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1960/04/20 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第13号
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1960/04/20 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第13号

#1
第038回国会 科学技術振興対策特別委員会 第13号
昭和三十六年四月二十日(木曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 山口 好一君
   理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君
   理事 中村 幸八君 理事 前田 正男君
   理事 岡  良一君 理事 岡本 隆一君
      有田 喜一君    佐々木義武君
      西村 英一君    保科善四郎君
      田中 武夫君    松前 重義君
      山口 鶴男君
 出席政府委員
        科学技術    松本 一郎君
        政務次官
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   杠  文吉君
 委員外の出席者
        科学技術    篠原  登君
        事務次官
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局政策課
        長)      井上  亮君
        参  考  人
        (立教大学理学
        部教授、放射線
        審議会緊急被曝
        特別部会長)  田島 英三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力損害の賠償に関する法律案(内閣提出第
 一〇六号)
 原子力損害賠償補償契約に関する法律案(内閣
 提出第一〇七号)
     ――――◇―――――
#2
○山口委員長 これより会議を開きます。
 原子力損害の賠償に関する法律案及び原子力損害賠償補償、契約に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の通告がありますので、この際、これを許します。岡良一君。
#3
○岡委員 昨日有沢原子力委員に、特に原子力災害補償に関する示唆から、いろいろ基本的な点についてお尋ねをし、御意見を伺いました。その際、他に問題もありましたので、そのままに残しておった問題でありますが、実は、本年度の要求予算として、補償に要する国の支出二十億、この積算の基礎が一体どこにあるかという点について、御答弁の用意ができておりますなら、お答えを願いたい。
#4
○杠政府委員 お答え申し上げます。
 賠償措置額の対象になっておりますのは、熱出力百キロワットをこえ一万キロワット以下につきましては、一サイト当たり五億円という計算をいたしております。また、同じく熱出力百キロワット以下の炉につきましては、研究炉というようなこともございますので、一億円という計算をいたしておりますが、これは昭和三十六年度におきましては八サイト考えられるということで、八億円という計算をいたしております。それから、同じく核燃料物質の使用といたしまして、濃縮ウランの加工が一サイト考えられるのではないかというのが、措置額として五億円考えております。従いまして、合計いたしますと十八億円を昭和三十六年度においては考えておりますが、予備といたしまして二億円を追加いたしまして、債務負担行為の合計額といたしましては三十億円の予算措置をいたしておるという内容に相なっております。
#5
○岡委員 それでは、その措置をとられた原子炉はどれとどれで、どういう規模の、どういう形のものですか。
#6
○杠政府委員 原子炉といたしましては、日本原子力研究所におきまして一号炉、すなわち、ウォーター・ボイラー型のものが動いておりまして、これは五十キロワットでございます。それから、同じく日本原子力研究所におきまして、御承知のCP5型、すなわち、二号炉というのが、一万キロワットでこれも稼動しております。同じく国産一号炉が、本年の秋に一万キロワットの熱出力をもちまして運転に入る予定でおります。しかし、これは一サイト主義でありますから、これを一サイトと計算しておりまして、先ほど申しました五億円の措置額というふうに考えております。同じく、先ほどお答え申し上げました八サイトというのは、立教大学のトリガ2型、これが予定といたしましては本年の春でございましたが、今手直しをしておりまして、多少おくれるかと思いますけれども、本年度には運転に入る、これが百キロワットの熱出力でございます。これが一サイトと計算しております。五島育英会のトリガ2型が、本年の夏から秋にかけまして百キロワットの炉として運転に入る。それから、日立製作所がスイミング・プール型の炉を建設いたしておりまして、これも同じくことしの界の予定でございましたが、多少おくれるといたしましても、三十六年度中には運転に相なります。これが百キロワットでございます。これも一サイトでございます。同じく、東京芝浦電気におきまして、スイミング・プール型の百キロワットの炉がことしの夏にでき上がるという計算をいたしておりまして、これが一サイトでございます。それから、東海大学が申請の予定を持っておりましたのがございますけれども、これはまだ申請の予定でございまして、一応確実な計算の根拠には入ってないということでございます。近畿大学が炉の建設をほとんど終わっております。UTR型でございまして、これが〇・一キロワットでございます。近くこれは運転に入ることに相なりますが、これがワン・サイトというふうに考えております。また、同じく日立製作所におきまして百ワット程度のものを三十六年度中に建設したいということもございます。それから、住友原子力工業会社におきまして、まだはっきりいたしませんが、三十六年度中に建設する実験研究用の炉がございます。先ほど、東海大学につきましては、まだ申請が出てないからワン・サイトとして数えたいと申し上げましたが、この予算の積算といたしましてはワン・サイトとして考えております。合計いたしまして八サイトということに相なります。
 それから、また、次に、核燃料物費の使用関係、すなわち、濃縮ウランの加工でございますが、これは日立製作所が目下申請中でございます。これも積算の中には入れております。しかし、これを許可するかしないかというようなことは、今後いろいろ審査をいたしてみないとわかりませんけれども、一応予算の積算の中には入れておる。それがワン・サイトでございます。以上でございます。
#7
○岡委員 それでは、今御報告のその個々の炉については、もちろん、推定され得るいわば事故の解析をし、また、推定される災害の試算もしておられるはずだと思うのですが、その個々の炉について、何も詳しいレポートは、要りませんが、どういう試算をしておられますか。
#8
○杠政府委員 手元に資料を持ち合わせておりませんので、次会にお答え申し上げたいと思います。
#9
○岡委員 この損害賠償の法案が運営される場合には、やはりその先例が非常に大きなファクターになろうと思うので、私はお聞きをしておるのです。一つ、ぜひその資料を御提出願いたい。
 そこで、昨日有沢先生からの御答弁によりますと、先般、私どもが資料としていただいた理論的に可能な大型炉の災害並びにその試算なるものは、いわばその評価が、方法論的にも、従って、また、結果的にも非常に大きいというので、何か別な評価をやられて、それを参考にしてというお話でありましたが、その別な評価というのは、どういう内容のものですか。
#10
