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1960/04/06 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会都市交通に関する小委員会 第1号
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1960/04/06 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会都市交通に関する小委員会 第1号

#1
第038回国会 運輸委員会都市交通に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和三十六年二月三日(金曜日)委
員会において設置することに決した。
  二月七日
本小委員は委員会において次の通り選任された。
      有田 喜一君    生田 宏一君
      川野 芳滿君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    高橋清一郎君
      井岡 大治君    島上善五郎君
      肥田 次郎君    内海  清君
  同 日
 川野芳滿君が委員会において小委員長に選任された。
    ―――――――――――――
昭和三十六年四月六日(木曜日)
   午前十時二十一分開議
 出席小委員
  小委員長 川野 芳滿君
      有田 喜一君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    井岡 大治君
      島上善五郎君    肥田 次郎君
      内海  清君
  小委員外の出席者
        運輸委員長   三池  信君
        運 輸 委 員 細田 吉藏君
        運 輸 委 員 板川 正吾君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        民営鉄道部長) 石井  健君
        参  考  人
        (東京都企画室
        長)      原口 一次君
        参  考  人
        (帝都高速度
        交通営団総裁) 鈴木 清秀君
        参  考  人
        (帝都高速度
        交通営団理事) 高井 軍一君
        参  考  人
        (帝都高速度
        交通営団理事) 水谷 當起君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
二月十四日
 小委員生田宏一君同日小委員辞任につき、その
 補欠として壽原正一君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
四月五日
 小委員關谷勝利君三月二十日委員辞任につき、
 その補欠として關谷勝利君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同 日
 小委員島上善五郎君二月二十二日委員辞任につ
 き、その補欠として島上善五郎君が委員長の指
 名で小委員に選任された。
同 日
 小委員内海清君三月三十日委員辞任につき、そ
 の補欠として内海清君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 都市交通に関する件
     ――――◇―――――
#2
○川野委員長 これより運輸委員会都市交通に関する小委員会を開会いたします。
 本日は、都市交通の諸問題について、参考人より意見を聴取いたしたいと存じます。
 この際、一言小委員会を代表いたしまして私よりごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、本日は御多忙中にもかかわりませず御出店下さいまして、まことにありがとうございます。皆様の貴重な御意見を承ることができますれば、本委員会の調査の上におきましても多大の参考になることと存じます。
 なお、お知らせいたします。本日参考人として御出席を予定しておりました東京都交通局長は、御病気のため御出席できない旨の連絡がただいまありましたのでお知らせいたします。
 それでは、まず東京都側を代表して原口参考人より、首都交通対策の進捗状況並びに都営地下鉄の現況とその営業状況及び今後の地下鉄建設計画、特に資金計画等について御意見を承ることとし、次に地下鉄側を代表して鈴木参考人より、最近における竣工区間の営業成績、また通勤輸送の緩和の面でどのくらい貢献しているか、並びに今後の建設計画と資金計画について御意見を承ることといたしたいと存じます。
 なお、この際報告しておきます。高速道路関係も都市交通問題にとってきわめて大きな問題ではありますが、本日は都合によりその関係の参考人が見えておりませんので、機会をあらためて御意見を承ることにいたしたいと存じます。
 なお、両参考人の方々の御意見を承った後、小委員各位より質疑がございますから、さよう御承知おき願いたいと始じます。
 それでは原口参考人よりお願いいたします。
#3
○原口参考人 運輸委員会におかれましては以前から首都交通問題に対して深い関心を寄せられまして、また新年度の東京都の道路事業あるいは地下鉄事業の整備等のため、起債あるいは補助のためいろいろ御尽力を賜わりましたことを厚く御礼申し上げます。また本日は東京都におきまする都市交通対策につきまして報告の機会を与えられましたことを厚く御礼申し上げます。
 東京都といたしましては、首都の交通難を解決するために、道路、地下鉄等その他につきましてその建設の促進をはかるようにあらゆる努力を払って参ったのであります。法制上なりあるいは財政上その他いろいろの制約がありまして意のごとくならず、人口や交通量の絶対増とも関連いたしまして、交通麻痺の状態に立ち至りつつあるのであります。このような状態にかんがみまして、都におきましても、首都交通の総合一元化をはかる必要があるのではないか、こういうようなことが強く論議されまして、その結果昨年七月、首都交通対策審議会設置条例が都議会の議決によりまして制定されたのであります。
 この首都交通対策審議会は、昨年の八月第一回の総会を開き、発足以来首都交通の総合的な対策につきあらゆる角度から審議を行なっておりまして、現在まで審議会の総会といたしまして八回、部会が三つほどございまして、制度部会、道路部会、交通機関部会、この部会が八回、それから各部会に小委員会がありますが、その小委員会が二十四回、合計いたしますると四十回余に及んで熱心に御審議が行なわれておるのでございす。
 本日に至るまで、答申が二回ほどございました。そのほかに、本年の一月末ごろ非常な通勤、通学状況の悪化に伴いまして、時差出勤に関する報告書も提出されております。これらの答申や報告に関しまして、一応簡単に報告をいたしておきたいと存じます。
 第一回の審議会の答申といたしましては、昨年の十二月六日でございますが、交通規則に関する答申がございました。その内容は、道路の利用の規制なり、自動車等の交通規制なり、あるいは道路の不正使用に対する取り締まりの強化に関するもの等でございました。その結果、都といたしましても、たとえば警視庁の交通関係の職員の増員なりあるいは建設局関係の道路の監察取り締まりの部課の設置、そういうようなものが行なわれますし、また予算措置等も相当程度行なわれたのであります。これが第一回の答申でございます。
 それから年度の末の三月三十一日に、道路及び用地に関する第二回目の答申が行なわれたのであります。この審議会は、一応総合的な交通対策を審議して、知事に答申することになっておりましたが、当面緊急なもの、応急的な問題も審議いたしまして、交通規制及び道路関係、用地関係の答申が行なわれたのであります。恒久的な問題につきましては、なお各部会、委員会におきまして、目下熱心に御審議が行なわれつつありますので、その分につきましては、問題点等につきましてはあとで簡単に触れて参りたいと存じます。
 第二回目の答申は、既存道路対策と道路計画及び道路等交通関係公共用地の取得対策に関する答申でございまして、お手元にガリ版刷りの答申書が配付されてございますが、ごく簡単にその要点を申しますと、応急的な道路対策といたしまして、既存道路の対策をまず掲げました。この部分では、一般的な既存道路の対策、交差点付近の改良対策、路上路下工作物の対策等が掲げられておるのであります。中心的な問題といたしましては、道路の交通の緩和のため最も必要な交差点の改良対策がうたわれたのであります。幹線道路交通のネックとなっておりまする主要交差点を立体化すべきである、こういうような点でございます。この点につきましては、都の新年度予算でも考慮しております。なお都の建設局におきましても立体交差課等を設けて、これが実現をはかることになっております。このほか答申では、歩車道の整備だとか、車道の照明施設の新設、整備、あるいはバスの停留所、安全施設等の移設、電線等の地下埋設化等が答申されたのであります。
 次に道路計画に関する答申でございますが、これは都市計画なり首都圏整備計画の中で重要なものになるのでございますけれども、この答申では、高速道路対策といたしまして環状路線、それから放射路線の整備、埋め立て計画区域内におきまする高速道路の設置の必要等をうたっておるのであります。都市計画街路対策では、街路計画を再編成すべきこと、今後建設されまする幹線街路の交差点とか、それから街路と鉄道の交差点の立体化の必要性、それから実施上の措置の一つとして、土地等の買い取り請求制度を設けたらいいではないか、こういうようなことで答申が行なわれております。それからこの道路計画の中でもう一つ駐車場対策がうたわれておるのであります。これは駐車場の配置計画の追加の問題、それから駐車場の構造、設備基準の緩和等について、できるだけ駐車場が多く設置されるように、こういうようなことで答申が行なわれたのであります。
 それからこの答申の中の第三番目の道路等交通関係公共用地取得対策でございます。この答申では、土地収用法またはその特別措置法に関するものでございます。土地収用法の改正が行なわれますか、あるいは特別措置法が制定されますか――後者のようにも承っておりますが、審議会の答申といたしましては、土地収用法等の整備によりまして地価の高騰を抑制し、あるいはごね得の防止対策、譲渡所得税の免除措置、先買制度の実施等が取り上げられておるのであります。
 以上はごく簡単な、三月の末日に行ないました答申の概略でございます。これらの答申につきましては、都として実現可能なものは、早急に予算化あるいは実現の方途を講ずることになっております。
 今後審議会はなお多くの問題を審議しなくてはならないことになります。問題として残っておりますのは、交通機関対策、あるいは交通の総合的、法制的な、制度的な対策が残っております。その中で一番問題になりますのは、地下鉄の建設の促進の問題、路面電車の対策、それからバス路線網の整備、いろいろ重要な問題がございまして、これらの問題を中心にして目下審議が進められておる次第でございます。また制度的な面といたしましても、交通の総合調整というような困難な問題、資金の問題、行政、制度に関する問題等の対策につきましても、制度部会というふうな部会で検討がされつつあるのであります。これらの問題につきましては、今後審議が続けられまして、本年中には答申が行なわれる、こういうような予定でございます。
