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1960/04/11 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
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1960/04/11 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号

#1
第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第8号
昭和三十六年四月十一日(火曜日)
    午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 山口 好一君
   理事 菅野和太郎君 理事 齋藤 憲三君
   理事 中村 幸八君 理事 前田 正男君
   理事 岡  良一君 理事 岡本 隆一君
      有田 喜一君    谷垣 專一君
      西村 英一君    石川 次夫君
      小林 信一君    田中 武夫君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       松本 一郎君
        総理府事務官
        (科学技術庁振
        興局長)    原田  久君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁振
        興局科学調査
        官)      前田 陽吉君
        総理府技官
        (科学技術庁振
        興局管理課長) 佐藤 松男君
        参  考  人
        (青山学院大学
        法学部教授)  杉村章三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新技術開発事業団法案(内閣提出第一二四号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 新技術開発事業団法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 すなわち、新技術開発事業団法案について、青山学院大学教授杉村章三郎君を参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 この際、杉村参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、本委員会の法律案審査のためわざわざ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。厚くお礼申し上げます。
 本委員会は、ただいま新技術開発事業団法案について審査をいたしておりますが、本案につきまして、杉村参考人には忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。
 直ちに質疑に入ります。質疑の通告がありますので、この際、これを許します。田中武夫君。
#4
○田中(武)委員 実は、委員部等から御連絡を申し上げておるとは思うのですが、新技術開発事業団法という法案がこの委員会にかかっております。それから、別に鉱工業技術研究組合法案というのが商工委員会にかかっておるわけであります。実は、私は、科学技術庁とか経済企画庁といった官庁は、科学技術あるいは経済に関する総合調整をやるのを主たる任務とする官庁である、従って、事業に直結するところのものは事業所管省がやるべきじゃないか、こういう主張を持っておるわけであります。そこで、この両方を見ました場合に、まず、新技術開発事業団は、第二条に定義がありますように、試験研究の結果で企業化されていないものを企業的規模において実施するように、企業まで持っていこう、こういう目的の事業団でございます。一方、鉱工業技術研究組合法案は、鉱工業の生産技術向上をはかるために、試験研究を共同に行なおうという組合でございます。これは鉱工業という頭があるので、通産省が鉱工業関係をやるということなんだが、あえて、研究組合は鉱工業に限らない、従って、鉱工業ということをはずして技術研究ということにしているが、こういう法案こそ、科学技術庁が担当すべきであって、新技術開発事業団のような、企業的な規模において云々するというようなのは科学技術庁の設置及び科学技術庁設置法から考えて、どうも少しおかしいのじゃないか、こういうように考えておるわけです。
 それで、まず、先生にお伺いしたいのは、科学技術庁とか経済企画庁とかいうような官庁のあり方は、それぞれの設置法から見ましてどうあるべきかということについてお伺いしたいと思います。
#5
