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1960/05/10 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第21号
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1960/05/10 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第21号

#1
第038回国会 外務委員会 第21号
昭和三十六年五月十日(水曜日)
   午後零時十二分開議
 出席委員
   委員長 堀内 一雄君
   理事 北澤 直吉君 理事 竹内 俊吉君
   理事 岡田 春夫君 理事 戸叶 里子君
   理事 松本 七郎君
      愛知 揆一君    浦野 幸男君
      小沢 辰男君    正示啓次郎君
      中野 四郎君    橋本 龍伍君
      藤井 勝志君    前尾繁三郎君
      松本 俊一君    稻村 隆一君
      黒田 寿男君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細迫 兼光君
      森島 守人君    川上 貫一君
 出席政府委員
        外務政務次官  津島 文治君
        外務事務官
        (条約局長)  中川  融君
        外務事務官
        (情報文化局
        長)      近藤 晋一君
 委員外の出席者
        専  門  員 佐藤 敏人君
    ―――――――――――――
五月十日
 委員宇都宮徳馬君、小泉純也君、床次徳二君及
 び園田直君辞任につき、その補欠として中野四
 郎君、浦野幸男君、小沢辰男君及び藤井勝志君
 が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員浦野幸男君、小沢辰男君、中野四郎君及び
 藤井勝志君辞任につき、その補欠として小泉純
 也君、床次徳二君、宇都宮徳馬君及び園田直君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月二十六日
 日中貿易の正常化に関する請願(田中彰治君紹
 介)(第三二一七号)
五月四日
 日中政府間貿易協定即時締結に関する請願(下
 平正一君紹介)(第三三七六号)
 同外百三十六件(黒田寿男君紹介)(第三五二
 〇号)
 同外百件(黒田寿男君紹介)(第三五四二号)
 同(井出一太郎君紹介)(第三六〇二号)
 同(小川平二君紹介)(第三六〇三号)
 同(原茂君紹介)(第三六〇四号)
 日中国交回復等に関する請願外四十一件(黒田
 壽男君紹介)(第三五一九号)
 同外九十九件(黒田寿男君紹介)(第三五四三
 号)
 同外二十三件(岡田春夫君紹介)(第三五四四
 号)
 同外五百件(五島虎雄君紹介)(第三五四五
 号)
 同外九百六十七件(中嶋英夫君紹介)(第三五
 四六号)
 同外百二十七件(藤原豊次郎君紹介)(第三五
 四七号)
 同外千四百九十九件(森島守人君紹介)(第三
 五四八号)
 同外百二十六件(淡谷悠藏君紹介)(第三五九
 六号)
 同外二百九十九件(石山權作君紹介)(第三五
 九七号)
 同外三十九件(佐藤觀次郎君紹介)(第三五九
 八号)
 同外九十四件(谷口善太郎君紹介)(第三五九
 九号)
 同外九百九十九件(中嶋英夫君紹介)(第三六
 〇〇号)
 同外二百五十六件(原彪君紹介)(第三六〇一
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 第二次国際すず協定の締結について承認を求め
 るの件(条約第一九号)
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正
 し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交
 渉の結果に関する文書の締結について承認を求
 めるの件(条約第二〇号)
 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国政府とシンガポール
 自治州政府との間の条約の締結について承認を
 求めるの件(条約第二一号)
 日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルラ
 ンド連合王国との間の文化協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第七号)(参議院送
 付)
     ――――◇―――――
#2
○堀内委員長 これより会議を開きます。
 第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール自治州政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上の各案件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#3
○堀内委員長 まず政府側より提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官津島文治君。
#4
○津島政府委員 ただいま議題となりました第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 第二次国際すず協定は、一九五六年七月一日に発効した第一次の国際すず協定が本年六月末日に失効することとなっておりますので、これにかわるものとして、昨年五月二十三日からニューヨークで開催された国連すず会議において、わが国を含む二十三カ国の代表参加のもとに採択された協定でありまして、昨年末まで署名のために開放されたものであります。
