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1960/05/26 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第27号
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1960/05/26 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第27号

#1
第038回国会 外務委員会 第27号
昭和三十六年五月二十六日(金曜日)
    午前十一時八分開議
 出席委員
   委員長 堀内 一雄君
   理事 北澤 直吉君 理事 竹内 俊吉君
   理事 野田 武夫君 理事 森下 國雄君
   理事 岡田 春夫君 理事 戸叶 里子君
   理事 松本 七郎君
      賀屋 興宣君    小泉 純也君
      正示啓次郎君    園田  直君
      床次 徳二君    橋本 龍伍君
      前尾繁三郎君    松本 俊一君
      黒田 寿男君    穗積 七郎君
      森島 守人君    川上 貫一君
 出席政府委員
        外務政務次官  津島 文治君
        外務事務官
        (経済局長)  牛場 信彦君
        郵政事務官
        (大臣官房長) 荒巻伊勢雄君
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      西崎 太郎君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (条約局外務参
        事官)     東郷 文彦君
        大 蔵 技 官
        (主税局関税調
        査官)     宗  知武君
        農林事務官
        (農林経済局参
        事官)     松岡  亮君
        専  門  員 佐藤 敏人君
    ―――――――――――――
五月二十五日
 委員森本靖君辞任につき、その補欠として帆足
 計君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月二十四日
 日中国交回復等に関する請願外六件(多賀谷真
 稔君紹介)(第四〇一八号)
 同外千百二十七件(西村関一君紹介)(第四〇
 一九号)
 同外四百八十五件(穗積七郎君紹介)(第四〇
 二〇号)
 同(川上貫一君紹介)(第四一〇一号)
 同(志賀義雄君紹介)(第四一〇二号)
 世界各国の軍備全廃等に関する請願(川上貫一
 君紹介)(第四一〇三号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第四一〇四号)
 日中政府間貿易協定即時締結に関する請願(松
 平忠久君紹介)(第四二二五号)
 同外六件(井岡大治君紹介)(第四三三〇号)
 同外三件(川上貫一君紹介)(第四三三一号)
 同外七件(佐藤觀次郎君紹介)(第四三三二
 号)
 同外三件(志賀義雄君紹介)(第四三三三号)
 同外三件(谷口善太郎君紹介)(第四三三四
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
五月二十五日
 日中政府間の貿易協定締結促進に関する陳情書
 (川崎市議会議長青木喜市)(第八四二号)
 同(釧路市議会議長山崎鉄三郎)(第八四三
 号)
 同(名古屋市議会議長小出善三郎)(第八九四
 号)
 同(旭川市議会議長福居精一)(第八九五号)
 同(兵庫県議会議長矢野善寛)(第八九六号)
 同(刈谷市議会議長永見広治)(第八九七号)
 近海漁業の安全操業確保に関する陳情書(帯広
 商工会議所会頭萩原延一)(第九一五号)
 沖繩の日本復帰に関する陳情書(千葉県議会議
 長菅野儀作)(第九三九号)
 沖繩に核弾頭ミサイル持ち込み反対に関する陳
 情書(沖繩嘉手納村議会議長上間久雄)(第九
 四〇号)
 日中国交回復及び政府間漁業協定締結促進に関
 する陳情書(東京都千代田区丸ノ内二丁目十四
 番地日中漁業協議会長平塚常次郎)(第一〇五
 〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会に関する件
 国際電気通信条約の締結について承認を求める
 の件(条約第一一号)
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正
 し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交
 渉の結果に関する文書の締結について承認を求
 めるの件(条約第二〇号)
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)