○杉村参考人 御質問にお答えする前に、一応問題の内容を伺いまして、自分の考えを大体書いて参りましたが、科学技術庁につきましては、その設置法において、その任務としまして、科学技術に関する行政を総合的に推進するとあるわけでありまして、その任務のうちに、新技術の開発というような、いわば第一線行政作用が含まれておるかどうかという問題であります。新技術の開発ということは、それぞれの専門に応じて通産、運輸、建設、農林というような各省の権限に分属するものでありまして、技術庁が取り扱うのは筋違いではないかという議論であろうと思います。ただ、この点、科学技術庁設置法の第四条十一号というのを見ますと、原子力につきましては、研究、開発、利用ということが明らかに技術庁の権限に属するということになっておりますし、この設置法の技術庁の権限を見ますと、そのほか、放射性同位元素の販売業務を許可するというような、第一線行政機関の権限をやはり技術庁に属せしめておるわけであります。しかし、これは原子力の関係だけでありまして、一般の科学技術については、基本的な政策を企画、立案、推進するというような権限を持っておるにすぎないわけであります。ですから、技術庁の形式解釈から申しますれば、技術庁にはそういうような開発、利用の権限というものはないのではないかというようにも見られるわけであります。しかし、科学技術庁はみずから科学技術を開発するというのではなくして、開発事業団を設けてこれを行なわしめて、これに対して監督権を行なうというにすぎないのでありますし、事業団の仕事も、新技術を企業化するまでの段階でありまして、新技術を導入した以後の企業の監督は、それぞれ専門の各省の権限となるのでありますが、各省の権限をそれで侵すというようなものでもなかろうと思います。現に、特殊法人で科学技術庁の監督下にある理化学研究所というのは、事業団と同じように新技術の開発の権限を持っておるのであります。この権限を、すなわち新立法によりまして新技術開発事業団に移行させる、こういうことのようであります。そういう点が一つあると思います。それから、もう一つは、設置法の科学技術に関する基本政策を推進するという権限の中には、科学技術庁に対して新技術の開発ということも含まれると解釈することもあるいはできるかと思いますが、さらに、国家行政組織法の基本にさかのぼって考えますと、科学技術庁は総理府の外局であります。総理府の外局には、およそ三つの型がありまして、その一つは、広範囲の事項につきまして、国家全体の企画総合事務を担当する、これが先ほどお話しの経済企画庁とか、行政管理庁とか、あるいは科学技術庁とかいうものであると思いますが、その二つは、二省以上にまたがる行政事務で、一省の専属たらしむるに適しない事務、これは公正取引委員会だとか、北海道開発庁とか、あるいは首都圏整備委員会であるとかいうふうなもの、それから、どの省にも属せしむるに適しない事務、これは宮内庁とか防衛庁とかいうようなもの、こういうおよそ三つの部類に分けることができると思います。このあとの二つのものの外局は、これは、いわば独立の省――小さいものもありますけれども、いわば独立の省に該当する機関でありまして、国民に対する第一線の行政行為をなし得るということは明らかであります。第一類の、いわば企画総合機関が同様の作用をなし得るかどうか、こういう点について問題があろうと思います。本来、これらの機関は、内閣総理大臣の所轄のもとにありまして、国家全体の立場から各省に属する事務の最高政策を企画したり、あるいは相互の調整をするというようなことがその主たる任務でありますが、総合調整の段階におきまして、地方公共団体あるいは公共企業体とか、その他の法人に対して直接行政機能を発揮する必要のある場合が存するわけでありまして、行政管理庁の監察作用というようなものはこれに属するのであろうと思います。科学技術庁に与えられる新技術開発事業団に対する監督作用というのも、結局この種の作用に属するというように考えられます。
 思い出しますのは、昭和三十一年に科学技術庁が総理府に設置されましたときのことでありますが、その設置の理由は、航空関係の研究が日本に再開されるということになりまして、その機会に、各省に散在しておった、いわばばらばらな指導方針によって運営されておった自然科学関係の研究所のあり方を再検討する、重複しておるものはこれを統合し、研究とか、あるいは設備、あるいは予算というようなもののむだや重複を省く、そうして、その研究の成果を上げるというようなことが目的だったと思います。今回の事業団に対する監督も、組織法の原則に反しない、また、各省の専属権限に抵触しない限りは、科学技術庁一本に行なうということが、あるいは政策的な問題でありますけれども、至当ではないかというように私としては考えておるわけであります。これは御質問の趣旨より少し広くなったかもしれませんけれども、本来はむろん総合調整であります。その総合調整の段階において、まだ第一線の専属行政機関、各省の手に渡らない間におきましての一つの作用が含まれておるのではないか、私はそんなように考えております。
#6
