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1960/04/13 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第10号
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1960/04/13 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第10号

#1
第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第10号
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 山口 好一君
   理事 菅野和太郎君 理事 中村 幸八君
   理事 前田 正男君 理事 岡  良一君
   理事 岡本 隆一君
      赤澤 正道君    有田 喜一君
      稻葉  修君    佐々木義武君
      西村 英一君    濱田 正信君
      保科善四郎君    細田 吉藏君
      田中 武夫君    内海  清君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 池田正之輔君
 出席政府委員
        内閣官房長官  大平 正芳君
        科学技術政務次
        官       松本 一郎君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   島村 武久君
        総理府事務官
        (科学技術庁振
        興局長)    原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   杠  文吉君
 委員外の出席者
        科学技術事務次
        官       篠原  登君
        総理府技官
        (科学技術庁振
        興局科学調査
        官)      前田 陽吉君
        総理府技官
        (科学技術庁振
        興局管理課長) 佐藤 松男君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局次長)  森崎 久寿君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局政策課
        長)      井上  亮君
        通商産業事務官
        (工業技術院調
        整部長)    堀坂政太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 新技術開発事業団法案(内閣提出第一二四号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 新技術開発事業団法案を議題といたします。質疑の通告がありますので、この際、これを許します。田中武夫君。
#3
○田中(武)委員 新技術開発事業団法案につきまして、大卒官房長官も御承知と思いますが、商工委員会との連合審査、そこへ総理の出席を願いまして、いろいろと設置法上の立場から、いわゆる行政の総合調整を主として担当する諸官庁、たとえば科学技術庁とか経済企画庁と事業を担当する各省との所管の問題等々について総理からお伺いいたしまして、その後、あらためて、設置法という法律的な立場から林法制局長官の御意見も聞きました。その後、杉村教授を参考人として来てもらいまして、行政学上から見て、この種総合調整を主として担当する官庁と、それから、事業を所管する官庁との間の関係はどうあるべきか、ことに行政学上、行政機構としてのあり方、その上に立って、現在の科学技術庁設置法から見ましてこの新技術開発事業団のようなことがやれるかどうか、こういうことを質問したのであります。その結果、結論的に申しますならば、杉村教授は、新技術開発事業団を科学技術庁で所管するということは、現在の設置法から見て違法とは思われない、しかし、ベターであるとは考えられない、そこで、私から改正をする方がいいのじゃないか、こういう質問をしたところ、その方がより疑義をなくする上においてベターである、こういう御意見でございました。そこで、各庁、各省に関係を持つものでありますので、実は、総理に出席を願って最終的に御意見を伺いたい、このように考えておりましたのですが、総理は所要とかの由で官房長官がかわって見えましたので、官房長官にお伺いしたいと思います。
 今申しましたような経過、このことによりまして、政府として、今後各省あるいは各庁の設置法等を再検討することによって、行政の一元化並びに機構改革、こういうことをやらなければますます混乱が出てこようと思います。今のこの法律だけではございません。御承知のように、水資源につきましても、経済企画庁と事業所管省との間にいろいろ問題がある。低開発地域開発のための法律にいたしましても、現に、経済企画庁からは低開発地域工業開発促進法案というのが出ております。同じようなことを通産省も考えており、若干ニュアンスは違いますが、結局は同じような目的のことを建設省、自治省も考えております。こういうことで、ますます複雑化すると思いますので、政府として、そういう関係を調整していくということをどのように考えておられるか。
 なお進んで設置法等の改正も必要だと思いまするが、そのことについて、総理にかわっての官房長官の御答弁を伺いたいと思います。
 同時に、きょう官房長官が代理で出られましたについては、どういうわけで総理が出られなくて、あなたがおいでになったか、その点もあわせて、お答え願いたいと思います。
#4
○大平政府委員 総理大臣は、御案内のように、数日前から衆議院内閣委員会におきまして防衛三法案の審議にお出ましになる、そういうことになっておりまして、こちらの方があと口でしたので、私、不敏ながら参上いたしたわけであります。