○杠政府委員 昨日有沢委員からお答え申し上げました別の資料ということでございますが、このほかに、この立法にあたりまして特別の資料を用意したことはございません。おそらく、有沢委員の記憶違いではなかろうかと思っております。事務当局におきましては用意したことはございません。
#11
○岡委員 やはりそれもこの法案審議の重要なデータなんですよ。だから、大型炉については、炉の設置申請者は、原電の場合のようにほとんど災害はないという。しかし、原子炉というものは、どれだけその安全性について念を入れても念を入れ過ぎることはないといわれておる。これはもう世界の常識であることは御承知の通りである。そこから客観的に、主観の入らない災害評価、そしてまた、その災害の実数の試算が必要になってくる。また、当然そのことが予想されておるからこそ、損害の賠償ということが責任保険やあるいは国の補償ということになっておる。ところが、それが何もないということでは、この法律案の審議のしようがないじゃありませんか。何を基準にしておられるのですか。
#12
○杠政府委員 お答え申し上げます。
 岡先生のお話では、いろいろ資料を持っておるようなお話もございますが、世界におきまして今日まで出ておりますのは、この大型炉の計算のよりどころといたしましたWASHの記録、すなわち、ブルックヘブン研究所におきまして試算いたしただけの資料でございます。これも、その当時、やはり損害賠償措置をアメリカにおきまして考える一つのよりどころといたしまして計算をしてみたということでございます。そのWAPHの資料を受けまして、日本にこれを適用した場合にどういうことに相なるだろうかというので、原子力局が七十六万円をもちまして委託研究を原子力産業会議にいたさせまして、そうして調査報告書として出て参りましたのが、先ほど岡先生もおあげになりました、お手元に資料としてお配りした「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」というものでございます。他によるべきところの資料は、私たちは、まだあるということを承知いたしておりません。
#13
○岡委員 WASH報告の中にもちゃんと書いてある。だから、こういう大型炉の災害というものは、理論的な可能性に基づく災害の確率はきわめて乏しいだろう、けれども、中性子の持続的な照射に基づく物質の物理的な、科学的な変化は全く未知の分野であるから、原子炉の設置については、その安全性に対しては幾ら念を入れても入れ過ぎることはないと言っておる。そうすれば、未経験な日本が炉を設置する場合には、何かやはり客観的な災害評価がなければならぬ。世界にただ一つWASHの報告しかなければ、このWASH報告をとるか。ところがあなたの方では、あなたが会計課長のときに七十六万円の金を出して、そして原子力産業会議に災害の評価についての公正なレポートを求められた、それが来たわけです。ところが、これがとにかく無視されておる、そのこと自体が私は問題だと思うのです。あなたが会計課長のときに国費を出しておる、それが価値なきものとされておる。それじゃ何かかわりに使ったか、他の参考資料を援用したと、きのう有沢委員は言っておられる。今聞けば、何もないということは、二つ考えられるわけです。もう原子炉設置業者の持ってきた災害を信用すればそれでいいというあなた方の態度なのか、さもなければ、とてつもない災害が起こるが、そんな数字はとても出せるものでないから、ほおかむりしていこうとするのか、この二つ考えられる。しかし、私は、いずれも原子力というような科学の分野における政策の根拠としては非常に不謹慎だと思う。では、WASH報告という世界にただ一つしかない文献であり、しかも、原子炉の運転と設置については相当の伝統を持っておるアメリカの原子力委員会の公式な報告と言っていい、その方法論に従った日本の原子力産業会議がやったあの報告というものをどうされるのか、どういう根拠で、なぜ価値なきものとされたか。
#14
○杠政府委員 私の方が原子力産業会議に委託しましたおりには、WASHの資料がございませんで、WASHの資料をよりどころとして計算してみて下さいというような委託の仕方をいたしておりますが、お手元に差し上げてございます資料のページで申し上げますと、五ページでございます。五ページをお開きいただきますと、WASHにおきましても何人かの専門家の勘による推定を集めようとしたが、大部分の専門家は、これを確率数値で表わすことを断わったということが書いてございます。そして、その注といたしまして、「WASHには専門家のカンによる確率が非常に幅のある数字として示されている。これは全く科学的根拠のないものではあるが、だからといって科学的根拠のある推定は今日では何人もなしえないところであろう。」こういうふうに注がついております。従いまして、できれば、客観的なデータに基づきまして計算してみるのが当然のことでございますけれども、何しろ、アメリカのような原子炉の先進国におきましても、資料不足によって今確率論的なことは言えない、その結論が出せないということを言ってございます。まして、日本における原子炉の置かれる状況、環境というものは、アメリカとはよほど異なったものもございます。従いまして、そのアメリカのものが直ちにもって日本の基準になり得るかどうかということは非常に疑問がございます。しかも、日本においては、ただいま、御承知の通りにウオーター・ボイラー型が一基動いているのと、次にCP型が一基動いているという程度にすぎません。そのほか、発電炉の審査等におきましては、いろいろ過去の経験によるところの計算でなしに、やはり先進国におけるいろいろな炉の安全審査の審議過程等を参考にいたしまして審査されているというような状況でございます。何しろ日本においては、データ不足ということはどうしようもない今日の状況でございますので、このウォッシュの資料によりどころを求めたにいたしましても、今申し上げますように、その原典となるべきWASHの資料そのものが、確立論的に議論され得ないものであるということでございますから、やむを術ない措置ということで御了解いただきたいと思うのでございます。
#15
○岡委員 そういうことは実に非科学的だと思う。大体この資料を見ても、むしろ過小評価と書いてある。放射能の被爆によって生ずる将来の遺伝的障害であるとか、あるいは放射能による慢性的な疾病の状態などはこの試算の中に入っておらない。だから、この評価というものはまだ過小評価だと言っているのですよ。
 いま一つは、しかし、WASHの報告というものは、今あり得るただ一つのものなんです。だから、WASHの報告を何の根拠で皆さんがそういうふうに否定をするような態度に出られるのか、災害が起こった場合、五十億で足らなければ、やはり国が補償するのですよ。国が補償するというなら、こういう法律案を出す前に、できるだけ可能な限りにおいて、こういう事態の場合にはこれだけの損害賠償のアマントというものがなければならぬ。それがなければ、われわれはこの法律案を審議できないじゃないか。ただいいかげんなところで、五十億は、保険会社がこれ以上やれないというから仕方ない、足らぬところは国で出そう、そういうことで国費というものを私するようなことは、私は、政府としては妥当じゃないと思う。政務次官、あなたは非常に正直な人ですが、どう思われるか。
#16
