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1960/04/13 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会観光に関する小委員会 第1号
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1960/04/13 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会観光に関する小委員会 第1号

#1
第038回国会 運輸委員会観光に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和三十六年二月十日(金曜日)委
員会において設置することに決した。
  二月十四日
本小委員は委員会において次の通り選任された。
      生田 宏一君    高橋 英吉君
      細田 吉藏君    山田 彌一君
      勝澤 芳雄君    尾関 義一君
      塚原 俊郎君    三池  信君
      加藤 勘十君    山口丈太郎君
同 日
 生田宏一君が委員会において小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
昭和三十六年四月十三日(木曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席小委員
  小委員長 生田 宏一君
      尾関 義一君    細田 吉藏君
      勝澤 芳雄君    高橋 英吉君
      加藤 勘十君    山口丈太郎君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (観光局長)  津上 毅一君
 小委員外の出席者
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
四月十二日
 小委員高橋英吉君三月二十四日委員辞任につき、
 その補欠として高橋英吉君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同 日
 小委員山田彌一君三月十六日委員辞任につき、
 その補欠として山田彌一君が委員長の指名で小
 委員に選任された。
同 日
 小委員勝澤芳雄君三月一日委員辞任につき、そ
 の補欠として勝澤芳雄君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 観光に関する件
     ――――◇―――――
#2
○生田小委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。
 本日は初めての会議でもありますので、まず政府当局より観光事業の振興についての総合的な政策あるいは将来における抱負、また近く開催されるオリンピックを控えて、これに伴う観光施設の整備計画、また政府より補助金を交付されている観光事業団体の実情、その他宿泊施設等の整備問題につきまして、詳細に説明を聴取いたしたいと存じます。津上観光局長。
#3
○津上政府委員 それでは私から観光行政のごく概要についてお話し申し上げたいと存じます。
 観光行政は言うまでもなく非常に広範な面にわたっておりますので、後ほどいろいろな問題に入るといたしまして、最初に、私どもの方で現在やっております行政の大要につきまして、ごくかいつまんで申し上げることがいいかと思いますので、そのことをさせていただきたいと存じます。
 まず現在の日本の観光事業のといいますか観光の規模がどうなっているかということを申し上げたいと思うのでございます。昨年、これは暦年でございますが、三十五年の入国外客数は二十一万二千人でございます。これは入国管理局でとりました数字をもとにいたしまして正確にとったものでございます。これに対しまする推定の消費額は一億一千六百万ドルという推定を私ども出しております。四百十八億円でございます。三十六年、本年の推定は、それに対しまして二十四万八千人の入国、推定消費額は一億三千七百万ドル、かような見通しを立てておるわけでございます。かような状態で、年々一七・八%の増加ぶりを示しておりまして、この調子でいきますと、数年ならずして相当大きな数になることが予想されるのでございますが、内閣観光事業審議会におきまして二年ほど前に出しました達成目標は三十八年、これはオリンピックの前年でございますが、三十八年の目標は入国外客数三十五万人、大体これは三十四年ごろの数字の倍になっております。推定消費額二億ドル、かような数字を出しておるのでございます。この数字はある程度努力目標的な感じを持っておるのでございますけれども、最近の状況を見ますに、ジェット機の就航等によります航空機の回数の増加、あるいは収容力がジェット機の場合は大体倍になりますから、そういった点を考えてみますと、輸送力の面においてはこの三十五万人を達成することはほとんど困難がない。また外客の日本に対する関心が異常に高まっております今日、特に欧州市場よりも東洋特に日本を対象にして外客を誘致しようという外国の旅行あっせん業者あるいは航空会社等の意欲から見ましても、わが国における施策が十分に行なわれますならば、達成し得るというように私ども考えておるのでございます。
 これが大体の規模でございますが、以下、観光局の業務に関連させまして、観光事業一般について申しあげたいと存じます。観光事業はこれは国際だけでございませんで、国内観光事業も当然あるわけでございますが、順序といたしまして国際観光事業の関係から申し上げたいと思います。
