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1960/06/03 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第30号
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1960/06/03 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 外務委員会 第30号

#1
第038回国会 外務委員会 第30号
昭和三十六年六月三日(土曜日)
   午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 堀内 一雄君
   理事 北澤 直吉君 理事 竹内 俊吉君
      尾関 義一君    岡田 修一君
      金丸  信君    賀屋 興宣君
      木村 守江君    椎熊 三郎君
      正示啓次郎君    床次 徳二君
      橋本 龍伍君    前尾繁三郎君
      松本 俊一君    吉田 重延君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  津島 文治君
        外務事務官
        (大臣官房長) 湯川 盛夫君
        外務事務官
        (経済局長)  牛場 信彦君
        外務事務官
        (条約局長)  中川  融君
 委員外の出席者
        大 蔵 技 官
        (主税局税関部
        関税調査官)  宗  知武君
        農林事務官
        (農林経済局参
        事官)     松岡  亮君
        専  門  員 佐藤 敏人君
    ―――――――――――――
六月三日
 委員愛知揆一君、宇都宮徳馬君、小泉純也君、
 園田直君及び福田篤泰君辞任につき、その補欠
 として吉田重延君、岡田修一君、尾関義一君、
 木村守江君及び金丸信君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 委員尾関義一君、岡田修一君、金丸信君、木村
 守江君及び吉田重延君辞任につき、その補欠と
 して小泉純也君、宇都宮徳馬君、福田篤泰君、
 園田直君及び愛知揆一君が議長の指名で委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
六月二日
 日中政府間貿易協定即時締結に関する請願外二
 十七件(板川正吾君紹介)(第五一三一号)
 日中国交回復等に関する請願外二十一件(板川
 正吾君紹介)(第五一三二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航
 海条約の締結について承認を求めるの件(条約
 第一三号)
 第二次国際すず協定の締結について承認を求め
 るの件(条約第一九号)
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正
 し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交
 渉の結果に関する文書の締結について承認を求
 めるの件(条約第二〇号)
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正
 し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との
 交渉の結果に関する文書の締結について承認を
 求めるの件(条約第二二号)
     ――――◇―――――
#2
○堀内委員長 これより会議を開きます。
 ただいま社会党の委員に出席を求めておりますので、しばらくお待ち願います。――たびたび出席を求めましたが出席がありませんので、議事を進行いたします。
 第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、及び関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。御質疑はありませんか。――これにて三件に関する質疑を終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって三件に関する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#4
○堀内委員長 続いて討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに採決いたします。