 それから、第二点の、各省行政と総合調整行政との間の限界を明確にしなければならぬという田中委員のお説には、全く賛成です。私どもは、各省の設置法というのは、それぞれの沿革、歴史を持っております各官庁の行政機能、行政の権能の限界を法律に定めたものだと思っております。しかし、設置法がこう定まっておるから、国内の実態もそのような方向にいかなければならぬとは思っておりません。国内の国民生活、国民経済の実態が変わってくれば、これに応じて、行政機能のあり方につきましても再検討すべきは、一般論として当然だと思っております。ただ、問題になっておりまする新技術開発事業団を科学技術庁の所管に現実の問題として入れるのが適切かどうかということにつきましては、杉村博士その他の御所説があったと承っておりますが、現在の科学技術庁設置法のもとにおいて科学技術庁が御所管されることには差しつかえないという判断をしております。なぜならば、科学技術庁設置法の第三条にも、総合的に科学技術の推進に当たるという文句がございまして、すでに科学技術庁におきましては原子力の平和利用、開発等を御所管されておりますると同一の考え方に基づきまして、この事業団を科学技術庁の所管のもとに置くということは間違いでないと思っております。ただ、先ほど申しましたように、経済の実態が非常な革命的な変化を見まして、今の設置法を中心といたしまする行政機構のあり方で対処できないじゃないかという段階になりましたならば、こういう問題について再検討するのは、当然の政府の責任だと思っております。
#5
○田中(武)委員 今、官房長官も言われましたし、先日杉村博士も言われたのですが、第三条の、行政を総合的に推進するという、この意義を広義に解釈するか狭義に解釈するかということでいろいろ問題があると思うのです。そこで、杉村博士も言われるように、違法ではない、しかし、もっとはっきりした方がよりベターである、こういう答弁であったのです。私も、これによってやるかどうか、こういうことで、実は総理あるいは官房長官、あるいは法制局長官等とも今こうしてやっておるわけです。しかし、今この中に含むのだ、含まれないのだといっても、これはお互い解釈論だと思うのです。法律の解釈論というようなものはお互いの論争にすぎないのであって、ことに、また、今おっしゃるのが通念であるかどうかということになると、もっと学者の意見を聞かなければならないと思うのです。従って、疑義のないようにしていくことが必要である。こういう立場から、あえてこの法案のみにとどまらず、広く設置法というものを再検討する。今おっしゃったように、設置法に世の中をはめていくのではなくて、世の中の動きに応じて設置法を検討していくということ、さらにこういう行政の総合的調整を主として行なう官庁と実務を主として担当するところの各省との間の接点をどこに求めるか、こういうことになると、むずかしい問題になります。どういうように改正しようとも接点は出てくると思うのですが、できるだけ疑義を生じないようなやり方をしてもらいたい、こういうことを希望しておるわけなんです。それについて、もう一度だけ御答弁願いたいと思います。
#6
○大平政府委員 政府の所信としては、行政は国民に奉仕するのが任務でございますから、国民生活の現状、国民経済の実態が変化を遂げて、現在の行政のかまえでもってこれを消化するのに不便を来たすというようなことでございまするならば、これは改正すべきが当然であると考えております。それで、各省の行政機能と総合調整官庁の機能との限界、そういう場合におきましても、明確にして参ることは当然だと思っております。現存のところ、それでは全面的に各省の設置法を今の実態に照らして改正する段階にあるかと申しますと、まだ私は情勢が熟していないと思うのでありまして、この情勢の熟成の度合いを見ながら、政府といたしましては、今言われたような御趣旨に沿いまして再検討するにやぶさかでございません。
#7
○山口委員長 他に御質疑がなければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#8
○山口委員長 これより討論に入りますが、別段討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 本案に賛成の方の御起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#9
○山口委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#10
○山口委員長 この際、田中武夫君より、新技術開発事業団法案について附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。提出者よりその趣旨説明を求めます。田中武夫君。
#11
○田中(武)委員 ただいま可決となりました新技術開発事業法案につきまして、委員各位の御了解を得まして、自民、社会並びに民社共同提案にかかわる附帯決議案を提案いたしたいと存じます。
 まず、案文を朗読いたします。
    附帯決議案
 一、新技術開発事業団の所管は、内閣総理大臣に属せしめているが、本事業団の目的並に業務が新技術の企業化に密接な関連を有するため、一般事業所管各省との間に権限の分界に明確をかくおそれがあり、このことは、本事業団のみの問題ではないので、今後各省庁の設置法等について根本的に再検討を加え、この種の疑義をなくすことが必要である。よって政府はこの点について適切なる措置を講ずべきである。
 二、貿易の自由化を迎えんとする今日、わが国経済が国際競争において安定した地位を保持するためには、ますます国産技術の開発をはからねばならない。よつて政府は特に次の各項につき、十分なる措置を講ずべきである。
  (一)外国技術の導入にあたつては、国産技術振興の見地に立つて企業の利益にもとづく安易な競合をきたさないよう措置すべきである。
  (二)各省庁の割拠主義を排し、人材、設備、資金等の総合的かつ効率的運営をはかるべきである。
  (三)中小企業の技術的立ち遅れを克服しうるよう技術の向上と普及の機会を積極的に造成すべきである。
