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1960/04/19 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第23号
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1960/04/19 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第23号

#1
第038回国会 決算委員会 第23号
昭和三十六年四月十九日(水曜日)
    午前十一時十四分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 三和 精一君
   理事 小川 豊明君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 西村 力弥君
      大上  司君    久保田藤麿君
      正示啓次郎君    鈴木 正吾君
      藤井 勝志君    久保 三郎君
      山田 長司君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (理財局長)  西原 直廉君
        運輸事務官
        (鉄道監督局長)岡本  悟君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   谷川 寛三君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  平松 誠一吾
        日本国有鉄道総
        裁       十河 信二君
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        日本国有鉄道常
        務理事     中村  卓君
        日本国有鉄道常
        務理事     兼松  学君
        日本国有鉄道常
        務理事     関  四郎君
        日本国有鉄道常
        務理事     磯崎  叡君
        日本国有鉄道参
        与
        (経理局長)  山田 明吉君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
四月十八日
 委員足鹿 覺君辞任につき、その補欠として楢
 崎弥之助君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員楢崎弥之助君辞任につき、その補欠として
 足鹿覺君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十三年度政府関係機関決算書
 昭和三十四年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十四年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十四年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十四年度政府関係機関決算書
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十三年度決算及び昭和三十四年度決算を一括して議題とし、日本国有鉄道関係について、審査を進めます。
 前会に引き続き、質疑を行ないます。質疑の通告があります。これを許します。西村力弥君。
#3
○西村(力)委員 国鉄職員の退職後の平均余命についてでありますが、私が調査したところによりますと、これは三十二年に調査したのですが、機関士の退職後の平均余命は、六・七年ということになっております。そうしますと、五十五才で退職しましても六一・七、これが平均の最高だということになるわけです。それで、厚生省の調査しておる日本人の平均寿命を見ましたところ、これは三十年の調査でありますが、五十二才の者は二〇・八三年、五十三才の者は二〇・〇五年、五十四才の者は一九・二九年、五十五才の者は一八・五年、こういう工合になっておるのです。これを比較してみますと、この差があまりにもはなはだしい。これに私は驚き入っているわけなんであります。これはまさに人権ものじゃないか、こう考えられます。これは統計の方法が幾らか違うのではないかという疑点はもちろんありますが、しかし、いずれにしましても、あまりにひどいじゃないか。それで、厚生省の調査ですと、今申し上げましたように、五十五才の平均余命が一八・五年、ところが、機関士の場合は六・七年というと、十二年も早く寿命が切れる、こういうことに相なるわけなんでありまして、この資料は見のがすことはできない、こう思って、今お尋ねをするのですが、この資料に対して、国鉄側としまして何か御意見がございましたら、お聞かせを願いたい。
#4
○吾孫子説明員 ただいま手元に詳細な資料を持っておりませんけれども、現在の公共企業体の共済組合法が制定されますときに、財源計算や何かの関係で、国鉄職員についても、平均の残存余命を調べたことがございます。その際の調べでは、私の記憶いたしておりますところでは、国民全体の平均残存年数とあまり違わないという実績でございました。今先生のおっしゃられた、機関士に限って退職後の残存余命が短いということがいわれておりましたのは、だいぶ前のことでございまして、しかし、そのころも実際の統計の方で見ますと、二年くらいの開きであったかと思うのでございます。それで実は公共企業体の共済組合法の方で、五年目ごとに収支の基礎について計算をし直すことになっておりまして、それがちょうどことしに当たっておりますので、ことしはいろいろ平均余命の実績でありますとか、あるいは就職、退職の実情でありますとか、そういうよらな事柄について詳細な統計ができると思うのでございますけれども、私は、今承知しておりますところでは、世間でいわれますほど大きな開きはないということのように思っております。
#5
○西村(力)委員 そうあってしかるべきだと思います。この資料自体について、私はそう信憑性のあるものだとは考えたくない。こんなことは許されることではないのですからね。しかし、今おっしゃるところによると、調査をなさるそうですが、それには一つ的確な調査をやっていただかなければならぬと思うのです。ただ、調査をしましても、前の調査から見ましても、また、大体の観測からしましても、幾らかは短命だというようなことは、否定できないだろうと思う。こういうことは、出た結果でなければ正確なことは言えませんけれども、大体そういうことは肯定せられることになるのではなかろうかと思うのですが、どうですか。
#6
○吾孫子説明員 先生のお言葉にもあります通り、実際の実績を調査した上でなければどうということは申し上げかねると思うのでございますが、過去の実例等から考えまして、国民の全体の平均余命年数よりは、あるいは少しは短かくはないかと思っております。ただ、御承知の通り、国民全体の平均余命年数というものは非常に延びておりますので、それに伴いまして、国鉄職員の場合にも、最近延びておることは、もう間違いございません。詳しいことは、やはり調べた上でないとわからないのでございます。