 この協定の目的は、価格変動の激しい国際商品の一つであるすずの国際価格を安定させることにあります。すずの国際価格が妥当な価格で安定することは、生産国にとっても消費国にとってもきわめて望ましいことでありますが、この協定は、すずの最高価格及び最低価格を定め、市場価格がこの両価格の間に落ちつくように、緩衝在庫制度を設け、この運用、操作と、輸出割当制とを併用することによって、市場の需給量を調整し、すずの国際価格の安定をはかることを骨子とするものであります。
 わが国は、昨年十二月二十九日にこの協定に署名しましたが、署名開放期間中に署名を了した国は、わが国のほか、イギリス、オランダ、デンマーク等十四の消費国と、マラヤ、インドネシア、タイ、ボリビア、ナイジェリア等七つの生産国であり、協定は、これらの国のうち本年六月末日までに所定の数の国が批准または受諾を行なうことにより効力を生ずることとなっております。
 わが国は、この協定に参加することにより、すずの国際価格の安定を通じて、近来とみに重要性を増している第一次産品生産国に対する協力及び世界貿易の拡大に積極的に寄与することとなりますとともに、これら生産国、特にわが国と関係の深いマラヤ、インドネシア、タイ等東南アジアの諸国に対するわが国の通商政策上の利益は大きいものと考えられます。
 よって、右諸利益を考慮し、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国は、昭和三十年のガット加入の際の関税交渉、昭和三十一年の第四回ガット関税交渉並びに昭和三十三年の対ブラジル及び対スイス関税交渉に参加し、わが国の関税率表の九百四十三税目のうち二百七十九税目についてガット締約国に対して譲許を行なってきておりますが、一部の現行譲許税率については、その後の経済事情の変化に即応しないものとなりましたので、その修正または撤回の必要が生じて参りました。このため、昨年来ガット第二十八条に基づくガットの再交渉会議が開催されました機会に、大豆、工作機械などの二十四品目につきまして、これらの譲許の原交渉国であるアメリカ合衆国と譲許税率の修正及び撤回のための交渉を行ない、その際、トウモロコシ、牛脂、ギアカッターなど十九品目についての譲許を新たに代償として提供することにより、このほど交渉を完了し、去る四月十日ジュネーブで日米両国代表団の間に、右交渉の結果に関する文書への署名を行なった次第であります。
 この新しい譲許は、第二十八条に基づく関税交渉の結果の適用に関するガット上の一般的な手続に従い、わが国が締約国団の書記局長に対して適用通告を行なうことにより、右通告において指定する日から実施されることとなっておりますところ、これらの譲許のうち、工作機械については若干おくれますが、その他のものについては、本年七月一日までに実施に移す予定であります。
 よって、ここに、この文書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール自治州政府との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、さきにパキスタン及びインドとの間に二重課税防止条約を締結し、その後引き続き他の東南アジア諸国とのこの種条約の締結に努めて参りましたが、このたび、シンガポール自治州との間に交渉が妥結し、シンガポール自治州政府はイギリス政府よりこの条約を締結するための授権と同意を得たので、四月十一日にシンガポールにおいて日本国政府とシンガポール自治州政府の全権委員の間でこの条約に正式署名を行なった次第であります。
 この条約の内容は、基本的には、わが国がすでに締結したパキスタン及びインドとの二重課税防止条約にならうものでありますが、産業投融資に対する課税の減免条項を設け、さらに、シンガポールが国内産業育成のためとっている租税特別措置によりシンガポールで免除された租税は、日本において総合課税する際に、シンガポールで支払われたものとみなしてわが国の税額より控除し(みなし外国税額控除)、また、船舶、航空機所得の相互免税、短期滞在者、研修生の免税等を規定したのが特色であります。
 この条約の締結は、わが国のシンガポールに対するプラント輸出、事業及び技術の進出を促進し、シンガポールの産業育成に寄与するのみならず、一般にわが国とシンガポールとの間の経済、技術及び人的交流の緊密化に貢献するものと期待されます。
 よって、以上申し上げました利益を考慮し、また、シンガポール側においても条約批准の措置を進めておりますので、この条約の効力発生のため、わが国も必要な手続をできるだけ早急にとりたいと存じ、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
#5
○堀内委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました各件に対する質疑は、次会に行なうことといたします。
    ―――――――――――――
#6
○堀内委員長 次に、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件を議題といたし、質疑を行ないます。戸叶里子君。
#7
○戸叶委員 ただいま議題になりました日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定につきまして二、三の質問をいたしたいと思います。
 まず第一に、十二条で、この条約の適用地域はグレート・ブリテン及び北部アイルランドでありまして、それ以外の属領、植民地は適用されておりません。ところが連合王国の国民は、属領または植民地の市民であって、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国に通常居住する者であると規定されております。この条約の適用について地域と人との区別をした理由はどういうところにあるかを伺いたいと思います。
#8
○近藤(晋)政府委員 お答え申し上げます。