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、右三件を承認すべきものと議決するに御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって三件はいずれも承認すべきものと決しました。
 なお三件に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○堀内委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#7
○堀内委員長 次に、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 前会に引き続き質疑を行ないます。床次徳二君。
#8
○床次委員 今回の通商航海条約の締結に当たって、われわれ日本側といたしましては非常に重大なものと考えているのでありますが、肝心の相手方におきまして、いまだこの国会においての審議を急がない、むしろ多少延期したいという意向があるかのように聞いているのでありまするが、はたしてさようなことがあるかどうか。政府が提案いたしました以上、この条約のすみやかなる締結ということがわが国に寄与するばかりでなく、日比両国のためにも非常に必要なものである、さような確信のもとに提案されたものと私どもは思うのでありまするが、はたしていかなるお考えを持っておられるか、大臣からこの点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
#9
○小坂国務大臣 政府といたしましては、この条約は、日比間の現況に照らしまして、両国間の通商関係を律しまする最善の措置を定めたものと認めておりますし、また、フィリピン政府も同様の見地からこの条約に署名したものと考えます。すなわち、フィリピン側におきましても、日比間の現況に照らして、この条約を結ぶことを最善と考えてこの条約に署名したと思われるのであります。従いまして、わが方といたしましては、この条約を国会の御批准を得たいと考えているのであります。しかしながら、フィリピン側におきまして、ただいま床次委員御指摘のごとく、この批准については、この五月に終わりました議会には提出しなかったのであります。それは何と申しましても、われわれはすでに各国との間に友好通商条約を結び、あるいは航海条約を結んでおりまして、こういうものの性格をよく熟知いたしておりまするが、フィリピン側におきましては、外国とこの種の条約を結びますことは最初のことであるのであります。フィリピン国独立以来最初の結びまする条約でございます。従いまして、この条約の内容等について国民一般に熟知いたしておりません。たとえば、最恵国待遇といえば、これは第三国に与える待遇と同様の待遇を与えるということであるのでありますが、最恵国待遇というものは何か非常に特別なことを日本に与えるのではないかというふうな考え方を持ち得る余地があるわけであります。ところが、フィリピンの方は、現在大統領選挙を控えておりまするので、この法案を議するということになりますると、その選挙前のいろいろな特殊の事態からいたしまして、不測の誤解が生ずるということを心配いたしまして、そういう問題のなくなったときに、すなわち大統領の選挙が済んだときにこの法案を議会に提出して承諾を得るようにいたしたい、こう考えているように思われるのでございます。従いまして、この条約は、わが方から提案して、五年間のいろいろな交渉の結果できました条約でございまするから、まずわが方において国会に批准をお願いいたし、そうして先方の批准されるのを待つということが一応国際的なやり方としても当然であろうと考えまして、さように批准をお願いいたしておる次第でございます。
#10
○床次委員 国民に対して誤解のないようによく趣旨の徹底をお願いする次第であります。
 なお、一言この機会に要望しておきたいのでありまするが、経済協力に関しての問題であります。フィリピンの方におきましても、賠償協定と相並んで経済協力の協定ができておるのでありますが、その多額の経済協力の実施についてなお多くの要望があるようであります。伺うところによると、その条件等においてなお合致せざるものがあるかのように聞いておるのであります。この点に関しましては十分な調査を要するわけでありますが、とかくわが国の経済協力につきまして他国の経済協力と比べますと、その条件において今まで厳に過ぎたというふうな意向も聞いておる。あえてフィリピンのみならず、東南アジア諸国におきましても、日本の協力を望んでおるけれども、日本の経済協力の条件はなかなかむずかしい。このためにせっかく期待をしながらもこれが実現せられないといううらみを買っておるように思うのでありますが、現在の日本の経済協力の状態から見ますと、輸銀の融資その他におきましてはかなり制限がある。額そのものにおきましても、もっと増額する必要があるのではないかと思われるのであります。