#7
○西村(力)委員 それは国民全体の平均余命が延びておるので、機関士であろうとどなたであろうと、延びておるだろうと思うのですが、しかし、開きが過去の実績から二年だとすれば、平均余命が延びれば、差が二年にとどまるかというと、それは拡大するということが常識的には考えられるだろうと思うのですよ。そういうことでありますので、この点は、たとい二年くらいのことにしましても、やはり重視していかなければならぬ。決算委員会で私が今申し上げておることは、合理化、機械化というものを国鉄経営上いろいろな面において進められておる。こういう場合に、今申し上げたそういう乗務員が他に比して短命だという現実をやはり十分に考慮に入れて、合理化とか、機械化とかいうことを進めていっていただかなければならぬ、そういうことなんです。それを基礎に置かないで、ただ普通の経営上の問題からだけ合理化を進めるということは、この国鉄という職場から現実に現われておる寿命のいささか短かいという点からいいまして、経理上の問題だけを重点としてそれを進めるということは、やはり相当考慮さるべきものである、こう考えるわけなんです。その点につきまして、解決策としては、勤務条件の緩和なり、あるいはその機関士なら機関士の注意を集中しなければならぬという危険度というか、危険性というか、そういうものの排除とか、さまざまな点があると思うのですが、いずれにしましても、そういうことを考慮して、合理化という場合には、こういう勤務者の生命がなお一そう短縮されるようなことのないように、十分なる配慮をしてやっていただかなければならぬ、こういうことであります。もちろん、機械化をする場合において相当顧慮せられておるでしょうが、二面機械化をやってこのことの実効を上げるということは、もちろん大事であります。そういう点についてのいろいろな問題点も、私ども少しは聞いておりますが、私の一番申し上げたい点は、この現実に短命だという国鉄職員を、機械化、合理化によってなお一そう追い込む、そういうことの絶対ないように考慮せらるべきである、こういうことをぜひお考え願いたいと申し上げておるわけなんであります。その点、これは御異議もないだろうと思うのですが、私の意見に対して、具体的に考慮せらるべき点はどういうことがあるか、お答え願えれば、お答えいただきたい。
#8
○吾孫子説明員 実はそういう機関車の乗務員の勤務というものが、いわゆる不健康業務であるという考え方から、旧恩給法のときには、年金の資格を発生いたします勤続年数につきましても、蒸気機関車の乗務員については一・五倍に換算をするというような扱いをいたしておりました。公共企業体の職員の共済組合法ができまして、旧恩給法の適用を受けておる者と、従来の共済組合法の適用を受けております者と一緒にいたします際にも、蒸気機関車の乗務員に対しましては、ちょうど炭鉱の切羽なんかで働いておる労務者と同じように、一カ月を一・二カ月に換算するというような取り扱いをいたしております。でございますので、今後もそういう点は十分考えて参りたいと思っておりますが、全体として申し上げますと、蒸気機関車が、だんだん電気機関車でございますとか、ディーゼル機関車でございますとかいうものに切りかえられて参りまして、いわゆる従来の不健康業務でありましたものが、そうでない新しい電気機関車なり、電車なりに変わっていくということになりますと、従業員の健康、保健という面から申しましても、よりよい結果になるように見受けられるのでございまして、そういう点から申しますと、鉄道の近代化ということは、そこで働いております職員の方たちのためにも、決して悪い結果にはなりませんし、またなっておらないことが、おそらく数字の上にもはっきり出てくるのではないかと思っておりまするが、ただいま先生から御指摘がございましたようなことにつきましては、今後とも十分配慮いたして参りたい、かように考えておるわけでございます。
#9
○西村(力)委員 大体お気持はわかりましたが、ただ、共済組合法の割合をよくするということは、消極的な対策であろうと思うのです。そうじゃなく、勤務に基づいて生命に影響する、その点を解消して、日本人の平均寿命は当然保ち得る、こういう積極性を持った解決策――機関車なんかの近代化で、蒸気機関が排除される、こういうことで、勤務条件もよほどよくなるだろうというお話で、それもあるでしょうけれども、やはりそのほかに、積極的な解決策、たとえば人員にもう少し余裕をつけるとか、そういう点にまでも考慮を要望しておかなければならぬ。もっと積極的な解決策を考えてほしいということが、私の希望でございます。さような点を御了解いただきたいと思います。
#10
○荒舩委員長 大蔵大臣が出席されましたので、大蔵大臣に対する質疑をお願いしたいと思います。小川豊明君。
#11
○小川(豊)委員 大蔵大臣、この委員会におられる時間がきわめて短時間だそうで、他の方の質問もあると思いますから、私は、国鉄の預託金制度の問題に要約してお尋ねをいたします。
 国鉄の預託金制度については、従来からしばしば監査報告書においてこれを改正するように要望されているわけですが、まだ実現していません。国鉄法の四十二条には、国鉄の「業務に係る現金は国庫に預託しなければならない。」と規定されております。その結果、大蔵省は、預託金に対しては、残高の四十億円までは無利子。昭和三十五年度では、一カ月の平均残高は二百六十億円になっておる。それから四十億円引いた二百二十億円に対し、日歩八厘、従って、年二分九厘二毛の利子が付されているわけです。国鉄法の四十二条、あるいは電信電話公社法の六十七条において、ともに「業務に係る現金を国庫に預託しなければならない。」と規定されておるわけですが、これはほかの公団、公庫の規定と比べてみますと、非常に違っているわけです。たとえば国鉄とか電電公社の場合は、保有する現金はすべて国庫に順託しなければならない。ところが、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、北海道東北開発公庫等においては、現金を保有する場合のほかは国庫以外に預託してはならないとあって、同じ強行規定でも、両者の間には非常に差異があるわけです。また、住宅金融公庫においては、単に預託することができるという、任意規定になっているにすぎません。ざらに国民金融公庫、公営企業金融公庫、住宅公団、道路公団、愛知用水公団等については、何らのこれに対する定めはありません。現在、との規矩の内容は四つにも分かれているわけですが、こういうふうに分かれている根拠というものは、一体どこにあるのか。この点お尋ねしたいわけです。
#12
