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1960/06/07 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第44号
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1960/06/07 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 決算委員会 第44号

#1
第038回国会 決算委員会 第44号
昭和三十六年六月七日(水曜日)
   午前十一時十九分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 高橋 英吉君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 小川 豊明君
      宇田 國榮君    大上  司君
      久保田藤麿君    薩摩 雄次君
      正示啓次郎君    鈴木 正吾君
      山田 長司君    山中日露史君
      横路 節雄君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (北海道開発
        庁総務管理官) 木村 三男君
        大蔵事務官
        (管財局長)  山下 武利君
        厚生事務官
        (社会局長)  太宰 博邦君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (管財局総務課
        長)      向井 正文君
        大蔵事務官
        (管財局国有財
        産第二課長)  細川 俊三君
        厚生事務官
        (社会局庶務課
        長)      實本 博次君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
六月七日
 委員久保三郎君辞任につき、その補欠として山
 中日露史君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山中日露史君及び横路節雄君辞任につき、
 その補欠として久保三郎君及び山中吾郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国有財産の増減及び現況に関する件
     ――――◇―――――
#2
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 国有財産の増減及び現況に関する件について、調査を進めます。
 この際、厚生省社会局長より九段会館の問題について発言を求められておりますので、これを許します。太宰社会局長。
#3
○太宰政府委員 先般御要望のありました資料につきまして、お手元に差し上げてございますので、それでお読みいただきたいと思います。なお足らぬ点がございますれば、御質問にお答え申し上げます。
#4
○荒舩委員長 質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。横路節雄君。
#5
○横路委員 ただいま厚生省の方から「九段会館職員の不正事件の概要」というのをここに出されてございますが、これについて、私の方から一々だめ押しするより、大へん恐縮ですが、一つこれをお読みいただいて、速記録にきちっととどめるようにしていただきたいと思うのです。委員長、いかがでしょうか。
#6
○荒舩委員長 けっこうでしょう。ただいま横路君の発言の通り、これを読み上げて下さい。實本説明員。
#7
○實本説明員 朗読いたします。
   九段会館職員の不正事件の概要
             厚生省
           三六、六、六
1 元経理課長の事件
 イ 概況
   昭和三十三年四月から昭和三十四年二月までの約一年間に亘り、売上金、結婚式場の予約金、及び銀行預金等を着服し、私用に流用していた。
 ロ 金額
      三、五四九、二八〇円
 ハ 処理
   右金額は本人及び関係者から全額回収済みである。なお、本人は昭和三十四年七月二日発見と同時に解雇した。
2 元経理課員の事件
 イ 概況
   昭和三十四年十二月から昭和三十五年七月までの八カ月間に亘り、写真焼増料の前受金を着服し遊興費に費消していた。
 ロ 金額
        六一〇、六六〇円
 ハ 処理
   右全額は本人及び関係者から全額回収済みである。なお本人は昭和三十五年八月十七日発見と同時に解雇した。
3 元総務課長の事件
 イ 概況
   昭和三十三年十一月から昭和三十五年九月までの間に会館委託の衣裳業者から所謂リベートを徴していたものであるがその額は確定していない。
 ロ 処理
   九段会館の経理とは直接関係がなく本人と業者との関係のものであるが、職務上の地位を利用したものであるので本年二月四日解雇した。
4 遊興飲食税特別徴収交付金について
 イ 概況
   遊興飲食税の特別徴収交付金については調査したところ次のとおりであり、これを帳簿外現金として処理されて来た。
    昭和三十二年度分
         一八、五〇六円
    昭和三十三年度分
         七九、〇〇二円
    昭和三十四年度分
         九八、五一九円
    昭和三十五年度分
         五八、七一三円
    計   二五四、七四〇円
 ロ 処理
    手持現金 九〇、八九九円
    昭和三十五年度決算雑収入に会館経理に受入れた。
5 元営業課員の事件
 イ 概況
   昭和三十五年七月二十六日営業部結婚式場主任の地位を利用して、写真業者から現金五〇万円を借用の名目で受領し、本人兄の事業に投資していた。
 ロ 処理
   九段会館の経理とは直接関係がなく本人と業者との問題であるが本年二月四日解雇した。
(後記)
  なお上記の不祥事件に関連して次のとおり責任者をそれぞれ処置した。
     事務局長
        三月二十二日退職
     経理部長
          二月四日退職
     経理課長
          二月四日退職
 以上でございす。
#8
○横路委員 実はこの不正事件の概要とあわせて、この間私の方からお願いしてありました九段会館の特別会計の昭和三十五年度の決算報告書、それから三十六年度の予算案、それから同じく日本遺族会の三十五年度の一般会計の歳入歳出決算、それから同じく日本遺族会の遺族青少年育成特別会計の昭和三十五年度の歳入歳出の決算に関する件と、三十六年度の予算に関する件を出していただいたわけです。
 そこでそのことについて、ちょっとこれらとの関係で一つお尋ねをしたいと思うのですが、この間、大蔵省の管財局長からお話がございましたように、ここに関東財務局の契約の写しがございますが、この間、普通の賃貸料を取るとすれば、年間約四千五百万近くですね。しかも、これは三十四年度の評価に見積もって、今のお話によると、建物等は百分の七、土地等は百分の四ということなんですが、大体四千五百万、本年度あたりであれば五千万近くのものになるだろう、こう思うのです。ところが、九段会館の特別会計で上がった収益というものが、一体どこへ使われているのか。私は、これらのうちで、日本遺族会の青少年育成特別会計にこれを繰り入れていくという仕事は、おそらく九段会館の運営上、非常に大きな一つの事業だと思うのです。これは宿泊その他について、安い料金で宿泊するということもございますが、ところが、日本遺族会の遺族青少年育成特別会計の三十五年度の決算を見ると、八百五十五万入っているわけです。九段会館特別会計からの繰入金が八百万円、そのほかに九段会館の特別会計から指定寄付金外の寄付金として五十五万円、計八百五十五万円が三十五年度に入っていると思うのです。そうすると、三十六年度、非常に全体の収入が上がってきているのにかかわらず、この三十六年度の予算を見ると、どういうようになっているかというと、九段会館からの、いわゆる遺族青少年育成特別会計へ繰り入れるものは、二百七十七万しか入れてない。三十五年度は、決算で八百五十五万入れている。ところが、三十六年度の予算では、二百七十七万しか入れる予算になってない。そうして九段会館特別会計の純利益というところは、前年度三百五十万くらいのものを、三十六年度は一千百万も見ている。こういうやり方は、この九段会館を運営さして、そうしてそれから上がる収益によって、遺族の人々に対して、教育上、生活上、いろんな面で社会福祉全般で役立つようにということが、こういうような逆な現象になっている。これは私どもこの会計を見て、全くおかしいと思う。これでは、九段会館自体が、ただ一般の収益を上げていって、せっかく本来の趣旨である――ここに、私の手元にある、局長もお持ちだと思うけれども、財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律の第二条の趣旨からいっても、おかしいと思う。これは、去年八百五十五万も遺族の青少年の育成資金の特別会計に繰り入れることができたのに、ことしは去年よりも約二割以上の収入を見込んでいるのに、この特別会計にはどうして二百七十七万しか入れないという予算の立て方をしているのか。そうして一般の利益というものを、三百五十何万から千百万へはね上げて見ている。これは、私は本末転倒だと思う。九段会館というのは、日本遺族会の一般会計や、取りわけ特別会計に繰り入れて、それぞれの福祉事業をしていくのが筋であるのに、九段会館の方の特別会計の純利益をたくさん見込んでいくということは、私は、全く本末転倒だと思う。この点、局長どう思いますか。
