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1960/02/03 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第1号
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1960/02/03 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第1号

#1
第038回国会 運輸委員会 第1号
本国会召集日(昭和三十五年十二月二十六日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
   委員長 三池  信君
   理事 有田 喜一君 理事 生田 宏一君
   理事 尾関 義一君 理事 川野 芳滿君
   理事 高橋清一郎君 理事 井岡 大治君
   理事 久保 三郎君 理事 山口丈太郎君
      伊藤 郷一君    木村 俊夫君
      河本 敏夫君    佐々木義武君
      壽原 正一君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    高橋 英吉君
      塚原 俊郎君    原 健三郎君
      細田 吉藏君    増田甲子七君
      山田 彌一君    下平 正一君
      田口 誠治君    中村 高一君
      松原喜之次君    矢尾喜三郎君
      安平 鹿一君    山花 秀雄君
      内海  清君
―――――――――――――――――――――
昭和三十六年二月三日(金曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 三池  信君
   理事 有田 喜一君 理事 尾関 義一君
   理事 川野 芳滿君 理事 高橋清一郎君
   理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
   理事 山口丈太郎君
      伊藤 郷一君    河本 敏夫君
      佐々木義武君    鈴木 仙八君
      關谷 勝利君    塚原 俊郎君
      加藤 勘十君    勝澤 芳雄君
      島上善五郎君    肥田 次郎君
      安平 鹿一君    山中日露史君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 辻  章男君
        運輸事務官
       (鉄道監督局長) 岡本  悟君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        日本国有鉄道常
        務理事     中村  卓君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
一月三十日
 委員下平正一男君、田口誠治君、中村高一君、
 松原喜之次君及び山花秀雄君辞任につき、その
 補欠として西宮弘君、島上善五郎君、加藤勘十
 君、勝澤芳雄君及び肥田次郎君が議長の指名で
 委員に選任された。
二月三日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
 山中日露史君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山中日露史君辞任につき、その補欠として
 矢尾喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 小委員会設置に関する件
 昭和三十六年度運輸省及び日本国有鉄道関係の
 予算等に関する説明聴取
 日本国有鉄道の経営に関する件
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 衆議院規則第九十四条により、委員会は、会期中に限り議長の承認を得てその所管に属する事項につき、国政に関する調査ができることになっております。つきましては、本国会におきましても、一、陸運に関する事項、一、海運に関する事項、一、航空に関する事項、一、日本国有鉄道の経営に関する事項、一、港湾に関する事項、一、海上保安に関する事項、一、観光に関する事項、一、気象に関する事項、以上の各事項につきまして調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#4
○三池委員長 次に、昭和三十六年度運輸省及び日本国有鉄道関係の予算等について、政府当局より説明を聴取いたします。木暮運輸大臣。
#5
○木暮国務大臣 昭和三十六年度運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに予算の規模について申し上げます。
 まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十九億三百六十七万二千円、歳出予算総額は五百五十七億二千四百十八万二千円であります。今、昭和三十六年度歳出予算総額を前年度予算額に比較いたしますると、八十九億三千三百七十三万六千円の増額であり、一九%強の増加率を示しております。
 これらの増加額の内訳を申し上げますと、行政部費系統におきまして三十五億三千九百八十八万七千円の増額であり、公共事業費系統におきまして五十三億九千三百八十四万九千円の増額となっております。このうちには両系統を通じ定員二百六十人の純増が含まれております。なお今申し上げました歳出予算総額のうちには、北海道港湾事業費等他省所管分五十六億五千三百九万七千円が含まれております。
 次に特別会計について申し上げます。