○水田国務大臣 その問題は、公庫、公社、公団の性格からくるものでして、公団については、もうその予算、決算について国会が一切関係する建前になっておりませんし、公庫等も、輸銀、開銀にても、別に予算、決算をこの国会にかけるわけではなくて、収益勘定の報告があればいいというふうになっておりますし、今度は公社の方は、国鉄にしろ、電電にしろ、従来特別会計で国が運営しておった業務を引き継いでやるということになったのですが、これは全額国が出資しておる法人であるということ、それからこの予算、決算は全部国会の承認を得る、しかも、予算は国会できめるということになって、同じ政府機関のうちでも、国家的な性格の度合いが違うので、この予算についての国会の承認を得る度合いというようなものによって、業務上の現金の運営についても、それぞれ別な規定をされておるということで、特に公社の場合は、国家的性格の非常に強いものであって、予算、決算についてもそういう措置がとられているという基本的な性格から、現在の預託制度というものになっているわけでございます。この全面的な預託制度については、今いろいろ要望が出ておりますので、私どもは、これをある程度緩和する方向で今総合的に検討しておりますが、この制度自身をかりに大きく改めるとするならば、今の公社の性格それ自身というものをいじってくるということと関連しなければ、むずかしい問題だろうと私どもは思っております。今無利子の問題が出ましたが、かりに予算をここまで政府が拘束してやるような形でないものにして、これを民間の銀行に、預託してもいいというようなことになったとしましても、民間事業の一般から見ましたら、当座預金というものを相当持っていなければ、大きい事業体の運営はつかない。八幡製鉄で見ましたら、常時銀行に無利子の当座預金が少なくとも八十億円くらいなかったら、あの会社の運営はつきませんし、日本の大きい会社で見ますと、日立あたりは、常時百何十億というものの無利子の金を銀行に置いて運営しているのでなければ、会社の運営がつかないということを考えますと、これだけ大きい国鉄が、かりに民間銀行との取引ということになったら、おそらく四十億や五十億の当座預金で運営がつくもんじゃないので、もっと大きい無利子の金を運営しなければいかぬことになるのじゃないかと、私どもは思います。これは昭和三十一年度に、当時の公社の予算規模によってきめた限度でございまして、国庫に対する当座預金的なものとして、国鉄が四十億、電電公社が三十億ということをやっているのですが、委員会から見ますと、特に国鉄あたりは経理の問題が出ていますから、これは国庫だから何とか緩和してやらぬかという意見がありますし、またそうじゃなくて、民間会社は、総資本の一割なら一割程度が大体無利子の銀行預金としての運営をやっているというところから見まして、そういう計算をしますと、国鉄は常時千億円くらいの無利子の金を預けて運営するというようなことにもなろうと思いますが、そうはいかなくても、この限度ははなはだ少ないじゃないかという意見が、今諸方面から出ております。私どもは、委員会からのいろいろな御意見もありますので、今検討はしておりますが、この四十億の預託金があることが、一般の事業と比べても、どこから見ても、きついというようなものじゃ絶対ないと思います。
#13
○小川(豊)委員 今の御答弁を要約すると、ほんとうはもっと無利子の金が預託されなければならないのだ。検討してはいるけれども、本来から言うなら、民間会社と比較すると、四十億や五十億じゃとても足りるものじゃない。もっと預託すべきであるというような御意見に聞き取れるのですが、どうなんですか。
#14
○水田国務大臣 私は、事業経営としたら、当然そうなると思うのです。国庫だから四十億の限度で無利子にしているのですが、かりに民国に行ったら、国鉄は、当座預金四十億じゃ、とてもあの国鉄の大世帯がやれるものじゃない。無利子の金というものは、もっと大きい限度になるのだろうと思っております。
#15
○小川(豊)委員 さっきおっしゃったように、国鉄は四十億、電電公社は三十億、これは無利子になっているのです。それから大蔵大臣の定めるところでも、こえた分については相当の利子を付するものとするということで、日歩八厘の利子が付されているわけです。ところが、この四十億なり、三十億なりという限度額については、特に理論的な根拠は求め得ない。これは国鉄が言っているのでなくて、電電公社がそういうことを主張しておるわけですが、おそらく電電公社のこの主張は、国鉄の主張と同一だろうと思うわけです。理論的根拠は、これに対して求め得ない。さらに国庫預託金の運用については、三十四年の二月十日及び三十四年の三月十二日の予算委員会や逓信委員会――これは電電公社の方です。この委資会で、三公社に対する預託金運用は、公社の自主性にまかすべきではないか、こういう質問に対して、大蔵大臣は、今日のように公社を何もかも縛るような考えは、本筋ではないのではないかと考えている。ただ、預託金の問題については、国庫全体の問題として十分研究したい、こう答弁しておるわけです。また、つい四月十四日の決算委員会でも、理財局の亀徳説明員は、やはり研究中だ、こう言っております。この問題は大きく取り上げられているわけですが、依然として研究中だとなっているのです。これはさっき申し上げた電電公社では、理論的根拠はないのだ、こう言っているのです。それから大蔵大臣の方でも、そう縛っていくばかりが本来ではないから、これについては考えたい、こう言っているのです。大蔵大臣の答弁も、考えたいということではわかりますけれども、私もそう受け取るが、一方においては、無利子の預託金は本来ならばもっとふやさなければならないのだという答弁の方が、どうも強く出てきているのですが、一体この点どうなんですか。理論的根拠がないと思うのですが……。
#16
○水田国務大臣 だから、一定の無利子の限度を置いているということは、別に民間企業との比較から見ても不当ではないということを言っただけでございますが、さっき申しましたように、こういう全面的な預託制度を少し変えてやったらいいじゃないかということを考えるのでございましたら、やはり公社も企業体なんで、あまりにこれを縛り過ぎないで、企業体としてもう少し経営の弾力性を与えるというような、公社自身の性格に対する問題の改善から平仄を合わせて私はやるべきだと思って、そういうことについては、私固人は賛成でございます。たとえば公社に余裕金ができるというのですが、何で余裕金ができるかということは、結局予算を拘束されていることで動きがとれないから、ことしの余裕金はこれくらいだろうと考えておったら、景気がよくなって相当増収になった。増収になったら、増収分を国鉄はもっと事業に使ったらいいじゃないか。その金を使えば余裕金というものは出ないのですが、使ってはならぬと予算できめられるから、その分が余裕金として残るというようなことで、余裕金が残るということ自身も、公社が自主的な経営がある程度拘束されているということの一つの現象だと思いますので、そういう一連のことを考えてやらないと、預託制度の改善というようなことも、徹底的にはできない。ですから、預託制度というものを、今の公社の性格から見ましたら、これは原則として置いて、当面できるだけの緩和をやりたいと今思って検討しておりますので、近くそういう方向に解決したいと思っております。
#17
