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1960/05/10 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第28号
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1960/05/10 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第28号

#1
第038回国会 決算委員会 第28号
昭和三十六年五月十日(水曜日)
    午前十時二十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 三和 精一君
   理事 木村 公平君 理事 高橋 英吉君
   理事 丹羽喬四郎君 理事 小川 豊明君
   理事 勝澤 芳雄君 理事 西村 力弥君
      宇田 國榮君    久保田藤麿君
      正示啓次郎君    鈴木 正吾君
      藤井 勝志君    久保 三郎君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 植木庚子郎君
 出席政府委員
        法務政務次官  古川 丈吉君
        検     事
        (大臣官房経理
        部長)     近藤 忠雄君
        検     事
        (民事局長)  平賀 健太君
 委員外の出席者
        検     事
        (大臣官房人事
        課長)     勝田 成治君
        大蔵事務次官
        (主計官)   瀬戸山孝一君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  保岡  豐君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十三年度政府関係機関決算書
 昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書
 昭和三十四年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十四年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十四年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十四年度政府関係機関決算書
 昭和三十四年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 昭和三十四年度物品増減及び現在額総計算書
     ――――◇―――――
#2
○三和委員長代理 これより会議を開きます。本日、荒舩委員長は都合により出席できませんので、私が指名により委員長の職務を行ないます。昭和三十三年度決算外三件及び昭和三十四年度決算外三件を一括して議題とし、法務省所管について、審査を進めます。まず、法務省所管決算の概要について説明を求めます。植木法務大臣。
#3
○植木国務大臣 昭和三十三年度決算及び昭和三十四年度決算について御説明を申し上げます。
 法務省所管の歳入につきましては、歳入予算額四十九億一千百四十一万八千円に対しまして、収納済み額は五十五億五千七百五十六万一千三円でありまして、差引六億四千六百十四万三千三円の増加となっております。
 収納済み額の増加のおもなものは、罰金及び没収金の五億四千六百二十九万六千九百円であります。
 次に、法務省所管の歳出につきましては、予算額二百四十四億五千二百五十五万五千円に前年度からの繰越額二億二千百四十一万一千円と予備費使用額一億七千八十万三千円を加えました予算現額二百四十八億四千四百七十六万九千円に対しまして、支出済み額は二百四十三億一千二百三十九万六千四百十三円であり、その差額は五億三千二百三十七万二千五百八十七円となっております。この差額のうち、翌年度に繰り越した額は一億三千四十四万二千八百六十三円で、不用額は四億百九十二万九千七百二十四円であります。
 支出済み額のうちおもなものは、登記及び土地家屋台帳事務等処理経費として四億四千四百七十六万八千円、検察事務処理経費として五億三千五百六十七万三千円、矯正施設における収容者の収容経費として四十五億九千九百三十万二千円、補導援護経費として三億二千八十一万二千円、公安調査庁における破壊活動防止の調査活動経費として四億八千百二十六万三千円、施設費として九億六千五百九万一千円となっております。詳細につきましては、お手元に提出しております「昭和三十三年度決算について」に記述しておりますので、御承知願いたいと存じます。
 次に、昭和三十四年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。
 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額六十億四千百二十一万六千円に対しまして、収納済み額六十三億八千四百七十万二千四百五十二円であり、差引三億四千三百四十八万六千四百五十二円の増加となっております。収納済み額の増加のおもなものは、罰金及び没収金の二億八千三百九万九千百六十七円であります。
 次に法務省所管の歳出につきましては、予算額二百六十五億二千二百五十九万三千円に前年度からの繰越額一億三千四十四万三千円、大蔵省所管からの予算移しかえ増加額二千六百四十万五千円と予備費使用額二億五百四十五万一千円を加えました予算現額二百六十八億八千四百八十九万二千円に対しまして、支出済み額は二百六十四億八千四百七十五万六千円であり、その差額は四億十三万六千円となっております。この差額のうち、翌年度に繰り越した額は八千三百八十九万四千円で、不用額は三億一千六百二十四万二千円であります。
 支出済み額のうちおもなものは、外国人登録事務処理経費として一億七千五万七千円、登記及び土地家屋台帳事務等処理経費として四億八千五百八万七千円、検察事務処理経費として五億七千三百八十六万円、矯正施設における収容者の収容経費として四十八億八千五百三十七万三千円、補導援護経費として三億五千七百二十二万七千円、出入国関係に伴う審査及び被退去強制者の収容送還等経費として一億百五万六千円、公安調査庁における破壊活動防止の調査活動経費として五億一千六百二万九千円、施設費として九億四千百六万七千円となっております。詳細につきましては、お手元に提出しております「昭和三十四年度決算について」に記述しておりますので、御承知願いたいと存じます。
 最後に、昭和三十三年度決算検査の結果、会計検査院より不正行為として批難を受けた事項につきましては、いずれも御指摘の通りでありまして、まことに遺憾とするところであります。これらの事故に対しましては、その発生原因を究明いたしまして、それぞれ是正の方途を講じましたことはもちろんでありますが、さらに進んで抜本的な防止対策についても十分な検討を加え、効果的な方法によって逐次実施いたしております。特にここ数年、事故の絶滅を期して最善の努力をいたして参りまして、三十二年度と三十四年度におきましては、批難事項は一件もなかったのでございますが、三十三年度におきまして、法務局と入国管理事務所で期待に反した結果を見るに至りましたことは、はなはだ意外とするところでありますとともに、重ね重ね残念に存ずる次第であります。この際、さらに思いを新たにし、一そうの努力を払って、事故の絶滅に邁進いたしたい所存でございます。
 何とぞ慎重御審議を賜わりますよう、特にお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○三和委員長代理 続いて、会計検査院当局より、検査の概要について説明を求めます。保岡第二局長。
#5
○保岡会計検査院説明員 三十三年度決算検査報告の説明をいたします。
 三十八ページの法務省関係の不当事項といたしまして、不正行為三件をあげております。
 一〇号は、横浜地方法務局小田原支局で、収入印紙で納付することになっている登録税に対しまして、収入印紙にかえて現金を受領し、これを領得したものであります。
 次の一一号も、岡山地方法務局真備出張所で、同様の事態でございます。
 十二号は、保管金を現金化して領得したもので、提出された書類の検査におきまして疑わしいので、実地検査で確かめようとしておりましたその実地検査の直前、法務省の検査で発見されたものであります。
 三十四年度の不当事項は、法務省関係はございません。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#6
○三和委員長代理 質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。小川豊明君。
#7
