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1960/02/24 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第7号
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1960/02/24 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第7号

#1
第038回国会 運輸委員会 第7号
昭和三十六年二月二十四日(金曜日)
    午後一時三十三分開議
 出席委員
   委員長 三池  信君
   理事 生田 宏一君 理事 尾関 義一君
   理事 川野 芳滿君 理事 高橋清一郎君
   理事 山口丈太郎君
      木村 俊夫君    河本 敏夫君
      佐々木義武君    壽原 正一君
      鈴木 仙八君    關谷 勝利君
      高橋 英吉君    塚原 俊郎君
      細田 吉藏君    勝澤 芳雄君
      島上善五郎君    西宮  弘君
      肥田 次郎君    内海  清君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (大臣官房長) 辻  章男君
        運輸事務官
        (海運局長)  朝田 靜夫君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  廣瀬 眞一君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道参
        与(運転局長) 石原 米彦君
        日本国有鉄道参
        与(施設局長) 柴田 元良君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 委員島上善五郎君辞任につき、その補欠として
 松井政吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
 委員松井政吉君辞任につき、その補欠として島
 上善五郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月二十二日
 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六三号)
 日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補
 給臨時措置法案(内閣提出第六四号)
同月二十一日
 長野県内国鉄輸送改善に関する請願(小川平二
 君紹介)(第六九四号)
 同(下平正一君紹介)(第七八九号)
 同(中澤茂一君紹介)(第七九〇号)
 鹿屋市に測候所設置の請願(二階堂進君紹介)
 (第八〇〇号)
 隼人、古江間国鉄自動車路線の延長に関する請
 願(二階堂進君紹介)(第八〇一号)
 鹿児島県内之浦町に鹿児島海上保安部分室設置
 に関する請願(二階堂進君紹介)(第八〇二
 号)
 鹿屋市に国内航空路開設に関する請願(二階堂
 進君紹介)(第八〇三号)
 国分、古江両駅間鉄道敷設の早期完成に関する
 請願(二階堂進君紹介)(第八〇四号)
 鉄道敷設予定線古江線の延長に関する請願(二
 階堂進紹介)(第八〇五号)
 鹿屋市に国際空港設置の請願(二階堂進君紹
 介)(第八〇六号)
 古江線の調査線編入に関する請願(二階堂進君
 紹介)(第八〇七号)
は委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六三号)
 日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補
 給臨時措置法案(内閣提出第六四号)
 派遣委員より報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 先般東北、北陸地方の豪雪による運輸施設の被害について、本委員会より委員を現地に派遣し、実地調査をいたしましたので、この際派遣委員よりその調査報告を聴取いたしたいと存じます。
 肥田次郎君。
#3
○肥田委員 冒頭にちょっとお断わりしておきたいと存じますが、今度の豪雪調査に派遣をされまして、各地域を視察いたしましたが、運輸関係の特に著しい被害に対する調査という件につきましては、国鉄の被害という別な資料がありますので、それは後刻見ていただきますし、内容の報告もそれに書いてあると思います。従って全般的に見て参りました地域は陸上運輸を兼ねたような概念的な報告になりますので、あらかじめ一つ御了承をいただきたいと思います。
 私は今般六委員会で行なわれました雪害調査について、運輸委員会を代表して参加いたしました。本調査班には、私のほかに地方行政委員会からは二宮武夫君、大蔵委員会からは広瀬秀吉君、文教委員会からは上村千一郎君、建設委員会からは木村守江君及び民社党を代表して井堀繁雄君が参加いたしました。なお農林水産委員会から大野市郎君が同行されました。