 に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのド
 イツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の
 締結について承認を求めるの件(条約第二二
 号)
     ――――◇―――――
#2
○堀内委員長 これより会議を開きます。
 国際電気通信条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件について他に御質疑はありませんか。――御質疑がないようでありますから、本件に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#3
○堀内委員長 引き続き討論に入るのでありますが、本件に対しては別に討論の通告もないようでありますから、直ちに採決いたします。
 国際電気通信条約の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと決するに御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって本件は承認すべきものと決しました。
 なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○堀内委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#6
○堀内委員長 次に、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、及び、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、右両案を一括議題として質疑を行ないます。正示啓次郎君。
#7
○正示委員 ただいま議題になりました両案につきまして社会党の方からも御質問もあるわけでありますから、最初に序論をやらしていただきます。
 この両案が一度にここに承認を求められておりますが、この両案の関係につきまして、外務省当局から、どういう関係になるか、たとえばアメリカに対する交渉の結果に関する文書の締結と、ドイツについての同じ文書に関して、たとえばこれは一方が承認になれば他方が承認にならないような場合の影響というような点について御説明を願っておきたいと思います。
#8
○牛場政府委員 今回提出いたしました文書は、これはガットの規定によりますと、二十八条の一項に基づく譲許表の修正または撤回の交渉でございまして、ガット加盟国は、一九五八年、六一年、六四年の三年ごとにその年の初めに譲許表を修正することが認められております。しかしながらこの修正または撤回する譲許につきましては、その譲許の設定の際の交渉相手国及びその品目の第一位の輸入相手国と交渉を行なって合意に達することが必要であります。またその品目につきまして実質的に利害関係のある国、つまり第一位でなくても、二位であるとか三位であるとかいうことで、実質的に利害関係のある国とは協議することが必要となっております。その交渉または協議の内容と申しますのは、これは当の撤回または修正いたします譲許に見合うだけの代償を与えるということになるわけであります。従ってその譲許を設定いたしますときの交渉相手国及び品目の第一位の輸入相手国を相手といたしまして、合意に達することが必要なわけでありまして、その他の実質的利害関係のある国につきましては、必ずしも合意に達しなくてもよい、協議するだけでよいということになっておるわけであります。
 しかしこの原則の例外といたしまして、二十八条の三項には、譲許の設定の際の原交渉国及びその品目の輸入の第一位の国との間におきまして合意に達しない場合におきましても、譲許の撤回なり修正をすることができるということになっておりますけれども、その場合には、同じ二十八条の四項によりまして、先方が対抗措置をとる、つまり日本からの品物に対する関税を上げるというようなことを行なうことができるようになっております。そういうことを覚悟しなければなりませんので、できるだけ合意に到達した上でもって関税の変更を行なうことが望ましいわけであります。
 本来でありますれば、この年の初めから、つまり昨年じゅうにこの交渉を妥結いたしまして、年の初めから施行するというのがガットの規則でありますけれども、今回の交渉が長引きましたために、その期限が延びまして、本月の十八日にやっとこの交渉の段階が済んだということであります。日本とアメリカ、ドイツとの間の交渉はそれより少し早く妥結いたしましたが、結局昨年じゅうには妥結できなかった、そのために国会に出す提案がおくれました次第でありまして、まことに申しわけなく思っております。
#9