 端的に申しまして、私ども運輸省として考えております観光行政は、いわゆる観光事業というものを育成発達さしていく、一つの産業として成り立たしていくという観点を中心として考えておるのでございまして、経済面の点を比較的強く見ておるといっていいと思うのでございます。結論を申しますと非常に単純にいってこれはいけないかもしれませんが、外客がたくさん来ること、そして日本に長く滞在すること、そしてその落とす金をできるだけ多くしてもらうということが、簡単な経済効果を分析した表現であろうかと思います。そのためにどういうことを観光行政として取り上げていくかということになってきますと、第一が対外宣伝でございます。何といいましても商品を売りますときのように宣伝をいたしませんと、特に日本のように国情も違い、風俗も違うところに来るわけでございますから、よほどよく宣伝をいたさないといけない。それが対外宣伝。それから一つが国内の受け入れ態勢の整備、これを、日本に参りましたときに楽しく、印象を悪くしないで旅行できるような状態にする、この二つがあるわけでございますが、まずその対外宣伝の面について申し上げたいと存じます。この対外宣伝でございますが、これはちょうど外国の市場に商品を売り出しますように、たとえばアメリカならアメリカ、あるいは欧州なら欧州というところに商品を売り出しますときに、いろいろな方法を講じて宣伝をし、あるいは代理店を使い、出張所、支店を作りまして販売の作戦を練るわけでございますが、観光も同様にいたしまして、外国の市場に対する猛烈な各国間の競争場裏に置かれておるということが実情でございます。各国と同様に、私どもといたしましても、特殊法人の日本観光協会というものがございまして、これを中心的な役割として、各面のものを動員いたしまして、この対外宣伝をやっているわけでございます。この日本観光協会は、今後いろいろの論議の関係になると思いますので申し上げますと、これは昭和三十四年に、以前からありました財団法人国際観光協会と社団法人の全日本観光連盟を引き継いで設立されたものでございます。この事業の内容は、必ずしもこれは対外観光宣伝だけではございません。受け入れ態勢整備に対する指導的な役割もする――前にありました全日本観光連盟の役割でありましたそういうものも持っているわけでございますが、国庫の補助をいただいておりますのはその面の前者、つまり対外観光宣伝の面のみに限って補助をいただいております。もちろん海外事務所の経営、それに伴う事業活動等に対する補助もいただいております。国内受け入れにつきましては補助はいただいておりませんのが実情でございます。その補助金の交付はどのくらい行なわれているかと申しますと、お手元に配付いたしました資料によってごらんになっていただきたいと存じますが、三十四年度二億円、三十五年度二億一千三百四十万円、それから本年度の予算といたしましては二億八千二百万円余り、非常にいろいろ御助力いただきまして二億八千万円ほどの補助をいただいております。これに対しまして、地方自治体あるいは交通関係の事業者あるいは宿泊関係の業者、みやげ品業者、そういうようなところから会費、拠出金を得まして、それがざっと一億一千万円ほどでございますが、それを加えまして事業活動をやっておるというわけでございまして、昨年度で申しますならば三億三千万円ほどの金額で事業活動をやっておる、かような実情になっております。補助によって行なっておりまする海外宣伝の仕事は、これは一々申し上げるのもなにでございますから、詳しく別の機会に申し上げたいと思うのでございますが、印刷物、映画、写真、海外の博覧会に参加することとか、それから広告を出すとか、そういった活動はもちろんでございますが、特に重要な項目はこの海外宣伝の事務所でございます。海外の宣伝事務所は、これも一々申し上げるのは省略いたしますが、現在七カ所ございます。アメリカに四カ所、カナダに一カ所、それから東南アジア――これはタイでございますが、一カ所、欧州に一カ所ございます。三十六年度の予算によって設置されておりますのは、欧州のロンドンとオーストラリアのシドニーでございます。合計九カ所、年度末までに九カ所の事務所のができ上がる、かようなことになっております。
 これが海外宣伝の実情でございますが、ただいま申しましたように、海外宣伝のことにつきましては、現在国庫補助九〇%という率でいただいておりますけれども、その他の受け入れ態勢等につきましては補助をいただいておりませんので、補助としては大体三分の二程度の補助をいただいておるということでございまして、これは英国あたりの例から見ますと、かなり低い補助率でございます。私どもといたしまして、海外宣伝だけでございませんで、やはり受け入れ態勢面を充実しなければならぬわけでございますので、そういった面について今後の補助の内容をいただきたいと、かような努力を続けておるわけでございます。この点につきましては、また別の機会に申し上げたいと存じます。
 これが日本観光協会の海外宣伝に対する補助の実情でございますが、補助行政のついでといたしまして、もう一つ観光局でやっております内容といたしまして、ユース・ホステルの整備に対する補助というものがございます。このユース・ホステルは青少年の健全旅行を推進しようということで、かねてから公営の、都道府県、市町村の経営するユース・ホステルの建設ということが望まれておったわけでございますが、昭和三十三年度から国庫補助によって建設が行なわれるということになったわけでございます。大体、これは基準がございますけれども、三分の一ないし二分の一の補助金を地方公共団体に対して交付いたしまして、建設を補助しているわけでございます。ユース・ホステルという言葉は、ある程度熟しかけてはおりますけれども、何だかちょっと一わかりにくいという印象を漏らされる方もございます。ただ、これはほかに適当な名もございませんし、だんだんと普及して参っておりますので、改めるということもできないと思うのでございますが、私ども、これを頭でそしゃくしてみまして、ユースが青少年でございますならば、ホステルは簡易な宿泊施設、こういうふうな意味とも言えるんじゃないかと思うのでございます。
  小委員長退席、尾関小委員長代理着席〕
 ただし、簡易な宿泊施設と申しますけれども、もともとこれは国際性を持って各国に普及しておる施設にならっておるのでございますので、海外からの青少年等が日本に参りまして、また青少年でなくても、比較的収入の少ない人々が来られて利用される、こういうことも重大な使命になっておるわけでございますので、施設の面においても、公営のユース・ホステルにつきましては、私どもこまかく審査いたしまして、国際的な規格を持つようなものにしてもらいます。清潔な、快的なものでかなりいい施設でございまして、内外青少年の集団生活、交歓ということができるような施設になっておるわけでございます。今までのそれらの施設に対します補助の内容は、お手元の資料にございます。昭和三十三年度、八カ所、四千万円、昭和三十四年度、十カ所、五千万円、昭和三十五年度、八カ所、四千七百五十万円、かような額になっております。昭和三十六年度につきましては四千七百五十万円でございまして、この建設計画として現在予定されておりますものは九カ所でございまして、お手元にお配りしたような内容でございます。これが公営のユース・ホテルに対しまする補助の内容でございます。そのはかにユース・ホステルといたしまして国立のユース・ホステルというものがございまして、国で管理経営いたしまするユース・ホステルが三十五年度に二千万円予算をいただきまして、これは近く開設する予定になっておりますが、大津市におきまして八十人ほどの収容力のものができます。これは今年度も継続して三千万円いただきましたので、百人ほどの増強をいたします。これは国営のユース・ホステルというものはやはりユース・ホステルの正しい運営のあり方を実地に示す、あわせて調査研究、指導等もやる、こういうことを目的といたしまして、一カ所でございますが、建設しているわけでございます。これがユース・ホステルにつきましての内容でございます。