 まず木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は前年度より若干増額され、三億五十六万四千円となり、自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は、付保自動車の車両数の増加に対応し、前年度より約十三億円増額され、五十三億三千三百七十四万二千円であります。また昭和三十四年度より設置されました特定港湾施設工事特別会計を含め、新たに昭和三十六年度より港湾整備特別会計を設置いたしますが、この特別会計の歳入歳出予定総額は、定員二十六人の純増を含めて三百二億六千、百四十三万二千円となっております。
 なお、このほか昭和三十六年度財政投融資計画中には運輸省関係分として約千四百十七億円が予定されております。
 政府といたしましては、昭和三十六年度以降約十年間に国民総生産を倍増することを目標としており、当省におきましても、この趣旨に従い、海陸空を通ずる効率的な投資計画により輸送力を飛躍的に拡充し、また経済成長を阻害する災害・事故の発生を防止する等の措置を講じますとともに、さらには経済規模の拡大に伴う国際貿易の増加に対応し国際収支の均衡を維持していくため、産業の対外競争力を強化し、貿易外輸出の振興に一そうの努力を続ける所存であります。
 以上の趣旨によりまして、昭和三十六年度の予算におきましては、輸送力の増強、貿易外収支の改善と輸出の振興、交通安全及び海上保安の確保、防災態勢の強化並びに科学技術の振興等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進することにいたしております。
 以下、部門別に重点施策の要旨を御説明いたしたいと存じます。
 まず海運関係について申し上げますが、おもな事項といたしましては、第一に、外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として八億三千六百一万三千円を計上しております。本制度は外航船舶建造資金を融通する市中金融機関に対する利子補給を行なうことによりまして、海運企業の合理化に対する自主的努力と相待って、海運企業の金利負担を軽減し、海運企業の基盤を強化しますとともに、これに国際競争力を付与しようとするものでありますが、昭和三十六年度におきましては、さらに第二として外航船舶に対する日本開発銀行融資に対する利子補給に必要な経費千八百万円を計上しております。これによりまして、昭和三十六年度外航船舶の建造に融資された日本開発銀行資金につき、年一分五厘相当額の利子補給を行なう予定であります。
 なお契約限度額としては、市中金融機関に対する分は八億三千五十一万円であり、日本開発銀行に対する分は九億六千二百三十九万三千円を計上しております。
 第三に、外航船舶の建造及び主機換装に必要な資金として日本開発銀行よりの融資百五十億円を予定しております。これによりまして、昭和三十六年度においては拡大するわが国の貿易規模に即応した外航船腹の整備をはかるため、約二十五万総トンの建造を行なうとともに、主機換装を行なう予定であります。
 第四に、戦時標準船処理対策に必要な資金として財政融資十五億円を予定しております。この資金は昨年十二月からの戦時標準船に対する検査強化に伴い、航行に耐えられない状況に立ち至っている船舶に対し、代替建造を行なうために必要な資金であります。この代替建造につきましては、これら戦標船の船主が中小企業者であり、資金調達の困難な者が多い現状にかんがみ、国内旅客船公団を改組し、これとの共同方式により公団持ち分七割、船主持ち分三割として代替建造を実施するとともに、金融ベースによる建造の可能な船主については、日本開発銀行の融資によらしめることとしております。今申し上げました十五億円のうち、公団が資金運用部資金より受ける融資額は八億円であり、日本開発銀行よりの融資額は七億円となっております。
 第五に、三国間輸送の拡充に必要な経費として四億六千万円を計上しております。これにより、前年度に引き続き三国間輸送を促進して、わが国海運の発展と外貨の獲得をはかりたいと存じます。
 第六に、移住船の運航費補助に必要な経費として一億四百五十一万円を計上しております。これによりましてわが国の移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかりたいと存じます。
 第七に、国内旅客船公団に必要な資金として、資金運用部資金よりの融資七億円を予定しておりますが、昭和三十六年度におきましては、同公団は約四十隻、四千五百総トン程度の国内旅客船の建改造を実施する予定であります。
 次に船舶関係について申し上げます。
 第一に、船舶検査体制の整備に必要な経費として二千三百二十四万七千円を計上しております。これによりまして検査対象船舶の増加及び船舶建造技術の進歩に伴う検査内容の複雑化に対処し、検査体制の整備をはかりたいと存じます。なお、これがため検査官三十人の増員を予定しております。
 第二に、中小型鋼船造船業の合理化に必要な経費として五百五十万二千円を計上しておりますが、中小型造船業の技術の向上をはかるため、標準船型の設計及び技術相談所の設置等を行なう所存でございます。
 次に、船員関係としましては、船員雇用厚生対策の強化に必要な経費として二千九百四十九万五千円を計上しております。このうち二千五百万円は、国内における船員厚生施設を整備する公益法人に対してその整備費を補助する経費であります。残額の四百四十九万五千円は、戦時標準船解撤に伴う失業船員の雇用を促進するため、船員職業安定所の強化及び日本船員の外国進出等の措置を講ずるに必要な経費であります。
 港湾関係といたしましては、第一に、国民所得倍増計画に対応する港湾整備事業の促進に必要な経費として百六十八億百十四万二千円を計上しておりますが、このうち一般会計より次に申し上げます特別会計への繰入金百六十七億三千九百万円が含まれております。国民所得倍増計画に基づき貿易量の伸長、工業生産の拡大及び国土開発の進展に対応して、緊急かつ計画的に港湾を整備する必要がありますので、港湾整備緊急措置法を制定する予定でございますが、これに基づき港湾整備五カ年計画を確立し、その実施を促進するため、新たに港湾整備特別会計を制定し、今までの特定港湾施設工事特別会計を含めて全面的に港湾整備事業の特別会計への繰り入れを行なう予定であります。