#9
○太宰政府委員 お話の通り、この九段会館無償貸付の制度の趣旨からいたしましても、また事柄の本質からいたしましても、九段会館でもし利益が上がりましたならば、その利益は、まず遺族会の本来の事業、遺児の育英とか、あるいは遺族会のその他の福祉事業のためにこれを振り向けるように考えるべきである、私どもも、全くそうだと思います。また、その通り遺族会の方でも努力して参っておると思うのであります。ただ、会館といたしましても、会館を一つの企業として運営していきますからには、若干の不時の事故に備えるための留保というものはあってしかるべきだと存じますが、やはり利益が出ました場合には、少なくともその大半は、今お話のような趣旨に振り向けるのが当然だと、私も思っているわけです。御指摘の三十六年度の予算面には、確かに九段会館の寄付金として二百七十七万円を、遺族会の遺児育英資金の方に指定審付するようになっております。しかし、これはそれだけではございませんで、そのほかにも、指定寄付でない、その他の一般の経費の点からもそちらの方に寄付する。これは遺族会の方の「一般経費及び研修会等の部」というところにも載ってございますが、少なくとも前の三十五年度におきましても、当初予定しておりましたのは、六百万を下らざる額を入れたい――そういう従来の考え方、六百万を下らざる額を入れたいという気持は、今日でも持っておるようでありまして、決算の工合によっては、それが昨年のように八百万になることも可能であります。また、もし利益の上がりが少なければ、去年のようなわけにいかぬこともあるかもしれませんが、まあ六百万円を下らざる額は遺族会のそういう趣旨の方に入れたい、こういう気持でやっておることであります。私どもも、そういう点については、今後とも十分指導して参りたいと思いますが、決して従来やっておりましたものをないがしろにして、二百七十七万とか、あるいは少ない額でもって、そちらの方に入れるものを減らすという考えは、九段会館の当局でも持っていないようであります。
#10
○横路委員 社会局長、それは監督の立場にあるあなたの御答弁としては、受け取れない。あなただって、国の予算について、予算の原案を作成して、大蔵省と折衝して最後にきめるじゃありませんか。やはり予算の立て方、きめ方ということが問題なんですよ。今あなたはそういうふうにおっしゃるけれども、去年は八百五十五万入ったのですよ。去年も予算は八百万として、決算で八百万入っている。去年の決算報告書にきちっと出ている。ことしは九段会館の特別会計の利益の方から、遺族の青少年の育英資金の方に二百七十七万円しか入らない。あと五百五十四万入る見込みは、その後の説明書きの中に書いてある。一般法人、個人から指定寄付金として寄付してもらう額五百五十四万円を計上した。前年度は、三百万円のうち、二百二十万円を指定寄付として予定をした。こういうわけで、あなたの方の決算の報告書の寄付金の明細書には、指定寄付金として各会社その他があって、これはことしももらう予定だ、こうなっている。今のあなたの説明だと、二百七十七万しか組んでないけれども、去年もたしか六百万ということで八百五十五万あるのだから、ことしも利益が出たら、それに近い金額、こういうふうなお話のようだが、予算を立てるときに八百万と組むか、一千万と組むか、二百七十七万と組むかで、違いますよ。そしてこれは去年は三億九百万円、ことしは三億二千百八十万円というように、ことしは売り上げが伸びるようになっておる。もちろん伸びます。なるほど、あそこは宿泊設備について、他の旅館よりも安く利用させるということについては、わかりますよ。けれども、これだけの収益のあったものについて、一番大事な遺族の青少年の育英資金というものに対して、なぜ初めから予算でそう組まないか。この予算を立てるときには、社会局は全然相談も何も受けないわけですか。ただ決算について不正があったかどうかということについて調べるだけで、予算の立て方について、これはおかしいじゃないか、ここのところはこういうふうにしなさい、こういう指導はなさらないのですか。これはどうなっているのです。
#11
○太宰政府委員 今、遺族会の三十六年度の予算の奨学金の部というところの歳入で、三十八ページですか、九段会館からの指定寄付金収入二百七十七万、これを御指摘でありますが、先ほど私申し上げましたように、それより四枚ほどあとの四十六ページに、一般経費及び研修会等の部に、九段会館特別会計からの寄贈金、それは指定寄付金でない分としてあるわけですが、これを合わせまして六百万という額を、同遺族会ではすでに予算面として予定しておるわけであります。従いまして、ただ二百七十七万だけあげて、あとはそのときの次第という気持でないことは、一つ御了承いただきたいと思うのであります。指定寄付としては二百七十七万であります。その他の面は、いろいろ利益の方から、税務当局の査定を受けたりしましてきまるわけであります。しかし、その中からも何ほどかを出して、少なくとも従来の六百万の額は確保したいというのが、ここの予算書に出ておるものと御了承いただきたい。
#12
○横路委員 それは経費が違うじゃありませんか。前の方は、遺族の青少年に対する育英資金なんですね。あとの方は、一般経費及び研修会ですよ。性質が違うじゃありませんか。やはり今日遺族の人々の大きな問題は、自分の子供が高等学校に入りたい。しかし、国の方の育英資金のワクは少なくて、できればこういうところで上がった収益でまかなうようにしたい。そうじゃありませんか。だから、ここにある指定外の寄付として五百五十四万というものが予定されるならば、当然ここに前年度から引き続いて六百万なら六百万をあげて、前の年に八百万であれば・ことしは一千万とか、一千百万、一千二百万ということで、伸ばしていくことが必要じゃないか。去年の、三十五年度の決算を見ますと、たとえばここに北海道がありますが、このうちで北海道に育英資金が年間どれだけいっておるかというと年間六万八千八百円、そうしますと、高等学校の生徒に月三千円やるとすれば、まあ貸与するのですかどうですか、そうすると、三人で六千円で年間七万二千円になる。こういう点、青少年育英資金の特別会計に九段会館で上がった収益を入れていく、そうして高等学校へ行く生徒をどんどんふやしていくということが、私は、当然やらなければならぬことだと思う。今局長の方から指摘されました一般経費及び研修会の経費と、育英資金のとは、やはり違いますよ。
 それからここに上がっています三十六年度予算の見積損益計算書の中にあるこの見積もり純利益一千百万円というのは、大体どういうところに使う予定になっているのですか。
#13
○太宰政府委員 ちょっと誤解があるようにも感じますので、先ほどのを付加して申しますと、遺児の育英資金のほかに、先ほど研修会などと申しましたのは、やはり育英資金を受けない方がおるわけです。その人たちに対しましても、講習会、研修会というようなものをやりまして、励ましてあげ、また遺族としてのりっぱな更生をしていただくという趣旨でやっておられるということでありますので、私は、これはこれで悪いことはないと思っておるのでありまして、この辺のことは、意見は意見として承っておきます。また、育英の方もふやしていきたいということについては、私も同感でございますので、その点は努力するように指導して参りたいと思います。そういうことで、片方の方もやはり同じ趣旨のものであるということを一つ申し上げておきたいと思います。
 それから三十六年の見積もり純利益千巨万というのは、これは利益がどれだけ出るかということもありますけれども、出ますならば、これはやはり冒頭にお話しのように、一部の不時の事故等に対する準備の資金をリザーブする、あるいはほかにできるだけ遺族会の本来の仕事の方へそれを振り向けていく、こういうことは当然であろうと思います。従いまして、ここの千百万の中には、先ほど申しました二百七十万のほかに、三百三十万ほど、合わせて六百万円はぜひ確保したいというものも含んでおりますし、それからその他の不時の事故などに対する若干の積立金、そういうようなものも当然含まれておると思います。しかしながら、そういうものに備えた以外のものは、できるだけ遺族会の本来の仕事に振り向ける、こういう趣旨であろうと思います。
#14