 次に観光施設の整備の問題について申し上げたいと存じます。観光施設と申しますと、これは非常に万般なものがございまして、ひとり宿泊施設だけでございませんで、いろいろなものがございますけれども、私どもの行政として取り上げております一番中心的なものが宿泊施設でございますので、宿泊施設と、あとちょっと交通関係の施設について、直接運輸省と関係がございますので申し上げたいと存じます。
 宿泊施設の整備改善のために私どもとしてどういう方法をとっておるかと申し上げますと、大まかに言いまして二つ大きな項目をあげることができると思います。一つは昭和二十四年に制定されました国際観光ホテル整備法、この法律によりましてやっている面と、もう一つは観光局を中心としてやっておりますところの融資のあっせん、この二つであろうかと思うのでございますが、順序といたしましてホテル整備法につきましてごく簡単に申し上げたいと存じます。
 このホテル整備法は簡単に申しましてどういう仕組みになっているかと申しますと、これは御承知の通り、一定の施設基準をホテルないしは旅館、国際観光ホテル、国際観光旅館につきまして設けまして、その基準に合致して、しかも経営の健全なものについては登録をする、その登録をしたものにつきまして、主として税法上でございますけれども特典を与える。かようなことによりまして、施設ないしは経営の内容のすぐれたホテル、旅館ができますことを助長する、かような目的でやっておるわけでございまして、現在の登録ホテルは、これは日付はちょっとはっきりしませんが、最近の日付でございますが、ホテルが八十八カ所、それから旅館が二百七十八カ所、かようにあるわけでございます。これがこのホテル整備法の仕組みでございますが、これによりまして、ただ経営者だけの恣意によって施設をやっておりましたものが、一定の基準に従って施設の整備をしていこう、こういう風潮を作りましたために、かなり施設面における向上が見られたと私ども考えておるわけでございます。
 次に、もう一つの融資の側の問題でございます。融資と申しますと、これは財政融資と市中の融資と両方ございますけれども、私ども主として力こぶを入れてやっておりますのは財政融資の面でございます。財政融資面で関係のあります機関は幾つかございますけれども、特にその中心的な役割をいたしておりますのは、現在までにおきますものといたしまして開発銀行と中小企業金融公庫でございます。大体におきまして、この開発銀行は今までにおきまして大規模なホテルの整備という面に働いて参りましたし、中小企業金融公庫の方は旅館の整備の面において働いてきた、これは大まかに申し上げられると思うのでございます。開発銀行におきます融資につきましては、私ども運輸省といたしましては、融資の申し出のありましたものにつきまして、内容を審査いたしまして融資のあっせんをやっておるわけでございますが、三十五年度におきます融資金額は、これは最終的なものでございませんけれども、大体二十億円を上回る程度の融資が成立しております。一月六日現在におきまして十九ホテルが成立しておる、かようなことでございます。これが開発銀行の面の融資のあっせんによるホテルの整備でございます。中小企業金融公庫におきましては対象事業が大体資本金一千万円以下のものになっておりますけれども、これにつきましても、国際観光に寄与する宿泊施設につきます融資、それから国際観光とまでいかなくても、ある程度小口の融資もありまして、三十四年度の成立額が十四億円余りになっている、かようなことでございまして、この面は旅館に対する相当の改善の寄与をなした、かように考えております。
 今後の宿泊施設関係の整備、特にこの融資の関係に関連するわけでございますが、問題点を二、三申し上げたいと思うのでございます。一つは、私どもといたしまして、オリンピックもあることでございますし、宿泊施設をできるだけ整備していかなければならぬ。それにはどうしてもこの融資の点においてめんどうを見ていかなければならぬという面がございますので、この目標をどういうところに置こうかということでいろいろ検討をいたしました結果、一万室整備計画というものを昭和三十八年度を目標といたしまして立てておるわけでございます。昭和三十八年度は先ほど申し上げました外客総数三十五万人という達成目標の年でありますが、この三十八年度までに現在よりも一万室よけいに作ろうという計画でございます。これは、現在の規模が、その計算によりまして全国でざっと九千室ほどでございますが、これを一万九千室にふやす。結局一万室をさらに整備しなければいけない、かような計数に基づいておるものでございます。
 こういうことを考えてみますときに、財政融資の面でどうしても相当大きく見ていただかなければならぬということになるわけでございまして、一つの問題といたしまして、私ども考えておりますことは、開発銀行におきます融資をできるだけ幅広くやっていただきたいという考え方を持っておるわけでございますが、この点についての今年度の財政融資資金計画はどういうふうになっているかと申しますと、開発銀行として八百二十五億円の総ワク中でその他のその他というワクがあって、その中でいろいろな特別にあげられた事業、海運、電力、その他のものを除きましたものとして百四十三億ほどございます。これが前年度は百三十五億でございまして多少ふえておるわけでございますが、その中でまかなうということになるわけでございまして、今後何とかこの面を広げていく努力をしていかなければならないということを考えておるわけでございます。それから中小企業関係においても何らかの拡充の措置を講じていただきたいということが私どもの希望であります。それからもう一つは、北海道東北開発公庫の融資対象として現在観光事業というものは業種の中に入っておりません。あるいは地方開発資金等も観光事業を対象としないことになっておりますが、こういう面も広げていただきまして融資の面の円滑を期していく必要があるのではないか、かようなことを私ども考えておるような次第でございます。