○田中(武)委員 設置法について解釈をお伺いする前に、まず、私は、行政法の大義といいますか、先生に来ていただきましたのは、行政機構のあり方について、科学技術庁とか経済企画庁というのはどうあるべきか、こういうことを、まず行政法上の立場から、行政機構のあり方ということについて一つお伺いしたいと思います。と申しますのは、今日この法案がそういうように問題になっているのと同様、御承知のように、きのうの新聞にも発表になっておりましたが、水資源開発についても同じような点が出ておるわけなんです。たとえば、水資源開発促進法というのは経済企画庁でやる、そうして水資源開発公団法が建設省、用水事業公団法が厚生、農林、通産の三省共管でやるというのが一つの政府の行き方のようでございます。あるいは与党の決定のようでございます。また、御承知のように、今商工委員会に低開発地域工業開発促進法案というのが出ております。これと、建設省で考えておる広地域都市構想と自治省の基幹都市構想、通産省の低開発地帯開発構想、それぞれがほとんど同じことをねらっておるわけです。そこで、過去がどうであったとか、たとえば、先生のおっしゃいました理化学研究所が技術庁の所管であったからというようなことでなく、私は、まず、この際、こういった総合調整機関と、実務といいますか、事業所管機関との区別をはっきりとしておかない限り、今後至るところで同じような問題が出てくる、こう思うのです。従って、この機会に、私は、まず学者としての先生から、行政機構のあり方、こういうものについて、行政法上の立場からどうあるべきが正しいか、こういうことをお伺いしたいのでございます。
#7
○杉村参考人 私は、行政機構のあり方、これは行政法の問題というよりは、むしろ行政学といいますか、そういういわゆる事実の学問といいますか、あるいは政策の学問といいますか、そういうふうな領域かとも思うのでありますが、ただ、むろん御説のように、総理府における総合調整機関というものは、つまり、各省全体、国家全体の立場から、ある行政といいますか、あるいは、ある事業の推進といいますか、あるいは、むしろ企画立案というふうなものをつかさどることが本来の姿だろう、そうして各省々々のそれぞれの専門分野におきましては、それぞれの一個の分野における企画もしようし、あるいは立案もしょう、そういう必要がまたあろうと思います。そうして、また、それはそれぞれ各省の、悪い言葉でいえばセクショナリズムでありますが、そういうものの所管、しかも、それが今日におきましては、先ほどいろいろ御説のように水資源にしましても、通産、農林あるいは建設というような、二以上の官省の所管にどうしてもまたがるということが非常に多くなっておると思います。そういう場合には、通常のやり方としましては、各省全般にわたるようなものでない限りにおきましては、いわゆる共管事務ということになる。そうして、相互の連絡、協議というふうなことで問題が解決されるというのが従来の組織法の考え方であろうと思います。しかし、各省それぞれ二つなり三つなりでなく、もっと広い視野において問題が取り上げられる、こういうような場合におきましての企画なり総合調整、これは科学技術庁というふうなもの、あるいは経済企画庁というふうなもの、そういう全体的な立場において見る官庁がこれをつかさどるというのが適当ではないかというように考えるわけでありまして、その点は、私そういう考えでおるのであります。
#8
○田中(武)委員 今、先生の言われた全体的な立場に立ってものを見る、これがいわゆる総合調整の担当官庁のあり方である、こういうように理解いたしますと、その観点からこの新技術開発事業団を見た場合、これは技術研究といった全体的な立場から一歩進めまして、企業的規模において企業化するということです。これはすでに企業に入る前提なんです。そういうような場合にはいかがなものでございましょうか。
#9
○杉村参考人 私は、その点、技術的なことは一向知らないのでございますけれども、そこに個々の監督行政という個々の専門分野においてそれぞれの監督をするという以前に、はたして企業化できるかどうかというような、つまり、個々のものにつきましていずれ研究されるわけでありますけれども、そこの段階において技術庁が総合的な見地からこれを取り上げるというふうなこともあり得るのではないか、要するに、問題は、そのバックにある研究機関にあるのではないかということも考えられるわけであります。だから、科学技術庁の背後といいますか、あるいは附属的な研究機関において、はたしてその企業化というふうなことができるかどうか、それからまた、委託研究というようなことが科学技術庁としてはたしてできるかどうか、こういう問題がむろんあると思うのであります。そういう点からも、個々の場合においては判断しなければならぬと思うのでありますが、一応そういう推進というような面からしまして、科学技術庁で取り扱うということが、別に違法というような、あるいは不当という問題まで考えられないのではないかというのが私の考え方でございます。
#10
○田中(武)委員 私は、違法とか不当とかいうもう一つ前に、行政事務をいかに交通整理するかという問題にかかっておると思うのです。それがいわゆる科学技術庁とか経済企画庁の総合調整行政機関のあり方の問題だ、それを総合的な行政法の立場から先生にお伺いしたい、こういうことで来ていただいたわけでございまして、違法とか何とかいう具体的な解釈論にわたりましては、後に申し上げたいと思います。その前に、私は、立法論といいますか、政策論といいますか、行政機構のあり方、こういう問題で、まず先生にお伺いしておるわけです。今の先生の御意見を聞いておりますと、それでは、各省の技術行政と科学技術庁の技術行政との接点をどこに求めたらよろしいですか。
#11