○松本政府委員 実は、私も昨年十二月政務次官を拝命いたしまして、まだ日が十分ございませんが、その後、この災害補償法なりあるいは賠償補償法を拝見して、いろいろ各位と意見を戦わしたのですが、しかし、今、岡委員のお説のごとく、損害の想定というものは何らかのデータに現われないか、こういうことになって参りますと、残念ながら、今、局長がお答えした通りであります。広島、長崎で原爆の被害を受けたわが国ですので、そういうようなことも想定の一つのデータになし得ぬことはない。しかし、あれとこれとはまただいぶ事情が違いますし、想像すれば、これは限度がない。しかし、炉の規模とか出力とかいうものから見れば、ある程度の想像はつかぬことばあるまいということも考えられます。なお、両法案の中の、災害補償方式あるいはその支払いの具体的な方法とかいうような、細部にわたっての規定はどうだということも検討いたしました。原子力局の下にあるこの問題についての小委員会で、我妻博士初めが三十七回の慎重審議をして、その結論のもとに出てきたこの法案であるということを聞きまして、相当専門家たちが御苦労願った、なおまた、昨年の議会においてほぼ審議は尽くされておる――まだ一部は残っておるが、しかし、昨年の議会の継続的な法案であるというような話も承りましたので、私ともも――今の長官もそうですが、この法案についてあまり手直しというのもいかがか、こう実は考えました。二十二年でしたか、農業災害補償法を制定するとき、私どもそれに参加し、その後、その運営に私ども責任者として十年余り当たって参りました。しかし、たとえば風水害あるいは火災というような自然災害、あるいは人為災害から農家を守るという国の補償責任、この法律の制定から運営にあたって、当時想像しなかったいろいろな問題が起きまして、二度、三度法律を改正いたしております。そういうようなこともありますので、本法も一応御制定おき願って、そして、今後そういうことが勃発することは万々あるまいと思いますが、万一のことがなきにしもあらずということ等も、世界の国々の事情もわかって参りましょうし、その上で、また国会で、時には改正あるいは手直しという方法もあろうと思います。ともかく、原子力産業がぼつぼつ進んで参っておるのに、その損害賠償なりあるいは国家補償という基本法律がなくてはこれはどうにもしょうがない。早く、とりあえず法律の制定をということが非常に急がれておりますので、議論は多々ございましょうけれども、いずれそういう問題の具体的なことは、今後の問題として、ともかくこの議会でこの法律は一つ御制定を願いたい、こういうことを私念願いたしております。ただいまの御質問のことも万々ごもっともでありますし、また、私ども同感の点が多々ございますが、会期もだんだん迫って参りますので、この点、一つ御了承をいただきまして、よろしくお願いいたしたいと思います。
#17
○岡委員 これは、池田長官もあなたも少し誤解しておると思う。一つの誤解は、この法律案は前々国会に提出されました。しかし、私どもは一言半句もこの法律案について審議をしておらないのですよ。むしろ、この法律案は、いわば技術革新に伴ういろいろな地域住民なり、社会への影響等をいかにして政治が調整するかということが重大な問題なんです。その最初のこれは法律案であるから、よほど念入りにこの法律案を審議しなければならぬということは、私は理事会でも言っておるのです。その後、一言半句も審議には入っておりません。会期がほとんど過ぎてから、まあまあなんというのは、あなたは事実を知っておられないことなんですよ。
 それから、田島先生もこられましたから、田島先生にもあわせて実は御意見を伺いたいと思います。
     ――――◇―――――
#18
○山口委員長 引き続き、両案について参考人より意見を聴取することといたします。
 御出席の参考人は、立教大学理学部教授、放射線審議会緊急被曝特別部会長田島英三君であります。
 この際、田島参考人に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、本委員会の法律案、審査のためわざわざ御出席をいただきまして、まことにありがたく厚くお礼申し上げます。
 本委員会は、ただいま原子力損害の賠償に関する法律案及び原子力損害賠償契約に関する法律案の両案について審査をいたしておりますが、両案について、田島参考人には忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。御意見の発表は約二十分程度としていただきまして、そのあと、委員諸君の質疑があれば、これにお答えを願いたいと存じます。田島参考人。
#19
○田島参考人 私の専門は、ただいま放射線物理をやっておりまして、かたわら、事故解析のような技術的な、科学的な面をいささか興味を持ってやっております。特に、ただいま、非常に関心の深い災害緊急被曝線量というものをどう考えるかというようなことに関して、放射線審議会の方でやっております。しかし、この賠償とか社会的な問題に関しては、私の完全な専門外でありまして、これに対して私は意見を申し上げる資格はございません。ただ、技術的な面につきまして、ある程度の示唆その他のことには多少意見を申し上げることができるかもしれませんけれども、賠償その他、技術的なもの以外のことに関しては、私の資格ではございませんので、その点はお許しを願いたいと思います。従って、に対する直接の御意見を申し上げることはできません。
#20
○山口委員長 なお、この際、特に「大型原子炉の事故的可能性及び公衆損害額に関する試算」というパンフレッドをお配りしてありますが、これについて御説明願えれば幸甚に存じます。
#21
○田島参考人 この企画は、御承知のように、科学技術庁から産業会議に委託されまして、われわれが入りまして行なった試算でございます。
 そこで表題について多少疑念もあろうと思いますので、ちょっと申し上げますが、理論的可能性とはどういうことかということであります。これは、ある仮定のもとにわれわれが計算をしたということであります。最も重大な点は仮定でありまして、この報告書に書いてあります仮定が正しいかどうかということが最も重要なポイントでありまして、その仮定を一応認める、あるいはそういう場合を考えるという限りにおいては、かなりな線が出ておるのではないかという点が一つの点であります。
 それから、もう一つ、この報告書の価値といいますか、手前みそのようなことを申し上げて申しわけないのですが、ここにありますその数字自身は、仮定が動けばおそらく動くものであろう、ただし、これは日本として初めての試みでありますので、これをやることによりまして、あるいは大きな事故が起きたときにどういう点が問題になるかということが、かなり明らかになったということは、この作業をやりましたときの一つのメリットであります。
 それから、もう一つ、この報告書の価値をわれわれがわれわれなりに考えておりますのは、事故の解析というものに対する一つの筋道を与えていくという点で私は大へんいい試算であった、そういうふうに考えております。
 これは大ざっぱに申しますと、大体の基準でありますが、御承知のようにWASH七百四十のものについてやってほしいというようなことでありましたから、かなりそれを参考にいたしたのであります。それに、もちろんWASH七百四十が出ました後の経験と、それから日本の事情をできるだけ加味したつもりでおります。もちろん、今この方面の研究は非常に進んでおりません。これは必ずしも日本に限らず、世界の情勢が進んでおりませんので、完全なものは期待できないのですが、ある程度、とにかく終局まではいってみようという考えでこれをやったわけであります。ところで、その仮定のうちで一番の問題になりますのは、十の五乗出るのか、七乗出るのかという点が最も大きな問題ではないかと思うのですが、これはわれわれが予測できるところの事故でありましたならば、そのような対策は当然とってあるわけでありまして、ある原子炉がありまして、それにいろいろな段階の安全装置がついておるとすれば、その安全装置がそれぞれの確率をもって故障するというようなことを想定いたしますと、そのときの最大の事故としてマキシマム・クレディブル・アクシデントが考えられる。そのマキシマム・クレディブル・アクシデントに対しては、当然それが起きたときの処置がとられておるのでありまして、従って、どうしてもそれ以上の事故を考えないと、この事故解析の大前提になりますわれわれの命題に対する立場がなくなるわけでありますから、そのマキシマム・クレディブル・アクシデントよりも、今のわれわれの知識では考えられないある原因によってできるといことを前提にしない限りは、この作業はそもそも無意味になるわけであります。従って、立場といたしますと、十の七乗出た、十の五乗出るということは、どちらかといいますと、論理的といってはちょっと言葉が強過ぎるかもしれませんが、必然的に出てきた数字ではないというふうにむしろ、作業の前提にあるのだということにお考え願いたいと思います。マキシマム・クレディブル・アクシデントの放出量として、大体十の四乗キューリーくらいのことがよくいわれておりますので、どうしてもそれ以上のものを考えないと――それ以下のものでしたら、それは当然その原子炉装置として対策は立てているはずだ、それを立てないところに何かしら別の、われわれの予期しなかった原因で起こるかもしれぬというような、MCAを越えたものに対する放出量を前提にいたしまして作業を始めて、その点が非常に大きな問題点になるのではないかと思いますので、御説明申し上げた次第であります。