○小川(豊)委員 私はなぜこういう質問をするかと申しますと、これから先予定されている新線建設が一千五百億ですか、一千数百億に上ります。なお、これらの赤字線による毎年の損失が、六、七十億に達する見込みです。この建設資金は、ちょうど新東海道線の建設資金に相当するわけで、結局新五カ年計画を達成する前に、再び運賃値上げをしなければならないことが余儀なくざれる実態ではないか、こういうことを私は心配するのです。総裁は、先般の委員会で、これ以上運賃を値上げすることは当分は考えない、こういう答弁でした。運輸大臣もそういう答弁でしたが、私は、国鉄の経常状態からいくと、この新建設線、改善をやっていくと、また年々こういう赤字を出して、何年か後には――三、四年後にはまた運賃値上げというような問題が出てくるのではないか、こう思うわけです。従って、この国鉄の経営をどう改善していくかという問題になってくると、一つは、国鉄内部のずさんな点がある、放漫な点があるならば、これを改善すべきであり、一つは、むやみやたらに赤字を出して、経営の見込みのない新線というものをそう建設していくことは、これは慎むべきではないか、こういう二つの考えを持っておるわけです。その一つとして、国鉄内部の問題を見るときに、国鉄ではこういう収入現金というものを預託しているわけですが、これを見ても、今大蔵大臣は、それは五百億や一千億置かなければならないと言っておられますけれども、四十億を差し引いた二百二十億についても、これは年二分九厘です。これを短期国債等にしていくと、日歩一銭六厘三毛、年六分、ここでも六億七千八百万というものが金利として浮いてくる。経営の点からいうと、あなたの方では、これだけの膨大なものだからもっと置かなければならないと言うが、経営の内部を改善していく点からいって、それから国鉄の持つ公共性という点からいっても、この点は大蔵大臣としても考えて、こういう余裕金の運用等によって国鉄の経営にもっとマッチさせていくようにする。ことに国鉄では国鉄債券を発行している。その金は当然余裕金として国庫へ行くわけです。この国鉄債券の場合を見ると、年七分五厘で鉄道債券を出して、国庫へ入ると、これは年二分九厘二毛という利子しかつかないわけです。ところが、鉄道債券を発行しても、その発行した金は国庫へ持っていかなければならない。七分五厘で預かっている金を二分九厘で国庫へ持っていく、こういうことをやっていたのでは、経営が改善されるはずがないので、こういう点も、もっと資金の運用について、監督とは別に、自主性を持たせるべきではないか。決算委員会として、こういうことを言うのはどうかと思うが、国鉄の経営の実態を見ていくときに、そういう点が出てくるので、この点、大蔵大臣の所見をお尋ねします。
#18
○水田国務大臣 国鉄に今言った経営の自主性とか、弾力性を与えることについては、私も賛成でございますが、今そうでなくて、国鉄を拘束しておるからいろいろな問題が起こってくるのでございまして、たとえば今言われたような問題、一方で余裕金があって預託しているのに、一方では国鉄債を出している。これは短期の利子と長期の債券の利子を比べるわけにいきませんが、これは国鉄債の方が利子が高いのですから、それたら、国鉄の内部改善のためには、もう少し予算干渉しないでいるということでしたら、国鉄債を出す場合、余裕金が二百億あれば、百億国鉄債を出すのをやめて、それを振りかえなさいといったら、国鉄の経営がもっとよくなるということになってきますので、この余裕金という問題の論議は、そこにいろいろむずかしい問題がございますが、私どもは、ベース・アップの関係もあるし、大きい企業は不時の事態に備えておかなければいかぬから、一定の余裕金はなくさないでおこうという、予算措置によってしている余裕金ということでございますので、この余裕金が困るのだ、これが非常に国鉄の経営を悪くするのだといったら、政府が低利の債券でも国鉄に出す分は利息が出ますから、自分の金を使ってその余裕金をなくして事業をしなさいという予算措置を国会や政府がとれば、これはこれでもっと経営がよくなるという問題にもなりますし、そういういろいろの問題もございますが、私どもは、全面的に国庫預託制度というものをとっているのですから、ほんとうはそういう余裕がなくても、不足が出たときには――昭和三十四年には八十億、百億というような支払いの不足がきたときには、すぐ国の金を使いなさい、そしてふだんの金は入れておきなさい、こういう制度になっているから、去年一年だけ国の方の金を使わずに済んだというだけでございまして、一年使わずに済んだから、すぐどうこうという問題――それも私はけっこうだとは思いますが、現にあれだけの余裕金は持たせるという予算措置をとっている以上は、できるだけこれを有利に使うような方法に今後改善したいと思っております。
#19
○小川(豊)委員 私は、国鉄の経営の次善について、別に余裕金、預託金だけを問題にしているのではなくて、国鉄全体として見るときに、これを改善したからといって、国鉄がすぐ黒字経営、健全な経営になるというふうには考えてはいないのです。一つ国鉄内部の事情を拾ってみても、日通の問題もあり、交通公社の問題もある。たとえば交通公社などは、資本金は十三万円しかないけれども、年収は二十五億もある。弘済会の問題もある。こういう外郭団体が十幾つかある。本店の経営が非常に著しいにもかかわらず、支店的な外郭団体は非常に楽な経営をしている。こういう点も改善すべきではないか。政府としても、公企体である以上は、国鉄の経営が困難になつてくるならば――先般も、総裁は、公共性を主軸とした企業体であると御答弁なさつているわけです。公共性を中心にしていく限りにおいては、こういう赤字が出てくる、経営が困難になってくるということで、結局運賃値上げという最も大きな非公共性を発揮しなければならなくなるので、運賃値上げ等の形をとらないで経営がいくためには、内部のいろいろな経営というものを改善して、それでもやむを得ない場合に考えるべきことであって、こういう点がまだおろそかにされているのじゃないか。その一つとして、今の余裕金の問題も、政府としてもっと考えてやるべきじゃないかというのが、私の質問の趣旨であります。この余裕金だけを改めたら、国鉄の経営が健全になるとは思っていません。内部のいろいろな事情を改めなければならない。当然赤字が予想されている赤字路線建設についても、もっと検討すべきであろう。こういう点も含めて、私は余裕金制度を――しかも、大蔵大臣は、二年前このことについて、あまり縛りつけておくべきでもないという答弁をなさっているわけです。すでに当時から大臣がかわって二年たつ。当然そういう考え方は、もっと急速に結論を出すように考えてもらっていいじゃないか、こういうことを含めての質問をしたわけです。あと、ほかの方の質問があるそうですから私はこれで終わります。
#20
○勝澤委員 それでは少し関連質問をいたしたいのですが、公社や公団の決算をずっと当たって参りますと、最終的には大蔵大臣にいろいろ聞かなければならぬ点がたくさんあると思うのです。きょうは、一応国鉄の問題ということでございますので、国鉄の問題を中心にしてお尋ねしたいと思います。