 調査した地域は、山形県、秋田県及び新潟県下でありまして、二月十三日から十八日までの六日間にわたって調査して参ったのであります。
 この雪害を起こした原因についてはすでに御案内だと思いますが、昨年の十二月二十八日に千島方面に去った低気圧が北西に逆戻りするという異常進路をとって三十日にはオホーツク海に入ったために、その低気圧の中心から南西に伸びる気圧の谷は日本海南部を通って北陸方面に走りその上空に冷たい空気が侵入しており、一方大陸から張り出した高気圧は日本の南部から南の海上に強く張り出してきた。このために北陸地方の沿岸に前線ができて、日本海から吹きつける北西の風は、平野部にある前線面にぶつかって上昇気流を起こした。とりわけ上空に侵入した寒気は空気の層を一そう不安定にして上昇気流をますます強くし、濃密な雲を作って平野部に多量の雪を降らす結果となったということが気象台の方から報告されております。この豪雪は強い季節風によるものではなくて、南からの弱い風によるところの大雪の好条件によって起きたものであります。そのために異常の豪雪となり、海岸線から平野部にかけて、その量も記録的でありまして、山形県尾花沢では三・二五メートル、秋田県沼館では一・五メートル、新潟県塚山では三・九〇メートル、こういう数字が出ております。本年の一月以降の降雪も平年度を上廻って、私たちの調査中も連日、風雪注意報が発令されているという状況のもとにありました。
 私たち調査団は、十三日九時三十五分上野発の汽車に乗りまして、十五時三十五分米沢市に到着いたしました。市内の積雪状況を視察して、東南置賜地方事務所というところに参りまして、関係者や地元代表から陳情を受けました。この地域の交通は、冬はだめだというのであきらめている実情を私たちは看取いたしました。また食のがまんはできても、屎尿の処理だけには全くお手上げをしている。こういう実情が報告されました。全く悲惨なありさまであったのであります。
 さらに調査を進めて夕暮れの中を上山市に参りました。折から雪はどんどん降っておりまして、ますます激しくなって、翌朝の十四日の朝には新しく雪が六十センチも積もりました。この朝八時三十分に出発して、ジープで山形県庁に行きまして、県庁の関係者から雪害の報告資料、陳情等を受けました。そうして大石田町の調査に参りました。大石田町ではいよいよ積雪が激しくなって参りました。また同時にこの地域ははなはだしく雪害がありまして、こうした中で風雪をついて、さらに新庄市に進みました。大石田−新庄間は平常自動車の時間で行くと一時間くらいで到着するところでありますけれども、数メートルの積雪と吹雪のためにジープが難航して、三時間を費してやっと新庄市に到着できた、こういう事情でありました。ここは山形県下で第一といわれるところの多雪地帯でございまして、国道の雪は道の両側にはね上げられて、三メートル以上の壁を作っております。この雪の堀割のようになったその底をジープで走ったのでありますが、この日一日じゅうでトラックその他の自動車と行き違った数はたった三台くらいでありました。いかに交通が途絶しておるかということがこれでわかると思います。写真でも見られるように、家は雪の中にすっぽり埋まってしまいまして軒からは白い象のきばのようなつららが下がっておるという状態でありました。樹木はその枝に三十センチ以上の積雪を重そうにささえておりますし、果樹は大部分雪に埋もれており、たまたま幹の現われているものは、むざんにも三つにも四つにも裂けておる、こういう状態であります。
 この実情の中で陳情を受け、さらに足を伸ばしまして横堀町から雄勝というところに向かいましたが、ここでは吹雪が激しく、とうとうブルドーザーの御厄介になって、ブルドーザーが先で雪を分けながら夜道を進んで行く、こういう状態でございました。
 十五日も八時に出発いたしまして湯沢まで参りましたが、この間は四十分ぐらいが通常のコースでありますけれども、当日は二時間ほどかかり、この間でもトラックとバスに行き会ったのはたった四台でありまして、ここでも全く交通が麻痺をしておる、こういう状態でありました。湯沢、十文字、横手と順次調査いたましたが、ともに秋田県の中で最積雪地でありまして、それぞれの自力で雪と戦っておる、こういう実情の陳情を受けました。
 この地域で特に感じましたことは、トラックだとかその他それぞれが持っておるところの車が冬はもう動かないものだという状態でありまして、かすかに動いておるバスなどにおきましては、それぞれのバス会社が経費の大部分を負担して道路の除雪をやっておる、こういう実情であるのであります。
 続いて秋田県庁に着いたのは午後の四時三十分ごろでありましたが、秋田市は当時十五メートルくらいのすさまじい吹雪の町でありまして、私たちはこうした中を、予定が狂いましたけれども、この予定を取り戻すために、夜おそくまで、知事を初め交通関係あるいは商工関係の代表者、こういう人と雪害についての対策をいろいろと意見をかわしましたけれども、この内容についてもあとから取りまとめて報告をいたしたいと存じます。