 本特別会計は特定港湾施設工事勘定及び港湾整備勘定に区分され、特定港湾施設工事勘定の歳入歳出予定額は八十三億五百六十一万一千円の規模をもちまして、輸出港湾として大阪港外二港、石油港湾として千葉港外二港、鉄鋼港湾として千葉港外十一港、石炭港湾として苫小牧港外八港について港湾施設の緊急整備を行なう予定であります。また、港湾整備勘定の歳入歳出予定額は二百十九億五千五百八十二万一千円の規模をもちまして、港湾改修事業として京浜港外約三百港の整備を行なう予定であります。
 第二に、港湾及び海岸防災事業の推進に必要な経費として九十七億九千三百五十八万六千円を一般会計に計上しております。これによりまして特別高潮対策事業、チリ地震津波対策事業、伊勢湾高潮対策事業等海岸防災施設の整備と港湾及び海岸災害の復旧を促進する予定であります。
 以上申し上げました通り、昭和三十六年度における港湾関係予算は、一般会計と特別会計を通じて、国庫の負担が前年度に比較して四十六億七千百六十七万一千円の純増を予定しております。
 なお、地方支部分局として臨時に伊勢湾港湾建設部を新設することといたしております。
 次に、鉄道関係としましては、第一に、日本国有鉄道新線建設費補助に必要な経費として、三億八百七十五万円を計上しております。これによりまして昭和三十五年度新線建設費相当額の借入金に対する利子支払額を日本国有鉄道に対して補助する予定であります。
 第二に、都市高速鉄道建設促進に必要な資金として、帝都高速度交通営団は八十五億円を、また東京都、大阪市及び名古屋市については総額百三十九億円の財政資金の融資が予定されております。
 次に、自動車関係について申し上げますと、第一に、自動車輸送態勢の確立に必要な経費として二千百三十万三千円を計上しております。これによりまして自動車輸送統計の統計機構の充実強化及びタクシー免許業務処理の体制の増強等をはかる所存であります。
 第二に、自動車輸送秩序の確立と事故防止に必要な経費として五百四十八万二千円を計上しておりますが、これによりまして白タク、無免許トラックの取り締まり、自動車運送事業監査及び運転者実態調査等を実施する予定であります。
 第三に、自動車検査登録機能の強化に必要な経費として二億二千五百六十九万八千円を計上しております。これによりまして激増の一途をたどる自動車車両数に対応し、検査登録要員六十五人の増員をはかるとともに、東京外十一カ所の車両検査場の拡張移設等を実施し、検査登録機能の強化をはかる予定であります。
 航空関係のおもな事項といたしましては、第一に、日本航空株式会社に対する出資として、産業投資特別会計中に三億円を計上しております。日本航空株式会社の国際競争力の強化のため前年度同様政府出資を行なうものであり、なお、これとともに同社の発行する社債については、二十二億円を限度として債務保証を行なうことにしております。
 第二に、国際空港の整備に必要な経費として十八億二千百四十万円を計上しております。このうち東京国際空港につきましては十六億二千百四十万円と、他に国庫債務負担行為五億一千九百万円を計上しております。これによりまして滑走路の新設、ターミナル周辺の整備、エプロンの整備、通信施設整備及びターミナルビル増築分の買収等を実施する予定であります。また、大阪国際空港につきましては二億円を計上しており、滑走路の新設及び通信施設の整備等を実施する予定であります。
 第三に、国内空港の整備に必要な経費として八億六千五百六十万円を計上しております。これによりまして既定空港としては広島空港外十一空港の整備を続行しますとともに、新規空港としては盛岡外四空港の整備に着手し、また鹿児島外六空港の追加改良整備を行なう予定であります。
 第四に、国内航空事業の助成に必要な経費として二千万円を計上しております。前年度に引き続き、これによりまして全日本空輸株式会社等に対して乗員訓練の経費の一部を補助して、航空安全対策の一環といたしたい所存であります。
 第五に、航空交通管制業務の整備強化に必要な経費として一億六千四百四十四万四千円を計上しております。これによりまして航空交通管制本部を移転し、施設の整備拡充を行なうとともに、管制の運用改善及び管制関係職員の待遇改善等の措置を推進いたす予定であります。
 なお、航空交通管制本部の移転に必要な経費として他に国庫債務負担行為五千四百六十五万六千円が計上されております。
 次に、観光関係について申し上げます。
 第一に、日本観光協会に対する補助といたしまして二億八千二百六十三万九千円を計上しております。これによりまして日本観光協会の海外観光宣伝活動の整備充実をはかり、昭和三十六年度はロンドン及びシドニーに海外事務所を新設しますとともに、海外宣伝資料作成費を増額し、海外観光客の積極的誘致を推進する所存であります。
 第二に、ユース・ホステルの整備に必要な経費として、国立ユース・ホステル・センターの増設整備費三千百六十五万円、地方公共団体のユース・ホステル整備費補助金四千七百五十万円を計上しております。これによりまして前年度より建設しております国立ユース・ホステル・センターを増設整備し、国内及び国際ユース・ホステル大会の開催、内外青少年の交歓等の場とするとともに、地方公共団体の設置するユース・ホステルを前年度に引き続き整備する予定であります。
 次に、海上保安関係について申し上げます。
 第一に、海難救助体制と海上治安の強化に必要な経費として七億七千二百五十八万六千円を計上しております。これによりまして老朽巡視船艇を八隻代替建造しますとともに、鹿児島に航空基地の新設、第十管区海上保安本部の新設、巡視船の機動力と装備の強化及び老朽通信施設の改良改修等を行なう予定であります。なお、巡視船の代船建造に必要な経費として国庫債務負担行為二億八千八百万円を計上しております。
 第二に、船舶航行の安全確保に関する体制の強化に必要な経費として航路標識整備費九億円、水路業務の整備拡充に必要な経費六千二百四十三万五千円を計上しております。これにより港湾整備に即応する港湾標識、電波標識、航路標識の自動化等を実施するとともに、水路業務につきましては電子計算機、音響測深機、印刷機械等の整備及び海上磁気測量を実施する予定であります。