 大蔵省から考える場合に、一体国鉄という企業はどういう企業であるかという点について、お尋ねしなければならないと思うのですが、たとえば今回の運賃値上げの問題にいたしましても、やはり公共性か、企業性かという問題がいろいろと論議をされました。結論的に輸送力を増強する、こういう立場で運貸値上げというものがされたわけだが、しかし、ちまたには、店を改造するのに、ワイシャツを値上げをして店の改造資金というものが出せるのだろうか、こういうことができるのは国鉄だけじゃないか、独占企業だけがこういうことができるのじゃないかという疑問点が、一つの単純な議論として生まれてくると思うのです。その場合に、国鉄というものは公共性と企業性を持っておる。だから、大蔵省としては、ほんとうにどこまで公共性で、どこまで企業性を与えようとしておるのか、大へんむずかしい問題で簡単な問題だと思うのですけれども、大蔵大臣としての御所見を承りたい。
#21
○水田国務大臣 企業でありますから、企業力というものを持たなければいけない。企業力を持たなければ、将来拡張のための借金もできないということになりますので、その点において、企業力を持たなければならぬということが言えます。一方公共性を持っておるために、公共負担にどれくらいの限度耐えられるか。そしてその二つを勘案した上の、大体独立採算制ということで運営しておるわけでございますが、かりに赤字が出たというときには、その場合あるべき合理的な料金が確保されていないための企業力の弱化ということであるのか、公共負担部分が重過ぎて、通常企業に圧力を与え過ぎている結果か、この二つの分析が、国鉄においては私は必要だと思っています。今回の場合のごときは、国鉄の説明をいろいろ聞きましても、また内容を見ましても、今の物価、戦後動いてきた物価指数その他全部を参考にしましても、鉄道料金が安い。このために、鉄道が事実上企業力がつかないんだというふうに私どもは見ましたので、運賃の値上げには賛成という措置をとったわけでございますが、この運賃の値上げと関係して、公共負担が多過ぎるんじゃないかという議論については、これは今のところ、実際自信を持ってこの分析のできるところがない、そういう資料を持たないということが、実情だろうと思います。これが公共性というのも負担を持たないで、ほんとうに開放された民間企業であったらどうあるべきかということを見ますと、まあ一兆以上の株式会社になるわけですから、企業として全く無配では済まない問題ですから、これだけの企業としたら、どれくらいの配当をするのが普通であるかという問題も出てきましよう。それから、もしそうだとすれば、これが一般企業と同じように、どれくらいの税金を負担するのが普通かという問題も出てきましようが、御承知のように、公共性ということのゆえに、配当はない、税金は納めなくてもよろしいということになっておりますので、あるべき姿とすれば、その限度が、大体公共性ということによる国鉄の負担限度と見るのがいいんじゃないか。この金額がどのくらいになるかわかりませんが、少し問題ですが、一応そういう基準を置いて、それを越すというものについて、新線にしろ、何にしろ、国鉄に負担をかけ過ぎる。そのために赤字が出て、小川さんの言われるように、それが運賃に響き返ってきたんだという問題については、その部分を国が見ろというような議論が成り立つと思うのです。どの限度が負担限度かという問題は、今後私は、公社、公団の問題について、政府にしろ、国会にしろ、監督の責任をいろいろ持っているのですから、そういう見方の基準をここで確立して、その尺度で常に経営を見ながら、経営の方がもう少し合理化されなければいけないんだとか、そうじゃなくて、不採算線をあまりに多く押しつけた、国鉄に公共負担を重からしめる結果がこうなったんだというようなものの正確な分析ができたら、それによって、今後の国鉄に対するいろいろな政府の施策というものをきめる基礎ができると考えるのですが、そこのところが、今多少むずかしい問題であって、一がいに公共負担が重過ぎるということでは、現状は私は片づかぬじゃないかと思う。みんな採算の線だけで経営するなら、こんないい事業というものはございませんし、不採算線といつても、そこから人が来て主線に人が多くなってくるんですから、いわば培養線の役目も果たしておるんです。もうかる線はやるが、もうからぬ線は一切やらないんだ、国が援助するかなにかしなければやれないんだということになると、この公共性という問題について、結局どこまで負担能力があるかという限度というものは、早晩どうしてもしっかりした基礎を持った検討をやらなければいけないだろうと私は思っていますが、一般企業のあり方から見て、私は今の国鉄の不振は、やはり運賃がもう少し上がっても――今まで不当に低いというために企業力がつちかわれなかったんじゃないかと見られる節が、今の国鉄については多いと思います。
#22
○勝澤委員 国鉄が公共性と企業性というものをどの程度までバランスをしていくかというお話でございまして、その通りだと思うのです。しかし、民間企業の中でも、たとえば電力にいたしましても、あるいは私鉄にいたしましても、これはある程度の公共性というものを持っていると思うんです。その場合の公共性と、この国鉄の場合における公共性というものの公共性のウエートというものは、違うと思うんです。しかし、じゃ公共性の負担をだれがしているかというふうに考えた場合、それはほかのお客が、安い荷物なり、安いお客の負担をしているということになって、公平な公共負担では私はないと思うんです。ここにやはり公共負担という問題が出てくると思うのです。ですから、どの程度までが公共負担であって、一般のお客が乗っているのは、これが正しい運賃で、ほかの方が安いんだ。だから、その部分を一体どこで負担をしているのかという点が明確になるならば、これが原価だということになれば、それは東京ですし詰めになっているお客さんだって、納得すると思うんです。しかし、現実には、一つの車に二人か三人しか乗ってない車があり、片方にはぎゅうぎゅうの車があるんですから、ここで一体だれがそれを負担しているのだろうということになってくると思うんです。ですから、そこにやはり企業としてのものの考え方というものが薄らいでくるという言い方というものは、私は妥当だと思うんです。従って、国鉄の監査委員長である石田礼助さんも、この監査報告の中で、やはり国鉄の経営者について、企業家というものの考え方をさせない限り、国鉄というものはよくならないということは、あたりまえだと思うんです。ですから、国鉄の幹部が管理者であるのか、あるいは事業家であるのかということを突き詰めていけば、やはり事業家のような形にしていかない限り、国鉄というものはよくなっていかない。それの一つの例として、この前、金利の問題が言われたと思うんです。金利を考えない事業なんてあり得ないじゃないか。しかし、国鉄の中では、金利をいかにして安い金利で、またいかに有利な利子で、企業を運営していくかというふうに考えるポイントが、企業の努力をするというポイントになるんだ。だから、問題は小さいけれども、やはりここにも国鉄の経営者というものが、企業家に徹してもう少し企業努力をしていく糸口をつけなければならぬということで、この監査報告書というものが出され、また、この監査報告書に基づいて、国鉄経営者も、やはり理事会の決議によって大蔵大臣の方に出されていると思うんです。ですから、そういう点から考えるならば、国鉄の企業性というものと公共性というものについては、やはり大蔵省も十分御検討されているようであります。そうしてまた、今大臣も大へん前進的で、公共負担というものがどの程度までの限度かということを数学的に相当研究すべき段階にきているというふうに言われまして、私も、もっともだと思います。そこで、きょうの問題点というのは、預託金というものが中心になっているわけでありまして、この預託金についても、先ほどのお話で、当面できるだけ緩和いたしたい、こういう御答弁があったわけであります。大蔵省としては、大体どういう方向で、いつごろから、どんな形でこの問題を解決をして、そうして国鉄というものについての企業努力を、なお一そうさせるというようなことをお考えになっておられるのでしょうか。