○小川(豊)委員 それではお尋ねしますが、今検査院の報告にも、法務省の法務局の方の事故の件数が非常に少ないということ、これはもうけっこうなことですが、そこでこういうことも考えられないか。われわれが決算でいろいろ各省の各外郭団体等の仕事を扱ってみていて、非常に事故件数という毛のが多い。件数が減っても、金額ではかなり上ってきているということ、そういう中で法務省は非常に微量であるということは、これはけっこうな話ですが、全体に予算その他を見ていくと、これは失礼な言葉だが、やりたくてもできないようなしみったれな、何ともはやならないような予算じゃないのかとも考えられる。それで、そういう点は今度事例をあげて申し上げますと、これはあとで大臣が立たれてからこさいにお聞きするつもりですが、登記事務などは、非常に事務が複雑になり、しかも、件数は非常にふえているにもかかわらず、人員はふえておらない。従って、こういうところからも、外部というか、いわゆる司法書士あるいは町村役場の職員等にまでも手伝ってもらわなければ、登記事務が進まないということが看取される。それから、一方、補導援護の面でも、これは人はある程度ふやしていきつつあるだろうと思うが、補導援護に対する旅費だとかいうものは、ほとんどふえていない。あなたの方では当然要求してあるだろうと思うが、こういうのがふえていないために、補導援護の活動というものが活発にいっていない。そういうふうに補導の仕事、登記の仕事、こういうものは事務が渋滞し、むしろ利用者に非常に迷惑をかけている。一方において、国民を犯罪から守り、正常な社会を作らなければならない。それには補導という仕事が非常に大切な仕事であるにかかわらず、この補導援護に対する旅費というものは、ほとんど増額されてないという点が、この全体から見て看取される。これは御要求をなすっておられるのか、なすっておられないのか、これで足りると思っているのか、これでは足りないから要求なすっておるのか、この点をお聞きしたいわけです。
#8
○植木国務大臣 お答え申し上げます。
 第一段の、三十二年度及び三十四年度におきまして、幸いにして検査院から指摘されました批難事項がなかったことは、まことに御同慶の至りであります。職員諸君が一生懸命に誠意を持ってやっておりますことをお認めいただきまして、まことにありがとうございました。大いに激励になると思うのであります。しかし、三十三年度には若干ございまして、非常に遺憾としておりますことは、ただいま申し述べた通りでございます。
 なお、この問題に関連しまして、そうした事項が起きないほど予算が少なくて、その結果は所要の仕事が十分に行なわれていないのじゃないかというお尋ねでございますが、この点も、乏しい経費の中で、職員諸君としては懸命に努力をいたしております。われわれもまた、その乏しい中にも、国民の皆様のために誠意のある仕事をするよう懸命に努力するように、いつも話し合っておるところであります。これらの経費をもう少したくさんに増額をして、そうしてもっともっと国民の皆さんの利便をはかり――役所としても、あまりにもほかの役所と権衡がとれないところがありはしないかということについては、常に反省しておるのでございまして、予算を扱います経費担当の部局といたしましても、予算要求のたびごとに、大蔵省に対しまして熱心にその実情を訴えておるのでありますが、遺憾ながら、まだ十分とは参りません。しかし、年に若干の改善はいたしておるのであります。しかし、その改善の跡が十分でないことは、私も認めざるを得ないのであります。一例を申し上げますと、たとえば、法務省にはただいま御指摘の台帳事務等において、登記関係の仕事でありますとか、その他いろいろ複雑な仕事がありますが、一人一庁の役所が非常にたくさんございます。ことにまた入国管理事務所においても、一人一庁の事務所があります。こういうところにおきましては、一体一人一庁でもって役所の体をなすかということを言いたくなる。何とかして一人一庁を、少なくとも二人以上、三人以上にまでしなければならなくなるのじゃないかしらんという感じがいたされますので、ことしの予算の概算要求のときにも、痛切にこの点を訴えて、若干の増員はしてもらいましたが、まだまだ及ばない。この点非常に残念に思いますが、漸を追うて、特に三十七年度については、こういうものをできるならば一つなくしたい。これをなくするためには、必ずしも増員だけじゃなしに、でき得るならば、役所と役所の統合ということも考えてみておるのでありますが、反面これは民間の方々の利便をそこなうことが少なくない結果を生じますので、その点常にやりにくい。非常に困っておるというのが、今の実情であります。しかし、いずれにいたしましても、当該一人一庁の役所のごときも、地方の方々と御相談をして、でき得る限り理解を得られるところでは二つの役所を一つにするということにして、せめて一人一庁が二人一庁になれるようなところに持っていくという努力をする。反面、予算の要求で人員の増加、経費の充足も全うしたい、こう思います。
 また、更生保護等の経費の問題についても、ただいまですらも十分でないという仰せでございますが、その点、私も全く申しわけないが、同感でありまして、実情を見ますと、あまりにも気の毒である、何とかしなければならぬというふうに思っておるのでありますが、ことしは、この点についての処置をとることができませんでした。来年度には、ぜひとも一つ、皆様の御理解と御支援を得て、財政当局の理解のもとに、少しでも今よりは改善の方に進んでいきたい、かように念願いたしております。
#9
○三和委員長代理 法務大臣、今、内閣委員会から採決があるからすぐ来るようにということで、小川君に了承を得ましたから、あちらが済んでからまた来て下さい。
#10
○小川(豊)委員 きょう私は、この決算委員会で不正事項や不当事項にあまり触れずに――全体を見たときに、法務省そのものの運営について、予算面から見て、法務省自身の活動が不活発にならざるを得ない点がある。従って、きょうは、かつて大蔵省におられた法務大臣にかなりの期待をかけて、叱吃激励をしてやろうと思っていたが、あっちへ行ってしまったので、非常に遺憾なんだが、そこで今度はこさいに入っていきますと、登記事務のこととか、それから建築とか増築とか取りこわし等の、いわゆる申告の問題、それから登記抄本の作成とか閲覧の問題とか、こういうことが登記所では行なわれているわけだが、この三十三年度、四年度、五年度の三カ年くらいの事務の量は、一体どのくらいふえているのか。私の方で調べたふえ方とあなたの方のふえ方が違っていてもいけないので、一体どのくらいふえているか、そうして仕事のふえた割合に対して、人は一体どれだけ増員されているのか、この点のお答えを事務当局の方から願いたい。
#11
○平賀政府委員 登記所におきますところの事件数の状況につきましては、本日資料を差し上げておきましたが、登記事件を例にとりますと、昭和三十三年が七百六十一万件、三十四年が七百九十三万件、三十五年が八百三十九万件、こういうふうに増加いたしてきているわけでございます。それから台帳事務におきましても、大体年々増加の傾向にあるわけでございます。先ほども大臣が仰せられましたように、年々事件が増加の傾向にありますために、手不足の状態が激化していく状況にあるわけでございます。そういう関係で、法務省の方におきましても、毎年増員のお願いをしているのでございまして、昨年百四十二名、本年十名の増員が認められたのでございます。しかし、これだけの増員ではなかなか十分ではございませんので、今後もこの増員の要求につきましては、努力をいたしたいと思っておりますと同時に、なお、登記所におきますところの従来の事件処理が、はたして従来のままでよいか、もっと能率化すべき点はないかということで、増員以外にも、事務処理の能率化につきまして、私ども、日ごろ研究をいたし、改善すべきところは改善に努めておる次第でございます。
#12
○小川(豊)委員 今お聞きしたところによると、取り扱い事件といいますか、件数は非常に膨大にふえている。私どもが心配するのは、今後農業基本法の問題などがあって、農地の移動というものがかなり猛烈に行なわれてくるが、そういう中で、さらに件数はふえていくにもかかわらず、今御答弁を聞いておると、百四十二名ふえた、十名ふえたと言うが、焼け石に水ということがあるが、これは焼け石に水にもならないようなふえ方なんです。こういうことから、結局は仕事がどうしても渋滞せざるを得なくなる。そこで片一方は、利用者の方は急ぐ。急ぐから、勢い登記所等では、司法書士に頼んで仕事をさせてしまう。あるいはもっとひどいところは、市町村役場の職員の手を借りて仕事をしている。だから、原本まで貸さざるを得ない。登記の原本までを市町村役場の書記なり、司法書士に貸さざるを得なくなってきています。そういうところから、この事件というものは、逆に起こってこざるを得ない。指摘されている数はごく少ないけれども、そういう形でのいろいろな事件が起こってきていることを、われわれは知っておる。これを是正しないと、これは大へんなことになるのです。そこで、こういうことこそは、法務省として特に急速に改善し、解決しなければならない問題だと思う。法務省のちょうちんを持つわけではないが、あなたの方では、今のところ取り扱い事件件数と人とは一つもマッチしていない。人がきわめて少ない。だから、仕事が渋滞してしまう、こういう実情なんです。そのことから、逆に外の人を利用せざるを得ない。役場の職員を利用したり、司法書士を頼んだりして仕事をやらしている。原本まで貸している。貸さざるを得ない。原木というのは、当然その中で閲覧することだけはできるはずだが、外に持ち出すことは許されない。しかし、それさえも持ち出さざるを得ない状態になってきてしまっている。このことをあなたの方の上層部が御承知か、御承知でないか、私は知らぬけれども、そういう事実が現に行なわれている。そこでこれを解決するためには、これは大蔵者の方からどなたか来ていますか――。あなたの方では、こういう状態に置かれておる中で、ずいぶん法務省の予算をよく圧縮しておるようだが、これはこの実情をここでお認めになって、今後お考えになるのか、ならないのか、この点をお聞きしたい。足りると思っているのかどうか。
#13
○瀬戸山説明員 お答え申し上げます。