 あとは、どういう立場でやったか、どういう立場と申しますか、どういうファクターを入れたか、どういう点でWASHと違う点があるかというような御質問がありましたら、質問によってお答えしたいと思います。
#22
○山口委員長 以上で田島参考人からの御意見の発表は一応終わりました。
 質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
#23
○岡委員 先ほど来、田島先生、問題に立てている点は、今度法律案を出された、そこで損害賠償、いわゆる無過失責任を集中してやる、しかし、保険会社の引き受け額は五十億をこえることはできない。だから、万一にも大きな災害が起こったら国が援助をする、こういう法律案が出たわけです。そうすると、私ども、何もうしろ向きでものを言うのではないのだが、将来どの程度の災害が起こるかということも、一応われわれとしてはきわめておかなければならぬ。そこで報告がある。今われわれはこれだけしかない。しかし、とりあえず日本としても、政府の方ではこの法律案の御提出にあたって、WASH報告に基づく試算をさせてみた。そこで、私は、きのう原子力委員の方にお聞きをしたわけです。あれではどうも少し過大だ、他の参考資料では、もっと低い災害坪価の資料を中心に、一応起こり得る災害評価のアマウントを参考として考えた、こう言っている。さて、きょう原子力局長のお話を聞くと、それは何かの思い違いで、何も別に参考のデータはないのだ、こういうことなのです。そこで、私どもは、やはり先ほども申しましたように、この技術革新に伴う社会的影響を何とか調整するということは、これはやはり政治の重大な使命になってくる、そのいわば先駆として出された法律案でもあることだ。そこで、やはり科学の分野の問題であるから、われわれは、おそらく中性子が持続的に照射されて、あるいは緩速材なり冷却材なり、それがどんな科学的な、物質的な変化を起こすかということは未知の分野ではあるが、しかし、それにしても、可能な限り理論的な災害評価というものをわれわれはすべきだ、また、そうすることが国の補償の責任を明確にさせるゆえんでもあるのだ、そういう意味でさせるべきだ。ところが、参考資料がないということなので、それでは、これは局長にも、あるいは次官にも聞くのだが、あの理論的な可能性と、それに基づく試算について、一体どういう根拠でこれを無視されたのか。あなたが会計課長として七十六万円出している。あなたは受け取っているでしょう。どういう科学的根拠でこれを無視されたか、その点を一つ…。
#24
○杠政府委員 先ほどの答弁の中で、私が無視したようなことを申し上げたとすれば、これは私の言い違いでございまして、無視したというようなことはございません。ただWASHは、先ほども御説明申し上げましたように、WASHそのものが科学的根拠に非常に乏しいということを言ってございますので、それに基づいて計算されたところの、日本におけるこの大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算というものも、確実な根拠として、これのみに基づいて立案すると申しましょうか、そういうことはいたしかねるということを申し上げたのでございまして、これの一つ一つについて、これはいけない、あれはどうだというふうに、あるいは全体を通じましても否定するという思想から出発しておるのではございません。ただ有沢委員もおっしゃいましたが、このことが過大評価であるかどうかということ、そういうことにつきましては、委員会の中でも御検討がおありであった。有沢先生が多くの資料云々とおっしゃったのは、右派先生の記憶違いであろうと申し上げましたのは、有沢先生のおっしゃっていることが、WASHというものに直接よったというお話でございましたが、特にWASHというものは相当参考にされておるということでございますので、そのWASH並びにこの理論的可能性に関する試算というようなもの、それだけでもってこの立案の根拠にしたということでないというような表現だったかと思うわけでございます。
#25
○岡委員 いずれにしても、せっかく原子力局が予算を出して調べたものが、結果的には無視されたといってもいいでしょう。
 そこで、もっと具体的にお聞きするのだが、WASH報告あたりを見ると、あるいはこのレポートを見ても、結局熱出力五十万キロワットの原子炉は、内蔵される放射能の全量は、一ワット当たり一キューリー、だから、五かける十の八乗キューリーだということが一つの前提に立っておる。これは専門的なお立場から見て、田島先生、この試算の前提としてのこの仮定は、大体否定すべきではないと思うが、どう思われますか。
#26
○田島参考人 私たちもこの試算をするときに大へん議論をした点なのですが、要するに、ありそうだとわかるような事故と申しますか、マキシマム・クレディブル・アクシデント、これに対しましては、先ほども申し上げましたように、その対策が立っているはずだから、この立場とすればわからない。わからないということになると、これは一番大きく見積もって、内蔵されているものをそのままとるべきであるというのが最大限度の仮定だ、そういうものもあります。従って、――従ってと申しますか、WASHなどの場合には十の八乗キューリーをとっている。これに対して十の五乗と七乗を問題にしたのですが、しかしわからないといいましても、われわれがなぜこのWASHよりも仮定を低くとったか、その点は理論的な筋道はないのですけれどもそれはやはりこの報告書に――われわれ大なり小なり今までいろいろ事故を経験してますが、公衆災害の立場から参考になるという事故は、ウィンズケールの事故が唯一のものであります。ウィンズケールのあの事故の結果得られた重要なインフォーメーションは、非常に揮発性だけのものが多く出て、ストロンチウム九〇その他の揮発性でないものは、あの場合に限りますけれども、出なかったということであります。あのときは二万キューリー出たのでありますが、五千分の一か何か、内蔵放射能に対してはかなり小さなパーセンテージを占めている、そういうインフォメーションがありましたので、そこでWASH七四〇の仮定したトータル・キューリー数よりも低いキューリー数をとってもいいんじゃないかというようなところが大体の委員の空気を押えましたので、十の五乗と十の七乗の点をとって計算をしたというのが、われわれの作業の大体の空気でございます。それがお答えになるかどうか知りませんけれども、とにかく、あのウィンズケールの事故というのは非常にこの作業にあたって有力な作用をしていたということは申し上げられると思います。
#27
○岡委員 その他は、具体的には、原子力委員会なり原子力局としては、今田島教授の言われた十の五乗あるいは十の七乗は過大であると見られたのですか。
#28
○杠政府委員 われわれは、十の五乗が過大であるか、十の七乗が過大であるかというような、それぞれについての意見を持つだけの時間的な余裕が残念ながらございませんので、有沢委員が昨日過大であるというふうにおっしゃいましたことの意味が、損害額としての過大ということを意味しておられるのか、あるいはキューリー数における計算の前提が過大であるとおっしゃっているのか、どうも受け取りかねたわけであります。局といたしましては、今お答え申し上げましたように、このキューリー数が過大であるかどうかということにつきましては十分な検討をいたす余裕がない、従いまして、この計算の結果というものを無視してしまっているというのではございませんが、結果そのものを取り入れたということではないというふうにお答え申し上げているわけでございます。
