの燃料という保障をAMFはすると言っておりますけれども、燃料の購入主体はただいま申しましたように政府でございます。そこで政府は、直接政府の出先機関を持っておりませんので、アメリカにおいて――政府の出先機関と申しますのは、大使館等はございますけれども、科学技術庁が技術屋の出先を持っておりませんので、原子力研究所がこの炉を使いますから、日本原子力研究所に委任いたしまして、その燃料の検査をしてもらう。日本原子力研究所におきましても、同じく向こうに支社等を持っておりませんから、そこで炉を作りましたそのAMFとの間に検査契約を結びました。AMFから検査をし、同時に原子力研究所から人も派遣する。これは派遣でございます。派遣いたしまして検査いたしました。当初の検査におきましては、規格に合致しているというのをAMFも承認しております。ところが、何しろ先ほど申しましたように、一万というのは世界初めての試みでございますから、なお厳重に検査をする必要があるというので、詳しいことを申しますと時間をとるばかりでございますが、二度ばかりの精密な検査をいたしました。ところが、精密検査をいたしました結果、AMFにおいては、われわれの燃料棒の仕様書に厳密に合致してないというクレームを出しました。これはどういうクレームかと申しますと、検査の委託契約をいたしておりますから、その検査の立場において、合致してないということをAMFは言っているわけであります。ところが、最初AMFは、われわれの仕様書に合っているということで、一応OKをしておりますので、われわれのところにおきましても、神原というCP5の炉の主任の博士に渡米してもらいまして、これをエックス線等にとりまして、破壊することなしに非破壊の検査をいたし、調査いたして、大丈夫であろうということで引き取ったという状況でございます。そして目下試験をいたしておりますが、今のところの状況におきましては、燃料においては一万キロワット出すことは遠慮したがいいじゃないかというような状況でございまして、当初の試験のための研究としては、一千キロまで出せばよろしいということになっておりますので、一千キロワットだけは近いうちに出すようにしたいというのが、CP5の現状でございます。
#43
○勝澤委員 計画が遅延している。それについての契約の内容なんかでも十八カ月に完成する。据付完了後百八十日か、発効してから三十カ月の間で故障が起れば補償する、こうなっておりますが、具体的には期間はもう過ぎているわけですね。
#44
○杠政府委員 本年の二月十四日において期限は切れております。切れておりますが、炉本体につきましては、何ら故障の個所はないということでございます。ただ先ほど御説明申し上げましたように、燃料の加工過程において不純物が入っているのではないかということが論争になっておりまして、その点をわれわれは確かめつつ、これで大丈夫であろうということを特性試験において確かめつつ、先ほど申しましたように一千キロワットを出すという予定でございます。
#45
○勝澤委員 一千キロ――一万キロワットじゃないのですか。どうなんですか、その辺……。
#46
○杠政府委員 計画は一万キロワットを出すということでございますが、先ほど申し上げましたように、当初の計画と申しますのは炉の計画でございますが、これから申し上げます計画というのは、研究計画でございます。日本原子力研究所の研究計画におきましては、第一期の燃料におきまして一千キロワット出させる。よしんば一万キロワット出るところの燃料におきましても、一千キロワットを出させる。それの試験をずっと進めてやっていく。一千キロで試験をやっていくということになっておりましたものですから、安全サイドをとりまして一千キロワットを出させるということにしたいということでございます。
#47
○勝澤委員 どうもよくわかりませんから、またあらためてもう少し聞きたいと思います。
#48
○木村(公)委員長代理 西村力弥君。
#49
○西村(力)委員 今のJRR2型ですが、これを購入しようという工合にきめる前の計画は、国産で一号炉を作ろう、こういう計画があったと聞いておるのですが、事実ですか。
#50
○杠政府委員 そういう計画はございません。当初原子力準備調査会というものが内閣に設けられまして、三十年でございますが、そのときの計画におきまして、すでにウオーター・ボイラー型というふうに指定いたしまして、ウオーター・ボイラー型をアメリカから入れる。次にCP5型の炉を同じくアメリカから入れるということでございました。
#51