 なお、将来の輸出増加等を考えます場合におきましては、経済協力の資金そのもの、輸銀の融資あるいは新しく設置せられました基金というものを十分に活用して、それに応ずる必要があるのではないかと思うのでありますが、この点に関しましてはさらに一そうの努力を要望したいと思います。
 右に対しまして大臣の所見を伺いたいと思います。
#11
○小坂国務大臣 まことにお話のように、現在経済協力というものはやはり輸出と非常に密接な関係を持ってきております。これは単にわが国の輸出を伸ばすだけでなく、世界平和のために開発程度のおくれておる国に対してこの開発に協力するということは、これまたわが日本としても当然考えなければならぬものでございます。しかしお話のように、輸銀の頭金あるいは利率等について、またその貸付の期間等について非常にきびしいという点は、最近特に目についておるように思うわけでございます。ことにDLFなどからいたしますと、非常に長期の貸付もあるということでございまして、やはりわれわれ東南アジアの各国との間に特に友好関係を進めていこうとするものにとりまして、この経済協力のいろいろな条件についてはもっと努力していかなければならぬ点があろうと思うのでございます。輸銀の資金そのものについてもどうも一般的に不足が訴えられておりますし、また皆さん方の御努力によりましてでき上がりました開発基金にしても、これを増額しなければならぬことは喫緊のことと考えておるのでありまして、関係各省との間に十分連絡をとって参りたいと思っておる次第でございます。どうぞ皆様方の特段の御支援も相わずらわしたいと思うのでございます。
#12
○堀内委員長 受田新吉君。
#13
○受田委員 この友好通商航海条約の国会承認にあたって、フィリピンとの間の懸案の解決の状況はどうなっているかをお伺いしたい一点があります。
 この一点は、すなわち、日比間の賠償協定の進捗状態はどうなっておるか、きわめて円満に進んでおるのか、遅滞しているのか、状況を伺っておきたいと思います。
#14
○小坂国務大臣 御承知のように、フィリピンとの賠償は現在第五年度に入っておりまして、賠償開始以来昨年末現在の支払い済みの額は、四百十二億円、一億一千四百万ドルとなっております。おもな賠償品目は、船舶が二百億円、機械類が五十八億円、鋼材が三十五億円、セメント工場、紙パルプ工場、製材工場等のプラント類が七十四億円でございます。消費財はほとんどございません。
 さらに賠償に伴いまする経済協力に関して、二億五千万ドルの経済開発借款の実施促進方のフィリピン側の要望がございましたので、これはわが方としては先方と会談を行なうことといたしております。賠償引き当ての借款につきましては、マリキナ・ダムがございます。これは先方の準備が整いましたならば、実施の緒につくことになっておりますが、現在まだ入札が終わっておらないような状況と聞いております。
 それからさらに岸前総理が行かれましたときの共同コミュニケで確定いたしておりますテレ・コミの計画、フィリピン全土にわたるところの電気通信計画があるわけでございます。これにつきまして、実は先般セラノ外務大臣が東京へ見えました際、これの一部をカガヤン鉄道の計画と振りかえてくれ、こういうお話がございました。これはカガヤン鉄道は約三百三十キロの鉄道でございますが、これらはすでにわが方からコンサルタントが出まして、この設計を終わっておるわけでございます。フィリピン側としては、非常に有効な鉄道と考えるから、一部をこれに振りかえてもらいたいということでございます。しかしわれわれといたしましては、一応テレ・コミの計画を岸前総理と先方のガルシア大統領との間に合意されておりますので、それについて一応わが方としても、この計画を実施する建前のもとに各関係者に一応研究を願っているのを、またそれを一部振りかえるといっても、どういうことになるか、関係者の間で協議してもらう、こういうことになっておりまして、今その協議を願っておる最中であるわけでございます。
#15
○受田委員 賠償の支払いが順調に進んでおる、経済協力もこれまた日本の好意を十分に示す方法にする、こういうことでありますが、大体外務省としては、賠償の義務を果たすために、フィリピンを含めて関係諸国家間に全体の問題が一つある。これは大事なことでありますから、少しこの機会にお伺いしておきたいのですが、東南アジアの諸国の間で、すでに日本と協定の結ばれている相手国に対する賠償の義務履行は、フィリピンと同様の形で行なわれておるかどうか、国民の関心の問題でありますので、ちょっとあわせてお答え願います。
#16