 十六日、秋田を出発して、新津市を経て新潟市へ参りました。この新津―新潟間において初めて雪のない道路を走ったのでありますが、これは国の直轄管理にあるところであります。従って完全な除雪が行なわれておりました。同じ国道であっても、国道が四十キロ続いて舗装をせられていなければ国で除雪をしてくれないということがここで明らかになりました。従いまして、四十キロ続いておるところの国道については、国が管理をしてくれるから除雪ができる、それでないところは、先ほど言いましたように、道の両わきに雪をはね上げて、そして雪の谷間の底を車や人がやっと通る、こういう事情であったのでありまして、全くその差のはなはだしいことに驚いたのであります。
 新潟市でも、夜間でありましたが、県の関係者からいろいろと説明を聞いて、調査は十七日にいたしました。
 新潟県は特に果樹の産地としても盛んなところであります。まず新飯田と三条の果樹地帯の被害を見て参りましたが、これは今まで見たどの被害よりも実に惨たんたるものでありました。このあたりは積雪の累計は八メートルをこえたと記録されております。現在なお三メートル近くの雪が残っておりましたが、二メートルくらいが根雪で、その上に雪が降る、こういう状態でありました。ゴムの長ぐつを借りまして、その上に米俵のふたを取りつけて、一時間ほどにわたってその地域を調査して参りましたが、二十年から四十年をかけて丹精をこめたナシであるとかブドウであるとか、こういう果樹が、折れたり倒れたり裂けたり、見るもむざんな全滅の姿でありました。融雪のときの雪の重さというものは、ちょっと想像ができないほどの力が出るそうでありまして、水の一に対して四くらいの比重を持っておるそうであります。従ってコンクリートの橋でも折れるということが報告されておりますが、この地域でのブドウのたなは六番鉄線くらい、これをささえておる支柱はカシの木の五寸丸太でありましたが、これらがみな切れたり折れたりしておりました。
 長岡市への途中、たっての要望がありましたので、中之島村というところに参りましたが、ここではもうすでに融雪が始まるというよりも根雪が少しずつ解け出しておりまして、これがたまってもうすでに道にあふれて家に浸水をしておる、こういう状態でありました。
 長岡市に着きまして、ここでは調査の最終的な意味をも含めていろいろと意見の交換をいたしましたが、結論的には融雪時の被害がこれからさらに大きくなってくるから、今直ちにここで被害の結果についてこれこれだという結論を得ることはむずかしいであろう、そこで雪の融けるころにもう一度調査に来てもらいたいというたっての要望があり、その必要があるだろうということを認めて帰ったような次第であります。
 以上はなはだ簡単でありましたが、これら豪雪地帯の概念的な調査、いわゆる日程的な目で見ただけの概要の報告であったわけであります。現在降雪はまだ続いておりますし、被害についても今後における増大の比重がこれに加わるものと考えられますが、中間的時期にありますから、これらの被害の現在における集約の被害は不可能であります。従って、調査をした三県内の古町村は大別して十四カ所、被害の概要は山形県で十五億円、秋田県で十一億四千万円、新潟県で四十九億円、これはい、ずれも現在われわれのもとに送られた資料による数字でありまして、このことを報告といたしたいと思います。
 さらにこれらの要望、陳情等を要約いたしますと、この数十種に及ぶ陳情、要望を要約いたしまして、われわれがここで概要的にまとめましたものは、冬季輸送路確保のため除雪対策の強力な推進をしてもらいたい、これが一つであります。それから雪害に基因する滞貨の一掃のため貨車の円滑なる配車をしてもらいたい、これが一つであまりす。と申しますのは、これにちょっと注釈を加えますと、降雪のために交通が途絶する。そうして外部からいろいろと生産のための資材が入ってこない。それから生産はできてもその生産品を運び出すことができない、こういうことのために、この雪害地域においては産業がほとんど冬眠をしておるという状態でありました。それから百貨店あたりでも店を開くけれども、午前中にたった一人くらいしかお客が入ってこなかった。しかもそれが買わなかったというような状態もありましたので、特にこういう点を考慮してもらいたいということが言われたわけであります。それから奥羽本線と北陸本線等の早期複線化を促進してもらいたい。これについては非常に困難な事情があることはよくわかるけれども、たっての要望としてこういうことをつけ加えます。それから冬期輸送量の確保のために陸上輸送と海上輸送物資の品目について総合的な検討をしてもらいたい、こういうことでありますが、これらもいろいろと事情を聞きましてその必要を、われわれとしても何とか解決しなければならぬということを考えた次第であります。特に冬季の輸送に対しまして先ほど言いましたように、それぞれが持っておる自動車、自家用の車、トラック、こういうものがすべて個々の一人々々の力によって動かされておる。集団した力によってこれらの操作が考えられておらない。こういう点については運輸対策上何らかの指導が必要であるということも実は考えられたのであります。