○西村(力)委員 次に、当時はアイゼンハワー大統領の時代ですが、原子力の国外市場確保という意味において、後進国で原子炉を建設する場合に、三十五万ドルの助力をする、こういうことがあったと思うのです。それは当然考慮に入れられたと思うのですが、現実にその金というものは、このJRR2型に協力されておるかどうか。
#52
○杠政府委員 三十五万ドルにつきましては、昨年の十一月外務大臣にマッカーサー大使から手渡されまして、国庫収入となって入っております。
#53
○西村(力)委員 次に、AMFという会社はおくれて入札にはせ参じたということになっておりますが、この会社の本業というか、そういうものは何であるか。またそういう原子炉関係の仕事の実績は、そのときどういう工合に調査されたか。
#54
○杠政府委員 AMF社は、御承知かと思いますが、たばこの機械を作っている非常に古い会社でございまして、それと最近はやっておりますけれども、ボーリングという競技でございますが、従来ボーリング等を作っていた会社でございまして、原子力関係ができましてから、そこにアトミックという名称をつけ加えまして、そうしてスイミング・プールという型の炉を二十基ぐらい作っている経験を持っております。それから現在では、その後CP5の発注を受けまして、イタリアにおいても作っておりますし、またアメリカのAECからの受注を受けまして、現在建造中でございます。
#55
○西村(力)委員 現在はともかくとして、そのAMFと契約を結び、落札をした当時の実績は、今のお話ですと、スイミング・プール型とかいうものを二十基作っておる実績があったということになりますが、その実績でもって新しい全然まだ手がけたことのない一万キロワットの出力を持つ、しかも濃縮ウラン二〇%の燃料でそれだけ引き上げていく、そういうような困難なところに耐え得る業者であるかどうか、それをこなし得る業者であるかどうか。普通指名入札なんかする場合においては、このAMFを無条件で指名できるかどうかという判定はどうだったかということです。そこが私の聞きたい点です。
#56
○杠政府委員 ただいまスイミング・プール型を二十基作っておると申しましたのは、今日までにおいて二十基作っておるのでありまして、当時の状況においては十基作っておりました。そしてスイミング・プール型においては、当時の状況においては、十基作った経験を持っておる。そこで何しろCP5型というものは、当時におきましては、まださほどの経験を経ておりません。各社におきましてももちろん、AMFにおいては初めてのことでございますが、私の方でもいろいろとコンサルタント等を作って調査もいたしましたし、また学者等の意見も広範にお聞きしまして、間違いないであろうということで、当時の日本原子力研究所の方で――現在も引き続いておりますけれども、その原子力研究所の力において契約をする、それを政府が了承するということでございました。
#57
○西村(力)委員 当時は十基だとなれば、なお経験が不足しておったことは、これは争えないところであろうと思います。しかも、本業はたばこ巻き機械を作っておる、あるいは遊ぶボーリングの機械を作っておる、こういうことを本業とした社の業績が基礎になって、こういうとてつもない、世界で最初の新しい原子炉に取っ組むなんということは、これは受け取る方も冒険であるであろうし、また注文する方も、安かろうというような点だけでそこに契約を結んだとするならば、今日の結果は、そもそもそこに起因しているではないか、こういうことが私たちには考えられるのです。他の会社は、その長い経験から、五千キロワット以上は不可能だと言っておる。こういうときに、一万キロワットをおれは保証するという、これはめくらヘビに何とかのたぐいに似たような気がしてならないのであります。
 それでは、このAMFと契約をするときは、このAMFと三菱との下請契約はなされておったかどうか。その前後はどうか。
#58
○杠政府委員 AMFと契約を結びます以前から、やはり三菱は提携いたしておりました。しかし、今の下請と申しますと、いわゆるCP5の下請におきましては、AMFが契約をとる際に、かねて提携会社であるところの三菱と下請契約が結ばれたということであります。
#59
○西村(力)委員 以前から契約が結ばれておったということは、それじゃ、原子力関係における三菱とAMFとの契約が以前からというのは、いつからですか。このAMFと契約したのは三十一年の十一月なんですが、その三菱とAMFと二つの会社の関係が結ばれたのはいつからか。
#60
○杠政府委員 原子力関係につきましては、三菱との提携関係というものは、CP5をやります以前においてはございませんでした。
#61