#29
○岡委員 それじゃ、原子力委員会としては、このレポートの、いわゆる十の五乗なり十の七乗というものは理論的に可能な数字だという立場をとられたのですか。ただ、それに基づく災害の計算においては考え方が違う、そういうことですか。
#30
○杠政府委員 計算の前提としての、妥当であるかどうかということにおきましては、やはり妥当であるというふうな考え方をおとりになっているものだと考えます。計算の前提の置き方でございます。前提としては妥当であるというふうににお考えになっておるのではなかろうかと思うわけであります。
#31
○岡委員 ちょっとわからぬのです。というのは、原子力委員会としては、十の五乗ないし十の七乗というものが放散され得るという可能性については認められたのですか。
#32
○杠政府委員 委員会の事務局として、私の方で承知していなければならぬ問題でございますが、私の方の承知しておる範囲におきましては、原子力委員会の専門部会が結論を出しますおりには、この資料というものは残念ながら間に合ってなかった、従って、原子力委員会の専門部会の結論には取り入れられていない、しかし、原子力局がこの法案を立案いたしますおりの政府部内における折衝等におきましては、役立てておるということでございます。
#33
○岡委員 であるから、この十の五乗あるいは十の七乗キューリーが放散され得る可能性は認められておるのか、おらないのかということをお聞きしておる。この法律案を提出された原子力委員会が三年越し作業を進められた中で、このレポートの数字というものを認めているのかいないのか。
#34
○杠政府委員 ただいまも田島参考人から御説明なさっていましたように、やはり未知の問題を究明いたしますおりに、WASHの出した計算の根拠というものがございますから、それを全然否定してしまうだけの日本における資料が整いません今日におきましては、やはり推定計算をしますおりの前提といたしましては、妥当な数字として受け取るということであります。
#35
○岡委員 それではきのうおっしゃったことは間違いなので、現在、このレポートの前提となる十の五乗ないし十の七乗キューリーの放散事故があり得るということは認められたということですね。
#36
○杠政府委員 この最悪想定事故、つまりMCAと申しておりますが、このMCAということは、現実の事実に立脚するところの想定でありますけれども、この最悪想定事故、つまりMCAを越える事故につきましては未知の要点がございますので、計算の前提としては認めるというふうにお答えするほかはなかろうかと思うわけであります。
#37
○岡委員 これは田島先生、やはり科学者の立場から、この原子力の平和利用の開発推進には当然御熱意があってしかるべきと思うのですが、先生の立場からは、少なくとも、大きな潜在的危険というものが予想される――これは予想されるのであって、事実を確認するわけにはいかないし、また、確認される事態が起こっては大へんなのですが、しかし、潜在的危険性というものを今われわれが予想し得る一つの文献としてはWASH報告があり、また、これに基づいた日本のレポートがある。これはやはり原子力の損害賠償における大きな意義あるただ一つのデータとして、私どもは、こういう理論的に根拠のあるものを、たとえ仮定の上に立ったとしても、尊重していくということが政策面において私は大事ならがまえじゃないかと思うのです。その点について、先生の率直な御所見を伺いたい。
#38
○田島参考人 全くおっしゃる通りだと思います。すなわち、MCAというものは、先ほどから申しましたように、とにかくある確率をもって論理的には計算できる。それがあるから、それ以外の、人知、現在の知識で想像できないような事故は、極端な言い方をしますと、非常に少ないということも実は割り切れない、プロバビリティとして少なくなるということも割り切れない問題であります。従ってMCA自身が十分議論されてその対策を立てておるから、ほかの事故は、それではそれよりもずっとプロバビリティとして少ないかというと、必ずしもそうではない。その方向には進んでおりますけれども、その点はMCAの事故を考える場合と、そうでない事故をわれわれが考える場合とは、基本的に違う問題ではないかと思います。というのは、そのMCAでは、たとえば、メーターのあれが故障のときの問題、その次の、安全装置がどのくらいあるか、これは全部一応系列に入りまして、計算のうちに入るわけです。従って、それ以外のファクターは実は入っていないわけですから、それ以外のファクターがどのくらいの潜在的な危険性を持っているかということに関しては、実は何人たりといえども、ほんとうは言えないもの、だと私は考えておるのであります。従ってそういう意味で、この報告書の立場をとりますと、やはりある種の仮定をしていかなければいけない、その仮定は、われわれの経験からだんだん正確なものになっていくだろうということで、大体MCAの放出量を十の四乗が最高量として出ておりますから、従って、その上のところの点は、やはりMCA以外の事故を考える場合は、それよりも一けに高い点は、少なくともとるべきではなかろうか、従ってそういう意味においては、これは一種のその試算の前提でありますが、その原子力工業を進めていく上には、それに対する災害対策は、別の面でやはりある程度考えていかなければいけない、それには補償の問題も入るだろうと思いますし、それから、実際そういうことが起きないと思っておりますが、もし起きたときの対策はどうするかというようなことまでひっくるめてやっておくことが、おそらく原子力工業を最も健全に発展させる道ではないか、これは私のひそかに考えておることであります。
#39
○田中(武)委員 関連して。先ほどの岡委員の質問に対する原子力局長の答えは、私聞いておってよくわからぬ。あなた方が原子力損害の賠償に関する法律案外一件を作るに際して、その基礎となるものの試算を日本原子力産業会議に委託して、そしてこの試算表を作ってもらったのじゃないですか。それが間に合ったとか合わないとか、何か回りくどいことを言っているのだが、この法案とこの試算表とは関係があるのか、ないのか、法案の基礎をなしておるのか、なしてないのか、それを言って下さい。
#40
○杠政府委員 先ほど岡委員の御質問にお答え申し上げましたように、原子力委員会の専門部会の答申としては間に合わなかったけれども政府案を立案いたしますおりには間に合いまして、それを参考の資料としては使われておるということでございます。
#41
○田中(武)委員 要は、むずかしい未知の科学は私はわかりません。そんなことは学者にまかせておったらいいのだ。そんなことよりも、このことによる災害がどの程度のものになり得るかということを想定し、その上に立って、政治的、政策的にどのような補償義務を国家が負う、あるいはその企業に負わすかということです。そのときの法律の基礎をなすもののその試算であるのかどうなのか。専門部会では間に合わなかった、しかし参考にした、これは単なる法律作成のしの参考だったのですね、そうすると、法案の作成には、もっとほかに基礎があるのですね、それでは、その基礎はどういうのです。
#42
○杠政府委員 たびたび岡委員の御質問にお答え申し上げておりますように、別に資料があるというのはWASHの資料でございます。この原典になっておるところのWASHの資料だけでございます。ほかには、残念ながら科学的に主張し得るだけの根拠を持った資料というものは世界的にもございませんし、日本においても、先ほど岡委員がおっしゃいますように、この委託調査によるところの計算例、この計算例というものが参考資料だということでございます。
#43
○田中(武)委員 要は、法律案を作るにあたって、どのくらいの災害が起きるのだ、この上に立たなければ法律案はできぬと思うのですよ。ところが、今のあなたの答弁では、これは参考にすぎないのだ。WASHなり何なり、一つしかないのだ、こういう手さぐりで法律案を作った、そうとしか考えられない。それなら、この損害補償法案は、結局基礎のない上に作られたものだということで、われわれとしては、その基礎がはっきりするまでこんな法案の審議はできませんよ。関連資料ですからこのくらいにしておきますが、そう簡単に考えてもらったら困るのです。あらためて、私は独立しての質問をいたします。