○横路委員 高等学校に行かない者というのですか、そういう遺児に対する研修といいますか、いろいろな費用に使う、こういう点はわかりますが、しかし、もう一つの大きなねらいは、やはり遺族の青少年に対する育英というものが、大事じゃないでしょうか。せめて高等学校だけは、一つ終えるようにさしてやりたい。だから、上がってくる収益というものは、監督官庁である厚生省の社会局としては、できるだけ育英資金のところにたくさん入るように――先ほどちょっと私が指摘しましたように、たとえば北海道であるならば、月二千円にして、年三人くらいしかやれない。そうではなしに、私は、こういう問題は、できるだけこの袋に入れるべきだと思う。たとえば、あの会館の什器設備、ピアノを買ったとか、映写機を買ったとかいうので、八千七百五十万か各都道府県の遺族会から借りた。それを去年は年七分で利子を返した。ことしは年九分で返した。そういうことも大事でしょう。もともとそれは借り入れかもしれないけれども、やはり一応は寄付として出ているわけです。去年は七分、ことしは九分で七百九十万から八百万のものを返すよりは、上がった収益については、遺族の青少年の育英資金の特別会計の中に入れていく、そういう指導をすることが、私は、監督官庁である社会局長としてのあなたの任務だと思うけれども、いや、それは私は意見が違うのだ、こういうことで、何かあなたが九段会館の経営者の弁護をされるという気持はわからないわけではないけれども、去年年七分のものを、ことしは九分で返すでしょう。そんなことよりは、その年九分で返すべきものを特別会計の中に入れて、三人の者が五人、やがて十人、二十人とふやして、せめて高等学校だけは、一般の育英資金の足りないところをこの特別会計の育英資金でやっていくという方向の方が、大事じゃないでしょうか。その点は、監督官庁の立場にある社会局長としては、意見が違うばかりじゃなしに、ちょっと考え方が筋が通らぬと思うのですが、どうですか。去年七分のものがことし九分になっているでしょう。来年は今度一割返す、その次は一割二分利子を返す。それは会館の運営がよくなってきたから、都道府県に借りているものは、去年は七分で返し、ことしは九分で返すというよりは、私は、そういうプールした特別会計に入れるように指導される方が大事だと思う。これは私の意見です。社会局長が、私の意見は違うというならばやむを得ないが、しかし、あなたは当然そうすべきだと思う。
 その次は、あなたの方から出していただいた九段会館の三十六年度の予算案です。この間、ここで社会局長がお話しの点は、ちょっと思い違っていた点があるのじゃないか。
  〔委員長退席、丹羽(喬)委員長代理着席〕
それは、三十六年度予算案の五ページのところに、衣装室、美容室、写真室、こうなって、そこに労務費が一円も上がっていないでしょう。これは直営ではないですね。直営ならば、当然ここに従業員が何人かいるはずだが、労務費が一円も上がっていないのだから、これは完全に、いわゆる外部から業者を入れた委託経営ですね。その点は、局長、あなたの答弁がちょっと間違っていたというか、実態に沿っていなかったということは、お考えいただけると思のですが、どうでしょうか。
#15
○太宰政府委員 大体九段会館の運営を始める際に、今の特殊な部門、これについて直営でやるか委託でやるかということは、議論をしたようであります。何か話を聞いてみますと、かように割にこまごましたものでめんどうくさいというものは、普通の場合は請負とか委託する場合があるのだそうでございますが、ただ、この九段会館自号は、国から無償で借りているということでありまして、将来国にお返ししなければならぬということもあり得る。その場合に、業者に委託とかいうようなことをしておりますと、そこに何ほどかの権利金みたいなものがついて、国に返すときに、それがスムーズにいけないということがあってはいかぬというようなこと、それに加えまして、運営の管理の面からいたしまして、これは委託じゃなしに、直営でやっていこうということになった。直営になりましても、事柄の性質からいたしまして、九段会館自身が、たとえば衣装室でいいますと、うんと着物を買い込んできてみずからやるというような、百パーセント文字通りの直営でやるということでは、これまた決して得策ではないというようなことで、いろいろ苦労したようであります。さような点から、そこの責任者を九段会館の職員にしまして、そして九段会館の統制に服するというようなことで、いろいろな経費は、一たん九段会館の会計に必ず入れる。従いまして、当然外部に対しては、経営の責任も、それからその他の点についても、九段会館として全部これを行なう、こういうふうにきめたようであります。従いまして、私どもがこれをどういうふうに考えるかということでありますが、やはりそういう点からいたしまして、これは直営といってもよかろうというふうに実は考えておるわけであります。昨年のいつごろでありましたか、何か中で話が出まして、わずかの給料をやるというほどのこともあるまいということで、それは取りやめになった。しかし、ということでありまするから、その点は少し弱くなっていると思うのでありますが、やはりそこの職員として従来通りの態勢でいくということでありまするならば、私は、これは直営というふうに考えてもいいのじゃないかと、今日は考えております。
#16
○横路委員 そうすると、今社会局長のお話で一つ問題が出るのです。どういう問題が出るかというと、この前私がお話ししましたように、衣装については、売り上げの三八%が九段会館に入るわけです。それから美容、写真等については、売り上げの四〇%が入るわけですね。これはこの経理からいってもそうです。そこで、私ちょっとふに落ちないのは、今の局長の御答弁で、これが九段会館の直営なんだ。直営だということになると、どういうことになるかというと、ここに入っている衣装屋さん、ここに入っている写真屋さんは、実際にはこれだけの売り上げがあっても、自分の方の店には売り上げになっていないのです。そういうことになる。そうすると、ほんとうは、きょうここへ大蔵省の主税局長、自治省の府県税課の方を呼んで、ここで並べておいて聞くと一番よかったのですが――局長、私の話を聞いて下さいよ。直営だということになると、ここに入っている業者は、自分の店の収入に一つも上がっていないわけです。そうすると、これは税金は全然かからないわけです。だから、ここで問題が起きる。表面から見れば、売り上げの三八%や四〇%を九段会館に割り戻しをしておることが、業者としてはずいぶんな割り戻しのように思うけれども、実際には、業者としては自分のお店の方の収入には一つも入っていないのだから、税金は一つもかかっていない。そこで、あなたの方で出した不正事項の中に、二、三例がある。たとえば、一番最後の「元営業課員の事件」というので、「昭和三十五年七月二十六日営業部結婚式場主任の地位を利用して、写真業者から現金五〇万円を借用の名目で受領し、本人兄の事業に投資していた。」とか、あるいは三番目の元総務課長の事件で、「昭和三十三年十一月から昭和三十五年九月までの間に会館委託の衣裳業者から所謂リベートを徴していたものであるがその額は確定していない。」しかし、これは計算すればわかるわけですよ。総体の貸衣装のところの売り上げからいけば、大体七%、三十三年から三十五年ということになれば、百二、三十万から百五十万くらいは受け取っていたのじゃないでしょうかね。こういうことは、どこから問題が起きるかというと、今あなたからお話のように、形式的には直営ということで、その店の収入になってない。税金は一つもかかってない。だから、そういう点からいけば、あるいは九段会館は四〇%、極端にいえばもっと、五〇%ももらってもいいのかもしれない。そこに幅があるものだから――毎年十月でしょう、この業者について新たに認可をするのは。認可といいますか、契約をするのは。そういうときに、つい向こうの方でも、自分の店の収入に上がっていない、税金はただだということになれば、四〇%から五〇%くらい納めてもいいのだけれども、その間について幾分か手心を加えてもらいたいという意味が、こういうところに発展しているのじゃないかと私は思うのです。局長、どうですか。これは形式的には会館の直営だ。それであれば、あなたの方でもう少し会館の経理部長ですか、事務長ですか――そういうことで、事案上そちらの店へ上がっていないから、脱税であるかどうかはわかりませんが、全然税金がかかっていない。そうであれば、あるいは四五%とっても、五〇%とってもよいのかもしれない。こういう点については、厚生省としても十分監督の立場というものを強化されて――さっきあなたは私と意見の食い違いだと言っているけれども、これだけ膨大な経営をしていて、遺族の青少年の育英資金に今年三百七十七万くらいしか入らぬということでなしに――私はそう思うのですが、その点の実情を局長は御存じで答弁されているのか。そういうこまかい点についてはあまりよく知らない、これは向こうで直営直営と言うから、そう言ったまでなのか、そういう点はどうなんですか。もう少し監督の立場を強めておやりになるべきだと思う。