 ただいま大臣の御答弁並びに委員の先生の御質疑にございましたように、登記所は相当件数が多うございます。やはり用紙等の経費とか、そういった費用が十分かどうか。人の問題につきましては、ただいま法務省からもお答えがございましたように、昨年百四十二名増員がございました。ことしは少なうございまして、十名でございます。人の点が一番の問題であろうかと存じますが、昨年大幅に増員がございました。ことしは、もちろん登記所の人員も足りないということはございましたわけでございますが、法務省全体といたしまして、昨年登記所に比べまして人員の増加が少なかったような部局、そういった方面に、三十六年度は人員を比重を重くして増員したらどうかというようなお話も法務省からございましたので、法務省といろいろ協議いたしまして、ことしは昨年よりわずかでございますが、十名になったわけでございます。
 その人員の点につきましては、実は人だけをふやすということと、もう一つは、実際仕事をいたす部面におきまして、人にかわるような能率増進と申しますか、そういった方法はないだろうかということで、ここ数年来、そういった面の経費も見ておるわけであります。たとえば、直接ほんとうの第一線の仕事に一番影響いたしますところの謄本とかあるいはその他のこと――謄本等の事務につきまして、一々職員が筆で書く、鉛筆で書くといったような労を省くためには、どうしてもコピアーとか、あるいは複写機とか、そういった機械を使いますと、非常に能率が上がるわけでございます。従いまして、そういった能率を上げる、人をふやさないで、人をふさしたと同様な効果が上がるような予算措置と申しますか、そういった機械を入れるということも、ここ数年来やっておりまして、昨年も今年度も、その分につきまして、相当に計上いたしておるわけでございます。そういった機械の面と、現実に定員の増、両方からみ合わせまして、登記所の事務の渋滞、手不足を解決したいというふうに、法務省とも話し合っておるわけでございますが、法務省といたしましても、十分ではないという考えであろうかと存じます。また、われわれも、決してこれで十分であるとは思っておりません。三十七年度の予算につきましては、さらに一そう今の登記所の事務件数の増加に対処できるように、十分協議いたしまして、来年度は考えさせていただきたい、かように考えるわけであります。
#14
○古川政府委員 御指摘のように、法務省の関係の事件は、登記事務だけでなく、年々非常にふえておるわけでございます。それに従いまして人員の増加もはかっておるわけでございますが、ただいま瀬戸山主計官や民事局長が御説明申し上げました通りに、昨年度は、民事局の方の関係、登記所の関係で百四十二名ふやしましたが、ことしは検事が十五名と二百五十四名の増員が認められたわけでございますが、主として非行青少年の関係で保護観察官を百名、従って、今年は本局の方に重点を置きまして、今御説明申し上げました通りに十名しかふやさなかったわけでございますが、しかし、私たちのところにいろいろ訴えられる実情を伺いますと、まだまだこの方面の人は不足である。先ほど大臣もお答え申し上げました通りに、農地の点からいって、あるいは統合したりすることも一つの方法であるけれども、またこれを利用する方の国民の側からいえば、場所が非常に多くあった方がいいというようなところもあります。そういう点も勘案いたしておりますけれども、しかし、去年百四十二名増員をいたし、またことし十名ふやしましたが、なおさらに不足であるから、来年はぜひともこの関係を増員いたしたい、こういう心づもりで今おるわけであります。さらに今瀬戸山主計官からお話がありましたように、人の問題と、それから人手の省ける方法に、ことしから特に力を入れておるわけであります。非常な御好意ある御質問をいただきまして、われわれも、その線に沿いまして努力するつもりでありますから、御了承賜わりたいと存じます。
#15
○小川(豊)委員 僕は、好意で言っているわけではない。仕事が渋滞して、非常な問題を起こしつつある。人手が足らないわけです。大体登記の原本が、役場の職員だとか司法書士だのに貸さざるを得ない状態というものは、一日も早く解消しなければならぬ。そこから事件が起こってくるわけです。今お聞きすると、昭和三十六年度二百名の増があった。ところが、これは保護観察関係に百名、法務省内部の部局に九十名で、十名ふえた――日本全国で十名ふやした。これでふやしたなんて手柄顔されたのでは、話にならぬ。そこで今お伺いすると、人をふやすばかりが能ではないから、機械化するのだ。これは物を生産するなら、機械化ということも聞くけれども、登記事務の機械化というのは、一体どうやったらできるのか。謄本や抄本を写したり、登記したりするのを――謄本を作るくらいはリコピーを使ってもいいでしょうけれども、登記の仕事をリコピーでやれるはずがない。これはあくまでも人が精細に目を通さなければならぬだろうと思うが、そこでお尋ねするのは、今大蔵省の方の御答弁を聞いていて、人をふやすばかりではなく、機械化して、リコピーなどをどんどん入れていくのだというが、一体どのくらい入って、どのくらいそのことによって能率が上がっていますか。
#16
○平賀政府委員 ただいま機械化のお話でございまして、私が先ほど事務の能率化ということを申し上げたのでございますが、ただいま仰せの通り、登記所の仕事は、機械化できる部面とできぬ部面とございまして、登記の申請が出まして、それを調査しまして登記簿に記入するというような仕事は、あまり機械化になじまないのでございます。登記専用の特殊のタイプライターを使うという手はございますけれども、これは決して時間的に能率が上がらない。若干は能率が上がる面もございますけれども、あまり多くは期待できないわけでございます。その登記事件を調査しまして登記簿に記入するという方面の仕事は、そういう状況でございますけれども、登記簿の謄本の作成につきましては、これは機械化が非常に威力を発揮するわけでございます。本日差し上げました資料には、謄本の作成の件数はあげておりませんが、これは毎年三千万件ぐらいに、全国的に見ましてなるのではないかと思いますが、非常に膨大な量になるのでございます。これは機械化になじむわけでございますので、大蔵省に御理解をいただきまして、この機械化の方面につきましては、年々予算をつけていただき、増額もしてもらっておるわけでございます。
 それからなお、司法書士その他の外部からの応援というお話がございましたが、これは主としてやはり謄本の作成を司法書士の事務員なんかが手伝ってくれるわけでございます。以前でありますと、みなこの職員が手書きでもって登記簿から写したわけでございますが、これは非常に時間を食うわけでございます。最近では機械化がだいぶん進みました関係で、この外部の応援の数も減っておりますけれども、まだまだ全面的にこれを解消するに至っていないわけでございます。この外部からの応援ということは、いろいろ弊害もございますので、これを一つ解消したいということで努力をいたしておる状態でございます。
 それからなお、原木の記入に外部の応援というお話がございましたが、私どもといたしましては、この司法書士あるいは事務員なんかに原木の記入を手伝わせるということは、絶対にさせないという方針で臨んでおります。たまには、地方では一度に多数の事件が殺到しまして、外部の人に原本の記入の手伝いを頼むということも、これは間々あるかもしれませんが、登記簿の原本の記入に外部の人の手助けを借りるということは、させるべきではないと考えて、厳重にその点は注意をいたしております。
#17
○小川(豊)委員 私は、原本を外部に持ち出し、外部の人が原本に記入するとは言っていないのです。そういうことは聞かないではないが、まさかそこまではやってないだろう。ただ、原木というものを外へ持ち出さざるを得なくなってしまっているということです。原木を司法書士が自分のところへ持っていってしまう。役場の職員にも頼むから、役場の職員もちょっと貸せといって持っていってしまう。そうして謄本を持ってきて、これはできたからと判を押させている。原本というものは、あくまで登記所に置かれるべきが建前でなければならないにもかかわらず、そういうことをせざるを得ない。事務が非常にふえて人手が足りないから、そういう結果になるのだから、それは直さなければならない。そこで、これについて人事院ではこういうことを言っておる。これは私は、人事院の見解は間違っておるのではないかと思う。「登記台帳の乙号事件は、外部の団体」これは司法書士ですね、「外部の団体なり、申請人が手伝っているので、その事件増は認められるが、定員増には関係ない。」こういうことの人事院の見解を見ますと、初めから考え方が違っておるのです。謄本を写すのに、見る者が自分で借りていって、どう勝手に写しても仕方がなくなってしまう。それでも、外部団体から手伝ってもらえるから、事件数はふえるけれども、定員増は関係ない。この人事院の見解は、最後は間違っておる。あくまでもこの点については、登記所として自分の保管管理した書類は、自分の手で処理していくべきであって、司法書士等をわずらわすべきではない。そういう欠陥として、昭和二十六、七年に印紙事件というものが発生しておるわけであります。これは書類に張る印紙を――この点は待遇問題とも関連してくると思う。人手が少ない、従って、どうしても時間をかけて超勤せざるを得ない、仕事が輻湊しているから。ところが超勤しようとしても、超勤のワクがないでしょう。一週間に七時間か何か超勤が認められているだけだ。それ以上幾ら働いてもただだ。そしてさらに公休というものを認めている。公休は認めているけれども。