○正示委員 そうしますと、たとえば今後アメリカとドイツとの関係におきまして、アメリカ合衆国と譲許表の修正または撤回を求める交渉を行なって妥結を見た、そのうち一部の自動車及び工作機械については、ドイツ連邦共和国ともいわゆる原交渉国である。従ってドイツとも同様の交渉を行なって若干の代償を出して妥結をした、こういうことでありますが、今の御説明によりますと、ドイツが原交渉国であるこの品目については、両方同時に承認をとることが望ましい、こういうわけであって、必ずしも承認をとらなくてもアメリカとの関係においては効力を発する、こう理解してよろしいですか。
#10
○牛場政府委員 たとえばアメリカと交渉が妥結いたしまして、ドイツとの間に同意ができないで、しかも日本が譲許の撤回ないし修正を行なったという場合には、ドイツが原交渉国となっておりますものにつきましては、ドイツは日本に対して対抗措置をとる権利ができる、こういうことであります。
#11
○正示委員 ガットの譲許コンセッションというのですか、これにいろいろな問題があると思うのですが、大体においてここに問題になっております、たとえば大豆という場合におきましては、これはいわゆる自由化の品目として相当大きな問題になった品目であることは御承知の通りでありますが、こういうふうに自由化をして、すなわち、日本が譲って、その代償として先方にも譲らせる、こういう場合、それに対してどういうものを譲らせるかということについていろいろむずかしい問題があろうと思うのでありますが、今後の自由化の方向、今あげましたような大豆というような問題その他大きな工作機械というふうな問題を二、三例にあげまして、今外務当局なり、あるいは大蔵当局もおいでになっていると思いますが、どういうものを今後日本としては譲り、そのかわりアメリカなりドイツからはどういうものについて譲らせるかというような一つの方針を、大体のところでいいですから、御説明をしていただきたいと思います。
#12
○牛場政府委員 ただいま提出いたしております文書に掲げられております関税交渉につきましては、御承知の通り大豆の自由化を行なう。それと同時に関税を一〇%から一三%に上げるということで、引き上げの分におきましては、もちろん日本といたしまして代償を出さなければならないのでありますが、自由化ということによりまして、結局アメリカからの大豆の輸入量もふえるであろうということが予想されますので、交渉に際しましてそのことも十分に申しまして、先方もそれを考慮に入れました結果、貿易額からいいますと、全部総合してでございますが、こちらで上げるものにつきましての貿易額が、これはアメリカからの輸入額でございますが、これが約一億一千五百万ドル、これに対しまして、わが方が今回譲りました品物につきましては、アメリカからの輸入額は合わせて約六千二、三百万ドルということでありまして、貿易額から申しますと、わが方が有利な交渉をいたしております。そういうことができました裏には、やはり自由化になりまして、実際の輸入量がふえるであろうということが考慮に入っておったわけでございます。
 それから将来の問題といたしまして、現在ジュネーブにおきまして、この譲許表修正の交渉に引き続きまして、加盟国がお互いに相談をして関税を下げ合うという第二段階の関税交渉が始まったわけであります。その際にはどういう品物について日本が下げるか、先方からどういう品物について下げることを要求するかという問題は、これは非常に機微な問題でありまして、現に交渉が始まったばかりでありますので、具体的には一つ御容赦願いたいと思うのでありますが、考え方といたしましては、将来これは日本が育成していきたいような産業あるいは国際競争力の非常に弱い産業につきましては、この関税はなかなか引き下げができないわけでありますが、一方自由化の要請も強いわけでありますので、そういう品物につきましては、できるだけ関税を引き下げることは行なわない。競争力の強いものにつきまして関税引き下げの用意をしながら、わが方の輸出品の中で、非常に先方の高い関税を受けているというようなものにつきまして引き下げの要求を行なって参りたいと思っておるわけであります。毎回の例でありますが、関税は非常に長くかかる交渉でありまして、おそらく今年一ぱいくらいかかるのではないかと考えております。具体的なことはそういう事情でございますので、一つ御容赦願いたいと思います。
#13
○正示委員 具体的なことは交渉の機微に関しますので、お話し願えないようでございますが、もう一つ伺っておきたいのは、今度の取りきめによりまして、あるものは従価税になるというものもあるようであります。これは大蔵省から御説明になるのでございましょうが、従価税と従量税、この建前を今後どういうふうに考えていかれるか、その点について御説明願いたい。
#14
○宗説明員 従価税と従量税の関係につきましては十分御承知のことと存じますが、長所、短所もちろんございます。たとえばバルキー・カーゴーで品質格差が比較的少ないもの、こういうものは一般的に申しまして従量税に向いている。それから種類が割合たくさんあるような品物につきましては、やむを得ず従価税になるのでございます。戦前の状況を申し上げますと、大体日本の関税は従量税が非常に多かったわけでございますが、二十六年の改正のときに当時のインフレの状況に合わせまして、全部従価税に切りかえたわけであります。その後経済が安定いたしまして為替も落ちつきましたので、元来従量税に向く品物につきましては、先般の一般改正におきまして従量税への切りかえをお願いしたわけであります。大体農産物系統それから鉱産物でございますが、そういったものが主として従量税の対象になっております。今後一般の考え方は変わらないと思っております。