 以上で雪害地の調査の概要についての報告を終わります。
 ついでにこのことについて一つ付記して決議をしてもらいたいことがありますので、これを続けて一つ申し上げたいと思います。
 災害地の救援及び復興対策につきまして、調査団が二十二日に集まっていろいろと検討いたしました。その結果何といっても先だつものはこれらに要する資金でありますので、これには大蔵委員会に対して豪雪についての連合審査会を開くよう申し入れをすることが必要だ、こういう結果になりました。従って、そういう申し合わせをいたしましたので、本委員会におきまして大蔵委員会に対して連合審査会を開くよう申し入れをすることについての決議をしていただきたいと思うのであります。
 以上報告と、それから決議についての申し入れについて私の提案を終わります。
#4
○三池委員長 肥田君に申し上げますが、連合審査会の開会の申し入れにつきましては、報告を終わりましたあとで諮ることになっておりますから、御承知をお願いします。
 次に壽原正一君。
#5
○壽原委員 今回の雪害調査で私は北陸地方を調査して参りました。回った県は、福井、石川、富山三県でございます。
 これは六委員会合同で行なわれたもので、私のほかに地方行政委員会からは宇野君、大蔵委員会からは米山君、女教委員会からは井伊君、建設委員会からは岡本君、農林水産委員会からは角屋君、そのほかに民社党を代表いたしまして内海清君が参加せられまして、三県を二月十三日から十八日までの六日間にわたって調査して参ったのでございます。
 雪害の原因は、ただいま東北の調査の方によって詳しく申し上げられましたが、いずれも同じ状態でございまして、十二月の二十八日から急激に勢力を増した豪雪が、年末の冬型としては明治三十年来の異例の大雪でございました。そのために風が弱いときには大雪という北陸前線の常識を破る猛吹雪が本年の一月上旬まで三県下を荒れ狂って、全交通機関に多大の損害を与えたわけでございます。それでかつてない大雪害が三県とも同様になされたのでございます。
 各県の雪害状況については、本調査団は、福井県では福井市、吉田郡、勝山市、大野市、足羽郡、坂井郡の三市三郡を、石川県では加賀市、小松市、能美郡、石川郡、金沢市、河北郡の三市三郡を、また富山県では西礪南郡、高岡市、射水郡、富山市、婦負郡、中新川郡、滑川市、魚津市、黒部市、下新川郡の五市五郡を調査して参ったのでございます。各県下の全域にわたる豪雪は、二月の中旬に至ってもなお降りやみません。平年度をはるかに越える激しさを見せたのであります。福井県の南大谷では百三十三センチ、石川県の目附谷では二百五十七センチ、富山県の東部山沿い地方では二百三十センチ以上の積雪を記録しておりました。私らが調査に参りました期間中も連日の大雪注意報が発令されておるといった状態であり、特に福井県においては勝山市から大野市への道中、福井、石川の県境における倶利加羅峠越え、さらにまた富山市以北の黒部、下新川町にかけての丈余と思われる雪中視察を終えたのでございます。折からの猛吹雪のために視界が全くききませんで、しばしば停車して文字通りの牛歩前進を行なうなど、実に言語に絶する難行軍を繰り返したのでございます。富山県下には約二時間半くらい時間が遅延いたしまして、夜の五時近くになって向こうに着いたような状態でございます。三県下の雪害状況については、各県庁においてそれぞれ知事を初めとして担当官あるいは外郭団体等から詳細に説明を聴取いたしまして、かつまた雪害復旧に対する要望等を受けたのでございますが、各県の東、西部山沿い地方、沿岸地方、平野部の現地において、倒壊家屋、農山林被害なかんずく果樹のブドウだなあるいは枝の折れたもの、すなわちリンゴ、ナシ、カキ等であります。さらに立木等林産物の被害、ほんとうにこの状態は悲惨な状態でございました。さらに文教施設等の被害、道路の損傷等は見る影もないような状態を直接に見聞することができたのでございまして、その甚大な被害に驚いたような次第であります。
 さらに三県ともいまだに降雪季にある関係上、豪雪のため輸送の停帯による生産能力の低下、商工業等営業の休止による損失等、長期にわたって県民生活に及ぼす影響ははかり知れないものがあり、まことに憂慮すべき状態にあると思うのであります。
 視察当時までに判明した三県下の被害額はおおむね次の通りでございます。福井県下では総額十三億五千万、本運輸関係だけが約四千万程度となっております。石川県においては総被害額か十三億六千万円、交通関係が――これは国鉄を除いてありますが、八千六百万、国鉄管内を全部合わせますと四億二千万というような膨大な被害額になっております。富山県におきましては総額が一億七千万、運輸関係においては一億三千一百万、こういう膨大な数字の損害を受けておるのでございます。なお三県下とも融雪の時期においてはその被害額はさらに増大をするだろうというような見方をしておるものでございますが、先ほどの御説明の通り、三県とも雪解けにはもう一ぺんの御視察を願いたいという要望がございました。現在出された数字は私らが参りましたときの数字でありまして、雪解けには約倍額――三十億以上になるのではないかというように予想されておるのでございます。