 以上、昨年から設置されました首都交通対策審議会の状況を御説明申し上げましたが、次に、東京都といたしまして、都市交通対策に関しましてどういうような対策を講じておるであろうか、こういうような点を私から概括的に申し上げたいと存じます。
 総括的に申し上げまして、首都交通対策審議会の結論を待って処理する、こういうようなことでございますが、何分にも都市交通の問題を解決するためには取り急がなくちゃならないものもございます。従いまして、従来二回にわたる策申がございましたので、その面の実現についてはあらゆる努力をする、こういうようなことになっております。知事もその決意で進んでおります。都でできますことは早急に実施いたしますとともに、都だけの力でできないものにつきましては、皆様方のお力添えによりまして、国やその他関係方面に強く要望いたしまして、その実現をはかるように努力していきたいと存じております。
 都におきましてそういうようなことでございますが、三十六年度、新年度におきます都市交通対策は、早急にきめなくてはならない問題がございます。交通難はいよいよ激化する状態でございますので、都政の最も重要な重点施策として都市交通対策をあげたのであります。都政の重点施策は、三十六年度につきましては十一はどの項目をあげたのでございますが、その第一に都市交通対策をあげたのでございます。その他の部分は、環境衛生あるいは上水道、低地防災、市街地再開発、住宅、社会福祉、労働対策、中小企業、文教対策等でございますが、何をおきましても、この都市交通対策が最も重要な問題でありますので、第一に掲げますとともに、その予算化につきましても最も力を注いだのでございます。
 参考までに申し上げますと、東京都の三十六年度の予算といたしましては、総額が、一般会計、特別会計を合わせまして三千四百二十五億という大きな数字になるわけでございます。三十五年度の二千五百六十九億に比較いたしますと八百五十五億の増額、こういうようなことになるのでございます。これらの予算は、もちろん国の所得倍増計画の構想にもございます通り、都市の産業基盤、首都圏なり東京都の産業基盤の拡充なり生活環境の整備、こういうような方針にも即応するわけでございますが、東京都といたしましても例にない大きな予算を組みまして、その中で特に都市交通対策を重視しまして、都市交通対策としましては、三十五年度に二百五十九億余の予算であったものを、三十六年度におきましては、二百二十四億余を増額いたしまして、四百八十四億という大きな数字にいたしたのでございます。
 この都市交通対策の予算の内容といたしましては、緊急道路整備がおもな点でございます。たとえば高速道路の街路築造、橋梁、駐車場の問題、そういうものがございます。次に高速鉄道の整備、これは地下鉄でございますが、昨年八十五億余の予算を投入いたしました。今年度は皆さん方の御尽力によりまして、百十五億の予算を計上することができたのであります。これは全く国及び国会における御尽力によるものであったと、私どもはもとより、知事も大へん感謝しておられるところでございます。この二つのほかに交通対策といたしましては、交通規制の強化の問題であります。これは安全施設なり交通取り締まりなり、そういうような交通規制関係の経費であります。それからあと東京港の整備の問題でございます。これは京浜埋立地の完成によりまして、高速道路を完成しなければならない、こういうような前提でございます。そのための埋め立て等もございまして、そういうようなものが交通対策上必要でございますので、特にその点にも留意しまして予算が増額されたわけでございます。これらの内容を合計いたしまして四百八十四億という数字になりまして、昨年より約八〇%程度の増額になっております。一部には、そういうような産業基盤なり生活環境の整備のために、他の福祉事業なり中小企業の振興を圧迫したのではないか、こういうような議論も出たくらいでございますが、何分東京都といたしましては、近代都市建設のための事業を早く完成しなければ、東京都としては滅亡の一途をたどるというような状態であり、交通難はますます解決し得ない事態に陥る、こういうようなことでございますので、そういうような都市施設、特に交通施設の完備に対して意を用いた次第でございます。なお三年後にはオリンピックが開催されますので、オリンピックのための施設を繰り上げて執行しなければならない、こういうようなことでございます。以上で大体東京都の都市交通対策に対する予算を簡単に申しあげた次第でございます。
 これらの事業を執行する体制はもちろん強化しなくてはなりませんし、ぜがひでもここ三、四年の間に、オリンピックに間に合わせるだけの一通りの施設は整備しなくてはなりませんので、東京都といたしましても、今月の一日に機構を改正いたしまして、建設局内に道路建設本部を設置いたしまして、道路の建設、用地の取得等に特段の努力をすることになったのであります。なお出先機関といたしましても、従来特別建設事務所が三カ所ございましたが、さらに一カ所増設いたしまして、関係の人員を充実いたしますとともに、事業の完全遂行をはかりたい、こういう工合の方途を講じて参ろうといたしております。以上が都の都市交通対策に対する考え方及び今回とりました方策でございます。
 次に、一般的に都市交通対策の問題点と申しますか、こういうようなものにつきまして、従来審議会等でもいろいろ問題になりましたし、東京都でもいろいろ考究しておった点につきまして、お願いをいたしながら意見を申しあげたいと存ずる次第でございます。
 第一点は資金の問題でございます。道路、特に都市計画街路、そういうようなものにつきましては、建設省におかれましても五カ年計画をお作りになり、また東京都でも、先ほど申しましたような道路計画の答申におきまして、将来二兆四千億程度の資金が必要になるのではないか、こういうようなことでございますが、これを達成いたしましても、なお道路率は現在の九%からロンドンの二三%を若干こえる程度で、これも五十年かからないとできない、こういうような形でございます。道路の整備が非常に困難な状況にあるわけでございますが、何はともあれ非常に資金を必要とするわけでざごいます。また東京都では地下鉄の建設も促進をはからなくてはならないのであります。これもまた非常に資金を要するわけでございます。道路につきましては、先ほど申しましたように、二兆四千億というような大きな金が概算の試算で出るわけでございますが、地下鉄につきましても、現在都で施工中の一号線の全体の経費は四百九十五億というような巨額に上るわけでございます。特に地下鉄につきましては、国庫補助金もございませんし、現在都の方では一般会計の方から一部繰り入れを行なっております。これは昨年度は十億でございましたが、新年度、三十六年度におきましては二十億の繰り入れを行なっているわけでございます。これによりまして地下鉄の建設促進をはかっていきたい意思でございます。なお主たる財源を起債に依存せざるを得ない状態でございます。しかもその利子負担は今後相当な額に上ることと思われますが、これにつきましては今後一ついろいろ御配慮をいただきたいと存ずるわけでございます。
 なお地下鉄につきましては、昨年の十二月四日に押上−浅草橋間の一部開通が行なわれたのでありますが、昭和三十八年までには一号線の全体を完成すべく鋭意工事を進捗いたしております。建設後における料金も、他の交通機関との均衡もありますし、また都営という立場からおのずから制約を受けるために、事業の運営というようなものにも関連しまして、その財政というものは非常に困難の一途をたどるのではないか、こういう工合に予想されるのであります。このために、政府におかれましても、これらの事業の緊急性なり、また重要性、公共性等を御認識いただきまして、国庫補助金の増額のほかに、低利かつ長期、継続的な融資の道が講ぜられますようぜひお取り計らいを願いたい、こう思うのであります。これらのものにつきましてもし補助立法等が国会においてお願いできますれば、大へん幸いだと思います。その点特に一つお計らいを願いたいと存ずる次第でございます。
 大へん時間が長くなりましたが、以上簡単に申し上げました。今後の御尽力のほどを切にお願いする次第でございます。
#4
○川野小委員長 次に鈴木参考人にお願いいたします。
#5
○鈴木参考人 日ごろから国会の方々からいろいろの御援助や御指導を賜わりましたことを厚くお礼を申し上げます。
 まず第一に御報告とお礼を申し上げるのでありますが、御存じの通り昭和三十四年の三月に丸ノ内線池袋−新宿間が開通いたしました。このお手元にお届けいたしました「営団の概要」の地図をごらん願いたいと思います。その全通に引き続きまして、新宿以西のいわゆる荻窪線の工事と、都市計画路線の第二号線、すなわち色で申しますと緑色の線でありますが、日比谷線の工事を施行しておりますが、そのうち荻窪線の新宿−新中野間、及び中野坂上−中野富士見町間、四・九キロを完成しまして、二月八日から運輸営業をいたしております。続いて日比谷線の南千住−仲御徒町間三・七キロを完成して、去る三月二十八日から営業を開始するに至りました。このように昭和三十五年度におきましては、建設キロで申しますと九キロ四、営業キロでいいますと八キロ六を完成しましたので、営団といたしましてはこれまでにない長い区間の完成を見た次第であります。これひとえに諸先生方の御援助のおかげだと思って、厚くこの際お礼を申し上げます。
 次に三十五年度末現在の建設概況を申し上げます。昭和二十六年四月に新線建設の工事に着手しましたが、それから本年三月までに完成いたしました区間の延長は、二十五キロちょっと上であります。これに投じました建設費は、総額四百七十四億であります。この間の建設速度を見ますと、年平均二・五キロでありますが、これは初めのうちがおそかったので、三十四年度及び三十五年度では建設キロが九・四キロで、両年度の建設速度は年平均にいたしますと約五キロであります。また三十六年度に至りますと、約十キロの区間が完成されます。これもお手元に配付いたしましたこの長い表の、「営団の概要」に添付いたしました資料の2をごらん下さればいいのですが、これに投じました建設資金は、先ほど申しましたごとく四百七十四億で、その内訳を資金別に見ますと、財政資金が二百十八億、公募交通債券が百五十六億、市中銀行などからの借入金が五十七億、増資が四十三億であります。
 それでこれから建設の状況を申しますが、第一には銀座線の輸送力増強であります。営団は、前申し上げましたごとく、新線の建設をいたしておりますが、これと並行いたしまして既設線の増強、改良に努めて参りました。御存じのように銀座線の渋谷−浅草間のうち、渋谷−新橋間の諸施設は三両編成列車の運転にとどまっておったのでありますが、昭和二十八年からホームの延伸、変電施設の増設等を実施いたし、それと同時に車両の増備を行ないまして、昨年の十一月から銀座線においては六両編成の運転を実施して参りました。なお、銀座線の保有車両は戦前八十四両であったのでありますが、現在は百八十一両と二倍以上に増加しておるのであります。この銀座線の輸送力増強に投じました金額は本年三月までに約三十億円となっておりますが、この資金の調達については、外部資金はできるだけ新線建設に充当したいという考えから、そのほとんどを内部保留金からまかなっておるのです。これは戦後、増資あるいは社債によってその回復及び施設をいたしたのですが、他のものと違った内部保留金だけでやりましたゆえんのものは、新線建設に外部資金を投じたいという考え方からであります。