その公休を使えば超勤を減らしているでしょう。そういうことはありませんか。超勤を減らしているでしょう。公休として公休を使ってしまうと、超勤分で減らさざるを得ないほど、予算面から制約を受けている。そういうことから仕事がはかどらないから、印紙を張るべきところを印紙を張らないで載っけてきてしまう。その印紙を持って帰って、またその次のに載っけてくる、こういう印紙事件というものがあった。こういうのは、司法書士がやらなければできるはずがない。そういう事件が起こっておる。それから書類だってそうです。ただ見で見ておる。閲覧料というものは当然取るべきだ。取るようになっておる。ところが、閲覧料を払わないで幾らでも見られる。貸してくれと言えば貸さざるを得ない。だから、ただ見が行なわれておる。そこで今度は、早く書類を処理してもらわなければならない、五時間も六時間も待たされては大へんだから、書類を早く処理してもらわなければならないということになると、ここに事件処理促進のための問題が起こってくる。これだって検査院等では指摘されていないけれども、こんなものは僕ら常識的にざらに知っておるが、そういうことは言いたくない。それから登記簿用の用紙が紛失した事件がある。こういうことは、われわれが労働が過重だと言うと、あれは社会党だから、イデオロギー的にそう言うのだろう、こういわれたのでは困るから、労働過重というのではなくて、そういうふうに仕事が輻湊してしまって処理がつかないから、こういういろいろな問題が起こってきて、国民の財産を厳に保全しなければならないところが、そういう問題を非常に起こしてきているから、これが対策を立てるために、あなたの方で、決意として今後どうなさるつもりかということを私はお聞きすると同時に、この解決には強く一つ決意を持って当たってもらわないと、解決しないです。今までのずっと予算のあれから見て、解決しない。きょうは、そういう意味で大蔵省からも来てもらって、あなた方とわれわれと、大蔵省側でもこの事態を認識してもらって、来年からでも再来年からでも、登記事務がもっとスムーズにいくような改善の方向をとらなければならない、こういうふうに、僕は、その点ちょうちん持ちをするのではないが、建設的な意見を出しておるのです。この点御答弁願います。
#18
○平賀政府委員 私一言申し上げておきたいと思いますのは、ただいま、登記簿の原本を司法書士、あるいは事務所、あるいは市町村役場に持っていって、そこで仕事を手伝わせたというお話があったかのように伺ったのでございますが、登記簿というのは、災害なんかのときに、登記簿が滅失するおそれがある場合に外に持ち出す。それ以外は、登記簿を外に持ち出すことは絶対にできないようになっております。ただいま仰せのような事例は、私としては絶対ないと思っておるわけでございます。災害を避けるために外部に持ち出した場合には、一々そのつど法務大臣に報告をしなければならないということになっております関係上、外部の人に原本の記入の手伝いをしてもらうということは、これはたまにはあり得るかとも思いますけれども、登記簿をそういうことのために外部に持ち出したということは、私は絶無であろうと思っております。そのことだけちょっと申し上げておきたいと思います。
#19
○小川(豊)委員 次に、いわゆる登記所です。登記所でも人が少ない。大都市は登記事務が輻湊するから、ここにはかなりの人を集めなければどうにもならない。地方に行くと、所長一人、事務員一人というのはざらです。ここで人が少ない、多いということを覆うわけではないが、その登記所は、当然国の重大な仕事になっているのに、建物は自分で持っていない。市町村の建物を借りているのはざらです。市町村有の建物を、ほとんどといっていいくらい、地方へいくと借りているのではないですか。違いますか。この点どうですか。
#20
○平賀政府委員 仰せの通り、地方の登記所の建物は、市町村から借り上げておるのが非常に多うございまして、大体概数で申しますと、全登記所――出張所でございますが、出張所の三分の二くらいは借り上げ庁舎でございます。
#21
○小川(豊)委員 そこで庁舎を借り上げていて、私は、この間自分の県のを委員会があるので調べたのですが、賃借料、借り料は、これはあなた方の頭を疑ぐるのだが、三百六十円だとか、六百円だとかで借りている。三百六十円、六百円、四百五十円、五百円と、こういう一体常識で考えられないことを、市町村だからいい、だれも損するわけではない、町全体が損するわけだからいいようだが、大体位置としては、市町村役場からそう遠くないと思うが、その市町村の相当のところである。そこへある程度の建物を建てさして、それを三百円か五百円で借りて、これで借り料を払ったと思っていられるのですか。これは一体何でこういうことをやられるのですか。少なくとも、市町村からいうならば、市町村の仕事のために登記所があって、敏速にやってもらわなければならぬから、これでいいだろう、これでも仕方がないだろうとはいっているけれども、三百円や五百円もらったのでは、もらわない方がいいと言っている。もらうと、それだけ事務を処理しなければならない。そんなことなら、もらわない方がいい。あなたの方は、三百円や五百円で借りていていいと思うのか、思わないのか。こういうことは、常識で考えてもわかるはずだ。恥ずかしいと思わなければならない。おそらくこういう払いをして、これであたりまえだと思っているから、予算要求も何もできやしない。これでいいと思っている。これは是正するなら是正を当然すべきである。
 それからもう一点は、今度登記所を作る場合は、あなたの方で登記所を作るのに、登記所という一つの建物を作るのだから、そっくりできて、人が入って仕事ができるようなものでなければ、建物とは言えない。ところが、予算は、柱を建てて、屋根だけあって、あとはできないから、みな協力会というものを作っている。ごらんなさい。登記所のために、みな協力会というものを作っている。その協力会に入るのはだれかというと、不動産屋、最近あそこへも会社ができた、ここへもできたから、あそこへ行ってもらってこようというので、そのもらって歩くのは不動産屋なのです。その不動産屋と登記所長が一緒にくっついて歩いている。そして協力会に入ってもらって、寄付を出してもらう。こういうような実に見苦しいことをやっている。これで登記事務の公正なんというのは、できるはずがない。少なくとも、もっと厳然たる態度でなければならない。建てることは、必要だから建てるのだから、建てるなら、建物を完成するだけの予算を持ってやるべきであるが、一つも持ってやっていない。柱と屋根だけで、建物にはなっていない。これはどういうことですか。そういうことがないとは言わせません。これはたくさんあるのです。私らも協力会に入ってもらいたいと言われたから、あるにきまっている。あることはいいが、そういうことをやめて、自分の方で建物をそっくり建てるべきだ、こう私は思うので、政務次官の見解を聞きたい。
#22
○古川政府委員 お話のような事実のあることは、私もよく承知いたしておりますが、ただ、使用料の問題、賃借料の問題につきましては、登記所だけでなくして、一般の市町村の公営住宅でも、昔の建物から継続しているものは、小川さんの方が詳しいでしょうが、非常に安いものがたくさんあるということも事実でございます。もう一つは、予算がない、土地を購入するだけの予算がとれておらぬと申し上げましたような場合に、土地の力は、おれの方が心配するから、建てる予算はこれだけしかないから、ぜひこれで改築しろ、こういうようなことも相当あるわけであります。そういうことは是正しなければならぬ。必要なところに必要な建物は、国が全部を出さなければならぬということは、われわれ原則的には、そうあらねばならぬと思っております。けれども、実際の実情を申し上げますと、そういうことも相当あるということを、ぜひ御承知を願いたい。ただ、従来そういうようなことがたまたまあったから、いつの場合でもそういう式でいいのだ、こういう考え方は、われわれは持ってはならぬ。そういう点は、われわれの方では積極的に注意いたしまして、なるべく地元の方々に負担をかけないように努力いたしたい。そういうつもりでおりますから、どうぞ御了承賜わりたいと思います。
#23
○小川(豊)委員 私はこれで終わりますが、問題は熱意の問題だと思うのです。ぜひ登記所を建ててもらいたいから、私の方でも協力するから建てて下さいと言ってくるから、そういうふうにやるのだというけれども、そういっても、予算はあなたの方で出すのだから、建てる方で出すべきですが、そうでない。あなた方は、もう偉くなってしまっているが、登記所長など、忙しくてしようがないから、何とか町でめんどう見て下さいと言ってくる。役場を建てるのに、登記所があんなボロではおれないから、じゃ一つやろうじゃないかというようなことでやっていくと、今の協力会等を作って、登記所長は不動産業者と一緒にやる。協力会というのは協力会で金を集めてくれば、まだいいでしょう。なぜ登記所長が一緒になって、人手が足らないにもかかわらず、登記所長が寄付をもらいに不動産屋と一緒に、そっちの会社やこっちの工場を歩くのか。ますます人が足らなくなってくる。それを直すのは、これはあなたたちの熱意の問題だと思う。やっているからそれでいいのでなくて、これだけはぜひ改むべきだということを強く主張して、予算を獲得することは、これは法務委員会がやることで、決算委員会で予算をとれなどと言うことはおかしな話だけれども、これは国の政治の折り目、筋目を正していく点からいうと、そうするのがやはり決算の役目だと思うから、僕は言ったわけです。あなたの方で、もっと熱意を持って一つ仕事をしてもらいたい。
 これで質問を終わります。