○小坂国務大臣 御承知のように、ビルマとの間に最初に賠償協定を結んだわけでございますが、これは二億ドル、十年ということになっております。これは昨年の十月から第六年度に入ったわけでございますが、今までの支払い済みの額は四百四億円、一億一千二百万ドルでございます。このおもなもとしては、バルーチャン発電所でございまして、この計画のために支払った賠償額は九十二億円でございますが、これはすでに昨年の三月、発電を開始いたしております。このほかに機械、車両の類、これは百九十八億円、鋼材として八十二億円、プラント類が十二億円でございます。このビルマ賠償の特徴は、非常に雑多な消費財が多いという点でございまして、五カ年間の平均は二五%が消費財で占められておりまして、バルーチャン発電所以外に目ぼしいプロジェクトがないために消費財の割合が多くなっているという格好であるわけでございます。
 なおフィリピンは、今申し上げたように、五億五千万ドル、二十年間ということでございます。フィリピンについては今申し上げました。
 次にインドネシアでございますが、二億二千三百八万ドル、十二年間でございます。インドネシアの関係は、現在第四年度に入っております。賠償開始以来昭和三十五年末までに四千百万ドル、邦貨にいたしまして百四十七億円支払いをいたしております。すでに調達いたしましたもの、また近く調達いたしまする賠償物資の主要なものは、船舶が六十二億円、二十六隻、それから農業機械が十六億円、製紙プラント十億円、道路建設機械が十一億円、治水関係が七億五千万円、繊維類が九億円、それからコーランの経典、マホメットのコーランの経典を印刷して出すのでございますが、これが六億円ございます。
 インドネシアの賠償で特に注目いたすべきものは教育訓練計画でございまして、第二年度以降に毎年学生百名が参っております。五年間続くわけでございます。それから研修生が二百五十名、これは七年間続いて日本に派遣され、日本の官私立の大学に在学し、研修生は二年半、政府機関及び私企業ないし団体で研修することになっております。現在九十七名の学生と研修生百二十七名が滞在をいたしております。
 次にベトナムでございます。ベトナムが、三千九百万ドル、これは五年間ということになっております。本年の一月十二日から第二年度に入るのでございまするが、昭和三十五年末の支払額は三億円、七十五万ドルでございます。ベトナムの賠償は、御承知のように大部分が、ダニムの発電所に充てられております。これは十六万キロワットの発電所でございますが、この工事入札は昨年の十二月二十五日に開札されました。これは札を入れたわけでございまするが、鹿島組と間組がヴェンチャーしまして、この組んだ組が最低の札を取りまして、ベトナム政府は目下このグループと交渉を行なっておる、こういうような状況でございます。
 次にラオス、カンボジアでございます。ラオスが十億円、二年間、カンボジアが十五億円、三年間。これはいずれもサンフランシスコ講和条約で賠償を放棄いたした国でございますが、当方から無償援助を供与する、こういうことになっております。ラオスの援助の大宗は、首都でありますビエンチャンの上下水道の建設でございますが、現地通貨、不足ないし内乱等によりまして四千六百万円を支給しただけでございます。そこで二年間の期限がもう切れてしまいましたので、今年の一月二十一日に協定を延長いたしました。一年間さらに延長するということに調印をいたしました。カンボジアの援助は第二年度に入っておりまするが、この大宗は農業技術センター、種畜場、診療所建設、こういうことになっております。農業技術者がすでに十四名派遣せられておりまして、三十五年末の支払額が五億円ということになっております。
 このほかにビルマに賠償再検討条項というものがございまして、ビルマ側において二億円の賠償額に非常に不満であるというときには再検討を申し入れることができるという条項がございます。この再検討条項に基づきまして、二年半前からビルマ側はこの再検討を申し入れて参っておりますので、その後引き続いてずっとこの点については交渉をいたしておる、こういう段階でございます。
#17
○受田委員 この条約案の中にある問題で、特に署名にあたって議定書をかわした問題の一点をお尋ねしてみたいと思うのです。この議定書の中にある「永住の許可に関するすべての事項は、条約の範囲外であると了解される。」というこの事柄の内容を、ちょっと御説明を願いたいのです。
#18
○中川政府委員 これは一般に通商航海条約を結びます際に、その相手国にたとえばこの第一条にございますが、いずれの一方の締約国の国民も、相手国に入国する場合それから入国して向こうに住む場合、これについて第三国の国民に与えられる待遇よりも不利でない待遇を与えられる、いわゆる最恵国待遇の条項があるわけでございますが、これはしかし一般に普通の目的で入る場合のこと、たとえば商用でありますとか観光でありますとか、そういう場合のことを書いてあるのでございまして、永住の目的で入るというもの、これはおのずから違う観点から律しなければならない。これはいわゆる通商航海条約におきまして、通例そういう了解で行なわれておるのでありまして、その点日比通商航海条約でははっきりと議定書でこれを了解しております。向こうとしても、たとえば日本人が向こうに入って永住する、移民のようなことになるわけでございますが、これは全然この通商航海条約の最恵国の問題とは別問題である、もっとも現実問題としてそれではこういう事例があるかどうかということになりますと、これは現実問題としてはございません。移民というものを別にフィリピンは認めておりませんから、現実問題としては問題ございませんが、観念的の問題、原則の問題としてこれは適用外であるということははっきりしておる、こういう趣旨の規定でございます。