 次に新線建設の成果を申し上げますと、新線建設並びに銀座線の輸送力の増強によって東京都の交通難緩和にどれだけ貢献したかについて申し上げたいと思いますが、これはなかなか実際は測定にむずかしい問題でありますけれども、まず銀座線について申しますと、昭和三十四年度において一億五千七百万人、一日平均四十三万人を輸送しております。二十九年度においは、一億二千六百万人、一日平均三十四万五千人でありましたから、二五%以上ふえておるのであります。ことに定期客の増加が非常に多くて、過去五年間に五割近い増加を示しておるのであります。これは輸送力の増強と相待ってふえていったものと考えるのであります。次に、三十四年の三月に全通いたしました丸ノ内線の池袋−新宿間の三十四年度の輸送人員は年間一億四千五百万人で、一日平均四十万人であります。新宿までの全通によりまして国鉄中央線の旅客が、国鉄の調査などから聞きまして約五%が丸ノ内線に転移したものと考えられております。いずれにいたしましても丸ノ内線が一日平均四十万人の乗客を輸送しておりますことは、その点において交通難緩和に貢献したことが大きいと思うのであります。次に、先般開通いたしました荻窪線の乗車人員につきましては、まだ今度は途中開業でありますので、一日の利用者を私の方としては五万一千人と予想しておったので…ありますが、二月八日の開業後の実績を見ますと、一日平均四万七千人程度であります。これは開業早々の数字でありまして、今後定期客の増加も予想されますので、一年を通じてみますと、大体予想数の五万一千人にいくのではないかと考えております。なお、荻窪線が全通いたしますれば、一日平均十九万人程度の乗客があると考えられるのであります。次に、日比谷線について申し上げますと、これは開業後、日がまだ浅いので、実績をつかむことができないのでありますが、営団の予想しておるところでは、年間を通じて一日平均三万一千人程度だと考えております。以上のように、両線ともまだ部分開業でありますので、他の輸送機関の混雑緩和に大いに役立ったとは考えられませんが、それでも両線で一日平均へ万人以上を輸送いたしますので、国鉄の中央線、常磐線等、他の交通機関の混雑緩和には多少貢献するところがあると存ぜられます。
 次に、今後の新線建設計画と所要資金でありますが、まず荻窪線について申しますと、現在新中野−荻窪間四・八キロ及び分岐線の中野富士見町−方南町間〇・六キロ、合計五・四キロの工事を施行中でありますが、このうち新中野−南阿佐ケ谷間の三キロを本年の十二月に、また全線を明三十七年三月に開通いたす予定であります。なお荻窪線は、南阿佐ケ谷まで参りますと、国鉄中央線の混雑緩和に相当貢献すると考えますので、前述の開業予定日をできるだけ早めるよう、また荻窪線全通についても同様に早めるように、ただいま努力中であります。次に日比谷線については、現在北千住−南千住間一・九キロ及び仲御徒町−人形町間二・五キロ、計四・四キロの工事を施行中でありまして、この区間は三十七年三月に開通の予定であります。また人形町−東銀座二・九キロにつきましては、すでに請負に出しまして、一部工事を実施しております。このうち人形町−築地間は、三十七年十二月の開通を予定しております。さらに東銀座から中目黒に至る九・五キロにつきましては、近く工事施行の認可申請をいたしまして、本年度中に着手いたし、三十八年度中に開通すべく、諸般の準備を進めております。次に第五号線につきましては、調査設計も相当進んでおり、オリンピック大会までにはという御要望もありますので、資金の都合さえつけば三十八年度中に完成したいと考えて、本年度中に着工する予定であります。なお第五号線の本線中野―東陽町間につきましては、国鉄におきまして中央線の線路増設の計画もありますので、中央線の列車を五号線に直通運転し、大手町、茅場町の都心を経て東陽町に至り、さらに亀戸まで延伸して総武線に接続させたらよいと考えております。これは中央線、総武線の交通難を緩和するとともに、都市内における交通においても非常に役立つと思いますので、この点につきましては都市交通審議会に説明をいたし、ただいま御審議を願っております。なおこの線の企画その他については、できるだけ、地下に入るものでありますから、それに適応するような基本的技術を今鋭意研究しておる最中であります。
 次に、今後の所要資金について申し上げます前に、三十五年度の建設資金調達について説明いたしますと、三十五年度の建設計画は、昨年初めの本委員会で説明申しあげましたように、当初百二十五億円の計画でありましたが、本年になりまして、当初計画を二十三億円も上回る公募債券の発行ができましたので、本年度の建設調査資金は百四十八億となったのであります。この点御報告を申しあげておきます。
 次に、今後の所要資金について申し上げます。三十六年度以降、五号線まで全部含めますと一千百十二億円という資金を要する見込みであります。そのうち三十六年度につきましては、政府資金八十五億、増資十億、民間資金八十五億、計百八十億に決定を見たので、これは一に本委員会の御努力の結果でありまして感謝いたす次第でありますが、このうち民間資金八十五億につきましては、五十二億を公募公債に、三十三億を銀行団の協調融資に仰ぐよう折衝いたしましたが、おおむね関係方面の了承を得たのであります。御報告を申しあげておきます。次に、三十七年度には、四百三十五億円という巨額の資金の供給を受けなければ、ただいま申しあげたような新線の建設が期間内にできませんので、また三十七年度以降の資金の確保についてもさようでございますので、どうぞ御理解と御支援とを今後ともなお仰ぎたいと存ずる次第であります。よろしくお願いいたします。
 次に、営団の財政及び営業収支状態を説明申しあげたいと思いますが、現在営団の資本金は百十一億であります。しかしながら現金の払込額は四十六億であります。その差は、再評価であります。また交通債券及び借入金の残額は四百十八億ありまして、これに対応する財産は、固定資産五百二十一億、流動資産十八億となっております。損益勘定になる収支状況を申し上げますと、昨年の四月、おかげさまで運賃改正をいたさせていただきましたので、本年三月までの年間収入は五十五億の見込みでありまして、十二億の減価償却を実施し得られるものと考えております。この五十五億のうち、支払い利息は十六億でありまして、収入に対して約三〇%という大きな割合を占めております。ところが昭和三十六年度上期になりますと、荻窪線と日比谷線の一部が開通いたしましたので、予想収入は、今度は半期だけでありますが、収入三十一億に対しまして支払い利息は、四三%に当たる約十四億という支払い利息になります。しかしながらこれは先ほど申しました途中開業でありますので、利息の一部をキロ程按分によって建設費に課しますので、九月末決算においては、必要といたしまする七億円程度の減価償却をいたすつもりであります。以上のような新線が開業いたしますと、既設線の延びがまだこないうちに新線の利息がかさんで参りますが、新線の速度が早まれば早まるほど、利子の負担というものは運営上に困難になって参ります。従って、この建設の利子の負担というものと、固定資産税というものについては、特段の御援助と御配慮を地下鉄整備拡充のためにお払い下さいますよう重ねてお願いいたす次第であります。
 最後に申し上げたいことは、都市計画路線網についてでありますが、現在の都内の交通量から見まして、現在の五路線をもってしては、地下鉄道は不足していると私は考えるのであります。幸い運輸当局におきましても、路線網の改訂、追加並びに工期の繰り上げ等を御検討なさっておるようでありますが、私といたしましても、路線の追加をしていただくこと並びに工期を繰り上げることは、事業者の立場から見まして、まことに適切ではないかと考えるものでありますから、ここに申し上げておく次第であります。
 以上で終わります。
#6
○川野小委員長 これより質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。
 關谷勝利君。
#7
○關谷小委員 今、東京都の技術的な面の方来ておられるんですね。今日は……。
#8
○原口参考人 随員がおりますから…。
#9
○關谷小委員 そうすると、よく私たちの耳にあちらこちらから入るのですが、東京都と交通営団とが非常に仲が悪いというんですね。これをよく言われるのですが、これは都合よくいっておりますか。
#10
○鈴木参考人 いやそんな、仲がいいか悪いかというと、仲は悪くはないのであります。三月末にも非常に増資をいただきました。ただ個々の問題にいきますと、東京都は東京都の立場、営団は営団の運営上の立場がありますので、ことに東京都の方は、高速度鉄道だけでなく、都市計画的のいろいろな関係から意見が多分にある。そういう点において、意見がまだ調整ができていない点がございます。しかしながら、非常に都の方から御援助をいただきまして、増資もいただき建設をしておる次第であります。
#11
○關谷小委員 今、総裁からお話のありました個々の問題で調整のとれてない問題というものもある、こういうお話でしたが、個々の問題、どのような点が調整がとれておらないか、大きい問題だけでけっこうです。
#12
○鈴木参考人 たとえば東京都におきましては、なお路線の――今一号線をやっておられますが、一号線以外の路線もやりたいという御意見があります。しかし、これは今路線網の審査中でありますので、今論議すべき段階ではないと考えます。また道路の計画と地下鉄の建設との間においても、いろいろの施設上に対する意見の違いがときどきあるようであります。これは技術的の問題でありますが、大体そのくらいのことだと思います。
#13
○關谷小委員 私たちがあちらこちら聞きますと、どうやら東京都が意地悪く何か地下鉄の仕事の進捗をじゃまをしておるんじゃないかというふうに受け取れる面がところどころあるのですが、これは東京都の原口さんの方で何かそういうふうな気があなた方もしておるんだというふうなことがありますか、ありませんか。
#14
○原口参考人 さようなお話が伝わっているのかどうですか、営団の総裁初め幹部の方とも、都の幹部としばしば懇談会を開いておりまして、その間の連絡を密にしていきたい、こういうようなことで進めておりますので、意地悪くしているというようなことはないと思います。ただ都市計画を進行して参ります段階におきまして、現在首都圏整備計画なり都市計画の改訂をしなくてはならない段階になっております。御案内のように、首都圏整備計画におきましては二十三区の人口を八百六十万人に押えたい、こういうようなことで計画ができておりますが、実際の昨年の国勢調査の報告等によりますれば、すでに昨年の末で東京都の人口も一千万に達しておる、こういうような状況でございまして、八百六十万をとうに越すということになっております。(板川議員「九百七十五万だよ」と呼ぶ)それは東京都の場合で九百七十五万、二十三区の場合は八百六十万で押える、ところが人口増なりその他経済情勢の変化に基づきまして、どうしても首都圏整備計画を改訂いたさなければならない段階になっております。それに伴いまして、都内の都市計画も改訂しなければならないことになっております。いろいろ目下首都圏整備委員会とも折衝中でありますので、そういうような段階におきまして、従来の地下鉄路線網でよろしいのかどうか、なお都市計画審議会の附帯決議で十路線が計画されることになっておりますので、そういうようなものの実施の場合等に関連いたしましていろいろ新たに問題が生じておると思います。その点で若干そういうような危惧の念があったのかもしれませんが、私どもはそういう工合に考えております。
#15
○關谷小委員 懇談会を開いておられるといいますが、これは何ですか、毎月定期的にでも開いておられますか。またその出ておられるメンバーですが、そこで話し合いがつけば下まで徹底するようなメンバーが出ておるのですか、どういうメンバーが出ておりますか、そこらがちょっとお聞きしたい点です