 わが国が今まで十ばかり文化協定を結んでおりますが、この種の規定を設けてありますのは、このただいま御審議中のイギリスとの文化協定と西独との文化協定でございます。西独との文化協定にこういう地域を限るということは、御説明するまでもなく、現在東と西に分かれておるという関係から規定した次第でございます。このイギリスとの文化協定においてこれを規定いたしましたのは、イギリスがその他の国と結んでおる文化協定にも同種の規定があるので、これを入れてほしいという希望があったわけでありまして、イギリスとしましては、この十二条によって、文化協定が適用される地域としては、イギリスは植民地、属領等を持っております関係上、本国に限りたい。そしてこの適用を受ける国民の範囲でございますが、これまたイギリス側の希望に基づきまして入れた経緯がある次第でございます。
#9
○戸叶委員 そうしますと、イギリスがほかの国との文化協定を結んでいるその内容が、こういうふうに地域、人に分けてあるから、日本の場合にも分けておいてほしいということですね。そういうふうに分けた場合と分けない場合と何か差が出てきますか。
#10
○近藤(晋)政府委員 こういう規定を設けます以上、この規定に入らない地域につきましては適用ございませんし、また第二項のその国民の範囲におきまして、植民地あるいは属領に常時居住している人たちにはこれが適用しないという結果になるのは当然のことであります。
#11
○戸叶委員 今のような答弁によりまして適用しない人たちが出てくるわけでございますが、そういうふうな人たちからの不服なり何なりということは起きてこないでしょうか。
#12
○近藤(晋)政府委員 われわれは、従来イギリスが十六ばかり文化協定を結んでおりますが、その結果これが適用を受けないイギリスの属領ないし植民地の方たちから不平が起こったという具体的な例は、私に関する限り聞いておりません。もちろんわれわれも適用地域以外のイギリスの支配下にある地域との文化交流を全然しないということではございません。しかしながらこの協定に基づく実施というものは、この協定上の建前から除外されるということになるわけであります。
#13
○戸叶委員 イギリスが長いこと支配していた植民地でございますから、そういうふうなことに対して希望を持っていても、まだその希望を大きく言うことができないというような立場にある国もあると思うわけです。従ってそういう国でも日本に対して好意を持って、何とか文化協定ぐらい結んでほしいという国があるのではないかと考えるわけでありまして、今まではそういう声が出せなかったかもしれませんが、だんだんにそういう傾向になってくるのじゃないかと思いますので、そういうふうな点も今後考えていただきたいと思っております。
 第二はこの条約の適用について、沖繩に居住する人に対してはどういうふうに解釈したらいいわけでございましょうか。
#14
○近藤(晋)政府委員 ただいまの戸叶委員の御質問に対しましてお答えいたしますと、現在、私から御説明するまでもなく、日本の施政権は及んでおらない関係上、沖繩に居住している沖繩の人たちにはこれが適用されないと考えます。
#15
○戸叶委員 そういうふうな御答弁じゃないかと思っていましたが、そこにもまた、やはり同じ日本の国民でありながら適用されないという残念な事実が出てくるわけでございます。この問題はこの条約直接というよりも沖繩との問題で、今後も一応問題になってくるのじゃないかと思います。
 そこで入国とか居住とか出国などの事項に関しましては、通常は通商航海条約で規定されておりますけれども、本条約の十三条の規定をここに入れた理由は一体どこにあるか、承りたいと思います。
#16
○近藤(晋)政府委員 この十三条が入りました経緯につきましても、わが国が従来結んでおります十の文化協定にはこの種の規定はございませんが、ただしイギリスが結んでおります他のイギリスの協定にはこの種の規定がありまして、イギリスとしてはそういう従来の経緯からこの規定を入れてほしいという希望に基づきまして入れた次第でございます。もちろんこの規定があるなしにかかわらず、文化協定が作られましても、たとえばその協定の実施に基づきまして向こうから文化人等を招聘するという場合には、日本の入国、滞在等の法令に従うのが当然でございまして、これがあるなしにかかわらずそこには実質的な差異が出てこないというわけでございますので、イギリスの希望も入れても差しつかえないという点から入れたわけでございます。ただし文化協定を結びます以上そういう規定に従うことは、当然でございますが、その規定の範囲内で、たとえば再び入国するあるいは通関するという場合、その規定の範囲内で便宜を計らうということは、この協定を結びました精神からして、実際上もそういう便宜を計ろうということは、そのつもりでございます。
#17
○戸叶委員 十二条にいたしましても十三条にいたしましても今御答弁にありましたように、イギリスがほかの国と結んでいる文化協定の内容がそうであるからぜひ日本の場合にもそれを取り入れてほしい、こういうふうなことでございまして、全くイギリスの言われる通りにそれを入れたというふうに私たちには受け取れるわけでございます。ただいまの御答弁では、こういうような十三条の規定があっても日本の場合においては国内法によってやるので別に差しつかえない、こういうふうにお答えになりましたから、そういう御答弁通りに私は解釈しておきたいと思っております。
 さらにお伺いいたしたいのは、五条の規定で学位とか、資格とか、証明などを両国間で同等の価値を認め合うということは、ほかのこの種の条約にも入れられているわけでございますか、現在までこれに関してその相手国とどのような具体的な交渉が行なわれているかどうか、またどのような努力が行なわれているか、この点も伺いたいと思います。もしもこれが実行不可能なような場合には、そういうふうなことを決定しただけでは何にもならないと思いますので、この点を念のために伺っておきたいと思います。
#18