 各県の雪害対策については、豪雪の襲来によって北陸線及び地方鉄道、バス路線等は完全に麻痺状態になり、このため上野発北陸号の百時間以上の遅延を最高として立ち往生列車が各地に続出するというような、県民の生活に未曾有の緊急事態が惹起されたことにかんがみまして、各県とも直ちに雪害対策本部を設置してこれに対処したのであります。その処置のおもなるものは次の通りでございます。自衛隊の協力を要請いたしましてすみやかにこの問題についての御協力を願ったわけであります。また鉄道沿線の除雪に対しては市町村へ協力を要請し、また列車内のお客さんに対しましては暖房の設備あるいは食事、宿泊等のあっせん及び協力をしていただく。県民に対する除雪、消防等の指不あるいは食糧の確保、物価の高騰の抑制及び特別融資あるいは道路の除雪、排雪、船舶による交通の確保など、各県は全力をあげて県民の保護と雪害復旧に努めて、これに要する緊急費用として三千万円ないしは一億以上を投じて万全の方策を講じつつあるのでございます。
 以上申し上げましたように、かつてない豪雪による県民の悲境にかんがみまして、各県から次のような要望事項がございましたので、そのおもなるものを一括して今回の雪害調査に関する実情報告にいたしたいと存じます。
 要望事項といたしましては、一般関係でございますが、雪害対策基本法というものを制定してくれないかということでございます。積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法による農業の振興、積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法による道路交通の確保、地方交付税法における基準財政需要額算定のための寒冷補正などの諸制度があるのでございますが、これらは相互に関連なく、断片的に規定されているのみならず、雪害対策に関し十分な成果を期待し得ないので、この際防災並びに雪害に対処するための総合的な特別法の制定をはかられたいという要望でございます。
 最後に、私ら運輸関係として調査した結果、積雪による国鉄の運行停止は、産業、経済及び国民生活に及ぼす影響がきわめて重大なのでございまして、国鉄の妨害、除雪体制の確立と緊急輸送対策の整備をはかられたいと存ずるわけであります。今次の降雪による北陸本線の長期間にわたる機能の低下の経験にかんがみまして、北陸本線の複線、先ほど申しておったようでございますが、複線工事というものを必ず万難を排してやっていただきたいという要望、またこれに対しては電化工事をできるだけすみやかに完成するよう御配慮願いたいという運輸関係に対して強い要望があったのでございます。また、自動車の状態は昨年の二十八日から今年の四日までは完全に停止されたような状態で、これに対する業界あるいはバス、トラック、乗用車、いずれを問わず大へんな損害をこうむっておるというのが実情でございます。最後に各県民の皆さんの要請である雪害対策基本法というものの設置方を特に頼まれまして、私らは視察を終えてきたわけでございます。
 以上、御報告を終わらせていただきます。
     ――――◇―――――
#6
○三池委員長 この際お諮りいたします。
 ただいま派遣委員より聴取いたしました東北、北陸地方における雪害に対しまして、ただいま肥田委員からも決議の要望がありましたが、その対策のため金融措置などの問題について大蔵委員会に連合審査会の開会の申し出を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○三池委員長 御異議なしと認めまよって、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会予定日は二十七日であります。
     ――――◇―――――
#8
○三池委員長 次に、去る二十二日本委員会に付託されました国内旅客船公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法案(内閣提出)を一括議題といたします。喪失した商船隊の急速な回復をはかって参りまた。しかしながしら、わが海運企業は、戦時補償の打ち切りによって全く自己資金を持たず、もっぱら借入金によって新船建造を行なわざるを得なかったので、その資本構成は逐次悪化し、これにわが国の金利水準が国際水準から見て著しく割高である事情が加わって、その企業内容は極度に悪化することとなったのであります。従って、かかる割高な金利負担を国際水準並みに軽減して、その国際競争力を強化することは、海運政策上最も必要なことであり、昨年市中金融機関の行なう融資につきまして利子補給を行なうことをお認め願った次第であります。
 しかしながら、わが国海運の国際競争力強化のためには市中融資に対する利子補給のみではなく、船舶建造融資の五〇%以上を占める日本開発銀行の融資についても、その金利負担を軽減することがぜひとも必要であります。特に最近輸出入銀行の輸出船に対する低金利と開銀金利との不均衡が表面化して参りましたので、この間の事情も考慮し、明年度から日本開発銀行の融資に対しても利子補給を行なうことといたし、この法案を提出いたした次第であります。
