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1960/03/25 第38回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第17号
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1960/03/25 第38回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第038回国会 運輸委員会 第17号

#1
第038回国会 運輸委員会 第17号
昭和三十六年三月二十五日(土曜日)
    午後三時五十八分開議
 出席委員
   委員長 三池  信君
   理事 有田 喜一君 理事 生田 宏一君
   理事 尾関 義一君 理事 川野 芳滿君
   理事 高橋清一郎君
      伊藤 郷一君    亀岡 高夫君
      木村 俊夫君    河本 敏夫君
      佐々木義武君    壽原 正一君
      鈴木 仙八君    關谷 勝利君
      塚原 俊郎君    細田 吉藏君
      前田 義雄君    増田甲子七君
      山田 彌一君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
 出席政府委員
        運輸政務次官  福家 俊一君
        運輸次務官
        (大臣官房長) 辻  章男君
        運輸次務官
       (鉄道監督局長) 岡本  悟君
        運輸次務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  廣瀬 眞一君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       十河 信二君
        日本国有鉄道副
        総裁      吾孫子 豊君
        日本国有鉄道常
        務理事     中村  卓君
        日本国有鉄道常
        務理事     兼松  學君
        日本国有鉄道常
        務理事     關  四郎君
        日本国有鉄道常
        務理事     磯崎  叡君
        日本国有鉄道常
        務理事     滝山  養君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
三月二十五日
 委員亀岡高夫君、前田義雄君、兒玉末男君、多
 賀谷真稔君、横山利秋君及び吉村吉男君辞任に
 つき、その補欠として高橋英吉君、原健三郎君、
 島上善五郎君、安平鹿一君、西宮弘君及び矢尾
 喜三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第七六号)
     ――――◇―――――
#2
○三池委員長 これより会議を開きます。
 開会前に、日本社会党及び民主社会党の委員諸君に御出席を求めましたが、御出席がありません。従って、やむを得ず遺憾ながら会議を開いたわけでございます。
     ――――◇―――――
#3
○三池委員長 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案については、すでに質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
#4
○關谷委員 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案に対しまして、賛成の討論を行ないたいと存じます。
 健全なる経済発展の基礎は輸送の円滑化にありますことは、論を待たないところであります。なかんづく産業の動脈であります国鉄輸送力の増強は、政府の所得倍増にこたえるために、緊要欠くべからざるものであることも、これまた当然であります。日本国有鉄道においては、そのために昭和三十六年度よりの輸送力増強の新五カ年計画を樹立いたしまして、その資金調達の方法といたしまして、実質運賃の一二%の値上げを行なうことは真にやむを得ざることであって、私は賛成をするものであります。もし借入金でこれをまかなうといたしますならば、昭和四十年度におきましてはその総高が一兆一千億となり、利子負担のみでも年に七百億を要することになりまして、健全なる経営の維持は、とうてい困難であります。しかも、今回の値上げ後における運賃の物価指数を見ましても、昭和十一年の平均物価指数の三百三十六倍に比較いたしまして、貨物において二百十四倍、旅客において百七十九倍でありまして、きわめて低廉なものであります。決して不当なる値上げではないのでありまして、妥当と申さなければなりません。
 なお、これが家計に及ぼしまする影響は、わずかに〇・一%にすぎないのでありまして、これはたえられないものではないといわなければなりません。一部には、国鉄の健全経営のためには、この際運賃値上げによらずして、公共負担を一般会計からの繰り入れによるいわゆる国民の税負担によるべしというものがあるのでありまするが、これは、五百二十五億に及びまする、一戸当たり二千円になりまする増税をやらなければならないことになりまして、後進性の強い住民等、鉄道を利用いたさないものといたしましては、とうていたえ得ないところのものでありまして、これは国鉄の現実と今までの沿革を無視いたしましたる議論と申さなければなりません。
 運賃値上げの際にいつもいわれることは、国有鉄道の合理化でありまするが、すでに国有鉄道におきましては、電化、ディーゼル化、貨物駅の集約化、外郭団体の整理、遊休財産の処分あるいはガード下の料金その他の徴収も、今は徹底しておると私は見ております。その上は、赤字路線の廃止とか、あるいは非採算的な新線建設は見合わすべしというふうな議論にまで発展をいたしておるのでありますが、私たちは、これは公共性を忘れた議論であると存じまして、賛意を表しかねるものであります。これは交通に恵まれたる都市またはその近郊の人々の言う言でありまして、私たちはもってのほかであると考えております。低開発地域との格差は、そのためにますます大となり、後進性の強い地方民の利益は忘れられることになるのでありまして、経済発展を忘れたる議論といわなければなりません。
 合理化の面で取り残されておるものに、定期旅客運賃の割引率の是正並びに幹線以外の航路の民間移譲の二つがありますが、これが今回行なわれておらないことはまことに遺憾でありまして、私はこれは今後考うべき点であると存じます。大衆に迎合しあるいは内部に気がねした国鉄当局の答弁には、私は満足することができ得ないのでありまして、この点は、将来よく慎重に御考慮を願いたいと存じます。
 なお、今回の運賃値上げにおきましては、農林水産物資あるいは商工物資に対しまする従来の暫定割引は据え置いておるのでありまして、農民並びに中小企業者に対しまする影響、あるいは物価値上がりに対しまする影響等は、慎重に考慮をいたしました点も、見のがしてはならない点であります。
 国鉄の利用者大衆は、この程度の運賃値上げをせられるよりも、むしろ楽に乗れる国鉄を希望し、さらに輸送ができなくて物資の流通の円滑を欠く国鉄よりも、スムーズに物の輸送のできる国鉄を歓迎いたしておるのでありまして、今回の五カ年計画が完成の暁には、それが実現をすることになるのであります。私たちはそれを期待し、今回の値上げは、真にやむを得ざるものといたしまして、賛成をするものであります。(拍手)
#5
○三池委員長 ほかに討論の申し出がありませんので、これにて討論は終局いたしました。
 これより国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#6
○三池委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○三池委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
 次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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