 気象関係といたしましては、第一に、防災気象業務整備強化に必要な経費として六億五千七百六十四万四千円を計上しております。これによりまして函館、新潟に気象用レーダーの新設、東京湾に自動応答式無線ロボット装置の新設及び地震津波観測施設の整備等を実施し、台風及び地震津波対策の強化をはかりますとともに、前年度に引き続き水理水害対策の気象業務、航空気象業務を整備し、さらに農業気象業務につきましては、山形県の残部及び岩手県に対して新規に実施する予定であります。
 第二に、基礎的気象業務の整備強化に必要な経費九億八十五万七千円を計上しております。これによりまして無線模写放送の整備、幹線専用線のテレタイプ化及び地方回線の無線化等を実施して、予報の精度向上、情報連絡の強化をはかりますとともに、近代風速計の整備により観測業務の整備強化をはかり、また、気象庁本庁舎の新営の続行、金沢地方気象台外六官署の新営等により基礎的気象業務体制の整備を強化する予定であります。
 次に、科学技術関係について申し上げます。
 第一に、科学技術応用試験研究補助金として五千五百万円を計上しております。これによりまして次に申し上げます運輸技術研究所における試験研究と相待って民間が分担する試験研究を促進し、運輸に関する技術の発達改善をはかる所存であります。なお、テーマは特別研究として超高速優秀商船の建造に関する研究及び航空機の航行安全確保のための管制施設近代化に関する研究、一般研究として作業船の合理化に関する研究及び鉄道の高速化に関する研究等を予定しております。
 第二に、運輸技術研究所の研究促進と研究施設の拡充強化に必要な経費として二億一千十一万二千円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き原子力船の開発研究を実施いたしますとともに、昭和三十六年度におきましては、新たに電子航法技術の研究に着手し、また、防災技術の研究、運輸機関の高速化近代化に関する研究等を実施し、各種輸送機関と施設の合理化、近代化及び防災強化をはかりたい所存であります。
 最後に、航海訓練関係でありますが、第一に、遠洋航海の拡充に必要な経費として六千百三十七万六千円を計上しております。これによりまして、いまだ実施できない現状にありました商船高等学校航海科及び機関科の一部に対して遠洋航海を実施し、船舶実習の強化をはかる予定であります。
 第二に、練習船進徳丸の代船建造に必要な経費として八千万円を計上しております。これによりまして船齢三十八年の老朽船であります練習船進徳丸の代船を昭和三十六年度より二年計画で建造いたす予定であります。なお、これがため昭和三十六年度国庫債務負担行為五億九千八百八十万円を計上しております。
 以上をもちまして、昭和三十六年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わります。
 次に、昭和三十六年度日本国有鉄道予算の概要につきまして御説明申し上げます。
 昭和三十六年度の予算の編成にあたりまして、三十六年度は三十五年度の経済情勢の好況が引き続き持続するものと考えて収入支出予算を組みました。また、日本国有鉄道の輸送力は年々増加する輸送需要に対応できず、現状でも国民の輸送需要をまかないきれない実情にあります。従って所得倍増計画とも関連して考えますと、今後の経済発展の見通しから見て、日本国有鉄道の輸送力不足がその隘路とさえなるおそれがありますので、日本国有鉄道の輸送力増強をはかるように配慮いたしました。しかしながら、これに要します資金は莫大なものでありまして、これをすべて借入金でまかなう場合にはとうてい健全な経営を維持することができなくなりますので、極力経営の合理化に努めさせるとともに、外部資金をさらに増加して調達いたしますほかに、最小限度の運賃改訂を行なうことによりまして、経営の基盤を確立しつつ輸送力の増強をはかり得るよう措置いたした次第であります。
 以下、収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。
 まず損益勘定について申し上げます。収入におきましては、鉄道旅客輸送人員は、対前年度七・五%増で五十三億一千万人、輸送人キロは一千二百七十六億人キロとして旅客収入二千五百七十五億円を見込み、また、鉄道貨物輸送トン数は、対前年度八・六%増で二億二百万トン、輸送トンキロは五百五十三億トンキロとして貨物収入千九百五十八億円を見込んでおります。これらの旅客、貨物輸送に要します列車キロは、四億八千八百万キロで対前年度五・九%増となっております。以上の旅客、貨物収入のほか、雑収入等を含めまして収入合計は、四千七百十七億円となっております。
 次に、経営費について見ますと、人件費につきましては三十五年五月の仲裁裁定実施による増額のほか、三十六年度の昇給と期末・奨励手当合計二・八五カ月分を見込みまして、給与の総額は千五百十七億円といたしております。また、物件費につきましては、節約に特段の努力を払うことにいたしておりますが、おもなものといたしましては、動力費三百九十六億円、修繕費五百八十億円を見込んでおります。これらを合わせまして経営費の総額は三千二百四十億円となっております。
 以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、資本勘定へ繰り入れ千百八億円、利子及び債務取り扱い諸費二百四十九億円、予備費八十億円を合わせまして、損益勘定の支出合計は、四千七百十七億円となっております。
 次に、資本勘定について申し上げます。
 収入といたしましては、先ほど申し上げました損益勘定から受け入れます千百八億円のほか、不用施設等の売却による十七億円、鉄道債券六百十五億円、資金運用部等からの借入金三百八十一億円、合計二千百二十一億円を計上いたしております。
 他方、支出といたしましては、このうち千九百二十一億円を工事勘定に繰り入れ、借入金等の償還百九十五億円、帝都高速度交通営団への出資五億円を予定いたしております。
 最後に、工事勘定について申し上げます。
 三十六年度は国民所得倍増計画に対応するため輸送力増強に重点を置き、東海道幹線増設工事を推進するとともに、主要幹線の複線化、電化、電化されない区間のディーゼル化、さらには通勤輸送の混雑緩和、車両の増備等をはかるため、三十五年度に比して六百六十九億円増の千九百二十一億円を計上いたしました。