#44
○岡委員 そこで、この十の五乗という数字を一応参考とされた。ところが、十の五乗ということになりますと、一キロワット一キュリーとして、一年ないし二年運転をした五十万キロワッとの熱出力を持った炉について五かける十の八乗キューリー、ところが十の五乗ですから、五千分の一ですね。全内蔵する放射線の五千分の一だ。ところが、ことしの二月、アメリカの原子力委員会がいわゆる原子炉敷地の基準と、いうものを発表した。これは、たとえば計算例として「事故の結果、原子炉建家内に放出される核分裂生成物は、希ガス一〇〇%、ハロゲン五〇%」云々として、「炉内に内蔵される核分裂生成物の全放射能の一五・八%にひとしい。」というのですよ。アメリカで、しかも、コンテナーのあるところが前提となっている。だから第二項では「放射能の原子炉建家からの放出は、建家内空気の一日当り〇・一%の漏洩率で起るものとし」といっておりますけれども、そうすれば、コンテナーがなければ、放射能の放出の予想というものは〇・八%、十の五乗というのは五千分の一ですよ。アメリカでは、最近の原子炉の散地基準というのはこういうシビアなものをやっているのですよ。ところが、あなたの方では、こういう問題については非常に怠慢だ、無責任だと私は思う。どう思われますか。あなた方の態度は、アメリカの基準を否定する結果になる。
#45
○杠政府委員 アメリカにおけるただいま御指摘になりましたところの立地基準でございますが、立地基準は、昨日も有沢委員からお答え申し上げましたように、二月に公表いたしました。それ以来、百二十日間の期限をもちまして各方面からそれに対するところの意見を聴取することになっております。残念ならが、まだ百二十日間の締め切りの時点が来ておりませんので、どういう意見が聴取せられているかということは承知いたしておりませんが、これとはまた無関係、私の方、すなわち、日本におきましても、原子炉安全基準専門部会いうもので立地基準についても御審議を願っておりまして、先日岡先生の御要求によりまして中間的な審議経過の報告書を資料として提出してございます。しかし、これはひとり原子炉安全部会の問題のみならず、総理府に同じく設置されておりますところの放射線審議会の問題でもございますので、並行的に審議が行なわれることが望ましいわけでございまして、結論を急ぐということは、先日来、私の方の長官からもお答え申し上げておるのでございます。われわれも急いで結論を出してもらいたいということを申し上げておるのでございますが、残念ながら、なかなか早急に結論が得られていない。また、きのうも有沢委員がおっしゃいましたように、これを無理やりに急いで、でっち上げた結論を作るということは、これは非常に誤りを犯すことであるから、やはり慎重な態度で臨まなければならぬ、急ぐことはもちろん急がなければなりませんが、怠慢であってはいけません。それで、慎重に御審議を願わなければならぬという態度でございまして、残念ながら、まだ結論が出ないでおるというのが現状でございます。
#46
○岡委員 私は、それを怠慢だと申しておるのですよ。また、そういう無責任なことでは、原子力損害賠償を語る資格はないと私は言いたい。エンリコ・フェルミが初めて原子炉の火に点火してからアメリカは二十五年たっているんですよ。しかも、百二十日の間にどういう意見が出るかわかりませんが、これはアメリカのAECが原案として出したものなんですよ。政府機関ですよ。そんな無責任なものを出しているはずがない。ところが、それにおける万一の事故の場合の放射能の放散率というものは、内蔵するものの、五%をこえるといっておる。これが原子炉設置の適否の基準だといっているんですよ。しかしコンテナーがあるから、外部へ出る放牧の率はさらに少なくなるだろうといっているんですよ。ところが、今試算されたレポートは、内蔵される全放射能のわずか五千分の一ですよ。こういう事実を、ただ百二十日たてば、そのうちにアメリカが何とか変わった説を出すとか――施設を入れることには急いでおいて、その安全性について、そういう怠慢で無責任な態度で一体いいのかということなんです。これは原子力委員会の諸君全部に来てもらってはっきり確かめなければならぬと思うが、事務当局としての意見を一つ言ってもらいたい。
#47
○田島参考人 ちょっと、お答えするようで申しわけないのですが、この試算は、十の五葉と十の七乗となっておりますので、その点ちょっと申し上げておきます。
#48
○杠政府委員 岡先生があげられましたAECの基準案でございますが、基準案につきますところの計算例というものは、やはり前提としては、仮定の原子炉というふうに相なっております。アメリカにおきましても、仮定の原子炉という仮定を置きまして、そして計算してあるということでございます。
#49
○岡委員 仮定という意味はどういうことなんですか。これから置く原子炉という意味でしょう。これから置の原子炉の立地条件の適否はこの基準に基づくようにしたいといって、原子力委員会が二月十日に発表したものじゃありませんか。仮定と言うけれども、これからはこの基準で置こうというんでしょう。あいまいなことを言ってもらっては困る。
#50
○杠政府委員 御指摘の通りのことも考えられますが、その仮定の原子炉の一例として考えられておりますので、これがこれから置かれるところのすべての炉にわたってそのまま当てはまるかどうかということにつきましては、まだAECは何とも言っていないのじゃなかろうかと思うわけでございます。
#51
○岡委員 私は、大型炉についてさっきから話をしているのですよ。だから、熱出力十五万キロワット――これは熱出力二十万キロワットらしいのですが、五十万キロワットなら、なおさらシビアにやらなければならぬ。しかも、これはコンテナーを前提としておる。コンテナーの中に一五%余り出てくるのだ。しかし、コンテナーの中の空気に薄められて、外に出るものは何百分の一になるはずだ。そういう計算をしておるわけです。ところが、日本ではコンテナーがないでしょう。そうすれば、これはやはり一五%で災害というものを評価しなければならぬ。こういう試算、前提というものが、二十生年、四年の間原子炉を置き、原子炉の研究を進めてきたアメリカの最近に到着した原子炉の立地条件の適否の基準だということなんですね。ところが、これよりもまだまだ――十の五乗なり十の七乗だ。十の五乗ならば五千分の一ですよ。五かける十の八乗キューリーから見れば五千分の一でしょう。〇・〇〇〇二じゃないですか。そういうものしか放出しないだろうというような計算でさえもが、あなた方にとってはきわめてルーズに取り扱われておる。ところが、一方、二十何年も原子力の研究を進めているアメリカでは、原子力委員会でこういうシビアな原子炉の立地基準をきめておる。私の申し上げたいのは、今、何も一生懸命東海村で建てている炉をやめてしまえというのじゃないのですよ。ただ、これからはもっと安全性というものについて原子力委員会が責任を持たなければならぬ。安全基準というものについてわれわれを納得せしめ得る前提をわれわれに示してもらわない限り、どうしてこの損害の賠償というものをわれわれが審議できるか、いわんや、国費をもって補償しようという内容を持った法律であれば、そういう理論的に可能な事故の場合におけるアマウントというものをわれわれがつかむということが、何といってもこの法律案の前提なんですよ。あるいは、あなた方がそれを出さなければならぬ。それを何も出さない。そういうきわめて不手ぎわなことは、無責任だと思うのですよ。これは、いずれ原子力委員長なりに来てもらってから、あらためて話をいたします。