#15
○正示委員 それでは最後にお伺いしますが、さっき牛場局長からお話しのように、交渉に若干日時がかかって国会への提出もおくれたようでございますが、いずれも七月一日から実施の予定というふうに伺っております。この国会で衆議院の承認を得ましてから、参議院に若干まだ時日がかかるわけであります。これは非常に大切な問題であり、できるだけ早く承認の手続がとられることが望ましいと思うのですが、いわゆる通告というのですか、向こうに通告する時日については大体どの程度くらいを予定しておるのでございましょうか。
#16
○牛場政府委員 ガット譲許に対する通告につきましては、国会で御承認を得次第通告いたしたいと思っております。その際に通告の中に適用の期日を書くわけでございますが、現在の予定では、工作機械を除きましてほかのものは七月一日から施行いたしたいと思っております。
#17
○堀内委員長 戸叶里子君。
#18
○戸叶委員 ここにただいま提案されておりますガットの問題について、少し伺いたいと思います。ガットの本来の目的というのは、関税とかあるいは貿易障害を軽減したり、あるいは貿易の拡大をはかろうとするのがガットの目的であろうと思いますけれども、今回の譲許表のBを見ますと、現行の税率をさらに高めているわけでございます。これは国家の貿易政策によるものと思いますけれども、ガットの本来の目的からするならばそのことは相反するものではないか、こういうように考えるわけでございますが、これはどういうふうに御説明になるのでございましょうか。
#19
○牛場政府委員 たしかにただいま御指摘の通り、ガットの目的は貿易制限あるいは関税障壁というものを次第に撤廃ないしは引き下げていくということにあるわけでございまして、従いまして一たん譲許いたしました税率を上げるということは元来の目的に反するものと考えます。しかしながらガットの規定上、やはり三年に一ぺんずつはこの譲許表の修正ないし撤回ができるということになっておりまして、ただその際にほかの方でもってそれに見合う譲許をさらに行ないまして、結局全体としては今までよりも関税が上がらないという格好をとっていきたい、これがミニマムな要求であるということになっております。今回わが国といたしましては、自由化に備えましてどうしても関税の手直しが必要でありますので、やむを得ずこういう措置をとった次第でございます。
#20
○戸叶委員 今の御説明にもありましたように、一方において貿易の自由化を唱えて他の方で関税の障壁というものを築くというような形で、何かそこに矛盾というものを私たちは感じるわけでございますけれども、今の御説明では、全体としてはそういうふうなことがないような効果を上げていきたい、こういうふうなことでございましたが、先ほど正示委員の質問に対して貿易額としてのアメリカの輸入額というものが一億幾らとおっしゃったのでしょうか、ちょっとわからなかったのですが。
#21
○牛場政府委員 この附属書のBに載っております品物――Aに載っておりますものは、これはほとんどアメリカからの輸入はございません。Bに載っておる品物につきましては、一九五九年におけるアメリカからの輸入額が一億一千五百万ドルでございます。
#22
○戸叶委員 今度、自動車は譲許を撤回しておりますけれども、関税定率法によって何割の税率が賦課されるのか、これを伺いたいと思います。さらにアメリカでもドイツでも、自動車の輸出競争というものが非常に激しくなってきていて、わが国も最近は自動車産業が大へんに上昇していると思います。今回の譲許を撤回することによって、わが国の自動車生産と市場とにどういうような影響が及ぶか、その予測を述べていただきたいと思います。
#23
○宗説明員 ただいま自動車について御質問がございましたが、今回譲許を撤回いたします自動車は、中型車の一番下の小型の部類でございます。それで従来のガットの関係を申しますと、小型車つまり輪距が二百五十四センチ以下のものにつきましては、従来とも譲許は一切いたしておりません。従って国定税率の四割が適用されていたわけでございます。二百五十四センチ以上のものについて、三割五分の譲許率があったわけでございます。そのうちで小型車に直接競合度の高いもの、すなわち二百五十四から二百七十までの小さい部分につきましては、これは今後日本の自動車といたしましても次第に大型化の方向に向かっていく、そういうことを勘案いたしまして、この際関税上の措置も小型車と一緒にしたい、こういうことでございましたので、今回撤回を提案したわけでございます。