#16
○鈴木参考人 これは安井前長官のときにおきまして、今の一号線を譲りましたときは懇談いたしました。そのときは、安井長官と首都圏整備委員長と運輸、建設両政務次官、その後現知事に至りまして知事及び副知事とも会見いたしましたし、その後私の方では副総裁及び理事とが副知事といろいろ懇談いたしまして、それは昨年の人見局長が外国に行かれる前まで数回開きました。その後人見局長が洋行せられ、都も新線建設の開業前で忙しかったものですから、その後とだえております。もっとも都長官と副知事とは私一回話しましたが、まだ具体的の問題につきましてはそれほどの話し合いはしておりません。
#17
○關谷小委員 具体的な問題についての打ち合わせを早急にやっていただきたいと思うのですが、これは東京都の方もちょっと積極的にそういうふうに動いてみてはどうですか。原口さんのところでそういうことができますか。
#18
○原口参考人 昨年も、技術的な問題についても営団の理事の方なり副総裁の方、それから都の方の建設局長、現在の首都整備局長を加えまして、そういうような書類の手続なり技術的な面につきましても、ある程度懇談したこともございます。私も加わっておりましたですが、そういうような方面についてはなお一つ、これはお互いに都民のための地下鉄建設でございますから、十分留意していきたいと思っております。
#19
○關谷小委員 都民のための地下鉄だというその言葉通りに、一つほんとうに都民のためによく仕事がはかどるような方法に東京都が協力するという気持になっていただかなければならぬと思います。
 これは、両方置いておいてこんなことを言うのはどうかと思いますが、これは建設省方面からちょっと耳に入った情報なんですが、何号線でありますか、地方鉄道法第四条によって路面の使用願を地下鉄が出したところが、東京都が一年ばかりそれを押えておった。そして交換条件でこうでもしなければというようなことで意地悪くやって、ようやく出した書類は、賛成の意見ではなくして、妙な意見をつけて建設省へ回したというふうなことを漏れ聞いておるのですが、そういう事実がありますか。
#20
○原口参考人 さようなことは私自身はよく存じませんが、そういういうようなことがあってはならないと思いますので、今後よく上司にも伝え、また関係局長にも伝えまして善処するようにいたしたいと思います。
#21
○關谷小委員 はっきり申し上げておきますが、五号線の関係で地方鉄道法第四条によります道路使用許可ですか、そういうふうなものを出しましたところが、それをずいぶん長らく引っぱってようやく建設省に回したのが一年ぶり、その一年ぶりに回したのが、自分の方にもいろいろな計画があるからというようなことで、何かむずかしいことをつけて出しておるというふうなことを聞いておるのですが、そういうことがあってはならぬと思います。こういうことがあるのかどうか、そしてそれが事実かどうか、またいずれあなた方にお尋ねしなければならぬ機会もあると思いますが、それがおそらくなるようでしたら、早急に書面でけっこうですから、そういうことがなければない、あるのならばこういう事情だということをはっきり知らせていただきたいのです。それは書面ででも知らせてもらえますか。
#22
○原口参考人 承知いたしました。
#23
○關谷小委員 それから技術的な面はどなたか来ておられますか。
#24
○原口参考人 参っております。
#25
○關谷小委員 銀座の地下鉄と、あなた方が計画をしておられます高速道路というのですか、自動車道の計画ですか、そういうようなもので東京都が横車を押しておるといううわさがもっぱらあるのですが、そういう事実がありますか。
#26
○原口参考人 地下鉄の一号線との交差点等につきましては、何か話し合いがついたということでございますが、なお別の問題としまして日比谷、祝田橋等の交差点におきます問題につきましては、これも交通緩和のための一番むずかしい問題がありまして、国におきましても今年度大きな予算をつけていたのでございます。その面につきましては、なお両者十分に連絡協議の上進めて参らなければならぬものがあるだろうと思います。随員に専門の者がおりますから、答弁させてよろしゅうございますか。
#27
○川野小委員長 参考人になっておりませんから……。
#28
○關谷小委員 これはこういうことなんですね。地下鉄の銀座尾張町と数寄屋橋の間の二号線の計画と、それからあなたの方の祝田橋と三原橋の間の自動車道との計画で、何か今それをやると、地下鉄のそこらの乗りおりの機能が麻痺してしまうようなことになるのを、あなた方の方が地下鉄に押しつけようとしておるのだといううわさがもっぱら飛んでおるのですが、そういう事実があるのかないのか、そして祝田橋と三原橋間のあなた方の自動車道の計画と、それからもう一つ、地下鉄にもお願いしなければいけませんが、地下鉄の二号線の尾張町と数寄屋橋の間の計画と、どういうふうになるか、そしてそれを利用する人員が、地下鉄の方ではどのくらい利用することになるか、それから東京都の方は祝田橋と三原橋の間の自動車道の計画、それのでき上がったものの利用がどういうふうになるか、それから設計で地下鉄の意見とどういうところが違うのか、その三点を出してみて下さい。
 それから地下鉄の方は、尾張町と数寄屋橋の間の設計がどうなるのか、そして東京都の自動車道計画とそれがどういうふうになってくるのか、技術的な面、そしてそれができ上がったときの利用がどうなるか、東京都の言う通りしたら、どれだけ利用減になってくるかということを、これは今すぐ説明しろというとむずかしいと思います。急に私がこんなことを言い出したので、あなた方の方もその準備をしておられぬと思いますから、両方とも一つ書類で御提出願いたい。両方ともできますね。
#29
○原口参考人 承知いたしました。
#30
○鈴木参考人 承知いたしました。
#31
○關谷小委員 まだいろいろな面をよく聞いておるのでありますが、当たりさわりのあるようなこともたくさん両方にありますので、私も差し控えておきますが、とにかく都と営団とがけんかをしておるようなことでは工事が遅々として進みませんので、両方が互いに一ことに原口さんが言われた、都民のための地下鉄だという気持からであれば、どちらが作ってもいいのですから、早くできる、そして早く都民が喜ぶような地下鉄にしてもらわなければなりません。その意味におきまして、これから東京都と地下鉄とがたびたび懇談会を、定例的にでも、月々にでも開くようにしてもらいたいと思います。どうですか、そういう意見が出たのをきっかけに、まず最初に両方が懇談会を毎月開くようにしたらどうですか。
#32
○鈴木参考人 ごもっともな御意見でございまして、私の方はやはり鉄道建設という立場から考えますし、都は都市計画という立場から考えられることが多い。この間に意見の相違のあるのも、また無理のないことであります。しかしながら大衆のためということを考えますれば、おのずからその意見の調整はできるものと思います。お言葉の通りに、私たち機会を作りまして、毎月話し合いを進めることにいたします。
#33
○鈴木(仙)小委員 ただいまの關谷さんのお話に関連してちょっとお尋ねしておきたい。
 下板橋から稲付へ入る地下鉄の構想があるそうでございますが、今東京都の方がおっしゃった五号線の問題とは食い違いがあるようです。今東京都の方でない關谷君が東京都の実情に詳しく、そして東京都民の足のために心配して下さって、非常によい御質問をしてくれたと思っておるのですが、あの赤羽へ分かれていく線の構想というのは、はたして今の段階においてこの方が先に必要でしょうか、どうでしょうか、それをまずちょっと総裁に承っておきたい。
#34
○鈴木参考人 五号線の板橋から先の問題でございますが、あの線路は今のところは東上線のところへいくことになっておるのです。下板橋ということになっております。しかしながらこれがあるいは先の志村の方でございますか、赤羽寄りへ入っていくのと、あるいは他の路線を通るかもしれませんが、たまたまあそこには鉄道の専用側線が入っております。それからどうしても車庫地が必要です。そういう関係で、この路線は私の方としては必要な路線だと考えております。しかしながらこれはまだ路線にきまっておる問題ではないのでございまして、今後路線の審議をわずらわす問題であります。
#35
○鈴木(仙)小委員 ただいまお示しの図面を見たのです。図面から意見を立てるのは少し疎漏でございますが、今までもその感じがあったのです。実際においてこの図面の上では足立並びに北区方面はほとんど空白なんです。図面上では京浜東北線が非常に輻輳しているようです。これは東北線が尾久駅を通じて田端の方に抜けるようにばかに線があるように見えるのです。また北区の西新井の方へいく線は会社線なんです。いかにも線が輻輳しているようですが、ほんとうは空白になっておる。そこでただ一本の京浜電車ももう王子とか東十条とかいうところでは乗り切れない、朝晩通勤通学で非常に危険が起きやしないかという状態にあるのですが、ここは図面上には何ら計画されていない。
 そこで先般もこの地下鉄の問題でちょっとお尋ねをしたのですが、東京地区の地下鉄の建設状態を見ると、東京の西の方から入ってきて都心を回っている線が従来主力であったのですが、都営一号線で押上−泉岳寺とが結び、営団二号線で北千住−中目黒が結ばれ、そろそろ南北方向に東京を通り抜ける地下鉄が必要になっております。これにつき都市交通審議会では、七号線として代々木上原から王子駅に至る二一・八キロ、八号線として品川区大井林町から赤羽駅に至る二一・六キロ、九号線として築地から足立区高野町に至る一七・五キロを研究して、今年三月末までに新路線として東京都に提出することになっていたはずですが、もはや四月に入っており、目下どうなっておりますか、これを一つお示し願いたい。
#36
○鈴木参考人 今、鈴木先生の申されます通りに、北区地区においては実際交通が不便であることはわれわれ承知しておりますので、われわれといたしましては目下この方面における地下鉄、高速道の網をどういうふうに作ったら建設できるかというふうなことを研究させておるのであります。そして都市交通審議会に十分意見を開陳しよう、こう思っております。ただいま申されました都市計画審議会の方の審議状態をわれわれ存じておりませんが、これらのものと一緒に運輸省の都市交通審議会においては必ずや論議される問題と考えております。
#37
○鈴木(仙)小委員 関連質問ですからまた機会をあらためていろいろこまかいことをお尋ねしたいと思うのです。多少の資料も集めてあるのです。ただ、今の關谷委員のお言葉のように、何か東京都と営団と非常にごたごたしておるというふうなことなんですが、一つの例になるかどうか知りませんが、志村から赤羽の方へ抜ける予定があるけれども、はっきりした路線にないと今おっしゃいましたね。それを非常に推進をしておる一部の者がある。足の便をよくするためにむしろ七号線でも八号線でも早くやった方がいいのじゃないか、そうすればあの地区全体の足が少しでもよくなるのじゃないか。まだ未開地の方を急速にやるより、少しでも予定になっておる方を早くやった方がいいのじゃないかというふうな声がかなり高いのですよ。それが実情に即しておる。まだあの地区には人家もないし、将来あそこに大きな団地ができるとかまた住宅が建設されるとかいう予定はあるでしょうが、今そこの足が非常に不便だということには私どもには感じられないのです。そこで東京都側の言い分とすると、東京都営にまかしてくれれば七号線でも八号線でも早くやれるのじゃないか、これは責任ある人じゃないのですが、そういう声がかなり強いのです。それからまた東京都側に言わせれば、今、關谷さんの言われたようなことではなく、東京都が何か意地が悪いというふうなことなんですが、あるいはそういう面があるかもしれません。ないとは私は断言できないのです。一部心ない人がそういうような挙に出る場合があるかもしれませんが、この地下鉄の場合はそういうふうには聞いていないので、かえって都営の方が金が安くて営団よりも早くできるんだというふうな声の方が高いのですよ。その点どうか東京都も都民の足のために、国民の足のためにくだらない感情やくだらない打算でもってじゃまをしたり、今、關谷さんのおっしゃるようなことをやっておるとしたら、これは言語道断であって、これはほんとうにたださなければならないし、また営団側でも東京都の一部の人が言うように、高い工事費をかけてのろのろやっているのではこれはまた困るので、東京都の言うことがほんとうだとしたらこれは研究をしていただかなければならない。要は、私ども早く混雑の緩和ができ、都民の足の便を一日も早くよくしていただきたいというのが希望なんで、その点について關谷さんのおっしゃったことと私は同感ですから、よく御調査の上一つ御研究願いたいと思います。