 私どもの行政の範囲は以上の面のほかに、あるいはガイドでありますとか、あるいは旅行あっせん業の問題でありますとか、いろいろございますけれども、さしあたり重要な項目を要約して申し上げたようなな次第でございます。
#4
○尾関小委員長代理 質疑の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君。
#5
○山口(丈)小委員 ただいま説明を聞いたばかりでありまして、まだ私も深く勉強しておりませんので、あまり詳しい内容に立ち入って御質問できないわけでございます。
 まず第一に、海外事務所の補助金が年々ふやされていることは大へんけっこうなことでありますし、海外からの観光客を誘致するためにはこれをさらに強化して、いわばこれは一種の投資でありますから、収入をふやそうとすればそれに伴う投資が必要になるのは当然だと思うのです。ただいま承りますと、海外のこの種の事務所は九カ所ということを聞いているのですが、私はこのほかに民間会社でこういった事務所を持っているところもあるのじゃないかと思いますが、現在補助の対象になっていない各民間会社において、こういう誘致のために海外へ設けている事務所等がどのくらいありますか。
  〔尾関小委員長代理退席、小委員長着席〕
#6
○津上政府委員 説明が足りませんでしたのですが、この海外宣伝というのは日本観光協会が中心となって海外の事務所網を使ってやるということでございます。もちろん海外に対する宣伝というのは観光協会だけがやるものではございませんで、広く言うと日本人全部あるいは日本人の関係商社等も、それから国の機関として行っているものも関係するわけでございます。
 大体どういう活動をやるかと申しますと、二つ方法がございまして、海外におきまする旅行のあっせん業者あるいは運輸機関、そういうものを主体にして、そういう人たちから日本に対する送り出しを強くしていくというようなやり方でやる場合と、それから日本自身の機関が行きまして切符も売り旅行のあっせんもする、こういうやり方もあるわけなんでございます。私の方といたしましては、大体各国がやっておりますように、海外における事務所は切符を売ったりそれから旅行のあっせんをして客をとったりする直接の仕事はやはりいたさないで、これは向こうにありまする有力な旅行あっせん業者あるいは運輸機関と接触いたしましてその辺の活動を促進する、こういうやり方をとっておるのでございます。これは考え方といたしまして、イタリアの場合なんかはチットという、ちょうど日本でいいますならば交通公社みたいなものでございますが、これがやはり外国に支店網を設けまして、そこで直接切符を売ったり客をとったりしております。ただ、これは向こうの地元におきまする既存の事業者に対して非常に心理的に悪い影響を与える場合が多いので、大体において各国ともやはり地元の事業者を使って集客といいますか客を直接つかまえる営業をさせております。海外事務所はその営業はやらないで、そういう人たちに対して情報を提供する、あるいはいろいろな面で宣伝の幅広い活動をいたしまして、そういった旅行あっせん業者あるいは運輸機関等が客を送り出すような働き方をさせるというやり方をとっております。従いまして、日本の旅行あっせん業者あるいは日本に来ております外国の運輸機関あるいは日本の航空会社等がやっております海外の活動は、やはり大体そういった地元の機関を使ってやっておるということが実情でございます。ついでに申しますと、全然ないわけではございません。日本の旅行あっせん業者で向こうに出しておるものがきわめて少数でございますけれども、これは例外といっていいのじゃないか。向こうの有力な旅行あっせん業者と結びついて、その人たちから客を送るような努力をしている。ちょうど商品の輸出で言いますならば、商品を輸出する場合に日本自身が支店を設けて販売のPRをするか、あるいは向こうの代理店を設けてやるかというような行き方があるわけでございますが、客を直接集める営業活動自身は、代理店方式といいますか向こうとの契約でやっておる。ただし、インフォーメーションやそれから具体的な宣伝活動というのは外国まかせではできませんので、そういった啓蒙活動、宣伝という面だけを大きく取り上げて海外の事務所というのはやっておるようなわけでございます。大体そういった格好でございます。
#7
○山口(丈)小委員 私は、行政面からこれを言いますと、単なる外客の誘致で金もうけをするということよりも、むしろ観光を通して広く日本の国情も知ってもらい、また直接われわれに接してもらうことによって、わが国の事情を理解してもらうという、いわば国際親善上の大きな役割を持っておる、こういうように考えるわけです。観光を通してそういう国際親善の場を作る、これが、ただ観光事業の収入を増すというだけではなく、日本の国全体の大きな仕事になると私は思うのです。従って、観光事業の目的は、一つはもちろん外貨の獲得ということでもありますが、そういう面からして、いま少し公的な機関を海外にふやすべきではないか。たとえば公館であります大使館でありますとか、あるいは領事館、こういったような国の公機関を通して、いま少し国際親善上から見た観光行政をやるべきじゃないかと思うのですけれども、これについてどういう御所見ですか。
#8
○津上政府委員 ごもっともな御意見だと存じます。最初私、経済効果という点を強調するあまり、その点だけ申し上げたのでございますけれども、本来的に申しまするならば、観光の深い使命は、やはり国際親善、文化の交流というような点にあることは当然でございまして、そういう点を十分私ども考えながらやらなければならない、かように考えるわけでございます。それで、ただいまお話のございました事務所網のことでございますが、やはりそういった公的な役割を果たすところといたしましては、民間商社の販売活動、営業活動というものには依存できないのでございまして、どうしてもこういった観光協会のような組織を通じてやらなければなりませんので、今後におきまして、やはりこの事務所網の拡充ということを大いにやらなければならぬと思います。それと、御指摘のございました在外の出先の政府機関等におきましても、もちろんこれは日本人全体の問題でございますから、大いにやっていただかなければならぬわけでございまして、現在におきましても、日本観光協会等で作っておる印刷物でありますとか、映画等につきましては、各公館等に備えつけまして、まだ十分とは申せないと思いますけれども、そういうところで大いに利用していただいて、日本の国情宣伝というような点をやっていただいておるようなわけでございます。十分連絡をいたしまして、今後もさしていただきたい、かように考えております。