 それから将来のことになりますと、直接あるいは通産御当局の方から御説明があるかと存じますが、今まで承知しております限度におきましては、日本の国産車も従来二百五十四以下でございましたが、次第に少しずつ大型化して、しかも輸出に向きますものはあまり小型車――一部は非常に向いているものもございますが、二百五十四ないし二百七十センチ級が現在欧州車では相当多く出ておりますが、そういうものまで日本としては輸出に向けなければ大量生産に向かない、そういう考え方で従来の小型車にあわせて今回譲許を撤回したわけでございます。
#24
○戸叶委員 そうすると、今回のこの譲許によって日本の自動車生産というものに対しての大した影響はないというふうな見通しを立てていらっしゃるのでしょうか、それとも今後こういうふうな撤去によって、なおかつ日本の自動車はたくさんに輸出ができるんだというような点、あるいはまた外車がたくさん入ってきて困る、日本の自動車生産を圧するんじゃないかというような危惧、こういうようなものに対する見通しはどういうようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#25
○宗説明員 現在のところ、今回撤去いたしました車種は、日本としてはまだ生産はいたしておりません。今後そいうふうに向くであろうという考え方でございます。この該当車種は今回撤回になりました関係上、関税が約五%上がるわけでございますから、その範囲において欧州車の輸入には多少のチェックにはなるのじゃないか、こう存じております。それから大型車に関しては、さしあたり日本でしかも大規模の生産ということは当分考えられることでないと思います。
#26
○戸叶委員 ついでですから伺いますけれども、日本からはアメリカなりドイツなりにどのくらい自動車が出ているのですか。
#27
○宗説明員 ちょっと私今数字は持っておりませんが、従来トヨペットあるいはダットサン、その他プリンスですとか、アメリカ市場あたりに少しずつ見本的に出ていたわけでありますが、最近従来よりは多少落ちているように聞いております。もちろん最近どんどんモデル・チェンジをやっておりますから、ことにこういう今度撤回されたような車種にまで車種を変更して、将来はそういう方向で伸びるのじゃないかと私は存じますが……。
#28
○戸叶委員 日本からどのくらいの自動車が出ているかということぐらいのことはお調べになればおわかりになることだと思いますし、私どもとしても非常に関心を持っていることでございますから、あとでそれがおわかりになったら大体のことを教えていただきたいと思います。
 それから大豆の譲許税率というのは今まで一割で、新譲許税率は一割三分というように引き上げられているわけでございます。初めアメリカがこれに対してなかなか同意しなかったけれども、日本がそれにかわる代価として仕方なしに譲許表のCにあるような品目の税率を下げざるを得なかったと言われておりますけれども、その辺の事情を参考までにお示し願いたいと思います。
#29
○牛場政府委員 大豆につきましては確かに相当交渉が難航いたしまして、先方は関税の引き上げを必ずしも行なわなくても、国内の補助措置だけによって解決できる問題じゃないかというようなことを申したことがあるのでございますが、しかし結局譲許の修正に同意いたしまして、そうなりますと、日本といたしまして当然ガットの規定上、それと同額の譲許を行なわなくてはならないということで、この文書のCにございますような譲許を行なったわけでございます。この内容につきましてはいろいろ紆余曲折がございましたのですが、結局これでもって先方も満足いたした次第でございます。この中で特に先方が関心を示しておりましたのは、たとえば工作機械のある種のもの、それから万年筆でありますとか、それからバーボン・ウイスキーというような実際の貿易額は大きくないのでございますが、先方としてはそういうもので日本に対する輸出が楽になったということを国内的にPRとして使いたいということで、そういう点に非常に重点を置いておったような次第であります。
#30
○戸叶委員 紆余曲折があって、そこに落ちついたということでございますけれども、落ちついたその裏には大豆の自由化によって相当日本に売ることができるというふうな見通しで、プラス・マイナス、先方の方が勝ちみがあるというふうなことで落ちついたのではないかというふうに考えられますけれども、この辺のことはいかがでございますか。
#31
○牛場政府委員 大豆関税を上げましても、自由化すれば結局アメリカの輸入がふえるだろうという点、これはわれわれも交渉上十分に利用いたした次第でございまして、そこで先ほど申しましたようにこの貿易の量から申しますと、日本が譲許を撤回いたしましたものの、量の方が今回新たに譲許いたしましたものよりも、三分の一以上多いわけでございまして、その数字から申しますれば、まあ日本の方が有利な交渉をいたした。それから将来の見通しとしましては、これはたとえばアメリカ以外のソースから大豆がたくさん入ってくるということになりますと、また変わって参りますが、先方としてはそう貿易量において日本に幾らか譲ったけれども、しかし結局大豆の輸出がふえるだろうからバランスがとれるというような考え方であったと想像されます。