#38
○川野小委員長 肥田次郎君。
#39
○肥田小委員 私は、一つこういうことをお聞きしたいのですが、原口参考人の方にお聞きいたします。首都の交通対策の中で占める部分として、今主として計画されておるのは、やはり道路と地下鉄の新線建設、こういう方向に主点が置かれていますね。ところが、実際に現存をしておるところの路面の中で、現在持っておられるところのいわゆる路面電車というものは別にして、東京都が持っておるところのバス路線、トロリーバスというものを含めて、バス路線がありますね。これらと、民間の東京都内に乗り入れておるところのバス路線、こういうものとの関連というものはどういうふうに考えておられるのでしょうか、これを一つ聞かして下さい。
#40
○原口参考人 将来の計画ですか、それとも相互乗り入れだとか運賃とか、そういうふうな関連の問題でございましょうか。
#41
○肥田小委員 ちょっと私の意味が不十分なようですが、私がお聞きしているのは、都で立てられておる計画の中で、現存しておるものとそれから将来の関係の、この二つのどららに比重を置かれているかということを聞いておるんじゃなしに、今私らが聞きましたところの問題点は、道路計画とそれから地下鉄の計画、こういうふうにおっしゃっておられるが、これだけでは私らは解決しないと思うから、現在あるところのバス路面、それに各民間から私営が乗り入れているところのバス路面、こういうものを含めましての総合的な交通対策というものはどういうふうに考えておられるかということです。
#42
○原口参考人 その面につきましても、首都交通対策審議会におきまして目下検討は行なわれてあります。ただ、相互乗り入れだとか利用者の運賃の問題だとかいうような問題がございまして、都の交通局が分担いたしておりまする交通事業、バス事業そのものの整備とは別に、そういうふうなものの関係につきましてどうしたらいいか、こういうようなことは目下検討中でございます。これは特にバス、ハイヤーの小委員会を設けておりまして検討いたしておりますが、まだ結論的なものは得ておりません。
#43
○肥田小委員 誤解をせぬように一つ聞いていただきたいのですが、意地悪な質問をしているわけじゃないのです。やはり都民の足ということになりますと、国鉄だけにまかしておいてもだめだということを私らは言っているわけです。ですから、東京都も、そういう点では問題点をそこに置いてもらわなければならぬということを言っているわけです。新線建設という将来の問題は、これはもう当然計画の中で明白に一つの計画性がありますからいいんです。ところが、現在あるところの、東京都に集中しておるところの交通機関がこのままでいいのかどうか、こういうことに対するお考えは今まで何も検討されなかったのですか。たとえば国電の問題にしたって、これは国鉄だけ動かしておったって、足場というものは東京都にあるのですから、国電にまかしておくというだけでは不十分だと私らは考えるのです。ですから、この問題を解決するのには、国鉄それから民間を含めて、どこがリーダーをとるかは別にして、立てない限り、東京都の九百万をこすところの交通対策というものは立てられないだろう、こういうことを私らは考えておるわけです。ですから、先ほど關谷委員の方からもお話がありましたし、私もそういうことをよく耳にすることですけれども、これは抽象的な表現になりますから、そういう意味で私は聞くんではなしに、そういう問題を解決するというその考え方は、計画の上に現われてこなければいかぬのじゃないか。たとえば営団とそれから都の方といろいろな問題の意見の食い違いができてくる。これは常識的には考えられないことなんですね、都は都営でやっておられる諸計画、それから営団にしても、これは民間よりもさらに公共性の高い営団組織でやっておられる。そうすると、この営団と都の関係というものは、私はどちらにかわったって問題ないと思っているのです。むしろ東京都の方は、おれの方で無理だと思うなら営団の方にまかされるとか、こういうふうに思い切った処置をとられても何ら差しつかえのない、いわゆる営団と都営という関係について割り切れる問題だというふうに思うのです。ところが、側面から見ると、都営という形の中とそれから営団というこの中で、何か企業セクトのようなものがあるのじゃないかという印象さえほかの委員でも特っておられる。だから、こういうことは概念的、抽象的になりますので、私は同感で、私らもそういう面はあると思いますけれども、これは言葉で言うだけになりますから、そうじゃなしに、具体的にそういう面の計画を立てておられますかという質問をしたわけなんです。
#44
○原口参考人 ただいまお答えいたしかねるのは残念でございますが、そういうような問題は十分に審議会に出ておりまして、できるだけ結論を早くいただきたいというようなことでございますが、やはりバスにつきましても、地下鉄との関連だとか、そういうような――特に東京都の場合は、住宅政策やら都市計画上の問題がございまして、人口構造なり利用者の層がだいぶ変わってきております。その面から、交通局自体もいろいろ計画はいたしておりますが、なお、これが陸上交通事業調整法の改正や同法に定める調整委員会の運用にも関連がありますので、慎重に計画はいたしておりますけれども、結論を得ていない段階でございます。結論が出ましたら、また御報告できることと思います。
#45
○關谷小委員 関連して。原口さんにちょっとお尋ねしますが、今バス、ハイヤー小委員会を作っておられるということですが、これは民間のバス業者の代表者あるいは利用者の代表というふうなものも、メンバーに入っておりますか。
#46
○原口参考人 審議会には、こちらに御出席になっております鈴木総裁が委員に入っておられまして、あと民間からは入っておられません。従いまして、いろいろ小委員会なり部会で、関係者に出席していただいて公聴会的なことで御意見を聞くなり、その他の適当な方法をとる。こういうようなことで今考えておりますが、バス、ハイヤー関係の小委員会は、まだ外部に対してそういうような措置はとっておりませんです。
#47
○關谷小委員 それは大へんなことですね。これはバス事業あたりは、東京都営バスの管理者である東龍太郎さんと東京都知事の東龍太郎さんが一つであるために、この道路運送法の第百二十三条あたりは公平な運用ができていないのです。そうして都民の便利ということを考えるよりも、都のバスの関係のことを非常に重要視いたしまして、そのために民間のバスが入ってくるのを非常にじゃまするようなことがありまして、そのために陸運局あたりの陸運行政がほんとうにできないというふうな実情にあるので、ああいうふうなものをはずして、そして陸運局がバスの路線網あたりも民間のも都営のも総合的に市民のためになるように考えれば、もう少しうまくいくのじゃないかと考えられるのです。その点においても民間の事業と都営事業との間に摩擦があるのではなかろうか、あるいはそのために交通難の緩和ができないのではなかろうか。それをやるためには百二十三条を除くのが一番いいのですけれども、それがまたなかなか――都会の議員あたりもおそらく反対する、鈴木代議士あたりも反対するのではないかと思いますが、そういうふうなことでなかなかむずかしいと思いますけれども、せめてバス、タクシーあたりの委員会には民間業者の有能な代表者を入れて、その意見もよく聞いて、そしてどうすれば東京都民のためになるかということでものを考えてみたらどうですか。そのメンバーあたりも、あなた方が積極的にそういうふうな民間の意向をどんどん取り入れられるようなメンバーにしてみたらどうですか。どうも都とか国とかいうところで委員を選びます際にはきまり切ったような人ばかりが入って、ばかの一つ覚えのような意見しか言わないような、そういう人しか集まらないので、とんでもない交通政策ができるのですが、その点お考えになったらどうですか。
#48
○原口参考人 そういう御意見もあろうかと存ぜられますが、最初審議会を設定いたします場合も、そういう民間の声はよく聞くようにという趣旨で、関係者のほか、代表者としては入っておりませんが、学識経験者というようなことで委員を選んでいただいたわけでございます。今後の運用においてその面について十分注意していきたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
#49
○關谷小委員 今の件ですが、よく知事と御相談なさって善処せられるように要望いたしておきます。
#50
○島上小委員 今、肥田君が質問したことに対して原口さんに納得できるような答弁をしろといってもこれは無理かもしれぬ、僕はこういう意味だろうと思う。たとえばバスについていえば東京都には民間のバス、都営のバス、たくさん入っている。電車もそうですし、地下鉄もそうです。こういうものは乗客、利用者の都民の立場からいえば、どこのバスが入ろうと、どこの地下鉄が入ろうと、国電が入ろうと、とにかく交通が今ふん詰まりの状態にあるのを緩和してほしいというのが切なる希望だし、またそうしなければならぬと思うんですよ。利用者から見れば、どこのバスであってもいい、どこの地下鉄、どこの電車が入ってもよろしいんですよ。ところが、そういうものがたくさん入っているにもかかわらず、総合対策というものがないのではないか、そして企業が競争したりセクト性を発揮したりして、それが一つの障害、隘路になっているのではないかという気がするんですよ。ですからこれはできるだけ、われわれの納得するような答弁を要求しても無理かもしれないけれども、総合対策というものを持って、将来の計画を立てる際にも、現状を打開する緊急対策を立てる際にも、大所高所に立った対策というものが必要なのではないか。肥田君の質問の意味も私はそうだろうと思うし、關谷さんもそうだろうと思う。これは与党とか野党とかいう問題じゃないと思うんですよ。こういうことを伺っているわけなんです。
#51
○原口参考人 申し落としましたが、そういうような意味で総合的な対策が必要でございますので、実は総合的に調整をはかるという意味で目下調整小委員というところで、新線なり既定路線の拡充なり、あるいは系統の整備の開顕、相互乗り入れ、運賃の調整の問題、そういうようなことも数回論議しておりますので、その面からさらに将来どういう調整方策が必要か、そういうようなこともいろいろ検討いたしております。まだ結論に至っておりませんが、十分研究していくつもりでおりますから一つよろしくお願いいたします。
#52