#9
○山口(丈)小委員 意図はわかりました。そこで私は申し上げたいのですけれども、今度国際競技上の場であるオリンピックが東京で開催されることになりました。これは、海外に日本の実情を紹介するには最も適したものとして、国の全体をあげて協力すべき問題だと思います。同時にこの種の催しが、世界各国に日本というものをよく理解してもらう、社交上の一つの重要な契機になるのでありますから、ただ単なる観光ということだけではなくて、あらゆる公館は、こういった世界の公的な会議も極力日本に誘致をして、そのことによって、自然に日本の観光美というものを理解してもらうようにすることが、単なる商業的な観光ということではなくて、私は国際親善上からも有意義であり、かつ外貨の獲得等の諸問題もうまくいくのではないか、そしてひいては、もっと収入をふやすこともできるのではないか、またこれによって日本の生産物も理解させ得る機会が持てるのではないか、このように考えるわけです。現在、そういった国際会議の誘致等については、どういう方針でおられますか、一つ伺いたい。
#10
○津上政府委員 オリンピックの機会、あるいは国際会議の機会におきまして、日本を理解していただくという法をとることは、非常にけっこうなことでございまして、私どもとしても極力そういった面の推進をしたい、かように考えております。国際会議につきましては、実は国際会議を誘致するための努力をもっと組織的にやらなくちゃいけないじゃないかという声が、観光事業審議会等においても出まして、そのために一つ組織を作ったらいいじゃないか。ただ組織を作って会合するだけではなくして、国際会議連絡事務所というようなものを設置いたしまして、そこでいろいろなサービスをする。日本で会議をしたいという人に対しては、いろいろな面のお世話をいたしまして、日本に来やすいようにする。そういう組織を作り、同時に会議が春だけに集まりますと、これは収容力もございませんし、むだでもございますので、これを季節的に配分いたしまして、現在の施設を十分に使っていただくような季節的な調整もする。お世話もするし、同時にそういったあんばいもする、こういった施設があることが望ましいということが意見として出まして、その面も三十六年度の予算において、実は観光協会の事業として要求したわけでございます。諸般の事情でこれは認められなかったのでございますが、いずれにしろ何らかの形におきまして、将来そういったものを作る必要があるということを痛感いたしております。今後国際会議を日本で開催することを促進いたしまして、そういった機会を多くするようにしたい、かように考えております。
#11
○山口(丈)小委員 今の観光局長の御答弁は、非常にいいと思いますが、私も前からそういうことを常に考えておりました。どうも各官庁でばらばらのことをやっていたのでは、国際会議に参加をする人々に対して満足を与えることができない。そこで、何らかの集約機関を設ける必要がある。これはやはり一つの集約された公的な機関でもけっこうですが、センター的なものを設けて、そこへ行けば、その会議にふさわしい会場等が直ちに紹介できる。これは民間の会議も同じですが、そこに行きさえすれば、その会議の規模に応じて適切な会議場が直ちに紹介できる、こういうような世話のできるセンターを当然持つべきだと思う。それが今日まだ持たれていないということは、海外からの会議参加者に対して満足感を与えることができない状態にあるのではないか、こういうように考えますので、私はぜひともこれを近い将来、オリンピックもあることでありますから、急速に御考慮を願いたい、このように考えるわけです。
 次に、国内のそれらの受け入れ態勢についてであります。今承りますと、オリンピックまでには現在全国にある九千室余の旅館の施設を一万室増加したいという御希望のようでありますが、私はこれはぜひともそうあるべきだと思うのであります。しかし、これを大資本やあるいはまた民間の小企業にだけまかして、それを補助育成するというだけでは非常に困難ではないか、もっと国あるいは地方自治体が中心となって、ホテル施設を作るなり、あるいは直接それができないということでありますならば、これはもちろん旅館業にとっては、重大なことであるかもわかりませんが、観光ホテル公団というようなものでもよろしいですけれども、何か法人のようなものを作って、そしてその会議場の周辺に、あるいは最も便利で、観光にも適するような土地に大規模のホテルを作らせる、こういうようにして、私はもっと低廉で、しかもいろいろの文化交流もそこででき得るような施設を作る必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけですけれども、将来の構想として、いかがでしょうか、そういう計画でもおありになれば承りたいと思います。
#12
○津上政府委員 受け入れ態勢の整備につきまして、ただいま、低廉で、かつ文化交流等にも適する施設を、国ないしは地方自治体の援助を強力に得て推進した方がいいのじゃないか、こういう御意見でございますが、これにつきましては、私どももいろいろな面で研究してみたわけでございます。ただ、このホテルないし旅館の整備というのは、どうも各国とも民間ベースでやるという方式が普通でございまして、こういう客扱いのサービスにつきましては、特殊の形を持っているものは公的機関でやるのもよろしいのでございますけれども、そうでないものは、やはり民間ベースをもちまして、ただそれに対して強力な国ないしは地方自治体、特にこれは地方自治体が大事だと思うのでございますが、そういった面の実質的な援助というものをもって施設を普及していかなければならぬ、かように考える次第でございます。実はこのユース・ホステルは、青少年宿泊所という形ではございますけれども、料金も二食つき三百五十円ということでございまして、内部では秩序を保ち、ホステルの主任の指図に従うというような、普通の旅館とちょっと違った仕組みでございます。ちょうど先生のおっしゃいました面も十分含まして、しかも国際性を持たして普及していきたい、かような考え方で現在進めておりますが、この利用がだんだんと促進されていきました暁には、大幅にこれを拡充すれば先生のおっしゃったようなものにある程度近いものになるではないか、かように私ども期待しておるわけであります。
#13