○西村(力)委員 そこを明確にしてもらいたいのです。CP5の契約をAMFと結んでから、さてだれに下請をさせようか、それじゃ三菱かという工合にいったのか。その前から、やはりこのCP5型の契約をした場合には当然に三菱と契約がされる、三菱がその仕事を担当するのだ、こういう事情にあったのか。そこの点はどうですか。
#62
○島村政府委員 当時の事情をいささか知っておりますので私からお答え申し上げますが、AMF社が参加いたします当初から、三菱ということで確定いたしておったわけではございませんでした。当時アメリカの各社は、日本の企業に対してそれほど認識もございませんでして、ほかの各社は、いずれも全製品をアメリカで作って持ってくる。日本の企業を下請に使うことをいわば忌避しておりましたが、AMF社だけは日本の企業に下請させてもよろしいということを言っておったわけでございます。それに応じまして、産業界のことでございますから詳しい事情はわかりませんが、各社とAMFとの交渉が行なわれ、その間におきまして、AMFが三菱を選んだ。従いまして、AMFが落札し、あるいはAMF社と契約をいたしました時点におきましては、三菱を使うということがきまっておりましたけれども、当初からAMFと三菱とが何らかの契約関係をもちましてAMFが三菱を使うということではなくて、こういういわば入札の問題はずいぶん長い期間を要しますが、その期間の過程におきまして、三菱がAMFの、下請をすることにきまった、こういうように私どもといたしましては了解いたしております。従いまして、三菱とAMFとは、原子炉を作ることについての下請関係という関係ではなくて、端的に申しますと、CP5一基だけの下請の仕事を三菱が請け負った、こういうことでございます。
#63
○西村(力)委員 今のお話を聞きますと、AMFと契約をしたとき、その時点においてすでに三菱に下請をすることが同時にきまった、こういうことでございますが、そうしますと、同時にきまるには、長い契約云々の期間において、いろいろ選考がなされたかとも思う。しかし、その選考がされたかといえば、なされていない。当然のものとして三菱にいっておる、こういう工合に私は聞いておるのですが、どうですか。
#64
○島村政府委員 契約を締結いたします際には、三菱を下請に使うことをむしろ条件にいたしまして、契約を結んだわけでございます。つまり原子力研究所とAMFとの間の契約の中に、三菱を使うことを条件にしておるということでございます。
#65
○西村(力)委員 それでは、そのことはAMF自体から申し出になったのだろうと思うのです。
 そこでちょっとお聞きしたいのは、今まで作られた原子炉関係ですね。これはそれぞれ原子力の産業に熱意を入れておるグループがいろいろあると思うのですが、何々はどこの系統に仕事をさせた、何々は、という工合に、原子炉を作られた順序に従ってずっと言ってみて下さいませんか。おわかりになりませんか。
#66
○杠政府委員 現在動いております一号炉におきましては、下請の関係はございません。ただいま問題になっておりますCP5においては、三菱が下請をするということになっておるわけであります。三号炉におきましては、先ほども御説明しましたように国産でございますから、日本の各社が共同して作り上げつつありまして、外国との関係はございません。それから動力炉、先ほどもあげました日本原子力研究所におきましては、JRR4と呼んでおりますが、これから建設しようとする動力炉におきましては、GEが――先ほども申しましたように、これは正確に申しますと、日本法人のGE社でございます。すなわちアメリカのGEとは資本関係はございますが、日本のGE社でございます。それが落札いたしまして、日立と東芝が下請をするということに相なっておりますのが、現状でございます。
#67
○西村(力)委員 下請でなくて、それぞれの炉に対して、日本の業者が主となってそれに当たっておる、そういうことはないのですか、一号炉なんかについては……。
#68
○杠政府委員 ただいまあげました炉が、現実に契約になっておりますところの炉であり、また動いておるところの炉でございますので、それについては、ただいま申し上げましたような各社が、下請等について参加しているだけでございまして、そのほかの関係において、どこの社がどの炉について直接の結びつきを持っておるということはございません。
#69
○西村(力)委員 コールダーホールなどの発電炉はどこですか。
#70
○杠政府委員 失礼いたしました。契約で建設過程にありますものに、今の発電炉、大きなものを落としておりましたが、コールダーホールは、英国のGECと富士電機とが下請関係を結んでおります。