#17
○太宰政府委員 その業者が九段会館の方でもって自分が作業賃としてもらったもの、それを持って帰って自分の方の営業の帳簿に載せているかどうか、それからそれを税務署の方に申告しているかどうか、税務署がそれを見ているかどうかということは、実は私は存じておりません。しかしながら、もしそれが正当なる収入であったならば、それは国民ひとしく税を納めるという立場から、納めていただかなければならぬ問題でありまして、それを納めないでこちらの方への納入率を高めるということは、もちろんすべきでないと思います。しかし、これは私どもの関係と申しますよりは、やはり大蔵省の税当局の方で明らかにしていただいて、とるべきものとなったならばとっていただくということは、当然だと私は思っております。その点について、業者を弁護する気持はちっともないわけであります。従いまして、そういうような点について、私どもできるだけ九段会館の当局に注意しまして、業者にもそれを自分の方の帳簿に載せないでよいという正当な理由はないということは、はっきりさしておく必要があろうかと考えます。
#18
○横路委員 社会局長、私がそういうふうに言ったから答弁しているのですが、これが会館の直営ということになれば、上がらないのです。これが会館の直営ということになれば、たとえば貸衣装の何のなにがしの外注費九百五十一万というのは、上がらないのです。だから、私はその点どうなっているかと聞いた。あなたは、会館が直営だ、直営だと言うから、直営だということになれば、四〇%というのが四五%も五〇%もいくのですよという話をしている。こういう点がはっきりしていないのです。形式的には会館の直営だということになって、その店の収入には上がっていない。会館の直営という形式で上がっていないということになれば、九段会館の収益というものはもっと上がってよい。利率もわずかなものだから、こういう不正行為が出てくるではないか、こう思うのです。
#19
○太宰政府委員 ちょっとお答え申しますが、直覚でやりますけれども、やはり業者に作業を委嘱しまして、手伝いを雇ってきたり、材料を持ち込んできたりして、やらせるわけであります。そういう方面の経費を、その業者にはただいまお話しのように外注費として払っておるわけであります。従って、その外注費として払ったものは業者の収入でありますから、これを私は申し上げておるわけであります。これを業者が勘定に乗せないとかなんとかいうことがあれば、それはよくないことであろう、こういうことを申し上げたわけであります。当然そういうものは税のかかるべきものではないかと、常識的に私ども考えております。
#20
○横路委員 それで、先ほどの、一番最初局長の方からお出しいただきました「九段会館職員の不正事件の概要」というので、少しお尋ねをしたいのです。
 第一点は、元経理課長の事件というので、三百五十四万九千二百八十円を着服し、私用に流用していた、こういうわけなんですね。この点については、関係者から全部回収済みで、三十四年の七月二日発見と同時に解雇した、こういうのですが、局長、この一連の不正事件というのは、去年ここで、きょうは見にませんが、山田長司委員が質問しているときには、こういう問題は出ていない。こういう一連の事件というのは、この出された事件概要の末尾に後記として、「なお上記の不祥事件に関連して次のとおり責任者をそれぞれ処置した。」前の事務局長は三月二十二日退職せしめた、総理部長は二月四日退職せしめた、経理課長は二月四日退職せしめたとある。これはあなたの方で毎年監査をやっているでしょう。だから、去年の監査のときにはこれが出てこないで、ことしこういう退職問題とからんで出てきたのは、どういうわけか。まず、一つずつお尋ねする前に、監督官庁の立場であるあなたの方で、こういう全般の事件の内容がわかったのはいつなんですか、どういう監査の結果わかったんですか、その点について一つお知らせいただきたいと思います。
#21
○太宰政府委員 私どもが承知しましたのは、ことしの二月か三月ごろであったかと思います。ちょっと耳にしたことがありまして、これはいかぬから、一度調べなければいけないのじゃないか。それで向こうの当局者を呼びまして、向こうも、実は申しわけないが、どうもあるようだ。そこで、そうなれば一度これは調べなければいけないというので、二月の末に行って調査をいたしました。そのときにそれがわかった、こういうことでございます。
#22
○横路委員 そうすると、今の局長のお話で、ことしの二月の終わりから三月にかけて調査してわかったわけです。三百五十四万円使い込みの元経理課長というのは、三十三年四月から三十四年二月までの一年間にわたってやっている。当然その間に監査もなすったんでしょうが、この問題が一わからなかったわけですね。それから三十四年十二月から三十五年七月までの八カ月間にわたって、元経理課員の何とかというのが、写真の焼き増し料を六十一万も着服をしている。元総務課長については、三、十三年十一月から三十五年九月まで、会館委託の貸し衣装業者から、七%ともいわれている、金額については約百五十万ともいわれているが、これは会館とは直接関係がないと、ここにはいってある。これは三十三年十一月から三十五年九月までやった。それがことしの二月四日解雇されている。遊興飲食税の特別徴収交付金は、この前払が申し上げたように、成績良好な業者については、百分の一・五刷り戻しをする。この点については、合計金額は二十五万四千七百四十円だが、これも帳簿外現金として処理をされて、一般の経理帳簿には上がっていない。それから最後のものについても、「昭和三十五年七月二十六日営業部結婚式場主任の地位を利用して、写真業者から現金五〇万円を借用の名目で受領し、本人兄の事業に投資している。」こうなっておる。そうすると、社会局長、どうでしょう。これはことし何かの事情で、一番うしろにある経理部長二月四日退職、経理課長二月四日退職、事務局長は総体の責任をとって三月二十二日退職、こういう内部的な問題が出てきて、そこで向こうの方からきっと話があったのだろう。あるいはあなたの方で監査されたか知らぬが、とにかくこれらの事件は全部、毎年々々監査されておるのに、監督官庁の立場にある社会局としては、おわかりにならなかったものが――そうですね、社会局長、遺憾ながら。あなたは当時社会局長ではないけれども、全部あなたの方の会計監査の結果出てきたものではないわけですね。もしも、変な話ですが、国会で問題にしなければ、黙っているわけです。これは一体、これからあなたの方では毎年会計監査をなさるのでしょうが、こういう過去のやり方であれば、毎年々々会計監査をしたが、一ぺんもわからなかった。今年になって人事異動その他に関連をして、向こうの方で事情をあかしたものではないでしょうかね。こういうことであれば、一体、これから毎年、三十六年度の特別会計について、あるいは一般会計について、あなたの方で監査していくときに、監査が十分に行なわれるでしょうか。この点、済んだ事件は一応済んだ事件として、これからの監査を一体あなたの方で責任を持ってやれるかどうか。あなたの方で監査をして出たというのではない。全部もう過去の事件なんです。一体これからの九段会館の――事務局長は三月二十二日退職したとか、経理部長は二月四日退職したとか、経理課長は二月四日退職したとか、人事の発令の中には、課長が主任になったり、主任が課員になった、こういう格下げもだいぶあります。これは何もただ格下げになったのではないのではないかと思いますが、将来にわたる監査というものは、どうなさるつもりですか。
#23
○太宰政府委員 無償貸付に関する法律の第三条によりまして、厚生大臣は、監督権といたしまして、事業また会計の状況に関して報告を徴することができるわけであります。そこで、私の方で決算なりの報告をとりましたのは、三十五年度からであります。その前は、まだそれほどまでに事業が進んでいないということで、実はやっていなかったわけでありますが、今後は十分にそれは注意して参りたいと思うのであります。また、遺族会当局におきましても、これだけの無償貸付に関する法律というものを作ってまで、政府、国会でもって便宜をはかられておるのでありますから、当然自分のところでそういう世間の指弾を受けることのないように努力すべきでありまして、今までこういう点に当初ふなれな――おそらくそういうふなれな欠点というものをつかれて、こういう事故も起こったのじゃないかというふうに思われる節もあるのであります。これは当然今後こういうことが起こっては相ならぬのでありますし、おそらく遺族会当局といたしましても、そういう国なり国民の好意にこたえる点からいたしましても、経理を厳重にし、綱紀を粛正するということは、当然そうあってしかるべきではないか、かように考えるのであります。そういう遺族会全体の、首脳部以下の、今日までの災いを戒めて、国民の信頼にこたえ、国民の好意にこたえる、こういうものを私どもはまず第一に考え、それとの見合いにおきまして、私どもも十分指導もし、監督も厳粛にして参りますれば、今後こういう不始末というものは起こらないで済むようにできるのではなかろうか。また、その面に努力いたしたい、かように考えます。