○山口(丈)小委員 海外への移民ということも重要な日本の国策の一つになっておりますが、最近は南米その他の各国とも移民協定などできまして、多くの同胞が海外へ移民進出することになっております。昨年私、汽車の中で、観光のためアメリカから帰られた人々といろいろと話をいたしました。先週の土曜日にも名古屋まで、ハワイから帰られた観光客の方と話をいたしました。それらの人々の話の中で、一番痛切にといいますか、希望しておられるのは何であるかといろいろ聞いてみますと、中には三十年も四十年もたって成功して帰ってこられた人もあって、ほんとうに久しぶりの帰国ということであります。しかし、集団で行動しているので、個人的に郷土を訪れ、あるいは旧来の家族の人と団らんするのはごく短い時間に限られている。それで、海外から帰って参った場合に、もう少し祖国の各所をめぐって観光をいたしたい、同時に、人間的にもとのつながりでもっと語り合う場を提供してもらうような何か便宜の施設はないものか、こういうようなことを非常に望んでおられます。私ももっともだと思うのです。従って、これらの人々と行動をともにしても、いま少し安い値段でそれらの人々を処遇するような何か方法がとれないものかと思うのですが、これは無理かもしれませんけれども、いかがでしょうか、そういう施設を作る御意思があるかないか。
#14
○津上政府委員 ただいまのお話のお答えになるかどうかわからないのですけれども、ただいまのお話は一世、二世の方えとの間の交歓親善ということだったわけでございますが、そうでなくして一般的なことにもなるわけですけれども、日本に来られた方々が日本の家庭の人と接するということが比較的少ないので、そういった面でもっと道を開く必要があるのではないかという声がときどきあるのでございます。これは聞くところによりますと、外国等でもそういった家庭訪問といいますか、訪問というとおかしいのですが、ホーム・ヴィジットということを言うのでございますが、家庭に行って泊まる、あるいは泊まらなくても家庭でしばらくの間を過ごして交歓できる、こういった機会を設けている国がございまして、聞きますと、デンマークなんかではその点が非常に発達しているそうでございます。そういう制度もやはり日本にはぜひ必要でございまして、東京都などにおきましてももっとやらなければならぬことだと思います。私の聞いておりますところでは、京都である程度やっているというふうに聞いておりますけれども、まだまだ全国的に見まして普及しているとは申しがたいと思います。私どもといたしましてそういう面の施策を今後広げていきまして、人と人との間の交わりということを深めていくということを今後大いにやらなければならぬ、かように考えているわけでございます。
#15
○山口(丈)小委員 それとともに、無理でもあろうかと思いますけれども、その話の中で、たとえば汽車なんかに乗っておりましても、実際に交通機関でも、こういう団体に対しましては国鉄も貸し切り等の措置をしているようでございますが、しかし、もと日本に育った人であるといいましても、国内の事情というのはきわめてうといわけでありまして、その地名や名所の所在等もあまり知っておられない人々が非常に多いのであります。そこで私はこれらの人々に対しまして、ほんとうに親切にこれを扱うためには、やはりそういった人々に沿線の説明などもできるような説明員と申しましょうか、ガイドと申しましょうか、こういうものを作っておいて、そういう団体があったときには直ちにそのガイドがその団体の御用に応じられる、こういうガイド・センターと申しますか、そういった施設というようなものを整備する必要があるのではないか。これは海外から同胞が観光にやってくるというだけでなく、外人の団体もあることでありますから、従ってそれらの説明に応じられるような態勢はぜひともとるべきではないか。実は私は昨年もアメリカから帰った人と東京から京都まで一緒に乗ったのでありますけれども、一向に沿線の地名も名所も知らない。そこでこれはどういうところかというので非常に要望せられておりましたので、乏しい知恵を振りしぼって私いろいろ説明をしてやりましたところが、私が国会議員だったというので向こうは大へん恐縮をしておられましたけれども、私はそれを痛感するわけです。そういうものを何とか設けられてはどうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#16
○津上政府委員 特に言葉も違い国情も違っておる日本におきましては非常に大事な問題だと存じます。ただ車中にまで無料で案内の人を差し上げるというところまでにはとても参らないかと思いますけれども、私どもといたしましてこういう構想が一つあるのでございます。これは外客無料総合案内所というような名前にしたらいいかと思うのでございますが、外人が日本に来まして切符を買うとか、それからホテルを頼むというときには、いろいろな旅行あっせん業を利用しても快くやってくれると思いますが、こまかく、たとえばどこかの工場を見たいとか、どこかの文化施設を見たいとか、あるいは社会事業施設を見たいとか、こういうことを旅行あっせん業者に話しましても、なかなかそこまでの世話は普通できないということで、そういった公の意味を持ちました、無料でどんなことでも、日本の国情が、聞いたらわかる、そこではそう営利と関係なく親切に教えてあげるという施設がぜひほしいというのが私どもの考えでございまして、いろいろ調べてみますと、各国にそういった施設があるようでございます。私どもといたしましても、これも本年度の予算でございましたけれども、観光協会を中心といたしましてそういった施設を設けたいと希望しておったわけでございますが、これも将来の問題としてぜひ取り上げまして、たとえば東京でありますとか、関西の方でございますとか、特に外客の集中の多い個所には、来られた方に対して無料で御案内することができるような施設をぜひ設けたい、かように考えております。ただ車中までお供をしてやるというところまでやるのには、これはかなり研究の余地がございますので、よく勉強さしていただきます。
#17
○山口(丈)小委員 私は思いますのに、われわれのサービスでは、これは日本の伝統的な考えとして、ただいま御答弁のありましたように、無料サービス――それは無料でサービスできるということはいいことかもしれません。しかし、私どもは寡聞にして海外に行っておりませんから実情はわかりませんが、しかし外国の人とはいろいろ話もし、伺っておるわけですけれども、必ずしも外国ではそう無料奉仕ばかりをやっているというようなことではないのではないかと私は思うのです。ガイドにいたしましても、あるいはホテルのエレベーター一つに乗っても、これは主として日本で言うチップ制度のような工合のようですけれども、それにいたしましてもそれ相当の報酬というものを合理的にとっているようでございます。従って私はこういうガイド制度につきましても、幸いにして観光協会であるとか旅行協会であるとかいろいろな協会があるわけでありますから、この協会の中にそういう一部を設けて、そして求めに応じて合理的な料金を徴収しても一向差しつかえないのではないか。それを基本にして考えれば、もっと進んだ施設ができて満足させることができる。それの方が料金を徴収するというよりもなお一そう満足させることができるのであるなら、それの方が効果が大きいのではないか。サービスといえば無料にすることにこだわっているようでは私は十分のことができない、それで不満足感を与えるということの方が大きいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#18