 以下、工事勘定の内容について御説明申し上げます。
 まず新線建設につきましては、七十五億円を計上いたしております。
 次に、東海道幹線増設につきましては、昭和三十四年度に着工してから三年目を迎え、工事も最盛期に入りますので、前年度より二百三十三億円を増額いたしまして、四百四十億円を計上し、幹線増設工事の促進をはかり、東海道線の輸送の行き詰まりを早期に解消いたしたい考えであります。
 次に、通勤輸送対策といたしましては、前年度より三十五億円増額し、東京付近五十六億円、大阪付近十八億円、電車増備百九十両、三十九億円、計百十三億円を計上いたし、輸送需要の増大に対応するとともに、混雑緩和をはかることにいたしました。
 次に、幹線輸送力増強のために、前年度より二百八億円増額いたしまして四百六十九億円を計上し、その能力の限界近くまで利用されており、輸送需要の増大に応じきれなくなっている東北本線、北陸本線、上越線、中央本線、鹿児島本線等の輸送力を増強し、これら線区における輸送隘路をできるだけすみやかに解消することにいたしました。
 次に、電化及び電車化につきましては、前年度より百二億円増額し、二百二十四億円を計上いたしまして、現在工事中の東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線、山陽本線及び鹿児島本線の電化を促進するとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして列車回数を増加し、サービスの改善と経営合理化をはかることといたしました。
 以上のほか、ディーゼル化、諸施設の取りかえ及び改良、総係費等を含めまして、支出合計は千九百二十一億円となっております。これらに要しまする財源といたしましては、資本勘定から受け入れます千九百二十一億円を充てることにいたしております。
 以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算は、これに予定されました収入を上げ、予定の工事計画を完遂するためには格段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としていま一そうの経営合理化をはかり、もってわが国経済の発展に資するように指導監督して参りたい考えであります。
 以上、昭和三十六年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げました次第でございます。
#6
○三池委員長 次に、今国会中に予定されております運輸省関係の政府提出法律案について説明を聴取いたします。辻官房長。
#7
○辻政府委員 お手元に配付いたしております二枚刷りの印刷物でございますが、これにつきまして簡単に、今国会に提出を予定いたしておりまする法案について申し上げます。
 まず第一に、運輸省設置法の一部を改正する法律案でございますが、これのおもな点は五点ございまして、海技専門学院の名称を改める問題。それから高浜海員学校の名称を改めまして、その所在地を改める。第三点が、本省の付属機関といたしまして、ユース・ホステル・センターを置くことでございます。第四点が、自動車審議会の存続期間を一年延長すること。最後に、本省の地方支分部局として臨時に伊勢湾港湾建設部を置くというのがおもな内容でございます。
 なお、予算の際にいろいろと問題がございました陸運事務所の直轄化の問題は、現在なお関係各省と折衝いたしておりますので、その話がつきますれば当然これに追加いたしたい、かように考えております。
 第二が、外航船舶建造のための日本開発銀行からの融資に対する利子の補給に関する臨時措置法案でございますが、これは日本開発銀行が融資した外航船舶建造資金について利子補給金を支給することができるようにするための法律案でございます。
 第三に、国内旅客船公団法の一部を改正する法律案でございますが、これは公団の業務の範囲を拡張いたしまして、貨物船の建造ができるようにする等の所要の改正を行なうものでございまして、いわゆる戦時標準型船舶の処理の一環としてこういう改正を行ないたいという趣旨のものでございます。
 第四が、船員法の一部を改正する法律案でございますが、これは行方不明手当及び衛生管理者制度の新設等の規定を整備しようという趣旨でございます。
 次に、港湾整備緊急措置法案でございますが、これは港湾を緊急かつ計画的に整備するため、港湾整備事業五カ年計画の決定に関する事項等を定めるものでございます。
 次に、倉庫業法の一部を改正する法律案でございますが、これは冷蔵倉庫業を、倉庫業法第三条の許可の対象とすることをおもな目的として改正を行ないたいというものでございます。
 次に、鉄道営業法案でございますが、これは現行の鉄道営業法にかえまして、現在の社会経済情勢に即応した近代的な鉄道営業法を制定しようという趣旨でございます。
 次には、鉄道と道路との交差に関する法律案でございますが、鉄道と道路との交差施設の改善を促進するために必要な事項を規定いたしまして、いわゆる踏み切り事故対策の一環といたしたいというふうに考えておる次第でございます。
 次に、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案でございます。これは、軍人恩給公務員期間の組合期間への算入、遺族の範囲、その他更新組合員等の長期給付に関しまして、規定の改正を行なおうとするものであります。
 次が、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案でございますが、日本国有鉄道の経営を改善し、輸送力の増強をはかるため、日本国有鉄道の運賃及び料金を改訂する等、所要の改正を行なおうとするものでございます。
 次が、日本国有鉄道新線建設の補助に関する法律案でございます。これは新線建設に充てられました借入金の利子を補助することができることとするための法律案でございます。