○近藤(晋)政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御質問の第五条は、わが国が結びました各文化協定のうち二つを除きまして、すべて同じような規定がございます。すなわち規定されてない文化協定はインド、イランとの間のが規定されておらないわけでございます。
 第二の御質問の、今まで作りました協定に基づいてこの学位等の同等性について何らかの協議をしたことがあるかどうかということにつきましては、ただいまのところパキスタンの方から学校につきましてその同等性の問題を協議したいという申し出がございまして、われわれの方ではそれに応じまして、やるつもりでございます。それ以外、この今までの文化協定に基づきまして第五条の交渉を行なった事実はございません。
#19
○戸叶委員 ただ一つだけの例であるといたしましたならば、わざわざこれを入れる必要はないと思うのですけれども、入れぬことによって非常に危険があるとかなんとかということがあるのでしょうか。具体的に大して意味もないものを入れる必要はないように私どもは考えるわけです。
#20
○近藤(晋)政府委員 今までこの条約に基づいてそういうような具体的の交渉、話し合いをしてない、と申しますのは、学校等の問題につきましては、事実上そういう形式的な交渉をしなくとも、たとえば日本の大学のある程度を卒業した人は大体向こうの類似の学校に入れるとか、そういう実際的の処理が可能であったからでございます。しかしながら今後わが国の、単に学校上の目的就学上の目的ではなくて、いろいろな職業上の人が出ていく場合、そしてそこに居住して営業する場合、そういうような実際上の必要が出てきますと、こういう規定を置いておけばこの規定に基づいて先方と話し合いができるという根拠がございますので、そういう意味において、現在は御指摘のごとく実際上十分動いておりませんけれども、そういう建前を残しておくという意味合いにおきまして意義があると考えるわけでございます。
#21
○戸叶委員 イギリスでは自由職業で外国人に許可しない職種があるかどうか、ありましたら列挙していただきたいと思います。またわが国におきまして、外国人に許可しない職種というものがあるかどうか、この点を伺いたいと思います。
#22
○近藤(晋)政府委員 ただいまの戸叶委員の御質問に対しまして、私ただいまお答えするだけの知識を持っておりませんので、はなはだ申しわけないことでございますが、その点は十分調べさしてお答えさせていただきたいと思います。
#23
○戸叶委員 この条約をきょう大体あげることになっているわけでございますので、そのことを知らないでいるということでは、ちょっと残念ですけれども、なるべく早い機会にその内容を資料にして出していただきたいと思います。
 それからこの条約を実施するについて、予算的な措置はどんなふうになっているかを伺いたいと思います。予算措置がないといたしますと、一第一条とかあるいはまた第六条の実施ということが、どういうふうになってくるかということにも疑問が出てくるわけでございまして、予算的にどの程度に措置をとられておられるか、お伺いいたしたいと思います。
#24
○近藤(晋)政府委員 国際文化交流関係の予算の立て方と申しますと、文化協定を結びましても、文化協定ごとに毎年予算を計上するということになっておりません。文化協定を結んだ国あるいは結ばない国につきましても、外務省が毎年予算の中で割り当てられました文化交流のワク内におきまして、具体的計画につきまして、それを使っていくということになっております。本年度の文化交流予算の総額は約一億四千万円ございます。このうちたとえば外国から参ります留学生を世話をいたしております国際学友会あるいは現在すでに建設中でございますが、イタリーでローマ・アカデミアという文化会館的なものを建設しておりますが、こういうような費用は、すでに特定の目的に固定しておる費用でございまして、これらを除きますと、約七千万円が文化交流について使い得る予算でございます。非常に少ない額でございましてわれわれとしましては毎年各方面の御理解を得ましてこの予算をふやしたいと努力しておりますが、その点まだ私たちの努力の至らないために少ないことは残念でございますが、現在の実情を御説明いたしますと、そういうことになっております。
#25
○戸叶委員 七千万円の文化交流費というものは、非常に少ないもので一体どんなことができるかということになるのではないかと思うのですけれども、今要求してもちょっと御無理かと思いますけれども、それがどういうふうな分類の仕方で文化交流費として使われているか、どこの国にどういうふうにされているかというようなことをあとで表にして、参考のために出していただきたいと思います。
 次に日英の両国にはいろいろの形の留学生制度というものがあると思いますけれども、現在どのような制度があるか、そうしてそれがどのように交換を行なっているか、この点を伺いたいと思います。
#26
○近藤(晋)政府委員 留学生の交換の問題につきましては、わが国におきましては、文部省の予算についております国費留学生の関係の予算がございまして、昨年度は七十名、本年度の予算では総ワクが百名ということになっております。イギリスにつきましては、大体毎年二名の学生を日本に招聘をして勉学をさせております。一方イギリスの方は英国の国際文化振興会、これが奨学金を出しまして、毎年十名ないし十四名程度の日本人の学生を勉学のためにイギリスに呼んでおります。
#27
○戸叶委員 そうしますと、大体日本からことしは百名ぐらいで、イギリスからは二名とおっしゃいましたね。二名の人たちは大体日本で何年ぐらい勉学していかれるのでしょうか、この点もちょっと伺いたい。
#28
○近藤(晋)政府委員 ちょっと御訂正させていただきますが、百名と申しますのは総ワクでございまして、イギリスは全部百名割り当てるということではございません。そういう総ワクの中で二名程度をイギリスに割り当てておる現状でございます。