○津上政府委員 ただいまのようなセンターを設けてもっと容易にそういったガイドを得られるようにしたらいいのじゃないかというお話は非常に適切な御注意でございまして、ただいまもガイドはあるわけでございますけれども、それの連絡といった点についてまだまだ考えなければならぬ余地があると思います。十分研究させていただきたいと思います。
#19
○山口(丈)小委員 オリンピックにつきましては道路の整備等も相当進んでいるようでございますし、オリンピック村も建設するようになっているようでございますが、私はこのオリンピックを中心にいたしまして、さらに観光客等も増加することと思いますし、また日本で初めての画期的な国際競技も行なわれることでありますから、日本に参る外人客も非常に多いと思う。そこで、こういう催しが行なわれるにあたって――外国のことを言ってはなんですが、イタリアにおいては、施設はあったがその内容等において非常にお粗末なものがあったというような若干非難に値するような批判が生まれていたことは御承知だと思うのです。これについて観光局としては諸外国に恥ずかしくない施設をするためにどのようにしておられるかを承りたい。
#20
○津上政府委員 オリンピックに伴い世ます受け入れの態勢をいかにして整備するかということは、観光関係といたしまして非常に重要な問題だと存じます。一つの問題は宿泊施設の問題でございます。この点につきましても、私どもといたしましては極力施設の拡充をはかっていくのでございますが、恒久的な施設だけではとても間に合いませんので、臨時的な施設を相当やっていかなければならぬ、かように考えておりまして、その対策に腐心しているようなわけでございます。ただ私ども考えますと、宿泊施設だけの問題ではございませんで、もう一つ大事な事柄として、宿泊その他に伴う受け入れの仕組みの問題でございます。イタリアの場合のいろいろな情報を総合いたしますと、どうも受け入れの仕方においていろいろ問題があったのではないか。つまり宿泊能力でありますとか、そういった面から考えまして、かなりきびしい宿泊予約制度をとりまして、相当大幅な前金制度をとったり相当前の予約をしないと認めないといったようなことをやりましたことが、いろいろな面であとであきができたりいたしまして、あきが出ているにもかかわらず、客は断わられておるといった事態が起こったり、この予約制度の問題というものが日本におきましても相当大きな問題ではないかと思います。これにつきましてはイタリアなんかの例を見まして、何らかの中心的な組織を作りまして、そこで予約等によってそごが起こって外客に不満を与えるということがないように、十分注意をしなければならぬと思います。そのほか受け入れに伴ってガイドの問題とか、案内所の問題でありますとか、それから日本には道路に名前がないので非常にわかりにくいとか、いろいろな問題がございますが、そういう問題につきましても一つずつ片づけていきたい、かようなことでやっておるようなわけでございます。
#21
○山口(丈)小委員 もしオリンピックを中心にして、外人の受け入れ態勢等に非常に手抜かりがあったとなれば、せっかく海外で日本の声価というものが高まっているときに、非常な信用を失墜するおそれがあるというように考えますが、それと同時に、これは所管が違いますから無理でありましょうけれども、たとえば正常なガイドはいいといたしましても、そうではない、たとえばダフ屋に類するようなそういうものが横行して、せっかく来訪した外人の気分をこわすようなこと、これは非常に困った現象を今も呈しておるようであります。これについて何らかの対策を政府としてもやらないと、せっかくの気分を台なしにする結果になると思うのですが、これは適切な方法を各官庁で総合して考えなければならない問題だと思います。これを観光面から見て関係当局に要望されたことがありますか。また要望しようとしておられますか。環境の浄化についてお尋ねをしたい。
#22
○津上政府委員 オリンピックの対策問題として大きな問題は宿泊施設とかそういった問題をたくさん控えておりますので、ただいまお話のありましたような問題はもちろん取り上げなければならない問題としてあげられておりますけれども、具体的にまだ私の方で手を打つとかいうような段階にはいっておりません。ただ私考えてみまして、これについての一番力を入れてもらわなければならぬのは、直接それに接します自治体の行政面が大きいと思いますので、そういった面の対策が十分できるように促進することをいたしたい、かように考える次第であります。
#23
○山口(丈)小委員 まだいろいろお尋ねをいたしたい点もありますけれども、きょうは御説明を承った直後でもありますし、私も研究しておかなければならぬ点もありますから、このくらいにしておきます。
#24
○生田小委員長 細田吉藏君。
#25
○細田(吉)小委員 きょうは時間があまりございませんので、私、次会に詳細に各般の問題について御質問いたしたいと思いますが、初めに小委員長に特にお願い申し上げておきたい。
 観光の問題で、ただいまも山口委員からいろいろな御質問がございました。まだ幾らも問題があるというお話でございましたが、これは非常にたくさんな問題があり、研究され、あるいはいわれていないような問題がございますが、また、すでにもう何べんも各方面でいわれていることで、ちっとも実効が上がらぬという問題も非常にたくさんあるわけでございます。そこで、せっかくできましたこの小委員会でございますので、観光事業をこの際飛躍的に発展させるというためにどうしたらいいかという結論を、野心的に出すという方向でこの小委員会の運営をぜひお願い申し上げたい。最初に小委員長に特にお願いを申し上げたいと思います。