#71
○西村(力)委員 そういたしますると、私たち、偶然のことかもしれませんけれども、それぞれの炉にそれぞれの日本の業者系統が分担して、順序よく、原子力開発の恩恵にあずかっておる、こういう工合に見えていく。たとえば東芝とか日立は、三井系統だということはだれでも知っている。今度は二号炉は三菱だ。コールダーホールは富士電機だ。そういうような工合に、ずっとそれぞれの財閥グループ、原子力開発の一つのグループに均等割して、平等配分してやっておるという工合に見えるのですね。そういう点から、三菱系統にまだ一つも割当がなかったから、AMFと三菱との関係において契約しなければならぬじゃないかという工合になったんじゃないか。これはしかし、あんまり勘ぐり過ぎることになりますから、そういうことは申しませんが、そういう状況が一応われわれとしては見られるわけですよ。何としましても、経験の豊富な他の会社が、五千キロワットしか出せない、こういうことをはっきり言っている。注文主の意に沿わないこと言うて、それを変更しないというのにかかわらず、AMFが注文主の意に沿うべく、何でもかんでもお気に召すように言ってきておることにまんまと乗っているというところに、発足から非常な問題があると私たちは見ざるを得ないわけなんです。
 さて、それで契約の問題でありますが、こちら側では弱みもいろいろあるかもしれませんし、開発を急ぎたいというあせりもあるでしょうけれども、この契約は、売手、買手の市場云々にかかわらず、日本の立場というものは強硬に主張されなければならないと思うのです。ところが、契約書の内容をあちこち聞いてみますと、実にずさんだと思われる。その契約書については、資料として提出を願いたいと思うのです。大体責任保証ということは、何を保証するのか、いつからいつまで保証するのか、こういう点についてお尋ねしたいのです。一体AMFにおいては何を保証したのかということです。それから、責任保証はいつを起点として百八十日なら百八十日、三十カ月なら三十カ月、そういう工合に契約されたか。
#72
○杠政府委員 責任保証の対象は三つございまして、一つは炉本体でございます。いま一つは出力の関係でございます。先ほども申し上げましたが、一万キロワットの燃料についても保証をするというのは、出力の保証でございます。この二通りになっておりまして、いずれも含めまして据付を完了して後百八十日、または契約の発効しました日から三十カ月、いずれか早い期間というふうに契約ではなっております。
#73
○西村(力)委員 据付完了は三十四年の十二月になっていますか。炉体の組み立て完了というのは……。
#74
○杠政府委員 三十四年の十二月でございます。
#75
○西村(力)委員 常識的に考えても、据付完了から百八十日、こういう契約で、出力の保証というのは可能なのですか。出力の保証というようなことは、僕らからすれば、その据付が完了したときから出力の保証が発生するなんということは、こういう契約としては不備そのものじゃないかと思うのですが……。
#76
○杠政府委員 出力は、先ほども申しましたように、燃料を入れてみませんことには、現実にはわかりません。それで、燃料は政府が契約すると日米協定上なっておりますから、出力の保証と申しておりますのは、その一万キロ出る出力の設計でございます。その設計の保証をしているということでございます。だから、現実に一万キロ出たということは、これは燃料との関係でございますから、それはAMFは保証し得る限りではございませんので、一万キロ出せるところの炉を作る、この設計の保証ということでございます。
  〔木村(公)委員長代理退席、荒舩
  委員長着席〕
#77
○西村(力)委員 この間ニュースを見たのですが、池田大臣が白いガウンなんか着て、私は科学がわからない、そうしてCP5型は一万キロワットの出力だが、一キロワットしか出ないと言うと、ニュースを見た観衆がわっと笑う。あのときの国民の心境は、どういうものであろうか。おかしくてわっと笑うけれども、みじめな気持になっていると思うのですよ。そういう状態になっておるのに、炉自体が一万キロワット出力することを保証する。こんな保証――燃料そのものには何も責任を持たないで、炉自体に責任を持つというても、それはおかしなものじゃないかと私は思うのです。この契約については、担当局としてはこれで万全であったとお考えですかどうか。これに対する、これはあとになっての批判ですが、自己批判というものがあると思います。池田大臣は、原子力は神代の時代だというような、何が何やら雲をつかむような話ですし、また「原研」の5を見ると、菊池理事長は、結果論であるがと言って、研究者が計画を立てる場合に犯しやすい誤りである、こういうような工合におっしゃっておるが、しかし、これは草創の時代であるから、いろいろ試行錯誤的なことがあるかもしれませんけれども、だれが考えても、こういう契約でなされるということは、これは不備そのものだと思うのですが、一体その点について、当事者の方であるあなたの方では、どういう工合にお考えになっておりましょうか。