 次が、海上保安庁法の一部を改正する法律案でございます。これは南九州を管轄区域とする第十海上保安管区を設置するための法律案でございます。
 お手元の資料の注にございますように、モーターボート競走法の改正等につきましては、現在総理府に置かれておりまする公営競技調査会が目下公営競技に関する基本的な事項について調査審議中でございますので、この答申が出ますれば、その答申の趣旨に従いまして所要の改正をいたしたい、かように考えております。
 以上、モーターボート競走法の改正も含めまして、予定いたしておりまする法案は十三件でございます。
 以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
     ――――◇―――――
#8
○三池委員長 この際小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。
 去る三十四回国会におきまして、都市交通に関する小委員会を設置し、本問題について調査をいたして参りましたが、今国会におきましても本調査を継続するため、都市交通に関する調査のため小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、小委員の員数は十名とし、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 それでは小委員及び小委員長は、後刻公報をもってお知らせいたします。
     ――――◇―――――
#11
○三池委員長 次に、国鉄の経営に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#12
○久保委員 国鉄当局にお尋ねというか要望しておきたいのですが、先般来問題になっておりました室蘭桟橋の付帯業務というか、タグ・ボートの払い下げというか、そういう問題にからんで労使の双方に紛争があるわけです。けさの新聞を見ますと、昨日事故が起きたようでありまして、われわれ自体も再三お話ししていたように、十分話し合いの上で解決するように要望しておいたのでありますが、どうも聞くところによれば、手順をきめて話し合えといっても、大へん形式的なものでやっておられるようでありまして、こういうことでは問題は解決しないと思うのです。もちろん国鉄がそういうものを直接自分の手で運営するのがいいのか、あるいは他にこれを切り捨ててまかせることがいいのか、こういう基本問題はあります。ありますが、起きました問題について事態を円満に話し合いで解決するのが筋ではないか、こういうふうに思うわけです。ところがその努力がなされたのか、なされないのかわかりませんが、いずれにいたしましても、今日の時点では現地の話し合いではとうてい解決は不可能であろうというよりは、可能であっても、その間さらに紛争が大きくなるのではないだろうか、こういう心配をいたすわけであります。
 この際国鉄当局に要望してお尋ねしたいのは、今日の時点においていかなる方途で解決することがいいと思っているのか、あるいは今まで通り現地において強行突破という格好でやるのがいいか、こういう点を一つお聞きしたいと思う。
#13
○吾孫子説明員 ただいまの問題でございますが、事柄は、室蘭の港内で今まで使っておりましたタグ・ボートが、国鉄としては不要であり、また赤字を生んでおりますので、整理をしたいということから始まったわけでございます。国鉄の当局側と国鉄労働組合との問でつい先日まで、たしか一昨日まで本社と本部との間で話をしておったわけでありますが、事柄はそれほど大きな問題ではないので、組合側も、また私ども当局側の方も、現地にまかして現地の話し合いでもって解決させようということで、それぞれ指令をいたしておったわけでございます。けさほどの新聞でけが人も出たというような報道がなされておりますけれども、私どもの方が今聞いております報告では、あの新聞に報道されているような、それほど大きなけが人が出たとかいうようなことではない模様でございますけれども、なおよくその点は取り調べたいと思っております。それで現地の方には管理局の方から営業部長、運転部長等を派遣いたしまして、現地の組合側の者との間で話を今させているわけでございますが、私どもといたしましては、もう少し連絡もよくいたしまして、むろん本社の方でも組合の本部に対しても折衝いたすつもりでおりますけれども、話し合いによってこの問題は解決できるものと思っておりますし、また解決を少しでも早くさせるつもりでおります。
#14
○久保委員 副総裁のお話だと、新聞ほどではなくて、大した紛争ではなさそうだ、こういうお話でございますが、われわれの聞いておる範囲では、新聞以上にけが人もたくさん出ておる。私が直接聞いた人間でも、これは前歯を二本折ったというか、折られた、そういうことを言っております。これは一つの事例なんですが、こういうことなんで、もう少し当局においても詳細に情勢を判断された方がいいではないか、こういうふうに思います。と同時に、大体この話し合い最中に、きのう、ある業者を指定してタグ・ボートの払い下げを入札させたというようなことを組合側に通告していったというごときは、どうもフェアなやり方ではないと私は思う。物事を解決する場合には前提条件があるわけです。前提を踏まぬで終結を急ぐということは、いつも紛争の種になる。今までもいろいろな局部においては経営合理化の名によって民間に払い下げたり、あるいは委託したりというようなこともたくさんありまして、実際いうと、そのつどどうもこの問題はあと味のいい解決はしておりません。だから根本問題は別として、もう少しフェアに考えて段取りをつけてやるべきだと思う。この点で副総裁も、あまり大したものではない、小さい問題だから現場にまかせるということではなくて、もう少しそのやり方自体も反省されて、本社に吸い上げて、本社、本部間の話し合いという方に持っていくような努力をすべきではないかとわれわれは考えております。いずれにしましても、そういうことを早急に段取りするよう要望しておきます。
#15
○三池委員長 山中日露史君。
#16
○山中(日)委員 ただいま久保委員から御質問のありました室蘭桟橋の問題について、私からも関連してお尋ねしておきたいと思います。