 それから、田島先生にせっかく来ていただいたので、少しお尋ねをいたしたいと思うのですが、実は、私も、この委員会で安全基準の中で人口密度ということを絶えず主張しているわけなんです。アメリカでは、保険契約をする場合でも、人口密度を非常に重要なファクターといたしまして、最近は、賠償措置額イコール熱出力かける百五十ドルかける人口係数というように、炉の置かれる地域における人口密度というものを非常に重要視しておるわけです。ところが、今のところ、政府の方の態度なり、原子力委員会の態度というものは、どの程度までこれを尊重しようとしておるのか、評価しておるか、どうもわからぬ。これは一つ先生の専門のお立場からぜひ御見解を承りたい。
#52
○田島参考人 この試算をいたしますには、日本の大都会――東海村などは別でございますが、それと、原子力発電所ができるかもしれぬといいますか、置かれる、――必然的に置かれるという意味じゃないですが、そういう都市を三カ所ばかり想定いたしまして、それの実際の人口分布を、数学上の計算をするために、式で表わしてあります。その損害の額については、その人口密度がどういうふうになるかということが非常に大きく響いてくるのは、岡委員のお説の通りでありますので、われわれとしましては、今この報告書には、そこまでの結論を出す要求はされておらないのでありますが、この試算の結果からもわかることは、当然人口密度によって一人当たりの損害額というものは変わってくるだろう、従って、これらの試算から、アメリカのように人口密度によるレギュレーションを引き出すこともできるというふうに考えております。それは非常に閑散なところにおる人たちと、人口密度の高いところにおる人たちとでは非常に違っておりますので、ここに扱っておるのは、都会と都会でない地方の単価が多少違っている程度でございます。人口密度の差が一人当たりの損害及びトータルの額に響いていることは当然のことでございます。
#53
○岡委員 これは原子力委員会あるいは原子力局としても、やはり保険契約の場合の契約額を決定する要素としては、単に熱出力だけじゃなく、特に日本のような人口事情の場合、人口密度というものはりっぱな要素としてぜひ考えるべきだ。そういうことを考慮に入れて、われわれが逐条審議に入るときに、原子力委員会はどういう方針かということをわれわれに報告してもらいたいと思う。
 それから、この試算で、私、報告書を持ってこなかったのですが、百八十日で治療できるとか、九十日で治療できるという場合に、何十万円か書いてあるようですが、これは何を基準にされたのでしょうか。
#54
○田島参考人 これは、その専門家が実はこの部屋にいらっしゃるのですけれども、私は、医者の立場ではないのでありまして、多分広島、長崎、ビキニ、それらのケースが重要な参考になっていると思います。
#55
○岡委員 この災害評価のときには、苦い経験もあることだから、ぜひそういうデータをわれわれに出してもらいたいと思う。
 先ほど熊取博士からいただいたこのレポートを見ても、ゼネラル・トリートメントで、シビアなケースでは二千七百ccの輸血をやる、プラズマは二千六百ccやった、リンガーは五百ccを十八回、五%のブドー糖が五百ccを六十八回、五〇%のブドー糖液が四十CCを十一回、そのほかビタミンK、C、P、ルチン、 ビタミンB1、B6、B12などなど、そのほかに、やはりペニシリンとかストレプトマイシンとか、そういうものをどんどんやっておる。看護婦をつけて、入院させると大へんな治療ですよ。ビキニの場合は、なかなかそんな容易なものではないと私は思っておる。こういう資料を厳密に計算をされて、しかも、こういうようなビタミンの補給とか、あるいは化膿性の疾患でもないのにストレプトマイシンやペニシリンを使うということが現行の健保、国保、労災保険の治療指針で認められているのかどうか、そういうような点も十分一つ研究をして、これらの問題についても、資料を出せなかったら、ぜひ一つ保険局長や労働基準局長にもう一ぺん来てもらう。私どもは、被害が大きいぞ大きいぞということを宣伝したいのじゃないんですよ。ただ、しかし、せっかく原子炉の開発が軌道に乗ろうとしておるときに、広島、長崎の苦い経験を持った国民感情として、万一事故が起こった場合には、それこそ日本の原子力開発はストップするという懸念があるわけです。もう一つは、大きな災害が予想されるので、各国とも保険契約による責任賠償以外に、国庫の補償をやっておる。大蔵省とかけ合うときには、あらかじめこれだけの災害が予想されるというアマウントの数字を持たないで折衝するから、補償が援助というふうに後退せざるを得ない。そういう点は、われわれは、日本の原子力開発を育てるという立場から、明確な資料を持ち、大蔵大臣に来てもらって政府の決意を促したいと思う。そういう気持で私どもは資料の要求をしておる。決してえこじにやっておるのじゃない。松本さんはそういうことは考えられぬだろうけれども、よくのみ込んでいただきたいと思います。
 それから、日本は、どちらかというと田園と都会がごっちゃである。特に東海村の現状を見ると、原研へ行く舗装道路の周辺は、ああして米も作る、麦も作る、イモも作るというような格好になっておる。この試算の評価を見ると――私は抄録をもらったものですから詳しいデータがつかめないのですが、日本の食生活から見ると、正常運転においてでも、やはり放散され、大地に沈着し、食糧という形において一般の公衆に何らかの影響があり得るのじゃないか、こういうような経過は、国連の科学委員会などでも、私は先生の御報告を承っておるのですが、この機会に、われわれは原子炉の安全性という立場から、この問題は具体的にどういうものであろうかという点をお聞かせ願いたいと思います。
#56
○田島参考人 一番初めに、われわれがこの報告書を取り上げたときに、日本の状態をWASHの七百四十と比べた場合、どういう点を大きく取り上げているかということ。それは、もちろん、キューリー数が今言ったように非常に違う。放出キューリー数が十の七乗と五乗、WASHは八乗、それからポピュレーション・デンシティが向こうのものとこちらで違っておる。それから、日本の場合ですと、おそらく陸地の中で原子力発電をすることはまずないだろう、従って、大体海岸に行くだろう、その海洋にあっても、ある程度離れたところに大体山が存在するだろう、そういう地形的なことを仮定しておる点が違っております。それからポピュレーション・デンシティが高いですから、大都市が適当な距離にあるだろう。その次は、気象条件がWASHのものと違うであろう。それからもう一つは、評価の単価が日本の生活によって違うという点を取り上げております。それからもう一つは、最大どこで要診療のカテゴリーに入れるかというところが、WASHのものよりもこの報告書はきびしくなっております。それからもう一つ違う点は、WASHは人命の損害に対しては金の換算をしておらないのですが、この報告書は人命に対する金の換算をやっております。それからもう一つは、WASHの場合には、コンテナーの中に爆発したものが含まれている場合は、そこから漏洩をしない場合だけしか計算されておりませんが、この報告書はコンテナーからはある率で漏洩しているというような条件、大体そんな点が違っている点で、日本の特殊事情というものを、入れ得る限りにおいて入れたものだと思います。
 さて、その次に、原子力の安全性に関して、もっと積極的にやることがむしろ原子力の開発に大いに貢献するという岡委員の御意見に対して、私は全く同感であります。これはたとえて言えば、車の両輪のように進まないと、おそらくどこかで挫折する可能性がないことはない。それを私はやはり同じように心配しておるものでありまして、もう少し安全対策に対して大きな手を打たなければいけない時期にきているのではないか、さもないと、原子力の開発はあるいは順調に進まないのではないかという岡委員の御意見に全く同感でありまして、その場合に非常に大きな問題は、その方面の基礎的な研究をしなければいけないということを、ちょっと言わせていただきたい。