#24
○三和委員長代理 勝澤君。
#25
○勝澤委員 法務省のことにつきまして私しろうとでありますので、あまりよくわかりませんが、二、三気のついた点について、御質問いたしたいと思うのです。
 刑務所の問題でございますが、本委員会におきましても、大阪の刑務所の移転の問題について、いろいろと審査を進められておるのでありまして、都市のまん中に刑務所があるところがあるようでありまして、たとえば・静岡のような場合なんかでは、地価が何十万円というような場所に刑務所があるわけでありまして、これはその当時はよかったでしょうけれども、今日の時代には適合しないわけであります。従って、やはり環境のもっといいところで、もっと人里離れたところというのがあるはずです。そしてその土地を売れば、相当いいものができるわけであります。そういう点から考えてみますと、都市における刑務所というものに
 ついては、積極的に移転をして、やはり都市の計画にも沿った方向にやっていかなければならぬ、こういうふうに思うのでありますけれども、そういう点については、どういうふうになっておられますか、またどういうふうにこれからお考えになっておられるでありましょうか、お伺いいたしたいと思います。
#26
○古川政府委員 御質問の通りに、刑務所が町のはずれにあったところが、一都市がだんだん発展いたしまして、はずれが町のまん中になりまして、その都市の発展に非常な阻害となっておるところがたくさんございます。従いまして、この刑務所の移転は、御承知のように、安い金ではなかなかできません。そういう必要に応じて、特に刑務所の移転につきましては、予算外に国庫債務負担行為によって毎年二カ所なり三カ所なり、そういう要望の特にはなはだしい地元の――市でございますが、市の要望を入れまして、そして市によって建物を建ててもらって、土地を交換する、こういうふうな形で今やっております。年々やっておりまして、三十五年は名古屋と福岡、それから三十六年度には大津と滋賀の刑務所と松江の刑務所を予定いたしておりまして、そういうような予算を大蔵省と相談いたしまして計上いたしております。今お話の通りに、そういう状態が各方面にありまして、その点はわれわれも全く同感でございまして、そういうような特殊な方法によってこの問題を解決いたしたい、こういう工合に考えておりますから、御了承願います。
#27
○勝澤委員 国の財産でございますので、売る場合、それから次に買う場合というのは、なかなかむずかしいことになっておるようでありまして、実際には、いい場所を売って、そして安い三分の一、五分の一くらいの土地へいけば十分建てることができるわけですけれども、こういうふうに売った金をすぐそのまま使うということが、会計経理上むずかしいようですから、一つそういう点については、今言われました点も十分考え合わして、やはり積極的な――今のお話ですと、だいぶまだマンマンデーでありますから、もう少し強力な方法で、都市の計画に一つ協力をしていただきたいと存じます。
 それから次の問題でありますが、この間少年鑑別所に行ってみたのですけれども、少年鑑別所というのは、一応収容し、そこでいろいろ何かと検査をしておるようでありますけれども、ああいう段階において入れておるには、なるべく環境をよくした中で、その中からうちへ帰された場合、中で悪いことを覚えないで出てきて、ほんとうにその鑑別に従った方法で矯正されていくというのが一番好ましいと思うのですけれども、最近の傾向を見てみますと、収容施設が貧弱で、あるいは入る少年が多過ぎるというのですか、どうかよくわかりませんけれども、何かその中に入っていいことを覚えないで帰ってくるのではないかというような心配が多いわけでありまして、鑑別所の拡充強化という言い方がいいかどうかわかりませんけれども、環境の整備についてもっと力をを入れて、収容能力をオーバーするような収容をさせることは、あまり好ましくないのではないだろうか、こう思うのですが、その点いかがでしょうか。
#28
○近藤(忠)政府委員 お答え申し上げます。
 少年鑑別所の施設が、現在の状況におきましては、収容の面において問題があるというように感ひておるわけであります。従いまして、年々の予算におきましては、御希望通りの方向には必ずしもいっておらぬかもしれないのでございますが、逐次整備する方向にお願いして、予算をつけておるわけであります。今後とも、そういう方向につきましては、特に勝澤委員のお話しの通りの方向に強力に進めていきたいと思っております。
#29
○勝澤委員 県の段階に参りますと、児童相談所というものがありまして、相当緻密な相談にまであずかっているようでありまして、最近では、その児童相談所も、新しいものの見方から、相当利用されるようになったと思うのです。少年鑑別所の場合においても、やはり当初は警察的なものの見方をされておったようでありますけれども、最近では、私たちもいろいろとそういう相談にあずかる中で、まあ一回身体検査してもらいなさいよ、こういう感じで考えられるようになったのですけれども、しかし、せっかく身体検査にやったのが、病気になって帰ってきたのでは困ると思うのです。そういう点からいきますれば、やはり少年非行犯罪が多いという原因は、法務省が予算をとらないのが原因だというならば、法務大臣や政務次官が怠慢だから、そういう犯罪が多いのだということになると思うのです。ですから、やはりそういう点は環境整備をさして、そしてまだ若葉のうちにその罪の芽をつみ取って、将来希望のある少年というものをわざわざ作るために入れておるのですから、一つその環境というものをもう少し新しい角度からお考えになって、そしてそこに入ってどこが悪かったという診断を出されたら、その診断に沿ってほんとうにしっかりした青年になるようなことに、ぜひしていただきたいと思うのです。
#30
○古川政府委員 御意見まことにごもっともなことで、私たちも全く同感でございます。御意見のような趣旨に沿って、今後努力いたしたいと存じます。
#31
○勝澤委員 そこで今度は、会計検査院から批難をされておる事項についてお尋ねしたいのですが、先ほど会計検査院から指摘をされた事項というのは、大へん長い間なんですね。小田原の場合は十年、それから岡山の場合は五年ですね。こういう長い期間こういうことが行なわれているというのは、私あまりにもおかしいと思うのですが、この期間が長かった理由と、それから発生をした原因、それから三点としては、納付される収入印紙にかえて現金を領収するというやり方、この三つの点についてのお考えを賜わりたいと思います。
#32
○平賀政府委員 法務局の関係におきまして、三十三年に二件不正事件がありまして、私ども非常に遺憾に思っておる次第でございますが、私ども考えております最も大きな原因は、同一庁に長年勤務されており、異動がなかったというところにこの原因があったのではないかと思うのでございます。しかし、これはあくまで消極的な原因でございまして、問題はやはり本人の心がまえにあるわけでございます。先ほど御質問の中に、法務省の予算が少ないからではないかというような御意見もあったようでございますが、私どもはそうは考えておりません。本人の心がまえの間違い、これは何と申しましても、根本でございます。こういう心得違いを防止する手段としましては、同一庁にあまり長く置かないということが必要だと思うのでございます。
 それからなお、この小田原支局の川瀬事務官は、小田原の支局長でございまして、監督の直接の衝に当たっております。横浜の地方法務局におきまして、支局長というので間違いないだろうというので信頼をしておって、支局長に対する監査が十分行なわれていなかったというところに、第二の原因があるのではないか。従来、この法務局の関係では、若い事務官、ことに終戦後採用しましたような若い事務官なんかには、昔から勤めております筋金の入った職員と違いまして、非常に安易な気持で不正事件を犯す者が少なくないのでございます。こういう支局長を勤めたような、もうこれは戦前から長年登記所に勤務いたしまして、経験のある人でありますので、支局長なんかになっておる人では、法務局始まって以来最初の事件なのであります。監督の法務局におきまして、支局長だから大丈夫だというので安心をしておったというところに、第二の原因があるのではなかろうか、そういうふうに考えております。私どもの方におきましても、この不正事件の防止ということには常に意を払っておりまして、この小田原の事件が発生しました以後は、特に注意をいたしまして、各地方法務局に対しましては、管内の支局、出張所の事務監査を怠らないようにということで、督励をいたしておるような状況でございます。
#33
○勝澤委員 三番目の収入印紙でやるべきなのを現金でとった、こういうことは、どういうことなのでしょうか。
#34
○平賀政府委員 これは、登録税は原則としまして必ず印紙で納めるということになっておるわけであります。ところが、現金で受け取りまして、その現金を費消するというような例が間々あるのであります。これもやはり本人が給料が安いから困ってというような例ではなくて、大体遊興費に使ったりというような例が多いのでございます。私どもとしましては、そういうことがないように十分注意をいたしておりますけれども、たまにやはりこういう事件が発生しまして、非常に遺憾に思っておる次第でございます。
#35
○勝澤委員 そういうことでなくて、収人印紙でやるのを現今をとるというところが間々あると言われた。ほかの方でもみなそういうふうにやっているように見られるものですから……。その辺あれですか、届けをするときに、近所に収入印紙を売る家があるとかないとかいうことが関係があるのですか。どういう関係で間々あるという――まあ言葉じりをつかむわけではないのですけれども、そういうことになるのでしょうか。会計検査院の方から一つ伺いたい。