#24
○横路委員 今局長の方から指摘されました財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律第三条では、いわゆる厚生大臣としての監督について規定してある。しかし、今申し上げましたように、これは何も三十五年度の決算ばかりではないのですね。これは貸したときから始まっているのです。局長、貸したときからそうなんですよ。三十五年度の決算から監査をやったというわけではないのです。三十二年貸したときから始まっている。始まっているのだけれども、今私が指摘したように、会計監査の結果は、厚生大臣としての監督権をもってやったけれども、一ペんもそういう問題は正面に出てこなかった。私は、そういう意味で、これは将来の問題としてもよほど厚生省の、とりわけ社会同でしっかりやってもらわなければならぬと思うのです。私どもからこれは言いにくいことですけれども、必ずしもやめた人ばかりではないですよ。この責任を負ってやめた経理局長、経理部長、経理課長ばかりではなしに、もっとそういう点は――あるいはこれらの人の中には、自分が流用した、あるいは着服したもの以上に、不当な金額を自分がかぶって、責任上やめた人もあるかもしれない。必ずしも私は、残った人が全部が全部関係がないとは言えないものがあると思うのです。この点は一つ、今局長からもそういうお話がございましたから――その点の監督は、なおこれだけで済むものではないわけです。それから今私が指摘をしました第三条に「貸付の目的に照らして、遺族会の予算が不適当であると認める場合において、その予算について必要な変更をなすべき旨を勧告すること。」こうなって、先ほど私が指摘をした予算案についても、やはり社会局長としては、それが正しく予算が立てられているかどうか、この法律の精神に基づいてそういう予算の立て方がされているかどうかは、あなた自身でなさなければならぬと思うのです。
 次に、これは私、局長に申し上げておきます。これは新聞に出ていたことですが、去年の十一月の衆議院選挙のときに、選挙違反に問われて逮捕状の出た者が、この会館の中にかくまわれている。あなた、新聞で御承知でしょう。東京朝日に出たことじゃないですか。しかも、当選した人の名前まで。私はここでは言いませんが。これはこういううわさになっているのです。私どもも、これはうわさと申し上げておきたいのですが、あそこはいわゆる遺族の団体が利用するために、そういう点については、一般の旅館と違って、こういうところにこういう者が隠れていはしないだろうか、隠されていはしないだろうかということは、だれも毛頭考えていないのです。ところが、去年の十一月に一つ出たように、ともすると、そういう遺族の団体が利用しているという立場に甘えて、間々選挙のつどその中に長期にわたってかくまわれている、こういうふうに言われているのです。それが去年の十一月に出てきたのですよ。私は、九段会館というものは、この法律に基づいて国が無償貸付しているという責任から、そういう点についても、一つ厳重に戒めてもらわなければ困ると思う。この点は、何も将来絶対ないとは言えないわけですから、そういうことに甘えてはならないと思うのです。こういう点はどうですか。予算の問題並びにそういう問題について。
#25
○太宰政府委員 予算の点については、先ほどの議論の点はあの程度にしていただいて、今後ともそれは一つ十分に注意いたして参りたいと思います。
 それから後段の点は、新聞でもちょっと見たような気がします。ちょっと忘れてしまいましたが。これは本来ならば、遺族のために優先的に宿泊さしてあげるのが建前でございます。しかし、それにあきがあります場合においては、やはり経営をしているからには、一般の方の利用というものも拒むわけにはいかない。そのかわり、そっちは割高にいただくということ、これはいたし方ないと思うのですが、その間に、今のお話のような者が入っておったかどうか、これはなかなかわからぬのじゃないかとも思うのでございますが、そういうことがあってはならぬと思います。普通の旅館でも、ああいう旅館でも、どこでもそういう者のためにわざわざ便宜をはからうというようなことがあっては相ならぬ。ですから、この点はよく問いただしまして、九段会館の方で何かそういうような気がついている点があるならば、これは直させるということにしたいと思います。
#26
○横路委員 あと一、二問でやめますが、社会局長、私がこの問題を取り上げたのは、一つは、あとで管財局長にお尋ねしますが、やはり国有財産の処理という点です。特にこれは無償貸付ですから、そういう点の運用を監督官庁であるあなたの方で正しくやってもらいたい。上がってきた利益については、やはり法律の目的に沿うようにしてもらいたい。ところが、予算、決算を見ると、必ずしもそうなっていないのです。この点は、私は特にあなたに、一つ将来にわたって十分強く監督をしてもらいたいと思います。重ねて、この問題はこれでもう全部なんだ、これで終わっているのです、こういうことでなしに、なお十分一つ監査を続けて、監督の立場を強めてもらいたい。
 管財局長、私、あなたから、関東財務局の国有財産無償貸付契約書の三十四年から三十九年三月三十一日まで五年間の貸付契約書について、ここでその写しをいただいたわけです。それでちょっとうしろを見たら、三十五年三月三十日に契約しているわけですね。実際には三十四年四月一日からの契約を、三十五年三月三十日というと、ちょうど一年過ぎておるわけで、これは何か特別な事情でもあったのでしょうか。昭和三十四年の四月一日からのものが三十五年三月三十日にやっと契約書ができているのは、ちょっと大蔵省らしくないですね。
#27
○山下政府委員 この間の事情につきましては、私特に調査したことはございませんので、的確なお答えはいたしかねると思いますが、何分にも財務局の仕事は今相当混んでおります関係から、いろいろこういうように仕事がおくれておることが、全般としてあるのは申しわけないことと存じます。これは想像で恐縮でございますけれども、この契約のおくれました原因の一つといたしましては、評価の問題等に相当時間がかかったということがあろうかと思います。
#28
○横路委員 これは三十九年の三月三十一日までの契約になっているのですが、この契約書の中を見ると、期限満了の二月前に、また契約をしたいといって申し出をすると、また契約ができるわけですね。そうすると、言いかえたら、これは永久に無償貸付ということになるわけなのですか。契約書からいけば、期限満了の二月前になって契約を更新したいといえばする、これはどういうことになっているのですか。初めは一年ごとの契約であったわけですね。
#29
○山下政府委員 これは遺族会に対します九段会館の無償貸付に関する法律の趣旨から申しまして、遺族会がその目的に九段会館を使われる以上は、ずっとそういうふうな契約を続行していくということが、法の精神であろうと思います。契約の技術的な問題といたしましては、ある程度期間を切って参りますけれども、必ずしもその期間が満了すれば、これを返還するということでなしに、法律が続いております限りは、自動的にそれを更改していく。ただし、更改するたびに評価等の問題がございますので、新しい評価に立って新しい契約をしていくということであろうと思います。
#30
○横路委員 この間のお話では、五年間に建物の補修その他について五%ですから、千九百万、こういうわけですか。その点どうなんですか。
#31
○山下政府委員 その通りでございます。
#32
○横路委員 こういう点の監査は、社会局の方ですか、大蔵省ですか。たとえば五年の間に千九百万の契約通りの補修をしているかどうかは、予算、決算の面からいけば社会局の担当である。しかし契約の方の側からいえば、大蔵省の関係になる。これは実際にはどういうことなんですか。
#33
○山下政府委員 五年間に五%相当額の修繕費をかけるということは、契約上の義務として相手に課しておるわけでございます。これを実際に支出したかどうかということの監査は、関東財務局の方の主管になっております。
#34
○横路委員 今の管財局長のお話では、この昭和二十八年八月十二日の法律第二百号の方針からすれば、これは言いかえたら無償貸付みたいなものだというわけですね。そうなればなるほど、厚生省の監督の立場は、より一そう大事になると思うわけです。この法律の第二条には「遺族会は、前条の規定により貸付を受けた財産を左に掲げる事業以外の事業の用に供してはならない。」そしてもしもそういうことが行われれば、使用取り消しをする場合もある。こうなっているわけですね。ですから、そういう点で、一つ社会局長は十分留意をしてやっていただきたいと思うわけです。