○杉村参考人 これはやはり各省それぞれの専門分野といいますかが、おのずから設置法に範囲がきまっておるわけであります。それは先ほど申しましたように、二以上の所管といいましても、単に二つとか三つとかいうことでなくして、もっと広い分野の場合におきましては、それは科学技術庁関係にする方が適当であろう、政策的にも、立法政策的にも適当だ、個々の、むろん通産省なら通産省関係ということにしぼらなければならぬ、しぼるということが適当であろうと思いますが、しかし、一つではなくして、二なり三なりというような、いわゆる共管事務として適切であろう、そういう場合には、やはり各省の権限とするということになろうかと思います。要するに、先ほど申しましたように、全体的な立場の問題と各省別の行政機構の問題、行政事務の配分の問題、そのかね合いの問題と思います。その点はいいのでありますけれども、先ほど御指摘の企業化という問題になりますと、今度は実施官庁と企画官庁の区別、こういうことになりますと、その接点というのは非常にむずかしいのじゃないかというふうに考えるのであります。ただ、原子力は、先ほど古いことであるといいましても、これは一つの新しい事実でありまして、原子力の場合におきましても、これを企業化するという場合は、いわゆる監督の段階におきましては、本来各省に属せしめるべきものであろうと思いますけれども、それを、現在科学技術庁がやっておる。これは原子力行政を一本にするということが一つの政策であろうと思います。そういうふうな政策的な観点から、この事業団の場合も、おそらく考えられておるのじゃないかというふうに考えておるのでありますけれども、私は内部のことには通じておりませんので、はっきりしたお答えはできません。
#12
○田中(武)委員 私が先生に来ていただいた第一の理由といいますか、先生にお伺いしたい点は、今言ったように、具体的な過去のいきさつとか、各質問の過去の経歴とか、なわ張り争いということは全然別にして、純法学的といいますか、行政法的な、行政学的な立場から、そういう企画官庁と実施官庁のあり方をいかにすべきか、こういう点をはっきりと先生から伺いたい、こういう点だったのであります。と申しますのは、先ほど来言っているように、私は、この法案でたまたま問題を投げかけておりますが、そうでなく、あらゆる面において出て参るわけであります。そとではっきりしたものをとらえ、それによって交通整理をしていく必要がある。そうでなければ、今後こういった所管争いとか、両省にまたがるいろいろなものが出てくると思う。そういうものはどういうふうにしたらいいのか、実はわれわれも悩んでいるわけであります。それで先生に来ていただいたわけであります。先生のお話を聞いておりますと、二省以上にまたがるものであって、総合的立場から企画立案するものが、すなわち総合調整担当所管である、こういうように理解するのですが、それでよろしゅうございますか。
#13
○杉村参考人 私は、二つのやり方があると思うのです。一つは、つまり共管事務、従来共管事務として行なっておってその効率を上げているものがあります。これは純粋に組織の方から申しますと、一つの省の所管ではないのでありますから、そこに両省協議していろいろ行政事務を処理しなければならぬという面があると思います。そういういわゆる狭い共管事務のほかに、もっと広い範囲の共管事務といいますか、総合的な事務というものが相当あると思います。これにつきまして、総合調整機関が、つまり各省の分担事務に至らないまでの間の調整をする必要があると思う。こういうふうに私は考えております。
#14
○田中(武)委員 いわゆる広義の共管事務であって、各省の担当に入るまでのものを科学技術庁のような総合調整所管とすべきである、こういうことですね。
#15
○杉村参考人 そうです。
#16
○田中(武)委員 そうしますと、そういう立場から現在の科学技術庁の設置法、あるいは経済企画庁の設置法を見ていただきまして、どうでしょう、そういう立場からこれを変える必要はないでございましょうか。先生がおっしゃいましたように、科学技術庁ができました当時の模様からいえば、航空技術の開発の問題とか原子力、原子力は新しい問題であって、どこの所管でもなかったということで、原子力に対しては実施まで入っていると思う。その他の問題については、今おっしゃったような観点に立っている、こう思うのです。そういたしますと、この設置法との関係は、そういう面から見てどうでしょうか。私は、新技術開発事業団を所管する以上は、これは何省だとは言わないが、科学技術庁設置法では疑問がある。もちろん、第三条の、先生の言われた総合的に推進するという中に含まれておるのではないか、こういう解釈も出て参ろうと思います。しかし、これは調整事務だということに狭く解することもできますし、あるいは、総合という中に、事業所智者の分野にまで入り得るのかという解釈も出てこようかと思うのです。少なくとも、三条の任務からは、もちろんそういう解釈論が出て参るとしても、疑義がある。これはただ解釈論の上における論争にすぎないと思うのです。入るといい、あるいは入らないといっても、これは論争になるだけだと思う。これは解釈論になるだけだと思う。先生はそういうように広義に解せられたわけですが、これは必ずしも社会通念からいって、広義が正しいかどうか、まだ疑問を持っております。そこで、そういう疑問のないような開発という言葉が、原子力以外に出てくれば、私はいいと思うのです。そういう建前から、疑問を残したまま法案を通す以前に、科学技術庁設置法の改正を必要としないか、こういうように考えておるのですが、先生の御所見はいかがでしょうか。