○肥田小委員 お二人の委員から、私の先を一節話していただきましたが、私もあなたの方から直接回答がもらえるとは思わないのです。しかし、今、島上さんがおっしゃったように、この点に関する限りは私はだれの考え方も一緒だろうと思うのです。総合的な対策を立てないで主要都市、特に東京都というような大きな都市の交通対策というものは絶対に解決するものではないと思っているのです。ですからその中からは国鉄がはずれてもだめだし、民間のいわゆる私営関係の交通機関がはずれてもだめだし、そのことを私は強く新しく理解をしてもらう必要があるのではないかと思うのです。ただ私らもよくわかりますが、それぞれのセクト性というのじゃなくても、習慣があります。そういうものが残っておる。だからこの習慣をここいらでもういいかげんに忘れてもらって、オリンピックを控えたところのこの東京に集中する交通対策というものを、地下鉄をふやしていけばこれで解決ができるのかどうかというそれだけではなしに、もっと新しい観点から交通対策を立てる必要があるのではないか。これを私たちは強く要望するわけなんです。一つ例を申し上げましても、これはなかなかむずかしい問題ですけれども、私らこの点は運輸省の陸運行政の中でも強く指導性を持ってやってもらわなければならぬと思っていますが、東京都内に入っておるバスというものは大手を含めて七社ぐらいになっていますけれども、そのバスと東京都のバスとみな料金が違うんですね。それでまことに奇異な現象は、都のバスと民間のバスの中でもそれぞれのバスの内容によって違いますが、一つのバスでお客がもう押し合いへしあい、すしを詰めたよりももっとひどい形で運んでおる、あとについてくるバスはすいておる、こういう状態で交錯して定っている。これは料金の違う面もあります。それから切符が共通しないという問題点もあります。ですから東京都でリーダーシップをとってやれば、こういう問題に関する限り、やれないはずはないと私たちは思っているのです。バスは共通にする、乗車券も共通にする、そういう中で問題の解決をはかっていく。これは私はおそらくやればいいだろうなという考えをだれも持っておると思うのです。しかし、いざやってみると、古いしきたりがじゃまになってくる。企業セクトという姿になって現われてくるだろうと思うのです。またこの点はまずバスはというよりいわゆる切符は、東京都に入る関係のものはみな共通の切符が利用できる、こういう形のものを一つ研究対象としてやっていただく。それからいわゆる定期のようなもの、こういうものについても新しい立場で各社が寄って研究してもらう。これをやるのにはどうしてもお役所根性だけでなしに民間も寄せて協議をしてもらわないとこれはまとまらない話なんです。そうすれば東京都の足は、むだがなくなってもっとよくなると私たちは信じている。ですから新線建設、道路の改良拡張、新道路の建設、これはまことにけっこうです。そういうものと並行したところの対策というものが立てられない限りは、一つのものが進んでも依然として古い形のものが残されておって、それがために東京都の人が大してありがたみを感じない、こういうことになるだろうということを私たちは特に感じておるわけなんです。都市交通の対策のポイントになるものは、私たちは実はこれだと思います。東京の場合は営団も民間もこれらが寄って総合的な交通対策を立ててもらう、こういうことが必要だと思います。
 板川さんの方からまた関連質問で何かあるようですから、私はこのくらいにして板川さんに譲ります。
#53
○川野小委員長 この際お諮りいたします。
 運輸委員板川正吾君より小委員外の発言を求められておりますので、これを許可するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○川野小委員長 御異議がないようでありますから、発言を許します。板川正吾君。
#55
○板川議員 二、三ちょっとお伺いいたしますが、自動車の非常な発達で都市の交通が麻痺状態になっておることは御承知の通りでございます。これに対して、都は都、あるいは警視庁は警視庁で対策を講じておるようであります。しかし、根本的な都市交通の隘路というものは、やはり世界各国の主要都市に比較して非常に道路率が低いのです。東京都の場合にはその道路率が二十三区で一〇%、ロンドンが二三、パリが二五、ベルリンが二六、ニューヨーク三五、ワシントン四三、こういうような状況で、アメリカなんかは広い国土を持っておるかもしれませんが、三割から四割が主要都市の道路である。都市交通を緩和するために道路の整備ももちろん必要でしょう。しかし、日本ではやはり地下鉄を開発して、地下鉄の輸送によって都市の交通緩和をはかるほかないのじゃないか、こう思うのです。
 そこで伺いたいのですが、地下鉄交通を開発するについていろいろ議論されておるのですけれども、今は都と営団が二本立でおのおの計画を持っておる。地下鉄の開発は非常に焦眉の急だと思うのですが、われわれが知りたいのは、一体地下鉄を開発するのには営団の方式がいいのか、都の方式がいいのか、どっちがいいのでしょうか。これをそれぞれの立場から、我田引水というのじゃないですけれども、自分たちの信ずるところを一つお聞かせ願いたいのです。
#56
○原口参考人 鈴木総裁からまた別なお話があるかと思いますが、恐縮でございますけれども、私個人の意見にわたるかもわかりません。都民の足を確保しなくちゃならない、そういうような観点からと、もう一つ、東京都の場合は、路面電車を地下に入れて地下鉄化、高速鉄道化する、こういうような必要もございまして、一応そういうようなことで公共的な団体においてさような開発並びに地下鉄の経営を行なうのが最も適当ではないか、かように考えておるわけでございます。ただその公共的な団体が、地方公共団体であるかあるいは現在の地方公営企業法によりまして規定されておりますような公営企業をもう少し改善いたしまして別個の企業運営方式をとるか、こういうような問題がございます。もう一つ、現在の帝都高速度交通営団のような形態のものなり、あるいはロンドンなりその他外国で特に採用しておりますようなコーポレーション式のもので現在の地下鉄営団と多少異なったものがいいか、こういうようなものについてはいろいろ検討しなくてはならないと思っております。現在のような、地方公共団体がそのままの形で地方公営企業法によって運営していくことがいいとは、私自身は考えておりません。さらに改善されたものでやらなければならないと思います。しかし、それをもう一歩進めまして、コーポレーション式のもので特別行政機関と申しますか、そういうようなものをもう一歩進めまして、コーポレーション式のものでやった方がいいかどうか、この辺につきましては実はいろいろ研究はいたしておるのでありますが、国なり地方公共団体の立場から離れてしまったような企業なり企業の運営体では工合が悪いではないか、かように考えておりますので、一応公共的な団体で経営するのが最も適当だ、こういうようなことで、その公共的団体は何が最も適当であるかという点につきましては、もう少し検討さしていただきたいと思っておるわけでございます。
#57
○鈴木参考人 忌憚ない意見を申し上げます。お許し願います。
 私は、第一は、地下鉄を建設するにどういう方法が一番いいかということを考えながら論議された結果、今の営団法の組織が当時の法制組織でいいとしてやられておったので、やってみました結果を遠慮なく申し上げますと、建設当初においてはまだ実際はルートに乗っておらなかった。ところがちょうどこのくらいの組織でありますと、工事の進捗、資金の調達、資材の供給、そこらの点がちょうど一致していけるのであります。それでありますから、こういう組織でいいと思います。
 コーポレーションの話もありましたが、外国においても地下鉄道の建設最中にはコーポレーションはできておらなかった、できて後においてできた。それで私は忌憚なく申し上げますが、今建設し、ことに郊外電車でもありますが、今設備を改善して交通難を緩和するということが目下の急務なんであります。こういう急務な際に、いろいろな組織というものに対して手を入れられるということはおもしろくないと思います。それはもうそういう企業の組織変更の前並びにその後においても、ことに板川さんなど御存じのごとく、こういう組合運動、人事関係の複雑なときに手を入れたならば、ぴたっと工事の進行はおくれます。これは電力統制のときをごらん下さればよくわかる。そういうわけで、私は企業は今のままで、そうしてできるだけの補助――悪い点は御叱正いただくのはやぶさかではないが、そういう点に進めていただきたい。
 先ほども話がありましたが、われわれの工事を自画自賛して相済みませんけれども、大体において工程はそうおくれておりません。また私たちが請負業者に請負わした工事期間は、正確に守らしております。これは工事の請負期間にサバを読むことは、いたずらに工事単価の算定を不明確にならしめ、責任を不明確にならしめることでありますから、できるだけ正確な算定をやる。そうして工事の単価をきめますときには、鉄とセメントは私は支給さしております。これは値の変動、需給の関係が多いものでありますから、支給させております。そうしてそのあとにおいては、一々工事の人夫、及び請負会社が持って返すところの材料の再編成、打って返し、そういうものを一々調べて単価をきめて、さらにその単価を他のものに審査させて価格委員会にかけさしておる。それから重役会にかける。いたずらに安くしても工事はうまくいかないし、御存じのようにあとで欠点が出る。従って技術者において適正な単価をきめます。幸いにして工事は、今まで平均一キロ十七億になっておりますが、工事の結果においても、このごろは、自画自賛して相済みませんが、外国から盛んに私の方へ工事技術のことに対して質問と照会がきておるし、先日もニューヨークの地下鉄の委員長からわざわざ手紙をよこされたくらいでありまして、決して今のままで工程がおくれるとは、資金の面さえよくしてやれば……。ただそれを営団単独でやるか、都と一緒にやるかということは、そのときの具体的問題であって、前の交通審議会の決議のごとき、資材及び資金が競合しない範囲において全体として早くできるならば、他の機関にして建設するもいいじゃないかという趣旨は、私は尊重するにやぶさかでありません。
#58
○板川議員 交通事業というのは、私から言うまでもなく、再三前委員も申しあげた通り、事業者のためにあるのじゃなくて利用者のためにあるのですね。そこで地下鉄建設が焦眉の急だ、そこで私は、都側でやはり公共企業体が中心になってやった方が建設がスムーズにいくのじゃないか、これは当然都側の信念としてはそうだろうと思います。その裏づけとしては、都ではこの予算が二千億をこえておる、国家予算の一割以上をこえておって、膨大な資金的な背景がある、こういうようなものが工事を迅速に進捗する一つの裏づけをなしておるのじゃないか、こう思うのです。そういう点で都の方が有利だし、あるいは将来路面電車を廃止する場合の調整等もその方がいいんじゃないか、こういう御議論と思うのです。また営団の総裁鈴木さんからの御意見は、将来のことはともかく、建設中にそういう組織を変えるようなことをされれば進捗が著しく阻害されるだろう、技術的にも心配はない。ただ資金の点がわれわれ一抹の不安を感ずるわけですが、そこで鈴木さんにお伺いしたいのですけれども、資金的に将来、もちろんこの資料にありますように、国の融資もありますが、資金的な面で建設に支障のない自信がおありですか。
#59