 現在の国費留学生制度は、学部留学生、これは高等学校を出ました学生を呼びまして大学教育を受けさせるわけでございますが、この期間は四年でございます。それからそれより上級の大学を出て、さらに大学院等におきまして上級の教育を受けるのがございますが、これは期限は二年でございます。
#29
○戸叶委員 総ワクが百名のうちイギリス二名というのは割合に少のうございますね。一番多くワクをとってある国は、大体どこでしょうか、参考のために一、二つ伺います。
#30
○近藤(晋)政府委員 これは後ほどリストを写しをとりまして、お手元に差し上げたいと思いますが、昨年度までは総ワクが七十名でございまして、大体東南アジア地区から呼ぶのは、そのうちの六四%くらいを占めております。たとえば……
#31
○戸叶委員 それは日本へ来る方でしょう。さっき何かこんがらかったのですけれども、さっき私がイギリスを対象にしてお伺いいたしましたときに、文部省の留学生として本年度は百名とおっしゃった。それからイギリスから二名とおっしゃったものですから私も重ねて聞きましたところが、今のお話では百名というのは総ワクで、そのうちで二名くらいイギリスへ行くというふうなお答えでございました。それで、それじゃ大へん少ないけれども、一体どこの国が多いのですかということを伺ったわけです。
#32
○近藤(晋)政府委員 ちょっと私の言葉が足りなかったかと思いますが、本年度の百名というのは文部省の予算で向こうからこちらへ呼ぶ人でございます。その中の二名が大体イギリスから呼んでくるということでございます。こちらから日本人の学生を出すというのではなくて……。向こうの金で日本人を呼ぶのは大体十名ないし十四名程度ということをお答えした次第であります。
#33
○戸叶委員 わかりました。そうすると大体多いパーセンテージは東南アジアが占めているということになるわけですね。
 そこでその次に伺いたいのは、日本から私費でイギリスへ行っている学生がいると思うのですけれども、そういうふうな人たちに対する政府の援助といいますか、たとえば渡船許可とか送金の方法とか、何かそういうふうなものがおありになるのでしょうか、ないのでしょうか、この点を伺います。
#34
○近藤(晋)政府委員 私費留学生につきましては、政府といたしましてはこれに直接財政的援助はしない建前になっております。もちろん渡航にあたる便宜等はいたしておりまして、その学費を日本から送金するという場合も、これは大蔵省の関係でございますが、私はちょっと額を忘れましたが三カ月に二百ドル程度でございましたか、間違っておりましたら後ほど訂正さしていただきますが、その程度の送金ができるようになっておると承知しております。大体、イギリスのみならず、アメリカに参ります私費留学生は、それぞれの国の知り合いのギャランティと申しますか、あるいは入学すべき大学からのスカラシップ、奨学金をもっていくということになっておりまして、その間足りない生活費等、あるいは学費の補助というようなものもわが国の為替事情がよくなるにつれまして、最近は少しふえておるという状況だと存じます。
#35
○戸叶委員 私もう一つだけでやめますけれども、私費でもって勉強する人は、何かこの文化協定の恩恵に浴するようなことがあるかどうかということを伺いたいと思います。
 それから先ほどお願いしました資料をなるべく早く出していただきたいと思います。それにつけ加えまして、日本の政府が補助しております留学生で、日本から行っておる人あるいは向こうから来る人たちの国別の人数もついでに出していただきたいと思います。
#36
○近藤(晋)政府委員 文化協定ができますと、この規定にもございます混合委員会というものが設置されるわけでございます。この混合委員会におきましては、日英間の文化交流全般につきまして、それが効果的に促進されるような問題を種々取り上げるわけでございまして、この問題の中には、単に政府間だけの文化事業ということではなくて、それ以外のたとえば民間だけでやる文化交流あるいは国費留学生ではなくて、私費による学生等の勉学上の便宜をどうするかということまでも当然議論あるいは協議し得る機会も出るわけでございまして、その意味におきまして、私費留学生についてもいろいろの問題があれば、そういう問題を取り上げてより有効に、また安心して勉強できるようになっていくと存じます。
#37
○堀内委員長 帆足計君。
#38
○帆足委員 時間がありませんから、簡単に、外務大臣がおられませんから、次官を通じまして、私の要望を申し上げておきます。
 欧州の古い伝統を持つイギリスとの文化交流を円滑に、盛んにしていくことは大へんけっこうなことだと思います。ただ、ただいま伺いますと、文化交流の費用は実際に使えるものは、わずか六、七千万円しかないということを聞きましてまことに驚きました。それではどうも極東の君子国というよりも野蛮国といわれるおそれもありますから、やはり軍事よりも文化の方に努力を注ぐようにしていただきたいと思います。特に、ただいま一部の心なき業者等によってアメリカのすぐれた文化が日本に入らずに、アメリカの悪い方の面の文化が入ってきておるような点もあると思います。そういう点を牽制いたしますためにも、西欧諸国との文化交流は政策的にももっと助長する必要がある。これは与党の方々も同じ感想であられるだろうと思うのであります。従いまして、文化交流の領域におきましても、アメリカの比重は四分の一、西欧の比重が四分の一、社会主義圏の比重が三分の一か四分の一、それからアジア・アフリカ諸国との交流が四分の一、世界を相手とする貿易国といたしまして、そのくらいの心がけでなさることが必要ではあるまいか。しかるに、たとえば映画一つ例にとりましても、戦前に比べますると、アメリカ映画一辺倒になっておりまして、占領下のときの病的な状況が今も続いておるような状況でございます。また最近、お聞き及びでございましょうが、次官に御注意を促したいのですが、音楽の国際著作権の問題につきましても、国際機関であるビームと意思の疎通を欠いておりまして、今や西欧音楽盤途絶の状況に直面しておるような状況でございます。