 室蘭桟橋が室蘭港の発展のために尽くした功績というものは非常に大きいと私ども現地におる者は知っておるのでありますが、特に最近におきましては、貨物におきましても一千万トンくらいの荷物を取り扱っておるし、しかもその中で石炭は五百五十万トンも取り扱って、室蘭港の発展に非常に寄与してきた国鉄桟橋が今度業務を廃止する。そのために三十一名の人が配置転換を余儀なくされて、やがては首切りにつながるであろうという不安を持っているわけであります。これが今日の紛争の種になってきたと思うのですが、私ども聞いておるところによりますと、この室蘭桟橋は黒字を上げておる。私ども常識で考えてみましても、民間のこれを払い下げよという希望は、これはやるともうかるからだと思う。現に黒字でやっておる室蘭桟橋の業務をなぜ今廃止して、そうしてこのような紛争を起こさなければならないのか、私どもはこの点を非常に遺憾に思うのでありますが、その点について、どういうふうにお考えになっておりますか、まずお尋ねしたいと思うのです。
#17
○吾孫子説明員 ただいま室蘭桟橋の収支状態というのは黒字になっておるはずであるというふうに聞いておるという意味のお尋ねがございましたが、それはいわゆる直接費だけで見ますと黒字であることはその通りでございますけれども、管理費、減価償却費その他の間接費を計算いたしますと、昭和三十三年度において七百四十万円、三十四年度において六百六十万円以上の赤字を出しておるわけであります。しかし、たとい赤字でございましても、国鉄がそういう桟橋の仕事をやめることのために荷主さんや船主さんに御迷惑をかけるということではいけませんから、そういうことはできないのでございますけれども、現在の室蘭の港湾の事情といたしましては、国鉄がこのタグ・ボートを使うことをやめましても、十分民間の方にもその設備がある。こういうことで国鉄がこれをやめたからといって、荷役作業その他に御迷惑をおかけするという心配もございませんので、国鉄の立場から見ますと、ただいま申し上げましたように、三十三年度も三十四年度も赤字を出しておりますので、こういう仕事は整理をさしていただきたい、そういうふうに思っておるわけでございます。ただ、ここで働いております三十一名の職員につきましては、一部はなお室蘭に残して働いてもらいまするし、また一部の者は青函局の方へ、函館の方へ転勤をさせるということでございまして、あるいはこれがすぐ首切りにつながっておるのだというような心配をされておる向きはあるかとも思いますけれども、それはそういうようなことではございませんで、ちゃんとそれぞれ仕事は別の場所にお世話をしてそこで働いていただこう、こういう趣旨でございますから、もう少しよく組合側ともお話し合いをいたしますれば円満に解決できるものと思っております。なお私どもの努力が不十分な点もあるかとも思いますので、そういう点につきましては、ただいまの御質問の御趣旨もよく考えまして、すみやかに円満に妥結させるように今後努力をいたしたい、かように考えております。
#18
○山中(日)委員 この国鉄桟橋で国鉄が業務をやっておる、その業務の中には引き舟の仕事もやっておるわけですが、この引舟料は他の業者の引舟料金に比べると非常に安いのです。安くて今日までやっておったのですが、今度民間に払い下げますと、これは今度は急に高くなるおそれがある。というのは、現にこの国鉄桟橋に係船される舟の係留、離岸等の仕事は、他の業者もやっておると思いますが、その業者の引舟料等に比べますと非常に安いわけであります。今度民間に払い下げますと、当然その業者は他の業者と同じように引舟料というものを上げることは必至なんです。そうなりますとその引船料の上がった分だけが船主の負担になるし、また同時に荷主の負担になって、結局物価にも影響するというような結果になってくるわけであります。つまり国鉄がやっておるというようなことで、公共性のあるところからこういった点が非常に大衆のために利益になっておるのが、今度こういうことによってそういう影響がくるということも非常におそれておるのでありまして、国鉄の公共性という考え方からいえば、この民間払い下げでかえって係船料とかあるいは引舟料というものが高くなるというようなおそれがあった場合に、これは重大な問題だと思いますが、そういう点についてはどういうお考えを持っておられますか、一つお伺いしておきたいと思います。
#19
○吾孫子説明員 ただいまのお話につきましては、あるいは私の方が聞き誤っておるのかもしれませんけれども、料金の問題につきましては、今までの国鉄の引き舟の料金も民間の料金も同じである、同額であるというふうに私どもは承知いたしております。いずれにいたしましても国鉄の公共的な性格から考えまして荷主さんに御迷惑をかけるというようなことがあってはならないので、そういう点はたとい国鉄の経営上赤字であるからといってそういう公共的な使命というものは常にあわせ考えておるつもりでありますが、今回のこの処置は、国鉄が今持っております引き舟をやめましても、ほかにも業者の方が持っておる舟がありまして、それで別にそうひどく御迷惑をおかけするということにはならない。料金の点は私どもの報告に接しておりますところでは別に違った料金ではないというふうに承知いたしておりますので、さよう御了承いただきたいと思います。
#20
○山中(日)委員 いずれにいたしましても、去る三十一日に私と久保委員と同道いたしまして副総裁にお目にかかって、現地においてはこの問題で非常に騒いであるので、二月一日から民間に払い下げをするというようなことは強行しないようにということを特に申し入れておいて、その際副総裁のお話では、無期限に延ばすわけにはいかぬけれども、できるだけ話し合いでこの問題を解決するように努力したいというお話であった。私どももまさか翌日の一日に直ちにこういう問題が起きるとは考えてなかった。ところが現地の情報によりますと、今お話のありましたように、翌日の一日にもう民間と契約してしまった、こういうことで非常に現地は騒いでおるわけですが、どうもこういうやり方というのは、私ども非常に遺憾に思うのです。あのときのお話では、もっと組合との間に、話し合いの余地は当然持たれるものと思っておったところが、翌日にすぐ強行してしまったのは、これは非常に遺憾に思うのですが、どういういきさつでそういうふうになったか、お聞きしたいと思うのです。