 それはどういう意味かといいますと、災害対策と申しますと、ある種の自動車とか、簡便なモータブルなものをもって、その現場にかけつけるということも、それは大へん大切ですが、ウインズケールの事故などを見てみますと、非常に基礎的な研究をやっていた。何といいますか、アクティビティが非常に強く活動をいたしておりまして、そのために非常に事故を適切に処置できたのではないかと考えております。というのは、たとえば、あのときにその予備訓練をしていたかどうか知りませんですが、メディカル・リサーチ・カウンシルの人たちが非常に大きく活動されまして、適切な処置を第一線に立ってやられたというのは、どこにその原因があるかというと、おそらく日ごろ非常に高い基礎的な研究をやっていたからこそできたのではないか、この点を――おそらくほかの種類の事故並びに緊急時に対しても同じかと思いますが、特に原子力に関しては、私非常に痛切に感ずることでありまして、長い歴史を持たないうちに事故が発生してしまいますものですから、基礎的な部面から進めていただいて――基礎的というのは、事故に関係がないという意味ではなくて、それが直接事故対策に関係があるのだということであります。測定一つにしましても、非常に高いレベルの技術を要求されますので、このレベルをどうして保存、維持していくかということ自体が、僕は大へんな問題じゃないかと思います。要するに、事故対策の人員をそろえて、それをいつまでもそのためにだけ訓練しておったら、おそらくその人のレベルは高いレベルを維持できないのじゃないかというような点から、どうしても基礎的な面を――基礎的というと何の役にも立たないように思われますが、非常に役に立つことと確信しております。
 それから第三点に日常のオペレーションで人体に影響があるかないかという問題であります。この点については、私実際の東海村の原子力発電炉からどのくらいの線量が出てくるかということを、実は申しわけないのですが、知りませんのでわかりませんですが、ただいま国連の科学委員会の立場では、六二年の報告書を書いておる最中であります。おそらくこの八月に大体の骨子はでき上がると思いますが、その報告書にはホールアウトに対して二つのポイントがあります。一つは、どのくらいのホールアウトによって人間が将来線量を受けるであろうかという計算であります。これは、私そちらの方がやや専門に近いものですから、おそらく計算はできるだろうという見通しをしておるわけです。もう一つの問題は、その線量を受けましたらどのくらいの被害者が出てくるか、いわゆるコースとエフェクトとの関連で非常に議論が沸騰しておりまして、きまらないのであります。すなわち、ある線量以下はエフェクトは全然ないと主張する人と、いや、そうではない、幾ら少なくても少ないなりにある、プロバビリティでもってエフェクトは出ると主張する人と両派があるわけです。しかし、それはそれとして、こういう事故の対策という立場から、線量効果の関係をどう考えるべきであるかということについては、これはやはり安全サイドにものを考えるべきであって、いわゆる直線的にゼロまでいくという立場をとるべきだと考えております。その立場は、実は英国の立場もそういう立場であります。これはこの間報告書をいただいたのですが、英国の学者には、割合にスレッシホールドが存在するという学者がおるにもかかわらず、こういう事故に対してものを考えるときには、やはり直線的にゼロまでいくという安全サイドをとるべきであるということがメディカル・リサーチ・カウンシルから出ておりますので、こういうものに対してはゼロまで引かれるという直線関係を仮定すべきである、こう考えております。
#57
○岡委員 なお、この機会に、さらにお尋ねしておきたいのですが、最近、国際放射線防護学会の勧告を見ましても、また、国連の科学委員会でもおそらく問題になっておるのではないかと思いますが、いわゆる最大許容量というものに対する従来の概念がだいぶ変わってきて、一つは、いわば国民線量というような形で解釈されておる。また、これはそれだけならば許し得るというものではないので、やはり最大許容量だから、それだけはいいのだという考えでいくべきではないという線が強く出ております。その点で、専門の御意見を伺いたいのは、東海村なんであります。東海村では、やがて五つ炉が運転されるということです。ところが、原子炉の規制法や放射線防護に関する法律なんかでも、現場の取り締まり規則になってくると、いわば排気口で最大許容量の十分の一、その地域における十分の一というふうな二つがあるので、これはやはり地域の十分の一というように切りかえろと、私どもは言っておるのですが、かりにそうしましても何しろ密集しておることでもあるし、不測の事態が予想できないでもない。やはり逆転層の気象の関係もありますし、いろいろな条件から、ああいうふうに原子炉を密集させていくという方式は、新しい放射能の概念から見て非常に私は危険なやり方ではないかと思うのですが、先生の御所見いかがですか。
#58
○田島参考人 最大許容量の概念につきましては、実は放射線審議会の方の部会で討議しておりまして、最大許容量というのは先ほど申しましたように事故の立場に立ちますと、ある障害に対しては、安全側に立つと、スレッシホールドはないという立場をとるべきであるから、従って、最大許容量という概念はその限りにおいては存在しないわけでありまして、それはやはりもう一つの別の観点からきめるべきものであるという立場をとっております。それは、それによって国民のどういう形か知らないが利益を得るということと、それをどう勘案するか知りませんが、とにかく、それと障害との立場に立って、別の立場からその最大許容量という概念は導かれるべき問題であろうというような結論におそらくなるだろうと思います。近いうちに報告書を出したいと思っております。密集して原子炉を置くということも、実は好ましくないという点は同感でございます。しかし、それじゃ全部ばらばらにするかということになりますと、これはやはりその最大許容量と同じようなところで、どっかの利点とのバランスをはっきり意識した上でやるべきでありまして、どういうところがいけなくて、どういうところに利点があるからという線で引くべきでございまして、ただ理由もなしに、単なる便利さから置かれるべき問題ではないだろう、そういうふうに考えております。
#59
○岡委員 それでは、質問は次の機会に譲りますが、きょうの田島先生の最後の御発言の、基礎研究にもっともっと重点を置かなければならぬという点、これは私も全く同感で、炉の安全性というものの大前提は、私は、日本が基礎研究をじみちに積み上げていくかいかないかにかかっていると思う。基礎研究をやって、臨界実験をやって、プロトタイプを作って、実用炉を作るという段取りを、日本人の科学者の自主的な創意と工夫でやっていく、そこに私はほんとうの安全性に関する日本の科学者の責任感が生まれるのだと思う。典型的な例は、半均質炉では、とにかく臨界実験までこぎついた、CP5では、今どき燃料の成型加工の面で危険性が予知されるということから、たどたどしておる、これは生きたいい例だと思う。こういう問題も、今度の原子力開発計画なんか見ると、もうあっちこっちで、外国からの技術導入しかるべしと書いてあることは、安全性というものに対する原子力委員会の考え方は私は納得しがたいと思うのです。いずれ、これらの問題は、次の機会に、せっかくの田島先生のいろいろな御意見を中心に、とくと原子力委員会の諸君にお尋ねしたいと思うのです。私は、この程度でとどめておきます。
#60
○山口委員長 他に御質疑もないようでありますから、田島参考人からの御意見聴取はこの程度にとどめます。
 田島参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、長時間にわたり貴重な御意見の開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表して私から厚くお礼申し上げます。
 本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
    午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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