#36
○保岡会計検査院説明員 今の収入印紙にかえてということから申し上げます。この点が、私は一番原因だと思います。これは規定上は収入印紙でやることになっておりまして、もしそうでない場合は、日本銀行に金を納めて、それから行くことになって、現金を出張所に持ってくる規定にはなっておりません。厳格にこれを実行いたしますれば、こういう犯罪は起こらなかったと思います。現金が入るものですから、印紙をはがしたり何かしてそれを使う。はがしただけでは印紙は何もなりませんので、国損にはなりませんけれども、現金をそこに持ってくることから起こることだと思っております。それをどういうふうにして直そうか。登記する人が、便宜上、その印紙がそこになかったとかいうようなことを考えられておるようでございますけれども、これはぜひ徹底してやっていただきたいと私は思っております。
 それから長く犯罪が行なわれていたということに対しては、はなはだ申しわけないと思っております。このうち、小田原の分だけは、その期間中に行っております。ほかは行っておりませんけれども、小田原の場合は行っております。小田原の場合、三十二年度を対象といたしまして、六千八百四十一件のうち、千四十八件の抜き検査をいたしました。このうちで見つからなかったのでございます。あとから見ますと、この中に七件入っております。七件が見つからなかったのは、はなはだ残念に思います。以上でございます。
#37
○勝澤委員 そうすると、期間中全部でなくて、そのうちときどきあったということなのですね。
 それで私は、実はこの間ある会社に行ったところが、このごろ収入印紙がやかましいというのです。検査に来て、領収証をちょっと見て、なければその場ですぐ罰金だということで、なかなか収入印紙がやかましいというようなことを聞きました。これは大へん当然なことだと思うのですけれども、やはり現金でとるという点が、私は大へん問題だと思うのです。
 そこで今わかったのですけれども、異動がない、一人の人が長い間おるという点も、一つの問題点としてお考えになっておるようでございますが、それでは小田原支局と、次の出張所というのは、人間はどれくらいおるのですか。
#38
○平賀政府委員 小田原支局は、支局長以下七名でございます。
#39
○勝澤委員 出張所は。
#40
○平賀政府委員 これは二人でございます。
#41
○勝澤委員 小田原支局に七人おって、そのうちの支局長が、先ほどの場合ですと、千四十八件のうち七件、こういうことになるわけですね。ですから、支局長はこういう扱いをしておったという点から、支局長がやったことについて、そのほかのあと六人ですか、同じ仕事をやっているんじゃないですか。ですから、その辺でわからなかったかどうかという点が疑問なんです。それから出張所の場合、二人しかいない。こういう問題は、きびしくやらなければ大へん危険だと思うのです。それは先ほど大臣も言っておられました、一人か二人の事務所がいいとかどうとかいう話をされました。まことに当然だと思います。そこで、この会計検査院の三十三年度と三十四年度の実地検査の状態を見てみますと、だいぶ検査個所が変わっているのですよ。事業所が多いから検査個所というのはもっと多くならなければならぬと思うのですが、ましてやこういう事件が起きたあとですから、もっとやらなければならぬと思うのです。その点どうなんでしょうか。この表によりますと、法務省の検査個所が、三十四年度の成績が三千四百十八カ所になっておる。それからその次の三十五年度が千七百八十五と、だいぶ検査個所が減っているわけなんですが……。
#42
○保岡会計検査院説明員 法務省の検査個所数は、三十三年度三千四百二十八、三十四年が三千四百十八となっております。出張所は千八百カ所でございます。検査の施行パーセンテージは、大体毎年同じくらいでございます。小さい役所が多いものですから、全体から申しますれば、五%内外ということになっております。しかし、大きなものでありますと、大体四〇%ぐらいはやっております。出張所ですと、千八百のうち〇・六%というような工合になっております。やはり廃庁されたりした個所がございますし、小さい個所がございますので、多少は狂っておると思いますが、そう大きな個所数の変化はないと思っております。
 なお、三十四年度著しく減りましたのは、出納職員のいない個所を除いたためであります。
#43
○勝澤委員 これは私が申し上げるまでもなく、検査院の方でもよくおわかりになっておると思うのですが、先ほどからも言われました、場所が相当広範囲でありますし、それから一名、二名の個所があるわけでありますから、三十四年度、三十五年度に批難事項がなかったということで、大臣も喜んでおられる、私たちもそう思います。しかし、現実的には検査を一回した個所が、次の検査のときに出てきた、こういう結果であるように先ほど検査院からも報告されたのでありますから、そういう点は、こういう長い期間の場合においては、人事異動で相当カバーできるというふうにも思いますし、十分検討されていると存じます。また、この補てんされた問題につきましても、調書を見ますと、まだ未解決の点がたくさんあるようでありますので、一つこれらの問題につきましても、十分研究をされて、全体的なこういう個所のあり方についても、この問題を契機に、今後こういうことの起こらないように、一つ注意をお願いする次第でございます。
 私は、これで質問を終わります。
#44
○小川(豊)委員 ごく簡単な点ですが、法務局関係で渡切費というのがあるのですが、これはどういうことなんですか、ちょっと説明して下さい。
#45
○平賀政府委員 普通の役所でございますと、電灯料であるとか、採暖のためのまき、炭という燃料費、それから水道の料金、こういうのは庁費でまかなうわけでございますが、法務局の出張所というのは、現在全国に約千七百カ所ございまして、一人庁とか二人庁とかいう非常に職員数の少ない庁があるわけでございます。そういうところには、庁費ではございませんで、渡切費というのを出張所の所長に支給いたしまして、それで水道料、電灯料、あるいはまき、、石炭の燃料費というのをまかなわせておるのでございます。これが渡切費でございまして、戦前からそういう制度があるのでございます。
#46
○小川(豊)委員 そうすると、この渡切費というのですから、ごく少数のところを渡し切り、いわゆる打ち切りというものですね。この打ち切りは、一カ所に対して幾ら出しているのですか。九千円だというように聞いているが、渡し切りというのだから、打ち切りだ。渡し切りというのは、一出張所に対して幾ら出しておりますか。
#47
○平賀政府委員 本年度の予算におきましては、仰せの通り一庁九千円ということになっております。
#48
○小川(豊)委員 そうすると、これは水道料、電灯料、薪炭料一切を九千円でまかなえといったって、まかなえない。九千円をこえた分は自弁ですか。寄付を求めていいということになっているのですか、自弁でやれということになっているのですか、どういうことになっているのですか。
#49
○平賀政府委員 九千円というのは平均でございまして、寒いところもあれば暖いところもあるということで、渡切費も、やはり寒いところ、暖いところというふうに地域で区別をいたしまして、全部一様というわけではないわけであります。しかしながら、それにいたしましても、やはり多少の不足があるわけでございます。私どもといたしましては、従来渡切費の増額を毎年お願いしてきておるわけでございます。昭和二十七年以降を見ますと、少しずつ増額になっておるのでございます。たとえば、昭和二十七年でありますと、一庁平均五千円でありましたのが、逐次増額されまして、現在では九千円になっておるのでございますが、現状ではやはりまだ、不足を来たしておるわけでございまして、その不足分につきましては、所長が自弁をしておるというのが実情でございます。
#50
○小川(豊)委員 次官、聞いておいて下さい。九千円の打ち切りで、あとは所長の自弁か、そこにいる連中の負担でやらざるを得ないという変な形です。ところが、これに対して人事院の総裁から、あらゆる基礎を算定した結果、渡切費は一万七千三百一円以上に増額すべしということを、昭和三十四年十二月七日に判定されている。そうすると、三十四年、三十五年、三十六年と三年間いまだにもって九千円だというと――人事院の判定というものは、おそらく相当調査した上、算定の基礎のはっきりしたもので一万七千三百一円というものが出てきている。にもかかわらず、九千円であなたの方ではほっぽっておくということは、どういうわけですか。
#51
○古川政府委員 お話の通りに、従来からそういう方針でやっておりまして、私たちもこういうところにあるのだというふうに思っていた次第でございますが、今人事院のお話がありましたが、民事局長もお答え申し上げました通りに、やはり現状から見て低いということは私たちも承知いたしておりまして、できるだけこれを増額しなければならぬ、こういう考えを持っておるわけでございますが、ことしは遺憾ながら実現いたしませんでした。今御指摘の点もありましたが、さらに私の方でも調査をいたしまして、さらに増額をするように努力いたしたいと思います。
#52
○小川(豊)委員 そうすると、不足だ、足らないということは認めているし、努力もしたというと、要求なすったのですか、なさらなかったのですか。認めても、要求はしなかったのですか。
#53
○近藤(忠)政府委員 お答え申し上げます。