 最後に、ここに出ているいろいろな件、不正事件の概要の件は、全部出入り業者との関係があるわけです。毎年十月には、それぞれ契約の更新をする。そういう関係もたくさんあるわけです。もう一つ、言いづらいことですけれども、三十四年の六月の参議院選挙に、この会館において地位を占めていた人を当選させる目的をもって、それぞれの九段会館の役職員が一生懸命になったことは当然だと思う。その中に――もちろん、これは御本人の知ったことではございません。本人が関係しているとは私も申し上げませんが、その役職員の人々が熱心のあまり、出入り業者等から、もちろんいろいろと資金カンパも仰いだでございましょう。そういうものの経理をめぐって、こういう問題が起きてきたわけです。これはあなたよく御存じだと思うのです。ですから、重ねてそういうことのないように、遺族会は遺族会としての正しい会の運用ができ、遺族の人々が豊かな生活ができるように、そういうことのために、この九段会館の運用による特別会計の収益があがるようにぜひさせてもらいたいのであって、三十四年のときのいわゆる役職員――役職員というのは部長とか事務局長とか課長とか、こういう人々の中のいろいろなトラブルが、あげてこういうことになって出てきている。そういうことの再びないように、この点だけ私からお話し申し上げて、以上で私の質問を終わりたいと思います。
#35
○太宰政府委員 遺族会関係の方で、国会に出ている方もおります。従いまして、選挙のときには関係者が熱心に応援することもあると思いますが、そのことと九段会館自身の運営なり経理ががっちりいくということとは、当然別個の問題でございます。これはまさに御指摘の通り、この方面の経理なり運営が曲げられるということがあってはならないと存じますので、この点については、今後とも十分注意をしていきます。先ほど来、今後の監督等についていろいろお話がございました。私全く同感でございますので、今後とも、その点について注意して参りたいと存じます。
#36
○丹羽(喬)委員長代理 次に山中日露史君より、苫小牧における国有財産の払い下げ問題について発言を求められておりますので、これを許します。山中日露史君。
#37
○山中(日)委員 管財局長お見えになっておりますので、国有財産の売り払いに関する問題として、今委員長からお話がございました、苫小牧市における国有財産の払い下げの問題について、お尋ねしたいと思います。
 まず、この問題をお尋ねする前に、一般論として、国有財産、特に普通財産の払い下げについて、数名の者の出願があった場合において、これは原則としては競争入札ということでありましょうけれども、それが非常に不適当な場合においては随意契約もできるわけでありますが、こういうふうに随意契約で売り払いをする場合、AとBとの二人の競願があったとき、そのいずれと随意契約を締結するかという問題が出てくると思うのです。そういう場合、大蔵省としての契約当事者を選定する方針あるいは基準というものは、どういうことできめるのか。まずこれをお聞きしたいと思います。
#38
○山下政府委員 普通財産を処分いたします場合に、大蔵省としては、ただこれを適正な値段で売り払えばいいというだけではございませんで、できるだけこれを重要な産業その他の用に供したい、そして地元の発展に資するようにいたしたいということを考えておるわけでございまして、法律では、国有財産審議会というものが認められておりまして、各財務局ごとに全国に十カ所あるわけでございます。大蔵大臣は、その審議会に諮問をいたしまして、その答申に基づいてこれを処理するということになるわけでございます。ただいまお尋ねのように、競願者があるといったような場合は、これは非常に全国的に多いわけでございますが、これを審議会でもっていきなり黒白をきめるということは、実際問題として穏当でない場合が多いわけでございます。できるだけ地元の代表の方にいろいろな観点からそれを練っていただきまして、そして円満に妥決をいたしましたところでもって審議会に諮るというのが、一般の原則になっておるようでございます。
#39
○山中(日)委員 ところで具体的な苫小牧の問題になるわけですが、もうすでに御承知のように、あの苫小牧は、今工業港の築設で非常な努力を苫小牧市も払っておりますし、また北海道開発庁も力を入れて今盛んに港を作っておるわけです。ところで苫小牧市としては、将来の市の発展のために、それぞれ商業地域、あるいは工業地域、あるいは住宅地域というふうに都市計画を立てて、計画を進めておるわけです。ところで問題は、御承知の通り、あそこに苫小牧港開発株式会社という会社ができまして、そしてこの会社が苫小牧市内にある国有地の払い下げを大蔵省に申請をしておるわけです。その前に、苫小牧市も、将来の発展のために国有地の払い下げを申請しておるわけです。苫小牧市としては、市会の決議を得まして、しかも、開発会社よりは先に問題の明野地区の国有地の払い下げの都市計画を申請しておるわけなんです。ところが、その後、途中から苫小牧開発会社がその払い下げを申請して、競願というような形になっておるんです。ところが、最近新聞の伝えるところによりますと、北海道開発庁が中に入って、苫小牧市と苫小牧港開発株式会社との競願の仲裁役を買って、その土地を二分しまして、大部分は苫小牧港開発株式会社にこれをやる。はっきり申しますと、約三百万坪の土地のうち、二百万坪はそういった株式会社の方に売り払いをする。それで残った分、約八十万坪は苫小牧市にやるというような仲裁案を出した。こういうことで、苫小牧市では非常に問題になりまして、そういった株式会社に、しかも都市計画で決定しておる住宅地域を、そういうような不公平な比率で裁定をするということは遺憾であるということで、苫小牧市会でも今非常にもめておる状態ですが、一体こういうような仲裁案を開発庁が出したについて、大蔵省はそれに対して関与したと思うのですが、どういうことでそういうことになったのか。その辺の経過をお聞きしたいと思うのです。
#40
○木村(三)政府委員 お答え申し上げます。
 苫小牧の工業開発、工業港の造成に関連しまして、土地造成事業というものがかなり大規模に行なわれなければならない。ただいまお話しのように、苫小牧に工場を誘致しまして、それに伴って工員用の住宅用地などは、これから何らかの機関が造成していかなければならない。それでお話しの通り、住宅地について、市と会社の間で、どちらもやりたい、いわゆる競願という形になりましたが、それを大蔵省の方に申請するという段階でありましたが、いろいろ考えますと、ただいま管財局から言われましたような事情もありまして、競願になって、同じ苫小牧港の開発をやろうというので、市と会社が財務局方面でいろいろ争いをやって、審議会あたりでもなかなかきめかねるということになりますと、開発庁としても、いろいろな計画推進上困る。そこで両者の御意見を聞きまして、どちらからも申し入れがありまして、何とか間に立って仲裁の労をとってくれないかということでありましたから、財産自体は大蔵省のものであるから、われわれがどちらに幾らやるということは、言えないが、開発庁としてこういうふうな考え方で両者を納得させるような線が出たならば、大蔵省としてはそれを尊重してくれるかということを大蔵省なり現地の財務局に申し入れをしたわけであります。それに対しまして、大蔵省方面では、開発庁で両者が納得するような線がまとまるならば、それに越したことはないから、その点はやれるようならばやってもらった方が当方としてもよろしい、こういうことになって、私どもが出たという結果になっております。
#41
○山中(日)委員 一体苫小牧港開発株式会社なるものの本質はどうかという問題が、非常に大きな問題だと思うんです。私どもの調査によりますと、この苫小牧港開発株式会社というのは、昭和三十三年の四月に設立せられておるのでありますが、この資本金が二億五千万円でありまして、との株の内容は一体どうなっておるかというと、この二億五千万円の株のうち、四六%というものは石炭会社が持っておる。三井、三菱、北炭、住友、明治、雄別、古河、こういった石炭会社がこの株の大半を持っておるわけです。なぜこの、石炭会社がこの大半を持ったかといいますと、結局あそこに港ができた場合に、その港の岸壁を利用して、そこで石炭の積み出しの仕事をやろうということで、この開発会社の大部分の株、四六%の株をこの石炭七社が持った。そのほかに、地元の各会社、三子、国策パルプ、岩倉組、日通、富士セメントという民間会社が、八%の株を持っておる。さらに個人として、これは名前は特に申しませんけれども、地元の国会議員が二人、株を持っております。そのほかに、苫小牧市と開発公庫が出資をいたしまして、これが四五・二%、この四五・二%の内訳は、苫小牧市が一五・二%、開発公庫が三〇%、こういうような株の割当になっておる。結局この会社というのは、こういった石炭の積み出しということを主として考えて、その港のいわゆる臨海地域を工場敷地に将来造成していく、こういうことが目的として設立された会社であるわけです。従って、実態は、こういった石炭会社その他の民間の会社が実権を握っておるわけです。ところで、この臨海工業地域の造成のために、工業用地の造成であるとか、あるいは工業用地の施設をするとか、いろいろなことが会社の事業目的として掲げられているのでありますが、結局内容はこういった内容でありまして、純然たる民間の資本家の会社が大部分の実権を握っている実態であります。