 この日本開発銀行に対する利子補給は、来年度からの開発銀行融資による造船に対して適用されるもので、補給率は一分五厘とし、また最初の融資後五年間行なうことといたしております。ただ、今後におけるわが国経済の動向並びに金利低下の傾向を勘案し、一応契約締結期間を三年間といたしております。これに必要な明年度の予算措置は、支出額千八百万円、債務負担行為額約九億六千千万円であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 まず第一に、政府は、日本開発銀行と契約を結び、外航船舶建造のための同行の融資につきまして、当該融資の契約上の利率(年六分五厘)と年五分との差を限度として利子補給金を支給することができることといたしております。
 第二に、利子補給金の支給年限、予算による制限、支給限度額及び日本開発銀行の利子引き下げ義務等利子補給制度の基本的事項を、市中金融機関に対する利子補給制度にならって規定いたしております。
 利子補給金は、政府から日本開発銀行に支給されるものでありますが、同行がその受けた利子補給金に相当する額だけ船主から受ける利子額を差し引かなければならないことといたしており、船主の利子負担はそれだけ減少することとなるのであります。
 次に、海運会社が一定率以上の利率を計上した場合の国庫返納、海運会社に対する監査、勧告、海運会社及び日本開発銀行の義務違反に対する措置等につき、市中融資に対する利子補給の場合と同様に規制するため、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法中の関係条文の適用ないし準用を規定しております。
 最後に、さきに述べましたように、
 この日本開発銀行に対する利子補給は、昭和三十六年度以降三年間の開発銀行融資による造船に限っておりますので、契約締結期間を昭和三十九年三月三十一日までとすることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由と概要でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを希望
 いたします。
#9
○三池委員長 両案に対する質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#10
○三池委員長 この際、山口委員より発言を求められておりますので、これを許します。山口丈太郎君。
#11
○山口(丈)委員 私は運輸大臣並びに事務当局に御要望を申し上げたいと思うのであります。
 ただいま日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置についての法案並びに戦標船の代替船建造に関する措置としての国内旅客船公団法の一部を改正する法律案の説明を聴取いたしました。これで運輸省関係の予定されておる予算を伴う法律案につきましては、三件の法案が提案され、本日そのうちの二件がただいま説明になったわけであります。港湾整備緊急措置に関する法案が一件審議中であります。
 御承知の通り、すでに予算案はその総括質問を終わり、各分科会の審査にこれが付されんとする状況にあります。従って、私どもこの予算を審議するにあたりまして、その予算を伴う政府提出の法律案が、少なくともこの予算の審議中に全部提案され、その内容が説明されない限りは、私どもはこの予算の骨格がどういうものであるか、また予算の実質的な施行内容がいかなるものであるかをうかがい知ることができないのであります。しかるに今日、このような事態に差し迫っているにもかかわらず、本日まで予算を伴う法律案は、さきに申し述べました本日二件の説明を合わせてわずか三件であります。ただいままで運輸委員会は数回にわたって開催せられておりますけれども、事務当局の出席を見ましても、たとえば港湾に関することについてただ港湾局長が出席するのみであります。私どもは、港湾を整備するという限りにおいて、ただその港湾に関係することのみを審議するわけには参らぬのでありまして、その背後における産業立地計画、あるいはまた港湾整備に伴う付随諸施設の進行状況等につきましても、つぶさにこれを審議して適否を判断することが私は妥当だと思うのであります。しかるに今日までのその審議状況を見ますると、さきに申し述べました通り、はなはだもって私は熱意のないことをうかがい知るのであります。こういうことで差し迫って会期が迫ってくるにつれて、法案を一気に上程をして、そしてその内容の審議も詳細をきわめないうちに、ただ日程的にこの法案の衆議院の通過をねらわれましても、私どもとしてはこれに協力することができないのであります。そういうことは不可能であります。予定されておる十三件の法案のうち、予算を伴う案件は七件に及ぶと聞いておりますが、運輸省当局は一体これをどういうように処理されようとするのであるか、この会期中にこの予算を伴う法律というものが成立しないでもいいとお考えになっているのかどうか、はなはだもって熱意のないことだと私は思うのでありますが、その所信を一つ運輸大臣からもお聞かせ願いたいが、当局は一体法律案提出の作業をどのようにお進めになっておるか、その内容についてもお聞かせ願いたいと思う。