 予算の要求につきましては、法務省でも従来検討いたして要求しておるわけですが、最終的には認められる段階に至っておらないわけでございます。渡切費の問題は、御承知の通り庁費で支弁すべきものでありまして、渡し切りすること、そのこと自体が非常に問題があるとわれわれは考えております。そういう方向で十分に検討して、事務当局といたしましては、大蔵省も十分納得していただくように、事情を十分検討して、来年度以降の予算におきましては、それを何らかの方向において実現をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#54
○小川(豊)委員 これはおかしいのですよ。これは庁舎なんだから、庁舎の電灯、水道、光熱費等は、国がまかなうべき建前だ。それを渡し切りというのは異論があるんだが、いろいろの慣例からいって、それはすぐ改善できないから、追って改善するとしても、一体九千円で一年間のそういうものがまかなえると考えているところが、あなた方おかしいんだな。さっきも言ったが、家賃も三百円か三百円払って、これでいいんだと思っている。渡切費が九千円で一年間一つの庁舎がもっていくと思っているところに、足らなかったら、まさか寄付をもらうことは奨励しないから、自分で負担しろと言っていると同じことだ。こういうばかげたことをやっている。ところが、人事院の方で一万七千三百一円に増額しなければいけないということを三十四年十二月七日に判定しているにもかかわらず、これを努力しますとかなんとか言っているが、僕がお聞きしているのは、こういう判定が出たときに、あなたの方は大蔵省に対して予算を要求したのかどうか。したならば、幾ら要求したのか、こういうことをお聞きしている。
#55
○近藤(忠)政府委員 お答え申し上げます。
 法務省といたしましては、大蔵省に対しまして要求はいたしておるわけなんでございますが、その人事院の勧告の点は、人事院の勧告書におわかりになりますごとく、全庁を全部お調べの上でその判定の結果が出たという数字ではないわけでございます。その資料によりますと、約十六庁の調査をされました結果、こういう数字が出たからというふうに承っておるわけでございます。そこで、もちろん人事院の勧告でございますから、あるいは大蔵省もそれについて十分御承知とは思いますが、人事院と大蔵省との間の話し合いがあるかどうか、この点はわれわれも十分存じ上げておらないわけでありますので、法務省といたしましては、大蔵省に予算を要求するにつきましては、十分資料を準備いたしまして、その上で大蔵省にも御検討をお願いして善処いたしたい、こう考えておるわけであります。
#56
○三和委員長代理 今聞いているのは、幾ら要求しておるかということですよ。
#57
○近藤(忠)政府委員 要求の数字は、一応三十六年度のときには、一万四千七百五十六円を要求しておるわけであります。
#58
○宇田委員 関連。従来決算委員会で各省の予算を検討してきたが、法務省は、予算に対する意欲が非常に低下しておる。従来から文部省、法務省というのは、予算取りが下手だというのは、通例なんだ。今小川委員は、ほんとうにあなた方に対するプラスの質問をしておられる。人事院の勧告もあることだし、当然のことなのだから、大手を振って具体的に大蔵省に対して要求すべきことですから、どうか賢明なる政務次官におかれても、今後はもう少し予算を積極的に取るということを、強く要望された方がいいと思う。大体法務省は、予算に対しておとなしい。ちょっと私は御注意申し上げておく。
#59
○小川(豊)委員 そこで今、人事院は一万七千三百一円に増額しなければいけないという判定をしておるのに、あなたの方は、人事院側は全部調べたのではなくて、十四カ所を調べたが、私の方は一万四千円でいいのだという考え方自体がおかしな話で、そのために、全国千七百カ所にある出張所というものは、経済的に大へんな負担をしている。不足分は給料の中から出したり、あるいはよそにカンパをもらいに行ったりしなければならぬことになる。公正な仕事をするには、一日も早くこういうことは取り除かなければいけないわけだ。
 そこで今度お尋ねをするのは、大蔵省の方なんですが、昭和三十四年十二月七日に人事院からこういう判定が出ておって、しかも、法務省の予算の要求の仕方がかなり熱意のない、悪い言葉で言えばおざなりの要求をしておるのではないかと思うのだが、それはそれとして、そういう判定があって、そういう要求があるにもかかわらず、あなたの方も三年間ほおかぶりをしてきてしまっておるが、これは九千円で一庁舎の水道、光熱等一切がまかなえるという建前に立って、三年間認めなかったのですか。どういう見解でこれを認めなかったのですか。
#60
○瀬戸山説明員 渡し切りの問題は、実は非常にむずかしい問題でございます。今仰せの通り、平均九千円で事足りるかという点でございますが、法務省の御答弁の中にもございましたように、各庁それぞれの人員の構成、あるいは地理的な構成、そういったことで実行面は平均九千円、一万幾らとか、あるいは九千円を割るとかいったような実行をなさっておられると思うわけでありまして、ただ、それはそれとして、平均九千円で足りるかどうかという点につきましては、われわれも、これで十分であるとは自信を持って申し上げられないと思います。しかしまた、どうしても九千円以上でなければならないということも、もう少し資料がほしいということを、実は法務省にも申し上げてあったわけであります。どこの点が最も妥当な渡切費の平均の額であるかということは、実はことしの予算におきましても、いろいろ法務省と議論いたしたわけでございますが、残念ながらいい結論を得ませんで、前年通りに据え置かれたわけでございますが、決してこれで十分とは、先ほど申しましたように、思っていないわけであります。今後十分その点は研究いたしたいと思います。
#61
○小川(豊)委員 お聞きの通り、大蔵省でもこれでは足らないだろう、こう言っているのです。それで法務省の方へ、どうするかということについて適正な判定の資料をもっと出してくれということを言っている。ところが、三年間も人事院の勧告が無視されて、一千七百カ所にも及ぶ出張所に苦労をかけていながら、法務省の首脳部ともあろうものが、大蔵省に資料も出さないというのは、あなたの方の怠慢じゃないですか。
#62
○瀬戸山説明員 ただいま言葉足らずでございましたが、資料が法務省から出ていないわけではございません。相当出ているのでございますが、いずれにしても、全部で千七百カ所でございますし、実は御案内の通り、あそこは公用部分と私用部分がございまして、その振り分け等もなかなかむずかしい問題がございます。所長官舎が役所の同じ建物の後についているといったようなところもございますから、どういうふうにそこを判定するかといったような、技術的なむずかしい点もあるわけでございます。法務省も、相当資料はお出しいただいております。全然ないというわけではございませんが、いろいろ議論の結果、どうもうまい結論が出なかった。と申しますると、どうも大蔵省が認めなかったという結果になろうかと存じますが、いずれにしても、この問題はことしの予算でもお話いたしたわけではありますが、十分いろいろこの夏の間に検討して、三十七年度に本格的に取り組もうというような話し合いをしたわけでございます。
#63
○小川(豊)委員 一つとどめというわけではないが、聞きたいのは、あなたの方も、大蔵省だから、無制限に要求がみんな認められないということは、私はわかります。しかし、各省々々予算のバランスというものは、とらなければいけません。そこで、これは私の生活と公の生活とが、ここで混同しているから言うのです。初めから混同させることを承知して、こういう渡し切りというものを作っているわけですね。これは私個人のあれで言ってはおかしいが、私のところのような貧乏世帯でも、月に三千円や四千円のガス代は払わなければならない。払っています。それから電灯料なんか入れたり、水道料を入れたりなんかしたら、月に九千円ぐらいかかってしまいますよ。ところが、一年に九千円ということでやれるかやれないかということは、これはわからなければならないわけです。そこで法務省はそれに対して熱意がなし、あるいは予算要求のやり方が下手ならば、あなたの方で、これでやれないということはわかっているのだから、これは指導して、こういうのは認めてやるべきなのが私は正しいのじゃないかと思う。そうでなければ、かりに二人ずついたって大へんですよ。そういう経済的な苦労をかげながら、公正にやれ、公正にやれ、事務だけは殺到してきてしまう、徹夜しながらやっていても、ここには今度日直も宿直も打ち切ってしまっているでしょう。日直、宿直は打ち切って、そして仕事だけはどんどこどんどこふやして、そして渡し切りというので年に九千円、これでまかなえ、それでりっぱな仕事をやれ、公正な仕事をやれ、不正は犯すなといったって、人間です、それはそうならざるを得なくなる。そういう条件を作らないのが、責任でなければならない。それでそういう条件を整えておいて、それでもなおかついけない者に対しては、これは厳罰をもって臨むのもいいけれども、そういうふうにどうしてもやりようのないような条件を作っておきながら、事件が起こってから、申しわけないとか、これから十分に注意しますとか、そんなことだから、どんどこどんどこ発生していくことになる。これは法務当局には大へん失礼な言い方だが、私、こういうことをやっておると、学校を出た学生が就職の相談に来ます。来るけれども、私は、いまだかつて法務省へ入りたいという生徒にぶつかったことがない。農林省や建設省や、そっちへ行きたいという人はずいぶん来ますけれども、法務省へ行きたいという人に一人もぶつかったことがないところを見ると、法務省というところは、いかに人を遇するのに冷たいかということが、これでもわかる。となってくると、やはり法務省というところには、人材を集めなければならない、有能な人を集めなければならないわけですが、集めたくても希望者のないような状態にしておいて、そうして士気を鼓舞しろ、士気を鼓舞しろといってむちを持ってしりっぺたたたいても、よくなるはずはない。やはりここへ行って一生懸命にやったならば、という希望を持てるような形を作らなかったならば、これはとてもだめだ。だから、私が最後に申し上げるのは、どうかきょうのこの論議を無にしないように、私は大蔵省当局にもお願いする、あなたの方にも、これはもっと熱意を持って予算の獲得をすべきである、そうして法務省をもっとすっきりした形でりっぱな仕事ができる役所にしてもらいたい、これを申し上げて、私の質問を終わります。