この問題につきましても、占領直後に駐在していました初期のビームの駐在員が、代表者としての資格のある人物かどうかということもよくお調べにならずに、それと漫然くされ縁を持ったということが、私はこの問題が乱れた発端でなかったかと記憶しております。せっかくこの条約が通りましても実施が大事でありますから、今のビームの問題につきましても、文部省、外務省当局の方々に、この次ブラジルとの文化協定の機会があるそうですから、その機会に十分にわれわれの要望を申し上げたいと思います。特に日本としましては、一面文化交流の問題は国際協調も必要ですけれども、また著作権の問題などについては日本の自主的態度というものが私は必要であろうと思います。従いまして、ビームに対しても正当なる主張ははっきり主張して納得させるという御努力が必要であろうと思います。いずれにいたしましても、西欧諸国並びに英国との文化交流はきわめて重要でございまして、その実施の面において予算がかくも乏しいということを伺いまして、まことに落胆しておる者の一人でありますけれども、この次の機会には外務委員会においても、同僚諸兄の御賛成を得て、文化交流にもっと多くの国の力を注ぐようにお願いしておきたいと思います。次官から一言御答弁だけ承ります。
#39
○津島政府委員 ただいまの文化に対する帆足委員の御意見まことに傾聴しなければならないところでございます。お話しのごとく近ごろアメリカ文化が非常に入っておるのでありますが、アメリカ文化には幾多の感心をしない点が見受けらるるというのは私も感ずるところでございます。これらの点を救うためにも、やはり西欧の文化というものに重きを置くということが必要であろうと思うのであります。こういう点につきまして、今後とも十分に努力をいたしていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
 また、著作権の問題でございますが、これは非常に複雑な問題でございます。けれども、文化の交流の面からいたしますと、こういうめんどうな問題でありますが、これを円満に解決をして文化の交流を妨げないということがまた必要であろうと思いますので、この面につきましても十分な努力を払わなければならない、かように考える次第であります。
#40
○堀内委員長 岡田春夫君。
#41
○岡田(春)委員 第一点は、今まで日本が文化協定を結んだ国は何カ国になりますか。
#42
○近藤(晋)政府委員 十カ国であります。
#43
○岡田(春)委員 それを全部あげてもらいたいのですが……。
#44
○近藤(晋)政府委員 最初にフランスとの文化協定、イタリア、メキシコ、タイ、インド、西独、エジプト、イラン、パキスタン、それからブラジルとございます。このブラジルとの協定は戦後結んだものでございませんで、戦前結んでおりましたのを、平和条約が発効しましたときに、この存続方をブラジル政府が希望いたしましたので、そのまま存続しておったわけでございます。その後ブラジル側の希望によりまして、これを新しい型の文化協定にしたいというので折衝をいたしまして、現在国会に御審議中の新しい協定が出ているわけであります。それとただいま御審議中の日英文化協定、そういうことになっております。
#45
○岡田(春)委員 アメリカとの間には結んでおらないわけですか。
#46
○近藤(晋)政府委員 アメリカとの間には文化協定を結んでおりません。
#47
○岡田(春)委員 結んでおらないのに、アメリカの文化センターというのがあるのですが、あれはどういうところからできているのですか。
#48
○近藤(晋)政府委員 これは別に協定がありませんでも、それぞれ文化興隆の必要のために機関を設けるわけでございまして、アメリカの文化センターと申しますのは、アメリカのUSIA、合衆国広報局と申しますか、それの下部機構として現在日本にあるわけでございます。
#49
○岡田(春)委員 しかしUSISはアメリカの政府機関の一部ですね。政府機関の一部が日本の国内に――これは単に東京だけではなくて、東京をセンターにして各地にずっと文化センターの部屋を置いておるのですが、政府機関がこういう文化センターを置いておる場合に何らかの協定なりがなくて、どういう形で置けるのですか。
#50
○近藤(晋)政府委員 アメリカの文化交流の機関は、USIAがアメリカ本部の政府機関でございますが、大使館の一部としまして情報部が置かれております。それから各領事館にはそういう文化関係を取り扱う担当官がおります。その指揮監督を受けて、アメリカの領事館ないしは大使館の一部ではございませんが、文化センターというものが各地にある次第でございます。わが国もアメリカにおきましてニューヨークにインフォーメーション・センターというものを置いておりまして、これは別に条約上あるいは何らかの協定もなくて、実際上相互に活動さしておるわけでございます。
#51
○岡田(春)委員 相互に関係があるということなんですが、それでは伺います。その日本にある文化センター、USISの出先は、おそらく百以上あると思うのですが、どれくらいありますか。
#52
○近藤(晋)政府委員 それほどたくさんないと思います。ちょっと資料を探すのに手間取りますが、いわゆる文化センターは約十四ございます。
#53
○岡田(春)委員 相当小さい市町村に至るまで、文化センターの分室というか、そういう形まで設けて置いているようですが、そうなってくると、イギリスなんかがそういうものを作りたいという場合にも、たとえばイギリスと
 の関係においてそれを認めていく、そういう方針になるわけなんでございますか。アメリカだけはそういう形でやるということなんですか。
#54
○近藤(晋)政府委員 ただいま岡田委員の小さな都市――これは大小の問題はございますが、あまり小さな村とか町とかいうものにはございませんけれども、大体金沢とか仙台とか、そういうところにはございます。イギリスの場合は、イギリスの文化活動の建前といたしまして、イギリス政府自体が行なわないで、イギリスの国際文化振興会、ブリティッシュ・カウンシルというものが、アメリカのUSIAの出先でございますセンターと同じようなものを置いております。現在東京にございます。イギリスのブリティッシュ・カウンシルは世界約七十カ国の各地に同種のセンターを置いております。