#78
○杠政府委員 当時の状況からいたしまして、確かにやむを得ないことであったかと思いますが、多少不備な点があったことは認めざるを得ないと思います。そこでこの経験を生かしまして、いわゆる動力炉、JPDRといっておりますが、それをGE社、正確にいえば日本GE社と結びます折には、とのような、すなわち契約発効のときからの保証というような保証の取りつけ方はいたしておりません。やはり完了後、竣工後というような保証の取りつけ方をいたしております。
#79
○西村(力)委員 次に燃料の問題でございますが、これはいろいろないきさつから、国で買うというような工合になっているようですが、この燃料の検査基準というものは、こちらできめたのですか。
#80
○杠政府委員 検査基準は、原子力研究所においてきめております。
#81
○西村(力)委員 その基準は、これは何か国際的なよりどころというものがあってきめたのですか。
#82
○杠政府委員 国際的な基準というものは、残念ながらまだできておりません。
#83
○西村(力)委員 この原子力研究所で決めた基準というものは、一万キロワット出力の可能性というものを信じて作られた、こう思うのですが、何か国際的なユニットというものがないと、これはやはりひとりよがりになってしまうことであって、これからこういうことをやる場合には、この基準の設定というものは、もっと客観性というか、普遍性というか、そういうもののあるものにしなければ、いつもいつもこういうことに相なってしまうのじゃないだろうかと考える。これからもそういうことに出っくわすわけだと思うのですが、そういう工合に基準というものをきめる際に、もっと的確なものに仕上げて、基準を信頼し得るものにするために一体どうするのか。これが問題であると思うのです。
#84
○杠政府委員 燃料は、御承知だろうと思いますが、炉はいろいろな型式がございますから、炉によって加工方法等が異なっております。中に入るウランというものは同様でございますが、それをどんなふうに燃料に仕上げるか、加工方法等は異なっておりますので、残念ながら、いまだ世界の原子力は、国際的検査基準を打ち出すというところまでに至っておりません。そこで、私どもの方におきましても、今回長期計画を立てましたが、原子力委員会におきましても立てましたけれども、その委員会においては、燃料公社において、今後――今までも研究は進めておりますが、今後十分に研究をしていって、そしてやがては国家検査制度にしたいというふうな考えでおります。
#85
○西村(力)委員 私たち、そういう点については、池田正之輔氏じゃないけれども、弱いのでありまして、問題の焦点になかなか行けないようなうらみもありますが、しかし、現実に基準をきめて、それの検定を通ったものをぶち込んでやってみると、幾らも上がらない。これ以上上げると、アルミニウム被膜が破れて、放射能が出てきて危険だというようなことがあると思う。この検定基準というものは、やはりもっともっと格上げするというか、上げていく。そういう慎重さ、そういうものをやらないと、いつもこういう結果になってしまうんじゃなかろうか。で、わざわざ向こうに技術者が行って、レントゲン写真をとってみて、均一性はこの程度が許容されるという工合にしてやってみた結果が、こういう工合である。やはりこちらで基準をきめるというようなことの場合には、もっともっと水準を上げてやる必要があるんじゃないか。これは少しばかりの金の問題ではなく、そうしなければ研究目的は達せられない。しかも、この検定を依頼したのがAMF会社だということ、これはどういうわけなんです。もっとそういう燃料専門のメーカー、あるいはアメリカの原子力委員会、そういうようなところで――専門の頭脳もその点はあるかもしれない。あるだろうと私は思う。そういうところに委託する方法もなかったろうか。炉自体しか作ることができないAMF、しかもその経験の浅いAMFにその検定を依願する、委託するということは、これもおかしいじゃないかと思うのです。そうなれば、そこのAMFというのは、注文を受けた主体者であるから、やはりこの立場というのは非常にルーズになってくる危険性があるんじゃないか、こういうことを考える。