#64
○古川政府委員 渡し切りの問題につきましては、先ほど来御議論のありましたように、根本的にこういう制度がどうかという問題もありまするが、しかし、こういうような小さい役所のことでありまするから、やはり渡し切りというのもやむを得ないことになるかもしれませんが、しかし、具体的に非常に経費が少ない、こういうようなことは、われわれも感じておるわけでございまして、来年度はさらに具体的に準備を整えまして、不足分は大蔵省に向かって十分要求いたしまして、きょうの御質問の御趣旨にこたえると同時に、また広く一般法務省の予算につきましても、まだまだ十分でない点がありまするから、そういう点は、さらにきょうの委員会の皆様方の御意見を体しまして努力するつもりでおりますから、御了承賜わりたいと思います。
#65
○小川(豊)委員 非常にけっこうですが、そこで私は、おそらくことしは解散ないでしょうから、来年もまたあなた方と一緒にお目にかかるだろうと思う。次官の今の御説明を、私もよく肝の中に入れて、あなたがどういうふうにここ一年間努力して、予算を獲得したかどうか、お目にかかります。
#66
○三和委員長代理 西村力弥君。
#67
○西村(力)委員 私は、国民として、選挙違反裁判が遅延する問題に対しては、苦々しくずっと思ってきた。その問題に対しては、法務省当局、裁判所当局も、スピード・アップされるという意向は示されておるようですが、ここ二、三年のところ、実際スピード・アップはどういう程度に進んでおるか、これはどうなっていますか。
#68
○古川政府委員 刑事局の関係がおりませんので申しわけありませんけれども、特に今度の裁判だけおそくというわけじゃございません。事件が非常に輻湊いたしておりますので、おくれておるような状態でございまして、御趣旨の点は、省内でも関係者によく通じまして、御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
#69
○西村(力)委員 法務省というか、法務大臣というか、そういう選挙違反の裁判はスピードを上げようという方針はきまっておるのじゃないですか。
#70
○古川政府委員 選挙違反は、御承知の通り早くやれということは、ことしだけじゃなく、ここ数年来その建前でやってきておるわけでございまして、今お話の通りに、ほかの裁判よりおくらすということはもちろんありませんし、特に選挙違反の問題は、なるべく早く解決する、こういう方針できておることは、その通りでございます。
#71
○西村(力)委員 その通りであるならば、それを実現するために、財的に、人的に、どういう努力をされてきておるか。こういう積み上げがどうなっているのか。
#72
○古川政府委員 与えられた予算と与えられた人員によりまして、できるだけのことを今までやっておるつもりでありますが、しかし、今後さらに一そう積極的に努力するように、関係者によく伝えるようにいたしますから、御了承を賜わりたいと思います。
#73
○西村(力)委員 具体的に話が何もないのでありましたのでは、せっかくスピード・アップしようという場合にしても、これは全体の中に埋没してしまって、そうはなかなかできぬかと思うのです。だから、そういう方針を立てたならば、それの人的、物的な裏づけというものは、やはり積み上げられていかなければならぬと思うが、それが何もないということであれば、それはお題目だけだと思います。そのことを言うのは、何も選挙違反というものが、われわれ野党の立場からいうて非難するというわけではなく、国民の側が、この裁判が遅延して、そうして終審したらもう任期が切れてしまったというような事例がたくさんあるので、こんなばかなことがあるかという、こういう国民のまじめな気持が強くあるから、これはやはり政治に対する信頼とか、司法当局に対する信頼とかいうものを国民につなぐということから、もう少しスピード・アップするならすると、それは人的に物的にこういう工合にやるのだ、やっているのだということが裏づけされなければならない。それがただ単なるお題目で、訓示的な意向だけしか示されないということでは、困ったことだと思います。
 それから出入国管理の問題ですが、米軍基地からの出入国の管理は、どうやっておりますか。
#74
○古川政府委員 きょうは入国管理局長、関係者が見えておりませんので、その点は、調べまして後ほど御連結いたします。
#75
○西村(力)委員 これは出入国管理を相当厳重にやっても、あそこのところの抜け穴というのは、やはりこれはどうにもならぬということになっているんですが、何とかしなければしようがないじゃないかと私たちは思う。せっかく国内のいろいろな犯罪防止のために、国際的な犯罪を犯した、そういう者を国外に追いやっても、またそこから入ってくるということになる。そういうことになれば、どうにもならぬということになるだろうと思うのです。ですから、ああいうことは、これは日米関係において越えられない一線ということはあるだろうけれども、法務省の一つの大事な仕事をやるために、もっと厳格な方式をとっていかなければならないと思う。こういうことは、決算ではちょっとなんですが、そのために何か方法を立ててもらわなければならないと思うのです。
 その次は、少年院関係の脱走というのがときどき新聞に出て参りますが、あの原因の究明はどうなっているか。ただ、あの少年たちは非行少年だから、幾らやってもだめなんだ、こういうように非行少年だときめつけられて、その原因の探求ということを片づけてしまうということになると、これは問題であると私は思う。それで具体的に聞きたいことは、ああいう少年院の一人当たりの費用というものはどのくらいで、食費はどう見ておるか。娯楽施設はどうするか。あるいは職業指導の面はどうしておるか。そういう費用はどう見ておるか。これはどこの場合でもそういう公共施設――乳児院でも何でもそうですが、食費なんか非常に足らない。足らないし、それから今度は、食事を作るためのいろいろな物価の値上がりに付随して、ますますだめになっているのですが、ああいう少年院あたりの食事なんかは、これは普通のレベルよりも高くしなければならぬ。高くするくらいのことにして、そしてやはりああいうかわいそうな少年というものを補導していくという方法をとらなければならぬと私は思っておりますが、そういうところはどうなっておるか。それもおそらく関係者は来ていないからわからないということになるのではなかろうかと思っておるのですが、そういう食費は、他の類似の収容施設なんかと比較して、どうなっておるかというようなことについて伺いたい。
#76
○古川政府委員 まことに申しわけないのですが、矯正局関係も来ておりませんので、あとで書類で資料を提出いたします。
#77
○西村(力)委員 次に、これは私は実地検証である場所にジープで行った場合に、裁判長が汽車で参ります。帰りはまた汽車で行く、パスで行くということを言っておる。これは山形の裁判所で、そこのあれは刑事部長ですか、裁判官のうちでは一番上、裁判所長の次みたいな人ですが、そういう人が、自動車を持っていないのですよ。それでは私一緒に参りましょうという工合にして乗せてあげたけれども、あまり好ましくない顔をしていらっしゃる。私はその事件の当事者ではなかったのですが、それでもそういう顔をしていらっしゃる。ところが中央の東京なんかに参りますと、自動車を乗り回している役人さんがたくさんいらっしゃる。こういうところは、やはり必要によって置くということになるのでしょうが、一体要求しておるのかいないのかということですね。私が思うのに、もう少しやはり裁判官、憲法によって国民の名において裁判をする人は、てくてくと汽車とバスで行くようなことで――他のところは、警察だろうが検事局だろうが、みんな自動車で行く。僕は、そういうところはつり合いがとれないような気がする。こういう点は、裁判所のあれでも、法務大臣としては、あるいは一つの予算面なんかにおいてはやっておるのではないかと思うが、全然別だとすれば、またそれは別なら別でいい。――それではこの点については、法務当局としては、一般論としてそういうことを是正するようなあり方というものを、一連の司法当局の関係当事者として考えてしかるべきじゃないか、こういうことを申し上げまして、先ほどの書類提出のお約束は、ぜひ一つ早目にお願いいたします。
#78
○三和委員長代理 なるべく早目に出すように要請いたします。
 本日はこの程度にとどめます。明日は、外務省所管について審査を行なうこととし、これにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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