○鈴木参考人 御存じのごとく、これはどこで建設いたしますにしても、国家の財政的の調達の援助がなければなかなかできないと思います。これは事実であります。その国家の調達以外に民間の公募がある。ところが幸いにして、営団は過去の経験がありますので、社債の消化率は非常にいいのであります。昨年も、先ほど御説明いたしましたごとく、既定計画の三十四億以上投資信託の関係で社債が多く出た。本年ももうすでに日本で一番大きい融資団が結成されまして、二十五の銀行、信託、保険会社はみな本年は三十五億の融資をしようという。それでありますから、建設の実際と運営は、銀行業者の関係から自分の方は資金の調達についてはそう考慮をしておらない。もとより大きな金になりますれば、時の国家の財政、金融状態がありますので、また銀行業者に依頼するにも財政投融資が多ければ多いだけまたいい、この両々相待ってできるものだ、こう考えております。
#60
○板川議員 関連ですからもう一つだけ参考に……。都市交通で人件費ですが、一人当たり月幾らかかるかということと、平均年令、家族構成が営団でもそれがわかりましたらちょっとお聞きしたい。
#61
○鈴木参考人 大体月二万円であります。平均年令はちょっと今記憶ありません。
#62
○原口参考人 今資料を持ち合わせておりませんが、平均年令が二十七、八才で二万二千円程度、こういうことでございます。
#63
○鈴木(仙)小委員 ちょっと総裁にお尋ねしますが、帝都高速交通営団の事業は建設技術も大へんよいように聞いて、心うれしく思いました。ことにニューヨークの方面から問い合わせまである、大へんけっこうなことでございます。そこで、ちょっとお尋ねするのですが、私は知識は浅いんだが、地下鉄の有効長は三号線もわずか三両連結で非常な混雑状態を現出している。すでにこの問題については、私はかって昔の委員会で申しあげたことがあるのですが、その後虎ノ門と神宮前間の五駅の有効長を延長して現在四両連結で走っているありさまで、この点はもっと連結ができないのでしょうか。そこで東京都営の第一号線は、各駅のプラットホームを、将来は十両連結までさしたる改良工事を施さずに可能であると聞いておりますが、帝都高速度交通営団の地下鉄は、四号線の新中野延長工事でも、三キロそこそこの区間に八十億円の巨費を投じているわけですが、その有効長は相変わらず五両か、せいぜい六両であると聞いておりますが、この点いかがでしょうか。
#64
○鈴木参考人 お尋ねの通り、銀座線はもと早川さんと五島さんの建てられた両線でありまして、そのうち渋谷―新橋間は三両、片一方は六両を少しはずれておりましたが、これは先ほどお話しましたごとく、改良中の工事で非常に至難とされておりましたが、六両編成でできるように改造いたしまして、今六両編成で動いております。四両ではございません。それから丸ノ内線は、建設いたしましたときは、御存じのごとく日本敗戦の直後であります。アメリカの政府の支配下にあった。その際の経済状態のもとにおいて、いかなる将来のホームにするかということは非常に迷ったのであります。しかしながら、六両は完全に、容易にできるようにしよう、しかし、いっときに六両ホームを作る必要はない、いざとなればやれるようにしておく。というのは、欧州の鉄道の者が言ったのですが、欧州の鉄道の衰微の最大原因は、必要以上に大きな構築をしたからであるという言葉が名言として言われておりますので、自分たちはその言葉を信じて――銀座線において今日になりますまでに三十何年たっております。それらの事情を考えまして、六両あればかなりの間できる、しかも車は銀座線の車より大きいのであります。だから六両で七両に値するそういうことで、それでがまんしてやろうという。しかしながら、今から見れば、御存じのごとく八両にすればという議論も起こり得るかもしれませんので、今度の二号線を八両ホームにしました。しかしながら、これは実際の交通量から見れば、銀座線より少ない、将来においても少ないと思います。それでも八両ホームにいたしました。その間また将来のことを考えますと、電気の進歩というものははなはだしいものであります。今まで高周波のごときものは鉄道に使っていないのに、今度使いましたが、そういう電気その他のものが整備されますと、信号がよくなります。信号がよくなれば、運転間隔というものも相当に縮め得られるのではないか。これは将来の技術であります。そうしますと、運転の密度と間隔を縮められるということによってかなりの列車容積はふえていくのではないか、そういうような点を考えまして、その旅客の数量の増加の年度その他と見合いましてホームを今までは定めておったのです。従って結論から申しますと、銀座線は六両編成でもって今運転し、丸ノ内線は五両編成で運転しておりますが、六両にはすぐできる。二号線は八両のものをやっておりますが、今は一部改造で二両運転をしておる、こういう事情であります。
#65
○鈴木(仙)小委員 私のお尋ねしましたのは、東京都営は、第一号線でも十両連結をさしたることもなく改良できると言っておるのです。帝都高速度交通営団では六両にするのはなかなかむずかしい、金もよけいかかるというふうに聞いているのです。これはつまり、この間聞いたのは、新中野延長工事でも三キロそこそこの区間に八十億もかけておるではないかというふうなことを聞いているのです。それからもう一点、東京都営が幾らくらいでできるのか、この機会に聞いておきたいことと、さらに先ほどもお話がありました志村を延長して横にそれるのは、駐車場が確保できればというふうなお話がございましたが、これは東京都の方でやれば駐車場はどこにでもできるのだというふうなことを聞いているのです。これはこの方から聞いたわけではないのですが、そうして七号線でも八号線でも、現在早くできるものはどちらからでも早くやってもらいたいというのが区民の声なんです。だからその点を一つ、簡単に十両編成くらいにはできるのか、東京都ではどのくらいこれをかけているのか、この機会に伺っておきたいと思います。
#66
○鈴木参考人 ホームを十両ホームにすることは技術的には可能なのです。ただ十両ホームにすれば、建設費が少しよけいかかるということです。しかしながら一般の建設費において、営団の建設費は決して高くありません。これは明言してやぶさかでないと思います。お調べ下さればすぐわかります。それから志村の方の問題については、これは今路線の研究を、先ほど申しましたように、いろいろやっております。その全体の路線網を見てから、いかにして建設すべきかということを論議するのがいいのであって、今その時期でないというふうに私は考えております。
#67
○原口参考人 現在の地下鉄の建設計画は、先ほど大ざっぱに申し上げて恐縮だったのですが、四百九十五億になっております。なお大体一キロ二十六億程度、こういうようなことになっております。
 それから志村方面の問題でありますが、都の議会なり都の方では五号線の分岐線の問題につきまして、都でやらしてもらいたい、こういうようなことを一応意見書として出してございますが、なお別のもの、また分岐線につきましては、新しい路線、追加路線がございますので、その点につきまして、新しい利用者の層なり、そういうものと関連しまして、新しい路線を早急に整備建設していったらいいじゃないか、こういうようなことに大体意見が固まっておると思いますが、なお地下鉄の新線の整備開発につきましては、都の場合は都市計画審議会の特別部会をやがて設けまして、そこで審議していくことになっておりますので、申し添えておきます。
#68
○川野小委員長 井岡大治君。
#69
○井岡小委員 私は少しこまかい質問ですが、聞かしていただきたいと思うのです。
 まず最初に、先ほど肥田君が質問をされておりましたが、私は都市交通の問題は、その地下鉄建設の問題だけをとらえてはやはり間違いだと思うのです。特に最近は大都市政策を採用されようとしておる。従って大都市政策が採用されるとするならば、当然それに伴う大都市交通政策というものが付随しなければいけない。しかしながら今まで、これはいずれの都市でもそうですが、このことが考えられておらない。ここに今日都市交通の行き詰まっておる一つの大きな原因があると思うのです。従って将来これを考えられて、今後都なりあるいは関係業者がそういう方向で十分話し合いをする余地が残されておるのかどうか、この点をまず聞かしてもらいたいと思います。
#70
○原口参考人 仰せの通りでございまして、今後の大都市政策、特に大都市の動脈となります交通政策については、さような観点から進まなければならないと思いますが、現在ございまする陸上交通事業調整法の改正というような問題なり、あるいは同法に規定されておりまする調整委員会の活用というような問題もございます。なおそういうようなものだけでも問題が解決しないような場合の官公私の各交通機関の連絡協議というものが特に必要になろうかと思いますが、そういうような点を一応考えながら、今後都の場合、実は東京都知事が都民の足を守る責任があるのじゃないか、大阪の場合でありますと、大阪市長が大阪市民の足を守る必要があるのじゃないか、こういうようなことで、何か事件が起きますと、たとえば今年の一月末時におきまする中央線の殺人的な混雑、ああいうものの解決の場合に、知事は何しておるのだ、こういうようなおしかりを非常に受けたわけです。さよう申し上げましても、実は交通行政に対する責任はどうもあまりはっきりいたしませんで、知事としてもなかなかなすべき方策が的確に立てられない、こういうようなことでございますが、そういうようなことを待っているということも、権限なり責任を明らかにしてから、それから交通問題を解決しようといっても、なかなかこれは問題でございますので、それに至る間の暫定的なり経過的な措置というようなものも必要でございますので、その辺は都の審議会におきましても十分注意いたしまして、関係方面と十分に連絡しながら、協議しながら、問題の解決に当たりたい、こういうような考え方を持っております。よろしく一つ御了承を願いたいと思います。
#71
○井岡小委員 問題は都なり市なりだけではできないと思うのです。率直に政府が、都市交通政策というものをどういうように立てるのか、あるいは都市建設というものをどういうようにやるのだということとからんで考えなければ、とうていこの問題は、都なり市なりだけで考えてみても結局は営業キロを考えてみたり、路線の免許を考えてみる程度であって、問題にならぬとこう思うのですから、私はせっかく首都交通対策審議会というものができたのですから、ここでは単に首都だけの問題をお取り上げになるのだろうと思うけれども、やはり今後の都市交通政策についての研究もなされる必要があるのではないか。しかもそれを政府に対して強く要求するだけの心がまえであってほしい、こう思うのです。そうでないと、これは結局は今の路面電車をはずす、あるいは七号線をどうするとか、五号線をこれとなにするとかいうようなことで、免許の取り合いをやっている程度で、これは大して大きな成果は上げられない。ますます混乱するだけだと思うのです。こういう点でぜひこの審議会は、一つの大きな都市交通政策を樹立するようにしてもらいたい。そのためには今皆さんから御指摘があったように、現在委員を御委嘱なさっておるようでございますが、そのほかに小委員などを設けて、大いにやはり全体的な問題でやっていただく、こういうようにお願いしたいと思うのですが、この点もう一度御答弁をお願いしたいと思うのです。
#72
○原口参考人 さような点は十分注意いたしまして、なお審議会には専門委員の方も参画されることになっております。今後問題が非常に広範で重要なものでございますので、そういう点は十分に一つ御注意に従いまして運用していきたいと存じます。
#73