#55
○岡田(春)委員 そのブリティッシュカウンシルの場合には、文化協定に基づく交換公文でこれは規定されておるわけですね。ところがアメリカの場合においても、十四というのは文化センターになると思うのですが、それ以外に私の知っている限りでも相当小さな市町村に至るまでそれの分室という形で置かれている記憶がありますがね。たとえば公民館なんかに併置している。これは北海道なんかの小さな市町村にまでそういう看板をかけておる。そういう看板をかけてあれば、そこヘアメリカの映画をただ持ってきて回す、こういうようなことまでやっておるわけです。ところがそうなってくると、文化協定をやはりアメリカと日本との間で結ばなければ、そういうことを協定なしで随時やるということは、ちょっと私は外交政策としてはよくないと思うのです。やはり文化協定を結んで、相互関係の上に立って文化についての具体的な方針をきめてやっていくという方向に行くのが私は正しいのじゃないか。そうでなければ、そういう協定を結ばなくても十四も作って――文化協定のあるイギリスの場合には、今お話のあった日本では東京だけ、あるいは京都にあるかどうかわからないという程度です。あるいは協定を結んでいるインドあるいはイランその他の国々は、そういう文化センターさえ全然ないというような場合もあるわけですね。協定のあるところがそういう状態で、協定のないところではどんどんできておる。これはどう見てもいわゆる外交政策としてはいい政策であるというようにはわれわれは考えられない。やはりそこではっきりアメリカとそういう文化協定を結ぶのなら結んだ上で、そういうことをやっていくということになって参りませんと、そのときそのときの外務省の人によって、あるいは出先の大使館と相手側の国との関係において設けたり設けなかったりするというような、非常に不自然な関係ができる危険性があるので、この点は一つ今後の問題として御研究を願って、アメリカとの文化協定の問題は、私は今まですでにもうできておったんだと思っておったのですが、ないというのは非常に不自然なんで、この点は御研究願いたいと思います。
 それからさっきお話を伺っていると、大体ヨーロッパの国ではイギリス、イタリア、フランス、その程度ですね。そのほかはいわゆるAA諸国の関係、ラテン・アメリカ、大体そういう関係になると思うのでありますが、社会主義陣営の中のソビエトあたりと文化協定を結ぼうということはもう数年間にわたって再三向こうの方からも申し入れがきておりますし、なかなかこれは進まないようですが、主として進まないのは、日本の政府の方で進めてない、こういう経過になっているように私は記憶いたしておりますが、このソビエトとの文化協定の交渉はどういうようになっておりますか。
#56
○近藤(晋)政府委員 ソ連との文化協定の問題は、ただいま御指摘のようにかなり長い間の懸案になっております。ソ連は今まで二つの提案をして参っております。最初はただいま御審議中の一般的文化協定に類似したような内容の案を提案して参りました。昨年の暮れにソ連がアメリカあるいはイギリス等と結んでおります非常に広範な分野につきまして具体的な実施取りきめ、この案を提案して参っております。外務省におきましては、この提案に対していろいろ研究をいたしました結果、第二の広範な実施的取りきめというのは予算の関係上これはとうていむずかしいというところから、この案を取り上げることはできないという結論を持ちました。また最初の一般的文化協定、これにつきましては、なるほど文化と政治をはっきり分けるという考え方もございましょうけれども、文化協定を国と国との間で結ぶという場合に、相手の国との全般的な国交関係の状態というものも考慮する必要があるのではないか。従ってソ連との間に一般的文化協定を結ぶ機が熟してないという結論を外務省としては持ちました。しかしながら文化交流というものは、相手が社会主義国でございましても、文化交流を通じまして相互の理解あるいは友好関係の促進に立つならば、政府としても十分努力すべきでございますので、われわれの方の予算の範囲も勘案いたしまして、現在実行可能な三つの具体的の計画につきまして、ソ連に提案をいたしまして、これについて了解を――交換公文という形になると思いますが、一種の協定を作りたいという考え方で、この一月にソ連側に提案をいたしました。その提案に対するソ連の回答はまだ来てないというのが現状でございます。
#57
○岡田(春)委員 文化の交流の問題は、どこの国がどういう陣営であるからということでなしに、やはり国際的なものですから、相手がソビエトであるからあまり進めないとかなんとかいうことでなしに、できるだけそれを進めていただくように希望したいと思います。
 それからさっきの点でちょっと思いついたのですが、十四の文化センターがあるとすると、そこにいる勤務員ですね。これはアメリカ大使館のUSISに所属する勤務員、アメリカの人の場合ですね。そうするとその人たちは外交官の待遇を受けておるということになるわけですか。
#58
○近藤(晋)政府委員 二段階に分けて御説明した方がよろしいかと思いますが、アメリカ大使館には先ほど申し上げましたように、文化広報部がございます。これに勤務しておる者は外交官の地位及び待遇を受けております。また各地にありますアメリカの総領事館にも、そういう文化広報関係の担当官がございますが、これは領事館員としての地位及び待遇を受けております。その指揮下にございますけれども、アメリカ文化センターの、たとえば所長であるとかこういうものはアメリカ本国のUSIAの職員ではございますが、大使館あるいは領事館の館員であるということとは違いまして、公務員の資格を持っております。しかしながら外交官及び領事官の特権を持たないということになっております。
#59