#23
○水田国務大臣 さっき言いました、ように、大きく変えるためには、やはり性格そのものについてのいろいろな問題とからむと思いますが、とにかく一定の余裕金を持たせるという予算措置をとっている以上は、有利に運営できるように、国債の保有を許すとか、あるいは預金部への預託運用によって有利な金利をかせぐようにするとか、そういうようなことについて、この預託制度の緩和を近くやるつもりで、関係省と相談するつもりでおります。
#24
○勝澤委員 結局、運賃の値上げによって四百八十五億増収になる。それから仲裁裁定が出されて、約百九十億から二百億かかる。しかし、仲裁裁定はやり繰りでできる。こういうことになっているわけです。ですから、こういう二つの問題点を見ると、国鉄の運賃の値上げという問題は、基本的に国鉄経営についての考え方というものを公共負担を含めていろいろ検討した場合に、安易な運賃値上げでない方法がまだあるじゃないだろうか、こう思うのです。大臣は、物価の指数から考えて運賃が安いのではないだろうかというお話をしておりましたけれども、しかし、それはかりにそうだとしても、やはり基本的に、一体公共負担というものがどうなっているかということを十分解剖して、その中で明確にした上で国民を納得させる、こういういき方をすべきだと思うのです。私たちが今度の運賃値上げの問題を論議した場合に、公共負担というのを国鉄はこう言っている。年間百二十五億の公共負担をしている。その公共負担を政府にしてくれと要求したが、政府がそれをしてくれない。それが運賃値上げだ。こういう受け取り方をしている。また、そういうことになっている。そういう点で、先ほどからお話し申し上げましたように、今の国鉄の問題につきましては、相当論議をされ、また、世界各国の中でも、公共負担という問題が相当クローズ・アップされ、そうして線路をはずして自動車というような形に独占企業がかわりつつあるわけでありますから、そういう観点から、十分こういう企業のあり方というものについても一つ御検討を願い、真に働く従業員の人たちが、企業として励みのある、働きがいのある、一生懸命努力すれば成果が報いられるのだというような企業の形態を作り上げていただくように努力していただきたいと思う。国鉄労使の問題がいつも問題になりますけれども、そのことが、労使の問題で、国鉄自体として単独に相当大幅な話し合いができる、円満な労使問題の解決の一つの方途でもあると思うのです。
 以上、私の質問をこれで終わります。
#25
○西村(力)委員 関連して大蔵大臣にお尋ねする前に、国鉄当局にちょっとお尋ねしたいのです。
 この当座預金四十億も少ない、こういう大蔵大臣の御意見でありますが、国鉄当局として遅滞なく経営を進めるにあたって、ぎりぎり最低どのくらいの当座があればやれるか、こういうことですね。四十億では足らぬというのか、余るというのか。それよりも少なくていいというのか、そういう点は、どんな工合ですか。
#26
○兼松説明員 この点は、当面の問題としていろいろ議論のあるところかと考えますが、私どもは、短期資金の運用をいたします場合には、必ずしも当座のみにたよる必要はないと考えておりまして、長期資金でない以上は、普通預金にする額が、電話その他手続で当座に振りかえられるものがございますので、一般の金融制度といたしましては、私どもとしては、四十億ないし五十億は、普通預金として持っておる額を含めての問題であって、相当領はなお普通預金として持てる。これはただし、預託金よりは今度は現実には金利は低うございますけれども、六厘なら六厘の金利はあるので、私としては、半額くらいを当座で持って、あとの三十億なり何なりは普通預金で持ったらという一つの意見を持っておりますけれども、この点につきましては、まだ関係方面と十分御相談もいたしてございませんので、意見としてお聞きを願いたいと思います。
#27
○西村(力)委員 大蔵大臣の先ほどの発言もありますし、目の前におりますので、少し遠慮しているように聞こえるのですが、水田さんはそう官僚的な人じゃないということを私は十分認めておりますので、そう遠慮する必要はないと思う。ところで大臣、どうです。遠慮しいしいでも半分くらいというお話ですが、六厘でも何でもつけられるならつけて、それが運営上何も支障ないとするならば、そうしてやった方がいいんじゃないですか、どうです。
#28
○水田国務大臣 だから、そういうさっき私が言ったような意見もありますが、その限度を上げるなんてことはしないで検討はしておるのですが、どこでも当座があって、その次が通知預金、普通預金とあって、確かに通知預金なら若干つくのですが、あれだけの企業が、年中、何日々々といって、通知預金から一々当座へ――実際の銀行取引をやったという場合に、そういうふうに運営し得るものかどうか。他の民間企業のあれを見ますと、これは総資産の一割くらいが、事実上企業経営の場合の当座預金として無利子の運営をやっているというのが一般の企業であるということから考えますと、確かに当座は要らぬが、二日前に、常に一週間たったらここへ入れてくれ、入れてくれとやって運営し得るものかどうか。国鉄が公企業で、あまり民間経営になれないから、二、三十億あればやれるという考えを待っておるのじゃないかと思いますが、実際の経営だったら、私はやはり、全部国庫へ預託しないで民間の当座にしたら、国鉄はもっと大きい当座を持たなければ、年四千億の収入を持っておる企業の切り回しというものは困難じゃないかと思います。
#29
○西村(力)委員 しかし、国鉄当局は、何も無責任なことを言っているんじゃないと思うのですよ。これだけの世帯を持っておるのだから、相当苦労して検討してやっているのだと思いますので、その点は、そういう立場も十分念頭において、少しでも有利にしてやる、こういう方向で検討されることを、先ほどのお話からわかりましたが、その点も十分お考えになるべきだと私は希望します。
#30
○荒舩委員長 山田長司君。
#31
○山田(長)委員 本件については、行政管理庁あるいは国鉄監査委員会において、毎三改善を勧告されているわけなんです。そこで大臣に伺いたいのですが、まず第一に、なぜ国鉄の公共企業性について、依然として国庫預託をこのままにしておくのか。国鉄は、御承知のように、昭和二十六年六月に、従来の官営の弊を改めるために、民間企業体の長所を取り入れて独立採算制を採用さしたわけです。十分企業性を発揮してもらおうという意味で、そういう形で政府機関から分離したものと思うのです。しかるに、企業体として最も大切な資金の面について、旧態依然として収益金はすべて国庫に預託される。今小川委員や西村委員が質問をされましたように、四十億の金が預託されておる。それで、これについては、行管も監査委員会も、大体これの改善の要があるということで、勧告をいたしているわけです。この勧告は、不当なのか、不当でないのか、大体認められる筋合いのものなのかどうなのか。大臣としては、この勧告を知らずにいるはずはないと思うのですけれども、いかがですか。