ところで、今度の開発会社の申請は、この臨海地域よりもずっと北、つまり鉄道から北の方と申し上げても、現地は御存じないかもしれませんが、この鉄道から北の山寄りの方、ここをこの開発会社が将来工場誘致の場合におけるいわゆる労務者の住宅地として造成するのだという理由のもとに申請をしているわけです。ところが、苫小牧市としては、この臨海地域におけるその造成については、この株式会社へ払い下げてもいいけれども、この鉄道から北の方は、将来の港の発展に即応するために、苫小牧市はそこを商業地域なり、住宅地域として発展させる計画で、すでに許可を得て都市計画を進めているわけです。そこへもってきて開発会社が割り込んできて、そこの土地の払い下げを願っている。なるほど、名目は将来の工場誘致の場合の労務者の住宅地にするということでありますけれども、苫小牧市としても、将来の発展のために、ここに工場労務者が住宅を建てるという場合には、そこを無償で提供してもいいという条件をつけて申請しているような状態なんです。ですから、私どもは、苫小牧市が満場一致の決議でもって申請したような土地は、当然苫小牧市に払い下げて、開発会社の従業員の人がそこに入るならば、あるいは開発会社でなくても、そこに来た工場労務者が住宅を建てるならば、苫小牧市がその住宅を建設する人に提供する、こういう形になることが最も望ましいわけなんです。ところが、今申し上げたように、この開発会社、こういった一つの営利会社が、その土地の売り払いを申請してきた。そこにもつてきて開発庁が中に入って、しかも、その約三百万坪の土地のうち、二百万坪を開発会社にやって、残りの八十万坪は苫小牧市にやる。しかも、その八十万坪の中には、いわゆる鉄道の用地も含まれておりますので、実際に苫小牧市として使い得る土地は、八十万坪の三分の一しか残らないという状態です。こういう裁定案を出したというのは、どういうことですか。御承知の通り、苫小牧市の目抜きの土地は、あの王子争議で有名な王子会社が、ほとんど持っている。そこへもってきて苫小牧の開発会社が乗り出してきた。しかも、そういう何百万坪という宅地を自分たちが全部払い下げを受けて、自分たちの自由にする。名目は工場誘致のための労務者の住宅地といっておりますけれども、王子会社とか開発会社が、苫小牧市の全部――とは言いませんが、大部分の土地を取る、こういうふうになったら、苫小牧市は大へんだということで、市会で一番問題になっておる。なぜこういうことができたかというのは、これは憶測でありますけれども、くさいですよ。というのは、この苫小牧開発会社の副社長の谷口さんという人は、ついこの間まで開発庁の次長だった。そしてまた、ついこの間まで開発庁の企画室長であった吉村さんという人が、昨年の五月にこの開発会社の常務になっている。ですから、この開発会社が、そういう莫大な利権を獲得するために開発庁に働きかけて、また開発庁が大蔵省と協議してこういうふうに裁定が出たと見ております。こういうやり方は、私は非常にいかぬと思う。そういう状態は十分開発庁は知っておると思うのですが、どうしてそういうふうな裁定を出したのか。だれが考えても、苫小牧市が先に願っておって、しかも苫小牧市が、その土地は無償で将来の工場の労務者あるいはその他の住宅敷地に提供するという条件まで出して申請しているのに、これをオミットして、その開発会社に分配をするということは、間違っておるんじゃないかと思うが、その点どうですか。
#42
○木村(三)政府委員 問題がありますので分けて申し上げますが、第一番目に会社の性格なり何なりについて、ちょっと私どもの考えている点を補足させていただきますが、昭和三十三年にこの会社ができまして、それと同時に、北海道東北開発公庫の融資対象としてなし得るという告示が出ておりまして、その間は、苫小牧の工場用地を――工業開発計画の一環として工場用地の造成なり、それに関連したところの工業用水を作るとか、あるいは石炭の運送その他をやるというこの会社が生まれたわけでありまして、そういう関係がありますので、そこに関係のある石炭の積み出しとか、あるいは木材、パルプなどの原木の関係や何かがありますので、そういった関係の会社が人ってきたということで、資本構成としては、ただいま御指摘の通り、四六%は民間でありますが、市が一五%出しております。それから開発公庫が三〇%出しております。従って、非民間と言ってはおかしいですが、政府に関係のありそうなところから出ておりますのが、半分はいきませんが、四五%まで出ておるという構成になっておりまして、その与えられた使命としては、一民間会社ではありますけれども、開発計画の一環をになって事業をやっていく、定款にも示します通り、臨海の工業地帯を作っていく。それが大体前期計画で四百万坪ほど着手しておりますが、そういう事業をやっておる会社でありまして、初めから考えていなかったかどうか、事実問題はありましょうが、そういう性格の会社であるということを、私どもは承知しているわけであります。
 それから第二番目に、都市計画の関係と会社の関係になって参りますが、ただいまお話しになりました、工場誘致に伴って工員住宅ができる、その場所はどの辺にしたらいいかということは、会社がやる場合も、市がやる場合におきましても、場所は同じであります。それから増加人口のために、商業地区とか準工業地区等、都市計画上は何ら変更はなくて、その事業をどちらがやるかということだけでありますので、都市計画上はこれによって変更はない。そして受持の関係でありますが、それにつきましてはいろいろ問題もありますけれども、工場用地を造成して、それに伴って大規模の工場が来ますと、北海道のようなところでは、まず住宅に困る。それで関連して。両方やった方がベターじゃなかろうかというふうな考え方が、私ども内部でも強かったということであります。市の方はどうかというと、やはり市は、都市計画の関係からいいまして、商業地帯、それから準工業地帯、それから一般住宅、その他緑地とか学校とか、いろいろございますが、そういう方は市の方で分担してもらった方が――資金も相当要りますし、事業も広範でありますので、その辺は市の方で分担するようにすれば、両者相待って工業用地の造成なりあるいは都市計画の線を貫いていくことができるのじゃなかろうか、こういう着想のもとに案を示したのでありますが、その内容としまして不公平かどうかという点も考えておりますが、御指摘の通り、国有地約三百万坪のうち、私どもの案によりますと、二百十万坪が会社のやる方の工場、住宅用の敷地として造成することになり、それから市の方が百万坪、こうなっておりますが、あとさらに説明をつけ加えますと、この二百十万坪の中には、将来道路になるとか、緑地になるとか、あるいは学校敷地になるとか、結果的には市の方に移管されるようなものが、大体九十万坪含まれております。どうしてそういうふうにしたかと言いますと、幹線の路線というのは、今できておりますけれども、学校の位置とか、道路がどうなるかわかりませんので、この辺は一緒に会社の負担で造成をやってしまって、将来しかるべき筋と申しますか、大体市の方に行く分が九十万坪ほどありますから、結果的に言いますと、最終の姿ではこの配分は逆になりまして、会社の方が百二十六万坪ぐらい、残余のあれは全部市に行くとしますならば百八十四万坪、逆な数字になるような結果でございまして、それだけで公平、不公平を論ずるのもどうかと思いますが、三分の二を会社の方にやってしまって、市の方は三分の一しかやらないというような形は、
  〔丹羽(喬)委員長代理退席、委員長着席〕
要するに未確定の分は、やはりその地区については会社の方の金で土地造成だけやらしておくということがよかろう、配分の案としてはその方に乗っかったという形でありまして、内容的にはそういうことになっております。
 それから、前の関係役人が行っているのでどうかというような点も、御指摘がありましたが、私どもの承知しております範囲では、その会社の方の圧力でどうのということじゃなくて、そういうことは毛頭ありませんで、事務当局としては、ほんとうはなるべく円満に話がつけばそれでいいのでありますが、どうにもこうにもならないので、この辺で何らか歩み寄るような線をこちらで示しまして、そうして早く苫小牧の土地造成なり工業用地の決定ができるようにしたいという気持でありまして、この件につきましては、市長、議長あるいは会社の幹部等を呼びまして、私どもの考え方を示したのでありますが、ただいまお話のように、市議会の関係もあるから、この件についてはよく相談してから何らかの返事をしようというような形になっておりますので、私どもそれを待っておるような次第でございます。
#43