#32
○戸叶委員 大豆は日本の国産品が相当高いわけですね、アメリカのに比べますと。そうすると日本のと、それから中共のとアメリカのとの価格をお示し願いたいと思います。
#33
○松岡説明員 アメリカ大豆と中共大豆と国産大豆とそれぞれやや品質を異にしております。それでこれを単純に比較いたしますことはちょっと問題がございます。たとえばアメリカ大豆は非常に油脂、オイル・コンテインドが高いのでございます。中共大豆はそれよりやや劣る。ところが蛋白の含量といたしましては、国産の大豆が非常に大きいのでございます。中共の大豆はそれに次ぐというようなことでございまして、従ってまた用途も違いますようで、これを単純に比較いたしますのはちょっと問題がございますが、数字は今申し上げますけれども、大体においてアメリカ大豆と中共大豆は品質差を考慮に入れまして、ほぼ今まで日本が輸入した経験によりますと、大体競争的な価格にある。それから国産大豆はこれより三〇%くらい高いところにございます。
#34
○戸叶委員 国内産の大豆が高いという理由は一体どこにあるのでしょうか。農業経営という面からだけでございましょうか。
#35
○松岡説明員 国産大豆はもちろん北海道で栽培されているものが一番出回るのでございます。そのほかに東北方面からも出回るのでございますが、何と申しましてもアメリカなどの非常に大規模な機械化された農業に比べますと、コストが著しく高くなります。それと同時に、これは大きな差ではございませんけれども、先ほど申し上げました品質の差からくる、つまり用途が違うということから出る差がございます。日本の大豆はとうふとか納豆とか、そういう方面に多く使われるのでございます。つまり蛋白食糧として使われるのでございます。その面ではむしろアメリカ大豆よりもすぐれているということから、やや高目になるのでございます。
#36
○戸叶委員 すでに農林委員会の方で大豆なたね交付金暫定措置法案などというのが出ているのも、やはり日本の大豆が貿易の自由化によってたくさん大豆が入ってくることによって圧迫されるということに対するある程度の措置というふうに考えられているのかもしれませんけれども、さっきも御説明にありましたように、今度一割から一割三分に関税率が上がったとしても、相当入ってくるのじゃないかというふうなことが懸念されているわけでございまして、まあ私どもとしましてもこれは農村を相当圧迫するのじゃないかということを非常に懸念するわけでございます。農林省としてはそれを心の中で思っていらっしゃっても、圧迫しませんというふうにしかお答えになれないかと思いますけれども、今度の関税の三%の引き上げということによって自由化されれば、やはり上げられたとしても、非常に自由化ということによって日本の農村の大豆に対する圧迫というものが多くなるというふうに、やはりお考えになっていらっしゃるのでしょうね。この辺のところを確かめておきたいと思うのですけれども……。
#37
○松岡説明員 確かに手放しで自由化いたしますと、ほとんど国産大豆にはまず壊滅的な打撃を与えると考えられます。と申しますのは、国産大豆が、先ほど申し上げましたように、品質の差がございますけれども、アメリカ産大豆に比べまして輸入価格と国内の卸価格とを比較しますと、三〇%以上割高でございます。そういった関係から何らの手も講じないで、そのまま自由化いたしますと、これは相当深刻な影響を及ぼすと考えられるのでございます。これをまた関税の引き上げでカバーいたしますと、価格差が三〇%以上ございますから、関税を三〇%以上に上げなければならない。これは実際問題として交渉上非常に代償も要ります。アメリカ側が納得するとはとうてい考えられませんので、引き上げは三%にとどめましたが、そのかわり、今御審議を願っております大豆なたね交付金暫定措置法案に基づきまして、国内の大豆に対しては別途補助金を交付したい、かように考えておるのであります。
#38
○戸叶委員 この問題は社会党といたしましても非常に大きな問題として考えているわけでございますけれども、農林水産委員会との連合審査があるようでございますから、そちらの方で十分に審議をしていただくことにいたしたいと思っております。
 譲許表のBの大豆以外の品目について、税率を引き上げておりますけれども、実際にこの新税率によってわが国にどれほどの利益があるか、この点を説明していただきたいと思います。
#39
○宗説明員 B表に掲げてあります修正譲許の新しい譲許税率、すなわち引き上げました譲許は、これは先般御審議をいただきました関税定率法の一部改正による輸入税表の全面改正による税率に全部合わせたわけでございます。その根本的の考え方といたしましては、何も輸入品を全部シャット・アウトするつもりは全然なしに、内外価格差を埋める程度だ、それによって公正なる競争をし得るという限度で設定されたはずでございます。それに、国定税率がそういうふうに改正になりましたのに合わせまして、既存のガット譲許品目がここに掲げてあるわけでございますが、これと合わせて今回修正いたした、こういうことであります。