#32
○水田国務大臣 私は、勧告は不当ではないと思っております。ということは、さっき申しましたように、もう少し企業体としての弾力性があっていいじゃないかと考えておるのですが、御承知の通りのいきさつで、従来官業でやっておったものを公社に切りかえたのですが、その場合、公社の拘束の仕方というものは特に強くて、入ったものはほとんど国庫へ入れるし、足らぬものは全部国庫から見るという建前で、この預託制度ができている。なぜできたかというと、これは公社の性格によってそうされたということでございまして、性格としては、予算も決算も全部国会を通る、そうして今度は、料金も国会の承設がなければ上げられないというふうに、全部ほとんど国のものと同じ形にしてこれを拘束するということになっておるのですから、この基本的な性格によって、他の縛り方の薄いというものと、いろいろな点が区別されて運営されているというのが現状でございますので、もし国鉄について、委員会が言われるようなことがございましたら、これは国鉄公社そのものについての総合的な検討をする必要があるということでございまして、やはりそこへ問題を触れていかなければ、私は解決しない問題だろうと思っています。
#33
○山田(長)委員 先ほど小川委員の質問にもあったのでありますが、国鉄の公社以外に、各種の公団や、たとえば住宅金融公庫とか、国民金融公庫、あるいは公共企業体の公庫というようなもの、これは余裕金は有利に運用を認められておる。それから農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、北海道東北開発公庫、これも同じ公庫の預託金を課せられておるけれども、その余裕金については、有利の運用を認めておる。このように、同じ機関でありながら、相互に異なっている点がある。先ほど大臣は、業務上の度合いによってこの預託金の状態は違う、こういうふうに言われておりますが、業務上の度合いというのは、やはりもう少し明確化していなければ、この点において、同じ仕事をされている人たちの中に、ふに落ちないで仕事をしておる人があるに違いないと思うのですが、大臣の業務上の度合いというのは、どういうことですか。
#34
○水田国務大臣 業務上の度合いというのではございませんで、性格の度合いということで、公社は、特に同じ政府機関の中でも、国家的性格を強く規定したものでございますので、今度は、現金の扱いについても、そういうふうな全面的な国庫預託制度というものを原則とするということをきめられてあるということでございます、性格の違いでいろいろ出てくる問題だと思います。
#35
○山田(長)委員 どうも私は、性格の違いといっても、やはりほとんどは国民に対するサービス機関の内容を持っていると思うのです。この点が、どういうふうな性格が違うというのか、もっと明確なものがなくてはならぬと思うのです。どうですか。
#36
○水田国務大臣 だから、性格上の問題から国庫へ預託させる必要はないというものは、今度は不足した場合に、国庫がいつでも不足の振りかえは見てやるというようなこともしないというふうに、同じ政府機関でも、扱いが性格によって幾つか分れているというのが、とにかく現状でございます。
#37
○山田(長)委員 国税のように、国家権力によって賦課徴収したものならばいざ知らず、国鉄のごとく、完全企業体の経済活動によって、国民の経済事婿の通過過程から得た企業の収入だと思うのです。この点が、国民経済の流通過程から引き上げさせて、これを国庫に集中する、こういう国鉄の企業体のようなものについては、理論的にちょっとおかしい気がするのですけれども、この点、大臣はどう思いますか。
#38
○水田国務大臣 しかし、政府機関というものは、公団に至るまでたくさんございますが、さっき御説明したようなことでございまして、国庫預託制度をやはり公社は原則とすべきものだと私も思いますが、先般予算委員会で国鉄総裁の御答弁を聞いておりますと、その点非常に遠慮されて、まあなるたけもう少し利息に敏感になれるような総裁にしてほしいというような話がございましたか、非常に含蓄のある言葉だと私は聞いておりましたので、理論的に、筋としては、やはり全額出資の法人であって、一切国会が予算、決算を縛るという形をとっている以上は、原則はやはり国庫預託という制度はくずせないと思うのですが、しかし、さっき申しましたように、本来なら余裕金がなくていいのを、やはりいろいろなことで余裕金を持たせるという、予算措置でそういうものをとる以上は、多く出るものについて、もう少し企業体として利子に敏感であり得るような改善をやるのが、やはり妥当であろうと考えて、そういう要望には沿うように、今事務当局同士で検討しておりますので、この点は改善されると思います。
#39
○山田(長)委員 先ほど小川委員からも質問があったことを繰り返して申し上げるような過程でございますが、国鉄にしても、電電公社にしても、大衆から集められた金が、一定の額を預託されて、利息がかからずにいる。それから国鉄が借りたものについては、全部その瞬間から利息がついている。調べた範囲によりますと、年間七億から八億くらいの利息が、今の問題でも、もし利息をとるとするならば、利息が入ることになるわけです。こういう点について、国鉄当局のいろいろ赤字になる根源はたくさんあるのですけれども、その一つの問題として取り上げて、この預託金制度という問題を扱っておるのでありますが、この点について、やはり預託金制度というものについては、電電公社の場合等も大蔵当局は考えてしかるべきと私は思うんです。その点、もう少し伺っておきたいと思います。
#40
○水田国務大臣 今両方一緒に、統合的に、若干緩和制度をとりたいということで、検討中でございます。
#41
○西村(力)委員 国鉄にお尋ねしますが、四月十六日の日本経済新聞に「赤字新線追放のハラ固める」、こういう大見出しで、国鉄の決意のほどが報道されてありますが、これはその通りでありますか。
#42
○吾孫子説明員 四月十六日の日本経済の記事のことにつきましては、国鉄当局が何か発表したという事実もございませんし、また、あの直後に、私どもの方でも、だれかああいう話をした者があるかと思いまして、一応調べてみましたけれども、別に責任ある地位の者が何か言ったというような事実はございませんでした。それで、どうしてああいう記事が出たのか、私どもも少し不思議に思っているような次第でございます。
#43
○西村(力)委員 そのことは、こういう意思は全然ない、こういうことであるかどうか。ここに出た記事というものは、発表したものではないけれども、現実にこういう意図を持って作業を進めておるのか、こういう意図は全然ないというのか、それはどういうことなんですか。
#44
○吾孫子説明員 新線建設の問題につきましては、いろいろ検討はいたしております。それの検討いたしましたところについて、建設審議会等でまた御審議を願おう、こういうふうに考えております。
#45