#12
○木暮国務大臣 ただいま運輸省に対する御質疑を伺いまして、まことにごもっともな御意見と感ずるのでございます。予算を伴う法律案は、予算審議とともに並行して御審議を国会にお願いをいたさなければならぬということは、条理の上から見て当然でございます。これは長い国会生活におきましていつも御議論になるところでございまして、まさに正論でございます。ただいろいろ各省の間の事務的な連絡等がございますものですから、内閣その他においてこれが督促をいたしましても、今御指摘のようにややともするとおくれがちでありますことは、まことに不手ぎわの結果でございまして、深く遺憾の意を表するとともに申しわけない次第であると存ずるのでございます。運輸省といたしましては、予算に関連いたしまして、法律案として皆様方の御考究、御審議をお願いいたします案を一日も早く出したいと考えまして手順を進めておるわけでございまして、具体的にそれではいつどういうふうになるかということにつきましては、官房長からただいま詳細に御説明申し上げますので、御了承を願いたいと思いますが、私どもの気持は、ただいま御指摘の通り、おくれるということに対しましては、まことに国会の皆様方の御審議に支障のあることをおそれて、遺憾の次第であるということを考えておる次第でございます。
#13
○辻政府委員 ただいま山口先生からの御指摘の通り法案がおくれまして、私ども事務当局といたしましてもまことに申しわけないと思っております。これは、大臣からただいま申し上げました通り、予算はきまりましても、そのやり方等につきまして財務当局あるいは内閣との打ち合わせがございまして、決してわれわれ一同怠慢であったとは考えていないのでございますが、微力のせいもございまして、話が長引きまして今日に至ったような次第でございますので、まことにその点申しわけないと思います。今御指摘がございましたように、きょう提案理雪崩申し上げました二法案を合わせまして三法案が提案されたのでございますが、残っておりますのが国鉄運賃法の改正の法案と、それから国鉄の新線の利子補給に関する法案、それから港湾法の一部を改正する法案でございまして、これらはいずれもおそくとも来週の火曜日までには委員会に付託できるように今鋭意努力いたしておりますので、何とぞ事情を御了承願いたいと思います。
#14
○山口(丈)委員 私は、ただいまの官房長の御説明を聞いて、いかに事務当局に熱意がないかということを知ってさらにあぜんとしておるのであります。ただいまの説明の中の港湾整備緊急措置法は、ちゃんと説明になってただいま審議中であります。それ以外に、港湾法というのは一体どこにあるのですか。そういうものは予定されておる中には、私はまだ承っておらぬのであります。鉄道営業法その他、この国有鉄道の運賃改正法等の重要な法律案はもとより、鉄道と道路との交差に関する法律案あるいは公共企業体職員等共済組合法の一部改正法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案など、承るところによりますと非常に重要な法律案があるのであります。今官房長の言われるところによれば、予算は通ってもその運用内容について法律をともに審議してもらったらいい、こういうような声に私は聞くのでありますけれども、これはまことにもって私は了解に苦しむ言葉であると思うのであります。少なくとも予算を審議するにあたっては、予算委員会においてその予算の内容を審議いたしておるのでありますけれども、しかしその予算委員会において審議せられる予算審議内容のみをもって、国家予算というものは審議し尽くされたものではないのでございます。それなるがゆえに、各省各部にわたって委員会が持たれ、その委員会においてそれぞれの省に属する予算を伴う法律案が提出され、それが同時審議されて、それによって最終的に予算の骨格が明らかにされ、そうしてその予算に対する政策についての態度が明確になって参るのでありますから、従ってたとえば運輸委員会に属する法律案が予算委員会の議に上せないものであるからといって、予算が成立した後でもその法律があなた方の手によって審議されて、その運用内容だけがつまびらかになればいいのであるというようなお考え方は、これは私はこの委員会を全く付随的に考えたものだと思う。そういうようなことは、私としては受け取りがたい言質だと思うのであります。あなた方がそういうようなお考えでおられるということになれば、これは会期はどんどん進みますし、法律案は今日のように渋滞をして、われわれの審議に対して非常な迷惑をかけるということになる。いわんや、この委員会を運用せられておる委員長の苦心というものも、そこに生まれてくると思う。でありますから、そういうようなあなた方の考えというものは、これは一掃してもらわなければならぬと思いますが、運輸大臣はどうお考えになりますか。
#15