#19
○受田委員 フィリピンには、戦前邦人がずいぶん大ぜい移民として働いておったわけです。その数において、海外における有力な国であったわけです。従ってフィリピンにおける過去の日本の移民歴史の上からいって、新しい立場でこの永住の許可を与えられる方向に外交努力を向けておられるのかどうか、この点を特に明らかにしておきたいと思います。
#20
○小坂国務大臣 やはりわが国の同胞を先方が受け入れてくれるというのには、こちらに対する親愛感が基礎になると思います。そういう意味でフィリピンとの間の国交の改善には鋭意努力をいたしておりますが、最近非常にその効果が目立ってきたように思われる次第でございます。しかしながら御承知のように、この通商航海条約というものができますれば、わが国の同胞が自由に先方に入国し滞在することができるわけでございます。こういうものがございませんと、どうにもそれがよくないわけでございます。従ってこういう通商航海条約を結ぼうと両国が調印をいたしたことは、その間の非常な好転を示すものと考えておる次第でございます。
#21
○受田委員 かつてフィリピンの一角に日本の軍人が残留してまだ生存しておるのだということで、ずいぶん日比間において協力的な捜査の道も講ぜられたわけです。その問題は今日全然解決されたものとされておるのか、なお何かの努力を続けておられるのであるか、この点もこれは中川さんかつて御関係されたことでもあると思うけれども、外務大臣十分御存じのことと思いますので、国民の間になお一点の疑点が残っておると思いますので御答弁願います。
#22
○小坂国務大臣 これはもう完全に解決したものとなっておりますけれども、幸いに当時のフィリピンの大使でありました湯川君が官房長になってこちらにおりますから、政府委員から申し上げさせます。
#23
○湯川政府委員 フィリピンに戦争中の日本の兵隊が残留しているというようなことがございました。大てい全部救出されたのでありますが、ごく最近まで、ルバング島という島に二人だけ残っているのじゃないか、それがときどき出てきて島民を殺傷したりする、どうも日本の生き残りの兵隊のようであるということがときどき言われました。そこで、これは日本としても非常に大事なことでありますから、もしほんとうに生存しているのであれば、何とかして救出しなくてはいけない、またあるいは日本人でなくて脱獄囚とか、そういったような人がシャングルの中にこもっているのかもしれない、いずれにしても、その真相をはっきりして適当な措置を講ずる必要があるということで、一昨年四月から十一月まで、相当たくさんの捜査隊を日本から派遣していただきまして、徹底的にあらゆる方法で捜査をしたのでありますが、結局一昨年の十一月になりまして、その御家族の方々も最後の段階では捜査に加わっていただきまして、徹底的に調査した結果、数年前にやはり死亡したものという認定を下して、本件はそれですっかり解決いたしました。
#24
○受田委員 終わります。
#25
○堀内委員長 他に御質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○堀内委員長 御質疑がないようでありますから、本件に対する質疑は終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、本件に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#28
○堀内委員長 引き続いて討論に入るのでありますが、本件に対しては、別に討論の通告もないようでありますから、直ちに採決をいたします。
 日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、本件を承認すべきものと議決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。
 なお、本件に関する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次会は、公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十三分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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