○西村(力)委員 そのことは、あまりひどい赤字線というものは、着工無期延期する、こういう趣旨で検討をし、その原案を今着々練っておる、こういうことでありますか。
#46
○吾孫子説明員 新線の建設につきましては、今後の新線の収支状況を少しでもよくさせたいというふうに考えておりますので、そういう角度からいろいろ検討もいたしておりまするし、また、建設審議会において、自動車で運営した場合とどちらが国民経済的にも有利であるかというようなことも検討するようにという審議会の御意見もございましたし、そういうふうないろいろな点を考えまして、検討を加えておる次第でございます。
#47
○西村(力)委員 今予定されている線、あるいは着工している線、こういうものをどういう順序でやるのか、こういう検討だけなのか。予定されているものもアウトにするということを一つ考えようという立場で検討しているのかということ、その点を一つ明確にしていただきたいと思うのですが、なかなか事は関連することが多いので、明確な答弁ができないのでありますけれども、ここにはっきりしていただきたいと思うのです。私たちこの決算委員会で問題にしましたのは、赤字路線を野放図――野放図というと語弊があるのでしょうけれども、これはやむを得ないものとしてこれを全部やるということは、相当考慮の余地がある。それから一方において、赤字線を建設しながら、現在の路線というものをバスに切りかえようという矛盾した方法をとっている。こういうようなことが、この委員会で問題になったわけです。それで、この記事が発表したものでないにしても、検討というのは、先ほど申し上げましたように、ある程度の路線はやめるのだ、やめるように一つ検討してみよう、こういう趣旨の検討であるかどうかということを明確にしてもらいたい。
#48
○吾孫子説明員 建設審議会の方でおきめになるいわゆる調査線等につきましては、もちろんその調査線に上がっておるということは、今後これに着工するということを予想して調査することになっておるわけでございますが、その中には、いよいよ具体的にほんとうに着工するかどうかということについては、もう一度建設審議会にかけろというような条件付のものもございます。そういうようなものの中には、これに着工していいかどうか、もう一度十分御検討を願わなければならぬと思われるようなものもございます。従いまして、調査線等にあげられておりますものの中には、建設審議会の方で、もう一ぺん御再考を願うというようなものもあり得ると思っております。
#49
○西村(力)委員 運輸大臣、今の吾孫子副総裁の答弁ですが、運輸省としては、やはりあまり採算をはずれるものについては、これを再検討して、中止するものは中止するという方向に行くべきである、こういう運輸省の考え方がここで出されていかなければならぬと思うのです。そういうことを期待したいのですが、運輸大臣は、その件に関してはどういう考えでございますか。
#50
○木暮国務大臣 新線建設につきましては、ただいま国鉄副総裁からるる御説明申し上げましたような考え方で進んでおるのでございまして、鉄道建設審議会が昭和二十七年以来いろいろ建議または答申をなさっておるのでございますが、この鉄道建設審議会は、国会の与党野党両方の代表の方もお出になっており、また一般の学識経験のある方々が二十七人お集まりになりました、権威ある審議会と私どもは信じておるのであります。この権威ある審議会で、国家的見地に立ちましていろいろ答申あるいは建議をなさることは、きわめて妥当適切なるものであると考えざるを得ないわけでございまして、これを尊重いたしまして、この線に沿うて新線建設を進めていくというのが、運輸省としては当然であると考えておる次第でございます。
#51
○西村(力)委員 権威ある審議会は、一応決定したけれども、着工の場合には荷検討するということを権威に基づいて決定しているのですから、そういうあれがついているものについては、再検討して、それが着工を見合わせるということをやっても、その権威を冒涜することにはならぬ。むしろ権威を尊重することになると思うが、そういうものは、着工の場合には再検討すべしという決定をしているものについては、これは大臣だって再検討しなければだめだ、してもよろしい、こういうお考えでよろしいのじゃないですか。
#52
○岡本政府委員 先ほど国鉄副総裁から御答弁申し上げましたように、鉄道建設審議会では、線によりましては、自動車輸送との比較検討をやれとか、あるいは地勢上いろいろ峻嶮な場所があって、技術的にも十分調査しろというふうな御勧告のあるものもございます。従いまして、そういうことにつきましていろいろ調査いたしました結果を御報告申し上げまして、それならばこの線路はやめた方がいいとか、あるいは自動車運送に切りかえた方がいいとか、あるいはもう少し先へ延ばしてもっと慎重に検討しろ、いろいろ御指示があるかと存じます。その御指示に従ってやるのが至当じゃないか、かように考えております。
#53
○西村(力)委員 大臣、今の答弁でよろしいでしょうな。あなたは、建設審議会は調査して建設するということを前提としているんだから、権威ある決定だからそれを遵守しなければならぬ、こういう答弁だったのですが、今の局長さんの御答弁の通りに、再検討するというあれがついているものは、検討してやめる場合もあり得るのだ、こういう再勧告がある場合は、やめても一向かまわない、それでよろしいのでしょう。
#54
○木暮国務大臣 私の申し上げましたことは、原則的のことを申し上げたわけでございます。今のような、どの線については自動車がよかろうとか、あるいはもう一度よく調査してこうしろという御意見がございますれば、その線に沿うことが、これもまた建設審議会の御意見を尊重するゆえんである。こういうふうに考えておるわけでございます。
#55
○荒舩委員長 勝澤君より資料の要求について、発言を求められております。これを許します。勝澤君。
#56
○勝澤委員 予備費の支出について明日やるようでありますので、一つ明日までにこの資料を出していただきたいと思うのです。
 三十五年度の総理府所管の予備費の中で、警察庁関係で、三池炭鉱争議と安保改定反対闘争に伴う警備活動に必要な経費が三件出されておりますが、これを一つ、内容を詳細に、具体的にわかるように出していただくようにお願いいたします。
 それからこの前も委員長を通じて申し上げておきましたが、今後の決算をなるべく早く行なうために、各省はできるだけ早い機会に資料を自発的に出していただく。それから郵政、電電関係でも、国際電電、あるいはNHK、あるいは電電公社等も、まだ資料が出ておりませんから、これは一つ決算に支障のない範囲内で早急に出していただいて、決算審査に協力していただくように、委員長からもぜひ伝えておいていただきたいと思います。
#57
○荒舩委員長 ただいまの勝澤君の御意見、全面的に賛成でございまして、その通りに行なうような手続をいたします。
 明日は、午前十時より予備費の審査を行なうことといたします。
 本日は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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