○辻政府委員 今私の申し上げたことは、言葉が足りませんで多少誤解を招いておるように考えられるのでございますが、私が先ほど申し上げましたのは、政府部内におきまして予算案が決定いたしましても、そのきまりました予算を執行するにつきまして、法律をもってその予算の執行を裏づけるか、あるいは法律なしで行政的な運用でやるとか、あるいは法律をもって運用を義務づけるにいたしましても、その法律案の内容といたしまして、いろいろ政府部内において調整を要するということを申し上げたいのでございまして、その調整のためにひまどりまして、まことに申しわけないことになっておるということを申し上げた次第でございます。ただいま先生の御指摘のように、法律案が通れば、ただ、予算案と離れてその運用だけを、審議をお願いすればいい、そういう気持は全然持っておりませんので、この点さように御了承願いたいと思います。
#16
○肥田委員 関連してお伺いしますが、そうすると、第一回でしたかの運輸委員会で示された提出予定法案、あれは今後どういう形になるのですか、それを一つ聞かしてもらいたいと思います。新たに何かはかのものが出てくるのか、それともああして予定されたものは、今後どの程度のものが出るのか出ないのか、これを一つ聞かして下さい。
#17
○辻政府委員 当委員会におきまして運輸省の方から提出予定法案として申し上げた法案は、たしかモーターボート競走法を入れまして十三件と申し上げたと記憶いたしております。ただいま肥田先生からも御指摘がございましたし、また先ほど山口先生からも御指摘がございましたが、港湾法の一部を改正する法律案が一件最近になりまして至急追加するということに相なっております。この内容はいずれ当委員会で詳しく御審議願うことになると思いますが、これは新潟県の地盤沈下の対策といたしまして、従来ああいう類のものにつきましては国庫の負担が五割であったのでございますが、新潟県の財政能力その他を考えまして、特に新潟県の地盤沈下に関しまする港湾の修復等につきましては国庫負担を六割にしようということで、実は予算はそういうことになっておりまして、それで財務当局とこれは行政措置でやり得るかどうかということで検討しておったのでございますが、最近になりまして、やはりこれは法律を改正いたしまして負担率を明確に法律によって運用することが望ましいということで、政府の意見が最近になりましてそういうふうに決定になったものでございます。一件その点だけを追加させていただきたい、かように考えておる次第であります。
#18
○山口(丈)委員 ここで申し上げておきますが、先ほど申し上げたように、予算の分科会その他によって、今月中はもう事実上当委員会の開催は不可能であります。けれども、私はこの際当局に言っておきますが、今日のような法律案の提出状況を続けていくとすれば、会期中にあなた方の予定されておる法律案は提出されるかどうかも危ぶまれるような状態にあります。少なくとも予算を計上した以上は、事務当局としては直ちに、少なくともその審議に支障のないよう、予算案はもちろんのこと、法律案も同時に提出でき得るように措置することが私は常道だと思う。しかるに予算は計上した、法律案の準備はしたが、各省間の事務の疎通をはかることができないために法律案を提出できないなどというようなことは、まことに軽率なやり方であって、そういうことが平然と行なわれるということは、これは私は国会の軽視にまで発展するものだと思うのです。従って、もう少し私は熱意をもってこの運輸行政各般にわたる施策を推進してもらいたい。当委員会に対しても、従って、港湾といえば港湾だけでいいではないかというので、他の関連しておる行政官が少しも出てこないというような不熱心さでなくて、進んで協力して当委員会に出席をして、運輸行政機能の全力をあげて行政の円滑化に努力をせられるように希望いたします。
 同時に、今申しまするような調整が必要であるとするならば、すみやかに事務当局の間において諸法律案に対する事務諸手続一切を完了して、当委員会に提出せられるように希望いたします。もしそういうような処置がとられないとするならば、いさぎよく予定せられておる法律案を撤回せられるべきだと私は思う。従って、強くそれを要望しておきたいと私は思います。
#19
○木暮国務大臣 先ほど申し上げました通り、まことにごもっともな御意見でございます。国会のどなたも同じ御意見で、予算を伴う法律案は、予算案と並行して審議すべきものと御要求に相なることは当然だと思うのございまして、おしかりを受けるようなことに相なりましたことは、重々不行き届きの点があるのでございまして、これは今度に限ったことではございません。今後における国会に対する法律案提出にまことに適正な御注意をいただいたものと考えまして、今後も十分注意をいたすことにいたしますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
#20
○三池委員長 次回は来たる三月三日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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