  (四)民間における発明の奨励、その工業化の助長等について中央、地方を一貫した国産技術の開発対策を充実すべきである。
  右決議する
以上が案文でございます。
 提案の説明は、すでに本委員会あるいはまた商工委員会との連合審査等々における質疑の中において、十分この附帯決議提出の趣旨は尽くされておると思いますので、一々その提案の理由は申し上げませんが、どうぞ、この法案の審議の過程において、大臣あるいは総理、あるいは法制局長官、参考人等々と委員各位との間に取りかわされた質疑の内容、あるいはそのときにいろいろ出て参りました問題等々から、皆さんが満場一致でこの附帯決議に御賛同下さらんことを希望いたしまして、提案の趣旨説明にかえたいと思います。
#12
○山口委員長 以上をもつて趣旨説明は終わりました。
 これにより採決いたします。
 新技術開発事業団法案に対し附帯決議を付すべしとの動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○山口委員長 御異議なしと認め、田中武夫君の動議のごとく決しました。
 この際、附帯決議に対する政府の所信を求めます。池田国務大臣。
#14
○池田(正)国務大臣 本案に対する附帯決議の御趣旨は、私どもとしましても十分これを尊重いたしまして、御趣旨に沿うように努力を重ねたいと思っております。
#15
○大平政府委員 本附帯決議の趣旨につきましては、科学技術庁長官が申されましたように、尊重いたしまして善処いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#16
○山口委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成などにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#18
○山口委員長 この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。
 すなわち、科学技術行政に関しまして、特に人工衛星に関する問題について参考人の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませせか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選、出頭日時など、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#21
○山口委員長 岡良一君より発言を求められております。これを許します。岡良一君。
#22
○岡委員 本委員会といたしましては、いよいよ原子力損害の賠償に関する法律案等、重大な案件の審議に入ることになりました。つきましては、この際、特に政府当局並びに関係事務当局に対して、左の諸点について強く要請をいたしたいと思います。
 原子力損害の賠償に関する法律案につきましては、これは原子力事業者の負担を越える部分については、国が損害賠償について援助を与えることになっております。しかも、これは国会の議決を要するというようなことにもなっておりまするが、そういたしますると、当然予算の問題となり、予算の提案権を持っておる政府の大きな事項にかかわって参りまするので、必要な場合には総理大臣はもとより、特に大蔵大臣等の御出席を仰ぐように、大卒官房長官の方で特に一つ御配慮を願いたいと思います。
 それから、この法律案については、原子力委員会において特に専門委員会を設けられ、その道の権威者に委嘱されまして、今日まで数年にわたって検討を続けて参られたのでございます。従いまして、原子力委員会の中では、有沢広己委員がその責任を担当しておられたやに聞いておりますので、あるいは有沢委員なり、また、小委員長として尽瘁をせられた我妻栄委員なり、こういう方々には、やはり定例の委員会には努めて御出席をいただくように、これは池田原子力委員長の御配慮をお願いいたしたい。
 なお、この法律案は、申し上げるまでもなく、最近の急テンポな技術革新に基づいて、いわゆる無過失責任というような、全く異例の原則の上に賠償責任を明らかにしようとするものでございます。賠償の措置をとろうとするものでございます。そういうわけ合いからいたしまして、これはおそらく原子力にとどまらず、あるいは地下の天然ガスを吸い上げるために起こってくる地盤沈下の問題とか、もろもろの日本の新しい技術進歩、近代産業の発展とともに起こり得る不可避的な問題に対する国の新しい義務的な措置の第一歩を踏み出そうとする意味において、きわめて大きな意義を持っておると存じます。そういう意味合いにおきまして、われわれとしては、できるだけ慎重に審議を尽くしたいと存じておりますので、われわれの要求をする資料、あるいはまた、われわれがその人の意見を聞きたいと思う参考人等については、委員長にも十分に御配慮を願い、事務当局におきましても、すみやかに資料等の提出をお願いいたしたい。
 そこで、まず第一の資料でございますが、先般、原子力委員会の方で、大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算というような調査をせられたはずでございますので、その結果のレポートを資料としてぜひ御提出を願いたい。
 第二の資料といたしましては、原子力委員会の中に、下部機構といたしまして安全基準部会がございます。安全基準部会が今日までおよそ三年程度検討してこられたものと存じますが、どのような結論に達せられたのか、この点もあわせて資料として御提出を願いたいと思います。
 なお、必要な資料については逐次要求をいたしますので、すみやかに御提出のほどをこの際希望いたしまして、私の発言を終わりたいと思います。
#23
○杠政府委員 ただいまの資料御要求の二件につきましては、さっくの提出いたしたいと思います。
#24
○山口委員長 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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