#21
○吾孫子説明員 民間との業務委託の契約をしたということにつきましては、実は私どもはそういう必要がないはずだと思っておりましたし、またそういうふうに指図をいたしておったのでありますが、今のお話によりますと、そういう契約をしたというふうに伺うのでございますけれども、その点はよく取り調べたいと思っております。と同時に、これはいつの場合でもそうでございますけれども、話し合いをいたします場合には、当局側が十分努力しなければならぬことは当然でございますが、組合側の方も、いきなり実力行使とかなんとかいうようなことでない姿で話していただきませんと、やはり困ります。けさ私が伺いましたところでは、問題の桟橋において実力行使が行なわれておるというのではなくて、その背後の陸上の荷役作業をするところのじゃまをしておる。そういう姿で大ぜいの者を動員して、若干部内の方も入っておられるようでございますが、そういう姿のもとにおいて話し合いをしろということは少し無理なようにも思われますので、その辺はよく私どもの方も事情を取り調べまして、穏かな姿で話ができるように、今後も努力いたしたいと思います。
#22
○山中(日)委員 私ども聞いておりますのは、委託でなしに、今国鉄が持っておる舟があそこにある、その舟をもう民間に払い下げてしまった、入札で売ってしまった、契約を結んでしまった、こういうような情報なんです。ですから、この間のお話の経緯から見て、そういうことをこの段階にいきなりやってしまう必要はなかったのじゃないか。三十一日のお約束のときには、そういうような強行的に舟を売ってしまうとか、そういうことをしないで、そして円満に組合との間に、そうした問題を含めて話し合いをするようにということで、私どもそれを期待しておったのですが、その仕事の委託でなしに、舟を売ってしまったというような情報なんですが、その点についてはいかがですか。
#23
○吾孫子説明員 そういう舟を売るというような契約はいたしておりませんです。そういう事実はございません。
#24
○山中(日)委員 私ども強く要望したいのですが、できるだけああいうような紛争を起こさないように、お互いに話をするということは必要なことでありまして、組合の方も実力行使ということだけが目的ではないのですから、双方がお互いに話をして、そういった問題について了解できるような期間を持つべきであると思うのに、いきなりそういうことをやったとすれば重大なことだと思いますので、その点は十分一つ調査をして、よく組合との間に話し合いをして、そうして円満に解決するよう努力をお願いしたい、どういう希望を述べておきます。
#25
○久保委員 関連して。副総裁、ほんとうに御存じないでしょうか。何か話が、タグ・ボートそのものを売り払う考えはありませんと、こういうお話でしたが、そうでしょうか。
#26
○吾孫子説明員 今国鉄の持っておりますタグ・ボートは、これは不要で、もう要りませんので、売却するつもりでございますが、その売却の契約をしたというような事実はございません。これは、先ほども申し上げましたように、今までそこで働いておった職員の皆さんを、それぞれ配置転換で別の場所に勤めていただくように始末をしたあとで舟の方は売却する、こういうつもりではおりますけれども、それをいきなり、きのうかに売却をする契約をしたというような事実はございません、そういうことを申し上げたわけでございます。
#27
○久保委員 それでは、入札をしたことはございませんか。
#28
○吾孫子説明員 入札をした事実もございません。
#29
○久保委員 不要だとおっしゃると、一般的には、ほんとうに要らなくなったと、こういうふうに思うが、そういうことじゃなくて、そういう仕事は国鉄ではやらぬ方針だから、タグ・ボートはもう要らぬ、それで不要だ、こういうふうになるわけですね。
#30
○吾孫子説明員 さようでございます。
#31
○久保委員 そうじゃないと話はおかしい。やらないので要らなくなった、こういうことですね。いずれにしても、入札を済ましたとかするとかいうことで、組合側へ通告したということから、組合側が大へん硬化したのではなかろうかとわれわれは見ております。今、山中委員からもお話があったように、少なくとももう少し話をスムーズに持っていくことが必要だと思う。
 最後に一つだけお尋ねをしておきます。そういうタグ・ボートのようなものは、これは局長権限くらいで売り払うことができるわけですか。
#32
○吾孫子説明員 タグ・ボートのようなものの場合には、本社で指示いたしまして、その指示に基づいて、売却の仕事は現地の方でやらせる、こういうことになっおります。
#33
○久保委員 そうしますと、タグ・ボートというか、引き舟というか、そういう作業はやるのかやらぬのかということもございますが、きょうは時間もありませんから、いわゆる副総裁のおっしゃる、そういう不要な仕事とはいかなるものか、具体的に次の機会に一つ書類をもって提出していただきたいと思います。どういうものが要らないのかということです。たとえば、室蘭の引き舟は要らない、やらないのだとか、特に船舶関係はそういうようにやっているようですから、重点を置いてお調べいただきたい。指令を出したものについてお願いいたします。
#34
○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、タグ・ボートのみに限らず、経営上赤字であり、そしてそれをやめても、鉄道なり港なりを御利用なさる方に御迷惑をかけないで済むものは、できるだけ整理をいたしまして、そしてもっと必要な方面に、資金なり人間なりを投入して、経営能率を上げていくということを考えていくつもりでおります。今のお求めのあった資料につきましては、準備して差し出すようにいたしたいと思います。
#35
○三池委員長 次会は来たる七日火曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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