 そこで私は、今度の所得倍増計画でも、昭和四十五年に百二十五万、六億一千万ドルという目標で一応書いております。しかし、これあたりにつきましても、具体的な裏づけがどこまであるかということになりますと、これは非常に問題であろうと思うのです。そこできょうは、この所得倍増計画といいましょうか、将来の計画に対するもう少しこまかい資料を次会までにぜひお作りを願いたいということを、最初に申し上げておきます。
 それから、最近銀行あたりで盛んに国外へ日本人を出す、貯蓄をして出すというような宣伝を非常にしております。私、数字を持っておりませんけれども、日本人が外国へ行って使う金と、こちらへ外人が来るという――逆に向こうへ行って使う金というものは逐年かなりふえておるんじゃないか、また今後かなり急速なスピードでふえてくるんじゃないかと思うのでございます。そこで、今まで政府でいろいろいわゆる観光としていっておりますことは、国内へ外国人が来るという面だけが非常に強調されておりますけれども、これは私は、こっちから出るというものにつきましての資料を整備することが、結局こちらへ受け入れる観光振興の一つの大きな裏づけといいましょうか、主張する大きな理由になるんじゃないか、日本人だけどんどん出ていって向こうで外貨を使う、こちらへ来るものはそれほどふえないということになりますと、これは大へんなことになると思う。こういった面が私は今まで欠けておるんじゃないかと思うのでございまして、こういう数字につきまして、最近数年の趨勢がよろしいのですが、どういう状況になっておるか、また今後海外渡航が楽になって、日本人がどんどん視野を広めるということはいいことでありまして、これをいけないとは決して申し上げていないのでありますが、これが増加していけば、それ以上のものをこっちが受け入れなけれならないということで、こういう線から非常に重大なターニング・ポイントにきているんじゃないかというふうにも感ずるので、その関係の資料もぜひ次会までにお示しを願いたいと思うのです。外国ではやはり、出るものと入るものとを調べておるような国もあるようでありまして、アメリカなんかは特に海外でどれだけ使ったかというような統計があるようでありまして、こちらでもぜひ、これは使わなくするというよりは、使うのがこれだけあるんだからこちらもふやせという意味で、大いに強調する必要がある。そういう点もぜひお願いしたい。外貨の事情も楽観ばかりしておるわけに参らぬわけでございまして、そういった点から特に観光は重大な問題だというように私認識いたしておりますので、そういう資料をお願いいたしたいと思います。
 それから、きょうは資料要求みたいなことだけ申し上げますが、受け入れ態勢――先ほど来ホテルやなんかのいろいろな問題がございましたが、オリンピックなんかの問題、これは一つの行事でございますからピークをなすわけでございますが、オリンピックの問題は別にいたしまして、現在国内の宿泊設備――宿泊設備に限定しておきましょう。宿泊設備で一体、外人が日本へ来たいといっておるが、宿泊設備が不足をしておって来られないという事態があるのかないのか。これは時期的には多分あるんじゃないかと思うのでございますが、なかなか調整することが困難かとは思いますけれども、ホテルで受けて断わるというものがあるはずでございますから、そういうものが一体どの程度あるのか、これはお調べが次会までにつかなければ、その次まででもけっこうですが、ぜひお調べおきを願いたいと思うのでございます。あればけっこうでございます。ということは、国内の観光――これも次会にいろいろ申し上げたいと思っておりますが、国内では、旅館の不足のために断わるという例、あるいは輸送力が足りないために断わるという例はざらにあるわけでございます。そういった点からどういう状況であるか。輸送力については、今のところ、ジェット化しておりますし、そういう点はないとは思うのでございますけれども、輸送力についてもそういう面があるとするならば、これも資料として御説明をお願いいたしたいと思うのでございます。
 それから、これは非常に困難な問題ですが、今後日本の観光事業に政府が本腰を入れるというために、どうしてもこういうものが必要だと考えるので申し上げておきたいのですが、これはどこかの代表的な例でもいいのですが、いわゆる観光事業と商業なりあるいは農林水産業との関係、つまり観光客が来て、単に旅館がもうける、交通機関がもうけるということ以外に、間接的には農林水産業なりあるいは商業、中小企業等に相当大きな影響がある。アメリカあたりでは、非常にこの点の研究が進められておるわけです。ヨーロッパでもそうでございます。日本の場合は、どうもそういった点が十分明らかにされておらないために、何か観光といえば宿屋、ホテルがもうけるだけじゃないか、こういったような感じがあると思うのでございまして、こういう関係の何か――全般的にはなかなか困難な問題だし、今後に残されておる問題だと思うのでございますが、その研究等でございますればそれでけっこうでございます。またどうしても国内になければ、これは今後の問題として、外国のこういったようなものにつきましてございますれば、外国の研究されたものでもけっこうでございます。できれば日本のものをぜひ作っていただきたいと思うのでございますが、ぜひお願いを申し上げたいと思います。
 いろいろ伺いたい点がございますが、さらにもう一つだけお願いしておきましょう。先ほど来お話が出ておりました事務所の拡充計画、だんだん拡充して参っておられるようですが、これについて将来の計画があるのか、ないのか。あるとすれば計画を一つお示しを願いたいと思います。そのほかの点につきましては、時間もございませんので、次会にお願いをいたしたいと思います。
 なお、小委員長にお願い申し上げたいのですが、できますならば大臣に御出席をお願いしたいことと、それから観光は政府部内の各省、各方面にわたって関係がございますので、それをこの小委員会としてはやはり呼んでいただいて、国立公園とか、あるいは文化財の問題ですとか、あるいは建設省のいろいろな道路その他の問題とか、御説明いただきたいと思うのでございます。これは小委員会としてどうお扱いいただけますか、それによりましてはけっこうでございますが、私としましてはできるならば次会にそういう関係の各省の、これは担当官でけっこうでございますが、御出席をお願いいたしたいと思います。きょうは質疑と申しますよりはお願いだけ申し上げまして、次会に……。
#26
○生田小委員長 承知しました。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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