#86
○杠政府委員 当時の判断におきましては、先ほども申し上げましたように、燃料は炉と密接しておりまして、それぞれに違った加工方法をとるものでございますから、AMF――炉を作ったAMF社に頼むのが一番適当であろうという判断に基づいてやったわけでございます。
#87
○西村(力)委員 そういう判断はおかしいと私は思うのですよ。AMFが契約の主体者であるから、そこに頼むのがいい、そういう工合に言いますけれども、要はその会社の持つ能力の問題だろうと思う。私たちにその燃料の検定をしろといったって、私は全然できない。私どもがその契約主体者であっても、やはりその検定なんかできないのですから、能力の問題だろうと思うのです。だから、それを基準にして検定を依頼するなら依願するという工合にしなければ、これはやはり適性なものが生まれてこないと思うのです。それで、今一千キロワットまで引き上げていこうと無理をなされておるわけですが、この点について、それに伴う危険性というものは予測されないのですか。
#88
○杠政府委員 一千キロと申しますのは、今一キロの適性試験をしているから、直ちに一千キロに上げるというのではございませんで、やはり二百キロに上げ、五百キロに上げ、そして一千キロに上げるというような慎重な態度で出力上昇をさしていこうという計画でございますから、御心配のようなことは万々一なかろうとわれわれは考えております。
#89
○西村(力)委員 それはどういうことなんですか。今一キロワットしか出ない。それを上げていくと、不均牲のところで過熱状態になると、破れる危険性がある。二百キロに上げるときは、それを補修しておそるおそる上げる。それ以上上げるとあぶないから補修しながらまた上げる。また、破れた場合にも放射能の放出を自動的にコントロールする、あるいはそういう危険を予知する、そういう機械をもっともっとそこにつけて、そうやって危険性を除去しながら上げていくというのか。ビンだって、静かに温めて熱い湯を入れれば、やはり割れない。熱い湯を一ぺんに入れると割れるから、ならしながら入れるというのですか、どういうのですか。
#90
○杠政府委員 それは放射能の検出装置も少しくよけいつけ加えますが、それだけではございませんで、燃料棒がたくさん入っておりますから、そのうちの不良の燃料棒は炉をとめて取りかえるというような処置を講じたいと思っております。当初は不良だと思って入れておりませんが、不良の個所が見つかった場合には、不良の燃料棒を優良品と取りかえてやっていくつもりであります。
#91
○西村(力)委員 今十九本か入っているうちには、絶対安全だという、一万キロワットを保証される燃料棒は何本ありますか。
#92
○杠政府委員 残念ながら、われわれが今計算しているところによりますと、一万キロ出る燃料棒はございません。そこで、今後どうするかということでございますが、今の燃料は半年間使えるという計算でございますから、そのあとは原子力研究所で仕様を作りまして、アメリカのコンサルタントを入れまして、厳密な燃料を作り上げ、二期からそれを入れていくというような計画をしております。
#93
○荒舩委員長 ちょっとお諮りします。どうでしょう。この科学技術庁の問題については、きょう結論に達し得ないし、お昼の時間にもなっておるようですが、休憩をして午後やるか、あるいは次会に継続して――西村君の質問も勝澤君の質問もありますが、さっきの質疑応答を聞いても何だかわけがわからない。私自身もわからないような答弁でありますので、もう少し質疑をしたいと思いますが、これで休憩して午後にやりますか、それともきょうは……。
  〔「休憩」と呼ぶ者あり〕
#94
○荒舩委員長 では暫時休憩することにします。
 なお、科学技術庁の方に申し上げます。まだ相当質問があると思いますから、そういうお心組みでお願いしたいと思います。なお、先ほど勝澤君から資料の提出も要求されておるようでございます。それを次会までに御提出を願う。なお原子力の問題はなかなか重要でありますし、またいろいろ参考の書類も必要だと思うのですが、あなたの方の役所で、でき得る範囲の何か参考の書類でもあったら、一つ配付を願いたい。
 では暫時休憩いたします。続いて、直ちに理事会を開きます。
   午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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