#17
○杉村参考人 私は、むしろ解釈論の方で、ここに原子力と相対して開発及び利用というふうなことが含まれておる。これは一つの形式的解釈でありますけれども、そういう問題も起こり得るという面から、これをはっきり表わすということにすれば、むろん明らかになる。その点、御疑問のある点は明らかになると思いますが、現在のままにおきましても、先ほど申しましたような意味合いからしまして、その解釈も成り立ち得るのではないか、こういうふうに考えております。
#18
○田中(武)委員 そこで、この三条の解釈いかんということになるのですが、私は、広義に解するのをいけないとは言いません。しかし、狭義に、私のように言うのも、私は間違っているとは考えていないのです。これはあえて行政法の大家の先生と口論をするわけではありませんが、私は狭義の解釈も出てくると思うのです。そうならば、お互いに解釈論の上における論争にすぎないと思うのです。そこで一歩進めて、立法論にまで上りまして、これを疑問のないようにやるべきではないか、こういうように考えるわけですが、いかがでございましょうか。
#19
○杉村参考人 御質問はごもっともであると思います。私は、そこまで考えませんけれども、むろん、改正を開発というところまで含めるようになされば、もっとはっきりするということは確かであります。
#20
○田中(武)委員 私の疑問の一つにつきましては、杉村先生から伺いましたから、この点はあとへ譲ります。
 それから、これには直接関係がないのですが、先生が当初言われました総理府の管轄の中で、公正取引委員会につきまして、先生は、やはり各省にまたがる事務、こういう中に入れられたのですが、私は、公正取引委員会は性格が全然違う、いわゆる準司法的な行政委員会である、そういうことで、今先生が三つに分けられました中ではなく、特別な立場として一応総理府という中にあるが、権限は独立しておる、こういうふうに考えておるわけなんですが……。
#21
○杉村参考人 それは御説の通りだと思います。ただ、本来からいえば、公正取引委員会は商工関係の事案だろうと思いますので、通産省関係の権限に属するものであろうと思うのですけれども、しかし、必ずしもそうもいえない。独禁法の施行に伴う事務でありますから、まあ、おそらくそういうことだろう。あるいは通産省へ属せしめるようなものがあったと思いますが……。
#22
○田中(武)委員 全然内閣とも独立した機関であると僕は言っておる。独立の行政委員会である。
#23
○杉村参考人 それはそうですけれども、行政委員会でもどこかに属しています。だから、総理府の外局となっておるということですね。外局ですから、通産省からもむろん離れておりますし、これは一種の裁判機関です。
#24
○田中(武)委員 準司法機関です。
#25
○杉村参考人 そういうことです。私、入れましたのは、特別にそう大きな強い意味があるわけではありません。
#26
○田中(武)委員 わかりました。ほかの官庁と並べて、そういう理由で総理府にある、こうおっしゃったので、独立した準司法機関である、こういうことを申し上げたわけでございます。これは本題とは離れますので、ちょっと申し上げたのであります。
 そこで、私から杉村先生にお伺いする点はお伺いいたしました。ほかに各委員の御質問があるだろうと思いますので、私はこれでやめますが、委員長に申し上げたい点は、お聞きの通り、杉村先生も違法ではない、不当ではない、しかし、すっきりするためには、科学技術庁設置法を改正する方がいいのじゃないかというような御意見も出たようです。これは行政学の大家の御意見でありますので、私は、けんけん服膺していきたい。従って、私、あとでもう一度総理に御意見を伺っておきたい、こう考えておりますから、御善処願います。
#27
○山口委員長 ほかに御質疑ございますか。――ほかに御質疑もないようですから、杉村参考人からの意見聴取はこの程度にとどめます。
 杉村参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は長時間にわたり、しかも、貴重なる御意見の開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表して私から厚くお礼申し上げます。
     ――――◇―――――
#28
○山口委員長 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 すなわち、コールダーホール改良型原子炉の安全性に関する問題について、原子力発電株式会社副社長一本松たまき君を参考人と決定し、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人は明日来ていただくことにいたしたいと存じますが、所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○山口委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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