○井岡小委員 それから都市交通政策について、建設の問題は別ですが、この点については鈴木総裁も若干におわしておられますから、あえてこれを追及するわけではございませんが、私は若干違っているのです。必ずしも営団がいいとか都がいいとかというように規定すべきでない、こう思うのです。これはあくまで将来の大都市交通政策という立場からいくと、大きな地方コーポレーションというような格好に持っていくような今からの措置を講じておかなければいけないのじゃないか、こう思うのです。そうでない限り都市交通政策は樹立ができない、こう思うのですが、その点お答えを願いたいと思います。
#74
○鈴木参考人 私も東京都内の全部の交通機関がある一つのコーポレーションになるということは理想だと思います。またそうすることが望ましいと思う。ただ、今のところは窮迫せるこの輸送を救済するには設備の拡充をするほかはない。それは各自々々の分担においてできるだけ骨を折るということがいいと思うのであります。御存じのごとくロンドンのコーポレーションができたときにも、ことに社会党のお方ですから忌憚なく申しますが、事務の引き継ぎの規定というものは、膨大なものであります。日本の法律にはあれほどのものはない。それほど複雑な問題が今の現段階にありますので、その法律がそれだけうるさいということは、結局その統合主体になるのが、なってからも組織の構造がなかなかうまくいかないということなのです。そういう際のことがあるから今建設をするときは、建設途上であり、また新しいものができる前において、できてから数年というものは、ほとんど歩みがとまる。これはかえって都民のために非常によくないのじゃないかということを私は申上しげているのです。
#75
○井岡小委員 私の申し上げているのはそれのことじゃないのです。ですから、その点は総裁も将来の展望としては私と同意見だというように理解したいと思うのです。そこで建設する場合に、たとえばレールのゲージですね。ゲージが今まちまちなんです。これでは全体を統合――かりに将来、十年先になるか、二十年先になるかわかりません、大都市交通政策あるいは大都市建設政策というものからいくと、当然現在の地方鉄道も含めたものを考えなければいけないだろうと思う。そういう場合にゲージがまちまちであると、乗り入れをするとかしないとか、これとの接続をやるとかいってもなかなかできないわけです。ですから、私は今から直ちにこれをかえろといっても、なかなか無理なことですから、これはやりません。けれども、将来の都市の構造と考えて、ここの時点においては、たとえばこれとの接続をどうするかというようなことを考えて、レールのゲージ等も十分その業者とも打ち合わせをやってやるというようなことをしておかないと、結局はまた二重投資になってしまうと思うのです。引き継ぎはできなくなると思うのです。引き継ぎができないばかりでなしに、その結果交通困難が起こってくる、こう思うのです。こういう点は、原口さんはあまり専門的でないから詳細はお尋ねしませんが、総裁の方でこの点十分考えていただきたいと思うのです。
#76
○鈴木参考人 ごもっともな意見であります。従ってこの前の運輸省の都市交通審議会においても直通乗り入れ――私は必ずしも直通乗り入れという問題にこだわらない。ツー・ポイント・システムの方がいい。つまり乗りかえ点を二点に設けるという考え方もあり得ると思いましたが、皆さんが大体直通乗り入れ――直通乗り入れをしますと、いわゆるサード・レールじゃなくてパンタグラフは構築費がやはり一割以上高くなる。それでも乗り入れて、現在東京都の方は京成電車ゲージに変えられましたが、私の方は東武のゲージで、また先にいけば東急でありますから、今度新路線が設定される場合においても、当該電車の接続地点というものをいかなる地点に求めているかということは大きな問題であります。忌憚なく申し上げますと、その地点というものは郊外電車が必ずしも求める地点までいかなくてもいいだろう。それは郊外電車も自分自身の費用をもって負担すべきである。しかしながら適当な民衆の便利なところで、しかも実際の地形上やれるところで、そしてゲージというものは、おっしゃる通りとらわれないで、直通運転のできるようなゲージに持っていく、こういうふうに考えて、将来の交通網が完成されるように考えたい。こう思っております。
#77
○井岡小委員 私は非常に力強いお言葉を聞きましたので、一つの問題点の解決へのポイントがやはり明確になってきたと思うのです。もう一つは、これはお聞き取りだけでけっこうですが、ホームの設定にあたっても、これらの問題を考えていただきたいと思うのです。たとえば、私はきょうは東京のことで、大阪のことを申し上げるのは失礼ですが、京阪電車が――総裁はよく御存じだと思います。京阪電車が淀屋橋に今度乗り入れます。現在工事にかかっておりますが、あそこのホームをいわゆる市のなにとどう接続さすかということで非常に長い間問題が起こっていたわけです。あれは結局は将来の交通のことを考えてやっておった結果が、あそこのホームの接続について一年余りもかかったということになるのです。ですから、今後のホームなり駅舎の構築というのですか、建設にあたって、それらの将来の各郊外電車も、総裁が言われたように、必ずしもその同一路線に走らなくても、ここで乗り継ぎするということもありますから、そういう点も十分考えておいていただきたい、こう思うのです。これは総裁だけでなしに、東京都の方もやはり同じように考えてもらわないといかないと思うのです。
#78
○鈴木参考人 それは先ほどの問題にも関連いたしますが、東京都の一号線と私の方の線路と接続地点が人形町及び東銀座でできました。片一方は私の方が下になり、片一方は都の方が上になる。この接続地点の駅の設計その他及び工事に対するところの工事費の負担、委託、そういうものについては完全なる一致を見まして、両方とも満足な状態でもって工事が進行しておるということを申し上げていいと思います。問題はこれから先いくところの道路面だの何だのにまだ意見の調整が済まない。それでありますからそういう点においては東京都との間に技術的の非常な調整がとれておるということをこの際重ねて申し上げておきます。
#79
○井岡小委員 それから次に建設で一番問題になるのは、やはり道路の問題だろうと思うのです。そこで私は一つ総裁なりなににお聞きしたいのですが、私は今の地方鉄道軌道でこれをやらそうとするところにやはり無理があると思うのです。これは資金の面でもそうだと思うのです。そういう点で、私は、単独に地下鉄法というものを各国とも認めておるのですから、そういうものを作る必要があるのじゃないか、こういうように考えておるのですが、これは御経験者である総裁からお聞かせ願いたい。
#80
○鈴木参考人 今地下鉄は御存じのごとく東京は地方鉄道でやり、大阪は軌道でやっております。しかしながら、建設省、運輸省が一号線を東京都に譲渡いたしましたときに、意見の調整をしていただきまして、東京は地方鉄道でいくということできまっております。しからば今の地方鉄道でいいかといったら、それは実際に地方鉄道に基づく会社でやるとなかなか資金的に困る。営団であれば資本金の十割の社債を発行することができるという規定があるが、会社でやればそれがない。そういうわけで、また地方鉄道において地下鉄建設においても、土地収用法でいくか、あるいは営団法でいくか、どちらかでありますが、やはり収用に対する規定は営団法にはないのであります。しかしながら、現在の営団法は御存じのごとく戦前の規定でありますが、それに補完するところの法律が完全に再評価法とか資金繰り入れ法とかあるいは見返り資金の法律というようなものが適時にできて参りました。それで今のところは営団法そのままにおいて地下鉄建設に何ら不便がない。ただ問題は、いわゆる税の減免の規定であります。固定資産税のごときはかなり高くなっておる。また建設されれば財産取得税とか、片一方で資本をいただいておいて、片一方で税金を納めるというのではおかしなことになる。そういうような点があります。それらの点が考慮されれば、今の営団法の組織でけっこう十分にやっていけると私は考えております。
#81
○井岡小委員 私が質問しておるのと総裁のなにと若干違うわけです。私の言うのは、何も東京の地下鉄をこしらえるのに不便があるかないかを言っているのじゃない。将来これはあっちこっちにこしらえていくわけです。現に名古屋でこしらえておりますし、大阪でも計画を持ってやっておる。計画だけではありますけれども、神戸も同じようなことを考えておる。横浜も最近考え出してきた。川崎も今立案中です。こういうようなものを考えてみた場合、今までの経験でなくて、補完をされておるからわしの方には決して不便を感じないのだというのではなくて、全体に地下鉄というものを指導し、養成のできる一つの単独法というものがあっていいのじゃないか、こういうように私は考えるが、この点はどうお思いですか、こうお尋ねしておるわけです。
#82
○鈴木参考人 もとよりおっしゃる通りでございまして、戦前においては地方鉄道補助法というものがありました。御存じのごとく京阪にしろ、近畿にしろ、あの補助法でもって十年間養成してもらったために現在の大をなしておる。いわんやもっと建設費の多くかかる地下鉄道が初めから補助なしに――世界においても何らかの面において地下鉄道というものは補助を受けておるのですから、営団だけでなく、公共団体もあるいは民間会社もそれなしにするということはなかなか至難だと思います。これらに対する助成的の法律というものはぜひ必要なものだと私は考えております。
#83
○井岡小委員 そこでこれは一つ総裁にお願いをしたいのです。東京都と大阪の交通局からはいつも資料をいただいておるのですが、各国では高速鉄道をするのに対して何らかの形において補助しておるわけです。ところがなかなかその資料が集まらないわけです。運輸省にいつも言うのですが、運輸省は早急に取り寄せるということで一向に集まってこないのです。やはり経営をなさっておられる営団ですから、各国との交流等もあり、資料の交換等もあると思いますので、各国の援助しておる事例を一つ資料として出していただければ非常にけっこうだと思います。
#84
○鈴木参考人 出すことにやぶさかではありませんが、大体申し上げますと、ロンドンにおいては政府が五分利社債のうち三分を持って二分を民間に持たせまして、またあるコーポレーションで建築を補助します。パリは御存じのごとく南北線とメトロと二つある。メトロは補助線でございまして、構築その他を公共団体がやる、それで車両、電気設備を民間でやる。南北線は独立でありまして、これが二つ今統合してパリのコーポレーション。ニューヨークはいわゆる契約第一号から第三号まででありまして、構築はニューヨーク市でやって、そして車両、変電所をやりましたが、その契約の内容も漸次変わって、地下鉄の運営がうまくいかないために、市に納めるところの構築の使用料というものは会社の内部保留金をすべて済ました後においてこれを支払って、実際のところ減免の処置をとっておる。その後においてパブリック・コーポレーションになっております。そういうふうにして補助をしております。それらの点に対する補助規定単独のものはないでありますが、それらの資料はお届けさせるにやぶさかではありません。
#85
○川野小委員長 ほかに御質疑はありませんか。――ほかにないようでございますので、この際一言参考人の方々にお礼を申し上げたいと思います。
 本日はまことに御多用中のところ、御出席下され、いろいろ貴重なる御意見をお述べ下され、また質疑に対しましても懇切にお答えいただきまして、厚くお礼申し上げる次第であります。
 どうぞこれでお引き取り下さるようお願い申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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