○山中(日)委員 その資本構成のことは、先ほど申し述べた通りでありますが、ことしの五月、この会社はさらに二億五千万円の増資をいたしまして、総額五億の会社になるらしいのでございますが、現在苫小牧市の持株は一五%でございますが、二億五千万円増資の分については、おそらく苫小牧市は持てないのじゃないか。持ってもわずかだと思う。そうしますと、苫小牧市は、なるほど一五%の株は持っておりますけれども、五億になりますと、この実権は、おそらくこういった大きな会社のものに帰することは明らかだと思う。ですから、苫小牧市が一五%持っておるということだけで、この会社というものが、普通の民間会社と違って、きわめて公共性の強いものだということは、私は言えないと思う、資本構成の内部から見れば。なるほど、会社の事業そのものは、工業用地の造成とか、工業用水の施設であるとか、あるいは石炭の運送とか、いろいろありますけれども、その仕事は、公共性はあっても、その会社の利益のためにやる仕事に相違ないのです。そうして特に私が遺憾に思うことは、昭和三十四年の十月ごろに、現在の開発会社の副社長の谷口氏が、大蔵省の借財の第二課に参って、当時の北海道庁の管財課長が立ち合ったその席で、大蔵省と話し合った。その話の内容というのは、国有地三百八十町歩は、これは鉄道から南の方、つまり今港を掘っておるその付近に接続した地域だと思うのですが、この国有地三百八十町歩は、いわゆる会社の方に払い下げる。それから鉄道から北の力、今問題になっておる鉄北地帯の国有地三百万坪、これは市へ払い下げる。こういう大体の話し合いがついたので、市は、問題の三百万坪の鉄北地帯のいわゆる明野地区の払い下げを申請した。ところが、先ほど申し上げたように、三十四年の秋ごろに開発庁の吉村企画室長がこの開発株式会社の常務になるといううわさが立ったときに、この開発会社の方も、あわてて今度は鉄北地帯の国有地の三百万坪の払い下げを申請をしたということになっておる。すでに大蔵省との間に昭和三十四年十月ごろにこういう了解がついておりながら、こういうことをやったというのは、はなはだ遺憾と思うのですが、この点については、大蔵省の管財局の方ではどうですか。この事実は、昭和三十四年十月ごろに今申し上げたような話し合いができて、そこで市が非常に喜んで鉄北地帯の申請をしたわけです。そういう関係はどうなりますか。
#44
○山下政府委員 ただいまのお話では、三十四年の十月ごろにそういうお話が大蔵省であったということでございますが、ただいま担当の者も来ておりますので聞きましたが、そういう事実はないということでございます。
#45
○山中(日)委員 私はここで議論してもしようがありませんけれども、今の問題のいわゆる三百万坪は、苫小牧市に私は払い下げるべきものだと思うのです。この会社は、何もそんなにあっちもこっちも土地を取る必要はないと思う。世間では、これは不動産会社になるのではないかという批判をしておるのです。つまり、石炭の積み出しとか、その付近の工場誘致、工業用地獲得というだけでいいのであって、苫小牧市の住宅都市計画の中に入り込んで、土地の払い下げを受けて、そうしてまるで不動産会社の性格に変わっていくということは、もってのほかだということが、大きな問題になっておるわけであります。現にその土地は非常に湿地地帯でありますから・そこをだれが埋め立てるかという問題がある。ところが、その埋め立ては、今港をどんどん掘っておりまして、そこから上がってくる土でもって埋め立てをする。その掘っておる場所は、苫小牧の市有地なのです。市有地から上がってきた土をそこへ持っていって、市がそこを宅地に造成するという計画を立てておる。だから、宅地の造成は市でやる。そうしてでき上がった宅地については、将来の工場誘致に必要な住宅の必要に迫られたときには、市はそれを無償でもその工場に働く人の住宅に提供しよう。こういうことになっておるのであれば、何も開発会社にその土地まで売り払う必要はないではないか。そういうことから、私どもは裁定を非常に納得できない。もう一つは、これは法律上の問題ですけれども、この随意契約をする場合に、予算決算及び会計令には、一号から二十四号までいろいろ規定しておりますが、そのどれを見ても、大体こんなことが書いてあるのです。
  〔委員長退席、丹羽(喬)委員長代理着席〕
第九十六条第二十一号には「公共用、公用又は公益事業の用に供するため必要な物件を直接に公共団体又は起業者に売払又は貸付をなすとき」こういう場合には、随意契約ができるということが書いてある。ほかにも似たようなことがありますけれども、結局公共団体というものが、常に条文の一番先に書いてある。私どもは文字に拘泥するのではありませんけれども、公共団体、起業者と共願した場合においては、大体地方公共団体に優先的に売り払うということが、私ども、法の精神だと思う。そういうことを考えて、今度の裁定というものはどうも不公平だ。先ほど申し上げたような人事移動と相からんで変なうわさも立つくらいでありまして、この場合においては、私どもは非常な大きな問題として、今後苫小牧市の立場に立って反対せざるを得ないと思う。
 最後に、もしもこの裁定案を苫小牧市が拒否した場合においては、一体大蔵省としてはどういう処置をとる考えであるか、これを伺いたいと思います。
#46
○山下政府委員 大蔵省といたしましては、裁定案が妥当であるかどうかということを判断する立場にございませんので、何とかそういう線で、どういう線でありましても、何らかの線で地元の意見が一致されまして、一刻も早く国の財産がその方向によって処分されて、地元の産業の発達に寄与することを念願しておるわけでございまして、先ほど来申し上げましたように、国有財産審議会を開きますまでには、十分地元の意見が一致するということを前提にいたしておるわけでございます。
#47
○横路委員 今の山中委員からのお話で意を尽くしているのですが、最終的に国有財産の払い下げを決定されるのは、あなたの方ですね。そこで、なぜ苫小牧市が問題にしているかというと、実は、先般王子紙が持っている苫小牧市の地代を三倍に値上げをしたわけです。これは苫小牧市の目抜きの約三分の二の土地の広さに当たっているそうです。そうして王子の不動産会社を作ったわけです。そうすると、苫小牧港開発株式会社は、今お話がいろいろございましたように、あそこの埠頭が完成をして、工場地帯ができれば、約三万人ぐらい勤労者がふえるのではないか。そこでもしも苫小牧港の開発株式会社に、今の住宅地帯について払い下げを許可されたならば、また将来、現に今問題になっているように、苫小牧市の地代が三倍にも値上がりになって、全く王子の不動産会社に抑えられているような状態になりはしないか、第二の不動産会社としての性格を持ってきやしないだろうか、こういうことを心配しているわけです。だから、住宅地の造成、その他中心になる商業地というものについては、新しい苫小牧市の都市計画の一環として、苫小牧市はぜひやりたい、こういうわけです。従って、この問題については、苫小牧市の議会でも議決をしまして、これはあったかどうか、私どもはあったというふうに聞いているのですが、三十四年十月のときも、市の方ではそういうお話をしている。市議会でも満場一致で議決しているわけです。ですから、そういう意味で、私は、苫小牧市の方でも、新しい住宅その他については、自分たちの方で都市計画の一環として造成をして、そして工場地帯ができて、工場が誘致されて、勤労者がそこにふえてきて、どうしても住宅が必要であれば、市としては今山中委員が御指摘のように無償でやるようにしたい、こういうわけですから、これはやはり市の都市計画としても、市の方がそういう主張をするのは当然ではないかと思うのです。ですから、どうか一つそういう立場を十分考えて、この最終決定までには、ぜひ市の側の言い分もお聞きをいただきたいと思う。それで都市計画として、この問題は、とりわけ住宅地、その中心になるいわゆる商店街その他の問題等もございますので、十分一つ考慮してもらいたいと思うのです。そうしてこれはまだ将来の問題ですが、ぜひそういう方針でやってもらいたい。
#48
○山下政府委員 国有財産の払い下げにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、十分に地元の御意見も尊重してやるというのが建前になっております。先ほど来お話のありますように、都市計画の担当者としての苫小牧市の意見も、十分尊重しなければならないと考えます。ただ、本件は、苫小牧港開発の直接の責任者であります北海道庁が、いろいろと御苦心なさって調停案を作っておられるところでありますので、その結果に期待したいと思っておるのでございます。北海道開発庁も、苫小牧市も、いずれも公的な機関でございますので、地元の発展のためには、十分に両方が努力をなさることを、われわれとしては期待して待っておる次第でございます。
#49
○丹羽(喬)委員長代理 本日はこの程度にとどめます。
 明日は、午前十時より国有財産の増減及び現況に関する件、特に大阪拘置所の用地交換の問題について調査を行なうこととし、これにて散会いたします。
   午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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