○岡田(春)委員 特権を持たないということになるわけですが、先ほどのお話を聞いておると、日本の場合にはニューヨークにインフォーメーション・センターがある。これが一カ所だけです。アメリカの場合には少なくとも十四カ所ある。こういう点からいっても、いわゆる相互主義なり、大体外交問題、外交上のこういう取りきめは対等であるということが建前になると思うのですが、だいぶんアンバランスになってきておる。こういう点を考えると同時に、そうなってくると、当然これは予算上の措置というものが伴ってこなければならない。こういう点を考えると今度の条約、イギリスとの文化協定にいたしましても、ずいぶんいろいろなことを、何をやります、かにをやりますとたくさん書いてあるんですね。しかしこれは書いてあるだけで、実際は日本側としてはほとんどイギリスに対してはやれない。予算上の措置から見てもやれない。というのは、先ほどお話のあったように七千万円の文化関係の費用で、それで協定を結んでおるのは十カ所で、そうすると、一つ当たり七百万円しかない。ところがこの場合、ちょっと伺いたいと思いますが、こういうたくさんのことは事実上日本からやろうとしてもやれないわけです。第六条では、書籍、定期刊行物、地図、教材、講演及び演奏会、美術展覧会その他の展覧会、演劇、ラジオ、レコード、機械的複製手段、その他盛りたくさんに書いてありますが、やれない。ところが向こうの方は、この協定があるから、日本の国に対してやろうと思えばやれるわけですね。イギリスの場合は日本に対してはこの協定に基づいてどれくらいの予算措置を講ずることになっておるのか。この点がもしおわかりならばお答えを願いたいと思います。ということは、向こうの方からは予算措置をたくさん組んでどんどんやっていく、こっちの方からは七百万円しかないということになってくると、これは協定を結んでも、もっぱらイギリスのためにやる。日本の方ではあまり役に立たない。こういうことになってくるのではないかという感じがするのですが……。
#60
○近藤(晋)政府委員 お答え申し上げます。実際上われわれの予算が少ないために、相手がするほど十分にいかないことの面は確かにございます。しかしながら・わずか七千万円でございますが、われわれとしましてはなるたけ金がかからない、しかも効果のあるような事業をやっていく。たとえば講演会でございますとか映画会、こういうなるだけ金のかからない面をやっていくつもりであります。この予算拡大のためには、ただいま御指摘もありますし、いろいろ国会の方々の御援助も得て、漸次ふやして参りたいと考えております。
#61
○岡田(春)委員 もう一点だけですが、ブリティッシュ・カウンシルというような形でイギリスの日本における文化活動というのはやれるわけです。これは交換公文の中にありまして、今でもやっているわけですが、日本の場合、政府自身がいくのじゃなくて、こういう方法を考えたらどうか。というのは、国際文化振興会というのがありますけれども、この国際文化振興会というのは外務省のあまり数の多くない外郭団体の一つなんです。ところが文化振興会に対しては、予算措置やそういう点は外務省はあまり考えてやってないではないか。情報文化局長は自分の所管だからそうでもないかもしれないけれども……。だから、予算措置をもう少し思い切ってとるようなことを政務次官、考えたらどうだろう。そして、これは政務次官御存じないでしょうけれども、藤山外務大臣のときに、藤山さんがこの文化振興会に対して何か考えてやらなくてはならないというので、しょうがなくて、藤山工業図書館ですか、あそこの建物の中へ無料で提供して入れてやっているのです。戦争前には丸ノ内の日本郵船ビルですかの上に非常にりっぱな国際文化振興会の設備があったのです。戦後になってから、国際文化振興会なんてなくてもいいというつもりかどうか知らぬが、小坂さんはどうか知らぬが、あの人も金を持っているのだから――国際文化振興会を藤山さんがそれほどめんどうを見たならば、引き続いて予算の措置を考えてやって、そして国際文化振興会を通じて、国際的にもいろいろな文化活動をやらせるというようなことを一つ考えた方がいいのではないか。政府としてならば、予算措置が大蔵省で査定されてしまえばそれきりだということになりますけれども、こういう外郭団体であるならば、相当寄付金なんかも集めて外国に持っていってこれをやるというようなことを、この際政務次官のいる間に思い切って、あなたの仕事が一生残るように一つ努力されんことを希望としてつけ加えまして質問をいたしておきたいと思うのです。津島さん、一つ抱負のほどをお述べいただきまして、国際文化振興会も大いに激励をしていただきたいと思いますが、一ついい御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#62
○津島政府委員 ただいまの御意見、まことに傾聴に値すると思います。大臣が御出席でございますれば必ず御答弁があることと思いますが、十分御意思のあるところを大臣にもお伝え申し上げて善処いたしたいと思います。
#63
○堀内委員長 他に御質疑はございませんか。――御質疑がないようでありますから、これにて本件に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#64
○堀内委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。
 日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○堀内委員長 御異議ないものと認めます。よって本件は承認すべきものと決しました。
 なお本件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○堀内委員長 御異議がないようでありますから、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十五分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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