#40
○戸叶委員 実際上の利益はどのくらい……。
#41
○宗説明員 実際上の利益は、たとえば、これはB表の品目につきましては、早期に自由化を予定されているものその他ございますから、引き下げによるメリットと、それから引き上げによる価格の上昇と、それは直接国内産業を適度に保護し、かつ需要もそれによって不当な圧迫はしないというつもりで国定税率が設定されておるわけでございます。
#42
○戸叶委員 その理論はわかるのですけれども、具体的にどの程度に利益があるかということを伺っているわけなんですけれども、そういうことは見通しとしておわかりにならないですか。
#43
○宗説明員 全般的のことになって、あるいは御質問に適合しないかと存じますが、結局今回の税表改正は、従来の税表が非常に古かったという点はもちろんございますが、それとそれから国内産業のその後の発展に即応し、所要の必要な税率を再検討し、あわせて今後の自由化に即応して適正なる税率を持つという方向で設定されたわけでございますので、需要供給その他両面から見て、妥当な税率ということで設定されたものと考えます。
#44
○戸叶委員 私の伺っているのに対する答弁としてはちょっと当たりませんけれども、ともかくこの表でもって一応やってみなければ、日本にとってどれだけの利益があるかないかということはわからないわけですね。一応こういうふうにしたならばいいだろうという想定のもとにきめたことであって、今後その実績を見なければ、どれだけ利益になるかならないかということはわからないわけですね。今の御説明では、そういうふうに私は受け取れるのですが。
#45
○宗説明員 産業自体につきましての問題は別といたしまして、もちろん将来でございますから、多少の不確定要素はございますが、決して日本にとって不利益でないというつもりで、この税率を設定したというふうに御了承願いたいと思います。
#46
○戸叶委員 それはだれも日本にとって損失があると思ってきめたものだとは思っていないわけですけれども、一年なり何なりたってみて、こういうところにマイナスがあった、こういうところがよかったということがわかるというふうに了解しておきたいと思います。
 それから、新税率で、従来の方式と変わって、従量税の方式を採用した理由はどこにあるのでしょうか。たとえば獣脂、五分というのを一キロについて十五円としておりますけれども、実際にはどれほどの税率の引き上げということになっているのですか。
#47
○宗説明員 B表について御説明いたしますが、獣脂のうちのラードその他は、先ほどちょっと御説明いたしましたが、比較的品質格差が少ない方に属しまして、しかも相当大量に入るものでございますので、これは従量税品目として盛ったわけでございます。一キログラムについて十五円、これは大体ラウンド・ナンバーで申し上げますと、約一五%程度の従価負担になります。従価換算で大体一五%程度の税負担になります。それからポリエチレンにつきまして五十二円は、現在の価格で申しますと大体一九%程度でございます。それからレコードにつきましては大体二割、従来の譲許税率をそのままただ従量税に移した、こういう考え方でございます。レコードなどは、ものによって価格が非常に違いまして、一々従価税を賦課するというのは、税関として非常に困難なわけでございます。映画フィルムも同様でございます。従いまして、今回国定税率の改正によりまして蓄音機、レコードは従量税に移した。しかもその基礎は従来の二割を動かさないで、それを従量に換算した税率が、ここにございますLPについては百七十円、その他、こういう税率になったわけでございます。
#48
○戸叶委員 来週、連合審査をやるようでございますから、そのときにまた関連して質問いたしたいと思います。
     ――――◇―――――
#49
○堀内委員長 この際、連合審査会開会に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま本委員会において審査中の、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件について、農林水産委員会より連合審査会開会の申し入れがありました。これを受諾し、連合審査会を開会するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
 なお、連合審査会の時日につきましては、両委員長協議の上、追って公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。
  午前十一時四十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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